説明

スパッタリング装置及び半導体装置の製造方法

【課題】マルチチャンバーにおけるステージ温度の急激な低下を抑制することによって品質異常を抑制することのできるスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るスパッタリング装置は、第1チャンバーと、第2チャンバーと、第3のチャンバーとを具備しており、第3のチャンバーにて処理待ち状態が所定時間経過した後(S5)、ダミー収容室内のダミー基板を第2チャンバー内にて、ダミー基板を加熱しながらダミー基板上に金属膜をスパッタリング成膜し、第2チャンバー内のダミー基板を第3チャンバー内にて、ダミー基板を加熱しないで金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する(S7)。その後、第3チャンバーにおいて、第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する(S8)。これによって、マルチチャンバーにおけるステージ温度を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタリング装置及び半導体装置の製造方法に係わり、特にマルチチャンバーにおけるステージ温度の急激な低下を抑制することによって品質異常を抑制することのできるスパッタリング装置及び半導体装置の製造方法である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において最も広く用いられている配線材料はAl系材料である。このAl膜の下地層としてTiN膜を積層し、さらにAl膜上にキャップ膜としてTi膜及びTiN膜の2層を積層する方法が一般的に知られている。このように異種金属の多層構造からなる配線層を形成する際は、それぞれの金属膜を形成するための複数のチャンバーからなるマルチチャンバーを保有するスパッタリング装置を用い、大気開放することなく同一装置内において配線層を形成している。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図8は、従来のマルチチャンバーを有するスパッタリング装置におけるTi膜及びTiN膜を成膜するための第3チャンバー内の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、スパッタリング装置によって半導体ウェハ上に配線層が成膜される。
【0004】
マルチチャンバーを有するスパッタリング装置(図示せず)は、配線層の最下層のTiN膜を成膜する為の第1チャンバー、中間層のAl膜を成膜する為の第2チャンバー及びキャップ膜であるTi膜及びTiN膜を成膜する為の第3チャンバーを保有している。そのスパッタリング装置に複数枚の半導体ウェハを有するロットAをロード側にセッティングする。次いで、ロットB及びロットCの順でスパッタリング装置のロード側にセッティングし、配線層の形成を開始する。その後、ロットAから半導体ウェハが一枚ずつスパッタリング装置内に搬送される。
【0005】
まず、ロットAの一枚目の半導体ウェハが第1チャンバーに搬送され、その半導体ウェハ上にTiN膜が成膜される。次いで、ロットAの一枚目の半導体ウェハは第1チャンバーから第2チャンバーに搬送され、前記TiN膜上にAl膜が成膜される。その際、第2チャンバーのステージ温度は300℃以上に加熱されている。次いで、ロットAの一枚目の半導体ウェハは第2チャンバーから第3チャンバーに搬送され、前記Al膜上にTi膜及びTiN膜が順に成膜される(S2)。その際、第3チャンバーのステージ温度は無加熱状態である。その後、ロットAの一枚目の半導体ウェハは第3チャンバーからアンロード側に搬送されて戻ってくる。この際に、ロットAの二枚目の半導体ウェハ、三枚目の半導体ウェハと続けてスパッタリング装置内に搬送されており、一枚目の半導体ウェハの成膜が終わると二枚目が入れ替わってそれぞれのチャンバー内に搬送されて成膜処理が施される。このように、ロットAの全数が順に一枚ずつスパッタリング装置内に搬送されて成膜処理が施された後にアンロード側に搬送されて戻ってくる。
【0006】
次いで、ロットAに続いて、ロットBにおいても前記マルチチャンバーを有するスパッタリング装置によって同様の方法で成膜処理が施される(S3)。次いで、ロットBに続いて、ロットCにおいても同様の方法で成膜処理が施される(S4)。このように、ロットA、ロットB及びロットCは間隔を開けずに連続処理されている。
【0007】
そして、ロットCを処理した後は処理待ち状態となる(S5)。この処理待ちとは、次のロットがスパッタリング装置に用意されていない場合である。この処理待ち状態によって、第3チャンバーにおいて連続処理が途絶える。その後、第3チャンバーにおいてステージが無加熱状態でターゲットクリーニングが行われる。ターゲットクリーニングはチャンバー内に搭載されている治具がステージ上に移動し、このステージを治具によって覆った状態でスパッタ処理が行われる(S6)。
【0008】
その後、ロットDがロードされ、配線層の形成が行われる(S8)。次いで、ロットDの配線層の形成が終了した後、ロットEがロードされ、配線層の形成が行われる(S9)。
【0009】
【特許文献1】特開平8−172059号公報(段落0034〜0038)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図7は、図8に示すロットC処理(S4)及びロットD処理(S8)それぞれにおける一枚目の半導体ウェハに、第2チャンバー内でAl膜を成膜している際及び第3チャンバー内でキャップ膜であるTi膜及びTiN膜を成膜している際それぞれのウェハ温度の変化を示すグラフである。
【0011】
前述したように、Al膜を成膜するための第2チャンバーのステージ温度は300℃以上に加熱されているが、Ti膜及びTiN膜を成膜するための第3チャンバーのステージ温度は無加熱状態である。その為、それぞれのチャンバーに半導体ウェハが連続的に搬送されることにより、第3チャンバーの無加熱状態のステージの温度が高くなっていく。しかし、連続処理が途絶えた際に、第3チャンバーのステージ温度が徐々に低下していき、また、第3チャンバーにおいてステージが無加熱状態でターゲットクリーニングが行われることでもステージ温度が低下していく。これにより、図7に示すように、ロットCにおいては、連続的に成膜処理が行われたことで第3チャンバーのステージ温度が上昇した状態でキャップ膜を成膜することになるため、このキャップ膜を成膜中のウェハの温度低下は緩やかなものとなる。これに対し、ロットDにおいては、連続処理が途絶え、その後のターゲットクリーニング後に成膜処理が行われたことで第3チャンバーのステージ温度が低下した状態でキャップ膜を成膜することになるため、図7に示すように、このキャップ膜成膜中のウェハの温度はロットCの場合に比べて急激に低下している。
【0012】
このように、連続処理が途絶えたあとの次ロットにおいてステージ温度が低下していることにより半導体ウェハ及びAl膜の温度も低下してしまう。このように急激に半導体ウェハ及びAl膜の温度が低下した状態でTi膜及びTiN膜の成膜処理を行うと製品の品質異常が発生してしまう。この際の品質異常とは、Al膜とTi膜との間で異常反応が起こり、Ti膜及びTiN膜の表面におけるラフネスの増大や配線抵抗の増大による歩留まりの低下などである。
【0013】
また、キャップ膜としては、Ti膜及びTiN膜の積層構造の他に、Ti膜のみ、TiN膜のみ、Ta膜及びTaN膜の積層構造、Ta膜のみ、TaN膜のみ等が考えられる。これらのキャップ膜の成膜処理においても上述したスパッタリング装置と同様のスパッタリング装置によって成膜処理を行うことが可能である為、上述したTi膜及びTiN膜と同様の問題が発生することが考えられる。
【0014】
本発明に係る幾つかの態様は、マルチチャンバーにおけるステージ温度の急激な低下を抑制することによって品質異常を抑制することのできるスパッタリング装置及び半導体装置の製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明に係るスパッタリング装置は、基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続されダミー基板を収容するダミー収容室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第2チャンバー内に搬送し、前記第2チャンバー内で前記ダミー基板を加熱し、その状態で前記ダミー基板上に金属膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第2チャンバー内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜するように制御することを特徴とする。
【0016】
上記スパッタリング装置によれば、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第2チャンバー内に搬送し、前記第2チャンバー内で前記ダミー基板を加熱し、その状態で前記ダミー基板上に金属膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第2チャンバー内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送している。これにより、第3チャンバーにダミー基板の熱を転写させ、第3チャンバーの温度を高くすることができる。それにより、第3のチャンバーのステージ温度が低下した状態で基板に第2の膜をスパッタリング成膜することを無くしている。従って、連続処理が途絶えた処理待ちの状態の後でも、連続処理を行っている状態に近づけて処理することができる。その結果、金属膜と第2の膜との間で異常反応が起こることを抑制し、第2の膜の表面のラフネスの増大による歩留まりの低下などの品質異常を防ぐことができる。
【0017】
本発明に係るスパッタリング装置は、基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続された、ダミー基板を収容するダミー収容室と、
前記基板搬送室に接続された、前記ダミー基板を加熱するための加熱室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記加熱室内に搬送し、前記加熱室内で前記ダミー基板を加熱し、その後、前記加熱室内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜するように制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るスパッタリング装置において、前記所定時間は、1分間以上であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るスパッタリング装置において、前記基板は、半導体ウェハであり、前記第1の膜は、TiN膜又はTaN膜であり、前記金属膜はAl膜又はAl合金膜であり、前記第2の膜は、TiN膜、TaN膜、Ti膜とTiN膜の積層膜、Ta膜とTaN膜の積層膜のいずれかであることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続されダミー基板を収容するダミー収容室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備するスパッタリング装置によって基板上に第1の膜、金属膜及び第2の膜を順に積層する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記工程は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第2チャンバー内に搬送し、前記第2チャンバー内で前記ダミー基板を加熱し、その状態で前記ダミー基板上に金属膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第2チャンバー内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する工程を有することを特徴とする。
【0021】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続された、ダミー基板を収容するダミー収容室と、
前記基板搬送室に接続された、前記ダミー基板を加熱するための加熱室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備するスパッタリング装置によって基板上に第1の膜、金属膜及び第2の膜を順に積層する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記工程は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記加熱室内に搬送し、前記加熱室内で前記ダミー基板を加熱し、その後、前記加熱室内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する工程を有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図3は本発明の第1の実施形態によるスパッタリング装置を説明する為の模式図である。
【0023】
スパッタリング装置は、図3に示すように、TiN膜をスパッタリングによって成膜する為の第1チャンバー10及び15、Al膜(又はAl合金膜)をスパッタリングによって成膜する為の第2チャンバー11及び12、Ti膜及びTiN膜をスパッタリングによって成膜する為の第3チャンバー13及び14といった3種類のチャンバーが組み合わされたマルチチャンバーを有している。3種類のチャンバーはそれぞれ2チャンバーずつ保有しており、2枚の半導体ウェハそれぞれに積層構造を有する配線層の成膜を並列に処理することが可能である。
【0024】
また、3種類のチャンバーはそれぞれウェハ搬送室21に共通して接続されており、配線層を成膜する対象の半導体ウェハは待機室17、18及び19からロードされ連結部20に搬送される。次いで、半導体ウェハは連結部20を介して一旦ウェハ搬送室21に搬送され、成膜する膜種によってそれぞれのチャンバー内に搬送される。また、半導体ウェハのチャンバー間の移動の際においては、ウェハ搬送室21を介して、次のチャンバー内へ搬送される。その後、配線層の成膜処理が終了した半導体ウェハは、ウェハ搬送室21及び連結部20を介してアンロードされ待機室17、18及び19に収納される。また、スパッタリング装置はダミーウェハを収容するダミー待機室16を保有しており、ダミー待機室16には複数枚のダミーウェハがまとめてセッティングされており、各チャンバーのクリーニング時等の必要に応じて用いられる。また、各チャンバー及びウェハ搬送室21は図示せぬ真空ポンプによって常時真空状態が保たれている。さらに、スパッタリング装置は制御部32によって後述するような機械的動作及びスパッタリングによる成膜処理の制御を行っている。
【0025】
図1は図3に示すスパッタリング装置においてTi膜及びTiN膜を成膜する為の第3チャンバー13の構造を示す模式図であり、図2は図1に示す第3チャンバー13の上面図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、第3チャンバー13の上部にはターゲット30が取り付けられており、第3チャンバー13の下部は半導体ウェハ31を載せるためのステージ24及びステージ24を固定するためのステージ軸23を有している。また、第3チャンバー13の横には治具室27が装備されており、図1及び図2に示すように、治具25を連結アーム26によってステージ24に搬送及び固定し、成膜処理を施すことにより、ターゲット30のクリーニングを行っている。また、治具室27には治具台29及び治具台29を固定するための軸28を有しており、クリーニング時以外は治具25を治具室27に格納している。
【0027】
図4は、図3に示すマルチチャンバーを有するスパッタリング装置におけるTi膜及びTiN膜を成膜するための第3チャンバー内の処理手順の一例を示すフローチャートである。図5(a)〜(c)は、図3に示すスパッタリング装置によって積層構造を有する配線層が半導体ウェハに形成される方法を説明する為の断面図である。以下に、本実施形態によるスパッタリング装置、スパッタリング方法及び半導体装置の製造方法について説明する。
【0028】
まず、図3に示すスパッタリング装置に複数枚の半導体ウェハをまとめてキャリアに収納し、ロットAとして待機室17にセッティングする。また、ロットAと同様にしてロットB及びロットCもそれぞれ待機室18及び19にセッティングする。その後、ロットA、ロットB及びロットCを連続的に処理させるように制御部32によって装置を始動させる。各ロットに収納されている半導体ウェハは、図5(a)に示すシリコン基板1に拡散層2が形成され、この拡散層2上に層間絶縁膜3が形成された状態である。
【0029】
次に、待機室17に格納されているロットAの一枚目の半導体ウェハがロードされ、連結部20及びウェハ搬送室21を介して第1チャンバー10に搬送される。次いで、一枚目の半導体ウェハに続いて待機室17に格納されている二枚目の半導体ウェハもロードされ、連結部20及びウェハ搬送室21を介して第1チャンバー15に搬送され、一枚目及び二枚目の半導体ウェハに並列にTiN膜のスパッタリングによる成膜が開始される。これにより、図5(b)に示すように、一枚目及び二枚目それぞれの半導体ウェハの層間絶縁膜3上には第1のTiN膜4が成膜される。この際、TiN膜を成膜するための第1チャンバー10及び15のステージ温度は無加熱状態である。また、一枚目及び二枚目の半導体ウェハがロードされた後、ロットAの三枚目、四枚目の順に連続的にロードされ、ロットAの一枚目、二枚目の成膜中は待機している。
【0030】
次いで、ロットAの一枚目の半導体ウェハは、第1チャンバー10でのスパッタリングによる成膜処理が終わり、ウェハ搬送室21を介して第2チャンバー11へ搬送される。また、ロットAの二枚目の半導体ウェハは、第1チャンバー15のスパッタリングによる成膜処理が終わり、ウェハ搬送室21を介して第2チャンバー12へ搬送される。その後、ロットAの一枚目の半導体ウェハと交代してロットAの三枚目の半導体ウェハが第1チャンバー10へ搬送されてスパッタリングによる成膜処理が開始される。また、ロットAの四枚目はロットAの三枚目と同様にして、ロットAの二枚目の半導体ウェハと交代してロットAの四枚目の半導体ウェハが第1チャンバー15へ搬送されて第1のTiN膜4のスパッタリングによる成膜処理が開始される。
【0031】
次いで、第2チャンバー11、12それぞれにおいてロットAの一枚目及び二枚目それぞれの半導体ウェハのTiN膜4上には、図5(b)に示すようにAl膜5がスパッタリングによって成膜される。この際、Al膜を成膜するための第2チャンバー11及び12のステージ温度は300℃以上に加熱されている。その後、ロットAの一枚目の半導体ウェハは第2チャンバー11から第3チャンバー13に搬送され、ロットAの一枚目の半導体ウェハと交代してロットAの三枚目の半導体ウェハが第1チャンバー10から第2チャンバー11へ搬送されてスパッタリングによるAl膜の成膜処理が開始される。また、ロットAの二枚目の半導体ウェハは第2チャンバー12から第3チャンバー14に搬送され、ロットAの二枚目の半導体ウェハと交代してロットAの四枚目の半導体ウェハが第1チャンバー15から第2チャンバー12へ搬送されてAl膜5の成膜処理が開始される。
【0032】
次いで、第3チャンバー13、14それぞれにおいてロットAの一枚目及び二枚目それぞれの半導体ウェハのAl膜5上には、図5(c)に示すように、第2のTiN膜6及びTi膜7が連続的に成膜される(S2)。この際、第3チャンバー13及び14のステージは無加熱状態である。また、第3チャンバー13、14における処理時間は、第2チャンバー11、12における処理時間より長くなるように設定されている。それにより、第2チャンバー11,12での処理が第3チャンバーでの処理より先に終了する。
【0033】
その後、ロットAの一枚目、二枚目の半導体ウェハは順にアンロードされて待機室17に戻ってくる。そして、ロットAの一枚目の半導体ウェハと交代してロットAの三枚目の半導体ウェハが第2チャンバー11から第3チャンバー13へ搬送されてスパッタリングによる第2のTiN膜6及びTi膜7の成膜処理が開始される。また、ロットAの二枚目の半導体ウェハと交代してロットAの四枚目の半導体ウェハが第2チャンバー12から第3チャンバー14へ搬送されて第2のTiN膜6及びTi膜7の成膜処理が開始される。この際、第3チャンバー13及び14のステージは無加熱状態であるが、第2チャンバー11及び12での成膜処理によって高温の状態となっていたロットAの一枚目及び二枚目の半導体ウェハが第3チャンバー13及び14のステージ24上に載置されて成膜処理されたことにより、第3チャンバー13及び14のステージ24に半導体ウェハの熱が転写され、前記ステージ24の温度が高くなっている(図1及び図2参照)。つまり、第3チャンバー13及び14において連続的に成膜処理されることにより、無加熱状態のステージ24の温度が高くなっている状態で成膜処理が進められる。これは、図7に示すロットCのような状態である。
【0034】
上記の配線層の形成は、待機室17、18及び19にセッティングしたロットが全数終了するまで間隔を開けずに連続的に行われる。つまり、ロットAの最後尾の半導体ウェハが、第1チャンバー10又は15でのTiN膜のスパッタリングによる成膜が終了した後、待機室18にセッティングされたロットBがロードされ、配線層の形成が行われる(S3)。次いで、ロットBの配線層の形成が終了した後、待機室19にセッティングされたロットCがロードされ、配線層の形成が行われる(S4)。
【0035】
そして、ロットCを処理した後は処理待ち状態となる(S5)。この処理待ちとは、次のロットがスパッタリング装置に用意されていない場合である。この処理待ち状態によって、第3チャンバーにおいて連続処理が途絶え、スパッタリング装置の第3チャンバー13及び14では処理待ちとして認識される(S5)。第3チャンバーにおいて処理待ちとして認識されるまでの時間は、ロットCの最後の半導体ウェハの第3チャンバーでの処理が終了した時から起算して所定時間、例えば1分間である。つまり、第3チャンバーでの処理待ち状態が所定時間以上、例えば1分以上経過すると、スパッタリング装置の制御部32において処理待ちと認識される。
【0036】
その後、図1に示す治具室27より治具25が第3チャンバー13及び14のチャンバー内に投入され、ステージ24及び治具25が無加熱状態でターゲットクリーニングが開始される(S6)。その為、半導体ウェハの熱が転写され温度が高くなったステージ24は、連続処理が途絶えること、治具の投入及びターゲットクリーニングによって冷却される。その結果、ステージ24の温度は急激に低下していく。なお、治具室27も無加熱状態である。
【0037】
しばらくして、配線層を成膜する対象のロットD及びロットEが用意され、それぞれ待機室17及び18にセッティングする。その後、ダミー処理、ロットD及びロットEを連続的に処理させるように装置を制御部によって始動させる。以下にダミー処理、ロットD及びロットEそれぞれの処理について詳細に説明する。
【0038】
ダミー待機室16に格納されている一枚目のダミー基板が第1チャンバー10に搬送された後、ダミー待機室16に格納されている二枚目のダミー基板が第1チャンバー15に搬送され、連続的にTiN膜のスパッタリングによる成膜が開始される。この際に、一枚目及び二枚目のダミー基板がロードされた後、ロットDの一枚目、二枚目の順に連続的にロードされる。なお、本実施形態では、一枚目及び二枚目のダミー基板に第1チャンバー10,15での成膜処理を施しているが、第1チャンバーでの成膜処理を省略し、第2チャンバーでの成膜処理から行っても良い。
【0039】
次いで、一枚目のダミー基板は、第1チャンバー10でのスパッタリングによる成膜処理が終わり、ウェハ搬送室21を介して第2チャンバー11へ搬送される。また、二枚目のダミー基板は、第1チャンバー15でのスパッタリングによる成膜処理が終わり、ウェハ搬送室21を介して第2チャンバー12へ搬送される。その後、一枚目のダミー基板と交代してロットDの一枚目の半導体ウェハが第1チャンバー10へ搬送されてスパッタリングによる成膜処理が開始される。また、ロットDの二枚目はロットAの一枚目と同様にして、二枚目のダミー基板と交代してロットDの二枚目の半導体ウェハが第1チャンバー15へ搬送されて第1のTiN膜4のスパッタリングによる成膜処理が開始される。
【0040】
次いで、第2チャンバー11、12それぞれにおいて一枚目及び二枚目それぞれのダミー基板には、Al膜がスパッタリングによって成膜される。この際、第2チャンバー11及び12のステージ温度は300℃以上に加熱されている。その後、一枚目のダミー基板は第2チャンバー11から第3チャンバー13に搬送され、一枚目のダミー基板と交代してロットDの一枚目の半導体ウェハが第1チャンバー10から第2チャンバー11へ搬送されてスパッタリングによるAl膜の成膜処理が開始される。また、二枚目のダミー基板は第2チャンバー12から第3チャンバー14に搬送され、二枚目のダミー基板と交代してロットDの二枚目の半導体ウェハが第1チャンバー15から第2チャンバー12へ搬送されてAl膜の成膜処理が開始される。
【0041】
次いで、第3チャンバー13、14それぞれにおいて一枚目及び二枚目それぞれのダミー基板のAl膜上には、第2のTiN膜及びTi膜が連続的に成膜される(S7)。この際、第3チャンバー13及び14のステージは無加熱状態であるが、第2チャンバー11及び12での成膜処理によって高温の状態となっていた一枚目及び二枚目のダミー基板が第3チャンバー13及び14のステージ24上に載置されて成膜処理されたことにより、第3チャンバー13及び14のステージ24にダミー基板の熱が転写され、前記ステージ24の温度が高くなる(図1及び図2参照)。その後、一枚目、二枚目のダミー基板は順にアンロードされてダミー待機室16に戻ってくる。その後、一枚目のダミー基板と交代してロットDの一枚目の半導体ウェハが第2チャンバー11から第3チャンバー13へ搬送されてスパッタリングによる第2のTiN膜及びTi膜の成膜処理が開始される。また、二枚目のダミー基板と交代してロットDの二枚目の半導体ウェハが第2チャンバー12から第3チャンバー14へ搬送されて第2のTiN膜及びTi膜の成膜処理が開始される(S8)。
【0042】
次いで、ロットDの一枚目、二枚目の順に連続的にアンロードされて待機室17に戻ってくる。上記の配線層の形成はセッティングしたロットが全数終了するまで間隔を開けずに連続的に行われる。つまり、ロットDの配線層の形成が終了した後、待機室18にセッティングされたロットEがロードされ、配線層の形成が行われる(S9)。
【0043】
以上、本発明の第1の実施形態によれば、連続処理が途絶えたスパッタリング装置においてロットの成膜処理を開始する前にダミー処理(S7)を施すことにより、第3チャンバー13及び14のステージ24にダミー基板の熱を転写させ、前記ステージ24の温度を高くすることができる。それにより、第3のチャンバーのステージ温度が低下した状態でロットDの半導体ウェハを処理することを無くしている。従って、連続処理が途絶えた処理待ち(S5)の状態の後でも、連続処理を行っている状態に近づけてロットDを処理することができる。その結果、Al膜とTi膜との間で異常反応が起こることを抑制し、金属膜表面(Ti膜及びTiN膜の表面)のラフネスの増大や配線抵抗の増大による歩留まりの低下などの品質異常を防ぐことができる。
【0044】
また、第3チャンバー13、14における処理時間を、第2チャンバー11、12における成膜処理より長くなるように設定することにより、第3チャンバーでの待機時間がないようにしている。これにより、第3のチャンバーのステージ温度の低下を防ぐことができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施形態について図6を参照しつつ説明し、第1の実施形態と異なる部分について説明する。図6は本発明の第2の実施形態に係るスパッタリング装置を説明する為の模式図である。
【0046】
図6に示すスパッタリング装置は、ダミー基板の加熱室22を有している。
第1の実施形態において図4に示すダミー処理(S7)を施す工程を下記のように変更する。
【0047】
ダミー待機室16に格納されている一枚目のダミー基板はスパッタリング装置内へロードされ、ダミー基板の加熱室22へ搬送される。次いで、加熱室22において一枚目のダミー基板を一定時間加熱する。その後、加熱された一枚目のダミー基板は第3チャンバー13に搬送され、Ti膜及びTiN膜が成膜される。次いで、ダミー基板の加熱室22において二枚目のダミー基板を一定時間加熱する。その後、二枚目のダミー基板が第3チャンバー14に搬送され、Ti膜及びTiN膜が成膜される。
【0048】
以上、本発明の第2の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、ダミー基板の加熱室22を設置し、加熱室22で加熱されたダミー基板を第3チャンバーでダミー処理を行うことにより、第3チャンバー内のステージ温度をコントロールしている。
【0049】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記第1及び第2の実施形態におけるダミー処理に代えて、治具25を加熱し、この加熱した治具25によってダミー処理を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施形態に係るスパッタリング装置における第3チャンバーの構造を示す模式図
【図2】図1に示す第3チャンバーの上面図
【図3】第1の実施形態に係るスパッタリング装置の模式図
【図4】図1に示す第3チャンバー内の処理手順のフローチャート
【図5】(a)〜(c)は積層構造を有する配線層の形成方法を説明する為の断面図
【図6】第2の実施形態に係るスパッタリング装置の模式図
【図7】ウェハの温度グラフ
【図8】従来の第3チャンバー内の処理手順のフローチャート
【符号の説明】
【0051】
1・・・シリコン基板、2・・・拡散層、3・・・層間絶縁膜、4・・・第1のTiN膜、5・・・Al膜、6・・・第2のTiN膜、7・・・Ti膜、10,15・・・第1チャンバー、11,12・・・第2チャンバー、13,14・・・第3チャンバー、16・・・ダミー待機室、17,18,19・・・待機室、20・・・連結部、21・・・ウェハ搬送室、22・・・ダミー基板の加熱室、23・・・ステージ軸、24・・・ステージ、25・・・治具、26・・・アーム、27・・・治具室、28・・・軸、29・・・治具台、30・・・ターゲット、31・・・半導体ウェハ、32・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続されダミー基板を収容するダミー収容室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第2チャンバー内に搬送し、前記第2チャンバー内で前記ダミー基板を加熱し、その状態で前記ダミー基板上に金属膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第2チャンバー内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜するように制御することを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項2】
基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続された、ダミー基板を収容するダミー収容室と、
前記基板搬送室に接続された、前記ダミー基板を加熱するための加熱室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記加熱室内に搬送し、前記加熱室内で前記ダミー基板を加熱し、その後、前記加熱室内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜するように制御することを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記所定時間は、1分間以上であることを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記基板は、半導体ウェハであり、前記第1の膜は、TiN膜又はTaN膜であり、前記金属膜はAl膜又はAl合金膜であり、前記第2の膜は、TiN膜、TaN膜、Ti膜とTiN膜の積層膜、Ta膜とTaN膜の積層膜のいずれかであることを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項5】
基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続されダミー基板を収容するダミー収容室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備するスパッタリング装置によって基板上に第1の膜、金属膜及び第2の膜を順に積層する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記工程は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第2チャンバー内に搬送し、前記第2チャンバー内で前記ダミー基板を加熱し、その状態で前記ダミー基板上に金属膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第2チャンバー内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
基板上に第1の膜をスパッタリング成膜する第1チャンバーと、
前記第1チャンバーによって前記第1の膜を成膜した後に、前記基板を加熱した状態で前記第1の膜上に金属膜をスパッタリング成膜する第2チャンバーと、
前記第2チャンバーによって前記金属膜を成膜した後に、前記基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する第3のチャンバーと、
前記第1乃至第3のチャンバーを互いに接続する基板搬送室と、
前記基板搬送室に接続された、ダミー基板を収容するダミー収容室と、
前記基板搬送室に接続された、前記ダミー基板を加熱するための加熱室と、
装置の動作を制御する制御部と、
を具備するスパッタリング装置によって基板上に第1の膜、金属膜及び第2の膜を順に積層する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記工程は、複数の基板が前記第1乃至第3チャンバーにおいて連続的に成膜処理された後に、処理待ち状態が所定時間経過した後、前記ダミー収容室内のダミー基板を前記基板搬送室を介して前記加熱室内に搬送し、前記加熱室内で前記ダミー基板を加熱し、その後、前記加熱室内の前記ダミー基板を前記基板搬送室を介して前記第3チャンバー内に搬送し、前記第3チャンバー内で前記ダミー基板を加熱しない状態で第2の膜をスパッタリング成膜し、その後、前記第3チャンバーにおいて、前記第2チャンバーによって金属膜が成膜された基板を加熱しない状態で前記金属膜上に第2の膜をスパッタリング成膜する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−65305(P2010−65305A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235013(P2008−235013)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】