説明

スピンヘッド及び基板処理方法

【課題】基板を支持するスピンヘッドを提供する。
【解決手段】スピンヘッドは、回転可能なボディと、上部に突出し、かつ回転時ボディに置かれた基板の側部を支持するチャックピンとを有する。チャックピンは、上下方向にボディに提供された垂直ロッドを有する。基板が回転する時、垂直ロッドは基板から側方向に離隔するように位置される。支持ロッドは、流線型に提供された側面を有する。支持ロッドは、上部から見る時、幅が漸進的に減少する接触部を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理のための装置に係り、より詳しくは、半導体工程などで基板を支持して回転可能なスピンヘッド及び基板を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程は、ウェハ上に薄膜、異質物、パーティクルなどをエッチングし、または洗浄する工程を含む。このような工程は、パターン面が上または下に向かうようにウェハをスピンヘッド上に置き、スピンヘッドを回転させ、ウェハ上に処理液を供給することによってなされる。
【0003】
スピンヘッド上には、ウェハがスピンヘッドの側方向に離脱されることを防止するためにウェハの側部を支持するチャックピンが設けられる。チャックピンは、基板がスピンヘッド上にローディングまたはアンローディングされる時、基板が置かれる空間を提供する待機位置と、スピンヘッド上に置かれた基板が回転しながら工程が行なわれる時、基板の側部と接触する支持位置との間を移動する。
【0004】
図24は、一般的な構造のスピンヘッド900を示す。
スピンヘッド900は、回転されるボディ920、基板Wの下面を支持する支持フィン960、及び基板Wの側部を支持するチャックピン940を有する。
チャックピン940は、回転可能な垂直ロッド942と、これより上部に突出して垂直ロッド942に対して偏心した支持ロッド944を有する。
処理液は、基板Wの上面中心に供給され、処理液が基板の下面から一定領域内側に流入しないようにガスが基板Wの下面に供給される。
【0005】
図25は、図24のような構造のチャックピン940使用のとき、問題点を示す図面で
あり、上部から見た図面である。
図24のような構造のチャックピン940は、垂直ロッド942が基板Wと隣接するように位置されていて、支持ロッド944が円形で提供されている。
したがって、基板Wが回転される時、基板Wの中心からエッジに向かう気流がチャックピン940近くではチャックピン940によって大幅開くように形成される。したがって、チャックピン940と接触する基板Wの領域に処理液が円滑に供給されず、その領域で工程不良が発生する。
【0006】
図26は、図24のような構造で支持ピン960使用のとき、問題点を示す図面であり、基板Wの底面から見た図面である。
図24のように、基板Wとボディ920との間に支持ピン960が提供される場合、基板Wの下面に供給されて外側に流れるガスは、支持ピン960が提供された領域から一定幅に開いて流れる。
【0007】
これによって、支持ピン960が提供された領域からガス量の不足によって処理液が設定領域より内側に基板Wとボディ920との間に流入する。
これによって、基板Wの下面エッジの処理幅の均一度が低下する。また、チャックピン940の垂直ロッド942が基板Wの下面に供給されたガスの流れを妨害するので、垂直ロッド942が提供される領域から処理液が設定領域より内側に基板Wとボディ920との間に流入する。
【0008】
特許文献1は、基板裏面へのミストの回り込みを防止して、歩留りを向上したスピンコータ及び塗布方法を提供するものであるが、周方向に沿って所定の間隔で設けられたスペーサを介して基板を回転テーブルに設置し、当該基板の中心側から外周側に向かって気体を送風する送風手段を具備するものであり、上記問題点を有する。
【0009】
また、一般に支持ロッド944が待機位置から支持位置に移動する時、垂直ロッド942は、単一の駆動メカニズムによってすべて一緒に回転移動する。
したがって、チャックピン940などの製造の時、加工公差などがある場合、すべての支持ロッド944が支持位置に移動しても、一部支持ロッド944は基板Wの側部と接触しない。
このため、回転の時、基板Wの支持が不安定であるのみならず、基板Wと接触した一部支持ロッド944に力が集中して支持ロッド944が破損し安い。
【0010】
また、スピンヘッドが高速に回転する場合、支持位置にある支持ロッド944が遠心力によって待機位置に向かう方向に移動し、これによって基板Wの支持が不安定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−201353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、基板の上面全体領域に処理液を均一に供給できるスピンヘッド及び基板処理方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明は、基板の上面に供給された洗浄液を使用して基板の下面エッジを処理する時、基板の下面エッジ領域が均一に処理されるスピンヘッド及び基板処理方法を提供することにある。
【0014】
また、本発明は、すべてのチャックピンが基板と接触を保持できる構造を有するスピンヘッドを提供することにある。
【0015】
また、本発明は、高速回転時にもチャックピンが安定的に基板の側部と接触を保持できる構造を有するスピンヘッドを提供することにある。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、これに限定されず、説明しない他の課題は、下記の記載から当業者が容易に推測できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するための本発明は、基板を支持するスピンヘッドであって、回転可能なボディと、前記ボディから上部に突出され、かつ回転時前記ボディに置かれた基板の側部を支持するチャックピンと、を含み、前記チャックピンは、上下方向に前記ボディに提供された垂直ロッドと、前記垂直ロッドから側方向に延長され、回転時前記ボディに置かれた基板の側部と接触する支持ロッドと、を含み、前記支持ロッドは、前記垂直ロッドから側方向に延長される水平ロッドと、前記水平ロッドの終端から下方向に屈曲される接触ロッドと、を含むことを特徴とする。
【0018】
一実施形態によれば、前記接触ロッドはその縦方向に沿って同一の断面を有する。また、前記接触ロッドはその断面が前記垂直ロッドから遠くなる方向に行くほど幅が狭くなるように形状される。前記接触ロッドは流線型で提供される側面を有する。前記垂直ロッドは断面が円形で提供され、上部から見る時、前記接触ロッドの断面の幅は前記垂直ロッドの断面の直径より小さい幅で提供されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、基板を処理する方法を提供する。本発明によれば、スピンヘッドに置かれた基板の側部にチャックピンを接触させて前記基板を支持し、前記チャックピンは上下方向に前記ボディに提供された垂直ロッドと前記垂直ロッドから側方向に延長される支持ロッドを含み、前記チャックピンが前記基板を支持する時、前記垂直ロッドは前記基板から側方向に離隔されるように位置され、前記支持ロッドの終端が前記基板に接触し、前記支持ロッドは前記垂直ロッドから側方向に延長される水平ロッドと前記水平ロッドの終端から下方向に屈曲される接触ロッドを有し、前記水平ロッドは前記スピンヘッドに置かれた基板より高い高さで水平方向に配置されるように提供され、前記接触ロッドは前記スピンヘッドに置かれた基板と同一の高さまたはその下まで延長されることを特徴とする。
【0020】
前記接触ロッドは上部から見る時、その断面が前記垂直ロッドから遠くなる方向に行くほど幅が狭くなるように提供される。前記接触ロッドはその縦方向に沿って同一の断面を有するように提供されることを特徴とする。
【0021】
前記基板はパターン面が下に向かうように前記スピンヘッド上に置かれ、前記スピンヘッドが回転しながら前記基板の上部中央から前記基板に処理液が供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、チャックピンを使用して基板の側部を支持する時、基板とチャックピンが接触する領域まで処理液が円滑に供給されるので、基板の全体領域で工程均一度を向上させることができる。
【0023】
また、本発明によれば、基板の上面を処理した後、下面に流入した処理液が基板の下面エッジを均一な幅で処理できる。
【0024】
また、本発明によれば、基板の側部をチャックピンを使用して支持する時、すべてのチャックピンが基板の側部と接触する。したがって、基板の位置が安定的であり、一部チャックピンに力が集中することを防止できる。
【0025】
また、本発明によれば、高速に基板が回転する場合にも、チャックピンが基板の側部と接触する支持位置に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の基板処理装置を概略的に示す平面図である。
【図2】本発明の容器を示す断面図である。
【図3】図2の容器内部を示す軸方向に切断された容器の斜視図である。
【図4】スピンヘッドの平面図である。
【図5】図4の線I−Iに沿って切断したスピンヘッドの断面図である。
【図6】チャックピンの一実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6のチャックピンの変形例を示す斜視図である。
【図8】図6のチャックピンによって基板の側部が支持された状態を示す図面である。
【図9】基板が回転する時、気流の流れを示す図面である。
【図10】チャックピンの他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】図10のチャックピンによって基板の側部が支持された状態を示す図面である。
【図12】基板がボディによって支持された状態、及び上部ノズル部材から供給された処理液の流れと下部ノズル部材から供給されたガスの流れとを示す図面である。
【図13】図4の線II−IIに沿って切断したスピンヘッドの断面図である。
【図14】図13の‘A’から見る下板を示す図面である。
【図15】上板が膨脹時、上板と下板との間の関係を示す図面である。
【図16】チャックピン移動ユニットを示すために下から見る下板の内部構造である。
【図17】図16の‘B’部分の拡大図である。
【図18】図17のキャム復元機の他の例を示す図面である。
【図19】チャックピン復元機の他の例を示す図面である。
【図20】チャックピンが待機位置と支持位置との間に移動する時、チャックピン移動ユニットの構成に作用する力と構成の移動方向を示す図面である。
【図21】チャックピンが待機位置と支持位置との間に移動する時、チャックピン移動ユニットの構成に作用する力と構成の移動方向を示す図面である。
【図22】接触保持部材が逆遠心力によってチャックピンが基板と接触するようにする過程を示す図面である。
【図23】調節ブロックの位置変更によってチャックピンの支持位置が変更される過程を示す図面である。
【図24】一般的なスピンヘッドを概略的に示す図面である。
【図25】図24のような構造のチャックピン使用時の問題点を示す図面である。
【図26】図24のような支持ピン使用時の問題点を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を添付した図1ないし図23を参照して、さらに詳細に説明する。
本発明の実施形態は、種々な形態に変形でき、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されない。本実施形態は、当業界者に本発明をさらに詳しく説明するために提供するものである。したがって、図面での要素の形状は、明確な説明を強調するために誇張されている。
【0028】
以下の実施形態では薬液、リンス液、そして乾燥ガスを使用して、基板Wを洗浄する装置を挙げて説明する。しかしながら、発明の技術的思想はこれに限定されず、エッチング工程などのように基板Wを回転させながら工程を行なう多様な種類の装置にすべて適用することができる。
【0029】
図1は、本発明の好ましい一実施形態による基板処理装置1を概略的に示す平面図である。
図1に示すように、基板処理装置1は流体供給ユニット10、容器20、昇降ユニット30、及びスピンヘッド40を有する。
流体供給ユニット10は基板処理のための処理液や処理ガスを基板Wに供給する。
スピンヘッド40は、工程進行の時、基板Wを支持し、基板Wを回転させる。基板Wは、そのパターン面が下に向かうようにスピンヘッド40に置かれる。しかしながら、基板Wは、そのパターン面が上部に向かうようにスピンヘッド40に置かれる場合もある。
容器20は、工程に使用された薬液及び工程時発生されるフューム(fume)が外部にはね、または流出されることを防止する。
昇降ユニット30は、スピンヘッド40または容器20を上下に昇降させ、容器20内で容器20とスピンヘッド40との間の相対高さを変化させる。
【0030】
流体供給ユニット10は、スピンヘッド40に置かれた基板Wの上面中央に処理液や処理ガスを供給する上部ノズル部材100aと基板Wの下面にガスを供給する下部ノズル部材100bとを有する。
基板Wは、スピンヘッド40の上部面から一定の距離離隔されるようにスピンヘッド40上に置かれる。
下部ノズル部材100bは、スピンヘッド40と基板Wとの間の空間にガスを供給する。ガスは、窒素ガスである。これと異なって、ガスとしては、窒素ガス以外に不活性ガスや清浄空気が使用される。
上部ノズル部材100aから基板Wの上面中央に供給された処理液や処理ガスは、遠心力によって基板Wのエッジに広がった後、基板Wの下面領域に流入する。
下部ノズル部材100bから基板Wの下面中央部にガスを供給し、ガスは、基板Wの下面領域に処理液や処理ガスが一定の距離以上流入することを防止する。
したがって、処理液及び処理ガスによって基板Wは上面全体領域と下面エッジの一定領域が処理される。
また、下部ノズル部材100bから供給されたガスの圧力によって、基板Wをスピンヘッド40から一定高さ離隔させる。基板Wは、その下面がスピンヘッド40から離隔された状態でスピンヘッド40に置かれる。
【0031】
上部ノズル部材100aは、薬液供給ノズル120a、リンス液供給ノズル140a、及び乾燥ガス供給ノズル160aを有する。
薬液供給ノズル120aは、複数の種類の薬液を基板Wに供給する。薬液供給ノズル120aは、複数の噴射機121、支持バー122、及びバー移動器125を有する。
噴射機121は、容器20の一側に配置される。噴射機121は、薬液格納部(図示せず)と連結されて薬液格納部から薬液が供給をされる。
各々の噴射機121は、相異する種類の薬液を格納する薬液格納部と連結される。噴射機121は、一方向に並列に配置される。各々の噴射機121は、上部に突出された突起121aを有し、突起121aの側面には、溝(図示せず)が形成される。
薬液は、硫酸、窒酸、アンモニア、フッ酸であり、または、これと脱イオン水の混合液である。各々の噴射機121の終端には、吐出口が形成される。
【0032】
支持バー122は、複数の噴射機121のうち、何れか一つと結合し、これをスピンヘッド40に置かれた基板Wの上部に移動させる。
支持バー122は、長いロッド形状を有し、支持バー122は、その縦方向が噴射機121が配列される方向と垂直に配置される。
支持バー122の下面には、噴射機121との結合のためのホールダ(図示せず)が提供され、ホールダは噴射機121の突起121aに形成された溝に挿入可能なアーム(図示せず)を有する。アームは、突起121aの外側で突起121aの溝を向う方向に回転または移動できる構造で提供される。
【0033】
バー移動器125は、スピンヘッド40に置かれた基板Wの上部位置と噴射機121の
上部位置との間に支持バー122を直線移動させる。バー移動器125は、ブラケット123、ガイドレール124、及び駆動機(図示せず)を有する。
ガイドレール124は、噴射機121の外側から、噴射機121、及び容器20を過ぎて容器20の外側まで長く一直線に延長される。ガイドレール124には、これに沿って移動できるようにブラケット123が結合され、ブラケット123には支持バー122が固定結合される。
駆動機は、ブラケット123を直線移動させる駆動力を提供する。ブラケット123の直線移動は、モータとスクリュを有するアセンブリによってなされる。選択的にブラケット123の直線移動は、ベルトとフリー、そしてモータを有するアセンブリによりなすことができる。選択的にブラケット123の直線移動は、リニアモータによってなされる。
【0034】
容器20の他の一側には、リンス液供給ノズル140aが配置され、容器20他の一側には乾燥ガス供給ノズル160aが配置される。
リンス液供給ノズル140aは、噴射機141、支持バー142、及び駆動機144を有する。
噴射機141は、支持バー142の終端に固定結合される。支持バー142の他の終端には、駆動機144によって回転される回転軸(図示せず)が固定結合される。
噴射機141は、リンス液格納部(図示せず)からリンス液が供給される。
乾燥ガス供給ノズル160aは、リンス液供給ノズル140aと大体に類似の構造を有する。乾燥ガス供給ノズル160aは、イソプロフィルアルコールと窒素ガスとを供給する。窒素ガスは、加熱した窒素ガスである。下部ノズル部材100bの構造は、後述する。
【0035】
図2は、容器の断面図であり、図3は容器を軸方向に切断した斜視図である。
図2と図3に示すように、容器20は、内部に上部が開放されて基板Wが処理される空間32を有し、空間32にはスピンヘッド40が配置される。
スピンヘッド40の下面には、スピンヘッド40を支持して回転させる回転軸42が固定結合される。
回転軸42は、容器20の底面に形成された開口を通して容器20外部まで突出する。回転軸42には、これに回転力を提供するモータのような駆動機44が固定結合される。
【0036】
図3は、容器20の内部構造を示す切断された斜視図である。
図2と図3に示すように、容器20は工程に使用された薬液を分離して回収できる構造を有する。これは、薬液の再使用が可能である。
容器20は、複数の回収筒220、240、260を有する。各々の回収筒220、240、260は、工程に使用された処理液のうち、相異する種類の処理液を回収する。
本実施形態で容器20は、3つの回収筒を有する。各々の回収筒を内部回収筒220、中間回収筒240、及び外部回収筒260と称する。
【0037】
内部回収筒220は、スピンヘッド40を取り囲む環形のリング形状で提供され、中間回収筒240は、内部回収筒220を取り囲む環形のリング形状で提供され、外部回収筒260は、中間回収筒240を取り囲む環形のリング形状で提供される。
各々の回収筒220、240、260は、容器20内で容器内空間32と通じる流入口227、247、267を有する。各々の流入口227、247、267は、スピンヘッド40の周りにリング形状で提供される。
基板Wに噴射されて工程に使用された薬液は、基板Wの回転による遠心力によって流入口227、247、267を通して回収筒220、240、260に流入する。
外部回収筒260の流入口267は、中間回収筒240の流入口247の垂直上部に提供され、中間回収筒240の流入口247は、内部回収筒220の流入口227の垂直上部に提供される。
すなわち、内部回収筒220、中間回収筒240、及び外部回収筒260の流入口227、247、267は、高さが相違するように提供される。
【0038】
内部回収筒220は、外壁222、底壁224、内壁226、及び案内壁228を有する。
外壁222、底壁224、内壁226、及び案内壁228各々は、リング形状を有する。外壁222は、スピンヘッド40から遠くなる方向に下方傾斜した傾斜壁222aとこの下端から下方向に垂直に延長される垂直壁222bを有する。
底壁224は、垂直壁222bの下端からスピンヘッド40に向かう方向に水平に延長される。底壁224の終端は、傾斜壁222aの上端と同一の位置まで延長される。
内壁226は、底壁224の内側終端から上の方向に垂直に延長される。内壁226は、その上端が傾斜壁222aの上端と一定距離離隔される位置まで延長される。
内壁226と傾斜壁222aとの間の上下方向に離隔された空間は、前述した内部回収筒220の流入口227として機能する。
【0039】
内壁226には、リングをなす配置で複数の開口223が形成される。
各々の開口223は、スリット形状で提供される。開口223は、内部回収筒220に流入されたガスがスピンヘッド40内の下空間を通して外部に輩出する排気口として機能する。
底壁224には、排出管225が結合される。内部回収筒220を通して流入された処理液は、排出管225を通して外部の薬液再生のためのシステムで輩出される。
【0040】
案内壁228は、内壁226の上端からスピンヘッド40から遠くなる方向に下方傾斜した傾斜壁228aと、この下端から下へ上下方向に垂直に延長される垂直壁228bとを有する。
垂直壁228bの下端は、底壁224から一定距離離隔されるように位置される。
案内壁228は、流入口227を通して流入された処理液が外壁222、底壁224、内壁226で囲まれた空間229に円滑に流れることができるように案内する。
【0041】
中間回収筒240は、外壁242、底壁244、内壁246、及び突出壁248を有する。
中間回収筒240の外壁242、底壁244、及び内壁246は、内部回収筒220の外壁222、底壁224、及び内壁226と大体に類似の形状を有するが、中間回収筒240が内部回収筒220を取り囲むように内部回収筒220に比べて大きい内径を有する。
中間回収筒240の外壁242の傾斜壁242aの上端と内部回収筒220の外壁222の傾斜壁222aの上端は、上下方向に一定の距離離隔されるように位置され、離隔された空間は中間回収筒240の流入口247として機能する。
突出壁248は、底壁244の終端から下方向に垂直に延長される。
中間回収筒240の内壁246の上端は、内部回収筒220の底壁224の終端と接触する。
中間回収筒240の内壁246には、ガスの排出のためのスリット形状の排気口243がリングをなす配列で提供される。
底壁244には、排出管245が結合され、中間回収筒240を通して流入された処理液は、排出管245を通して外部の薬液再生のためのシステムで輩出される。
【0042】
外部回収筒260は、外壁262と底壁264を有する。
外部回収筒260の外壁262は、中間回収筒240の外壁242と類似の形状を有するが、外部回収筒260が中間回収筒240を取り囲むように中間回収筒240に比べて大きい内径を有する。
外部回収筒260の外壁262の傾斜壁262aの上端と中間回収筒240の外壁242の傾斜壁242bの上端は、上下方向に一定の距離離隔されるように位置され、離隔された空間は、外部回収筒260の流入口267として機能する。
底壁264は略、円板形状を有し、中央に回転軸42が挿入される開口が形成される。底壁264には、排出管265が結合され、外部回収筒260を通して流入した処理液は、排出管265を通して外部の薬液再生のためのシステムで輩出する。
外部回収筒260は、容器20全体の外壁として機能する。外部回収筒260の底壁264には、排気管263が結合され、外部回収筒260に流入されたガスは、排気管263を通して外部に排気する。
また、内部回収筒220の内壁226に提供された排気口223及び中間回収筒240の内壁246に提供された排気口243を通して流れ出たガスは、外部回収筒260に連結された排気管263を通して外部に排気される。排気管263は、底壁264から上部に一定の長さ突出されるように設けられる。
【0043】
昇降ユニット30は、容器20を上下方向に直線移動させる。
容器20が上下に移動することによって、スピンヘッド40に対する容器20の相対高さが変更される。
昇降ユニット30は、ブラケット31、移動軸34、及び駆動機36を有する。
ブラケット31は、容器20の外壁に固定設置され、ブラケット31には駆動機36によって上下方向に移動される移動軸34が固定結合される。
基板Wがスピンヘッド40に置かれ、またはスピンヘッド40から持ち上げる時、スピンヘッド40が容器20の上部に突出するように容器20は下降する。
また、工程が進行する時には、基板Wに供給された処理液の種類によって処理液が既設定された回収筒220、240、260に流入されるように容器20の高さを調節する。
前述したことと反対に、昇降ユニット30はスピンヘッド40を上下方向に移動することができる。
【0044】
次は、図4と図5を参照してスピンヘッド40の構造に対して説明する。
図4は、スピンヘッド40の平面図であり、図5は、図4の線I−Iに沿って切断したスピンヘッド40の断面図である。
スピンヘッド40は、ボディ300、チャックピン500、及びチャックピン移動ユニット600(図17参照)を有する。
【0045】
チャックピン500は、ボディ300のエッジ領域にボディ300の上部面から上部に突出するようにボディ300に設けられる。
チャックピン500は、約6個提供される。チャックピン500は、スピンヘッド40が回転する時、基板Wが正位置から側方向に離脱されないように基板Wの側部を支持する。チャックピン500は、すべて同一の形状及び大きさを有する。
【0046】
図6は、チャックピン500の一実施形態を示す斜視図である。
チャックピン500は、垂直ロッド520、支持ロッド540、締結部560、及びストッパー部(stopper portion)580を有する。
垂直ロッド520は、略、上下方向に配置されるようにボディ300に結合される。垂直ロッド520は、その縦方向に垂直に切断する時、円形の断面を有する。
基板Wが回転する時、垂直ロッド520は、基板Wから側方向に離隔するように位置される。
支持ロッド540は、垂直ロッド520から側方向に延長される。支持ロッド540は、垂直ロッド520の終端から略水平方向に提供される。
支持ロッド540は、その一端から終端までボディ300から同一の高さに離隔するように提供される。支持ロッド540は、その高さは、基板Wがボディ300上に置かれる
時、ボディ300から離隔した高さと略、同一に配置される。
基板Wがボディ300に置かれた状態で回転する時、支持ロッド540の終端は、基板Wの側部と接触する。
【0047】
支持ロッド540は、その終端まで延長して上部から見る時、幅が減少するように形成された接触部542を有する。
接触部542は、両側面544を有し、各々の側面544は、互いに対称になるように提供される。
接触部542の側面544は、円形に提供される。また、接触部542の側面544は、流線型で提供される。
接触部542は、その幅が垂直ロッド520の直径よりは小さく提供される。
基板Wと接触する接触部542の終端546は、上部から見る時、点として提供される。接触部542は、垂直ロッド520から直接延長するように提供される。また、図7のように接触部542と垂直ロッド520との間に幅が一定の中間部543が提供される。
【0048】
締結部560は、垂直ロッド520から下方向に延長される。
締結部560には、チャックピン移動ユニット600との締結のためのねじホールが形成される。
ストッパー部580は、垂直ロッド520から外側に延長され、リング形状で提供される。ストッパー部580は、ボディ300の上部面と密着し、チャックピン500がすべて同一の高さで突出する。
【0049】
図8は、工程進行時、チャックピン500が基板Wを支持している状態を示す断面図であり、図9は、スピンヘッド40が回転時気流(処理液)の方向を示す平面図である。
図9に示すように、比較的断面積が広い垂直ロッド520は、基板Wから一定の距離離隔された状態で配置される。
また、基板Wの側部は、上部から見る時、比較的垂直ロッド520より幅が狭くて流線型の側面544を有する接触部542によって支持される。
したがって、基板Wが回転する時、処理液は接触部542の終端546まで到達した後、接触部542の側面544に沿って流れる。
処理液が支持ロッド540と基板Wが接触する領域まで到達するので、前記接触領域で工程不良が発生することを防止できる。
【0050】
図10は、チャックピン500’の他の実施形態を示す図面である。
図10に示すように、チャックピン500’は、垂直ロッド520’、支持ロッド540’、締結部560’、及びストッパー部580’を有する。
チャックピン500’の垂直ロッド520’、締結部560’、及びストッパー部580’の構造は、図6のチャックピンの垂直ロッド500、締結部520、及びストッパー部560と略、同一であるため、詳細な説明は省略する。
支持ロッド540’は、水平ロッド542’と接触ロッド544’とを有する。
水平ロッド542’は、垂直ロッド520’から水平方向に延長される。
接触ロッド544’は、水平ロッド542’の終端から下方向に一定の長さ突出する。
接触ロッド544’は、基板Wと同一の高さ、またはその下まで延長される。
水平ロッド542’は、工程進行時基板Wより高い位置に配置され、接触ロッド544’は上部から見る時、その終端546’が基板Wの側部と接触する位置に配置される。
【0051】
接触ロッド544’は、上部から見る時、垂直ロッド520’から遠くなる方向に行くほど、漸進的に幅が狭くなる形状を有する。
接触ロッド544’の終端546’は、上部から見る時、点として提供される。
接触ロッド544’は、側面544a’を有する。接触ロッド544’の側面544a’は、円形にする。また、接触ロッド544’の側面544a’は、流線型の形状である。接触ロッド544’は、その縦方向に同一の断面を有する。上部から見る時、接触ロッド544’の横断面の幅は、垂直ロッド520’の断面の直径より狭い幅で提供される。
【0052】
図11は、基板Wが回転する時、図10の接触ロッド544’によって基板Wが支持される状態を示す図面である。
垂直ロッド520’は、基板Wから一定の距離離隔するように配置され、水平ロッド542’は、基板Wより高い位置に提供されるので、水平ロッド542’と垂直ロッド520’は、基板Wの回転によって発生する気流に影響を及ぼさない。
基板Wの側面と接触する接触ロッド544’は幅が狭くて側面544a’が流線型で提供されるので、処理液は、上部から見る時、接触ロッド544’の終端546’まで到達し、したがって、基板Wとチャックピン500’が接触する領域まで処理液が供給される。
【0053】
再び、図5に示すように、ボディ300は、上板320、下板340、及び押さえ部(pressing part)360(図13参照)を有する。
上板320は、上部から見る時、略、円形で提供される上部面を有する。
下板340は、上板320の下に配置され、チャックピン移動ユニット600が配置される空間を提供する。
上板320のエッジ領域には、チャックピン500が挿入されるピンホール322が形成される。各々のピンホール322は、スリット形状で形成される。
ピンホール322は、その縦方向が上板320の半径方向に沿って形成される。ピンホール322の幅は、チャックピン500の垂直ロッド520の直径と同一であり、またはこれより少し広く形成され、ピンホール322の長さは、チャックピン500の半径方向への移動を案内できる長さで形成される。
ピンホール322の長さは、チャックピン500のストッパー部580の直径より短く提供することができる。
前述したことと異なって、ピンホール322は円形で形成することができる。この場合、ピンホール322の直径は、チャックピン500の支持ロッド520の直径よりは長く、ストッパー部580の直径よりは短く提供される。
【0054】
ボディ300には、下部ノズル部材100bが提供される。
下部ノズル部材100bは、噴射部182、通路部184、及びガス供給管186を有する。
通路部184と噴射部182は、ボディ300内の中央に上下方向に形成される。
通路部184は、ボディ300内の中央に提供され、その縦方向に同一の断面を有するように形成される。通路部184は、略、円形の断面を有する。
噴射部182は、通路部184から上部で延長されるように提供される。噴射部182の一端は、通路部184の断面と同一であり、上部へ行くほど漸進的に広くなる断面を有する。例えば、噴射部182は、円錘形の形状を有する。
ガス供給管186は、通路部184の下端と連結し、通路部184にガスを供給する。
ガス供給管186内には、その内部通路を開閉し、または流量を調節するバルブ186aが設けられる。
【0055】
図12は、基板Wがボディ300によって支持された状態、及び上部ノズル部材100aから供給された処理液が流れる経路と下部ノズル部材100bから供給されたガスが流れる経路とを示す図面である。
図12で実線は下部ノズル部材100bから供給されたガスの流れを示し、点線は上部ノズル部材100aから供給された処理液の流れを示す。
前述した通り、下部ノズル部材100bからガスを供給してガス圧によって基板Wをボ
ディ300から離隔されるように支持する。
基板Wの上部に供給された処理液は、基板Wの上面全体領域を処理し、下部ノズル部材100bから供給されたガスによって基板Wの下面で移動が制限されるので、基板の下面エッジの設定領域を処理する。
基板が支持フィンによって支持される場合には、支持フィンによってガスの流れが妨害され、これによって支持フィンが提供される領域で処理液が設定位置より基板の下面内側に流入する問題がある。
しかしながら、本発明の場合、基板Wとボディ300との間に支持フィンと同一の構造物が提供されないので、基板Wの下面全体で処理液によって処理される領域が同一である。
【0056】
図13と図14は、上板320と下板340の結合構造を示すための図面である。
図13は、図4の線II−IIに沿って切断したスピンヘッド40の断面図である。図14は、図13の“A”方向から見る下板340の底面図である。
図13と図14に示すように、工程進行時、上板320は薬液に露出されるので、上板320は薬液に対して腐蝕が強い材質で製造される。また、高温の薬液を基板Wに供給して、工程進行時、下板340の熱膨張によってチャックピン500の設定位置がねじれないように、下板340は熱に強い材質で製造される。
すなわち、本発明で上板320は、下板340に比べて腐蝕に強い材質からなり、下板340は上板320に比べて熱変形が小さな材質からなる。例えば、上板320は、ポリ塩化ビニル材質からなり下板340は、アルミニウム材質からなる。
上板320と下板340は、押さえ部360によって結合される。上板320の底面には、ねじ溝328が形成され、これと対応する下板340領域には、ボディ300の半径方向にスリット形状の溝342が形成される。
【0057】
押さえ部360は、下板340から上板320を向う方向にスリット形状の溝342を通して上板320に結合される。
押さえ部360は、中央に上下に貫通されたホール362cが形成されたプレス板362とねじ364とを有する。
ねじ364は、プレス板362のホール362c、スリット形状の溝342、及び上板320のねじ溝328に下板340から上板320を向う方向に挿入されて、上板320と下板340を結合する。
プレス板362は、スリット形状の溝342に挿入される挿入部362bとこれから下に延長され、下板340を押す頭部(head portion)362aを有する。プレス板362の挿入部362bは、スリット形状の溝342の幅と略、類似の直径を有し、プレス板362の頭部362aはスリット形状の溝342の幅より長い直径を有する。
【0058】
図15は、本実施形態のような上板320と下板340の結合構造使用時の利点を示す。図15で実線は、上板320が熱膨張する前の状態を示し、点線は、上板320が熱膨張した後の状態を示す。
図15のように、高温の薬液を使用して工程進行時上板320が熱変形して膨脹しても押さえ部360がスリット形状の溝342に従い下板340とは独立に移動する。したがって、上板320の熱変形によって下板340が膨脹することを防止できる。
下板340には、後述するチャックピン500の位置を決定する多様な構成要素が結合されているので、下板340の膨脹防止はチャックピン500が設定位置から逸脱することを防止する。
【0059】
チャックピン移動ユニット600は、チャックピン500を支持位置と待機位置との間を移動させる。支持位置は、工程進行時チャックピン500が基板Wの側部と接触する位置であり、待機位置は基板Wがスピンヘッド40に置かれることができるように基板Wよ
り広い空間を提供する位置である。したがって、支持位置は、待機位置に比べてボディ300の中央にさらに近い位置である。
【0060】
図16は、チャックピン移動ユニット600の構造を示す底面図であり、図17は、図16の‘B’の拡大図である。
チャックピン移動ユニット600は、移動ロッド620、ガイド部材640、距離調節機660、接触保持部材680、及び直線移動機700を有する。
【0061】
移動ロッド620は、チャックピン500と同一の数で提供され、各々の移動ロッド620には、一つのチャックピン500が結合する。
移動ロッド620は、ボディ300の半径方向と同一の方向に下板340の内空間に配置される。
前述した上板は、エッジから下方向に突出された側部を有し、側部には外側から内側まで貫通されたホール329が形成され、ホール329(図5参照)は、上板320に提供されたピンホール322と通ずる。
移動ロッド620の外側一端は、ホール329内に位置する。移動ロッド620の外側一端には、ねじ溝628が形成され、チャックピン500と移動ロッド620は、ねじ590によって互いに固定結合される。
また、ホール329内には、移動ロッド620を覆い、外部と下板340内空間をシーリングするシーリング部材330が設けられる。シーリング部材330には、O−リングが使用される。
移動ロッド620は、内側一端にローリングボール(rolling ball)622を有する。ローリングボール622は、移動ロッド620に対して回転できるように移動ロッド620に結合される。
【0062】
各々の移動ロッド620の移動経路上には、移動ロッド620が半径方向に直線移動するように案内するガイド部材640が提供される。ガイド部材640としては、スライディングベアリング(sliding bearing)が使用される。スライディングベアリングは、ボディ300に固定結合される。
【0063】
直線移動機700は、チャックピン500が待機位置と支持位置との間に移動することができるように移動ロッド620をボディ300の半径方向に直線移動させる。
直線移動機700は、キャム720、キャム駆動機730、キャム復元機760、及びチャックピン復元機780を有する。
キャム720は、略、円形のリング形状を有する。キャム720は、その外周面から外側方向に突出するように延長した突起740を有する。
突起740は、移動ロッド620の数と同数に提供され、これらと対応する位置に形成される。突起740は、略、緩い傾斜を有する前面742と急傾斜を有する後面744を有する。
キャム駆動機730は、キャム720を第1回転方向82に回転させ、キャム復元機760は、キャム720を第1回転方向82と反対方向である第2回転方向84に回転させる。
キャム駆動機730としては、キャム720を一定角度回転させるロータリシリンダ(rotary cylinder)が使用される。ロータリシリンダは、回転軸(図示せず)を回転させ、回転軸はキャム720に固定結合される。
突起740の一側には、キャム720の回転角を制限するようにキャムストッパー750がボディ300に固定設置される。
キャム復元機760としては、復原力として弾性力を提供するスプリング762が使用
される。
キャム720には、スプリング762の一端が固定結合される第1ラッチ764が提供
され、下板340にはスプリング762の他端が固定結合される第2ラッチ766が提供される。
第1ラッチ764は、第2ラッチ766に比べてこれに相応する突起740によって隣接するように配置される。
【0064】
例えば、キャム駆動機730は、ローリングボール622がキャム720の外側面で突起740の前面742に乗り上がるようにキャム720を回転させる。
キャム720が第1回転方向82に回転することによって、チャックピン500は支持位置から待機位置に移動し、キャム復元機760のスプリング762は引き伸ばされる。
キャム駆動機730からの駆動力が除去されると、キャム720はスプリング762の弾性力によって第2回転方向84に回転し、ローリングボール622はキャム720の突起740の前面742から遠くなる。
本例によれば、チャックピン500が支持位置にある時、スプリング762が平衡状態にあるので、工程進行中キャム駆動機730にエラーが発生した場合にも、基板Wはチャックピン500によって安定に支持される。
【0065】
他の例として、キャムの復原力は、磁力によって提供される。
この場合、図18のように、キャム720に第1磁石762aが配置され、ボディ300に第2磁石762bが提供され、第1磁石762aと第2磁石762bは,キャム720駆動力が除去された時チャックピン500が待機位置から支持位置に移動することができるように配置される。
例えば、第1磁石762aは、これに相応する突起740と第2磁石762bとの間に配置され、第1磁石762aと第2磁石762bは、相異する極性が対向するように配置される。
【0066】
また、その他の例によれば、キャム駆動機730は、チャックピン500が待機位置から支持位置に移動するようにキャム720を回転させ、キャム復元機760は、チャックピン500が支持位置から待機位置に移動するようにキャム720を回転させることができる。
【0067】
更に、その他の例によれば、待機位置から支持位置へのチャックピン500の移動及び支持位置から待機位置へのチャックピン500の移動両方がキャム駆動機730によってなされるように提供される。
【0068】
前述した通り、キャム720が第1回転方向82に回転時、ローリングボール622は突起740の前面742に乗り上がってキャム720から遠くなる方向に移動する。
チャックピン復元機780は、キャム720が第2回転方向84に回転する時、復原力によってチャックピン500を待機位置から支持位置に移動させる。
例えば、図17に示すように、チャックピン復元機780は、スプリング782のような弾性部材を有し、復原力としては弾性力が使用される。
スプリング782の一端は、移動ロッド620の一側から延長された第1ラッチ784に固定結合され、スプリング782の他端はボディ300に固定設置された第2ラッチ786に固定結合される。
第2ラッチ786は、第1ラッチ784とキャム720との間に配置される。
したがって、移動ロッド620がキャム720の中心から遠くなる方向に移動する時、スプリング782は引き伸ばされる。また、キャム720が復原力によって第2回転方向84に回転する時、移動ロッド620は、スプリング782の弾性力によってキャム720の中心を向う方向に移動する。
これによって、チャックピン500は、待機位置から支持位置に移動する。
【0069】
これと違い、チャックピン500を待機位置から支持位置に戻す、復原力は磁力によって提供することができる。
この場合、移動ロッド620に第1磁石782aが配置され、ボディ300に第2磁石782bが提供され、第1磁石782aと第2磁石782bとの極性は、キャム駆動機730の駆動力が除去される時、チャックピン500が待機位置から支持位置に移動することができるように提供される。
図19に示すように、第2磁石782bが第1磁石782aに比べてボディ300の中心に近く位置する場合、第1磁石782aと第2磁石782bは、相異する極性同士に対向するように配置される。
それに比べ、第1磁石782aが第2磁石782bに比べてボディ300の中心に近く位置する場合、第1磁石782aと第2磁石782bは、互いに同一の極性同士に対向するように配置される。
【0070】
すべての移動ロッド620が単一の力によってボディ300の中心を向う方向に移動するように提供されると、チャックピン500は独立的に移動することができない。
したがって、チャックピン500、移動ロッド620、及びキャム720などのような構成物に加工誤差などがある場合、支持位置で一部チャックピン500は基板Wの側部と非接触し、残りの一部チャックピン500だけ基板Wの側部と接触する。
これは、スピンヘッド40の回転時、基板Wと接触する一部チャックピン500にだけ荷重が集中し、チャックピン500が破損されやすい。
しかしながら、本発明でチャックピン復元機780は、各々の移動ロッド620に設けられるので、各々の移動ロッド620は、他の移動ロッド620に係らず、復原力を受けてボディ300の中心を向う方向に移動する。
したがって、たとえ、チャックピン500、移動ロッド620、及びキャム720などのような構成物に加工誤差などがあるとしても、各々のチャックピン500が各々に該当する復原力によって基板Wの側部と接触する位置まで移動する。
【0071】
図20と図21は、キャム720の回転方向、キャム復元機760及びチャックピン復元機780の状態、及び移動ロッド620の移動方向との間の関係を示す図面である。
図20のように、キャム駆動機730によってキャム720が第1回転方向82に回転すると、キャム復元機760のスプリング762は引き伸ばされ、移動ロッド620は支持位置から待機位置に移動し、チャックピン復元機780のスプリング782は引き伸ばされる。
その後、図21のように、キャム駆動機730から動力が除去されると、キャム復元機760の弾性力によってキャム720が第2回転方向84に回転し、チャックピン復元機780の弾性力によって移動ロッド620が待機位置から支持位置に移動する。
【0072】
前述した例には、チャックピン500がボディ300の半径方向に直線移動することによって、待機位置と支持位置の両者の間に位置変更されることを説明した。
しかしながら、チャックピン移動ユニットは、垂直ロッド520を回転させる構造で提供し、支持ロッド540は垂直ロッド520の回転によって待機位置と支持位置の両者の間に位置変更することができる。
【0073】
スピンヘッド40が高速に回転する場合、時々遠心力によってチャックピン500がボディ300の外側の半径方向に移動する。
これによって工程進行中チャックピン500による基板Wの支持が不安定になる。
接触保持部材680は、スピンヘッド40の回転時、支持位置でチャックピン500が基板Wの側部と接触することを継続的に保持する。
接触保持部材680は、固定ピン680aと保持バー680bとを有する。固定ピン680aは、移動ロッド620から突出するように移動ロッド620に固定設置される。保持バー680bは、スピンヘッド40が回転する時、ボディ300の中心を向う方向に固定ピン680aを押す。
【0074】
例えば、保持バー680bは、スピンヘッド40の回転時発生される逆遠心力によって固定ピン680aを押す形状をする。
また、図16に示すように、保持バー680bは、中央部682、押さえ部684、及び案内部686を有する。
中央部682は、軸ピン681によってボディ300に結合され、ボディ300に対して回転できるように提供される。
押さえ部684は、スピンヘッド40が回転する時、ボディ300の中心を向う方向に固定ピン680aを押す。
案内部686は、スピンヘッド40が回転する時、押さえ部684が固定ピン680aに向かう方向に移動するように案内する。
押さえ部684は、中央部682から一方向に延長され、案内部686は、押さえ部684と鈍角をなすように中央部682から延長される。押さえ部684と案内部686は、各々ロッド形状を有する。
【0075】
スピンヘッド40が回転する時、案内部686は、押さえ部684に比べてボディ300の外側方向に移動しようとする力がさらに大きいように提供される。案内部686は、押さえ部684に比べて重く提供される。
上部から見る時、案内部686は、押さえ部684に比べて広い幅を有するように形成される。また、案内部686の終端は、押さえ部684に比べて厚い部分を有するように形成される。
【0076】
接触保持部材680は、押さえ部684が移動ロッド620に向かって案内部686が移動ロッド620から遠くなるように配置される。押さえ部684は、固定ピン680aを基準としてキャム720の反対側に配置される。案内部686は、ボディ300の半径方向から遠くなるほど、移動ロッド620との間隔が遠くなるように配置される。
【0077】
図22は、接触保持部材680が動作される過程を示す。
スピンヘッド40が回転しない時には、押さえ部684には力が提供されない。移動ロッド620がキャム720の回転によってボディ300の中心から遠くなる方向に移動する時、固定ピン680aは、押さえ部684をボディ300の半径方向の外側に押し、押さえ部684は、移動ロッド620の移動を干渉しない位置に回転する。
この時、案内部686が設定範囲以上回転しないように、案内部686を基準として移動ロッド620の反対側にはボディ300に固定結合されるストッパー687が提供される。
チャックピン500が支持位置に移動し、スピンヘッド40が回転する間に、案内部686は遠心力を受けて、移動ロッド620に向かう方向に回転する。
押さえ部684は、案内部686と固定されているので、案内部686と一緒に回転する。すなわち、押さえ部684は、逆遠心力によって固定ピン680aを向う方向に回転し、固定ピン680aをボディ300の中心を向う方向に押す。これはスピンヘッド40が回転する間、チャックピン500が継続的に基板Wの側部との接触を保持するようにする。
【0078】
前述した例において、接触保持部材680は、スピンヘッド40の回転による逆遠心力によって固定ピン680aを押すので、接触保持部材680の回転のための別途の駆動機が不要であり、装置構造が単純である。
しかしながら、本実施形態とは異なって、接触保持部材680は、別途の駆動機によってスピンヘッド40が回転する時、移動ロッド620をボディ300の中心を向う方向に
押すように構成することができる。
【0079】
時々前工程で基板Wに行なわれた工程の種類によって、基板Wの直径が変更される。例えば、前段階工程で基板Wに熱処理工程が行なわれる場合、基板Wが膨脹して基板Wの直径が変化する。
距離調節機660は、基板Wの支持位置を調節する。距離調節機660は、調節ブロック662と固定具664とを有する。調節ブロック662は、上下方向にスリット形状の貫通溝662aが形成され、その縦方向が移動ロッド620の移動方向と並列に配置される。
固定具664は、調節ブロック662をボディ300に固定させる。固定具664は、頭部664aとそこから延長される挿入部664bを有する。
頭部664aは、貫通溝662aの幅より広い断面積を有し、挿入部664bは、貫通溝662aを通過した後、ボディ300に形成されたねじ溝(図示せず)と結合される。
挿入部664bがボディ300に挿入されることによって、頭部664aは調節ブロック662をボディ300に対して押し、これによって調節ブロック662はボディ300に固定される。
固定具664は、2つが提供される。移動ロッド620には、ストッパー666が提供される。ストッパー666は、調節ブロック662がストッパー666とキャム720との間に位置されるように移動ロッド620に提供される。
ストッパー666は、チャックピン復元機780の復原力によって移動ロッド620がボディ300の中心を向う方向に移動する時、調節ブロック662の一端と接触し、移動ロッド620の移動距離を制限する。
【0080】
チャックピン500の支持位置を変更しようとする場合、最初に作業者は固定具664を解いて、頭部664aが調節ブロック662を押す力を除去する。
次に、作業者は、調節ブロック662を移動させる。
調節ブロック662がボディ300の半径方向に外側に向けて移動すると、チャックピン500の支持位置がボディ300の中心から遠くなる方向に変更される。
調節ブロック662がボディ300の半径方向の内側に移動されると、チャックピン500の支持位置がボディ300の中心に近づく方向に変更される。
この後、作業者は、再び固定具664を引き締めて調節ブロック662をボディ300に固定する。
図23は、調節ブロック662の位置が変更される時、チャックピン500の支持位置が変更された状態を示す。実線は、調節ブロック662の位置が変更される前の状態であり、点線は、調節ブロック662の位置が変更された後の状態である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は基板処理のための装置に係り、半導体工程などで基板を支持して回転可能なスピンヘッドの分野に適用できる。
【符号の説明】
【0082】
10 流体供給ユニット
20 容器
30 昇降ユニット
40 スピンヘッド
100a 上部ノズル部材
100b 下部ノズル部材
220 内部回収筒
240 中間回収筒
260 外部回収筒
300 ボディ
320 上板
340 下板
360 押さえ部
500 チャックピン
520 垂直ロッド
540 支持ロッド
600 チャックピン移動ユニット
620 移動ロッド
640 直線移動ガイド部材
660 距離調節機
680 接触保持部材
700 直線移動機
720 キャム
740 突起
760 キャム復元機
780 チャックピン復元機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するスピンヘッドであって、
回転可能なボディと、
前記ボディから上部に突出され、かつ回転時前記ボディに置かれた基板の側部を支持するチャックピンと、を含み、
前記チャックピンは、
上下方向に前記ボディに提供された垂直ロッドと、
前記垂直ロッドから側方向に延長され、回転時前記ボディに置かれた基板の側部と接触する支持ロッドと、を含み、
前記支持ロッドは、
前記垂直ロッドから側方向に延長される水平ロッドと、
前記水平ロッドの終端から下方向に屈曲される接触ロッドと、を含むことを特徴とするスピンヘッド。
【請求項2】
前記接触ロッドはその縦方向に沿って同一の断面を有することを特徴とする請求項1に記載のスピンヘッド。
【請求項3】
前記接触ロッドはその断面が前記垂直ロッドから遠くなる方向に行くほど幅が狭くなるように形状されることを特徴とする請求項1に記載のスピンヘッド。
【請求項4】
前記接触ロッドは流線型で提供される側面を有することを特徴とする請求項1に記載のスピンヘッド。
【請求項5】
前記垂直ロッドは断面が円形で提供され、
上部から見る時、前記接触ロッドの断面の幅は前記垂直ロッドの断面の直径より小さい幅で提供されることを特徴とする請求項1に記載のスピンヘッド。
【請求項6】
基板を処理する方法であって、
スピンヘッドに置かれた基板の側部にチャックピンを接触させて前記基板を支持し、
前記チャックピンは上下方向に前記ボディに提供された垂直ロッドと前記垂直ロッドから側方向に延長される支持ロッドを含み、
前記チャックピンが前記基板を支持する時、前記垂直ロッドは前記基板から側方向に離隔されるように位置され、前記支持ロッドの終端が前記基板に接触し、
前記支持ロッドは前記垂直ロッドから側方向に延長される水平ロッドと前記水平ロッドの終端から下方向に屈曲される接触ロッドを有し、前記水平ロッドは前記スピンヘッドに置かれた基板より高い高さで水平方向に配置されるように提供され、前記接触ロッドは前記スピンヘッドに置かれた基板と同一の高さまたはその下まで延長されることを特徴とする基板処理方法。
【請求項7】
前記接触ロッドは上部から見る時、その断面が前記垂直ロッドから遠くなる方向に行くほど幅が狭くなるように提供されることを特徴とする請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記接触ロッドはその縦方向に沿って同一の断面を有するように提供されることを特徴とする請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記基板はパターン面が下に向かうように前記スピンヘッド上に置かれ、前記スピンヘッドが回転しながら前記基板の上部中央から前記基板に処理液が供給されることを特徴とする請求項6ないし請求項8の何れか一項に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−124528(P2012−124528A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45738(P2012−45738)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2008−261203(P2008−261203)の分割
【原出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(598123150)セメス株式会社 (76)
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#278,Mosi−ri,Jiksan−eup,Seobuk−gu,Cheonan−si,Chungcheongnam−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】