説明

ガラス基板検査装置

【課題】大型のガラス基板の目視検査を容易にする検査装置の提供
【解決手段】この検査装置100は、検査ステージ102と、検査ステージ102に対してガラス基板10を相対的に動かす駆動機構141を備えている。さらに、この検査装置100は、駆動機構141がガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102から確認できるように映す観察部108を備えている。この検査装置100によれば、ガラス基盤10の目視検査が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス基板検査装置に関する。ここで、ガラス基板には、例えば、ガラス基板に形成される薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)など、液晶ディスプレイパネルに用いられる種々のガラス基板が含まれる。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板検査装置に関しては、例えば、特開平10−300447に開示されている。同公報には、基板に光を照射し、基板からの散乱光をラインセンサーカメラによって観察し、基板に形成されたパターンのむらを検査する装置が開示されている。
【特許文献1】特開平10−300447
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ガラス基板は、製造工程が終わる毎に、検査者の目視によって製品の良否を判断する目視検査を行なうことが望ましい。かかる目視検査によれば、画像処理を用いた検査では、見落とされるような不良部位を見つけることができる。しかし、ガラス基板が大きくなると目視検査は難しくなる。
【0004】
例えば、ノートブックPCや、携帯電話機、PDA、カーナビゲーションなどに用いられる、いわゆる第1世代のガラス基板サイズは、300mm×500mm程度である。この程度の大きさであれば、ガラス基板の扱いが容易であり、目視検査も比較的容易に行える。これに対し、テレビは、大型のテレビに需要が増大する傾向があり、ガラス基板も大型化している。いわゆる第7世代のガラス基板サイズは1870mm×2200mmであり、第8世代のガラス基板サイズは2160mm×2400mmである。かかる用途では、ガラス基板は更なる大型化へ変遷しつつあり、一方の辺が3000mmを超えることも予想されている。
【0005】
このように大型のガラス基板を製造する場合、ガラス基板を支持する装置や、ガラス基板を動かす機構など、製造設備は大型化する。そして、製造設備の安全上の制約から、ガラス基板の周りに人が立ち入れない場合もある。このため、大型のガラス基板を製造する場合には、検査者の位置と検査したい部位の距離が遠くなって目視検査が難しくなる。
そこで、本発明は大型のガラス基板の目視検査に適した検査装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検査装置は、ガラス基板を目視検査する検査装置である。この検査装置は、検査ステージと、検査ステージに対してガラス基板を相対的に動かす駆動機構とを備えている。さらに、この検査装置は、駆動機構がガラス基板を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板を見た像を、検査ステージから確認できるように映す観察部を備えている。
検査者は、かかる観察部によって、検査ステージからガラス基板を幅方向外側から見た像を確認できる。これによって、大型のガラス基板に対しても目視検査が容易に行なえる。
【0007】
観察部は、ガラス基板を写す鏡で構成することができる。この場合、鏡は拡大鏡で構成することができる。また、この場合、検査装置は、鏡を動かす機構を備えていてもよい。さらに、検査装置は、鏡を操作する機構を備えていてもよい。
【0008】
また、観察部は、ガラス基板を写すカメラと、当該カメラで撮影された画像を表示する表示部とで構成してもよい。この場合、検査装置はカメラを動かす機構を備えていてもよい。さらに、検査装置はカメラを操作する機構を備えていてもよい。
【0009】
また、検査装置は、ガラス基板の上部よりも下部が検査ステージに近づくように、ガラス基板を斜めに傾けた状態で支持する支持部を備えていてもよい。この場合、駆動機構は、支持部によって斜めに傾けて支持された方向に沿ってガラス基板を動かす機構で構成してもよい。
【発明の効果】
【0010】
この検査装置によれば、観察部によって、駆動機構がガラス基板を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板を見た像を、検査者は、検査ステージから確認できる。このため、検査者は、ガラス基板の幅方向外側に回り込むことなく、所要の目視検査が行なえる。このため、大型のガラス基板に対しても、目視検査が容易に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明者は、大型のガラス基板の目視検査を行なう検査装置100として、図1および図2に示すように、検査者20が乗る検査ステージ102を設置し、ガラス基板10を検査ステージ102に対して動かしながら、検査者20がガラス基板10を目視検査することを考えている。
【0012】
ガラス基板10が大きいと、ガラス基板10を支持する支持部104、および、これを動かす駆動機構141(便宜上、簡略化して図示している。)が構造上大きくなる。このため、本発明者は、駆動機構141を簡単な構造にすることを考えている。このため、例えば、ガラス基板10が動く方向を一方向のスライド、1または2つの回転軸で旋回させるなど、大幅に制限することを考えている。具体的には、ガラス基板10をその面に平行な方向にのみスライドさせたり、ガラス基板10の法線方向を回転軸として旋回させたり、ガラス基板10上の特定の直線に沿って傾けたり、或いは、これらの制限された駆動方向を組み合わせるなどして、駆動方向を制限することを考えている。
【0013】
また、目視検査では、ガラス基板10をいろいろな角度からみて検査する。本発明者の知見では、ガラス基板10に形成されたパターンにむらや歪みなどの不規則な部分(irregularities)がないかを確認するには、ガラス基板10の表面を40度以下の浅い角度(ここでは、ガラス基板10の表面を基準にした角度)から見るのがよい。この場合、ガラス基板10の両側部10aを目視検査するのに、ガラス基板10の両側に検査者が回り込む必要がある。
【0014】
しかしながら、上述したように、ガラス基板10が大型化するのに伴い設備が大型化すると、設備構成上の制約によって、ガラス基板10の両側に検査者が回り込めない場合がある。このため、ガラス基板10の側部10aを、ガラス基板10の外側から40度以下の浅い角度で目視検査することが難しい場合が生じ得る。また、ガラス基板10の両側部10aを目視検査できるようにガラス基板10の両側に検査者が回り込めるような設備にすることは、そのことが設備設計上の制約になり、設備コストが高くなる場合もある。また、ガラス基板10の両側に検査者20が回り込んで目視検査を行なう作業をするにしても、ガラス基板10が大型化すると検査者20が動く距離(動線)が長くなり、効率よく目視検査が行なえず、検査時間が掛かる。また動線が長くなり、検査者20の負担も大きくなる。
【0015】
本発明者は、大型のガラス基板10の製造および目視検査について、このような事情を考慮して本発明を創案した。以下、本発明の一実施形態に係るガラス基板検査装置を図面に基づいて説明する。なお、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付している。
【0016】
この検査装置100は、図3および図4に示すように、検査ステージ102と、支持部104と、照明106と、観察部108とを備えている。
【0017】
ガラス基板10は、液晶ディスプレイパネルに用いられる種々のガラス基板が含まれる。かかるガラス基板は、例えば、薄膜トランジスタが形成される。ガラス基板は、製造工程が終わる毎に、適宜目視検査が行なわれる。この実施形態では、ガラス基板10は矩形である。この検査装置100は、大型のガラス基板の検査に適用でき、例えば、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2160mm×2400mm)あるいはそれ以上に大型のガラス基板の検査にも適用できる。
【0018】
検査ステージ102は、図3および図4に示すように、検査者20(人)が乗る台である。この実施形態では、検査ステージ102は、ガラス基板10の幅と概ね同じ幅で検査者20が左右に動くことができるように、所要の幅を有している。また、この実施形態では、安全上、検査者20がガラス基板10に向けて移動できる領域を制限するため、検査ステージ102に安全柵121が設けられている。
【0019】
支持部104は、ガラス基板10を支持する部材である。この実施形態では、支持部104は、ガラス基板10の長辺を左右に向け、短辺を上下に向けて配設している。また、この実施形態では、支持部104は、ガラス基板10の上部よりも下部が検査ステージ102に近づくように、ガラス基板10を斜めに傾けて支持している。
【0020】
駆動機構141は、検査ステージ102に対してガラス基板10を相対的に動かす機構である。この実施形態では、図3および図4に示すように、支持部104によって、ガラス基板10が斜めに傾けて支持されており、駆動機構141は、図5に示すように、支持部104によって支持された方向aに沿ってガラス基板10を動かしている。このように検査ステージ102に対してガラス基板10が動く方向を一方向にする場合、駆動機構141を簡単な構造で実現できる。
【0021】
次に、照明106は、ガラス基板10に光を照射する機器である。かかる照明には、目視検査に適した照明を採用するとよい。
【0022】
観察部108は、駆動機構141がガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102から確認できるように映す。この実施形態では、観察部108は、鏡181、182で構成されている。
【0023】
鏡181、182は、図6に示すように、検査者20が検査ステージ102から見たときに、ガラス基板10の側部10aが映る。鏡181、182は、ガラス基板10の外側から40度以下の浅い角度θで見た像が映るように所要の角度に調整されているとよい。この実施形態では、図3および図6に示すように、鏡181、182を動かす駆動機構184、185を備えている。具体的には、この実施形態では、駆動機構184、185は鏡181、182を揺動させたり、鏡181、182の高さを変えたりする機構で構成されている。この実施形態では、駆動機構184、185が設けられているので、鏡181、182の角度を変更する作業が容易になる。
【0024】
また、この実施形態では、上述した駆動機構184、185に加えて、鏡181、182を操作する操作機構186、187を備えている。かかる操作機構186、187は、検査者20が駆動機構184、185を操作して鏡181、182を動かせるようにするものであり、この実施形態では、検査者20が検査ステージ102から鏡181、182を操作できるように構成されている。かかる操作機構186、187によって、検査者20は鏡181、182の角度や高さを変えることができ、鏡181、182に写るガラス基板10の像を任意に変更することができる。
【0025】
この検査装置100によれば、検査者20は、検査ステージ102の上から、ガラス基板10の目視検査を実施する面について全面(entire surface)にわたって目視検査を実施することができる。すなわち、ガラス基板10の中央部分については、駆動機構141でガラス基板10を動かしつつ、検査ステージ102から直接ガラス基板10を見ることによって目視検査を行なえる。また、ガラス基板10の両側部10aについては、検査ステージ102から見ることに加えて、上述した鏡181、182を通してガラス基板10を観察することによって、ガラス基板10の外側から40度以下の浅い角度で見た目視検査が行なえる。検査者20は鏡181、182を任意の角度に動かすことによって、鏡181、182に映るガラス基板10の像を、より浅い角度から見た像にしたり、少し高い位置から見た像にしたりすることができる。したがって、ガラス基板10の外側に、検査者20が回り込んだのと略同等の目視検査が行なえる。
【0026】
以上のように、この検査装置100は、検査ステージ102と、検査ステージ102に対してガラス基板10を相対的に動かす駆動機構141を備えている。さらに、この検査装置100は、駆動機構141がガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102から確認できるように映す観察部108を備えている。この検査装置100によれば、観察部108によって、ガラス基板10が動かされる方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を、検査者20は、検査ステージ102から確認できる。また、検査者20は、ガラス基板10の幅方向外側に回り込むことなく、所要の目視検査が行なえる。このため、大型のガラス基板10に対しても、目視検査が容易に行なえる。また、ガラス基板10の両側に検査者20が回り込めるような設備にする必要がなく、設備コストを安価に抑えることができる。また、ガラス基板10が大型化しても、ガラス基板10の両側に検査者20が回り込むことなく、目視検査が行なえるから、検査者20が動く距離(動線)が長くならず、効率よく目視検査が行なえる。これによって、目視検査の検査時間を短縮させることができ、また検査者20の負担も軽減される。
【0027】
また、この実施形態では、観察部108は、鏡181、182で構成されている。この検査装置100は、鏡181、182を動かす駆動機構184、185を備えているので、鏡181、182の取り扱いが容易である、また、この実施形態では、検査装置100は、鏡181、182を操作する操作機構186、187を備えているので、検査者20は、鏡181、182を動かして、任意の角度から見たガラス基板10の像を確認できる。さらに、この実施形態では、検査者20は検査ステージ102から鏡181、182を操作できるので、ガラス基板10の側部10aの目視検査が容易に行なえる。
【0028】
なお、鏡181、182は、拡大鏡で構成してもよい。すなわち、鏡181、182を通じて目視検査をする場合、検査者20が直接ガラス基板10を観察する場合に比べて、見え難い場合も生じる。鏡181、182が拡大鏡で構成されていれば、鏡181、182に映るガラス基板10の像が大きくなるので、検査者20の負担が軽減され、検査精度が向上する。なお、拡大鏡は、ガラス基板10の像が鏡181、182に大きく映るものであればよい。拡大鏡は、例えば、鏡181、182の表面を凸曲面にして、検査者20から見てガラス基板10の像が大きく見えるように構成してもよい。また、拡大鏡は、ガラス基板10の像が魚眼レンズを通して拡大されるように構成してもよい。また、この場合、鏡181、182の全部を拡大鏡で構成してもよい。鏡181、182の一部を拡大鏡で構成してもよい。鏡181、182の一部を拡大鏡で構成した場合には、検査者20は、検査ステージ102からガラス基板10と鏡181、182の位置を適当に調整して、必要な部分について、拡大鏡で構成した部分でガラス基板10を見ることができる。
【0029】
以上、観察部108の構成として、鏡181、182を備えた形態を例示したが、観察部108は上記の構成に限定されない。観察部108は、駆動機構141がガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102で検査する検査者20が確認できるように映す構成であればよい。以下に、本発明の他の実施形態に係る検査装置100Aを説明する。
【0030】
この実施形態では、観察部108Aは、図7に示すように、カメラ191、192と、表示部193、194を備えている。さらに、この実施形態では、カメラ191、192を動かす駆動機構195、196と、操作機構197、198を備えている。
【0031】
すなわち、この実施形態では、カメラ191、192は、駆動機構141がガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を撮影する。表示部193、194は、当該カメラ191、192で撮影された画像を映す。この実施形態では、表示部193、194は、検査者が検査ステージ102から画像を確認できるように配設されている。この実施形態では、カメラ191、192、および、表示部193、194は、ガラス基板10の幅方向両側にそれぞれ配設されている。
【0032】
駆動機構195、196は、カメラ191、192を動かす機構であり、操作機構197、198はカメラ191、192を操作する機構である。この実施形態では、検査者20は、操作機構197、198、駆動機構195、196を通してカメラ191、192を任意に動かすことができる。これによって、表示部193、194に映るガラス基板10の像を、例えば、より浅い角度から見た像にしたり、少し高い位置から見た像にしたりすることができる。カメラ191、192、表示部193、194などは、市販で入手可能なものを用いることができる。カメラ191、192は、高解像度のカメラを用いるとよい。また、表示部193、194についても高解像度の表示装置を採用するとよい。
【0033】
この検査装置100Aによれば、検査者20は、ガラス基板10の中央部分については、検査ステージ102から直接見て目視検査を行なえる。さらに、ガラス基板10の両側部10aについては、検査ステージ102から見ることに加えて、上述した表示部193、194に映ったガラス基板10の像を見て目視検査が行なえる。検査者20はカメラ191、192を任意の角度に動かすことによって、表示部193、194に映るガラス基板10の像を、より浅い角度から見た像にしたり、少し高い位置から見た像にしたりすることができる。また、カメラ191、192を操作して、ガラス基板10を拡大して表示部193、194に映したり、解像度を上げたりすることができる。
このように、この検査装置100Aによれば、大型のガラス基板10の側部10aについても、検査者20がガラス基板10の側部に回り込んだのと、略同等の目視検査を実施することができる。
【0034】
以上のように、この検査装置100Aは、図7に示すように、ガラス基板10が動かされる方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102から確認できるように映す観察部108Aを備えている。この検査装置100Aによれば、観察部108Aは、駆動機構141がガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を撮影するカメラ191、192と、当該カメラ191、192で撮影された画像を映す表示部193、194とで構成されている。検査者20は、表示部193、194に映された画像を基に、ガラス基板10を動かす方向に対して幅方向外側からガラス基板10を見た像を検査ステージ102から確認できる。これによって、大型のガラス基板10に対しても、検査者20は、ガラス基板10の幅方向外側に回り込むことなく、所要の目視検査が行なえるから、目視検査が容易に行なえる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態に係るガラス基板検査装置を説明したが、本発明に係る検査装置は、上述した実施形態に限定されない。
【0036】
例えば、観察部について、鏡を用いる場合には、鏡の形状などについては、図示例の形状に限定されず、種々変更することができる。また、ガラス基板や、鏡や、カメラについての駆動機構、操作機構など、本検査装置は、種々の公知の機構、および、装置を組み合わせて、適当な装置を構成すればよく、上述した実施形態に限定されない。また、ガラス基板の上部よりも下部が検査ステージに近づくように、ガラス基板が斜めに傾けて支持された形態を例示したが、ガラス基板が支持される形態も上述した実施形態に限定されない。また、ガラス基板は、液晶表示装置のガラス基板を例示したが、液晶表示装置のガラス基板に限らず種々のガラス基板の目視検査に適用できる。
【0037】
また、ガラス基板10を動かす駆動機構141について、上述した実施形態では、図3から図5に示すように、支持部104によって、ガラス基板10が斜めに傾けて支持されており、支持部104によって支持された方向aに沿ってガラス基板10を動かす構造を例示した。本発明において駆動機構は、上述した実施形態に限定されず、検査ステージ102に対してガラス基板10を相対的に動かす機構であればよく、また、簡単な構成であればよい。
【0038】
駆動機構141は、例えば、図8および図9に示すように、ガラス基板10の左右幅方向に沿った直線bを回転軸としてガラス基板10を傾ける構成でもよい。この場合、検査ステージ102から離れた部位(図示例では、ガラス基板10の左右両側部10aや、ガラス基板10の上部10b1)が、検査ステージ102から観察し難い。このため、かかる検査装置100Bは、図示は省略するが、ガラス基板10のこれらの部位を外側から見た像を、検査ステージ102から確認できるように、観察部(図示省略)を配設するとよい。
【0039】
また、駆動機構141は、図10に示すように、ガラス基板10をその面に平行な方向(例えば、水平な方向c)にのみスライドさせる構成でもよい。この場合、例えば、ガラス基板10を移動させる方向cに対して幅方向外側に相当する、ガラス基板10の上部10b1と下部10b2が検査ステージ102から観察し難い。このため、かかる検査装置100Cは、図示は省略するが、ガラス基板10の上部と下部の外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102から確認できるように、観察部(図示省略)を配設するとよい。
【0040】
また、駆動機構141は、図10に示すように、ガラス基板10に沿った特定の直線dを回転軸としてガラス基板10を傾けたりする構成でもよい。この場合、例えば、ガラス基板10の左右両側部10aおよびガラス基板10の上部10b1と下部10b2が、検査ステージ102から観察し難い。このため、図示は省略するが、ガラス基板10のこれらの部位の外側からガラス基板10を見た像を、検査ステージ102から確認できるように、観察部(図示省略)を配設するとよい。
【0041】
また、駆動機構141は、図11に示すように、ガラス基板10の法線方向eを回転軸として旋回させる構成でもよい。この場合も、ガラス基板10の上部や、左右両側部などの部位が検査ステージ102からは観察し難い。このため、かかる検査装置100Dは、図示は省略するが、ガラス基板10を旋回させて適当な角度にしつつ、ガラス基板10の上部や、左右両側部などの部位を外側から見た像を、検査ステージ102から確認できるように、観察部(図示省略)を配設するとよい。
【0042】
以上、本発明においてガラス基板を動かす駆動機構の構造は、これら例示した変形例にも限定されるものではない。例えば、上述したガラス基板の種々の動きを適当に組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明者が検討しているガラス基板検査装置を示す正面図。
【図2】本発明者が検討しているガラス基板検査装置を示す側面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るガラス基板検査装置を示す正面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るガラス基板検査装置を示す側面図。
【図5】本発明の一実施形態に係るガラス基板検査装置を示す側面図。
【図6】本発明の一実施形態に係るガラス基板検査装置の使用状態を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態に係るガラス基板検査装置を示す正面図。
【図8】本発明の他の実施形態に係るガラス基板検査装置におけるガラス基板の駆動方向を示す正面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係るガラス基板検査装置におけるガラス基板の駆動方向を示す正面図。
【図10】本発明の他の実施形態に係るガラス基板検査装置におけるガラス基板の駆動方向を示す正面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るガラス基板検査装置におけるガラス基板の駆動方向を示す正面図。
【符号の説明】
【0044】
10 ガラス基板
10a ガラス基板の側部
20 検査者
100、100A、100B、100C、100D 検査装置
102 検査ステージ
104 支持部
106 照明
108、108A 観察部
121 安全柵
141 駆動機構
181、182 鏡
184、185 鏡の駆動機構
186、187 鏡の操作機構
191、192 カメラ
193、194 表示部
195、196 カメラの駆動機構
197、198 カメラの操作機構
a ガラス基板が動く方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板を目視検査する検査装置であって、
検査ステージと、
前記検査ステージに対してガラス基板を相対的に動かす駆動機構と、
前記駆動機構がガラス基板を動かす方向に対して幅方向外側から前記ガラス基板を見た像を、前記検査ステージから確認できるように映す観察部と
を備えた、ガラス基板検査装置。
【請求項2】
前記観察部は、前記ガラス基板を写す鏡で構成されている、請求項1に記載のガラス基板検査装置。
【請求項3】
前記鏡は拡大鏡で構成されている、請求項2に記載のガラス基板検査装置。
【請求項4】
前記鏡を動かす機構を備えた、請求項2又は3に記載のガラス基板検査装置。
【請求項5】
前記鏡を操作する機構を備えた、請求項4に記載のガラス基板検査装置。
【請求項6】
前記観察部は、前記ガラス基板を写すカメラと、当該カメラで撮影された画像を表示する表示部とを備えた、請求項1に記載のガラス基板検査装置。
【請求項7】
前記カメラを動かす機構を備えた、請求項6に記載のガラス基板検査装置。
【請求項8】
前記カメラを操作する機構を備えた、請求項7に記載のガラス基板検査装置。
【請求項9】
前記ガラス基板の上部よりも下部が検査ステージに近づくように、前記ガラス基板を斜めに傾けた状態で支持する支持部を備えた、請求項1から8までの何れか一項に記載のガラス基板検査装置。
【請求項10】
前記駆動機構は、前記支持部によって斜めに傾けて支持された方向に沿って、前記ガラス基板を動かす、請求項9に記載のガラス基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−71860(P2010−71860A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240935(P2008−240935)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】