説明

ストッカー装置及び基板処理装置

【課題】
装置の大型化を抑えることができるとともに、効率良く基板の払出及び回収が行えるストッカー装置及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】
基板処理装置本体1に対して基板の払出及び回収を行うために、複数枚の基板を収納する容器であるフープFを載置するオープナー10a〜10dと、フープFを把持して搬送する搬送機構と、オープナー10a〜10dの上方に位置してフープFを載置する棚20とを備え、棚20は、外部搬送装置からフープFを受け取るための受取棚21と、外部搬送装置にフープFを引き渡すための引渡棚22と、基板Wが払出された後の空になったフープFを保管する処理中用保管棚BF1、BF2とを含み、オープナー10a〜10dは、基板Wを払出すための払出専用オープナー10a、10bと、基板を回収するための回収専用オープナー10c、10dとを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、フォトレジスト用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク用の基板など(以下、単に「基板」と称する)に対して所定の処理をするストッカー装置及び基板処理装置に係り、特に、枚葉式の基板処理装置本体に連結して設置するストッカー装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の枚葉式の基板処理装置は、図25に示すように、インデクサ機構100と、4台のオープナー101a〜101dと、処理部(図示しない)とを備えている。なお、オープナー101a、101b、101c、…、を特に区別しない場合は、「オープナー101」と記載する。
【0003】
オープナー101は、多枚数の基板Wをほぼ水平状態で多段に収納する容器であるフープ(FOUP:Front Opening Unified Pod)Fを載置台に載置し、このフープFの蓋の開閉を行う。オープナー101によってフープの蓋が解放されると、インデクサ機構100は、フープF内の基板Wを処理部に搬送するようになっている。
【0004】
近年、基板処理装置は、処理部の積層化に伴って、より多くの処理部が搭載され、基板処理装置の処理能力の向上が図られている。これに応じて、オープナー101の設置の台数も増加するが、図26に示すように、単に横方向に並設したのでは基板処理装置の設置面積が増大してしまう。
【0005】
そこで、次のような技術が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、オープナーに相当する装置と、インデクサ機構とで構成される基板処理装置において、オープナーに相当する装置のフープFを載置する載置台とインデクサ機構との間には、2段からなるフープFを収納できる直方体状のコンテナが備えられている。このコンテナは、上下に昇降するようになっている。
【0006】
載置台に載置されたフープFは、先ず、コンテナの2段のうち、一方の段に搬送される。インデクサ機構は、コンテナ内に搬送されたフープF内から、基板Wの払出を行う。基板Wの払出が終了して空になったフープは、コンテナが上下に昇降して退避される。
【0007】
コンテナが上下に昇降することにより、載置台に載置された、次の、未処理の基板Wを収納したフープFを、コンテナのもう一方の段に搬送することができる。これにより、インデクサ機構は、コンテナ内のもう一方の段に移動されたフープFから引き続き、基板Wを払出すことができるようになっている。
【0008】
このようなコンテナを備えたオープナーに相当する装置によると、コンテナ内に2つのフープを保管することができ、例えば、この装置を4台併設することで、最大8つのフープを保管することができる。すなわち、多くのフープを保管することができるとともに、装置の大型化を抑えることができる。
【0009】
これと同種の、多くのフープを保管できるとともに、装置の大型化を抑えることができる装置として、ストッカー装置(フープステーション)が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000‐124301号公報
【特許文献2】特開2005‐150495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような構成を有する装置の場合には、次のような問題がある。
すなわち、基板Wの払出が終了して空になったフープFを別の位置に搬送させ、他の未処理の基板Wを収納したフープFを代わりに搬送して、フープF内の基板を払出すことで、多くの基板Wを基板処理装置に供給することができるが、所定の処理が終了した基板Wを回収する空のフープFが、予めオープナーに待機するようにしていなければ回収できなく、基板Wを回収する空のフープが遅れて搬送されると、待機している時間が発生するなど、効率良く回収することができない。また、予め、空のフープFを搬送して処理済みの基板Wを回収するルールを決めておかなければ、円滑な運用は難しい。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置の大型化を抑えることができるとともに、効率良く基板の払出及び回収が行えるストッカー装置及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、枚葉式の基板処理装置本体に連結して設置するストッカー装置において、基板処理装置本体に対して基板の払出及び回収を行うために、複数枚の基板を収納する容器であるフープを載置するオープナーと、フープを把持して搬送する搬送機構と、少なくともフープの搬送を制御する制御手段と、前記オープナーの上方に位置してフープを載置する棚とを備え、前記棚は、外部搬送装置からフープを受け取るための受取棚と、外部搬送装置にフープを引き渡すための引渡棚と、基板が払出された後の空になったフープを保管する処理中用保管棚とを含み、前記オープナーは、基板を払出すための払出専用オープナーと、基板を回収するための回収専用オープナーとを含むことを特徴とするものである。
【0014】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板の払出及び回収を行うために、フープを載置するオープナーは、払出専用オープナーと回収専用オープナーとが用途で区別して備えられている。払出専用オープナーは基板を払出するためだけに用いられ、また、回収専用オープナーは基板を回収するためだけに用いられる。搬送機構は、空のフープを払出専用オープナーから回収専用オープナーに搬送するとともに、払出専用オープナーに未処理の基板を収納したフープを代わりに載置する。これにより、払出専用オープナーは、そのフープ内から、引き続き、基板を払い出すことができる。また、回収専用オープナーは、空になったフープが載置され、順次、処理済みの基板を回収する。基板の回収が終了すると、処理済みの基板を収納したフープを引渡棚に搬送することで、次の、空になったフープを代わりに載置することができ、引き続き、基板の回収をすることができる。つまり、各オープナーが連続して基板の払出及び回収することができるので、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができる。
【0015】
また、処理中用保管棚を備えることで、払出専用オープナーにおいて、基板が払出されて空になったフープを、他のフープが載置されていることにより回収専用オープナーに搬送できない場合は、処理中用保管棚に搬送することができる。これにより、未処理の基板を収納したフープを代わりに載置することで、そのフープ内から、引き続き、基板を払い出すことができる。つまり、回収専用オープナーにフープを搬送できない場合でも、処理中用保管棚に搬送することができるので、中断することなく連続して基板の払出及び回収することができる。
【0016】
さらに、外部搬送装置からのフープを受け取る受取棚と外部搬送装置にフープを引き渡すための引渡棚が用途を区別して備えられることで、外部搬送装置とのフープの受け渡しを効率良く行うことができる。
【0017】
したがって、このような構成を備えているので、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができるとともに、従来の、並列にオープナーを増加して構成していた装置よりも、装置の大型化を抑えることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のストッカー装置において、前記制御手段は、基板が払出された後の空になったフープを、他のフープが前記回収専用オープナーに載置されていることによりその回収専用オープナーに搬送できない場合は、前記空になったフープを前記処理中用保管棚に搬送させることを特徴とするものである。
【0019】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、払出専用オープナーにおいて、基板が払出されて空になったフープを、他のフープが載置されていることにより回収専用オープナーに載置できない場合は、処理中用保管棚に搬送する。これにより、搬送したフープが載置されていた回収専用オープナーに、次の、未処理の基板を収納したフープを代わりに載置することができるので、引き続き、フープ内から基板を払出することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のストッカー装置において、前記棚は、さらに、未処理の基板を収納したフープを保管する処理前用保管棚を含むことを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、処理前用保管棚を備えることで、未処理の基板を収納したフープを受取棚から払出専用オープナーに搬送する場合に、他のフープが払出専用オープナーに載置されていることにより、フープを搬送できないときは、処理前用保管棚に保管することができる。これにより、受取棚には、外部搬送装置により、次の、未処理の基板を収納したフープを代わりに載置することができる。また、未処理の基板を収納したフープを多く保管することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のストッカー装置において、前記棚は、さらに、処理済みの基板を収納したフープを保管する処理後用保管棚を含むことを特徴とするものである。
【0023】
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、処理後用保管棚を備えることで、処理済みの基板を収納したフープを回収専用オープナーから引渡棚に搬送する場合に、他のフープが引渡棚に載置されていることにより、フープを搬送できないときは、処理後用保管棚に保管することができる。これにより、回収専用オープナーには、次の、空のフープを代わりに載置することができる。また、処理済みの基板を収納したフープを多く保管することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のストッカー装置において、前記制御手段は、前記受取棚に載置されたフープを、他のフープが前記払出専用オープナーに載置されていることにより前記払出専用オープナーに搬送できない場合は、前記受取棚に載置されたフープを前記処理前用保管棚に搬送させることを特徴とするものである。
【0025】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、制御手段は、受取棚に載置された未処理の基板を収納したフープを、他のフープが払出専用オープナーに載置されていることにより払出専用オープナーに搬送できない場合は、処理前用保管棚に搬送させる。これにより、搬送したフープが載置されていた受取棚に、外部搬送装置により、次の、未処理の基板を収納したフープを代わりに搬送することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のストッカー装置において、前記制御手段は、基板の回収が終了した後のフープを、他のフープが前記引渡棚に載置されていることにより前記引渡棚に搬送できない場合は、前記基板の回収が終了した後のフープを前記処理後用保管棚に搬送させることを特徴とするものである。
【0027】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、制御手段は、基板の回収が終了した後のフープを、他のフープが引渡棚に載置されていることにより引渡棚に搬送できない場合は、基板の回収が終了した後のフープを処理後用保管棚に搬送させる。これにより、搬送したフープが載置されていた回収専用オープナーに、次の、空になったフープを代わりに搬送することができ、引き続き、フープ内に基板を回収することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のストッカー装置において、前記棚は、左右水平方向に開閉する機構を備え、開状態においてフープの上下移動を許容することを特徴とするものである。
【0029】
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、棚は、左右水平方向に開閉する機構を備えていることで、開状態においてはフープを上下に移動することができ、また、閉状態においては、フープを載置することができる。これにより、ストッカー装置の長さ方向の寸法を抑えることができるので、装置の大型化を抑えることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のストッカー装置において、前記搬送機構は、前記オープナー及び前記棚に対面して、水平及び上下移動可能に構成され、かつ、搬送の対象であるフープを引き寄せてから鉛直軸周りに回転して、前記フープを水平搬送経路の真上にあたる位置に支持し、その状態で水平及び上下移動して、前記フープを所定位置にまで搬送することを特徴とするものである。
【0031】
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、搬送機構は、オープナー及び棚に対面して、水平及び上下移動可能に構成され、かつ、搬送の対象であるフープを引き寄せてから鉛直軸周りに回転して、フープを水平搬送経路の真上にあたる位置に支持し、その状態で水平及び上下移動して、フープを所定位置にまで搬送するようになっている。これにより、ストッカー装置の長さ方向の寸法を抑えることができるので、装置の大型化を抑えることができる。
【0032】
請求項9に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う枚葉式の基板処理装置本体と、前記基板処理装置本体に連結して設置するストッカー装置とを備え、前記ストッカー装置は、前記基板処理装置本体に対して基板の払出及び回収を行うために、複数枚の基板を収納する容器であるフープを載置するオープナーと、フープを把持して搬送する搬送機構と、少なくともフープの搬送を制御する制御手段と、前記オープナーの上方に位置して、フープを載置する棚とを備え、前記棚は、外部搬送装置からフープを受け取るための受取棚と、外部搬送装置にフープを引き渡すための引渡棚と、基板が払出された後の空になったフープを保管する処理中用保管棚とを含み、前記オープナーは、基板を払出すための払出専用オープナーと、基板を回収するための回収専用オープナーとを含むことを特徴とするものである。
【0033】
[作用・効果]請求項9に記載の発明によれば、基板を払出及び回収を行うためにフープを載置するオープナーと、フープを載置する棚と、フープを搬送することができる搬送機構とで構成されるストッカー装置を備えているので、従来の、並列にオープナーを増加して構成していた装置よりも、装置の大型化を抑えることができる。
【0034】
また、ストッカー装置のオープナーは、払出専用オープナーと回収専用オープナーとが用途で区別して備えられることで、払出専用オープナーは基板を払出するためだけに用いられ、また、回収専用オープナーは基板を回収するためだけに用いられる。払出専用オープナーは、空のフープを回収専用オープナーに搬送し、未処理の基板を収納したフープを代わりに載置することで、そのフープ内から、引き続き、基板を払い出すことができる。また、回収専用オープナーは、空になったフープが載置され、順次、処理済みの基板を回収する。基板の回収が終了すると、処理済みの基板を収納したフープを引渡棚に搬送することで、次の、空になったフープを代わりに載置することができ、引き続き、基板の回収をすることができる。つまり、連続して基板の払出及び回収することができるので、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができる。
【0035】
また、処理中用保管棚を備えることで、払出専用オープナーにおいて、基板が払出されて空になったフープを、他のフープが載置されていることにより回収専用オープナーに搬送できない場合は、処理中用保管棚に搬送することができる。これにより、未処理の基板を収納したフープを代わりに載置することで、そのフープ内から、引き続き、基板を払い出すことができる。つまり、回収専用オープナーにフープを搬送できない場合でも、処理中用保管棚に搬送することができるので、中断することなく連続して基板の払出及び回収することができる。
【0036】
さらに、外部搬送装置からのフープを受け取る受取棚と外部搬送装置にフープを引き渡すための引渡棚が用途を区別して備えられることで、外部搬送装置とのフープの受け渡しを効率良く行うことができる。
【0037】
したがって、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができるとともに、従来の、並列にオープナーを増加して構成していた装置よりも、装置の大型化を抑えることができる。
【0038】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の基板処理装置において、前記制御手段は、前記搬送機構を制御して、前記受取棚に載置されたフープを前記払出専用オープナーに搬送させる第1搬送工程と、前記払出専用オープナーに載置され、基板を払出した後のフープを前記回収専用オープナーに搬送させる第2A搬送工程と、前記払出専用オープナーに載置され、基板を払出した後のフープを、一旦、処理中用保管棚に搬送して保管させ、その後、前記保管されたフープを回収専用オープナーに搬送させる第2B搬送工程と、前記回収専用オープナーに載置され、基板を回収した後のフープを、前記引渡棚に搬送させる第3搬送工程とを実行させることを特徴とするものである。
【0039】
[作用・効果]請求項10に記載の発明によれば、制御手段は、搬送機構を制御して、受取棚にあるフープを払出専用オープナーに搬送させる。払出専用オープナーに搬送されたフープから基板の払出が行われ、基板が払出された後、空になったフープを回収専用オープナーに搬送させる。また、回収専用オープナーに他のフープがあるために搬送できない場合は、一旦、処理中用保管棚に搬送させて保管し、その後、回収専用オープナーに搬送させる。回収専用オープナーに載置されたフープ内に、順次、処理済みの基板が回収され、基板の回収後、回収専用オープナーから引渡棚に搬送される。これにより、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、基板の払出及び回収を行うために、フープを載置するオープナーは、払出専用オープナーと回収専用オープナーとが用途で区別して備えられる。搬送機構は、空のフープを払出専用オープナーから回収専用オープナーに搬送するとともに、払出専用オープナーは未処理の基板を収納したフープを代わりに載置する。これにより、払出専用オープナーは、そのフープ内から、引き続き、基板を払い出すことができる。また、回収専用オープナーは、空になったフープが載置され、順次、処理済みの基板を回収する。基板の回収が終了すると、処理済みの基板を収納したフープを引渡棚に搬送することで、次の、空になったフープを代わりに載置することができ、引き続き、基板の回収をすることができる。つまり、各オープナーが連続して基板の払出及び回収することができるので、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができる。
【0041】
また、処理中用保管棚を備えることで、払出専用オープナーにおいて、基板が払出されて空になったフープを、他のフープが載置されていることにより回収専用オープナーに搬送できない場合は、処理中用保管棚に搬送することができる。これにより、未処理の基板を収納したフープを代わりに載置することで、そのフープ内から、引き続き、基板を払い出すことができる。つまり、回収専用オープナーにフープを搬送できない場合でも、処理中用保管棚に搬送することができるので、中断することなく連続して基板の払出及び回収することができる。
【0042】
したがって、このような構成を備えているので、効率の良い基板の払出又は回収を行うことができるとともに、従来の、並列にオープナーを増加して構成していた装置よりも、装置の大型化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例に係るストッカー装置を備えた基板処理装置の側面から見た部分縦断面図である。
【図2】図1で示したストッカー装置のA‐A断面図である。
【図3】図1で示したストッカー装置を備えた基板処理装置のB‐B断面図である。
【図4】外部搬送装置とストッカー装置間のフープ受渡しの説明に供する図である。
【図5】外部搬送装置及び本実施例の基板処理装置におけるフープの搬送に係る制御系のブロック図
【図6】ストッカー装置の動作説明に供するフローチャートである。
【図7】ストッカー装置内での複数のフープの搬送動作の説明に供する図である。
【図8】4つのオープナーと2つの処理中用保管棚を備えた実施例に係るストッカー装置の動作を示す動作図である。
【図9】変形例(1)に係るインターロック機構70の1つの構成例であるインターロック機構70Aを示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図10】変形例(1)に係るインターロック機構70Aの別の構成例であるインターロック機構70Bを示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図11】変形例(1)に係るインターロック機構70A及び70Bとは別の構成例であるインターロック機構70Cを示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図12】変形例(1)に係るインターロック機構70Cの別の構成例であるインターロック機構70Dを示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図13】変形例(1)に係るインターロック機構70Cのさらに別の構成例であるインターロック機構70Eを示した図である。
【図14】変形例(2)に係るストッカー装置の横断面図である。
【図15】変形例(3)に係るストッカー装置の側面から見た縦断面図である。
【図16】(a)は変形例(3)に係るストッカー装置の図15のG‐G断面図であり、(b)は変形例(3)に係るストッカー装置のロードポート部分を示した正面図である。
【図17】変形例(3)に係るストッカー装置の図15のH‐H断面図である。
【図18】変形例(4)に係るストッカー装置の側面から見た縦断面図である。
【図19】変形例(4)に係るストッカー装置の図18のC‐C断面図である。
【図20】変形例(4)に係るストッカー装置の図18のD‐D断面図である。
【図21】変形例(4)に係るストッカー装置の、左右水平に開閉する棚を示した斜視図である。
【図22】変形例(4)に係るストッカー装置の、左右水平に開閉する棚の閉じた状態(a)と開いた状態(b)を示した正面図である。
【図23】変形例(5)に係るストッカー装置の正面から見た縦断面図である。
【図24】変形例(5)に係るストッカー装置の横断面図である。
【図25】4つのオープナーを備えた従来装置の横断面図である。
【図26】6つのオープナーを備えた従来装置の横断面図である。
【図27】4つのオープナーを備えた従来装置の動作を示す動作図である。
【図28】6つのオープナーを備えた従来装置の動作を示す動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して、この発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例に係るストッカー装置2を備えた基板処理装置の側面から見た部分縦断面図であり、図2は、図1で示したストッカー装置2を備えた基板処理装置のストッカー装置2のA‐A断面図であり、また、図3は、図1で示したストッカー装置2を備えた基板処理装置のB‐B断面図である。
【0045】
図1に示すように、本実施例に係る基板処理装置は、枚葉式の基板処理装置本体1と、この基板処理装置本体1に連結して設置されるストッカー装置2とを備えている。基板処理装置本体1は、ストッカー装置2の図中左側から順番に、インデクサブロック3と、処理ブロック4と、インターフェースブロック5とを連結して備える。
【0046】
[基板処理装置本体1]
インデクサブロック3は、基板Wの搬送を行うインデクサ機構7を備えている。このインデクサ機構7は、ストッカー装置2のオープナー10にセットされたフープF内の基板Wを取り出して、処理ブロック4との間に介在する載置台8へ搬送する。この載置台8は、積層構造の処理ブロック4の各段ごとに配設されておりインデクサブロック3と処理ブロック4間の基板Wの受渡しのために用いられる。なお、処理済みの基板Wが載置台8に載置されたときは、インデクサ機構7は、載置台8からフープF内へ基板Wを収納する。
【0047】
処理ブロック4は、図示しない、例えば、フォトレジストを塗布する塗布処理部、現像液で処理する薬液処理部、及び、熱処理部などの処理部を上下に積層配置して構成され、各処理部間の基板Wの搬送を処理ブロック4内に設けられた、図示しない搬送機構によって行うように構成されている。
【0048】
インターフェースブロック5は、基板処理装置に並設される外部装置6(例えば、露光装置など)と基板処理装置との間で基板Wの受け渡しを行う図示しない搬送機構などを備える。
【0049】
[ストッカー装置2]
ストッカー装置2は、インデクサブロック3と隣接する面に、複数枚の基板Wを多段に収納する容器であるフープF内の基板Wの払出及び回収を行うために、フープFを載置するオープナー10と、フープFを載置して保管する棚20とを備え、さらに、フープFを把持して搬送する搬送機構30とを備えている。
【0050】
オープナー10は、オープナー10の載置台に載置されたフープFの蓋を開閉するとともに、ストッカー装置2とインデクサブロック3との隔壁に設けられた通過口の開閉を行うシャッター部(図示しない)を備える。このシャッター部により蓋が開けられたフープF内から、インデクサ機構7が基板Wの払出と回収とを行う。なお、オープナー10は、後述するように複数台が並設されており、各オープナー10を特に区別するときは、「10a、10b、10c、10d、…」と記載する。
【0051】
搬送機構30により搬送されるフープFは、オープナー10及び棚20と搬送装置30との間の空間SP1を通り、水平及び上下方向(図1のXZ平面)に自在に移動するようになっている。
【0052】
図2に示すように、ストッカー装置2には、4台のオープナー10a〜10dが並設されている。これらのオープナー10a〜10dの内、左側2台のオープナー10a、10bを基板Wの払出専用に、右側2台のオープナー10c、10dを基板Wの回収専用に、それぞれ役割を区別して用いるようになっている。また、このオープナー10a〜10dの上方には、棚20が設けられている。
【0053】
棚20は、役割で区別して用いられ、基板WをフープF内から払い出した後に、空のフープFを搬送させて保管する2つの処理中用保管棚BF1、BF2(以下、処理中用保管棚BF1、BF2を特に区別しない場合は、処理中用保管棚BFと記載する。)と、未処理の基板Wを収納したフープFを保管する1つの処理前用保管棚BFBと、処理済みの基板Wを収納したフープFを保管する1つの処理後用保管棚BFAとを備え、さらに、外部搬送装置40から未処理の基板Wを収納したフープFを受け取るために用いる受取棚21と、外部搬送装置40に処理済みの基板Wを収納したフープFを引き渡すために用いる引渡棚22とを備えている。また、保管棚BFB、BF1、BF2、BFAは、オープナー10a〜10dの上方に、その順に並設されており、一端側の保管棚BFBの上方に受渡棚21が、他端側の保管棚BFAの上方に引渡棚22が、それぞれ設けられている。
【0054】
このストッカー装置2の外囲壁であるハウジング60は、底面と側面を覆い、上面は開口している。この上面の開口より、図4に示す外部搬送装置40は、フープFを受取棚21に搬送して載置させ、また、引渡棚22からフープFを受取り、次の装置などへ搬送することができるようになっている。
【0055】
[搬送機構30の構成]
図3に示すように、搬送機構30は、フープFの上部を把持する把持部31と、この把持部31と接続し、前後進移動する多関節アーム機構32とを備えている。この多関節アーム機構32は、基端側が支持ブロック33によって支えられ、この支持ブロック33は、第1移動機構34によって、オープナー10a〜10dの並設方向である、ストッカー装置の幅(X軸)方向に移動するようになっている。さらに、この第1移動機構34は、一対の第2移動機構35によって上下(Z軸)方向に移動するようになっている。これにより搬送機構30は、フープFをオープナー10及び棚20の各位置へ自在に搬送することができるようになっている。
【0056】
具体的には、搬送機構30は、次のようにしてフープFを搬送する。把持部31と接続された多関節アーム機構32が前進し、オープナー10又は棚20に載置されたフープFの上部を把持部31で掴んで固定し、続いてフープFを持ち上げて後退しフープFを空間SP1内に位置させる。第1移動機構34と第2移動機構35とによって、フープFを空間SP1内で移動させ、所定のオープナー10又は棚20の手前に位置させる。その後、多関節アーム機構32が前進してフープFを所定のオープナー10又は棚20上に載置する。そして、把持部31を開放し後退移動することによってフープFの搬送を完了する。
【0057】
[外部搬送装置40]
図4を参照して、外部搬送装置40とストッカー装置2との間のフープFの受渡しについて説明する。
【0058】
外部搬送装置40は、本実施例に係る基板処理装置と、本装置とは切り離された別の外部装置との間でのフープFの搬送を行う装置である。本実施例では、OHT(Overhead Hoist Transport)を例に採って説明する。
【0059】
外部搬送装置40は、工場内の天井などの高所に敷設されるレール48と、そのレール48に案内されてフープFを搬送する搬送車41とを備えている。この搬送車41には、フープFを把持して支持する把持部42と、フープFを把持した把持部42を吊るすロープ43と、このロープ43を巻上げなどしてフープFを上下させる図示しないウィンチとを備えている。
【0060】
フープFを搬送して来た搬送車41は、フープFを載置する所定の位置(例えば、受取棚21)の上方に来ると、フープFを吊り下ろし、下ろし終えるとフープFを固定している把持部41の固定を開放することで、フープFが載置される。
【0061】
なお、図中の左側の搬送車41は、フープFを受取棚21に載置している最中の動作の状態を示し、また、図中の右側の搬送車41は、引渡棚22からフープFを受取り、次の装置に搬送しようとしている動作を示している。
【0062】
[制御]
図5は、外部搬送装置40及び本実施例の基板処理装置におけるフープFの搬送に係る制御系のブロック図である。
【0063】
先ず、図5に示すように、ストッカー装置2は、基板処理装置の主制御部82とは別に、個別に制御部83を備えている。この制御部83は、搬送機構30によるフープFの搬送やオープナー10に載置されたフープFの蓋の開閉などの制御を自らが行っている(図1)。一方、基板処理装置の主制御部82は、ストッカー装置2などを統括的に管理している。
【0064】
ストッカー装置2の制御部83は、基板処理装置の主制御部82との間で通信可能に構成され、また、基板処理装置の主制御部82は、工場全体の生産を管理している工場の中央制御部81との間で通信可能に構成されている。
【0065】
また、工場全体の生産を管理している工場の中央制御部81は、外部搬送装置40の搬送制御部84との間で通信可能に構成されている。
【0066】
基板処理装置の主制御部82は、ストッカー装置2の制御部83と間で情報の送受信を行い、また、ストッカー装置2の制御部83から送信された情報を、工場の中央制御部81などへ、転送する仲介を行う。
【0067】
なお、ストッカー装置2の制御部83は、本発明における制御手段に相当する。
【0068】
次に、図4及び図5を参照して、外部搬送装置40とのフープFの受渡しについて説明する。
【0069】
例えば、ストッカー装置2の受取棚21にフープFの搬送の要求をする場合、ストッカー装置2の制御部83は、基板処理装置の主制御部82に対して、未処理の基板Wを収納したフープFを搬送するよう要求する情報を送信する。すると基板処理装置の主制御部82は、工場の中央制御部81に対して、その要求の情報を転送し、その要求の情報を基づいて工場の中央制御部81は、外部搬送装置40の搬送制御部84に対して、ストッカー装置2の受取棚21に、未処理の基板Wを収納したフープFを搬送するように指示する。すると、外部搬送装置40は、未処理の基板Wを収納したフープFをストッカー装置2の受取棚21に搬送し載置する。
【0070】
また、上述の説明では、ストッカー装置2の制御部83から基板処理装置の主制御部82を介して工場の中央制御部81にフープF搬送の要求の情報を送信したが、ストッカー装置2の制御部83から外部搬送装置40の搬送制御部84を介して工場の中央制御部81にフープF搬送の要求の情報を送信するように構成してもよい。
【0071】
また、上述の説明では、基板処理装置の主制御部82は、ストッカー装置などを統括的に管理し、ストッカー装置2の制御部83は、フープFを搬送させる制御を自らが行うように制御していたが、基板処理装置の主制御部82は、ストッカー装置2の制御部83を直接管理し、この制御部83を介して、フープFを搬送させる制御を行ってもよい。
【0072】
これにより、例えば、基板処理装置の主制御部82は、ストッカー装置2の制御部83から、受取棚21が空いているとの情報を受信し、この情報に基づいて、工場の中央制御部81にフープF搬送の要求の情報を送信する。
【0073】
[ストッカー装置の動作]
次に、ストッカー装置の動作の説明を図6から図8、図27及び図28を参照して説明する。
【0074】
図6は、ストッカー装置の動作説明するためのフローチャートであり、図7は、ストッカー装置内での複数のフープFの搬送動作の説明するための図であり、また、図8、図27及び図28は、実施例に係るストッカー装置2の効果を説明するための図である。
【0075】
〈フローチャートによる動作説明〉
まず、図6のフローチャートを参照して動作の説明をする。
【0076】
このフローチャートは、1つのフープFがストッカー装置2内の受取棚21に載置されてから、引渡棚22に載置されるまでの間、どのような判定がなされて搬送されるのかを示したものである。なお、ここでは図2に示す構成のストッカー装置2内の動作を示す。
【0077】
ステップS10:
外部搬送装置40によってフープFが受取棚21に搬送され、載置される。
【0078】
ステップS11:
フープFが受取棚21に載置されると、まず、払出専用のオープナー10a、10bが空いているかどうか(搬送できるか否か)を判定する。具体的には、オープナー10a、10bに設けられた図示しないセンサーが、フープFの存在の有無を検出することにより、オープナー10a、10bが空いているかどうかを制御部83が判定する。空いている(搬送できる)場合は、オープナー10a、10bのいずれか一方にフープFが搬送される。例えば、オープナー10aのみが、空いている場合は、フープFを受取棚21からオープナー10aに搬送する。また、両方とも空いている場合は、オープナー10aを優先して置くようにしてもよい。
【0079】
ステップS12:
払出専用のオープナー10a、10bが共に空いていない場合(他のフープが載置されていて搬送できない場合)は、次に、処理前用保管棚BFBが空いているかどうかを判定する。この判定は、上述したオープナー10a、10bの場合と同様に、処理前用保管棚BFBに設けられた図示しないセンサーからの検出信号に基づき、制御部83が判定する。このような判定手法は、他のオープナー10c、10eや、その他の棚20についても同様であるので、以下ではその説明は省略する。処理前用保管棚BFBが空いている場合は、フープFを受取棚21から処理前用保管棚BFBに搬送する。一方、処理前用保管棚BFBが空いていない場合は、受取棚21において処理前用保管棚BFBが空くまで待機する。
【0080】
ステップS13:
処理前用保管棚BFBが空いている場合は、搬送機構30によって、フープFが処理前用保管棚BFBに載置される。
【0081】
ステップS14:
処理前用保管棚BFBに載置されたフープFは、払出専用のオープナー10a、10bが空いているかどうかを判定する。空いている場合は、処理前用保管棚BFBからオープナー10a、10bのいずれか一方に搬送する。空いていない場合は、その位置(処理前用保管棚BFB)において、オープナー10a、10bのいずれか一方が空くまで待機する。
【0082】
ステップS20:
オープナー10a、10bのいずれか一方に空が生じた場合は、搬送機構30によって、フープFが空いているいずれか一方のオープナー10a又は10bに載置される。そして、オープナー10a、10bによってフープFの蓋が開けられ、順次、基板処理装置内に基板Wの払出が行われる。
【0083】
ステップS21:
インデクサ機構7によって、フープF内の基板Wの払出が終了した後、回収専用のオープナー10c、10dが空いているかどうかを判定する。空いている場合は基板Wの払出しが終了したオープナー10a又は10bから、空きが生じているオープナー10c又は10dに、空のフープFを搬送する。例えば、オープナー10c、10dの両方とも空いている場合は、オープナー10cを優先して置くようにしてもよい。
【0084】
ステップS22:
回収専用のオープナー10c、10dが共に空いていない場合は、次に、処理中用保管棚BF1、BF2が空いているかどうかを判定する。空いている場合は払出専用のオープナー10a又は10bから、処理中用保管棚BF1、BF2のいずれか一方に空のフープFを搬送する。例えば、両方とも空いている場合は、処理中用保管棚BF1を優先して置くようにしてもよい。一方、空いていない場合は、払い出しの終わったオープナー10a又は10bにおいて、処理中用保管棚BF1、BF2のいずれか一方が空くまで待機する。
【0085】
ステップS23:
処理中用保管棚BF1、BF2に空きがある場合、搬送機構30によって、空のフープFが、空いている処理中用保管棚BF1又はBF2に搬送される。
【0086】
ステップS24:
処理中用保管棚BF1、BF2にフープFが載置された後、回収専用のオープナー10c、10dのいずれか一方が空いているかどうかを判定する。空いている場合は、処理中用保管棚BF1又はBF2から、回収専用のオープナー10c、10dのいずれか一方に搬送される。このとき、処理中用保管棚BF1とBF2ともに、載置されている場合、2つのフープの内、先に保管されたフープFを、空いている回収専用のオープナー10c又は10dに搬送する。
【0087】
ステップS30:
回収専用オープナー10c、10dに空きがある場合、空のフープFが、空いている回収専用のオープナー10c又は10dに搬送される。
空のフープFが搬送されたオープナー10c又は10dでは、所定の処理が終了した基板Wを順次、フープF内に回収する。基板Wの回収後、オープナー10c又は10dによってフープFの蓋が閉じられる。
【0088】
ステップS31:
フープF内への基板Wの回収が終了した後、引渡棚22が空いているかどうかを判定する。空いている場合は、基板Wの回収を終了したオープナー10c又は10dから引渡棚22に、処理済みの基板Wを収納したフープFを搬送する。
【0089】
ステップS32:
引渡棚22が空いていない場合は、次に、処理後用保管棚BFAが空いているかどうかを判定する。空いている場合は、回収専用のオープナー10c又は10dから処理後用保管棚BFAに処理済みの基板Wを収納したフープFを搬送する。一方、空いていない場合は、その位置(回収専用のオープナー10c又は10d)において、処理後用保管棚BFAが空くまで待機する。
【0090】
ステップS33:
処理後用保管棚BFAに空きが生じた場合、搬送機構30によって、フープFを処理後用保管棚BFAに搬送する。
【0091】
ステップS34:
処理後用保管棚BFAにフープFを載置した後、引渡棚22が空いているかどうかを判定する。空いている場合は、処理後用保管棚BFAから引渡棚22に処理済みの基板Wを収納したフープFを搬送する。一方、空いていない場合は、その位置(処理後用保管棚BFA)において、引渡棚22が空くまで待機する。
【0092】
ステップS40:
引渡棚22に空きが生じると、搬送機構30によって、フープFを引渡棚22に搬送する。そして、そのフープFは、外部搬送装置40によって次の装置などに搬送されるまで、その位置で待機される。
【0093】
図6に示したフローチャートでは、1つのフープFに着目し、そのフープFがストッカー装置内をどのように移動していくかを説明した。しかし、実際のストッカー装置では、複数個のフープFが順次にストッカー装置内を移動する。以下では、ストッカー装置内での複数のフープFの搬送動作を説明する。
【0094】
〈ストッカー装置内での複数のフープFの搬送動作〉
次に、図7(1)〜(11)を参照して、複数個のフープFを順次、図6のフローチャートに基づいて動作させたときに、どのような搬送されるのかを説明をする。なお、ここで、フープFは、外部搬送装置40によって、搬送される順番に「フープ1、2、…」と、番号を付して記載している。
【0095】
図7(1)において、フープ1は、外部搬送装置40によって、受取棚21に搬送され、載置される。
【0096】
図7(2)において、フープ1は、払出専用のオープナー10a、10bが空いている状態なので、受取棚21から、優先して使用するオープナー10aに搬送される。フープ1が搬送された後、オープナー10aにセットされたフープ1内から基板Wを払い出す。また、フープ1が搬送された後、フープ1のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ2が搬送され、載置される。
【0097】
図7(3)において、フープ1は基板Wを払い出し中である。フープ2は、払出専用のオープナー10bが空いているので、受取棚21からオープナー10bに搬送される。フープ2が搬送された後、フープ1の基板Wの払出が終了次第、フープ2内から基板Wを払い出しを行う。また、フープ2が搬送された後、フープ2のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ3が搬送され、載置される。
【0098】
図7(4)において、フープ1は基板Wの払出が終了したので、空のフープ1を回収専用のオープナー10c又は10dに搬送させる。このとき、回収専用のオープナー10c、10dが供に空いているので、払出専用のオープナー10aから、優先して使用する回収専用のオープナー10cに空のフープ1が搬送される。空のフープ1が搬送された後、オープナー10cのフープ1は、基板Wの処理が終了するまで待機する。フープ2は基板Wを払い出し中である。また、フープ1が搬送された後、フープ1のあった払出専用のオープナー10aには、受取棚21上のフープ3が搬送される。フープ3が搬送された後、フープ3のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ4が搬送され、載置される。
【0099】
図7(5)において、フープ1は、待機中である。フープ2は、払出専用のオープナー10bの基板Wの払出が終了したので、回収専用のオープナー10c又は10dに搬送される。このとき、回収専用のオープナー10dが空いている状態なので、払出専用のオープナー10bから回収専用のオープナー10dに空のフープ2が搬送される。フープ2が搬送された後、回収専用のオープナー10dのフープ2は、基板Wの処理が終了するまで待機する。フープ3は基板Wの払い出し中である。また、フープ2が搬送された後、フープ2のあった払出専用のオープナー10bには、受取棚21上のフープ4が搬送される。フープ4が搬送された後、フープ4のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ5が搬送され、載置される。
【0100】
図7(6)において、フープ1及び2は、待機中である。フープ3は、払出専用のオープナー10aの基板Wの払出が終了したので、空のフープ3はオープナー10aから搬出される。このとき、回収専用のオープナー10c、10dのフープ1及び2が共に空いていない(待機中である)ので、次に、処理中用保管棚BF1、BF2が空いている状態かどうかを判定する。処理中用保管棚BF1、BF2は、ともに空いている状態なので、払出専用のオープナー10aから、優先して使用する処理中用保管棚BF1に空のフープ3を搬送させる。フープ3が搬送された後、この処理中用保管棚BF1上のフープ3は、回収専用のオープナー10c、10dが空くまで、処理中用保管棚BF1で待機する。フープ4は基板Wの払い出し中である。また、フープ3が搬送された後、フープ3のあった払出専用のオープナー10aには、受取棚21上のフープ5が搬送される。フープ5が搬送された後、フープ5のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ6が搬送され、載置される。
【0101】
図7(7)において、フープ1は、処理済みの基板Wを順次、回収する。フープ2及び3は待機中である。フープ4は、払出専用のオープナー10bの基板Wの払出が終了したので、空になったフープ4は払出専用のオープナー10bから搬送される。このとき、回収専用のオープナー10c、10dがともに空いていないので、空いている状態の処理中用保管棚BF2に空のフープ4を搬送させる。フープ4が搬送された後、この処理中用保管棚BF2上のフープ4は、先に保管された処理中用保管棚BF1上のフープ3が出た後であって、回収専用のオープナー10c、10dが空くまで、処理中用保管棚BF2上で待機する。フープ5は基板Wの払い出し中である。また、フープ4が搬送された後、フープ4のあった払出専用のオープナー10bには、受取棚21上のフープ6が搬送される。フープ6が搬送された後、フープ6のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ7が搬送され、載置される。
【0102】
図7(8)において、基板Wの回収が終了したフープ1は、引渡棚22が空いている状態なので、引渡棚22に搬送される。フープ2は、処理済みの基板Wを順次、回収中である。フープ1が搬送された後、フープ1のあった回収専用のオープナー10cに、処理中用保管棚BF1上のフープ3が搬送される。フープ4は待機中である。フープ3が搬送された後、フープ3のあった処理中用保管棚BF1には、基板Wの払出が終了した空のフープ5が搬送される。フープ5が搬送された後、この処理中用保管棚BF1上のフープ5は、先に保管された処理中用保管棚BF2上のフープ4が出た後であって、回収専用のオープナー10c、10dが空くまで、その位置で待機する。フープ6は基板Wの払い出し中である。また、フープ5が搬送された後、フープ5のあった払出専用のオープナー10aには、受取棚21上のフープ7が搬送される。フープ7が搬送された後、フープ7のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ8が搬送され、載置される。
【0103】
図7(9)において、フープ1は、外部搬送装置40によって、次の装置などに搬送される。フープ1が搬送された後、フープ1のあった引渡棚22には、回収専用のオープナー10d上のフープ2が搬送される。フープ2が搬送された後、フープ2のあった回収専用のオープナー10dに、処理中用保管棚BF2上のフープ4が搬送される。フープ5は待機中である。フープ4が搬送された後、フープ4のあった処理中用保管棚BF2には、基板Wの払出が終了した空のフープ6が搬送される。フープ6が搬送された後、この処理中用保管棚BF2上のフープ6は、先に保管された処理中用保管棚BF1上のフープ5が出た後であって、回収専用のオープナー10c、10dが空くまで、処理中用保管棚BF2上で待機する。フープ7は基板Wの払い出し中である。また、フープ6が搬送した後、フープ6のあった払出専用のオープナー10bには、受取棚21上のフープ8が搬送される。フープ8が搬送された後、フープ8のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ9が搬送され、載置される。
【0104】
なお、この後、同じタイミングで連続して搬送する場合は、(8)と(9)で説明した動作が繰り返し行われる。
【0105】
図7(10)において、仮に、外部搬送装置40にトラブルが起こり、それにより外部搬送装置40が引渡棚22に載置されたフープを搬送できない場合、フープ2は引渡棚22上で待機する。基板Wの回収が終了したフープ3は、引渡棚22が空いていないので、空いている状態の処理後用保管棚BFA上に搬送される。フープ4は、処理済みの基板Wを順次、回収中である。フープ3が搬送された後、フープ3のあった回収専用のオープナー10cには、処理中用保管棚BF1上のフープ5が搬送される。フープ6は待機中である。フープ5が搬送された後、フープ5のあった処理中用保管棚BF1には、基板Wの払出が終了した空のフープ7が搬送される。フープ7が搬送された後、処理中用保管棚BF1上のフープ7は、先に処理中用保管棚BF2に保管されたフープ6が出た後であって、回収専用のオープナー10c、10dが空くまで、その位置で待機する。フープ8は基板Wの払い出し中である。また、フープ7が搬送された後、フープ7のあった払出専用のオープナー10aには、受取棚21上のフープ9が搬送される。フープ9が搬送された後、フープ9のあった受取棚21には、外部搬送装置40によって、フープ10が搬送され、載置される。
【0106】
ここで、処理後用保管棚BFAを備えていることで、上述のように、仮に、外部搬送装置40にトラブルが起こり、外部搬送装置40の引渡棚22に載置されたフープFを搬送できない場合でも、処理を中断することなく、そのまま装置を稼働することができる。
【0107】
この場合、このままのタイミングで搬送すると、処理後用処理棚BFAがつまった状態のまま、搬送されていくが、引渡棚22から外部搬送装置40へのフープFの搬送のタイミングを早くすることにより、処理後用処理棚BFAを使用していない状態に戻すことができる。
【0108】
図7(11)において、引き続き、外部搬送装置40がトラブルで引渡棚22にあるフープ2が搬送できない場合、処理後用保管棚BFA上にあるフープ3は、引渡棚22が空いていないので、処理後用保管棚BFA上で待機する。基板Wの回収が終了したフープ4は、引渡棚22及び処理後用保管棚BFAともに空いていないので、回収専用のオープナー10d上で待機する。フープ5は、基板Wの処理が順次終了し、回収中である。フープ6及び7は待機中である。基板Wの払出が終了した空のフープ8は、回収専用のオープナー10c、10d及び処理中用保管棚BF1、BF2すべて空いていないので、払出専用のオープナー10b上で待機する。フープ9は基板Wの払い出し中である。受取棚21上のフープ10は、払出専用のオープナー10a、10bが空いていないので、空いている処理前用保管棚BFB上に搬送される。フープ10が搬送された後、フープ10のあった受取棚21上には、他の外部搬送装置40によって、フープ11が搬送され、載置される。
【0109】
ここで、処理前用保管棚BFBを備えていることで、払出専用のオープナー10a、10bに搬送できない場合でも、受取棚21のフープFを処理前用保管棚BFB上に搬送することができる。これにより、外部搬送装置40が前の装置からフープを搬送している途中であった場合でも、その搬送を中断することなくフープFを受取棚21に搬送することできる。
【0110】
以上のように、図2に示すような、払出専用のオープナー10a、10b及び回収専用のオープナー10c、10dと、フープFを載置させる棚20とを備えたストッカー装置2内を、図6に示すフローチャートに基づき、個々のフープFが搬送先のオープナー10又は棚20が空いている否かを判定して、順次に搬送される。また、このフローチャートに基づき、図7(1)〜(11)に示すように、複数のフープFが並行動作する。これにより、以下に説明するように、フープFの搬送効率が高められ、その結果として基板の払出及び回収を効率よく行うことができる。
【0111】
〈実施例に係るストッカー装置2の効果の説明〉
以下では、実施例に係るストッカー装置2の効果を、ストッカー装置2を備えていない従来装置と比較して説明する。
【0112】
図8は、4つのオープナー10a〜10dと2つの処理中用保管棚BF1、BF2を備えた実施例に係るストッカー装置2の動作を示す動作図であり、図27は、4つのオープナー101a〜101dを備えた従来装置(以下、第1従来装置という)の動作を示す動作図であり、また、図28は、6つのオープナー101a〜101fを備えた従来装置(以下、第2従来装置という)の動作を示す動作図である。
【0113】
ここでは、実施例に係る基板処理装置と、第1及び第2従来装置にそれぞれ12個のフープ(1フープあたり25枚の基板Wを収納する)を処理させた場合の動作を説明する。後述する説明から明らかになるように、実施例に係る4つのオープナー10a〜10dと2つの処理中用保管棚BF1、BF2を備えた実施例に係る基板処理装置は、6つのオープナー101a〜101fを備えた第2従来装置と同様のフープ搬送効率を得ることができる。以下、実施例装置、第1従来装置、第2従来装置の順に、フープ搬送動作を説明する。
【0114】
なお、図8、図27、及び図28の動作図において、縦軸は各オープナー10、101、又は、各処理中用保管棚BFを示し、横軸は、タイムステップを示す。このタイムステップの間隔は、実時間とは関係ないものとする。
【0115】
{4台のオープナー101a〜101dを備えた第1従来装置の動作}
図27を参照する。図27において、「ldn」はフープFをオープナー101に載置する動作を意味する。「snd」は、フープFからの基板Wの払出動作を意味する。「rtn」は、フープFへの基板の回収動作を意味する。「ulf」はフープFを装置から搬出する動作を意味する。「wt」は、待機状態(非動作状態)を意味する。なお、例えば「ldn1」内の数字「1」は、搬送対象であるフープの番号を示し、この場合は、1個目のフープの動作を示している。また、例えば、12個目のフープFがオープナー101に載置する動作の場合は、「ldn12」と表現する。この動作の説明では、12個のフープを流したときを例にとって説明する。
【0116】
先ず、フープ1が基板処理装置に搬入された後、基板の払出・回収が行われ、そのフープがその装置から搬出されるまでの工程を、ステップ2〜12のオープナー101aにおいての動作を例にとって、説明する。
【0117】
ステップ2において、外部搬送装置40によって、フープ1がオープナー101aに載置される(ldn1)。次に、ステップ3、4において、基板Wの基板処理装置本体1への払出(snd)が行われる。払い出された基板Wは、順次、基板処理装置内の各処理部によって、所定の処理が施される。ステップ5〜9では、順次、基板Wの処理が施されている最中なので、搬送等の動作は行われない状態である待機状態が維持される(wt)。また、この間、基板Wが払出された空のフープ1は、その位置で待機する。ステップ10,11において、処理が終了した基板Wを順次、元のフープ1内に回収する(rtn)。ステップ12において、処理済みの基板Wの回収が終了したフープ1は、外部搬送装置40によって、次の装置に搬送される(ulf1)。
【0118】
以上が1フープの1処理工程である。
【0119】
フープFの処理は、オープナー101aが終了した後、オープナー101b、オープナー101c、オープナー101dの順番で行われ、オープナー101dが終了した後、再び、オープナー101aのフープの基板W処理が行われる。
【0120】
フープF内の基板Wの払出動作は、例えば、オープナー101aに載置されたフープ1内の基板Wが払い出された後(ステップ4)、準備が整い次第、引き続き、オープナー101bに載置されたフープ2の基板Wの払出が行われる(ステップ5)。
【0121】
また同様に、フープF内への基板Wの回収動作は、例えば、オープナー101aに載置されたフープ1内への基板Wが回収された後(ステップ11)、準備が整い次第、引き続き、オープナー101bに載置されたフープ2内への基板Wの回収が行われる(ステップ12)。
【0122】
図27に示す動作図によると、12個のフープFの処理は、ステップ40において、外部搬送装置40によって、フープFが搬出されることで終了する。
【0123】
{6台のオープナー101a〜101fを備えた第2従来装置の動作}
図28を参照する。図28中の各記号や数字の意味は、図27の場合と同様である。なお、1フープの1処理工程の動作は、上述した通りである。
【0124】
フープの処理は、オープナー101a、101b、101c、101d、101e、及び、101fの順番で行われ、オープナー101fが終了した後、再び、オープナー101aのフープの処理が行われる。
【0125】
基板Wの払出の動作は、上述した通り、払出が終了後、次の順番のオープナー101に載置されているフープFの準備が整い次第、そのフープF内の基板Wの払出が行われ、また、回収が終了後、次の順番のオープナー101に載置されているフープFの準備が整い次第、そのフープ内に基板Wの回収が行われる。
【0126】
図28に示す動作図によると、12個分のフープFの処理は、ステップ34において、外部搬送装置40によって、フープFが搬送されることで終了する。
【0127】
図27に示したように4台のオープナー101a〜101dを備えた第1従来装置の場合では、ステップ40で12個分のフープの処理が終了しているのに対し、図28に示した6台のオープナー101a〜101fを備えた第2従来装置の場合では、ステップ34で終了している。このように第2従来装置は、第1従来装置に比べてフープの搬送効率が高い。これは、図28に示したように、各オープナーに載置されたフープ内から基板Wが払い出されるときに、ステップ14、15において、オープナー101fに載置されたフープ内の基板Wが全て払い出された後、引き続き、オープナー101aのフープ内から払い出されるからである。また、回収も同様に引き続き行われる。すなわち、第2従来装置では、基板Wの払出及び回収が連続して行われている。
【0128】
これに対し、図27に示した第1従来装置では、ステップ10〜14において、オープナー101dに載置されたフープ内からの基板Wの払出が終了したとき、次のオープナー101aは、まだ、処理が終了した基板Wを順次、回収している最中である(ステップ11)。すなわち、オープナー101aのフープ1内に処理済みの基板Wを回収後、外部搬送装置40によって、フープ1が次の装置などに搬送され、また、未処理の基板Wの収納されたフープ5が搬送され、準備が整った後でなければ、基板Wの払出動作に移行できない。なお、ステップ21〜25においても同様である。
【0129】
また、図27に示した第1従来装置では、ステップ17〜21において、オープナー101dに載置されたフープ内への基板Wの回収が終了したとき、次のオープナー101aは、まだ、払出した基板Wが処理中である(ステップ18)。すなわち、オープナー101a内から払出した基板Wの処理が終了した後でなければ、基板Wの回収動作に移行できない。なお、ステップ28〜32においても同様である。
【0130】
つまり、4台のオープナーを備えた第1従来装置では、基板Wの払出及び回収が連続して行われないので、6台のオープナーを備えた第2従来装置に比べ、フープの搬送効率が悪いので処理を終えるのに時間がかかってしまう。
【0131】
{本実施例のストッカー装置2を備えた基板処理装置における動作}
図8は、本実施例のストッカー装置2を備えた(4台のオープナー10a〜10dと2つの処理中用保管棚BF1、BF2)基板処理装置における動作図である。なお、オープナー10a、10bは、未処理の基板Wを払い出す払出専用のオープナーとして、また、オープナー10c、10dは、処理済みの基板Wを回収する回収専用のオープナーとして用いる。
【0132】
また、図8中の記号と数字の意味は、図27の場合と同様であるが、図8において、追加で使用される記号の意味を説明する。「uld」は、基板Wを払出したフープFを払出専用のオープナー10から別の位置へ搬送する動作を意味する。「ldu」は、空のフープFを別の位置から回収専用のオープナー10に搬送する動作を意味する。「push」は、空のフープFを払出専用のオープナー10から処理中用保管棚BFに搬送する動作を意味する。「pop」は、空のフープFを処理中用保管棚BF上から回収専用のオープナー10に搬送する動作を意味する。
【0133】
1フープの1処理工程を、処理中用保管棚BF1、BF2を介しない場合と、介する場合と、順番に説明する。
【0134】
先ず、処理中用保管棚BF1、BF2を介さないで動作させる場合を、「フープ1」を例に、1フープの1処理工程を説明する。
【0135】
ステップ2において、外部搬送装置40によって、受取棚21上に搬送されたフープ1は、オープナー10aに搬送される(ldn1)。ステップ3、4において、基板Wの払出(snd)が行われる。なお、払い出された基板Wは、順次、基板処理装置内の各処理部によって、所定の処理が施される。ステップ5において、基板Wの払出が終了した空のフープ1を別の位置に搬送させる。このとき、回収専用のオープナー10c、10dがともに空いているので、オープナー10cに空のフープ1を搬送させる(オープナー10aのuld1、オープナー10cのldu1)。また、ステップ6〜9では、基板Wの処理が施されている最中であり、搬送等の動作は行われない待機状態(wt)である。ステップ10,11において、処理が終了した基板Wを順次、オープナー10cに搬送したフープ1内に回収する(rtn)。ステップ12において、処理済みの基板Wの回収が終了したフープ1を、オープナー10cから引渡棚22に搬送され、引渡棚22に搬送されたフープ1は、外部搬送装置40によって、次の装置などに搬送される(オープナー10cのulf1)。
【0136】
次に、処理中用保管棚BF1、BF2を介して動作させる場合を、「フープ5」を例に、1フープの1処理工程の説明をする。
【0137】
ステップ10において、外部搬送装置40によって、受取棚21上に搬送されたフープ5は、オープナー10aに載置される(ldn5)。ステップ11、12において、基板Wの払出(snd)が行われる。なお、払い出された基板Wは、順次、基板処理装置内の各処理部によって、所定の処理が施される。ステップ13において、基板Wの払出が終了した空のフープ5を別の位置に搬送させる。このとき、オープナー10cには、処理中用保管棚BF1上のフープ3が搬送され、オープナー10dではフープ2内へ処理済みの基板Wを順次、回収中であり、オープナー10c、10dがともに空いていない状態である。そのため、オープナー10cに搬送したフープ3があった処理中用保管棚BF1が空きの状態なので、フープ5を搬送させる(オープナー10aのuld5、処理中用保管棚BF1のpush5)。処理中用保管棚BF1は、ステップ14〜16において、搬送等の動作は行われない待機状態(wt)である。ステップ17において、オープナー10c上にあったフープ3が引渡棚22に搬送して、オープナー10cは、空きの状態である。このとき、フープ5は、処理中用保管棚BF2上のフープ6よりも先に保管されている。そのため、優先してオープナー10cに搬送される(処理中用保管棚BF1のpop5、オープナー10cのldu5)。ちなみに、フープ5のあった処理中用保管棚BF1には、フープ7が搬送される。オープナー10cは、ステップ18,19において、処理が終了した基板Wを順次、フープ5内に回収する(rtn)。ステップ20において、処理済みの基板Wの回収が終了したフープ5を、オープナー10cから引渡棚22に搬送され、引渡棚22に搬送されたフープ5は、外部搬送装置40によって、次の装置などに搬送される(オープナー10cのステップ20のulf5)。
【0138】
基板Wの払出は、オープナー10a、オープナー10b、10a、10b、10a、…、と交互に行われ、基板Wの回収は、オープナー10c、オープナー10d、10c、10d、10c、…、と同様に、交互に行われる。
【0139】
図8に示す動作図によると、フープF12個分の処理は、ステップ34において、外部搬送装置40によって、フープFが搬送されることで終了する。これは、上述した図28に示した6台のオープナー101を備えた第2従来装置と同じステップ数で終了している。これは、共に基板Wの払出が連続で行われているからである。
【0140】
また、本実施例のストッカー装置2を備えた基板処理装置と6台のオープナー101a〜101fを備えた第2従来装置は、図8及び図28の、例えば、ステップ12に示すように、1つのフープFから未処理の基板Wが払出され、他の1つのフープFには処理済みの基板Wが回収され、他の2つの基板Wが払出され空になったフープFが待機され、他の1つの未処理基板Wが収納されたフープFがオープナー10又は101に載置され、そして、他の1つの基板処理が終了したフープFは次の装置などに搬送される。つまり、それぞれ構成は異なっているが、同じ動作が行われていることを表す。
【0141】
つまり、本実施例のストッカー装置2を備えた基板処理装置は、6台のオープナー101を備えた第2従来装置と同等のフープ搬送効率を持つことができ、連続して基板Wを払出及び回収をすることができる。
【0142】
また、本実施例のストッカー装置2を備えた基板処理装置と第2従来装置を比べると、本実施例装置は4台のオープナーを並設させた幅寸法であるのに対して、第2従来装置は、6台のオープナーを並設させた幅寸法である。すなわち、本実施例装置は、同じフープ搬送効率を有する第2従来装置に比べて、装置の幅(X軸)方向の寸法を抑えることができ、装置の大型化、つまり工場等に設置する際の設置面積を抑えることができる。
【0143】
なお、本実施例装置は、従来装置がオープナー101をさらに追加して、7台、8台と増やした場合の効果を、処理中用保管棚BFを追加することで容易に得ることができる。
【0144】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。なお、上述した実施例と重複する部分の説明は省略する。
【0145】
(1)把持部相互の干渉を防止するインターロック機構70:
ストッカー装置2は、フープFの受渡しを行う受取棚21及び引渡棚22(以下、特に区別しないときは、「受渡し位置」と記載する。)に、外部搬送装置40の把持部42と搬送機構30の把持部31とが、同時に、受渡し位置に入ることによって起こる干渉を防止するためのインターロック機構70を備えてもよい。なお、後述するインターロック機構70A〜Eを、特に区別しないときは、「インターロック機構70」と記載する。
【0146】
図9は、インターロック機構70の1つの構成例であるインターロック機構70Aを示し、図10は、インターロック機構70Aの別の構成例であるインターロック機構70Bを示す。
【0147】
図11は、インターロック機構70A及び70Bとは別の構成例であるインターロック機構70Cを示し、図12は、インターロック機構70Cの別の構成例であるインターロック機構70Dを示し、また、図13は、インターロック機構70Cのさらに別の構成例であるインターロック機構70Eを示す。
【0148】
図9のインターロック機構70Aから順番に説明する。
【0149】
〈インターロック機構70A〉
図9は、スライド式のインターロック機構70Aを示し、(a)はその側面図、(b)は正面図である。
【0150】
インターロック機構70Aは、スライドして横方向に開閉するスライド扉71aと、このスライド扉71aを開閉するスライド扉開閉機構72aと、スライド扉71aの開閉を検出するセンサー73aとを備える。また、本変形例のインターロック機構70Aは、受取棚21及び引渡棚22の各々の側方、すなわち、搬送機構30の把持部31がフープFの受渡しのために受取棚21及び引渡棚22へ侵入する各経路を遮断するように設けられる。
【0151】
ストッカー装置2の制御部83は、扉開閉機構72aを駆動させて扉71aの開閉を行い、センサー73aにより検出された信号を受け取るようになっており、以下に説明するインターロック機構70Aの動作を制御する。
【0152】
通常は、搬送機構30が受渡し位置にアクセスできるように、スライド扉71aは開いている状態である。ストッカー装置2の制御部83は、センサー73aより検出された信号に基づいて判別し、外部搬送装置40がストッカー装置2にアクセスしても良いのか(アクセス許可)、悪いのか(アクセス禁止)という情報(以下、アクセス可否情報。この場合、搬送機構30がアクセスできるようにスライド扉71aは開いており、外部搬送装置40のアクセスは禁止する必要があるので、「アクセス禁止」の情報)を基板処理装置の主制御部82を介して工場の中央制御部81に送信する。工場の中央制御部81は、アクセス可否情報(アクセス禁止)に基づいて、外部搬送装置40の搬送制御部84に指示(アクセス禁止)する。
【0153】
外部搬送装置40が受渡し位置にアクセスする場合、外部搬送装置40の搬送制御部84は、工場の中央制御部81に、ストッカー装置2の受渡し位置にアクセスの要求する情報(以下、アクセス要求情報)を送信する。その情報を工場の中央制御部81は、基板処理装置の主制御部82を経て、ストッカー装置2の制御部83に送信する。アクセス要求情報を受けたストッカー装置2の制御部83は、スライド扉71aを閉じて、搬送機構30の受渡し位置へのアクセスを禁止する。そして、ストッカー装置2の制御部83は、センサー73aより検出された信号に基づいて、スライド扉71aが閉じていることを確認し、アクセス可否情報(「アクセス許可」の情報)を上述した経路で送信し、工場の中央制御部81から指示を受けた外部搬送装置40の搬送制御部84は、受渡し位置にアクセスする。
【0154】
また、受渡し動作の終了後、外部搬送装置40の搬送制御部84は、ストッカー装置2の受け渡し位置にアクセスの要求を解除する情報(以下、アクセス要求解除情報)を上述した経路で送信する。アクセス要求解除情報を受け取ったストッカー装置2の制御部83は、スライド扉71aを開く。そして再び、センサー73aの信号に基づいて、アクセス禁止のアクセス可否情報を送信する。
【0155】
なお、ストッカー装置2の制御部83は、アクセス要求情報を受け取った時に、搬送機構30が、ストッカー装置2の制御部83の指示を受けて、受渡し位置と他の位置との間でフープFの搬送の動作中であるときは、その動作が終了するまで待機する。その後、ストッカー装置2の制御部83は、スライド扉71aを閉じる。
【0156】
また、ストッカー装置2の制御部83は、外部搬送装置40の搬送制御部84を介して、工場全体の生産を管理している工場の中央制御部81に、アクセス可否情報又はアクセス要求情報若しくはアクセス要求解除情報を送信してもよい。
【0157】
〈インターロック機構70B〉
図10は、回転開閉式の別のインターロック機構70Bを示し、(a)はその側面図、(b)は正面図である。
【0158】
インターロック機構70Bは、基端部が回転自在に支持されて揺動することで開閉する揺動扉71bと、この揺動扉71bを開閉する揺動扉開閉機構72bと、揺動扉71bの開閉を検出するセンサー73bとを備える。
【0159】
ストッカー装置2の制御部83は、揺動扉開閉機構72bを駆動させて揺動扉71bの開閉を行い、センサー73bにより検出された信号を受け取るようになっており、インターロック機構70Bの動作の制御は、インターロック機構70Aと同様である。
【0160】
〈インターロック機構70C〉
図11は、インターロック機構70A及び70Bとは別の構成例であるインターロック機構70Cを示し、(a)はその側面図、(b)はその正面図である。
【0161】
インターロック機構70Cは、受渡し位置の領域の側方に、搬送機構30の把持部31による横方向からの侵入を検出するセンサー73cを備えている。
【0162】
ストッカー装置2の制御部83は、センサー73cが侵入を検出した場合、すなわち、搬送機構30の把持部31が受渡し位置にある場合は、外部搬送装置40のストッカー装置2の受渡し位置へのアクセスを禁止し、一方、センサー73cが侵入を検出しない場合、すなわち、搬送機構30の把持部31が受渡し位置にない場合は、外部搬送装置40のストッカー装置2の受渡し位置へアクセスを許可する。
【0163】
外部搬送装置40が受渡し位置にアクセスする場合、外部搬送装置40の搬送制御部84は、工場の中央制御部81に、アクセス要求情報を送信する。その情報を工場の中央制御部81は、基板処理装置の主制御部82を経て、ストッカー装置2の制御部83に送信する。アクセス要求情報を受けたストッカー装置2の制御部83は、センサー73cの検出された信号に基づいて判別したアクセス可否情報を基板処理装置の主制御部82を経て、工場の中央制御部81に送信し、工場の中央制御部81は、アクセス可否情報に基づく指示を外部搬送装置40の搬送制御部84に与えることで、外部搬送装置40は、受渡し位置にアクセスをする。
【0164】
〈インターロック機構70D〉
図12は、インターロック機構70Cの別の構成例であるインターロック機構70Dを示し、(a)はその側面図、(b)はその正面図である。
【0165】
インターロック機構70Dは、受渡し位置の上方に、外部搬送装置40の把持部41による上方向からの侵入を検出するセンサー73dを備えている。
【0166】
ストッカー装置2の制御部83は、センサー73dが侵入を検出した場合、すなわち、外部搬送装置40の把持部41が受渡し位置にある場合は、搬送機構30の把持部31の受渡し位置へのアクセスを禁止する。
【0167】
〈インターロック機構70E〉
図13は、インターロック機構70Cのさらに別の構成例であるインターロック機構70Eを示す。
【0168】
インターロック機構70Eは、搬送機構30の高さ(Z軸)方向の移動を行う第2移動機構35に、座標を監視するセンサー73eを備えている。
【0169】
このセンサー73eは、搬送機構30の第1移動機構34が受渡し位置の高さにあることを検出するように配設されており、ストッカー装置2の制御部83は、センサー73eが検出した場合、すなわち、搬送機構30の第1移動機構34の高さ(Z軸)方向の位置が、受渡し位置にアクセスする高さである場合は、外部搬送装置40のストッカー装置2の受渡し位置へのアクセスを禁止する。一方、ストッカー装置2の制御部83は、センサー73eが検出しない場合、すなわち、搬送機構30の第1移動機構34の高さ(Z軸)方向の位置が、受渡し位置にアクセスする高さでない場合は、外部搬送装置40のストッカー装置2の受渡し位置へのアクセスを許可する。
【0170】
なお、外部搬送装置40が受渡し位置にアクセスする場合の情報の送受信は、インターロック機構70Cの説明と同様である。
【0171】
(2)フープFを搬送機構30の水平搬送経路(第1移動機構34)の真上にあたる位置に支持して搬送する搬送機構30を備えたストッカー装置2:
上述した実施例では、図1〜図3に示すように、ストッカー装置2は、搬送機構30によるフープFの移動を、搬送機構30と各棚との間にフープFを通すことができる空間SP1を設けることにより、XZ平面方向に自在に移動することができるものであった。その反面、空間SP1を設けることによりストッカー装置2の長さ(Y軸方向の長さ)が長くなる。これに対して、図14に示すように、搬送機構30は、フープFを引き寄せてから回転して、搬送機構30の第1移動機構34の真上にあたる位置に支持させてから、XZ平面上を移動してフープを搬送するよう構成すれば、上記の空間SP1を設ける必要がない。したがって、ストッカー装置2(基板処理装置)の長さ(Y軸)方向の寸法が抑えることができ、装置の大型化を抑えることができる。
【0172】
(3)搬送機構30を挟んでオープナー10と対向する位置にロードポート12を備えたストッカー装置2:
上述した実施例では、ストッカー装置2は、外部搬送装置40によるフープFの受渡しを、受取棚21又は引渡棚22において行っていたが、図15に示すように、搬送機構30を挟んでオープナー10と対向する位置にフープを載置するロードポート12を配設し、このロードポート12において、外部搬送装置40及び人(作業者)によるフープFの受渡しを行ってもよい。
【0173】
図15は、ストッカー装置2の側面から見た縦断面図であり、図16は、(a)は、図15のG‐G断面図であり、(b)は、ロードポート12を示した正面図である。また、図17は、図15のH‐H断面図である。
【0174】
フープFを載置するロードポート12には、所定の位置にフープFを載置するための4つのロードポート載置台13a〜13dが備えられている(以下、ロードポート載置台13a〜13dを特に区別しない場合は、ロードポート載置台13と記載する)。このロードポート載置台13は、未処理の基板Wを収納したフープFが載置される受取用のロードポート載置台13a、13bと、処理済みの基板Wを収納したフープFが載置される引渡用のロードポート載置台13c、13dとで区別されて用いられる。
【0175】
なお、上述の説明では、4つのロードポート載置台13を備えたロードポート12についてのものであったが、2つのロードポート載置台13であってもよいし、3つの載置台13であってもよい。
【0176】
また、上述の説明では、ロードポート12の4つのロードポート載置台13の内、2つを受取用のロードポート載置台13と、2つを引渡用のロードポート載置台13と区別して用いたものであったが、3つの受取用のロードポート載置台13、1つの引渡用のロードポート載置台13として、また1つの受取用のロードポート載置台13、3つの引渡用のロードポート載置台13として区別して用いてもよい。
【0177】
なお、本変形例において、ロードポート12を新たに備えたことにより、上述した実施例(図2)で受取棚21又は引渡棚22として用いていた棚20は、未処理の基板Wを収納したフープFを保管する処理前用保管棚BFBとして、空のフープFを保管する処理中用保管棚BFとして、又は、処理済みの基板Wを収納したフープFを保管する処理後用保管棚BFAとして適宜に用いてもよい。
【0178】
搬送機構30の把持部31は、ロードポート12のロードポート載置台13に載置されたフープFを把持し、各オープナー10又は各棚20に搬送する。このとき、搬送機構30は、フープを引き寄せてから回転し、搬送機構30の第1移動機構34の真上にあたる位置に支持させてから、この状態でXZ平面上を移動してフープを搬送する。
【0179】
(4)左右水平に開閉する開閉機構を備えた棚50を備えたストッカー装置2:
上述した実施例では、図1〜図3に示すように、ストッカー装置2は、搬送機構30により、フープFを搬送機構30とオープナー10及び棚20との間にある空間SP1を通すことで、XZ平面方向に自在に移動することができるものであったが、図18〜図20に示すように、左右水平に開閉する機構を備えた棚50を設けることで、棚50が閉じているときはフープFを載置して、一方、開いているときは、その位置でフープを高さ(Z軸)方向に移動するようにし、また、空間SP2を設けることによりフープFを幅(X軸)方向に移動させることで、XZ平面に移動できるものであってもよい。
【0180】
図18は、ストッカー装置の側面から見た縦断面図である。また、図19は図18のC‐C断面図であり、図20は図18のD‐D断面図である。
【0181】
棚50は、図21に示すように、フープFを載置するための一対の棚本体51a、51bと、この棚本体51a、51bを左右水平方向に開閉する棚開閉機構52とを備え、棚開閉機構52は、棚本体51a、51bを連結して支持する一対のレール部材52a、52bと棚本体51a、51bと連結して開閉動作を行う一対の電動モーター54a、54bとを備える。
【0182】
棚本体51a、51bは、支持レール53a、53b上を自在に移動するようになっており、電動モーター54a、54bにより棚本体51a、51bを開閉するようになっている。
【0183】
図22は、図21に示した左右水平に開閉する棚50の正面図であり、(a)は、閉まっている状態の棚50を示し、(b)は、開いている状態の棚50を示す。図22(a)に示すように、閉まっている状態では、2点鎖線で示すように、フープFを棚50の棚本体51a、51b上に載置することができる。また、図22(b)に示すように、開いている状態では、2点鎖線で示すように、フープFは棚50の棚本体51a、51bの間を上下に移動することができる。
【0184】
なお、棚本体51a、51bのフープFを載置する部分が、棚本体51a、51bの支持レール53a、53bと連結する部分よりも外側に位置している。それにより、幅方向の寸法を抑えることができる。
【0185】
これにより、搬送機構30の把持部31は、搬送する対象のフープFを把持した後、そのフープFの載置されていた棚50を棚開閉機構52により開くことで、その載置していた位置で高さ(Z軸)方向にフープFを移動させることができる。したがって、上述した実施例のフープFを通す空間SP1(図1)を設けなくてもよいので、長さ(Y軸)方向の寸法を抑えることができる。装置の大型化を抑えることができる。
【0186】
(5)横方向に並ぶ2つの棚20間に高さ(Z軸)方向にフープFを移動することができる空間SP3aを備えた構成のストッカー装置2:
図1の実施例装置が備えるフープ移動用の空間SP1を省いて、装置の長さを短くすることができる別の実施例を説明する。
【0187】
図23及び図24を参照する。図23は、ストッカー装置2の正面から見た断面図である。図24は、ストッカー装置2の搬送機構領域の横断面図である(なお、ストッカー装置2の側面から見た縦断面図は、図18と同様である)。
【0188】
図23及び図24示した例では、横方向に並ぶ2つの棚20間に高さ(Z軸)方向にフープFを移動することができる空間SP3aがある。また、棚20とオープナー10との間に幅(X軸)方向にフープFを移動できる空間SP3bがある。フープFを上下方向に移動させる場合は、例えば受取棚21に載置されていたフープFを図23の右方向に少し水平移動させて空間SP3a内に位置させる。続いて、空間SP3a内でフープFを下降させて空間SP3bに移動させる。更に、空間SP3b内でフープFを図23の左方向に移動させて、例えばオープナー10aに載置させる。
【0189】
この構成によると、上述した変形例(7)の左右水平に開閉する機構を備えた棚20を備えていない場合でも、長さ(Y軸)方向の寸法を抑えることができ、装置の大型化を抑えることができる。
【0190】
また、この構成では、図24に示したように、5台分のオープナー10の寸法幅をとってしまうため、幅(X軸)の寸法は増えてしまうが、図23の2点鎖線で示すように、5台目のオープナー10を備えてもよい。これにより、本発明の実施例で説明した動作で運用してもよいし、また、従来の運用のように5台分のオープナー10として用い、受取棚21、引渡棚22を除いた、他の棚20は、処理前用保管棚BFB及び処理後用保管棚BFAとして用いてもよい。
【0191】
(6)処理前用保管棚BFBは受取棚21の近辺に、処理後用保管棚BFAは引渡棚22の近辺に、また、処理中用保管棚BFは払出専用のオープナー10と回収専用のオープナー10の間近辺に配設したストッカー装置2:
上述した実施例では、ストッカー装置2は、処理前用保管棚BFBと、処理中用保管棚BFと、及び、処理後用保管棚BFAとの、それぞれの位置関係を特に指定していなかったが、処理前用保管棚BFBは、他の処理中用保管棚BFなどの棚よりも、受取棚21の近辺に配設してもよい。同様に、処理後用保管棚BFAは、他の処理中用保管棚BFなどの棚よりも、引渡棚22の近辺に配設してもよい。また、処理中用保管棚BFは、他の棚BFB、BFAよりも払出専用のオープナー10と回収専用のオープナー10の間近辺に、それぞれ配設してもよい。これにより、効率の良いフープの搬送ができる。
【0192】
(7)処理前用保管棚BFBと処理中用保管棚BF1、BF2と処理後用保管棚BFAをそれぞれ適宜な個数を備えたストッカー装置2:
上述した実施例では、ストッカー装置2は、1つの処理前用保管棚BFBと、2つの処理中用保管棚BFと、1つの処理後用保管棚BFAで構成されたものであったが、例えば、2つの処理前用保管棚BFAと、3つの処理中用保管棚BFと、2つの処理後用保管棚BFAとで構成されたものであってもよいし、3つの処理前用保管棚BFBと、2つの処理中用保管棚BFと、4つの処理後用保管棚BFAとで構成されたものであってもよい。
【0193】
(8)実施例とは別の、オープナー10にそれぞれ払出専用及び回収専用の役割を与えたストッカー装置2:
上述した実施例では、4台のオープナー10a〜10dの内、左側2台のオープナー10a、10bを基板Wの払出専用に、右側2台のオープナー10c、10dが基板Wの回収専用に、それぞれ役割を区別して用いたが、右側2台のオープナー10c、10dを基板Wの払出専用に、左側2台のオープナー10a、10bを基板Wの回収専用に、それぞれ役割を区別してもよい。
【符号の説明】
【0194】
W …基板
F …フープ
1 …基板処理装置本体
2 …ストッカー装置
10a〜10d …オープナー
20 …棚
21 …受取棚
22 …引渡棚
23 …保管棚
BF1、BF2 …処理中用保管棚
BFB …処理前用保管棚
BFA …処理後用保管棚
30 …搬送機構
31 …把持部
34 …第1移動機構
35 …第2移動機構
40 …外部搬送装置
42 …把持部
50 …棚
51a、51b …棚本体
52 …棚開閉機構
82 …基板処理装置の主制御部
83 …ストッカー装置の制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉式の基板処理装置本体に連結して設置するストッカー装置において、
基板処理装置本体に対して基板の払出及び回収を行うために、複数枚の基板を収納する容器であるフープを載置するオープナーと、
フープを把持して搬送する搬送機構と、
少なくともフープの搬送を制御する制御手段と、
前記オープナーの上方に位置してフープを載置する棚とを備え、
前記棚は、
外部搬送装置からフープを受け取るための受取棚と、
外部搬送装置にフープを引き渡すための引渡棚と、
基板が払出された後の空になったフープを保管する処理中用保管棚とを含み、
前記オープナーは、基板を払出すための払出専用オープナーと、基板を回収するための回収専用オープナーとを含むことを特徴とするストッカー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカー装置において、
前記制御手段は、基板が払出された後の空になったフープを、他のフープが前記回収専用オープナーに載置されていることによりその回収専用オープナーに搬送できない場合は、前記空になったフープを前記処理中用保管棚に搬送させることを特徴とするストッカー装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のストッカー装置において、
前記棚は、さらに、未処理の基板を収納したフープを保管する処理前用保管棚を含みことを特徴とするストッカー装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載のストッカー装置において、
前記棚は、さらに、処理済みの基板を収納したフープを保管する処理後用保管棚を含むことを特徴とするストッカー装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のストッカー装置において、
前記制御手段は、前記受取棚に載置されたフープを、他のフープが前記払出専用オープナーに載置されていることにより前記払出専用オープナーに搬送できない場合は、前記受取棚に載置されたフープを前記処理前用保管棚に搬送させることを特徴とするストッカー装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のストッカー装置において、
前記制御手段は、基板の回収が終了した後のフープを、他のフープが前記引渡棚に載置されていることにより前記引渡棚に搬送できない場合は、前記基板の回収が終了した後のフープを前記処理後用保管棚に搬送させることを特徴とするストッカー装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のストッカー装置において、
前記棚は、左右水平方向に開閉する機構を備え、開状態においてフープの上下移動を許容することを特徴とするストッカー装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載のストッカー装置において、
前記搬送機構は、前記オープナー及び前記棚に対面して、水平及び上下移動可能に構成され、かつ、搬送の対象であるフープを引き寄せてから鉛直軸周りに回転して、前記フープを水平搬送経路の真上にあたる位置に支持し、その状態で水平及び上下移動して、前記フープを所定位置にまで搬送することを特徴とするストッカー装置。
【請求項9】
基板に対して所定の処理を行う枚葉式の基板処理装置本体と、
前記基板処理装置本体に連結して設置するストッカー装置とを備え、
前記ストッカー装置は、
前記基板処理装置本体に対して基板の払出及び回収を行うために、複数枚の基板を収納する容器であるフープを載置するオープナーと、
フープを把持して搬送する搬送機構と、
少なくともフープの搬送を制御する制御手段と、
前記オープナーの上方に位置して、フープを載置する棚とを備え、
前記棚は、
外部搬送装置からフープを受け取るための受取棚と、
外部搬送装置にフープを引き渡すための引渡棚と、
基板が払出された後の空になったフープを保管する処理中用保管棚とを含み、
前記オープナーは、基板を払出すための払出専用オープナーと、基板を回収するための回収専用オープナーとを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、前記搬送機構を制御して、
前記受取棚に載置されたフープを前記払出専用オープナーに搬送させる第1搬送工程と、
前記払出専用オープナーに載置され、基板を払出した後のフープを前記回収専用オープナーに搬送させる第2A搬送工程と、
前記払出専用オープナーに載置され、基板を払出した後のフープを、一旦、処理中用保管棚に搬送して保管させ、その後、前記保管されたフープを回収専用オープナーに搬送させる第2B搬送工程と、
前記回収専用オープナーに載置され、基板を回収した後のフープを、前記引渡棚に搬送させる第3搬送工程とを実行させることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−171314(P2010−171314A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14131(P2009−14131)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】