説明

ターゲット材およびその製造方法

【課題】半導体、太陽電池、液晶などの薄膜を形成するターゲット材について、酸素濃度を低減することによってパーティクルの発生を抑制し、加工性および成膜の膜質を高めたターゲット材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】優先的に一定範囲の方向Aに配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下であり、好ましくは、酸素濃度1.0×1018atom/cm3以下であって、スパッタ面の平均結晶粒径が1〜20mm、酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下であるターゲット材、およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体、太陽電池、液晶などの薄膜を形成するターゲット材について、酸素濃度を低減することによってパーティクルの発生を抑制し、加工性および成膜の膜質を高めたターゲット材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、太陽電池、液晶などに用いられる薄膜をスパッタリング等によって形成することが知られており、高品質の薄膜を形成するため、組織状態や不純物を制御したターゲット材が知られている。
【0003】
例えば、特開平08−269701号公報(特許文献1)には、チタンターゲット材について、スパッタ面のX線回折強度比を一定値以上にすると共に平均結晶粒径を20μm以下に限定することによって、深いコンタクトホールへの成膜を可能にすると共にパーティクルの低減を図ったターゲット材が記載されている。
【0004】
また、特開平08−283987号公報(特許文献2)には、タングステンやモリブデンを含有するシリコン系ターゲット材について、組織中の遊離シリコン部分の硬度および組織の相対密度を一定以上に高めることによってパーティクルの発生を低減するターゲット材が記載されている。
【0005】
さらに、一方向凝固させたインゴットから切り出したターゲット材を用いることによって高品質の成膜を形成することが知られている。例えば、特開平09−165212号公報(特許文献3)には、一方向凝固させた多結晶シリコンを用いることによって太陽電池用基板として不純物が少なく良質な結晶を安定に得られることが記載されている。
【0006】
また、特開2003−286565号公報(特許文献4)には、一方向凝固によって不純物量(アルミニウム、鉄、酸素、炭素、窒素)を10ppm以下に低減した柱状多結晶シリコンインゴットから製造したシリコンターゲット材を用いることによって、残留応力の発生が少なく、不純物混入の少ない良好な成膜が可能であることが記載されている。
【特許文献1】特開平08−269701号公報
【特許文献2】特開平08−283987号公報
【特許文献3】特開平09−165212号公報
【特許文献4】特開2003−286565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の上記ターゲット材において、特許文献1および2に記載されているターゲット材はパーティクルの低減効果を有するものの十分ではない。また、特許文献3および3のターゲット材は不純物の少ない成膜を得ることができるが、スパッタ時のパーティクル低減については改善の余地がある。
【0008】
本発明は、半導体、太陽電池、液晶などに用いられる薄膜を形成するターゲット材について、ターゲット材に残留する酸素濃度を低減することによってパーティクルの発生を抑制し、加工性および成膜の膜質を高めたターゲット材、およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成によって上記課題を解決したターゲット材とその製造方法に関する。
〔1〕優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下であることを特徴とするターゲット材。
〔2〕優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織として、ターゲット側面の結晶断面積がターゲット側面の周面積の10%以下である結晶組配向性を有し、結晶成長方向の断面積をスパッタ面とし、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下である上記[1]に記載するターゲット材。
〔3〕酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下であって、スパッタ面の平均結晶粒径が1〜20mmである上記[1]または上記[2]に記載するターゲット材。
〔4〕酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下であって、酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下である上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するターゲット材。
〔5〕ターゲットの成分が、シリコンを主成分とするシリコン系、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム系、またはシリコンとゲルマニウムの二成分系である上記[1]〜上記[4]の何れかに記載するターゲット材。
〔6〕ルツボ内に装入したターゲット材料を、酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下で溶融し、冷却して一方向凝固させることによって、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下のターゲット材を製造する方法。
〔7〕炉内のカーボン部材表面をコーテングした雰囲気下および酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下でターゲット材料を溶融し、冷却して一方向凝固させることによって、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下、および酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下のターゲット材を製造する上記[6]に記載する方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のターゲット材は、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下であるので、酸化物が生成し難く、スパッタ時のパーティクルが大幅に低減する。また、ボイドが少なくなり、成膜の膜質および膜の加工性が向上する。
【0011】
本発明のターゲット材において、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織とは、例えば、ターゲット側面の結晶断面積がターゲット側面の周面積の10%以下である結晶組配向性を有するものであり、一方向凝固法を利用して製造することができる。このような柱状結晶を有するインゴットを結晶成長方向に対して断面方向にスライス(切断)し、ターゲット材が製造される。この切断面がスパッタ面になる。
【0012】
本発明のターゲット材は、好ましくは、酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下であって、スパッタ面の平均結晶粒径が1〜20mmであるので、スパッタ面の結晶粒が大きく、粒界の数が少ないので、不純物が少ない。
【0013】
さらに、本発明のターゲット材は、酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下であるので、炭化物が生成し難く、スパッタ時のパーティクル発生数を低減することができる。
【0014】
本発明のターゲット材は、シリコンを主成分とするシリコン系、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム系、またはシリコンとゲルマニウムの二成分系などのターゲット材について広く適用することができる。
【0015】
本発明のターゲット材は、ルツボ内に装入したターゲット材料を、酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下で溶融し、冷却して一方向凝固させることによって製造することができる。好ましくは、炉内のカーボン部材表面をコーテングした雰囲気下および酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下で、ターゲット材料を溶融し、冷却して一方向凝固させることによって、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度、および酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)を上記範囲内に制限したターゲット材を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明のターゲット材は、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下であることを特徴とするターゲット材である。
【0017】
本発明のターゲット材について、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有するとは、結晶が一定範囲の方向に優先的に成長した組織を有するものであり、例えば、図1に示すように、結晶成長方向Aの柱状結晶を有するインゴット10において、側面に現れる結晶断面の面積Sが、インゴットの厚さに相当する一定厚Lの周面積Mに対して、S/M=10%以下である柱状結晶組織を有するものである。
【0018】
一方向凝固法によれば、結晶が一定方向に優先的に成長した結晶が形成され、例えばシリコン結晶では冷却方向に大部分の結晶が成長した柱状結晶が形成され、冷却方向の断面に結晶成長方向の断面が多数存在するインゴットが得られるが、優先的な成長方向から外れた方向に結晶成長する部分も存在し、これは図1に示すようにインゴットの側面に結晶成長の断面積が現れる。一方向凝固したインゴットを結晶成長方向を横切るように切断してターゲット材を製造する場合、切り出したターゲット材がこのような結晶方向断面が側面に現れる部分を多く含むと、ターゲット材の結晶配向性が低いものになる。
【0019】
一方向凝固法によれば、優先的な結晶成長方向に対して30°以上傾いた結晶断面の総面積は概ね周面積の10%以下であるが、切り出したターゲット材がこのような結晶方向断面が側面に現れる部分を多く含むと、ターゲット側面の結晶断面積が周面積の10%を上回りターゲット材の結晶配向性が低いものになる。
【0020】
本発明のターゲット材は、優先的な結晶成長方向から外れた結晶部分が少なく、高い結晶配向性を有するものであり、例えば、ターゲット側面に現れる結晶断面の面積Sが、ターゲットの厚さに相当する一定厚Lの周面積Mに対して、S/M=10%以下の結晶配向性を有する。ターゲット側面に現れる結晶断面が複数存在するものはその合計面積S(S=S1+S2+…)が周面積Mの10%以下である。このような結晶配向性は、一方向凝固法において凝固開始温度、凝固速度、凝固時の温度勾配などを制御することによって製造することができる。
【0021】
上記柱状結晶組織を有するインゴットを結晶成長方向に対して断面方向にスライス(切断)して、ターゲット材を製造する。この切断面がスパッタ面になる。このように一定範囲の方向に優先的に結晶が配向したインゴットは内部応力が均質であり、インゴットをスライスしてターゲット材に加工するときに割れ難く、かつ表面粗れが少ない。
【0022】
本発明のターゲット材は、酸素濃度3.0×1018atom/cm3以下、好ましくは、1.0×1018atom/cm3以下(概ね12ppm以下)、さらに好ましくは0.5×1018atom/cm3以下(概ね6ppm以下)である。酸素濃度が3.0×1018atom/cm3より高いとスパッタ時のパーティクルを十分に低減することが難しい。
【0023】
従来、不可避的不純物量を10ppm以下に制限し、不純物としてアルミニウムや鉄と共に酸素を例示したシリコンターゲット材が知られている(特許文献4)。しかし、アルミニウムや鉄と異なり、インゴット中の酸素量を十分に低減するのは難しく、例えば、冷却雰囲気にアルゴン等の不活性ガスを導入するだけではインゴット中の酸素量を10ppmより少なくするのは難しい。例えば、通常の冷却装置において、アルゴンガスを一通り内部に充填して空気を追い出しても、概ね50ppmを上回る酸素が残留するので、この雰囲気下で一方向凝固してもインゴット中の酸素量を3.0×1018atom/cm3以下に低減するのは難しい。
【0024】
本発明の製造方法は、例えば、炉内に冷却用のアルゴンガスを導入して不活性雰囲気にすると共に、ターゲット材料を装入したルツボの上面にさらにアルゴンガスを導入してルツボ周囲の雰囲気中の酸素濃度を上記範囲に制限し、さらに、冷却時に先立ってターゲット材料の溶融時から酸素濃度を制限することによって、インゴット中の酸素濃度を目標濃度に低減する。
【0025】
具体的には、ターゲット材料を酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下で溶融し、引き続き、酸素濃度50ppm以下に制限した不活性雰囲気下で冷却して一方向凝固させることによって、インゴット中の酸素濃度を3.0×1018atom/cm3以下、好ましくは、1.0×1018atom/cm3以下、さらに好ましくは0.5×1018atom/cm3以下に低減する。
【0026】
本発明の製造方法において、酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下にすると共に、炉内のカーボン部材表面をコーテングした雰囲気下にして、ターゲット材料を溶融し、冷却させることによって、インゴット中の酸素濃度と共に炭素濃度を低減することができる。
【0027】
具体的には、炉内のカーボン部材表面をコーテングした雰囲気下にし、かつ酸素濃度を50ppm以下に制限した不活性雰囲気下にして、ターゲット材料を溶融し、冷却させ、一方向凝固させることによって、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下、および酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下のインゴットを製造することができ、これを切断加工して酸素濃度よび炭素濃度が上記範囲に低減されたターゲット材を製造することができる。
【0028】
本発明のターゲット材は、酸素濃度3.0×1018atom/cm3以下、好ましくは、1.0×1018atom/cm3以下、さらに好ましくは0.5×1018atom/cm3以下に低減されているので、酸化物が生成し難く、スパッタ時のパーティクルが大幅に低減する。また、ボイドが少なくなり、成膜の膜質および膜の加工性が向上する。酸素濃度が3.0×1018atom/cm3より高いとスパッタ時のパーティクルを十分に低減することが難しく、膜質の良い成膜を得ることができない。
【0029】
本発明のターゲット材は、好ましくは、酸素濃度が0.5×1018atom/cm3以下であって、酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下であるので、酸化物が生成し難く、かつ炭化物が生成し難いので、スパッタ時のパーティクル発生数を低減することができる。
【0030】
本発明のターゲット材は、好ましくは、スパッタ面の平均結晶粒径が1〜20mmであるので、スパッタ面の結晶粒が大きく、粒界の数が少ないので、不純物が少ない。上記平均結晶粒径は、一方向凝固法において凝固開始温度、凝固速度、凝固時の温度勾配などを制御することによって得ることができる。
【0031】
本発明のターゲット材の成分は、例えば、シリコンを主成分とするシリコン系、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム系、またはシリコンとゲルマニウムの二成分系などである。
【0032】
本発明のシリコンターゲット材を製造する装置構成の一例を図1に示す。
図示する装置は、床下にヒータ2を備え、その上方に中空チルプレート3が設けられており、該中空チルプレート3に冷却用アルゴンガスの供給管6が接続している。この中空チルプレート3にはルツボ1が載置されている。ルツボ1は水平断面形状が角形(四角形)のシリカ製ルツボであり、内部にシリコン融液Lが装入されている。該ルツボ1の上方には天井ヒータ4が設けられている。このヒータ4の空隙を通じてルツボ上面に延びる供給管7が設けられており、該供給管7を通じてルツボの周囲にアルゴンガスが供給される。これらの全体は断熱材5によって覆われている。
【0033】
ルツボ1の内部にシリコン原料が装入される。シリコン原料には必要に応じてボロンなどのドーパントが添加されている。供給管7を通じてルツボの周囲にアルゴンガスが供給され、ルツボの周囲が酸素を排除した雰囲気に保たれる。酸素を排除した雰囲気下で、ルツボ1に装入したシリコン原料をヒータ2で加熱し、溶融させてシリコン融液Lにする。
【0034】
次いでヒータ2の通電を停止し、中空チルプレート3に供給管6から冷却用のアルゴンなどの不活性ガスを導入してルツボ1底部を冷却する。さらに、天井ヒータ4の通電を徐々に減少させることにより、シリコン融液Lは、底部から冷却されて下部から上方に向けて一方向凝固し、最終的に多結晶組織を有するシリコンインゴットが育成される。凝固速度は5mm/分以下が好ましい。凝固速度がこれより速いと応力歪みや不純物の残留が多くなる。一方向凝固によって酸素などの不純物はインゴットの端部に寄せ集められ、ここに濃縮するので、この部分をカットして不純物量の少ないインゴットを得ることができる。
【0035】
このように育成したシリコンインゴットを、最終凝固部を除き、凝固方向に対して直交する方向に切削(スライス)し、研磨加工して角形板状の複数のシリコンターゲットを作製する。このシリコンターゲットは、一定範囲の方向に結晶が優先的に成長した柱状晶の多結晶シリコンである。
【0036】
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。
〔実施例1〜4〕
図2に示す製造装置を用い、ルツボ1にシリコン原料を入れ、ヒータ2で加熱してシリコン融液Lとした。次いで、ルツボの周囲にアルゴン等の不活性ガスを導入して酸素濃度を表1に示す範囲に調整し、この雰囲気下で、凝固条件を調整して、ターゲット材の側面に現れる結晶成長方向断面積Sが側面全体面積Mの10%以下になるように、ルツボの底部から冷却してシリコン融液Lを一方向凝固させた。凝固速度は5mm/分以下に制御した。凝固後、最終凝固部を切断し、凝固方向に直交する方向にスライスしてシリコンターゲット材を製造した。このターゲット材を用いてスパッタリングを行い、シリコン薄膜を形成した。この結果を表1に示した。ターゲット材の側面に現れる結晶成長方向断面積SはX線回折によって測定した。
【0037】
〔比較例1〕
冷却用のアルゴンガスを導入するが、ルツボ周囲にはアルゴンガスを導入せずにシリコン材料を溶融冷却し、その他は実施例1と同様にしてインゴットを製造し、ターゲット材を制作した。この結果を表1に示した。
【0038】
表1に示すように、本発明の実施例1〜4は、ターゲット材の酸素濃度が何れも、3×1018atom/cm3以下であり、スパッタ時のパーティクルが格段に少なく、良質なシリコン薄膜を形成することができた。一方、凝固雰囲気の酸素濃度が高い比較例はターゲット材の酸素濃度が高く、スパッタ時のパーティクルが多い。
【0039】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】インゴットの結晶組織の状態を示す模式図
【図2】インゴット製造装置の概略断面図
【符号の説明】
【0041】
1−ルツボ、2−ヒータ、3−中空チルプレート、4−天井ヒータ、5−断熱材、6−アルゴンガス供給管、7−アルゴンガス供給管、10−インゴット、A―結晶成長方法、L−側面の幅、S1、S2−側面の結晶断面積、M−側面の所定幅の周面積。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下であることを特徴とするターゲット材。
【請求項2】
優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織として、ターゲット側面の結晶断面積がターゲット側面の周面積の10%以下である結晶組配向性を有し、結晶成長方向の断面積をスパッタ面とし、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下である請求項1に記載するターゲット材。
【請求項3】
酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下であって、スパッタ面の平均結晶粒径が1〜20mmである請求項1または請求項2に記載するターゲット材。
【請求項4】
酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下であって、酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下である請求項1〜請求項3の何れかに記載するターゲット材。
【請求項5】
ターゲットの成分が、シリコンを主成分とするシリコン系、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム系、またはシリコンとゲルマニウムの二成分系である請求項1〜請求項4の何れかに記載するターゲット材。
【請求項6】
ルツボ内に装入したターゲット材料を、酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下で溶融し、冷却して一方向凝固させることによって、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が3.0×1018atom/cm3以下のターゲット材を製造する方法。
【請求項7】
炉内のカーボン部材表面をコーテングした雰囲気下および酸素濃度50ppm以下の不活性雰囲気下で、ターゲット材料を溶融し、冷却して一方向凝固させることによって、優先的に一定範囲の方向に配向した結晶組織を有し、酸素濃度が1.0×1018atom/cm3以下、および酸素濃度と炭素濃度の比(酸素濃度/炭素濃度)が20以下のターゲット材を製造する請求項6に記載する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−203499(P2009−203499A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44963(P2008−44963)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【出願人】(597065282)三菱マテリアル電子化成株式会社 (151)
【Fターム(参考)】