説明

セキュリティシステム

【課題】配線を簡略化することのできるセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】住戸内に設置されるインターホン親機1と、インターホン親機1との間で通話を行うドアホン子器2と、住戸内の天井に設置されてインターホン親機1との間で信号線Lsを介して通信を行う取付装置3、及び取付装置3に取り付けられるとともに火災を検知すると警報を報知する火災警報器4から成る複数の火災警報装置Aと、住戸内に設置されて住戸内への不審者の侵入を検知する複数の防犯センサ5と、住戸内に設置される照明負荷Lと、住戸内に設置されて照明負荷Lを制御する負荷制御装置6とから構成され、インターホン親機1は、侵入検知信号を受信すると警報信号を火災警報装置Aに送信し、火災警報装置Aは、警報信号を受信すると火災の発生時とは異なる警報音を鳴動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災や不審者の侵入を検知して報知するセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住戸の火災や、住戸内に泥棒などの不審者が侵入するのを検知して住人に報知するセキュリティシステムが知られており、例えば特許文献1に開示されているようにインターホンシステムに組み込まれた形で提供されている。この特許文献1に記載されているインターホンシステムは、室外に設置されたドアホン子器及び監視カメラを室内に設置されたインターホン親機(モニタテレビ)に接続して構成されている。インターホン親機には、複数の火災警報器、防犯センサ等のセキュリティセンサが各々信号線を介して接続されており、インターホン親機はこれらセキュリティセンサの動作状態を監視している。
【0003】
上記のようなインターホンシステムでは、例えば何れかの火災警報器において火災を検知すると、火元の火災警報器では警報音を鳴動するとともに火災が発生した旨を知らせる火災検知信号をインターホン親機に送信する。そして、インターホン親機が火災検知信号を受信して警報音を鳴動することで、火元以外の場所にいる住人に火災の発生を知らせることができる。同様に、何れかの防犯センサにおいて不審者の侵入を検知すると、侵入元の防犯センサでは警報音を鳴動するとともに不審者が侵入した旨を知らせる侵入検知信号をインターホン親機に送信する。そして、インターホン親機が侵入検知信号を受信して警報音を鳴動することで、侵入元以外の場所にいる住人に不審者の侵入を知らせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−250151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例では、火災警報器とインターホン親機との間、及び防犯センサとインターホン親機との間の何れも通信線で配線しなければならないため、配線が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、配線を簡略化することのできるセキュリティシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、住戸内の天井に設置されて火災を検知する火災検知手段、火災検知手段が火災を検知すると警報音をスピーカから鳴動する警報手段、火災検知手段が火災を検知すると火災が発生した旨を知らせる火災検知信号を送信する火災検知信号送信手段とを備えた1乃至複数の火災警報装置と、不審者の侵入を検知する侵入検知手段、及び侵入検知手段が不審者の侵入を検知するとアンテナを介して電波を媒体とするワイヤレス信号で不審者が侵入した旨を知らせる侵入検知信号を送信する無線送信手段を備えた1乃至複数の防犯センサと、住戸内に設置されて信号線を介して火災警報装置と接続される主制御装置とを備え、火災警報装置は、ワイヤレス信号を受信する無線受信手段と、信号線を介して信号を送受信するとともに防犯センサからの侵入検知信号を受信すると侵入検知信号を送信する送受信手段とを備え、主制御装置は、信号線を介して侵入検知信号を受信する受信手段と、侵入検知信号を受信すると警報音を鳴動させるための警報信号を少なくとも送信元の火災警報装置に送信する、若しくは火災警報装置を不審者の侵入検知時に警報音を鳴動させる警戒モードと、常時警報音の鳴動を停止させる非警戒モードとの何れか一方のモードに切り替えるモード切替信号を火災警報装置に送信する送信手段とを備え、火災警報装置の警報手段は、警戒モードにおいて送受信手段が警報信号を受信すると火災の発生時とは異なる警報音を鳴動することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、火災警報装置は、警戒モードにおいて送受信手段で他の火災警報装置から送信された侵入検知信号を受信したときにも警報手段が火災の発生時とは異なる警報音を鳴動することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、1乃至複数種類の負荷と、負荷を制御する負荷制御装置を備え、主制御装置は、火災検知信号又は侵入検知信号を受信すると負荷を動作させるための動作信号を信号線を介して火災警報装置に送信する送信手段を備え、火災警報装置は、動作信号を受信するとワイヤレス信号で動作信号を負荷制御装置に送信する無線送信手段を備え、負荷制御装置は、ワイヤレス信号を受信する無線受信手段を備え、無線受信手段で動作信号を受信すると負荷を動作させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、警報手段は、火災の発生時に警報音をスピーカから鳴動する火災警報手段と、不審者の侵入時に火災の発生時とは異なる警報音をスピーカから鳴動する侵入警報手段とから成り、火災警報装置は、火災検知手段、火災警報手段、火災検知信号送信手段を備えた火災警報器と、火災警報器が取り付けられて火災警報器が備える手段以外の手段を備えた取付装置とから成り、取付装置及び火災警報器は、それぞれ互いを機械的且つ電気的に接続する接続手段を有し、火災警報器は、接続手段を介して電力の受電及び信号の送受信を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、火災検知信号を主制御装置に送信することができるとともに、火災警報装置のアンテナを介して防犯センサからの侵入検知信号を主制御装置に送信することができる火災警報装置を火災警報器の代わりに設けたので、従来住戸内の天井に配設されている火災警報器の既存の配線を利用することができ、配線を簡略化することができる。また、不審者の侵入を検知したときに防犯センサではなく火災警報装置において警報音を鳴動させるので、仮に防犯センサが壊される等して機能が停止した場合でも、火災警報装置が機能を停止しない限り警報音の鳴動を維持することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、一つの防犯センサにおいて不審者の侵入を検知すると全ての火災警報装置から連動して警報音を鳴動させることができるので、住人が警報に気づき易く、且つ不審者に対する威嚇の効果を高めることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、火災の発生や不審者の侵入を検知すると、負荷制御装置によって負荷が自動的に動作するので、火災発生時又は不審者侵入時において必要となる負荷を手動で動作させなくてもよいので、利便性が向上する。
【0014】
請求項4の発明によれば、火災警報器と取付装置とを別体として火災警報装置を構成しているので、火災警報器が故障する等して火災警報器を交換する場合、火災警報器のみを取り外すことができるのでメンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るセキュリティシステムの実施形態を示す図で、(a)は全体概略図で、(b)は取付装置に火災警報器を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は同上のインターホン親機のブロック図で、(b)は同上の取付装置のブロック図である。
【図3】(a)は同上の火災警報器のブロック図で、(b)は同上の防犯センサのブロック図である。
【図4】同上の火災発生時の動作を示すフローチャートである。
【図5】同上の不審者侵入時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るセキュリティシステムの実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1(a),(b)に示すように、住戸内に設置されるインターホン親機(主制御装置)1と、例えば玄関等の住戸外に設置されてインターホン親機1との間で通話を行うドアホン子器2と、住戸内の天井に設置されてインターホン親機1との間で信号線Lsを介して通信を行う取付装置3、及び取付装置3に取り付けられるとともに火災を検知すると警報を報知する火災警報器4から成る複数(図示では3台)の火災警報装置Aと、住戸内に設置されて住戸内への不審者の侵入を検知する複数(図示では2台)の防犯センサ5と、住戸内に設置される照明負荷Lと、住戸内に設置されて照明負荷Lを制御する負荷制御装置6とから構成される。ここで、ドアホン子器2は通話信号及び制御信号を多重化して伝送する1対の通信線L1によってインターホン親機1と接続されている。また、各取付装置3は、2線式の信号線Lsによってインターホン親機1にマルチドロップ接続されている。
【0017】
尚、本実施形態では、図1(a)に示すように負荷制御装置6及び照明負荷Lの組を1組のみ記載しているが、複数組設けても構わない。例えば、各火災警報装置Aに対応付けて負荷制御装置6及び照明負荷Lをそれぞれ設けるのが好ましい。また、ドアホン子器2は本発明の主要な構成要件ではなく周知であるので、以下では詳細な説明を省略するものとする。
【0018】
インターホン親機1は、図2(a)に示すように、ドアホン子器2から通信線L1を介して送信される呼出信号を検出するドアホン子器呼出検出部10と、ドアホン子器2から通信線L1を介して送信される映像信号を処理する映像処理部11と、液晶ディスプレイから成り映像処理部11で処理された映像や火災の発生又は不審者の侵入を知らせるためのピクトマークを表示するモニタ12と、各取付装置3との間で信号線Lsを介して信号の送受信を行う送受信部13と、警報音及び通話音声を出力するスピーカ140及びドアホン子器2との間で通話するためのマイクロホン141を有する音声処理部14と、全体の制御を行う制御部15と、警報停止釦を含み押操作されると各釦に対応した操作信号を制御部15に送信する複数の押釦16と、商用電源(図示せず)から各部の動作電源を生成する電源部17とを備える。
【0019】
制御部15は、マイコンを主構成要素とし、通信線L1に直流電圧を印加してドアホン子器2への給電を行うとともに、ドアホン子器2から多重化されて伝送されてくる音声信号と映像信号とを分離する。また、送受信部13において後述する火災検知信号又は侵入検知信号を受信すると、制御部15は、音声処理部14を制御してスピーカ140から火災の発生時と不審者の侵入時とでそれぞれ異なる警報音を鳴動させるとともにモニタ12にピクトマークを表示させる。そして、制御部15は、照明負荷Lを点灯させるための動作信号を後述する負荷制御装置6に対して送受信部13に送信させる。ここで、動作信号は先ず信号線Lsを介して取付装置3に送信される。そして、取付装置3では、動作信号を受信すると後述する無線送受信部30から動作信号を含むワイヤレス信号を負荷制御装置6に対して送信する。このようにして、インターホン親機1から負荷制御装置6に動作信号が送信される。また、侵入検知信号を受信した場合には、制御部15は警報音を鳴動させるための警報信号を各取付装置3に対して送受信部13に送信させる。
【0020】
尚、制御部15は、押釦16の警報停止釦を押操作することで出力される警報停止用操作信号、若しくは後述する復帰信号を受信すると、音声処理部14を制御して警報音の鳴動を停止させるとともにモニタ12におけるピクトマークの表示を消去する。
【0021】
取付装置3は、図2(b)に示すように、アンテナ300を介して防犯センサ5との間で電波を媒体としたワイヤレス信号で通信を行う無線送受信部30と、インターホン親機1から配線された信号線Lsが接続される接続端子(図示せず)を有するとともに信号線Lsを介してインターホン親機1及び他の取付装置3との間で通信を行う接続端子部31と、警報音を出力するスピーカ320を有する侵入警報部32と、全体を制御する制御部33と、後述する1対の刃受け(図示せず)を有するとともに火災警報器4との間で通信を行う第1の接続部34とを備える。尚、図示は省略するが、複数の取付装置3のうち信号線Lsの末端に接続されている取付装置3は、商用電源から自己及び他の取付装置3の各部の動作電源を生成する電源部を備えている。また、各火災警報器4には、後述する第1の接続部34及び第2の接続部43から成る接続手段を介して取付装置3の電源部から電力が給電される。
【0022】
制御部33は、マイコンを主構成要素とし、後述する防犯センサ5からの侵入検知信号を無線送受信部30において受信すると、接続端子部31及び信号線Lsを介してインターホン親機1に侵入検知信号を送信する。また、インターホン親機1からの警報信号を接続端子部31において受信すると、制御部33は、侵入警報部32を制御してスピーカ320から火災の発生時とは異なる警報音を鳴動させる。本実施形態では、インターホン親機1が侵入検知信号を受信すると全ての取付装置3に警報信号を送信するため、全ての取付装置3が連動して警報を報知する連動状態となる。
【0023】
また、インターホン親機1において押釦16の警報停止釦が押操作されると、インターホン親機1の送受信部13から全ての取付装置3に対して警報音の鳴動を停止させる停止信号が送信される。当該信号を受信した取付装置3では、制御部33が侵入警報部32を制御して警報音の鳴動を停止させ、待機状態(不審者が侵入していない状態)に復帰する。
【0024】
尚、防犯センサ5からの侵入検知信号を受信した際に制御部33が侵入警報部32を制御してスピーカ320から警報音を鳴動させるとともに、侵入検知信号を信号線Lsを介してインターホン親機1及び他の取付装置3に送信する構成でもよい。この場合、接続端子部31において他の取付装置3からの侵入検知信号を受信すると、制御部33は、上記と同様に侵入警報部32を制御してスピーカ320から警報音を鳴動させ、全ての取付装置3が連動して警報を報知する連動状態となる。また、無線送受信部30を介して侵入検知信号の送受信を行う構成でもよい。
【0025】
火災警報器4は、図3(a)に示すように、火災に伴って発生する熱又は煙を検知して火災を検知する火災検知部40と、警報音を出力するスピーカ410を有する火災警報部41と、例えば発光ダイオード等の発光素子を点滅させることで火災の発生を報知する表示部42と、後述する1対の栓刃430(図1(b)参照)を有するとともに他の火災警報器4及びインターホン親機1との間で通信を行う第2の接続部43と、全体を制御する制御部44と、押操作されると制御部44に対して警報音の鳴動を停止させる停止信号を送信する押釦45とを備える。
【0026】
制御部44は、マイコンを主構成要素とし、火災検知部40において火災を検知すると火災警報部41を制御してスピーカ410から警報音を鳴動させるとともに、表示部42を制御して発光素子を点滅させる。また、制御部44は、火災が発生した旨を知らせる火災検知信号を後述する接続手段及び信号線Lsを介してインターホン親機1及び他の火災警報器4に送信する。また、第2の接続部43において他の火災警報器4からの火災検知信号を受信した場合には、制御部44は、上記と同様に火災警報部41を制御してスピーカ410から警報音を鳴動させるとともに、表示部42を制御して発光素子を点滅させる。即ち、全ての火災警報器4が連動して警報を報知する連動状態となる。
【0027】
尚、火元の火災警報器4において火災が消火されて火災検知部40が火災を検知しなくなってから一定時間(本実施形態では5分)が経過すると、制御部44は火災警報部41及び表示部42を制御して警報音の鳴動と発光素子の点滅とを停止させるとともに、接続手段及び信号線Lsを介して他の火災警報器4及びインターホン親機1に待機状態(火災が発生していない状態)に復帰する旨を知らせる復帰信号を送信する。火元以外の火災警報器4では、復帰信号を受信すると制御部44が警報音の鳴動と発光素子の点滅とを停止させて待機状態に復帰する。また、何れかの火災警報器4の押釦45、又はインターホン親機1の押釦16の警報停止釦が押操作された場合には、火元以外の火災警報器4に復帰信号が送信され、火元以外の火災警報器4は上記と同様に待機状態に復帰する。尚、火元の火災警報器4のみが警報音を鳴動している状態で押釦45、又はインターホン親機1の押釦16の警報停止釦を押操作すると、火元の火災警報器4も上記と同様に待機状態に復帰する。
【0028】
ここで、取付装置3及び火災警報器4の構造について説明する。尚、以下の説明では、図1(b)における上下左右を上下左右方向と定めるものとする。取付装置3は、図1(b)に示すように略円盤状の器体3aから成り、その下面左側には棒状のアンテナ300が下方に向かって突設され、下面右側にはスピーカ320が設けられている。また、器体3aの下面略中央には、後述する1対の栓刃430が挿入される1対の栓刃挿入孔340が貫設されており、この栓刃挿入孔340の内部に1対の栓刃と機械的且つ電気的に接続される1対の刃受けが設けられている。
【0029】
火災警報器4は、図1(b)に示すように扁平な略円筒状の器体4aから成り、その下面の略中央から下方に突設された略円筒状の部位には火災検知部40及びスピーカ410が設けられている。また、器体4aの上面略中央には、1対の栓刃430が上方に向かって突設されている。而して、栓刃430を栓刃挿入孔340に挿入して刃受けと接続することで火災警報器4が取付装置3に機械的に接続されるようになっている。また、栓刃430及び刃受けを介して取付装置3の第1の接続部34と火災警報器4の第2の接続部43とが電気的に接続される。このため、火災警報器4は、第1の接続部34及び第2の接続部43(即ち、接続手段)を介して電力の受電及び信号の送受信を行うことができる。
【0030】
防犯センサ5は、図3(b)に示すように、不審者の侵入を検知する侵入検知部50と、アンテナ510を介して取付装置3との間で電波を媒体とするワイヤレス信号を送受信する無線送受信部51と、侵入検知部50において不審者の侵入を検知すると無線送受信部51から不審者が侵入した旨を知らせる侵入検知信号を含むワイヤレス信号を送信させる制御部52とから成る。本実施形態では、侵入検知部50として人体から放射される熱線(赤外線)を焦電素子により検知することで検知エリア内における人の存否を検知する熱線センサを採用している。
【0031】
尚、建物の窓ガラスに加えられる衝撃を加速度センサ等を用いて検出する衝撃センサや、建物への出入り口の扉若しくは窓の開閉を検出する開閉センサを侵入検知部50として採用しても構わない。また、これらセンサを組み合わせる、即ち、熱線センサを採用した防犯センサ5を建物の屋外に設置して建物周辺を検知エリアに設定するとともに、衝撃センサ及び開閉センサを採用した防犯センサ5を建物の窓部分に設置して窓ガラスの破壊と窓の開閉とを検出するようにすれば、住戸内への不審者の侵入をより確実に検知することができる。
【0032】
また、無線送受信部51では、インターホン親機1から送信される防犯センサ5の動作を制御する制御コマンドを含む制御信号を取付装置3を介して受信することができるようになっている。このため、例えば住人の外出時や住人の就寝時のみ防犯センサ5が動作するようにインターホン親機1で設定するように構成することができる。但し、本実施形態では、インターホン親機1からモード切替信号を取付装置3に送信することで、取付装置3を不審者の侵入検知時に警報音を鳴動させる警戒モードと、常時警報音の鳴動を停止させる非警戒モードとの何れか一方のモードに切り替えられるようになっている。而して、例えば住人の外出時や住人の就寝時のみ警戒モードに設定し、それ以外の場合には非警戒モードに設定する等、住人の所望する状況でのみ侵入検知を行わせることができる。
【0033】
負荷制御装置6は、マイコンを主構成要素とする制御部(図示せず)と、商用電源から照明負荷Lへの給電経路に挿入されたスイッチ要素(リレーや半導体スイッチング素子等)を駆動する負荷制御部(図示せず)と、アンテナを介して電波を媒体とするワイヤレス信号を受信する無線受信部(図示せず)と、商用電源から各部の動作電源を生成する電源部(図示せず)と、押操作されると対応した操作信号を制御部に出力する複数の押釦60(図1(a)参照)とを備える。
【0034】
制御部は、押釦60を押操作することで出力される操作信号に応じて負荷制御部に制御信号を出力する。また、制御部は、取付装置3から送信されたワイヤレス信号を無線受信部で受信し、受信したワイヤレス信号に含まれる動作信号に応じて負荷制御部に制御信号を出力する。負荷制御部では、制御部から出力される制御信号に応じてスイッチ要素を駆動して照明負荷Lを点灯又は消灯する。
【0035】
尚、取付装置3の無線送受信部30、防犯センサ5の無線送受信部51、負荷制御装置6の無線送受信部は、何れも電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とするワイヤレス信号を送信するものである。
【0036】
以下、本実施形態の動作について説明する。先ず、インターホン親機1とドアホン子器2との間での動作について説明する。来訪者がドアホン子器2の呼出釦20(図1(a)参照)を押操作すると、ドアホン子器2は通信線L1を介してインターホン親機1に呼出信号を送信させる。また、カメラ部21(図1(a)参照)で撮像された来訪者の映像の映像信号も通信線L1を介してインターホン親機1に送信される。インターホン親機1では、ドアホン子器呼出検出部10において呼出信号を検出すると、制御部15が音声処理部14を制御して呼出音をスピーカ140から鳴動させるとともに、送信された映像信号を映像処理部11で処理させて来訪者の映像をモニタ12に表示させる。そして、住人が押釦16の通話釦を押操作すると、制御部15が音声処理部14と通信線L1を介したドアホン子器2との間に通話路を形成することによって、インターホン親機1とドアホン子器2との間で通話が行われる。
【0037】
次に、火災発生時における動作について図4のフローチャートを用いて説明する。何れかの火災警報器4の火災検知部40において火災の発生を検知すると、全ての火災警報器4及びインターホン親機1が連動して警報音を鳴動する。この連動状態において何れかの火災警報器4の押釦45、又はインターホン親機1の押釦16の警報停止釦が押操作されると、火元以外の火災警報器4において警報音の鳴動が停止し、火元の火災警報器4のみが警報音を鳴動する状態となる。この状態で更に押釦45を押操作すると、火元の火災警報器4においても警報音の鳴動を停止する。尚、全ての火災警報器4が連動して警報音を鳴動している状態、及び火元の火災警報器4のみが警報音を鳴動している状態の何れにおいても、火災検知部40が火災を検知しなくなってから5分経過すると、自動的に警報音の鳴動を停止して待機状態に復帰する。
【0038】
尚、図4のフローチャートには記載されていないが、インターホン親機1が火災検知信号を受信した時点において火元の火災警報器4が取り付けられた取付装置3に対して動作信号を送信するようになっている。このため、当該信号を受信した取付装置3が動作信号を含むワイヤレス信号を負荷制御装置6に送信し、これを受信した負荷制御装置6は照明負荷Lを自動的に点灯させる。
【0039】
次に、建物内に不審者が侵入した場合における動作について図5のフローチャートを用いて説明する。但し、以下の説明は、取付装置3が警戒モードであることを前提とする。何れかの防犯センサの侵入検知部50において不審者の侵入を検知すると、防犯センサから侵入検知信号が送信される。当該信号を受信した取付装置3は、侵入検知信号をインターホン親機1に送信する。インターホン親機1では、警報音を鳴動するとともに警報信号を全ての取付装置3に対して送信する。また、侵入検知信号を送信してきた取付装置3に対して動作信号を送信する。動作信号を受信した取付装置3では、動作信号を含むワイヤレス信号を負荷制御装置6に送信し、これを受信した負荷制御装置6は照明負荷Lを点灯させる。また、各取付装置3は警報信号を受信すると連動して警報音を鳴動する。この状態でインターホン親機1の押釦16の警報停止釦を押操作すると、インターホン親機1及び全ての取付装置3の警報音の鳴動が停止して待機状態に復帰するとともに、照明負荷Lが消灯する。
【0040】
上述のように、本実施形態では、火災検知信号をインターホン親機1に送信することができるとともに、火災警報装置Aのアンテナ300を介して防犯センサ5からの侵入検知信号をインターホン親機1に送信することができる取付装置3及び火災警報器4から成る火災警報装置Aを火災警報器4の代わりに設けたので、従来住戸内の天井に配設されている火災警報器4の既存の配線を利用することができ、配線を簡略化することができる。また、不審者の侵入を検知したときに防犯センサ5ではなく火災警報装置Aにおいて警報音を鳴動させるので、仮に防犯センサ5が壊される等して機能が停止した場合でも、火災警報装置Aが機能を停止しない限り警報音の鳴動を維持することができる。
【0041】
また、一つの防犯センサ5において不審者の侵入を検知すると全ての取付装置3から連動して警報音を鳴動させることができるので、住人が警報に気づき易く、且つ不審者に対する威嚇の効果を高めることができる。
【0042】
更に、火災の発生や不審者の侵入を検知すると、負荷制御装置6によって照明負荷Lが自動的に点灯するので、火災発生時又は不審者侵入時において照明負荷Lを手動で点灯させ必要がないので、利便性が向上する。
【0043】
尚、本実施形態では、負荷として照明負荷Lを採用しているが、他の負荷であってもよく、例えば負荷として換気設備(図示せず)を採用しても構わない。この場合、火災発生時に換気設備を自動的に排気運転させることができるので、火災に伴って発生する有害なガスや煙などを換気設備で排気することができる。勿論、照明負荷Lや換気設備など複数の負荷を組み合わせても構わない。
【0044】
また、火災警報器4と取付装置3とを別体として火災警報装置Aを構成しているので、火災警報器4が故障する等して火災警報器4を交換する場合、火災警報器4のみを取り外すことができるのでメンテナンスを容易に行うことができる。勿論、取付装置3と火災警報器4とを一体にして火災警報装置Aを構成しても構わない。
【符号の説明】
【0045】
1 インターホン親機(主制御装置)
2 ドアホン子器
3 取付装置
300 アンテナ
320 スピーカ
34 第1の接続部(接続手段)
4 火災警報器
410 スピーカ
43 第2の接続部(接続手段)
430 栓刃
5 防犯センサ
6 負荷制御装置
A 火災警報装置
L 照明負荷
Ls 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸内の天井に設置されて火災を検知する火災検知手段、火災検知手段が火災を検知すると警報音をスピーカから鳴動する警報手段、火災検知手段が火災を検知すると火災が発生した旨を知らせる火災検知信号を送信する火災検知信号送信手段とを備えた1乃至複数の火災警報装置と、不審者の侵入を検知する侵入検知手段、及び侵入検知手段が不審者の侵入を検知するとアンテナを介して電波を媒体とするワイヤレス信号で不審者が侵入した旨を知らせる侵入検知信号を送信する無線送信手段を備えた1乃至複数の防犯センサと、住戸内に設置されて信号線を介して火災警報装置と接続される主制御装置とを備え、火災警報装置は、ワイヤレス信号を受信する無線受信手段と、信号線を介して信号を送受信するとともに防犯センサからの侵入検知信号を受信すると侵入検知信号を送信する送受信手段とを備え、主制御装置は、信号線を介して侵入検知信号を受信する受信手段と、侵入検知信号を受信すると警報音を鳴動させるための警報信号を少なくとも送信元の火災警報装置に送信する、若しくは火災警報装置を不審者の侵入検知時に警報音を鳴動させる警戒モードと、常時警報音の鳴動を停止させる非警戒モードとの何れか一方のモードに切り替えるモード切替信号を火災警報装置に送信する送信手段とを備え、火災警報装置の警報手段は、警戒モードにおいて送受信手段が警報信号を受信すると火災の発生時とは異なる警報音を鳴動することを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
前記火災警報装置は、警戒モードにおいて送受信手段で他の火災警報装置から送信された侵入検知信号を受信したときにも警報手段が火災の発生時とは異なる警報音を鳴動することを特徴とする請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
1乃至複数種類の負荷と、負荷を制御する負荷制御装置を備え、主制御装置は、火災検知信号又は侵入検知信号を受信すると負荷を動作させるための動作信号を信号線を介して火災警報装置に送信する送信手段を備え、火災警報装置は、動作信号を受信するとワイヤレス信号で動作信号を負荷制御装置に送信する無線送信手段を備え、負荷制御装置は、ワイヤレス信号を受信する無線受信手段を備え、無線受信手段で動作信号を受信すると負荷を動作させることを特徴とする請求項1又は2記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記警報手段は、火災の発生時に警報音をスピーカから鳴動する火災警報手段と、不審者の侵入時に火災の発生時とは異なる警報音をスピーカから鳴動する侵入警報手段とから成り、火災警報装置は、火災検知手段、火災警報手段、火災検知信号送信手段を備えた火災警報器と、火災警報器が取り付けられて火災警報器が備える手段以外の手段を備えた取付装置とから成り、取付装置及び火災警報器は、それぞれ互いを機械的且つ電気的に接続する接続手段を有し、火災警報器は、接続手段を介して電力の受電及び信号の送受信を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−191884(P2010−191884A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38114(P2009−38114)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】