説明

グルタメート受容体アンタゴニストとしてのフェニルエテニルまたはフェニルエチニル誘導体

【課題】新規グルタメート受容体アンタゴニストの提供。
【解決手段】下式(I)
〔式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH−NRR′、−(CH−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし、Aは、−CH=CH−または−C≡C−を表わす〕で示される化合物ならびにその薬学的に許容しうる塩の、mGluR5受容体介在性障害の治療または予防用の薬剤製造のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I):
【0002】
【化16】

【0003】
〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
R、R′およびR″は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
Aは、−CH=CH−または−C≡C−を表わし;そして
Bは、
【0004】
【化17】

【0005】
(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、水素、低級アルキルまたはハロゲンを表わし;
11は、水素またはアルキルを表わし;
12は、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキルを表わし;
13は、水素またはアルキルを表わし;
14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
18、R19およびR20は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
21は、水素または低級アルキルを表わし;
22は、水素、低級アルキル、またはヒドロキシもしくはハロゲンから選択される1個以上の置換基を有する低級アルキルを表わし;
23は、水素、低級アルキル、低級アルカノイルまたはニトロを表わし;
24、R25およびR26は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
nは、0,1,2,3,4,5または6であり;
Xは、−CH2−、−O−または−S−であり;そして
Yは、−CH=または−N=である)を表わす〕
で示されるフェニルエテニルおよびフェニルエチニル誘導体、ならびにそれらの薬学的に許容しうる塩の使用に関する。
【0006】
本式(I)のいくつかの化合物は既知の化合物であり、文献に記載されている。例えば、1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、1−メチル−5−フェニルエチニル−1H−イミダゾールおよび1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾールの合成は、その対応するフェニルエテニル誘導体と同様に、Chem. Pharm. Bull. 1987, 35(2), 823-828に記載されている。その化合物は、対応するハロゲン−1,3−アゾールと、フェニルアセチレンまたはスチレンとのパラジウム触媒反応によって調製されている。1−メチル−2−(4−メトキシフェニルエチニル)−1H−イミダゾールは、Chem. Mater. 1994, 6(7), 1023-1032に従って非線形の光発色団として合成することができる。アンジオテンシンIIブロッカーとして使用される置換イミダゾール製造用の中間体としての2−アルキル−5−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボキサルデビドの調製は、WO91/00277に記載されている。1−メチル−5−(2−フェニルエテニル)−1H−イミダゾールも、Environ. Health. Perspect. 1986, 67, 41-45に従って、ヘテロ環式食物突然変異誘発物の合成のための中間体として、調製されている。
【0007】
予期しないことに、今回一般式(I)の化合物が、代謝調節型グルタメート受容体アンタゴニストであることが見出された。式(I)の化合物は、有用な治療特性によって特徴づけられる。それらは、mGluR5受容体介在性障害の治療または予防に用いることができる。
【0008】
中枢神経系(CNS)において、刺激の伝達は、ニューロンによって送出される神経伝達物質と神経受容体との相互作用によって起こる。
【0009】
グルタメートは、脳における主要な興奮性の神経伝達物質であり、多様な中枢神経系(CNS)機能においてユニークな役割を演ずる。グルタメート依存性刺激性受容体は、2つの主グループに分けられる。第一の主グループ、すなわちイオノトロピック受容体は、リガンド制御型イオンチャンネルを形成する。代謝調節型グルタメート受容体(mGluR)は、第2の主グループに属し、さらにG−タンパク質共役型受容体のファミリーに属する。
【0010】
現在、これらのmGluRの8個の異なるメンバーが知られており、これらのいくつかは、サブタイプまでも有している。それらの配列相同性、情報伝達機構およびアゴニスト選択性によれば、これらの8個の受容体を、3個のサブグループに細分することができる。
【0011】
mGluR1およびmGluR5は、グループIに属し、mGluR2およびmGluR3は、グループIIに属し、そしてmGluR4、mGluR6、mGluR7およびmGluR8は、グループIIIに属する。
【0012】
第1のグループに属する代謝調節型グルタメート受容体のリガンドは、精神病、癲癇、精神分裂症、アルツハイマー病、認識障害および記憶障害などの急性および/または慢性神経学的障害、ならびに慢性および急性疼痛の治療または予防に用いることができる。
【0013】
これに関連して、他の処置可能な症状は、バイパス手術または移植によって引き起こされる制限された脳機能、脳への低血液供給、脊髄障害、頭部外傷、妊娠による低酸素症、急性心停止、および低血糖症である。さらに処置可能な症状は、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSによって引き起こされる痴呆、視覚障害、網膜症、特発性パーキンソン病または薬剤によって引き起こされるパーキンソン病、ならびに筋肉痙攣、ひきつけ、偏頭痛、尿失禁、ニコチン中毒、アヘン中毒、不安症、嘔吐、運動障害およびうつ病等のグルタメート欠損機能を導く状態である。
【0014】
mGluR5が完全にあるいは一部介在した疾病は、たとえば、アルツハイマー病、老人性痴呆、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および多重硬化症などの神経系の急性、外傷性および慢性の変性過程;精神分裂症および不安症などの精神病;うつ病;ならびに疼痛である。選択性mGluR5アンタゴニストは、不安症および疼痛の治療に特に有用である。
【0015】
本発明の目的は、mGluR5受容体介在性障害の治療または予防用の薬剤の製造のための式(I)の化合物およびその薬学的に許容しうる塩の使用、式(I−A)または式(I−B)で示される新規な化合物それ自体、それらの製造、本発明による化合物を基礎とした薬剤およびそれらの生産、ならびにmGluR5受容体介在性障害の治療または予防のための式(I−A)または式(I−B)の化合物の使用であり、このような障害として、例えば、アルツハイマー病、老人性痴呆、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、認識障害および記憶障害、脳虚血、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および多重性硬化症、バイパス手術または移植による制限された脳機能、脳への低血液供給、脊髄障害、頭部外傷、妊娠による低酸素症、急性心停止および低血糖症、ならびに精神病、癲癇、精神分裂症および不安症などの精神医学上の疾患、うつ病、ならびに慢性および急性疼痛などである。
【0016】
本発明は、特に一般式(I−A):
【0017】
【化18】

【0018】
〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
R、R′およびR″は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
Bは、
【0019】
【化19】

【0020】
(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、水素、低級アルキルまたはハロゲンを表わし;
11は、水素またはアルキルを表わし;
12は、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキルを表わし;
13は、水素または低級アルキルを表わし;
14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
18、R19およびR20は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
21は、水素または低級アルキルを表わし;
22は、水素、低級アルキル、またはヒドロキシもしくはハロゲンから選択される1個以上の置換基を有する低級アルキルを表わし;
23は、水素、低級アルキル、低級アルカノイルまたはニトロを表わし;
24、R25およびR26は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
nは、0、1、2、3、4、5または6であり;
Xは、−CH2−、−O−または−S−であり;そして
Yは、−CH=または−N=である)を表わす〕
で示される新規な化合物、およびそれらの薬学的に許容し得る塩(但し、
1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
1−メチル−2−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−1H−イミダゾール、
1−メチル−5−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、および
1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
を除く)にも関する。
【0021】
さらに、本発明は、一般式(I−B−1):
【0022】
【化20】

【0023】
〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
R、R′およびR″は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;そして
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わす〕
で示される新規な化合物、およびそれらの薬学的に許容しうる塩に関する。
【0024】
本発明は、また、一般式(I−B−2):
【0025】
【化21】

【0026】
〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
RおよびR′は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、ハロゲンを表わし;そして
11は、水素またはアルキルを表わす〕
で示される化合物、およびそれらの薬学的に許容しうる塩にも関する。
【0027】
本明細書で用いられる一般的な用語の以下の定義は、当該用語が単独または組合わせで出てくるかどうかには関係なくあてはまる。本明細書に用いられる用語“低級アルキル”は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等のような1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、直鎖または分岐飽和炭化水素残基を意味する。
【0028】
用語“シクロアルキル”は、3〜7個の炭素原子を含有する飽和炭素環式基を意味し、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが好ましい。
【0029】
用語“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0030】
用語“低級アルコキシ”は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ等の、酸素原子を介して結合している、先に定義されたような低級アルキル基を意味する。
【0031】
好ましい低級アルカノイル基は、ホルミル、エタノイルまたはプロパノイルである。
【0032】
好ましいアリール基は、フェニルまたはナフチルである。
【0033】
ヘテロアリール基は、フリル、ピロリル、チエニル、1H−イミダゾリル、2H−イミダゾリル、4H−イミダゾリル、1H−ピラゾリル、3H−ピラゾリル、4H−ピラゾリル、1,2−オキサゾリル、1,3−オキサゾリル、1H−〔1,2,4〕トリアゾリル、4H−〔1,2,4〕トリアゾリル、1H−〔1,2,3〕トリアゾリル、2H−〔1,2,3〕トリアゾリル、4H−〔1,2,3〕トリアゾリル、〔1,2,4〕オキサジアゾリル、〔1,3,4〕オキサジアゾリル、〔1,2,3〕オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル、〔1,2,3,4〕オキサトリアゾリル、〔1,2,3,5〕オキサトリアゾリル、1,3−チアゾリル、1,2−チアゾリル、1H−ペンタゾリル,ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニルおよびそれらのジヒドロ誘導体から選択される。そのヘテロアリール基は、場合により低級アルキルで置換されている。好ましいヘテロアリール基は、ピロリルおよび〔1,2,4〕オキサジアゾリルである。
【0034】
用語“薬学的に許容しうる塩”は、親化合物の所望の薬理活性を有する無機または有機の酸または塩基から誘導されるあらゆる塩をいう。
【0035】
Aが−C≡C−を表わし、BがB1を表わす、上記使用のための式(I)の化合物が特に好ましい。以下は、そのような化合物の例である。
3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
2−(5−ニトロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−エタノール、
2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
2−(2,6−ジクロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−1−フェニル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
3,5−ジメチル−2−m−トリルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−アセチルアミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−〔3−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−フェニルエチニル〕−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
2−(4−クロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−ビフェニル−4−イルエチニル−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−(4−アミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−クロロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、または
(4,5−ジクロロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−酢酸エチルエステル。
【0036】
Aが−C≡C−を表わし、BがB2を表わす、上記使用のための式(I)の化合物がさらに好ましい。
【0037】
このような化合物の一例は、1−メチルー5−フェニルエチニル−1H−イミダゾールである。
【0038】
Aが−C≡C−を表わし、BがB3を表わす、式(I)の化合物もまた上記使用のために好ましい。
【0039】
そのような化合物の一例は、N−〔2−(5−メトキシ−2−フェニルエチニル−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミドである。
【0040】
上記使用のための式(I)の好ましい化合物は、Aが−C≡C−を表わし、BがB4を表わすものでもある。
【0041】
以下がそのような化合物の例である。
3−フェニルエチニル−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン、または
3−フェニルエチニル−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン。
【0042】
Aが−C≡C−を表わし、BがB5を表わす、上記使用のための式(I)の化合物がさらに好ましい。
【0043】
このような化合物の例は、
1−クロロ−3−(2−メチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール、
3−メチル−5−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド、
4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、または
1,2−ジメチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾールである。
【0044】
Aが−C≡C−を表わし、BがB6表わす、上記使用のための式(I)の化合物もまた好ましい。
【0045】
そのような化合物の一例は、1,3−ジメチル−5−フェニルエチニル−1H−ピラゾールである。
【0046】
Aが−C=C−を表わす、上記使用のための式(I)の化合物がさらに好ましい。
【0047】
Aが−C=C−を表わし、BがB1を表わす、上記使用のための式(I)の化合物が特に好ましい。
【0048】
以下は、そのような化合物の例である。
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−スチリル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−ブトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−エトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−〔2−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−ビニル〕−1H−イミダゾール、
2−〔2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、または
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−(2−p−トリル−ビニル)−1H−イミダゾール。
【0049】
Aが−C=C−を表わし、BがB2を表わす、上記使用のための式(I)の化合物もまた好ましい。
【0050】
そのような化合物の例は、以下の如くである。
4−ブロモ−1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾール、または
1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾール。
【0051】
本発明のさらに好ましい対象は、1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾールおよび1−メチル−2−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−1H−イミダゾールを除く、BがB1を表わす式(I−A)の化合物である。
【0052】
以下がそのような化合物の例である。
2−(5−ニトロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−エタノール、
2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−(2−クロロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、または
(4,5−ジクロロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−酢酸エチルエステル。
【0053】
BがB1を表わし、R7が(CH2n−C(O)OR′あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わす、式(I−A)の化合物がさらに好ましい。NがOであり、Rが低級アルキルである、R7が(CH2n−C(O)OR′である化合物が特に好ましい。
【0054】
そのような化合物の例は、以下の如くである。
3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2,6−ジクロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−1−フェニル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
3,5−ジメチル−2−m−トリルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−アセチルアミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−〔3−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−フェニルエチニル〕−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
2−(4−クロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−ビフェニル−4−イルエチニル−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、または
2−(4−アミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル。
【0055】
BがB4を表わす、式(I−A)の化合物もまた好ましい。
【0056】
以下は、そのような化合物の例である。
3−フェニルエチニル−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン、または
3−フェニルエチニル−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン。
【0057】
式(I−A)の好ましい化合物は、1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾールを除く、BがB5を表わす化合物である。
【0058】
そのような化合物の例は、以下の如くである。
1−クロロ−3−(2−メチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール、
3−メチル−5−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド、
4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、または
1,2−ジメチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール。
【0059】
式(I−B):
【0060】
【化22】

【0061】
〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
BはB1を表わし、R7は低級アルキルまたは(CH2n−C(O)OR′を表わす〕
で示される化合物もまた好ましい。
7が低級アルキルを表わす化合物が特に好ましい。
【0062】
このような化合物の例は以下の如くである。
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−スチリル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−ブトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−エトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−〔2−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−ビニル〕−1H−イミダゾール、
2−〔2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、または
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−(2−p−トリル−ビニル)−1H−イミダゾール。
【0063】
式(I−B)のさらに好ましい化合物は、BがB2を表わし、R10がハロゲンを表わす化合物である。
【0064】
そのような化合物の一例は、4−ブロモ−1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾールである。
【0065】
式(I−A)および(I−B)の本化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩は、当該技術分野において既知の方法、例えば以下に記載されている方法によって調製することができる。この方法は、式(II):
【0066】
【化23】

【0067】
の化合物を、式(III):
【0068】
【化24】

【0069】
の化合物と反応させて(式中、Xは、ハロゲンまたはトリフルオロメタンスルホニルを表わし、R1〜R5は先に定義されたとおりの意味を有する)、
Aが−C≡C−を表わし、かつBが先に定義されたとおりの意味を有する場合には式(I−A)の化合物を得ること、または、
Aが−HC=CH−を表わし、かつBが、
【0070】
【化25】

【0071】
(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、ハロゲンを表わし;
11は、水素またはアルキルを表わす)
である場合には式(I−B)の化合物を得ること、および所望の場合、
式(I−A)または式(I−B)の化合物を、薬学的に許容しうる塩に変換することを含む。
【0072】
この反応は、パラジウム(II)塩によって触媒される。
【0073】
本発明によれば、Aが−C≡C−を表わす式(I)の化合物は、式(II)のアセチレン誘導体、例えばエチニルベンゼンを、式(III)の適切な化合物、例えば2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エステルと反応させることによって調製される。Chem. Pharm. Bull. 1987, 35(2), 823-828に記載されている方法によれば、このパラジウム触媒C−C−カップリング反応は、ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)−クロリド、ヨウ化第一銅およびトリエチルアミンの存在を必要とし、90℃から100℃の温度で、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルのような極性溶媒中、1.5〜3時間行なわれる。その反応は、また等モル量のビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)−クロリドおよびトリフェニルホスフィンおよび過剰のトリエチルアミンの存在下、55℃の温度で16時間以内で行なうこともできる。
【0074】
式(II)のフェニルエチニル誘導体は市販で入手可能であり、当該技術分野で周知の方法によって容易に調製することができる。
【0075】
式(III)の化合物も市販で入手可能であり、ヘテロ環式系のBに依存した適切な方法により調製することができる。
【0076】
式(III)(B=B1)の2−ハロゲノ−1H−イミダゾールは、米国特許(USP)第4,711,962号、USP3,341,548号およびShynth, Commun, 1989, 19, 2551-2566に記載されている方法に従って調製される。
【0077】
式(IIIa)の2−トリフルオロメタンスルホニル−1H−イミダゾールは、式(VI)の2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ−ル、例えばUSP3,303,199号に記載されている方法に従って得られる5−メチル−2−オキソ−1−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルから調製することができる。無水トリフルオロメタンスルホン酸およびトリエチルアミンを用いた反応は、ジクロロメタン中、室温で行なわれる(スキーム1、Tf=トリフルオロメタンスルホニル)。
【0078】
【化26】

【0079】
式(IIIb)の5−(2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾールは、3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(VII)を、1,1′−カルボニルジイミダゾールおよび溶媒としてのジメチルホルムアミドの存在下、式(VIII)で示されるN−ヒドロキシカルボキサミジンと反応させ、式(IX)で示されるイミダゾリル−〔1,2,4〕オキサジアゾールを得、これを次いで室温で臭素化することによって得られる(スキーム2、R″は低級アルキルまたはシクロアルキルである)。
【0080】
【化27】

【0081】
式(III)(B=B3)の適切なインドール誘導体、例えばN−〔2−(2−ヨード−5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル〕−アセトアミドは、J. Labelled Compd. Radiopharm. 1997, 39, 677-684に記載されている方法に従って得ることができる。
【0082】
式(III)(B=B4)の3−ヨード−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンおよび3−ヨード−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンは、EP0059390に記載されている方法と同様にして調製される。
【0083】
式(III)(B=B5)の4−ハロゲノ−1H−イミダゾールは、例えばJ. Med. Chem. 1974, 17(9), 1019-1020, Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 1784-1790またはAust. J. Chem. 1987, 40(8), 1399-1413に記載されている方法に従って得ることができる。
【0084】
BがB6を表わす式(III)の化合物は、例えば、Bull. Acad. Sci. USSR Div. Chem. Sci. (Engl. Transl.) 1983, 626-628およびIzv. Akad. Nauk SSSR Ser. Khim. 1983, 688-690に記載されている方法と同様にして調製することができる。
【0085】
式(I)のフェニルエテニル誘導体は、式(III)の化合物を、式(II)のフェニルエテンと反応させることによって同様にして調製することができる。
【0086】
さらに、Aが−C=C−を表わす式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩も、式(IV):
【0087】
【化28】

【0088】
(式中、X1はハロゲンを表わす)の化合物を、式(V):
【0089】
【化29】

【0090】
の化合物と反応させて、式(I−B):
【0091】
【化30】

【0092】
で示される化合物を得ること〔式中、R1〜R5は請求項1に定義されたような意味を有し、Bは、
【0093】
【化31】

【0094】
(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、ハロゲンを表わし;および
11は、水素またはアルキルを表わす)である〕、および所望なら、
式(I−B)の化合物を、薬学的に許容しうる塩に変換することによって調製することができる。
【0095】
このように、式(I−B)の化合物は、ウィティッヒ反応で、式(V)で示される適切なアルデヒド、例えば4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドを、ナトリウムアルコキシド、ナトリウムアミドまたは水素化ナトリウムのような強塩基の存在下、式(IV)で示される適切なベンジルトリフェニルホスホニウムハライド、例えばベンジルホスホニウムクロリドで処理することによって得られる。
【0096】
式(IV)で示されるトリフェニルホスホニウム塩は、トリフェニルホスフィン(PPh3)および適切なベンジルハライドXから調製される(スキーム3)。
【0097】
【化32】

【0098】
式(V)で示されるアルデヒドは、当該技術分野で既知の方法によって得ることができる。例えば、4,5−ジイソプロピル−I−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドは、Inorg. Chim. Acta 1999, 296(1), 208-221に記載されている方法と同様にして調製され、5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒドは、Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 1784-1790に記載されている方法に従って得られる。
【0099】
式(I−A)および(I−B)の化合物の薬学的に許容しうる塩は、それ自体既知の方法に従って容易に製造することができ、その化合物の性質を考慮して、塩に変換される。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸もしくはクエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸もしくはP−トルエンスルホン酸等のような、無機または有機酸が、式(I)の塩基性化合物の薬学的に許容しうる塩の形成のために適切である。酸化合物の薬学的に許容しうる塩の形成のために、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含有する化合物、塩基性アミンまたは塩基性アミノ酸が適切である。
【0100】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩は、すでに前述したように、代謝調節型グルタメート受容体アンタゴニストであり、急性および/または慢性の神経学的障害、認識障害および記憶障害、ならびに急性および慢性の疼痛などのmGluR5受容体介在性障害の治療または予防に用いることができる。処置可能な神経学的疾病は、例えば、癲癇、精神分裂症、不安症、神経系の急性、外傷性もしくは慢性の変性過程、例えばアルツハイマー病、老人性痴呆、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多重性硬化症、AIDSによる痴呆、視覚障害、網膜症、特発性パーキンソン病もしくは薬剤によるパーキンソン病、ならびに筋肉痙攣、ひきつけ、偏頭痛、尿失禁、ニコチン中毒、精神病、アヘン中毒、不安症、嘔吐、運動障害およびうつ病などのグルタメート欠損機能を導く状態である。その他の処置可能な症状は、バイパス手術または移植による制限された脳機能、脳への低血液供給、脊髄障害、頭部外傷、妊娠による低酸素症、急性心停止および低血糖症である。
【0101】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容しうる塩は、鎮痛剤として特に有用である。処置可能な疼痛の種類は、関節炎およびリウマチ病などの炎症性疼痛、脈管炎、三叉神経または疱疹性神経痛などの神経痛、糖尿病性神経痛、灼熱痛、痛覚過敏症、激しい慢性疼痛、外科手術後の疼痛、ガン、狭心症、腎仙痛または胆石仙痛等の種々の状態に関連した疼痛、生理痛、偏頭痛ならびに痛風を含む。
【0102】
化合物の薬理活性は、以下の方法を用いて試験した。
【0103】
ラットmGlu5a受容体をエンコードするCDNAを、E. J. Schlaeger およびK.Christensen (Transient gene expression in mammalian cells grown in serum-free suspension culture; Cytotechnology, 30: 71-83, 1999)により記載された方法を用いて、一過的にEBNA細胞中にトランスフェクトする。細胞をFluo3−AM(FLUKAにより入手可能、0.5μM最終濃度)で37℃で1時間インキュベートし、アッセイ用緩衝液(Hank′s塩および20mMのHEPESで補充されたDMEM)で4回洗浄した後、mGlu5aトランスフェクトEBNA細胞について、〔Ca2+測定を行う。〔Ca2+i測定を、蛍光イメージプレートリーダ(FLIPR, Molecular Devices Corporation, La Jolla, CA, USA)を用いて行う。化合物をアンタゴニストとして評価する際は、アゴニストとしてのグルタメート10μMに対してそれらを試験する。
【0104】
阻害(アンタゴニスト)曲線を、反復的非線形カーブフィッティングソフトウェアOrigin(Microcal Software Inc., Northampton, MA, USA)を用いて、IC50を与える4つのパラメータの論理式およびヒル係数(Hill coefficient)に適合させる。
【0105】
本発明の化合物は、mGlu5a受容体アンタゴニストである。それらの化合物は、上述したアッセイで測定されたように、10μM以下、典型的には2μM以下、理想的には0.02μM以下の活性を示す。
【0106】
以下の表には、本発明の化合物の特定の活性データが示されている。
【0107】
【表1】



【0108】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容しうる塩は、薬剤、例えば医薬製剤の形で用いることができる。その医薬製剤は、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬および軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤または懸濁剤の形態で経口的に投与することができる。しかしながら、投与は、例えば坐剤の形態で直腸に、または例えば注射液の形態で非経口的に実施することもできる。
【0109】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容しうる塩は、医薬製剤の製造用の、薬学的に不活性な無機または有機担体で処理することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩等を、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠および硬ゼラチンカプセル剤用の担体として用いることができる。軟ゼラチンカプセル剤の適切な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体および液体ポリオールなどであり、活性物質の性質に左右されるが、軟ゼラチンカプセル剤の場合には担体は通常必要とされない。液剤およびシロップ剤の製造のための適切な担体は、例えば水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などである。アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などの佐剤は、式(I)の化合物の水溶性塩の水性注射用液剤に用いることができるが、原則として必要ではない。坐剤の適切な担体は、例えば、天然または硬化油、ワックス、脂肪、半固体または液体ポリオ−ルなどである。
【0110】
さらに、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤または酸化防止剤を含有することができる。それらは、その他の治療的に有効な物質も含有することができる。
【0111】
前述したように、式(IA)もしくは(IB)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩および治療的に不活性な賦形剤を含有する薬剤もまた、本発明の対象であり、1つ以上の治療的に不活性な担体と共に、式(IA)もしくは(IB)の1つ以上の化合物またはその薬学的に許容しうる塩、ならびに所望なら、1つ以上のその他の治療上有用な物質を製剤投与形態とすることを含む、そのような薬剤の製造方法も本発明の対象である。
【0112】
用量は広い限定範囲内で変えることができ、もちろん各々個別の症例で個々の要求に適合される。一般的に、経口または非経口投与のための有効用量は、0.01〜20mg/kg/日であり、0.1〜10mg/kg/日の用量が、記載されているすべての適応症に対して好ましい。従って、体重70kgの大人1日当りの用量は、0.7〜1400mg/日、好ましくは、7〜700mg/日である。
【0113】
最後に、先に述べたように、特に先述したmGluR5受容体介在性障害の治療または予防用の薬剤の製造のための、式(I)の化合物およびその薬学的に許容しうる塩の使用も、本発明の対象である。
【0114】
以下の実施例は、本発明の説明のために供される。それらは本発明の範囲を限定するように考えられるべきものではなく、単にその代表例として考えられるべきものである。
【0115】
実施例1
3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【0116】
a)2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物をUSP4,711,962号に記載されている方法に従って調製した。
【0117】
b)3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
Chem. Pharm. Bull. 1987, 35(2), 823-828に記載されている方法に類似して、ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム−II−クロリド17.5mg(0.025mmol)、ヨウ化第一銅2.9mg(0.015mmol)、トリエチルアミン60.5mg(0.6mmol)、エチルベンゼン32.4mg(0.3mmol)および2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル61.8mg(0.25mmol)を、DMF1mlに溶かし、90℃で3時間振とうした。反応混合物から、HPLCクロマトグラフィー(YMC Combi Prep C18カラム50×20mm、6.0分かけた0.1%TFA(水性)中10〜95%CH3CN溶媒グラジェント、λ=230nm、流速40ml/min)により標記化合物(19.3mg、29%、MS:m/e=269.3〔M+H+〕)を単離した。
【0118】
【表2】

【0119】
実施例2
5−メチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【0120】
a)2−ブロモ−5−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
化合物を、USP4,711,962号に記載されている方法に従って調製した。
【0121】
b)5−メチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=255.2(M+H+))を、2−ブロモ−5−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0122】
実施例3
2−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=299.3(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび1−エチニル−3−メトキシ−ベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0123】
実施例4
1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=183.0(M+H+))を、2−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0124】
実施例5
2−(5−ニトロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−エタノール
【0125】
a)2−(2−ヨード−5−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−エタノール
2−(2−ヨード−5−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−エタノールを、USP3,341,548号に記載されている方法に従って得た。
【0126】
b)2−(5−ニトロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール1−イル)−エタノール
標記化合物(MS:m/e=258.0(M+H+))を、2−(2−ヨード−5−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−エタノールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0127】
実施例6
2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
【0128】
a)2−ヨードイミダゾール
2−ヨードイミダゾールを、Synth. Commun. 1989, 19, 2551-2566に記載されている方法に従って調製した。
【0129】
b)2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=169.4(M+H+))を、2−ヨードイミダゾールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0130】
実施例7
2−(2,6−ジクロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=197.4(M+H+))を、1,3−ジクロロ−2−エチニル−ベンゼンおよび2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0131】
実施例8
5−メチル−1−フェニル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【0132】
a)5−メチル−2−オキソ−1−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物を、USP3,303,199号に記載されている方法によって得た。
【0133】
b)5−メチル−1−フェニル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
5−メチル−2−オキソー1−フェニル−2、3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル492mg(2mmol)、無水トリフルオロメタンスルホン酸846mg(3mmol)、トリエチルアミン303mg(3mmol)およびジクロロメタン10mlの混合物を、室温で1時間攪拌した。揮発性成分を減圧下蒸発させ、得られた残渣を、シリカゲル(溶離剤としての酢酸エチル/ヘキサン=1:4)上でろ過した。溶媒を減圧下蒸発させた後、黄色油状物(463mg)を得た。この油状物378mg、フェニルアセチレン122mg(1.2mmol)、ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム−II−クロリド70mg(0.1mmol)、トリエチルアミン303mg(3mmol)およびヨウ化第一銅10mg(0.05mmol)を、DMF5mlに溶かし、100℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、エーテル30mlで希釈し、水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて油状物を得、それからカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としての酢酸エチル/ヘキサン=2:3)により標記化合物(277mg、51%)を単離した。
【0134】
【表3】

【0135】
実施例9
3,5−ジメチル−2−m−トリルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=283.6(M+H+))を、1−エチニル−3−メチル−ベンゼンおよび2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0136】
実施例10
2−(3−アセチルアミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=326.8(M+H+))を、N−(3−エチニル−フェニル)−アセトアミドおよび2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0137】
実施例11
(2−〔3−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−フェニルエチニル〕−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=362.8(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび1−(3−エチニル−フェニル)−2,5−ジメチル−1H−ピロールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0138】
実施例12
5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール
【0139】
a)5−(3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール
3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(1.0g、7.14mmol)および1,1′−カルボニルジイミダゾール(1.74g、10.7mmol)のDMF(35ml)溶液を、室温で3時間攪拌した。N−ヒドロキシ−アセトアミジン(0.68g、9.18mmol)を加え、反応混合物を、80℃で16時間攪拌し、蒸発させ、酢酸(30ml)に溶かした。その溶液を、100℃で2時間攪拌し、蒸発させ、飽和NaHCO3溶液(50ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(7×30ml)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(70ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、標記化合物(0.78g、61%)を白色固体として得た。
融点:95℃およびMS:m/e=178.2(M+
【0140】
b)5−(2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール
5−(3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール(0.7g、3.93mmol)のクロロホルム(7ml)攪拌溶液に、臭素(0.94g、0.30ml、5.89mmol)のクロロホルム(7ml)溶液を室温で滴加した。反応混合物を、室温で26時間攪拌し、蒸発させ、飽和NaHCO3溶液(40ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×30ml)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(40ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、粗生成物を黄色油状物(0.84g)として得た。シリカゲル(酢酸エチル/MeOH=98:2)上のカラムクロマトグラフィーによる精製により、標記化合物(0.52g、51%)を白色固体として得た。
融点:89℃およびMS:m/e=256、258(M+
【0141】
c)5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール
5−(2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール(0.52g、2.02mmol)のTHF(10ml)攪拌溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(71mg、0.1mmol)、フェニルアセチレン(0.31g、3.03mmol)、トリフェニルホスフィン(27mg、0.1mmol)およびトリエチルアミン(0.61g、6.07mmol)を室温で加えた。反応混合物に10分間アルゴンを通気した後、55℃で16時間攪拌を継続した。反応混合物を、水(50ml)中に注ぎ、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(40ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、粗生成物を黄色油状物(0.81g)として得た。シリカゲル(酢酸エチル/トルエン=5:1)上のカラムクロマトグラフィーによる精製により、標記化合物(0.31g、55%)を明黄色固体として得た。
融点:137℃およびMS:m/e=278.1(M+
【0142】
実施例13
3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール
【0143】
a)3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール
標記化合物(オフホワイト色固体、融点:88℃およびMS:m/e=204.3(M+))を、3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸およびN−ヒドロキシ−シクロプロパン−カルボキサミジンから、実施例12aの一般的な方法に従って調製した。
【0144】
b)5−(2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−シクロプロピル−〔1,2,4〕オキサジアゾール
標記化合物(白色固体、融点:81℃およびMS:m/e=282,284(M+))を、実施例12bの一般的な方法に従って、3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾールの臭素化により調製した。
【0145】
c)3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール
標記化合物(白色固体、融点:120℃およびMS:m/e=305.2(M+H+))を、5−(2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−シクロプロピル−〔1,2,4〕オキサジアゾールおよびフェニルアセチレンから、実施例12cの一般的な方法に従って調製した。
【0146】
実施例14
2−(4−クロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=303.0(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび1−クロロ−4−エチニルベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0147】
実施例15
2−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=286.8(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび1−エチニル−4−フルオロベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0148】
実施例16
2−ビフェニル−4−イルエチニル−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=345.4(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび4−エチニルビフェニルから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0149】
実施例17
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=287.4(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび1−エチニル−2−フルオロベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0150】
実施例18
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=201.2(M+H+))を、2−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾールおよび1−エチニル−2−フルオロベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0151】
実施例19
2−(4−アミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=284.4(M+H+))を、2−ブロモ−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルおよび4−エチニルアニリンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0152】
実施例20
2−(2−クロロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=217.6(M+H+))を、2−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾールおよび1−クロロ−2−エチニルベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って得た。
【0153】
実施例21
(4,5−ジクロロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−酢酸エチルエステル
標記化合物(MS:m/e=323.0(M+H+))を、(2−ブロモ−4,5−ジクロロイミダゾール−1−イル)酢酸エチルおよびエチニルベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0154】
実施例22
1−メチル−5−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=183.4(M+H+))を、5−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0155】
実施例23
N−〔2−(5−メトキシ−2−フェニルエチニル−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミド
【0156】
a)N−〔2−(2−ヨード−5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミド
標記化合物を、N−〔2−(5−メトキシ−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミドから、J. Labelled Compd. Radiopharm. 1997, 39, 677-684に記載されている方法に従って得た。
【0157】
b)N−〔2−(5−メトキシ−2−フェニルエチニル−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミド
標記化合物(MS:m/e=333.3(M+H+))を、N−〔2−(2−ヨード−5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミドから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0158】
実施例24
3−フェニルエチニル−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン
【0159】
a)3−ヨード−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン
EP0,059,390に記載されている方法に類似して、標記化合物を得た。
【0160】
b)3−フェニルエチニル−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン
標記化合物(MS:m/e=290.3(M+H+))を、3−ヨード−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0161】
実施例25
3−フェニルエチニル−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン
【0162】
a)3−ヨード−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン
3−ヨード−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンを、EP0059390に記載されている方法と同様にして得た。
【0163】
b)3−フェニルエチニル−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン
標記化合物(MS:m/e=273.2(M+H+)、545.1(2M+H+))を、3−ヨード−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0164】
実施例26
1−クロロ−3−(2−メチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール
【0165】
a)1−クロロ−3−(4−ヨード−2−メチル−5−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール
1−クロロ−3−(4−ヨード−2−メチル−5−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オールを、J. Med. Chem. 1974, 17(9), 1019-20に記載されている方法によって得た。
【0166】
b)1−クロロ−3−(2−メチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール
標記化合物(MS:m/e=319.7、321.9(M+H+))を、1−クロロ−3−(4−ヨード−2−メチル−5−ニトロ−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0167】
実施例27
3−メチル−5−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド
【0168】
a)5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド
5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒドを、Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 1784-1790に記載されている方法に従って得た。
【0169】
b)3−メチル−5−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド
標記化合物(MS:m/e=210.6(M+H+))を、5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒドから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0170】
実施例28
4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=169.2(M+H+))を、4−ブロモイミダゾールおよびエチニルベンゼンから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0171】
実施例29
1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=183.2(M+H+))を、4−ヨード−1−メチル−1H−イミダゾールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0172】
実施例30
1,2−ジメチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
【0173】
a)1,2−ジメチル−4−ヨード−5−ニトロイミダゾール
1,2−ジメチル−4−ヨード−5−ニトロイミダゾールを、Aust. J. Chem. 1987, 40(8), 1399-413に記載されている方法に従って得た。
【0174】
b)1,2−ジメチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=242.4(M+H+))を、1,2−ジメチル−4−ヨード−5−ニトロイミダゾールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0175】
実施例31
1,3−ジメチル−5−フェニルエチニル−1H−ピラゾール
【0176】
a)5−ヨード−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール
標記化合物を、Bull. Acad. Sci. USSR Div. Chem. Sci. (Engl. Transl.) 1983; 626-628およびIzv. Akad. Nauk. SSSR Ser. Khim. 1983; 688-690に記載されている方法に従って得た。
【0177】
b)1,3−ジメチル−5−フェニルエチニル−1H−ピラゾール
標記化合物(MS:m/e=196.8(M+H+))を、5−ヨード−1,3−ジメチル−1H−ピラゾールから、実施例1bの一般的な方法に従って調製した。
【0178】
実施例32
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−スチリル−1H−イミダゾール
【0179】
a)4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドを、Inorg. Chim. Acta 1999, 296(1), 208-221に記載されている方法と同様にして得た。
【0180】
b)4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−スチリル−1H−イミダゾール
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド194mg(0.5mmol)および4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド97mg(0.5mmol)をMeOH中のMeONaの0.5M溶液1.3mlに加えた。混合物を60℃で3日間振とうし、次いで室温に冷却した。ギ酸0.2mlを加えた後、標記化合物(59mg、44%、MS:m/e=269.4〔M+H+〕)を、HPLCクロマトグラフィー(YMC Combi Prep C18カラム50×20mm、6.0分かけた0.1%TFA(水性)中の10〜95%CH3CN溶媒グラジェント、λ=230nm、流速:40ml/min)により反応混合物から単離した。
【0181】
実施例33
2−〔2−(4−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=286.8(M+H+))を、4−フルオロベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0182】
実施例34
2−〔2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=302.9(M+H+))を、4−クロロベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0183】
実施例35
2−〔2−(4−ブトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=340.9(M+H+))を、(4−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0184】
実施例36
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール
【0185】
a)2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンジルトリフェニル−ホスホニウムクロリド
2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンジルトリフェニル−ホスホニウムクロリドを、Liebigs Ann. Chem. 1984, 10, 1740-5 に記載されている方法に従って得た。
【0186】
b)4,5−ジイソプロピル−2〔2−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=340.9(M+H+))を、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンジルトリフェニル−ホスホニウムクロリドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0187】
実施例37
4,5−ジイソプロピル−2〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=298.9(M+H+))を、(4−メトキシベンジル)トリフェニル−ホスホニウムブロミドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0188】
実施例38
2−〔2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
【0189】
a)4−クロロ−3−フルオロベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド
4−クロロ−3−フルオロベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドを、EP0692485に記載されている方法に従って得た。
【0190】
b)2−〔2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=320.8(M+H+))を、4−クロロ−3−フルオロベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0191】
実施例39
2−〔2−(4−エトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=312.9(M+H+))を、(4−エトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0192】
実施例40
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−〔2−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−ビニル〕−1H−イミダゾール
【0193】
a)トリフェニル−(2,3,4−トリメトキシ−ベンジル)−ホスホニウムブロミド
トリフェニル−(2,3,4−トリメトキシ−ベンジル)−ホスホニウムブロミドを、DE4307049に記載されている方法に従って得た。
【0194】
b)4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−〔2−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−ビニル〕−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=359.0(M+H+))を、トリフェニル−(2,3,4−トリメトキシ−ベンジル)−ホスホニウムブロミドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0195】
実施例41
2−〔2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=336.8(M+H+))を、2,4−ジクロロベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0196】
実施例42
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−(2−p−トリル−ビニル)−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=282.9(M+H+))を、4−メチルベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドから、実施例32bの一般的な方法に従って調製した。
【0197】
実施例43
4−ブロモ−1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾール
【0198】
a)5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド
5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒドを、Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 1784-1790に記載されている方法によって得た。
【0199】
b)4−ブロモ−1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾール
標記化合物(MS:m/e=263.0(M+H+))を、5−ブロモ−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒドから、実施例21bの一般的な方法に従って調製した。
【0200】
実施例44
1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾール
標記化合物を、Chem. Pharm. Bull. 1987; 35, 823-828に記載されている方法に従って得た。
【0201】
実施例A
以下の組成の錠剤を従来の方法で調製した。
mg/錠剤
活性成分 100
粉末ラクトース 95
白色コーンスターチ 35
ポリビニルピロリドン 8
Naカルボキシメチルスターチ 10
ステアリン酸マグネシウム 2
錠剤重量 250
【0202】
実施例B
以下の組成の錠剤を、従来の方法で調製した。
mg/錠剤
活性成分 200
粉末ラクトース 100
白色コーンスターチ 64
ポリビニルピロリドン 12
Naカルボキシメチルスターチ 20
ステアリン酸マグネシウム 4
錠剤重量 400
【0203】
実施例C
以下の組成のカプセル剤を調製した。
mg/カプセル
活性成分 50
結晶ラクトース 60
微結晶セルロース 34
タルク 5
ステアリン酸マグネシウム 1
カプセル充填重量 150
【0204】
適切な粒径を有する活性成分、結晶ラクトースおよび微結晶セルロースを、互いに均一に混合し、篩にかけ、その後タルクおよびステアリン酸マグネシウムを混合した。最終混合物を、適切な寸法の硬ゼラチンカプセル中に充填した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】


〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
R,R′およびR″は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
Aは、−CH=CH−または−C≡C−を表わし;そして
Bは、
【化2】


(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、水素、低級アルキルまたはハロゲンを表わし;
11は、水素またはアルキルを表わし;
12は、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキルを表わし;
13は、水素または低級アルキルを表わし;
14,R15,R16およびR17は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
18,R19およびR20は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
21は、水素または低級アルキルを表わし;
22は、水素、低級アルキル、またはヒドロキシもしくはハロゲンから選択される1個以上の置換基を有する低級アルキルを表わし;
23は、水素、低級アルキル、低級アルカノイルまたはニトロを表わし;
24、R25およびR26は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
nは、0、1、2、3、4、5または6であり;
Xは、−CH2−、−O−または−S−であり;そして
Yは、−CH=または−N=である)を表わす〕
で示される化合物およびその薬学的に許容しうる塩の、mGluR5受容体介在性障害の治療または予防用の薬剤の製造のための使用。
【請求項2】
式(I−A):
【化3】


〔式中、R1〜R5およびBは、請求項1で定義されたとおりの意味を有する〕を有する、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項3】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB1を表わす、請求項2記載の化合物の使用。
【請求項4】
化合物が、
3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
2−(5−ニトロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−エタノール、
2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
2−(2,6−ジクロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−1−フェニル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
3,5−ジメチル−2−m−トリルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−アセチルアミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−〔3−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−フェニルエチニル〕−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
2−(4−クロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−ビフェニル−4−イルエチニル−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−(4−アミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−クロロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、または
(4,5−ジクロロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−酢酸エチルエステルからなる群より選択される、請求項3記載の化合物の使用。
【請求項5】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB2を表わす、請求項2記載の化合物の使用。
【請求項6】
化合物が、1−メチル−5−フェニルエチニル−1H−イミダゾールである、請求項5記載の化合物の使用。
【請求項7】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB3を表わす、請求項2記載の化合物の使用。
【請求項8】
化合物が、N−〔2−(5−メトキシ−2−フェニルエチニル−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミドである、請求項7記載の化合物の使用。
【請求項9】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB4を表わす、請求項2記載の化合物の使用。
【請求項10】
化合物が、
3−フェニルエチニル−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン、または
3−フェニルエチニル−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンからなる群より選択される、請求項9記載の化合物の使用。
【請求項11】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB5を表わす、請求項2記載の化合物の使用。
【請求項12】
化合物が、
1−クロロ−3−(2−メチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール、
3−メチル−5−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド、
4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、または
1,2−ジメチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾールからなる群より選択される、請求項11記載の化合物の使用。
【請求項13】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB6を表わす、請求項2記載の化合物の使用。
【請求項14】
化合物が、1,3−ジメチル−5−フェニルエチニル−1H−ピラゾールである、請求項13記載の化合物の使用。
【請求項15】
式(I−B):
【化4】


〔式中、R1〜R5およびBは、請求項1で定義されたとおりの意味を有する〕を有する、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項16】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB1を表わす、請求項15記載の化合物の使用。
【請求項17】
化合物が、
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−スチリル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−ブトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−エトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−〔2−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−ビニル〕−1H−イミダゾール、
2−〔2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、または
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−(2−p−トリル−ビニル)−1H−イミダゾールからなる群より選択される、請求項16記載の化合物の使用。
【請求項18】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB2を表わす、請求項15記載の化合物の使用。
【請求項19】
化合物が、
4−ブロモ−1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾール、または
1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾールからなる群より選択される、請求項18記載の化合物の使用。
【請求項20】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB3を表わす、請求項15記載の化合物の使用。
【請求項21】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB4を表わす、請求項15記載の化合物の使用。
【請求項22】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB5を表わす、請求項15記載の化合物の使用。
【請求項23】
Bが、請求項1で定義されたとおりのB6を表わす、請求項15記載の化合物の使用。
【請求項24】
式(I−A):
【化5】


〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
R、R′およびR″は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
Bは、
【化6】


(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、水素、低級アルキルまたはハロゲンを表わし;
11は、水素またはアルキルを表わし;
12は、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキルを表わし;
13は、水素または低級アルキルを表わし;
14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
18、R19およびR20は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンまたは低級アルコキシを表わし;
21は、水素または低級アルキルを表わし;
22は、水素、低級アルキル、またはヒドロキシもしくはハロゲンから選択される1個以上の置換基を有する低級アルキルを表わし;
23は、水素、低級アルキル、低級アルカノイルまたはニトロを表わし;
24、R25およびR26は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
nは、0,1,2,3,4,5または6であり;
Xは、−CH2−、−O−または−S−であり;そして
Yは、−CH=または−N=である)を表わす〕
で示される化合物、およびそれらの薬学的に許容しうる塩(但し、
1−メチル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
1−メチル−2−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−1H−イミダゾール、
1−メチル−5−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、および
1−メチル−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール
を除く)。
【請求項25】
Bが、請求項24で定義されたとおりのB1を表わす、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
7が、−(CH2n−C(O)OR′、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わす、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
化合物が、
3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2,6−ジクロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−メチル−1−フェニル−2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
3,5−ジメチル−2−m−トリルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(3−アセチルアミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−〔3−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−フェニルエチニル〕−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−3−メチル−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
3−シクロプロピル−5−(3,5−ジメチル−2−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−イル)−〔1,2,4〕オキサジアゾール、
2−(4−クロロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−ビフェニル−4−イルエチニル−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル、または
2−(4−アミノ−フェニルエチニル)−3,5−ジメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルからなる群より選択される、請求項27記載の化合物。
【請求項28】
化合物が、
2−(5−ニトロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−エタノール、
2−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、
2−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−(2−クロロ−フェニルエチニル)−1−メチル−1H−イミダゾール、または
(4,5−ジクロロ−2−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−酢酸エチルエステルからなる群より選択される、請求項25記載の化合物。
【請求項29】
Bが、請求項24で定義されたとおりのB2を表わす、請求項24記載の化合物。
【請求項30】
Bが、請求項24で定義されたとおりのB3を表わす、請求項24記載の化合物。
【請求項31】
化合物が、N−〔2−(5−メトキシ−2−フェニルエチニル−1H−インドール−3−イル)−エチル〕−アセトアミドである、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
Bが、請求項24で定義されたとおりのB4を表わす、請求項24記載の化合物。
【請求項33】
化合物が、
3−フェニルエチニル−4H−5−チア−2,6,9b−トリアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレン、または
3−フェニルエチニル−4H−5−オキサ−2,9b−ジアザ−シクロペンタ〔a〕ナフタレンからなる群より選択される、請求項32記載の化合物。
【請求項34】
Bが、請求項24で定義されたとおりのB5を表わす、請求項24記載の化合物。
【請求項35】
化合物が、
1−クロロ−3−(2−メチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−イミダゾール−1−イル)−プロパン−2−オール、
3−メチル−5−フェニルエチニル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド、
4−フェニルエチニル−1H−イミダゾール、または
1,2−ジメチル−5−ニトロ−4−フェニルエチニル−1H−イミダゾールからなる群より選択される、請求項34記載の化合物。
【請求項36】
Bが、請求項24で定義されたとおりのB6を表わす、請求項24記載の化合物。
【請求項37】
式(I−B−1):
【化7】


〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
R,R′およびR″は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;そして
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わす〕
で示される化合物、およびそれらの薬学的に許容しうる塩。
【請求項38】
7が、低級アルキルまたは−(CH2n−C(O)OR′を表わす、請求項37記載の化合物。
【請求項39】
化合物が、
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−スチリル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−ブトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−2−〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
2−〔2−(4−エトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−〔2−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−ビニル〕−1H−イミダゾール、
2−〔2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−ビニル〕−4,5−ジイソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール、または
4,5−ジイソプロピル−1−メチル−2−(2−p−トリル−ビニル)−1H−イミダゾールからなる群より選択される、請求項38記載の化合物。
【請求項40】
式(I−B−2):
【化8】


〔式中、
1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキル、−(CH2n−ハロゲン、低級アルコキシ、−(CH2n−NRR′、−(CH2n−N(R)−C(O)−低級アルキル、アリール、または非置換であるかもしくは1個以上の低級アルキル残基によって置換されているヘテロアリールを表わし;
RおよびR′は、互いに独立して、水素または低級アルキルを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、ハロゲンを表わし;そして
11は、水素またはアルキルを表わす〕
で示される化合物、およびそれらの薬学的に許容しうる塩。
【請求項41】
化合物が、4−ブロモ−1−メチル−5−スチリル−1H−イミダゾールである、請求項40記載の化合物。
【請求項42】
請求項24〜41で記載されたとおりの式(I−A)および(I−B)の化合物ならびにそれらの薬学的に許容しうる塩の製造方法であって、
a)式(II):
【化9】


の化合物を、式(III):
【化10】


の化合物と反応させて(式中、Xは、ハロゲンまたはトリフルオロメタンスルホニルを表わし、R1〜R5は請求項1に記載されたとおりの意味を有する)、
Aが−C≡C−を表わし、かつBが請求項24に定義されたとおりの意味を有する場合には式(I−A)の化合物を得ること、または
Aが−HC=CH−を表わし、かつBが、
【化11】


(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、ハロゲンを表わし;および
11は、水素またはアルキルを表わす)
である場合には式(I−B)の化合物を得ること、および所望ならば、
式(I−A)または(I−B)の化合物を、薬学的に許容しうる塩に変換すること、あるいは
b)式(IV):
【化12】


(式中、X1はハロゲンを表わす)の化合物を、
式(V):
【化13】


の化合物と反応させて、式(I−B):
【化14】


の化合物を得ること〔式中、R1〜R5は請求項1で定義されたとおりの意味を有し、Bは、
【化15】


(式中、
6は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)ORまたはハロゲンを表わし;
7は、水素、低級アルキル、−(CH2n−C(O)OR′、ハロゲン、ニトロ、あるいは非置換であるかまたは低級アルキルもしくはシクロアルキルによって置換されているヘテロアリールを表わし;
8は、水素、低級アルキル、−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)OR″またはアリールを表わし;
9は、低級アルキルを表わし;
10は、ハロゲンを表わし;
11は、水素またはアルキルを表わす)である〕、および所望ならば、
式(I−B)の化合物を薬学的に許容しうる塩に変換することを含む方法。
【請求項43】
請求項42記載の方法によって製造される、請求項24〜41のいずれか1項記載の化合物。
【請求項44】
請求項24〜41のいずれか1項記載の化合物を1つ以上と薬学的に許容しうる賦形剤とを含有する、mGluR5受容体介在性障害の治療または予防のための薬剤。
【請求項45】
疾病の治療または予防に用いるための請求項24〜41記載の化合物およびその薬学的に許容しうる塩。
【請求項46】
mGluR5受容体介在性障害の治療または予防用の薬剤の製造のための請求項24〜41記載の化合物およびその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項47】
上記されたような発明。

【公開番号】特開2008−169206(P2008−169206A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−325072(P2007−325072)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【分割の表示】特願2002−547905(P2002−547905)の分割
【原出願日】平成13年11月26日(2001.11.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】