説明

クロック再生装置および電子機器

【課題】受信データ信号のエッジ位置変動が生じたとしても的確にエッジ検出を行うことが可能で、転送レートの高速化および低消費電力化を実現することが可能なクロック再生装置および電子機器を提供する。
【解決手段】ゲーティング信号生成部130Bは、位相判定部120Bの位相判定信号に応じて、エッジ検出部110の検出結果により立ち上がりエッジ検出を示す信号または立ち下がりエッジ検出を示す信号のいずれか一方の信号を第1のゲーティング信号として、他方の信号を受信データ信号の周期の半周期分を遅延させて上記第2のゲーティング信号として生成し、発振器140Bは、位相が第1のゲーティング信号SGT10および第2のゲーティング信号SGT11によって制御され、受信データ信号RDTに同期したクロック信号CLKを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信データ信号に同期したクロックを再生するクロック再生装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル伝送の分野において、大容量のデータを高速かつ低消費電力で転送する必要が高まっており、これらのインタフェースにおいて、クロック再生装置が広く使われている。
また、高速インタフェースでは、転送レートの高速化に伴って信号に含まれるジッタ成分が増加してきており、ジッタに対する耐性も求められている。
【0003】
クロック再生装置の方式として、PLLを応用した方式、多相クロック信号から受信データ信号に同期した位相のクロックを選択、もしくは生成する方式がある。
【0004】
しかし、これらの方式において高速化しようとすると、高速に動作する位相比較器が必要になり、高速化を困難にする。
さらに、これらの方式では、受信データ信号に対する同期を負帰還により実現しているために、クロック信号が受信データ信号に同期するために要する時間が長く、短時間に受信データ信号に同期することが求められるバーストデータ転送には適さない。
【0005】
一方、ゲート付き電圧制御発振器(以下、ゲーテッドVCOという)を用いたクロック再生方式が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
この方式では、位相比較器が不要であり、位相比較器により高速化が制限されることはない。さらに、受信データ信号に対して瞬時に同期することが可能である。
【0006】
図1は、一般的なゲーテッドVCO方式のクロック再生方式の一例を示す図である(たとえば、特許文献1参照)。
図2(A)〜(C)は、図1のエッジ検出器の動作タイミングを示す図である。
【0007】
図1のクロック再生装置1は、エッジ検出器2および電圧制御発振器3を有する。
エッジ検出器2は、遅延回路21および排他的論理和(EXOR)22を有する。
【0008】
エッジ検出器2には、受信データ信号rdtが入力される。
エッジ検出器2においては、遅延回路21で受信データ信号rdtが遅延され、その遅延信号S21がEXORゲート22に供給される。EXORゲート22では、入力された受信データ信号rdtと遅延信号S21とのEXORが行われ、その結果がゲーティング信号S2として電圧制御発振器3に出力される。
電圧制御発振器3では、発振周波数制御電圧fcvにより発振周波数が制御され、ゲーティング信号S2に応じたタイミングでクロック信号S3が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−213979号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】M.Banu and A.E.Dunlop : “Clock Recovery Circuits with Instantaneous Locking”, Electronics Letters, Vol.28, No.23, Nov,1992, pp.2127-2130
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述したゲーテッドVCOを用いた方式では、受信データ信号rdtの転送レートと同じ周波数のクロック信号S3を出力するため、フルレートの電圧制御発振器3が必要である。
そのため、上記したゲーテッドVCOを用いた方式で高速化しようとすると、電圧制御発振器3の発振周波数によって高速化が制限されてしまう。
また、高速の発振周波数で発振する電圧制御発振器3を必要とするために、消費電力の増大を招いてしまう。
【0012】
さらに、転送レートの1周期をT0[sec]とすると(たとえば、転送レートが5[Gbps]の場合、T0=200[psec])、ゲーティング信号S2は次のように出力される。
すなわち、上記ゲーテッドVCO方式のクロック再生装置1のエッジ検出器2は、受信データ信号rdtと遅延回路21によりT0/2だけ遅延された遅延信号S21のEXOR22によりゲーティング信号S2がパルス信号として出力される。
そのため、受信データ信号rdtがそのジッタ成分によって位相が変動することにより受信データ信号rdtの隣接するエッジ間がT0/2となると、それぞれのエッジに対するパルス信号をゲーティング信号S3として出力することができなくなる。
【0013】
図2は、上記したゲーテッドVCO方式のクロック再生装置で用いられるエッジ検出器の動作例であるが、この図に示すように、受信データ信号rdtのジッタに対する耐性が制限されてしまう。
【0014】
本発明は、受信データ信号のエッジ位置変動が生じたとしても的確にエッジ検出を行うことが可能で、転送レートの高速化および低消費電力化を実現することが可能なクロック再生装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の観点のクロック再生装置は、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該n個のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号から第nのゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第nのゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループから上記第nのゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、上記ゲーティング信号生成部は、上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部のエッジ検出信号を注入する上記ゲーティング信号を選択して、選択したゲーティング信号を遅延制御して上記発振器に出力し、上記発振器は、位相が上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する。
【0016】
本発明の第2の観点のクロック再生装置は、縦続接続された第1のゲーティンググループおよび第2のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該第1および第2のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号および第2のゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第2のゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、上記ゲーティング信号生成部は、上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部の検出結果により立ち上がりエッジ検出を示す信号または立ち下がりエッジ検出を示す信号のいずれか一方の信号を第1のゲーティング信号として、他方の信号を受信データ信号の周期の半周期分を遅延させて上記第2のゲーティング信号として生成し、上記発振器は、位相が上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する。
【0017】
本発明の第3の観点の電子機器は、少なくともクロック再生装置と、上記クロック再生装置で再生されたクロック信号に同期して、受信データ信号に対する処理を行う少なくとも一つの機能ブロックと、を含み、上記クロック再生装置は、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該n個のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号から第nのゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第nのゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループから上記第nのゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、上記ゲーティング信号生成部は、上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部のエッジ検出信号を注入する上記ゲーティング信号を選択して、選択したゲーティング信号を遅延制御して上記発振器に出力し、上記発振器は、位相が上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する。
【0018】
本発明の第4の観点の電子機器は、少なくとも一つのクロック再生装置と、上記クロック再生装置で再生されたクロック信号に同期して、受信データ信号に対する処理を行う少なくとも一つの機能ブロックと、を含み、上記クロック再生装置は、縦続接続された第1のゲーティンググループおよび第2のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該第1および第2のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号および第2のゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第2のゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、上記ゲーティング信号生成部は、上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部の検出結果により立ち上がりエッジ検出を示す信号または立ち下がりエッジ検出を示す信号のいずれか一方の信号を第1のゲーティング信号として、他方の信号を受信データ信号の周期の半周期分を遅延させて上記第2のゲーティング信号として生成し、上記発振器は、位相が上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する。
【0019】
本発明によれば、受信データ信号のエッジごとにクロック信号の位相が受信データ信号に同期しながら、クロック信号がクロックパルスとして出力される。
また、電圧制御発振器へのエッジ注入がゲーティング信号により複数箇所から可能であり、少なくとも1箇所からの注入に対して立ち上がりエッジが同期し、他の少なくとも1箇所の注入に対して立ち下がりエッジが同期する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、受信データ信号のエッジ位置変動が生じたとしても的確にエッジ検出を行うことができ、転送レートの高速化および低消費電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一般的なゲーテッドVCO方式のクロック再生方式の一例を示す図である。
【図2】図1のエッジ検出器の動作タイミングを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】本第1の実施形態に係るn=3の電圧制御発振器(VCO)の構成例を示す図である。
【図5】受信データ信号とクロック信号の位相関係を示す図である。
【図6】n=3の場合の図3のクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本第2の実施形態に係るn=3の電圧制御発振器(VCO)の構成例を示す図である。
【図9】n=3の場合の図7のクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】本第3の実施形態に係るエッジ検出器の構成例を示す回路図である。
【図12】図11のエッジ検出器の動作タイミングを示す図である。
【図13】本第3の実施形態に係る位相判定器の構成例を示す回路図である。
【図14】本第3の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る電圧制御発振器の構成例を示す回路図である。
【図16】本第3の実施態様のクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図17】本発明の第4の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図18】本第4の実施形態に係るエッジ検出器の構成例を示す回路図である。
【図19】本第4の実施形態に係る位相判定器の構成例を示す回路図である。
【図20】本第4の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
【図21】本第4の実施形態に係るクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図22】本発明の第5の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図23】本第5の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
【図24】本第5の実施形態に係る電圧制御発振器の構成例を示す回路図である。
【図25】本第5の実施形態に係るクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図26】本発明の第6の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図27】本第6の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
【図28】第1〜第6の実施形態の各クロック再生装置に含まれる遅延回路の構成例を示す図である。
【図29】本発明の実施形態に係るクロック再生装置の第1の接続例を示すブロック図である。
【図30】本発明の実施形態に係るクロック再生装置の第2の接続例を示すブロック図である。
【図31】本発明の第7の実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【図32】本発明の第8の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図33】本発明の第8の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示す回路図である。
【図34】本第8の実施形態に係るクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図35】本第8の実施形態におけるクロック信号、位相判定信号、ゲーティング信号、遅延時間、およびエッジ入力のクロック信号との関係を示す図である。
【図36】本発明の第6の実施形態に係るクロック再生装置の接続例を示すブロック図である。
【図37】図36の動作例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(サブレート対応のクロック再生装置の第1の構成例)
2.第2の実施形態(サブレート対応のクロック再生装置の第2の構成例)
3.第3の実施形態(ハーフレート対応のクロック再生装置の第1の構成例)
4.第4の実施形態(ハーフレート対応のクロック再生装置の第2の構成例)
5.第5の実施形態(第3の実施形態の変形例)
6.第6の実施形態(第4の実施形態の変形例)
7.第7の実施形態(電子機器の構成例)
8.第8の実施形態(2クロック再生対応のクロック再生装置の構成例)
【0023】
[サブレート動作に一般化した構成について]
まず、電圧制御発振器(VCO)を構成するゲーティンググループの段数がn(nは2以上の整数)である場合に一般化して、サブレート動作のクロック再生装置の構成について述べる。
ここで述べる構成としては2つの構成がある。1つはVCOの発振周波数が受信データ信号のデータレートに対して1/nの場合であり、もう1つは1/(2n)の場合である。
そこで、前者を第1のサブレート構成とし、後者を第2のサブレート構成として、それぞれの構成を第1および第2の実施形態として順に説明する。
また、第1および第2の実施形態の説明後、第1のサブレート構成でn=2に対応するハーフレート対応のクロック再生装置について、第3〜第6の実施形態として説明する。
【0024】
<1.第1の実施形態>
[第1のサブレート構成]
図3は、本発明の第1の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0025】
第1の実施形態に係るクロック再生装置100は、図3に示すように、エッジ検出器110、位相判定器120、ゲーティング信号生成器130、および電圧制御発振器(VCO)140を有する。
【0026】
電圧制御発振器140は、n段のゲーティンググループGRP1〜GRPnにより構成されており、n段のゲーティンググループGRP1〜GRPnにより形成されるループは発振ループとなるように構成されている。
さらに、ゲーティンググループGRP1〜GRPnはそれぞれゲーティング信号が供給されており、電圧制御発振器140はゲーティング信号SGT1〜SGTnによって制御されることで位相同期する。
また、電圧制御発振器140の発振周波数は、発振周波数制御信号FCVにより受信データ信号RDTの1/nとなるように制御されている。
電圧制御発振器140は、ゲーティンググループGRP1〜GRPnの出力信号からn相のクロック信号を出力することで、受信データ信号RDTに同期したサブレートのクロック信号CLKを再生する。
ここで、n=2のハーフレートの場合の例は後述するが、電圧制御発振器140の発振周波数は受信データ信号RDTの1/2で2相の位相同期されたクロック信号CLKを再生する。
【0027】
図4は、本第1の実施形態に係るn=3の電圧制御発振器(VCO)の構成例を示す図である。
【0028】
図4の電圧制御発振器140は、2入力ANDゲート141〜146を有する。
4つのANDゲート141〜146のうち、3つのANDゲート141〜144,146は2入力のうちの一(他方)の入力(第1入力)が負入力となっている。
【0029】
ANDゲート141の第1入力(負入力)がANDゲート146のクロック信号CLKの出力ラインに接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT1の供給ラインに接続されている。
ANDゲート142の第1入力(負入力)がANDゲート141の出力に接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT1の供給ラインに接続されている。
ANDゲート143の第1入力(負入力)がANDゲート142の出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT2の供給ラインに接続されている。
ANDゲート144の第1入力(負入力)がANDゲート143の出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT2の供給ラインに接続されている。
ANDゲート145の第1入力(正入力)がANDゲート144の出力に接続され、第2入力(正入力)が第3のゲーティング信号SGT3の供給ラインに接続されている。
ANDゲート146の第1入力(負入力)がANDゲート145の出力に接続され、第2入力(正入力)が第3のゲーティング信号SGT3の供給ラインに接続されている。
【0030】
また、ANDゲート141〜146には、周波数を制御するための発振周波数制御電圧FCVが供給されている。
【0031】
電圧制御発振器140は、発振周波数が受信データ信号RDTの1/3で3相の位相同期されたクロック信号を再生する。
これにより、電圧制御発振器140の発振周波数は受信データ信号RDTのデータレートの1/nとなり、高速化、低消費電力化を実現することができる。
【0032】
エッジ検出器110は、受信データ信号RDTのエッジ入力ごとにエッジ検出してエッジ検出信号SEDを出力する。
【0033】
位相判定器120は、受信データ信号RDTとゲーティンググループの出力信号を入力とし、受信データ信号RDTのエッジ入力時点における電圧制御発振器140の位相を判定して、位相判定信号SPDAを出力する。
ここでの位相判定は、具体的には受信データ信号RDTのエッジ入力時点において、電圧制御発振器140内部の発振ループを伝播しているクロック信号のエッジの位置と、そのエッジが立ち上り/立下りのいずれであるかを判定することである。
この場合、1周期の間にクロック信号のエッジは発振ループを2周するが、その2周をn等分した場合にどこにあるのかを判定することを指す。
【0034】
図5は、受信データ信号とクロック信号の位相関係を示す図である。
位相をn等分して判定する理由は、次の通りである。
すなわち、電圧制御発振器140は、受信データ信号RDTのデータレートの1/nの周波数で発振している。
このため、位相同期した定常状態において受信データ信号RDTとクロック信号VLCの位相関係は、受信データ信号RDTの一つのエッジ入力に対して、図5に示すようにn通りの場合が存在する。
これにより、エッジ検出信号とVCOの位相関係もn通りの場合が存在することになる。
そのため、受信データ信号RDTのエッジ入力時点における、電圧制御発振器140内部のクロック信号CLKのエッジの位置および立ち上り/立下り方向のn通りの場合に応じて、位相同期のための適切なタイミングでゲーティング信号を注入する必要がある。
そこで、電圧制御発振器140にエッジ検出信号SEDを注入するゲーティング信号SGTを選択し遅延制御するために、受信データ信号RDTのエッジ入力時点における電圧制御発振器140の位相を判定する。そして、受信データ信号RDTと電圧制御発振器140の位相関係を判定する。
【0035】
位相判定器120は、たとえばフリップフロップとセレクタで構成することが可能である。
位相判定器120は、クロック入力が受信データ信号RDTに接続され、データ入力が電圧制御発振器140の内部クロック信号線に接続されるフリップフロップFFにより、受信データ信号の立ち上りエッジ時点における電圧制御発振器140の位相を判定できる。
同様に、位相判定器120は、クロック入力が受信データ信号RDTの反転信号線に接続される。そして、位相判定器120は、データ入力が電圧制御発振器140の内部クロック信号線に接続されるフリップフロップにより、受信データ信号の立下りエッジ時点における電圧制御発振器140の位相を判定できる。
さらに、受信データ信号がハイレベル(H)のときにクロック入力が受信データ信号線に接続されているフリップフロップの出力信号を選択する。
ローレベル(L)のときにクロック入力が受信データ信号の反転信号線に接続されているフリップフロップの出力信号を選択するセレクタの出力信号を位相判定信号SPDAとして、位相判定器120は出力する。
【0036】
ゲーティング信号生成器130は、エッジ検出信号SEDと位相判定信号SPDAを入力とし、位相判定信号SEDに応じてエッジ検出信号SPDAを注入するゲーティング信号を選択し、かつ遅延制御してゲーティング信号SGT1〜SGTnを出力する。
【0037】
より具体的な実施形態としては、n=2の場合を第3〜第6の実施形態として後で詳述する。
【0038】
また、図6は、n=3の場合の図3のクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図6では、3相のクロック信号CLK0、CLK120、CLK240が再生されたクロック信号であり、その周波数は受信データ信号のデータレートの1/3である。
図6のタイミング図の例では、位相判定器120は受信データ信号のエッジ入力ごとにクロック信号CLK0、CLK120、CLK240を保持して位相判定信号SEDとして出力する。
さらに、ゲーティング信号生成器130は、位相判定信号SEDが0X0のときゲーティング信号SGT2にエッジ検出信号SEDをT0/2だけ遅延させて出力する。
そして、ゲーティング信号生成器130は、位相判定信号SPDAがX11のときゲーティング信号SGT1にエッジ検出信号SEDをT0だけ遅延させて出力する。位相判定信号SPDAが10Xのときゲーティング信号SGT3に(3/2)T0だけ遅延させて出力する。
また、n=2および3の場合と同様にしてn=4以上に拡張可能である。
【0039】
<2.第2の実施形態>
[第2のサブレート構成]
図7は、本発明の第2の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0040】
本第2の実施形態に係るクロック再生装置100Aは、電圧制御発振器140Aの発振周波数が受信データ信号RDTのデータレートに対して1/(2n)の場合である。
クロック再生装置100Aの基本的な構成は、第1の実施形態に係るクロック再生装置100と同様である。
【0041】
電圧制御発振器140Aは、n段のゲーティンググループGRP1〜GRPnにより構成されており、n段のゲーティンググループGRP1〜GRPnにより形成されるループは発振ループとなるように構成されている。
さらに、ゲーティンググループGRP1〜GRPnはそれぞれゲーティング信号に接続されており、電圧制御発振器140Aはゲーティング信号SGT1〜SGTnによって制御されることで位相同期する。
また、電圧制御発振器140Aの発振周波数は、発振周波数制御信号FCVにより受信データ信号の1/(2n)となるように制御されている。
電圧制御発振器140Aは、ゲーティンググループGRP1〜GRPnの出力信号から(2n)相のクロック信号を出力することで、受信データ信号に同期したサブレートのクロック信号CLKを再生する。
n=2のハーフレートは後述するが、電圧制御発振器140Aの発振周波数は受信データ信号RDTの1/4で4相の位相同期されたクロック信号CLKを再生する。
【0042】
図8は、第2の実施形態に係るn=3の電圧制御発振器(VCO)の構成例を示す図である。
【0043】
図8の電圧制御発振器140Aは、2入力ANDゲート141A〜146Aを有する。
4つのANDゲート141A〜146Aのうち、3つのANDゲート142A,144A,146Aは2入力のうちの一(他方)の入力(第1入力)が負入力となっている。
【0044】
ANDゲート141Aの第1入力(負入力)がANDゲート146Aのクロック信号CLKの出力ラインに接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT1の供給ラインに接続されている。
ANDゲート142Aの第1入力(負入力)がANDゲート141Aの出力に接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT1の供給ラインに接続されている。
ANDゲート143Aの第1入力(正入力)がANDゲート142Aの出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT2の供給ラインに接続されている。
ANDゲート144Aの第1入力(負入力)がANDゲート143Aの出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT2の供給ラインに接続されている。
ANDゲート145Aの第1入力(正入力)がANDゲート144Aの出力に接続され、第2入力(正入力)が第3のゲーティング信号SGT3の供給ラインに接続されている。
ANDゲート146Aの第1入力(負入力)がANDゲート145Aの出力に接続され、第2入力(正入力)が第3のゲーティング信号SGT3の供給ラインに接続されている。
【0045】
また、ANDゲート141A〜146Aには、周波数を制御するための発振周波数制御電圧FCVが供給されている。
【0046】
電圧制御発振器140Aは、発振周波数は受信データ信号RDTの1/3で6相の位相同期されたクロック信号を再生する。
これにより、電圧制御発振器140Aの発振周波数は受信データ信号RDTのデータレートの1/(2n)となり、高速化、低消費電力化を実現することができる。
【0047】
エッジ検出器110Aは、受信データ信号RDTのエッジ入力ごとにエッジ検出してエッジ検出信号SEDを出力する。
【0048】
位相判定器120Aは、受信データ信号RDTとゲーティンググループの出力信号を入力とし、受信データ信号RDTのエッジ入力時点における電圧制御発振器140Aの位相を判定して、位相判定信号SPDAを出力する。
ここでの位相判定は、具体的には受信データ信号RDTのエッジ入力時点において、電圧制御発振器140A内部の発振ループを伝播しているクロック信号のエッジの位置と、そのエッジが立ち上り/立下りのいずれであるかを判定することである。
この場合、1周期の間にクロック信号のエッジは発振ループを2周するが、その2周を(2n)等分した場合にどこにあるのかを判定することを指す。
【0049】
位相を(2n)等分して判定する理由は、次の通りである。
すなわち、電圧制御発振器140Aは受信データ信号のデータレートの1/(2n)の周波数で発振している。
このため、位相同期した定常状態において受信データ信号とクロック信号の位相関係は、受信データ信号RDTの一つのエッジ入力に対して(2n)通りの場合が存在する。
これにより、エッジ検出信号SEDと電圧制御発振器140Aの位相関係も(2n)通りの場合が存在することになる。
そのため、受信データ信号RDTのエッジ入力時点における電圧制御発振器140A内部のクロック信号CLKのエッジの位置および立ち上り/立下り方向の(2n)通りの場合に応じて位相同期のための適切なタイミングでゲーティング信号を注入する必要がある。
そこで、電圧制御発振器140Aにエッジ検出信号SEDを注入するゲーティング信号SGTを選択し遅延制御するために、受信データ信号RDTのエッジ入力時点における電圧制御発振器140Aの位相を判定する。そして、受信データ信号RDTと電圧制御発振器140Aの位相関係を判定する。
【0050】
位相判定器120Aは、たとえばフリップフロップとセレクタで構成することが可能である。
位相判定器120Aは、クロック入力が受信データ信号線に接続され、データ入力が電圧制御発振器140Aの内部クロック信号に接続されるフリップフロップFFにより、受信データ信号の立ち上りエッジ時点における電圧制御発振器140Aの位相を判定できる。
同様に、クロック入力が受信データ信号RDTの反転信号線に接続され、データ入力が電圧制御発振器140Aの内部クロック信号線に接続されるフリップフロップにより、受信データ信号の立下りエッジ時点における電圧制御発振器140Aの位相を判定できる。
さらに、受信データ信号RDTがHのときにクロック入力が受信データ信号線に接続されているフリップフロップの出力信号を選択する。
ローレベル(L)のときにクロック入力が受信データ信号の反転信号線に接続されているフリップフロップの出力信号を選択するセレクタの出力信号を位相判定信号SPDAとして、位相判定器120は出力する。
【0051】
ゲーティング信号生成器130Aは、エッジ検出信号SEDと位相判定信号SPDAを入力とし、位相判定信号SPDAに応じてエッジ検出信号SEDを注入するゲーティング信号を選択し、かつ遅延制御してゲーティング信号SGT1〜SGTnを出力する。
【0052】
図9は、n=3の場合の図7のクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図9では、3相のクロック信号CLK0、CLK60、CLK120とそれぞれの反転信号の6相のクロック信号が再生されたクロック信号であり、その周波数は受信データ信号のデータレートの1/6である。
図9のタイミング図の例では、位相判定器120Aは受信データ信号のエッジ入力ごとにクロック信号CLK0、CLK60、CLK120を保持して位相判定信号SPDAとして出力する。
さらに、ゲーティング信号生成器130Aは、位相判定信号SPDAが000のときゲーティング信号SGT2にエッジ検出信号をT0だけ遅延させて出力する。
そして、ゲーティング信号生成器130Aは、位相判定信号SPDAが110のときゲーティング信号SGT1にエッジ検出信号SEDをT0だけ遅延させて出力し、位相判定信号SPDAが111のときゲーティング信号SGT3にT0だけ遅延させて出力する。
また、n=2および3の場合と同様にしてn=4以上に拡張可能である。
【0053】
以下では、ハーフレートのクロック信号を再生するクロック再生装置の実施形態について述べる。ただし、本発明はハーフレートに限定されるものではなく、上述したように、さらに拡張可能、すなわちサブレート化が可能である。また、シングルの構成の場合について述べるが、差動の構成であっても構わない。
【0054】
<3.第3の実施形態>
図10は、本発明の第3の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0055】
第3の実施形態に係るクロック再生装置100Bは、図10に示すように、エッジ検出器110B、位相判定器120B、ゲーティング信号生成器130B、および電圧制御発振器140Bを有する。
【0056】
エッジ検出器110Bは、受信データ信号RDTの立ち上がりエッジを検出して立ち上がりエッジの有無を示す立ち上がりエッジ検出信号SEDRと、立ち下がりエッジを検出して立ち下がりエッジの有無を示す立ち下がりエッジ検出信号SEDFを生成する。
エッジ検出器110Bは、生成した立ち上がりエッジ検出信号SEDRおよび立ち下がりエッジ検出信号SEDFをゲーティング信号生成器130Bに出力する。
【0057】
図11は、本第1の実施形態に係るエッジ検出器の構成例を示す回路図である。
図12(A)〜(D)は、図11のエッジ検出器の動作タイミングを示す図である。
図12(A)は受信データ信号RDTを、図12(B)は遅延信号S111を、図12(C)は立ち上がりエッジ検出信号SEDRを、図12(D)は立ち下がりエッジ検出信号SEDFを、それぞれ示している。
【0058】
図11のエッジ検出器110Bは、遅延回路111、および2入力NANDゲート112,113を有する。
【0059】
遅延回路111は、受信データ信号RDTを時間Tdだけ遅延させ、この遅延させた受信データ信号を遅延信号S111としてNANDゲート112,113に出力する。
遅延回路111の遅延時間Tdは、受信データ信号RDTの周期T0より短い値に設定されている(Td<T0)。
【0060】
NANDゲート112は、第1入力に受信データ信号RDTが供給され、負入力である第2入力に遅延信号S111が供給される。
【0061】
NANDゲート113は、第1入力に遅延信号S111が供給され、負入力である第2入力に受信データ信号RDTが供給される。
【0062】
エッジ検出器110Bは、受信データ信号RDTのジッタが少なく隣接するエッジの間隔Tw1がTd以上である場合には、次のように動作する。
エッジ検出器110Bは、図12に示すように、エッジごとにTdの期間だけローレベル(L)となるパルス信号をNANDゲート112,113から、立ち上がりエッジ検出信号SEDR、もしくは立ち下がりエッジ検出信号SEDFとして出力する。
【0063】
一方、エッジ検出器110Bは、ジッタにより隣接するエッジの間隔Tw2がTd未満である場合には、次のように動作する。
エッジ検出器110Bは、図12に示すように、エッジごとにTwの期間だけローレベル(L)となるパルス信号をNANDゲート112,113から、立ち上がりエッジ検出信号SEDR、もしくは立ち下がりエッジ検出信号SEDFとして出力する。
【0064】
このように、図11に示すエッジ検出器110Bは、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出する回路が分離されている。
さらにエッジ検出器110Bは、受信データ信号RDTのエッジは立ち上がりと立ち下がりが交互に発生し、一方のエッジが連続して発生することはないので、ジッタにより隣接するエッジが接近した場合でもエッジを検出することが可能となる。
【0065】
位相判定器120Bは、受信データ信号RDTのエッジごとに、電圧制御発振器140Bの出力であるクロック信号CLKの位相を判定して、判定結果を位相判定信号SPDとしてゲーティング信号生成器130Bに出力する。
【0066】
図13は、本第3の実施形態に係る位相判定器の構成例を示す回路図である。
【0067】
図13の位相判定器120Bは、フリップフロップ121,122、およびセレクタ123を有する。
【0068】
第1のラッチとしてのフリップフロップ121は、受信データ信号RDTのエッジに同期して電圧制御発振器140から出力されるクロック信号CLKの取り込みおよび出力を行う。
【0069】
第2のラッチとしてのフリップフロップ122は、受信データ信号RDTのエッジの反転信号に同期して電圧制御発振器140Bから出力されるクロック信号CLKの取り込み、および取り込んだクロック信号の反転信号の出力を行う。
【0070】
セレクタ123は、受信データ信号RDTがハイレベルの期間はフリップフロップ121の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPDとして出力する。
セレクタ123は、受信データ信号RDTがローレベルの期間はフリップフロップ122の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPDとして出力する。
【0071】
図13の位相判定器120Bは、受信データ信号RDTのエッジごとにクロック信号CLKの値をフリップフロップ121,122で保持してセレクタ123で選択して出力する。
これにより、位相判定器120Bは、受信データ信号RDTのエッジが入力された時点のクロック信号CLKの位相を判定して位相判定信号SPDとして出力する。
【0072】
なお、フリップフロップ121,122により保持部が形成されているが、保持部はラッチとして機能すればよく、フリップフロップである必要はない。
【0073】
ゲーティング信号生成器130Bは、位相判定信号SPDに応じて、立ち上がりエッジ検出信号SEDR、もしくは立ち下がりエッジ検出信号SEDFのいずれかを選択する。
そして、ゲーティング信号生成器130Bは、選択した信号を遅延制御して電圧制御発振器140Bに注入する第1のゲーティング信号SGT11および第2のゲーティング信号SGT12として電圧制御発振器140Bに出力する。
【0074】
図14は、本第1の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
【0075】
図14のゲーティング信号生成器130Bは、セレクタ131,132、および遅延回路133を有する。
【0076】
セレクタ131は、入力「0」が立ち上がりエッジ検出信号SEDRの供給ラインに接続され、入力「1」が立ち下がりエッジ検出信号SEDFの供給ラインに接続されている。
セレクタ132は、入力「0」が立ち下がりエッジ検出信号SEDFの供給ラインに接続され、入力「1」が立ち上がりエッジ検出信号SEDRの供給ラインに接続されている。
【0077】
セレクタ131および132は、位相判定器120Bによる位相判定信号SFDがローレベルの場合には入力「0」側を選択して出力する。
セレクタ131は、位相判定信号SPDがローレベルの場合、立ち上がりエッジ検出信号SEDRを第1のゲーティング信号SGT10として出力する。
セレクタ132は、位相判定信号SPDがローレベルの場合、立ち下がり検出信号SEDFを第2のゲーティング信号SGT11aとして出力する。
【0078】
セレクタ131および132は、位相判定器120Bによる位相判定信号SFDがハイレベルの場合には入力「1」側を選択して出力する。
セレクタ131は、位相判定信号SPDがハイレベルの場合、立ち下がりエッジ検出信号SEDFを第1のゲーティング信号SGT10として出力する。
セレクタ132は、位相判定信号SPDがハイレベルの場合、立ち上がり検出信号SEDRを第2のゲーティング信号SGT11aとして出力する。
【0079】
遅延回路133は、セレクタ132から出力される第2のゲーティング信号SGT11aを受信データ信号RDTの周期T0の半周期(T0/2)だけ遅延させて第2のゲーティング信号SGT11として出力する。
【0080】
図7のゲーティング信号生成器130Bは、位相判定信号SFDに応じて立ち上がりエッジ検出信号SEDRおよび立ち下がりエッジ検出信号SEDFの一方を選択して第1のゲーティング信号SGT10または第2のゲーティング信号SGT11を出力する。
さらに、第2のゲーティング信号SGT11は、遅延回路133によりT0/2だけ遅延された信号として出力される。
【0081】
電圧制御発振器140Bは、第1および第2のゲーティング信号SGT10,SGT11のいずれかによりエッジ検出を示す信号(情報)として電圧制御発振器140の内部の発振ループに注入することで注入したエッジにクロック信号CLKを同期させて出力する。
また、電圧制御発振器140Bの発振周波数は、発振周波数制御電圧FCVによって制御される。
そして、電圧制御発振器140Bは、第1および第2のゲーティング信号SGT10、SGT11によりエッジ検出を示す信号が注入されていない期間は、制御された発振周波数のクロック信号CLKを出力する。
【0082】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る電圧制御発振器の構成例を示す回路図である。
【0083】
図15の電圧制御発振器140Bは、2入力ANDゲート141〜144を有する。
4つのANDゲート141〜144のうち、3つのANDゲート141,142,144は2入力のうちの一(他方)の入力(第1入力)が負入力となっている。
【0084】
ANDゲート141の第1入力(負入力)がANDゲート144のクロック信号CLKの出力ラインに接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT10の供給ラインに接続されている。
ANDゲート142の第1入力(負入力)がANDゲート141の出力に接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT10の供給ラインに接続されている。
ANDゲート143の第1入力(正入力)がANDゲート142の出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT11の供給ラインに接続されている。
ANDゲート144の第1入力(負入力)がANDゲート143の出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT11の供給ラインに接続されている。
【0085】
また、ANDゲート141〜144には、周波数を制御するための発振周波数制御電圧FCVが供給されている。
【0086】
電圧制御発振器140Bは、受信データ信号RDTに同期したハーフレートのクロック信号CLKを再生することが可能に構成されている。
これに対応して、4つのANDゲート141〜144は、前段の2つのANDゲート141,142の第1のゲーティンググループGRP1と、次段の2つのANDゲート143,144の第2のゲーティンググループGRP2が形成されている。
そして、第1のゲーティンググループGRP1に第1のゲーティング信号SGT10が供給され、第2のゲーティンググループGRP2に第2のゲーティング信号SGT11が供給される。
【0087】
ANDゲート141は、第1内部クロック信号CK1を次段のANDゲート142の負入力である第1入力に出力する。
ANDゲート142は、第2内部クロック信号CK2を次段のANDゲート143の正入力である第1入力に出力する。
ANDゲート143は、第3内部クロック信号CK3をANDゲート144の負入力である第1入力に出力する。
【0088】
図15の電圧制御発振器140Bは、前述したように、周波数が発振周波数制御電圧FCVによって制御され、位相が第1のゲーティング信号SGT10および第2のゲーティング信号SGT11によって制御されたクロック信号CLKを出力する。
電圧制御発振器140Bは、第1および第2のゲーティング信号SGT10、SGT11がともにハイレベル(H)のときは内部に発振ループが形成され発振し続ける。
【0089】
一方、第1のゲーティング信号SGT10がローレベル(L)の場合、ANDゲート141による内部クロック信号CK1およびANDゲート142による内部クロック信号CK2はともにローレベル(L)となる。
続いて、第1のゲーティング信号SGT10がハイレベル(H)に変化すると内部クロック信号CK2は第1のゲーティング信号SGT10に同期してハイレベル(H)となる。
さらに、T0/2だけ遅延してクロック信号CLKに同期された立ち下がりエッジとなって出現する。
【0090】
同様に、第2のゲーティング信号SGT11がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化すると、クロック信号CLKは第2のゲーティング信号SGT11に同期してハイレベル(H)となる。そして、遅延されずにクロック信号CLKに同期された立ち上がりエッジとなって出現する。
【0091】
図16(A)〜(G)は、本第1の実施態様のクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図16(A)は受信データ信号RDTを、図16(B)は立ち上がりエッジ検出信号SEDRを、図16(C)は立ち下がりエッジ検出信号SEDFを、図16(D)は位相判定信号SPDをそれぞれ示している。図16(E)は第1のゲーティング信号SGT10を、図16(F)は第2のゲーティング信号SGT11を、図16(G)はクロック信号CLKを、それぞれ示している。
次に、第3の実施形態のクロック再生装置100Bの動作を図16(A)〜(G)に関連付けて説明する。
【0092】
受信データ信号RDTが、エッジ検出器110Bおよび位相判定器120Bに入力される。
エッジ検出器110Bにおいては、受信データ信号RDTの立ち上がりエッジが検出されて立ち上がりエッジの有無を示す立ち上がりエッジ検出信号SEDRが生成される。
同様に、エッジ検出器110Bにおいては、立ち下がりエッジが検出されて立ち下がりエッジの有無を示す立ち下がりエッジ検出信号SEDFが生成される。
エッジ検出器110Bで生成された立ち上がりエッジ検出信号SEDRおよび立ち下がりエッジ検出信号SEDFは、ゲーティング信号生成器130に出力される。
位相判定器120Bにおいては、受信データ信号RDRのエッジごとに、電圧制御発振器140Bの出力であるクロック信号CLKの位相が判定され、判定結果が位相判定信号SPDとしてゲーティング信号生成器130Bに出力される。
【0093】
ゲーティング信号生成器130Bにおいては、位相判定器120Bによる位相判定信号SPDに応じて、立ち上がりエッジ検出信号SEDR、もしくは立ち下がりエッジ検出信号SEDFのいずれかが選択される。
そして、ゲーティング信号生成器130Bにおいては、選択した信号が遅延制御されて電圧制御発振器140Bに注入する第1のゲーティング信号SGT11および第2のゲーティング信号SGT12として電圧制御発振器140Bに出力される。
電圧制御発振器140Bにおいては、第1および第2のゲーティング信号SGT10,SGT11のいずれかによってエッジ検出を示す信号(情報)として電圧制御発振器140Bの内部の発振ループに注入される。これにより注入したエッジにクロック信号CLKが同期されて出力される。
また、電圧制御発振器140Bの発振周波数は、発振周波数制御電圧FCVによって制御される。
そして、電圧制御発振器140Bにおいては、第1および第2のゲーティング信号SGT10、SGT11によりエッジ検出を示す信号が注入されていない期間は、発振周波数制御電圧FCVによって制御された発振周波数のクロック信号CLKが出力される。
【0094】
以上の動作においては、図16から分かるように、受信データ信号RDTのエッジごとにクロック信号CLKの位相が受信データ信号RDTに同期しながら、クロック信号CLKがクロックパルスとして出力される。
また、電圧制御発振器140Bへのエッジ注入が複数箇所から可能であり、少なくとも1箇所からの注入に対して立ち上がりエッジが同期し、他の少なくとも1箇所の注入に対して立ち下がりエッジが同期する。
これにより、受信データ信号RDTに同期したハーフレートのクロック信号CLKを再生することが可能である。
【0095】
<4.第4の実施形態>
図17は、本発明の第4の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0096】
本第4の実施形態に係るクロック再生装置100Cが第1の実施形態に係るクロック再生装置100と異なる点は、エッジ検出器110C、位相判定器120C、およびゲーティング信号生成器130Cの構成にある。
【0097】
図18は、本第4の実施形態に係るエッジ検出器の構成例を示す回路図である。
図18においては、理解を容易にするため、図11と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0098】
図18のエッジ検出器110Cは、遅延回路111および排他的論理和(EXOR)ゲート114を有する。
【0099】
EXORゲート114の第1入力が受信データ信号RDTの入力ラインに接続され、第2入力が遅延回路111の出力に接続されている。
エッジ検出器110Cは、図18に示すように、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを一つのEXORゲート114で検出し、検出結果をエッジ検出信号SEDAとしてゲーティング信号生成器130Cに出力する。
【0100】
この場合、図11に示す第3の実施態様のエッジ検出器110Bと比較して回路面積、消費電力を削減できる。
【0101】
図19は、本第4の実施形態に係る位相判定器の構成例を示す回路図である。
図19においては、理解を容易にするため、図13と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0102】
図19の位相判定器120Cは、フリップフロップ121,122A、およびセレクタ123を有する。
【0103】
フリップフロップ121は、受信データ信号RDTのエッジに同期して電圧制御発振器140Bから出力されるクロック信号CLKの取り込みおよび出力を行う。
【0104】
フリップフロップ122Aは、受信データ信号RDTのエッジの反転信号に同期して電圧制御発振器140Bから出力されるクロック信号CLKの取り込みおよび出力を行う。
【0105】
セレクタ123は、受信データ信号RDTがハイレベルの期間はフリップフロップ121の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPDAとして出力する。
セレクタ123は、受信データ信号RDTがローレベルの期間はフリップフロップ122の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPDAとして出力する。
【0106】
図19の位相判定器120Cは、図13の位相判定器120Bと同様に、受信データ信号RDTのエッジごとにクロック信号CLKの値をフリップフロップ121,122Aで保持してセレクタ123で選択して出力する。
これにより、受信データ信号RDTのエッジが入力された時点のクロック信号CLKの位相を判定して位相判定信号SPDAとして出力する。
【0107】
図20は、本第4の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
図20においては、理解を容易にするため、図14と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0108】
図20のゲーティング信号生成器130Cは、遅延回路133、および2入力ANDゲート134,135を有する。
【0109】
ANDゲート134の第1入力がエッジ検出信号SEDAの供給ラインに接続され、負入力である第2入力が位相判定信号SPDAの供給ラインに接続されている。
ANDゲート134の出力から第1のゲーティング信号SGT10が出力される。
【0110】
ANDゲート135の第1入力が位相判定信号SPDAの供給ラインに接続され、第2入力がエッジ検出信号SEDAの供給ラインに接続されている。
ANDゲート135の出力から第2のゲーティング信号SGT11aが出力される。
この第2のゲーティング信号SGT11aは、遅延回路133でT0/2だけ遅延され、遅延された信号が第2のゲーティング信号SGT11として電圧制御発振器140Bに出力される。
【0111】
図21(A)〜(F)は、本第4の実施形態に係るクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図21(A)は受信データ信号RDTを、図21(B)はエッジ検出信号SEDAを、図21(C)は位相判定信号SPDAをそれぞれ示している。図21(D)は第1のゲーティング信号SGT10を、図21(E)は第2のゲーティング信号SGT11を、図21(F)はクロック信号CLKを、それぞれ示している。
【0112】
第4の実施形態のクロック再生装置100Cの動作は、基本的に上述した第3の実施形態のクロック再生装置100Bと同様に行われることから、ここではその説明は省略する。
【0113】
<5.第5の実施形態>
図22は、本発明の第5の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0114】
本第5の実施形態に係るクロック再生装置100Dが第3の実施形態に係るクロック再生装置100Bと異なる点は、次の通りである。
すなわち、クロック再生装置100Dでは、ゲーティング信号生成器130Dが第1および第2のゲーティング信号SGT10,SGT11をそれぞれ2つ生成する。
そして、ゲーティング信号生成器130Dは、2つの第1のゲーティング信号DSGT10,SGT10を電圧制御発振器140Dの第1のゲーティンググループGRP1Bの各ANDゲート141B,142Bに別々に供給する。
同様に、ゲーティング信号生成器130Dは、2つの第2のゲーティング信号DSGT11,SGT11を発振器140Aの第2のゲーティンググループGRP2Bの各ANDゲート143B,144Bに別々に供給する。
【0115】
この構成に対応して、第5の実施形態のクロック再生装置100Dは、第3の実施形態のクロック再生装置100Bと、ゲーティング信号生成器130Dおよび電圧制御発振器140Dの構成が異なる。
【0116】
図23は、本第5の実施形態に係るゲーティング信号生成器130Dの構成例を示す回路図である。
図23においては、理解を容易にするため、図14と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0117】
図23のゲーティング信号生成器130Dは、セレクタ131,132、遅延回路133、および遅延回路136,137を有する。
【0118】
セレクタ131は、入力「0」が立ち上がりエッジ検出信号SEDRの供給ラインに接続され、入力「1」が立ち下がりエッジ検出信号SEDFの供給ラインに接続されている。
セレクタ132は、入力「0」が立ち下がりエッジ検出信号SEDFの供給ラインに接続され、入力「1」が立ち上がりエッジ検出信号SEDRの供給ラインに接続されている。
【0119】
セレクタ131および132は、位相判定器120Bのセレクタ123でクロック信号の値の反転信号が選択されて、位相判定信号SFDがローレベルの場合には入力「0」側を選択して出力する。
セレクタ131は、位相判定信号SPDがローレベルの場合、立ち上がりエッジ検出信号SEDRを第1のゲーティング信号SGT10として出力する。
セレクタ132は、位相判定信号SPDがローレベルの場合、立ち下がり検出信号SEDFを第2のゲーティング信号SGT11aとして出力する。
【0120】
セレクタ131および132は、位相判定器120のセレクタ123でクロック信号CLKの値が選択されて、位相判定信号SFDがハイレベルの場合には入力「1」側を選択して出力する。
セレクタ131は、位相判定信号SPDがハイレベルの場合、立ち下がりエッジ検出信号SEDFを第1のゲーティング信号SGT10として出力する。
セレクタ132は、位相判定信号SPDがハイレベルの場合、立ち上がり検出信号SEDRを第2のゲーティング信号SGT11aとして出力する。
【0121】
遅延回路133は、セレクタ132から出力される第2のゲーティング信号SGT11aをT0/2だけ遅延させて第2のゲーティング信号SGT11として出力する。
【0122】
以上の構成は図14の構成と同様である。
【0123】
遅延回路136は、セレクタ131の出力である第1のゲーティング信号SGT10をTd2だけ遅延させ、第1の遅延ゲーティング信号DSGT10を出力する。
【0124】
遅延回路137は、遅延回路133の出力である第2のゲーティング信号SGT11をTd2だけ遅延させ、第2の遅延ゲーティング信号DSGT11を出力する。
【0125】
なお、ここでは、遅延回路136,137の遅延時間Td2は受信データ信号RDTの周期T0の1/4より短い(Td2<T0/4)ものとする。
【0126】
図24は、本第3の実施形態に係る電圧制御発振器の構成例を示す回路図である。
図24においては、理解を容易にするため、図15と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0127】
図24の電圧制御発振器140Dは、2入力ANDゲート141B〜144Bを有する。
4つのANDゲート141B〜144Bのうち、3つのANDゲート141B,142B,144Bは2入力のうちの一方の入力(第1入力)が負入力となっている。
【0128】
ANDゲート141Bの第1入力(負入力)がANDゲート144Bのクロック信号CLKの出力ラインに接続され、第2入力(正入力)が第1の遅延ゲーティング信号DSGT10の供給ラインに接続されている。
ANDゲート142Bの第1入力(負入力)がANDゲート141Bの出力に接続され、第2入力(正入力)が第1のゲーティング信号SGT10の供給ラインに接続されている。
ANDゲート143Bの第1入力(正入力)がANDゲート142Bの出力に接続され、第2入力(正入力)が第2の遅延ゲーティング信号DSGT11の供給ラインに接続されている。
ANDゲート144Bの第1入力(負入力)がANDゲート143Bの出力に接続され、第2入力(正入力)が第2のゲーティング信号SGT11の供給ラインに接続されている。
【0129】
また、ANDゲート141B〜144Bには、周波数を制御するための発振周波数制御電圧FCVが供給されている。
【0130】
電圧制御発振器140Dは、受信データ信号RDTに同期したハーフレートのクロック信号CLKを再生することが可能に構成されている。
これに対応して、4つのANDゲート141B〜144Bは、前段の2つのANDゲート141B,142Bの第1のゲーティンググループGRP1Bと、次段の2つのANDゲート143B,144Bの第2のゲーティンググループGRP2Bが形成されている。
そして、第1のゲーティンググループGRP1Bに第1のゲーティング信号SGT10および第1の遅延ゲーティング信号DSGT10が供給される。
第2のゲーティンググループGRP2Bに第2のゲーティング信号SGT11および第2の遅延ゲーティング信号DSGT11が供給される。
【0131】
AND141Bは、第1内部クロック信号CK1を次段のANDゲート142Bの負入力である第1入力に出力する。
ANDゲート142Bは、第2内部クロック信号CK2を次段のANDゲート143Bの正入力である第1入力に出力する。
ANDゲート143Bは、第3内部クロック信号CK3をANDゲート144Bの負入力である第1入力に出力する。
【0132】
図25(A)〜(G)は、本第3の実施形態に係るクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図25(A)は第1のゲーティング信号SGT10を、図25(B)は第1の遅延ゲーティング信号DSGT10を、図25(C)は内部クロック信号CK1をそれぞれ示している。図25(D)は第2のゲーティング信号SGT11を、図25(E)は第2の遅延ゲーティング信号DSGT11を、図25(F)は内部クロック信号CK3を、図25(G)はクロック信号CLKを、それぞれ示している。
【0133】
ここで、第5の実施形態のクロック再生装置100Dの動作例を図25(A)〜(G)に関連付けて説明する。
【0134】
本クロック再生装置100Dでは、第1および第2のゲーティング信号SGT10,SGT11をTd2だけ遅延させた第1および第2の遅延ゲーティング信号DSFT10,DSGT11をも用いてクロック信号CLKを受信データ信号RDTに同期させる。
上記説明では、Td2<T0/4としたが、図18においては、Td≒T0/2、Td2≒T0/4としている。
【0135】
受信データ信号RDTのエッジに対応して第1のゲーティング信号SGT10がパルス信号として出力されると、第1のゲーティング信号SGT10がローレベル(L)である期間、電圧制御発振器140Bの発振ループは切断された状態になる。
さらに、第1の遅延ゲーティング信号DSGT10がパルス信号として出力される。これにより、内部クロック信号CK1もローレベルとなり、この期間も第1の遅延ゲーティング信号DSGT10によって電圧制御発振器140Dの発振ループが切断された状態になっている。
【0136】
ここで、第1のゲーティング信号SGT10の立ち上がりエッジによりクロック信号CLKの立ち下がりエッジを同期させる場合に、ANDゲート142Bの入力でみると、次のようになっている。
すなわち、実質的に第1のゲーティング信号SGT10がローレベルである期間だけでなく図25中に示す期間Tb1において発振ループが切断された状態になっている。
受信データ信号RDTのジッタにより第1のゲーティング信号SGT10、遅延ゲーティング信号DSGT10のタイミングが電圧制御発振器140Dの位相に対して変動しても安定して第1のゲーティング信号SGT10からエッジを注入することが可能になる。
【0137】
第2のゲーティング信号SGT11からエッジを注入する場合についても同様に、期間Tb2が安定してエッジを注入することが可能な期間である。
これにより、受信データ信号RDTのジッタに対する耐性が改善される。
【0138】
<6.第6の実施形態>
図26は、本発明の第6の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0139】
本第6の実施形態に係るクロック再生装置100Eが第4の実施形態に係るクロック再生装置100Cと異なる点は、第5の実施形態に係るクロック再生装置100Dと第3の実施形態に係るクロック再生装置100Bとの関係と同様に、次の通りである。
すなわち、クロック再生装置100Eでは、ゲーティング信号生成器130Cが第1および第2のゲーティング信号SGT10,SGT11をそれぞれ2つ生成する。
そして、ゲーティング信号生成器130Eは、2つの第1のゲーティング信号DSGT10、SGT10を電圧制御発振器140Eの第1のゲーティンググループGRP1Cの各ANDゲート141C,142Cに別々に供給する。
同様に、ゲーティング信号生成器130Eは、2つの第2のゲーティング信号DSGT11、SGT11を電圧制御発振器140Eの第2のゲーティンググループGRP2Cの各ANDゲート143C,144Cに別々に供給する。
【0140】
この構成に対応して、第6の実施形態のクロック再生装置100Eは、第4の実施形態のクロック再生装置100Cと、ゲーティング信号生成器130Eおよび電圧制御発振器140Eの構成が異なる。
【0141】
図27は、本第6の実施形態に係るゲーティング信号生成器の構成例を示す回路図である。
図27においては、理解を容易にするため、図20および図23と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0142】
図27のゲーティング信号生成器130Eは、遅延回路133、2入力ANDゲート134,135、および遅延回路136,137を有する。
【0143】
ANDゲート134の第1入力がエッジ検出信号SEDAの供給ラインに接続され、負入力である第2入力が位相判定信号SPDAの供給ラインに接続されている。
ANDゲート134の出力から第1のゲーティング信号SGT10が出力される。
【0144】
ANDゲート135の第1入力が位相判定信号SPDAの供給ラインに接続され、第2入力がエッジ検出信号SEDAの供給ラインに接続されている。
ANDゲート135の出力から第2のゲーティング信号SGT11aが出力される。
この第2のゲーティング信号SGT11aは、遅延回路133でT0/2だけ遅延され、遅延された信号が第2のゲーティング信号SGT11として出力される。
【0145】
遅延回路136は、セレクタ131の出力である第1のゲーティング信号SGT10をTd2だけ遅延させ、第1の遅延ゲーティング信号DSGT10を出力する。
【0146】
遅延回路137は、遅延回路133の出力である第2のゲーティング信号SGT11をTd2だけ遅延させ、第2の遅延ゲーティング信号DSGT11を出力する。
【0147】
なお、ここでは、遅延回路136,137の遅延時間Td2は受信データ信号RDTの周期T0の1/4より短い(Td2<T0/4)ものとする。
【0148】
本第6の実施形態の電圧制御発振器140Eの構成は、第5の実施形態において説明した図24と同様の構成を有することから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0149】
また、第6の実施形態のクロック再生装置100Eの動作は、基本的に上述したように図25に関連付けた第5の実施形態のクロック再生装置100Dと同様に行われることから、ここではその説明は省略する。
【0150】
本第6の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様に、受信データ信号RDTのジッタに対する耐性が改善される。
【0151】
[遅延回路の構成例]
ここで、第1〜第6の実施形態の各クロック再生装置に含まれる遅延回路の構成例について説明する。
【0152】
図28は、第1〜第6の実施形態の各クロック再生装置に含まれる遅延回路の構成例を示す図である。
【0153】
この遅延回路DLYは、1つ、もしくは、複数のANDゲートAD1〜ADnにより構成される。
ANDゲートAD1〜ADnは電圧制御発振器140を構成するANDゲート141等と同一の構成である。
また、それぞれのANDゲートは発振周波数制御電圧FCVによって、伝播遅延時間がほぼ制御される。
これにより、入力信号SINから出力信号SOTまでの遅延時間は、発振周波数制御電圧FCVによって制御される。
【0154】
[クロック再生装置の第1の接続例]
図29は、本発明の実施形態に係るクロック再生装置の第1の接続例を示すブロック図である。
【0155】
この接続例は、複数のクロック再生装置100−1〜100−mが並列に配置され、これらのクロック再生装置100−1〜100−mに位相同期回路(PLL)200により生成した発振周波数制御電圧FCVを供給するようにした例である。
【0156】
図29においては、クロック再生装置100−1〜100−mには上記した第1〜第4の実施形態で説明したクロック再生装置が適用される。
図29においては、図面の簡単化のため、クロック再生装置100−1〜100−mには発振周波数制御電圧FCVが供給される電圧制御発振器140のみを示している。
【0157】
PLL200は、電圧制御発振器201、位相比較器202、ループフィルタ203を有する。あるいは、電圧制御発振器201の出力側に分周器204が配置される。
PLL200のループフィルタ203の出力が発振周波数制御電圧FCVとして出力される。
PLL200の電圧制御発振器201は、クロック再生装置100−1〜100−mの電圧制御発振器140と同一構成のものが適用される。
これにより、高い精度で発振周波数を制御可能である。
そして、各クロック再生装置100−1〜100−mから受信データ信号RDTに同期したクロックCLK−1〜CLK−mが出力される。
【0158】
[クロック再生装置の第2の接続例]
図30は、本発明の実施形態に係るクロック再生装置の第2の接続例を示すブロック図である。
【0159】
この第2の接続例が上述した第1の接続例と異なる点は、PLL200Aにより発振周波数制御電圧FCVを供給する代わりに、発振周波数制御電流FCIを供給するようにしたことにある。
【0160】
これに対応して、PLL200Aのループフィルタ203の出力側に電圧電流変換器(VI変換器)205が配置され、電圧電流変換器205の出力を発振周波数制御電流FCIとして供給される。
そして、PLL200Aでは、電圧制御発振器201の入力側に電流電圧変換器(IV変換器)206が配置されている。
さらに、各クロック再生装置100−1〜100−mの電圧制御発振器140の入力側にも電流電圧変換器(IV変換器)150が配置されている。
【0161】
この場合、制御電圧ではなく制御電流を供給することから、電圧変動の影響等を受けることなく的確に制御信号として供給することが可能となり、より精度の高い発振制御が可能となる。
【0162】
<7.第7の実施形態>
図31は、本発明の第7の実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
【0163】
本電子機器300は、複数のクロック再生装置310−1〜310−m、および機能ブロック320−1〜32−mを含んで構成されている。
【0164】
クロック再生装置310−1〜310−mには上記した第1〜第4の実施形態で説明したクロック再生装置が適用される。
機能ブロック320−1〜32−mは、クロック再生装置310−1〜310−mで再生されたクロック信号CKL1〜CLKmに同期して受信データ信号RDTに対して再生処理等を行う。
【0165】
電子機器300としては、たとえばデジタル映像信号を取り込んで再生データRPDを再生する機能を有する、パーソナルコンピュータ(PC)やテレビジョン受像機等を例示することができる。
あるいは、電子機器300は、クロック再生装置310−1〜310−m、および機能ブロック320−1〜32−mが同一チップに集積化された半導体集積回路として形成することも可能である。
【0166】
以上では、ハーフレートのクロック信号を再生するクロック再生装置の実施形態について述べる。ただし、本発明はハーフレートに限定されるものではなく、さらに拡張可能(サブレート化)である。また、シングルの構成の場合について述べるが、差動の構成であっても構わない。
【0167】
次に、第7の実施形態の一例として1/4レートのクロック信号を再生するクロック再生装置について説明する。
なお、以下の説明では、説明の重複を避けるため、上記第1〜第4の実施形態で説明した構成部分は同一符号をもって表す。
【0168】
<8.第8の実施形態>
図32は、本発明の第8の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示すブロック図である。
図33は、本発明の第8の実施形態に係るクロック再生装置の構成例を示す回路図である。
【0169】
本第8の実施形態に係るクロック再生装置100Fが第4の実施形態に係るクロック再生装置100Cと異なる点は、エッジ検出器110C、位相判定器120F、およびゲーティング信号生成器130Fの構成にある。
本第8の実施形態においては、電圧制御発振器140Fは、基本的な構成は図15と同様の構成を有している。
ただし、本第8の実施形態では、電圧制御発振器140Fの第1のゲーティンググループGRP1の出力である内部クロック信号CK2を、出力クロック信号CLK0とともに、位相が90度ずれたクロック信号CLK90として出力する機能を有する。
そして、この内部のクロック信号CLK90は、出力クロック信号CLK0と共に、位相判定器120Fに供給される。
【0170】
本第8の実施形態に係るエッジ検出器120Cは、図18のエッジ検出器120Cと同様の回路面積、消費電力を削減可能な回路構成を有する。したがって、ここではその詳細な説明は省略する。
【0171】
本第8の実施形態に係る位相判定器120Fは、図19の位相判定器120Cの構成等同様のクロック信号CLK0用位相判定部に加えて、クロック信号CLK90用の位相判定部が並列に配置されている。
図33においては、理解を容易にするため、図19と同一構成部分は同一符号をもって表している。
【0172】
図33の位相判定器120Fは、クロック信号CLK0用位相判定部を形成するフリップフロップ121−1,122A−1、およびセレクタ123−1を有する。
図26の位相判定器120Fは、クロック信号CLK90用位相判定部を形成するフリップフロップ121−2,122A−2、およびセレクタ123−2を有する。
【0173】
フリップフロップ121−1は、受信データ信号RDTのエッジに同期して電圧制御発振器140Fから出力されるクロック信号CLK0の取り込みおよび出力を行う。
【0174】
フリップフロップ122A−1は、受信データ信号RDTのエッジの反転信号に同期して電圧制御発振器140Fから出力されるクロック信号CLK0の取り込みおよび出力を行う。
【0175】
セレクタ123−1は、受信データ信号RDTがハイレベルの期間はフリップフロップ121の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPD0として出力する。
セレクタ123−1は、受信データ信号RDTがローレベルの期間はフリップフロップ122の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPD0として出力する。
【0176】
フリップフロップ121−2は、受信データ信号RDTのエッジに同期して電圧制御発振器140Fから出力されるクロック信号CLK90の取り込みおよび出力を行う。
【0177】
フリップフロップ122A−2は、受信データ信号RDTのエッジの反転信号に同期して電圧制御発振器140Fから出力されるクロック信号CLK90の取り込みおよび出力を行う。
【0178】
セレクタ123−2は、受信データ信号RDTがハイレベルの期間はフリップフロップ121の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPD1として出力する。
セレクタ123−2は、受信データ信号RDTがローレベルの期間はフリップフロップ122の出力信号を選択し、選択した信号を位相判定信号SPD1として出力する。
【0179】
本第8の実施形態に係るゲーティング信号生成器130Fは、図20のゲーティング信号生成器130Cの構成に加えて、ANDゲート134,135の入力側に、遅延回路138、EXOR139、およびセレクタ140を有する。
【0180】
遅延回路138は、エッジ検出信号SEDAをT0だけ遅延させる。
EXOR139は、位相判定器120Dによる2つの位相判定信号SPD0とSPD1のEXORを行い、その結果はセレクタ140のセレクト信号に用いられる。
セレクタ140は、入力「0」がエッジ検出信号SEDAの供給ラインに接続され、入力「1」が遅延回路138の出力に接続されている。
セレクタ140はEXOR139の出力に応じてエッジ検出信号SEDAまたは遅延された信号を選択して出力する。
【0181】
ANDゲート134の第1入力がセレクタ140の出力に接続され、負入力である第2入力が位相判定信号SPD0の供給ラインに接続されている。
ANDゲート134の出力から第1のゲーティング信号SGT10(A)が出力される。
【0182】
ANDゲート135の第1入力が位相判定信号SPD0の供給ラインに接続され、第2入力がセレクタ140の出力ラインに接続されている。
ANDゲート135の出力から第2のゲーティング信号SGT11aが出力される。
この第2のゲーティング信号SGT11aは、遅延回路133でT0/2だけ遅延され、遅延された信号が第2のゲーティング信号SGT11(B)として電圧制御発振器140Fに出力される。
【0183】
図34(A)〜(G)は、本第6の実施形態に係るクロック再生装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図34(A)は受信データ信号RDTを、図34(B)はエッジ検出信号SEDを、図34(C)は位相判定信号SPD1,0の2ビット値を、図34(D)は第1のゲーティング信号SGT10(A)をそれぞれ示している。図34(E)は第2のゲーティング信号SGT11(B)を、図34(F)はクロック信号CLK0を、図34(G)はクロック信号CLK90を、それぞれ示している。
【0184】
また、図35は、本第8の実施形態におけるクロック信号、位相判定信号、ゲーティング信号、遅延時間、およびエッジ入力のクロック信号との関係を示す図である。
【0185】
たとえば、クロック信号CLK90およびクロック信号CLK0がローレベル(L)の場合、位相判定信号SPD1,0は(00)となり、第1のゲーティング信号SGT10(A)がアクティブとなる。
この場合、遅延時間は0であり、エッジ入力の3T0後に同期するクロック信号はクロック信号CLK90の立ち下がりである。
【0186】
クロック信号CLK90がローレベル(L)で、クロック信号CLK0がハイレベル(H)の場合、位相判定信号SPD1,0は(01)となり、第2のゲーティング信号SGT11(B)がアクティブとなる。
この場合、遅延時間は2T0であり、エッジ入力の3T0後に同期するクロック信号はクロック信号CLK0の立ち上がりである。
【0187】
クロック信号CLK90がハイレベル(H)で、クロック信号CLK0がローレベル(L)の場合、位相判定信号SPD1,0は(10)となり、第1のゲーティング信号SGT10(A)がアクティブとなる。
この場合、遅延時間はT0であり、エッジ入力の3T0後に同期するクロック信号はクロック信号CLK0の立ち下がりである。
【0188】
クロック信号CLK90およびクロック信号CLK0がハイレベル(H)の場合、位相判定信号SPD1,0は(11)となり、第2のゲーティング信号SGT11(B)がアクティブとなる。
この場合、遅延時間は0であり、エッジ入力の3T0後に同期するクロック信号はクロック信号CLK90の立ち上がりである。
【0189】
このようにして、受信データ信号RDTに同期した、クロック信号CLK0およびCLK90が位相90度をもって生成されて出力される。
【0190】
[第8の実施形態のクロック再生装置の接続例]
図36は、本発明の第6の実施形態に係るクロック再生装置の接続例を示すブロック図である。
図37(A)〜(E)は、図29の動作例を示すタイミングチャートである。
図37(A)は受信データ信号DRDTを、図37(B)はクロック信号CLK0を、図37(C)はクロック信号CLK90を、図37(D)はクロック信号CLK0の反転信号を、図37(E)はクロック信号CLK90の反転信号を、それぞれ示している。
【0191】
この接続例は、クロック再生装置100Fに並列に遅延回路210が配置されている。
遅延回路210の遅延時間はクロック再生装置100Fのクロック再生処理にかかる時間に相当する時間に設定されている。
そして、この例では、データ再生用のフリップフロップ221〜224が配置されている。
【0192】
フリップフロップ221は、クロック再生装置100Fが再生したクロック信号CLK0に同期して遅延回路210を介した受信データ遅延信号DRDTを取り込み、再生データ信号RPDT0を出力する。
フリップフロップ222は、クロック再生装置100Fが再生したクロック信号CLK90に同期して遅延回路210を介した受信データ遅延信号DRDTを取り込み、再生データ信号RPDT1を出力する。
フリップフロップ223は、クロック再生装置100Fが再生したクロック信号CLK0に同期して遅延回路210を介した受信データ遅延信号DRDTを取り込み、再生データ信号RPDT2を出力する。
フリップフロップ224は、クロック再生装置100Fが再生したクロック信号CLK90に同期して遅延回路210を介した受信データ遅延信号DRDTを取り込み、再生データ信号RPDT3を出力する。
【0193】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によるクロック再生装置は、受信データ信号のエッジ検出を示す信号を遅延制御して、発振器の複数箇所のいずれかから選択して注入する。そして、少なくとも1箇所からの注入に対してクロック信号の立ち上りエッジが同期し、他の少なくとも1箇所からの注入に対して立ち下がりエッジが同期する。
これにより、転送レートに対してサブレートであり、かつ受信データ信号に同期するクロック信号を再生することが可能となり、転送レートの高速化、および、低消費電力化を実現することが可能となる。
また、受信データ信号の立ち上りエッジと立ち下りエッジを検出するそれぞれの回路を有するエッジ検出器により、受信データ信号に含まれるジッタに対する耐性を改善することが可能となる。
【符号の説明】
【0194】
100,100A〜100F,100−1〜100−m,100−1A〜100−mA・・・クロック再生装置、110,110A〜110C・・・エッジ検出器、120,120A〜120D・・・位相判定器、130,130B,130C,130E,130F・・・ゲーティング信号生成器、140,140B,140C,140D,140E,140F・・・電圧制御発振器、200,200A・・・位相同期回路(PLL)、300・・・電子機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦続接続されたn(nは2以上の整数)個のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該n個のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号から第nのゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第nのゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、
受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、
上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループから上記第nのゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、
上記ゲーティング信号生成部は、
上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部のエッジ検出信号を注入する上記ゲーティング信号を選択して、選択したゲーティング信号を遅延制御して上記発振器に出力し、
上記発振器は、
位相が上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する
クロック再生装置。
【請求項2】
縦続接続された第1のゲーティンググループおよび第2のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該第1および第2のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号および第2のゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第2のゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、
受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、
上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、
上記ゲーティング信号生成部は、
上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部の検出結果により立ち上がりエッジ検出を示す信号または立ち下がりエッジ検出を示す信号のいずれか一方の信号を第1のゲーティング信号として、他方の信号を受信データ信号の周期の半周期分を遅延させて上記第2のゲーティング信号として生成し、
上記発振器は、
位相が上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する
クロック再生装置。
【請求項3】
上記発振器は、
上記第1のゲーティング信号が供給される上記第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティング信号が供給される上記第2のゲーティンググループのうちの一方が立ち上がりエッジに同期し、他方が立ち下がりエッジに同期する
請求項2記載のクロック再生装置。
【請求項4】
上記発振器は、
上記第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループはそれぞれ2段の2入力のゲートを含み、
上記第1のゲーティング信号は上記第1のゲーティンググループの各ゲートの一方の入力に入力され、
上記第2のゲーティング信号は上記第2のゲーティンググループの各ゲートの一方の入力に入力され、
上記第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループの各ゲートが縦続接続され、かつ、各ゲートの他方の入力を通して発振ループが形成される
請求項2または3記載のクロック再生装置。
【請求項5】
上記発振器は、
上記第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループはそれぞれ2段の2入力のゲートを含み、
ゲーティング信号生成部は、
上記第1のゲーティング信号を上記受信データ信号の周期の1/4以下の時間遅延させた第1の遅延ゲーティング信号と、
上記第2のゲーティング信号を上記受信データ信号の周期の1/4以下の時間遅延させた第2の遅延ゲーティング信号と、を生成し、
上記第1の遅延ゲーティング信号は上記第1のゲーティンググループの初段のゲートの一方の入力に入力され、上記第1のゲーティング信号が当該第1のゲーティンググループの後段のゲートの一方の入力に入力され、
上記第2の遅延ゲーティング信号は上記第2のゲーティンググループの初段のゲートの一方の入力に入力され、上記第2のゲーティング信号が当該第2のゲーティンググループの後段のゲートの一方の入力に入力され、
上記発振器は、
上記第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループの各ゲートが縦続接続され、かつ、各ゲートの他方の入力を通して発振ループが形成される
請求項2または3記載のクロック再生装置。
【請求項6】
上記エッジ検出部は、
上記受信データ信号を、当該受信データ信号の周期より短い時間遅延させる遅延回路を含み、
上記受信データ信号と上記遅延回路の遅延信号との論理演算によって立ち上がりエッジ検出信号および立ち下がりエッジ検出信号を生成し、生成した立ち上がりエッジ検出信号および立ち下がりエッジ検出信号を上記ゲーティング信号生成部に出力する
請求項2から5のいずれか一に記載のクロック再生装置。
【請求項7】
上記位相判定部は、
上記受信データ信号に同期して上記クロック信号をラッチする第1のラッチと、
上記受信データ信号の反転信号に同期して上記クロック信号をラッチする第2のラッチと、
上記受信データ信号のレベルに応じて上記第1のラッチのラッチデータと上記第2のラッチのラッチデータのいずれかを選択し、選択した信号を位相判定信号として上記ゲーティング信号生成部に出力するセレクタと、を含む
請求項6記載のクロック再生装置。
【請求項8】
発振周波数制御信号を生成する発振制御信号生成部を有し、
上記発振器は、
発振周波数制御信号によって制御された発振周波数の上記クロック信号を出力可能で、
上記発振制御信号生成部は、
上記発振器と同じ構成で、制御電圧に応じた周波数で発振する発振器を含み、
上記発振器を含む位相同期ループにより上記発振周波数制御信号を生成する
請求項2から7のいずれか一に記載のクロック再生装置。
【請求項9】
上記発振器は、
上記クロック信号および上記第1のゲーティンググループの出力である内部クロック信号を上記位相判定部に出力し、
上記位相判定部は、
上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を第1の位相判定信号として出力する第1判定部と、
上記受信データのエッジごとに上記内部クロック信号の位相を判定し、判定結果を第2の位相判定信号として出力する第2判定部と、を含み、
上記ゲーティング信号生成部は、
上記第1の位相判定信号および第2の位相判定信号の排他的論理和結果と上記第1の位相判定信号とに応じて上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号を生成する
請求項2または4記載のクロック再生装置。
【請求項10】
少なくともクロック再生装置と、
上記クロック再生装置で再生されたクロック信号に同期して、受信データ信号に対する処理を行う少なくとも一つの機能ブロックと、を含み、
上記クロック再生装置は、
縦続接続されたn(nは2以上の整数)個のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該n個のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号から第nのゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第nのゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、
受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、
上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループから上記第nのゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、
上記ゲーティング信号生成部は、
上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部のエッジ検出信号を注入する上記ゲーティング信号を選択して、選択したゲーティング信号を遅延制御して上記発振器に出力し、
上記発振器は、
位相が上記第1のゲーティング信号から上記第nのゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する
電子機器。
【請求項11】
少なくともクロック再生装置と、
上記クロック再生装置で再生されたクロック信号に同期して、受信データ信号に対する処理を行う少なくとも一つの機能ブロックと、を含み、
上記クロック再生装置は、
縦続接続された第1のゲーティンググループおよび第2のゲーティンググループで発振ループが形成可能で、当該第1および第2のゲーティンググループは、それぞれ異なる第1のゲーティング信号および第2のゲーティング信号により内部クロック信号のゲーティング制御が行われ、少なくとも上記第2のゲーティンググループからクロック信号を出力する発振器と、
受信データ信号のエッジを検出するエッジ検出部と、
上記受信データのエッジごとに上記クロック信号の位相を判定し、判定結果を位相判定信号として出力する位相判定部と、
上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号を生成して上記発振器の第1のゲーティンググループおよび上記第2のゲーティンググループにそれぞれ出力するゲーティング信号生成部と、を有し、
上記ゲーティング信号生成部は、
上記位相判定部の位相判定信号に応じて、上記エッジ検出部の検出結果により立ち上がりエッジ検出を示す信号または立ち下がりエッジ検出を示す信号のいずれか一方の信号を第1のゲーティング信号として、他方の信号を受信データ信号の周期の半周期分を遅延させて上記第2のゲーティング信号として生成し、
上記発振器は、
位相が上記第1のゲーティング信号および上記第2のゲーティング信号によって制御され、上記受信データ信号に同期した上記クロック信号を出力する
電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate


【公開番号】特開2010−283455(P2010−283455A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133238(P2009−133238)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】