コネクタ部品用保護キャップ
【課題】コネクタ部品を備えたプリント基板モジュールの製造において、半田リフロー中に発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止し、プリント基板モジュールの電気検査を効率的に行うことを可能とするコネクタ部品用保護キャップ、並びに、このコネクタ部品用保護キャップを用いて行うコネクタ部品の半田実装方法、コネクタ部品の実装方法、プリント基板モジュールの検査方法及び複合回路モジュールの検査方法を提供する。
【解決手段】コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品のコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体10と、接続端子20とを備える。この接続端子20は、一端が電極部21として該保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部22として保護キャップ本体10の内面にコネクタ端子に対応して設けられてなる。
【解決手段】コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品のコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体10と、接続端子20とを備える。この接続端子20は、一端が電極部21として該保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部22として保護キャップ本体10の内面にコネクタ端子に対応して設けられてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ部品のプリント基板へ実装する前においてコネクタ部品に被せるコネクタ部品用保護キャップ、並びに、このコネクタ部品用保護キャップを用いて行うコネクタ部品の半田実装方法、コネクタ部品の実装方法、プリント基板モジュールの検査方法及び複合回路モジュールの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの小型電子機器は、その内部回路を複数のプリント基板モジュールにより構成することが多くなってきている。プリント基板モジュールは、プリント基板にマウンタにより電子部品を実装して半田リフローにより電子部品を溶着することにより形成される。そして、電子部品の実装後に電気検査を行い、プリント基板モジュールを完成させる。
【0003】
このように形成されるプリント基板モジュールのうち、プリント基板にコネクタ部品が実装されるものにあっては、工程上に特殊な事情がある。この点について、図10及び11に基づいて説明する。
【0004】
図10は、プリント基板に実装されるコネクタ部品及びこのコネクタ部品に被せられるコネクタ部品用保護キャップの斜視図である。図11は、コネクタ部品を搭載するためのランドの概略図である。
【0005】
プリント基板モジュール形成時の電子部品の実装は、マウンタにより自動実装で行うのが一般的である。プリント基板908に実装する電子部品のうち、演算部品、チップ抵抗、チップコンデンサなどの電子部品は上面が平坦であり、マウンタの吸着ノズルによりピックアップし易い形状となっているため、マウンタによる自動実装が可能である。ところが、コネクタ部品901は、対応する接続コネクタと嵌合するものであるため、その構造上、凸状であったり或いは凹状となっていたりするので、コネクタ部品901をそのままの状態では、吸着ノズルによりピックアップすることができない。そこで、マウンタの吸着ノズルによりピックアップ可能とするため、上面が平坦な吸着用のキャップ903を予めコネクタ部品901に取り付けておき、マウンタにより自動実装できるようにしている(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、半田リフロー工程においては、プリント基板908が高温に晒されることからフラックスなどの有機材料からガスが発生する。このガスやガスに含まれる半田はプリント基板908に実装されたコネクタ部品901に悪影響を与えるおそれがある。つまり、コネクタ部品901はプリント基板モジュール同士を接続するものであるが、このコネクタ端子934が汚染された場合には、プリント基板モジュール同士の接続状態に悪影響を与え、結果的に、回路全体の動作を不安定とさせるおそれがある。そのため、コネクタ端子934が汚染されないように、半田リフローを行う前に汚染からコネクタ端子934を保護するためにコネクタ部品901に汚染防止用のキャップを被せて半田リフローを行う。特に、吸着用のキャップ903を取り付けずに実装されるコネクタ部品901にあっては、コネクタ端子934がガスに晒されることから、汚染防止用のキャップを取り付けて半田リフローを行う。
【0007】
ところで、プリント基板モジュールについて電気検査を行う際は、プリント基板モジュールの接続状態の確認を行うために、コネクタ部品901を介して電気検査を行う。具体的には、コネクタ部品901に接続可能な接続コネクタを備えた電気検査器を用いて、実際に接続コネクタをプリント基板モジュールのコネクタ部品901に接続した状態で電気検査を行う。
【0008】
また、プリント基板モジュールの動作確認を行う際には、コネクタ部品901を実装するためのランド984に設けられた検査端子985(図11参照)に電気検査器のプローブ端子を当接させて電気検査を行う。
【0009】
また、各プリント基板モジュールを接続コードで接続して形成される複合回路モジュールの電気検査にあっては、実際に各プリント基板モジュールを配線コードにより相互に接続した後、複合回路モジュールの動作確認の電気検査を行う。
【特許文献1】実開平6−52195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このようにコネクタ部品を備えるプリント基板モジュールの製造には手間のかかる作業が多く存在する。従って、生産効率が向上しないという問題があった。すなわち、コネクタ部品901の実装においては、その実装前に吸着用のキャップ903を被せたり、半田リフロー前には汚染防止用のキャップを被せたりする必要があり、又、電気検査においては、コネクタ部品901に被せたキャップを外して実際に電気検査器の接続コネクタをコネクタ部品901に接続して電気検査を行う必要があるなど、非常に手間のかかる作業が多く、作業効率上問題があった。
【0011】
また、従来の電気検査の方法では、プリント基板モジュールの動作確認のために、コネクタ部品901のランド984の周辺に電気検査用の検査端子985を設ける必要があり、その分、プリント基板908の面積が大きくなってしまうという問題もあった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コネクタ部品を備えたプリント基板モジュール又は複合回路モジュールの製造において、半田リフロー中に発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止し得る一方、プリント基板モジュールの電気検査を効率的に行うことを可能とするとともに、プリント基板モジュールに電気検査のための検査端子を設ける必要性をなくすことのできるコネクタ部品用保護キャップを提供することを目的とする。また同時に、そのコネクタ部品用保護キャップを用いて行うコネクタ部品の半田実装方法、コネクタ部品の実装方法、プリント基板モジュールの検査方法及び複合回路モジュールの検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るコネクタ部品用保護キャップは、コネクタ部品をプリント基板に溶着するのに先立って該コネクタ部品に被せられる保護キャップであって、前記コネクタ部品の少なくともコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体と、一端が電極部として該保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部として前記保護キャップ本体の内面に前記コネクタ端子に対応して設けられてなる接続端子と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、コネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せることにより、コネクタ端子が存する面が覆われるので、半田リフローにおいて発生するガス(又はガスに含まれる半田)によるコネクタ端子の汚染を防止することができる。加えて、保護キャップ本体の外面には、コネクタ端子に対応して電極部が設けられていることから、コネクタ部品が実装されたプリント基板モジュールの電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップを介して電気検査器のプローブ端子を当接することができるので、このコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。また、このコネクタ部品用保護キャップを介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなることから、プリント基板から検査端子を除去することができ、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0015】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記接続端子の電極部の面積は、前記コネクタ端子の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0016】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を高精度に位置合わせを行わずとも容易にプローブ端子を電極部に当接させることができる。また、先端が太いプローブ端子を用いることができ、これにより、プローブ端子と電極部との当接面積を増大させることができるので、プローブ端子と接続端子とを確実に接続させて電気検査における検査ミスを防止することができる。
【0017】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記接続端子それぞれは、前記保護キャップ本体に対して個別に遊動可能に設けることを特徴とする。
【0018】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときには接続端子が個別に遊動し各接続端子とコネクタ端子とが確実に当接することとなるので、プローブ端子とコネクタ端子との接続不良が生じることもなく、電気検査を確実に行うことができる。
【0019】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記接続端子は弾性が付与された形状とすることを特徴とする。
【0020】
このような構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときには、接続端子とコネクタ端子とを圧接状態にすることができ、プローブ端子とコネクタ端子とを確実に接続させて電気検査の確実性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記保護キャップ本体は、その上面を平坦とすることを特徴とする。
【0022】
このような構成により、コネクタ部品のプリント基板への実装において、この平坦な上面に吸着ノズルを当接させたときの吸引力を増大させることができ、この結果、自動実装におけるコネクタ部品の搬送の確実性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品と係合する係合手段を備えることを特徴とする。
【0024】
この構成により、コネクタ部品の搬送において、コネクタ部品用保護キャップが簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップを被せた状態でコネクタ部品をプリント基板まで確実に搬送することができる。
【0025】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品に被せた状態において常時前記コネクタ部品との間に隙間が確保される形状とすることを特徴とする。
【0026】
この構成により、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する場合(例えば、電気検査において、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力により電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させ電気検査を行うときには、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する。)であっても、コネクタ部品に被せた状態において常時コネクタ部品との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子の押圧力を接続端子を介してコネクタ端子に伝達させることができる。この結果、接続端子を介在させてプローブ端子とコネクタ端子とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0027】
本発明に係るコネクタ部品の半田実装方法は、前記プリント基板を半田リフローに投入する前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せておくことを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、半田リフローにおいて発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0029】
また、本発明に係るコネクタ部品の実装方法は、コネクタ部品をプリント基板に実装するコネクタ部品の実装方法であって、上記の、上面が平坦なコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せ、このコネクタ部品用保護キャップに実装装置の吸着ノズルを吸着させてプリンタ基板上に搬送し、コネクタ部品をプリント基板に実装することを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、マウンタにより確実にコネクタ部品をプリント基板に搬送することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0031】
また、本発明に係るプリント基板モジュールの検査方法は、プリント基板に実装されたコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行うプリント基板モジュールの検査方法であって、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記電気検査器のプローブ端子を前記コネクタ部品用保護キャップの前記接続端子に当接させて電気検査を行うことを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、コネクタ部品を介してプリント基板モジュールの電気検査を行う場合にあっては、このコネクタ部品に電気検査器の接続コネクタを接続する手間をかけることもなく、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させることにより迅速にプリント基板モジュールの電気検査を行うことができるので、検査の作業効率を向上させることができる。
【0033】
また、本発明に係る複合回路モジュールの検査方法は、複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記接続コードに代えて電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。
【0035】
また、本発明に係る複合回路モジュールの検査方法は、複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品及び接続コードを介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、このコネクタ部品とこれと接続する前記接続コードとの間に前記電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと接続コードと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。また、この方法の場合は、電気検査器のみならず、接続コードをも各プリント基板モジュールの間に介在させているので、接続コードとコネクタ部品との接続状態をも加味して電気検査を行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るコネクタ部品用保護キャップによれば、コネクタ部品の少なくともコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体と、接続端子をと備えており、この接続端子は、一端が電極部としてこの保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部として前記保護キャップ本体の内面に前記コネクタ端子に対応して設けられた構成とされていることから、コネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せることにより、コネクタ端子が存する面が覆われ、半田リフローにおいて発生するガス(又はガスに含まれる半田)によるコネクタ端子の汚染を防止することができ、加えて、保護キャップ本体の外面には、コネクタ端子に対応して電極部が設けられていることから、コネクタ部品が実装されたプリント基板モジュールの電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップを介して電気検査器のプローブ端子を当接させることができるので、このコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。
【0038】
また、このコネクタ部品用保護キャップを介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなり、プリント基板から電気検査用の検査端子を除去することができる。従って、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0039】
また、接続端子の電極部の面積は、前記コネクタ端子の面積よりも大きい構成とした場合には、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を高精度に位置合わせを行わずとも容易にプローブ端子を電極部に当接させることができる。加えて、先端が太いプローブ端子を用いることができ、これにより、プローブ端子と電極部との当接面積を増大させることができるので、プローブ端子と接続端子とを確実に接続させて電気検査における検査ミスを防止することができる。
【0040】
また、接続端子それぞれは、保護キャップ本体に対して個別に遊動可能に設けた場合には、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときに接続端子が個別に遊動し各接続端子とコネクタ端子とが確実に当接することとなるので、プローブ端子とコネクタ端子との接続不良が生じることもなく、電気検査を確実に行うことができる。
【0041】
また、接続端子は弾性が付与された形状とすることが好ましく、この場合は、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときに、接続端子とコネクタ端子とを圧接状態にすることができ、プローブ端子とコネクタ端子とを確実に接続させて電気検査の確実性を向上させることができる。
【0042】
また、保護キャップ本体は、その上面を平坦とすることが好ましく、この場合は、コネクタ部品のプリント基板への実装において、この平坦な上面に吸着ノズルを当接させたときの吸引力を増大させることができ、この結果、自動実装におけるコネクタ部品の搬送の確実性を向上させることができる。
【0043】
更に、保護キャップ本体は、前記コネクタ部品と係合する係合手段を備えてもよい。この場合は、コネクタ部品の搬送において、コネクタ部品用保護キャップが簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップを被せた状態でコネクタ部品をプリント基板まで確実に搬送することができる。
【0044】
また、保護キャップ本体は、コネクタ部品に被せた状態において常時前記コネクタ部品との間に隙間が確保される形状とすることが好ましい。この場合は、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する場合(例えば、電気検査において、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力により電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させ電気検査を行うときには、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する。)であっても、コネクタ部品に被せた状態において常時コネクタ部品との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子の押圧力を接続端子を介してコネクタ端子に伝達させることができる。この結果、接続端子を介在させてプローブ端子とコネクタ端子とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0045】
また、本発明に係るコネクタ部品の半田実装方法によれば、プリント基板を半田リフローに投入する前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せることから、半田リフローにおいて発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0046】
また、本発明に係るコネクタ部品の実装方法によれば、上記の上面が平坦なコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せ、このコネクタ部品用保護キャップに実装装置の吸着ノズルを吸着させてプリンタ基板上に搬送し、コネクタ部品をプリント基板に実装することから、確実にコネクタ部品をプリント基板に搬送することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0047】
また、本発明に係るプリント基板モジュールの検査方法によれば、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、電気検査器のプローブ端子をコネクタ部品用保護キャップの接続端子に当接させて電気検査を行うことから、このコネクタ部品に電気検査器の接続コネクタを接続する手間をかけることもなく、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させることにより迅速にプリント基板モジュールの電気検査を行うことができるので、検査の作業効率を向上させることができる。
【0048】
また、本発明に係る複合回路モジュールの検査方法によれば、各プリント基板モジュール同士のコネクタ部品間に接続コードを接続して複合モジュールを完成させる前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、接続コードにより相互に接続する両コネクタ部品の間にこの接続コードに代えて電気検査器を介在させて電気検査を行うことから、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。
【0049】
また、本発明に係る他の複合回路モジュールの検査方法によれば、各プリント基板モジュール同士のコネクタ部品間に接続コードを接続して複合モジュールを完成させる前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、接続コードにより相互に接続する両コネクタ部品の間に、これと接続する接続コードと電気検査器とを介在させて電気検査を行うことを特徴とすることから、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと接続コードと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。また、この方法の場合は、電気検査器のみならず、接続コードをも各プリント基板モジュールの間に介在させているので、接続コードとコネクタ部品との接続状態をも加味して電気検査を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0051】
<コネクタ部品用保護キャップについて>
図1は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの概略図であり、図1(A)は正面図であり、図1(B)は底面図であり、図1(C)は側面図である。図2は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図2(A)は正面図であり、図2(B)は底面図であり、図2(C)は側面図である。図3は、図2に示したコネクタ部品に本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せた状態を示した概略図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は底面図であり、図3(C)は側面図である。図4は、プリント基板モジュールの電気検査において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップに電気検査器のプローブ端子を当接した状態を示した概略図であり、図4(A)は正面図であり、図4(B)は底面図であり、図4(C)は側面図である。
【0052】
本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3をプリント基板8に溶着するのに先立ってコネクタ部品3に被せられるものであり、その機能としては、マウンタによる自動実装を可能とし、半田リフローにおいては、フラックスなどから生じるガスからコネクタ部品3を保護し、加えて、電気検査工程においては、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ端子34との間に介在してプローブ端子61とコネクタ端子34とを電気的に接続させる機能を備える。以下、コネクタ部品用保護キャップ1の構成を説明する。
【0053】
コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3の少なくともコネクタ端子34が存する面を覆う保護キャップ本体10と、一端が電極部21として保護キャップ本体10の外面10aに設けられる一方、他端が当接部22として保護キャップ本体10の内面10bにコネクタ端子34に対応して設けられてなる接続端子20とから主要部が構成されている。なお、図面では、コネクタ部品用保護キャップ1の接続端子20やコネクタのコネクタ端子34は、外部に現れている部分を斜線ハッチングで示し、外部から視認できない部分をドットハッチングで示している。
【0054】
保護キャップ本体10は、半田リフローの加熱によっても変形しないように、ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成されており、その形状は、コネクタ部品3に被せることができる箱状とされ、全体としては、コネクタ部品3の上面側に配置される矩形の平坦な天板部11と、その天板部11の周縁から垂直に設けられた側壁12により構成されている。
【0055】
また、保護キャップ本体10は、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態において移動(遊動)させたとしても常時コネクタ部品3との間に隙間が確保される形状とされている。具体的には、図2に示すようなコネクタ部品3(コネクタ端子34を配置する端子配置部31と、端子配置部31を固定する固定部32とから構成されている。)にコネクタ部品用保護キャップ1を被せた場合において、コネクタ部品用保護キャップ1を上下に遊動させても、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aがコネクタ部品3の固定部32の上面32aに接触しないように、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の寸法が設計されている。すなわち、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の固定部32の上面32aとの間隔D1(図3、4参照)は、コネクタ部品用保護キャップ1を所定の力で押したときでも、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aがコネクタ部品3の固定部32の上面32aに接触しない距離とされる。
【0056】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61の押圧力によりコネクタ部品用保護キャップ1が移動することもあるが(例えば、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力によりプローブ端子61を電極部21に当接させて電気検査を行う場合)、このような場合であっても、コネクタ部品3に被せた状態において常時コネクタ部品3との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ1全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子61の押圧力を接続端子20を介してコネクタ端子34に伝達させることができる。この結果、接続端子20を介在させてプローブ端子61とコネクタ端子34とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0057】
また、保護キャップ本体10には、コネクタ部品3に被せられたコネクタ部品用保護キャップ1自体が外れないように、コネクタ部品3に係合する係合部を設けてもよい。この場合は、この係合部に位置にあわせて、コネクタ部品3にもこれと係合する係合部を形成することが好ましい。
【0058】
具体的には、図1に示すように、保護キャップ本体10において互いに対向する2つの側壁12の内側に凸状係合部13が設けられる。そして、このようなコネクタ部品用保護キャップ1に適合するように、コネクタ部品3にも、この凸状係合部13と係合するように凹状係合部33が設けられる(図2参照)。更に、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せたときにコネクタ部品用保護キャップ1が遊動し得るように、凸状係合部13と凹状係合部33の間に隙間が設けられる。
【0059】
このような構成により、プリント基板への実装におけるコネクタ部品3の搬送において、コネクタ部品用保護キャップ1が簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態でコネクタ部品3をプリント基板まで確実に搬送することができる。また、コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3に対して遊動可能な状態で係合されるので、電気検査器60のプローブ端子61をコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に当接して全体を押圧しつつ電気検査を行う場合において、この係合部によってコネクタ部品用保護キャップ1の動きが阻害されてしまうこともない。
【0060】
なお、コネクタ部品3から外れないようにするための手段としては、上記のようにコネクタ部品3と互いに係合するものに限らず、コネクタ部品3の平坦な側面に密着して摩擦又は圧力によりコネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に嵌着させるもの(例えば、突起)であってもよい。
【0061】
接続端子20は、銅などの導体により形成されており、コネクタ部品3のコネクタ端子34の個々に対応するように天板部11に配置されている。具体的には、接続端子20は、天板部11の内面10bにおいてコネクタ端子34に当接するように配置された当接部22と、当接部22から延在し天板部11の外面10aに配置された電極部21とから構成されている。この構成により、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ部品3のコネクタ端子34との間に接続端子20を介在させて両者を電気的に接続することを可能としている。
【0062】
なお、接続端子20の当接部22は、コネクタ端子34に当接したときに摩擦によりコネクタ端子34の表面に当接部22の表面にある物質を付着させるおそれがあるので、この付着による汚染を防止するために、この当接部22の表面には、コネクタ端子34の表面の材質と同材料によりメッキを施すことが好ましい。例えば、コネクタ端子34が金メッキされている場合は、接続端子20は金メッキを施すことが好ましい。この構成により、コネクタ端子34の摩擦による汚染を防止することができ、この結果、コネクタ部品3とこれと接続する配線コード9との接続不良を低減することができる。
【0063】
また、接続端子20は、弾性が付与されるように形成されている。すなわち、接続端子20は、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ端子34との間に介在して両者を確実に電気的に接続させるものとして機能させる必要があるから、プローブ端子61を電極部21に当接させた場合にプローブ端子61と接続端子20とコネクタ端子34とが相互に圧接状態となるようなバネ構造とされている。
【0064】
具体的には、接続端子20は、当接部22と電極部21とが互いに対向するようにU字状に曲げられた形状とされ、一定の圧力が加えられたときにその圧力に抗するように弾性力が働くものとされている。なお、本例では、接続端子20はU字状としているが、この形状に限定されるものではなく、他の形状としてもよい。例えば、接続端子20の形状をC字状、S字状としてもよい。また、このような弾性力を持続的に保持させるために、接続端子20はバネ特性、耐疲労性に優れているリン青銅により形成することが好ましい。
【0065】
このような構成により、プローブ端子61を電極部21に当接させたときに、接続端子20の当接部22とコネクタ端子34とを圧接状態とすることができ、これにより、プローブ端子61とコネクタ端子34とを確実に電気的に接続させて電気検査の確実性を向上させることができる。
【0066】
また、接続端子20それぞれは、保護キャップ本体10に対して個別に遊動可能に設けることが好ましい。接続端子20は、上記で示したように、プローブ端子61とコネクタ端子34を確実に電気的に接続させるものであり、そのために例えばU字状に形成されているが、そのような構成とした場合であっても、保護キャップ本体10に固定されている場合にあっては、個々のプローブ端子61の押圧力のバランスにより、コネクタ端子34と接続端子20の当接部22との間に隙間が生じてしまうことがあり、このようなとき、接続端子20とコネクタ端子34とを確実に当接させることができない。そのため、このような現象を解消するために、接続端子20それぞれが個別に遊動可能に設けることが好ましく、これにより、上記のような隙間が生じることを防止することができる。つまり、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61を電極部21に当接させたとき接続端子20が個別に遊動して各接続端子20とコネクタ端子34とが確実に当接するので、電気検査においてプローブ端子61と接続端子20との接続不良が生じることもない。
【0067】
更に、接続端子20の電極部21に関していえば、電極部21は、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12ではなくコネクタ部品用保護キャップ1の天板部11の上面11aに設けることが好ましい。この構成により、外部のプローブ端子61を上方から当接させることができる。
【0068】
加えて、電極部21の面積をコネクタ端子34の当接部分の面積(接続コネクタと相互に当接し合う部分の面積)よりも大きく形成することが好ましい。この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61を高精度に位置合わせを行わずとも容易にプローブ端子61を電極部21に当接させることができる。また、先端が太いプローブ端子61を用いることができ、これにより、プローブ端子61と電極部21との当接面積を増大させることができるので、プローブ端子61と接続端子20とを確実に接続させて電気検査における検査ミスを防止することができる。
【0069】
また、電極部21の保護キャップ本体10に対する配置に関して言えば、コネクタ端子34の1列の配列に対して電極部21を千鳥配置とするか(図1参照)、或いは、電極部21を2列以上に並列させて配置することが好ましい。
【0070】
このような配列とすることにより、天板部11の上面11aを有効に利用することができるので、コネクタ部品用保護キャップ1の寸法を大きくすることなく、電極部21の面積を大きくすることができる。
【0071】
また、接続端子20の電極部21は、コネクタ部品用保護キャップ1の上面(すなわち、天板部11の上面11a)が平坦となるように設けることが好ましい。
【0072】
このような構成により、コネクタ部品3のプリント基板8への実装において、この平坦な上面11aに吸着ノズルを当接させたときの吸引力を増大させることができ、この結果、自動実装におけるコネクタ部品3の搬送の確実性を向上させることができる。
【0073】
−コネクタ部品用保護キャップ1の機能について−
次に、コネクタ部品用保護キャップ1の機能について、複合回路モジュールの製造過程を通して説明する。
【0074】
上記のようなコネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3をプリント基板8に自動実装するためのキャップとして用いられる。具体的には、コネクタ部品用保護キャップ1を自動実装する前に予めコネクタ部品3に被せられる。そして、コネクタ部品用保護キャップ1が被せられたコネクタ部品3は、自動実装可能なように、例えば、エンボステープなどにより梱包されて、マウンタの電子部品供給部に装着される。マウンタによる実装においては、吸着ノズルによりコネクタ部品用保護キャップ1の上面11aが吸着されてコネクタ部品3が持ち上げられ、コネクタ部品3がプリント基板8の所定位置に搬送される。なお、コネクタ部品用保護キャップ1はその凸状係合部13がコネクタ部品3の凹状係合部33に係合されていることから、コネクタ部品用保護キャップ1がコネクタ部品3から外れることもない。
【0075】
すなわち、このようにコネクタ部品3に本発明にコネクタ部品用保護キャップ1を被せることにより、マウンタにより確実にコネクタ部品3をプリント基板8に搬送することができる。これにより、チップ抵抗やコンデンサなどの他の電子部品と共にコネクタ部品3の自動実装が可能となる。
【0076】
また、プリント基板8に電子部品を実装した後プリント基板8をリフロー槽へ搬送するが、このとき、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態のまま、プリント基板8をリフロー槽へ搬送する。つまり、コネクタ部品用保護キャップ1を汚染防止用のキャップとして用いる。これにより、半田リフローにおいて発生するガスによるコネクタ端子34の汚染を防止することができる。
【0077】
次に、電子部品をプリント基板8に半田で溶着した後、演算部品5やコンデンサ4などの電子部品により構成された電気回路(以下、プリント基板モジュール7という。図5参照)について電気検査を行うが、このときも、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態のまま電気検査を行う。
【0078】
プリント基板モジュール7の電気検査を行うときには、電気検査器60のプローブ端子61をコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に当接させる。このとき、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ部品3のコネクタ端子34との電気的な接続を確実とするため、相当程度の押圧力を加えてプローブ端子61を電極部21に当接させる。そうすると、コネクタ部品用保護キャップ1はコネクタ部品3に押されると共に、コネクタ部品用保護キャップ1の各接続端子20は、個別に遊動して各コネクタ端子34に当接しつつ、押圧力により変形し対応するコネクタ端子34に圧接される。
【0079】
すなわち、各接続端子20と各コネクタ端子34との間の隙間にばらつきがあったとしても、各接続端子20は個別に遊動可能な状態で保護キャップ本体10に設けられていることから、各接続端子20は対応するコネクタ端子34に確実に当接し、且つ、プローブ端子61の押圧力により変形してコネクタ端子34に圧接することとなるので、これらの作用により、プローブ端子61とコネクタ端子34とが電気的に確実に接続されることとなる。
【0080】
これに加えて、プローブ端子61によりコネクタ部品用保護キャップ1を押してもコネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の固定部32の上面32aとが接触しないように、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の上面31aとの間に間隔Dが設けられているため、コネクタ部品用保護キャップ1が上下に遊動しても、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の固定部32の上面32aとが接触せず、コネクタ部品用保護キャップ1全体の動きが阻害されることもない。従って、プローブ端子61の押圧力は、コネクタ部品用保護キャップ1の接続端子20を介してコネクタ端子34に確実に伝達されるので、プローブ端子61とコネクタ端子34とが電気的に確実に接続されることとなる。
【0081】
すなわち、このような方法によれば、プリント基板モジュール7の電気検査において、従来のようにコネクタ部品3に電気検査器60の接続コネクタを接続する手間をかけることもなく、電気検査器60のプローブ端子61を電極部21に当接させることにより迅速に且つ確実に電気検査を行うことができる。そして、この結果、電気検査の作業効率を向上することとなる。
【0082】
プリント基板モジュール7の電気検査を行った後、各プリント基板モジュール7を組合せて複合回路モジュールにして動作検査を行う。このとき、各プリント基板モジュール7を配線コード9よっては接続しないで代わりに電気検査器60により各プリント基板モジュール7を接続して電気検査を行う。
【0083】
すなわち、複合回路モジュールについて動作確認をする場合において、実際に配線コード9により各プリント基板モジュール7を接続した状態として電気検査を行うとすれば、一部のプリント基板モジュール7だけに不良があったとしても全体として不良となってしまうため、生産歩留りが低下してしまうという問題があるが、上記のように電気検査器を介在させて接続して電気検査を行う場合には、不良と判定されたプリント基板モジュール7のみを除外することができるので、生産歩留りを向上させることができる。以下、具体的な方法について説明する。
【0084】
図5は、複合回路モジュールについて電気検査器を介在させる位置を示した概略図であり、図5(A)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間に電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図であり、図5(B)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間において、配線コード及び電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図である。
【0085】
複合回路モジュールの電気検査においては、図5(A)に示すように、各プリント基板モジュール7を相互に接続するコネクタ部品3の間に電気検査器60を介在させて電気検査を行う。
【0086】
このように電気検査器60を介在させて電気検査を行う際には、プリント基板モジュール7のコネクタ部品3に上記に示したコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態にしておき、このコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に電気検査器60のプローブ端子61を当接させて電気検査を行う。
【0087】
このような方法によれば、実際に接続コード9によりプリント基板モジュール7を接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品3に被せたコネクタ部品用保護キャップ1と電気検査器60により各プリント基板モジュール1を接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。この結果、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみの交換を容易に行うことができる。
【0088】
または、図5(B)に示すような方法で電気検査を行ってもよい。具体的には、各プリント基板モジュール7について相互に接続するコネクタ部品3の間において、一方のコネクタ部品3に配線コード9を接続した状態として、この配線コード9と他方のコネクタ部品3との間に電気検査器60を介在させて電気検査を行う。この場合は、プリント基板モジュール7のコネクタ部品3に上記に示したコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態とし、接続コード9の接続コネクタ91にも対応するコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態として、これらのコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に電気検査器60のプローブ端子61を当接させて電気検査を行う。
【0089】
このような方法によれば、接続コード9を各プリント基板モジュール1の間に介在させて電気検査を行っているので、接続コード9とコネクタ部品3との接続状態をも加味して電気検査を行うことができる。
【0090】
ところで、このような複合回路モジュールの製造においては、その構成部品たるプリント基板モジュール7を所定の配置に固定して、一体のものとして搬送される場合がある。この場合は、電気検査における作業やプリント基板モジュール7同士の組立てのおいて、効率よくその作業を行うことができる。以下、このような場合における製造方法について説明する。
【0091】
例えば、1つの基板より複数のプリント基板モジュール7を形成して、これらのプリント基板モジュール7を配線コード9により接続して複合回路モジュールを完成させる製造方法がある。この場合は、1つの基板より形成される各プリント基板モジュール7を相互に連結した状態のままで搬送される。
【0092】
図6は、1つの基板より複数のプリント基板モジュールを形成したものの概略図である。
【0093】
すなわち、元の基板の外枠81と、その外枠81と各プリント基板モジュール7とを相互に連結する連結部82とを残したまま、各プリント基板モジュール7を相互に分離しない状態として、基板全体を搬送する。
【0094】
そして、この状態のまま、電気検査を行い、又、配線コード9の接続が行われる。このような方法によれば、電気検査作業を迅速に行うことができ、又、配線コード9の接続作業も迅速に行うことができる。なお、配線コード9の接続の後、外枠81及び連結部82を除去し、複合回路モジュールを完成させる。
【0095】
また、個別のプリント基板8から各プリント基板モジュール7を形成する場合にあっては、相互に接続する各プリント基板モジュール7をトレーに載せ所定位置に配置して搬送し、電気検査を行う。そして、その配置状態のままで配線コード9を接続する工程へ搬送する。この方法によれば、電気検査工程において、各プリント基板モジュール7を随時所定の位置に並べる必要もなく、電気検査器60のプローブ端子61を各コネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に当接させることができ、電気検査作業を迅速に行うことができる。また、その状態のまま、配線コード9を接続する工程に搬送するので、配線コード9の接続作業を迅速に行うことができる。
【0096】
以上のように、本発明によれば、コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せることにより、コネクタ端子34が存する面が覆われるので、半田リフローにおいて発生するガス(又はこのガスに含まれる半田)によるコネクタ端子34の汚染を防止することができる。加えて、保護キャップ本体10の外面10aには、コネクタ端子34に対応して電極部21が設けられていることから、コネクタ部品3が実装されたプリント基板モジュール7の電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップ1を介して電気検査器60のプローブ端子61を当接することができるので、このコネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。また、このコネクタ部品用保護キャップ1を介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板8のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなることから、プリント基板8から検査端子を除去することができ、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0097】
<コネクタ部品用保護キャップに適したコネクタ部品の例>
上記凸状係合部13を備えたコネクタ部品用保護キャップ1を被せるのに適したコネクタ部品3について図2に基づいて説明する。
【0098】
コネクタ部品3は、コネクタ部品本体30と、このコネクタ部品本体30に設けられたコネクタ端子34とから構成されている。コネクタ部品本体30は、半田リフロー時の高温により変形しないように、ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成され、その形状は、凸状体とされており、全体としては、コネクタ端子34を配置する端子配置部31と、その端子配置部31を固定する固定部32により構成されている。
【0099】
そして、端子配置部31には、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の内側に形成された凸状係合部13と係合するように(図3参照)、その側面31aに凹状係合部33が形成されている。
【0100】
このようなコネクタ部品は、コネクタ部品用保護キャップ1の凸状係合部13がコネクタ部品3の凹状係合部33に係合してコネクタ部品用保護キャップ1が係合されるので、マウンタによる搬送途中にコネクタ部品用保護キャップ1が外れることもなく、コネクタ部品用保護キャップ1と一体として搬送されうるものとなる。
【0101】
なお、本例のコネクタ部品3は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ1を被せることが可能なコネクタ部品3の一例であって、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ1を被せることが可能なものは、この例に限定されない。
【0102】
<コネクタ部品用保護キャップの変形例>
次に、雌型のコネクタ部品に適合するように形成されたコネクタ部品用保護キャップについて図7乃至9に基づいて説明する。
【0103】
図7は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの変形例の概略図であり、図7(A)は正面図であり、図7(B)は底面図であり、図7(C)は側面図である。図8は、図7に示したコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図8(A)は正面図であり、図8(B)は底面図であり、図8(C)は側面図である。図9は、図7に示したコネクタ部品用保護キャップを図8に示したコネクタ部品に被せた状態を示した概略図であり、図9(A)は正面図であり、図9(B)は底面図であり、図9(C)は側面図である。
【0104】
本例に示すコネクタ部品用保護キャップ101の主要な構成は、上記に示したコネクタ部品用保護キャップ1と同様である。すなわち、本例のコネクタ部品用保護キャップ101は、コネクタ部品103の少なくともコネクタ端子134が存する面を覆う保護キャップ本体110と、一端が電極部121として保護キャップ本体110の外面110aに設けられる一方、他端が当接部122として保護キャップ本体110の内面(下面)110bにコネクタ端子134に対応して設けられてなる接続端子120とから主要部が構成されている。
【0105】
保護キャップ本体110は、半田リフロー時の高温により変形しないように、ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成されており、その形状は、コネクタ部品103の凹部135を塞ぐことができる形状とした凸状体とされ、全体としては、コネクタ部品103の上面側に配置される矩形の平坦な天板部111と、その天板部111の略中央部から垂直に設けられた凸部112により構成されている。そして、この凸部112は雌型のコネクタ部品103の凹部135に嵌合する形状とされている。
【0106】
保護キャップ本体110は、コネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せた状態において移動(遊動)させたとしても常時コネクタ部品103との間に隙間が確保される形状とされている。具体的には、図8に示すようなコネクタ部品103(コネクタ端子134を配置する端子配置部131と、端子配置部131を固定する固定部132とから構成されている。)にコネクタ部品用保護キャップ101を被せた場合において、コネクタ部品用保護キャップ101を上下に遊動させても、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の下面112aがコネクタ部品103の凹部135の底面135aに接触しないように、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の寸法が設計されている。すなわち、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の下面112aとコネクタ部品103の凹部135の底面135aとの間隔D2は、コネクタ部品用保護キャップ101を所定の力で押したときでも、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の下面112aがコネクタ部品103の凹部135の底面135aに接触しない距離とされる。
【0107】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61の押圧力によりコネクタ部品用保護キャップ101が移動することもあるが(例えば、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力によりプローブ端子61を電極部21に当接させて電気検査を行う場合)、このような場合であっても、コネクタ部品103に被せた状態において常時コネクタ部品103との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ101全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子61の押圧力を接続端子120を介してコネクタ端子134に伝達させることができる。この結果、接続端子120を介在させてプローブ端子61とコネクタ端子134とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0108】
また、保護キャップ本体110には、コネクタ部品103に被せられたコネクタ部品用保護キャップ101自体が外れないように、コネクタ部品103に係合する係合部を設けてもよい。この場合は、この係合部に位置にあわせて、コネクタ部品3にもこれと係合する係合部を形成することが好ましい。
【0109】
具体的には、図7に示すように、保護キャップ本体110において互いに対向する2つの凸部112の側面112bに凹状係合部113が設けられる。そして、このようなコネクタ部品用保護キャップ101に適合するように、コネクタ部品103にも、この凹状係合部113と係合するように凸状係合部133が設けられる(図8参照)。更に、コネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せたときにコネクタ部品用保護キャップ101が遊動し得るように、凸状係合部113と凹状係合部133の間に隙間が設けられる。
【0110】
このような構成により、プリント基板への実装におけるコネクタ部品103の搬送において、コネクタ部品用保護キャップ101が簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップ101を被せた状態でコネクタ部品103をプリント基板まで確実に搬送することができる。また、コネクタ部品用保護キャップ101は、コネクタ部品103に対して遊動可能な状態で係合されるので、電気検査器60のプローブ端子61をコネクタ部品用保護キャップ101の電極部121に当接して全体を押圧しつつ電気検査を行う場合において、この係合部によってコネクタ部品用保護キャップ101の動きが阻害されてしまうこともない。
【0111】
接続端子120は、銅などの導体により形成されており、コネクタ部品103のコネクタ端子134の個々に対応するように天板部111に配置されている。具体的には、接続端子120は、天板部111の下側面においてコネクタ端子134に当接するように配置された当接部122と、当接部122から延在し天板部111の上側面に配置された電極部121とから構成されている。この構成により、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ部品103のコネクタ端子134とを電気的に接続することを可能としている。
【0112】
以上のように、本発明によれば、コネクタ部品用保護キャップ101は、コネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せることにより、コネクタ端子134が存する面が覆われるので、半田リフローにおいて発生するガス(又はこのガスに含まれる半田)によるコネクタ端子134の汚染を防止することができる。加えて、保護キャップ本体110の外面110aには、コネクタ端子134に対応して電極部121が設けられていることから、コネクタ部品103が実装されたプリント基板モジュール7の電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップ101を介して電気検査器60のプローブ端子61を当接することができるので、このコネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。また、このコネクタ部品用保護キャップ101を介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板8のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなることから、プリント基板8から検査端子を除去することができ、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0113】
<コネクタ部品用保護キャップの変形例に適したコネクタ部品の例>
上記に示した雌型のコネクタ部品に適合したコネクタ部品用保護キャップ101を被せるのに適したコネクタ部品について図8に基づいて説明する。
【0114】
コネクタ部品103は、コネクタ部品103は、コネクタ部品本体130と、このコネクタ部品本体130に設けられたコネクタ端子134とから構成されている。コネクタ部品本体130は、半田リフローの加熱によってもの変形しないようにポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成され、その形状は、凹状体とされており、全体としては、コネクタ端子134を配置する枠状の端子配置部131と、その端子配置部131を固定する固定部132により構成されている。
【0115】
そして、端子配置部131には、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112に形成された凹状係合部113と係合するように(図4参照)、その凹部135の内側面135bに凸状係合部133が形成されている。
【0116】
このようなコネクタ部品103は、コネクタ部品用保護キャップ101の凹状係合部113がコネクタ部品103の凸状係合部133に係合してコネクタ部品用保護キャップ101が固定されるので、マウンタによる搬送途中にコネクタ部品用保護キャップ101が外れることもなく、コネクタ部品用保護キャップ101と一体として搬送されうるものとなる。
【0117】
なお、本例のコネクタ部品103は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ101を被せることが可能なコネクタ部品103の一例であって、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ101を被せることが可能なものは、この例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの概略図であり、図1(A)は正面図であり、図1(B)は底面図であり、図1(C)は側面図である。
【図2】本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図2(A)は正面図であり、図1(B)は底面図であり、図1(C)は側面図である。
【図3】図2に示したコネクタ部品に本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せた状態を示した概略図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は底面図であり、図3(C)は側面図である。
【図4】プリント基板モジュールの電気検査において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップに電気検査器のプローブ端子を当接した状態を示した概略図であり、図4(A)は正面図であり、図4(B)は底面図であり、図4(C)は側面図である。
【図5】複合回路モジュールについて電気検査器を介在させる位置を示した概略図であり、図5(A)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間に電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図であり、図5(B)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間において、配線コード及び電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図である。
【図6】1つの基板より複数のプリント基板モジュールを形成したものの概略図である。
【図7】本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの変形例の概略図であり、図7(A)は正面図であり、図7(B)は底面図であり、図7(C)は側面図である。
【図8】図7に示したコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図8(A)は正面図であり、図8(B)は底面図であり、図8(C)は側面図である。
【図9】図7に示したコネクタ部品用保護キャップを図8に示したコネクタ部品に被せた状態を示した概略図であり、図9(A)は正面図であり、図9(B)は底面図であり、図9(C)は側面図である。
【図10】プリント基板に実装されるコネクタ部品及びこのコネクタ部品に被せられるキャップの斜視図である。
【図11】コネクタ部品を搭載するためのランドの概略図である。
【符号の説明】
【0119】
1、101 コネクタ部品用保護キャップ
3、103 コネクタ部品
7 プリント基板モジュール
8 プリント基板
9 配線コード
10、110 保護キャップ本体
20、120 接続端子
21、121 電極部
22、122 当接部
30、130 コネクタ部品本体
31、131 端子配置部
32、132 固定部
34、134 コネクタ端子
60 電気検査器
61 プローブ端子
112 凸部
135 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ部品のプリント基板へ実装する前においてコネクタ部品に被せるコネクタ部品用保護キャップ、並びに、このコネクタ部品用保護キャップを用いて行うコネクタ部品の半田実装方法、コネクタ部品の実装方法、プリント基板モジュールの検査方法及び複合回路モジュールの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの小型電子機器は、その内部回路を複数のプリント基板モジュールにより構成することが多くなってきている。プリント基板モジュールは、プリント基板にマウンタにより電子部品を実装して半田リフローにより電子部品を溶着することにより形成される。そして、電子部品の実装後に電気検査を行い、プリント基板モジュールを完成させる。
【0003】
このように形成されるプリント基板モジュールのうち、プリント基板にコネクタ部品が実装されるものにあっては、工程上に特殊な事情がある。この点について、図10及び11に基づいて説明する。
【0004】
図10は、プリント基板に実装されるコネクタ部品及びこのコネクタ部品に被せられるコネクタ部品用保護キャップの斜視図である。図11は、コネクタ部品を搭載するためのランドの概略図である。
【0005】
プリント基板モジュール形成時の電子部品の実装は、マウンタにより自動実装で行うのが一般的である。プリント基板908に実装する電子部品のうち、演算部品、チップ抵抗、チップコンデンサなどの電子部品は上面が平坦であり、マウンタの吸着ノズルによりピックアップし易い形状となっているため、マウンタによる自動実装が可能である。ところが、コネクタ部品901は、対応する接続コネクタと嵌合するものであるため、その構造上、凸状であったり或いは凹状となっていたりするので、コネクタ部品901をそのままの状態では、吸着ノズルによりピックアップすることができない。そこで、マウンタの吸着ノズルによりピックアップ可能とするため、上面が平坦な吸着用のキャップ903を予めコネクタ部品901に取り付けておき、マウンタにより自動実装できるようにしている(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、半田リフロー工程においては、プリント基板908が高温に晒されることからフラックスなどの有機材料からガスが発生する。このガスやガスに含まれる半田はプリント基板908に実装されたコネクタ部品901に悪影響を与えるおそれがある。つまり、コネクタ部品901はプリント基板モジュール同士を接続するものであるが、このコネクタ端子934が汚染された場合には、プリント基板モジュール同士の接続状態に悪影響を与え、結果的に、回路全体の動作を不安定とさせるおそれがある。そのため、コネクタ端子934が汚染されないように、半田リフローを行う前に汚染からコネクタ端子934を保護するためにコネクタ部品901に汚染防止用のキャップを被せて半田リフローを行う。特に、吸着用のキャップ903を取り付けずに実装されるコネクタ部品901にあっては、コネクタ端子934がガスに晒されることから、汚染防止用のキャップを取り付けて半田リフローを行う。
【0007】
ところで、プリント基板モジュールについて電気検査を行う際は、プリント基板モジュールの接続状態の確認を行うために、コネクタ部品901を介して電気検査を行う。具体的には、コネクタ部品901に接続可能な接続コネクタを備えた電気検査器を用いて、実際に接続コネクタをプリント基板モジュールのコネクタ部品901に接続した状態で電気検査を行う。
【0008】
また、プリント基板モジュールの動作確認を行う際には、コネクタ部品901を実装するためのランド984に設けられた検査端子985(図11参照)に電気検査器のプローブ端子を当接させて電気検査を行う。
【0009】
また、各プリント基板モジュールを接続コードで接続して形成される複合回路モジュールの電気検査にあっては、実際に各プリント基板モジュールを配線コードにより相互に接続した後、複合回路モジュールの動作確認の電気検査を行う。
【特許文献1】実開平6−52195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このようにコネクタ部品を備えるプリント基板モジュールの製造には手間のかかる作業が多く存在する。従って、生産効率が向上しないという問題があった。すなわち、コネクタ部品901の実装においては、その実装前に吸着用のキャップ903を被せたり、半田リフロー前には汚染防止用のキャップを被せたりする必要があり、又、電気検査においては、コネクタ部品901に被せたキャップを外して実際に電気検査器の接続コネクタをコネクタ部品901に接続して電気検査を行う必要があるなど、非常に手間のかかる作業が多く、作業効率上問題があった。
【0011】
また、従来の電気検査の方法では、プリント基板モジュールの動作確認のために、コネクタ部品901のランド984の周辺に電気検査用の検査端子985を設ける必要があり、その分、プリント基板908の面積が大きくなってしまうという問題もあった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コネクタ部品を備えたプリント基板モジュール又は複合回路モジュールの製造において、半田リフロー中に発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止し得る一方、プリント基板モジュールの電気検査を効率的に行うことを可能とするとともに、プリント基板モジュールに電気検査のための検査端子を設ける必要性をなくすことのできるコネクタ部品用保護キャップを提供することを目的とする。また同時に、そのコネクタ部品用保護キャップを用いて行うコネクタ部品の半田実装方法、コネクタ部品の実装方法、プリント基板モジュールの検査方法及び複合回路モジュールの検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るコネクタ部品用保護キャップは、コネクタ部品をプリント基板に溶着するのに先立って該コネクタ部品に被せられる保護キャップであって、前記コネクタ部品の少なくともコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体と、一端が電極部として該保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部として前記保護キャップ本体の内面に前記コネクタ端子に対応して設けられてなる接続端子と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、コネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せることにより、コネクタ端子が存する面が覆われるので、半田リフローにおいて発生するガス(又はガスに含まれる半田)によるコネクタ端子の汚染を防止することができる。加えて、保護キャップ本体の外面には、コネクタ端子に対応して電極部が設けられていることから、コネクタ部品が実装されたプリント基板モジュールの電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップを介して電気検査器のプローブ端子を当接することができるので、このコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。また、このコネクタ部品用保護キャップを介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなることから、プリント基板から検査端子を除去することができ、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0015】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記接続端子の電極部の面積は、前記コネクタ端子の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0016】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を高精度に位置合わせを行わずとも容易にプローブ端子を電極部に当接させることができる。また、先端が太いプローブ端子を用いることができ、これにより、プローブ端子と電極部との当接面積を増大させることができるので、プローブ端子と接続端子とを確実に接続させて電気検査における検査ミスを防止することができる。
【0017】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記接続端子それぞれは、前記保護キャップ本体に対して個別に遊動可能に設けることを特徴とする。
【0018】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときには接続端子が個別に遊動し各接続端子とコネクタ端子とが確実に当接することとなるので、プローブ端子とコネクタ端子との接続不良が生じることもなく、電気検査を確実に行うことができる。
【0019】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記接続端子は弾性が付与された形状とすることを特徴とする。
【0020】
このような構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときには、接続端子とコネクタ端子とを圧接状態にすることができ、プローブ端子とコネクタ端子とを確実に接続させて電気検査の確実性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記保護キャップ本体は、その上面を平坦とすることを特徴とする。
【0022】
このような構成により、コネクタ部品のプリント基板への実装において、この平坦な上面に吸着ノズルを当接させたときの吸引力を増大させることができ、この結果、自動実装におけるコネクタ部品の搬送の確実性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品と係合する係合手段を備えることを特徴とする。
【0024】
この構成により、コネクタ部品の搬送において、コネクタ部品用保護キャップが簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップを被せた状態でコネクタ部品をプリント基板まで確実に搬送することができる。
【0025】
また、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップでは、前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品に被せた状態において常時前記コネクタ部品との間に隙間が確保される形状とすることを特徴とする。
【0026】
この構成により、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する場合(例えば、電気検査において、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力により電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させ電気検査を行うときには、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する。)であっても、コネクタ部品に被せた状態において常時コネクタ部品との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子の押圧力を接続端子を介してコネクタ端子に伝達させることができる。この結果、接続端子を介在させてプローブ端子とコネクタ端子とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0027】
本発明に係るコネクタ部品の半田実装方法は、前記プリント基板を半田リフローに投入する前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せておくことを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、半田リフローにおいて発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0029】
また、本発明に係るコネクタ部品の実装方法は、コネクタ部品をプリント基板に実装するコネクタ部品の実装方法であって、上記の、上面が平坦なコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せ、このコネクタ部品用保護キャップに実装装置の吸着ノズルを吸着させてプリンタ基板上に搬送し、コネクタ部品をプリント基板に実装することを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、マウンタにより確実にコネクタ部品をプリント基板に搬送することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0031】
また、本発明に係るプリント基板モジュールの検査方法は、プリント基板に実装されたコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行うプリント基板モジュールの検査方法であって、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記電気検査器のプローブ端子を前記コネクタ部品用保護キャップの前記接続端子に当接させて電気検査を行うことを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、コネクタ部品を介してプリント基板モジュールの電気検査を行う場合にあっては、このコネクタ部品に電気検査器の接続コネクタを接続する手間をかけることもなく、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させることにより迅速にプリント基板モジュールの電気検査を行うことができるので、検査の作業効率を向上させることができる。
【0033】
また、本発明に係る複合回路モジュールの検査方法は、複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記接続コードに代えて電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。
【0035】
また、本発明に係る複合回路モジュールの検査方法は、複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品及び接続コードを介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、このコネクタ部品とこれと接続する前記接続コードとの間に前記電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと接続コードと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。また、この方法の場合は、電気検査器のみならず、接続コードをも各プリント基板モジュールの間に介在させているので、接続コードとコネクタ部品との接続状態をも加味して電気検査を行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るコネクタ部品用保護キャップによれば、コネクタ部品の少なくともコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体と、接続端子をと備えており、この接続端子は、一端が電極部としてこの保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部として前記保護キャップ本体の内面に前記コネクタ端子に対応して設けられた構成とされていることから、コネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せることにより、コネクタ端子が存する面が覆われ、半田リフローにおいて発生するガス(又はガスに含まれる半田)によるコネクタ端子の汚染を防止することができ、加えて、保護キャップ本体の外面には、コネクタ端子に対応して電極部が設けられていることから、コネクタ部品が実装されたプリント基板モジュールの電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップを介して電気検査器のプローブ端子を当接させることができるので、このコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。
【0038】
また、このコネクタ部品用保護キャップを介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなり、プリント基板から電気検査用の検査端子を除去することができる。従って、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0039】
また、接続端子の電極部の面積は、前記コネクタ端子の面積よりも大きい構成とした場合には、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を高精度に位置合わせを行わずとも容易にプローブ端子を電極部に当接させることができる。加えて、先端が太いプローブ端子を用いることができ、これにより、プローブ端子と電極部との当接面積を増大させることができるので、プローブ端子と接続端子とを確実に接続させて電気検査における検査ミスを防止することができる。
【0040】
また、接続端子それぞれは、保護キャップ本体に対して個別に遊動可能に設けた場合には、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときに接続端子が個別に遊動し各接続端子とコネクタ端子とが確実に当接することとなるので、プローブ端子とコネクタ端子との接続不良が生じることもなく、電気検査を確実に行うことができる。
【0041】
また、接続端子は弾性が付与された形状とすることが好ましく、この場合は、電気検査を行う場合において、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させたときに、接続端子とコネクタ端子とを圧接状態にすることができ、プローブ端子とコネクタ端子とを確実に接続させて電気検査の確実性を向上させることができる。
【0042】
また、保護キャップ本体は、その上面を平坦とすることが好ましく、この場合は、コネクタ部品のプリント基板への実装において、この平坦な上面に吸着ノズルを当接させたときの吸引力を増大させることができ、この結果、自動実装におけるコネクタ部品の搬送の確実性を向上させることができる。
【0043】
更に、保護キャップ本体は、前記コネクタ部品と係合する係合手段を備えてもよい。この場合は、コネクタ部品の搬送において、コネクタ部品用保護キャップが簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップを被せた状態でコネクタ部品をプリント基板まで確実に搬送することができる。
【0044】
また、保護キャップ本体は、コネクタ部品に被せた状態において常時前記コネクタ部品との間に隙間が確保される形状とすることが好ましい。この場合は、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する場合(例えば、電気検査において、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力により電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させ電気検査を行うときには、コネクタ部品用保護キャップがコネクタ部品側に移動する。)であっても、コネクタ部品に被せた状態において常時コネクタ部品との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子の押圧力を接続端子を介してコネクタ端子に伝達させることができる。この結果、接続端子を介在させてプローブ端子とコネクタ端子とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0045】
また、本発明に係るコネクタ部品の半田実装方法によれば、プリント基板を半田リフローに投入する前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せることから、半田リフローにおいて発生するガスによるコネクタ端子の汚染を防止することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0046】
また、本発明に係るコネクタ部品の実装方法によれば、上記の上面が平坦なコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せ、このコネクタ部品用保護キャップに実装装置の吸着ノズルを吸着させてプリンタ基板上に搬送し、コネクタ部品をプリント基板に実装することから、確実にコネクタ部品をプリント基板に搬送することができ、その上、部品実装後のプリント基板の電気検査を行うときには、コネクタ部品にコネクタ部品用保護キャップを被せた状態のまま電気検査を行うことができる。
【0047】
また、本発明に係るプリント基板モジュールの検査方法によれば、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、電気検査器のプローブ端子をコネクタ部品用保護キャップの接続端子に当接させて電気検査を行うことから、このコネクタ部品に電気検査器の接続コネクタを接続する手間をかけることもなく、電気検査器のプローブ端子を電極部に当接させることにより迅速にプリント基板モジュールの電気検査を行うことができるので、検査の作業効率を向上させることができる。
【0048】
また、本発明に係る複合回路モジュールの検査方法によれば、各プリント基板モジュール同士のコネクタ部品間に接続コードを接続して複合モジュールを完成させる前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、接続コードにより相互に接続する両コネクタ部品の間にこの接続コードに代えて電気検査器を介在させて電気検査を行うことから、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。
【0049】
また、本発明に係る他の複合回路モジュールの検査方法によれば、各プリント基板モジュール同士のコネクタ部品間に接続コードを接続して複合モジュールを完成させる前に、上記のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、接続コードにより相互に接続する両コネクタ部品の間に、これと接続する接続コードと電気検査器とを介在させて電気検査を行うことを特徴とすることから、実際に接続コードによりプリント基板モジュールを接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップと接続コードと電気検査器により各プリント基板モジュールを接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、迅速に複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。また、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみを容易に交換することもできる。また、この方法の場合は、電気検査器のみならず、接続コードをも各プリント基板モジュールの間に介在させているので、接続コードとコネクタ部品との接続状態をも加味して電気検査を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0051】
<コネクタ部品用保護キャップについて>
図1は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの概略図であり、図1(A)は正面図であり、図1(B)は底面図であり、図1(C)は側面図である。図2は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図2(A)は正面図であり、図2(B)は底面図であり、図2(C)は側面図である。図3は、図2に示したコネクタ部品に本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せた状態を示した概略図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は底面図であり、図3(C)は側面図である。図4は、プリント基板モジュールの電気検査において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップに電気検査器のプローブ端子を当接した状態を示した概略図であり、図4(A)は正面図であり、図4(B)は底面図であり、図4(C)は側面図である。
【0052】
本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3をプリント基板8に溶着するのに先立ってコネクタ部品3に被せられるものであり、その機能としては、マウンタによる自動実装を可能とし、半田リフローにおいては、フラックスなどから生じるガスからコネクタ部品3を保護し、加えて、電気検査工程においては、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ端子34との間に介在してプローブ端子61とコネクタ端子34とを電気的に接続させる機能を備える。以下、コネクタ部品用保護キャップ1の構成を説明する。
【0053】
コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3の少なくともコネクタ端子34が存する面を覆う保護キャップ本体10と、一端が電極部21として保護キャップ本体10の外面10aに設けられる一方、他端が当接部22として保護キャップ本体10の内面10bにコネクタ端子34に対応して設けられてなる接続端子20とから主要部が構成されている。なお、図面では、コネクタ部品用保護キャップ1の接続端子20やコネクタのコネクタ端子34は、外部に現れている部分を斜線ハッチングで示し、外部から視認できない部分をドットハッチングで示している。
【0054】
保護キャップ本体10は、半田リフローの加熱によっても変形しないように、ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成されており、その形状は、コネクタ部品3に被せることができる箱状とされ、全体としては、コネクタ部品3の上面側に配置される矩形の平坦な天板部11と、その天板部11の周縁から垂直に設けられた側壁12により構成されている。
【0055】
また、保護キャップ本体10は、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態において移動(遊動)させたとしても常時コネクタ部品3との間に隙間が確保される形状とされている。具体的には、図2に示すようなコネクタ部品3(コネクタ端子34を配置する端子配置部31と、端子配置部31を固定する固定部32とから構成されている。)にコネクタ部品用保護キャップ1を被せた場合において、コネクタ部品用保護キャップ1を上下に遊動させても、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aがコネクタ部品3の固定部32の上面32aに接触しないように、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の寸法が設計されている。すなわち、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の固定部32の上面32aとの間隔D1(図3、4参照)は、コネクタ部品用保護キャップ1を所定の力で押したときでも、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aがコネクタ部品3の固定部32の上面32aに接触しない距離とされる。
【0056】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61の押圧力によりコネクタ部品用保護キャップ1が移動することもあるが(例えば、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力によりプローブ端子61を電極部21に当接させて電気検査を行う場合)、このような場合であっても、コネクタ部品3に被せた状態において常時コネクタ部品3との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ1全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子61の押圧力を接続端子20を介してコネクタ端子34に伝達させることができる。この結果、接続端子20を介在させてプローブ端子61とコネクタ端子34とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0057】
また、保護キャップ本体10には、コネクタ部品3に被せられたコネクタ部品用保護キャップ1自体が外れないように、コネクタ部品3に係合する係合部を設けてもよい。この場合は、この係合部に位置にあわせて、コネクタ部品3にもこれと係合する係合部を形成することが好ましい。
【0058】
具体的には、図1に示すように、保護キャップ本体10において互いに対向する2つの側壁12の内側に凸状係合部13が設けられる。そして、このようなコネクタ部品用保護キャップ1に適合するように、コネクタ部品3にも、この凸状係合部13と係合するように凹状係合部33が設けられる(図2参照)。更に、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せたときにコネクタ部品用保護キャップ1が遊動し得るように、凸状係合部13と凹状係合部33の間に隙間が設けられる。
【0059】
このような構成により、プリント基板への実装におけるコネクタ部品3の搬送において、コネクタ部品用保護キャップ1が簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態でコネクタ部品3をプリント基板まで確実に搬送することができる。また、コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3に対して遊動可能な状態で係合されるので、電気検査器60のプローブ端子61をコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に当接して全体を押圧しつつ電気検査を行う場合において、この係合部によってコネクタ部品用保護キャップ1の動きが阻害されてしまうこともない。
【0060】
なお、コネクタ部品3から外れないようにするための手段としては、上記のようにコネクタ部品3と互いに係合するものに限らず、コネクタ部品3の平坦な側面に密着して摩擦又は圧力によりコネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に嵌着させるもの(例えば、突起)であってもよい。
【0061】
接続端子20は、銅などの導体により形成されており、コネクタ部品3のコネクタ端子34の個々に対応するように天板部11に配置されている。具体的には、接続端子20は、天板部11の内面10bにおいてコネクタ端子34に当接するように配置された当接部22と、当接部22から延在し天板部11の外面10aに配置された電極部21とから構成されている。この構成により、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ部品3のコネクタ端子34との間に接続端子20を介在させて両者を電気的に接続することを可能としている。
【0062】
なお、接続端子20の当接部22は、コネクタ端子34に当接したときに摩擦によりコネクタ端子34の表面に当接部22の表面にある物質を付着させるおそれがあるので、この付着による汚染を防止するために、この当接部22の表面には、コネクタ端子34の表面の材質と同材料によりメッキを施すことが好ましい。例えば、コネクタ端子34が金メッキされている場合は、接続端子20は金メッキを施すことが好ましい。この構成により、コネクタ端子34の摩擦による汚染を防止することができ、この結果、コネクタ部品3とこれと接続する配線コード9との接続不良を低減することができる。
【0063】
また、接続端子20は、弾性が付与されるように形成されている。すなわち、接続端子20は、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ端子34との間に介在して両者を確実に電気的に接続させるものとして機能させる必要があるから、プローブ端子61を電極部21に当接させた場合にプローブ端子61と接続端子20とコネクタ端子34とが相互に圧接状態となるようなバネ構造とされている。
【0064】
具体的には、接続端子20は、当接部22と電極部21とが互いに対向するようにU字状に曲げられた形状とされ、一定の圧力が加えられたときにその圧力に抗するように弾性力が働くものとされている。なお、本例では、接続端子20はU字状としているが、この形状に限定されるものではなく、他の形状としてもよい。例えば、接続端子20の形状をC字状、S字状としてもよい。また、このような弾性力を持続的に保持させるために、接続端子20はバネ特性、耐疲労性に優れているリン青銅により形成することが好ましい。
【0065】
このような構成により、プローブ端子61を電極部21に当接させたときに、接続端子20の当接部22とコネクタ端子34とを圧接状態とすることができ、これにより、プローブ端子61とコネクタ端子34とを確実に電気的に接続させて電気検査の確実性を向上させることができる。
【0066】
また、接続端子20それぞれは、保護キャップ本体10に対して個別に遊動可能に設けることが好ましい。接続端子20は、上記で示したように、プローブ端子61とコネクタ端子34を確実に電気的に接続させるものであり、そのために例えばU字状に形成されているが、そのような構成とした場合であっても、保護キャップ本体10に固定されている場合にあっては、個々のプローブ端子61の押圧力のバランスにより、コネクタ端子34と接続端子20の当接部22との間に隙間が生じてしまうことがあり、このようなとき、接続端子20とコネクタ端子34とを確実に当接させることができない。そのため、このような現象を解消するために、接続端子20それぞれが個別に遊動可能に設けることが好ましく、これにより、上記のような隙間が生じることを防止することができる。つまり、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61を電極部21に当接させたとき接続端子20が個別に遊動して各接続端子20とコネクタ端子34とが確実に当接するので、電気検査においてプローブ端子61と接続端子20との接続不良が生じることもない。
【0067】
更に、接続端子20の電極部21に関していえば、電極部21は、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12ではなくコネクタ部品用保護キャップ1の天板部11の上面11aに設けることが好ましい。この構成により、外部のプローブ端子61を上方から当接させることができる。
【0068】
加えて、電極部21の面積をコネクタ端子34の当接部分の面積(接続コネクタと相互に当接し合う部分の面積)よりも大きく形成することが好ましい。この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61を高精度に位置合わせを行わずとも容易にプローブ端子61を電極部21に当接させることができる。また、先端が太いプローブ端子61を用いることができ、これにより、プローブ端子61と電極部21との当接面積を増大させることができるので、プローブ端子61と接続端子20とを確実に接続させて電気検査における検査ミスを防止することができる。
【0069】
また、電極部21の保護キャップ本体10に対する配置に関して言えば、コネクタ端子34の1列の配列に対して電極部21を千鳥配置とするか(図1参照)、或いは、電極部21を2列以上に並列させて配置することが好ましい。
【0070】
このような配列とすることにより、天板部11の上面11aを有効に利用することができるので、コネクタ部品用保護キャップ1の寸法を大きくすることなく、電極部21の面積を大きくすることができる。
【0071】
また、接続端子20の電極部21は、コネクタ部品用保護キャップ1の上面(すなわち、天板部11の上面11a)が平坦となるように設けることが好ましい。
【0072】
このような構成により、コネクタ部品3のプリント基板8への実装において、この平坦な上面11aに吸着ノズルを当接させたときの吸引力を増大させることができ、この結果、自動実装におけるコネクタ部品3の搬送の確実性を向上させることができる。
【0073】
−コネクタ部品用保護キャップ1の機能について−
次に、コネクタ部品用保護キャップ1の機能について、複合回路モジュールの製造過程を通して説明する。
【0074】
上記のようなコネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品3をプリント基板8に自動実装するためのキャップとして用いられる。具体的には、コネクタ部品用保護キャップ1を自動実装する前に予めコネクタ部品3に被せられる。そして、コネクタ部品用保護キャップ1が被せられたコネクタ部品3は、自動実装可能なように、例えば、エンボステープなどにより梱包されて、マウンタの電子部品供給部に装着される。マウンタによる実装においては、吸着ノズルによりコネクタ部品用保護キャップ1の上面11aが吸着されてコネクタ部品3が持ち上げられ、コネクタ部品3がプリント基板8の所定位置に搬送される。なお、コネクタ部品用保護キャップ1はその凸状係合部13がコネクタ部品3の凹状係合部33に係合されていることから、コネクタ部品用保護キャップ1がコネクタ部品3から外れることもない。
【0075】
すなわち、このようにコネクタ部品3に本発明にコネクタ部品用保護キャップ1を被せることにより、マウンタにより確実にコネクタ部品3をプリント基板8に搬送することができる。これにより、チップ抵抗やコンデンサなどの他の電子部品と共にコネクタ部品3の自動実装が可能となる。
【0076】
また、プリント基板8に電子部品を実装した後プリント基板8をリフロー槽へ搬送するが、このとき、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態のまま、プリント基板8をリフロー槽へ搬送する。つまり、コネクタ部品用保護キャップ1を汚染防止用のキャップとして用いる。これにより、半田リフローにおいて発生するガスによるコネクタ端子34の汚染を防止することができる。
【0077】
次に、電子部品をプリント基板8に半田で溶着した後、演算部品5やコンデンサ4などの電子部品により構成された電気回路(以下、プリント基板モジュール7という。図5参照)について電気検査を行うが、このときも、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態のまま電気検査を行う。
【0078】
プリント基板モジュール7の電気検査を行うときには、電気検査器60のプローブ端子61をコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に当接させる。このとき、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ部品3のコネクタ端子34との電気的な接続を確実とするため、相当程度の押圧力を加えてプローブ端子61を電極部21に当接させる。そうすると、コネクタ部品用保護キャップ1はコネクタ部品3に押されると共に、コネクタ部品用保護キャップ1の各接続端子20は、個別に遊動して各コネクタ端子34に当接しつつ、押圧力により変形し対応するコネクタ端子34に圧接される。
【0079】
すなわち、各接続端子20と各コネクタ端子34との間の隙間にばらつきがあったとしても、各接続端子20は個別に遊動可能な状態で保護キャップ本体10に設けられていることから、各接続端子20は対応するコネクタ端子34に確実に当接し、且つ、プローブ端子61の押圧力により変形してコネクタ端子34に圧接することとなるので、これらの作用により、プローブ端子61とコネクタ端子34とが電気的に確実に接続されることとなる。
【0080】
これに加えて、プローブ端子61によりコネクタ部品用保護キャップ1を押してもコネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の固定部32の上面32aとが接触しないように、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の上面31aとの間に間隔Dが設けられているため、コネクタ部品用保護キャップ1が上下に遊動しても、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の底面12aとコネクタ部品3の固定部32の上面32aとが接触せず、コネクタ部品用保護キャップ1全体の動きが阻害されることもない。従って、プローブ端子61の押圧力は、コネクタ部品用保護キャップ1の接続端子20を介してコネクタ端子34に確実に伝達されるので、プローブ端子61とコネクタ端子34とが電気的に確実に接続されることとなる。
【0081】
すなわち、このような方法によれば、プリント基板モジュール7の電気検査において、従来のようにコネクタ部品3に電気検査器60の接続コネクタを接続する手間をかけることもなく、電気検査器60のプローブ端子61を電極部21に当接させることにより迅速に且つ確実に電気検査を行うことができる。そして、この結果、電気検査の作業効率を向上することとなる。
【0082】
プリント基板モジュール7の電気検査を行った後、各プリント基板モジュール7を組合せて複合回路モジュールにして動作検査を行う。このとき、各プリント基板モジュール7を配線コード9よっては接続しないで代わりに電気検査器60により各プリント基板モジュール7を接続して電気検査を行う。
【0083】
すなわち、複合回路モジュールについて動作確認をする場合において、実際に配線コード9により各プリント基板モジュール7を接続した状態として電気検査を行うとすれば、一部のプリント基板モジュール7だけに不良があったとしても全体として不良となってしまうため、生産歩留りが低下してしまうという問題があるが、上記のように電気検査器を介在させて接続して電気検査を行う場合には、不良と判定されたプリント基板モジュール7のみを除外することができるので、生産歩留りを向上させることができる。以下、具体的な方法について説明する。
【0084】
図5は、複合回路モジュールについて電気検査器を介在させる位置を示した概略図であり、図5(A)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間に電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図であり、図5(B)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間において、配線コード及び電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図である。
【0085】
複合回路モジュールの電気検査においては、図5(A)に示すように、各プリント基板モジュール7を相互に接続するコネクタ部品3の間に電気検査器60を介在させて電気検査を行う。
【0086】
このように電気検査器60を介在させて電気検査を行う際には、プリント基板モジュール7のコネクタ部品3に上記に示したコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態にしておき、このコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に電気検査器60のプローブ端子61を当接させて電気検査を行う。
【0087】
このような方法によれば、実際に接続コード9によりプリント基板モジュール7を接続して複合回路モジュールを完成させる前段階において、コネクタ部品3に被せたコネクタ部品用保護キャップ1と電気検査器60により各プリント基板モジュール1を接続状態にして簡単に複合回路モジュールの接続状態をシミュレーションすることができ、これにより、複合回路モジュールの電気検査を行うことができる。この結果、一部のプリント基板モジュールにおいて不良があった場合には、その一部のみの交換を容易に行うことができる。
【0088】
または、図5(B)に示すような方法で電気検査を行ってもよい。具体的には、各プリント基板モジュール7について相互に接続するコネクタ部品3の間において、一方のコネクタ部品3に配線コード9を接続した状態として、この配線コード9と他方のコネクタ部品3との間に電気検査器60を介在させて電気検査を行う。この場合は、プリント基板モジュール7のコネクタ部品3に上記に示したコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態とし、接続コード9の接続コネクタ91にも対応するコネクタ部品用保護キャップ1を被せた状態として、これらのコネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に電気検査器60のプローブ端子61を当接させて電気検査を行う。
【0089】
このような方法によれば、接続コード9を各プリント基板モジュール1の間に介在させて電気検査を行っているので、接続コード9とコネクタ部品3との接続状態をも加味して電気検査を行うことができる。
【0090】
ところで、このような複合回路モジュールの製造においては、その構成部品たるプリント基板モジュール7を所定の配置に固定して、一体のものとして搬送される場合がある。この場合は、電気検査における作業やプリント基板モジュール7同士の組立てのおいて、効率よくその作業を行うことができる。以下、このような場合における製造方法について説明する。
【0091】
例えば、1つの基板より複数のプリント基板モジュール7を形成して、これらのプリント基板モジュール7を配線コード9により接続して複合回路モジュールを完成させる製造方法がある。この場合は、1つの基板より形成される各プリント基板モジュール7を相互に連結した状態のままで搬送される。
【0092】
図6は、1つの基板より複数のプリント基板モジュールを形成したものの概略図である。
【0093】
すなわち、元の基板の外枠81と、その外枠81と各プリント基板モジュール7とを相互に連結する連結部82とを残したまま、各プリント基板モジュール7を相互に分離しない状態として、基板全体を搬送する。
【0094】
そして、この状態のまま、電気検査を行い、又、配線コード9の接続が行われる。このような方法によれば、電気検査作業を迅速に行うことができ、又、配線コード9の接続作業も迅速に行うことができる。なお、配線コード9の接続の後、外枠81及び連結部82を除去し、複合回路モジュールを完成させる。
【0095】
また、個別のプリント基板8から各プリント基板モジュール7を形成する場合にあっては、相互に接続する各プリント基板モジュール7をトレーに載せ所定位置に配置して搬送し、電気検査を行う。そして、その配置状態のままで配線コード9を接続する工程へ搬送する。この方法によれば、電気検査工程において、各プリント基板モジュール7を随時所定の位置に並べる必要もなく、電気検査器60のプローブ端子61を各コネクタ部品用保護キャップ1の電極部21に当接させることができ、電気検査作業を迅速に行うことができる。また、その状態のまま、配線コード9を接続する工程に搬送するので、配線コード9の接続作業を迅速に行うことができる。
【0096】
以上のように、本発明によれば、コネクタ部品用保護キャップ1は、コネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せることにより、コネクタ端子34が存する面が覆われるので、半田リフローにおいて発生するガス(又はこのガスに含まれる半田)によるコネクタ端子34の汚染を防止することができる。加えて、保護キャップ本体10の外面10aには、コネクタ端子34に対応して電極部21が設けられていることから、コネクタ部品3が実装されたプリント基板モジュール7の電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップ1を介して電気検査器60のプローブ端子61を当接することができるので、このコネクタ部品用保護キャップ1をコネクタ部品3に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。また、このコネクタ部品用保護キャップ1を介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板8のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなることから、プリント基板8から検査端子を除去することができ、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0097】
<コネクタ部品用保護キャップに適したコネクタ部品の例>
上記凸状係合部13を備えたコネクタ部品用保護キャップ1を被せるのに適したコネクタ部品3について図2に基づいて説明する。
【0098】
コネクタ部品3は、コネクタ部品本体30と、このコネクタ部品本体30に設けられたコネクタ端子34とから構成されている。コネクタ部品本体30は、半田リフロー時の高温により変形しないように、ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成され、その形状は、凸状体とされており、全体としては、コネクタ端子34を配置する端子配置部31と、その端子配置部31を固定する固定部32により構成されている。
【0099】
そして、端子配置部31には、コネクタ部品用保護キャップ1の側壁12の内側に形成された凸状係合部13と係合するように(図3参照)、その側面31aに凹状係合部33が形成されている。
【0100】
このようなコネクタ部品は、コネクタ部品用保護キャップ1の凸状係合部13がコネクタ部品3の凹状係合部33に係合してコネクタ部品用保護キャップ1が係合されるので、マウンタによる搬送途中にコネクタ部品用保護キャップ1が外れることもなく、コネクタ部品用保護キャップ1と一体として搬送されうるものとなる。
【0101】
なお、本例のコネクタ部品3は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ1を被せることが可能なコネクタ部品3の一例であって、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ1を被せることが可能なものは、この例に限定されない。
【0102】
<コネクタ部品用保護キャップの変形例>
次に、雌型のコネクタ部品に適合するように形成されたコネクタ部品用保護キャップについて図7乃至9に基づいて説明する。
【0103】
図7は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの変形例の概略図であり、図7(A)は正面図であり、図7(B)は底面図であり、図7(C)は側面図である。図8は、図7に示したコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図8(A)は正面図であり、図8(B)は底面図であり、図8(C)は側面図である。図9は、図7に示したコネクタ部品用保護キャップを図8に示したコネクタ部品に被せた状態を示した概略図であり、図9(A)は正面図であり、図9(B)は底面図であり、図9(C)は側面図である。
【0104】
本例に示すコネクタ部品用保護キャップ101の主要な構成は、上記に示したコネクタ部品用保護キャップ1と同様である。すなわち、本例のコネクタ部品用保護キャップ101は、コネクタ部品103の少なくともコネクタ端子134が存する面を覆う保護キャップ本体110と、一端が電極部121として保護キャップ本体110の外面110aに設けられる一方、他端が当接部122として保護キャップ本体110の内面(下面)110bにコネクタ端子134に対応して設けられてなる接続端子120とから主要部が構成されている。
【0105】
保護キャップ本体110は、半田リフロー時の高温により変形しないように、ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成されており、その形状は、コネクタ部品103の凹部135を塞ぐことができる形状とした凸状体とされ、全体としては、コネクタ部品103の上面側に配置される矩形の平坦な天板部111と、その天板部111の略中央部から垂直に設けられた凸部112により構成されている。そして、この凸部112は雌型のコネクタ部品103の凹部135に嵌合する形状とされている。
【0106】
保護キャップ本体110は、コネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せた状態において移動(遊動)させたとしても常時コネクタ部品103との間に隙間が確保される形状とされている。具体的には、図8に示すようなコネクタ部品103(コネクタ端子134を配置する端子配置部131と、端子配置部131を固定する固定部132とから構成されている。)にコネクタ部品用保護キャップ101を被せた場合において、コネクタ部品用保護キャップ101を上下に遊動させても、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の下面112aがコネクタ部品103の凹部135の底面135aに接触しないように、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の寸法が設計されている。すなわち、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の下面112aとコネクタ部品103の凹部135の底面135aとの間隔D2は、コネクタ部品用保護キャップ101を所定の力で押したときでも、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112の下面112aがコネクタ部品103の凹部135の底面135aに接触しない距離とされる。
【0107】
この構成により、電気検査を行う場合において、電気検査器60のプローブ端子61の押圧力によりコネクタ部品用保護キャップ101が移動することもあるが(例えば、電気検査が確実に行えるように、相当の押圧力によりプローブ端子61を電極部21に当接させて電気検査を行う場合)、このような場合であっても、コネクタ部品103に被せた状態において常時コネクタ部品103との間に隙間が確保されるものとされていることから、コネクタ部品用保護キャップ101全体の動きが阻害されることもなく、プローブ端子61の押圧力を接続端子120を介してコネクタ端子134に伝達させることができる。この結果、接続端子120を介在させてプローブ端子61とコネクタ端子134とを確実に電気的に接続させることができ、電気検査の確実性を向上させることができる。
【0108】
また、保護キャップ本体110には、コネクタ部品103に被せられたコネクタ部品用保護キャップ101自体が外れないように、コネクタ部品103に係合する係合部を設けてもよい。この場合は、この係合部に位置にあわせて、コネクタ部品3にもこれと係合する係合部を形成することが好ましい。
【0109】
具体的には、図7に示すように、保護キャップ本体110において互いに対向する2つの凸部112の側面112bに凹状係合部113が設けられる。そして、このようなコネクタ部品用保護キャップ101に適合するように、コネクタ部品103にも、この凹状係合部113と係合するように凸状係合部133が設けられる(図8参照)。更に、コネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せたときにコネクタ部品用保護キャップ101が遊動し得るように、凸状係合部113と凹状係合部133の間に隙間が設けられる。
【0110】
このような構成により、プリント基板への実装におけるコネクタ部品103の搬送において、コネクタ部品用保護キャップ101が簡単に外れることがなくなり、マウンタなどの実装機によりコネクタ部品用保護キャップ101を被せた状態でコネクタ部品103をプリント基板まで確実に搬送することができる。また、コネクタ部品用保護キャップ101は、コネクタ部品103に対して遊動可能な状態で係合されるので、電気検査器60のプローブ端子61をコネクタ部品用保護キャップ101の電極部121に当接して全体を押圧しつつ電気検査を行う場合において、この係合部によってコネクタ部品用保護キャップ101の動きが阻害されてしまうこともない。
【0111】
接続端子120は、銅などの導体により形成されており、コネクタ部品103のコネクタ端子134の個々に対応するように天板部111に配置されている。具体的には、接続端子120は、天板部111の下側面においてコネクタ端子134に当接するように配置された当接部122と、当接部122から延在し天板部111の上側面に配置された電極部121とから構成されている。この構成により、電気検査器60のプローブ端子61とコネクタ部品103のコネクタ端子134とを電気的に接続することを可能としている。
【0112】
以上のように、本発明によれば、コネクタ部品用保護キャップ101は、コネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せることにより、コネクタ端子134が存する面が覆われるので、半田リフローにおいて発生するガス(又はこのガスに含まれる半田)によるコネクタ端子134の汚染を防止することができる。加えて、保護キャップ本体110の外面110aには、コネクタ端子134に対応して電極部121が設けられていることから、コネクタ部品103が実装されたプリント基板モジュール7の電気検査を行う場合にあっては、コネクタ部品用保護キャップ101を介して電気検査器60のプローブ端子61を当接することができるので、このコネクタ部品用保護キャップ101をコネクタ部品103に被せた状態のままで電気検査を行うことができる。この結果、電気検査の作業の効率が向上する。また、このコネクタ部品用保護キャップ101を介して電気検査を行うことができることにより、プリント基板8のコネクタ部品用のランドの周辺に電気検査用の検査端子を設ける必要性がなくなることから、プリント基板8から検査端子を除去することができ、この分、プリント基板を小型化することができる。
【0113】
<コネクタ部品用保護キャップの変形例に適したコネクタ部品の例>
上記に示した雌型のコネクタ部品に適合したコネクタ部品用保護キャップ101を被せるのに適したコネクタ部品について図8に基づいて説明する。
【0114】
コネクタ部品103は、コネクタ部品103は、コネクタ部品本体130と、このコネクタ部品本体130に設けられたコネクタ端子134とから構成されている。コネクタ部品本体130は、半田リフローの加熱によってもの変形しないようにポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂により形成され、その形状は、凹状体とされており、全体としては、コネクタ端子134を配置する枠状の端子配置部131と、その端子配置部131を固定する固定部132により構成されている。
【0115】
そして、端子配置部131には、コネクタ部品用保護キャップ101の凸部112に形成された凹状係合部113と係合するように(図4参照)、その凹部135の内側面135bに凸状係合部133が形成されている。
【0116】
このようなコネクタ部品103は、コネクタ部品用保護キャップ101の凹状係合部113がコネクタ部品103の凸状係合部133に係合してコネクタ部品用保護キャップ101が固定されるので、マウンタによる搬送途中にコネクタ部品用保護キャップ101が外れることもなく、コネクタ部品用保護キャップ101と一体として搬送されうるものとなる。
【0117】
なお、本例のコネクタ部品103は、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ101を被せることが可能なコネクタ部品103の一例であって、本発明に係るコネクタ部品用保護キャップ101を被せることが可能なものは、この例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの概略図であり、図1(A)は正面図であり、図1(B)は底面図であり、図1(C)は側面図である。
【図2】本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図2(A)は正面図であり、図1(B)は底面図であり、図1(C)は側面図である。
【図3】図2に示したコネクタ部品に本発明に係るコネクタ部品用保護キャップを被せた状態を示した概略図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は底面図であり、図3(C)は側面図である。
【図4】プリント基板モジュールの電気検査において、コネクタ部品に被せたコネクタ部品用保護キャップに電気検査器のプローブ端子を当接した状態を示した概略図であり、図4(A)は正面図であり、図4(B)は底面図であり、図4(C)は側面図である。
【図5】複合回路モジュールについて電気検査器を介在させる位置を示した概略図であり、図5(A)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間に電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図であり、図5(B)は、相互に接続する各プリント基板モジュールのコネクタ部品間において、配線コード及び電気検査器を介在させて電気検査を行う方法を示した概略図である。
【図6】1つの基板より複数のプリント基板モジュールを形成したものの概略図である。
【図7】本発明に係るコネクタ部品用保護キャップの変形例の概略図であり、図7(A)は正面図であり、図7(B)は底面図であり、図7(C)は側面図である。
【図8】図7に示したコネクタ部品用保護キャップを被せるのに適したコネクタ部品の概略図であり、図8(A)は正面図であり、図8(B)は底面図であり、図8(C)は側面図である。
【図9】図7に示したコネクタ部品用保護キャップを図8に示したコネクタ部品に被せた状態を示した概略図であり、図9(A)は正面図であり、図9(B)は底面図であり、図9(C)は側面図である。
【図10】プリント基板に実装されるコネクタ部品及びこのコネクタ部品に被せられるキャップの斜視図である。
【図11】コネクタ部品を搭載するためのランドの概略図である。
【符号の説明】
【0119】
1、101 コネクタ部品用保護キャップ
3、103 コネクタ部品
7 プリント基板モジュール
8 プリント基板
9 配線コード
10、110 保護キャップ本体
20、120 接続端子
21、121 電極部
22、122 当接部
30、130 コネクタ部品本体
31、131 端子配置部
32、132 固定部
34、134 コネクタ端子
60 電気検査器
61 プローブ端子
112 凸部
135 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ部品をプリント基板に溶着するのに先立って該コネクタ部品に被せられる保護キャップであって、
前記コネクタ部品の少なくともコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体と、一端が電極部として該保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部として前記保護キャップ本体の内面に前記コネクタ端子に対応して設けられてなる接続端子と、を備えることを特徴とするコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項2】
前記接続端子の電極部の面積は、前記コネクタ端子の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項3】
前記接続端子それぞれは、前記保護キャップ本体に対して個別に遊動可能に設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項4】
前記接続端子は、弾性が付与された形状とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項5】
前記保護キャップ本体は、その上面を平坦とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項6】
前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品と係合する係合手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項7】
前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品に被せた状態において常時前記コネクタ部品との間に隙間が確保される形状とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項8】
前記プリント基板を半田リフローに投入する前に、請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せておくことを特徴とするコネクタ部品の半田実装方法。
【請求項9】
コネクタ部品をプリント基板に実装するコネクタ部品の実装方法であって、
請求項5乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せ、このコネクタ部品用保護キャップに実装装置の吸着ノズルを吸着させてプリンタ基板上に搬送し、コネクタ部品をプリント基板に実装することを特徴とするコネクタ部品の実装方法。
【請求項10】
プリント基板に実装されたコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行うプリント基板モジュールの検査方法であって、
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記電気検査器のプローブ端子を前記コネクタ部品用保護キャップの前記接続端子に当接させて電気検査を行うことを特徴とするプリント基板モジュールの検査方法。
【請求項11】
複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記接続コードに代えて電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする複合回路モジュールの検査方法。
【請求項12】
複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品及び接続コードを介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、このコネクタ部品とこれと接続する前記接続コードとの間に前記電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする複合回路モジュールの検査方法。
【請求項1】
コネクタ部品をプリント基板に溶着するのに先立って該コネクタ部品に被せられる保護キャップであって、
前記コネクタ部品の少なくともコネクタ端子が存する面を覆う保護キャップ本体と、一端が電極部として該保護キャップ本体の外面に設けられる一方、他端が当接部として前記保護キャップ本体の内面に前記コネクタ端子に対応して設けられてなる接続端子と、を備えることを特徴とするコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項2】
前記接続端子の電極部の面積は、前記コネクタ端子の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項3】
前記接続端子それぞれは、前記保護キャップ本体に対して個別に遊動可能に設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項4】
前記接続端子は、弾性が付与された形状とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項5】
前記保護キャップ本体は、その上面を平坦とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項6】
前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品と係合する係合手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項7】
前記保護キャップ本体は、前記コネクタ部品に被せた状態において常時前記コネクタ部品との間に隙間が確保される形状とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップ。
【請求項8】
前記プリント基板を半田リフローに投入する前に、請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せておくことを特徴とするコネクタ部品の半田実装方法。
【請求項9】
コネクタ部品をプリント基板に実装するコネクタ部品の実装方法であって、
請求項5乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せ、このコネクタ部品用保護キャップに実装装置の吸着ノズルを吸着させてプリンタ基板上に搬送し、コネクタ部品をプリント基板に実装することを特徴とするコネクタ部品の実装方法。
【請求項10】
プリント基板に実装されたコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行うプリント基板モジュールの検査方法であって、
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記電気検査器のプローブ端子を前記コネクタ部品用保護キャップの前記接続端子に当接させて電気検査を行うことを特徴とするプリント基板モジュールの検査方法。
【請求項11】
複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品を介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、前記接続コードに代えて電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする複合回路モジュールの検査方法。
【請求項12】
複数のプリント基板モジュール同士が其々のコネクタ部品及び接続コードを介して接続されてなる複合回路モジュールについて、各プリント基板モジュールのコネクタ部品及び接続コードを介して電気検査器により電気検査を行う複合回路モジュールの検査方法であって、
請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコネクタ部品用保護キャップをコネクタ部品に被せた状態で、このコネクタ部品とこれと接続する前記接続コードとの間に前記電気検査器を介在させて電気検査を行うことを特徴とする複合回路モジュールの検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−117671(P2008−117671A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300587(P2006−300587)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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