カメラシステム、カメラ、及び装着型画像表示装置
【課題】大画面で画像を確認でき且つ安全性やユーザの自由度にも留意して装着型の画像表示装置を制御できるカメラシステム、及びこのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置を提供すること。
【解決手段】FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えているか否かを状態検出部109によって検出する。ユーザがカメラ100を構えている場合に、カメラ100の制御部101は、撮像部104を介して取得される画像を、通信部108を介してFMD200に送信する。FMD200の制御部201は、カメラ100から画像が受信された場合には、光学系206内の表示部に受信された画像を表示させるとともに、光学系206内のシャッタを遮光状態とする。一方、カメラ100から画像が受信されていない場合に、制御部201は、光学系206内のシャッタを開放状態とする。
【解決手段】FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えているか否かを状態検出部109によって検出する。ユーザがカメラ100を構えている場合に、カメラ100の制御部101は、撮像部104を介して取得される画像を、通信部108を介してFMD200に送信する。FMD200の制御部201は、カメラ100から画像が受信された場合には、光学系206内の表示部に受信された画像を表示させるとともに、光学系206内のシャッタを遮光状態とする。一方、カメラ100から画像が受信されていない場合に、制御部201は、光学系206内のシャッタを開放状態とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの目に装着可能な装着型画像表示装置とカメラとを有するカメラシステム、及びそのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機器の小型化及び高機能化の流れが加速しており、こうした高機能な機器を屋外等にも持ち運べるような状況になってきている。こうしたトレンドの中で、屋外でも大画面の感覚での画像の鑑賞を可能とした装着型の画像表示装置がFMD(フェイスマウントディスプレイ)やHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等といった名称で提案されている。また、このような装着型の画像表示装置をカメラのファインダ装置として利用しようとする提案が例えば特許文献1においてなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−209037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、FMD等の装着型の画像表示装置をファインダ装置として利用する場合について考えると、通常、画像表示装置の装着中においては、ユーザはカメラから送られてきた画像しか見ることができない。近年では、片目のみに装着する画像表示装置の提案もなされているが、この場合であっても画像表示装置を装着している側の目についてはカメラから送られてきた画像しか見ることができない。このような状況はユーザにとって不自由さを感じさせるばかりか、安全性の面からも余り好ましい状況とは言えない。安全性の面やユーザの自由度を考えると、画像表示装置の装着中であっても不必要な状況では肉眼での自然な視界を優先できた方が良いと考えられる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、大画面で画像を確認でき且つ安全性やユーザの自由度にも留意して装着型の画像表示装置を制御できるカメラシステム、及びこのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるカメラシステムは、カメラと、ユーザの目部に装着自在に構成され上記カメラと連携して動作する装着型画像表示装置とを有するカメラシステムにおいて、上記カメラは、被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部とを具備し、上記装着型画像表示装置は、上記カメラ側通信部から送信されてきた画像を受信する表示装置側通信部と、上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様によるカメラは、ユーザの目部に装着自在に構成された装着型画像表示装置と連携して動作するカメラにおいて、被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様による装着型表示装置は、ユーザの目部に装着自在に構成されカメラと連携して動作する装着型画像表示装置において、上記カメラからの画像を受信する表示装置側通信部と、上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大画面で画像を確認でき且つ安全性やユーザの自由度にも留意して装着型の画像表示装置を制御できるカメラシステム、及びこのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】光学系の構成の一例を示す図である。
【図3】FMDの外観図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるカメラシステムを使用する際の様子を示す図である。
【図5】図5(a)はユーザがカメラを構えたときの撮影視野を示す図であり、図5(b)はカメラを構えたときにFMDを介してユーザに見せるべき視野の状態を示した図である。
【図6】図6(a)はユーザがカメラを構えていないときの撮影視野を示す図であり、図6(b)はカメラを構えていないときにFMDを介してユーザに見せるべき視野の状態を示した図である。
【図7】状態検出部の構成の一例を示す図である。
【図8】状態検出部の構成の変形例を示す図である。
【図9】カメラのメインの動作を示すフローチャートである。
【図10】再生モードの処理を示すフローチャートである。
【図11】FMDのメインの動作を示すフローチャートである。
【図12】再生モードの処理の変形例を示すフローチャートである。
【図13】光学系の構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態におけるカメラシステムは、カメラ100と、フェイスマウントディスプレイ(以下、FMDと記す)200とを有している。カメラ100とFMD200とは互いに通信自在に接続されており、カメラ100で取得された画像をFMD200に送信することで、カメラ100で取得された画像をFMD200で鑑賞することが可能である。
【0012】
カメラ100は、制御部101と、操作部102と、撮影レンズ103と、撮像部104と、表示部105と、時計部106と、記録部107と、通信部108と、状態検出部109とを有している。
【0013】
制御部101は、カメラ用に構成されたLSI等から構成されており、ユーザによる操作部102の操作を受けて図1のカメラ100内部の各ブロックの制御を行う。また、制御部101は、撮像部104によって取得された画像に対してホワイトバランス補正等の画像処理や圧縮伸張処理等を施すことも行う。
【0014】
操作部102は、ユーザがカメラ100の操作を行うための操作部である。操作部102には、例えば、カメラ100の電源のオン/オフを切り替えるための電源ボタン、ユーザが撮影の実行を指示するためのレリーズボタン、ユーザが画像の再生を指示するための再生ボタン、ユーザがカメラ100に関する各種の選択操作を行うための選択ボタン等が含まれる。
【0015】
撮影レンズ103は、図示しない被写体からの光束を撮像部104に入射させるためのレンズである。撮像部104は、撮影レンズ103からの光束に基づく被写体の像を電気信号に変換することで画像を取得し、さらにこの画像をデジタルデータとして制御部101に出力する。
【0016】
一体型表示部としての機能を有する表示部105は、例えばカメラ100の背面に一体的に設けられ、撮像部104を介して取得された画像や記録部107に記録された画像等の各種の画像を表示する。この表示部105は、例えば液晶ディスプレイ等から構成されている。この表示部105により、ユーザは被写体の構図やシャッターチャンスを確認することができる。
【0017】
時計部106は、画像の撮影がなされた日時等を計時する。記録部107は、撮像部104を介して取得され、制御部101において圧縮された画像が記録される。この記録部107には、時計部106によって計時された撮影日時等の撮影条件が付加された画像ファイルとして画像が記録される。
【0018】
通信部108は、FMD200との通信を行うための通信回路であり、制御部101の制御に従ってFMD200に画像を送信する。カメラ100とFMD200との通信方式については特に限定されるものではない。例えば、カメラ100とFMD200との間をUSBケーブル等を介して接続して通信を行う有線通信を用いても良いし、無線LAN等の無線通信を用いても良い。
【0019】
制御部101とともに送信可否判定部の機能を有する状態検出部109は、カメラ100からFMD200への画像の送信を許可できるか否かを検出する。詳細は後述するが、状態検出部109は、ユーザがFMD200を装着しており、且つ撮影のためにユーザがカメラ100を構えているか否かを検出するようになされている。制御部101は、状態検出部109により、ユーザがカメラ100を構えていることが検出された場合に画像の送信を許可できると判定する。
【0020】
本実施形態におけるFMD200は、装着型画像表示装置としての機能を有し、ユーザの目部に装着自在になされている。このFMD200は、制御部201と、通信部202と、記録部203と、表示駆動部204と、シャッタ駆動部205と、光学系206と、操作部207とを有している。
【0021】
制御部201は、通信部202の動作制御、記録部203に記録された画像の伸張処理、表示駆動部204及びシャッタ駆動部205の動作制御等の、FMD200の各ブロックの制御を行う。
【0022】
通信部202は、カメラ100との通信を行うための通信回路であり、制御部101の制御に従ってカメラ100から画像を受信する。記録部203は、通信部202で受信された画像が記録される。
【0023】
表示駆動部204は、制御部201の制御に従って、光学系206に含まれる表示部を駆動させる。シャッタ駆動部205は、制御部201の制御に従って、光学系206に含まれるシャッタを駆動させる。光学系206は、通信部202で受信された画像又は記録部203に記録された画像を表示するための表示部を含む光学系である。この光学系206については後述する。
【0024】
操作部207は、FMD200の電源のオン/オフの切り替えや、FMD200の動作モードの切り替えを行うための各種の操作部である。
【0025】
図2は、光学系206の構成の一例を示す図である。図2に示すように、光学系206は、表示部301と、光学部302と、シャッタ303とを有している。
【0026】
表示部301は、通信部202で受信された画像又は記録部203に記録された画像を表示するための表示部である。図2は、表示部301が液晶表示装置(LCD)である場合の例を示している。この場合の表示部301は、LCDパネル301aとバックライト301bとを有している。LCDパネル301aは、液晶を含む画素が2次元に配列されて構成され、表示駆動部204の制御に従って各画素の光の透過率を変化させるようになされている。バックライト301bは、例えば白色発光ダイオード(LED)を光源とし、表示駆動部204の制御に従ってLCDパネル301aの背面から光照射を行う。なお、図2の例では表示部301にLCDを用いているが、表示部301はLCDに限定されるものではない。例えば、表示部301に有機EL表示装置(OELD)を用いるようにしても良い。
【0027】
光学部302は、FMD200の外部からの光の入射方向(図示矢印方向)に対して45度の角度をなす曲面を含む自由曲面プリズム302aを有している。この自由曲面プリズム302aに形成されている自由曲面部分にはハーフミラー302bがコーティングされ、さらにハーフミラー302bには自由曲面プリズム302aのパワーを補正するための補正プリズム302cが接合されている。
【0028】
シャッタ303は、FMD200の外部からの光の入射光路上に配置されている。シャッタ303は、表示部301に画像が表示されていない場合(バックライト301bが非点灯状態の場合)に、図2(a)に示すように開放状態となる。この場合、FMD200の外部からの光が光学部302を介してユーザの目400に入射する。したがって、ユーザはFMD200の装着によって視野が遮られることなく、自然な視界を得ることができる。
【0029】
一方、シャッタ303は、表示部301に画像が表示されている場合(バックライト301bが点灯状態の場合)に、図2(b)に示すように遮光状態となる。この場合は、FMD200の外部からの光はシャッタ303によって遮光されるとともに、表示部301に表示されている画像に基づく光は、図2(b)の矢印で示したような光路でユーザの目400に入射する。これにより、ユーザは表示部301に表示された画像を見ることができる。
【0030】
図3は、FMD200の外観図である。本実施形態におけるFMD200の外観は、図3(a)に示すような、片目のみの略眼鏡状をしており、ユーザは、眼鏡と同様にFMD200に形成された弦部200aを耳にかけ、鼻当て部200bを鼻に当て付けることでFMD200を装着する。上述したように、カメラ100から送信された画像がFMD200に表示される際には、図3(b)に示すようにしてシャッタ303が閉じるようになっている。なお、図3(a)では、片目のみ装着可能なFMD200を示しているが、両目に装着可能に構成しても良い。この場合には、図2で示した光学系206は、一対設ける必要がある。
【0031】
また、図3(a)及び図3(b)は、FMD200の通信形態が無線通信の場合を示している。この場合、FMD200には、通信部202のアンテナ202aが設けられている。一方、FMD200の通信形態が有線通信の場合には、図3(c)に示すように、FMD200にケーブル202bが接続される。
【0032】
図4は、本実施形態におけるカメラシステムを使用する際の様子を示す図である。本実施形態におけるカメラシステムにおいてFMD200をファインダとして利用する場合、図4(a)や図4(b)に示すように、ユーザは目部にFMD200を装着する。この状態で、図4(a)のように、ユーザがカメラ100を構えていない場合には、カメラ100からの画像の送信が禁止される。さらに、この場合には、FMD200のシャッタ303が開放状態となって、ユーザは素通しで外界を見ることができる。一方、図4(b)のように、ユーザがカメラ100を構えた場合にはカメラ100からの画像の送信が許可される。さらに、シャッタ303が遮光状態となって、ユーザは、カメラ100から送信された画像を大画面のような間隔で確認することができる。FMD200の表示部301の表示画面は小さくともユーザの目の近くで表示がなされるので、ユーザは、2m先に数十インチの画像が見えるような体感を得ることができる。
【0033】
一般に、図5(a)のように、カメラ100を構えた状態では、ユーザの見ようとしている方向と撮影範囲とが一致しており、ユーザは写真を撮ろうという意図や意識がある。したがって、この場合には、図5(b)のように、FMD200の表示部301には、カメラ100の撮影結果に合わせた表示がなされるようにすることが望ましい。一方、図6(a)のように、カメラ100を構えていない状態で、ユーザの見ようとしている方向と撮影範囲とが一致していない。このような場合に、カメラ100の視野(破線部)が表示されてしまうとユーザを混乱させるだけである。この場合には、シャッタ303を開放状態として、図6(b)のように、素通しで外界を見られるようにすることが望ましい。
【0034】
図7は、ユーザがカメラ100を構えているか否かを検出するための状態検出部109の構成の一例を示す図である。図7に示す例において、状態検出部109は、背面レンズ109aと、背面撮像部109bとを有している。
【0035】
背面レンズ109aは、カメラ100の背面に設けられており、ユーザがカメラ100を構えたとき、即ちFMD200と背面レンズ109aとが対向状態となったときに、背面レンズ109aを介してFMD200(を含むユーザ)からの光束を背面撮像部109bに入射させるようになされている。背面撮像部109bは、背面レンズ109aからの光束に基づくFMD200の像を電気信号に変換することで画像を取得し、さらにこの画像をデジタルデータとして制御部101に出力する。制御部101は、背面撮像部109bから得られた画像を、予め登録してあるFMD200の形状パターンと比較し、画像中にFMD200の外観形状を検出した場合に、FMD200を装着しているユーザが、カメラ100を構えていると判定し、カメラ100からFMD200への通信を許可する。
【0036】
ここで、本実施形態では、カメラ100に状態検出部109を設け、ユーザがカメラ100を構えているか否かをカメラ100において判定できるようにした例を示したが、FMD200側でこの判定を行うようにしても良い。
【0037】
また、直接的にカメラ100を構えているか否かを検出しなくとも良く、例えば、カメラ100とFMD200との近距離通信を行うことによって、ユーザがカメラ100を構えているか否かを判定できるようにしても良い。図8は、このような変形例を示す図である。例えば、カメラ100とFMD200との通信形態が非接触無線通信の場合には、図8(a)のように、カメラ100にFMD200を近づけたときのみ通信が確立するようにすれば良い。また、無線LANのような、近距離でなくとも通信が確立するような場合には、例えば、ユーザの指がレリーズボタン102aに触れたときに、写真を撮ろうとする意図がユーザにあるとして、カメラ100からFMD200に対して通信要求を行うようにしても良い。この場合には、必ずしもユーザがカメラ100をFMD200に近づけていなくとも良い。
【0038】
さらには、カメラ100とFMD200とで信号の授受が可能であるか否かによって判定を行うようにしても良い。この場合には、例えば図8(b)のように、カメラ100に発光ダイオード110とフォトダイオード111を設けるとともに、FMD200に発光ダイオード208とフォトダイオード209を設けるようにする。この図8(b)の構成では、発光ダイオードとフォトダイオードとが向かい合う状態となったときのみ、各発光ダイオードからの光が対応するフォトダイオードで受光される。したがって、フォトダイオードの出力信号を制御部101及び制御部201においてそれぞれ監視することで、ユーザがカメラ100を構えたか否かを判定することができる。
【0039】
次に、本実施形態のカメラシステムの詳細な動作について説明する。
まず、カメラ100の動作について説明する。図9は、カメラ100のメインの動作を示すフローチャートである。ここで、本実施形態におけるカメラ100は動作モードとして撮影モードと再生モードとを有している。撮影モードは、ユーザが記録用の画像を撮影するための動作モードであり、再生モードは記録された画像を再生するためのモードである。これらの動作モードの切り替えは、例えば操作部102の選択ボタンの操作によって行うことができる。
【0040】
図9において、カメラ100の制御部101は、まず、カメラ100の電源がオンされたか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定において、電源がオフされている場合に、制御部101は図9の処理を終了させる。なお、電源オフ時においても通信部108は動作しており、通信部108を介してFMD200からの電源オン指示がなされた場合に制御部101はカメラ100の電源をオンさせる。
【0041】
一方、ステップS101の判定において、電源がオンされた場合に、制御部101はカメラ100の動作モードが撮影モードであるか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102の判定において、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合に、制御部101は露出補正を行う(ステップS103)。この露出補正において、制御部101は、撮像部104を介して得られる画像や専用の測光センサの出力に基づいて、被写体の明るさを測定する。そして、測定した被写体の明るさに基づき、制御部101は、撮像部104を介して得られる画像の明るさを適正な明るさとするように画像の明るさを補正する。
【0042】
次に、制御部101は、状態検出部109の出力に基づき、FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えているか否かを判定する。そして、この判定結果に基づき、FMD200との通信を許可できるか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定において、通信を許可できない、即ちユーザがFMD200を装着していないか、或いはカメラ100を構えていない場合に、制御部101は表示部105にスルー画表示を行う(ステップS105)。このカメラ100側のスルー画表示において、制御部101は、撮像部104を連続動作させ、この連続動作によって撮像部104を介して逐次得られる画像をリアルタイムに表示部105に表示させる。一方、ステップS104の判定において、通信を許可できる、即ちFMD200を装着したユーザがカメラ100を構えている場合に、制御部101はFMD200の表示部301にスルー画表示を行わせるべく、撮像部104で取得された画像を、通信部108を介してFMD200に送信する(ステップS106)。さらに、制御部101は、表示部105にスルー画表示を行っている場合には表示部105のスルー画表示をオフさせる(ステップS107)。このようなカメラ100の表示部105又はFMD200の表示部301になされるスルー画表示により、ユーザは構図やシャッターチャンスを決定することが可能である。なお、FMD200におけるスルー画表示の際にカメラ100の表示をオフするのは、ユーザがFMD200を装着してカメラ100を構えており、カメラ100の表示部105には注視しないと考えられるためである。これによって、カメラ100の消費電力の低減を図ることが可能である。
【0043】
スルー画表示の後、制御部101は、撮影者によって操作部102のレリーズボタンが押されたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108の判定において、レリーズボタンが押されていない場合には、処理がステップS101に戻る。この場合に、制御部101は、カメラ100の電源がオンであるか否かを再び判定する。一方、ステップS108の判定において、レリーズボタンが押された場合に、制御部101は、露出制御(記録用画像の取込み)を行う(ステップS109)。画像の取り込み後、制御部101は取り込んだ画像に対して圧縮処理等の画像処理を施した後、処理後の画像に時計部106で計時される撮影日時等の撮影条件を付加して画像ファイルを生成する。そして、制御部101は、生成した画像ファイルを記録部107に記録させる(ステップS110)。その後、処理がステップS101に戻る。
【0044】
また、ステップS102の判定において、カメラ100の動作モードが撮影モードでない場合に、制御部101は、カメラ100の動作モードが再生モードであるか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111の判定において、カメラ100の動作モードが再生モードでない場合には、処理がステップS101に戻る。一方、ステップS111の判定において、カメラ100の動作モードが再生モードである場合に、制御部101は再生モードの処理を行う(ステップS112)。再生モードの処理後、処理がステップS101に戻る。
【0045】
図10は、再生モードの処理を示すフローチャートである。図10において、制御部101は、記録部107に記録された画像ファイルの中で最後に記録された画像ファイルを再生の候補画像に設定する(ステップS201)。次に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか、即ちユーザにより再生モードの終了操作がなされたか否かを判定する(ステップS202)。再生モードの終了操作とは、例えばカメラ100の動作モードの切り替え操作等である。ステップS202の判定において、再生モードの終了操作がなされた場合に、制御部101は図10の処理を終了させる。
【0046】
一方、ステップS202の判定において、再生モードの終了操作がなされていない場合に、制御部101は、状態検出部109の出力に基づき、FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えているか否かを判定する。そして、この判定結果に基づき、FMD200との通信を許可できるか否かを判定する(ステップS203)。
【0047】
ステップS203の判定において、FMD200との通信を許可できない場合に、制御部101は、候補画像に対応した画像ファイルを記録部107から読み出し、画像ファイル内の画像に伸張処理を施した上で表示部105に表示させる(ステップS204)。一方、ステップS204の判定において、FMD200との通信を許可できる場合には、FMD200における画像の再生を行うべく、制御部101は、候補画像に対応した画像ファイルを記録部107から読み出す。そして、制御部101は、読み出した画像ファイルを、通信部108を介してFMD200に送信する(ステップS205)。この際、表示部105は非表示として良い。これは、ユーザがFMD200を装着してカメラ100を構えており、カメラ100の表示部105には注視しないと考えられるためである。
【0048】
画像の再生の後、制御部101は、再生画像の切り替えを行うか、即ちユーザの操作部102の操作によって、再生画像の切り替え操作がなされたか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の判定において、再生画像の切り替えを行わない場合には処理がステップS201に戻る。この場合に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか否かを再び判定する。一方、ステップS206の判定において、再生画像の切り替えを行う場合に、制御部101は、記録部107に記録された画像ファイルの中で次に撮影日時の新しい画像ファイルを次の候補画像に設定する(ステップS207)。その後、処理がステップS201に戻る。
【0049】
図11は、FMD200のメインの動作を示すフローチャートである。ここで、本実施形態におけるFMD200は動作モードとして、ファインダモードと、再生モードと、素通しモードとを有している。ファインダモードは、FMD200をカメラ100のファインダに利用するための動作モードである。また、再生モードは、FMD200の記録部203に記録されている画像を再生するための動作モードである。さらに、素通しモードは、表示部301に画像を表示しない場合の、シャッタ303が開放状態となっている動作モードである。ファインダモードと再生モードとの間の切り替えは、FMD200の操作部207によって行うことができる。
【0050】
図11において、制御部201は、まず、FMD200の電源がオンであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の判定において、電源がオフされている場合に、制御部201は図11の処理を終了させる。この場合には、FMD200による画像の表示は行われない。一方、ステップS301の判定において、電源がオンされた場合に、制御部201は、シャッタ駆動部205を制御して、シャッタ303を開放状態とする(ステップS302)。このような素通しモードにおいては、ユーザは素通しの視界を得ることができる。
【0051】
次に、制御部201は、通信部202を介してカメラ100から画像が受信されたか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303の判定において、カメラ100から画像が受信された場合に、制御部201は、シャッタ駆動部205を制御して、シャッタ303を遮光状態とする(ステップS304)。その後、制御部201は、表示駆動部204を制御して、通信部202を介して受信された画像を表示部301に表示させる(ステップS305)。
【0052】
次に、制御部201は、FMD200の動作モードがファインダモードであるか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306の判定において、FMD200の動作モードがファインダモードである場合には、処理がステップS303に戻る。そして、制御部201は、カメラ100からの次の画像の受信を待つ。ファインダモードではカメラ100から逐次画像が送信されるので、この画像を表示部301に表示させていくことにより、FMD200においてもカメラ100と同様のスルー画表示を行うことが可能である。
【0053】
また、ステップS306の判定において、FMD200の動作モードがファインダモードでない、即ち再生モードである場合に、制御部201は通信部202を介して受信された画像ファイルを記録部203に記録させる(ステップ307)。その後、処理がステップS301に戻る。
【0054】
また、ステップS303の判定において、カメラ100から画像が受信されていない場合に、制御部201は、通信部202を介してカメラ100に対して電源オンの指示を送る(ステップS308)。この指示を受けた場合にも、カメラ100は電源がオンされる。次に、制御部201は、FMD200の動作モードが再生モードであるか否かを判定する(ステップS309)。ステップS309の判定において、FMD200の動作モードが再生モードでない場合には、処理がステップS301に戻る。一方、ステップS309の判定において、FMD200の動作モードが再生モードである場合に、制御部201は、シャッタ駆動部205を制御して、シャッタ303を遮光状態とする(ステップS310)。その後、制御部201は、記録部203に記録された画像ファイルの中で最後に記録された画像ファイル内の画像を伸張した上で、表示部301に表示させる(ステップS311)。画像の再生の後、制御部201は、再生画像の切り替えを行うか、即ちユーザの操作部207の操作によって、再生画像の切り替え操作がなされたか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312の判定において、再生画像の切り替えを行わない場合には処理がステップS314に移行する。一方、ステップS312の判定において、再生画像の切り替えを行う場合に、制御部201は、記録部203に記録された画像ファイルの中で次に記録日時の新しい画像ファイルを次の候補画像に設定して表示部301に表示させる(ステップS313)。
【0055】
ステップS312又はステップS313の後、制御部201は、再生モードの処理を終了するか、即ちユーザにより再生モードの終了操作がなされたか否かを判定する(ステップS314)。ステップS314の判定において、再生モードの終了操作がなされた場合には、処理がステップS301に戻る。一方、ステップS314の判定において、再生モードの終了操作がなされていない場合には、処理がステップS312に戻る。この場合、制御部201は、候補画像の再生を継続する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えた場合には、カメラ100の表示部105に表示されていたのと同様の画像がFMD200の表示部301上に再現される。これにより、ユーザは、撮影前後の画像をFMD200による大画面の感覚で確認できる。また、カメラ100を構えていない場合には、ユーザは自然な視野を得ることができる。
【0057】
ここで、画像の再生時には図12に示すような処理にて、候補画像をFMD200に表示しても良い。つまり、撮影時にはリアルタイムの画像表示が要求されるが、再生時にはリアルタイム性は要求されないので、再生中の候補画像そのものではなく、記録部107に記録された圧縮済みの画像を送信するようにする。これによって、画像の送信時間を短くして省エネルギー化を図ることができる。
【0058】
なお、図12のフローチャートと図10のフローチャートの置き換えとなるものである。図12において、制御部101は、記録部107に記録された画像の中で最後に記録された画像ファイルを再生の候補画像に設定する(ステップS401)。次に、制御部101は、候補画像に設定した画像ファイル内の画像を伸張した上で、表示部105に表示させる(ステップS402)。その後、制御部101は、FMD200との通信を許可できるか否かを判定する(ステップS403)。
【0059】
ステップS403の判定において、FMD200との通信を許可できる場合に、制御部101は、FMD200における画像の再生を行うべく、候補画像に設定されている画像に対応する画像ファイルを、通信部108を介してFMD200に送信する(ステップS404)。即ち、候補画像を決定して表示部105に画像が表示された後、例えば、FMD200を装着したユーザが、この画像をよく見ようと目(FMD200)に近づけると、表示部105に表示中の画像に対応した画像ファイルが送信される。
【0060】
また、ステップS403の判定において、FMD200との通信を許可できない場合に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか、即ちユーザにより再生モードの終了操作がなされたか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405の判定において、再生モードの終了操作がなされた場合に、制御部101は図12の処理を終了させる。一方、ステップS405の判定において、再生モードの終了操作がなされていない場合に、制御部101は、再生画像の切り替えを行うか、即ちユーザの操作部102の操作によって、再生画像の切り替え操作がなされたか否かを判定する(ステップS406)。ステップS406の判定において、再生画像の切り替えを行わない場合には処理がステップS405に戻る。この場合に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか否かを再び判定する。一方、ステップS406の判定において、再生画像の切り替えを行う場合に、制御部101は、記録部107に記録された画像ファイルの中で次に撮影日時の新しい画像ファイルを次の候補画像に設定する(ステップS407)。その後、処理がステップS401に戻り、制御部101は新たに候補画像に設定した画像ファイルを再生する。
【0061】
図12のような変形例では、カメラ100の表示部105に画像が表示されている際であっても、FMD200に画像ファイルを送信することが可能である。
【0062】
また、図2に示した光学系206は、ユーザがカメラ100を構えていない状態ではシャッタ303が開放状態となって素通しの視界が得られる光学系を例としている。しかしながら、光学系206の構成は図2に示したものに限られるものではない。例えば、図13に示すような補助カメラ210をFMD200に設けるようにしても良い。この補助カメラ210は、撮影レンズ210aと、撮像部210bと、撮像処理部210cとを有している。撮影レンズ210aは、撮影レンズ103と同様の機能を有し、FMD200の外部の被写体からの光束を撮像部210bに入射させるためのレンズである。補助撮像部としての機能を有する撮像部210bは、撮像部104と同様の機能を有し、撮影レンズ210aからの光束に基づく被写体の像を電気信号に変換することで画像を取得し、さらにこの画像をデジタルデータとして撮像処理部210cに出力する。撮像処理部210cは、撮像部210bを介して得られた画像に対する画像処理を施して表示駆動部204に出力する。
【0063】
図13のような構成では、表示部301に表示させる画像を適宜切り替えるだけで、図2で示した光学系と同様の機能が実現される。即ち、カメラ100から画像が受信されるか、或いは記録部203に記録された画像を再生するとき以外は補助カメラ210を介して得られた画像を表示部301に表示させるように制御すれば良い。
【0064】
ここで、図13の構成では、自由曲面プリズム302aにハーフミラー302bをコーティングする必要はなく、単に反射ミラー302dをコーティングするだけで良い。また、補正プリズム302cも不要である。さらには、シャッタ303も不要でシャッタ303の代わりにマスク304で遮光すれば良い。即ち、図13の構成を用いることにより図2の構成に比べて光学系206の構成を簡素化することが可能である。
【0065】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0066】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0067】
100…カメラ、101…制御部、102…操作部、103…撮影レンズ、104…撮像部、105…表示部、106…時計部、107…記録部、108…通信部、109…状態検出部、200…フェイスマウントディスプレイ(FMD)、201…制御部、202…通信部、203…記録部、204…表示駆動部、205…シャッタ駆動部、206…光学系、207…操作部、301…表示部、301a…LCDパネル、301b…バックライト、302…光学部、302a…自由曲面プリズム、302b…ハーフミラー、302c…補正プリズム、303…シャッタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの目に装着可能な装着型画像表示装置とカメラとを有するカメラシステム、及びそのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機器の小型化及び高機能化の流れが加速しており、こうした高機能な機器を屋外等にも持ち運べるような状況になってきている。こうしたトレンドの中で、屋外でも大画面の感覚での画像の鑑賞を可能とした装着型の画像表示装置がFMD(フェイスマウントディスプレイ)やHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等といった名称で提案されている。また、このような装着型の画像表示装置をカメラのファインダ装置として利用しようとする提案が例えば特許文献1においてなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−209037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、FMD等の装着型の画像表示装置をファインダ装置として利用する場合について考えると、通常、画像表示装置の装着中においては、ユーザはカメラから送られてきた画像しか見ることができない。近年では、片目のみに装着する画像表示装置の提案もなされているが、この場合であっても画像表示装置を装着している側の目についてはカメラから送られてきた画像しか見ることができない。このような状況はユーザにとって不自由さを感じさせるばかりか、安全性の面からも余り好ましい状況とは言えない。安全性の面やユーザの自由度を考えると、画像表示装置の装着中であっても不必要な状況では肉眼での自然な視界を優先できた方が良いと考えられる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、大画面で画像を確認でき且つ安全性やユーザの自由度にも留意して装着型の画像表示装置を制御できるカメラシステム、及びこのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるカメラシステムは、カメラと、ユーザの目部に装着自在に構成され上記カメラと連携して動作する装着型画像表示装置とを有するカメラシステムにおいて、上記カメラは、被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部とを具備し、上記装着型画像表示装置は、上記カメラ側通信部から送信されてきた画像を受信する表示装置側通信部と、上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様によるカメラは、ユーザの目部に装着自在に構成された装着型画像表示装置と連携して動作するカメラにおいて、被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様による装着型表示装置は、ユーザの目部に装着自在に構成されカメラと連携して動作する装着型画像表示装置において、上記カメラからの画像を受信する表示装置側通信部と、上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大画面で画像を確認でき且つ安全性やユーザの自由度にも留意して装着型の画像表示装置を制御できるカメラシステム、及びこのようなカメラシステムに用いられるカメラ並びに装着型画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】光学系の構成の一例を示す図である。
【図3】FMDの外観図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるカメラシステムを使用する際の様子を示す図である。
【図5】図5(a)はユーザがカメラを構えたときの撮影視野を示す図であり、図5(b)はカメラを構えたときにFMDを介してユーザに見せるべき視野の状態を示した図である。
【図6】図6(a)はユーザがカメラを構えていないときの撮影視野を示す図であり、図6(b)はカメラを構えていないときにFMDを介してユーザに見せるべき視野の状態を示した図である。
【図7】状態検出部の構成の一例を示す図である。
【図8】状態検出部の構成の変形例を示す図である。
【図9】カメラのメインの動作を示すフローチャートである。
【図10】再生モードの処理を示すフローチャートである。
【図11】FMDのメインの動作を示すフローチャートである。
【図12】再生モードの処理の変形例を示すフローチャートである。
【図13】光学系の構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態におけるカメラシステムは、カメラ100と、フェイスマウントディスプレイ(以下、FMDと記す)200とを有している。カメラ100とFMD200とは互いに通信自在に接続されており、カメラ100で取得された画像をFMD200に送信することで、カメラ100で取得された画像をFMD200で鑑賞することが可能である。
【0012】
カメラ100は、制御部101と、操作部102と、撮影レンズ103と、撮像部104と、表示部105と、時計部106と、記録部107と、通信部108と、状態検出部109とを有している。
【0013】
制御部101は、カメラ用に構成されたLSI等から構成されており、ユーザによる操作部102の操作を受けて図1のカメラ100内部の各ブロックの制御を行う。また、制御部101は、撮像部104によって取得された画像に対してホワイトバランス補正等の画像処理や圧縮伸張処理等を施すことも行う。
【0014】
操作部102は、ユーザがカメラ100の操作を行うための操作部である。操作部102には、例えば、カメラ100の電源のオン/オフを切り替えるための電源ボタン、ユーザが撮影の実行を指示するためのレリーズボタン、ユーザが画像の再生を指示するための再生ボタン、ユーザがカメラ100に関する各種の選択操作を行うための選択ボタン等が含まれる。
【0015】
撮影レンズ103は、図示しない被写体からの光束を撮像部104に入射させるためのレンズである。撮像部104は、撮影レンズ103からの光束に基づく被写体の像を電気信号に変換することで画像を取得し、さらにこの画像をデジタルデータとして制御部101に出力する。
【0016】
一体型表示部としての機能を有する表示部105は、例えばカメラ100の背面に一体的に設けられ、撮像部104を介して取得された画像や記録部107に記録された画像等の各種の画像を表示する。この表示部105は、例えば液晶ディスプレイ等から構成されている。この表示部105により、ユーザは被写体の構図やシャッターチャンスを確認することができる。
【0017】
時計部106は、画像の撮影がなされた日時等を計時する。記録部107は、撮像部104を介して取得され、制御部101において圧縮された画像が記録される。この記録部107には、時計部106によって計時された撮影日時等の撮影条件が付加された画像ファイルとして画像が記録される。
【0018】
通信部108は、FMD200との通信を行うための通信回路であり、制御部101の制御に従ってFMD200に画像を送信する。カメラ100とFMD200との通信方式については特に限定されるものではない。例えば、カメラ100とFMD200との間をUSBケーブル等を介して接続して通信を行う有線通信を用いても良いし、無線LAN等の無線通信を用いても良い。
【0019】
制御部101とともに送信可否判定部の機能を有する状態検出部109は、カメラ100からFMD200への画像の送信を許可できるか否かを検出する。詳細は後述するが、状態検出部109は、ユーザがFMD200を装着しており、且つ撮影のためにユーザがカメラ100を構えているか否かを検出するようになされている。制御部101は、状態検出部109により、ユーザがカメラ100を構えていることが検出された場合に画像の送信を許可できると判定する。
【0020】
本実施形態におけるFMD200は、装着型画像表示装置としての機能を有し、ユーザの目部に装着自在になされている。このFMD200は、制御部201と、通信部202と、記録部203と、表示駆動部204と、シャッタ駆動部205と、光学系206と、操作部207とを有している。
【0021】
制御部201は、通信部202の動作制御、記録部203に記録された画像の伸張処理、表示駆動部204及びシャッタ駆動部205の動作制御等の、FMD200の各ブロックの制御を行う。
【0022】
通信部202は、カメラ100との通信を行うための通信回路であり、制御部101の制御に従ってカメラ100から画像を受信する。記録部203は、通信部202で受信された画像が記録される。
【0023】
表示駆動部204は、制御部201の制御に従って、光学系206に含まれる表示部を駆動させる。シャッタ駆動部205は、制御部201の制御に従って、光学系206に含まれるシャッタを駆動させる。光学系206は、通信部202で受信された画像又は記録部203に記録された画像を表示するための表示部を含む光学系である。この光学系206については後述する。
【0024】
操作部207は、FMD200の電源のオン/オフの切り替えや、FMD200の動作モードの切り替えを行うための各種の操作部である。
【0025】
図2は、光学系206の構成の一例を示す図である。図2に示すように、光学系206は、表示部301と、光学部302と、シャッタ303とを有している。
【0026】
表示部301は、通信部202で受信された画像又は記録部203に記録された画像を表示するための表示部である。図2は、表示部301が液晶表示装置(LCD)である場合の例を示している。この場合の表示部301は、LCDパネル301aとバックライト301bとを有している。LCDパネル301aは、液晶を含む画素が2次元に配列されて構成され、表示駆動部204の制御に従って各画素の光の透過率を変化させるようになされている。バックライト301bは、例えば白色発光ダイオード(LED)を光源とし、表示駆動部204の制御に従ってLCDパネル301aの背面から光照射を行う。なお、図2の例では表示部301にLCDを用いているが、表示部301はLCDに限定されるものではない。例えば、表示部301に有機EL表示装置(OELD)を用いるようにしても良い。
【0027】
光学部302は、FMD200の外部からの光の入射方向(図示矢印方向)に対して45度の角度をなす曲面を含む自由曲面プリズム302aを有している。この自由曲面プリズム302aに形成されている自由曲面部分にはハーフミラー302bがコーティングされ、さらにハーフミラー302bには自由曲面プリズム302aのパワーを補正するための補正プリズム302cが接合されている。
【0028】
シャッタ303は、FMD200の外部からの光の入射光路上に配置されている。シャッタ303は、表示部301に画像が表示されていない場合(バックライト301bが非点灯状態の場合)に、図2(a)に示すように開放状態となる。この場合、FMD200の外部からの光が光学部302を介してユーザの目400に入射する。したがって、ユーザはFMD200の装着によって視野が遮られることなく、自然な視界を得ることができる。
【0029】
一方、シャッタ303は、表示部301に画像が表示されている場合(バックライト301bが点灯状態の場合)に、図2(b)に示すように遮光状態となる。この場合は、FMD200の外部からの光はシャッタ303によって遮光されるとともに、表示部301に表示されている画像に基づく光は、図2(b)の矢印で示したような光路でユーザの目400に入射する。これにより、ユーザは表示部301に表示された画像を見ることができる。
【0030】
図3は、FMD200の外観図である。本実施形態におけるFMD200の外観は、図3(a)に示すような、片目のみの略眼鏡状をしており、ユーザは、眼鏡と同様にFMD200に形成された弦部200aを耳にかけ、鼻当て部200bを鼻に当て付けることでFMD200を装着する。上述したように、カメラ100から送信された画像がFMD200に表示される際には、図3(b)に示すようにしてシャッタ303が閉じるようになっている。なお、図3(a)では、片目のみ装着可能なFMD200を示しているが、両目に装着可能に構成しても良い。この場合には、図2で示した光学系206は、一対設ける必要がある。
【0031】
また、図3(a)及び図3(b)は、FMD200の通信形態が無線通信の場合を示している。この場合、FMD200には、通信部202のアンテナ202aが設けられている。一方、FMD200の通信形態が有線通信の場合には、図3(c)に示すように、FMD200にケーブル202bが接続される。
【0032】
図4は、本実施形態におけるカメラシステムを使用する際の様子を示す図である。本実施形態におけるカメラシステムにおいてFMD200をファインダとして利用する場合、図4(a)や図4(b)に示すように、ユーザは目部にFMD200を装着する。この状態で、図4(a)のように、ユーザがカメラ100を構えていない場合には、カメラ100からの画像の送信が禁止される。さらに、この場合には、FMD200のシャッタ303が開放状態となって、ユーザは素通しで外界を見ることができる。一方、図4(b)のように、ユーザがカメラ100を構えた場合にはカメラ100からの画像の送信が許可される。さらに、シャッタ303が遮光状態となって、ユーザは、カメラ100から送信された画像を大画面のような間隔で確認することができる。FMD200の表示部301の表示画面は小さくともユーザの目の近くで表示がなされるので、ユーザは、2m先に数十インチの画像が見えるような体感を得ることができる。
【0033】
一般に、図5(a)のように、カメラ100を構えた状態では、ユーザの見ようとしている方向と撮影範囲とが一致しており、ユーザは写真を撮ろうという意図や意識がある。したがって、この場合には、図5(b)のように、FMD200の表示部301には、カメラ100の撮影結果に合わせた表示がなされるようにすることが望ましい。一方、図6(a)のように、カメラ100を構えていない状態で、ユーザの見ようとしている方向と撮影範囲とが一致していない。このような場合に、カメラ100の視野(破線部)が表示されてしまうとユーザを混乱させるだけである。この場合には、シャッタ303を開放状態として、図6(b)のように、素通しで外界を見られるようにすることが望ましい。
【0034】
図7は、ユーザがカメラ100を構えているか否かを検出するための状態検出部109の構成の一例を示す図である。図7に示す例において、状態検出部109は、背面レンズ109aと、背面撮像部109bとを有している。
【0035】
背面レンズ109aは、カメラ100の背面に設けられており、ユーザがカメラ100を構えたとき、即ちFMD200と背面レンズ109aとが対向状態となったときに、背面レンズ109aを介してFMD200(を含むユーザ)からの光束を背面撮像部109bに入射させるようになされている。背面撮像部109bは、背面レンズ109aからの光束に基づくFMD200の像を電気信号に変換することで画像を取得し、さらにこの画像をデジタルデータとして制御部101に出力する。制御部101は、背面撮像部109bから得られた画像を、予め登録してあるFMD200の形状パターンと比較し、画像中にFMD200の外観形状を検出した場合に、FMD200を装着しているユーザが、カメラ100を構えていると判定し、カメラ100からFMD200への通信を許可する。
【0036】
ここで、本実施形態では、カメラ100に状態検出部109を設け、ユーザがカメラ100を構えているか否かをカメラ100において判定できるようにした例を示したが、FMD200側でこの判定を行うようにしても良い。
【0037】
また、直接的にカメラ100を構えているか否かを検出しなくとも良く、例えば、カメラ100とFMD200との近距離通信を行うことによって、ユーザがカメラ100を構えているか否かを判定できるようにしても良い。図8は、このような変形例を示す図である。例えば、カメラ100とFMD200との通信形態が非接触無線通信の場合には、図8(a)のように、カメラ100にFMD200を近づけたときのみ通信が確立するようにすれば良い。また、無線LANのような、近距離でなくとも通信が確立するような場合には、例えば、ユーザの指がレリーズボタン102aに触れたときに、写真を撮ろうとする意図がユーザにあるとして、カメラ100からFMD200に対して通信要求を行うようにしても良い。この場合には、必ずしもユーザがカメラ100をFMD200に近づけていなくとも良い。
【0038】
さらには、カメラ100とFMD200とで信号の授受が可能であるか否かによって判定を行うようにしても良い。この場合には、例えば図8(b)のように、カメラ100に発光ダイオード110とフォトダイオード111を設けるとともに、FMD200に発光ダイオード208とフォトダイオード209を設けるようにする。この図8(b)の構成では、発光ダイオードとフォトダイオードとが向かい合う状態となったときのみ、各発光ダイオードからの光が対応するフォトダイオードで受光される。したがって、フォトダイオードの出力信号を制御部101及び制御部201においてそれぞれ監視することで、ユーザがカメラ100を構えたか否かを判定することができる。
【0039】
次に、本実施形態のカメラシステムの詳細な動作について説明する。
まず、カメラ100の動作について説明する。図9は、カメラ100のメインの動作を示すフローチャートである。ここで、本実施形態におけるカメラ100は動作モードとして撮影モードと再生モードとを有している。撮影モードは、ユーザが記録用の画像を撮影するための動作モードであり、再生モードは記録された画像を再生するためのモードである。これらの動作モードの切り替えは、例えば操作部102の選択ボタンの操作によって行うことができる。
【0040】
図9において、カメラ100の制御部101は、まず、カメラ100の電源がオンされたか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定において、電源がオフされている場合に、制御部101は図9の処理を終了させる。なお、電源オフ時においても通信部108は動作しており、通信部108を介してFMD200からの電源オン指示がなされた場合に制御部101はカメラ100の電源をオンさせる。
【0041】
一方、ステップS101の判定において、電源がオンされた場合に、制御部101はカメラ100の動作モードが撮影モードであるか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102の判定において、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合に、制御部101は露出補正を行う(ステップS103)。この露出補正において、制御部101は、撮像部104を介して得られる画像や専用の測光センサの出力に基づいて、被写体の明るさを測定する。そして、測定した被写体の明るさに基づき、制御部101は、撮像部104を介して得られる画像の明るさを適正な明るさとするように画像の明るさを補正する。
【0042】
次に、制御部101は、状態検出部109の出力に基づき、FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えているか否かを判定する。そして、この判定結果に基づき、FMD200との通信を許可できるか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定において、通信を許可できない、即ちユーザがFMD200を装着していないか、或いはカメラ100を構えていない場合に、制御部101は表示部105にスルー画表示を行う(ステップS105)。このカメラ100側のスルー画表示において、制御部101は、撮像部104を連続動作させ、この連続動作によって撮像部104を介して逐次得られる画像をリアルタイムに表示部105に表示させる。一方、ステップS104の判定において、通信を許可できる、即ちFMD200を装着したユーザがカメラ100を構えている場合に、制御部101はFMD200の表示部301にスルー画表示を行わせるべく、撮像部104で取得された画像を、通信部108を介してFMD200に送信する(ステップS106)。さらに、制御部101は、表示部105にスルー画表示を行っている場合には表示部105のスルー画表示をオフさせる(ステップS107)。このようなカメラ100の表示部105又はFMD200の表示部301になされるスルー画表示により、ユーザは構図やシャッターチャンスを決定することが可能である。なお、FMD200におけるスルー画表示の際にカメラ100の表示をオフするのは、ユーザがFMD200を装着してカメラ100を構えており、カメラ100の表示部105には注視しないと考えられるためである。これによって、カメラ100の消費電力の低減を図ることが可能である。
【0043】
スルー画表示の後、制御部101は、撮影者によって操作部102のレリーズボタンが押されたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108の判定において、レリーズボタンが押されていない場合には、処理がステップS101に戻る。この場合に、制御部101は、カメラ100の電源がオンであるか否かを再び判定する。一方、ステップS108の判定において、レリーズボタンが押された場合に、制御部101は、露出制御(記録用画像の取込み)を行う(ステップS109)。画像の取り込み後、制御部101は取り込んだ画像に対して圧縮処理等の画像処理を施した後、処理後の画像に時計部106で計時される撮影日時等の撮影条件を付加して画像ファイルを生成する。そして、制御部101は、生成した画像ファイルを記録部107に記録させる(ステップS110)。その後、処理がステップS101に戻る。
【0044】
また、ステップS102の判定において、カメラ100の動作モードが撮影モードでない場合に、制御部101は、カメラ100の動作モードが再生モードであるか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111の判定において、カメラ100の動作モードが再生モードでない場合には、処理がステップS101に戻る。一方、ステップS111の判定において、カメラ100の動作モードが再生モードである場合に、制御部101は再生モードの処理を行う(ステップS112)。再生モードの処理後、処理がステップS101に戻る。
【0045】
図10は、再生モードの処理を示すフローチャートである。図10において、制御部101は、記録部107に記録された画像ファイルの中で最後に記録された画像ファイルを再生の候補画像に設定する(ステップS201)。次に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか、即ちユーザにより再生モードの終了操作がなされたか否かを判定する(ステップS202)。再生モードの終了操作とは、例えばカメラ100の動作モードの切り替え操作等である。ステップS202の判定において、再生モードの終了操作がなされた場合に、制御部101は図10の処理を終了させる。
【0046】
一方、ステップS202の判定において、再生モードの終了操作がなされていない場合に、制御部101は、状態検出部109の出力に基づき、FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えているか否かを判定する。そして、この判定結果に基づき、FMD200との通信を許可できるか否かを判定する(ステップS203)。
【0047】
ステップS203の判定において、FMD200との通信を許可できない場合に、制御部101は、候補画像に対応した画像ファイルを記録部107から読み出し、画像ファイル内の画像に伸張処理を施した上で表示部105に表示させる(ステップS204)。一方、ステップS204の判定において、FMD200との通信を許可できる場合には、FMD200における画像の再生を行うべく、制御部101は、候補画像に対応した画像ファイルを記録部107から読み出す。そして、制御部101は、読み出した画像ファイルを、通信部108を介してFMD200に送信する(ステップS205)。この際、表示部105は非表示として良い。これは、ユーザがFMD200を装着してカメラ100を構えており、カメラ100の表示部105には注視しないと考えられるためである。
【0048】
画像の再生の後、制御部101は、再生画像の切り替えを行うか、即ちユーザの操作部102の操作によって、再生画像の切り替え操作がなされたか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の判定において、再生画像の切り替えを行わない場合には処理がステップS201に戻る。この場合に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか否かを再び判定する。一方、ステップS206の判定において、再生画像の切り替えを行う場合に、制御部101は、記録部107に記録された画像ファイルの中で次に撮影日時の新しい画像ファイルを次の候補画像に設定する(ステップS207)。その後、処理がステップS201に戻る。
【0049】
図11は、FMD200のメインの動作を示すフローチャートである。ここで、本実施形態におけるFMD200は動作モードとして、ファインダモードと、再生モードと、素通しモードとを有している。ファインダモードは、FMD200をカメラ100のファインダに利用するための動作モードである。また、再生モードは、FMD200の記録部203に記録されている画像を再生するための動作モードである。さらに、素通しモードは、表示部301に画像を表示しない場合の、シャッタ303が開放状態となっている動作モードである。ファインダモードと再生モードとの間の切り替えは、FMD200の操作部207によって行うことができる。
【0050】
図11において、制御部201は、まず、FMD200の電源がオンであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の判定において、電源がオフされている場合に、制御部201は図11の処理を終了させる。この場合には、FMD200による画像の表示は行われない。一方、ステップS301の判定において、電源がオンされた場合に、制御部201は、シャッタ駆動部205を制御して、シャッタ303を開放状態とする(ステップS302)。このような素通しモードにおいては、ユーザは素通しの視界を得ることができる。
【0051】
次に、制御部201は、通信部202を介してカメラ100から画像が受信されたか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303の判定において、カメラ100から画像が受信された場合に、制御部201は、シャッタ駆動部205を制御して、シャッタ303を遮光状態とする(ステップS304)。その後、制御部201は、表示駆動部204を制御して、通信部202を介して受信された画像を表示部301に表示させる(ステップS305)。
【0052】
次に、制御部201は、FMD200の動作モードがファインダモードであるか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306の判定において、FMD200の動作モードがファインダモードである場合には、処理がステップS303に戻る。そして、制御部201は、カメラ100からの次の画像の受信を待つ。ファインダモードではカメラ100から逐次画像が送信されるので、この画像を表示部301に表示させていくことにより、FMD200においてもカメラ100と同様のスルー画表示を行うことが可能である。
【0053】
また、ステップS306の判定において、FMD200の動作モードがファインダモードでない、即ち再生モードである場合に、制御部201は通信部202を介して受信された画像ファイルを記録部203に記録させる(ステップ307)。その後、処理がステップS301に戻る。
【0054】
また、ステップS303の判定において、カメラ100から画像が受信されていない場合に、制御部201は、通信部202を介してカメラ100に対して電源オンの指示を送る(ステップS308)。この指示を受けた場合にも、カメラ100は電源がオンされる。次に、制御部201は、FMD200の動作モードが再生モードであるか否かを判定する(ステップS309)。ステップS309の判定において、FMD200の動作モードが再生モードでない場合には、処理がステップS301に戻る。一方、ステップS309の判定において、FMD200の動作モードが再生モードである場合に、制御部201は、シャッタ駆動部205を制御して、シャッタ303を遮光状態とする(ステップS310)。その後、制御部201は、記録部203に記録された画像ファイルの中で最後に記録された画像ファイル内の画像を伸張した上で、表示部301に表示させる(ステップS311)。画像の再生の後、制御部201は、再生画像の切り替えを行うか、即ちユーザの操作部207の操作によって、再生画像の切り替え操作がなされたか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312の判定において、再生画像の切り替えを行わない場合には処理がステップS314に移行する。一方、ステップS312の判定において、再生画像の切り替えを行う場合に、制御部201は、記録部203に記録された画像ファイルの中で次に記録日時の新しい画像ファイルを次の候補画像に設定して表示部301に表示させる(ステップS313)。
【0055】
ステップS312又はステップS313の後、制御部201は、再生モードの処理を終了するか、即ちユーザにより再生モードの終了操作がなされたか否かを判定する(ステップS314)。ステップS314の判定において、再生モードの終了操作がなされた場合には、処理がステップS301に戻る。一方、ステップS314の判定において、再生モードの終了操作がなされていない場合には、処理がステップS312に戻る。この場合、制御部201は、候補画像の再生を継続する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、FMD200を装着したユーザがカメラ100を構えた場合には、カメラ100の表示部105に表示されていたのと同様の画像がFMD200の表示部301上に再現される。これにより、ユーザは、撮影前後の画像をFMD200による大画面の感覚で確認できる。また、カメラ100を構えていない場合には、ユーザは自然な視野を得ることができる。
【0057】
ここで、画像の再生時には図12に示すような処理にて、候補画像をFMD200に表示しても良い。つまり、撮影時にはリアルタイムの画像表示が要求されるが、再生時にはリアルタイム性は要求されないので、再生中の候補画像そのものではなく、記録部107に記録された圧縮済みの画像を送信するようにする。これによって、画像の送信時間を短くして省エネルギー化を図ることができる。
【0058】
なお、図12のフローチャートと図10のフローチャートの置き換えとなるものである。図12において、制御部101は、記録部107に記録された画像の中で最後に記録された画像ファイルを再生の候補画像に設定する(ステップS401)。次に、制御部101は、候補画像に設定した画像ファイル内の画像を伸張した上で、表示部105に表示させる(ステップS402)。その後、制御部101は、FMD200との通信を許可できるか否かを判定する(ステップS403)。
【0059】
ステップS403の判定において、FMD200との通信を許可できる場合に、制御部101は、FMD200における画像の再生を行うべく、候補画像に設定されている画像に対応する画像ファイルを、通信部108を介してFMD200に送信する(ステップS404)。即ち、候補画像を決定して表示部105に画像が表示された後、例えば、FMD200を装着したユーザが、この画像をよく見ようと目(FMD200)に近づけると、表示部105に表示中の画像に対応した画像ファイルが送信される。
【0060】
また、ステップS403の判定において、FMD200との通信を許可できない場合に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか、即ちユーザにより再生モードの終了操作がなされたか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405の判定において、再生モードの終了操作がなされた場合に、制御部101は図12の処理を終了させる。一方、ステップS405の判定において、再生モードの終了操作がなされていない場合に、制御部101は、再生画像の切り替えを行うか、即ちユーザの操作部102の操作によって、再生画像の切り替え操作がなされたか否かを判定する(ステップS406)。ステップS406の判定において、再生画像の切り替えを行わない場合には処理がステップS405に戻る。この場合に、制御部101は、再生モードの処理を終了するか否かを再び判定する。一方、ステップS406の判定において、再生画像の切り替えを行う場合に、制御部101は、記録部107に記録された画像ファイルの中で次に撮影日時の新しい画像ファイルを次の候補画像に設定する(ステップS407)。その後、処理がステップS401に戻り、制御部101は新たに候補画像に設定した画像ファイルを再生する。
【0061】
図12のような変形例では、カメラ100の表示部105に画像が表示されている際であっても、FMD200に画像ファイルを送信することが可能である。
【0062】
また、図2に示した光学系206は、ユーザがカメラ100を構えていない状態ではシャッタ303が開放状態となって素通しの視界が得られる光学系を例としている。しかしながら、光学系206の構成は図2に示したものに限られるものではない。例えば、図13に示すような補助カメラ210をFMD200に設けるようにしても良い。この補助カメラ210は、撮影レンズ210aと、撮像部210bと、撮像処理部210cとを有している。撮影レンズ210aは、撮影レンズ103と同様の機能を有し、FMD200の外部の被写体からの光束を撮像部210bに入射させるためのレンズである。補助撮像部としての機能を有する撮像部210bは、撮像部104と同様の機能を有し、撮影レンズ210aからの光束に基づく被写体の像を電気信号に変換することで画像を取得し、さらにこの画像をデジタルデータとして撮像処理部210cに出力する。撮像処理部210cは、撮像部210bを介して得られた画像に対する画像処理を施して表示駆動部204に出力する。
【0063】
図13のような構成では、表示部301に表示させる画像を適宜切り替えるだけで、図2で示した光学系と同様の機能が実現される。即ち、カメラ100から画像が受信されるか、或いは記録部203に記録された画像を再生するとき以外は補助カメラ210を介して得られた画像を表示部301に表示させるように制御すれば良い。
【0064】
ここで、図13の構成では、自由曲面プリズム302aにハーフミラー302bをコーティングする必要はなく、単に反射ミラー302dをコーティングするだけで良い。また、補正プリズム302cも不要である。さらには、シャッタ303も不要でシャッタ303の代わりにマスク304で遮光すれば良い。即ち、図13の構成を用いることにより図2の構成に比べて光学系206の構成を簡素化することが可能である。
【0065】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0066】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0067】
100…カメラ、101…制御部、102…操作部、103…撮影レンズ、104…撮像部、105…表示部、106…時計部、107…記録部、108…通信部、109…状態検出部、200…フェイスマウントディスプレイ(FMD)、201…制御部、202…通信部、203…記録部、204…表示駆動部、205…シャッタ駆動部、206…光学系、207…操作部、301…表示部、301a…LCDパネル、301b…バックライト、302…光学部、302a…自由曲面プリズム、302b…ハーフミラー、302c…補正プリズム、303…シャッタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、ユーザの目部に装着自在に構成され上記カメラと連携して動作する装着型画像表示装置とを有するカメラシステムにおいて、
上記カメラは、
被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、
上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、
上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部と、
を具備し、
上記装着型画像表示装置は、
上記カメラ側通信部から送信されてきた画像を受信する表示装置側通信部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系と、
を具備することを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
上記送信可否判定部は、上記カメラ側通信部が上記表示装置側通信部と通信可能となった場合に、上記画像の送信を許可することを検出することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
上記送信可否判定部は、上記装着型画像表示装置が上記カメラの背面に対向する位置になった場合に、上記画像の送信を許可することを検出することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項4】
上記カメラは、
上記撮像部で取得された画像を記録する記録部と、
当該カメラに一体的に設けられ、上記記録部に記録された画像を表示する一体型表示部と、
をさらに具備し、
上記カメラ側通信部は、上記一体型表示部に画像が表示されており且つ上記送信可否判定部により上記画像の送信が許可された場合に、上記一体型表示部に表示中の画像を上記装着型画像表示装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項5】
上記一体型表示部は、上記カメラ側通信部によって上記一体型表示部に表示中の画像が上記装着型画像表示装置に送信された後で、上記一体型表示部の表示を終了させることを特徴とする請求項4に記載のカメラシステム。
【請求項6】
上記光学系は、
上記表示装置側通信部において受信された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導くとともに、上記装着型画像表示装置の外部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記表示部に画像が表示されている間、上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項7】
上記光学系は、
上記装着型画像表示装置の外部からの光に基づく画像を取得する補助撮像部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には該受信された画像を表示し、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には上記補助撮像部で取得された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項8】
ユーザの目部に装着自在に構成された装着型画像表示装置と連携して動作するカメラにおいて、
被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、
上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、
上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項9】
上記撮像部で取得された画像を記録する記録部と、
当該カメラに一体的に設けられ、上記撮像部で取得された画像又は上記記録部に記録された画像を表示する一体型表示部と、
をさらに具備し、
上記一体型表示部は、上記カメラ側通信部によって上記撮像部で取得された画像が上記装着型画像表示装置に送信された後、現在表示中の画像の表示を終了させることを特徴とする請求項8に記載のカメラ。
【請求項10】
ユーザの目部に装着自在に構成されカメラと連携して動作する装着型画像表示装置において、
上記カメラからの画像を受信する表示装置側通信部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系と、
を具備することを特徴とする装着型画像表示装置。
【請求項11】
上記光学系は、
上記表示装置側通信部において受信された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導くとともに、上記装着型画像表示装置の外部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記表示部に画像が表示されている間、上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項10に記載の装着型画像表示装置。
【請求項12】
上記光学系は、
上記装着型画像表示装置の外部からの光に基づく画像を取得する補助撮像部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には該受信された画像を表示し、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には上記補助撮像部で取得された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項10に記載の装着型画像表示装置。
【請求項13】
上記カメラからの画像が受信されていない場合に、上記カメラの電源をオンさせる指示を、上記表示装置側通信部を介して上記カメラに送る制御部をさらに具備することを特徴とする請求項10に記載の装着型画像表示装置。
【請求項1】
カメラと、ユーザの目部に装着自在に構成され上記カメラと連携して動作する装着型画像表示装置とを有するカメラシステムにおいて、
上記カメラは、
被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、
上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、
上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部と、
を具備し、
上記装着型画像表示装置は、
上記カメラ側通信部から送信されてきた画像を受信する表示装置側通信部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系と、
を具備することを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
上記送信可否判定部は、上記カメラ側通信部が上記表示装置側通信部と通信可能となった場合に、上記画像の送信を許可することを検出することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
上記送信可否判定部は、上記装着型画像表示装置が上記カメラの背面に対向する位置になった場合に、上記画像の送信を許可することを検出することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項4】
上記カメラは、
上記撮像部で取得された画像を記録する記録部と、
当該カメラに一体的に設けられ、上記記録部に記録された画像を表示する一体型表示部と、
をさらに具備し、
上記カメラ側通信部は、上記一体型表示部に画像が表示されており且つ上記送信可否判定部により上記画像の送信が許可された場合に、上記一体型表示部に表示中の画像を上記装着型画像表示装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項5】
上記一体型表示部は、上記カメラ側通信部によって上記一体型表示部に表示中の画像が上記装着型画像表示装置に送信された後で、上記一体型表示部の表示を終了させることを特徴とする請求項4に記載のカメラシステム。
【請求項6】
上記光学系は、
上記表示装置側通信部において受信された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導くとともに、上記装着型画像表示装置の外部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記表示部に画像が表示されている間、上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項7】
上記光学系は、
上記装着型画像表示装置の外部からの光に基づく画像を取得する補助撮像部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には該受信された画像を表示し、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には上記補助撮像部で取得された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項8】
ユーザの目部に装着自在に構成された装着型画像表示装置と連携して動作するカメラにおいて、
被写体を撮像して画像を取得する撮像部と、
上記撮像部で取得された画像の送信の可否を判定する送信可否判定部と、
上記画像の送信が許可された場合に、上記撮像部で取得された画像を上記装着型画像表示装置に送信するカメラ側通信部と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項9】
上記撮像部で取得された画像を記録する記録部と、
当該カメラに一体的に設けられ、上記撮像部で取得された画像又は上記記録部に記録された画像を表示する一体型表示部と、
をさらに具備し、
上記一体型表示部は、上記カメラ側通信部によって上記撮像部で取得された画像が上記装着型画像表示装置に送信された後、現在表示中の画像の表示を終了させることを特徴とする請求項8に記載のカメラ。
【請求項10】
ユーザの目部に装着自在に構成されカメラと連携して動作する装着型画像表示装置において、
上記カメラからの画像を受信する表示装置側通信部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には、該受信された画像を上記ユーザの目に導き、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には、当該装着型画像表示装置の外部からの光に基づく像を上記ユーザの目に導く光学系と、
を具備することを特徴とする装着型画像表示装置。
【請求項11】
上記光学系は、
上記表示装置側通信部において受信された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導くとともに、上記装着型画像表示装置の外部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記表示部に画像が表示されている間、上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項10に記載の装着型画像表示装置。
【請求項12】
上記光学系は、
上記装着型画像表示装置の外部からの光に基づく画像を取得する補助撮像部と、
上記表示装置側通信部において画像が受信された場合には該受信された画像を表示し、上記表示装置側通信部において画像が受信されていない場合には上記補助撮像部で取得された画像を表示する表示部と、
上記表示部からの光を上記ユーザの目の方向に導く光学部と、
上記装着型画像表示装置の外部からの光が上記光学部に入射しないように遮光する遮光部材と、
を有することを特徴とする請求項10に記載の装着型画像表示装置。
【請求項13】
上記カメラからの画像が受信されていない場合に、上記カメラの電源をオンさせる指示を、上記表示装置側通信部を介して上記カメラに送る制御部をさらに具備することを特徴とする請求項10に記載の装着型画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−183274(P2010−183274A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24008(P2009−24008)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]