説明

カーナビゲーションシステム

【課題】路側のインフラがなくても、交通情報及び簡易地図情報を最適のタイミングで取得し、特定地点に対して、簡易地図情報と交通情報とを最適のタイミングで表示する。
【解決手段】カーナビゲーションシステム1はナビゲーション装置2と情報センタ3とを備えている。ナビゲーション装置2の制御装置4は、案内地点に関する簡易地図情報を取得するための所定のタイミングを判断し、この所定のタイミングとなったところで、簡易地図情報を、情報センタが備えた地図データベースから取得し、そして、この簡易地図情報の取得以前又は同時に情報センタから取得した交通情報を表示器7に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報センタと無線通信が可能な車載器を備えたカーナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置では、情報センタから、表示すべき特定地点(高速道路入口複数存在地点や、複数経路案内地点)周辺の簡易地図情報及び当該地点周辺の渋滞情報などを路側のインフラ(例えばビーコン)から提供されて、当該カーナビゲーション装置の表示器に、案内地点付近の簡易地図を表示器に表示すると共に、上記渋滞情報(図形化した情報)をこの簡易地図に色表示するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−354212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ビーコンから情報を得る場合、このビーコン自体が前記特定地点に対して適切な路側の位置に設けられているため、ビーコンからの交通情報や簡易地図情報を適切なタイミングで取得することになり、これら交通情報や簡易地図情報の表示を特定地点手前のタイミングで行うことができる。
【0005】
しかし、ビーコン等の上記インフラが整備されていない地域(あるいは国)では、テレマティクス通信などの無線通信を利用して交通情報や簡易地図の図形情報を受信することが行われる。この場合、データ量が大きいため、通信に要する時間も長くなり、車載器における処理時間が長くかかって、簡易図形を適切なタイミングで表示器に表示できなくなってしまうといった問題がある。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、路側のインフラがなくても、交通情報及び簡易地図情報を最適のタイミングで取得でき、そして、特定地点に対して、簡易地図情報と交通情報とを最適のタイミングで表示できるカーナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のカーナビゲーションシステムにおいては、交通情報を無線通信により発信が可能な情報センタと、この情報センタと無線通信が可能で前記交通情報を取得する車載器とを備えたカーナビゲーションシステムであって、前記車載器は、表示器と、案内地点を記憶した地図データベースと、自車の走行位置が前記特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断するタイミング判断手段と、このタイミング判断手段が所定のタイミングとなったことを判断したところで、前記案内地点に関する簡易地図情報を取得する簡易地図情報取得手段と、この簡易地図情報取得手段による簡易地図情報取得以前もしくは同時に前記交通情報を前記情報センタから取得する交通情報取得手段と、前記簡易地図情報手段により取得した簡易地図情報による簡易地図図形と、前記交通情報取得手段により前記情報センタから取得した前記交通情報による図形とを重畳させて前記表示器に表示させる表示制御手段とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
この請求項1によれば、案内地点に関する簡易地図情報を取得するための所定のタイミングを車載器自身で判断し、この所定のタイミングとなったところで、簡易地図情報を取得し、そして、簡易地図情報による簡易地図図形と、前記交通情報による図形とを表示器に表示させるから、路側のビーコンなどのインフラに頼ることなく、上記簡易地図情報及び交通情報を特定地点手前の所定のタイミングで得ることができて、該特定地点手前の適切なタイミングでこれら情報に基づく図形を表示できる。
【0009】
この場合、前記簡易地図情報取得手段は、前記案内地点に関する簡易地図情報を、前記車載器自身が備えた前記地図データベースから取得するようにしても良い(請求項2の発明)。このようにすると、取得処理が迅速となる。
又、前記簡易地図情報取得手段は、前記案内地点に関する簡易地図情報を、前記情報センタが備えた地図データベースから取得するようにしても良い(請求項3の発明)。このようにすると、車載器自体の記憶容量を少なくできる。
【0010】
この場合、前記簡易地図情報取得手段は、少なくとも一つの案内地点が含まれる所定領域の全ての案内地点の簡易地図情報を取得するようにしても良い(請求項4の発明)。このようにすれば、一度に複数の特定地点の簡易地図情報を取得しておくことができ、走行路変更により特定地点変更があっても迅速に対応できる。
【0011】
又、前記タイミング判断手段は、前記簡易地図情報取得から表示までに要する時間を含んだ所定時間を設定し、自車の走行位置が、当該所定時間で前記特定地点に到達する位置となった否かをもって、前記特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断するようにしても良い(請求項5の発明)。このようにすれば、前記所定時間の設定により、簡易地図情報及び交通情報の取得タイミング及び表示タイミングを最適タイミングとすることができる。
【0012】
又、この場合、前記タイミング判断手段は、自車の走行位置が、前記特定地点手前の所定距離となる位置となった否かをもって、前記特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断するようにしても良い(請求項6の発明)。このようにすれば、前記所定距離の設定により、簡易地図情報及び交通情報の取得タイミング及び表示タイミングを最適タイミングとすることができる。
【0013】
又、前記車載器は、取得した簡易地図情報を記憶する記憶手段を有し、前記簡易地図情報取得手段は、前記記憶手段に記憶された簡易地図情報が最新であるときに限って、当該記憶手段の簡易地図情報を取得するようにしても良い(請求項7の発明)。このようにすれば、再度同じ簡易地図情報を取得する必要がない。
【0014】
又、前記記憶手段に記憶した簡易地図情報は、自車が前記所定領域を通過した時点で消去するようにしても良い(請求項8の発明)。このようにすれば、記憶手段の容量が少なくて済む。
又、前記記憶手段に記憶した簡易地図情報は、予め定められた一定期間が経過したときに消去するようにしても良い(請求項9の発明)。このようにすれば、一定期間のうちに同じ特定地点を通るときに、再度簡易地図情報を使用可能となる。
又、前記表示制御手段は、簡易地図図形及び前記交通情報の図形に加えて自車位置図形を表示するようにしても良い(請求項10の発明)。このようにすれば、利便性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、カーナビゲーションシステムの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図2】(a)はナビゲーション装置の制御装置の制御内容を示すフローチャート、(b)は情報センタの制御部の制御内容を示すフローチャート
【図3】図2のステップT10をサブルーチンとして示すフローチャート
【図4】(a)簡易地図図形及び交通情報の図形の表示例を示す図、(b)は簡易地図図形の表示例を示す図
【図5】表示器の表示画面を示す図
【図6】別の表示例を示す表示器の表示画面を示す図
【図7】作用を説明するための道路状況を示す図
【図8】本発明の他の実施形態を示す図7相当図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1ないし図7を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るカーナビゲーションシステム1の構成を概略的に示している。このカーナビゲーションシステム1は、車両に搭載される車載器としてのナビゲーション装置2と、情報センタ3とを備えて構成される。
【0017】
前記ナビゲーション装置2は、コンピュータ(CPU)を主体として構成され全体を制御する制御装置4を備えると共に、その制御装置4に接続されて外部との無線通信を行う通信装置5、自車位置を検出するための位置検出部6、例えばフルカラー液晶ディスプレイからなる表示器7、タッチパネルやメカスイッチを含む操作スイッチ群8、音声出力装置9、地図データベース10等を備えて構成されている。前記制御装置4は記憶手段としての不揮発性メモリ4aを有している。
【0018】
前記位置検出部6は、GPS用の人工衛星からの送信電波に基づいて自車両の位置を検出(測位)するGPS(Global Positioning System )のためのGPS受信機13、自車両の回転角速度を検出するジャイロセンサ14、車速度センサ15を含んでいる。前記制御装置4は、そのソフトウエア構成(及びハードウエア構成)により、前記位置検出部6を構成する各センサ13〜15からの入力に基づいて、自車両の現在位置(絶対位置)、進行方向、速度や走行距離、現在時刻等を高精度で検出する。
【0019】
そして、その自車の現在位置、及び、前記地図データベース10から得られる地図データに基づいて、前記表示器7の画面に、自車周辺の道路地図と共に自車の現在位置(及び進行方向)を重ね合せて表示させるロケーション機能を実現する。この場合、一般に、ロケーション機能を実現するにあたっては、自車の位置を、表示される電子地図上の道路に乗せるために、自車の移動軌跡と道路地図データ中の道路形状とを比較照合して、現在走行中の道路を推測するマップマッチングが行われる。
【0020】
前記地図データベース10は、例えば日本全土の道路地図データや、それに付随する、各種施設や店舗等の施設データ等を記憶するものである。前記道路地図データは、地図上の道路を、交差点等をノードとして複数の部分に分割し、各ノード間の部分をリンクとして規定したリンクデータとして与えられる。このリンクデータは、リンク固有のリンクID(識別子)、リンク長、リンクの始点,終点(ノード)の位置データ(経度,緯度)、角度(方向)データ、道路幅、道路種別などのデータを含んで構成される。また、道路地図を表示器の画面上に再生(描画)するためのデータも含まれている。
【0021】
前記制御装置4は、前記通信装置5により、例えば、図示しない無線基地局及びインターネット等の通信ネットワークを介して、情報センタ3との間で通信(テレマティクス通信)を行うようになっている。前記通信装置5としては、携帯電話機、DSRC、無線LANなど様々なものを採用することができる。
【0022】
さらに、前記制御装置4は、情報センタ3から取得した経路案内データに基づいて経路案内を実行する。周知のように、この経路案内は、表示器7の画面に、道路地図に重ね合わせて走行すべき経路を表示すると共に、自車位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置9により案内音声を出力することにより行われる。これにて、ユーザにより指定された目的地までの推奨する走行経路を探索する経路探索機能が実現されるようになっている。
【0023】
一方、図1に示すように、前記情報センタ3は、コンピュータを主体として構成された制御部16を備えると共に、その制御部16に接続された、外部との間で無線通信を行う通信手段たる通信装置17、経路探索に関連する各種情報を記憶する情報記憶部18、地図データベース19などを備えて構成されている。前記通信装置17は、前記ナビゲーション装置2の通信装置5との間の無線通信を行なうようになっている。
【0024】
また、前記通信装置17は、例えば種々のサーバ20、VICSセンタ21、他の車両等から送信される、交通情報(渋滞、事故、工事、車線規制、交通規制などの情報)、気象情報(天候、風向き、路面状況)等の経路探索に有用な最新のデータを受信可能である。又、上記交通情報をFM放送により発信する機能も有している。上記交通情報や各種データは情報記憶部18に蓄積されるようになっている。前記地図データベース19には、経路探索用の最新の道路地図データや、簡易地図情報としての簡易地図図形データが記憶されている。
【0025】
前記制御部16は、前記ナビゲーション装置2から簡易地図図形データの要求があったときには、当該簡易地図図形データをナビゲーション装置2に送信する。また、所定時間間隔(例えば5分間隔)で交通情報をFM放送又はテレマティクス通信により発信している。
【0026】
さて、前記ナビゲーション装置2の制御装置4は、タイミング判断手段、簡易地図情報取得手段、交通情報取得手段、表示制御手段に相当するものであり、当該制御装置4及び前記情報センタ3の制御部16は、簡易地図情報及び交通情報の取得及び表示に関連する制御を次のように行う。
まず、情報センタ3の制御部16は図2(b)のステップS1及びステップS2に示すように、前回の交通情報発信から設定時間毎(例えば5分毎)に交通情報を発信する。そして、ステップS3で簡易地図情報送信の要求有りと判断されれば、ステップS4で簡易地図情報を送信する。
【0027】
次にナビゲーション装置2の制御装置4は、図2(a)のステップT1で情報センタ3から発信された交通情報を受信(取得)したか否かを判断し、受信すれば、ステップT2に移行して、現在位置を検出し、この現在位置から、ナビゲーション装置2において予め定めた所定時間Tsで達するエリア(図7参照)を計算する。上記ステップT1が交通情報取得手段に相当する。
【0028】
次にステップT4で、上記エリアに、自車の向きや道路などから通過が予測される特定地点(高速道路入口複数存在地点や、複数経路案内地点、これは地図データベース10に特定地点データとして格納されている)が有るか否かを判断する。つまり、自車の走行位置が特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断する(タイミング判断手段)。
【0029】
上記ステップT4で特定地点が有ると判断されれば、ステップT5で、情報センタ3から既に取得し不揮発性メモリ4aに記憶した当該特定地点の簡易地図情報が有るか(記憶されているか)否かを判断し、なければ、ステップT6で、簡易地図情報要求を情報センタ3に送信する。この場合、情報センタ3では、前述したように当該要求を受信すると(ステップS3で判断)、簡易地図情報をナビゲーション装置2に送信する(ステップS4)。上記ステップT6及びステップT7は簡易地図情報取得手段に相当する。
【0030】
この後、ステップT7で、情報センタ3からの簡易地図情報を受信したことが判断されると、ステップT8でこの簡易地図情報を不揮発性メモリ4aに記憶する。そして、ステップT9で自車が予め定められた表示地点に到着したか否かを判断し、到着すれば、ステップT10で簡易地図情報に基づく簡易地図図形などを表示器7に表示する(表示制御手段)。このステップT10の処理内容は、サブルーチンとして図3に示している。
【0031】
このサブルーチンにおいて、ステップU1では、前記簡易地図情報から簡易地図図形(図4(b)に符号Ztを付して示す)を作成して表示する。すなわち、簡易地図図形Ztでは、各交差点などに相当するノードの画面上の位置座標が予め決められている。例えば、図4(b)の表示画面で「浄心」の交差点は横60ピクセル、縦20ピクセルに定められている。
そして、次のステップU2では受信した交通情報から各ノード間の渋滞度を検出する。すなわち、交通情報である車の流れ(速度)情報と、各ノード間の距離とから車両の予測移動速度を算出して渋滞度を検出する。
【0032】
次のステップU3では、上記渋滞度に応じた色を図形(図4(a)に符号Zc1、Zc2、Zc3を付して示す)として表示する。図4(a)において、実線の図形Zc1は緑色表示部分(これは渋滞無し)、一点鎖線の図形Zc2は橙色表示部分(これは渋滞度小)、点線の図形Zc3は赤色表示部分(これは渋滞度大)を示している。この場合、簡易地図図形Zt及び前記交通情報の図形Zc1〜Zc3に加えて自車位置図形(符号Zjで示す)を表示する。なお、この渋滞度図形表示を含む簡易地図図形表示は、図5に示すように、表示器7の表示画面7aにおいては通常の地図表示と合わせて表示される。なお、この表示は、走行する道路形態で変わるものであり、他の表示例を図6に示す。
【0033】
上記ステップU3の後は、図2(a)のステップT11に戻り、前記所定領域を通過したか否かを判断し、通過すればステップT12で前記表示を終了(通常地図画面のみを表示)する。そして、ステップT13で、前記記憶した簡易地図情報が一定期間(例えば1週間)経過したか否かを判断し、経過していれば、消去する。
【0034】
前記ステップT5で、記憶した簡易地図情報があることが判断されると、ステップT15に移行して、最新情報か否かを判断し、最新情報でなければ前記ステップT6に移行し、最新情報であれば、ステップT6〜ステップT8はジャンプして前記ステップT9に移行することになる。この最新情報か否かの判断は、例えば情報センタ3で交通情報発信時に最新の簡易地図情報の固有コード(簡易地図情報の情報本体は送信しない)も合わせて発信し、この最新の固有コードが、記憶している簡易地図情報の固有コードと合致するか否かをもって判断するようにしても良い。
【0035】
上記制御の具体例について図7を参照して述べると、自車両の現在位置Pからみて所定時間Tsで到達するエリアEに、自車の通過が予測される特定地点PTが有る場合(ステップT4の「YES」)には、特定地点PTの簡易地図情報が無ければ(ステップT5の「NO」)、又、有っても最新の簡易地図情報でなければ、情報センタ3から簡易地図情報を取得し(ステップT6、ステップS3、ステップS4、ステップT7)、あるいは、最新の簡易地図情報をもっていれば(ステップT15の「YES」)、カーナビゲーション装置2が記憶している当該最新の簡易地図情報を読み出す(取得する)。図7の場合は情報センタ3から簡易地図情報を受信(取得)する場合を示している。この受信開始タイミング(受信開始時点での自車位置)を符号t1で示している。又、受信終了タイミング(受信終了時点での自車位置)を符号t2で示している。ステップT9の表示開始タイミング(表示開始時点での自車位置)を符号t3で示している。又、表示終了タイミング(表示終了時点での自車位置)を符号t4で示している。
【0036】
上述した実施形態のカーナビゲーションシステム1によれば、案内地点に関する簡易地図情報を取得するための所定のタイミング(ステップT4)を車載器であるナビゲーション装置2自身で判断し、この所定のタイミングとなったところで、簡易地図情報を、情報センタ3が備えた地図データベース19から取得(ステップT6、ステップT7)し、そして、この簡易地図情報の取得以前に取得した交通情報(ステップT1)を表示器7に表示させるから、路側のビーコンなどのインフラに頼ることなく、上記簡易地図情報及び交通情報を特定地点手前の所定のタイミングで得ることができて、該特定地点手前の適切なタイミングでこれら情報を表示できる。
【0037】
特に、本実施形態によれば、簡易地図情報を、情報センタ3が備えた地図データベース19から取得するから、ナビゲーション装置2における記憶容量を少なくできる。
又、本実施形態によれば、制御装置4におけるタイミング判断手段が、前記簡易地図情報取得から表示までに要する時間を含んだ所定時間Tsを設定し、自車の走行位置が、当該所定時間Tsで前記特定地点PTに到達する位置となった否かをもって、前記特定地点PT手前の所定のタイミングとなったか否かを判断するようにしたから、前記所定時間Tsの設定により、簡易地図情報及び交通情報の取得タイミング及び表示タイミングを最適タイミングとすることができる。
【0038】
又、本実施形態によれば、車載器であるナビゲーション装置2が、取得した簡易地図情報を記憶する不揮発性メモリ4aを有し、前記不揮発性メモリ4aに記憶された簡易地図情報が最新であるときに限って、当該不揮発性メモリ4aの簡易地図情報を取得するから、再度同じ簡易地図情報を取得する必要がない。
【0039】
又、本実施形態によれば、前記不揮発性メモリ4aに記憶した簡易地図情報を、予め定められた一定期間が経過したときに消去するようにしたから、一定期間のうちに同じ特定地点を通るときに、再度簡易地図情報を使用可能となる。
又、本実施形態によれば、制御装置4における表示制御手段が、簡易地図図形Zt及び前記交通情報の図形Zc1〜Zc3に加えて自車位置図形Zjを表示するようにしたから、利便性が良くなる。
【0040】
なお、前記簡易地図情報は、ナビゲーション装置2が備えた前記地図データベース10に予め記憶しておいても良い。すなわち、簡易図形であっても複雑な図形や簡単な図形が含まれるから、複雑な図形の簡易地図情報を予め記憶しておけば、情報センタ3から取得に要する時間を省くことができるなど、取得処理の迅速化が可能で、利便性も高くなる。又、簡易地図情報の全てを前記ナビゲーション装置2の地図データベース10に記憶しておいても良い。この場合、適時情報センタ3と通信して最新の簡易地図情報を受信するようにしても良い。
【0041】
又、前記交通情報は、情報センタ3から簡易地図情報を取得するときに同時に取得するようにしても良い。
さらに、前記簡易地図情報取得手段は、少なくとも一つの案内地点が含まれる所定領域(例えば地図データで分割されているブロック)の全ての案内地点の簡易地図情報を取得するようにしても良く、このようにすれば、一度に複数の特定地点の簡易地図情報を取得しておくことができ、走行路変更により特定地点変更があっても迅速に対応できる。
【0042】
又、前記タイミング判断手段は、次のように変更しても良い。すなわち、図8に示すように自車の走行位置(現在位置P)が、前記特定地点PT手前の所定距離Lsとなる位置となった否かをもって、前記特定地点PT手前の所定のタイミングとなったか否かを判断するようにしても良い。このようにすれば、前記所定距離Lsの設定により、簡易地図情報及び交通情報の取得タイミング及び表示タイミングを最適タイミングとすることができる。
【0043】
又、前記不揮発性メモリ4aに記憶した簡易地図情報は、自車が前記所定領域を通過した時点で消去するようにしても良い。このようにすれば、不揮発性メモリ4aの記憶容量が少なくて済む。
【符号の説明】
【0044】
図面中、1はカーナビゲーションシステム、2はナビゲーション装置(車載器)、3は情報センタ、4は制御装置(タイミング判断手段、簡易地図情報取得手段、交通情報取得手段、表示制御手段)、4aは不揮発性メモリ(記憶手段)、5は通信装置、6は位置検出部、7は表示器、10は地図データベース、16は制御部、17は通信装置、19は地図データベースを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通情報を無線通信により発信が可能な情報センタと、この情報センタと無線通信が可能で前記交通情報を取得する車載器とを備えたカーナビゲーションシステムであって、
前記車載器は、
表示器と、
案内地点を記憶した地図データベースと、
自車の走行位置が前記特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断するタイミング判断手段と、
このタイミング判断手段が所定のタイミングとなったことを判断したところで、前記案内地点に関する簡易地図情報を取得する簡易地図情報取得手段と、
この簡易地図情報取得手段による簡易地図情報取得以前もしくは同時に前記交通情報を前記情報センタから取得する交通情報取得手段と、
前記簡易地図情報手段により取得した簡易地図情報による簡易地図図形と、前記交通情報取得手段により前記情報センタから取得した前記交通情報による図形とを重畳させて前記表示器に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記簡易地図情報取得手段は、前記案内地点に関する簡易地図情報を、前記車載器自身が備えた前記地図データベースから取得することを特徴とする請求項1に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記簡易地図情報取得手段は、前記案内地点に関する簡易地図情報を、前記情報センタが備えた地図データベースから取得することを特徴とする請求項1に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記簡易地図情報取得手段は、少なくとも一つの案内地点が含まれる所定領域の全ての案内地点の簡易地図情報を取得することを特徴とする請求項3に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記タイミング判断手段は、前記簡易地図情報取得から表示までに要する時間を含んだ所定時間を設定し、自車の走行位置が、当該所定時間で前記特定地点に到達する位置となった否かをもって、前記特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断することを特徴とする請求項3又は4に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記タイミング判断手段は、自車の走行位置が、前記特定地点手前の所定距離となる位置となった否かをもって、前記特定地点手前の所定のタイミングとなったか否かを判断することを特徴とする請求項3又は4に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記車載器は、取得した簡易地図情報を記憶する記憶手段を有し、
前記簡易地図情報取得手段は、前記記憶手段に記憶された簡易地図情報が最新であるときに限って、当該記憶手段の簡易地図情報を取得することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶した簡易地図情報は、自車が前記所定領域を通過した時点で消去することを特徴とする請求項7に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記記憶手段に記憶した簡易地図情報は、予め定められた一定期間が経過したときに消去することを特徴とする請求項7に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記表示制御手段は、簡易地図図形及び前記交通情報の図形に加えて自車位置図形を表示することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のカーナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−209125(P2011−209125A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77453(P2010−77453)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】