説明

スイッチ作動装置およびインターロック機構および画像形成装置

【課題】装置の大型化を招くことなく安定したインターロックスイッチの作動が得られる構成を備えたスイッチ作動装置を提供する。
【解決手段】揺動可能に設けられている第1のレバー部材201と、第1のレバー部材201に揺動支持されて揺動端の一方がスイッチのアクチュエータに対向している第2のレバー部材203と、ドア24,25が閉じられた際に突起24a、25aにより押し動かされることで第1のレバー部材201および第2のレバー部材203を選択的に回動させる第1の作動部204,第2の作動部205を備え、第1,第2の作動部204,205は突起24a、25aの移動方向に沿って回動することで移動ストロークを少なくし、第1,第2のレバー部材201,203との対面接触部がカム形状部204B,205Bとされて突起の移動量のバラツキに関係なく回動の際の感度を維持できる構成とされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ作動装置およびインターロックスイッチ機構および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、インターロックスイッチ作動のための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電源などのオンオフ動作に用いられるスイッチの一つに、開閉態位に応じてオンオフ動作を行うインターロックスイッチがある。
【0003】
インターロックスイッチは、例えば、画像形成装置に設けられる場合がある。
【0004】
画像形成装置としては、複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などが知られており、筐体を構成する壁部の一部がジャム処理やトナー補充あるいは消耗品の交換などのメンテナンス時に開閉される構成が用いられる場合がある。
【0005】
開閉可能な壁部を有する筐体内部には、壁部の開閉動作によりオンオフ動作することで開放された際に装置の電源をオフするインターロック機構が備えられており、その機構には電源に接続されたスイッチが用いられている。
【0006】
一方、画像形成装置には、複数の側壁が設けてあり、それらいずれかの側壁を開閉してメンテナンス作業を行う場合がある。このため、インターロックスイッチ機構は、各側壁に対応させた数を設けることもあるが、このような構成とすると、スイッチの数がむやみに増えてしまう虞がある。
【0007】
従来、このような不具合を解決するために、側壁を構成するドア部材により押圧されて往動可能なレバーを正面の左右に位置する左右ドアにそれぞれ設け、そのレバーが互いに重なる位置には正面側のドアに設けた作動部材が進入することで押圧されるスイッチ作動部材により単一で装備されているインターロックスイッチを作動させる構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0008】
複数の開閉部を対象としたインターロックスイッチの作動機構としては、正面側に位置する2枚の開閉可能なカバーのそれぞれに設けられている突起により押圧されることで互いの係合を解除される一対の回動レバーを設け、予め設定されている閉鎖順序に従い閉鎖された場合に係合が解除された上で後続のカバーを閉じた際に回動レバーの一つが回動できることによりインターロックスイッチを作動させる構成もある(例えば、特許文献2)。
【0009】
ところで、これら各特許文献に開示されている構成では、いずれの場合も開閉部材の開閉順序に従うことで開閉部材全ての閉鎖が行え、この時点でインターロックスイッチがオン動作される。しかし、この順序を間違えたり、無視した場合には、インターロックスイッチのオン動作が行えず、また、その原因が分からないということもある。
【0010】
そこで、このような手順を無視することができる構成も提案されている(例えば、特許文献3)。
【0011】
上記特許文献3には、直角な方向で開閉部材が設けられ、さらにこれら開閉部材を開放した時点で取付が可能な上面部材を備え、上面部材には、直角な方向で開閉する開閉部材のいずれかが閉鎖された際に揺動するリンク部材の揺動を阻止してインターロックスイッチがオン作動されるのを阻止する部材と対向してこれの阻止を解除する解除部材が設けられた構成が開示されている。この構成においては、開閉部材が開放されているときに上面部材を取り付けることで上記解除部材を阻止部材に作用させてリンク部材の揺動を行える状態とし、開閉部材が閉鎖順序を無視して閉鎖された際にリンク部材を揺動させてインターロックスイッチのアクチュエータを押圧することによりスイッチをオン動作させるようになっている。
【0012】
開閉部材の開閉順序を無視してもインターロックスイッチのオン動作が行える構成としては、互いに異なる方向で開閉あるいは移動可能な扉やレバーにより垂直面内で揺動駆動される複数の揺動可能な部材を設け、揺動可能な部材の一方が他方の揺動部材に揺動駆動されることで一方の揺動可能な部材によりインターロックスイッチを作動させる構成も提案されている(例えば、特許文献4)。
【0013】
【特許文献1】特開2001−255792号公報
【特許文献2】特許第362960号
【特許文献3】特許第3754777号
【特許文献4】特開平4−345175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
開閉部材の開閉順序に関係なく両方の開閉部材の閉鎖によりインターロックスイッチをオン作動されるようにした特許文献3記載の構成においては、上面部材に設けられている解除部材がリンク部材の揺動を阻止する部材の阻止を解除することで初めてインターロックスイッチのオン動作を可能にするようになっているが、このためには、上面部材が必須となる。
【0015】
このため、開閉部材の閉鎖順序を決めない代わりに、上面部材という特別な構造部品が必要となるという新たな問題が発生する。つまり、開閉部材の閉鎖状態だけでインターロックスイッチのオン作動を行うようにはなっていない。
【0016】
一方、特許文献3と同じく、互いに異なる方向で開閉あるいは移動可能な扉やレバーにより垂直面内で揺動駆動される複数の揺動可能な部材を備えた特許文献4に開示された構成においては、揺動可能な部材の揺動ストロークに見合う接触面積を有した開閉部材あるいは移動部材を準備する必要がある。つまり、揺動可能な部材の揺動端と対面接触する開閉部材あるいは移動部材は、その対面接触する部分に構成される直線状の接触面の面積が上記の揺動ストロークに見合う面積となる。このため、揺動可能な部材の揺動端と対面接触する部分は、常時異なる面が揺動端と接触することになるので、対向接触する部分の加工精度などの影響により規定する揺動量を設定できなくなる虞や揺動が不安定となったりする虞があり、これによりインターロックスイッチの作動が不安定となるという不具合がある。
【0017】
揺動可能な部材の揺動端と対面接触する部分を有する開閉部材あるいは移動部材はその開閉量や移動量のバラツキによって規定する揺動量を設定できなくなるという虞もある。
【0018】
一方、開閉部材の開閉順序を定めない場合には、不意にスイッチがオフ動作に転じた場合、いずれの開閉部材が開放されているかを確認することが難しいのが現状であった。つまり、開閉順序が規定されている場合には、その順序の最後に閉じられている開閉部材を開閉することによりスイッチのオンオフ動作を確認できるが、開閉順序が規定されていない場合には、いずれの開閉部材であるかを一々開閉して確認する必要があり、次の操作に移るのに手間取るという不具合Aがある。
【0019】
本発明の目的は、上記従来のインターロックスイッチの作動機構における問題に鑑み、装置の大型化を招くことなく安定したインターロックスイッチの作動が得られ、しかも閉じ状態にあるべき開閉部材が不用意に開放されている状態を容易に確認できる構成を備えたスイッチ作動装置およびインターロック機構および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
【0021】
(1)複数の移動体の移動状態に応じてスイッチのオンオフ動作を行わせるための装置であって、
揺動可能に設けられている第1のレバー部材と、
前記第1のレバー部材に支持された支軸を支点として両端が揺動可能に支持され、揺動端の一方がスイッチのアクチュエータに対向している第2のレバー部材と、
前記第2のレバー部材における揺動端の他方に対して接触可能であり、前記移動体の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに向けて揺動させることが可能な第1の作動部と、
前記第1のレバー部材に対向し、該移動体の他の一つが当接した際に前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させるように第1のレバー部材を揺動させることが可能な第2の作動部とを備え、
前記第1のレバー部材が前記移動体の他の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させる状態と、前記第2のレバー部材が前記移動体の一つにより揺動端の一方を前記スイッチのアクチュエータに向け揺動させる状態とを組み合わせることで前記スイッチのアクチュエータを押し動かしてスイッチをオン作動させることを特徴とするスイッチ作動装置。
【0022】
(2)前記第1の作動部が、カム形状を有した回動部材で構成されていることを特徴とする(1)に記載のスイッチ作動装置。
【0023】
(3)前記第1の作動部が、回動中心をと前記カム形状部との相対位置に前記移動体との当接部を備えていることを特徴とする(2)に記載のスイッチ作動装置。
【0024】
(4)前記第1の作動部が、前記第2のレバー部材における揺動端の他方に位置してダンパー機能を有する片部で構成されていることを特徴とする(1)に記載のスイッチ作動装置。
【0025】
(5)前記第2の作動部が、前記移動体の他の一つにより押圧されるに従い前記第1のレバー部材を揺動させる勾配を有した傾斜面を備えていることを特徴とする(1)に記載のスイッチ作動装置。
【0026】
(6)前記第2の作動部が、該第1のレバー部材に一体化され、該第1のレバー部材を付勢する部材が設けられていることを特徴とする(5)に記載のスイッチ作動装置。
【0027】
(7)前記移動体以外の部材が単一構造物に設けられていることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【0028】
(8)前記第1のレバー部材における支点が前記単一構造物から遊離して設けられ、該支点位置には、前記単一構造物により支持されている揺動支点を挟んで両端が揺動可能な第3のレバー部材における揺動端の一方が連結され、該第3のレバー部材における揺動端の他方には前記第2の作動部と同様な構成の第3の作動部が設けられ、該第3の作動部には、増設された移動体が対向当接可能であることを特徴とする(1)に記載のスイッチ作動装置。
【0029】
(9)前記第1の作動部には、移動体との間に配置されたリンク部材が対向可能に設けられ、該リンク部材は、前記第1の作動部が支持されている単一構造物に形成されたガイド部に挿通されて前記第1の作動部に対向可能であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【0030】
(10)前記第1の作動部がカム形状部を有した構成である場合、該第1の作動部に対して移動体の間に配置されたリンク部材がに設けられ、該リンク部材は、前記移動体側に前記カムの揺動軌跡に対応した軌跡上を移動可能な他のリンク部材によりガイドされることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【0031】
(11)前記他のリンク部材は、前記第1の作動部におけるカム形状部と相対する位置に形成された孔部に嵌合する球体部を備えていることを特徴とする(10)に記載のスイッチ作動装置。
【0032】
(12)前記リンク部材および他のリンク部材のうちの少なくとも一つは前記移動体以外の部材が支持されている単一構造物とは別に設けられている他の単一構造物に設けられていることを特徴とする(9)乃至(11)のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【0033】
(13)複数の移動体の移動状態に応じてスイッチのオンオフ動作を行わせるための装置であって、
揺動可能に設けられている第1のレバー部材と、
前記第1のレバー部材に支持された支軸を支点として両端が揺動可能に支持され、揺動端の一方がスイッチのアクチュエータに対向している第2のレバー部材と、
前記第2のレバー部材における揺動端の他方に対して接触可能であり、前記移動体の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに向けて揺動させることが可能な第1の作動部と、
前記第1のレバー部材に対向し、該移動体の他の一つが当接した際に前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させるように第1のレバー部材を揺動させることが可能な第2の作動部とを備え、
前記第1,第2の作動部として、前記移動体の移動方向に沿って回動若しくは揺動可能な部材が用いられ、
前記第1のレバー部材が前記移動体の他の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させる状態と、前記第2のレバー部材が前記移動体の一つにより揺動端の一方を前記スイッチのアクチュエータに向け揺動させる状態とを組み合わせることで前記スイッチのアクチュエータを押し動かしてスイッチをオン作動させることを特徴とするスイッチ作動装置。
【0034】
(14)前記第1,第2の作動部のうちのいずれか回動若しくは揺動軌跡中に前記移動体の移動状態を検知可能なスイッチが設けられていることを特徴とする(13)に記載のスイッチ作動装置。
【0035】
(15)前記第1,第2の作動部における前記第1のレバー部材および第2のレバー部材との対面接触部を円弧面とするカム形状としたことを特徴とする(13)または(14)に記載のスイッチ作動装置。
【0036】
(16)(1)乃至(15)のいずれかに記載のスイッチ作動装置を用いることを特徴とするインターロック機構。
【0037】
(17)前記スイッチ作動装置に設けられているスイッチがドアの開閉状態を検知するドア開閉検知スイッチとして用いられ、該ドア開閉検知スイッチが複数のドアの開閉状態を対象として前記第1のレバー部材および第2のレバー部材により操作されることを特徴とする(16)に記載のインーロック機構。
【0038】
(18)(16)または(17)に記載のインターロック機構を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0039】
(19)前記インターロック機構に用いられるスイッチ作動装置のスイッチが筐体の直交する方向に位置する壁部の開閉状態検知に用いられることを特徴とする(18)に記載の画像形成装置。
【0040】
(20)前記インターロック機構に装備されている第1の作動部および第2の作動部と対向可能な移動体は、装置筐体の開閉可能な側壁に設けられた突起が用いられることを特徴とする(18)に記載の画像形成装置。
【0041】
(21)前記突起は、装置筐体の直角な位置関係を有する側壁に設けられていることを特徴とする(20)に記載の画像形成装置。
【0042】
(22)前記突起の一つは、装置筐体における前面の側壁内の中央若しくは隅部に設けられていることを特徴とする(18)乃至(20)のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、第1のレバー部材が移動体の他の一つにより第2のレバー部材をスイッチのアクチュエータに向け変位させる状態と、第2のレバー部材が移動体の一つにより揺動端の一方をスイッチのアクチュエータに向け変位させる状態とを組み合わせることができる構成であるので、移動体に対応して動作する第1のレバー部材および第2のレバー部材を用いるだけでスイッチのオンオフ動作が設定できる。これにより、特別な手順を要することなく、しかも、移動体以外の部材を敢えて準備しなくてもよいので、スイッチのオンオフ動作のための構成を簡略化することができる。しかも、第1の作動部が第2のレバー部材の揺動端の他方に対して概ね同じ位置で対面接触するようになっており、請求項2,3記載の発明では回転部材であるカム形状を有した構成とするだけで、また請求項4記載の発明においては、ダンパー機能を有した片部とするだけの構成により、対向接触面積を大きくしないで、かつ移動体との対向関係の誤差を吸収することができる。これにより、対向接触面積を大きくした場合に発生しがちな、移動抵抗や加工精度の違いによる不安定なスイッチ作動を解消することができる。
【0044】
請求項5記載の発明においては、第2の作動部が勾配を有する傾斜面で構成されているので、移動体の加工精度などが安定しない場合でも、傾斜面によるレバー部材の押し動かしが確実に行えることでレバー部材によりスイッチの作動を確実に行わせることができる。しかも、傾斜面の向きを変更すると、レバー部材の変位方向とは異なる方向に動作する移動体の動きを利用してレバー部材の揺動へに行わせることもできることになるので、移動体との対向関係を設置位置の状況に応じたものとすることができる。
【0045】
請求項6記載の発明においては、第1のレバー部材と別に第2の作動部が設けられ、第1のレバー部材の初期習性を付与する部材が設けられているので、その習性を付与する部材を用いて対向当接する移動体との間の寸法誤差による当接関係の誤差を抑制することができる。
【0046】
請求項7記載の発明においては、移動体以外の部材が単一構造物により支持されているので、移動体以外の部材を一つのアッセンブリーとして纏める際の組み付け精度が得やすくなり、感度が比較的低くなるものの安価に入手できる検知ゲインの少ないスイッチを用いることが可能となる。
【0047】
請求項8記載の発明においては、第1のレバー部材にさらに別のレバー部材を増設することができ、別のレバー部材は既存のレバー部材と同様な構成を設けることで移動体の数量や移動方向に対応してスイッチのオンオフ動作を行わせることが可能となる。
【0048】
請求項9記載の発明においては、第1の作動部に対向するリンク部材が単一構造物に形成されたガイド部に挿通されているので、挿通部を支点として第1の作動部の動作態位に応じて追随死ながら当接関係を維持することができる。
【0049】
請求項10,11記載の発明においては、カム形状部を有する第1の作動部に対して移動体との間に配置されたリンク部材がカム形状部の揺動軌跡に倣った動作をリンク部材により行うことができるので、移動体に対する作動部の追随性を確保してレバー部材の動作を良好に行わせることができ、スイッチのオンオフ動作を精度良く行うことができる。
【0050】
請求項12記載の発明においては、リンク部材を単一構造物により支持しているのでリンク部材の組み付け精度を確保することができる。
【0051】
さらに請求項13乃至15記載の発明によれば、複数の移動体の移動状態に応じてスイッチのオンオフ動作を行わせるための構成として、各移動体により回動若しくは揺動する第1,第2の作動部を介して第1,第2のレバー部材の回動態位を設定することによりスイッチに対する作動態位と非作動態位とを選択することができ、特に、移動体の移動方向に沿って第1,第2の作動部が摺動ではなく、移動体の移動方向に沿った回動若しくは揺動であるので、摺動構造と違って、作動部の設置スペースや部材のサイズを小型化することができる。
しかも、回動する第1,第2の作動部とこれに対面接触する第1,第2のレバー部材に対面接触する第1,第2の作動部は、カム形状部とされているので、移動体の移動ストロークにバラツキがあっても、回動が可能であれば、第1,第2のレバー部材を動作させることができるので、加工上のバラツキなどの影響を受けることなくスイッチのオンオフ動作を適正に行わせることができる。
【0052】
請求項16乃至22記載の発明においては、インターロック機構を画像形成装置に用いた場合に、装置筐体の壁部に有する突起を移動体として用いることができ、さらに突起により操作される作動体部が摺動などの運動ではなく回転する構成であるので、摺擦などの作用による誤差発生を少なくして単一のスイッチを設けた場合でも動作精度を確保しやすくすることができる。しかも、突起を前面の側壁の内部における中央部に設けることでスイッチ作動時に発生する反力により剛性が低い位置が変形した場合でもスイッチに接触しないようにすることができるので、スイッチの誤動作を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図面に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。 図1は、本発明によるスイッチ作動装置を用いるインターロック機構が適用された画像形成装置の外観図である。
【0054】
図1において、画像形成装置100には、画像形成処理部が内蔵された装置本体100Aの上方に原稿載置台を主要部とする走査部101と、縦方向においてほぼ中央部において内蔵されている画像形成処理部102と、画像形成処理部102の下方において記録シートを積載可能な複数の給紙カセットを有する給紙部103と、縦方向において走査部101と給紙部103との間に形成された空間で構成されるシート排出部104と、走査部101の前面において装置前方に張り出した状態で設けられて操作ボタン105Aや液晶表示部105Bが装備されている操作パネル105とを備えている。
【0055】
装置本体100Aの筐体には、前面およびこの面と直角な側面とにそれぞれ下部を支点として揺動することで開閉可能な前ドア24および右ドア25が設けられており、前ドア24および右ドア25の内側には筐体内に向け突出する突起24a,25aがそれぞれ設けられている。突起24a,25aは、各ドア24,25の開閉動作に連動する移動体として用いられるようになっている。
【0056】
前ドア24に設けてある突起24aは、前ドア24の内側で中央に位置し、右ドア25に設けてある突起25aは、前ドア24側に偏倚した位置に設けられており、これら突起と対向する筐体側には、突起24a,25aを挿入できる開口100A1,100A2が形成されている。
右ドア25の突起に対向している開口100A2は、前ドア24が位置する前側面と隣接して直角な右側面の前側面側の隅部近傍に形成されており、前ドア24側の開口100A1とで囲まれた内部空間に後述するスイッチ作動装置が配置されるようになっている。
【0057】
図2は、スイッチ作動装置の原理構成を説明するための図であり、同図においてスイッチ作動装置200は、次の部材からなる。
支点201Aを中心として垂直面内で揺動可能な第1のレバー部材201と、であるとともに一方向への揺動習性を初期習性として付与されている第1のレバー部材201と、第1のレバー部材の一方端に支持されている支軸201Bを支点として両端が垂直面内で揺動可能に支持され、揺動端の一方がスイッチ202のアクチュエータ202Aに対向している第2のレバー部材203と、第2のレバー部材203における揺動端の他方に対して概ね同じ位置で対面接触可能とされ、移動体の一つ300によりスイッチ202のアクチュエータ202Aに向けて揺動させることが可能な第1の作動部204と、第1のレバー部材201における他方端で符号301で示す移動体の他の一つと対向して、その移動体301が当接した際に第1のレバー部材201を初期習性に抗して第2のレバー部材203を前記スイッチのアクチュエータに接近させるように第1のレバー部材201を揺動させることが可能な第2の作動部205とを備えている。
【0058】
第1のレバー部材201には、初期習性を付与するための部材として圧縮コイルバネなどの弾性体206の一端が掛けられている。この場合の移動体300,301は、それぞれ異なる方向に移動する部材であり、符号300で示す移動体の一つが水平方向に移動し、符号301で示す移動体の他の一つが垂直方向に移動するものを対象としている。(図2中、矢印で示す方向)
弾性体206は、装置筐体の固定部に相当する単一構造物400に取り付けられている支持ブラケット400Pに他端が掛けられることにより、図2において支点201Aを基準として第1のレバー部材201を時計回りに揺動する習性を付与している。
【0059】
第1の作動部204は、カム形状を有した回動部材であり、単一構造物400に支持されている回転軸204Bが挿通されている。
第1の作動部204は、所定半径を持つ円弧部204A1と回転軸204Bを挟んで相対位置で符号300で示す移動体の一つにより押し動かされる当接部204A2とで構成されている。
円弧部204A1は、スイッチ202と対向しない側の第2のレバー部材203の揺動端に当接すると、当接位置を支点として第2のレバー部材203がスイッチ202のアクチュエータ202Aに接近してこれを押し動かす方向に揺動する場合と、回転軸201Bを支点として第2のレバー部材203がスイッチ202のアクチュエータ202Aに接近してこれを押し動かす方向に揺動する場合とを設定できるようになっている。
前者の場合は、符号300で示す移動体の一つによって第1の作動部204の円弧部204A1が第2のレバー部材203の揺動端に当接し、この状態で第1のレバー部材201が符号301で示す移動体の他の一つにより押し動かされるときである。このときには、第1のレバー部材201が第2のレバー部材203をスイッチ202側に接近させる方向に揺動すると第2のレバー部材203の支軸201Bが揺動変位する一方、第2のレバー部材203の揺動端の一方が第1の作動部204の円弧部204A1で移動を阻止されているので、この阻止されている位置を支点として第2のレバー部材203の揺動端の他方がスイッチ202のアクチュエータ202Aに接近してこれを押し動かす方向に揺動する。
【0060】
後者の場合は、第1のレバー部材201が揺動して第2のレバー部材203をスイッチ202側に接近する方向に揺動変位させた後に第1の作動部204が符号300で示す移動体の一つにより押し動かされるときである。このときには、既にスイッチ202側に接近する方向に揺動変位している第2のレバー部材203がその揺動端を第1の作動部204により押圧されると支軸201Bを支点として第2のレバー部材203の揺動端の他方をスイッチ202のアクチュエータ202Aに接近してこれが押し動かされる方向に揺動させる。
【0061】
カム形状部204Aにおける円弧部204A1は、その周長方向の一端が常に第2のレバー部材203の揺動端の一方と対峙するように、回転軸204Bに巻かれた巻きバネなどの弾性体204Cにより付勢されている。これにより、カム形状部204Aは、第2のレバー部材203の揺動端の一方の表面でストロークが発生する摺動ではなく回転するだけであるので、その表面に対して概ね同じ位置で対面接触していることができる。
【0062】
弾性体204Cは、円弧部204A1の位置決めに加え、符号300で示す移動体の一つが異常な移動ストロークが発生した場合に、ねじり変化によりストロークの過剰分を吸収するダンパー機能を有している。
【0063】
一方、第2の作動部205は、第1のレバー部材201において第2のレバー部材203が位置する端部と反対側に位置し、符号300で示す移動体の一つにより押し動かされることで第2のレバー部材203がスイッチ202に接近する方向に第1のレバー部材201を揺動させるようになっている。
【0064】
本実施例は以上のような構成であるので、符号300および301で示す移動体の一つあるいは他の一つのいずれが先に移動した場合でも、両方の移動体の移動状態が単一のスイッチ202のオン動作により検知される。
つまり、第2のレバー部材203は、第1の作動部204の円弧部204A1が揺動端の一方に当接している場合、第1のレバー部材201が揺動した際にその揺動端に位置する支軸201Bの位置が変化する。このとき、支軸201Bの位置変化と共に第2のレバー部材203が揺動しようとするが、揺動端の一方を第1の作動部204によって係止されているので、支軸201Bを支点として係止されている側と反対側の揺動端がスイッチ202のアクチュエータ202Aを押し動かす方向に揺動する。
【0065】
従って、符号300,301で示す移動体の移動に対応して第1のレバー部材201が揺動したときあるいは第1のレバー部材201が揺動し終わっているとき、第1の作動部204と第2のレバー部材203との当接関係により第2のレバー部材203によるスイッチ202のオン動作が行えることになる。
【0066】
以上のような実施例においては、異なる方向での移動を行う複数の移動体の動作状態を一つのスイッチで検知することができることになり、しかも、これら移動体により押し動かされるレバー部材同士は係止構造などがないので、係止解除のための構成などを不要にすることができる。
【0067】
さらに、第1の作動部204が第2のレバー部材203に対して回転接触しているので、摺動接触と違って摺動部での加工精度の変化によりスイッチのアクチュエータを作動させるストロークが変化してスイッチの動作が不安定となることを未然に防止できる。なお、移動体に関しては、上記実施例のような直角方向の動作に限ることなく同じ方向での動作を対象とすることもできる。この構成については、図3において説明する。また、第1のレバー201および第2のレバー部材203は、自身に防備されている支点を挟んで両端が揺動する構成であるが、これに限らず、一端側に支点を設けて揺動部材により第1のレバー部材201あるいは第2のレバー部材203の中央部を押圧する構成としてもよい。
さらに、第1のレバー部材201は弾性体206により初期習性を付与される構成に限らず、自重を利用して一方向への初期習性を付与されている構成とすることも可能である。また、上記実施例においては、第2のレバー部材203に対して第1の作動部204が回動した際の周面接触を対象として第2のレバー部材203を揺動させることにより、第1の作動部204に対する第2のレバー部材203での接触位置が同じであるが、これに限らず、異なる位置で接触する構成とするようにしてもよい。
【0068】
次に、本構成の要部に関する変形例について説明する。
図3に示す構成は、移動体の構成と第1の作動部の構成が異なっている。
図3に示す移動体のうちで符号300’で示す移動体は、移動体300と同じ方向である、垂直方向に移動する部材であり、また、移動体の一つ300’に押し動かされる第1の作動部204’は、第2のレバー部材203に設けられた支軸203Aにより基端を支持されている揺動可能な片部で構成されている。
第1の作動部204’に有する支軸203Aには、移動体の一つ300’からのストロークにより第2のレバー部材203がスイッチのアクチュエータ202Aを押し動かすに足るストローク以上となった場合にその過剰ストロークをねじり変化により吸収することができる巻きバネなどの弾性体204C’が設けられている。
【0069】
従って、過剰ストロークにより移動体の一つ300’が第1の作動部204’に当接した場合には、スイッチ202のアクチュエータ202Aを押し動かすに足るストローク分だけ第2のレバー部材203が揺動するとそれ以上の揺動の代わりに第1の作動部204’が下方に向け変位し、第2のレバー部材203が過剰な揺動ストロークで揺動しないようになっている。これにより、スイッチ202のアクチュエータ202Aが過剰に押し込まれる事態を防止されることになる。
【0070】
図4は、図2に示した構成を対象として第2の作動部に関する変形例を示す図である。
【0071】
同図において、第2の作動部205’は、第1のレバー201の揺動端の一つに回転支持された支軸205A’に基端が支持されて回動可能な片部材であり、符号301で示す移動体の他の一つに対向する面を有している。
【0072】
第2の作動部205’に用いられる片部材は、その一部と第1のレバー部材201との間に掛けられたバネなどの弾性体206’を備えており、この弾性体206’を用いたことにより、図2および図3において示した第1の作動部204,204’における弾性体と同様に第3のレバー部材205’にダンパー機能を持たせてある。
【0073】
図5は、図4に示した第2の作動部205’の変形例を示す図であるが、この場合の移動体は、符号300で示す移動体の一つと同様に水平方向に移動する部材が用いられ、移動体同士は、水平面内で直角な方向で移動するようになっている。
同図において、第2の作動部205’には、符号301’で示す移動体の他の一つが進入してくる側の面に傾斜面205B’が構成されている。
傾斜面205B’は、符号301’で示す移動体の他の一つによって押圧される第1のレバー部材201を初期習性に抗して揺動させることができる勾配を有している。
【0074】
この構成においては、移動体の加工精度などが安定しない場合でも、傾斜面205B’による第1のレバー部材201の押し動かしが確実に行えることで第2のレバー部材203を確実に揺動させるようにしてスイッチ202の作動を確実に行わせることができる。しかも、傾斜面205B’の向きを変更すると、第1のレバー部材の変位方向とは異なる方向に動作する移動体の動きを利用してレバー部材の揺動変位を行わせることもできることになるので、移動体との対向関係を設置位置の状況に応じたものとすることができる。また移動体側での傾斜面との対向面の形状を工夫することで第1のレバー部材201に作用する衝撃を緩和して第1のレバー部材201の動作を円滑かつ静穏に行うことができる。なお、第2の作動部205’には、第1のレバー部材201との間にバネなどの弾性体206’が配置されており、第1の作動部204に設けられている弾性体204Cと同様に、符号301で示す移動体の他の一つに異常ストロークが発生した場合に第2の作動部205’が独自で回動して過剰ストロークを吸収することにより第1のレバー部材201の揺動量が不用意に増加して第2のレバー部材203とスイッチ202との動作関係が狂ってしまうのを防止するダンパー機能を持たせてある。
【0075】
次に、移動体の増設を可能にする構成について説明する。
図6は、これまでに説明した第1のレバー部材201が、単一構造物400によって支持されずに遊離しており、後述する第3のレバー部材207により支持されている。
単一構造物400には、今ひとつの第3のレバー部材207の支点207Aが支持されている。
【0076】
第3のレバー部材207は、第1のレバー部材201と同じように支点207Aを挟んで両端が揺動可能な部材であり、揺動端の一方が第1のレバー部材201の支点201Aを支持している。
第3のレバー部材207の揺動端の他方には、図5に示した場合と同様な傾斜面を有した第3の作動部207Bが設けられており、第3の作動部207Bには、符号300,301で示す移動体とは別の符号302で示す移動体がこれ以外の移動体と同様に水平面内で移動できるようにして対峙している。
【0077】
この構成においては、符号300,301で示す移動体によって第1のレバー部材201あるいは第2のレバー部材203がスイッチ202側に向け揺動することとは別に、第1のレバー部材201が第3のレバー部材207の揺動によりリフトアップされる。従って、符号300,301で示す移動体に加えて新たな移動体を増設した場合でも、増設した移動体により揺動駆動される第3のレバー部材207によって第1のレバー部材201がリフトアップされるとともに第1の作動部205が第2のレバー部材203に作用することで第2のレバー部材203の揺動半径が大きくされることになる。これにより、移動体の移動に対して、第2のレバー部材203が位置する第1のレバー部材201における揺動端の揺動ストロークが小さくできるので、移動体の移動に対する第2のレバー部材203での感度を高めてスイッチ202のオン動作の精度を上げることができる。しかも、移動体の移動方向が多様化した場合でも単一のスイッチにより移動体の移動状態の検知が行えることになる。
【0078】
図7は、図6に示した構成における第3の作動部207Bに対して、第1のレバー部材201における第2の作動部205と同じように、ダンパー機能を持たせるための弾性体208を備えた例を示している。
【0079】
次に上記実施例における移動体の構成の変形例について説明する。
図8は、図5に示した構成を対象として、第1の作動部204には、符号300で示す移動体との間に配置されたリンク部材500が対向可能に設けられている。
リンク部材500は、側面視形状が倒れたL字状の部材であり、底辺部に相当する片部500Aには符号300で示す移動体が対向し、第1の作動部204の当接部に対向する水平片部500Bの先端は、当接部に対してピン結合されている。水平片部500Bは、単一構造物400に形成されている切り起こし片で構成されたガイド部400A内に挿通されて水平方向での移動に際して垂直方向でのずれを規制されるようになっている。
【0080】
リンク部材500のガイドのための構成としては、図9に示す構成とすることも可能である。
図9においてリンク部材500は、第2のレバー部材203の揺動端と対峙する第1の作動部204と対向する端部が図9に示した構成と同様にピン結合されている。
【0081】
一方、リンク部材500における符号300で示す移動体側の端部寄りには、下面に揺動端を嵌合させたリンク部材501が設けられている。
リンク部材501は、揺動軌跡が第1の作動部204の当接部にピン結合されている端部の回転軌跡に沿わせてある。リンク部材501は、第1のレバー部材201が設置されている単一構造物400とは別の構造物401において図示しないが、往復動作を許容するガイド部材に沿って移動することができ、さらに、符号300で示す移動体により押し動かされるための位置に向け付勢されている。
【0082】
従って、符号300で示す移動体によりリンク部材501が押し動かされると、その先端部に第1の作動部204が連動して回動することができる。これにより、第1の作動部204による第2のレバー部材203の揺動態位の設定が行われてスイッチ202のオン動作が可能となる。
【0083】
図10は、第1の作動部204に対するリンク部材500の連結構造の他の例を示す図である。
図10において吹き出し図で示すように、リンク部材500の先端には、第1の作動部204の当接部204A2に形成された筒状孔204A20に対して挿脱可能な球体500Cが一体化されている。
【0084】
このような連結構造とすることにより、球体500Cが筒状孔204A20に挿嵌される構成であるので、リンク部材500と第1の作動部204との対向状態が多少ずれている場合でも互いに嵌合した状態が得られるので、リンク部材500による第1の作動部204の動作を確実に行わせることができる。
【0085】
図11は、リンク部材500の支持構造を示す図であり、同図において、リンク部材500は、構造物401に取り付けられるモジュールとして組み立てられる部材であり、構造物401に取り付けられる基板600と、基板600とは別部材としたリンク部材摺動支持部600Aとを備えている。
【0086】
リンク部材摺動支持部600Aには、図11において吹き出し図で示すように、第1の作動部204に連結される先端部を有したリンク部材500の底部を狭持可能な摺動ガイド部600A1と、リンク部材501を揺動可能に支持する支軸501Aが挿通される軸支部600A2と、リンク部材500側との間に掛けられるバネ等の弾性体601を支持する掛け止め部600A3とが設けられている。弾性体601は、リンク部材500を符号300で示す移動体に向けて移動させる習性を付与するための部材である。
摺動ガイド部600A1の上部には、リンク部材500に形成された凹部内に入り込む片部で構成された移動規制片600A4が設けられている。
【0087】
このような構成において、リンク部材500は、リンク部材摺動支持部600Aの摺動ガイド部600A1に狭持され、リンク部材501は、軸支部600A2に挿通される支軸501Aにより揺動可能に支持された状態で基板600に対してリンク部材摺動支持部600Aを取り付ける。その後、弾性体601を掛けることにより移動体の移動状態を検知できる状態が得られる。
このような構成においては、リンク部材を用いることで第1の作動部204と移動体との間に間隔があっても連動関係を成立させることができる。
【0088】
リンク部材500,501を用いた構成の作用を説明すると、図12乃至図15に示すとおりである。
図12は、符号300,301で示す移動体の両方がスイッチ作動装置に作用していない状態であり、図13は、符号300で示す移動体の一つがリンク部材500に作用している状態である。
図14は、符号301で示す移動体の他の一つが第1のレバー部材201における第2の作動部205に作用している状態であり、図15は、医療法の移動体300,301がスイッチ作動装置に作用している状態である。
【0089】
図12に示す状態では、第1の作動部204と第2のレバー部材203との当接関係は成立していない。従って、第2のレバー部材203は、スイッチ202のアクチュエータ202Aから離間している。
【0090】
図13に示すように、符号300で示す移動体、例えば、右ドア25が閉鎖されて突起25aがリンク部材500に作用すると、リンク部材500は、リンク部材501およびリンク部材摺動支持部600Aによりガイドされて先端の連結部を介して第1の作動部204を回動させて円弧部204A1を第2のレバー部材203の揺動端に対向させる。この状態で図15に示すように符号301で示す移動体、例えば、前ドア24が閉鎖されて突起24aが第1のレバー部材201における第2の作動部205に作用すると、第1のレバー部材201における第2のレバー部材203の支軸201Bの位置を揺動させることになる。第2のレバー部材203の揺動端が第1の作動部204の円弧部204A1に衝止されると円弧部204A1との当接位置を支点として第2のレバー部材203がスイッチ202のアクチュエータ202Aを押し動かす方向に揺動する。これにより、前ドア24と右ドア25とが適正な位置に閉鎖されていることを単一のスイッチ202によって検知することができる。
【0091】
一方、符号301で示す移動体として例示した突起24aが移動体の一つ300に相当する突起25aよりも先に第1のレバー部材201を押し動かした場合には、図14に示すように、第1のレバー部材201が第2のレバー部材203を第1の作動部204に対向させる位置に向け揺動する。
この状態において突起25aによりリンク部材500が押し動かされると、図15に示すように、第1の作動部204の円弧部204A1が第2のレバー部材203の揺動端に当接し、支軸201Bを支点として第2のレバー部材203がスイッチ202のアクチュエータ202Aを押し動かす方向に回動(揺動)する。
【0092】
以上のような実施例において説明したスイッチ作動装置は、画像形成装置のインターロック機構として用いることができる。
画像形成装置に用いる場合には、図1に示した構成にあるように、異なる方向で移動、この場合には揺動することで開閉可能な前面ドア24および右側ドア25に有する突起24a,25aを移動体に相当させることができる。
【0093】
特に、前面ドア24とこれに隣接して直角な方向に位置する右側ドア25を対象としてスイッチ作動装置を設けた場合、第1のレバー部材201,第2のレバー部材203がそれぞれ垂直面内で揺動する構成となっており、しかも、第2のレバー部材203の揺動端に当接する部材である第1の作動部204がストロークを必要とする摺動ではなく回転による当接関係であるので、水平面内での設置スペースを小さくすることができると共に、摺動面での加工誤差によるストローク変化によってスイッチの作動ストロークが不安定となるような事態を防止することができる。
【0094】
次に請求項1記載の発明における要部の変形例として請求項13乃至17記載の発明に関する実施形態について説明する。
図16は、スイッチ作動装置における変形例を用いたインターロック機構が適用される画像形成装置の外観図である。なお、図16および図17において、図1において用いた符号24は前ドアを示す符号とし、符号25は右ドアを示す符号とし、これ以外の部材で図1に示したものと同じ部材は同符号で示す。
【0095】
図16において、画像形成装置100には、画像形成処理部が内蔵された装置本体100Aの上方に原稿載置台を主要部とする操作部101と、縦方向においてほぼ中央部において内蔵されている画像形成処理部102と、画像形成処理部102の下方において記録シートを積載可能な複数の給紙カセットを有する給紙部103と、縦方向において走査部101と給紙部103との間に形成された空間で構成されるシート排出部104と、走査部101の前面において装置前方に張り出した状態で設けられて操作ボタン105Aや液晶表示部105Bが装備されている操作パネル105とを備えている。
【0096】
装置本体100Aの筐体には、前面およびこの面と直角な側面とにそれぞれ下部を支点として揺動することで開閉可能な前ドア24および右ドア25が設けられており、前ドア24および右ドア25の内側には筐体内に向け突出する突起24a,25aがそれぞれ設けられている。突起24a,25aは、各ドア24,25の開閉動作に連動する移動体として用いられるようになっている。
【0097】
前ドア24に設けてある突起24aは、右ドア25側に偏倚した位置に設けられており、右ドア25に設けてある突起25aは、前ドア24の突起24aに近い位置に設けられており、これら突起と対向する筐体側には、突起24a,25aを挿入できる開口100A1,100A2が形成されている。
前ドア24および右ドア25にそれぞれ設けてある突起24a,25aが進入する筐体側には、これら突起を移動体として用いるインターロック機構を構成するスイッチ作動装置200が設けられており、スイッチ作動装置200は、筐体の外装カバーを外した状態の外観図を示す図17において、筐体隅部に配置されている。なお図2において矢印F1、F2は、突起24a,25aが筐体側に進入する軌跡を示している。
【0098】
図18および図19は、インターロック機構に用いられるスイッチ作動装置2000の原理構成を示す図であり、同図において、スイッチ作動装置2000は、図3に示すように、筐体側に取り付けられるカバー部材1000によって後述する支点を支持された部材を備え、矢印F1、F2で示す突起24a、25aの進入によりスイッチをオン動作させる構成を備え、その構成は、図4によって説明するように、次の部材からなる。
図19は、図18において示したカバー1000を取り除いた状態を示す図であり、同図においてスイッチ作動装置2000は、支点軸1201Aを中心として垂直面内で揺動可能であるとともに通常、スイッチに対する非作動態位を維持されている第1のレバー部材1201と、第1のレバー部材1201の一方端に支持されている支軸1201Bを支点として両端が垂直面内で揺動可能に支持されて揺動端の一方が電源オンオフ用であるスイッチ1202のアクチュエータ1202Aに対向している第2のレバー部材1203と、第2のレバー部材1203における揺動端の他方に対して概ね同じ位置で対面接触可能であるとともに、右ドア側25の突起25aを移動体とした場合にこの移動体である突起25aに押し動かされた際(図19において便宜上、矢印F1で示す)に第2のレバー部材1203をその揺動端の一方がスイッチ1202のアクチュエータを作動させる第1の作動部1204と、第1のレバー部材1201における揺動端に形成された作動片201Cに対面接触可能な円弧面を有し前側ドア24の突起24aを移動体とした場合にこの移動体である突起24aに押し動かされた(図19において便宜上、矢印F2で示す)際に第1のレバー部材1201をスイッチ1202のアクチュエータ1202Aに接近する向きに移動可能な第2の作動部1205と、第2の作動部1205における揺動端の一方に対向して配置されているドア開放状態検知スイッチ1400とを備えている。
ドア開放状態検知スイッチ1400は、第2の作動部1205が離れて接触を解除された場合にオン動作し、右ドア25が開放されていることを警報できるようになっている。
【0099】
第1の作動部1204は、図20に示すように、回転支軸1204Aを中心にして突起24aの移動方向(矢印F1)に沿って回動可能な部材で構成されており、支軸1204Aを中心とする円弧面からなるカム形状部1204Bと突起24aにより押し動かされる押圧作動片1204Cとを備え、押圧作動片1204Cが突起24aの進入により押し動かされると回動し、カム形状部1204Bが第2のレバー部材1230における揺動端の一方をスイッチ202のアクチュエータ202Aに向け変位させるようになっている。なお、図20(A)は、第1の作動部1204の平面図を、(B)は斜視図をそれぞれ示している。
【0100】
一方、図19において、第2の作動部1205は、回転支軸1205Aを中心にして突起25aの移動方向(矢印F2)に沿って回動可能な部材であり、第1のレバー部材1201における作動片1201Cと対面接触できる位置には、円弧面からなるカム形状部1205Bが設けられている。第2の作動部1205は、図18に示したカバー1000との間に掛けられているバネなどの弾性体1206の付勢により常時突起25a側に向けた姿勢を取る習性が付与され、突起25aによる押し動かしに際しての感度を高めるようにされている。
【0101】
第1,第2の作動部1203,1205は、移動体として用いられる突起24a、25aの移動方向に沿って回動できる構成であるので、進退移動する場合と違って、設置スペースとして支軸を中心とした回転運動に必要なスペースのみで済ませることができるとともに、突起に作用する反力を突起の延長方向とすることで突起への不用意な曲げ負荷などを生じさせないようにして耐久性を向上させることができる。しかも、第1,第2のレバー部材1201,1203との対面接触部にカム形状部1204B,1205Bを設けているので、突起の進入量やドア閉時の力関係にバラツキがあっても回動しさえすれば第1,第2のレバー部材1201,1203を揺動させることができる。これにより、ドア側の組み付け誤差が生じることが原因する突起の進入量のバラツキに関係なく第1,第2のレバー部材1201,1203が移動する際の感度を確保することができる。
【0102】
さらに、第2の作動部1205の揺動端の一方には、これが回動する軌跡中に、ドア開放状態検知スイッチ1400を設けているので、スイッチ1202が作動しない場合、換言すれば、ドアが完全に閉じられていない状態を検知することができ、特に、ジャム処理などに開閉操作される側の右ドア25に対応した第2の作動部1205にドア開放状態検知スイッチ1400を配置することで、開閉頻度の高い位置でのドアの開放状態検知が確実に行えることになる。
【0103】
また、第1のレバー部材1201は、図示しない弾性体により作動片1201Cが第2の作動部材1205のカム形状部1205Bに当接する習性を付与されて、第2の作動部1205による押し動かしの際の感度を高められている。
【0104】
以上のような構成からなるスイッチ作動装置2000は、図21乃至図24において説明するように、前ドア24および右ドア25の閉じ状態に応じて電源のオンオフ制御に用いられるスイッチ1202の作動態位を設定できるようになっている。なお、図21乃至図24において(A)は、スイッチ作動装置2000の要部構成を側面視したものを、(B)は斜視図として示している。
【0105】
図21は、前ドア24および右ドア25がともに開放されている状態を示しており、この状態では、第1のレバー部材1201が初期習性により第2の作動部1205のカム形状部1205B側に回動することで第2のレバー部材1203がスイッチ1202のアクチュエータ1202Aから離れ、さらに第2の作動部1204がカム形状部1204Bを第2のレバー部材1203に対面接触させていないので、スイッチ1202はオフの状態を保つ。また、ドア開放状態検知スイッチ1400は、該2の作動部1205が離れることで接触しない状態であるので、右ドア25が開放されていることを警報する態位となる。
【0106】
図22に示す状態は、右ドア25のみが閉じられている場合を示しており、この状態では、第2の作動部1205が突起25aにより押し動かされるので(矢印F2)、第2の作動部1205が回動して第1のレバー部材1201をスイッチ1202に接近する方向に揺動させ、ドア開放状態検知スイッチ1400を押圧する。
【0107】
一方、前ドア24は閉じられていないので、第1の作動部1204は回動市内状態を維持し、第2のレバー部材1203はスイッチ1202のアクチュエータ1202Aから離れた状態を維持されることになるので、スイッチ1202はオフ状態を維持する。
【0108】
図23は、前ドア24のみが閉じられた場合を示しており、この場合には、第2の作動部1204が突起24aにより押し動かされることにより回動し、カム形状部1204Bを第2のレバー部材1203側に接近させる。
【0109】
このとき右ドア25が閉じられていないので、第2の作動部1205は回動しない状態を維持される、これにより、第2の作動部1205によって押し動かされる対象である第1のレバー部材1201は、第2の作動部1205による押圧動作がないことにより回動しないままであるので、スイッチ1202に接近しない状態を維持されることになり、第1のレバー部材1201の回動と第3のレバー部材1203の回動とを組み合わせることがないので、スイッチ1202は不作動、つまりオフ態位を維持することになる。
【0110】
図24は、前ドアおよび右ドアの両方が閉じられた状態を示しており、この場合には、第2の作動部1205の回動によりスイッチ1202に接近した状態にある第1のレバー部材1201に設けられた第2のレバー部材1203が第1の作動部1204の回動を介したカム形状部1204Bとの対面接触により押し動かされてスイッチ1202のアクチュエータ1202Aを押圧する。これによりスイッチ1202はオン動作に切り換えられて画像形成装置の電源投入状態となる。
【0111】
以上のような第1,第2の作動部1204,1205と突起24a、25aとの対面関係により、前ドア24および右ドア25の開閉状態とスイッチ1202のオンオフ動作との関係が図25に示す状態で設定されることになる。
【0112】
以上のような構成によれば、複数のドアの開閉状態に基づきスイッチのオンオフ動作を行わせるインターロック機構としてのスイッチ作動装置を用いることにより、第1,第2のレバー部材の組み合わせ動作を利用する際に、その組み合わせ動作に用いる部材である第1,第2の作動部が回転部材であるので、移動ストロークを必要とする構成でないことにより省スペースで複合動作を可能にすることができる。
【0113】
また、スイッチの作動に用いられる部材の一つである作動部の一つにドアの開放状態を検知できるスイッチを対応させているので、電源用スイッチの動作設定とドアの開閉状態検知という複数機能を持たせることができ、部品点数を省いてコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明によるスイッチ作動装置を備えたインターロック機構が適用される画像形成装置の外観図である。
【図2】本発明によるスイッチ作動装置の原理構成を説明するための図である。
【図3】図2に示したスイッチ作動装置の要部構成における一部変形例を説明するための図である。
【図4】図3に示した要部構成の一部変形例を説明するための図である。
【図5】図4に示した要部構成の一部変形例を説明するための図である。
【図6】図5に示した構成の要部変形例を説明するための図である。
【図7】図6に示した構成の一部変形例を説明するための図である。
【図8】本発明によるスイッチ作動装置の別実施例を説明するための図である。
【図9】図8に示した構成の一部変形例を説明するための図である。
【図10】図9に示した構成の一部変形例を説明するための図である。
【図11】図9に示した構成の他の部分の変形例を説明するための図である。
【図12】図11に示した構成を対象とする一態様を説明するための図である。
【図13】図12に示した状態から変化した状態を示す図である。
【図14】図11に示した構成を対象とする別の態様を説明するための図である。
【図15】図13および図14に示す態様から変化した状態を説明するための図である。
【図16】本発明によるスイッチ作動装置の変形例を備えたインターロック機構が適用される画像形成装置の外観図である。
【図17】図16に示した画像形成装置の筐体構造を示す外観図である。
【図18】本発明によるスイッチ作動装置の変形例に関する原理構成を説明するための外観図である。
【図19】図18に示した原理構成を説明するための斜視図である。
【図20】図19に示した原理構成に用いられる第2の作動部の構成を示す外観図である。
【図21】本発明によるスイッチ作動装置の変形例における作動状態として、ドアが全て開放している場合を示す図である。
【図22】図21に示したスイッチ作動装置の作動状態に対して、ドアの一つが閉じられた場合を示す図である。
【図23】図21に示したスイッチ作動装置の作動状態に対してドアの他の一つのみが閉じられた場合を示す図である。
【図24】図21に示したスイッチ作動装置の作動状態に対して全てのドアが閉じられた場合を示す図である。
【図25】図18に示した構成のスイッチ作動装置におけるドアの開閉状態とスイッチの動作状態との関係を説明するための表図である。
【符号の説明】
【0115】
24 前ドア
24a 移動体に相当する突起
25 右ドア
25a 移動体に相当する突起
100 画像形成装置
201 第1のレバー部材
201A 支点
201B 支軸
202 スイッチ
202A アクチュエータ
203 第2のレバー部材
204 第1の作動部
204A1 円弧部
204C 弾性体
205 第2の作動部
205A 傾斜面
206,206’弾性体
300 移動体の一つ
301 移動体の他の一つ
1201 第1のレバー部材
1201A 支点軸
1201B 支軸
1202 スイッチ
1202A アクチュエータ
1203 第2のレバー部材
1204 第1の作動部
1204A 回転支軸
1204B カム形状部
1205 第2の作動部
1205A 回転支軸
1205B カム形状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体の移動状態に応じてスイッチのオンオフ動作を行わせるための装置であって、
揺動可能に設けられている第1のレバー部材と、
前記第1のレバー部材に支持された支軸を支点として両端が揺動可能に支持され、揺動端の一方がスイッチのアクチュエータに対向している第2のレバー部材と、
前記第2のレバー部材における揺動端の他方に対して接触可能であり、前記移動体の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに向けて揺動させることが可能な第1の作動部と、
前記第1のレバー部材に対向し、該移動体の他の一つが当接した際に前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させるように第1のレバー部材を揺動させることが可能な第2の作動部とを備え、
前記第1のレバー部材が前記移動体の他の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させる状態と、前記第2のレバー部材が前記移動体の一つにより揺動端の一方を前記スイッチのアクチュエータに向け揺動させる状態とを組み合わせることで前記スイッチのアクチュエータを押し動かしてスイッチをオン作動させることを特徴とするスイッチ作動装置。
【請求項2】
前記第1の作動部が、カム形状を有した回動部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ作動装置。
【請求項3】
前記第1の作動部が、回動中心をと前記カム形状部との相対位置に前記移動体との当接部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ作動装置。
【請求項4】
前記第1の作動部が、前記第2のレバー部材における揺動端の他方に位置してダンパー機能を有する片部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ作動装置。
【請求項5】
前記第2の作動部が、前記移動体の他の一つにより押圧されるに従い前記第1のレバー部材を揺動させる勾配を有した傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ作動装置。
【請求項6】
前記第2の作動部が、該第1のレバー部材に一体化され、該第1のレバー部材を付勢する部材が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスイッチ作動装置。
【請求項7】
前記移動体以外の部材が単一構造物に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【請求項8】
前記第1のレバー部材における支点が前記単一構造物から遊離して設けられ、該支点位置には、前記単一構造物により支持されている揺動支点を挟んで両端が揺動可能な第3のレバー部材における揺動端の一方が連結され、該第3のレバー部材における揺動端の他方には前記第2の作動部と同様な構成の第3の作動部が設けられ、該第3の作動部には、増設された移動体が対向当接可能であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ作動装置。
【請求項9】
前記第1の作動部には、移動体との間に配置されたリンク部材が対向可能に設けられ、該リンク部材は、前記第1の作動部が支持されている単一構造物に形成されたガイド部に挿通されて前記第1の作動部に対向可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【請求項10】
前記第1の作動部がカム形状部を有した構成である場合、該第1の作動部に対して移動体の間に配置されたリンク部材がに設けられ、該リンク部材は、前記移動体側に前記カムの揺動軌跡に対応した軌跡上を移動可能な他のリンク部材によりガイドされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【請求項11】
前記他のリンク部材は、前記第1の作動部におけるカム形状部と相対する位置に形成された孔部に嵌合する球体部を備えていることを特徴とする請求項10に記載のスイッチ作動装置。
【請求項12】
前記リンク部材および他のリンク部材のうちの少なくとも一つは前記移動体以外の部材が支持されている単一構造物とは別に設けられている他の単一構造物に設けられていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のスイッチ作動装置。
【請求項13】
複数の移動体の移動状態に応じてスイッチのオンオフ動作を行わせるための装置であって、
揺動可能に設けられている第1のレバー部材と、
前記第1のレバー部材に支持された支軸を支点として両端が揺動可能に支持され、揺動端の一方がスイッチのアクチュエータに対向している第2のレバー部材と、
前記第2のレバー部材における揺動端の他方に対して接触可能であり、前記移動体の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに向けて揺動させることが可能な第1の作動部と、
前記第1のレバー部材に対向し、該移動体の他の一つが当接した際に前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させるように第1のレバー部材を揺動させることが可能な第2の作動部とを備え、
前記第1,第2の作動部として、前記移動体の移動方向に沿って回動若しくは揺動可能な部材が用いられ、
前記第1のレバー部材が前記移動体の他の一つにより前記第2のレバー部材を前記スイッチのアクチュエータに接近させる状態と、前記第2のレバー部材が前記移動体の一つにより揺動端の一方を前記スイッチのアクチュエータに向け揺動させる状態とを組み合わせることで前記スイッチのアクチュエータを押し動かしてスイッチをオン作動させることを特徴とするスイッチ作動装置。
【請求項14】
前記第1,第2の作動部のうちのいずれか回動若しくは揺動軌跡中に前記移動体の移動状態を検知可能なスイッチが設けられていることを特徴とする請求項13に記載のスイッチ作動装置。
【請求項15】
前記第1,第2の作動部における前記第1のレバー部材および第2のレバー部材との対面接触部を円弧面とするカム形状としたことを特徴とする請求項13または14に記載のスイッチ作動装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載のスイッチ作動装置を用いることを特徴とするインターロック機構。
【請求項17】
前記スイッチ作動装置に設けられているスイッチがドアの開閉状態を検知するドア開閉検知スイッチとして用いられ、該ドア開閉検知スイッチが複数のドアの開閉状態を対象として前記第1のレバー部材および第2のレバー部材により操作されることを特徴とする請求項16に記載のインーロック機構。
【請求項18】
請求項16または17に記載のインターロック機構を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
前記インターロック機構に用いられるスイッチ作動装置のスイッチが筐体の直交する方向に位置する壁部の開閉状態検知に用いられることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記インターロック機構に装備されている第1の作動部および第2の作動部と対向可能な移動体は、装置筐体の開閉可能な側壁に設けられた突起が用いられることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記突起は、装置筐体の直角な位置関係を有する側壁に設けられていることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記突起の一つは、装置筐体における前面の側壁内の中央若しくは隅部に設けられていることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−37997(P2009−37997A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266666(P2007−266666)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】