説明

サービス提供システム、サービス提供装置、サービス提供方法、及びサービス提供用プログラム

【課題】サービス待ち時間を短縮させる。
【解決手段】監視サーバ40は、駆けつけ協力者現在位置記憶部403に記憶された駆けつけ協力者現在位置情報に係る位置についての、校区内における配置密度を配置密度計算部413により計算する。そして、その配置密度と、地図情報記憶部410に記憶された地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように再配置位置を駆けつけ協力者再配置位置決定部415により決定する。そして、駆けつけ協力者現在位置情報に係る位置から再配置位置までの誘導経路を決定する。また、配置密度と、地図情報、児童現在位置情報とに基づいて、児童のいる位置から目的地位置までの経路として、配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者が、同サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に対して、サービス提供者によるサービスを提供するためのサービス提供に係る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者が、同サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に対して、サービス提供者によるサービスを提供するための技術が知られている。例えば、危険な状況に遭った場合や遭いそうになった場合等の有事にヘルプ電波を送信できるキッズ端末を児童に携帯させ、有事の際にキッズ端末から送信されたヘルプIDをセンタ装置に受信させ、センタ装置が登録された地域ボランティアのうち出動可能なボランティアの携帯する一般端末に対して通報を行う近隣セキュリティシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、危険が迫った際に発報ボタンを押下して発報信号を送信できるGPS位置検知機能搭載の携帯機を児童に携帯させ、有事の際にその携帯機から送信された発報信号をセンタ装置に受信させ、センタ装置が携帯機の位置情報から近隣の登録救済者に対して緊急メールを送信し、この緊急メールを受信した登録救済者に現場に駆けつけさせる防犯システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−243002号公報
【特許文献2】特開2006−11695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような提供サービスにおいては、サービス享受者及び各サービス受任者ともに移動することが前提であるため、サービス享受者と各サービス受任者との距離関係は時間的に変動することになる。よって、曜日や時間帯によって各サービス受任者の位置はサービスエリアにおいて偏在傾向になったり、その偏在の仕方にも変化を生じたりすることが想定される。この場合、サービス享受者のサービス受任者からのサービス待ち時間が大きく変動することになり、提供サービスの質を保証できなくなる。特に、即応性が要求される提供サービス、例えば、前述したような近隣セキュリティシステムや防犯システムにおいて、サービス待ち時間が大きく変動することは、児童をいち早く保護すべき場面においては大きな問題となる。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者が、同サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に対してサービスを提供する場合において、サービス享受者のサービス受任者からのサービス待ち時間を短縮することのできる、サービス提供システム、サービス提供装置、サービス提供方法、及びサービス提供用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]−[12]の手段を提供するものである。
[1] サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおいて、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末は、
位置を測位する測位手段と、
前記測位された位置に係る位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する位置情報送信手段と、
誘導経路データを受信して誘導経路を提示させる提示手段と、
を備え、
前記サービス提供装置は、
前記送信された位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定手段と、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成手段と、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供システム。
[2] サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおいて、
前記サービス享受者用携帯端末は、
位置を測位する第1の測位手段と、
前記測位された位置に係る第1の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第1の位置情報送信手段と、
迂回経路データを受信して迂回経路を提示させる提示手段と、
を備え、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末は、
位置を測位する第2の測位手段と、
前記測位された位置に係る第2の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第2の位置情報送信手段と、
を備え、
前記サービス提供装置は、
前記送信された第1の位置情報を受信して記憶する第1の位置情報記憶手段と、
前記送信された第2の位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する第2の位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報を記憶する目的地記憶手段と、
前記第2の位置情報記憶手段に記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報と、前記目的地記憶手段に記憶された目的地位置情報と、前記第1の位置情報記憶手段に記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成手段と、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供システム。
[3] 前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末は、
サービス受任者のサービス対応の可否を決定させるサービス対応決定手段と、
前記決定されたサービス対応の可否に係るサービス可否情報を送信するサービス可否情報送信手段と、
をさらに備え、
前記サービス提供装置は、
前記送信されたサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶するサービス可否情報記憶手段
をさらに備え、
前記配置密度計算手段は、
前記サービス可否情報記憶手段に記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算する
ようにしたことを特徴とする上記[1]又は[2]記載のサービス提供システム。
[4] サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された各位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定手段と、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成手段と、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供装置。
[5] サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末から送信された第1の位置情報を受信して記憶する第1の位置情報記憶手段と、
前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された第2の位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する第2の位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報を記憶する目的地記憶手段と、
前記第2の位置情報記憶手段に記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報と、前記目的地記憶手段に記憶された目的地位置情報と、前記第1の位置情報記憶手段に記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成手段と、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供装置。
[6] 前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末から送信された、サービス受任者のサービス対応の可否に係るサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶するサービス可否情報記憶手段
をさらに備え、
前記配置密度計算手段は、
前記サービス可否情報記憶手段に記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算する
ようにしたことを特徴とする上記[4]又は[5]記載のサービス提供装置。
[7] サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおけるサービス提供方法において、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末が、
位置を測位する測位ステップと、
前記測位された位置に係る位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する位置情報送信ステップと、
を有し、
前記サービス提供装置が、
前記送信された位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する位置情報記憶ステップと、
前記記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定ステップと、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成ステップと、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信ステップと、
を有し、
前記再配置されるべきサービス受任者用携帯端末が、
前記送信された誘導経路データを受信して誘導経路を提示する提示ステップと、
を有したサービス提供方法。
[8] サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおけるサービス提供方法において、
前記サービス享受者用携帯端末が、
位置を測位する第1の測位ステップと、
前記測位された位置に係る第1の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第1の位置情報送信ステップと、
を有する一方、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末が、
位置を測位する第2の測位ステップと、
前記測位された位置に係る第2の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第2の位置情報送信ステップと、
を有し、
前記サービス提供装置が、
前記送信された第1及び第2の位置情報を受信して記憶する位置情報記憶ステップと、
前記記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報と、目的地記憶手段に記憶された前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報と、前記記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成ステップと、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信ステップと、
を有し、
前記サービス享受者用携帯端末が、
前記送信された迂回経路データを受信して迂回経路を提示する提示ステップと、
を有したサービス提供方法。
[9] 前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末が、
サービス受任者により決定されたサービス対応の可否に係るサービス可否情報を送信するサービス可否情報送信ステップをさらに有し、
前記サービス提供装置が、
前記送信されたサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶するサービス可否情報記憶ステップをさらに有し、
前記配置密度計算ステップが、
前記記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算する
ようにしたことを特徴とする上記[7]又は[8]記載のサービス提供方法。
[10] コンピュータに、
サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された各位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶ステップと、
前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定ステップと、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成ステップと、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信ステップと、
を実行させるためのサービス提供用プログラム。
[11] コンピュータに、
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末から送信された第1の位置情報と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された第2の位置情報とを受信して位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶ステップと、
前記位置情報記憶手段に記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報と、目的地記憶手段に記憶された前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報と、前記位置情報記憶手段に記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成ステップと、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信ステップと、
を実行させるためのサービス提供用プログラム。
[12] 前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末から送信された、サービス受任者のサービス対応の可否に係るサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとにサービス可否情報記憶手段に記憶させるサービス可否情報記憶ステップ
をさらに有し、
前記配置密度計算ステップは、
前記サービス可否情報記憶手段に記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算するように
前記コンピュータを実行させるための上記[10]又は[11]記載のサービス提供用プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者が、同サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に対してサービスを提供する場合において、サービス享受者のサービス受任者からのサービス待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態であるサービス提供システムを適用した駆けつけサービス提供システムの概略の全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態において児童に携帯させるGPS携帯電話機の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態において駆けつけ協力者に携帯させるGPS携帯電話機の機能ブロック図である。
【図4】駆けつけ可能条件記憶部に記憶される駆けつけ可能条件情報のデータの例である。
【図5】本発明の実施形態における監視サーバの機能ブロック図である。
【図6】児童現在位置記憶部に記憶される児童現在位置情報のデータの例である。
【図7】駆けつけ協力者現在位置記憶部に記憶される駆けつけ協力者現在位置情報のデータの例である。
【図8】ICタグアンテナ位置記憶部に記憶されるICタグアンテナ位置情報のデータの例である。
【図9】進入禁止区域記憶部に記憶される進入禁止区域情報のデータの例である。
【図10】駆けつけ可否情報記憶部に記憶された駆けつけ可否情報のデータの例である。
【図11】児童関連情報記憶部に記憶される児童関連情報及び児童画像情報のデータの例である。
【図12】地図情報記憶部に記憶される地図情報のデータの例である。
【図13】駆けつけ協力者情報記憶部に記憶される駆けつけ協力者情報のデータの例である。
【図14】児童に携帯させるGPS携帯電話機で測位された現在位置情報を、監視サーバに登録する処理のフローチャートである。
【図15】駆けつけ協力者に携帯させるGPS携帯電話機で測位された現在位置情報を、監視サーバに登録する処理のフローチャートである。
【図16】駆けつけ協力者に携帯させるGPS携帯電話機の駆けつけ対応可否の現在設定状態の設定処理、及び現在設定状態の監視サーバへの登録処理についてのフローチャートである。
【図17】駆けつけ協力を依頼すべき駆けつけ協力者の選定処理、及び選定された駆けつけ協力者への駆けつけ依頼メールの送信処理についてのフローチャートである。
【図18】駆けつけ協力者に携帯させるGPS携帯電話機が受信する駆けつけ依頼メールの表示例である。
【図19】駆けつけ協力者移動依頼処理のフローチャートである。
【図20】駆けつけ協力者の再配置位置が決定される様子を模式的に示した図(第1,第2段階)である。
【図21】駆けつけ協力者の再配置位置が決定される様子を模式的に示した図(第3,第4段階)である。
【図22】駆けつけ協力者の再配置位置が決定される様子を模式的に示した図(第5段階)である。
【図23】駆けつけ協力者に携帯させるGPS携帯電話機が受信する駆けつけ協力者移動依頼メールの表示例である。
【図24】迂回経路案内処理のフローチャートである。
【図25】児童の下校時にGPS携帯電話機が受信する迂回経路案内メールの表示例である。
【図26】児童の登校時にGPS携帯電話機が受信する迂回経路案内メールの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、サービスエリア内に移動可能に存在するサービス受任者が、同サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に対して、サービス提供者によるサービスを提供するサービス提供システムについて説明する。そして特に、複数のサービス受任者のサービスエリア内における配置密度を均一化させたり、サービス享受者をサービスエリア内のサービス受任者の配置密度の高い地域に誘導したりして、サービス享受者のサービス受任者からのサービス待ち時間を短縮する手段と方法について説明する。
【0011】
より具体的には、本実施形態では、校区内(サービスエリア)に存在する駆けつけ協力者(サービス受任者)が、校区内で登下校する児童(サービス享受者)に対して、自治体や企業等(サービス提供者)による駆けつけサービスを提供する駆けつけサービス提供システムについて説明する。この駆けつけサービス提供システムが提供する駆けつけサービスは、自治体や企業等と児童の保護者との間で駆けつけサービスの契約がなされるものである。駆けつけ協力者は、例えば、校区内の地元住民等のボランティアであり、児童の保護者に代わって又は保護者に協力して、保護すべき児童のもとに駆けつける役割を受任したものとすることができる。
【0012】
この駆けつけサービス提供システムでは、GPS(Global Positioning System)携帯電話機を携帯して登下校する児童と、GPS携帯電話機を携帯する複数の駆けつけ協力者とのそれぞれの現在位置情報を監視サーバに取得させておく。そして、登下校する児童が危険な場所や立入禁止区域等の進入禁止区域に進入すると、監視サーバは、児童の現在位置情報と予め登録してある進入禁止区域の位置情報とを比較することによって、児童の進入禁止区域への進入を検知する。そして、監視サーバは、校区内に存在する駆けつけ協力者の中から駆けつけを依頼すべき駆けつけ協力者を選定し、その選定された駆けつけ協力者に対して当該児童がいる場所への駆けつけを電子メールによって依頼する。
【0013】
この駆けつけサービス提供システムにおいて、監視サーバは、校区内に存在する駆けつけ協力者の配置密度を計算することによって、その配置密度が均一化されるように駆けつけ協力者を誘導させたり、登下校する児童を駆けつけ協力者の配置密度の高い地域を通らせるように誘導させたりして、駆けつけ協力者の駆けつけ時間、すなわちサービス享受者のサービス受任者からのサービス待ち時間を短縮させることを特徴とするものである。以下、この駆けつけサービス提供システムについて詳細に説明する。
【0014】
図1に、本実施形態であるサービス提供システムを適用した駆けつけサービス提供システムの概略の全体構成図を示す。同図において、サービス提供者が運用する駆けつけサービスシステム1は、サービス享受者である児童に携帯させるGPS機能付き携帯電話機であるGPS携帯電話機(サービス享受者用携帯端末)10及びICタグ60と、サービス受任者である複数の駆けつけ協力者それぞれに携帯させるGPS携帯電話機(サービス受任者用携帯端末)20とを含んでいる。なお、同図においては、説明の便宜上、複数の駆けつけ協力者のうちGPS携帯電話機20−1,20−2をそれぞれ携帯した二人の駆けつけ協力者のみを図示している。
【0015】
ICタグ60は電池及び発信器を内蔵したアクティブタグ方式のものであり、これを携帯する児童の児童IDが、内蔵の記憶部に記憶されている。
【0016】
また、駆けつけサービスシステム1は、GPS携帯電話機10,20との間で移動体通信を行う携帯電話網30と、駆けつけサービスシステム1全体を制御する監視サーバ(サービス提供装置)40と、ICタグコントローラ80とをネットワーク50を介してそれぞれ接続したネットワークシステムを含んでいる。携帯電話網30は、携帯基地局やネットワーク50と接続するためのゲートウェイを含んでいる。
【0017】
ICタグコントローラ80には、サービスエリアである校区内にある進入禁止区域に設置された複数のICタグアンテナ70が接続されている。なお、図1においては、説明の便宜上、2つのICタグアンテナ70−1,70−2のみを図示している。ICタグアンテナ70は、ICタグ60から発信される電波の受信可能なエリアが、進入禁止区域をカバーするように設置されることが望ましい。同図は、ICタグアンテナ70−1を、その電波受信エリアE1が高圧線の鉄塔が建っている高圧線鉄塔領域をカバーするように設置し、ICタグアンテナ70−2を、その電波受信エリアE2が用水池領域をカバーするように設置した例である。ICタグコントローラ80は、ICタグ60から発信された電波をICタグアンテナ70で受信すると、児童IDを検出してICタグアンテナ70に割りあてたICタグアンテナIDとともにネットワーク50に送信する機能を有する。
【0018】
図2に、児童に携帯させるGPS携帯電話機10の機能ブロック図を示す。同図において、GPS携帯電話機10は、GPS衛星からの到来電波を受信するGPS受信部110と、GPS受信部110で受信された電波に基づいて、GPS携帯電話機10の現在位置情報である緯度・経度を計算する測位部120と、携帯電話網30との間で移動体通信を行う通信部130と、電話機能を有する電話機能部140と、電子メール機能を有するメール機能部150と、GPS携帯電話機10全体を制御する制御部160とを備えている。測位部120は、制御部160に任意に設定された時間間隔(例えば、5分から30分間隔)に測位し、通信部130はそのつど現在位置情報を送信する。
【0019】
図3に、駆けつけ協力者に携帯させるGPS携帯電話機20の機能ブロック図を示す。同図において、GPS携帯電話機20は、GPS衛星からの到来電波を受信するGPS受信部210と、GPS受信部210で受信された電波に基づいてGPS携帯電話機20の現在位置情報である緯度・経度を計算する測位部220と、携帯電話網30との間で移動体通信を行う通信部230と、電話機能を有する電話機能部240と、電子メール機能を有するメール機能部250と、当該GPS携帯電話機20を携帯する駆けつけ協力者(所持者)のサービス可否情報である駆けつけ対応可否の現在設定状態(対応可/対応否)を記憶する現在設定状態記憶部260と、所持者の操作により駆けつけ対応可否を選択的に入力(対応可/対応否:ON/OFF)してその入力状態を内部のメモリに記憶する駆けつけ可否選択部270と、所持者の駆けつけ可能条件情報を記憶する駆けつけ可能条件記憶部280と、GPS携帯電話機20全体を制御する制御部290とを備えている。
【0020】
測位部220は、制御部290に任意に設定された時間間隔(例えば、5分から30分間隔)に測位し、通信部230はそのつど現在位置情報を送信する。駆けつけ可否選択部270の駆けつけ対応可否を選択させる操作系は、制御部290が携帯電話機制御プログラムを実行することによるソフト的なON/OFFスイッチでもよいし、特定の操作ボタンにその機能を割り当てるようにしてもよい。駆けつけ可否選択部270は、現在設定状態記憶部260に記憶された現在設定状態と、駆けつけ可能条件記憶部280に記憶された駆けつけ可能条件情報と、測位部220から供給された現在位置情報と、制御部290から供給された現在時刻と、操作系より入力された駆けつけ対応可否の入力状態とに基づいて、現在設定状態記憶部260の現在設定状態を設定し、その現在設定状態を通信部230から送信させる。
【0021】
駆けつけ可能条件情報とは、駆けつけ可否選択部270のメモリに記憶された入力状態がOFFである場合であっても、所持者の駆けつけ対応が可能である地理的条件若しくは時間的条件、又はその両方の条件をいう。図4に、駆けつけ可能条件記憶部280に記憶される駆けつけ可能条件情報のデータの例を示す。同図に示した駆けつけ可能条件情報において、1行目のデータである「Anywhere」,「8:00−10:00」は、「所持者である駆けつけ協力者が校区内のどこにいても、8:00から10:00までの時間内であれば駆けつけ対応がとれる」ことを意味している。3行目のデータである「N0,E0」,「100」,「16:00−20:00」は、「所持者である駆けつけ協力者が、緯度:N0,経度:E0を中心とした半径100mの範囲内にいる場合であって、且つ16:00から20:00までの時間内であれば駆けつけ対応がとれる」ことを意味している。4行目のデータである「N1,E1」,「100」,「Anytime」は、「所持者である駆けつけ協力者が、緯度:N1,経度:E1を中心とした半径100mの範囲内にいる場合であれば、いつでも駆けつけ対応がとれる」ことを意味している。
【0022】
次に、図5に監視サーバ40の機能ブロック図を示す。同図において、監視サーバ40は、ネットワークインターフェイス部(ネットワークI/F部)401と、児童現在位置記憶部402と、駆けつけ協力者現在位置記憶部403と、ICタグアンテナ位置記憶部404と、進入禁止区域記憶部405と、進入禁止区域進入判定部406と、駆けつけ可否情報記憶部407と、駆けつけ協力者選定部408と、児童関連情報記憶部409と、地図情報記憶部410と、駆けつけ協力者情報記憶部411と、駆けつけ依頼メール生成部412と、配置密度計算部413と、迂回経路検索部414と、駆けつけ協力者再配置位置決定部415と、誘導経路検索部416と、迂回経路案内メール生成部417と、駆けつけ協力者移動依頼メール生成部418とを備えている。
【0023】
ネットワークI/F部401は、ネットワーク50との通信インターフェイス部であり、ネットワーク50及び携帯電話網30を介したGPS携帯電話機10,20とのパケット通信や、ネットワーク50を介したICタグコントローラとのパケット通信を行う。児童現在位置記憶部402は、GPS携帯電話機10から送信されて携帯電話網30及びネットワーク50を介してネットワークI/F部401で受信したパケット化された現在位置情報を、パケットの送信元を示す情報に関連づけて予め保持している児童IDに関連づけて、児童現在位置情報として記憶する。図6に、児童現在位置記憶部402に記憶される児童現在位置情報のデータの例を示す。駆けつけ協力者現在位置記憶部403は、GPS携帯電話機20から送信されて携帯電話網30及びネットワーク50を介してネットワークI/F部401で受信したパケット化された現在位置情報を、パケットの送信元を示す情報に関連づけて予め保持している駆けつけ協力者IDに関連づけて、駆けつけ協力者現在位置情報として記憶する。図7に、駆けつけ協力者現在位置記憶部403に記憶される駆けつけ協力者現在位置情報のデータの例を示す。
【0024】
ICタグアンテナ位置記憶部404は、進入禁止区域に設置されているICタグアンテナ70のアンテナ位置情報である緯度・経度を、ICタグアンテナIDに関連づけてICタグアンテナ位置情報として記憶する。図8に、ICタグアンテナ位置記憶部404に記憶されるICタグアンテナ位置情報のデータの例を示す。進入禁止区域記憶部405は、進入禁止区域の場所を特定するための位置関連情報を、進入禁止区域IDに関連づけて進入禁止区域情報として記憶する。図9に、進入禁止区域記憶部405に記憶される進入禁止区域情報のデータの例を示す。同図において、位置関連情報は、進入禁止区域ごとに、その中心位置を示す緯度・経度と、中心位置からの半径の距離とで示されている。
【0025】
進入禁止区域進入判定部406は、サービス享受者である児童が進入禁止区域内にいるか否か(進入したか否か)を判定し、児童が進入禁止区域内にいる(進入した)と判定した場合は、当該児童の児童IDと児童の現在位置である現在位置情報とを出力する。その判定の方法としては、GPSによる座標系を用いる方法と、ICタグを用いる方法との2つの方法がある。これらの方法の具体的内容については、後に記載する動作説明の欄において説明する。
【0026】
駆けつけ可否情報記憶部407は、GPS携帯電話機20から送信されて携帯電話網30及びネットワーク50を介してネットワークI/F部401で受信したパケット化された現在設定状態を、パケットの送信元を示す情報に関連づけて予め保持している駆けつけ協力者IDに関連づけて、駆けつけ可否情報として記憶する。図10に、駆けつけ可否情報記憶部407に記憶された駆けつけ可否情報のデータの例を示す。
【0027】
駆けつけ協力者選定部408は、進入禁止区域進入判定部406から、児童IDと児童の現在位置情報とが供給されると、駆けつけ協力者現在位置記憶部403と駆けつけ可否情報記憶部407とを参照し、後述する所定の選定基準に応じて駆けつけを依頼すべき駆けつけ協力者の駆けつけ協力者IDを選定し、児童ID及び児童の現在位置情報とともに出力する。
【0028】
児童関連情報記憶部409は、サービス享受者である児童全員についての児童関連情報と児童画像情報とを記憶する。図11に、児童関連情報記憶部409に記憶される児童関連情報及び児童画像情報のデータの例を示す。同図(a)は児童関連情報の例である。これにおいて、「学校ID」は児童が通学している学校を識別するIDであり、「警察署ID」は学校又は児童の住所を所轄する警察署を識別するIDである。また、同図(b)は児童画像情報の例であり、児童の顔写真をJPEG画像にしている。
【0029】
地図情報記憶部410は、サービス享受者である児童全員についての地図情報を記憶する。図12に、地図情報記憶部410に記憶される地図情報のデータの例を示す。同図において、地図情報は、児童ごとに、自宅及び学校の場所を含む地図の「地図データ」と、自宅と学校とを結ぶ標準の登下校の経路(ルート)である「標準登下校経路」とを含んでいる。なお、「標準登下校経路」には目的地である自宅又は学校の位置情報(目的地位置情報)が含まれている。
【0030】
駆けつけ協力者情報記憶部411は、サービス受任者である駆け付け協力者全員と、児童が通学している学校と、学校を所轄している所轄警察署とについての駆けつけ協力者情報を記憶する。図13に、駆けつけ協力者情報記憶部411に記憶される駆けつけ協力者情報のデータの例を示す。
【0031】
なお、上述した児童関連情報記憶部409に記憶される児童関連情報と、駆けつけ協力者情報記憶部411に記憶される駆けつけ協力者情報とは個人情報を含むため、これらの情報を、秘匿性を保つために暗号化したり、改竄を検出するためにハッシュ化したりして記憶することが好ましい。
【0032】
駆けつけ依頼メール生成部412は、駆けつけ協力者に対する駆けつけを依頼するためのメールに、保護すべき児童の顔写真と地図画像とを添付した駆けつけ依頼メールを生成して、ネットワークI/F部401から送信させる。また、駆けつけ依頼メール生成部412は、学校/所轄警察署に対する緊急連絡メールを生成して、ネットワークI/F部401から送信させることもできる。
【0033】
配置密度計算部413は、サービスエリアである校区を複数のブロックに分割し、全ブロックについての駆けつけ協力者の配置密度を計算する。具体的な計算方法については後述する。迂回経路検索部414は、配置密度計算部413で計算された駆けつけ協力者の配置密度と、地図情報記憶部410に記憶された地図情報と、児童現在位置情報記憶部402に記憶された児童現在位置情報とに基づいて、児童の標準登下校経路が駆けつけ協力者の配置密度の低いエリアを通ることを検知した場合に、そのエリアを迂回する迂回経路を検索して決定する。そして、迂回経路付地図データを生成する。
【0034】
駆けつけ協力者再配置位置決定部415は、配置密度計算部413で計算された駆けつけ協力者の配置密度と、駆けつけ可否情報記憶部407に記憶された駆けつけ可否情報と、地図情報記憶部410に記憶された地図データとに基づいて、駆けつけ協力者の配置密度の偏在が少なくなるように、駆けつけ対応可能な駆けつけ協力者の再配置位置を決定する。誘導経路検索部416は、駆けつけ協力者再配置位置決定部415で決定された再配置位置と、地図情報記憶部410に記憶された地図情報とに基づいて再配置位置までの誘導経路を検索して決定し、誘導経路付地図データを生成する。
【0035】
迂回経路案内メール生成部417は、迂回経路検索部414から供給された迂回経路付地図データと、児童関連情報記憶部409に記憶された児童関連情報とに基づいて、迂回経路案内メールを生成してネットワークI/F部401から送信させる。駆けつけ協力者移動依頼メール生成部418は、誘導経路検索部416から供給された誘導経路付地図データと、駆けつけ協力者情報記憶部411に記憶された駆けつけ協力者情報とに基づいて、駆けつけ協力者移動依頼メールを生成してネットワークI/F部401から送信させる。
【0036】
次に、本実施形態であるサービス提供システムを適用した駆けつけサービス提供システム1の主要な動作について、駆けつけ依頼処理と、駆けつけ協力者移動依頼処理と、迂回経路案内処理とに分けて説明する。
【0037】
[駆けつけ依頼処理の動作説明]
図14に、GPS携帯電話機10で測位された現在位置情報を、監視サーバ40に登録する処理のフローチャートを示す。同図において、GPS携帯電話機10のGPS受信部110がGPS衛星からの到来電波を受信すると(S11)、測位部120は受信電波と受信時刻とに基づいてGPS携帯電話機10の位置を計算し、緯度・経度に係る値である現在位置情報を生成する(S12)。通信部130は、現在位置情報をパケット化して携帯電話網30に対して送信する(S13)。そして、制御部160は任意に設定された時間を計測してステップS11の処理に戻る(S14)。一方、監視サーバ40では、ネットワークI/F部401が現在位置情報の含まれたパケットを受信すると(S15)、そのパケットに含まれた現在位置情報を、パケットの送信元を示す情報に関連づけて予め保持している児童IDに関連づけて児童現在位置記憶部402の児童現在位置情報に更新記憶する(S16)。
【0038】
図15に、GPS携帯電話機20で測位された現在位置情報を、監視サーバ40に登録する処理のフローチャートを示す。同図において、GPS携帯電話機20のGPS受信部210がGPS衛星からの到来電波を受信すると(S21)、測位部220は受信電波と受信時刻とに基づいてGPS携帯電話機20の位置を計算し、緯度・経度に係る値である現在位置情報を生成する(S22)。通信部230は、現在位置情報をパケット化して携帯電話網30に対して送信する(S23)。そして、制御部290は任意に設定された時間を計測してステップS21の処理に戻る(S24)。一方、監視サーバ40では、ネットワークI/F部401が現在位置情報の含まれたパケットを受信すると(S25)、そのパケットに含まれた現在位置情報を、パケットの送信元を示す情報に関連づけて予め保持している駆けつけ協力者IDに関連づけて駆けつけ協力者現在位置記憶部403の駆けつけ協力者現在位置情報に更新記憶する(S26)。
【0039】
このようにして、GPS携帯電話機10,20はそれぞれの現在位置を監視サーバ40に定期的に登録しておく。
【0040】
次に、GPS携帯電話機20の駆けつけ対応可否の現在設定状態の設定処理、及び現在設定状態の監視サーバ40への登録処理について説明する。これらの処理の概要は以下のとおりである。GPS携帯電話機20の駆けつけ可否選択部270は、所持者である駆けつけ協力者の駆けつけ対応がとれるかどうかの状況に応じて選択的に切替えられるスイッチの入力状態(ON/OFF)を保持する。そして、その保持された状態がONである場合は駆けつけ対応は可能であると確定する。一方、保持された状態がOFFである場合は、駆けつけ可能条件記憶部280に記憶された駆けつけ可能条件情報と照合して、所定の駆けつけ可能条件に合致する場合についても駆けつけ対応は可能であると確定し、駆けつけ可能条件に合致しない場合は、駆けつけ対応は不可であると確定する。そして、確定結果を現在設定状態記憶部260に記憶された現在設定状態と比較して異なっている場合のみそれを更新する。そして、現在設定状態を監視サーバ40に送信して、駆けつけ可否情報記憶部407を更新記憶させる。
【0041】
より具体的な例として、図16にGPS携帯電話機20の駆けつけ対応可否の現在設定状態の設定処理、及び現在設定状態の監視サーバ40への登録処理についてのフローチャートを示して説明する。同図において、GPS携帯電話機20の駆けつけ可否選択部270は、所持者からの駆けつけ対応可否の入力を受付ける(S31)。そして、駆けつけ可否選択部270は、保持した入力状態(ON/OFF)を確認する(S32)。
【0042】
そして、駆けつけ可否選択部270は、確認した状態がONである場合は(S32 ON)、現在設定状態記憶部260に記憶された現在設定状態と比較し(S33)、その現在設定状態が対応否である場合は(S33 対応否)、対応可に設定を変更する(S34)。一方、ステップS32の処理において、駆けつけ可否選択部270は、確認した状態がOFFである場合は(S32 OFF)、駆けつけ可能条件記憶部280に記憶された駆けつけ可能条件情報を参照し、測位部220から供給される現在位置情報が、参照した駆けつけ可能条件情報の中の位置及び半径で示される領域内にあるか否かを判定(地理的条件の判定)する(S35)。そして、駆けつけ可否選択部270は、領域内にあると判定した場合(S35 OK)は、制御部290から供給される現在時刻が、参照した駆けつけ可能条件情報の中の時間帯に入っているか否かを判定(時間的条件の判定)する(S36)。
【0043】
そして、駆けつけ可否選択部270は、現在時刻が時間帯に入っていると判定した場合は(S36 OK)、前述したステップS33の処理に移行する。地理的条件及び時間的条件のいずれにも合致しない場合(ステップS35 NG及びステップS36 NG)は、駆けつけ可否選択部270は、現在設定状態記憶部260に記憶された現在設定状態と比較し(S37)、その現在設定状態が対応可である場合は(S37 対応可)、対応否に設定を変更する(S38)。
【0044】
ステップS33の処理の結果、現在設定状態が対応可である場合(S33 対応可)と、ステップS34の処理の後と、ステップS37の処理の結果、現在設定状態が対応否である場合(S37 対応否)と、ステップS38の処理の後とにおいて、通信部230は、現在設定状態記憶部260に記憶された現在設定状態をパケット化して携帯電話網30に対して送信する(S39)。以降、ステップS31−S39の処理を繰返して実行する。
【0045】
一方、監視サーバ40では、ネットワークI/F部401が現在設定状態の含まれたパケットを受信すると(S41)、そのパケットに含まれた現在設定状態を、パケットの送信元を示す情報に関連づけて予め保持している駆けつけ協力者IDに関連づけて、駆けつけ可否情報として駆けつけ可否情報記憶部407に記憶する(S42)。
【0046】
次に、図17に駆けつけ協力を依頼すべき駆けつけ協力者の選定処理、及び選定された駆けつけ協力者への駆けつけ依頼メールの送信処理についてのフローチャートを示す。同図において、監視サーバ40の進入禁止区域進入判定部406は、サービス享受者である児童が進入禁止区域記憶部405に記憶された進入禁止区域情報で示される進入禁止区域内にいるか否か(進入したか否か)の判定を行い(S101)、児童が進入禁止区域内にいる(進入した)と判定した場合は(S102 YES)、当該児童の児童IDと児童の現在位置情報とを出力する。これらの処理として、具体的には次の2とおりの方法がある。
【0047】
<第1の方法>
進入禁止区域進入判定部406は、児童現在位置記憶部402に記憶された児童現在位置情報の現在位置が、進入禁止区域記憶部405に記憶された進入禁止区域情報で示される進入禁止区域内に入っているか否かを判定し、入っていると判定した場合に、児童現在位置記憶部402から該当する児童現在位置情報を読み出して出力する。この方法は、児童がICタグ60を携帯していない場合や、駆けつけサービスシステム1がICタグ60を用いた児童の監視手段を備えていない場合に適用することができる。また、この方法によれば、半径50mを超えるような比較的広い進入禁止区域への児童の進入の検知を行うことができる。
【0048】
<第2の方法>
進入禁止区域進入判定部406は、ICタグコントローラ80から送信されてネットワークI/F部401で受信したパケット化された児童ID及びICタグアンテナIDからこれらのIDを取り込むと、ICタグ60を携帯した児童が進入禁止区域内に進入したと判定する。そして、進入禁止区域進入判定部406は、ICタグアンテナ位置記憶部404に記憶されたICタグアンテナ位置情報を参照して該当するアンテナ位置を読み出し、この位置を児童の現在位置情報として児童IDとともに出力する。この方法は、ICタグ60を携帯した児童が進入禁止区域をカバーしているICタグアンテナ70の電波受信エリアE1,E2に入った場合、直ちに児童IDが監視サーバ40に対して報知されるため、進入禁止区域進入判定部406の即応的な検知が可能である。また、ICタグアンテナ70がICタグ60から発信される電波の受信可能なエリアが進入禁止区域をカバーするように設置されている場合は、児童の進入禁止区域への進入を精度良く検知することができる。
【0049】
図17の説明に戻り、児童が進入禁止区域内にいると判定された場合は(S102 YES)、駆けつけ協力者選定部408は、進入禁止区域進入判定部406から供給された児童の現在位置情報を用いて、駆けつけ協力者現在位置記憶部403に記憶された駆けつけ協力者現在位置情報から、児童の現在位置と駆けつけ協力者の現在位置との距離の短い順に駆けつけ協力者現在位置情報を検索する(S103)。次に、駆けつけ協力者選定部408は、距離の短い順に駆けつけ可否情報記憶部407の駆けつけ可否情報を参照し、駆けつけを依頼すべき駆けつけ協力者の人数が予め設定した候補人数になるまで、現在設定状態が対応可である駆けつけ協力者IDを抽出し、進入禁止区域進入判定部406から供給された児童ID及び児童の現在位置情報とともに駆けつけ依頼メール生成部412に出力する。そして、駆けつけ依頼メール生成部412は駆けつけ依頼メールを生成してネットワークI/F部401から送信させる(S104−S110)。
【0050】
ステップS106の処理においては、駆けつけ依頼メール生成部412は、駆けつけ協力者ID、児童ID、及び児童の現在位置情報を受信するたびに、児童関連情報記憶部409から、該当する児童IDに関連づけられた児童関連情報と児童画像情報とを読出す。そして、駆けつけ協力者情報記憶部411から、該当する駆けつけ協力者IDに関連づけられた駆けつけ協力者情報を読み出す。そして、地図情報記憶部410から、該当する児童IDに関連づけられた地図データを読み出す。さらに、誘導経路検索部416に対して、児童の現在位置情報と駆けつけ協力者の現在位置情報とを供給し、その応答としての経路情報を取得する。次に、駆けつけ依頼メール生成部412は、これらの取得した情報に基づいて駆けつけ依頼メールを生成して、ネットワークI/F部401から送信させる。
【0051】
送信された駆けつけ依頼メールをGPS携帯電話機20が受信すると、メール機能部250は駆けつけ依頼メールを表示する。図18に、GPS携帯電話機20が受信する駆けつけ依頼メールの表示の例を示す。同図(a)は受信メールのヘッダ部及びメール本文の文面の例である。この図より明らかなように、駆けつけ依頼メールには、地図画像のファイルと、保護すべき児童の顔画像のファイルとが添付されている。そして、メール本文には、児童関連情報記憶部409に記憶された児童関連情報の児童指名、児童携帯電話番号、保護者氏名、保護者携帯電話番号、及び保護者携帯電話メールアドレスが記載されている。
【0052】
また、同図(b)は地図画像を模式的に表した例である。同図(b)の地図画像1801には、経路情報である、駆けつけ協力依頼メールを受信した駆けつけ協力者の現在地を示す位置マークM1と、保護すべき児童の現在地を示す位置マークM2と、これらを結ぶ経路R1とが重畳されて表されている。なお、実際の地図画像には、道路、建物、目標物等の地図情報が表されるが、ここでは省略している。
【0053】
図17の説明に戻り、駆けつけ協力者選定部408は、駆けつけを依頼すべき駆けつけ協力者の人数が候補人数に満たなかった場合は(S110 NO)、緊急連絡情報を、児童ID及び児童の現在位置情報とともに駆けつけ依頼メール生成部412に出力する。そして駆けつけ依頼メール生成部412は、緊急連絡情報の受信に応じて学校や所轄警察署に対する緊急連絡を知らせるための緊急連絡メールを生成し、ネットワークI/F部401から送信させる(S111)。駆けつけ依頼メール生成部412は、児童IDをキーとして児童関連情報から学校ID及び警察署IDを取得し、学校IDや警察署IDをキーとして駆けつけ協力者情報から学校や所轄警察署の連絡先の情報を取得することができる。
【0054】
なお、学校や所轄警察署への連絡手段としては、上記の緊急連絡メールの送信だけでなく、例えば、駆けつけサービスシステム側に設けた自動電話発呼装置から学校や所轄警察署に対して自動的に電話をかけ、相手側が電話に出たことを検知したら、駆けつけサービスシステム側のオペレータが電話対応に出るという方式をとることができる。また、自動電話発呼装置に加えて合成音声発声装置を設け、駆けつけサービスシステム側にオペレータを置かずに相手側に緊急連絡のアナウンスを自動的に行うという方式をとることもできる。
【0055】
[駆けつけ協力者移動依頼処理の動作説明]
図19に、駆けつけ協力者移動依頼処理のフローチャートを示す。同図において、配置密度計算部413は、サービスエリアである校区を複数のブロックに分割する。そして、駆けつけ協力者現在位置記憶部403に記憶された駆けつけ協力者現在位置情報を読み出して、各駆けつけ協力者の現在位置に基づいて全ブロックについての駆けつけ協力者の配置密度を計算する(S201)。
【0056】
ここで、配置密度の計算方法について説明する。本実施形態では、モンテカルロ法を適用して配置密度を計算する方法について示す。
[1]サービスエリア内にサービス受任者がi箇所(i=0,1,2,・・・)存在する場合を想定する。
(a)サービスエリア内の任意の格子点(x,y)が、i箇所のサービス受任者のうち少なくとも1箇所からサービスを享受できる確率をS(x,y)で表す。そして、全ての格子点(x,y)についてS(x,y)=0とする。
(b)i番目のサービス受任者Vがサービス可能距離rを半径とする円内の格子点にサービスを提供できる確率をQで表し、サービスを提供する機会の確率密度分布に従った乱数とする。
(c)サービスエリア内の任意に格子点(x,y)が、i番目のサービス受任者Vからサービスを享受できる確率をP(x,y)で表して次の値をとる。
(i)((x,y)までの距離)≦rとなる(x,y)について
【0057】
【数1】

【0058】
(ii)((x,y)までの距離)>rとなる(x,y)について
【0059】
【数2】

【0060】
[2]i番目のサービス受任者Vを配置し(i=1,2,3,・・・)、全ての格子点(x,y)で以下の数式3よりS(x,y)を計算する。
【0061】
【数3】

【0062】
[3]サービス受任者Viの位置(x,y)からサービス可能距離rを半径とする領域がサービスエリアを超える場合は、サービス領域はトーラス形をしているものと考える。
[4]min(S(x,y))が一定以上となった時点で計算を終了する。配置したサービス受任者数iをサービスエリアの面積で除算して単位面積あたりのサービス受任者の配置密度とする。
【0063】
図19の説明に戻り、駆けつけ協力者再配置位置決定部415は、配置密度計算部413で計算された駆けつけ協力者の配置密度と、駆けつけ可否情報記憶部407に記憶された駆けつけ可否情報と、地図情報記憶部410に記憶された地図データとに基づいて、駆けつけ協力者の配置密度の偏在が少なくなるように駆けつけ協力者の再配置位置を決定する(S202−S207)。
【0064】
図20−図22に、ステップS202からステップS207までの処理を実行することによって駆けつけ協力者の再配置位置が決定される様子を、順を追って模式的に示す。図20(a)から図22までの各模式図は、再配置の第1段階から第5段階までに対応している。まず、図20(a)は再配置の第1段階であり、C=69人の駆けつけ対応可能(現在設定状態が「対応可」)である駆けつけ協力者が、B=36個のブロックに分割されたサービスエリアに存在する様子を示している。この例の場合、69/36の除算結果を四捨五入してa=2,b=1が算出されるため、各ブロックに2人の駆けつけ協力者が存在するブロックが確定される(同図(a)において網掛けになっているブロック)。
【0065】
図20(b)は第2段階であり、駆けつけ協力者の人数を距離d=1離れたブロックと調整可能な場所を検索し、調整の結果駆けつけ協力者の人数が2人となったブロックを確定する。同図(b)において、網掛けの丸印が調整前の位置であり、矢印で示された先の丸印が調整後の位置である。図21(a)は第3段階であり、駆けつけ協力者の人数を距離d=2離れたブロックと調整可能な場所を検索し、調整の結果駆けつけ協力者の人数が2人となったブロックを確定する。同図(a)において、斜めの移動の距離については、距離d=横:1+縦:1=2と数える。同図(b)は第4段階であり、駆けつけ協力者の人数を距離d=3離れたブロックと調整可能な場所を検索し、調整の結果駆けつけ協力者の人数が2人となったブロックを確定する。図22は、第5段階であり、全てのブロックについて2人又は1人の駆けつけ協力者が再配置されたので処理を終了する。これにより、同図は、69人の駆けつけ協力者を配置密度が平均化されるようにして再配置した結果の様子を示している。
【0066】
なお、サービスエリアの中に、明らかに人間が立ち入ることのできない場所がある場合、その場所に対応するブロックについては、再配置の対象ブロックから除外しておくことが好ましい。例えば、サービスエリアに海域が含まれる場合に、海に対応するブロックについては、配置密度が0である場合に確定するようにすればよい。
【0067】
図19の説明に戻り、誘導経路検索部416は、駆けつけ協力者再配置位置決定部415で決定された再配置位置と、地図情報記憶部410に記憶された地図情報とに基づいて、移動を必要とする駆けつけ協力者の誘導先位置までの誘導経路を検索して決定する。そして、誘導経路付地図データを生成する(S208)。次に、駆けつけ協力者移動依頼メール生成部418は、駆けつけ協力者移動依頼メールを生成してネットワークI/F部401から送信させる(S209)。
【0068】
送信された駆けつけ協力者移動依頼メールをGPS携帯電話機20が受信すると、メール機能部250は駆けつけ協力者移動依頼メールを表示する。図23に、GPS携帯電話機20が受信する駆けつけ協力者移動依頼メールの表示の例を示す。同図(a)は受信メールのヘッダ部及びメール本文の文面の例である。この図より明らかなように、駆けつけ依頼メールには地図画像のファイルが添付されている。同図(b)は誘導経路付地図データである地図画像を模式的に表した例である。同図(b)の地図画像2301には、経路情報である、駆けつけ協力者移動依頼メールを受信した駆けつけ協力者の現在地を示す位置マークM3と、移動させたい位置を示す位置マークM4と、これらを結ぶ誘導経路R2とが重畳されて表されている。なお、実際の地図画像には、道路、建物、目標物等の地図情報が表されるが、ここでは省略している。
【0069】
[迂回経路案内処理の動作説明]
図24に、迂回経路案内処理のフローチャートを示す。同図において、配置密度計算部413は、サービスエリアである校区を複数のブロックに分割する。そして、駆けつけ協力者現在位置記憶部403に記憶された駆けつけ協力者現在位置情報を読み出して、各駆けつけ協力者の現在位置に基づいて全てのブロックについての駆けつけ協力者の配置密度を計算する(S301)。配置密度の計算方法は、前述の駆けつけ協力者移動依頼処理の説明における計算方法と同一である。
【0070】
次に、迂回経路検索部414は、各ブロックについて配置密度を確認して配置密度が所定の閾値よりも低いブロックを回避場所リストに格納する(S302−S306)。次に、迂回経路検索部414は、児童現在位置記憶部402から児童現在位置情報を読み出し、地図情報記憶部410の地図情報を参照して標準登下校経路を取得する。そして、取得した時刻が登校時間帯(例えば、7:00−10:00)にあるならば目的地を学校に設定し、下校時間帯(12:00−18:00)にあるならば目的地を自宅に設定する。そして、迂回経路検索部414は、児童の現在位置と目的地と回避場所リストの情報とに基づいて、回避場所リストに含まれるブロックに対応する場所を通らずに、現在位置から目的地に到達する迂回経路を地図データから検索して決定する。そして、迂回経路付地図データを生成する(S308)。次に、迂回経路案内メール生成部417は、迂回経路案内メールを生成してネットワークI/F部401から送信させる(S309)。
【0071】
送信された迂回経路案内メールをGPS携帯電話機10が受信すると、メール機能部150は迂回経路案内メールを表示する。図25に、児童の下校時にGPS携帯電話機10が受信する迂回経路案内メールの表示例を示す。同図(a)は受信メールのヘッダ部及びメール本文の文面の例である。この図より明らかなように、迂回経路案内メールには地図画像のファイルが添付されている。同図(b)は迂回経路付地図データである地図画像を模式的に表した例である。同図(b)の地図画像2501には、経路情報である、迂回経路案内メールを受信した児童の現在地を示す位置マークM5と、自宅の位置を示す位置マークM6と、これらを結ぶ迂回経路R3とが重畳されて表されている。
【0072】
また、図26に、児童の登校時にGPS携帯電話機10が受信する迂回経路案内メールの表示例を示す。同図(a)は受信メールのヘッダ部及びメール本文の文面の例である。この図より明らかなように、迂回経路案内メールには地図画像のファイルが添付されている。同図(b)は迂回経路付地図データである地図画像を模式的に表した例である。同図(b)の地図画像2601には、経路情報である、迂回経路案内メールを受信した児童の現在地を示す位置マークM7と、学校の位置を示す位置マークM8と、これらを結ぶ迂回経路R4とが重畳されて表されている。なお、図5(b)及び図6(b)とも実際の地図画像には、道路、建物、目標物等の地図情報が表されるが、ここでは省略している。
【0073】
以上説明したとおり、本発明の実施形態における駆けつけ依頼処理によれば、監視サーバは、駆けつけ協力者の駆けつけ対応可否の状態を把握しておき、児童が進入禁止区域内に立ち入ったことを検出した際に、駆けつけ対応可能な駆けつけ協力者に対して、距離の近い順に駆けつけ依頼メールを配信する。よって、動的に変動する駆けつけ協力者の駆けつけ対応可否の状況に応じた即応性の高い駆けつけ依頼を行うことができる。
【0074】
また、本実施形態における駆けつけ協力者移動依頼処理によれば、校区内に駆けつけ協力者を、偏在を少なくして分散させることが可能となり、有事の際に駆けつけ協力者が児童のもとに駆けつける時間の短縮を図ることができる。
【0075】
さらに、本実施形態における迂回経路案内処理によれば、児童を校区内の駆けつけ協力者の配置密度が低い場所を避けて登下校させることができるため、有事の際に駆けつけ協力者が児童のもとに駆けつける時間の短縮を図ることができる。
【0076】
なお、本実施形態における駆けつけ依頼処理、駆けつけ協力者移動依頼処理、及び迂回経路案内処理の各処理において、監視サーバは、経路情報を重畳した地図情報を電子メールに添付して送信する例について説明した。その他の変形例として、監視サーバは、地図情報のない経路情報をGPS携帯電話機に送信し、これを受信したGPS携帯電話機が、自機が地図情報サーバ等から別途取得した地図データに経路情報を重畳させて表示させるようにしてもよい。また、GPS携帯電話機が、経路情報を音声合成処理によって音声案内するようにしてもよい。さらには、GPS測位機能と連動させることにより、自機の表示部に、経路情報にしたがって進むべき方向を矢印等の表示指示によって誘導/迂回指示させるようにしてもよい。
【0077】
また、上述した実施形態であるサービス提供システムの一部、例えば、監視サーバの機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、その監視サーバを実現するためのサービス提供用プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたサービス提供用プログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0078】
また、本実施形態であるサービス提供システムは、駆けつけサービス提供システム以外に、例えば、所轄管内(サービスエリア)に存在する警察官(サービス受任者)が、所轄管内の住人(サービス享受者)に対して、緊急対応サービスを提供する緊急対応サービス提供システムに適用できる。
【0079】
また、本実施形態であるサービス提供システムは、タクシー営業を展開している地域(サービスエリア)を走行タクシー(サービス受任者)が、地域のタクシー利用者(サービス享受者)に対して、タクシー配車サービスを提供するタクシー配車サービス提供システムに適用できる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 駆けつけサービスシステム
10,20−1,20−2 GPS携帯電話機
30 携帯電話網
40 監視サーバ
50 ネットワーク
60 ICタグ
70−1,70−2 ICタグアンテナ
80 ICタグコントローラ
110,210 GPS受信部
120,220 測位部
130,230 通信部
140,240 電話機能部
150,250 メール機能部
160,290 制御部
260 現在設定状態記憶部
270 駆けつけ可否選択部
280 駆けつけ可能条件記憶部
401 ネットワークインターフェイス部
402 児童現在位置記憶部
403 駆けつけ協力者現在位置記憶部
404 ICタグアンテナ位置記憶部
405 進入禁止区域記憶部
406 進入禁止区域進入判定部
407 駆けつけ可否情報記憶部
408 駆けつけ協力者選定部
409 児童関連情報記憶部
410 地図情報記憶部
411 駆けつけ協力者情報記憶部
412 駆けつけ依頼メール生成部
413 配置密度計算部
414 迂回経路検索部
415 駆けつけ協力者再配置位置決定部
416 誘導経路検索部
417 迂回経路案内メール生成部
418 駆けつけ協力者移動依頼メール生成部
E1,E2 電波受信エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおいて、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末は、
位置を測位する測位手段と、
前記測位された位置に係る位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する位置情報送信手段と、
誘導経路データを受信して誘導経路を提示させる提示手段と、
を備え、
前記サービス提供装置は、
前記送信された位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定手段と、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成手段と、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供システム。
【請求項2】
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおいて、
前記サービス享受者用携帯端末は、
位置を測位する第1の測位手段と、
前記測位された位置に係る第1の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第1の位置情報送信手段と、
迂回経路データを受信して迂回経路を提示させる提示手段と、
を備え、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末は、
位置を測位する第2の測位手段と、
前記測位された位置に係る第2の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第2の位置情報送信手段と、
を備え、
前記サービス提供装置は、
前記送信された第1の位置情報を受信して記憶する第1の位置情報記憶手段と、
前記送信された第2の位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する第2の位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報を記憶する目的地記憶手段と、
前記第2の位置情報記憶手段に記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報と、前記目的地記憶手段に記憶された目的地位置情報と、前記第1の位置情報記憶手段に記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成手段と、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供システム。
【請求項3】
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末は、
サービス受任者のサービス対応の可否を決定させるサービス対応決定手段と、
前記決定されたサービス対応の可否に係るサービス可否情報を送信するサービス可否情報送信手段と、
をさらに備え、
前記サービス提供装置は、
前記送信されたサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶するサービス可否情報記憶手段
をさらに備え、
前記配置密度計算手段は、
前記サービス可否情報記憶手段に記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算する
ようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のサービス提供システム。
【請求項4】
サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された各位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定手段と、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成手段と、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供装置。
【請求項5】
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末から送信された第1の位置情報を受信して記憶する第1の位置情報記憶手段と、
前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された第2の位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する第2の位置情報記憶手段と、
前記サービスエリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報を記憶する目的地記憶手段と、
前記第2の位置情報記憶手段に記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算手段と、
前記計算された配置密度と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報と、前記目的地記憶手段に記憶された目的地位置情報と、前記第1の位置情報記憶手段に記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成手段と、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信手段と、
を備えたサービス提供装置。
【請求項6】
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末から送信された、サービス受任者のサービス対応の可否に係るサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶するサービス可否情報記憶手段
をさらに備え、
前記配置密度計算手段は、
前記サービス可否情報記憶手段に記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算する
ようにしたことを特徴とする請求項4又は5記載のサービス提供装置。
【請求項7】
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおけるサービス提供方法において、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末が、
位置を測位する測位ステップと、
前記測位された位置に係る位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する位置情報送信ステップと、
を有し、
前記サービス提供装置が、
前記送信された位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶する位置情報記憶ステップと、
前記記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定ステップと、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成ステップと、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信ステップと、
を有し、
前記再配置されるべきサービス受任者用携帯端末が、
前記送信された誘導経路データを受信して誘導経路を提示する提示ステップと、
を有したサービス提供方法。
【請求項8】
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末と、サービス提供装置とがネットワークを介して通信接続されるサービス提供システムにおけるサービス提供方法において、
前記サービス享受者用携帯端末が、
位置を測位する第1の測位ステップと、
前記測位された位置に係る第1の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第1の位置情報送信ステップと、
を有する一方、
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末が、
位置を測位する第2の測位ステップと、
前記測位された位置に係る第2の位置情報を前記サービス提供装置に対して送信する第2の位置情報送信ステップと、
を有し、
前記サービス提供装置が、
前記送信された第1及び第2の位置情報を受信して記憶する位置情報記憶ステップと、
前記記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報と、目的地記憶手段に記憶された前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報と、前記記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成ステップと、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信ステップと、
を有し、
前記サービス享受者用携帯端末が、
前記送信された迂回経路データを受信して迂回経路を提示する提示ステップと、
を有したサービス提供方法。
【請求項9】
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末が、
サービス受任者により決定されたサービス対応の可否に係るサービス可否情報を送信するサービス可否情報送信ステップをさらに有し、
前記サービス提供装置が、
前記送信されたサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに記憶するサービス可否情報記憶ステップをさらに有し、
前記配置密度計算ステップが、
前記記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算する
ようにしたことを特徴とする請求項7又は8記載のサービス提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、
サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された各位置情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとに位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶ステップと、
前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報とに基づいて、前記配置密度の偏在が所定の基準よりも少なくなるように前記位置情報に係る位置からの再配置位置を決定する再配置位置決定ステップと、
前記位置情報に係る位置と、前記決定された再配置位置と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、前記位置情報に係る位置から前記再配置位置までの誘導経路データを生成する誘導経路データ生成ステップと、
前記生成された誘導経路データを、再配置されるべきサービス受任者用携帯端末に対して送信する誘導経路データ送信ステップと、
を実行させるためのサービス提供用プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
サービスエリア内に移動可能に存在するサービス享受者に携帯させるサービス享受者用携帯端末から送信された第1の位置情報と、前記サービスエリア内に移動可能に存在する複数のサービス受任者それぞれに携帯させるサービス受任者用携帯端末から送信された第2の位置情報とを受信して位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶ステップと、
前記位置情報記憶手段に記憶された第2の位置情報に係る位置についての、前記サービスエリア内における配置密度を計算する配置密度計算ステップと、
前記計算された配置密度と、地図情報記憶手段に記憶された前記サービスエリアの地図情報と、目的地記憶手段に記憶された前記サービス享受者の前記サービスエリア内の目的地位置に係る目的地位置情報と、前記位置情報記憶手段に記憶された第1の位置情報とに基づいて、前記第1の位置情報に係る位置から前記目的地位置情報に係る目的地位置までの経路として、前記配置密度が所定の基準よりも大きなエリアを通るような迂回経路データを生成する迂回経路データ生成ステップと、
前記生成された迂回経路データを、前記サービス享受者用携帯端末に対して送信する迂回経路データ送信ステップと、
を実行させるためのサービス提供用プログラム。
【請求項12】
前記複数のサービス受任者それぞれに携帯させる各サービス受任者用携帯端末から送信された、サービス受任者のサービス対応の可否に係るサービス可否情報を受信して前記サービス受任者用携帯端末ごとにサービス可否情報記憶手段に記憶させるサービス可否情報記憶ステップ
をさらに有し、
前記配置密度計算ステップは、
前記サービス可否情報記憶手段に記憶されたサービス可否情報がサービス対応可を示す内容であるサービス受任者用携帯端末についての配置密度を計算するように
前記コンピュータを実行させるための請求項10又は11記載のサービス提供用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−271924(P2010−271924A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123253(P2009−123253)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年3月10日 発行の「情報処理学会第71回全国大会 講演論文集」に発表
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】