説明

ガリウムで汚染された層の電子ビーム誘起エッチング方法

本発明は、ガリウムで汚染された層(120),(220)の電子ビーム誘起エッチング方法に関する。本方法は、エッチングガスとして、少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物を、電子ビームが層(120),(220)に衝突する位置に供給する方法ステップ、および、ガリウムを同位置において除去する前駆体ガスとして、少なくとも1種類の第2ハロゲン化合物を供給する方法ステップ、を含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガリウム注入された層を電子ビーム誘起エッチングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エッチングプロセスは、産業面で、特に、半導体技術において、重要な役割を果たす。エッチングプロセスを用いて、ナノメータ範囲に至る微細構造を作成することができる。さらに、エッチングプロセスは、フォトリソグラフィマスクを修復する際に重要な機能を果たす。
【0003】
半導体技術において微細構造を作製するためにエッチングプロセスを用いるが、集束イオンビームの衝突により行うエッチングプロセスは、従来より、FIB(focused ion beam)として知られる。例えば、FIB技術は、特許文献1に開示される。FIB技術の特に有利な点は、非常に平坦で非常に急勾配の側壁、すなわち、高エッチング速度でアスペクト比の高い構造を加工できることである。アスペクト比とは、ある構造における奥行または高さの、それぞれの横方向最小長さに対する比を示す。
【0004】
FIB技術においては、イオンビームは通常ガリウム(Ga)イオンを含む。フォトリソグラフィマスクを修復する間、石英基板へのガリウム注入により、露光に用いる紫外線(UV)照射に対する透過特性が低下する。特許文献2においては、基板層の厚さを著しく変更せずに石英基板の透過特性を大幅に回復できる方法が開示される。ガリウムイオンの衝突により、石英基板にUV照射に対するブラーが生じる。このため、電子ビームおよびエッチングガスである二フッ化キセノン(XeF)を用いて、石英基板上におけるガリウムイオンが注入された領域からイオンを除去する。このプロセスにおける必須の前提条件は、電子ビーム及びXeF2を合わせた衝撃によって、基板がエッチングされないということである。基板物質が除去されると、基板の厚さが局所的に変化して、UV照射による露光の際の位相誤差が生じるおそれがある。このことは、フォトリソグラフィマスクの画像欠陥につながることがある。したがって、結局は、不十分な透過率による欠陥に代わり、フォトリソグラフィの画像品質が不十分となり欠陥が生じる。
【0005】
加工対象層の下層にガリウムが注入されることは、FIB技術における一般的な問題であり、上記のマスク修復プロセスと同時に発生し、また、いわゆる回路編集においても発生する。回路編集とは、すなわち、半導体技術において微細構造を直接加工修正することであり、例えば、デバイスの各導電路を連続して相互に切断または接続することである。
【0006】
例えば、FIB技術では、ガリウムの衝突により半導体層へのガリウム注入が生じ、このガリウム注入により、半導体層のそれ以降の処理が著しく複雑化する。特に、この層をエッチングすることが非常に困難になる。ガリウム注入された部分の大半を除去すると、その層は通常不活性残渣として残留し、それ以降の処理にて問題となる。ガリウムに汚染された層の除去が困難であることにより、結果として、ガリウムに汚染された層を有する多層系において深いコンタクトホールまたは深いビアをエッチングすると、この層の範囲内において隘路が生じる(図5参照)。さらに、多層系のその他の層にガリウムの残渣が吸着することにより、それ以降の処理が著しく複雑化する。FIB技術のさらなる深刻なデメリットは、スパッタされた物質の大部分が、試料または真空チャンバ内のその他の箇所に吸着することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,639,301号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0226814号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、したがって、上記の問題点に基づき、実質的に残渣を残さずにガリウムで汚染された層をエッチングする方法を提供するものであり、その結果、上記のデメリットを少なくとも部分的に回避するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、この問題は、請求項1に記載の方法により解決される。一実施形態において、ガリウムで汚染された層を電子ビーム誘起エッチングする方法は、層に電子ビームが衝突する位置と同じ位置において、少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物をエッチングガスとして同層に供給するステップ、および、少なくとも1種類の第2ハロゲン化合物を前駆体として同位置に供給するステップを含むものである。
【0010】
出願人は、驚くべきことに、適切な前駆体ガスを用いた電子ビーム誘起エッチングによりガリウムで汚染された層を除去することができることを発見した。従来より、ガリウムで汚染された大体積層を除去した際、不活性残渣が発生することが既知であるが、前駆体ガスを添加することにより、この不活性残渣の発生を大幅に抑制することができる。ガリウムで汚染された層を少なくとも1層有する多層系をエッチングする際、前駆体ガスを添加することにより、その他の層へガリウムの残渣が吸着するのを防止または低減する。したがって、本発明による方法によれば、実質的に残渣を残さずにガリウムで汚染された層をエッチングすることができる。さらに、ガリウムで汚染された層をエッチングする際に前駆体ガスを添加することにより、ガリウムが注入されていない層と比較して、ガリウムで汚染された層のエッチングガスに対する選択性を縮小することができる。これにより、ビアをエッチングする際に隘路が形成されるのを防ぐことができる。
【0011】
本発明による方法の好ましい実施形態において、第1ハロゲン化合物として二フッ化キセノン(XeF)を用いる。しかしながら、例えば、ハロゲン族元素(臭素(Br)および/またはヨウ素(I))等のその他のハロゲン化合物、または、例えば、六フッ化硫黄(SF)または酸素(O)等のその他の化合物を、エッチングガスとして用いることも考えられる。
【0012】
好ましくは、第2ハロゲン化合物として塩素(Cl)を用いる。しかしながら、本発明による方法は、前駆体ガスとしてClを用いることに限定されない。例えば、別のハロゲン、ハロゲン化合物、または酸化化合物等のその他の前駆体ガスを用いることも考えられる。
【0013】
本発明による方法の好ましい実施形態において、エッチングを行う間、第2ハロゲン化合物を継続的に供給した場合、良好なエッチング結果が得られる。本発明による方法の特に好ましい実施形態において、第2ハロゲン化合物のガス流量を0.1sccm(標準立方センチメートル/分)とすると、良好なエッチング結果が得られる。
【0014】
好ましくは、エッチングプロセスの間、第1ハロゲン化合物を経時変化させて供給する。一実施形態において、1:5のデューティサイクルで、30s(秒)のクロックレートにより、第1ハロゲン化合物をチョップ(chop)する。
【0015】
本発明による方法の一実施形態において、ガリウムで汚染された層を有する多層系にわたりビアをエッチングする場合、ガリウムで汚染された少なくとも1つの層をエッチングする際は、ガリウムで汚染されていない層をエッチングする場合と比べて、第2ハロゲン化合物のガス流量を増加させる。
【0016】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、コールドトラップおよび/または紫外線ランプにより、真空チャンバ内の水蒸気分圧を減少させる。
【0017】
好ましくは、追加または代案として、電子ビーム装置の電子ビームを用いて、エッチング対象の層および/またはエッチングした層の表面を検査する。電子ビーム顕微鏡法に加え、または、並行して、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、走査トンネル顕微鏡法、および/または走査型力顕微鏡法等のその他の方法を用いることができる。これらの方法を組み合わせることも可能である。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、ガリウムで汚染された層を有する層を電子ビーム誘起エッチングする装置は、少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物のための注入口を有する。注入口は、電子ビームが層に衝突する位置に設ける。さらに、装置は、前駆体ガスとしての少なくとも1種類の第2ハロゲン化合物のための注入口を同じ位置に有する。
【0019】
本発明による方法のさらなる実施形態は、特許請求の範囲におけるさらなる従属項において定義される。
【0020】
以下の発明の詳細な説明において、本発明の現下における好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による方法を実施するための例示的な装置であって、真空チャンバ内において、ガリウムで汚染された少なくとも1つの層を含む試料に、エッチングガス、前駆体ガス、および集束電子ビームを同時に衝突させることによりエッチング可能な装置を示す概略図である。
【図2】ガリウムで汚染された体積の大きい層を有する多層系を従来技術による方法でエッチングしたときの拡大概略断面図である。
【図3】ガリウムで汚染された体積の大きい層を有する多層系を本発明の一実施形態による方法でエッチングしたときの拡大概略断面図である。
【図4】ガリウムで汚染された層を有する多層系のいくつかの層にわたりエッチングしたビアの拡大概略断面図である。
【図5】従来の方法によりエッチングを行った際の図4に示すビアを示す概略断面図である
【図6】本発明による方法により図4に示すビアをエッチングした際の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明による方法および本発明による装置の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1に、エッチング対象の試料90を真空チャンバ10内の試料ホルダ20に配置した様子を概略的に示す。試料90は、図2および図3において、多層系100を含み、図4〜図6において多層系200を含む。本発明による方法を実施するための電子ビームは、例えば、改良走査電子顕微鏡である電子ビームデバイス30から出射する。
【0024】
図1に示す本発明の好ましい実施形態において、エッチングガスとしてハロゲン化合物XeFを、注入口40を介して真空チャンバ10内に導入する。XeFに加え、その他のハロゲン族元素を用いることもでき、例えば、Cl、Br、および/またはI、ならびに、例えば、SF等のハロゲン化合物を用いることができる。ハロゲン化合物に加え、水(HO)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、およびその他の反応性の物質も並行して用いることが考えられる。さらに、本発明による方法によれば、2種類以上のエッチングガスを同時に用いることもできる。さらに、エッチングプロセス中に、異なるエッチングガスの混合比を変更することができる。
【0025】
図1に示す実施形態において、注入口50を介して真空チャンバ10内に前駆体ガスCl2を導入する。Clと同時に、例えばBrおよび/またはI等のその他のハロゲン族元素、および/または、例えばSF等のその他のハロゲン化合物を、前駆体ガスとして用いることが考えられる。ハロゲン化合物と並行して、水(HO)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、およびその他の反応性の物質も用いることが考えられる。2種類以上のガスまたは物質は、それぞれ、前駆体ガスと考えることもでき、その混合比はエッチングプロエスの途中で変更することができる。
【0026】
XeFおよびClは、適切な投入弁(図1には図示せず)を介して、対応する注入口40,50を経由して、エッチング対象の多層系100,200に供給される。この過程で、XeFおよびClの両方のガスを、別々の投入弁を介して導入し、共通の注入口(図1には図示せず)を経由して導入することも可能である。エッチング対象の層に向けられたガス注入口40,50に代えて、第1ハロゲン化合物および/または第2ハロゲン化合物を、エッチング対象の表面に向けることなく真空チャンバ10内に導入することもできる。
【0027】
XeFおよびClの投入量は、経時的に均一とすることができる。エッチングプロセスを行う間、2種類のガスのうち両方のガスおよび/または一方のガスの投入量を変更(「チョッピング」)することもできる。ガリウムで汚染された半導体層のエッチングに際し、前駆体ガスを0.1sccmのガス流量で継続的に供給すれば、良好な結果が得られる。同時に、エッチングガスXeFを、好ましくは、温度273Kにおいて経時変化させて供給する。この過程において、デューティサイクルは1:5であり、サイクル長は30s(秒)である。このことは、注入口40を介して真空チャンバ10内にXeFを5秒間にわたり導入し、次の25秒間は注入口40の弁(図1には図示せず)によりエッチングガスの供給を遮断することを意味する。例えば、本発明による方法は、ガス流量を約0.5sccm(標準立方センチメートル/分)とすることにより実施できる。
【0028】
前駆体ガスとして塩素を用いて電子ビーム誘起エッチングを行うことは、装置においていくつかの課題がある。電子ビームデバイス30の未処理の真空チャンバ10においては、塩素の反応性により、例えば、炭化水素等の大量の残留ガスが真空チャンバ10内に放出され、この放出された残留ガスの蒸着により、エッチング対象の試料90のエッチングが妨げられる。エッチング対象の層上に蒸着する適切な分子をさらに生成するため塩素を供給した際の、真空チャンバ10内において起こりうるさらなる反応経路としては、塩素が、真空チャンバ10内に残留ガスとして残っている水分子と自然反応して、塩化水素(HCl)が発生すること挙げられる。HClは極性化合物であり、極性のより低い水分子よりも、著しく良好にエッチング対象試料90に付着する。したがって、水蒸気脱着法は、真空チャンバ10内において有用である。
【0029】
上記において説明した、注入口50を介して真空チャンバ10内に塩素を導入した際に発生する汚染問題を防止するために、種々の方法を用いることができる。ここでは、非密閉の(non-closing)試料について説明する。真空チャンバ10を加熱し、プラズマを用いて真空チャンバ10を清浄し、クライオポンプまたはコールドトラップ60を使用して水分のポンプ能力を向上させ、そして、紫外線照射により、真空チャンバ10および試料90の表面からの水分の脱着を支援する。
【0030】
電子ビームのパラメータは、ガリウムで汚染された層の物質組成とは無関係に、調整可能である。例示的なパラメータ集合において用いる電子ビームの電子エネルギーは1keV、電流強度は50pA、ドゥエル時間は50ns、およびリフレッシュ時間は2msである。
【0031】
エッチング反応を開始するには、好ましくは、集束電子ビームを単独で用いる。しかしながら、追加または代案として、その他のエネルギー伝達機構(例えば、集束レーザビームおよび/または非集束イオンビーム)を用いることもできる。
【0032】
既に述べたように、ガリウムで汚染されている層をエッチングする場合、2つの異なる問題が発生する。大体積を除去することにより、エッチングによっても除去されないで残る領域が生じる。これらの領域は、従来の方法により電子ビーム誘起エッチングを行った際の、いわゆる不活性残渣と呼ばれるものである。図2に、上から2番目の層120がガリウムで汚染された多層系100を示す。このガリウムで汚染された層は、半導体層120である。しかしながら、ガリウムは、イオン衝突によりエッチング対象の絶縁層に注入されたものでもありうる。図2に示す例では、その他の層110,130,140,150,および160は、組成および/または投入量の異なる半導体層であって、ガリウムにより汚染されていない層である。さらに、図2に示す例において、除去する物質の領域は層から層へ段階的に小さくなる。エッチングプロセスにより、最下層160に到達する。ガリウムで汚染された層120のエッチング速度が、ガリウムが実質的に注入されていないその上層110およびその下層130とは異なることにより、層110の下部は余分に削り取られる(アンダーカット)。用語「実質的に」とは、この場合、および本明細書のその他の箇所において、それぞれ、検出限界未満の濃度、または測定誤差の範囲内の濃度であることを意味する。
【0033】
電子ビーム誘起エッチングプロセスにおいて、ガリウムで汚染された層120を従来技術によりエッチングする際、エッチングプロセスで除去できない不活性残渣190が残る。さらに、ガリウムで汚染された層120を除去する際、層120から除去したガリウムの残渣180が最初にエッチングした最上層110に蒸着する。
【0034】
図3に、本発明によるエッチング方法を適用した後の、図2において説明した多層系100を示す。前駆体ガスを添加することにより、ガリウムで汚染されていない層110,110,130,140,150,および160と比較したガリウム注入層120のエッチングガスに対する選択性は、大幅に減少する。このため、第1層110におけるアンダーカットを大幅に抑制することができる。前駆体ガスとして塩素を用いることにより、ガリウムで汚染された層120を、実質的に残渣を残さずに除去することができる。不活性残渣190は層120上に実質的に残留しない。ガリウム残渣は、層110上に吸着せず、または、ごくわずかに吸着するのみである。
【0035】
図4に、多層系200において、いくつかの層210〜260にわたり金属性の導電接続170までエッチングしたビア300を概略的に示す。図2および図3に示すように、上から2番目の半導体層220は、この場合も、ガリウムで汚染されている。その他の層210,230,240,250,260,270、および280は、実質的にガリウム汚染されていない。多層系200の最上層210は絶縁層である。層230,240,250,および280は、物質組成および/または投与量の異なる導体層、アイソレータ類、および/または金属類である。金属製の導電接続270は、絶縁層260に埋め込まれる。図4とは対照的に、FIB技術を用いる際には、イオン衝突によりガリウムを絶縁層にも注入することができる。上層および/または下層も、絶縁層、金属層、および/また半導体層とすることができる。本発明による方法により、これらの多層系も良好にエッチングすることができる。
【0036】
図5は、従来の電子ビーム誘起エッチング方法を用いて除去を行った際の、図4に示す多層系200のビア300の断面図である。一方の層220のエッチング速度が、他方の絶縁層210および半導体層230のエッチング速度と異なることにより、隣接層210および230はアンダーカットを呈する。層220におけるエッチング速度が低いことにより、隘路が生じる。層220から除去したガリウムが、ガリウム残渣として、多層系200のその他の層210,230,240,250,260,および270に吸着する。
【0037】
図6も、図4に示す多層系200のビア300の断面図であるが、図6は本発明による方法によりエッチングを行ったものである。図4の説明において述べたように、注入口50を介して真空チャンバ10に塩素を添加することにより、一方の層210および230と他方の層220との間の、エッチング速度の選択性が減少する。したがって、層210および230のアンダーカットを効率的に回避することができる。さらに、層220の範囲において生じるボトルネックを、それぞれ、回避すること、または、大幅に減少することができる。本発明による方法により実質的に残渣を残さないエッチングを行った結果として、多層系200のその他の層210,230,240,250,260,および270にガリウム残渣180が吸着するのを実質的に回避することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガリウムで汚染された層(120,220)の電子ビーム誘起エッチング方法であって、
a.エッチングガスとして、少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物を、電子ビームが前記層(120,220)に衝突する位置に、供給するステップ、および
b.前記位置において、前記ガリウムを除去する前駆体ガスとして、少なくとも1種類の第2ハロゲン化合物を供給するステップ、
を含む電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、前記少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物は二フッ化キセノンを含むことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、前記少なくとも1種類の第2ハロゲン化合物は塩素を含むことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、前記エッチングを行う間、前記第2ハロゲン化合物を継続的に供給することを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、前記第2ハロゲン化合物を0.1標準立方センチメートル/分のガス流量で供給することを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、前記エッチングを行う間、前記第1ハロゲン化合物を経時変化させて供給することを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、前記第1ハロゲン化合物を、30秒のクロックレートでチョップした1:5のデューティサイクルで供給することを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、ガリウムで汚染された少なくとも1つの層(220)を含む多層系(200)にわたりビア(300)をエッチングする際、前記ガリウムで汚染された少なくとも1つの層(220)をエッチングするときの前記第2ハロゲン化合物のガス流量は、ガリウムで汚染されていない層(210,230,240,250,260,270,280)をエッチングするときよりも多いことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、コールドトラップおよび/または紫外線ランプ(70)を用いて、真空チャンバ(10)内の水蒸気分圧を減少させることを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング方法であって、電子ビーム装置(30)の前記電子ビームを用いて、エッチング対象層(110,120,130,140,150,160,210,220,230,240,250,260,270,280)の表面を画像化することを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング方法。
【請求項11】
ガリウムで汚染された層(120,220)の電子ビーム誘起エッチング装置であって、
a.電子ビームが前記層(120,220)に衝突する位置に設けた、少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物のための注入口(40)、および
b.ガリウムを前記位置において除去する前駆体ガスとしての第2ハロゲン化合物のための注入口(50)、
を備える電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、前記少なくとも1種類の第1ハロゲン化合物として二フッ化キセノンを用いるようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、前記少なくとも1種類の第2ハロゲン化合物として塩素を用いるようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、前記エッチングの間、前記第2ハロゲン化合物を継続的に供給するようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項15】
請求項14に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、前記第2ハロゲン化合物を0.1標準立方センチメートル/分のガス流量で供給するようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、前記エッチングの間、前記第1ハロゲン化合物を経時変化させて供給するようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項17】
請求項16に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、前記第1ハロゲン化合物を、30秒のクロックレートでチョップした1:5のデューティサイクルで供給するようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項18】
請求項11〜17のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、ガリウムで汚染された少なくとも1つの層(220)を含む多層系(200)にわたりビア(300)をエッチングする際、前記ガリウムで汚染された少なくとも1つの層(220)をエッチングするときに供給する前記第2ハロゲン化合物のガス流量を、ガリウムで汚染されていない層(210,230,240,250,260,270,280)をエッチングするときよりも、多くするようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項19】
請求項11〜18のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、さらに、真空チャンバ(10)内の水蒸気分圧を減少させるコールドトラップ(60)および/または紫外線ランプ(70)を備える、電子ビーム誘起エッチング装置。
【請求項20】
請求項11〜19のいずれか一項に記載の電子ビーム誘起エッチング装置であって、電子ビームデバイス(30)の前記電子ビームを用いて、エッチング対象層および/またはエッチングした層(110,120,130,140,150,160,210,220,230,240,250,260,270,280)の表面を画像化するようにしたことを特徴とする、電子ビーム誘起エッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−530821(P2011−530821A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522428(P2011−522428)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005823
【国際公開番号】WO2010/017963
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(510232809)カールツァイス エスエムエス ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】Carl Zeiss SMS GmbH
【Fターム(参考)】