説明

ステージで搬送される基板上の液滴被着

液滴を被着するための装置は、基板の一領域上に液滴を射出するように構成されたヘッド、ヘッドが基板の一領域上に液滴を射出している間基板を保持するように構成されたステージ、基板を輸送方向でステージ上に移動させるように構成された第1の輸送装置、及び基板を輸送方向でステージから外して移動させるように構成された第2の輸送装置を備える。ステージ及び第1の輸送装置と第2の輸送装置の内の少なくとも一方は輸送方向に一緒に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的にはインクジェットプリンタに関し、さらに詳しくは基板が移動している間のインク滴射出に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは基板上に液滴を被着するための装置の一タイプである。インクジェットプリンタは一般にインク供給源からノズル路へのインク路を有する。ノズル路はノズル開口で終端し、ノズル開口からインク滴が射出される。インク滴射出は一般に、例えば、圧電デフレクタ、熱バブルジェット(登録商標)発生器または静電偏向素子とすることができる、アクチュエータを用いてインク路内のインクを加圧することによって制御される。一般的なプリントヘッドは、対応するノズル開口を有し、アクチュエータが付帯する、インク路のアレイを有する。それぞれのノズル開口からのインク滴射出は独立に制御することができる。ドロップオンデマンド型プリントヘッドでは、プリントアセンブリとプリントされる基板が互いに対して移動している間に、画像の特定のピクセル位置にインク滴を選択的に射出するようにそれぞれのアクチュエータが作動される。高性能プリントヘッドでは、ノズル開口の直径は一般に50μm以下、例えば25μm程度であり、ノズル開口の間隔(ノズルピッチ)は約85μm(300ノズル/インチ相当)より小さい。
【0003】
いくつかのシステムにおいて、基板は、インク滴がプリントヘッドから射出されている間に、プリントヘッドに対して移動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、インクジェットプリンタにおいて、移動中の基板への高精度プリントを実現するための手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、液滴を被着するための装置は、基板の一領域上に液滴を射出するように構成されたヘッド、ヘッドが基板の一領域上に液滴を射出している間基板を保持するように構成されたステージ、基板を輸送方向でステージ上に移動させるように構成された第1の輸送装置、及び基板を輸送方向でステージから移動させるように構成された第2の輸送装置を備える。ステージ及び第1の輸送装置と第2の輸送装置の内の少なくとも一方は移動方向に一緒に移動可能である。
【0006】
実施形態には以下の特徴の内の1つ以上を含めることができる。ヘッド、ステージ、第1の輸送装置及び第2の輸送装置に制御ユニットを動作可能な態様で接続することができ、制御ユニットはステージが輸送方向に移動している間ヘッドに液滴を射出させるように構成することができる。ヘッドは行と列からなるアレイを定める複数のノズルを有することができる。ヘッドは輸送方向に直交する走査方向に移動可能とすることができる。基板は連続とすることができる。ステージは基板の一領域より大きくすることができる。基板を切断するようにカッターを構成することができる。検出器が基板上の基準マークを検出できる。モーターが輸送方向に対して直交方向に基板を移動させるかまたは基板を回転させることができる。スタックが基板を受け取ることができる。スタック及びステージは輸送方向に一緒に移動可能とすることができる。第1の輸送装置は巻出ローラーまたはピンチローラーとすることができる。第2の輸送装置は巻取ローラーまたはピンチローラーとすることができる。リニアモーターがステージ及び第1の輸送装置と第2の輸送装置の内の少なくとも一方を移動させることができる。
【0007】
一態様において、液滴を被着する方法は、輸送方向で第1の輸送装置によりステージ上に基板を移動する工程、基板をステージ上に保持する工程、ヘッドが基板の一領域上に液滴を射出している間輸送方向にステージ及び第1の輸送装置と第2の輸送装置の内の少なくとも一方を一緒に移動させる工程、ステージにより基板を放す工程、及び輸送方向で第2の輸送装置によりステージから基板を移動する工程を含む。
【0008】
実施形態には以下の特徴の内の1つ以上を含めることができる。検出器による基板上の基準マークの検出に応答して基板を位置決めすることができる。ヘッドは基板の一領域上に液滴を射出する前に基板に近づくことができる。ステージはヘッドが基板の一領域上に液滴を射出する前にヘッドに近づくことができる。ヘッドは基板の一領域上に液滴を射出した後に基板から離れることができる。ステージはヘッドが基板の一領域上に液滴を射出した後にヘッドから離れることができる。基板はヘッドが基板の一領域上に液滴を射出する前に切断することができる。基板はヘッドが基板の一領域上に液滴を射出した後に切断することができる。基板を受け取るスタックは輸送方向に移動させることができる。
【0009】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、添付図面に示され、以下の説明に述べられる。本発明のその他の特徴、目的及び利点は、その説明及び部面から、また添付される特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1はプリンタの上面図である。
【図2】図2は一動作モードを示す図1のプリンタの側面図を含む。
【図3】図3は走査型ヘッドを有するプリンタの上面図である。
【図4】図4は一動作モードを示す図3のプリンタの側面図を含む。
【図5】図5は固定輸送装置を有するプリンタの上面図である。
【図6】図6は一動作モードを示す図5のプリンタの側面図を含む。
【図7】図7はスタックを有するプリンタの上面図である。
【図8】図8は一動作モードを示す図7のプリンタの側面図を含む。
【図9】図9は可動スタックを有するプリンタの上面図である。
【図10】図10は一動作モードを示す図9のプリンタの側面図を含む。
【図11】図11はプリント手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【0012】
移動しているシート、例えばウエブ、のような、移動している基板上のプリント作業においておこり得る問題は、基板の「フラッター」及び「ウイービング」である。「フラッター」はプリントヘッドに対する遠近方向へのウエッブの運動を指す。「ウイービング」はプリントヘッドに対するウエブのねじれ、すなわちウエブの平面内の回転を指す。基板は輸送されている間にフラッターまたはウイービングをおこし得るから、高精度プリントを確実に行うためにはヘッドと基板の間の間隔を制御することが重要である。フラッター及びウイービングは、複数のノズルを行及び列からなるアレイで有するプリントヘッドを用いるシステムに対して特に問題である。そのようなシステムにおいては、フラッターの結果として不等なピクセル行間隔が生じ得るし、ウイービングの結果として、特に複数のノズル行を有するプリントヘッドについて、画像の揺れまたは行内の不等ピクセル間隔が生じ得る。したがって、ウエブの位置の精密な制御が要求される。
【0013】
これらの問題は、プリントヘッド、基板を保持できるステージ、ステージ上に基板を移動させるための、巻出ローラーまたはピンチローラーのような、第1の輸送装置、及びステージから基板を取り出すための、巻取ローラーまたはピンチローラーのような、第2の輸送装置を備えるシステムにおいて対処することができる。本システムにおいて、ステージ及び第1の輸送装置と第2の輸送装置の内の一方は基板の位置の精密制御のために一緒に移動することができる。
【0014】
図1及び2は基板2上にプリントするためのインクジェットプリンタ1の一実施形態を示す。基板2は、紙、プラスチックフィルムまたは金属フィルムのような、薄い連続シートとすることができる。基板2は(エンドレスベルトではなく)両端を有する細長いシートとすることができる。基板2の長さに沿って規則的な間隔で基板2上に基準マーク6を形成することができる。基準マーク6は基板上にあらかじめプリントされたマーク、あるいは基板を貫通して形成されたアパーチャまたはノッチとすることができる。基準マーク6は基板2の幅を挟んで両縁に形成することができる。
【0015】
基板2は巻出ローラー7及び巻取ローラー8に巻き付けられる。巻出ローラー7は基板2を輸送方向(X方向)に送り出すことができ、巻取ローラー8は基板2を輸送方向に引っ張ることができる。例えば、基板2の未使用部分が巻出ローラー7に巻き付けられ、基板2の使用済(プリント済)部分が巻取ローラー8に巻き付けられる。基板2を駆動するため、モーターがローラー7,8を回転させることができる。
【0016】
ローラー7と8の間で基板2の一領域の下にステージ4が配置される。ステージ4は剛体、例えばアルミニウムあるいはニッケル(36%)と鉄(64%)の合金でつくられた金属体とすることができる。ステージ4は、ステージ4の孔を介する真空吸引あるいは静電気力を用いてステージ4の上面に基板2を制御可能な態様で確実に固定することができる。巻出ローラー7,巻取ローラー8及びステージ4は、ステージ4,巻出ローラー7及び巻取ローラー8が全てリニアモーター22によって輸送方向に同時に駆動され得るように、フレーム21に結合される。リニアモーター22によって駆動されるX方向のステージ4の移動範囲は比較的大きく、ステージ4の長さ自体の、例えば実質的な部分、例えば少なくとも大部分とすべきである。例えば、ステージ4は基板2上のプリント領域の長さに等しい距離に沿って移動可能とすることができる。
【0017】
X方向の移動に加えて、フレーム21は別のモーター、例えばステップモーターによって、Y方向に移動可能及びXY平面内で(R方向に)回転可能とすることができる。このY方向及びR回転方向の移動はプリントヘッド3上のノズル列との基板の位置合せに用いられ、必要な移動範囲はリニアモーター22によって与えられる移動よりかなり小さく、例えば、おそらく1°の回転まで及びステージ4の長さの2%までであろう。あるいは、プリントヘッド3及び検出器5を支持するフレーム23を、例えばステップモーターにより、Y方向及びR回転方向に移動可能とすることができる。あるいはフレーム21をY方向及びR回転方向の一方にだけ移動可能とし、フレーム23を他方の方向に移動可能とすることができる。あるいは、フレーム21とフレーム23の一方を(いずれのフレームもY方向に移動できず)R回転方向にだけ移動可能とすることができる。
【0018】
液滴を射出するためのノズルを有するプリントヘッド3は基板2の上方に配置される。プリントヘッド3から射出される液体はインクとすることができるが、液体エジェクタ3は他の液体、例えば、生体液、ナノ粒子懸濁液または電子部品を形成するための液体に適する、液体エジェクタとすることができる。プリントヘッド3はインクジェットプリンタ1に固定することができ、プリントヘッド3の長さは基板2の(Y方向、すなわちX方向に対して直交方向の)幅に等しいかまたはさらに大きい。したがって、基板が取り付けられているステージ4は静止しているプリントヘッドを通過することができる。また、プリントヘッド3はノズル線を定める単一ノズル行を有するか、あるいはノズルの行及び列のアレイを定める複数のノズル行を有する。
【0019】
基板2の両縁上の基準マーク6を検出する1つ以上の検出器5,5'も基板3の上方、例えばステージ4の上方に配置される。基準マーク6はあらかじめプリントされたマークとすることができ、検出器5,5'は光センサ、例えばカメラとすることができる。あるいは、基準マーク6は磁性マークとすることができ、検出器5,5'は基板2上に磁気記録された基準マーク6を検出する磁気センサとすることができる。いくつかの実施形態においては、複数の検出器ではなく、単一の検出器5,例えば基板2の全体を見ることができるカメラで、基準マーク6を検出できる。
【0020】
制御ユニット9が動作可能な態様で、プリントヘッド3,ステージ4,検出器5,巻出ローラー7,巻取ローラー8及びリニアモーター22に接続される。制御ユニット9は、ステージ4が輸送方向に移動している間に、プリントヘッド3に液滴を射出させることができる。
【0021】
図11を参照すれば、フローチャート100が制御ユニット9により制御されるプリント手順を示すことができる。初めに、巻出ローラー7が基板2の未使用部分をステージ4上に送り出す。同時に、巻取ローラー8が基板2のプリント済部分を巻き取る(ステップ103及び図2(A))。基板2のプリントされるべき領域がプリントヘッド3の下に到達すると、巻出ローラー7は基板2の送出しを停止する。
【0022】
ステージ4は、基板2がステージ4に固定されるように、ステージ4の孔を通じる空気の吸引によるかまたは静電気力によって基板2を保持する(ステップ112)。真空を印加するための空気ポンプまたは電圧を印加するための電源がステージに接続される。プリントヘッド3が液滴を射出する前に、プリントヘッド3はプリントヘッド3とステージ4の間隔を、例えば0.1〜1.0mmに、小さくするために下方に移動することができる。そうでなければ、ステージ4が上方に移動する。
【0023】
次に、基板2の位置を測定するために、基板2上の基準マーク6を検出器5が検出する(ステップ106)。制御ユニット9が検出器5から信号を受け取り、基板2上のプリント作業が始める前に、例えば液滴が射出されていない間に、基板2がプリントヘッドに対しX方向、Y方向及びR回転方向に関して期待される位置にあるように、ステージ4及び/またはフレーム23の位置を調節する(ステップ109)。ステージ4は、基板2がX方向に移動されている間に液滴が期待される位置に被着されるように基板2を保持するために、Y方向及びR回転方向に位置決めすることができる。詳しくは、ステージ4は、基板2がX方向に移動されている間に、プリントされた画像において行内のピクセル間隔が一様になるようにノズルの複数の行及び列を有するプリントヘッド3によって液滴が被着されるようにR回転方向に位置決めすることができる。上述したように、この位置合せには狭い、例えば、おそらくは1°までの回転及びステージ4の長さまたは幅の2%までの、移動範囲しか必要とされない。検出器5及びステージ4はプリンタ1の設置中または保守中に構成することができる。位置合せは液滴が射出されていないときに行うことができる。
【0024】
画像をプリントするため、プリントヘッド3が基板2上に液滴を射出し、同時に、ステージ4,巻出ローラー7及び巻取ローラー8が輸送方向に移動する(ステップ115)。ステージ4,巻出ローラー7及び巻取ローラー8はリニアモーター22によって移動され、リニアモーター22は液滴射出のタイミングとリニアモーターの移動のタイミングが同期するように制御ユニット9により制御される。例えば、ステージ4は、ステージ4及び基板2の1パスのプリントヘッド3通過で所望の領域にプリントが行われるように基板2上の(プリントされるべき画像データによって定められるような)プリント領域の長さにほぼ等しい距離に沿って移動することができる。ステージ4はステージの長さにほぼ等しい距離だけX方向に沿って移動することができる。液滴射出中にステージ4はX方向に移動することができるが、ステージ及びフレーム23はY方向及びR回転方向では静止したまま保持される。
【0025】
次に、ステージ4は、プリント作業が終了して、リニアモーター22が停止した後(図2(C))、基板2を放す(ステップ118)。ステップ118の後、ヘッド3は上方に移動する。次に、第2の輸送装置8がステージ4から基板2を巻き取り、基板の新しい未使用部分をステージ4上に進める(ステップ121/103)。最後にリニアモーター22がステージを、ステップ103におけるステージの位置である、元の位置に戻す。元の位置に戻るステージの移動は基板の前進と同時におこる。
【0026】
上で説明した実施形態においては、ステージ4の1パスのプリントヘッド3通過でプリント領域にプリントが行われるが、代わりに、複パスでプリント領域にプリントを行うことができる。例えば、プリント領域の第1の部分にプリントが行われ、基板2が進められ、次いでプリント領域の第2の部分にプリントが行われる。さらに、例えばグレイスケールを与えるために制御可能なパス回数で特定の場所の上に液滴を射出するため、基板2を前進させずにステージ4が複パスのプリントヘッド通過を行うことが有用であり得る。
【0027】
図3及び4は基板2上にプリントを行うためのインクジェットプリンタ1の別の実施形態を示す。このインクジェットプリンタ1は図1のインクジェットプリンタに似ているが異なるタイプのプリントヘッド31を備える。プリントヘッド31は基板2の上方に配置され、インクジェットプリンタに固定されていない。長さが基板2の幅(Y方向)よりも短いプリントヘッド31はY方向に移動可能である。ステージ4が基板2を保持した後、プリントヘッド31が基板2上に液滴を射出する(図4(A)及び(B))。プリントヘッド31が基板2上に液滴を射出している間、プリントヘッド31はY方向に移動する。プリントヘッド31はプリント領域の一方の縁から他方の縁まで掃引する。プリントヘッド31がプリント領域の他方の縁に達した後に、基板2が輸送方向に進められる(図4(C))。
【0028】
図5及び6は基板2上にプリントを行うためのインクジェットプリンタ1の別の実施形態を示す。このプリンタは、ステージ4の上流に第1のピンチローラー52a,52bを有し、ステージ4の下流に排出ピンチローラー53a,53bを有する。第1のピンチローラー52a,52bとステージ4の間にカッター51がある。カッター51は、ステージ4が移動する前に基板2を切断するために制御ユニット9に動作可能な態様で接続される。また、排出ピンチローラー53a,53bの下流にカット基板55を受け取るスタック54もある。ステージ4,排出ピンチローラー53a,53b及びリニアモーター22は、ステージ4及び排出ピンチローラー53a,53bの全てをリニアモーター22により輸送方向に同時に駆動できるように、フレーム21に結合される。他の要素は図1の要素と同じである。
【0029】
基板2の未使用部分が第1のピンチローラー52a,52bによって巻出ローラー7からステージ4上に送り出された後、制御ユニット9からの信号にしたがってカッター51が基板2を切断する(図6(A))。次に、ステージ4は、基板2がステージ4に固定されるように、ステージ4の孔を通じる空気の吸引によるかまたは静電気力によってカット基板2aを保持する(図6(B))。制御ユニット9が検出器5から信号を受け取り、基板2がプリントヘッド3に対しX方向、Y方向及びR回転方向に関して期待される位置にあるように、ステージ4の位置を調節する。ヘッド3がカット基板2a上に液滴を射出している間、ステージは輸送方向に移動する。プリント作業終了後、カット基板2aは放されて、排出ピンチローラー53a,53bによりスタック54に運ばれる。対照的に、巻出ローラー7,第1のピンチローラー52a,52b及びカッター51はインクジェットプリンタ1に固定されている。最後に、ステージ4及び排出ピンチローラー53a,53bは元の位置に戻り(図6(A))、基板2の未使用部分がステージ4上に送り出される。
【0030】
図7及び8は基板2上にプリントを行うためのインクジェットプリンタ1の別の実施形態を示す。このプリンタは一組の排出ピンチローラー53a,53bを有する。排出ピンチローラー53a,53bの下流にカッター51が配置される。ステージ4,巻出ローラー7,排出ピンチローラー53a,53b,カッター51及びリニアモーター22は、ステージ4,巻出ローラー7,ピンチローラー53a,53b及びカッター51が全てリニアモーター22により輸送方向に同時に駆動され得るように、フレーム21に結合される。また、インクジェットプリンタ1の下流にカット基板55を受け取るスタック54もある。他の要素は図1の要素と同じである。
【0031】
基板2の未使用部分が巻出ローラー7によりステージ4上に送り出された後(図8(A))、ステージは、基板2がステージ4に固定されるように、ステージ4の孔を通じる空気の吸引によるかまたは静電気力によって基板2を保持する(図8(B))。制御ユニット9が検出器5から信号を受け取り、基板2がプリントヘッド3に対しX方向、Y方向及びR回転方向に関して期待される位置にあるように、ステージ4の位置を調節する。プリントヘッド3が基板2上に液滴を射出している間、ステージ4は輸送方向に移動する。プリント作業終了後(図8(C))、基板2は放されて、排出ピンチローラー53a,53bにより輸送方向に運ばれる。次に、カッター51が基板2をあらかじめ定められた長さに切断し、カット基板2aがスタック54に積み重ねられる(図8(D))。最後に、ステージ4,巻出ローラー7,排出ピンチローラー53a,53b及びカッター51は全て元の位置に戻って(図8(A))、基板2の未使用部分がステージ4上に送り出される。
【0032】
図9及び10は図7及び8に説明したインクジェットプリンタ1の変形実施形態を示す。このプリンタはフレーム21に結合されたスタック54を有する。他の要素は図7の要素と同じである。
【0033】
基板2の未使用部分が巻出ローラー7によってステージ4上に送り出された後(図10(A))、ステージは、基板2がステージ4に固定されるように、ステージ4の孔を通じる空気の吸引によるかまたは静電気力によって基板2を保持する(図10(B))。制御ユニット9が検出器5から信号を受け取り、基板2がプリントヘッド3に対しX方向、Y方向及びR回転方向に関して期待される位置にあるように、ステージ4の位置を調節する。プリントヘッド3が基板2上に液滴を射出している間、ステージ4は輸送方向に移動する。プリント作業終了後(図10(C))、基板2は放される(図10(D))。次に、基板2はフレーム21の元の位置に戻る移動にしたがって排出ピンチローラー53a,53bによりスタック54に運ばれる(図10(D))。最後に、カッター51が基板2をあらかじめ定められた長さに切断し、カット基板2aがスタック54に積み重ねられる(図10(D))。基板2の未使用部分がステージ4上に送り出される(図10(A))。
【0034】
本発明の多くの実施形態を説明した。それにもかかわらず、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく様々な改変がなされ得ることは当然であろう。例えば図3の可動プリントヘッド31は、図5,7及び9のような、他の実施形態に用いることができる。さらに、ステージ4の1パス及び複パスのプリント方法は全ての実施形態に適用できる。したがって、他の実施形態の添付される特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0035】
1 インクジェットプリンタ
2 基板
2a,55 カット基板
3,31 プリントヘッド
4 ステージ
5,5' 検出器
6 基準マーク
7 巻出ローラー
8 巻取ローラー
9 制御ユニット
21 フレーム
22 リニアモーター
51 カッター
52a,52b 第1のピンチローラー
53a,53b 排出ピンチローラー
54 スタック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を被着するための装置において、
基板の一領域上に液滴を射出するように構成されたヘッド、
前記ヘッドが前記基板の前記領域上に液滴を射出している間、前記基板を保持するように構成されたステージ、
前記基板を輸送方向で前記ステージ上に移動させるように構成された第1の輸送装置、及び
前記基板を前記輸送方向で前記ステージから放して移動させるように構成された第2の輸送装置、
を備え、
前記ステージ及び前記第1の輸送装置と前記第2の輸送装置の内の少なくとも一方が、前記輸送方向に一緒に移動可能である、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ヘッド、前記ステージ、前記第1の輸送装置及び前記第2の輸送装置に動作可能な態様で接続された制御ユニットをさらに備え、前記ステージが前記輸送方向に移動している間、前記ヘッドに液滴を射出させるように前記制御ユニットが構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヘッドが行と列からなるアレイを定める複数のノズルを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ヘッドが前記輸送方向に直交する走査方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記基板が連続であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ステージが前記基板の前記領域より大きいことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記基板を切断するためのカッターをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記基板上の基準マークを検出するための検出器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記輸送方向に直交する方向に前記ステージを移動させるモーターをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ステージを回転させるためのモーターをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記基板を受け取るためのスタックをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記スタックと前記ステージが前記輸送方向に一緒に移動可能であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の輸送装置が巻出ローラーであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の輸送装置がピンチローラーであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の輸送装置が巻取ローラーであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の輸送装置がピンチローラーであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記ステージ及び前記第1の輸送装置と前記第2の輸送装置の内の少なくとも一方を移動させるリニアモーターをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
液滴を被着するための方法において、
基板を第1の輸送装置によって輸送方向でステージ上に移動させる工程、
前記基板を前記ステージ上に保持する工程、
ヘッドが前記基板の一領域上に液滴を射出している間、前記ステージ及び前記第1の輸送装置と第2の輸送装置の内の少なくとも一方を前記輸送方向に一緒に移動させる工程、
前記ステージにより前記基板を放す工程、及び
前記基板を前記第2の輸送装置によって前記ステージから前記輸送方向に移動させる工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
検出器による前記基板上の基準マークの検出に応答して前記基板を位置決めする工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ヘッドが、前記基板の前記領域上に液滴を射出する前に、前記基板に近づくことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ヘッドが前記基板の前記領域上に液滴を射出する前に前記ステージが前記ヘッドに近づくことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ヘッドが、前記基板の前記領域上に液滴を射出した後に、前記基板から離れることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ヘッドが前記基板の前記領域上に液滴を射出した後に前記ステージが前記ヘッドから離れることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記ヘッドが前記基板の前記領域上に液滴を射出する前に前記基板を切断する工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記ヘッドが前記基板の前記領域上に液滴を射出した後に前記基板を切断する工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記基板を受け取るスタックを前記輸送方向に移動させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2(A)】
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【図2(B)】
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【図2(C)】
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【図3】
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【図4(A)】
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【図4(B)】
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【図4(C)】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図6(C)】
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【図7】
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【図8(A)】
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【図8(B)】
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【図8(C)】
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【図8(D)】
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【図9】
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【図10(A)】
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【図10(B)】
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【図10(C)】
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【図10(D)】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−522665(P2012−522665A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503482(P2012−503482)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/028005
【国際公開番号】WO2010/120433
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】