スイッチ回路、半導体装置及び携帯無線機
【課題】負バイアス発生回路を用いずにマージン電圧を改善することができる手段をスイッチ回路に提供する。
【解決手段】N型MOSFETを用いて構成されるスイッチM1を、信号をアンテナに同通するスイッチに、P型MOSFETを用いて構成されるスイッチM2を、信号を接地するシャント用にそれぞれ用いる。各スイッチを構成するMOSFETのゲート端子に共通の制御信号を入力する。この制御信号の反転信号をスイッチM2の接地端に接続することで、各MOSFETのゲート端子の電位を接地電圧に設定できる。
【解決手段】N型MOSFETを用いて構成されるスイッチM1を、信号をアンテナに同通するスイッチに、P型MOSFETを用いて構成されるスイッチM2を、信号を接地するシャント用にそれぞれ用いる。各スイッチを構成するMOSFETのゲート端子に共通の制御信号を入力する。この制御信号の反転信号をスイッチM2の接地端に接続することで、各MOSFETのゲート端子の電位を接地電圧に設定できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯無線機等に用いられるスイッチ回路、特に入出力切り替え及び2以上の出力の切り替えに用いるスイッチ回路のスプリアスの発生の防止等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は広く一般的に用いられている。携帯電話機の多元接続方式としてCDMA(Code Division Multiple Access)を用いたUMTS(W−CDMA)方式や、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を用いたGSMが主要な方式として知られている。
【0003】
携帯電話機用のRF部では集積化が進んでおり、GSM方式ではアンテナスイッチと電力増幅器を同一モジュール(ハイブリッドIC)に集積した製品が多く用いられる。
【0004】
現在はアンテナスイッチを化合物半導体の一種であるpHEMTを用いて実現する場合が多い。しかし、低コスト化を進める上で、シリコンデバイス(CMOS)での実現が重要となる。
【0005】
従来の技術として、米国特許公報US7123898B2(特許文献1)が上げられる。この文献では、SOS(Silicon on Safire)CMOSを適用したスイッチの技術が開示されている。
【0006】
図1はこの特許文献1記載の技術についての概念図である。なお、ここでは簡略化のため送信系1系統、受信系1系統の例を挙げる。
【0007】
この特許文献1の例では、送信器側のスイッチM1、M2、受信器側のスイッチM3、M4を含んで構成される。これらのスイッチを構成する素子はすべてオン抵抗に消費電力の小さなnMOSFETで構成する。
【0008】
この例では各端子の直流電位は接地電位になる。スイッチをオンするにはFETゲート電圧を上げ、オフするにはゲート電圧を下げる。仮に電源電圧を2.7V、FETのしきい電圧を0.7Vとすると、オンした場合は閾値電圧から2.0Vのマージン電圧があり、オフした場合は0.7Vのマージン電圧がある。このようにマージンがオンオフ2つの状態で異なり、特にオフのマージンが小さいため、入力RF信号が大きい場合にはゲート電圧がRF信号により強制的に上昇し、擬似的にオンの状態になり損失が増大することも考えられる。
【0009】
これを防止するために、特許文献1記載の技術ではオフ用に負バイアス(たとえば−3V)を発生し、オフ状態のマージン電圧を十分確保するという対策を施していた。
【0010】
例えば送信時にはスイッチM1のゲート端子に+3Vを印加し、シャント用のスイッチM2のゲート端子に−3Vを印加する。これにより、図示しないアンテナに送信出力を接続する。また受信側のスイッチM3のゲート端子には−3Vを印加し、シャント用のスイッチM4のゲート端子には+3Vを印加する。この措置により受信入力をアンテナから切り離す。この際、オフ時のマージン電圧を3.7Vとすることで、オフFETの誤動作は抑圧されることとなる。
【0011】
特開2008−11120号公報(特許文献2)では、スルー側のスイッチ(M1、M3)にnMOSを、シャント側のスイッチ(M2、M4)にpMOSを用いる事で同じ制御電圧で2つのFETを制御し、制御信号の発生を簡略化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許公報US7123898B2
【特許文献2】特開2008−11120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1記載の技術では、負バイアス発生回路の実装が不可欠となる。従って、スイッチと同一チップに負バイアス発生回路を集積したとすると、負バイアス発生回路中の発振器により、負バイアス発生回路はスプリアスの発生源となる可能性が高い。
【0014】
また負バイアスの発生には、ある所定の時間が必要である。そのため、負バイアス発生に必要な時間を考慮した制御タイミングを適用する必要がある。特許文献2記載の技術では制御シーケンスの自由度を少なくするといった問題があった。
【0015】
本発明の目的は、負バイアス発生回路を用いずにマージン電圧を改善することができる手段をスイッチ回路に提供することにある。
【0016】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0018】
本発明の代表的な実施の形態に関わるスイッチ回路は、アンテナを外部回路と接続するかを決定し、該スイッチ回路は、外部回路の出力をアンテナに通す第1のスイッチと、電気的に第1のスイッチと外部回路のとの電気的接続の間に位置する容量を含み、第1のスイッチの制御信号の極性をインバータで反転して第1のスイッチと容量の間の接続点に接続することを特徴とする。
【0019】
このスイッチ回路において、接続点とインバータの間に第1の抵抗を含むことを特徴としても良い。
【0020】
このスイッチ回路において、更に第1の抵抗と並列に接続する第2の抵抗及び抵抗開閉スイッチを含み、抵抗開閉スイッチを開閉することでインバータに接続される抵抗値を可変とすることを特徴としても良い。
【0021】
このスイッチ回路において、更に第1のスイッチの制御信号が入力されるワンショットパルス発生回路を含み、第1のスイッチの制御信号の変化をタイミングに、ワンショットパルス発生回路が所定の時間に抵抗開閉スイッチを開閉することを特徴としても良い。
【0022】
これらのスイッチ回路において、第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0023】
これらのスイッチ回路において、第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0024】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、該スイッチ回路は、アンテナから切り離したときに外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、第2のスイッチの制御信号の極性を反転して第2のスイッチの接地端に接続することを特徴とする。
【0025】
このスイッチ回路において、第2のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第2のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0026】
このスイッチ回路において、第2のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第2のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0027】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、外部回路の出力をアンテナに通す第1のスイッチと、第1のスイッチと外部回路の接続点から分岐される形で設けられ、アンテナから切り離したときに外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、第1のスイッチと第2のスイッチの制御を同一の制御信号で制御し、制御信号を反転させて、第2のスイッチの接地端の電位を決定することを特徴とする。
【0028】
このスイッチ回路において、第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、第2のスイッチがP型FETを含んで構成され、制御信号が第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子と第2のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0029】
このスイッチ回路において、第1のスイッチと第2のスイッチの接続点と外部回路の電気的接続の間に容量を更に含み、この容量の充放電に、制御信号を反転させた信号を用いることを特徴としても良い。
【0030】
このスイッチ回路において、抵抗回路を介して制御信号を反転させた信号を容量に接続することを特徴としても良い。
【0031】
このスイッチ回路において、抵抗回路は並列に接続された電気的に切り離し可能な複数の抵抗を含んで構成されることを特徴としても良い。
【0032】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを送信用回路または受信用回路のいずれと接続するかを決定し、送信用回路をアンテナと接続するか、送信用回路を接地するかを決定する送信側スイッチ回路と、受信用回路をアンテナと接続するか、受信用回路を接地するかを決定する受信側スイッチ回路と、を含み、送信側スイッチ回路と受信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、送信側スイッチ回路または受信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に制御信号を入力し、他の1の接地端に制御信号の反転信号を入力することを特徴とする。
【0033】
このスイッチ回路において、送信側スイッチ回路とアンテナとの電気的接続の間に第1の容量を有し、受信側スイッチ回路とアンテナとの電気的接続の間に第2の容量を有し、送信側スイッチ回路と受信側スイッチ回路と異なる直流電位を設定することが可能なことを特徴とする。
【0034】
このスイッチ回路において、送信側スイッチ回路と送信用回路の電気的接続の間に第3の容量を有し、第3の容量の充放電に前記制御信号に基づく信号を用いることを特徴としても良い。
【0035】
このスイッチ回路において、受信側スイッチ回路と受信用回路の電気的接続の間に第4の容量を有し、この第4の容量の充放電に制御信号に基づく信号を用いることを特徴としても良い。
【0036】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを送信用回路、第1の受信用回路又は第2の受信用回路のいずれと接続するかを決定するスイッチ回路であって、第1の受信用回路を前記アンテナと接続するか、第1の受信用回路を接地するかを決定する第1の受信側スイッチ回路と、第2の受信用回路をアンテナと接続するか、第2の受信用回路を接地するかを決定する第2の受信側スイッチ回路と、を含み、第1の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子と第2の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子とを同一の直流電位にすることを特徴とする。
【0037】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定し、送信信号を第1の送信回路に出力するか、第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、送信信号を第2の送信回路に出力するか、第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、第1の送信側スイッチ回路と第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、第1の送信側スイッチ回路または第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に制御信号の反転信号を入力することを特徴とする。
【0038】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、バイパス信号又は増幅信号のいずれかを送信信号とする決定し、送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定し、送信信号を第1の送信回路に出力するか、第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、送信信号を第2の送信回路に出力するか、第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、第1の送信側スイッチ回路と第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、第1の送信側スイッチ回路または第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力することを特徴とする。
【0039】
上記スイッチ回路を用いる半導体装置、また、この半導体装置を用いる携帯無線機も本発明の射程に入る。
【発明の効果】
【0040】
本発明に関わるスイッチ回路は、信号を通すスルーパスにnMOSFETを、信号を切る際にオンするシャントパスにpMOSFETを使用し、信号を通す際にスルーパスの直流電位を接地電位に設定し、信号を切る際にスルーパスの直流電位を電源電位VDDに設定する。これにより、nMOSFETがオンする場合にはマージン電圧を電源電位VDD−閾値電圧Vthと、pMOSFETがオンする場合にマージン電圧を電源電位VDD−閾値電圧Vthと、することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】特許文献1記載の技術についての概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図3】図2のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に関わるチャージ用回路の構成を表す回路図である。
【図6】インバータの立ち上がり時におけるチャージ用回路の各計測点の電圧波形を表す波形図である。
【図7】インバータの立ち下がり時におけるチャージ用回路の各計測点の電圧波形を表す波形図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図9】図8のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【図10】図9のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図13】図12のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【図14】図13のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に関わるアンテナ切り替え器の構成を表す概念図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施の形態に分割して説明する。しかし、特に明示した場合を除き、それは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものでなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0043】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合を除き、必ずしも必須のものでないことは言うまでもない。また、実施の形態の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、CMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。なお、実施の形態で、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:またはMOSFETトランジスタと略す)と記載した場合、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。
【0044】
以下、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。また、図3は、このスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【0046】
従来の物と同じく、このスイッチ回路も1つのアンテナを送信回路と受信回路に繋ぎ替えるSPDT(Single Pole Double Throw)構成を採る。
【0047】
送信側スイッチ回路は複数のN型MOSFET列で構成されるスルー用のスイッチM1と、P型MOSFET列で構成されたシャント用のスイッチM2及び交流的にM2の一端を接地するための容量Cg1、インバータ回路などの周辺回路から構成される制御回路を含んで構成される。また、このスイッチ回路の入力端子としてアンテナ切り替え用入力端SW_INが存在する。送信側スイッチ回路はスイッチM1とスイッチM2が接続されている点で容量C3を介して、図示しない送信側回路に接続されている。
【0048】
アンテナ切り替え用入力端SW_INは、アンテナANTを図示しない送信側回路に接続するか、同じく図示しない受信側回路に接続するかを切り替える選択信号である。このアンテナ切り替え用入力端SW_INに「H」レベルが入力されると送信側が選択され、「L」レベルが入力されるとアンテナANTが受信側回路に接続される。ただし、本図上では、アンテナ切り替え用入力端SW_INの極性を送信時に「H」、受信時に「L」としたが、インバータの挿入個数を調整して逆の構成にしても良い。
【0049】
スイッチM1は、図示しない送信回路から出力される伝送路符号化の済んだ送信用信号をアンテナに流すためのスルー側のスイッチである。本図上では、このスイッチM1はN型MOSFET3個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。
【0050】
スイッチM1を構成する各MOSFETはソース端子、ドレイン端子間で上記の伝送路符号化の済んだ送信用信号をアンテナに送信するかを決定する。スイッチM1を構成する各MOSFETのゲート端子はアンテナ切り替え用入力端SW_INがそのままの極性で入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際に、スイッチM1は導通し、図示しない送信側回路とアンテナANTが接続されることとなる。逆にアンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際には、図示しない送信側回路とアンテナANTは切断されることとなる。
【0051】
スイッチM2は図示しない送信側回路を接地するかを決定するシャント用スイッチである。本図では、このスイッチM2はP型のMOSFET8個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。
【0052】
スイッチM2を構成する各MOSFETはソース端子、ドレイン端子間で送信側回路とグランド電位との間を、並列に接続した抵抗を介して接続する。そして、スイッチM2を構成する各MOSFETのゲート端子に入力される信号がスイッチM2の開閉を行う制御信号となる。
【0053】
なお、本発明の各実施の形態でスイッチを構成するMOSFETは特記なき限り、MOSFETのソース・ドレイン間を並列に接続された抵抗で接続されているものとする。
【0054】
スイッチM2を構成する各MOSFETのゲート端子にもアンテナ切り替え用入力端SW_INがそのままの極性で入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際に、スイッチM2はグランドから切り離される。また、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際には、図示しない送信側回路は接地される。
【0055】
スイッチM2は接地容量Cg1を介して接地される。
【0056】
このスイッチM2の接地側の端子と接地容量Cg1の間には、アンテナ切り替え用入力端SW_INが極性反転して接続される。アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際には、スイッチM2の交流接地端子が0Vに設定される。これにより、各スイッチと並列接続された抵抗を介することで、送信側のスイッチ経路の直流電位を全て0Vに設定することができる。
【0057】
スイッチM1で用いられるN型MOSFETの閾値電圧Vthが0.7Vだとすると、ON状態のマージン電圧は2.3Vとなる。
【0058】
一方、スイッチM2のゲート端子も電源電圧に設定される。スイッチM2はP型MOSFETで構成されるため、オフ状態のマージン電圧は3.7Vとなる。
【0059】
一方、受信側スイッチ回路は複数のN型MOSFET列で構成されるスルー用のスイッチM3と、P型MOSFETで構成されたシャント用のスイッチM4及び交流的にM2の一端を接地するための容量Cg2、インバータ回路などの周辺回路から構成される制御回路を含んで構成される。また、このスイッチ回路の制御用の入力端子として、送信側でも用いたアンテナ切り替え用入力端SW_INが存在する。受信側スイッチ回路はスイッチM3とスイッチM4の接続点から、容量C4を介して図示しない受信側回路に電気的に接続されている。
【0060】
スイッチM3は、アンテナANTにより受信された信号を図示しない受信側回路に接続するか否かを決定するスルー用のスイッチである。本図上では、このスイッチM3はN型MOSFET8個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。またスイッチM3の各N型MOSFETゲート幅は6000μmを想定しているが、ゲート幅、ゲート長ともに適宜変更可能である。
【0061】
スイッチM3を構成する各MOSFETはソース端子、ドレイン端子間でアンテナANTが受信した信号を受信側回路に送信する。このMOSFETのゲート端子にはアンテナ切り替え用入力端SW_INが極性反転された後に入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際に、スイッチM3は導通し、アンテナANTが図示しない受信側回路と接続されることとなる。逆にアンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際には、アンテナANTと図示しない受信側回路は切断されることとなる。
【0062】
スイッチM4は、図示しない受信側回路を接地するかを決定するシャント用のスイッチである。本図では、このスイッチM4はP型のMOSFET1個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。
【0063】
スイッチM4を構成するMOSFETはソース端子・ドレイン端子間で受信側回路とグランド電位との間を、並列に接続された抵抗を介して接続する。このMOSFETのゲート端子はアンテナ切り替え用入力端SW_INの極性が反転した形で入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際に、スイッチM4はグランドから切り離される。また、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際には、図示しない受信側回路の入力端は接地される。
【0064】
スイッチM4は接地容量Cg2を介して接地される。
【0065】
このスイッチM4の接地端子と接地容量Cg2の間には、アンテナ切り替え用入力端SW_INが接続される。アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際には、スイッチM4と接地容量Cg2の接続点である交流接地部が0Vに設定される。
【0066】
受信側のスイッチM4の交流接地端子は3.0Vに設定される。このスイッチM4内のMOSFETに並列に設けた抵抗を介して、受信側のスイッチ経路の直流電位が3.0Vに設定される。また、スイッチM3のゲート端子電圧は接地電位(=0.0V)に設定される。
【0067】
スイッチM3で用いられるN型のMOSFETの閾値電圧Vthが0.7Vだとすると、ON状態のマージン電圧は2.3V(=3.0V-0.7V)となる。一方、スイッチM4のゲート端子も電源電圧に設定される。スイッチM4はP型MOSFETで構成されているため、オン状態のマージン電圧は2.3となる。
【0068】
上記で説明したように、同一のタイミングでは、送信側のスイッチM1、M2及び受信側のスイッチM3、M4は異なる直流電位の設定が必要となる。これを実現する手段がアンテナANTとの間に配置された増加分容量C1である。これを挟むことで、送信側の直流成分が受信側に、またはその逆が発生することが回避される。結果、本スイッチ回路は、送信端子及びアンテナ端子は直流的には分離されているが、交流的な接続を維持することが可能となる。
【0069】
なお、増加分容量C1の容量値は、使用する周波数や送受信方式により決定される。
【0070】
次に、図3を用いて、図2のスイッチ回路が電力増幅器モジュールにどのように適用されるかを説明する。
【0071】
図3は、本発明の第1の実施の形態に関わるスイッチ回路を用いた電力増幅器モジュールのブロック図である。
【0072】
本図の電力増幅器モジュールは、増幅回路10とアンテナスイッチ20を含んで構成されている。
【0073】
本図の増幅回路10は、高周波側(1.8GHz)と低周波側(900MHz)の2つの周波数帯域に対応したものとなっており、それぞれに3段増幅器11、12が配置されている。また、増幅回路10には、バイアス電流及びアンテナ切り替え制御回路30が含まれる。このバイアス電流及びアンテナ切り替え制御回路30によって、3段増幅器11、12の各段に供給されるバイアス電流及び後述するスイッチ21、22が制御される。
【0074】
3段増幅器11、12の出力はカプラ31、32を介して、アンテナスイッチ20に入力される。LPF23、24は、このカプラ31,32の出力信号から高調波成分を排除し、スイッチ21、22に出力する。
【0075】
スイッチ21、22はLPF23、24の出力である送信信号及びアンテナANTから送られる受信信号を切り替えるスイッチである。このスイッチ21、22に図2で表したスイッチ回路を適用する。
【0076】
ダイプレクサ33は各スイッチから送られてくる送信信号に900MHz帯、1.8GHz帯の出力を合成して、アンテナANTに接続する。
【0077】
以上のような構成を採ることにより、信号線とスイッチとして用いられるMOSFETのゲート端子の電位の双方を変化させることが可能となる。これにより、負バイアス発生回路を用いることなく十分なマージン電圧を確保することが可能となる。
【0078】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0079】
第1の実施の形態では、交流信号の接地点にインバータを介してアンテナ切り替え用入力端SW_INの信号を印加していた。この場合、送信側の入力端子に接続された容量C3(図2など参照)の蓄積電荷をチャージ、ディスチャージするのに時間がかかる場合がある。
【0080】
しかし、ヨーロッパを中心に広く用いられているGSM仕様は、TDMA(Time Division Multiple Access)を採用している。従って、時分割制御の要請から、チャージ・ディスチャージを速やかに終了させる必要がある。
【0081】
本実施の形態は、接地端だけでなく、送信入力端子にも抵抗を介してインバータを設け直流電位を設定可能にするものである。
【0082】
図4は、本発明の第2の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【0083】
この図を見ても明らかな通り、送信側に関しては、第1の実施の形態に関わるスイッチM1及びM2のゲート端子に接続された信号からインバータIt及び抵抗Rtを介して容量C3に接続されている。また、受信側についても、スイッチM3及びM4のゲート端子に接続された信号からインバータIr及び抵抗Rrを介して容量C4に接続されている。
【0084】
このように、スイッチのゲート端子に入力する信号を反転して、容量C3、C4に直接接続することで、チャージ・ディスチャージの高速化を図っている。
【0085】
ただし、これだけでは十分な対策とは言いづらいものがある。
【0086】
すなわち、図上の抵抗Rt、Rrは波形の歪みの影響を避けるために、数100KΩを超える値を設定すると思われる。しかし、このように大きな抵抗を挿入すると、チャージ・ディスチャージに十分な速度を得られないことも考えられる。
【0087】
図5は、本発明の第2の実施の形態に関わるチャージ用回路の構成を表す回路図である。
【0088】
このチャージ用回路は、図4のインバータIt及び抵抗Rtに追加する形で設けられる。従って、本図のインバータIt及び抵抗Rtは、図4で用いられているインバータIt及び抵抗Rtと同じものである。
【0089】
このチャージ用回路は、抵抗Rtと電気的に並列に配置された抵抗Rb、Rcを開閉することで抵抗値を変更させることに特徴がある。この抵抗Rb、Rcの開閉にはコンプリメンタリスイッチMP1、MP2を用いる。
【0090】
コンプリメンタリスイッチMP1はP型MOSFETを含んで構成されるスイッチ回路である。また、コンプリメンタリスイッチMP2はN型MOSFETを含んで構成されるスイッチ回路である。
【0091】
これらのコンプリメンタリスイッチMP1、MP2を動作するワンショットパルスを生成するのがワンショットパルス発生回路PGである。このワンショットパルス発生回路PGの動作条件は、入力されるスイッチM1のゲート端子への信号の立ち上がり及び立下りである。動作条件を具備すると、ワンショットパルス発生回路PGはワンショットパルスを出力する。
【0092】
本図に記載した(A)、(B)、(C)は、図6及び図7の電圧波形の測定点を表す。(A)はインバータItの出力(=ワンショットパルス発生回路PGの動作条件)を、(B)はP型MOSFETで構成されたコンプリメンタリスイッチMP1のゲート端子を、(C)はN型MOSFETで構成されたコンプリメンタリスイッチMP2のゲート端子をそれぞれ表す。
【0093】
なお、図上では、P型のMOSFETをスイッチとして用いる抵抗Rbと、N型のMOSFETをスイッチとして用いる抵抗Rcの2つを抵抗Rtと並列に接続している。しかし、いずれか一方を用いる形態であっても問題は無い。また抵抗Rb,Rcの双方に同一種類のMOSFETを用いても問題は無い。
【0094】
図6はインバータItの立ち上がり時におけるチャージ用回路の電圧波形を表す波形図である。また、図7はインバータItの立ち下がり時におけるチャージ用回路の電圧波形を表す波形図である。
【0095】
これらの図を見ても分かるとおり、ワンショットパルス発生回路PGがパルス波形を出力している間は並列に接続したスイッチ及び抵抗Rb、Rcによって回路全体の抵抗値が減少する。これにより、時定数が低減され、容量C3への電荷のチャージ・ディスチャージが加速される。
【0096】
次に、より上流のスイッチM1の動作から振り返る。スイッチM1がオン状態にある場合、スイッチM1と容量C3の間は0Vにバイアスされている。スイッチM1をオフに切り替えるには、スイッチM1と容量C3の接続点を「H」、すなわちスイッチM1と容量C3の接続点は3.0Vに切り替えることとなるが、この立ち上がり時にワンショットパルス発生回路PGが図6、図7の(b)(c)で表すワンショットパルスを出力する。この際、ワンショットパルス発生回路PGが出力するパルスの時間長は適宜変更可能である。抵抗値の低下期間を支配するワンショットパルス発生回路PGが出力するパルスの時間長を大きく採れば、電荷のチャージ・ディスチャージの促進期間を長く取ることが可能である。
【0097】
このワンショットパルス発生回路PGの出力パルス幅で決定される期間、インバータItと容量C3の間の抵抗値が小さくなる。これにより、応答時間の短縮を図ることが可能となる。
【0098】
なお、この図5では送信側回路と接続される抵抗Rtの時定数の調製について記載した。しかし、図4の受信側回路に接続される抵抗Rr及びインバータIrに図5の追加回路を適用することも可能である。本図、及び以降の図8、図12及び図16では、この図4の適用可能箇所を破線で囲むこととする。
【0099】
このように、送信側の入力端子及び受信側の出力端子に直接直流電位を接続すること、及び所定の期間、抵抗値を低下させることで電荷のチャージ・ディスチャージを促進させることで、容量のチャージ・ディスチャージを加速することが可能となる。
【0100】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0101】
第1の実施の形態では、900MHz帯と1.8GHz帯のバンドに対してそれぞれスイッチを入れて送受信を制御する電力増幅モジュールを説明した。
【0102】
本実施の形態では、1GHz帯として850MHzと900MHzの2バンド、2GHz帯として1.8GHzと1.9GHzの計4バンド、の計4バンドに対応することを想定する。
【0103】
図8は、本発明の第3の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。図9は、図8のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【0104】
第1の実施の形態では、制御用の入力端子がアンテナ切り替え用入力端SW_INのみであった。これに対し、本実施の形態では、受信側の回路が低周波数系統のスイッチM3a、M4aと高周波数系統のスイッチM3b、M4bの2系統の受信回路を含む。
【0105】
なお、送信側については、バイアス電流などの調整により、電力増幅器11、12で2つの周波数に対応可能である。従って、送信側の説明については第2の実施の形態と同様であるので省略する。
【0106】
受信側の回路にはそれぞれ独立した妨害波阻止用のSAW(表面弾性波)フィルタを設ける必要がある。このため各バンド専用の出力が必要となる。図8では低周波系統のスイッチM3a及びM4aを低周波側スイッチ回路RL、高周波系統のスイッチM3b及びM4bを高周波側スイッチ回路RHと称呼する。
【0107】
第1の実施の形態では、入力はアンテナ切り替え用入力端SW_IN1本であった。これに対し、本実施の形態では、送信側アンテナ切り替え用入力端TX_SW_INと受信側アンテナ切り替え用入力端RX_SW_INの2入力となる。
【0108】
送信側アンテナ切り替え用入力端TX_SW_INは送信側を有効にするかを決定するための入力端子である。この端子が「H」レベルの時は送信側回路の出力がアンテナに接続される。一方、この端子が「L」レベルの時は、送信側回路の出力がシャント用のスイッチM2を介して接地される。
【0109】
受信側アンテナ切り替え用入力端RX_SW_INは低周波側スイッチ回路RLまたは高周波側スイッチ回路RHのいずれを有効にするかを決定する入力端子である。この端子が「H」レベルの時は低周波側スイッチ回路RLが有効になる。一方、「L」レベルの時は高周波側スイッチ回路RHが有効になる。
【0110】
図示しない送信側回路には、最大で2Wと言った大電力がかかる。これに対し受信側回路は最大でも1mW程度の電力しか通過しない。このため、容量C2に低周波側スイッチ回路RL及び高周波側スイッチ回路RHが直接接続され、同一の直流電位とする。この場合であっても、オン/オフのマージン電圧は低下するものの、受信用には十分な性能を得ることが可能となる。また、直流カット用の容量を減らすことも可能である。
【0111】
図10は、図9のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。この図のように、送信に用いる所望の周波数によって、部品の選択余地があるカプラ31、32及びLPF23、24をSOICMOS外に配置することで、部品の選択の余地を残すことも可能である。
【0112】
このように複数の受信信号系を同一の直流電位に設定することで直流カット用の容量の増加を防ぐことが可能となる。
【0113】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0114】
これまでの実施の形態では、信号をアンテナに通すスイッチM1、M3に損失の少ないN型のMOSFETを適用してきた。しかし、損失を考慮する必要が無い場合には信号をアンテナに通すスイッチM1、M3にP型のMOSFETを用いても良い。
【0115】
図11は、本発明の第4の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。この図では、送信側のスイッチM1をN型MOSFETで、シャント用のスイッチM2にP型のMOSFETを用いる。一方で受信側スイッチ回路では、スイッチM3にP型MOSFETをで、シャント用のスイッチM4にN型MOSFETを用いる。この場合、入力信号系及び出力信号系に同じ直流バイアスを掛けても、第1の実施の形態と同じマージン電圧を確保することが可能となる。
【0116】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0117】
上記第1乃至第4の実施の形態では、GSM等のTDMAを用いた第2世代の多重接続方式を想定して説明した。これに対し、本実施の形態はW−CDMA等の第3世代の多重接続方式で出力の切り替えを行うことを想定する。
【0118】
図12は、本発明の第5の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。これまでのスイッチ回路は、1本のアンテナANTを入力もしくは出力のいずれで用いるかを表すものであった。これに対し、このスイッチ回路は、これまでの図と異なり、送信信号入力端子Pinから入力される入力信号が2つの出力端子(Band1出力端子、Band2出力端子)のいずれを通過するかを切り替えるスイッチ回路である。
【0119】
このスイッチ回路は、制御用端子として切り替え用入力端SW_INbを持つ。
【0120】
切り替え用入力端SW_INbが「H」レベルの時は送信信号入力端子Pinから入力される入力信号はBand1出力から出力される。一方、切り替え用入力端SW_INbが「L」レベルの時は入力信号送信信号入力端子Pinから入力される入力信号はBand2出力から出力される。
【0121】
この切り替え用入力端SW_INbが、各スイッチM1、M2、M3、M4のゲート端子を制御する。この際、送信信号入力端子Pinと各出力端子をつなぐスイッチM1、M3にN型MOSFETを、シャント用のスイッチM2,M4にP型MOSFETを用いること、及び出力端直前に挿入された容量Cb1、Cb2のチャージ用に切り替え用入力端SW_INbの入力信号が用いられる。
【0122】
図13は、図12のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。この図は、1GHz帯と2GHz帯の双方を使用するデュアルバンド方式を想定したものである。しかし、トライバンド方式、マルチバンド方式でも本発明の適用は可能である。
【0123】
W−CDMAでは帯域拡散を行うため、出力のピークは低い。従って、GSM方式のように3段増幅を行うことは少なく、一般的には図13のような2段増幅器111、112により増幅を行うこととなる。
【0124】
それぞれの2段増幅器111、112の出力はマッチング回路141、142を経由してカプラ131、132に入力される。
【0125】
カプラ131、132は出力電圧を検出し、検波回路151、152が図示しない制御回路に現在の送信電力を伝達する。図示しない制御回路は2段増幅器111、112の動作電圧の調整、バイアス回路161、162を介してのバイアス電流の調整により送信電力制御を行う。
【0126】
図12のスイッチ回路は、本図のスイッチ回路121、122として適用される。なお、図12では、Band1出力、Band2出力としていたが、低周波側に挿入されるスイッチ回路122では、それぞれBand5/6出力、Band8出力となる。
【0127】
また、図14は、図13のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。このように、W−CDMA方式でもカプラ131、132及びマッチング回路141、142を取替え可能なようにして、1チップ化することが可能である。
【0128】
このように、GSM方式での入出力切り替えだけでなくW−CDMA方式の出力先の切り替えでも負バイアス回路を用いることなく本発明の適用は可能である。
【0129】
(第6の実施の形態)
最後に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0130】
送信出力が1mW程度に小さくなると図14で表す2段増幅器111、112を止めて、そのまま増幅することなく出力すれば、消費電力の低減を図ることが可能である。
【0131】
図15は、本発明の第6の実施の形態に関わるアンテナ切り替え器の構成を表す概念図である。このアンテナ切り替え器はバイパス経路を設けるためのスイッチ回路181、182と第5の実施の形態に関わるスイッチ回路121、122を置き換えるためのスイッチ回路191と192に特徴がある。
【0132】
スイッチ回路181、182は検波回路151、152の出力に応じて図示しない制御回路がバイパスを用いるか否かを決定するスイッチ回路である。図では省略されているが、このスイッチを制御するための信号が、図示しない制御回路から出力されている。
【0133】
スイッチ回路191、192は、スイッチ回路121、122に入力側の切り替えも可能な構成としたスイッチ回路である。
【0134】
図16は、この本発明の第6の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【0135】
このスイッチでは入力側制御端子Sin及び出力側制御端子Soutの二本の制御端子が存在する。入力側制御端子Sin及び出力側制御端子SoutをアンドゲートNAND1、AND2を組み合わせることで、入力端子、出力端子の選択を行う。
【0136】
NAND1の出力は、インバータを挟んだ後に、スイッチM1と本実施の形態で新設するスイッチMb1のゲート端子に入力される。スイッチM1がN型MOSFETであるのに対し、スイッチMb1はP型MOSFETを用いることで、NAND1の出力が「H」の時はバイパス側を、「L」の時は2段増幅器111、112を通った増幅後の信号が入力信号となる。
【0137】
AND2の出力も、インバータを挟んだ後に、スイッチM3と本実施の形態で新設するスイッチMb2のゲート端子に入力される。スイッチM3もがN型MOSFETであり、スイッチMb2はP型MOSFETである。これにより、AND2の出力が「H」の時にはバイパス側が、「L」の時にはスイッチ回路181、182を通したバイパス経路の信号を入力信号とすることとなる。
【0138】
NAND1及びAND2は共に入力側制御端子Sinを入力の一つとする。
【0139】
一方NAND1は出力側制御端子Soutをそのまま入力とするのに対し、AND2は出力側制御端子SoutをインバータIxで反転させたものを入力とする。これにより、Band1出力とBand2出力のいずれか一方のみが動作する出力端子となる。
【0140】
入力側制御端子Sinは、スイッチ回路181、182を通したバイパス経路の信号を入力信号とするか、2段増幅器111、112を通った増幅後の信号を入力信号とするかを決定する制御端子である。この制御端子が「H」の時は2段増幅器111、112を通った増幅後の信号を入力信号とする。一方、この制御端子が「L」の時はスイッチ回路181、182を通したバイパス経路の信号を入力信号とする。
【0141】
一方、出力側制御端子Soutは、Band1出力を通すか、Band2出力を通すかを決定する出力制御端子である。この制御端子が「H」の時は出力をBand1出力に、「L」の時は出力をBand2出力にそれぞれ選択する。
【0142】
以上のような構成を採ることで、出力端子の切り替えだけでなく、入力端子の切り替えも可能となる。
【0143】
この際、本実施の形態では、出力側制御端子Soutの信号をインバータIr1、Ir2及び抵抗Rr1、Rr2を介して接続することで出力端直前に挿入される容量Cb1、Cb2のチャージ・ディスチャージを促進する。これにより、第2の実施の形態相当の機能を実現することが可能となる。この際、図5のようなワンショットパルス発生回路PGを用いた形態としても良い。
【0144】
このように、バイパスを用いる場合でも負バイアス回路を用いることなく本発明の適用は可能である。また、送受信の切り替えだけでなく2つの送信端子のいずれを用いるかの切り替えについても本発明は適用可能である。
【0145】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0146】
ANT…アンテナ、NAND1…ナンドゲート、AND2…アンドゲート、
C1…増加分容量、C2…容量、C3…容量、C4…容量、
Cg1、Cg2…接地容量、Ir、It、Ix…インバータ、
M1、M2.M3、M3a、M3b、M4、M4a、M4b…スイッチ、
PG…ワンショットパルス発生回路、Rb、Rc、Rr、Rt…抵抗、
11、12…3段増幅器、21、21c、22、22c…スイッチ、
23、24…LPF、30…バイアス電流及びアンテナ切り替え制御回路、
31、32…カプラ、100…バイアス回路、
111、112…2段増幅器、121、122…スイッチ回路、
131、132…カプラ、141、142…マッチング回路、
151、152…検波回路、161、162…バイアス回路、
171、172…マッチング回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯無線機等に用いられるスイッチ回路、特に入出力切り替え及び2以上の出力の切り替えに用いるスイッチ回路のスプリアスの発生の防止等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は広く一般的に用いられている。携帯電話機の多元接続方式としてCDMA(Code Division Multiple Access)を用いたUMTS(W−CDMA)方式や、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を用いたGSMが主要な方式として知られている。
【0003】
携帯電話機用のRF部では集積化が進んでおり、GSM方式ではアンテナスイッチと電力増幅器を同一モジュール(ハイブリッドIC)に集積した製品が多く用いられる。
【0004】
現在はアンテナスイッチを化合物半導体の一種であるpHEMTを用いて実現する場合が多い。しかし、低コスト化を進める上で、シリコンデバイス(CMOS)での実現が重要となる。
【0005】
従来の技術として、米国特許公報US7123898B2(特許文献1)が上げられる。この文献では、SOS(Silicon on Safire)CMOSを適用したスイッチの技術が開示されている。
【0006】
図1はこの特許文献1記載の技術についての概念図である。なお、ここでは簡略化のため送信系1系統、受信系1系統の例を挙げる。
【0007】
この特許文献1の例では、送信器側のスイッチM1、M2、受信器側のスイッチM3、M4を含んで構成される。これらのスイッチを構成する素子はすべてオン抵抗に消費電力の小さなnMOSFETで構成する。
【0008】
この例では各端子の直流電位は接地電位になる。スイッチをオンするにはFETゲート電圧を上げ、オフするにはゲート電圧を下げる。仮に電源電圧を2.7V、FETのしきい電圧を0.7Vとすると、オンした場合は閾値電圧から2.0Vのマージン電圧があり、オフした場合は0.7Vのマージン電圧がある。このようにマージンがオンオフ2つの状態で異なり、特にオフのマージンが小さいため、入力RF信号が大きい場合にはゲート電圧がRF信号により強制的に上昇し、擬似的にオンの状態になり損失が増大することも考えられる。
【0009】
これを防止するために、特許文献1記載の技術ではオフ用に負バイアス(たとえば−3V)を発生し、オフ状態のマージン電圧を十分確保するという対策を施していた。
【0010】
例えば送信時にはスイッチM1のゲート端子に+3Vを印加し、シャント用のスイッチM2のゲート端子に−3Vを印加する。これにより、図示しないアンテナに送信出力を接続する。また受信側のスイッチM3のゲート端子には−3Vを印加し、シャント用のスイッチM4のゲート端子には+3Vを印加する。この措置により受信入力をアンテナから切り離す。この際、オフ時のマージン電圧を3.7Vとすることで、オフFETの誤動作は抑圧されることとなる。
【0011】
特開2008−11120号公報(特許文献2)では、スルー側のスイッチ(M1、M3)にnMOSを、シャント側のスイッチ(M2、M4)にpMOSを用いる事で同じ制御電圧で2つのFETを制御し、制御信号の発生を簡略化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許公報US7123898B2
【特許文献2】特開2008−11120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1記載の技術では、負バイアス発生回路の実装が不可欠となる。従って、スイッチと同一チップに負バイアス発生回路を集積したとすると、負バイアス発生回路中の発振器により、負バイアス発生回路はスプリアスの発生源となる可能性が高い。
【0014】
また負バイアスの発生には、ある所定の時間が必要である。そのため、負バイアス発生に必要な時間を考慮した制御タイミングを適用する必要がある。特許文献2記載の技術では制御シーケンスの自由度を少なくするといった問題があった。
【0015】
本発明の目的は、負バイアス発生回路を用いずにマージン電圧を改善することができる手段をスイッチ回路に提供することにある。
【0016】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0018】
本発明の代表的な実施の形態に関わるスイッチ回路は、アンテナを外部回路と接続するかを決定し、該スイッチ回路は、外部回路の出力をアンテナに通す第1のスイッチと、電気的に第1のスイッチと外部回路のとの電気的接続の間に位置する容量を含み、第1のスイッチの制御信号の極性をインバータで反転して第1のスイッチと容量の間の接続点に接続することを特徴とする。
【0019】
このスイッチ回路において、接続点とインバータの間に第1の抵抗を含むことを特徴としても良い。
【0020】
このスイッチ回路において、更に第1の抵抗と並列に接続する第2の抵抗及び抵抗開閉スイッチを含み、抵抗開閉スイッチを開閉することでインバータに接続される抵抗値を可変とすることを特徴としても良い。
【0021】
このスイッチ回路において、更に第1のスイッチの制御信号が入力されるワンショットパルス発生回路を含み、第1のスイッチの制御信号の変化をタイミングに、ワンショットパルス発生回路が所定の時間に抵抗開閉スイッチを開閉することを特徴としても良い。
【0022】
これらのスイッチ回路において、第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0023】
これらのスイッチ回路において、第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0024】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、該スイッチ回路は、アンテナから切り離したときに外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、第2のスイッチの制御信号の極性を反転して第2のスイッチの接地端に接続することを特徴とする。
【0025】
このスイッチ回路において、第2のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第2のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0026】
このスイッチ回路において、第2のスイッチがN型FETを含んで構成され、制御信号が第2のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0027】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、外部回路の出力をアンテナに通す第1のスイッチと、第1のスイッチと外部回路の接続点から分岐される形で設けられ、アンテナから切り離したときに外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、第1のスイッチと第2のスイッチの制御を同一の制御信号で制御し、制御信号を反転させて、第2のスイッチの接地端の電位を決定することを特徴とする。
【0028】
このスイッチ回路において、第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、第2のスイッチがP型FETを含んで構成され、制御信号が第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子と第2のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されることを特徴としても良い。
【0029】
このスイッチ回路において、第1のスイッチと第2のスイッチの接続点と外部回路の電気的接続の間に容量を更に含み、この容量の充放電に、制御信号を反転させた信号を用いることを特徴としても良い。
【0030】
このスイッチ回路において、抵抗回路を介して制御信号を反転させた信号を容量に接続することを特徴としても良い。
【0031】
このスイッチ回路において、抵抗回路は並列に接続された電気的に切り離し可能な複数の抵抗を含んで構成されることを特徴としても良い。
【0032】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを送信用回路または受信用回路のいずれと接続するかを決定し、送信用回路をアンテナと接続するか、送信用回路を接地するかを決定する送信側スイッチ回路と、受信用回路をアンテナと接続するか、受信用回路を接地するかを決定する受信側スイッチ回路と、を含み、送信側スイッチ回路と受信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、送信側スイッチ回路または受信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に制御信号を入力し、他の1の接地端に制御信号の反転信号を入力することを特徴とする。
【0033】
このスイッチ回路において、送信側スイッチ回路とアンテナとの電気的接続の間に第1の容量を有し、受信側スイッチ回路とアンテナとの電気的接続の間に第2の容量を有し、送信側スイッチ回路と受信側スイッチ回路と異なる直流電位を設定することが可能なことを特徴とする。
【0034】
このスイッチ回路において、送信側スイッチ回路と送信用回路の電気的接続の間に第3の容量を有し、第3の容量の充放電に前記制御信号に基づく信号を用いることを特徴としても良い。
【0035】
このスイッチ回路において、受信側スイッチ回路と受信用回路の電気的接続の間に第4の容量を有し、この第4の容量の充放電に制御信号に基づく信号を用いることを特徴としても良い。
【0036】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、アンテナを送信用回路、第1の受信用回路又は第2の受信用回路のいずれと接続するかを決定するスイッチ回路であって、第1の受信用回路を前記アンテナと接続するか、第1の受信用回路を接地するかを決定する第1の受信側スイッチ回路と、第2の受信用回路をアンテナと接続するか、第2の受信用回路を接地するかを決定する第2の受信側スイッチ回路と、を含み、第1の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子と第2の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子とを同一の直流電位にすることを特徴とする。
【0037】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定し、送信信号を第1の送信回路に出力するか、第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、送信信号を第2の送信回路に出力するか、第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、第1の送信側スイッチ回路と第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、第1の送信側スイッチ回路または第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に制御信号の反転信号を入力することを特徴とする。
【0038】
本発明の代表的な実施の形態に関わる別のスイッチ回路は、バイパス信号又は増幅信号のいずれかを送信信号とする決定し、送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定し、送信信号を第1の送信回路に出力するか、第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、送信信号を第2の送信回路に出力するか、第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、第1の送信側スイッチ回路と第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、第1の送信側スイッチ回路または第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力することを特徴とする。
【0039】
上記スイッチ回路を用いる半導体装置、また、この半導体装置を用いる携帯無線機も本発明の射程に入る。
【発明の効果】
【0040】
本発明に関わるスイッチ回路は、信号を通すスルーパスにnMOSFETを、信号を切る際にオンするシャントパスにpMOSFETを使用し、信号を通す際にスルーパスの直流電位を接地電位に設定し、信号を切る際にスルーパスの直流電位を電源電位VDDに設定する。これにより、nMOSFETがオンする場合にはマージン電圧を電源電位VDD−閾値電圧Vthと、pMOSFETがオンする場合にマージン電圧を電源電位VDD−閾値電圧Vthと、することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】特許文献1記載の技術についての概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図3】図2のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に関わるチャージ用回路の構成を表す回路図である。
【図6】インバータの立ち上がり時におけるチャージ用回路の各計測点の電圧波形を表す波形図である。
【図7】インバータの立ち下がり時におけるチャージ用回路の各計測点の電圧波形を表す波形図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図9】図8のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【図10】図9のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【図13】図12のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【図14】図13のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に関わるアンテナ切り替え器の構成を表す概念図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施の形態に分割して説明する。しかし、特に明示した場合を除き、それは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものでなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0043】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合を除き、必ずしも必須のものでないことは言うまでもない。また、実施の形態の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、CMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。なお、実施の形態で、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:またはMOSFETトランジスタと略す)と記載した場合、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。
【0044】
以下、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。また、図3は、このスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【0046】
従来の物と同じく、このスイッチ回路も1つのアンテナを送信回路と受信回路に繋ぎ替えるSPDT(Single Pole Double Throw)構成を採る。
【0047】
送信側スイッチ回路は複数のN型MOSFET列で構成されるスルー用のスイッチM1と、P型MOSFET列で構成されたシャント用のスイッチM2及び交流的にM2の一端を接地するための容量Cg1、インバータ回路などの周辺回路から構成される制御回路を含んで構成される。また、このスイッチ回路の入力端子としてアンテナ切り替え用入力端SW_INが存在する。送信側スイッチ回路はスイッチM1とスイッチM2が接続されている点で容量C3を介して、図示しない送信側回路に接続されている。
【0048】
アンテナ切り替え用入力端SW_INは、アンテナANTを図示しない送信側回路に接続するか、同じく図示しない受信側回路に接続するかを切り替える選択信号である。このアンテナ切り替え用入力端SW_INに「H」レベルが入力されると送信側が選択され、「L」レベルが入力されるとアンテナANTが受信側回路に接続される。ただし、本図上では、アンテナ切り替え用入力端SW_INの極性を送信時に「H」、受信時に「L」としたが、インバータの挿入個数を調整して逆の構成にしても良い。
【0049】
スイッチM1は、図示しない送信回路から出力される伝送路符号化の済んだ送信用信号をアンテナに流すためのスルー側のスイッチである。本図上では、このスイッチM1はN型MOSFET3個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。
【0050】
スイッチM1を構成する各MOSFETはソース端子、ドレイン端子間で上記の伝送路符号化の済んだ送信用信号をアンテナに送信するかを決定する。スイッチM1を構成する各MOSFETのゲート端子はアンテナ切り替え用入力端SW_INがそのままの極性で入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際に、スイッチM1は導通し、図示しない送信側回路とアンテナANTが接続されることとなる。逆にアンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際には、図示しない送信側回路とアンテナANTは切断されることとなる。
【0051】
スイッチM2は図示しない送信側回路を接地するかを決定するシャント用スイッチである。本図では、このスイッチM2はP型のMOSFET8個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。
【0052】
スイッチM2を構成する各MOSFETはソース端子、ドレイン端子間で送信側回路とグランド電位との間を、並列に接続した抵抗を介して接続する。そして、スイッチM2を構成する各MOSFETのゲート端子に入力される信号がスイッチM2の開閉を行う制御信号となる。
【0053】
なお、本発明の各実施の形態でスイッチを構成するMOSFETは特記なき限り、MOSFETのソース・ドレイン間を並列に接続された抵抗で接続されているものとする。
【0054】
スイッチM2を構成する各MOSFETのゲート端子にもアンテナ切り替え用入力端SW_INがそのままの極性で入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際に、スイッチM2はグランドから切り離される。また、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際には、図示しない送信側回路は接地される。
【0055】
スイッチM2は接地容量Cg1を介して接地される。
【0056】
このスイッチM2の接地側の端子と接地容量Cg1の間には、アンテナ切り替え用入力端SW_INが極性反転して接続される。アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際には、スイッチM2の交流接地端子が0Vに設定される。これにより、各スイッチと並列接続された抵抗を介することで、送信側のスイッチ経路の直流電位を全て0Vに設定することができる。
【0057】
スイッチM1で用いられるN型MOSFETの閾値電圧Vthが0.7Vだとすると、ON状態のマージン電圧は2.3Vとなる。
【0058】
一方、スイッチM2のゲート端子も電源電圧に設定される。スイッチM2はP型MOSFETで構成されるため、オフ状態のマージン電圧は3.7Vとなる。
【0059】
一方、受信側スイッチ回路は複数のN型MOSFET列で構成されるスルー用のスイッチM3と、P型MOSFETで構成されたシャント用のスイッチM4及び交流的にM2の一端を接地するための容量Cg2、インバータ回路などの周辺回路から構成される制御回路を含んで構成される。また、このスイッチ回路の制御用の入力端子として、送信側でも用いたアンテナ切り替え用入力端SW_INが存在する。受信側スイッチ回路はスイッチM3とスイッチM4の接続点から、容量C4を介して図示しない受信側回路に電気的に接続されている。
【0060】
スイッチM3は、アンテナANTにより受信された信号を図示しない受信側回路に接続するか否かを決定するスルー用のスイッチである。本図上では、このスイッチM3はN型MOSFET8個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。またスイッチM3の各N型MOSFETゲート幅は6000μmを想定しているが、ゲート幅、ゲート長ともに適宜変更可能である。
【0061】
スイッチM3を構成する各MOSFETはソース端子、ドレイン端子間でアンテナANTが受信した信号を受信側回路に送信する。このMOSFETのゲート端子にはアンテナ切り替え用入力端SW_INが極性反転された後に入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際に、スイッチM3は導通し、アンテナANTが図示しない受信側回路と接続されることとなる。逆にアンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際には、アンテナANTと図示しない受信側回路は切断されることとなる。
【0062】
スイッチM4は、図示しない受信側回路を接地するかを決定するシャント用のスイッチである。本図では、このスイッチM4はP型のMOSFET1個で構成されている。ただしMOSFETの数については、適宜変更可能であり、これに拘るものではない。
【0063】
スイッチM4を構成するMOSFETはソース端子・ドレイン端子間で受信側回路とグランド電位との間を、並列に接続された抵抗を介して接続する。このMOSFETのゲート端子はアンテナ切り替え用入力端SW_INの極性が反転した形で入力される。すなわち、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際に、スイッチM4はグランドから切り離される。また、アンテナ切り替え用入力端SW_INが「H」レベルの際には、図示しない受信側回路の入力端は接地される。
【0064】
スイッチM4は接地容量Cg2を介して接地される。
【0065】
このスイッチM4の接地端子と接地容量Cg2の間には、アンテナ切り替え用入力端SW_INが接続される。アンテナ切り替え用入力端SW_INが「L」レベルの際には、スイッチM4と接地容量Cg2の接続点である交流接地部が0Vに設定される。
【0066】
受信側のスイッチM4の交流接地端子は3.0Vに設定される。このスイッチM4内のMOSFETに並列に設けた抵抗を介して、受信側のスイッチ経路の直流電位が3.0Vに設定される。また、スイッチM3のゲート端子電圧は接地電位(=0.0V)に設定される。
【0067】
スイッチM3で用いられるN型のMOSFETの閾値電圧Vthが0.7Vだとすると、ON状態のマージン電圧は2.3V(=3.0V-0.7V)となる。一方、スイッチM4のゲート端子も電源電圧に設定される。スイッチM4はP型MOSFETで構成されているため、オン状態のマージン電圧は2.3となる。
【0068】
上記で説明したように、同一のタイミングでは、送信側のスイッチM1、M2及び受信側のスイッチM3、M4は異なる直流電位の設定が必要となる。これを実現する手段がアンテナANTとの間に配置された増加分容量C1である。これを挟むことで、送信側の直流成分が受信側に、またはその逆が発生することが回避される。結果、本スイッチ回路は、送信端子及びアンテナ端子は直流的には分離されているが、交流的な接続を維持することが可能となる。
【0069】
なお、増加分容量C1の容量値は、使用する周波数や送受信方式により決定される。
【0070】
次に、図3を用いて、図2のスイッチ回路が電力増幅器モジュールにどのように適用されるかを説明する。
【0071】
図3は、本発明の第1の実施の形態に関わるスイッチ回路を用いた電力増幅器モジュールのブロック図である。
【0072】
本図の電力増幅器モジュールは、増幅回路10とアンテナスイッチ20を含んで構成されている。
【0073】
本図の増幅回路10は、高周波側(1.8GHz)と低周波側(900MHz)の2つの周波数帯域に対応したものとなっており、それぞれに3段増幅器11、12が配置されている。また、増幅回路10には、バイアス電流及びアンテナ切り替え制御回路30が含まれる。このバイアス電流及びアンテナ切り替え制御回路30によって、3段増幅器11、12の各段に供給されるバイアス電流及び後述するスイッチ21、22が制御される。
【0074】
3段増幅器11、12の出力はカプラ31、32を介して、アンテナスイッチ20に入力される。LPF23、24は、このカプラ31,32の出力信号から高調波成分を排除し、スイッチ21、22に出力する。
【0075】
スイッチ21、22はLPF23、24の出力である送信信号及びアンテナANTから送られる受信信号を切り替えるスイッチである。このスイッチ21、22に図2で表したスイッチ回路を適用する。
【0076】
ダイプレクサ33は各スイッチから送られてくる送信信号に900MHz帯、1.8GHz帯の出力を合成して、アンテナANTに接続する。
【0077】
以上のような構成を採ることにより、信号線とスイッチとして用いられるMOSFETのゲート端子の電位の双方を変化させることが可能となる。これにより、負バイアス発生回路を用いることなく十分なマージン電圧を確保することが可能となる。
【0078】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0079】
第1の実施の形態では、交流信号の接地点にインバータを介してアンテナ切り替え用入力端SW_INの信号を印加していた。この場合、送信側の入力端子に接続された容量C3(図2など参照)の蓄積電荷をチャージ、ディスチャージするのに時間がかかる場合がある。
【0080】
しかし、ヨーロッパを中心に広く用いられているGSM仕様は、TDMA(Time Division Multiple Access)を採用している。従って、時分割制御の要請から、チャージ・ディスチャージを速やかに終了させる必要がある。
【0081】
本実施の形態は、接地端だけでなく、送信入力端子にも抵抗を介してインバータを設け直流電位を設定可能にするものである。
【0082】
図4は、本発明の第2の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【0083】
この図を見ても明らかな通り、送信側に関しては、第1の実施の形態に関わるスイッチM1及びM2のゲート端子に接続された信号からインバータIt及び抵抗Rtを介して容量C3に接続されている。また、受信側についても、スイッチM3及びM4のゲート端子に接続された信号からインバータIr及び抵抗Rrを介して容量C4に接続されている。
【0084】
このように、スイッチのゲート端子に入力する信号を反転して、容量C3、C4に直接接続することで、チャージ・ディスチャージの高速化を図っている。
【0085】
ただし、これだけでは十分な対策とは言いづらいものがある。
【0086】
すなわち、図上の抵抗Rt、Rrは波形の歪みの影響を避けるために、数100KΩを超える値を設定すると思われる。しかし、このように大きな抵抗を挿入すると、チャージ・ディスチャージに十分な速度を得られないことも考えられる。
【0087】
図5は、本発明の第2の実施の形態に関わるチャージ用回路の構成を表す回路図である。
【0088】
このチャージ用回路は、図4のインバータIt及び抵抗Rtに追加する形で設けられる。従って、本図のインバータIt及び抵抗Rtは、図4で用いられているインバータIt及び抵抗Rtと同じものである。
【0089】
このチャージ用回路は、抵抗Rtと電気的に並列に配置された抵抗Rb、Rcを開閉することで抵抗値を変更させることに特徴がある。この抵抗Rb、Rcの開閉にはコンプリメンタリスイッチMP1、MP2を用いる。
【0090】
コンプリメンタリスイッチMP1はP型MOSFETを含んで構成されるスイッチ回路である。また、コンプリメンタリスイッチMP2はN型MOSFETを含んで構成されるスイッチ回路である。
【0091】
これらのコンプリメンタリスイッチMP1、MP2を動作するワンショットパルスを生成するのがワンショットパルス発生回路PGである。このワンショットパルス発生回路PGの動作条件は、入力されるスイッチM1のゲート端子への信号の立ち上がり及び立下りである。動作条件を具備すると、ワンショットパルス発生回路PGはワンショットパルスを出力する。
【0092】
本図に記載した(A)、(B)、(C)は、図6及び図7の電圧波形の測定点を表す。(A)はインバータItの出力(=ワンショットパルス発生回路PGの動作条件)を、(B)はP型MOSFETで構成されたコンプリメンタリスイッチMP1のゲート端子を、(C)はN型MOSFETで構成されたコンプリメンタリスイッチMP2のゲート端子をそれぞれ表す。
【0093】
なお、図上では、P型のMOSFETをスイッチとして用いる抵抗Rbと、N型のMOSFETをスイッチとして用いる抵抗Rcの2つを抵抗Rtと並列に接続している。しかし、いずれか一方を用いる形態であっても問題は無い。また抵抗Rb,Rcの双方に同一種類のMOSFETを用いても問題は無い。
【0094】
図6はインバータItの立ち上がり時におけるチャージ用回路の電圧波形を表す波形図である。また、図7はインバータItの立ち下がり時におけるチャージ用回路の電圧波形を表す波形図である。
【0095】
これらの図を見ても分かるとおり、ワンショットパルス発生回路PGがパルス波形を出力している間は並列に接続したスイッチ及び抵抗Rb、Rcによって回路全体の抵抗値が減少する。これにより、時定数が低減され、容量C3への電荷のチャージ・ディスチャージが加速される。
【0096】
次に、より上流のスイッチM1の動作から振り返る。スイッチM1がオン状態にある場合、スイッチM1と容量C3の間は0Vにバイアスされている。スイッチM1をオフに切り替えるには、スイッチM1と容量C3の接続点を「H」、すなわちスイッチM1と容量C3の接続点は3.0Vに切り替えることとなるが、この立ち上がり時にワンショットパルス発生回路PGが図6、図7の(b)(c)で表すワンショットパルスを出力する。この際、ワンショットパルス発生回路PGが出力するパルスの時間長は適宜変更可能である。抵抗値の低下期間を支配するワンショットパルス発生回路PGが出力するパルスの時間長を大きく採れば、電荷のチャージ・ディスチャージの促進期間を長く取ることが可能である。
【0097】
このワンショットパルス発生回路PGの出力パルス幅で決定される期間、インバータItと容量C3の間の抵抗値が小さくなる。これにより、応答時間の短縮を図ることが可能となる。
【0098】
なお、この図5では送信側回路と接続される抵抗Rtの時定数の調製について記載した。しかし、図4の受信側回路に接続される抵抗Rr及びインバータIrに図5の追加回路を適用することも可能である。本図、及び以降の図8、図12及び図16では、この図4の適用可能箇所を破線で囲むこととする。
【0099】
このように、送信側の入力端子及び受信側の出力端子に直接直流電位を接続すること、及び所定の期間、抵抗値を低下させることで電荷のチャージ・ディスチャージを促進させることで、容量のチャージ・ディスチャージを加速することが可能となる。
【0100】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0101】
第1の実施の形態では、900MHz帯と1.8GHz帯のバンドに対してそれぞれスイッチを入れて送受信を制御する電力増幅モジュールを説明した。
【0102】
本実施の形態では、1GHz帯として850MHzと900MHzの2バンド、2GHz帯として1.8GHzと1.9GHzの計4バンド、の計4バンドに対応することを想定する。
【0103】
図8は、本発明の第3の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。図9は、図8のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。
【0104】
第1の実施の形態では、制御用の入力端子がアンテナ切り替え用入力端SW_INのみであった。これに対し、本実施の形態では、受信側の回路が低周波数系統のスイッチM3a、M4aと高周波数系統のスイッチM3b、M4bの2系統の受信回路を含む。
【0105】
なお、送信側については、バイアス電流などの調整により、電力増幅器11、12で2つの周波数に対応可能である。従って、送信側の説明については第2の実施の形態と同様であるので省略する。
【0106】
受信側の回路にはそれぞれ独立した妨害波阻止用のSAW(表面弾性波)フィルタを設ける必要がある。このため各バンド専用の出力が必要となる。図8では低周波系統のスイッチM3a及びM4aを低周波側スイッチ回路RL、高周波系統のスイッチM3b及びM4bを高周波側スイッチ回路RHと称呼する。
【0107】
第1の実施の形態では、入力はアンテナ切り替え用入力端SW_IN1本であった。これに対し、本実施の形態では、送信側アンテナ切り替え用入力端TX_SW_INと受信側アンテナ切り替え用入力端RX_SW_INの2入力となる。
【0108】
送信側アンテナ切り替え用入力端TX_SW_INは送信側を有効にするかを決定するための入力端子である。この端子が「H」レベルの時は送信側回路の出力がアンテナに接続される。一方、この端子が「L」レベルの時は、送信側回路の出力がシャント用のスイッチM2を介して接地される。
【0109】
受信側アンテナ切り替え用入力端RX_SW_INは低周波側スイッチ回路RLまたは高周波側スイッチ回路RHのいずれを有効にするかを決定する入力端子である。この端子が「H」レベルの時は低周波側スイッチ回路RLが有効になる。一方、「L」レベルの時は高周波側スイッチ回路RHが有効になる。
【0110】
図示しない送信側回路には、最大で2Wと言った大電力がかかる。これに対し受信側回路は最大でも1mW程度の電力しか通過しない。このため、容量C2に低周波側スイッチ回路RL及び高周波側スイッチ回路RHが直接接続され、同一の直流電位とする。この場合であっても、オン/オフのマージン電圧は低下するものの、受信用には十分な性能を得ることが可能となる。また、直流カット用の容量を減らすことも可能である。
【0111】
図10は、図9のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。この図のように、送信に用いる所望の周波数によって、部品の選択余地があるカプラ31、32及びLPF23、24をSOICMOS外に配置することで、部品の選択の余地を残すことも可能である。
【0112】
このように複数の受信信号系を同一の直流電位に設定することで直流カット用の容量の増加を防ぐことが可能となる。
【0113】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0114】
これまでの実施の形態では、信号をアンテナに通すスイッチM1、M3に損失の少ないN型のMOSFETを適用してきた。しかし、損失を考慮する必要が無い場合には信号をアンテナに通すスイッチM1、M3にP型のMOSFETを用いても良い。
【0115】
図11は、本発明の第4の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。この図では、送信側のスイッチM1をN型MOSFETで、シャント用のスイッチM2にP型のMOSFETを用いる。一方で受信側スイッチ回路では、スイッチM3にP型MOSFETをで、シャント用のスイッチM4にN型MOSFETを用いる。この場合、入力信号系及び出力信号系に同じ直流バイアスを掛けても、第1の実施の形態と同じマージン電圧を確保することが可能となる。
【0116】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0117】
上記第1乃至第4の実施の形態では、GSM等のTDMAを用いた第2世代の多重接続方式を想定して説明した。これに対し、本実施の形態はW−CDMA等の第3世代の多重接続方式で出力の切り替えを行うことを想定する。
【0118】
図12は、本発明の第5の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。これまでのスイッチ回路は、1本のアンテナANTを入力もしくは出力のいずれで用いるかを表すものであった。これに対し、このスイッチ回路は、これまでの図と異なり、送信信号入力端子Pinから入力される入力信号が2つの出力端子(Band1出力端子、Band2出力端子)のいずれを通過するかを切り替えるスイッチ回路である。
【0119】
このスイッチ回路は、制御用端子として切り替え用入力端SW_INbを持つ。
【0120】
切り替え用入力端SW_INbが「H」レベルの時は送信信号入力端子Pinから入力される入力信号はBand1出力から出力される。一方、切り替え用入力端SW_INbが「L」レベルの時は入力信号送信信号入力端子Pinから入力される入力信号はBand2出力から出力される。
【0121】
この切り替え用入力端SW_INbが、各スイッチM1、M2、M3、M4のゲート端子を制御する。この際、送信信号入力端子Pinと各出力端子をつなぐスイッチM1、M3にN型MOSFETを、シャント用のスイッチM2,M4にP型MOSFETを用いること、及び出力端直前に挿入された容量Cb1、Cb2のチャージ用に切り替え用入力端SW_INbの入力信号が用いられる。
【0122】
図13は、図12のスイッチ回路がアンテナ切り替え器中でどのように用いられるのかを表す概念図である。この図は、1GHz帯と2GHz帯の双方を使用するデュアルバンド方式を想定したものである。しかし、トライバンド方式、マルチバンド方式でも本発明の適用は可能である。
【0123】
W−CDMAでは帯域拡散を行うため、出力のピークは低い。従って、GSM方式のように3段増幅を行うことは少なく、一般的には図13のような2段増幅器111、112により増幅を行うこととなる。
【0124】
それぞれの2段増幅器111、112の出力はマッチング回路141、142を経由してカプラ131、132に入力される。
【0125】
カプラ131、132は出力電圧を検出し、検波回路151、152が図示しない制御回路に現在の送信電力を伝達する。図示しない制御回路は2段増幅器111、112の動作電圧の調整、バイアス回路161、162を介してのバイアス電流の調整により送信電力制御を行う。
【0126】
図12のスイッチ回路は、本図のスイッチ回路121、122として適用される。なお、図12では、Band1出力、Band2出力としていたが、低周波側に挿入されるスイッチ回路122では、それぞれBand5/6出力、Band8出力となる。
【0127】
また、図14は、図13のアンテナ切り替え器をSOICMOSの集積回路1チップに集積した例を表す図である。このように、W−CDMA方式でもカプラ131、132及びマッチング回路141、142を取替え可能なようにして、1チップ化することが可能である。
【0128】
このように、GSM方式での入出力切り替えだけでなくW−CDMA方式の出力先の切り替えでも負バイアス回路を用いることなく本発明の適用は可能である。
【0129】
(第6の実施の形態)
最後に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0130】
送信出力が1mW程度に小さくなると図14で表す2段増幅器111、112を止めて、そのまま増幅することなく出力すれば、消費電力の低減を図ることが可能である。
【0131】
図15は、本発明の第6の実施の形態に関わるアンテナ切り替え器の構成を表す概念図である。このアンテナ切り替え器はバイパス経路を設けるためのスイッチ回路181、182と第5の実施の形態に関わるスイッチ回路121、122を置き換えるためのスイッチ回路191と192に特徴がある。
【0132】
スイッチ回路181、182は検波回路151、152の出力に応じて図示しない制御回路がバイパスを用いるか否かを決定するスイッチ回路である。図では省略されているが、このスイッチを制御するための信号が、図示しない制御回路から出力されている。
【0133】
スイッチ回路191、192は、スイッチ回路121、122に入力側の切り替えも可能な構成としたスイッチ回路である。
【0134】
図16は、この本発明の第6の実施の形態に関わるスイッチ回路の構成を表す回路図である。
【0135】
このスイッチでは入力側制御端子Sin及び出力側制御端子Soutの二本の制御端子が存在する。入力側制御端子Sin及び出力側制御端子SoutをアンドゲートNAND1、AND2を組み合わせることで、入力端子、出力端子の選択を行う。
【0136】
NAND1の出力は、インバータを挟んだ後に、スイッチM1と本実施の形態で新設するスイッチMb1のゲート端子に入力される。スイッチM1がN型MOSFETであるのに対し、スイッチMb1はP型MOSFETを用いることで、NAND1の出力が「H」の時はバイパス側を、「L」の時は2段増幅器111、112を通った増幅後の信号が入力信号となる。
【0137】
AND2の出力も、インバータを挟んだ後に、スイッチM3と本実施の形態で新設するスイッチMb2のゲート端子に入力される。スイッチM3もがN型MOSFETであり、スイッチMb2はP型MOSFETである。これにより、AND2の出力が「H」の時にはバイパス側が、「L」の時にはスイッチ回路181、182を通したバイパス経路の信号を入力信号とすることとなる。
【0138】
NAND1及びAND2は共に入力側制御端子Sinを入力の一つとする。
【0139】
一方NAND1は出力側制御端子Soutをそのまま入力とするのに対し、AND2は出力側制御端子SoutをインバータIxで反転させたものを入力とする。これにより、Band1出力とBand2出力のいずれか一方のみが動作する出力端子となる。
【0140】
入力側制御端子Sinは、スイッチ回路181、182を通したバイパス経路の信号を入力信号とするか、2段増幅器111、112を通った増幅後の信号を入力信号とするかを決定する制御端子である。この制御端子が「H」の時は2段増幅器111、112を通った増幅後の信号を入力信号とする。一方、この制御端子が「L」の時はスイッチ回路181、182を通したバイパス経路の信号を入力信号とする。
【0141】
一方、出力側制御端子Soutは、Band1出力を通すか、Band2出力を通すかを決定する出力制御端子である。この制御端子が「H」の時は出力をBand1出力に、「L」の時は出力をBand2出力にそれぞれ選択する。
【0142】
以上のような構成を採ることで、出力端子の切り替えだけでなく、入力端子の切り替えも可能となる。
【0143】
この際、本実施の形態では、出力側制御端子Soutの信号をインバータIr1、Ir2及び抵抗Rr1、Rr2を介して接続することで出力端直前に挿入される容量Cb1、Cb2のチャージ・ディスチャージを促進する。これにより、第2の実施の形態相当の機能を実現することが可能となる。この際、図5のようなワンショットパルス発生回路PGを用いた形態としても良い。
【0144】
このように、バイパスを用いる場合でも負バイアス回路を用いることなく本発明の適用は可能である。また、送受信の切り替えだけでなく2つの送信端子のいずれを用いるかの切り替えについても本発明は適用可能である。
【0145】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0146】
ANT…アンテナ、NAND1…ナンドゲート、AND2…アンドゲート、
C1…増加分容量、C2…容量、C3…容量、C4…容量、
Cg1、Cg2…接地容量、Ir、It、Ix…インバータ、
M1、M2.M3、M3a、M3b、M4、M4a、M4b…スイッチ、
PG…ワンショットパルス発生回路、Rb、Rc、Rr、Rt…抵抗、
11、12…3段増幅器、21、21c、22、22c…スイッチ、
23、24…LPF、30…バイアス電流及びアンテナ切り替え制御回路、
31、32…カプラ、100…バイアス回路、
111、112…2段増幅器、121、122…スイッチ回路、
131、132…カプラ、141、142…マッチング回路、
151、152…検波回路、161、162…バイアス回路、
171、172…マッチング回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、
該スイッチ回路は、前記外部回路の出力を前記アンテナに通す第1のスイッチと、電気的に前記第1のスイッチと前記外部回路との電気的接続の間に位置する容量を含み、
前記第1のスイッチの制御信号の極性をインバータで反転して前記第1のスイッチと前記容量の間の接続点に接続するスイッチ回路。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ回路において、前記接続点と前記インバータの間に第1の抵抗を含むスイッチ回路。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ回路において、更に前記第1の抵抗と並列に接続する第2の抵抗及び抵抗開閉スイッチを含み、
前記抵抗開閉スイッチを開閉することで前記インバータに接続される抵抗値を可変とするスイッチ回路。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ回路において、更に前記第1のスイッチの制御信号が入力されるワンショットパルス発生回路を含み、
前記第1のスイッチの制御信号の変化をタイミングに、前記ワンショットパルス発生回路が所定の期間に前記抵抗開閉スイッチを開閉するスイッチ回路。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスイッチ回路において、前記第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスイッチ回路において、前記第1のスイッチがP型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第1のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項7】
アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、
該スイッチ回路は、前記アンテナから切り離したときに前記外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、
前記第2のスイッチの制御信号の極性を反転して前記第2のスイッチの接地端に接続するスイッチ回路。
【請求項8】
請求項7に記載のスイッチ回路において、前記第2のスイッチがN型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第2のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項9】
請求項7に記載のスイッチ回路において、前記第2のスイッチがP型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第2のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項10】
アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、
前記外部回路の出力を前記アンテナに通す第1のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記外部回路の接続点から分岐される形で設けられ、前記アンテナから切り離したときに前記外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの制御を同一の制御信号で制御し、
前記制御信号を反転させて、前記第2のスイッチの接地端の電位を決定するスイッチ回路。
【請求項11】
請求項10に記載のスイッチ回路において、
前記第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、前記第2のスイッチがP型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子と前記第2のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項12】
請求項10に記載のスイッチ回路において、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの接続点と前記外部回路の電気的接続の間に容量を更に含み、
前記容量の充放電に、前記制御信号を反転させた信号を用いるスイッチ回路。
【請求項13】
請求項12に記載のスイッチ回路において、抵抗回路を介して前記制御信号を反転させた信号を前記容量に接続するスイッチ回路。
【請求項14】
請求項13に記載のスイッチ回路において、
前記抵抗回路は並列に接続された電気的に切り離し可能な複数の抵抗を含んで構成されるスイッチ回路。
【請求項15】
アンテナを送信用回路または受信用回路のいずれと接続するかを決定するスイッチ回路であって、
前記送信用回路を前記アンテナと接続するか、前記送信用回路を接地するかを決定する送信側スイッチ回路と、
前記受信用回路を前記アンテナと接続するか、前記受信用回路を接地するかを決定する受信側スイッチ回路と、を含み、
前記送信側スイッチ回路と前記受信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、
前記送信側スイッチ回路または前記受信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力するスイッチ回路。
【請求項16】
請求項15に記載のスイッチ回路において、
前記送信側スイッチ回路と前記アンテナとの電気的接続の間に第1の容量を有し、
前記受信側スイッチ回路と前記アンテナとの電気的接続の間に第2の容量を有し、
前記送信側スイッチ回路と受信側スイッチ回路と異なる直流電位を設定することが可能なスイッチ回路。
【請求項17】
請求項15に記載のスイッチ回路において、
前記送信側スイッチ回路と前記送信用回路の電気的接続の間に第3の容量を有し、
前記第3の容量の充放電に前記制御信号に基づく信号を用いるスイッチ回路。
【請求項18】
請求項15に記載のスイッチ回路において、
前記受信側スイッチ回路と前記受信用回路の電気的接続の間に第4の容量を有し、
前記第4の容量の充放電に前記制御信号に基づく信号を用いるスイッチ回路。
【請求項19】
アンテナを送信用回路、第1の受信用回路又は第2の受信用回路のいずれと接続するかを決定するスイッチ回路であって、
前記第1の受信用回路を前記アンテナと接続するか、前記第1の受信用回路を接地するかを決定する第1の受信側スイッチ回路と、
前記第2の受信用回路を前記アンテナと接続するか、前記第2の受信用回路を接地するかを決定する第2の受信側スイッチ回路と、を含み、
前記第1の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子と前記第2の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子とを同一の直流電位にするスイッチ回路。
【請求項20】
送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定するスイッチ回路であって、
前記送信信号を前記第1の送信回路に出力するか、前記第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、
前記送信信号を前記第2の送信回路に出力するか、前記第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、
前記第1の送信側スイッチ回路と前記第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、
前記第1の送信側スイッチ回路または前記第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力するスイッチ回路。
【請求項21】
バイパス信号又は増幅信号のいずれかを送信信号とする決定をし、前記送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定するスイッチ回路であって、
前記送信信号を前記第1の送信回路に出力するか、前記第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、
前記送信信号を前記第2の送信回路に出力するか、前記第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、
前記第1の送信側スイッチ回路と前記第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、
前記第1の送信側スイッチ回路または前記第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力するスイッチ回路。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれか1項に記載のスイッチ回路を用いる半導体装置。
【請求項23】
請求項22記載の半導体装置を用いる携帯無線機。
【請求項1】
アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、
該スイッチ回路は、前記外部回路の出力を前記アンテナに通す第1のスイッチと、電気的に前記第1のスイッチと前記外部回路との電気的接続の間に位置する容量を含み、
前記第1のスイッチの制御信号の極性をインバータで反転して前記第1のスイッチと前記容量の間の接続点に接続するスイッチ回路。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ回路において、前記接続点と前記インバータの間に第1の抵抗を含むスイッチ回路。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ回路において、更に前記第1の抵抗と並列に接続する第2の抵抗及び抵抗開閉スイッチを含み、
前記抵抗開閉スイッチを開閉することで前記インバータに接続される抵抗値を可変とするスイッチ回路。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ回路において、更に前記第1のスイッチの制御信号が入力されるワンショットパルス発生回路を含み、
前記第1のスイッチの制御信号の変化をタイミングに、前記ワンショットパルス発生回路が所定の期間に前記抵抗開閉スイッチを開閉するスイッチ回路。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスイッチ回路において、前記第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスイッチ回路において、前記第1のスイッチがP型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第1のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項7】
アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、
該スイッチ回路は、前記アンテナから切り離したときに前記外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、
前記第2のスイッチの制御信号の極性を反転して前記第2のスイッチの接地端に接続するスイッチ回路。
【請求項8】
請求項7に記載のスイッチ回路において、前記第2のスイッチがN型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第2のスイッチを構成するN型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項9】
請求項7に記載のスイッチ回路において、前記第2のスイッチがP型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第2のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項10】
アンテナを外部回路と接続するかを決定するスイッチ回路であって、
前記外部回路の出力を前記アンテナに通す第1のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記外部回路の接続点から分岐される形で設けられ、前記アンテナから切り離したときに前記外部回路を接地するための第2のスイッチを含み、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの制御を同一の制御信号で制御し、
前記制御信号を反転させて、前記第2のスイッチの接地端の電位を決定するスイッチ回路。
【請求項11】
請求項10に記載のスイッチ回路において、
前記第1のスイッチがN型FETを含んで構成され、前記第2のスイッチがP型FETを含んで構成され、前記制御信号が前記第1のスイッチを構成するN型FETのゲート端子と前記第2のスイッチを構成するP型FETのゲート端子に入力されるスイッチ回路。
【請求項12】
請求項10に記載のスイッチ回路において、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの接続点と前記外部回路の電気的接続の間に容量を更に含み、
前記容量の充放電に、前記制御信号を反転させた信号を用いるスイッチ回路。
【請求項13】
請求項12に記載のスイッチ回路において、抵抗回路を介して前記制御信号を反転させた信号を前記容量に接続するスイッチ回路。
【請求項14】
請求項13に記載のスイッチ回路において、
前記抵抗回路は並列に接続された電気的に切り離し可能な複数の抵抗を含んで構成されるスイッチ回路。
【請求項15】
アンテナを送信用回路または受信用回路のいずれと接続するかを決定するスイッチ回路であって、
前記送信用回路を前記アンテナと接続するか、前記送信用回路を接地するかを決定する送信側スイッチ回路と、
前記受信用回路を前記アンテナと接続するか、前記受信用回路を接地するかを決定する受信側スイッチ回路と、を含み、
前記送信側スイッチ回路と前記受信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、
前記送信側スイッチ回路または前記受信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力するスイッチ回路。
【請求項16】
請求項15に記載のスイッチ回路において、
前記送信側スイッチ回路と前記アンテナとの電気的接続の間に第1の容量を有し、
前記受信側スイッチ回路と前記アンテナとの電気的接続の間に第2の容量を有し、
前記送信側スイッチ回路と受信側スイッチ回路と異なる直流電位を設定することが可能なスイッチ回路。
【請求項17】
請求項15に記載のスイッチ回路において、
前記送信側スイッチ回路と前記送信用回路の電気的接続の間に第3の容量を有し、
前記第3の容量の充放電に前記制御信号に基づく信号を用いるスイッチ回路。
【請求項18】
請求項15に記載のスイッチ回路において、
前記受信側スイッチ回路と前記受信用回路の電気的接続の間に第4の容量を有し、
前記第4の容量の充放電に前記制御信号に基づく信号を用いるスイッチ回路。
【請求項19】
アンテナを送信用回路、第1の受信用回路又は第2の受信用回路のいずれと接続するかを決定するスイッチ回路であって、
前記第1の受信用回路を前記アンテナと接続するか、前記第1の受信用回路を接地するかを決定する第1の受信側スイッチ回路と、
前記第2の受信用回路を前記アンテナと接続するか、前記第2の受信用回路を接地するかを決定する第2の受信側スイッチ回路と、を含み、
前記第1の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子と前記第2の受信側スイッチ回路のアンテナ側端子とを同一の直流電位にするスイッチ回路。
【請求項20】
送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定するスイッチ回路であって、
前記送信信号を前記第1の送信回路に出力するか、前記第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、
前記送信信号を前記第2の送信回路に出力するか、前記第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、
前記第1の送信側スイッチ回路と前記第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、
前記第1の送信側スイッチ回路または前記第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力するスイッチ回路。
【請求項21】
バイパス信号又は増幅信号のいずれかを送信信号とする決定をし、前記送信信号を第1の送信回路又は第2の送信回路のいずれに出力するかを決定するスイッチ回路であって、
前記送信信号を前記第1の送信回路に出力するか、前記第1の送信回路を接地するかを決定する第1の送信側スイッチ回路と、
前記送信信号を前記第2の送信回路に出力するか、前記第2の送信回路を接地するかを決定する第2の送信側スイッチ回路と、を含み、
前記第1の送信側スイッチ回路と前記第2の送信側スイッチ回路とを一の制御信号で制御し、
前記第1の送信側スイッチ回路または前記第2の送信側スイッチ回路のいずれか1の接地端に前記制御信号を入力し、他の1の接地端に前記制御信号の反転信号を入力するスイッチ回路。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれか1項に記載のスイッチ回路を用いる半導体装置。
【請求項23】
請求項22記載の半導体装置を用いる携帯無線機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−80187(P2012−80187A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221097(P2010−221097)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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