ゲートバルブおよび露光装置
【課題】 本発明は、真空露光装置、真空検査装置等に使用されるゲートバルブおよびゲートバルブを備えた露光装置に関し、弁体の開閉に伴う振動の発生を低減することを目的とする。
【解決手段】 バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、前記弁体の移動を案内する静圧軸受を有していることを特徴とする。また、前記静圧軸受を、前記バルブ本体に配置してなることを特徴とする。さらに、前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とする。
【解決手段】 バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、前記弁体の移動を案内する静圧軸受を有していることを特徴とする。また、前記静圧軸受を、前記バルブ本体に配置してなることを特徴とする。さらに、前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空露光装置、真空検査装置等に使用されるゲートバルブおよびゲートバルブを備えた露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空雰囲気内で露光を行う真空露光装置では、ゲートバルブを備えたロードロック室を介して、大気雰囲気に置かれたウエハ、レチクル等の基板を搬入、搬出することが行われている。
【特許文献1】特開2005−76836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のゲートバルブでは、弁体の開閉に伴う振動の発生に対する考慮が比較的なされておらず、弁体の開閉動作時に振動や衝撃力が発生する。
従って、例えば、非常に高精度が要求されるEUV露光装置等の真空露光装置では、露光作業中に弁体を動作させると振動による悪影響が生じるため、露光作業中はゲートバルブの動作を控える必要があるという制約があった。
【0004】
本発明はかかる従来の問題を解決するためになされたもので、弁体の開閉に伴う振動の発生を低減することができるゲートバルブおよびこのゲートバルブを用いた露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明のゲートバルブは、バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、前記弁体の移動を案内する静圧軸受を有していることを特徴とする。
第2の発明のゲートバルブは、第1の発明のゲートバルブにおいて、前記静圧軸受を、前記バルブ本体に配置してなることを特徴とする。
第3の発明のゲートバルブは、第1または第2の発明のゲートバルブにおいて、前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とする。
【0006】
第4の発明のゲートバルブは、第3の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
第5の発明のゲートバルブは、第3の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
【0007】
第6の発明のゲートバルブは、第1ないし第5のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記弁体は、前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とする。
第7の発明のゲートバルブは、第1ないし第5のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記バルブ本体は、前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とする。
【0008】
第8の発明のゲートバルブは、第1ないし第7のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記バルブ本体は、前記弁体による前記開口部の閉時に前記弁体を前記開口部の開口方向に押圧するクランプ手段を有していることを特徴とする。
第9の発明のゲートバルブは、第1ないし第8のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記弁体または前記バルブ本体に前記静圧軸受を配置するとともに、前記静圧軸受の軸受面を前記バルブ本体または弁体と別体の軸受面部材に形成し、前記軸受面部材を前記弁体または前記バルブ本体側に付勢してなることを特徴とする。
【0009】
第10の発明のゲートバルブは、第1ないし第9のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記弁体を移動するリニアモータを有していることを特徴とする。
第11の発明のゲートバルブは、第10の発明のゲートバルブにおいて、前記リニアモータの駆動による振動を低減する振動低減手段を有していることを特徴とする。
第12の発明のゲートバルブは、第11の発明のゲートバルブにおいて、前記振動低減手段は、前記リニアモータの固定子に連結されるカウンタマスまたはリアクションフォースキャンセラであることを特徴とする。
【0010】
第13の発明のゲートバルブは、バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とする。
第14の発明のゲートバルブは、第13の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
【0011】
第15の発明のゲートバルブは、第13の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
第16の発明の露光装置は、第1ないし第15のいずれか1の発明のゲートバルブを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、弁体の開閉に伴う振動の発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のゲートバルブの一実施形態を備えたEUV露光装置を模式的に示す平面図である。
この露光装置では、ウェハステージチャンバ11にはウェハステージ13が配置されている。ウェハステージチャンバ11にはウェハプリアライメントチャンバ15が連通されている。ウェハプリアライメントチャンバ15にはウェハプリアライナ17および真空ロボットアーム19が配置されている。
【0014】
ウェハプリアライメントチャンバ15には第1のゲートバルブ21を介してロードロック室23が連通されている。ロードロック室23には、第2のゲートバルブ25を介してウェハプリアライメントチャンバ27が連通されている。このウェハプリアライメントチャンバ27は大気中に開放されている。ロードロック室23には室内を真空引きするための真空ポンプ(不図示)が設けられている。
【0015】
ウェハプリアライメントチャンバ27にはウェハプリアライナ29が配置されている。また、ウェハプリアライナ29と第2のゲートバルブ25の間には大気ロボットアーム31が配置されている。ウェハプリアライメントチャンバ27の外側には大気ロボットアーム33が配置されている。大気ロボットアーム33の外側には、ウェハカセット35が配置されている。
【0016】
上述した露光装置では、ウェハステージチャンバ11内へのウェハWの搬送が以下述べるようにして行われる。
先ず、ウェハカセット35内のウェハWを大気ロボットアーム33により取り出し、ウェハプリアライナ29に搬送する。このウェハプリアライナ29では、検出器37によりウェハWの位置合わせ用マーク(ノッチ)が検出される。そして、位置合わせ用マークが所定の位置になるようにウェハWの位置合わせが行われる。
【0017】
アライメント終了後、大気ロボットアーム31によりウエハWを取り出す。そして、ロードロック室23の第2のゲートバルブ25を開け大気ロボットアーム31によりウエハWをロードロック室23内に搬送する。
この後、第2のゲートバルブ25を閉め、ロードロック室23内を目的の真空度に達するまで真空に引く。ロードロック室23内が所定の真空度に達すると、ロードロック室23とウェハプリアライメントチャンバ15間の第1のゲートバルブ21が開かれる。そして、ウェハプリアライメントチャンバ15に備えられた真空ロボットアーム19によってウエハWがロードロック室23から取り出される。取り出されたウエハWはウェハプリアライナ17に搬送され、この後、第1のゲートバルブ21が閉められる。ウェハプリアライナ17では、ウェハプリアライナ17の検出器39によりウェハWの位置合わせ用マーク(ノッチ)が検出される。そして、位置合わせ用マークが所定の位置になるようにウエハWの位置合わせが行われる。
【0018】
ウエハWの位置合わせが終了すると、ウエハWが真空ロボットアーム19によってウェハプリアライメントチャンバ15からウェハステージチャンバ11へ搬送される。そして、ウェハWのアライメントが行われウェハWへの露光が行われる。露光の終了後にウェハWは、逆の移動経路でウェハカセット35に搬送される。そして、ウェハカセット35にウエハWを収容することにより一連の動作が終了する。
【0019】
図2ないし図5は、第1のゲートバルブ21の詳細を示している。
第1のゲートバルブ21は、図3に示すように、ウェハプリアライメントチャンバ15とロードロック室23との間に配置されている。
第1のゲートバルブ21は、バルブ本体41、弁体43、弁体駆動機構45を有している。
【0020】
バルブ本体41は、ボディ47、上板49、側板51を有している。ボディ47と上板49とは直方体状をしており、所定間隔を置いて対向配置されている。そして、その両側に側板51が配置されている。ボディ47と上板49とを貫通して矩形状の開口部47a,49aが形成されている。開口部47a,49aは、ウエハW、レチクル等の基板の通路となる。
【0021】
弁体43は、直方体状をしており、ボディ47、上板49、側板51により形成される空間に嵌挿されている。弁体43は、図2に示すように弁体駆動機構45により上下方向に移動可能とされている。弁体駆動機構45は、弁棒53、リニアモータ55を有している。弁棒53の上端は、弁体43の下端に固定されている。弁棒53の下端はリニアモータ55の移動子(不図示)に連結されている。リニアモータ55はブラケット57を介してボディ47に固定されている。
【0022】
この実施形態では、弁体43は、エアパッド59、差動排気シール61、シール部材63,65を有している。
エアパッド59は、弁体43の水平方向の両側に配置されている。また、ボディ47、上板49、側板51に対向する位置にそれぞれ配置されている。エアパッド59は、ボディ47、上板49、側板51との間の微小隙間にて静圧軸受67を構成し、弁体43の移動を円滑に案内する。
【0023】
エアパッド59には、図4に示すように配管69,71が接続されている。配管69,71は空圧源(不図示)に接続されている。配管69,71には伸縮可能なフレキシブル配管が使用されている。ボディ47側のエアパッド59に接続される配管69には、第1の空圧制御バルブAV1が介装されている。上板49側のエアパッド59に接続される配管71には、第2の空圧制御バルブAV2が介装されている。第1および第2の空圧制御バルブAV1,AV2は、ボディ47側のエアパッド59と上板49側のエアパッド59への空気の供給をオン,オフ可能とされている。
【0024】
差動排気シール61は、図2に示すように差動排気溝(ガードリング)73を有している。差動排気溝73は、弁体43による開口部47a,49aの閉時に、開口部47a,49aを囲繞するように弁体43に矩形状に形成されている。また、ボディ47、上板49に対向する位置にそれぞれ形成されている。
差動排気溝73には、図5に示すように配管75,77が接続されている。配管75,77は真空源(不図示)に接続されている。配管75,77には伸縮可能なフレキシブル配管75,77が使用されている。ボディ47側の差動排気溝73に接続される配管75には、第1の真空制御バルブVV1が介装されている。上板49側の差動排気溝73に接続される配管77には、第2の真空制御バルブ77が介装されている。第1および第2の真空制御バルブ75,77は、ボディ47側の差動排気溝73と上板49側の差動排気溝73への真空引き動作をオン,オフ可能とされている。上述した差動排気シール61により、ゲートバルブ21,25の閉時に気密性や真空度を確実に保つことが可能になる。
【0025】
シール部材(パッキン)63,65は、矩形環状をしており、弁体43の差動排気溝73の内側および外側となる位置に配置されている。シール部材63,65は特殊なもので、図6に示すように弁体43からの突出高さHが、静圧軸受67のギャップGより小さくされている。より具体的には、静圧軸受67のギャップG、例えば50μmよりも低くなっており、静圧軸受67による弁体43の案内時には、ボディ47および上板49に接触せず摩擦が発生しないように構成されている。シール部材63,65により、ゲートバルブ21,25の閉時に気密性や真空度をより確実に保つことが可能になる。
【0026】
バルブ本体41は、大気開放溝79、クランプ機構81を有している。
大気開放溝79は、図2および図3に示すようにボディ47および上板49のエアパッド59とシール部材63との間に、上下方向に形成されている。大気開放溝79はエアパッド59から噴出された空気を大気環境へ逃がし、シール部材63および差動排気溝73に高い圧力の空気が行かないようにする。
【0027】
クランプ機構81は、図3に示すように上板49に配置されるエアシリンダ83を有している。図示しない空圧源によりエアシリンダ83のロッド85を弁体43側に押圧することにより、弁体43をボディ47側に押圧することができる。これにより、弁体43の閉時の気密性を向上することができる。なお、ロッド85の先端にゴム部材(不図示)を装着することにより振動を低減することができる。また、モータ等を使用してクランプ機構を構成しても良い。
【0028】
以下、上述した第1のゲートバルブ21の動作を詳細に説明する。
先ず、第1のゲートバルブ21を開の状態から閉の状態にする時の動作を説明する。
第1のゲートバルブ21が開の状態では、図7に示すようにリニアモータ55により弁体43が下方に移動され、弁体43の上端が開口部47a,49aの下方に位置している。そして、この状態では、ロードロック室23の第2のゲートバルブ25が閉じられ、ウェハプリアライメントチャンバ15とロードロック室23とが連通し、ボディ47側および上板49側が共に真空状態とされている。また、第1の真空制御バルブVV1および第2の真空制御バルブ77はオンであり、差動排気溝73は真空引きされている。
【0029】
この状態から第1の空圧制御バルブAV1および第2の空圧制御バルブAV2をオンにした後、リニアモータ55を駆動して弁体43を上方に移動する。これにより図2に示すように弁体43が開口部47a,49aの位置に移動し、第1のゲートバルブ21が閉じられる。そして、この状態で第1の空圧制御バルブAV1をオフにし、弁体43をボディ47側に押圧し気密性を確保する。また、同時にクランプ機構81を動作して、ロッド85により弁体43をボディ47側に押圧して、気密性をより増大する。次に、第2のゲートバルブ25を開とし、ロードロック室23を真空状態から大気状態へ移行させる。そして、同時に第2の真空制御バルブ77をオフし、上板49側の差動排気溝73の真空を落とす。これにより、第1のゲートバルブ21が閉、ボディ47側が真空状態、上板49側が大気状態になる。
【0030】
次に、第1のゲートバルブ21を閉の状態から開の状態にする時の動作を説明する。
第1のゲートバルブ21が閉の状態では、上述したように、ボディ47側が真空状態、上板49側が大気状態、第1の真空制御バルブVV1のみがオンでボディ47側の差動排気溝73のみが真空引き状態である。この状態から、ロードロック室23を真空状態へ移行させる。そして、同時に第2の真空制御バルブ77もオンし、上板49側の差動排気溝73も真空引きする。次に、クランプ機構81を解除するとともに、第1の空圧制御バルブAV1もオンして静圧軸受67を機能させ、弁体43を摩擦無く動作可能状態にする。そして、リニアモータ55を駆動して弁体43を下方に移動することにより第1のゲートバルブ21が開となる。この状態では、ボディ47側および上板49側が真空状態で、第1の真空制御バルブVV1および第2の真空制御バルブ77はオンで、差動排気溝73は真空引き状態である。
【0031】
なお、この実施形態では、第2のゲートバルブ25は、第1のゲートバルブ21と同様に構成されているため、詳細な構造および動作の説明を省略する。
上述したゲートバルブ21,25では、弁体43の移動を静圧軸受67により案内するようにしたので、弁体43の開閉に伴う振動の発生を低減することができる。
また、開口部47a,49aの閉時に、差動排気シール61により開口部47a,49aを遮蔽するようにしたので、ゲートバルブ21,25の閉時に気密や真空度を確実に保つことができる。
【0032】
さらに、弁体43をマグネットとコイルにより推進力を得て動作するリニアモータ55により駆動するようにしたので、リニアモータ55の内部は非接触であり、静圧軸受67が作動している時は、弁体43はバルブ本体41に対して完全に非接触状態となり、弁体43の移動時に発生する振動をより確実に低減することができる。
また、上述したゲートバルブ21,25では、第1のゲートバルブ21を閉にした状態で第1の空圧制御バルブAV1をオフにし、弁体43をボディ47側に押圧したので、差動排気シール61による差動排気と相まって気密性を増大することができる。なお、差動排気シール61の差動排気のみにより所定の真空度を確保できる場合には、第1の空圧制御バルブAV1をオフにして弁体43をボディ47側に押圧しなくても良い。
【0033】
そして、上述した露光装置では、振動の少ない第1および第2のゲートバルブ21,25を用いているため、高精度が要求される露光作業中にも第1および第2のゲートバルブ21,25を動作させることが可能になり、高精度化と高速化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図8ないし図11は、本発明のゲートバルブの第2の実施形態を示している。
【0034】
なお、この実施形態において第1の実施形態と同一の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態では、静圧軸受67のエアパッド59、差動排気シール61の差動排気溝73、シール部材63,65が、バルブ本体41のボディ47および上板49側に設けられている。また、エアパッド59が開口部47a,49aより下側に配置され、弁体43の両側には、下方に向けて突出する矩形状の案内部43aが形成されている。
【0035】
この実施形態においても第1の実施形態と略同様の効果を得ることができる。この実施形態では、静圧軸受67のエアパッド59、差動排気シール61の差動排気溝73、シール部材63,65をバルブ本体41側に設けたので、弁体43の移動に伴ってこれ等の部材が移動することがなくなる。従って、配管69,71,75,77にフレキシブル配管を使用する必要がなくなり、ゲートバルブ21,25を簡素化することができる。
【0036】
また、エアパッド59を開口部47a,49aより下側に配置し、弁体43の両側に下方に向けて突出する案内部43aを形成したので、弁体43を確実に案内することができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明のゲートバルブの第3の実施形態を示している。
【0037】
なお、この実施形態において第1の実施形態と同一の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態では、バルブ本体41のボディ47および上板49には、弁体43のエアパッド59に対向する位置に、エアパッド59の軸受面となる軸受面部材87が配置されている。軸受面部材87は、直方体状をしており、ボディ47および上板49に形成される凹部89に嵌挿されている。軸受面部材87は、凹部89の底面に配置されるバネ部材91により弁体43側に向けて付勢されている。
【0038】
この実施形態では、軸受面部材87をバネ部材91により弁体43側に向けて突出するようにしたので、シール部材63が配置される位置において、ボディ47および上板49と弁体43との間のギャップG’を比較的大きくすることが可能になる。従って、弁体43に配置されるシール部材63,65の突出高さH’を比較的大きくすることが可能になり、シール部材63,65の設置を容易なものにすることができる。
【0039】
また、クランプ機構81により弁体43を押圧すると、弁体43を介して軸受面部材87が押圧され凹部89内に収容されるため、弁体43をボディ47に確実に押圧することができる。
なお、この実施形態では、弁体43にエアパッド59を配置し、ボディ47および上板49に軸受面部材87を配置したが、弁体43に軸受面部材87を配置し、ボディ47および上板49にエアパッド59を配置するように構成しても良い。
(露光装置の実施形態)
図13は、図1の露光装置のEUV光リソグラフィシステムを模式化して示している。なお、この実施形態において第1の実施形態と同一の要素には、同一の符号を付している。
【0040】
この実施形態では、露光の照明光としてEUV光が用いられる。EUV光は0.1〜400nmの間の波長を持つもので、この実施形態では特に1〜50nm程度の波長が好ましい。投影像は像光学系システム101を用いたもので、ウエハW上にレチクル102によるパターンの縮小像を形成するものである。
ウエハW上に照射されるパターンは、レチクルステージ104の下側に静電チャック105を介して配置されている反射型のレチクル102により決められる。また、ウエハWはウエハステージ13の上に載せられている。典型的には、露光はステップ・スキャンによりなされる。
【0041】
露光時の照明光として使用するEUV光は大気に対する透過性が低いので、EUV光が通過する光経路は、適当な真空ポンプ107を用いて真空に保たれた真空チャンバ106に囲まれている。またEUV光はレーザプラズマX線源によって生成される。レーザプラズマX線源はレーザ源108(励起光源として作用)とキセノンガス供給装置109からなっている。レーザプラズマX線源は真空チャンバ110によって取り囲まれている。レーザプラズマX線源によって生成されたEUV光は真空チャンバ110の窓111を通過する。
【0042】
レーザ源108は紫外線以下の波長を持つレーザ光を発生させるものであって、例えば、YAGレーザ、エキシマレーザが使用される。レーザ源108からのレーザ光は集光され、ノズル112から放出されたキセノンガス(キセノンガス供給装置109から供給されている)の流れに照射される。キセノンガスの流れにレーザ光を照射するとレーザ光がキセノンガスを十分に暖め、プラズマを生じさせる。レーザで励起されたキセノンガスの分子が低いエネルギ状態に落ちる時、EUV光の光子が放出される。
【0043】
放物面ミラー113は、キセノンガス放出部の近傍に配置されている。放物面ミラー113はプラズマによって生成されたEUV光を集光する。放物面ミラー113は集光光学系を構成し、ノズル112からのキセノンガスが放出される位置の近傍に焦点位置がくるように配置されている。EUV光は放物面ミラー113の多層膜で反射し、真空チャンバ110の窓111を通じて集光ミラー114へと達する。集光ミラー114は反射型のレチクル102へとEUV光を集光、反射させる。EUV光は集光ミラー114で反射され、レチクル102の所定の部分を照明する。すなわち、放物面ミラー113と集光ミラー114はこの装置の照明システムを構成する。
【0044】
レチクル102は、EUV光を反射する多層膜とパターンを形成するための吸収体パターン層を持っている。レチクル102でEUV光が反射されることによりEUV光は「パターン化」される。パターン化されたEUV光は投影システム101を通じてウエハWに達する。
この実施形態の像光学システム101は、凹面第1ミラー115a、凸面第2ミラー115b、凸面第3ミラー115c、凹面第4ミラー115dの4つの反射ミラーからなっている。各ミラー115a〜115dにはEUV光を反射する多層膜が備えられている。
【0045】
レチクル102により反射されたEUV光は第1ミラー115aから第4ミラー115dまで順次反射されて、レチクルパターンの縮小(例えば、1/4、1/5、1/6)された像を形成する。像光学系システム101は、像の側(ウエハWの側)でテレセントリックになるようになっている。
レチクル102は可動のレチクルステージ104によって少なくともX−Y平面内で支持されている。ウエハWは、好ましくはX,Y,Z方向に可動なウエハステージ13によって支持されている。ウエハW上のダイを露光するときには、EUV光が照明システムによりレチクル102の所定の領域に照射され、レチクル102とウエハWは像光学系システム101に対して像光学システム101の縮小率に従った所定の速度で動く。このようにして、レチクルパターンはウエハW上の所定の露光範囲(ダイに対して)に露光される。
【0046】
露光の際には、ウエハW上のレジストから生じるガスが像光学システム101のミラー115a〜115dに影響を与えないように、ウエハWはパーティション116の後ろに配置されることが望ましい。パーティション116は開口116aを持っており、それを通じてEUV光がミラー115dからウエハWへと照射される。パーティション116内の空間は真空ポンプ117により真空排気されている。このように、レジストに照射することにより生じるガス状のゴミがミラー115a〜115dあるいはレチクル102に付着するのを防ぐ。それゆえ、これらの光学性能の悪化を防いでいる。
【0047】
上述した露光装置では、振動の少ないゲートバルブ21,25を用いているため、高精度が要求される露光作業中にもゲートバルブ21,25を動作させることが可能になり、高精度化と高速化を図ることができる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上述した実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような形態でも良い。
【0048】
(1)上述した第1の実施形態では、第1のゲートバルブ21と第2のゲートバルブ25を同様に構成した例について説明したが、第2のゲートバルブ25では、上板49が常に大気側に位置して真空雰囲気にならないため、上板49側の差動排気シール61およびシール部材63,65を省略しても良い。これにより、第2のゲートバルブ25を簡易な構成にすることができる。
【0049】
(2)上述した第1の実施形態では、シール部材63,65を設けた例について説明したが、シール部材63,65は気密性能を高めるためのもので、仕様や状況により省略可能である。
(3)上述した第1の実施形態では、クランプ機構81を設けた例について説明したが、クランプ機構81は気密性能を高めるためのもので、仕様や状況により省略可能である。
【0050】
(4)上述した第1の実施形態では、リニアモータ55を単に配置した例について説明したが、リニアモータ55の駆動による振動を低減する振動低減手段を設けても良い。このような振動低減手段は、例えば、周知のカウンタマスまたはリアクションフォースキャンセラを用いることで達成することができる。カウンタマスの場合には、リニアモータ55の固定子にカウンタマスを連結し、カウンタマスをブラケット57側に移動可能に配置する。リアクションフォースキャンセラの場合には、リニアモータ55の固定子にショックアブソーバを連結し、ショックアブソーバを床面上に配置する。
【0051】
(5)上述した実施形態では、真空露光装置に本発明のゲートバルブを適用した例について説明したが、真空検査装置等のゲートバルブに広く適用することができる。
(6)上述した実施形態では、EUV露光装置に本発明を適用した例について説明したが、真空雰囲気内にウェハ,レチクル等の基板を収容して露光を行う露光装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のゲートバルブの第1の実施形態を備えた露光装置を示す説明図である。
【図2】図1のゲートバルブの詳細を示す説明図である。
【図3】図2の横断面を示す説明図である。
【図4】図2のエアパッド部分の縦断面を示す説明図である。
【図5】図2の差動排気溝部分の縦断面を示す説明図である。
【図6】図2のシール部材部分の詳細を示す説明図である。
【図7】図2のゲートバルブを開いた状態を示す説明図である。
【図8】本発明のゲートバルブの第2の実施形態を示す説明図である。
【図9】図8の横断面を示す説明図である。
【図10】図8のエアパッド部分の縦断面を示す説明図である。
【図11】図8の差動排気溝部分の縦断面を示す説明図である。
【図12】本発明のゲートバルブの第3の実施形態の要部を示す説明図である。
【図13】図1の露光装置のEUV光リソグラフィシステムを模式化して示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
13…ウエハステージ、21…第1のゲートバルブ、23…ロードロック室、25…第2のゲートバルブ、41…バルブ本体、43…弁体、45…弁体駆動機構、47…ボディ、47a,49a…開口部、49…上板、55…リニアモータ、59…エアパッド、61…差動排気シール、63,65…シール部材、67…静圧軸受、73…差動排気溝、79…大気開放溝、81…クランプ機構、W…ウエハ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空露光装置、真空検査装置等に使用されるゲートバルブおよびゲートバルブを備えた露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空雰囲気内で露光を行う真空露光装置では、ゲートバルブを備えたロードロック室を介して、大気雰囲気に置かれたウエハ、レチクル等の基板を搬入、搬出することが行われている。
【特許文献1】特開2005−76836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のゲートバルブでは、弁体の開閉に伴う振動の発生に対する考慮が比較的なされておらず、弁体の開閉動作時に振動や衝撃力が発生する。
従って、例えば、非常に高精度が要求されるEUV露光装置等の真空露光装置では、露光作業中に弁体を動作させると振動による悪影響が生じるため、露光作業中はゲートバルブの動作を控える必要があるという制約があった。
【0004】
本発明はかかる従来の問題を解決するためになされたもので、弁体の開閉に伴う振動の発生を低減することができるゲートバルブおよびこのゲートバルブを用いた露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明のゲートバルブは、バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、前記弁体の移動を案内する静圧軸受を有していることを特徴とする。
第2の発明のゲートバルブは、第1の発明のゲートバルブにおいて、前記静圧軸受を、前記バルブ本体に配置してなることを特徴とする。
第3の発明のゲートバルブは、第1または第2の発明のゲートバルブにおいて、前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とする。
【0006】
第4の発明のゲートバルブは、第3の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
第5の発明のゲートバルブは、第3の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
【0007】
第6の発明のゲートバルブは、第1ないし第5のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記弁体は、前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とする。
第7の発明のゲートバルブは、第1ないし第5のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記バルブ本体は、前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とする。
【0008】
第8の発明のゲートバルブは、第1ないし第7のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記バルブ本体は、前記弁体による前記開口部の閉時に前記弁体を前記開口部の開口方向に押圧するクランプ手段を有していることを特徴とする。
第9の発明のゲートバルブは、第1ないし第8のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記弁体または前記バルブ本体に前記静圧軸受を配置するとともに、前記静圧軸受の軸受面を前記バルブ本体または弁体と別体の軸受面部材に形成し、前記軸受面部材を前記弁体または前記バルブ本体側に付勢してなることを特徴とする。
【0009】
第10の発明のゲートバルブは、第1ないし第9のいずれか1の発明のゲートバルブにおいて、前記弁体を移動するリニアモータを有していることを特徴とする。
第11の発明のゲートバルブは、第10の発明のゲートバルブにおいて、前記リニアモータの駆動による振動を低減する振動低減手段を有していることを特徴とする。
第12の発明のゲートバルブは、第11の発明のゲートバルブにおいて、前記振動低減手段は、前記リニアモータの固定子に連結されるカウンタマスまたはリアクションフォースキャンセラであることを特徴とする。
【0010】
第13の発明のゲートバルブは、バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とする。
第14の発明のゲートバルブは、第13の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
【0011】
第15の発明のゲートバルブは、第13の発明のゲートバルブにおいて、前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とする。
第16の発明の露光装置は、第1ないし第15のいずれか1の発明のゲートバルブを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、弁体の開閉に伴う振動の発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のゲートバルブの一実施形態を備えたEUV露光装置を模式的に示す平面図である。
この露光装置では、ウェハステージチャンバ11にはウェハステージ13が配置されている。ウェハステージチャンバ11にはウェハプリアライメントチャンバ15が連通されている。ウェハプリアライメントチャンバ15にはウェハプリアライナ17および真空ロボットアーム19が配置されている。
【0014】
ウェハプリアライメントチャンバ15には第1のゲートバルブ21を介してロードロック室23が連通されている。ロードロック室23には、第2のゲートバルブ25を介してウェハプリアライメントチャンバ27が連通されている。このウェハプリアライメントチャンバ27は大気中に開放されている。ロードロック室23には室内を真空引きするための真空ポンプ(不図示)が設けられている。
【0015】
ウェハプリアライメントチャンバ27にはウェハプリアライナ29が配置されている。また、ウェハプリアライナ29と第2のゲートバルブ25の間には大気ロボットアーム31が配置されている。ウェハプリアライメントチャンバ27の外側には大気ロボットアーム33が配置されている。大気ロボットアーム33の外側には、ウェハカセット35が配置されている。
【0016】
上述した露光装置では、ウェハステージチャンバ11内へのウェハWの搬送が以下述べるようにして行われる。
先ず、ウェハカセット35内のウェハWを大気ロボットアーム33により取り出し、ウェハプリアライナ29に搬送する。このウェハプリアライナ29では、検出器37によりウェハWの位置合わせ用マーク(ノッチ)が検出される。そして、位置合わせ用マークが所定の位置になるようにウェハWの位置合わせが行われる。
【0017】
アライメント終了後、大気ロボットアーム31によりウエハWを取り出す。そして、ロードロック室23の第2のゲートバルブ25を開け大気ロボットアーム31によりウエハWをロードロック室23内に搬送する。
この後、第2のゲートバルブ25を閉め、ロードロック室23内を目的の真空度に達するまで真空に引く。ロードロック室23内が所定の真空度に達すると、ロードロック室23とウェハプリアライメントチャンバ15間の第1のゲートバルブ21が開かれる。そして、ウェハプリアライメントチャンバ15に備えられた真空ロボットアーム19によってウエハWがロードロック室23から取り出される。取り出されたウエハWはウェハプリアライナ17に搬送され、この後、第1のゲートバルブ21が閉められる。ウェハプリアライナ17では、ウェハプリアライナ17の検出器39によりウェハWの位置合わせ用マーク(ノッチ)が検出される。そして、位置合わせ用マークが所定の位置になるようにウエハWの位置合わせが行われる。
【0018】
ウエハWの位置合わせが終了すると、ウエハWが真空ロボットアーム19によってウェハプリアライメントチャンバ15からウェハステージチャンバ11へ搬送される。そして、ウェハWのアライメントが行われウェハWへの露光が行われる。露光の終了後にウェハWは、逆の移動経路でウェハカセット35に搬送される。そして、ウェハカセット35にウエハWを収容することにより一連の動作が終了する。
【0019】
図2ないし図5は、第1のゲートバルブ21の詳細を示している。
第1のゲートバルブ21は、図3に示すように、ウェハプリアライメントチャンバ15とロードロック室23との間に配置されている。
第1のゲートバルブ21は、バルブ本体41、弁体43、弁体駆動機構45を有している。
【0020】
バルブ本体41は、ボディ47、上板49、側板51を有している。ボディ47と上板49とは直方体状をしており、所定間隔を置いて対向配置されている。そして、その両側に側板51が配置されている。ボディ47と上板49とを貫通して矩形状の開口部47a,49aが形成されている。開口部47a,49aは、ウエハW、レチクル等の基板の通路となる。
【0021】
弁体43は、直方体状をしており、ボディ47、上板49、側板51により形成される空間に嵌挿されている。弁体43は、図2に示すように弁体駆動機構45により上下方向に移動可能とされている。弁体駆動機構45は、弁棒53、リニアモータ55を有している。弁棒53の上端は、弁体43の下端に固定されている。弁棒53の下端はリニアモータ55の移動子(不図示)に連結されている。リニアモータ55はブラケット57を介してボディ47に固定されている。
【0022】
この実施形態では、弁体43は、エアパッド59、差動排気シール61、シール部材63,65を有している。
エアパッド59は、弁体43の水平方向の両側に配置されている。また、ボディ47、上板49、側板51に対向する位置にそれぞれ配置されている。エアパッド59は、ボディ47、上板49、側板51との間の微小隙間にて静圧軸受67を構成し、弁体43の移動を円滑に案内する。
【0023】
エアパッド59には、図4に示すように配管69,71が接続されている。配管69,71は空圧源(不図示)に接続されている。配管69,71には伸縮可能なフレキシブル配管が使用されている。ボディ47側のエアパッド59に接続される配管69には、第1の空圧制御バルブAV1が介装されている。上板49側のエアパッド59に接続される配管71には、第2の空圧制御バルブAV2が介装されている。第1および第2の空圧制御バルブAV1,AV2は、ボディ47側のエアパッド59と上板49側のエアパッド59への空気の供給をオン,オフ可能とされている。
【0024】
差動排気シール61は、図2に示すように差動排気溝(ガードリング)73を有している。差動排気溝73は、弁体43による開口部47a,49aの閉時に、開口部47a,49aを囲繞するように弁体43に矩形状に形成されている。また、ボディ47、上板49に対向する位置にそれぞれ形成されている。
差動排気溝73には、図5に示すように配管75,77が接続されている。配管75,77は真空源(不図示)に接続されている。配管75,77には伸縮可能なフレキシブル配管75,77が使用されている。ボディ47側の差動排気溝73に接続される配管75には、第1の真空制御バルブVV1が介装されている。上板49側の差動排気溝73に接続される配管77には、第2の真空制御バルブ77が介装されている。第1および第2の真空制御バルブ75,77は、ボディ47側の差動排気溝73と上板49側の差動排気溝73への真空引き動作をオン,オフ可能とされている。上述した差動排気シール61により、ゲートバルブ21,25の閉時に気密性や真空度を確実に保つことが可能になる。
【0025】
シール部材(パッキン)63,65は、矩形環状をしており、弁体43の差動排気溝73の内側および外側となる位置に配置されている。シール部材63,65は特殊なもので、図6に示すように弁体43からの突出高さHが、静圧軸受67のギャップGより小さくされている。より具体的には、静圧軸受67のギャップG、例えば50μmよりも低くなっており、静圧軸受67による弁体43の案内時には、ボディ47および上板49に接触せず摩擦が発生しないように構成されている。シール部材63,65により、ゲートバルブ21,25の閉時に気密性や真空度をより確実に保つことが可能になる。
【0026】
バルブ本体41は、大気開放溝79、クランプ機構81を有している。
大気開放溝79は、図2および図3に示すようにボディ47および上板49のエアパッド59とシール部材63との間に、上下方向に形成されている。大気開放溝79はエアパッド59から噴出された空気を大気環境へ逃がし、シール部材63および差動排気溝73に高い圧力の空気が行かないようにする。
【0027】
クランプ機構81は、図3に示すように上板49に配置されるエアシリンダ83を有している。図示しない空圧源によりエアシリンダ83のロッド85を弁体43側に押圧することにより、弁体43をボディ47側に押圧することができる。これにより、弁体43の閉時の気密性を向上することができる。なお、ロッド85の先端にゴム部材(不図示)を装着することにより振動を低減することができる。また、モータ等を使用してクランプ機構を構成しても良い。
【0028】
以下、上述した第1のゲートバルブ21の動作を詳細に説明する。
先ず、第1のゲートバルブ21を開の状態から閉の状態にする時の動作を説明する。
第1のゲートバルブ21が開の状態では、図7に示すようにリニアモータ55により弁体43が下方に移動され、弁体43の上端が開口部47a,49aの下方に位置している。そして、この状態では、ロードロック室23の第2のゲートバルブ25が閉じられ、ウェハプリアライメントチャンバ15とロードロック室23とが連通し、ボディ47側および上板49側が共に真空状態とされている。また、第1の真空制御バルブVV1および第2の真空制御バルブ77はオンであり、差動排気溝73は真空引きされている。
【0029】
この状態から第1の空圧制御バルブAV1および第2の空圧制御バルブAV2をオンにした後、リニアモータ55を駆動して弁体43を上方に移動する。これにより図2に示すように弁体43が開口部47a,49aの位置に移動し、第1のゲートバルブ21が閉じられる。そして、この状態で第1の空圧制御バルブAV1をオフにし、弁体43をボディ47側に押圧し気密性を確保する。また、同時にクランプ機構81を動作して、ロッド85により弁体43をボディ47側に押圧して、気密性をより増大する。次に、第2のゲートバルブ25を開とし、ロードロック室23を真空状態から大気状態へ移行させる。そして、同時に第2の真空制御バルブ77をオフし、上板49側の差動排気溝73の真空を落とす。これにより、第1のゲートバルブ21が閉、ボディ47側が真空状態、上板49側が大気状態になる。
【0030】
次に、第1のゲートバルブ21を閉の状態から開の状態にする時の動作を説明する。
第1のゲートバルブ21が閉の状態では、上述したように、ボディ47側が真空状態、上板49側が大気状態、第1の真空制御バルブVV1のみがオンでボディ47側の差動排気溝73のみが真空引き状態である。この状態から、ロードロック室23を真空状態へ移行させる。そして、同時に第2の真空制御バルブ77もオンし、上板49側の差動排気溝73も真空引きする。次に、クランプ機構81を解除するとともに、第1の空圧制御バルブAV1もオンして静圧軸受67を機能させ、弁体43を摩擦無く動作可能状態にする。そして、リニアモータ55を駆動して弁体43を下方に移動することにより第1のゲートバルブ21が開となる。この状態では、ボディ47側および上板49側が真空状態で、第1の真空制御バルブVV1および第2の真空制御バルブ77はオンで、差動排気溝73は真空引き状態である。
【0031】
なお、この実施形態では、第2のゲートバルブ25は、第1のゲートバルブ21と同様に構成されているため、詳細な構造および動作の説明を省略する。
上述したゲートバルブ21,25では、弁体43の移動を静圧軸受67により案内するようにしたので、弁体43の開閉に伴う振動の発生を低減することができる。
また、開口部47a,49aの閉時に、差動排気シール61により開口部47a,49aを遮蔽するようにしたので、ゲートバルブ21,25の閉時に気密や真空度を確実に保つことができる。
【0032】
さらに、弁体43をマグネットとコイルにより推進力を得て動作するリニアモータ55により駆動するようにしたので、リニアモータ55の内部は非接触であり、静圧軸受67が作動している時は、弁体43はバルブ本体41に対して完全に非接触状態となり、弁体43の移動時に発生する振動をより確実に低減することができる。
また、上述したゲートバルブ21,25では、第1のゲートバルブ21を閉にした状態で第1の空圧制御バルブAV1をオフにし、弁体43をボディ47側に押圧したので、差動排気シール61による差動排気と相まって気密性を増大することができる。なお、差動排気シール61の差動排気のみにより所定の真空度を確保できる場合には、第1の空圧制御バルブAV1をオフにして弁体43をボディ47側に押圧しなくても良い。
【0033】
そして、上述した露光装置では、振動の少ない第1および第2のゲートバルブ21,25を用いているため、高精度が要求される露光作業中にも第1および第2のゲートバルブ21,25を動作させることが可能になり、高精度化と高速化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図8ないし図11は、本発明のゲートバルブの第2の実施形態を示している。
【0034】
なお、この実施形態において第1の実施形態と同一の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態では、静圧軸受67のエアパッド59、差動排気シール61の差動排気溝73、シール部材63,65が、バルブ本体41のボディ47および上板49側に設けられている。また、エアパッド59が開口部47a,49aより下側に配置され、弁体43の両側には、下方に向けて突出する矩形状の案内部43aが形成されている。
【0035】
この実施形態においても第1の実施形態と略同様の効果を得ることができる。この実施形態では、静圧軸受67のエアパッド59、差動排気シール61の差動排気溝73、シール部材63,65をバルブ本体41側に設けたので、弁体43の移動に伴ってこれ等の部材が移動することがなくなる。従って、配管69,71,75,77にフレキシブル配管を使用する必要がなくなり、ゲートバルブ21,25を簡素化することができる。
【0036】
また、エアパッド59を開口部47a,49aより下側に配置し、弁体43の両側に下方に向けて突出する案内部43aを形成したので、弁体43を確実に案内することができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明のゲートバルブの第3の実施形態を示している。
【0037】
なお、この実施形態において第1の実施形態と同一の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態では、バルブ本体41のボディ47および上板49には、弁体43のエアパッド59に対向する位置に、エアパッド59の軸受面となる軸受面部材87が配置されている。軸受面部材87は、直方体状をしており、ボディ47および上板49に形成される凹部89に嵌挿されている。軸受面部材87は、凹部89の底面に配置されるバネ部材91により弁体43側に向けて付勢されている。
【0038】
この実施形態では、軸受面部材87をバネ部材91により弁体43側に向けて突出するようにしたので、シール部材63が配置される位置において、ボディ47および上板49と弁体43との間のギャップG’を比較的大きくすることが可能になる。従って、弁体43に配置されるシール部材63,65の突出高さH’を比較的大きくすることが可能になり、シール部材63,65の設置を容易なものにすることができる。
【0039】
また、クランプ機構81により弁体43を押圧すると、弁体43を介して軸受面部材87が押圧され凹部89内に収容されるため、弁体43をボディ47に確実に押圧することができる。
なお、この実施形態では、弁体43にエアパッド59を配置し、ボディ47および上板49に軸受面部材87を配置したが、弁体43に軸受面部材87を配置し、ボディ47および上板49にエアパッド59を配置するように構成しても良い。
(露光装置の実施形態)
図13は、図1の露光装置のEUV光リソグラフィシステムを模式化して示している。なお、この実施形態において第1の実施形態と同一の要素には、同一の符号を付している。
【0040】
この実施形態では、露光の照明光としてEUV光が用いられる。EUV光は0.1〜400nmの間の波長を持つもので、この実施形態では特に1〜50nm程度の波長が好ましい。投影像は像光学系システム101を用いたもので、ウエハW上にレチクル102によるパターンの縮小像を形成するものである。
ウエハW上に照射されるパターンは、レチクルステージ104の下側に静電チャック105を介して配置されている反射型のレチクル102により決められる。また、ウエハWはウエハステージ13の上に載せられている。典型的には、露光はステップ・スキャンによりなされる。
【0041】
露光時の照明光として使用するEUV光は大気に対する透過性が低いので、EUV光が通過する光経路は、適当な真空ポンプ107を用いて真空に保たれた真空チャンバ106に囲まれている。またEUV光はレーザプラズマX線源によって生成される。レーザプラズマX線源はレーザ源108(励起光源として作用)とキセノンガス供給装置109からなっている。レーザプラズマX線源は真空チャンバ110によって取り囲まれている。レーザプラズマX線源によって生成されたEUV光は真空チャンバ110の窓111を通過する。
【0042】
レーザ源108は紫外線以下の波長を持つレーザ光を発生させるものであって、例えば、YAGレーザ、エキシマレーザが使用される。レーザ源108からのレーザ光は集光され、ノズル112から放出されたキセノンガス(キセノンガス供給装置109から供給されている)の流れに照射される。キセノンガスの流れにレーザ光を照射するとレーザ光がキセノンガスを十分に暖め、プラズマを生じさせる。レーザで励起されたキセノンガスの分子が低いエネルギ状態に落ちる時、EUV光の光子が放出される。
【0043】
放物面ミラー113は、キセノンガス放出部の近傍に配置されている。放物面ミラー113はプラズマによって生成されたEUV光を集光する。放物面ミラー113は集光光学系を構成し、ノズル112からのキセノンガスが放出される位置の近傍に焦点位置がくるように配置されている。EUV光は放物面ミラー113の多層膜で反射し、真空チャンバ110の窓111を通じて集光ミラー114へと達する。集光ミラー114は反射型のレチクル102へとEUV光を集光、反射させる。EUV光は集光ミラー114で反射され、レチクル102の所定の部分を照明する。すなわち、放物面ミラー113と集光ミラー114はこの装置の照明システムを構成する。
【0044】
レチクル102は、EUV光を反射する多層膜とパターンを形成するための吸収体パターン層を持っている。レチクル102でEUV光が反射されることによりEUV光は「パターン化」される。パターン化されたEUV光は投影システム101を通じてウエハWに達する。
この実施形態の像光学システム101は、凹面第1ミラー115a、凸面第2ミラー115b、凸面第3ミラー115c、凹面第4ミラー115dの4つの反射ミラーからなっている。各ミラー115a〜115dにはEUV光を反射する多層膜が備えられている。
【0045】
レチクル102により反射されたEUV光は第1ミラー115aから第4ミラー115dまで順次反射されて、レチクルパターンの縮小(例えば、1/4、1/5、1/6)された像を形成する。像光学系システム101は、像の側(ウエハWの側)でテレセントリックになるようになっている。
レチクル102は可動のレチクルステージ104によって少なくともX−Y平面内で支持されている。ウエハWは、好ましくはX,Y,Z方向に可動なウエハステージ13によって支持されている。ウエハW上のダイを露光するときには、EUV光が照明システムによりレチクル102の所定の領域に照射され、レチクル102とウエハWは像光学系システム101に対して像光学システム101の縮小率に従った所定の速度で動く。このようにして、レチクルパターンはウエハW上の所定の露光範囲(ダイに対して)に露光される。
【0046】
露光の際には、ウエハW上のレジストから生じるガスが像光学システム101のミラー115a〜115dに影響を与えないように、ウエハWはパーティション116の後ろに配置されることが望ましい。パーティション116は開口116aを持っており、それを通じてEUV光がミラー115dからウエハWへと照射される。パーティション116内の空間は真空ポンプ117により真空排気されている。このように、レジストに照射することにより生じるガス状のゴミがミラー115a〜115dあるいはレチクル102に付着するのを防ぐ。それゆえ、これらの光学性能の悪化を防いでいる。
【0047】
上述した露光装置では、振動の少ないゲートバルブ21,25を用いているため、高精度が要求される露光作業中にもゲートバルブ21,25を動作させることが可能になり、高精度化と高速化を図ることができる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上述した実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような形態でも良い。
【0048】
(1)上述した第1の実施形態では、第1のゲートバルブ21と第2のゲートバルブ25を同様に構成した例について説明したが、第2のゲートバルブ25では、上板49が常に大気側に位置して真空雰囲気にならないため、上板49側の差動排気シール61およびシール部材63,65を省略しても良い。これにより、第2のゲートバルブ25を簡易な構成にすることができる。
【0049】
(2)上述した第1の実施形態では、シール部材63,65を設けた例について説明したが、シール部材63,65は気密性能を高めるためのもので、仕様や状況により省略可能である。
(3)上述した第1の実施形態では、クランプ機構81を設けた例について説明したが、クランプ機構81は気密性能を高めるためのもので、仕様や状況により省略可能である。
【0050】
(4)上述した第1の実施形態では、リニアモータ55を単に配置した例について説明したが、リニアモータ55の駆動による振動を低減する振動低減手段を設けても良い。このような振動低減手段は、例えば、周知のカウンタマスまたはリアクションフォースキャンセラを用いることで達成することができる。カウンタマスの場合には、リニアモータ55の固定子にカウンタマスを連結し、カウンタマスをブラケット57側に移動可能に配置する。リアクションフォースキャンセラの場合には、リニアモータ55の固定子にショックアブソーバを連結し、ショックアブソーバを床面上に配置する。
【0051】
(5)上述した実施形態では、真空露光装置に本発明のゲートバルブを適用した例について説明したが、真空検査装置等のゲートバルブに広く適用することができる。
(6)上述した実施形態では、EUV露光装置に本発明を適用した例について説明したが、真空雰囲気内にウェハ,レチクル等の基板を収容して露光を行う露光装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のゲートバルブの第1の実施形態を備えた露光装置を示す説明図である。
【図2】図1のゲートバルブの詳細を示す説明図である。
【図3】図2の横断面を示す説明図である。
【図4】図2のエアパッド部分の縦断面を示す説明図である。
【図5】図2の差動排気溝部分の縦断面を示す説明図である。
【図6】図2のシール部材部分の詳細を示す説明図である。
【図7】図2のゲートバルブを開いた状態を示す説明図である。
【図8】本発明のゲートバルブの第2の実施形態を示す説明図である。
【図9】図8の横断面を示す説明図である。
【図10】図8のエアパッド部分の縦断面を示す説明図である。
【図11】図8の差動排気溝部分の縦断面を示す説明図である。
【図12】本発明のゲートバルブの第3の実施形態の要部を示す説明図である。
【図13】図1の露光装置のEUV光リソグラフィシステムを模式化して示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
13…ウエハステージ、21…第1のゲートバルブ、23…ロードロック室、25…第2のゲートバルブ、41…バルブ本体、43…弁体、45…弁体駆動機構、47…ボディ、47a,49a…開口部、49…上板、55…リニアモータ、59…エアパッド、61…差動排気シール、63,65…シール部材、67…静圧軸受、73…差動排気溝、79…大気開放溝、81…クランプ機構、W…ウエハ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、
前記弁体の移動を案内する静圧軸受を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
請求項1記載のゲートバルブにおいて、
前記静圧軸受を、前記バルブ本体に配置してなることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のゲートバルブにおいて、
前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項4】
請求項3記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項5】
請求項3記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記弁体は、前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記バルブ本体は、前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記バルブ本体は、前記弁体による前記開口部の閉時に前記弁体を前記開口部の開口方向に押圧するクランプ手段を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記弁体または前記バルブ本体に前記静圧軸受を配置するとともに、前記静圧軸受の軸受面を前記バルブ本体または弁体と別体の軸受面部材に形成し、前記軸受面部材を前記弁体または前記バルブ本体側に付勢してなることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記弁体を移動するリニアモータを有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項11】
請求項10記載のゲートバルブにおいて、
前記リニアモータの駆動による振動を低減する振動低減手段を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項12】
請求項11記載のゲートバルブにおいて、
前記振動低減手段は、前記リニアモータの固定子に連結されるカウンタマスまたはリアクションフォースキャンセラであることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項13】
バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、
前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項14】
請求項13記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項15】
請求項13記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれか1項記載のゲートバルブを有することを特徴とする露光装置。
【請求項1】
バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、
前記弁体の移動を案内する静圧軸受を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
請求項1記載のゲートバルブにおいて、
前記静圧軸受を、前記バルブ本体に配置してなることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のゲートバルブにおいて、
前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項4】
請求項3記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項5】
請求項3記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記弁体は、前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記バルブ本体は、前記開口部を囲繞する位置に配置され、前記静圧軸受のギャップより少ない突出高さのシール部材を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記バルブ本体は、前記弁体による前記開口部の閉時に前記弁体を前記開口部の開口方向に押圧するクランプ手段を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記弁体または前記バルブ本体に前記静圧軸受を配置するとともに、前記静圧軸受の軸受面を前記バルブ本体または弁体と別体の軸受面部材に形成し、前記軸受面部材を前記弁体または前記バルブ本体側に付勢してなることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載のゲートバルブにおいて、
前記弁体を移動するリニアモータを有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項11】
請求項10記載のゲートバルブにおいて、
前記リニアモータの駆動による振動を低減する振動低減手段を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項12】
請求項11記載のゲートバルブにおいて、
前記振動低減手段は、前記リニアモータの固定子に連結されるカウンタマスまたはリアクションフォースキャンセラであることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項13】
バルブ本体の開口部を弁体の移動により開閉するゲートバルブにおいて、
前記開口部の閉時に前記開口部を遮蔽する差動排気シールを有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項14】
請求項13記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記弁体の前記開口部の閉時に前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項15】
請求項13記載のゲートバルブにおいて、
前記差動排気シールは、前記バルブ本体の前記開口部を囲繞する位置に形成され真空源に接続可能な差動排気溝を有していることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれか1項記載のゲートバルブを有することを特徴とする露光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−111464(P2008−111464A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293891(P2006−293891)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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