説明

ショックアブソーバ取付構造

【課題】 シート取付部の部品点数を低減する。
【解決手段】 ボルト58がリヤサイドメンバ44に形成された貫通孔48、50と、フロアパネル24に形成された貫通孔52とを挿通しており、ボルト58がリヤサイドメンバ44とフロアパネル24とに固定されている。ボルト58が挿通されたカラー56の車幅方向内側の突出部56Bが、ショックアブソーバ64の上端部64Aを取付ける部位となっていると共に、ボルト58が挿通されたカラー56の中間部56Aが、リヤシート14のフレーム固定解除手段30の取付部となるストライカ32となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の車両に適用されるショックアブソーバ取付構造に関し、特に、車体に支持された支持軸にショックアブソーバを取付けるショックアブソーバ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体に支持された支持軸にショックアブソーバを取付けたショックアブソーバ取付構造が知られている。例えば、断面コ字状部材から成るサイドメンバの一対の縦壁部に形成された挿通孔を利用して、サイドメンバにショックアブソーバ連結用のブレースを取付けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、リヤサスペンションのリンク取付用ブラケットに、シートベルトのアンカリインフォースを付設し、車体のサイドメンバに挿通されるボルトで、アンカリインフォースとリヤサスペンションのリンク取付用ブラケットとを共締めする構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−59499号公報
【特許文献2】実開昭63−202578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2のショックアブソーバ取付構造では、車体に支持されサイドメンバの上方に配設されるシートの取付構造について考慮されていない。この結果、サイドメンバにおけるシートの取付部位においては、シートを確実に支持できるように別途補強構造を施す必要がある。このため、シート取付部の部品点数が多かった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、シート取付部の部品点数を低減できるショックアブソーバ取付構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明は、車体に支持された支持軸にショックアブソーバを取付けるショックアブソーバ取付構造において、前記支持軸の一部は乗員着座用シートを車体へ取付けるためのシート取付軸であり、前記ショックアブソーバを取付ける支持軸と前記シート取付軸とが共通であることを特徴とする。
【0007】
ショックアブソーバを取付けるための車体に支持された支持軸の一部を、シートを取付けるためのシート取付軸とすることで、ショックアブソーバを取付ける支持軸とシート取付軸とを共通にする。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のショックアブソーバ取付構造において、対向する一対の壁部を有するサイドメンバを有し、前記支持軸が前記対向する一対の壁部を挿通しており、前記対向する一対の壁部の間に位置する前記支持軸の中間部が前記シート取付軸であって、前記対向する一対の壁部の一方から突出した前記支持軸の突出部に前記ショックアブソーバが取付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の内容に加えて、サイドメンバの対向する一対の壁部を挿通する支持軸における一対の壁部の間に位置する中間部が、シートを取付けるためのシート取付軸となる。このため、シート取付軸の軸方向両端部が、サイドメンバの対向する一対の壁部によって支持される。
【0010】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のショックアブソーバ取付構造において、前記支持軸の中間部が、前記支持軸の突出部より車幅方向外側にあることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の内容に加えて、シート取付軸となる支持軸の中間部が、ショックアブソーバが取付けられている支持軸の突出部より車幅方向外側となる。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載のショックアブソーバ取付構造において、前記支持軸の突出部を支持する縦壁部が形成されたフロアパネルを有することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の内容に加えて、フロアパネルの縦壁部によって、サイドメンバの突出部を支持する。
【0014】
請求項5記載の本発明は、請求項4記載のショックアブソーバ取付構造において、前記フロアパネルの縦壁部は、前記シートの下方に形成した物入れ部の縦壁部であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の内容に加えて、フロアパネルにおけるシートの下方に形成した物入れ部の縦壁部を使用して、サイドメンバの対向する一対の壁部の一方から突出した支持軸の突出部を支持する。
【0016】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載のショックアブソーバ取付構造において、前記シートはシートの前部又はシートの後部が前記シート取付軸に対して着脱可能となっていることを特徴とする。
【0017】
請求項1〜5の何れか1項に記載の内容に加えて、シート取付軸が着脱可能なシートのストライカとなる。
【0018】
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載のショックアブソーバ取付構造において、前記支持軸における前記ショックアブソーバを取付ける部位は車室の外側に配設されており、前記シート取付軸は車室の内側に連通した部位に配設されていることを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載の内容に加えて、支持軸におけるショックアブソーバを取付ける部位を車室の外側に配設し、シート取付軸を車室の内側に連通した部位に配設することで、支持軸を配設した部位において、車室の内部と外部とが連通するのを防止する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の本発明は、車体に支持された支持軸にショックアブソーバを取付けるショックアブソーバ取付構造において、支持軸の一部は乗員着座用シートを車体へ取付けるためのシート取付軸であり、ショックアブソーバを取付ける支持軸とシート取付軸とが共通であるため、シート取付部の部品点数を低減できる。
【0021】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のショックアブソーバ取付構造において、対向する一対の壁部を有するサイドメンバを有し、支持軸が対向する一対の壁部を挿通しており、対向する一対の壁部の間に位置する支持軸の中間部がシート取付軸であって、対向する一対の壁部の一方から突出した支持軸の突出部にショックアブソーバが取付けられているため、請求項1記載の効果に加えて、シート取付軸の支持剛性を向上できる。
【0022】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のショックアブソーバ取付構造において、支持軸の中間部が、支持軸の突出部より車幅方向外側にあるため、請求項2記載の効果に加えて、シートにおける車幅方向外側の部位でシートを支持することができる。
【0023】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載のショックアブソーバ取付構造において、支持軸の突出部を支持する縦壁部が形成されたフロアパネルを有するため、請求項3記載の効果に加えて、支持軸におけるショックアブソーバを取付ける突出部の支持剛性を向上できる。
【0024】
請求項5記載の本発明は、請求項4記載のショックアブソーバ取付構造において、フロアパネルの縦壁部は、シートの下方に形成した物入れ部の縦壁部であるため、請求項4記載の効果に加えて、フロアパネルに余分な縦壁部を形成することなくショックアブソーバを取付ける支持軸の突出部の支持剛性を向上できる。
【0025】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載のショックアブソーバ取付構造において、シートはシートの前部又はシートの後部がシート取付軸に対して着脱可能となっているため、請求項1〜5の何れか1項に記載の効果に加えて、シート取付軸を着脱可能なシートのストライカとして使用できる。
【0026】
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載のショックアブソーバ取付構造において、支持軸におけるショックアブソーバを取付ける部位は車室の外側に配設されており、シート取付軸は車室の内側に連通した部位に配設されているため、請求項1に記載の効果に加えて、支持軸を配設した部位において、車室の内部と外部とが連通するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明におけるショックアブソーバ取付構造の一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0028】
なお、図中矢印UPは車体上方方向を示し、図中矢印FRは車体前方方向を示し、図中矢印INは車幅内側方向を示している。
【0029】
図5に示される如く、本実施形態では、自動車車体10の車室内にフロントシート12とリヤシート14とが配設されている。また、リヤシート14のシートクッション16の後部には、シートバック18が、回転軸(リクライニング軸)20を回転中心にして車体前方(図1の矢印A方向)及び車体後方(図1の矢印B方向)へ回転可能に取付けられている。また、回転軸20はシートバック18の下部に車幅方向に沿って配設されており、回転軸20の両端部はシートクッションフレーム22に形成された軸受部22Aに支持されている。なお、シートクッションフレーム22の軸受部22Aは、シートクッションフレーム22の側部22Bの後端上部に形成されている。
【0030】
図2に示される如く、車室床部を構成するフロアパネル24におけるリヤシート14の下方の部位には、車体下方へ向かって凹陥された物入れ25が形成されており、物入れ25の車体上方から見た形状は、車幅方向を長手方向とする矩形状となっている。
【0031】
シートクッションフレーム22の側部22Bの前端下部22Cは軸26に回転可能に軸支されており、シートクッションフレーム22は軸26を回転中心にして車体上方(図2の矢印C方向)及び車体下方(図2の矢印D方向)へ回転可能となっている。また、軸26を支持するブラケット28は、フロアパネル24における物入れ25の前方側となる上壁部24Aの上面に固定されている。
【0032】
図5に示される如く、シートクッションフレーム22の側部22Bの後端下部22Dには、シートクッションフレーム22を図5に示す着座状態に固定すると共に、前記固定を解除するフレーム固定解除手段30が配設されている。
【0033】
図3に示される如く、フレーム固定解除手段30の下方となる部位には、ストライカ32が配設されている。また、フレーム固定解除手段30は、シートクッションフレーム22の側部22Bの後端下部22Dに固定された基部34と、基部34に軸36によって回転可能に軸支されたフック38とを備えており、フック38の下端部38Aがストライカ32の下部に係合するようになっている。また、基部34とフック38とはスプリング40で連結されており、スプリング40は、フック38をストライカ32に係合する方向へ付勢している。また、フック38の上端後部38Bにはワイヤ42が連結されている。なお、ワイヤ42は車体後方へ向かって延設されており、図示を省略した操作部に連結されている。
【0034】
従って、ワイヤ42が連結された操作部を操作することで、スプリング40の付勢力に抗してフック38の上端部38Bを、ワイヤ42を介して後方(図3の矢印E方向)へ移動することができ、これによって、フック38を軸36を中心に上方(図3の矢印F方向)へ回転させることで、図3に二点鎖線で示される如く、フック38とストライカ32との係合を解除できるようになっている。
【0035】
図1に示される如く、フロアパネル24における物入れ25の車幅方向外側床板部24Bの下面側には、車体前後方向に沿ってリヤサイドメンバ44が結合されている。リヤサイドメンバ44の車体前後方向から見た断面形状は、開口部を車体上方へ向けたコ字状になっており、フロアパネル24における物入れ25の車幅方向外側床板部24Bとリヤサイドメンバ44とによって車体前後方向に延びる閉断面部46が形成されている。なお、閉断面部46は車体へ加わる荷重を支持するための車体補強部材となっている。
【0036】
図4に示される如く、フロアパネル24の車幅方向外側床板部24Bは、閉断面部46の天井壁部を構成していると共に、貫通孔47が形成されている。また、フロアパネル24の貫通孔47は車体前後方向を長手方向とする矩形状となっており、図1に示される如く、貫通孔47には、フレーム固定解除手段30の下部が挿入可能となっている。
【0037】
図1に示される如く、リヤサイドメンバ44における対向する一対の車幅方向内側の縦壁部44Aと車幅方向外側の縦壁部44Bには、それぞれ対向する位置に貫通孔48、50が形成されている。また、リヤサイドメンバ44の縦壁部44Aの車幅方向内側にはフロアパネル24における物入れ25の縦壁部としての側壁部24Cが配設されており、側壁部24Cに形成された座部24Dと、リヤサイドメンバ44の縦壁部44Bとが対向配置されている。なお、座部24Dは、フロアパネル24の側壁部24Cの一部を車幅方向外側へ膨出させることで形成されており、座部24Dの底部24Eは垂直壁部となっている。
【0038】
座部24Dの底部24Eには貫通孔52が、貫通孔48、50と同軸的に形成されている。
【0039】
貫通孔48、50には、円筒形のカラー56が挿通しており、カラー56内には、支持軸であるボルト58が車幅方向外側から車幅方向内側へ向かって挿通されている。ボルト58は、貫通孔48、50、52を挿通している。また、ボルト58には車幅方向内側からナット60が螺合しており、ボルト58はリヤサイドメンバ44とフロアパネル24とに固定されている。
【0040】
ボルト58が挿通されたカラー56におけるリヤサイドメンバ44の一対の縦壁部44A、44Bの間に位置する中間部56Aはストライカ32としての役目を有している。また、車幅方向内側の縦壁部44Aから突出したボルト58が挿通されたカラー56の突出部56Bにリヤタイヤ62(図5参照)のショックアブソーバ64の上端部64Aが取付けられている。なお、ショックアブソーバ64の上端部64Aは、クッション効果による振動及び入力荷重の緩和のために、内筒と外筒との間にゴムが充填された構成になっており、ショックアブソーバ64の上端部64A内をカラー56が挿通している。
【0041】
図1に示される如く、ボルト58が挿通されたカラー56におけるストライカ32となる中間部56Aは、ショックアブソーバ64の上端部64Aが取付けられているボルト58が挿通されたカラー56の突出部56Bより車幅方向外側にある。
【0042】
また、ショックアブソーバ64の上端部64Aが取付けられているボルト58が挿通されたカラー56の突出部56Bは、車室69の外側に配設されており、ボルト58が挿通されたカラー56におけるストライカ32となる中間部56Aは、貫通孔47によって車室69の内側に連通した閉断面部46内に配設されている。このため、ボルト58が挿通されたカラー56を配設した部位において、車室69の内部と外部とが連通するのを防止している。
【0043】
図2に示される如く、シートバック18は図示を省略した周知のシート前倒し機構によって図2に実線で示す立ち上がった通常使用位置から回転軸20を中心に、車体前方(図2の矢印A方向)へ回転し、図2に一点鎖線で示される如く、シートクッション16上に前倒しできるようになっている。
【0044】
また、図3に二点鎖線で示すようにフレーム固定解除手段30のフック38とストライカ32との係合を解除することで、リヤシート14は、図2に示される車体前方側の軸26を中心に、車体上方(図2の矢印C方向)へ回転することができ、図2に二点鎖線で示す、前方の格納位置へ移動できるようになっている。
【0045】
フロアパネル24における物入れ25の車幅方向外側床板部24Bの車幅方向外側端部には、ホイルハウスインナ27の車幅方向内側部が結合されており、ホイルハウスインナ27の外周部には径方向外側へ向かってフランジ27Bが形成されている。また、ホイルハウスインナ27のフランジ27Bは、ホイルハウスアウタ70のフランジ70Aに結合されており、ホイルハウスアウタ70のフランジ70Aは、ホイルハウスアウタ70の外周部に径方向外側へ向かって形成されている。なお、図1の符号72は、クォータパネルを示している。
【0046】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0047】
本実施形態では、図1に示される如く、ボルト58がリヤサイドメンバ44の縦壁部44A、44Bに形成した貫通孔48、50と、フロアパネル24の側壁部24Cに設けた座部24Dの底部24Eに形成した貫通孔52とを挿通しており、ボルト58がリヤサイドメンバ44とフロアパネル24とに固定されている。また、ボルト58が挿通されたカラー56の車幅方向内側の突出部56Bが、リヤタイヤ62のショックアブソーバ64の上端部64Aを取付けるための軸となっていると共に、ボルト58が挿通されたカラー56の車幅方向外側の中間部56Aが、リヤシート14のフレーム固定解除手段30の取付部となるストライカ32となっている。
【0048】
この結果、ショックアブソーバ64の上端部64Aを取付ける部位と、ストライカ32の取付部とを別々に補強する必要が無く、部品点数を低減できる。このため、組付け工程を少なくでき生産性を向上できると共に軽量化も可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、リヤサイドメンバ44の縦壁部44A、44Bを挿通するボルト58が挿通されたカラー56における縦壁部44A、44Bの間に位置する中間部56Aが、リヤシート14を取付けるためのストライカ32となる。
【0050】
この結果、フロアパネル24の車幅方向外側床板部24Bの上部にストライカ32が突出しない。このため、リヤシート14とフロアパネル24の車幅方向外側床板部24Bとの間隔を狭くできると共に、フロアパネル24の車幅方向外側床板部24Bをフラットにできる。
【0051】
また、ボルト58が挿通されたストライカ32の軸方向両端部が、リヤサイドメンバ44の縦壁部44A、44Bにそれぞれ支持され、ボルト58が挿通されたストライカ32の支持剛性が高くなる。このため、リヤシート14の支持剛性を向上できる。
【0052】
また、本実施形態では、フロアパネル24の物入れ25の側壁部24Cによって、リヤサイドメンバ44の車幅方向内側の縦壁部44Aから突出したボルト58が挿通されたカラー56を支持する。この結果、ショックアブソーバ64の上端部64Aを取付けるボルト58が挿通されたカラー56の突出部56Bの支持剛性を向上できる。このため、ショックアブソーバ64の支持剛性を向上できる。
【0053】
また、本実施形態では、ストライカ32となるボルト58が挿通されたカラー56の中間部56Aが、ショックアブソーバ64の上端部64Aが取付けられているボルト58が挿通されたカラー56の突出部56Bより車幅方向外側にある。この結果、リヤシート14のシートクッション16における車幅方向外側端部でリヤシート14を支持することができる。このため、リヤシート14のシートクッション16の車幅方向長さを長くできると共に、フロアパネル24の物入れ25の車幅方向長さを長くできる。
【0054】
また、本実施形態では、リヤシート14のフレーム固定解除手段30が、ボルト58が挿通されたカラー56に対して着脱可能であるため、図3に二点鎖線で示される如く、フレーム固定解除手段30のフック38とストライカ32との係合を解除することで、リヤシート14は、図2に示される車体前方側の軸26を中心に、車体上方(図2の矢印C方向)へ回転することができ、図2に二点鎖線で示す、前方の格納位置へ移動できる。
【0055】
また、本実施形態では、フロアパネル24におけるリヤシート14の下方に形成した物入れ部25の側壁部24Cを使用して、リヤサイドメンバ44の縦壁部44Aから突出したボルト58を支持することができる。この結果、フロアパネル24に余分な縦壁部を形成することなくショックアブソーバ64の上端部64Aを取付けるボルト58の支持剛性を向上できる。
【0056】
また、本実施形態では、ショックアブソーバ64の上端部64Aが取付けられているボルト58が挿通されたカラー56の突出部56Bが車室69の外側に配設されており、ボルト58が挿通されたカラー56におけるストライカ32となる中間部56Aが、貫通孔47によって車室69の内側に連通した閉断面部46内に配設されている。この結果、ボルト58が挿通されたカラー56を配設した部位において、車室69の内部と外部とが連通するのを防止している。このため、騒音、埃等が車室69の外部から内部に入るのを防止できる。
【0057】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、支持軸としてのボルト58を円筒形のカラー56に挿通したが、カラー56を省略して支持軸であるボルト58へ直接、ショックアブソーバ64の上端部64Aとリヤシート14を取付けても良い。また、支持軸はボルト58に限定されず、ボルト58に代えて変えて丸棒等の他の構成としても良い。
【0058】
また、上記実施形態では、カラー56の中間部56Aと突出部56Bとが一体となっているが、これに代えて、図6に示される如く、カラー56の突出部56Bを中間部56Aと分割し、カラー56の突出部56Bをショックアブソーバ64の上端部64Aの内筒にした構成としても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、本発明のショックアブソーバ取付構造をリヤシート14に適用したが、本発明のショックアブソーバ取付構造は、リヤシート以外のシート、例えば、フロントシート等の他のシートにおける取付部にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図2の1―1線に沿った拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ取付構造を示す概略側断面図である。
【図3】図1の3―3線に沿った拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ取付構造のフロアパネルを示す車体斜め後方内側から見た斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ取付構造が適用された車体を示す概略側面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るショックアブソーバ取付構造の図1に対応する断面図である。
【符号の説明】
【0061】
14 リヤシート
16 シートクッション
18 シートバック
22 シートクッションフレーム
24 フロアパネル
30 フレーム固定解除手段
32 ストライカ
44 リヤサイドメンバ
44A 車幅方向内側の縦壁部
44B 車幅方向外側の縦壁部
46 閉断面部
48 貫通孔
50 貫通孔
52 貫通孔
56 カラー
56A カラーの中間部
56B カラーの突出部
58 ボルト(支持軸)
60 ナット
64 ショックアブソーバ
69 車室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に支持された支持軸にショックアブソーバを取付けるショックアブソーバ取付構造において、
前記支持軸の一部は乗員着座用シートを車体へ取付けるためのシート取付軸であり、前記ショックアブソーバを取付ける支持軸と前記シート取付軸とが共通であることを特徴とするショックアブソーバ取付構造。
【請求項2】
対向する一対の壁部を有するサイドメンバを有し、前記支持軸が前記対向する一対の壁部を挿通しており、前記対向する一対の壁部の間に位置する前記支持軸の中間部が前記シート取付軸であって、前記対向する一対の壁部の一方から突出した前記支持軸の突出部に前記ショックアブソーバが取付けられていることを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ取付構造。
【請求項3】
前記支持軸の中間部が、前記支持軸の突出部より車幅方向外側にあることを特徴とする請求項2に記載のショックアブソーバ取付構造。
【請求項4】
前記支持軸の突出部を支持する縦壁部が形成されたフロアパネルを有することを特徴とする請求項3に記載のショックアブソーバ取付構造。
【請求項5】
前記フロアパネルの縦壁部は、前記シートの下方に形成した物入れ部の縦壁部であることを特徴とする請求項4に記載のショックアブソーバ取付構造。
【請求項6】
前記シートはシートの前部又はシートの後部が前記シート取付軸に対して着脱可能となっていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のショックアブソーバ取付構造。
【請求項7】
前記支持軸における前記ショックアブソーバを取付ける部位は車室の外側に配設されており、前記シート取付軸は車室の内側に連通した部位に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−44366(P2006−44366A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225743(P2004−225743)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】