ディシブルドタンパク質の阻害のための組成物および方法
Wntシグナル伝達経路は、胚発生ならびにM腫瘍形成に関与する。ディシブルド(Dvl)は、カノニカルおよび非カノニカルWntシグナル伝達経路で、受容体フリズルド(Fz)からのWntシグナルを下流構成要素に伝達し、DvlのPDZドメインは双方の経路において必須の役割を果たし、DvlのPDZドメインはFz受容体に直接に結合する。本発明ではNMR支援仮想リガンドスクリーニングを使用していくつかの化合物が同定され、DvlのPDZドメインに結合することが分かった。分子動力学シミュレーションを使用して、PDZドメインとこれらの化合物との間の結合を詳細に分析した。これらの化合物は、Fz−Dvl相互作用を妨げることでWntシグナル伝達をブロックできる、PDZドメインの高親和性阻害物質の合理的デザインの基礎を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の参照
本出願は、2005年3月18日に出願された「スクレロスチン、およびWntシグナル伝達と骨形成に対する阻害(Sclerostin and the Inhibition on Wnt Signaling and Bone Formation)」(ダンウ(Dan Wu)ら)と題された特許出願の一部継続出願である。本出願は、参照によってその内容全体を本明細書に援用する2004年5月19日に出願された「骨形成および細胞自己再生の刺激または改良のための組成物および方法(Compositions and Methods for the Stimulation or Enhancement of Bone Formation and the Self−Renewal of Cells)」と題された米国特許出願第10/849,643号に関する。本出願はまた、参照によってその内容全体を本明細書に援用する2004年5月19日に出願された「骨形成および再構築のための組成物および方法(Compositions and Methods for Bone Formation and Remodeling)」と題された米国特許出願第10/849/067号に関する。
【0002】
発明の分野
本発明は、カノニカルおよび非カノニカルWntシグナル伝達経路において、膜貫通受容体フリズルド(frizzled)からのWntシグナルを下流構成要素に並進させる、ディシブルドタンパク質(Dishevelled protein)に関する。本発明は、発病に関与するWntシグナル伝達によって引き起こされる様々な疾患の処置における、治療法、組成物、およびその使用の分野に関する。より詳しくは組成物および方法は、フリズルドとディシブルドとの相互作用を妨げる化合物に向けたものである。化合物はスクリーニング法を使用して、化合物ライブラリーから同定される。これらの化合物をまた変性して、ライブラリー中または天然に存在しない、効果的に機能する誘導体または類似体を作り出してもよい。
【0003】
本出願で引用または特定される全ての特許、特許出願、特許公報、科学論文などは、本発明が関係する現状技術についてより詳細に述べるために、その全体を参照によって本明細書に援用する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
Wntシグナル伝達経路は胚および後胚の発達に重要な役割を果たし、腫瘍形成に関係していると見なされている。カノニカルWnt−β−カテニン経路では、分泌されたWnt糖タンパク質が7つの膜貫通ドメインフリズルド(Fz)受容体に結合して、細胞内ディシブルド(Dvl)タンパク質を活性化する。次に活性化されたDvlタンパク質は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3β(GSK−3β)を阻害する。この阻害はGSK−3β、大腸腺腫様ポリポーシス(APC)、アキシン、およびβ−カテニンによって形成された分子複合体の不安定化を引き起こし、GSK−3βがβ−カテニンをリン酸化する能力を低下させる。非リン酸化β−カテニンタンパク質は、ユビキチン化および分解から逃れて細胞質中に蓄積する。この蓄積はβ−カテニンの核内への転位置をもたらし、それはそこでT細胞因子/リンパ系増強因子(Tcf/Lef)をコードする遺伝子などのWnt標的遺伝子の転写を刺激する。多数のレポートが、新生物形成の発生に関与するWnt−β−カテニンシグナル伝達経路構成要素の突然変異を扱っている。
【0005】
Wnt経路と癌の間のつながりは、Wntシグナル伝達の最初の発見にまでさかのぼる。第1の脊椎動物Wnt生育因子は、マウスの乳癌においてプロウイルスの挿入によって活性化される細胞性癌遺伝子(Wnt−1)の生成物として同定された。おそらく発癌におけるWntシグナル伝達の役割を支持する最も抗しがたい証拠は、およそ85%の結腸直腸癌が、Wnt経路の重要な構成要素の1つであるAPCの突然変異によって特徴づけられるという知見である。Wntシグナル伝達経路のメンバーはまた、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、および神経芽細胞腫などの様々な小児科癌の発病にも結びつけられている。さらに異常なWntシグナル伝達は、骨粗鬆症および糖尿病などのその他の疾患にも関与する。
【0006】
Dvlは膜結合受容体からのWntシグナルを下流構成要素に伝達し、それによってWntシグナル伝達経路において必須の役割を果たす。Dvlタンパク質は動物界全体にわたり高度に保存されている。3つのDvlホモログ、Dvl−1、−2、および−3が、哺乳類系において同定されている。全ての3つのヒトDvl遺伝子は、脳、肺、腎臓、骨格筋、および心臓をはじめとする胎児および成人組織で広範に発現される。Dvlタンパク質は、N末端DIXドメイン、中央PDZモチーフ、およびC末端DEPドメインから構成される。これらの3つの内で、PDZドメインは、カノニカルおよび非カノニカルWnt経路の双方で重要な役割を果たすようである。確かにDvlのPDZドメインは、2つの経路間の顕著な役割だけでなく核局在化にも関与しているかもしれない。最近、マウスDvl−1(mDvl1)のPDZドメイン(残基247〜341)とその結合パートナー間の相互作用が、核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して調査された。mDvl1 PDZドメインのペプチド相互作用部位は、その配列が明白な相同性を持たない様々な分子と相互作用する。典型的なPDZ結合モチーフではないが、mDvl1 PDZドメインに結合する1つのペプチドは、Fzの保存されたモチーフ(KTXXXW)であり、それは7番目の膜貫通ドメイン後の2個のアミノ酸で始まる。この知見はFzとDvlの間に直接の相互作用があることを示し、膜結合受容体とWntシグナル伝達経路の下流構成要素間の以前は未知であった関係を明らかにした。したがってDvl PDZドメインの阻害物質は、DvlレベルでWntシグナル伝達経路を効果的にブロックする可能性がある。
【0007】
Wnt−β−カテニン経路におけるDvl PDZドメインの特別な役割は、それを理想的な薬学的標的にする。Dvl中のPDZドメインの小型有機阻害物質は、分子機序を精査して、腫瘍またはその中でWntシグナル伝達が発病に関与するその他の疾患を標的とする医薬品を配合するのに有用かもしれない。Dvl PDZドメインの構造に照らして仮想リガンドスクリーニングを使用し、Dvl PDZドメインに結合する非ペプチド化合物NCI668036を同定した。さらにNMR実験によって、化合物がPDZドメイン表面のペプチド結合部位に結合することを確認した。化合物の結合親和性(解離定数、KD)は、蛍光分光法によって測定された。さらに本発明者らは、この化合物とPDZドメイン間、ならびに既知のPDZドメイン阻害物質(Dapper)のC末端領域とPDZドメインとの間の相互作用の分子動力学(MD)シミュレーションを実施し、本発明者らは、分子力学ポアソン・ボルツマン表面積(MM−PBSA)法によって計算される、これらの相互作用の結合自由エネルギーを比較した。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
本発明は、Wntシグナル伝達経路に関与する細胞内ディシブルド(Dvl)タンパク質、または前記タンパク質のホモログの活性化または不活性化に基づく。
【0009】
一態様では、本発明は、仮想スクリーニングを使用して化合物を同定する方法を提供する。
【0010】
好ましい実施態様では、本発明は、NMR支援仮想スクリーニングを行う方法を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、ディシブルドタンパク質または前記ディシブルドタンパク質のホモログに結合する化合物を提供して、これらのタンパク質とフリズルド受容体、またはフリズルド受容体のホモログとの相互作用を妨げる。
【0012】
なおも別の態様では、本発明は、ディシブルドタンパク質のPDZドメインに結合する化合物を提供して、フリズルド受容体などの膜貫通受容体との相互作用を妨げる。
【0013】
本発明の他の態様は、本発明に関連した以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の詳細な説明
構造ベースのリガンドスクリーニング
構造ベースの仮想スクリーニングの使用によって、DvlのPDZドメインの可能な阻害物質の検索を行った。PDZは、2つのαらせんおよび6つのβシートを有するモジュラータンパク質相互作用ドメインである。αBらせんおよびβBシートは、βBがそれに続く先行するループと共にペプチド結合裂溝を形成する。それらの結晶複合体構造において、Dapperペプチド(Dvl PDZドメインの結合パートナーの1つに由来する)は、PDZドメインのβBシート中のLeu265、Gly266、Ile267、およびIle269残基と共に水素結合を形成する。
【0015】
この溝に結合して、PDZドメインとその結合パートナー間の相互作用を妨げることができる小型有機化合物を同定するために、トライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのソフトウェアパッケージSYBYL(商標)中のモジュールであるプログラムUNITY(商標)を使用して、クエリーをデザインした。クエリーは、PDZドメイン上の2つの水素結合供与体(Gly266およびIle269の主鎖アミド窒素)および2つの水素結合受容体(Ile267およびIle269のカルボニル酸素)からなり、空間制約耐性は0.3Åであった。次にUNITY(商標)のFlex(商標)検索モジュールを使用して、米国国立癌研究所(NCI)の三次元(3D)低分子化合物データベースを探索し、クエリーの要件を満たす化合物を同定した。3DデータベースはNCIから無料で利用でき、それは250,000個を超える薬らしい化合物の座標を含む。UNITY(商標)のFlex(商標)検索オプションは化合物の可撓性を考慮し、それは定方向微調整(Directed Tweak)アルゴリズムを使用して、迅速で立体配座的に可撓性の3D検索を行う。検索から最初のヒットとして108個の有機化合物を得た。
【0016】
次にSYBYL(商標)のFlexX(商標)プログラムを使用して、これらの108個のヒットをPDZドメインの結合部位内に「ドッキング」させた。FlexX(商標)は、リガンドの立体配座を変化させて、それをタンパク質結合部位内にフィットさせるエネルギー最小化モデル化ソフトウェアである。対照として、本発明者らはDapperペプチドもまたPDZドメイン内にドッキングさせた。残基Gly266、Ile269、およびArg325によって選択半径5.9Åで受容体の結合部位を確定し、Gly266によって選択半径5.9Åでコアサブポケットを確定した。この条件下で、ドッキングしたDapperペプチドは、主鎖根平均二乗変位(RMSD)が2.04Åの複合体の結晶構造中に見られるのと同様の立体配座を有した。特に6つのC末端アミノ酸の主鎖RMSDは1.22Åであり、ドッキング手順が、フルオロフォア標識PDZドメイン(TMR−PDZ)を使用して、リガンド分光実験でドッキングできたことが示唆された。本発明者らはNCI668036をTMR−PDZ溶液中に滴定しながら、579nmにおけるTMR−PDZの蛍光放射(552nmでの励起がある)の消光を追跡した。TMRの蛍光放射は、NCI668036とPDZドメインとの結合のために抑制された。NCI668036濃度に対する蛍光変化の二重逆数プロットから線形相関を得た。マイクロカル・ソフトウェア・インコーポレーテッドからの(Microcal Software Inc.)オリジン(Origin)を使用した一次関数近似から237±31μM(図3)のKD(平均±標準偏差)計算した。
【0017】
Dvl PDZドメインとNCI668036間の複合体の分子動力学シミュレーション
PDZドメインとNCI668036間の相互作用をさらに詳しく調査するために、アンバー(AMBER)(商標)ソフトウェアスイートを使用して、NCI668036−PDZドメイン複合体の分子動力学(MD)シミュレーション研究を行った。粒子メッシュエヴァルト(PME)法による平衡後に、明示的水(explicit water)の中でMDシミュレーションを5ns実施した。次にMM−PBSAアルゴリズムを使用して、PDZドメインとNCI668036間の相互作用の結合自由エネルギーを計算した。
【0018】
MDシミュレーション中に、十分な可能な結合モードをサンプリングするために、本発明者らは最初のFlexX(商標)ドッキング結果の全出力部を再検査した。FlexX(商標)ドッキングアルゴリズムのデフォルト設定からは、30個の可能なドッキング立体配座(図4)が得られ、最良のドッキングスコアを有した配座異性体を選択した。ドッキングした30個のNCI668036の立体配座は全体的に非常によく似ていたが、明確なバリエーションがあった。これらの30個の結合した配座異性体は、3つの主要なグループにまとめられる。グループIは5個の配座異性体(赤色)を含み、NCI668036中の全原子のRMSDはこの配座異性体群では0.46〜0.77Åの間であり、グループIIは13個の配座異性体(黄色)を有し、RMSDは1.44〜1.7Åの間であり、グループIIIは12個の配座異性体(青色)を有し、RMSDは2.31〜2.86Åの間である(図3A)。これらのドッキング配座異性体の手動検査から、MDシミュレーションの出発点として10個の配座異性体の選択が導かれた(MDシミュレーションで使用されるパラメーターの一覧については表1を参照されたい)。これらの10個の配座異性体の内、1個はグループI(配座異性体6)から、5個はグループII(配座異性体4、7、10、14、および15)から、4個はグループIII(配座異性体12、22、26、および27)から得られた。10回のMDシミュレーションラン中に、配座異性体22(グループIII)で始めたシミュレーションが最低で最安定の結合自由エネルギーを有し、この配座異性体が溶液中でNCI668036の真のPDZドメイン結合立体配座に相当することが示唆された。
【0019】
NCI668036結合Dvl PDZドメインの構造
配座異性体22で始めたMDシミュレーションを詳細に分析した。5nsのMD生成ラン中に、MDシステム(ウォーターボックスを含む)の総エネルギーは−44552.6kcal mol−1〜−44344.2kcal mol−1(平均、−44450.8kcal mol−1)の間で変動し、根平均二乗(rms)は32.6kcal mol−1であった(図5Aおよび5C)。最低エネルギーは4.905nsで起き、この時点でのNCI668036結合mDvl1の構造を図6Aに示す。複合体中でNCI668036は、Dvl PDZドメインのLeu258、Gly259、Ile260、Ile262、およびArg318残基と水素結合を形成し(図6B)、リガンドとPDZドメイン中の残基の間の密接な疎水性接触もまた観察された。例えば炭素C1に結合するバリル基は、残基Leu258、lle260、Ile262、Leu317、およびVal314の疎水性側鎖、ならびにArg318のCβ側鎖の3.5Å内である。さらにC17メチル基はPhe257の3.5Å内であり、「C」末端t−ブチル基は、(2つの残基の疎水性側鎖の3.5Å内で)Val263およびVal3l4との疎水性接触を有した。
【0020】
結合NCI668036は結合Dapperペプチドと類似の立体配座を取る
Dapperペプチドに結合したPDZドメインの結晶構造と、模擬NCI668036−PDZドメイン複合体との比較からは、双方のリガンドが、PDZドメインに結合した際に同様の立体配座を取ることが明らかにされた(図5Cおよび5D)。PDZドメイン−NCI668036およびPDZドメイン−Dapperペプチドの双方の質量加重主鎖RMSD(4個のC末端アミノ酸MTTVのみがRMSD計算に含まれた)は、1.49Åであった。NCI668036の主鎖は、主鎖中のカルボキシレート基(C)のカルボニル炭素とNCI668036の別の末端のカルボニル炭素(C8)とそれらの間の原子として画定された(全部で13個の原子、図1)。
【0021】
PDZドメイン−NCI668036複合体で行ったMDシミュレーションと類似したさらに詳細な比較を行うために、本発明者らは最初に、PDZドメインおよびDapperペプチドからなる複合体の5ns MDシミュレーションを実施した。各MDシミュレーションで1000枚の「スナップショット」を保存し、詳細に分析した(図5)。MDシミュレーションは2つの複合体内の水素結合の徹底的な比較を可能にし、それらの水素結合を1000枚のスナップショット内のそれらの占有百分率と共に表5に列挙する。2つの複合体間の最も著しい違いは、Gly−Leu−Gly−Phe(mDvl1 PDZドメイン中のPhe257−Leu258−Gly259−Ile260)の保存モチーフと結合ペプチドのC末端残基によって形成された「カルボキシレート結合ループ」間の水素結合網目状組織内であった。この水素結合網目状組織は、PDZドメインのC末端ペプチド複合体構造の顕著な特徴であり、DapperPDZドメイン複合体の構造中で、Leu258、Gly259、およびIle260のアミド基は、Dapperペプチドのカルボキシレート基に水素結合を供与する。NCI668036−PDZドメイン複合体では、エーテル結合の可撓性のために、C末端カルボキシレート基および酸素O3はシス立体配座にあった。この立体配座は、酸素O3およびC末端カルボキシレート基の双方が「水素網目状組織」に関与することを可能にした。Gly259およびIle260のアミド基は酸素O3と水素結合を形成し、NCI668036のC末端カルボキシレート基はLeu258のアミド基と水素結合を形成する。「カルボキシレート結合網目状組織」の外では、2つの結合リガンドが、非常によく似た宿主PDZドメインとの水素結合および疎水性接触を有した。したがってDapperペプチドの増大する結合親和性は、おそらくペプチドの余分の長さに起因し、結合Dapperペプチドの残基Lys5、Leu6、およびSer7は宿主PDZドメインと複数の水素結合および疎水性接触を形成する。
【0022】
DapperペプチドおよびNCI668036とPDZドメインとの結合事象をさらに詳しく比較するために、複合体の結合自由エネルギーを調べた。正規モード分析と組み合わせたMM−PBSAアプローチを使用して、双方のシステムの絶対的結合自由エネルギーを計算した。結合自由エネルギーはPDZ−NCI668036複合体で−1.88kcal mol−1であり、PDZ−Dapperペプチド複合体で−7.48kcal mol−1であった(MM−PBSA遊離結合エネルギー計算から得られた全エネルギー要素については表2、3、および4を参照されたい)。結合自由エネルギーの相対的格付けは、実験データと一致した。確かに、NCI668036およびDapperペプチドの解離定数は25℃でそれぞれ237μMおよび10μMであったので、結合自由エネルギー(G=−RTlnKD)はNCI668036で−4.94kcal mol−1、Dapperペプチドで−6.82kcal mol−1であった。
【0023】
NCI668036によるWntシグナル伝達経路阻害
以前の研究において、DvlのPDZドメインと、Wnt受容体Fzの第7の膜貫通らせんのC末端である保存された配列とが、直接に相互作用することが実証された。この相互作用は、FzからのWntシグナルのDvl下流構成要素への伝達において必須である。したがってDvl PDZドメインの阻害物質は、アンタゴニストとして作用することでWntシグナル伝達を調節するはずである。NCI668036が確かにWntシグナル伝達経路を阻害できるかどうかを試験するために、カノニカルWnt経路の様々な活性化剤と共に、NCI668036を二細胞期のアフリカツメガエル胚の動物極領域内に同時に注射した。次にRT−PCRを実施して、胞胚から切り取られそれらの発達が初期原腸胚期に達するまで培養された外胚葉外植片におけるWnt標的遺伝子Siamoisの発現を分析した。RT−PCR実験では、オルニチン脱炭酸酵素(ODC)の発現を負荷対照として使用した。NCI668036はDvl下流にあるWntシグナル伝達の構成要素β−カテニンによって誘発されるSiamois発現に対してわずかな効果しか有さなさなかったが、NCI668036はWnt3Aによって誘発されるSiamoisを阻害した(図7A)。これらの結果は、NCI668036とDvlブロックのPDZドメインとの結合が、カノニカルWnt経路中のシグナル伝達をDvlレベルでブロックするという概念に一致する。
【0024】
次にNCI668036が、二次体軸形成を誘発するWntのよく知られている能力に影響するかどうかを試験した。アフリカツメガエル外胚葉外植片の腹−植物性領域内に注射されたWnt3Aは、完全な二次体軸形の形成を誘発した(図7Bおよび7C)。しかしWnt3Aと同時に注射すると、NCI668036は、実質的にWnt3Aによって誘発された二次体軸形の形成を低下させた(図7D)。この低下は、部分的二次体軸または単体軸のみがある胚をもたらした(表6参照)。したがってNCI668036は、カノニカルWnt経路においてシグナル伝達を特異的にブロックすると結論づけられる。
【0025】
PDZドメインに結合する可能性がある化合物のUNITY(商標)検索、結合部位内への候補のFlexX(商標)ドッキング、結合モードのCscore(商標)格付け、および化学シフト摂動NMR実験を使用して、本発明者らは、mDvl1 PDZドメインに結合できる非ペプチド性小型有機分子(NCI668036)を同定した。これはNMR支援仮想リガンドスクリーニングが、標的に結合することが予測される低分子化合物をそれらの構造的な徴群に基づいて同定する、実行可能なアプローチであることを示す。
【0026】
仮想スクリーニング段階の検索クエリーを構築するために、マウスDvlのapo−PDZドメインのNMR溶液構造の代わりに、Dapperペプチドに結合したアフリカツメガエルDvlのPDZドメインの結晶構造を使用した。2つのPDZドメインは、特にペプチド−結合部位周辺で高い相同性を共有した。結合部位近くでは、2つのPDZドメインの間で単一アミノ酸のみの違いがあり(mDvl1のPDZドメイン中のGlu319に対してアフリカツメガエルDvlのPDZドメイン中のAsp326)、この残基の側鎖はペプチド−結合裂溝から遠ざかる方向を向く。ドメインのペプチド結合キャビティは、アフリカツメガエルDvlのDapper結合PDZドメインの結晶構造中よりも溶液構造のapo形態中でより小さい。この違いは、ペプチドまたは小型有機分子の結合時に、PDZドメイン中の結合部位が立体配座変化を被って、結合リガンドを収容する古典的な「誘発適合」機序と一致する。しかしこの可撓性は、UNITY(商標)検索およびFlexX(商標)ドッキングプロトコルを通じては、完全に探索できない。したがって実験的研究においてはマウスDvlのPDZドメインが使用されたが、アフリカツメガエルDvlのPDZドメインの結晶構造は、仮想スクリーニングステップのためのより良いテンプレートを提供する。確かにPDZドメイン−NCI668036のMDシミュレーションおよびPDZドメイン−Dapperペプチド複合体から計算される結合自由エネルギーは、実験的結合データに良好に適合する。
【0027】
NCI668036は、その中で2つのペプチド結合が2つのエーテル結合によって置換されているペプチド模倣剤である。したがってNCI668036は、生体内(in vivo)で対応するペプチドよりも安定であることが予測される。それはPDZドメインと比較的弱く結合するが、NCI668036は、さらなる修正のためのテンプレートとして使用できる。確かにNCI668036は非常に単純な構造を有し、それは非常に安定しており高度に可溶性である。さらにMDシミュレーションは、より高い結合親和性(Kd=10μM)を有するPDZドメインとDapperペプチドの複合体と比べて、PDZドメインとNCI668036によって形成された複合体は、全ての可能な相互作用を完全に利用して結合親和性を最大化しないことを示した。例えば結合親和性は、NCI668036主鎖からの疎水性基の分枝がPDZドメイン中のPhe257の側鎖に接触する場合に、増大することが予期される。
【0028】
NCI668036は、Dvl PDZドメインと特異的に相互作用する。本発明者らは、クラスI PDZドメインに属するPSD−95、PSD95aの第1のPDZドメイン(PDBコード:1IUO、1IU2)、およびクラスII PDZドメインメンバーであるグルタミン酸受容体相互作用タンパク質(PDBコード:1M5Z)のPDZ7ドメインの2つの別のPDZドメインを試験した(図12は異なるPDZドメインの構造ベースの配列比較を示す)。NCI668036はこれらのPDZドメインの双方に、極めて弱く結合する。Dvl PDZドメインに対するNCI668036の特異性は、おそらくドメインのユニークな特徴であろう。Dvl PDZドメインは、クラスIまたはクラスII PDZドメインのどちらにも属さない(図12)。特にDvl PDZドメインは2つのループを有する。1つは第1および第2βストランドの間(βA−βBループ)であり、もう1つは第2αらせんおよび最後のβ−ストランドの間(βB−βFループ)である。Dvl PDZドメインのこれらの2つのループは、典型的なPDZドメインのものよりも長い。C末端ペプチドに結合した典型的なPDZドメインの構造中で、結合ペプチドのカルボキシレート基はまた、結合水分子を通じてβA−βBループ中のアルギニンのグアニジウム基にも結合する。同一アルギニンの側鎖はまた、βB−βFループ中のグリシンのアミド基とも水素結合を形成する。しかしDvl PDZドメインはアルギニンおよびグリシンの双方を欠いており、典型的なPDZドメイン中で結合水分子を保持するキャビティは、Dvl PDZ中ではるかに小さい。確かにDapperペプチドとの複合体中のDvl PDZドメインの結晶構造中に結合水分子はない。しかしNCI668036がDvl PDZドメインに結合すると、酸素O3はPDZドメインの「カルボキシレート結合ループ」の2つの水素結合関係に参加して、結合NCI668036のカルボキシレート基は空間内に押し出されて狭いキャビティ内に留まった。本発明者らは、このNCI668036の結合特性が、Dvl PDZドメインのための分子の特異性を説明するかもしれないと推測する。換言すると、NCI668036はそのユニークな結合モードを使用してその特異性を達成する。この概念は、本発明者らのMDシミュレーション研究の1つからの結果によって支持される。MDシミュレーションランでは、化合物のカルボキシレート基が宿主PDZドメインとの全ての3つの水素結合を形成するように、NCI668036を結合Dapperペプチド上に重ね合わせて、PDZドメイン−NCI668036複合体の開始立体配座を作り出した。200psの生成ラン後、システムはもはや安定でなかった。
【0029】
既述のスクリーニング法を使用して、ディシブルドタンパク質のドメインに結合することが分かった追加的化合物を同定した。図8は全てディシブルドタンパク質に結合できることが分かった分子化合物の構造を示す。図9および図10はディシブルドに結合する化合物の構造を示し、これらはまた非結合であることが分かった化合物も示す。図11の全化合物構造は、ディシブルドタンパク質のPDZドメインに結合することが分かった。これらの化合物はNCI化合物、シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)化合物、およびケムディブ(Chem Div)化合物であった。
【0030】
DvlがWntシグナル伝達経路の岐路に立っており、その中で分子が関与する典型的な結合事象が比較的弱いが微細調整されて良好な平衡状態にあることを考慮すれば、効果的なDvlアンタゴニストは、Wntシグナル伝達の分析および様々な経路の精査において非常に有用かもしれない。NCI668036の機能性研究は、この理論を強力に支持する。Dvlの強力な阻害物質は、Wntシグナル伝達経路の生物学的研究の強力なツールであるのに加えて、さらにその中でWntシグナル伝達経路が発病において重要な役割を果たす癌およびその他のヒトの疾患の処置で有用な医薬品の開発のための先導化合物として役立つ。
【実施例】
【0031】
材料および方法
15N標識mDvl1 PDZドメインの精製
15N標識マウスDvl1 PDZドメイン(mDvl1の残基247〜残基341)を以前述べられたようにして調製した。タンパク質の溶解性を増大させるために、PDZドメインコンストラクト中で、リガンド結合部位外に位置するCys334をアラニンに変異させた。
【0032】
2−((5(6)−テトラメチルローダミン)カルボキシルアミノ)エチルメタンチオスルホネート(TMR)−結合mDvl1 PDZドメインの調製
標準手順を使用して野生型PDZドメインタンパク質(Cys334Ala突然変異なし)を生成した。Cys334はタンパク質中の唯一のシステインである。精製されたPDZ(40μM)を100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)に対して4℃で一晩透析し、ジスルフィド結合の形成を防止するためにタンパク質精製ステップで添加したDTTを除去した。次に本発明者らは、撹拌しながらPDZドメイン溶液に、DMSOに溶解した10倍モル過剰量のTMRを滴下して添加した。室温で2時間の反応後、4℃での100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)に対する高度の透析によって、過剰なTMRおよびその他の反応物質を除去した。
【0033】
PDZドメインに結合する小型化合物の構造ベースのリガンドスクリーニング
トライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのSYBYL(商標)ソフトウェアパッケージのUNITY(商標)モジュールを使用して、Dvl PDZドメイン(PDBコード:1L6O)のペプチド結合溝内にフィットできる化学物質化合物についてNCI低分子化合物3Dデータベースをスクリーニングした。次にトライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのSYBYL(商標)のFlexX(商標)モジュールを使用して、候補化合物を結合溝内にドッキングした。さらに詳しい試験のために、米国立癌研究所、癌処置および診断部門、開発途上治療プログラム、薬剤合成および化学科(Drug Synthesis and Chemistry Branch, Developmental Therapeutics Program, Division of Cancer Treatment and Diagnosis, National Cancer Institute)(http://129.43.27.140/ncidb2/)から最高の合意結合スコアを示す化合物を得た。
【0034】
NMR分光法
バリアン・イノバ(Varian Inova)600MHz NMR分光計を25℃で使用して、NMR 15N−HSQC実験を実施した。サンプルは100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)中のDvl PDZドメイン(濃度約0.3mM)、10%のD2O、および0.5mM EDTAからなった。NMRスペクトルをNMRpipeソフトウェアで処理し、プログラムSparky(商標)を使用して分析した。
【0035】
蛍光分光法
本発明者らはジョバンイボン・インコーポレーテッド(Jobin−Yvon,Inc.)からのフルオログ(Fluorolog)−3分光蛍光計を使用して、TMP結合PDZドメインとNCI668036化合物間の相互作用の蛍光測定を得た。滴定実験を100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)中において25℃で実施した。2mLの100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)中の30μM TMR標識PDZドメインを含有する蛍光サンプルセル内に、NCI668036(濃度1mM)の溶液を逐次注入した。蛍光測定中に励起波長は552nmであり、放射波長は579nmであった。マイクロカル・ソフトウェア・インコーポレーテッド(Microcal Software Inc.)からのオリジン(ORIGIN)(商標)プログラムを使用して、蛍光データを分析した。増大する化合物濃度に対する蛍光変化の二重逆数プロットを使用して、KD値を判定した。
【0036】
分子動力学シミュレーション
parm99力場でソフトウェアパッケージアンバー(AMBER)8(商標)中のサンダー(sander)プログラムを使用して、MDシミュレーションを実施した。アンバー(AMBER)8(商標)中のアンティチェンバー(Antechamber)モジュール47を使用して、AM1−BCC電荷をNCI668036に印加した。FlexX(商標)ドッキング研究からの結果を使用して、リガンド−タンパク質複合体の開始構造を調製した。中和後、各端がシステムの縁から10Å離れた周期的長方形TIP3Pウォーターボックス中に複合体を溶解した。これらのMDシステムの構成要素を表1にまとめる。システムは、1000−ステップ最急降下最小化とそれに続く9000−ステップ共役勾配最小化によって最小化された。2psの時間ステップと9.0Åに設定された非結合カットオフで、MDシミュレーションを実施した。一定容積(NTV)および一定圧力(NTP)双方の周期的境界条を適用して、徐々にシステムをリラックスさせた。詳しくは、その中で温度が100Kから300Kに増大される50 ps NVTアンサンブル、その中で溶剤濃度が調製される50 ps NPTアンサンブル、およびその中で高調波抑制が5.0kcal mol−1Å−2から0に徐々に低下される別の100 ps NPTアンサンブル後に、MDプロダクションランをNPT条件下で5ns実施した。プロダクションラン中にスナップショットを5ps毎に保存した。その他のシミュレーションパラメーターは、ゴールケ(Gohlke)らの研究で述べられるように設定した。
【0037】
結合自由エネルギー計算
アンバー(AMBER)8(商標)のmm_pbsa.plモジュールを使用して、MM−PBSAアプローチが実行される(1)によって結合自由エネルギーを計算した。
Gtotal=Gcomplex−Gprotein−Gligand (1)
式中、
G=Hgas+Htrans/rot+Gsolvation−TS (2)
Gsolvation=Gpolar solvation+Gnonpolar solvation (3)
Gnonpolar solvation=yA+b (4)
である。
上式中、気相エネルギーHgasは、分子力学によって計算されるように、カットオフなしの分子機械力場中の内部(結合、角度、およびねじれ)、ファンデルワールス、および静電エネルギーの合計である。6つの並進および回転自由度のために、Htrans/rotは3RT(Rは気体定数)である。溶媒和自由エネルギーGsolvationは、PBモデルを使用して計算される。PB計算では、パース半径、parm94電荷(PDZドメインおよびDapperペプチドで)、およびAM1−BCC電荷(化合物で)を使用して、デルフィ(Delphi)ソフトウェアによってPD式を解決して、極性溶媒和エネルギーGpolar solvationを得た。(4)によって非極性寄与率を計算した。式中、Aはアンバー(AMBER)8(商標)中のモルサーフ(Molsurf)モジュールによって計算される溶剤アクセス可能領域であり、y(表面張力)およびb(定数)は、それぞれ0.00542kcal mol−1Å−2および0.92kcal mol−1である。上の全てのエネルギー項は20ps毎に得た150のスナップショットから平均化され、エントロピーTSは、最後の3nsのプロダクションラン中に200ps毎に得た15のスナップショットを使用して正規モード分析によって推定された。
【0038】
表1.シミュレーションシステムの原子情報およびウォーターボックスサイズ
【0039】
表2.5nsの明示的シミュレーションの最後の3nsにわたり平均化した化合物NCI668036およびPDZの結合自由エネルギー構成要素a
【0040】
表3.5nsの明示的シミュレーションの最後の3nsにわたり平均化したPDZドメインおよびDapperペプチドの結合自由エネルギー構成要素
【0041】
表4.5nsの明示的シミュレーションの最後の3nsにわたり平均化したPDZドメインおよびNCI668036、PDZドメインおよびDapperペプチドの結合自由エネルギー構成要素a
【0042】
表5.5nsの明示的シミュレーション中に化合物NCI668036およびPDZドメイン、DapperペプチドおよびPDZドメイン間で観察された水素結合a
【0043】
表6.Wnt3Aおよびβ−カテニンによって誘発される二次体軸形成に対する化合物NCI668036の効果a
a二細胞期におけるWnt3A mRNAおよびβ−カテニン、ならびにWnt3A mRNAおよびNCI668036の腹−植物性注射。実験の詳細は図7B〜7Dに示す。
b初期神経胚の腹側の第2神経プレートおよび異所性眼球およびセメント腺の外観として定義される。百分率は定義を満たす胚の比率を示す。
c2の独立した実験で注射を受けた胚の総数。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0050】
図面の詳細な説明
【図1】化合物NCI668036の構造 MDLインフォメーション・システムズ・インコーポレーテッド(MDL Information Systems,Inc.)からのISIS/Drawを使用して、NCI668036の化学構造図を作った。(既述された)いくつかの原子は、アンバー(AMBER)8(商標)のアンティチェンバー(Antechamber)モジュールによって割り振られた原子名で標識される。
【図2】mDvl1 PDZドメインおよびNCI668036間の相互作用 遊離NCI668036(赤輪郭線)、およびmDvl1のPDZドメインに結合したNCI668036(青輪郭線)の15N−HSQCスペクトルを示す。PDZドメインの濃度は0.3mMであった。NCI668036の濃度は7.8mM(結合形態)であった。上部差し込み図では、拡大したスペクトルの同一領域からのシグナルをより小さなボックスに入れた。差し込み図はまた、異なる濃度のNCI668036(2.4mM)からの追加的スペクトル(緑線)も含有する。mDvl1 PDZドメインの主鎖構造のコイル状の描写(下部差し込み図)では、コイルの厚さはNCI668036の結合時の1Hおよび15Nシフトの加重和(単位Hz)に比例し、増大する化学シフト摂動が示される(青:低い、赤:高い)。図は、アクセルリス・インコーポレーテッド(Accelrys,Inc.)からのソフトウェア、インサイト(Insight)II(商標)を使用して作成した。
【図3】NCI668036濃度に対する蛍光強度消光(F)の二重逆数プロットから判定されたmDvl1 PDZとNCI668036間の結合親和性 TMR−PDZドメインの溶液内にNCI668036を滴定して蛍光測定を得た。一次関数近似後に抽出された、NCI668036およびmDvl1のPDZドメインによって形成された複合体のKD値は、237±31μMであった。
【図4】FlexX(商標)プログラムを使用して発生させた化合物NCI668036の30個のドッキング立体配座は3つのグループにまとめられた グループIはRMSDが0.46〜0.77Åの5個の立体配座(赤色)を含み、グループIIはRMSDが1.44〜1.73Åの13個の立体配座(黄色)を有し、グループIIIはRMSDが2.31〜2.86Åの12個の立体配座(青色)を有した。
【図5】NCI668036結合mDvl1 PDZドメイン、Dapperペプチド結合mDvl1 PDZドメイン、および開始構造の主鎖根平均二乗偏差(RMSD、Å)および5nsの明示的シミュレーションにおけるMDシステムの全位置エネルギー 200ps平衡相は含まれていない。 A.5nsシミュレーションにおけるmDvl1 PDZドメイン(紫)およびNCI668036(緑)の主鎖RMSD B.5nsシミュレーションにおけるDvl1 PDZドメイン(紫)およびDapperペプチド(緑)の主鎖RMSD C.−44552.6kcal mol−1と−44344.2kcal mol−1の間で変動する5nsシミュレーション中のmDvl1 PDZドメインおよびNCI668036(水分子を含む)の全位置エネルギー(ETOT)。全位置エネルギー(平均±標準偏差)は−44450.8±32.6kcal mol−1であった。 D.−44349.8kcal mol−1と−44122.3kcal mol−1の間で変動する5nsシミュレーション中のDvl1 PDZドメイン(水分子を含む)およびDapperペプチドの全位置エネルギー。全位置エネルギー(平均±標準偏差)は−44233.8±31.3kcal mol−1であった。
【図6】PDZドメイン内にドッキングしたNCI668036およびNCI668036−mDvl1 PDZドメイン複合体の立体配座 A.NCI668036およびDapperペプチドは、同様の立体配座でPDZドメインに結合する。トライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのFlexX(商標)を使用して、NCI668036(青)をDvl PDZドメイン(灰色のリボンおよびチューブ)内にドッキングした。Dapperペプチド(オレンジ)は、X線結晶構造解析によって判定されたその立体配座にあり、PDZドメインと複合体形成している。化合物NCI668036とDapperペプチド(4C末端アミノ酸[MTTV]主鎖原子のみを使用した)の主鎖根平均二乗偏差の差は1.49Åであった。 B.5nsシミュレーション中の4.905nsにおけるNCI668036の結合立体配座。PDZドメインを灰色のリボンおよびチューブとして示す。NCI668036は、結合原子(緑:炭素、赤:酸素、青:窒素)に従って表される。化合物と水素結合を形成する残基は球と棒様式(黒:炭素、赤:酸素、青:窒素)で示され、水素結合は黄色破線で表される。化合物のイソプロピル、メチル(窒素原子の隣のもの)、およびt−ブチル基の3.5Å内の残基は、CPK様式(灰色:炭素、赤:酸素、青:窒素)で示す。さらにLeu258、Ile260、およびIle262は、カルボキシレート基に隣接するイソプロピル基の3.5Å内である。それらは明確さのために球と棒様式で示す。
【図7】アフリカツメガエル胚におけるカノニカルWntシグナル伝達に対するNCI668036の効果 A.NCI668036はWnt3Aによって誘発されたカノニカルWnt経路を阻害したが、β−カテニンによって誘発されたものは阻害しなかった。RT−PCRを行って、外胚葉外植片におけるアフリカツメガエルWnt標的遺伝子Siamoisの発現を分析した。二細胞期で、Wnt3A(1pg)およびβカテニン(500ng)に対応する合成mRNAを単独でまたはNCI668036(180ng)と共に動物極領域内に注射し、それらが初期原腸胚期に達するまで外胚葉外植片を培養して、その時点でそれらにRT−PCR分析を施した。 B.注射しなかった対照胚。 C.Wnt3A mRNAを注射した胚は、完全な二次体軸を発達させた。 D.Wnt3A mRNAおよびNCI668036を同時注射した胚は、分的な二次体軸を発達させた。
【図8】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験したNCIおよびシグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)化合物の分子構造 化合物221120、107146、145882、および161613がDvlに弱く結合する一方、化合物108123、339938、v8878、および579270は全く結合しないことが分かった。
【図9】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験したケムディブ(Chem Div)化合物の分子構造 化合物3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、および2372−2393はDvlに結合する一方、0136−0181は結合しないことが分かった。
【図10】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験したケムディブ(Chem Div)化合物の分子構造 化合物8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719はDvl化合物に結合し、化合物8003−2178、C691−0030、1748−0253、1108−0424、2922−0102、3379−2274、および8003−4726はDvlに結合しなかった。
【図11】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験された化合物の分子構造 化合物103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、12517、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123および668036は全てDvlに結合することが分かった
【図12】Dvlホモログおよびその他のタンパク質のPDZドメインのアミノ酸配列の構造ベースの配列比較 二次構造要素は配列上に示される。gly−his(GH)位置の残基は太字で示す。星印はリガンドのC末端の結合ポケットを示す。PDZドメイン中の配列の違いは下線で示す。
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の参照
本出願は、2005年3月18日に出願された「スクレロスチン、およびWntシグナル伝達と骨形成に対する阻害(Sclerostin and the Inhibition on Wnt Signaling and Bone Formation)」(ダンウ(Dan Wu)ら)と題された特許出願の一部継続出願である。本出願は、参照によってその内容全体を本明細書に援用する2004年5月19日に出願された「骨形成および細胞自己再生の刺激または改良のための組成物および方法(Compositions and Methods for the Stimulation or Enhancement of Bone Formation and the Self−Renewal of Cells)」と題された米国特許出願第10/849,643号に関する。本出願はまた、参照によってその内容全体を本明細書に援用する2004年5月19日に出願された「骨形成および再構築のための組成物および方法(Compositions and Methods for Bone Formation and Remodeling)」と題された米国特許出願第10/849/067号に関する。
【0002】
発明の分野
本発明は、カノニカルおよび非カノニカルWntシグナル伝達経路において、膜貫通受容体フリズルド(frizzled)からのWntシグナルを下流構成要素に並進させる、ディシブルドタンパク質(Dishevelled protein)に関する。本発明は、発病に関与するWntシグナル伝達によって引き起こされる様々な疾患の処置における、治療法、組成物、およびその使用の分野に関する。より詳しくは組成物および方法は、フリズルドとディシブルドとの相互作用を妨げる化合物に向けたものである。化合物はスクリーニング法を使用して、化合物ライブラリーから同定される。これらの化合物をまた変性して、ライブラリー中または天然に存在しない、効果的に機能する誘導体または類似体を作り出してもよい。
【0003】
本出願で引用または特定される全ての特許、特許出願、特許公報、科学論文などは、本発明が関係する現状技術についてより詳細に述べるために、その全体を参照によって本明細書に援用する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
Wntシグナル伝達経路は胚および後胚の発達に重要な役割を果たし、腫瘍形成に関係していると見なされている。カノニカルWnt−β−カテニン経路では、分泌されたWnt糖タンパク質が7つの膜貫通ドメインフリズルド(Fz)受容体に結合して、細胞内ディシブルド(Dvl)タンパク質を活性化する。次に活性化されたDvlタンパク質は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3β(GSK−3β)を阻害する。この阻害はGSK−3β、大腸腺腫様ポリポーシス(APC)、アキシン、およびβ−カテニンによって形成された分子複合体の不安定化を引き起こし、GSK−3βがβ−カテニンをリン酸化する能力を低下させる。非リン酸化β−カテニンタンパク質は、ユビキチン化および分解から逃れて細胞質中に蓄積する。この蓄積はβ−カテニンの核内への転位置をもたらし、それはそこでT細胞因子/リンパ系増強因子(Tcf/Lef)をコードする遺伝子などのWnt標的遺伝子の転写を刺激する。多数のレポートが、新生物形成の発生に関与するWnt−β−カテニンシグナル伝達経路構成要素の突然変異を扱っている。
【0005】
Wnt経路と癌の間のつながりは、Wntシグナル伝達の最初の発見にまでさかのぼる。第1の脊椎動物Wnt生育因子は、マウスの乳癌においてプロウイルスの挿入によって活性化される細胞性癌遺伝子(Wnt−1)の生成物として同定された。おそらく発癌におけるWntシグナル伝達の役割を支持する最も抗しがたい証拠は、およそ85%の結腸直腸癌が、Wnt経路の重要な構成要素の1つであるAPCの突然変異によって特徴づけられるという知見である。Wntシグナル伝達経路のメンバーはまた、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、および神経芽細胞腫などの様々な小児科癌の発病にも結びつけられている。さらに異常なWntシグナル伝達は、骨粗鬆症および糖尿病などのその他の疾患にも関与する。
【0006】
Dvlは膜結合受容体からのWntシグナルを下流構成要素に伝達し、それによってWntシグナル伝達経路において必須の役割を果たす。Dvlタンパク質は動物界全体にわたり高度に保存されている。3つのDvlホモログ、Dvl−1、−2、および−3が、哺乳類系において同定されている。全ての3つのヒトDvl遺伝子は、脳、肺、腎臓、骨格筋、および心臓をはじめとする胎児および成人組織で広範に発現される。Dvlタンパク質は、N末端DIXドメイン、中央PDZモチーフ、およびC末端DEPドメインから構成される。これらの3つの内で、PDZドメインは、カノニカルおよび非カノニカルWnt経路の双方で重要な役割を果たすようである。確かにDvlのPDZドメインは、2つの経路間の顕著な役割だけでなく核局在化にも関与しているかもしれない。最近、マウスDvl−1(mDvl1)のPDZドメイン(残基247〜341)とその結合パートナー間の相互作用が、核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して調査された。mDvl1 PDZドメインのペプチド相互作用部位は、その配列が明白な相同性を持たない様々な分子と相互作用する。典型的なPDZ結合モチーフではないが、mDvl1 PDZドメインに結合する1つのペプチドは、Fzの保存されたモチーフ(KTXXXW)であり、それは7番目の膜貫通ドメイン後の2個のアミノ酸で始まる。この知見はFzとDvlの間に直接の相互作用があることを示し、膜結合受容体とWntシグナル伝達経路の下流構成要素間の以前は未知であった関係を明らかにした。したがってDvl PDZドメインの阻害物質は、DvlレベルでWntシグナル伝達経路を効果的にブロックする可能性がある。
【0007】
Wnt−β−カテニン経路におけるDvl PDZドメインの特別な役割は、それを理想的な薬学的標的にする。Dvl中のPDZドメインの小型有機阻害物質は、分子機序を精査して、腫瘍またはその中でWntシグナル伝達が発病に関与するその他の疾患を標的とする医薬品を配合するのに有用かもしれない。Dvl PDZドメインの構造に照らして仮想リガンドスクリーニングを使用し、Dvl PDZドメインに結合する非ペプチド化合物NCI668036を同定した。さらにNMR実験によって、化合物がPDZドメイン表面のペプチド結合部位に結合することを確認した。化合物の結合親和性(解離定数、KD)は、蛍光分光法によって測定された。さらに本発明者らは、この化合物とPDZドメイン間、ならびに既知のPDZドメイン阻害物質(Dapper)のC末端領域とPDZドメインとの間の相互作用の分子動力学(MD)シミュレーションを実施し、本発明者らは、分子力学ポアソン・ボルツマン表面積(MM−PBSA)法によって計算される、これらの相互作用の結合自由エネルギーを比較した。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
本発明は、Wntシグナル伝達経路に関与する細胞内ディシブルド(Dvl)タンパク質、または前記タンパク質のホモログの活性化または不活性化に基づく。
【0009】
一態様では、本発明は、仮想スクリーニングを使用して化合物を同定する方法を提供する。
【0010】
好ましい実施態様では、本発明は、NMR支援仮想スクリーニングを行う方法を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、ディシブルドタンパク質または前記ディシブルドタンパク質のホモログに結合する化合物を提供して、これらのタンパク質とフリズルド受容体、またはフリズルド受容体のホモログとの相互作用を妨げる。
【0012】
なおも別の態様では、本発明は、ディシブルドタンパク質のPDZドメインに結合する化合物を提供して、フリズルド受容体などの膜貫通受容体との相互作用を妨げる。
【0013】
本発明の他の態様は、本発明に関連した以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の詳細な説明
構造ベースのリガンドスクリーニング
構造ベースの仮想スクリーニングの使用によって、DvlのPDZドメインの可能な阻害物質の検索を行った。PDZは、2つのαらせんおよび6つのβシートを有するモジュラータンパク質相互作用ドメインである。αBらせんおよびβBシートは、βBがそれに続く先行するループと共にペプチド結合裂溝を形成する。それらの結晶複合体構造において、Dapperペプチド(Dvl PDZドメインの結合パートナーの1つに由来する)は、PDZドメインのβBシート中のLeu265、Gly266、Ile267、およびIle269残基と共に水素結合を形成する。
【0015】
この溝に結合して、PDZドメインとその結合パートナー間の相互作用を妨げることができる小型有機化合物を同定するために、トライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのソフトウェアパッケージSYBYL(商標)中のモジュールであるプログラムUNITY(商標)を使用して、クエリーをデザインした。クエリーは、PDZドメイン上の2つの水素結合供与体(Gly266およびIle269の主鎖アミド窒素)および2つの水素結合受容体(Ile267およびIle269のカルボニル酸素)からなり、空間制約耐性は0.3Åであった。次にUNITY(商標)のFlex(商標)検索モジュールを使用して、米国国立癌研究所(NCI)の三次元(3D)低分子化合物データベースを探索し、クエリーの要件を満たす化合物を同定した。3DデータベースはNCIから無料で利用でき、それは250,000個を超える薬らしい化合物の座標を含む。UNITY(商標)のFlex(商標)検索オプションは化合物の可撓性を考慮し、それは定方向微調整(Directed Tweak)アルゴリズムを使用して、迅速で立体配座的に可撓性の3D検索を行う。検索から最初のヒットとして108個の有機化合物を得た。
【0016】
次にSYBYL(商標)のFlexX(商標)プログラムを使用して、これらの108個のヒットをPDZドメインの結合部位内に「ドッキング」させた。FlexX(商標)は、リガンドの立体配座を変化させて、それをタンパク質結合部位内にフィットさせるエネルギー最小化モデル化ソフトウェアである。対照として、本発明者らはDapperペプチドもまたPDZドメイン内にドッキングさせた。残基Gly266、Ile269、およびArg325によって選択半径5.9Åで受容体の結合部位を確定し、Gly266によって選択半径5.9Åでコアサブポケットを確定した。この条件下で、ドッキングしたDapperペプチドは、主鎖根平均二乗変位(RMSD)が2.04Åの複合体の結晶構造中に見られるのと同様の立体配座を有した。特に6つのC末端アミノ酸の主鎖RMSDは1.22Åであり、ドッキング手順が、フルオロフォア標識PDZドメイン(TMR−PDZ)を使用して、リガンド分光実験でドッキングできたことが示唆された。本発明者らはNCI668036をTMR−PDZ溶液中に滴定しながら、579nmにおけるTMR−PDZの蛍光放射(552nmでの励起がある)の消光を追跡した。TMRの蛍光放射は、NCI668036とPDZドメインとの結合のために抑制された。NCI668036濃度に対する蛍光変化の二重逆数プロットから線形相関を得た。マイクロカル・ソフトウェア・インコーポレーテッドからの(Microcal Software Inc.)オリジン(Origin)を使用した一次関数近似から237±31μM(図3)のKD(平均±標準偏差)計算した。
【0017】
Dvl PDZドメインとNCI668036間の複合体の分子動力学シミュレーション
PDZドメインとNCI668036間の相互作用をさらに詳しく調査するために、アンバー(AMBER)(商標)ソフトウェアスイートを使用して、NCI668036−PDZドメイン複合体の分子動力学(MD)シミュレーション研究を行った。粒子メッシュエヴァルト(PME)法による平衡後に、明示的水(explicit water)の中でMDシミュレーションを5ns実施した。次にMM−PBSAアルゴリズムを使用して、PDZドメインとNCI668036間の相互作用の結合自由エネルギーを計算した。
【0018】
MDシミュレーション中に、十分な可能な結合モードをサンプリングするために、本発明者らは最初のFlexX(商標)ドッキング結果の全出力部を再検査した。FlexX(商標)ドッキングアルゴリズムのデフォルト設定からは、30個の可能なドッキング立体配座(図4)が得られ、最良のドッキングスコアを有した配座異性体を選択した。ドッキングした30個のNCI668036の立体配座は全体的に非常によく似ていたが、明確なバリエーションがあった。これらの30個の結合した配座異性体は、3つの主要なグループにまとめられる。グループIは5個の配座異性体(赤色)を含み、NCI668036中の全原子のRMSDはこの配座異性体群では0.46〜0.77Åの間であり、グループIIは13個の配座異性体(黄色)を有し、RMSDは1.44〜1.7Åの間であり、グループIIIは12個の配座異性体(青色)を有し、RMSDは2.31〜2.86Åの間である(図3A)。これらのドッキング配座異性体の手動検査から、MDシミュレーションの出発点として10個の配座異性体の選択が導かれた(MDシミュレーションで使用されるパラメーターの一覧については表1を参照されたい)。これらの10個の配座異性体の内、1個はグループI(配座異性体6)から、5個はグループII(配座異性体4、7、10、14、および15)から、4個はグループIII(配座異性体12、22、26、および27)から得られた。10回のMDシミュレーションラン中に、配座異性体22(グループIII)で始めたシミュレーションが最低で最安定の結合自由エネルギーを有し、この配座異性体が溶液中でNCI668036の真のPDZドメイン結合立体配座に相当することが示唆された。
【0019】
NCI668036結合Dvl PDZドメインの構造
配座異性体22で始めたMDシミュレーションを詳細に分析した。5nsのMD生成ラン中に、MDシステム(ウォーターボックスを含む)の総エネルギーは−44552.6kcal mol−1〜−44344.2kcal mol−1(平均、−44450.8kcal mol−1)の間で変動し、根平均二乗(rms)は32.6kcal mol−1であった(図5Aおよび5C)。最低エネルギーは4.905nsで起き、この時点でのNCI668036結合mDvl1の構造を図6Aに示す。複合体中でNCI668036は、Dvl PDZドメインのLeu258、Gly259、Ile260、Ile262、およびArg318残基と水素結合を形成し(図6B)、リガンドとPDZドメイン中の残基の間の密接な疎水性接触もまた観察された。例えば炭素C1に結合するバリル基は、残基Leu258、lle260、Ile262、Leu317、およびVal314の疎水性側鎖、ならびにArg318のCβ側鎖の3.5Å内である。さらにC17メチル基はPhe257の3.5Å内であり、「C」末端t−ブチル基は、(2つの残基の疎水性側鎖の3.5Å内で)Val263およびVal3l4との疎水性接触を有した。
【0020】
結合NCI668036は結合Dapperペプチドと類似の立体配座を取る
Dapperペプチドに結合したPDZドメインの結晶構造と、模擬NCI668036−PDZドメイン複合体との比較からは、双方のリガンドが、PDZドメインに結合した際に同様の立体配座を取ることが明らかにされた(図5Cおよび5D)。PDZドメイン−NCI668036およびPDZドメイン−Dapperペプチドの双方の質量加重主鎖RMSD(4個のC末端アミノ酸MTTVのみがRMSD計算に含まれた)は、1.49Åであった。NCI668036の主鎖は、主鎖中のカルボキシレート基(C)のカルボニル炭素とNCI668036の別の末端のカルボニル炭素(C8)とそれらの間の原子として画定された(全部で13個の原子、図1)。
【0021】
PDZドメイン−NCI668036複合体で行ったMDシミュレーションと類似したさらに詳細な比較を行うために、本発明者らは最初に、PDZドメインおよびDapperペプチドからなる複合体の5ns MDシミュレーションを実施した。各MDシミュレーションで1000枚の「スナップショット」を保存し、詳細に分析した(図5)。MDシミュレーションは2つの複合体内の水素結合の徹底的な比較を可能にし、それらの水素結合を1000枚のスナップショット内のそれらの占有百分率と共に表5に列挙する。2つの複合体間の最も著しい違いは、Gly−Leu−Gly−Phe(mDvl1 PDZドメイン中のPhe257−Leu258−Gly259−Ile260)の保存モチーフと結合ペプチドのC末端残基によって形成された「カルボキシレート結合ループ」間の水素結合網目状組織内であった。この水素結合網目状組織は、PDZドメインのC末端ペプチド複合体構造の顕著な特徴であり、DapperPDZドメイン複合体の構造中で、Leu258、Gly259、およびIle260のアミド基は、Dapperペプチドのカルボキシレート基に水素結合を供与する。NCI668036−PDZドメイン複合体では、エーテル結合の可撓性のために、C末端カルボキシレート基および酸素O3はシス立体配座にあった。この立体配座は、酸素O3およびC末端カルボキシレート基の双方が「水素網目状組織」に関与することを可能にした。Gly259およびIle260のアミド基は酸素O3と水素結合を形成し、NCI668036のC末端カルボキシレート基はLeu258のアミド基と水素結合を形成する。「カルボキシレート結合網目状組織」の外では、2つの結合リガンドが、非常によく似た宿主PDZドメインとの水素結合および疎水性接触を有した。したがってDapperペプチドの増大する結合親和性は、おそらくペプチドの余分の長さに起因し、結合Dapperペプチドの残基Lys5、Leu6、およびSer7は宿主PDZドメインと複数の水素結合および疎水性接触を形成する。
【0022】
DapperペプチドおよびNCI668036とPDZドメインとの結合事象をさらに詳しく比較するために、複合体の結合自由エネルギーを調べた。正規モード分析と組み合わせたMM−PBSAアプローチを使用して、双方のシステムの絶対的結合自由エネルギーを計算した。結合自由エネルギーはPDZ−NCI668036複合体で−1.88kcal mol−1であり、PDZ−Dapperペプチド複合体で−7.48kcal mol−1であった(MM−PBSA遊離結合エネルギー計算から得られた全エネルギー要素については表2、3、および4を参照されたい)。結合自由エネルギーの相対的格付けは、実験データと一致した。確かに、NCI668036およびDapperペプチドの解離定数は25℃でそれぞれ237μMおよび10μMであったので、結合自由エネルギー(G=−RTlnKD)はNCI668036で−4.94kcal mol−1、Dapperペプチドで−6.82kcal mol−1であった。
【0023】
NCI668036によるWntシグナル伝達経路阻害
以前の研究において、DvlのPDZドメインと、Wnt受容体Fzの第7の膜貫通らせんのC末端である保存された配列とが、直接に相互作用することが実証された。この相互作用は、FzからのWntシグナルのDvl下流構成要素への伝達において必須である。したがってDvl PDZドメインの阻害物質は、アンタゴニストとして作用することでWntシグナル伝達を調節するはずである。NCI668036が確かにWntシグナル伝達経路を阻害できるかどうかを試験するために、カノニカルWnt経路の様々な活性化剤と共に、NCI668036を二細胞期のアフリカツメガエル胚の動物極領域内に同時に注射した。次にRT−PCRを実施して、胞胚から切り取られそれらの発達が初期原腸胚期に達するまで培養された外胚葉外植片におけるWnt標的遺伝子Siamoisの発現を分析した。RT−PCR実験では、オルニチン脱炭酸酵素(ODC)の発現を負荷対照として使用した。NCI668036はDvl下流にあるWntシグナル伝達の構成要素β−カテニンによって誘発されるSiamois発現に対してわずかな効果しか有さなさなかったが、NCI668036はWnt3Aによって誘発されるSiamoisを阻害した(図7A)。これらの結果は、NCI668036とDvlブロックのPDZドメインとの結合が、カノニカルWnt経路中のシグナル伝達をDvlレベルでブロックするという概念に一致する。
【0024】
次にNCI668036が、二次体軸形成を誘発するWntのよく知られている能力に影響するかどうかを試験した。アフリカツメガエル外胚葉外植片の腹−植物性領域内に注射されたWnt3Aは、完全な二次体軸形の形成を誘発した(図7Bおよび7C)。しかしWnt3Aと同時に注射すると、NCI668036は、実質的にWnt3Aによって誘発された二次体軸形の形成を低下させた(図7D)。この低下は、部分的二次体軸または単体軸のみがある胚をもたらした(表6参照)。したがってNCI668036は、カノニカルWnt経路においてシグナル伝達を特異的にブロックすると結論づけられる。
【0025】
PDZドメインに結合する可能性がある化合物のUNITY(商標)検索、結合部位内への候補のFlexX(商標)ドッキング、結合モードのCscore(商標)格付け、および化学シフト摂動NMR実験を使用して、本発明者らは、mDvl1 PDZドメインに結合できる非ペプチド性小型有機分子(NCI668036)を同定した。これはNMR支援仮想リガンドスクリーニングが、標的に結合することが予測される低分子化合物をそれらの構造的な徴群に基づいて同定する、実行可能なアプローチであることを示す。
【0026】
仮想スクリーニング段階の検索クエリーを構築するために、マウスDvlのapo−PDZドメインのNMR溶液構造の代わりに、Dapperペプチドに結合したアフリカツメガエルDvlのPDZドメインの結晶構造を使用した。2つのPDZドメインは、特にペプチド−結合部位周辺で高い相同性を共有した。結合部位近くでは、2つのPDZドメインの間で単一アミノ酸のみの違いがあり(mDvl1のPDZドメイン中のGlu319に対してアフリカツメガエルDvlのPDZドメイン中のAsp326)、この残基の側鎖はペプチド−結合裂溝から遠ざかる方向を向く。ドメインのペプチド結合キャビティは、アフリカツメガエルDvlのDapper結合PDZドメインの結晶構造中よりも溶液構造のapo形態中でより小さい。この違いは、ペプチドまたは小型有機分子の結合時に、PDZドメイン中の結合部位が立体配座変化を被って、結合リガンドを収容する古典的な「誘発適合」機序と一致する。しかしこの可撓性は、UNITY(商標)検索およびFlexX(商標)ドッキングプロトコルを通じては、完全に探索できない。したがって実験的研究においてはマウスDvlのPDZドメインが使用されたが、アフリカツメガエルDvlのPDZドメインの結晶構造は、仮想スクリーニングステップのためのより良いテンプレートを提供する。確かにPDZドメイン−NCI668036のMDシミュレーションおよびPDZドメイン−Dapperペプチド複合体から計算される結合自由エネルギーは、実験的結合データに良好に適合する。
【0027】
NCI668036は、その中で2つのペプチド結合が2つのエーテル結合によって置換されているペプチド模倣剤である。したがってNCI668036は、生体内(in vivo)で対応するペプチドよりも安定であることが予測される。それはPDZドメインと比較的弱く結合するが、NCI668036は、さらなる修正のためのテンプレートとして使用できる。確かにNCI668036は非常に単純な構造を有し、それは非常に安定しており高度に可溶性である。さらにMDシミュレーションは、より高い結合親和性(Kd=10μM)を有するPDZドメインとDapperペプチドの複合体と比べて、PDZドメインとNCI668036によって形成された複合体は、全ての可能な相互作用を完全に利用して結合親和性を最大化しないことを示した。例えば結合親和性は、NCI668036主鎖からの疎水性基の分枝がPDZドメイン中のPhe257の側鎖に接触する場合に、増大することが予期される。
【0028】
NCI668036は、Dvl PDZドメインと特異的に相互作用する。本発明者らは、クラスI PDZドメインに属するPSD−95、PSD95aの第1のPDZドメイン(PDBコード:1IUO、1IU2)、およびクラスII PDZドメインメンバーであるグルタミン酸受容体相互作用タンパク質(PDBコード:1M5Z)のPDZ7ドメインの2つの別のPDZドメインを試験した(図12は異なるPDZドメインの構造ベースの配列比較を示す)。NCI668036はこれらのPDZドメインの双方に、極めて弱く結合する。Dvl PDZドメインに対するNCI668036の特異性は、おそらくドメインのユニークな特徴であろう。Dvl PDZドメインは、クラスIまたはクラスII PDZドメインのどちらにも属さない(図12)。特にDvl PDZドメインは2つのループを有する。1つは第1および第2βストランドの間(βA−βBループ)であり、もう1つは第2αらせんおよび最後のβ−ストランドの間(βB−βFループ)である。Dvl PDZドメインのこれらの2つのループは、典型的なPDZドメインのものよりも長い。C末端ペプチドに結合した典型的なPDZドメインの構造中で、結合ペプチドのカルボキシレート基はまた、結合水分子を通じてβA−βBループ中のアルギニンのグアニジウム基にも結合する。同一アルギニンの側鎖はまた、βB−βFループ中のグリシンのアミド基とも水素結合を形成する。しかしDvl PDZドメインはアルギニンおよびグリシンの双方を欠いており、典型的なPDZドメイン中で結合水分子を保持するキャビティは、Dvl PDZ中ではるかに小さい。確かにDapperペプチドとの複合体中のDvl PDZドメインの結晶構造中に結合水分子はない。しかしNCI668036がDvl PDZドメインに結合すると、酸素O3はPDZドメインの「カルボキシレート結合ループ」の2つの水素結合関係に参加して、結合NCI668036のカルボキシレート基は空間内に押し出されて狭いキャビティ内に留まった。本発明者らは、このNCI668036の結合特性が、Dvl PDZドメインのための分子の特異性を説明するかもしれないと推測する。換言すると、NCI668036はそのユニークな結合モードを使用してその特異性を達成する。この概念は、本発明者らのMDシミュレーション研究の1つからの結果によって支持される。MDシミュレーションランでは、化合物のカルボキシレート基が宿主PDZドメインとの全ての3つの水素結合を形成するように、NCI668036を結合Dapperペプチド上に重ね合わせて、PDZドメイン−NCI668036複合体の開始立体配座を作り出した。200psの生成ラン後、システムはもはや安定でなかった。
【0029】
既述のスクリーニング法を使用して、ディシブルドタンパク質のドメインに結合することが分かった追加的化合物を同定した。図8は全てディシブルドタンパク質に結合できることが分かった分子化合物の構造を示す。図9および図10はディシブルドに結合する化合物の構造を示し、これらはまた非結合であることが分かった化合物も示す。図11の全化合物構造は、ディシブルドタンパク質のPDZドメインに結合することが分かった。これらの化合物はNCI化合物、シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)化合物、およびケムディブ(Chem Div)化合物であった。
【0030】
DvlがWntシグナル伝達経路の岐路に立っており、その中で分子が関与する典型的な結合事象が比較的弱いが微細調整されて良好な平衡状態にあることを考慮すれば、効果的なDvlアンタゴニストは、Wntシグナル伝達の分析および様々な経路の精査において非常に有用かもしれない。NCI668036の機能性研究は、この理論を強力に支持する。Dvlの強力な阻害物質は、Wntシグナル伝達経路の生物学的研究の強力なツールであるのに加えて、さらにその中でWntシグナル伝達経路が発病において重要な役割を果たす癌およびその他のヒトの疾患の処置で有用な医薬品の開発のための先導化合物として役立つ。
【実施例】
【0031】
材料および方法
15N標識mDvl1 PDZドメインの精製
15N標識マウスDvl1 PDZドメイン(mDvl1の残基247〜残基341)を以前述べられたようにして調製した。タンパク質の溶解性を増大させるために、PDZドメインコンストラクト中で、リガンド結合部位外に位置するCys334をアラニンに変異させた。
【0032】
2−((5(6)−テトラメチルローダミン)カルボキシルアミノ)エチルメタンチオスルホネート(TMR)−結合mDvl1 PDZドメインの調製
標準手順を使用して野生型PDZドメインタンパク質(Cys334Ala突然変異なし)を生成した。Cys334はタンパク質中の唯一のシステインである。精製されたPDZ(40μM)を100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)に対して4℃で一晩透析し、ジスルフィド結合の形成を防止するためにタンパク質精製ステップで添加したDTTを除去した。次に本発明者らは、撹拌しながらPDZドメイン溶液に、DMSOに溶解した10倍モル過剰量のTMRを滴下して添加した。室温で2時間の反応後、4℃での100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)に対する高度の透析によって、過剰なTMRおよびその他の反応物質を除去した。
【0033】
PDZドメインに結合する小型化合物の構造ベースのリガンドスクリーニング
トライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのSYBYL(商標)ソフトウェアパッケージのUNITY(商標)モジュールを使用して、Dvl PDZドメイン(PDBコード:1L6O)のペプチド結合溝内にフィットできる化学物質化合物についてNCI低分子化合物3Dデータベースをスクリーニングした。次にトライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのSYBYL(商標)のFlexX(商標)モジュールを使用して、候補化合物を結合溝内にドッキングした。さらに詳しい試験のために、米国立癌研究所、癌処置および診断部門、開発途上治療プログラム、薬剤合成および化学科(Drug Synthesis and Chemistry Branch, Developmental Therapeutics Program, Division of Cancer Treatment and Diagnosis, National Cancer Institute)(http://129.43.27.140/ncidb2/)から最高の合意結合スコアを示す化合物を得た。
【0034】
NMR分光法
バリアン・イノバ(Varian Inova)600MHz NMR分光計を25℃で使用して、NMR 15N−HSQC実験を実施した。サンプルは100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)中のDvl PDZドメイン(濃度約0.3mM)、10%のD2O、および0.5mM EDTAからなった。NMRスペクトルをNMRpipeソフトウェアで処理し、プログラムSparky(商標)を使用して分析した。
【0035】
蛍光分光法
本発明者らはジョバンイボン・インコーポレーテッド(Jobin−Yvon,Inc.)からのフルオログ(Fluorolog)−3分光蛍光計を使用して、TMP結合PDZドメインとNCI668036化合物間の相互作用の蛍光測定を得た。滴定実験を100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)中において25℃で実施した。2mLの100mMカリウムリン酸緩衝液(pH7.5)中の30μM TMR標識PDZドメインを含有する蛍光サンプルセル内に、NCI668036(濃度1mM)の溶液を逐次注入した。蛍光測定中に励起波長は552nmであり、放射波長は579nmであった。マイクロカル・ソフトウェア・インコーポレーテッド(Microcal Software Inc.)からのオリジン(ORIGIN)(商標)プログラムを使用して、蛍光データを分析した。増大する化合物濃度に対する蛍光変化の二重逆数プロットを使用して、KD値を判定した。
【0036】
分子動力学シミュレーション
parm99力場でソフトウェアパッケージアンバー(AMBER)8(商標)中のサンダー(sander)プログラムを使用して、MDシミュレーションを実施した。アンバー(AMBER)8(商標)中のアンティチェンバー(Antechamber)モジュール47を使用して、AM1−BCC電荷をNCI668036に印加した。FlexX(商標)ドッキング研究からの結果を使用して、リガンド−タンパク質複合体の開始構造を調製した。中和後、各端がシステムの縁から10Å離れた周期的長方形TIP3Pウォーターボックス中に複合体を溶解した。これらのMDシステムの構成要素を表1にまとめる。システムは、1000−ステップ最急降下最小化とそれに続く9000−ステップ共役勾配最小化によって最小化された。2psの時間ステップと9.0Åに設定された非結合カットオフで、MDシミュレーションを実施した。一定容積(NTV)および一定圧力(NTP)双方の周期的境界条を適用して、徐々にシステムをリラックスさせた。詳しくは、その中で温度が100Kから300Kに増大される50 ps NVTアンサンブル、その中で溶剤濃度が調製される50 ps NPTアンサンブル、およびその中で高調波抑制が5.0kcal mol−1Å−2から0に徐々に低下される別の100 ps NPTアンサンブル後に、MDプロダクションランをNPT条件下で5ns実施した。プロダクションラン中にスナップショットを5ps毎に保存した。その他のシミュレーションパラメーターは、ゴールケ(Gohlke)らの研究で述べられるように設定した。
【0037】
結合自由エネルギー計算
アンバー(AMBER)8(商標)のmm_pbsa.plモジュールを使用して、MM−PBSAアプローチが実行される(1)によって結合自由エネルギーを計算した。
Gtotal=Gcomplex−Gprotein−Gligand (1)
式中、
G=Hgas+Htrans/rot+Gsolvation−TS (2)
Gsolvation=Gpolar solvation+Gnonpolar solvation (3)
Gnonpolar solvation=yA+b (4)
である。
上式中、気相エネルギーHgasは、分子力学によって計算されるように、カットオフなしの分子機械力場中の内部(結合、角度、およびねじれ)、ファンデルワールス、および静電エネルギーの合計である。6つの並進および回転自由度のために、Htrans/rotは3RT(Rは気体定数)である。溶媒和自由エネルギーGsolvationは、PBモデルを使用して計算される。PB計算では、パース半径、parm94電荷(PDZドメインおよびDapperペプチドで)、およびAM1−BCC電荷(化合物で)を使用して、デルフィ(Delphi)ソフトウェアによってPD式を解決して、極性溶媒和エネルギーGpolar solvationを得た。(4)によって非極性寄与率を計算した。式中、Aはアンバー(AMBER)8(商標)中のモルサーフ(Molsurf)モジュールによって計算される溶剤アクセス可能領域であり、y(表面張力)およびb(定数)は、それぞれ0.00542kcal mol−1Å−2および0.92kcal mol−1である。上の全てのエネルギー項は20ps毎に得た150のスナップショットから平均化され、エントロピーTSは、最後の3nsのプロダクションラン中に200ps毎に得た15のスナップショットを使用して正規モード分析によって推定された。
【0038】
表1.シミュレーションシステムの原子情報およびウォーターボックスサイズ
【0039】
表2.5nsの明示的シミュレーションの最後の3nsにわたり平均化した化合物NCI668036およびPDZの結合自由エネルギー構成要素a
【0040】
表3.5nsの明示的シミュレーションの最後の3nsにわたり平均化したPDZドメインおよびDapperペプチドの結合自由エネルギー構成要素
【0041】
表4.5nsの明示的シミュレーションの最後の3nsにわたり平均化したPDZドメインおよびNCI668036、PDZドメインおよびDapperペプチドの結合自由エネルギー構成要素a
【0042】
表5.5nsの明示的シミュレーション中に化合物NCI668036およびPDZドメイン、DapperペプチドおよびPDZドメイン間で観察された水素結合a
【0043】
表6.Wnt3Aおよびβ−カテニンによって誘発される二次体軸形成に対する化合物NCI668036の効果a
a二細胞期におけるWnt3A mRNAおよびβ−カテニン、ならびにWnt3A mRNAおよびNCI668036の腹−植物性注射。実験の詳細は図7B〜7Dに示す。
b初期神経胚の腹側の第2神経プレートおよび異所性眼球およびセメント腺の外観として定義される。百分率は定義を満たす胚の比率を示す。
c2の独立した実験で注射を受けた胚の総数。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0050】
図面の詳細な説明
【図1】化合物NCI668036の構造 MDLインフォメーション・システムズ・インコーポレーテッド(MDL Information Systems,Inc.)からのISIS/Drawを使用して、NCI668036の化学構造図を作った。(既述された)いくつかの原子は、アンバー(AMBER)8(商標)のアンティチェンバー(Antechamber)モジュールによって割り振られた原子名で標識される。
【図2】mDvl1 PDZドメインおよびNCI668036間の相互作用 遊離NCI668036(赤輪郭線)、およびmDvl1のPDZドメインに結合したNCI668036(青輪郭線)の15N−HSQCスペクトルを示す。PDZドメインの濃度は0.3mMであった。NCI668036の濃度は7.8mM(結合形態)であった。上部差し込み図では、拡大したスペクトルの同一領域からのシグナルをより小さなボックスに入れた。差し込み図はまた、異なる濃度のNCI668036(2.4mM)からの追加的スペクトル(緑線)も含有する。mDvl1 PDZドメインの主鎖構造のコイル状の描写(下部差し込み図)では、コイルの厚さはNCI668036の結合時の1Hおよび15Nシフトの加重和(単位Hz)に比例し、増大する化学シフト摂動が示される(青:低い、赤:高い)。図は、アクセルリス・インコーポレーテッド(Accelrys,Inc.)からのソフトウェア、インサイト(Insight)II(商標)を使用して作成した。
【図3】NCI668036濃度に対する蛍光強度消光(F)の二重逆数プロットから判定されたmDvl1 PDZとNCI668036間の結合親和性 TMR−PDZドメインの溶液内にNCI668036を滴定して蛍光測定を得た。一次関数近似後に抽出された、NCI668036およびmDvl1のPDZドメインによって形成された複合体のKD値は、237±31μMであった。
【図4】FlexX(商標)プログラムを使用して発生させた化合物NCI668036の30個のドッキング立体配座は3つのグループにまとめられた グループIはRMSDが0.46〜0.77Åの5個の立体配座(赤色)を含み、グループIIはRMSDが1.44〜1.73Åの13個の立体配座(黄色)を有し、グループIIIはRMSDが2.31〜2.86Åの12個の立体配座(青色)を有した。
【図5】NCI668036結合mDvl1 PDZドメイン、Dapperペプチド結合mDvl1 PDZドメイン、および開始構造の主鎖根平均二乗偏差(RMSD、Å)および5nsの明示的シミュレーションにおけるMDシステムの全位置エネルギー 200ps平衡相は含まれていない。 A.5nsシミュレーションにおけるmDvl1 PDZドメイン(紫)およびNCI668036(緑)の主鎖RMSD B.5nsシミュレーションにおけるDvl1 PDZドメイン(紫)およびDapperペプチド(緑)の主鎖RMSD C.−44552.6kcal mol−1と−44344.2kcal mol−1の間で変動する5nsシミュレーション中のmDvl1 PDZドメインおよびNCI668036(水分子を含む)の全位置エネルギー(ETOT)。全位置エネルギー(平均±標準偏差)は−44450.8±32.6kcal mol−1であった。 D.−44349.8kcal mol−1と−44122.3kcal mol−1の間で変動する5nsシミュレーション中のDvl1 PDZドメイン(水分子を含む)およびDapperペプチドの全位置エネルギー。全位置エネルギー(平均±標準偏差)は−44233.8±31.3kcal mol−1であった。
【図6】PDZドメイン内にドッキングしたNCI668036およびNCI668036−mDvl1 PDZドメイン複合体の立体配座 A.NCI668036およびDapperペプチドは、同様の立体配座でPDZドメインに結合する。トライポス・インコーポレーテッド(Tripos,Inc.)からのFlexX(商標)を使用して、NCI668036(青)をDvl PDZドメイン(灰色のリボンおよびチューブ)内にドッキングした。Dapperペプチド(オレンジ)は、X線結晶構造解析によって判定されたその立体配座にあり、PDZドメインと複合体形成している。化合物NCI668036とDapperペプチド(4C末端アミノ酸[MTTV]主鎖原子のみを使用した)の主鎖根平均二乗偏差の差は1.49Åであった。 B.5nsシミュレーション中の4.905nsにおけるNCI668036の結合立体配座。PDZドメインを灰色のリボンおよびチューブとして示す。NCI668036は、結合原子(緑:炭素、赤:酸素、青:窒素)に従って表される。化合物と水素結合を形成する残基は球と棒様式(黒:炭素、赤:酸素、青:窒素)で示され、水素結合は黄色破線で表される。化合物のイソプロピル、メチル(窒素原子の隣のもの)、およびt−ブチル基の3.5Å内の残基は、CPK様式(灰色:炭素、赤:酸素、青:窒素)で示す。さらにLeu258、Ile260、およびIle262は、カルボキシレート基に隣接するイソプロピル基の3.5Å内である。それらは明確さのために球と棒様式で示す。
【図7】アフリカツメガエル胚におけるカノニカルWntシグナル伝達に対するNCI668036の効果 A.NCI668036はWnt3Aによって誘発されたカノニカルWnt経路を阻害したが、β−カテニンによって誘発されたものは阻害しなかった。RT−PCRを行って、外胚葉外植片におけるアフリカツメガエルWnt標的遺伝子Siamoisの発現を分析した。二細胞期で、Wnt3A(1pg)およびβカテニン(500ng)に対応する合成mRNAを単独でまたはNCI668036(180ng)と共に動物極領域内に注射し、それらが初期原腸胚期に達するまで外胚葉外植片を培養して、その時点でそれらにRT−PCR分析を施した。 B.注射しなかった対照胚。 C.Wnt3A mRNAを注射した胚は、完全な二次体軸を発達させた。 D.Wnt3A mRNAおよびNCI668036を同時注射した胚は、分的な二次体軸を発達させた。
【図8】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験したNCIおよびシグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)化合物の分子構造 化合物221120、107146、145882、および161613がDvlに弱く結合する一方、化合物108123、339938、v8878、および579270は全く結合しないことが分かった。
【図9】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験したケムディブ(Chem Div)化合物の分子構造 化合物3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、および2372−2393はDvlに結合する一方、0136−0181は結合しないことが分かった。
【図10】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験したケムディブ(Chem Div)化合物の分子構造 化合物8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719はDvl化合物に結合し、化合物8003−2178、C691−0030、1748−0253、1108−0424、2922−0102、3379−2274、および8003−4726はDvlに結合しなかった。
【図11】ディシブルドタンパク質に結合するそれらの能力について試験された化合物の分子構造 化合物103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、12517、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123および668036は全てDvlに結合することが分かった
【図12】Dvlホモログおよびその他のタンパク質のPDZドメインのアミノ酸配列の構造ベースの配列比較 二次構造要素は配列上に示される。gly−his(GH)位置の残基は太字で示す。星印はリガンドのC末端の結合ポケットを示す。PDZドメイン中の配列の違いは下線で示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜結合受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項2】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項3】
骨形成または骨再構築に関与する受容体、膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項4】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項5】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項6】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004〜1312、3289〜8625、3289〜5066、3237〜0719、3237〜0565、3237〜0713、3237〜0430、8006〜2560、0090〜0031、2372〜2393、103673、145882、3289〜5066、3289〜8625、337837、7129、3237〜0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004〜1312、3289〜8625、3289〜5066、3237〜0719、3237〜0565、3237〜0713、3237〜0430、8006〜2560、0090〜0031、2372〜2393、103673、145882、3289〜5066、3289〜8625、337837、7129、3237〜0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123若しくは668036、またはそのあらゆる誘導体若しくは類似体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記2つ以上の化合物、または前記化合物断片が、架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物、または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズを有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
二価のまたは多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物を結合部位内にドッキングさせるソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
膜結合受容体または共受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項19】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項20】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項21】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌.類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項22】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項23】
前記化合物が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が、架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物、または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズを有する、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
二価のまたは多価の試薬結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項18〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項18〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物を結合部位内にドッキングさせるソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項18〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
膜結合受容体または共受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項36】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項37】
骨形成または骨再構築に関与する受容体、膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項38】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項39】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項40】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記2つ以上の化合物または化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項40または41に記載の組成物。
【請求項43】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記化合物、または前記化合物断片がリンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
二価または多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物と、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項35〜47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項35〜48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記非天然化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物を結合部位内にドッキングさせるソフトウェアを使用して、前記化合物を前記キャビティ内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項35〜50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記組成物が薬学的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項35〜51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記組成物が錠剤、丸薬、糖衣錠、液体、ゲル、カプセル、シロップ、スラリーまたは懸濁液として調合される、請求項35〜51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
膜結合受容体または共受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項55】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項56】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項57】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項58】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項59】
前記化合物が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む請求項54〜58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記化合物が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項54〜58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合する、請求項59または60に記載の組成物。
【請求項62】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記化合物、または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項54〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項61〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
二価のまたは多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項61〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項54〜66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項54〜58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記非天然化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物結合部位内に化合物をドッキングさせるソフトウェア使用して、前記化合物を前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項54〜67のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
薬学的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項54〜69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物が、錠剤、丸薬、糖衣錠、液体、ゲル、カプセル、シロップ、スラリーまたは懸濁液として調合される、請求項54〜69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項72】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を促進しまたは阻害する、薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)前記PDZドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想構造を決定するステップと、
b)前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)前記結合キャビティ内の特異的部位を同定するステップと、
d)前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
を含む、方法。
【請求項73】
Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップをさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記特定の結合キャビティを同定するステップが、化合物の生物学的機能に基づいて実験を行うステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記実験が突然変異分析を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記ディシブルドタンパク質が非可溶性または膜結合性である、請求項72〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を促進しまたは阻害する、薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)前記PDZドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想構造を決定するステップと、
b)前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)前記結合キャビティ内の特異的部位を同定するステップと、
d)UNITY(商標)プログラムを使用して、前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
e)Flexx(商標)プログラムを使用して、前記化合物を前記特異的部位内にドッキングさせるステップと、
f)Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む、方法。
【請求項78】
前記特定の結合キャビティを同定するステップが、化合物の生物学的機能に基づいて実験を行うステップを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記実験が突然変異分析を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記ディシブルドタンパク質が非可溶性または膜結合性である、請求項76〜79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位に結合する薬剤候補化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、PDZドメイン、キャビティ、または結合部位の類似体または誘導体またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想または計算的構造を決定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む生物学的機能に基づいた実験の使用を通じて、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)突然変異または化学修飾に基づいて前記結合キャビティ内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)UNITY(商標)プログラムを使用して、前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
e)Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性または最低エネルギーを有する化合物を同定し、最も良く適合する化合物を見出すステップと、
を含む、方法。
【請求項82】
ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位に結合する薬剤候補化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、PDZドメイン、キャビティ、または結合部位の類似体または誘導体またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想または計算的構造を決定するステップと、
b)突然変異分析、化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む生物学的機能に基づいた実験の使用を通じて、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)前記実験から得られた結果に基づいて前記結合キャビティ内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)UNITY(商標)プログラムを使用して、前記結合キャビティ内または前記結合キャビティ中の前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
e)Flexx(商標)プログラムを使用して、前記化合物を前記結合キャビティ内または前記結合キャビティ中の前記特異的部位内にドッキングさせるステップと、
f)Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性または最低エネルギーがある化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項83】
ディシブルドタンパク質に結合する薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、ディシブルドタンパク質の類似体または誘導体、またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記タンパク質の仮想または計算的構造を提供しまたは判定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む様々な実験を使用して、前記タンパク質上の特定の結合キャビティ、部位またはドメインを同定するステップと、
c)前記実験の結果に基づいて、前記結合キャビティ、部位またはドメイン内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)薬剤候補化合物のライブラリーをスクリーニングして、前記特異的結合部位または前記結合キャビティ、部位またはドメインに最良のフィットを有する薬剤候補または化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項84】
ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位に結合する薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、PDZドメイン、キャビティまたは結合部位の類似体または誘導体、またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想または計算的構造を提供しまたは判定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む様々な実験を使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合部位を同定するステップと、
c)前記実験の結果に基づいて、前記特定の結合部位内の特異的結合キャビティを同定するステップと、
d)薬剤候補化合物のライブラリーをスクリーニングして、前記特異的結合キャビティまたは前記結合ドメイン、キャビティまたは部位に最良のフィットを有する薬剤候補または化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項85】
Wntシグナル伝達経路に関与するタンパク質に結合する薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、Wntシグナル伝達経路に関与するタンパク質の類似体または誘導体、またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記受容体タンパク質の仮想または計算的構造を提供しまたは判定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む様々な実験を使用して、前記タンパク質上の特定の結合キャビティ、部位またはドメインを同定するステップと、
c)前記実験の結果に基づいて、前記結合キャビティ、部位またはドメイン内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)薬剤候補化合物のライブラリーをスクリーニングして、前記特異的結合部位または前記結合キャビティ、部位またはドメインに最良のフィットを有する薬剤候補または化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項86】
フリズルド受容体に対するディシブルドタンパク質の親和性を低減または除去する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、Wntシグナル伝達を制御する方法。
【請求項87】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036、またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記2つ以上の化合物、または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項87または88に記載の方法。
【請求項90】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記化合物、または前記化合物断片がリンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
二価のまたは多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項81〜94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項81〜95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項99】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項100】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項101】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項102】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項103】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項104】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項105】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項106】
前記理想的化合物の結合親和性を、蛍光分光法を使用して判定するステップをさらに含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記クエリーが2つの水素結合供与体および2つの水素結合受容体を含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記スコアリングシステムがFスコアを割り当てるステップを含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記スコアリングシステムが最高の合意結合スコアを割り当てるステップを含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記理想的化合物と前記ドメインとの間の相互作用を分子動力学シミュレーション研究の使用を通じて調査するステップをさらに含む、請求項98〜109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記相互作用の結合自由エネルギーをMM−PBSAアルゴリズムの使用を通じて計算するステップをさらに含む、請求項98〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036、またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項112または113に記載の方法。
【請求項115】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なる結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項114〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
二価のまたは多価の試薬の結合が前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項114〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質糖脂質、リポタンパク質若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項98〜119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項98〜120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項124】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項125】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項126】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項127】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項128】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項129】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項130】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップ
を含む、方法。
【請求項131】
核磁気共鳴分光法を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記化合物の結合能力を試験するステップをさらに含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
蛍光分光法を使用して前記化合物の結合親和性を判定するステップをさらに含む、請求項123〜131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
分子動力学シミュレーション研究の使用を通じて、前記化合物と前記ドメインとの間の相互作用を調査するステップをさらに含む、請求項123〜132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
MM−PBSAアルゴリズムの使用を通じて、前記相互作用の結合自由エネルギーを計算するステップをさらに含む、請求項123〜133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036、またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項135または136に記載の方法。
【請求項138】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが同一のドメイン、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なる結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項137〜140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
二価のまたは多価の試薬結合が前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項137〜140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質糖脂質、リポタンパク質若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項123〜142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項123〜143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
骨形成、骨再構築またはWhtシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメインとの結合を防止する方法であって、
i.複数の試験化合物を提供するステップと、
ii.UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
iii.UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
iv.SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
v.前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
vi.SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
vii.Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
viii.核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
ix.前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
x.所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
xi.前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項147】
骨形成、骨再構築またはWhtシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメインとの相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項148】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項149】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項1】
膜結合受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項2】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項3】
骨形成または骨再構築に関与する受容体、膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項4】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項5】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、非天然化合物の少なくとも1つの断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項6】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004〜1312、3289〜8625、3289〜5066、3237〜0719、3237〜0565、3237〜0713、3237〜0430、8006〜2560、0090〜0031、2372〜2393、103673、145882、3289〜5066、3289〜8625、337837、7129、3237〜0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004〜1312、3289〜8625、3289〜5066、3237〜0719、3237〜0565、3237〜0713、3237〜0430、8006〜2560、0090〜0031、2372〜2393、103673、145882、3289〜5066、3289〜8625、337837、7129、3237〜0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123若しくは668036、またはそのあらゆる誘導体若しくは類似体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記2つ以上の化合物、または前記化合物断片が、架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物、または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズを有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
二価のまたは多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物を結合部位内にドッキングさせるソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
膜結合受容体または共受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項19】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項20】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項21】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌.類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項22】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法。
【請求項23】
前記化合物が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が、架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物、または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズを有する、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
二価のまたは多価の試薬結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項18〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項18〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物を結合部位内にドッキングさせるソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項18〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
膜結合受容体または共受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項36】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項37】
骨形成または骨再構築に関与する受容体、膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項38】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項39】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との結合を防止する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項40】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記2つ以上の化合物または化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項40または41に記載の組成物。
【請求項43】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記化合物、または前記化合物断片がリンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
二価または多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物と、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項35〜47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項35〜48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記非天然化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物を結合部位内にドッキングさせるソフトウェアを使用して、前記化合物を前記キャビティ内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項35〜50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記組成物が薬学的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項35〜51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記組成物が錠剤、丸薬、糖衣錠、液体、ゲル、カプセル、シロップ、スラリーまたは懸濁液として調合される、請求項35〜51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
膜結合受容体または共受容体と、Wntシグナル伝達経路構成要素との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項55】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項56】
骨形成または骨再構築に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類線維腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項57】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項58】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨げる、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の処置のための治療用組成物。
【請求項59】
前記化合物が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む請求項54〜58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記化合物が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項54〜58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合する、請求項59または60に記載の組成物。
【請求項62】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記化合物、または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項54〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項61〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
二価のまたは多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項61〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項54〜66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項54〜58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記非天然化合物が、
a)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うソフトウェアを使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
b)化合物結合部位内に化合物をドッキングさせるソフトウェア使用して、前記化合物を前記ドメイン、キャビティまたは結合部位内にドッキングさせるステップと、
c)結合親和性のスコアリングを提供するソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む方法を使用して同定される、請求項54〜67のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
薬学的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項54〜69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物が、錠剤、丸薬、糖衣錠、液体、ゲル、カプセル、シロップ、スラリーまたは懸濁液として調合される、請求項54〜69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項72】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を促進しまたは阻害する、薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)前記PDZドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想構造を決定するステップと、
b)前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)前記結合キャビティ内の特異的部位を同定するステップと、
d)前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
を含む、方法。
【請求項73】
Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップをさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記特定の結合キャビティを同定するステップが、化合物の生物学的機能に基づいて実験を行うステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記実験が突然変異分析を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記ディシブルドタンパク質が非可溶性または膜結合性である、請求項72〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を促進しまたは阻害する、薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)前記PDZドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想構造を決定するステップと、
b)前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)前記結合キャビティ内の特異的部位を同定するステップと、
d)UNITY(商標)プログラムを使用して、前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
e)Flexx(商標)プログラムを使用して、前記化合物を前記特異的部位内にドッキングさせるステップと、
f)Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を得るステップと、
を含む、方法。
【請求項78】
前記特定の結合キャビティを同定するステップが、化合物の生物学的機能に基づいて実験を行うステップを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記実験が突然変異分析を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記ディシブルドタンパク質が非可溶性または膜結合性である、請求項76〜79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位に結合する薬剤候補化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、PDZドメイン、キャビティ、または結合部位の類似体または誘導体またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想または計算的構造を決定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む生物学的機能に基づいた実験の使用を通じて、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)突然変異または化学修飾に基づいて前記結合キャビティ内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)UNITY(商標)プログラムを使用して、前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
e)Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性または最低エネルギーを有する化合物を同定し、最も良く適合する化合物を見出すステップと、
を含む、方法。
【請求項82】
ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位に結合する薬剤候補化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、PDZドメイン、キャビティ、または結合部位の類似体または誘導体またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想または計算的構造を決定するステップと、
b)突然変異分析、化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む生物学的機能に基づいた実験の使用を通じて、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合キャビティを同定するステップと、
c)前記実験から得られた結果に基づいて前記結合キャビティ内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)UNITY(商標)プログラムを使用して、前記結合キャビティ内または前記結合キャビティ中の前記特異的部位内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
e)Flexx(商標)プログラムを使用して、前記化合物を前記結合キャビティ内または前記結合キャビティ中の前記特異的部位内にドッキングさせるステップと、
f)Cscore(商標)プログラムを使用して、最高の結合親和性または最低エネルギーがある化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項83】
ディシブルドタンパク質に結合する薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、ディシブルドタンパク質の類似体または誘導体、またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記タンパク質の仮想または計算的構造を提供しまたは判定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む様々な実験を使用して、前記タンパク質上の特定の結合キャビティ、部位またはドメインを同定するステップと、
c)前記実験の結果に基づいて、前記結合キャビティ、部位またはドメイン内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)薬剤候補化合物のライブラリーをスクリーニングして、前記特異的結合部位または前記結合キャビティ、部位またはドメインに最良のフィットを有する薬剤候補または化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項84】
ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位に結合する薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、PDZドメイン、キャビティまたは結合部位の類似体または誘導体、またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位の仮想または計算的構造を提供しまたは判定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む様々な実験を使用して、前記ドメイン、キャビティまたは結合部位上の特定の結合部位を同定するステップと、
c)前記実験の結果に基づいて、前記特定の結合部位内の特異的結合キャビティを同定するステップと、
d)薬剤候補化合物のライブラリーをスクリーニングして、前記特異的結合キャビティまたは前記結合ドメイン、キャビティまたは部位に最良のフィットを有する薬剤候補または化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項85】
Wntシグナル伝達経路に関与するタンパク質に結合する薬剤候補または化合物を同定する方法であって、
a)アミノ酸配列決定、X線結晶構造解析、NMR、Wntシグナル伝達経路に関与するタンパク質の類似体または誘導体、またはあらゆるそれらの組み合わせの使用を含む、前記受容体タンパク質の仮想または計算的構造を提供しまたは判定するステップと、
b)突然変異分析、アミノ酸の化学修飾、共結晶構造解析、NMR、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む様々な実験を使用して、前記タンパク質上の特定の結合キャビティ、部位またはドメインを同定するステップと、
c)前記実験の結果に基づいて、前記結合キャビティ、部位またはドメイン内の特異的結合部位を同定するステップと、
d)薬剤候補化合物のライブラリーをスクリーニングして、前記特異的結合部位または前記結合キャビティ、部位またはドメインに最良のフィットを有する薬剤候補または化合物を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項86】
フリズルド受容体に対するディシブルドタンパク質の親和性を低減または除去する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、Wntシグナル伝達を制御する方法。
【請求項87】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036、またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記2つ以上の化合物、または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項87または88に記載の方法。
【請求項90】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なるドメイン、キャビティ、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記化合物、または前記化合物断片がリンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
二価のまたは多価の試薬の結合が、前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項81〜94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項81〜95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項99】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項100】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項101】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項102】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項103】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項104】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項105】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷を含む様々な疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)コンピューターソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を前記第1の化合物セットから除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)結合親和性を提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、それらの予測結合能力に基づいて前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたコンピューターソフトウェアを使用して、前記結合の第1のサブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項106】
前記理想的化合物の結合親和性を、蛍光分光法を使用して判定するステップをさらに含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記クエリーが2つの水素結合供与体および2つの水素結合受容体を含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記スコアリングシステムがFスコアを割り当てるステップを含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記スコアリングシステムが最高の合意結合スコアを割り当てるステップを含む、請求項98〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記理想的化合物と前記ドメインとの間の相互作用を分子動力学シミュレーション研究の使用を通じて調査するステップをさらに含む、請求項98〜109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記相互作用の結合自由エネルギーをMM−PBSAアルゴリズムの使用を通じて計算するステップをさらに含む、請求項98〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036、またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項112または113に記載の方法。
【請求項115】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、同一のドメイン、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なる結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項114〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
二価のまたは多価の試薬の結合が前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項114〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質糖脂質、リポタンパク質若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項98〜119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項98〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項98〜120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項124】
骨形成、骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項125】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項126】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項127】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項128】
骨形成または骨再構築またはWntシグナル伝達に関与する膜結合受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項129】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項130】
フリズルド受容体とディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する、少なくとも1つの非天然化合物、少なくとも1つの非天然化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせを投与するステップを含む、結腸直腸癌、類腱腫、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌、バーキットリンパ腫、髄芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、肝芽細胞腫を含む様々な癌性疾患、糖尿病、脱毛、骨折、骨疾患、骨損傷、骨量損失、汗腺疾患、乳腺疾患を含むその他の疾患、またはWntシグナル伝達経路が重要な役割を果たす哺乳類対象におけるあらゆるその他の疾患の治療方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)受容体部位に適合する分子の立体配座検索を行うようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記ドメイン内に適合する化合物をスクリーニングするステップと、
c)分子を結合部位内にドッキングさせるようにデザインされたソフトウェアを使用して、前記化合物を前記ドメイン内にドッキングさせるステップと、
d)結合親和性のスコアリングシステムを提供するようにデザインされたソフトウェアを使用して、最高の結合親和性を有する化合物を同定するステップと、
e)前記化合物を哺乳類対象に投与するステップ
を含む、方法。
【請求項131】
核磁気共鳴分光法を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記化合物の結合能力を試験するステップをさらに含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
蛍光分光法を使用して前記化合物の結合親和性を判定するステップをさらに含む、請求項123〜131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
分子動力学シミュレーション研究の使用を通じて、前記化合物と前記ドメインとの間の相互作用を調査するステップをさらに含む、請求項123〜132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
MM−PBSAアルゴリズムの使用を通じて、前記相互作用の結合自由エネルギーを計算するステップをさらに含む、請求項123〜133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036を含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記化合物または前記化合物断片が、NCI668036、NCI221120、NCI107146、NCI145882、NCI161613、8004−1312、3289−8625、3289−5066、3237−0719、3237−0565、3237−0713、3237−0430、8006−2560、0090−0031、2372−2393、103673、145882、3289−5066、3289−8625、337837、7129、3237−0719、125217、p1、142277、82569、39869、p3、46893、661075、661080、661086、661092、661091、84123または668036、またはそのあらゆる誘導体または類似体を含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が架橋によって直接に結合し、またはリンカーアームによって間接的に結合している、請求項135または136に記載の方法。
【請求項138】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが同一のドメイン、結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記化合物、前記化合物断片、またはあらゆるそれらの組み合わせが、異なる結合部位、受容体またはタンパク質上の第1の位置および第2の位置にドッキングする、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記2つ以上の化合物または前記化合物断片が、リンカーアームまたは架橋によって結合している、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記リンカーアームが、試薬の結合強度がいずれの個別のリガンドの結合強度よりも大きくなるような可撓性およびサイズである、請求項137〜140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
二価のまたは多価の試薬結合が前記試薬の1つの添加によって抑制または逆転されてもよい、請求項137〜140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記化合物または前記化合物断片が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環式分子、複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学物質、または複素環式有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質糖脂質、リポタンパク質若しくは化学物質を含む化合物断片を含む、請求項123〜142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記投与するステップが、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜癌、舌下、局所、直腸、または皮下投与、またはあらゆるそれらの組み合わせによって投与するステップを含む、請求項123〜130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記化合物または前記化合物断片が、少なくとも1つのアゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、またはあらゆるそれらの組み合わせを含む、請求項123〜143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
骨形成、骨再構築またはWhtシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメインとの結合を防止する方法であって、
i.複数の試験化合物を提供するステップと、
ii.UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
iii.UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
iv.SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
v.前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
vi.SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
vii.Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
viii.核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
ix.前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
x.所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
xi.前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項147】
骨形成、骨再構築またはWhtシグナル伝達に関与する膜貫通受容体または共受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメインとの相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項148】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質の少なくとも1つのドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【請求項149】
フリズルド受容体と、ディシブルドタンパク質のPDZドメイン、キャビティまたは結合部位との相互作用を妨害する方法であって、
a)複数の試験化合物を提供するステップと、
b)UNITYソフトウェアの使用を含む、クエリーをデザインするステップと、
c)UnityのFlexx検索モデルを使用して、前記複数の化合物内で前記クエリーの要件を満たす第1の化合物セットをスクリーニングするステップと、
d)SYBYLのFlexxプログラムを使用して、前記第1の化合物セットを前記ドメインの結合部位内にドッキングさせるステップと、
e)前記第1の化合物セットから前記ドメインの結合ポケット内にドッキングしなかった化合物を除去して、第1の結合化合物サブセットを得るステップと、
f)SYBYLのCscoreプログラムを使用して、それらの予測結合能力に基づいて、前記第1の結合化合物サブセットを格付けするステップと、
g)Cscoreの採点機能を使用して、前記第1の結合サブセット内で最良の結合能力を有する第2の結合化合物サブセットを同定するステップと、
h)核磁気共鳴分光計を提供するステップと、
i)前記核磁気共鳴分光計を使用して得られた化学シフト摂動に従って、前記第2の結合化合物サブセットの結合能力を試験するステップと、
j)所望の化学シフト摂動がある少なくとも1つの理想的化合物を同定するステップと、
k)前記理想的化合物を哺乳類対象に投与するステップと、
を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公表番号】特表2008−537744(P2008−537744A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504391(P2008−504391)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/011754
【国際公開番号】WO2006/107719
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507308810)エンゾー バイオケム,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/011754
【国際公開番号】WO2006/107719
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507308810)エンゾー バイオケム,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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