説明

ディスプレイをパッケージングするための方法およびシステム

【課題】パッケージ構造と、干渉変調器をパッケージ化するための方法。
【解決手段】透明基板810の上部に干渉変調器830が形成されている。バックプレーン820はシール840を使用して透明基板810へ接合され、干渉変調器は、バックプレーンまたはシール内の開口部850を通して、周りの環境に露出されている。透明基板とバックプレーンとを接合し、望ましい乾燥剤、剥離材料、および/または自己整合性単分子膜をパッケージ構造800内へ取入れた後で、開口部をシールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、超小型電子機械システム(microelectromechanical system, MEMS)、およびこのようなシステムのパッケージングに関する。とくに、本発明の分野は、干渉変調器、およびこのような変調器を周囲条件のもとで組立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超小型電子機械システム(MEMS)は、超小型機械素子、アクチュエータ、および電子機器を含む。超小型機械素子は、蒸着、エッチング、および/または他の微細機械加工処理を使用して、基板および/または蒸着材料層の一部をエッチングで取去るか、または電子および電子機械装置を形成する層を加えて、生成される。MEMS装置の1つのタイプは、干渉変調器と呼ばれる。この中で使用されているように、干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して、光を選択的に吸収または反射、あるいはこの両者を行う装置を指す。ある特定の実施形態では、干渉変調器は、一対の導電板を含み、その一方または両方は、全体的または部分的に透過性または反射性、あるいはこの両者であり、適切な電気信号を加えると、相対運動をすることができる。特定の実施形態では、一方の板は、基板上に蒸着された静止層から成り、他方の板は、静止層からエアギャップ分離れた金属膜から成る。この中でより詳しく記載されるように、一方の板の他方の板に対する位置が、干渉変調器上の光の入射の光学干渉を変えることができる。このような装置には、多様な応用例があり、既存の製品を向上し、まだ開発されていない新しい製品を生成することに、これらのタイプの装置の特徴を利用するために、その特性を使用し、または変更し、あるいはこの両者を行なうことが、この分野において有益である。
【発明の概要】
【0003】
本発明のシステム、方法、および装置の各々には、幾つかの態様があるが、その何れも、単独では、その望ましい属性を担わない。ここで、本発明の技術的範囲を制限することなく、そのより顕著な特徴を簡潔に記載する。この記載について検討した後で、とくに“発明を実施するための最良の形態”というタイトルの段落を読んだ後で、本発明の特徴が、他のディスプレイ装置よりもどのように優れているかが分かるであろう。この中に記載されている実施形態は、パッケージ構造、および周囲条件においてパッケージ構造を製造する方法を与える。
【0004】
本発明の1つの実施形態は、干渉変調器が上部に形成されている透明基板を与えることと;バックプレーンと透明基板との間にシールを適用することによって、バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージを形成することとを含み、干渉変調器がパッケージによってカプセル化され、パッケージが少なくとも1つの開口部をもつ:ディスプレイ装置を製造する方法である。
【0005】
本発明の別の実施形態は、干渉変調器が上部に形成されている透明基板を与え;バックプレーンと透明基板との間にシールを適用することによって、バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージを形成し、干渉変調器がパッケージによってカプセル化され、パッケージが少なくとも1つの開口部をもつ方法によって作られるディスプレイ装置である。
【0006】
また別の実施形態では、光を透過させる透過手段と;前記透過手段を透過する光を変調する変調手段と;前記変調手段をカバーするカバリング手段と;カバリング手段を透過手段に接合して、パッケージを形成するシーリング手段とを含み、カバリング手段またはシーリング手段の何れかが、シールされた開口部を含む:超小型電子機械システムを用いた装置である。
【0007】
さらに別の実施形態は、超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板と;バックプレーンと;バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージ内に超小型電子機械装置をカプセル化するように構成されたシールとを含み、バックプレーンまたはシールの何れかが、シールされた開口部をもつ:超小型電子機械システムを用いた装置である。
【0008】
1つの別の実施形態は、超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板を与えることと;バックプレーンと透明基板との間にシールを適用することによって、バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージを形成し、超小型電子機械装置がパッケージによってカプセル化され、パッケージが少なくとも1つの開口部をもつことと;少なくとも1つの開口部を通して、パッケージ内へガスを取入れることによって、パッケージ内の水含有量を低減することとを含む:ディスプレイ装置を製造する方法である。
【0009】
追加の実施形態は、超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板を与え;バックプレーンと透明基板との間にシールを適用することによって、バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージを形成し、超小型電子機械装置がパッケージによってカプセル化され、パッケージが少なくとも1つの開口部をもち;少なくとも1つの開口部を通してパッケージ内へガスを取入れることによって、パッケージ内の水含有量を低減する方法によって作られるディスプレイ装置である。
【0010】
別の実施形態は、光を透過させる透過手段と;前記透過手段を透過した光を変調する変調手段と;前記変調手段をカバーするカバリング手段と;バックプレーンを透明基板に接合して、超小型電子機械装置をパッケージ内にカプセル化するシーリング手段とを含み、パッケージが少なくとも1つのエンドシールをもち、パッケージ内の水分含有量を除去するために、少なくとも1つのエンドシールがシールされる前に、少なくとも1つのエンドシールが、ガスがそこを流れるのを可能にするように構成されているディスプレイ装置である。
【0011】
追加の実施形態は、超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板と;バックプレーンと;バックプレーンを透明基板に接合して、超小型電子機械装置をパッケージ内にカプセル化するシールとを含み、シールがバックプレーンと透明基板との間に適用され、パッケージが少なくとも1つのエンドシールをもち、パッケージ内の水分含有量を除去するために、少なくとも1つのエンドシールがシールされる前に、少なくとも1つのエンドシールが、ガスがそこを流れることを可能にするように構成されている:超小型電子機械システムを用いた装置である。
【0012】
本発明のこれらのおよび他の態様は、次の記述および添付の図面(基準化されていない)から容易に明らかになるが、これらは、本発明を制限するのではなく、例示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は第1の干渉変調器の可動反射層が解放位置であり、第2の干渉変調器の可動反射層が動作位置である、干渉変調器ディスプレイの1つの実施形態の一部分を示す等角投影図。
【図2】図2は3×3の干渉変調器ディスプレイを組込んだ電子装置の1つの実施形態を示すシステムブロック図。
【図3】図3は図1の干渉変調器の1つの例示的な実施形態における可動ミラー位置対印加電圧のグラフ。
【図4】図4は干渉変調器ディスプレイを駆動するのに使用される1組の行および列電圧の表。
【図5A】図5Aは図2の3×3の干渉変調器ディスプレイにおける表示データの1つの例示的なフレームを示す図。
【図5B】図5Bは図5Aのフレームを書くのに使用される行および列信号の1つの例示的なタイミング図。
【図6A】図6Aはディスプレイ装置の実施形態を示すシステムブロック図。
【図6B】図6Bはディスプレイ装置の実施形態を示すシステムブロック図。
【図7A】図7Aは図1の装置の断面図。
【図7B】図7Bは干渉変調器の別の実施形態の断面図。
【図7C】図7Cは干渉変調器のさらに別の実施形態の断面図。
【図8】図8は基本的なパッケージ構造の断面図。
【図9A】図9Aはバックプレーンに開口部をもつ実施形態にしたがうパッケージ構造の断面図。
【図9B】図9Bは周囲シールに開口部をもつ実施形態にしたがうパッケージ構造の断面図。
【図9C】図9Cは図9Bに示されているパッケージ構造の上平面図。
【図9D】図9Dは1つの実施形態にしたがう、開口部をもつバックプレーンの上平面図。
【図9E】図9Eはバックプレーン内に開口部をもつパッケージ構造の断面図。
【図9F】図9Fは別の実施形態にしたがう、開口部をもつバックプレーンの上平面図。
【図9G】図9Gはまた別の実施形態にしたがう、開口部をもつバックプレーンの上平面図。
【図10】図10はバックプレーン内に開口部をもち、パッケージの中に乾燥剤をもつ実施形態にしたがう、パッケージ構造の断面図。
【図11A】図11Aは1つの実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図11B】図11Bは1つの実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図11C】図11Cは図11Bに示されている実施形態の上平面図。
【図12】図12は別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図13】図13は別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図14】図14はまた別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図15】図15はまた別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図16A】図16Aはまた別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図16B】図16Bはまた別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図16C】図16Cはまた別の実施形態にしたがう、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図。
【図17A】図17Aは1つの実施形態にしたがう、開口部をシールする処理を示す模式図。
【図17B】図17Bは開口部をシールする前の、図17Aに示されている実施形態の上平面図。
【図18A】図18Aは複数の干渉変調器を含むビジュアルディスプレイ装置の実施形態を示すシステムブロック図。
【図18B】図18Bは複数の干渉変調器を含むビジュアルディスプレイ装置の実施形態を示すシステムブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次の詳細な記述は、本発明のある特定の実施形態に関する。しかしながら、本発明は、多数の異なるやり方で具現することができる。この記述では、同じ部分が全体を通して同じ参照符号で示されている図面を参照する。以下の記述から明らかになるように、実施形態は、画像を、動作状態(例えば、ビデオ)または静止状態(例えば、静止画像)で、およびテキスト(textrial)またはピクチャー(pictrial)で表示するように構成された任意の装置において実行される。より詳しくは、実施形態は、種々の電子装置において、またはそれらと関係付けて実行されると考えられる。種々の電子装置は、例えば、移動電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(personal data assistant, PDA)、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、オート自動車のディスプレイ(例えば、オドメータディスプレイ、など)、コックピットの制御および/またはディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(たとえば、車両内のバックミラーカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたはサイン、プロジェクタ、アーキテクチャ構造、パッケージング、および美しい構造(たとえば、宝石の画像表示)を含むが、これらに制限されない。この中に記載されているものと同様の構造のMEMS装置も、電子切換え装置のような、ディスプレイのない応用に使用できる。
【0015】
干渉MEMSディスプレイ素子を含む1つの干渉変調器ディスプレイの実施形態は、図1に示されている。これらの装置において、画素は、明るい状態か、または暗い状態である。明るい(“オン”または“開”)状態では、ディスプレイ素子は、ユーザへの入射可視光の大きい部分を反射する。暗い(“オフ”または“閉”)状態では、ディスプレイ素子は、ユーザへの入射可視光をほとんど反射しない。実施形態によると、“オン”または“オフ”状態の光反射特性は、逆である。MEMSの画素は、選択された色において、ほとんど反射するように構成され、黒および白以外のカラー表示を可能にする。
【0016】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素内の2つの隣り合う画素を示す等角投影図であり、各画素は、MEMS干渉変調器を含む。いくつかの実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これらの干渉変調器の行/列アレイを含む。各干渉変調器は、1対の反射層を含み、これらは、可変で制御可能な距離を置いて互いに位置し、少なくとも1つの可変寸法の共振光空洞を形成する。1つの実施形態では、反射層の一方が、2つの位置の間を移動する。この中で解放状態と呼ばれる第1の位置では、可動層は、固定の部分反射層から比較的に大きい距離を置いて位置する。第2の位置では、可動層は、部分反射層により密接に隣り合って位置する。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に依存して、建設的または破壊的に干渉して、各画素の全反射または無反射状態を生成する。
【0017】
図1の画素アレイの記載された部分は、2つの隣り合う干渉変調器12aおよび12bを含む。左側の干渉変調器12aには、可動の高反射層14aは、固定の部分反射層16aから所定の距離を置いた解放位置に示されている。右側の干渉変調器12bにおいて、可動の高反射層14bは、固定の部分反射層16bに隣り合う動作位置に示されている。
【0018】
固定層16a、16bは、導電性で、部分透明で、部分反射性であり、例えば、透明基板20上に、クロムおよびインジウムスズ酸化物の1つ以上の層をそれぞれ蒸着させることによって組立てられる。層は、並列ストリップへパターン化され、別途記載されるように、ディスプレイ装置内に行電極を形成する。可動層14a、14bは、ポスト18の上部に蒸着された(行電極16a、16bに直交する)蒸着金属層と、ポスト18間に蒸着された介在犠牲材料との一連の並列ストリップとして形成される。犠牲材料をエッチングで取り除くと、変形可能な金属層14a、14b層から、定められたエアーギャップ19分離れる。変形可能な層には、アルミニウムのような高導電性で反射性の材料が使用され、これらのストリップは、ディスプレイ装置において列電極を形成する。
【0019】
電圧が印加されていないときは、空洞19が層14aと16aとの間に残り、図1の画素12aによって示されているように、変形可能な層は、機械的解放状態である。しかしながら、電位差が、選択された行および列に加えられると、対応する画素の行および列電極の交点に形成されたコンデンサが充電され、静電力が電極を一緒に引張る。電圧が十分に大きいときは、図1の右側の画素12bによって示されているように、可動層が変形し、固定層に押し付けられる(この図には示されていない誘電体材料を、固定層上に蒸着し、短絡を防ぎ、分離距離を制御してもよい)。加えられた電位差の極性にかかわらず、動作は同じである。このようにして、反射対無反射の画素状態を制御することができる行/列の動作は、従来のLCDおよび他のディスプレイ技術に使用されている多くのやり方に類似している。
【0020】
図2ないし5Bは、ディスプレイの応用に干渉変調器のアレイを使用する1つの例示的な処理およびシステムを示している。
【0021】
図2は、本発明の態様を取入れた電子装置の1つの実施形態を示すシステムブロック図である。例示的な実施形態では、電子装置はプロセッサ21を含み、プロセッサ21は、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)のような汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであっても、あるいはディジタル信号プロセッサ、マイクロ制御装置、またはプログラマブルゲートアレイのような専用のマイクロプロセッサであってもよい。この分野において一般的であるように、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウエアモジュールを実行するように構成されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行することに加えて、ウエブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラム、または他のソフトウエアアプリケーションを含む1つ以上のソフトウエアアプリケーションを実行するように構成されてもよい。
【0022】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、アレイ制御装置22と通信するようにも構成されている。1つの実施形態では、アレイ制御装置22は、行ドライバ回路24および列ドライバ回路26を含み、信号をディスプレイアレイまたはパネル30に与える。図1に示されているアレイの断面図は、図2の線1−1によって示されている。MEMS干渉変調器において、行/列動作プロトコルは、図3に示されているこれらの装置のヒステリシス特性を利用してもよい。例えば、可動層を解放状態から動作状態へ変形させるには、10ボルトの電位差が必要である。しかしながら、電圧がその値から下がるとき、電圧が再び10ボルトよりも低くなると、可動層はその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満になるまで、完全には解放しない。したがって、図3に示されている例では、約3ないし7ボルトの電圧の範囲に印加電圧のウインドウが存在し、このウインドウ内では、装置は解放状態または動作状態の何れかにおいて安定している。この中では、これを“ヒステリシスウインドウ”または“安定性ウインドウ”と呼ぶ。図3のヒステリシス特性をもつディスプレイアレイでは、行ストロービング中に、動作になるストローブされた行内の画素が、約10ボルトの電圧差に露出され、解放される画素が、ゼロボルトに近い電圧差に露出されるように、行/列動作プロトコルを設計することができる。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態の電圧差に露出され、行ストローブがそれらに与えた状態に留まる。各画素は、書かれた後で、この例では3ないし7ボルトの“安定性ウインドウ”内の電位差を認識する。この特徴のために、図1に示されている画素の設計は、動作または解放の既存の状態において、同じ印加電圧条件のもとで安定する。干渉変調器の各画素は、本質的に、動作状態でも、または解放状態でも、固定および可動反射層によって形成されるコンデンサであるので、この安定状態は、ヒステリシスウインドウ内の電圧において、ほとんど電力損失なく、維持することができる。加えられる電位が一定であるときは、本質的に、電流は画素へ流れない。
【0023】
一般的な応用では、ディスプレイフレームは、第1の行内の動作画素の希望の組にしたがって、列電極の組をアサートすることによって生成される。行パルスは、行1の電極へ加えられ、アサートされた列の線に対応する画素を動作する。次に、列電極のアサートされた組を、第2の行内の動作画素の希望に組に対応するように変更する。次に、パルスを行2の電極に加えて、アサートされた列電極にしたがって、行2内の適切な画素を動作する。行1の画素は、行2のパルスによって影響を受けず、行1のパルスの間、それらが設定された状態を維持する。これを一連の全ての行に対して連続的に反復し、フレームを生成する。一般に、この処理を毎秒希望数のフレームで連続的に反復することによって、フレームは新しいディスプレイデータでリフレッシュまたは更新、あるいはこの両者が行われる。画素アレイの行および列の電極を駆動して、ディスプレイフレームを生成するための多様なプロトコルもよく知られており、これを本発明と共に使用してもよい。
【0024】
図4、5A、および5Bは、図2の3×3のアレイ上にディスプレイフレームを生成する1つの可能な動作プロトコルを示している。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に使用される列および行の電圧レベルの可能な組を示している。図4の実施形態では、画素を動作することは、適切な列を−Vbiasに、適切な行を+ΔVに設定することを含む。ここで、これらは、それぞれ−5ボルトおよび+5ボルトに対応する。画素の解放は、適切な列を+Vbiasに、適切な行を同じ+ΔVに設定し、画素全体で電位差をゼロボルトにすることによって達成される。行電圧がゼロボルトに維持されている行において、画素は、最初にどのような状態にあったとしても、列が+Vbiasであるか、または−Vbiasであるかに関らず、安定している。同じく図4に示されているように、上述とは異なる双極性の電圧を使用することができ、例えば、画素を動作することは、適切な列を+Vbiasに、適切な行を−ΔVに設定することを含むことが分かるであろう。この実施形態では、画素を解放することが、適切な列を−Vbiasに、適切な行を同じ−ΔVに設定し、画素全体で電位差をゼロボルトにすることによって達成される。
【0025】
図5Bは、図2の3×3のアレイに適用される一連の行および列信号を示すタイミング図であり、これは、図5Aに示されているディスプレイの配置になる。ここで、動作画素は無反射である。図5Aに示されているフレームを書く前に、画素は任意の状態であり、この例では、全行が0ボルトであり、全列が+5ボルトである。全画素は、これらの印加された電圧で、既存の動作または解放状態で安定する。
【0026】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、および(3,3)が動作する。これを実現するために、行1の“線時間”中に、列1および2を−5ボルトに設定し、列3を+5ボルトに設定する。全ての画素が3ないし7ボルトの安定性ウインドウに留まっているので、これは、何れの画素の状態も変えない。次に、行1は、0ボルトから5ボルトになり、再び0ボルトに戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)および(1,2)の画素を動作し、(1,3)の画素を解放する。アレイ内の他の画素は影響を受けない。希望であれば、行2を設定するために、列2を−5ボルトに設定し、列1および3を+5ボルトに設定する。次に、行2に加えられた同じストローブは、画素(2,2)を動作し、画素(2,1)および(2,3)を解放する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2および3を−5ボルトに、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、図5Aに示されているように、行3の画素を設定する。フレームを書いた後で、行の電位はゼロであり、列の電位は、+5または−5ボルトに維持することができ、したがって、図5Aの配置において、ディスプレイは安定している。何十または何百の行および列のアレイに同じ手順を採用できることが分かるであろう。行および列を動作するのに使用される電圧のタイミング、順番、およびレベルは、上述で概略的に示した一般的な原理の中で大きく異なり、上述の例は単なる例示であり、この中に記載されているシステムおよび方法を使用して、任意の電圧動作方法を使用できることも分かるであろう。
【0027】
図6Aおよび6Bは、ディスプレイ装置40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は、例えば、セルラまたは移動電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同じ構成要素またはそれらを僅かに変更したものは、テレビジョンおよびポータブルメディアプレーヤのような、種々のタイプのディスプレイ装置も示す。
【0028】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ44、入力装置48、およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、一般的に、射出成形および真空成形を含む、当業者によく知られている種々の製造処理の何れかから形成される。さらに加えて、ハウジング41は、制限はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、またはその組み合わせを含む種々の材料の何れかから作られる。1つの実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能な部分(図示されていない)を含み、異なる色の、あるいは異なるロゴ、絵、または記号を含んだ他の取り外し可能な部分と交換できる。
【0029】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、この中に記載されている双安定ディスプレイを含む、種々のディスプレイの何れかである。他の実施形態では、ディスプレイ30は、既に記載した、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDのような、フラットパネルディスプレイ、あるいは当業者によく知られている、CRTまたは他のチューブ装置のような、非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、この実施形態を記載するために、ディスプレイ30は、この中に記載されている干渉変調器ディスプレイを含む。
【0030】
例示的なディスプレイ装置40の1つの実施形態の構成要素は、図6Bに模式的に示されている。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41と、その中に少なくとも部分的に入れられた追加の構成要素とを含む。例えば、1つの実施形態では、例示的なディスプレイ装置40はネットワークインターフェイス27を含み、ネットワークインターフェイス27はアンテナ43を含み、アンテナ43はトランシーバ47に接続されている。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウエア52に接続されている。調整ハードウエア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタにかける)ように構成される。調整ハードウエア52は、スピーカ44およびマイクロフォン46に接続されている。プロセッサ21は、入力装置48およびドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレーム緩衝器28およびアレイドライバ22に接続され、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に接続されている。電源50は、特定の例示的なディスプレイ装置40の設計によって要求されるように、全ての構成要素に電力を与える。
【0031】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43およびトランシーバ47を含み、したがって例示的なディスプレイ装置40は、ネットワーク上で1つ以上の装置と通信することができる。1つの実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、若干の処理能力ももち、プロセッサ21の要件を緩和する。アンテナ43は、信号を送受信するための、当業者に知られている任意のアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE 802.11標準にしたがって、RF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナは、ブルートゥースの標準にしたがって、RF信号を送受信する。セルラ電話の場合は、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS、または無線セル電話ネットワーク内で通信するのに使用される他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信した信号を前処理し、それらはプロセッサ21によって受信され、さらに処理される。また、トランシーバ47が、プロセッサ21から受信した信号を処理し、それらが信号を例示的なディスプレイ装置40からアンテナ43を介して送信されることもある。
【0032】
別の実施形態では、トランシーバ47を受信機と置換することができる。また別の実施形態では、ネットワークインターフェイス27を画像源と置換することができ、これは画像データを記憶または生成して、プロセッサ21へ送ることができる。例えば、画像源は、画像データを含むディジタルビデオディスク(digital video disc, DVD)またはハードディスクドライブ、あるいは画像データを生成するソフトウエアモジュールであってもよい。
【0033】
プロセッサ21は、一般に、例示的なディスプレイ装置40の全体的な動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインターフェイス27または画像源から、圧縮画像データのようなデータを受信し、このデータを、生の画像データか、または生の画像データに容易に処理されるフォーマットへ処理する。次に、プロセッサ21は、処理されたデータをドライバ制御装置29か、またはフレーム緩衝器28へ送って、記憶させる。生のデータは、一般に、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を指す。例えば、このような画像特性は、色、飽和度、グレースケールレベルを含むことができる。
【0034】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、マイクロ制御装置、CPU、または論理ユニットを含み、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御する。調整ハードウエア52は、一般に、信号をスピーカ44へ送信し、かつ信号をマイクロフォン46から受信するための増幅器およびフィルタを含む。調整ハードウエア52は、例示的なディスプレイ装置40内のディスクリートな構成要素であっても、またはプロセッサ21または他の構成要素内に組込まれていてもよい。
【0035】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21によって生成された生の画像データを、プロセッサ21から直接に、またはフレーム緩衝器28から取入れ、生の画像データを適切に再フォーマットして、アレイドライバ22へ高速で送信する。具体的には、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ディスプレイアレイ30全体を走査するのに適した時間順をもつように、ラスタのようなフォーマットをもつデータ流へ再フォーマットする。その後で、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22へ送る。LCD制御装置のようなドライバ制御装置29は、スタンドアローン型集積回路(Integrated Circuit, IC)のようなシステムプロセッサ21と関係付けられることが多いが、このような制御装置は多くのやり方で構成される。これらは、プロセッサ21内にハードウエアとして埋め込まれるか、プロセッサ21内にソフトウエアとして埋め込まれるか、またはハードウエアにおいてアレイドライバ22と完全に統合される。
【0036】
一般に、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29から、フォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを波形の並列の組へ再フォーマットし、これらは、ディスプレイのx−yの行列の画素からの数百、ときには、数千本のリード線へ毎秒何度も加えられる。
【0037】
1つの実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、この中に記載されている任意のタイプのディスプレイに適している。例えば、1つの実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置または双安定ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。別の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と統合される。このような実施形態は、セルラ電話、腕時計、および他の小面積ディスプレイのような、高統合システムにおいて共通である。また別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、一般のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0038】
入力装置48は、ユーザが例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するのを可能にする。1つの実施形態では、入力装置48は、QWERTYキーボードまたは電話のキーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンシティブスクリーン、圧感または温感メンブレンを含む。1つの実施形態では、マイクロフォン46は、例示的なディスプレイ装置40のための入力装置である。マイクロフォン46を使用して、データを装置へ入力するとき、ユーザは、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するための音声命令を与える。
【0039】
電源50は、この分野においてよく知られている種々のエネルギー記憶装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池のような充電式電池である。別の実施形態では、電源50は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池および太陽電池塗料を含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は、壁付きコンセントから電力を受信するように構成されている。
【0040】
いくつかの実行では、既に記載したように、制御プログラミング性は、電子ディスプレイシステム内の幾つかの場所に配置することができるドライバ制御装置内にある。いくつかの場合に、制御プログラミング性は、アレイドライバ22内にある。当業者には、上述の最適化が、多数のハードウエア構成要素またはソフトウエア構成要素、あるいはこの両者、および種々の構成において実行されることが分かるであろう。
【0041】
上述で示した原理にしたがって動作する干渉変調器の構造の細部は、大きく異なってもよい。例えば、図7Aないし7Cは、可動ミラー構造の3つの異なる実施形態を示している。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属材料14のストリップが、直交して延在している支持体18上に蒸着されている。図7Bでは、可動反射材料14は、角部のみにおいて、テザー32上の支持体に取付けられている。図7Cでは、可動反射材料14は、変形可能な層34から吊り下げられている。反射材料14に使用される構造的設計および材料を、光特性に対して最適化し、かつ変形可能な層34に使用される構造的設計および材料を、希望の機械特性に対して最適化することができるので、この実施形態は有益である。例えば、米国公開出願第2004/0051929号を含む、種々の公開された文献には、種々のタイプの干渉計装置の生成が記載されている。一連の材料の蒸着、パターン化、およびエッチングのステップを含む多様な周知の技術を使用して、上述の構造を生成してもよい。
【0042】
干渉変調器のパッケージング技術は、別途より詳しく記載される。干渉変調器は、一般的に、可動ミラー14a、14bのような移動部分を含み、移動部分は、移動するための保護空間をもたなければならない。干渉変調器のための基本的なパッケージ構造700の模式図は、図8に示されている。図8に示されているように、基本的なパッケージ構造700は、透明基板710と、バックプレーンカバーまたは“キャップ”720とを含む。図8に示されているように、干渉変調器730は、パッケージ構造700内にカプセル化されている。環境内の有害要素から干渉変調器730を保護するために、バックプレーン720および透明基板701が一緒にシールされることが好ましい。
【0043】
図8に示されている実施形態にしたがって、干渉変調器をパッケージ化する方法を、別途詳しく記載する。この中に記載されているパッケージおよびパッケージング方法は、制限はしないが、上述の干渉変調器を含む干渉変調器をパッケージ化するのに使用される。
【0044】
既に記載したように、干渉変調器730は、透明基板を通る光を反射するように構成され、可動ミラー14a、14bのような移動部分を含む。したがって、このような移動部分が移動するのを可能にするために、このような移動部分とバックプレーン720との間にギャップまたは空洞770を生成することが好ましい。ギャップまたは空洞770は、干渉変調器730の可動ミラー14a、14bのような機械部分が移動するのを可能にする。1つの実施形態では、図8に示されているように、凹部領域をもつバックプレーン720が透明基板710に接合されるとき、ギャップまたは空洞770が生成されることが分かるであろう。
【0045】
透明基板710は、薄膜MEMS装置をその上に作ることができる透明基板である。このような透明基板は、制限はしないが、ガラス、プラスチック、および透明ポリマを含む。画像は、画像化表面として働く透明基板710を通して表示される。
【0046】
1つの実施形態にしたがうと、干渉変調器730は、透明基板710上に形成されることが好ましい。干渉変調器730の固定ミラー16a、16bは透明基板に隣り合い、可動ミラー14a、14bは固定ミラー16a、16bの上に形成され、したがって可動ミラー14a、14bは、図8に示されている実施形態のパッケージ構造700の空洞770内を移動することが分かるであろう。
【0047】
干渉変調器730を形成するために、透明基板710は、1つの実施形態において、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide, ITO)でカバーされる。ITOは、化学蒸着法(chemical vapor deposition, CVD)およびスパッタリングを含む標準の蒸着技術によって、好ましくは約500Åの厚さに蒸着される。ITOの上には、クロムの比較的に薄い層が蒸着されることが好ましい。次に、ITO/クロムの二重層をエッチングして、列へパターン化して、列電極16a、16bを形成する。二酸化シリコン(SiO)の層をITO/クロムの列の上に形成して、部分反射性の固定ミラー16a、16bを生成することが好ましい。シリコン(Si)の犠牲層を構造の上に蒸着して、固定ミラー16a、16bと可動ミラー14a、14bとの間に共振光空洞を生成することが好ましい。別の実施形態では、この犠牲層は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、またはチタン(Ti)から形成される。
【0048】
好ましくはアルミニウムから形成される別のミラー層を、シリコンの犠牲層の上に蒸着し、干渉変調器730の可動ミラー14a、14bを形成する。このミラー層を蒸着して、列電極16a、16bに直交する行へパターン化し、上述の行/列アレイを生成する。別の実施形態では、このミラー層は、例えば、銀(Ag)または金(Au)のような、高反射性金属を含んでもよい。その代りに、このミラー層は、適切な光および機械特性を与えるように構成された金属のスタックであってもよい。
【0049】
固定ミラー16a、16bと可動ミラー14a、14bとの間に光空洞を生成するように、可動ミラー14a、14bを形成した後で、シリコンの犠牲層を、好ましくはガスエッチング処理を使用して除去する。1つの実施形態では、別途詳しく記載するように、バックプレーンを、バックプレーンまたは周囲シール内の開口部を通して透明基板に接合した後で、この犠牲層を除去する。標準のエッチング技術を使用して、シリコンの犠牲層を除去してもよい。個々の解放エッチングは、解放される材料に依存する。例えば、二弗化キセノン(xenon diflouride, XeF)を使用して、シリコンの犠牲層を除去してもよい。別の実施形態では、バックプレーン720を透明基板710に接合する前に、ミラー16a、16b、14a、14b間のシリコンの犠牲層を除去する。当業者には、干渉変調器730の各層を、標準の蒸着技術および標準のフォトリソグラフィック技術を使用して、蒸着し、パターン化することが好ましいことが分かるであろう。
【0050】
当業者には、バックプレーン720が機械的機能を果たし、環境内の汚染物質から干渉変調器730を保護することが分かるであろう。バックプレーン720は、透明基板710およびシール740(別途より詳しく記載する)と共に、機械的干渉、水分、および汚染物質ガスが、パッケージ700内の干渉変調器730に到達し、潜在的に損傷を与えるのを防ぐ。したがって、バックプレーン720は、透明または不透明の、導電性または絶縁性の、適切な材料から形成される。バックプレーン720のための適切な材料は、制限はしないが、ガラス(例えば、フロート、1737、ソーダ石灰)、プラスチック、セラミック、ポリマ、積層板、並びに金属および金属フォイル(例えば、ステンレススチール(SS302、SS410)、コバール、めっきされたコバール)を含む。
【0051】
一般に、透明基板710およびバックプレーン720を接合して、パッケージ構造700を形成するのに、シーリング手段またはシール740が与えられる。シール740は、一般に、従来のエポキシを用いた接着剤のような、セミハーメチックシールである。別の実施形態では、シール740は、シールの中でも、とくに、ポリイソブチレン(Polyisobutylene, PIB)、オーリング、ポリウレタン、薄膜金属溶接、液体スピンオンガラス(liquid spin-on glass)、はんだ、ポリマ、またはプラスチックであってもよい。さらに別の実施形態では、シール740は、ハーメチックシールであってもよい。
【0052】
バックプレーン720および透明基板710が接合されると、シール740は硬化され、固められる。当業者には、バックプレーン720と透明基板710との間の固められるシール740は、パッケージ構造700を個々のアレイに分割した後で適用されるシールとは異なることが分かるであろう。
【0053】
一般に、1つの透明基板上に干渉変調器のいくつかのアレイを製造し、バックプレーンを適用し、その後で、構造を個々のアレイに分割することが望ましい。シール740が固められると、構造は、機械またはレーザでスクライブされるか、あるいは、さもなければ、分割の準備をされる。シール740または他の要素に依存して、分割後に、個々のパッケージ構造またはアレイにエンドシールを適用することが必要である。
【0054】
エンドシールの開口部をもつパッケージ構造800の実施形態の側面図は、図9Aに示されている。エンドシールの開口部は、一般に、(図9Bに示されている)連続的でない周囲シール内の開口部か、または図9Aに示されているバックプレーン820内の開口部または穴850である。図9Cは、図9Bに示されている実施形態の上平面図である。図9Bおよび9Cに示されているように、周囲シールは連続的に施されず、シール840内に開口部860を残す。
【0055】
図9Dないし9Gに示されているように、バックプレーンには2つ以上の開口部850があってもよいことが分かるであろう。図9Aに示されている実施形態では、開口部または穴850を閉じて、エンドシールまたはシールされた開口部を形成し、例えば、金属またはガラスのキャップ、金属フォイル、接着剤、はんだ、あるいはUVまたは熱硬化ポリマのパッケージ800を完成する。
【0056】
金属キャップには、他の使用があることが分かる。例えば、金属キャップを、無線周波数(radio-frequency, RF)信号に使用する電子インターフェイスを含むプリント回路基板(printed circuit board, PCB)のバックプレーンから形成されるバックプレーンに使用してもよい。PCBのバックプレーンは、バックプレーンに統合される回路の保護として役立つだけでなく、RF回路の必要も向上する。例えば、金属キャップが、RFの強化または保護のために含まれることもある。PBCのバックプレーンまたは干渉変調器は、アンテナ特性も取入れ、制限はしないが、例えば、金属のバックプレーンまたは金属のキャップを、セルラ電話のアンテナとして使用することを含む。
【0057】
パッケージング処理にこのような開口部または穴850を使用すると、周囲条件において、すなわち圧力制御されるチャンバの外で、パッケージングを行うことができる。一般に、周囲条件とは、通常は、温度が約70°Fで、かつ相対湿度が約40ないし60%の範囲内の、より好ましくは約50%の無塵のクリーンルームの実験室条件である。開口部または穴850は、パッケージ800内の圧力を逃がすのを可能にし、したがって、パッケージ800内で圧力は増大しないので、接合またはシーリング処理中に、圧力のために透明基板810およびバックプレーン820が分離することはない。パッケージ内の圧力を開口部850を通して逃がすのを可能にすると、パッケージ800内に一定の圧力が与えられ、さらに加えて、シールが均一な厚さで施されなくても、より均一なシール幅が可能になる。
【0058】
開口部または穴850は、材料がパッケージ800を出入りするのを可能にするようにも構成される。とくに、別途より詳しく記載するように、開口部または穴850は、スペーサまたは犠牲層を除去するために、干渉変調器830に溶剤を適用するのを可能にするようにも構成される。別途より詳しく記載するように、当業者には、エンドシールが必須ではないことが分かるであろう。
【0059】
一般に、パッケージ構造800への水蒸気の浸透を最小化し、したがって、パッケージ構造800内の環境を制御することが望ましい。周囲環境とは無関係に、パッケージ構造800内の環境を一定に維持することを保証するために、パッケージ構造800はハーメチックシールされる。ハーメチックシーリング処理の例は、米国特許第6,589,625号に開示されており、ここでは、これを全体的に参考によって取入れる。
【0060】
ハーメチックシールをもつ1つの実施形態では、シール840は、全ての空気および水蒸気が、シール840を通って流れ、パッケージ構造800に入るのを防ぐ環境バリアとして働くハーメチックバリアである。ハーメチックシールのための適切な材料は、制限はしないが、溶接、はんだ、およびゼオライトのようなモレキュラーシーブと混合される接着剤を含む。接着剤成分だけでは、水分および他の汚染物質がパッケージ構造800内に浸透するのを、最後には許してしまうので、適切な環境バリアとして働くことができない。溶接およびはんだ付けのような他のシーリング技術に比べて、シール840は非常に薄く、かつコスト安であるので、上述の材料の1つのセミハーメチックシール840は、空間が重要な意味をもつ環境には、望ましい。セミハーメチックシール840が、簡単なインライン製造処理において適用されるのに対して、ハーメチックシールの溶接およびはんだ付けの技術は、パッケージ構造800に損傷を与える可能性のある非常に高温の処理を必要とし、比較的にコスト高であり、溶接またははんだ付けされたシールはより厚いので、より大きい空間を占める傾向がある。セミハーメチックシールは、任意のモレキュラーシーブまたは乾燥剤と混合されない接着剤を含んでもよいことが分かるであろう。
【0061】
1つの実施形態では、ゼオライトは、アルミノ珪酸ナトリウムのような、アルミノ珪酸塩構造の鉱物を含んでもよい。別の実施形態では、ゼオライトは、微孔性の珪酸塩構造の鉱物を含む。分子レベルで吸収フィルタとして働くことができる、ゼオライト以外の、活性成分も使用できることが分かるであろう。1つの実施形態では、接着剤は、低ガス放出接着剤であってもよい。別の実施形態では、接着剤は、種々のガス放出度の接着剤であってもよい。シールに使用される乾燥剤は、二酸化カルシウム、酸化ストロンチウム(SRO)、シリカゲル、モンモリロナイトクレー(好ましくは、珪酸マグネシウムアルミニウム)、モレキュラーシーブ(Na12AlOSiO212XHOのようなゼオライト)、または硫酸カルシウムである。
【0062】
当業者には、シール840の材料の量が、パッケージ構造800の寿命中にパッケージ構造800から除去する必要のある水分または汚染物質ガスの推定量に依存することが分かるであろう。シール840の材料の量は、パッケージが形成されたときのパッケージ構造800内部の水分または汚染物質ガスの量だけでなく、シール800の浸透率およびパッケージの構成要素のガス放出の潜在性にも依存する。
【0063】
ゼオライトは、比較的に高温で水分子を吸収する。ゼオライトは、その孔の中に水分および汚染物質ガスを閉じ込めることができる。当業者には、異なる汚染物質を吸収するためのシール840の材料に、異なる孔のサイズをもつゼオライトを選択できることが分かるであろう。1つの実施形態では、10オングストロームまでの臨界直径をもつ芳香族側鎖炭化水素のような汚染物質分子を吸収するゼオライトが選択される。別の実施形態では、水素および水分分子のような、2オングストローム未満の直径をもつ汚染物質分子を吸収するための、2ないし3オングストロームの孔のサイズをもつゼオライトが選択される。さらに別の実施形態では、窒素および二酸化炭素分子を吸収するために、約50オングストローム(50Å)の孔のサイズをもつゼオライトを使用することができる。当業者には、ハーメチックシール840が、種々の孔のサイズをもつゼオライトの混合物を含んでもよいことが分かるであろう。
【0064】
シール840は、一般に、透明基板810に、その周囲に沿って、干渉変調器830の周りに適用される。当業者には、パッケージ800が2つ以上の干渉変調器830を含む実施形態では、シール840が、一般に、透明基板810に、複数の干渉変調器830の周囲の周りに適用されることが分かるであろう。ある特定の実施形態では、シール840は、好ましくは、約1ないし20ミクロンの範囲、より好ましくは、約12ないし18ミクロンの範囲、さらにより好ましくは、15ミクロンの厚さに形成される。当業者には、シール840の厚さが、装置の推定寿命、シール840の材料、寿命中にパッケージ構造800内へ浸透すると推定される汚染物質および水分の量、周囲環境の湿度、乾燥剤がパッケージ構造800内に含まれるかどうか、並びにバックプレーン820および透明基板810の平坦度を含む種々の要素に依存することが分かるであろう。次に、バックプレーン820を透明基板810の上に置き、透明基板810およびバックプレーン820をシール840によって一緒にシールして、パッケージ構造800を形成する。
【0065】
いくつかの実施形態では、接着剤の外部ビード(図示されていない)をシール840の周囲の周りに適用する。外部ビードは、低浸透率の接着剤を含み、パッケージ構造800に付加的な環境的保護を与えることができる。接着剤の外部ビードは、シール840単独では、実行不可能な量の活性成分を装填しなければ、効果的なハーメチックシールとして働くことができない大量の汚染物質を含む環境において、有益である。例えば、シール840が、高い割当て分のゼオライト(例えば、重さで、ゼオライトが60%より多い)を含むとき、微視的に多孔性になり、かつ非常に粘性を帯び、したがって適用するのが困難になる。このような高い割当て分のゼオライトをもつシール840は、パッケージ構造800に丈夫な機械的支援を与えない。外部ビードは、付加的な機械的支援も与える。
【0066】
図9Aに示されているように、バックプレーン820は、その中に少なくとも1つの開口部850を備えて形成される。二弗化キセノン(XeF)のような剥離材料を、開口部を通して、パッケージ構造800の内部へ取り入れて、干渉変調器830内の(固定ミラー16a、16bと可動ミラー14a、14bとの間の)犠牲層を除去してもよい。これらの開口部850の数およびサイズは、犠牲層の希望除去率に依存する。
【0067】
モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、またはチタン(Ti)の犠牲層を除去するために、バックプレーン820内の開口部850を通してパッケージ構造800の内部へ二弗化キセノン(XeF)を取入れてもよい。バックプレーン820内のこのような開口部850は、バックプレーン820内の開口部をエッチングすることによって生成されることが好ましい。二弗化キセノン(XeF)は犠牲層と反応し、それを除去する。バックプレーン820を透明基板810に接合した後に、スピンオンガラスまたは酸化物から形成された犠牲層をガスエッチングまたは気相エッチングして、それを除去することが好ましい。当業者には、除去処理が犠牲層の材料に依存することが分かるであろう。
【0068】
犠牲層を除去した後で、バックプレーン820内の開口部850をシールすることが好ましい。1つの実施形態では、熱またはUV硬化ポリマを使用して、これらの開口部をシールする。開口部は、金属またはガラスのキャップ、金属フォイル、接着剤、溶接、またははんだでもシールされる。当業者には、他の材料も使用してよいこと、および高粘性の材料が好ましいことが分かるであろう。
【0069】
別の実施形態では、犠牲層を除去した後で、開口部850をシールする前に、乾燥剤を、蒸気の形で、例えば、開口部850を通して、パッケージ構造800内に適用することができる。ある特定の実施形態では、図10に示されているように、乾燥剤860の一部分は、バックプレーン820の内側表面に含まれる、または適用される。さらに加えて、より多くの、または別のタイプの乾燥剤を開口部850を通してパッケージ800内に適用することができる。開口部850のサイズは、小さいことが好ましく、したがって、真空または圧力駆動力なしに、開口部を通してパッケージ内へ移動する空気の量は十分に少ないので、バックプレーン820を透明基板810へ接合する前に、高吸収性の乾燥剤または遅い吸収性の乾燥剤の両者をバックプレーン820内へ取入れることができる。好ましい実施形態では、開口部850は、約10ないし100ミクロンの範囲の直径をもつ。開口部850は、組立て前に乾燥剤860をバックプレーン820内に取入れ、かつ若干のガスまたはエッチング剤を開口部850を通して注入して、乾燥剤860を活性化するか、またはパッケージ800内に追加の乾燥剤を蒸着させることを可能にする。
【0070】
既に記載したように、乾燥剤を使用して、パッケージ構造800内に存在する水分を制御してもよい。しかしながら、シール840が完全にハーメチックであるときは、水分が雰囲気からパッケージ構造800の内部に移動するのを防ぐのに、乾燥剤は必要ない。
【0071】
乾燥剤の必要を無くすと、パッケージ構造800をより薄くすることもでき、これは望ましい。しかしながら、ある特定の実施形態では、セミハーメチックシールをもつものが望ましい。一般に、乾燥剤を含むパッケージにおいて、装置の寿命の予想は、乾燥剤の寿命に依存する。乾燥剤が完全に消費されると、干渉変調器を損傷するのに十分な水分がパッケージ構造内に入るので、干渉変調器のディスプレイが故障する。装置の理論上の最大寿命は、パッケージへの水蒸気の流れと、乾燥剤の量およびタイプによって判断される。
【0072】
ハーメチックシールをもつパッケージ構造の実施形態では、装置の寿命は、乾燥剤の容量、またはシールの形状に依存しないことが分かる。このようなパッケージ構造では、乾燥剤が消費することにより、干渉変調器は故障しない。
【0073】
既に記載したように、乾燥剤は、パッケージ構造800内に存在する水分を低減するのに使用される。乾燥剤は、ハーメチックシールまたはセミハーメチックシールの何れかをもつパッケージに使用される。セミハーメチックシールをもつパッケージでは、乾燥剤は、環境からパッケージ内へ移動する水分を制御するのに使用される。当業者には、乾燥剤はハーメチックシールされたパッケージに必要なのではなく、パッケージ構造800内の水分を制御するのに望ましいことが分かるであろう。ハーメチックシールをもつパッケージでは、製造処理中にパッケージ内へ移動する水分を吸収するために、パッケージ内に乾燥剤を与える。
【0074】
一般に、水分を閉じ込める一方で、干渉変調器830の光学特性を干渉しない物質が、乾燥剤として使用される。適切な乾燥剤材料は、制限はしないが、ゼオライト、モレキュラーシーブ、表面吸収剤、バルク吸収剤、化学反応物を含む。当業者には、環境内の汚染物質ガスの推定量、および乾燥剤材料の吸収率および量を含む種々の要素に基いて、乾燥剤材料を選択すべきであることが分かるであろう。
【0075】
乾燥剤の形状、形態、およびサイズは様々であってもよい。乾燥剤は、固体状のほかに、粉末状であってもよい。これらの粉末は、パッケージ内へ直接に挿入しても、または接着剤と混合して、適用してもよい。別の実施形態では、乾燥剤を、パッケージ内に適用する前に、円柱形またはシート形のような種々の形態に形成してもよい。
【0076】
別の実施形態では、透明基板810およびバックプレーン820を接合した後で、乾燥剤を適用してもよい。この実施形態にしたがうと、図9Aに示されているように、小さい穴または開口部850がバックプレーン820内に形成される。当業者には、2つ以上の穴または開口部をバックプレーン820内に形成してもよいことが分かるであろう。図9Aに示されている実施形態では、バックプレーン820を透明基板810へ接合する前に、開口部または穴850を形成することが好ましい。開口部または穴850は、バックプレーン820および透明基板810を一緒にシールした後で、乾燥剤を個々のパッケージ構造800に注入するのを可能にする。この実施形態では、シールされたパッケージ構造800を形成して、パッケージ構造800の内部を、取り囲んでいる周囲環境から隔離するために、開口部または穴850をシールすることも必要である。当業者には、開口部または穴850が完全な周囲シール処理を容易にして、周囲シール840に使用される一般的なLCDタイプのエンドシールの開口部を無くすこともできることが分かるであろう。バックプレーン820内の開口部または穴850は、乾燥剤をパッケージ800内へ注入した後で、シールされることが好ましい。
【0077】
当業者には、ある特定の実施形態では、自己整合性単分子膜、すなわちアンチスティクションコーティングをパッケージ800内に適用すると、干渉変調器830の移動部分(すなわち、要素14a、14b)を移動し易くすることができることも分かるであろう。自己整合性単分子膜は、開口部850を通して、パッケージ構造800の内部へ適用することができる。単分子膜は、移動部分上の表面摩擦を低減するか、または移動部分から水蒸気をはじくか、あるいはこの両者を行うように構成された材料を含むことが好ましい。自己整合性単分子膜のための例示的な材料は、制限はしないが、フルオロシラン、クロロフルオロシラン、メトキシシラン、トリクロロシラン、パーフルオロデカンカルボン酸、オクタデシルトリクロシラン(octadecyltrichlorosilane, OTS)、ジクロロジメチルシラン、あるいは疎水性または焦げ付き防止材料、例えば、PTFE、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリスチレン、ポリウレタン(標準硬化性および紫外線硬化性の両者)、疎水性成分(例えば、ポリメチルメタクリレート)を含むブロック共重合体、または(とくに、ポリシロキサンをもつ)ポリシラジンを含む。いくつかの実施形態では、自己整合性単分子膜の例示的な材料は、制限はしないが、グラファイト、ダイヤモンドのような炭素(diamond-like carbon, DLC)、炭化珪素(SiC)、水素化ダイヤモンドコーティング、または弗化DLCの中の1つ以上のような無機材料を含む。移動部分間に水蒸気が存在すると、移動部分を分けるのに必要な力が増加し、不都合である。したがって、表面摩擦が低減するか、または移動部分上で水蒸気を集めることができるか、あるいはこの両者であるときは、移動部分を分けるのに必要な力が低減する。しかしながら、通常の周囲湿度レベルは、パッケージ800内の干渉変調器830の機能に悪い影響を与えるのに十分な水蒸気を与えないことが分かるであろう。
【0078】
一般に、干渉変調器は、有機発光ダイオード(organic light emitting diode, OLED)ディスプレイの湿度要件に対して、(例えば、約10%までの)より高い許容度をもつ。パッケージ800がセミハーメチックまたはハーメチックシールであっても、水蒸気がその中に浸透することがある。パッケージ800内に乾燥剤を置いた、ある特定の実施形態では、乾燥剤の容量に依存して、一定量の水分の浸透を許すことができる。しかしながら、許容レベルよりも多い量の水分または水蒸気が存在するとき、または望ましい量よりも多くの水がパッケージ800内に浸透したときは、干渉変調器830は、寿命がより短くなるか、または適切に動作しなくなる可能性がある。さらに加えて、ある特定の実施形態では、組み立て中に生成された、または浸透した、あるいはこの両者の水分が、パッケージの組立てが完了する前に、適切に除去されないことがある。その上、乾燥剤のないパッケージ内の相対湿度レベルは、干渉変調器830が、その期待寿命の間、適切に動作するように、とくに許容レベルよりも低く維持されるべきである。
【0079】
図9Bに示されているように、パッケージ構造800は、バックプレーン820内の開口部ではなく、またはこれに加えて、周囲シール840内に開口部860をもつことができる。シール840内の開口部860は、周囲条件においてパッケージ化を可能にすることと、剥離材料、乾燥剤、および自己整合性単分子膜を取り入れることとを含めて、バックプレーン820内の開口部について既に記載した長所と同じ長所をもつ。この実施形態では、バックプレーン内の開口部と同様に、透明基板810とバックプレーン820とを接合して、希望であれば、乾燥剤、剥離材料、および自己整合性単分子膜を取り入れた後で、シール840内の開口部860を閉じて、シールされた開口部を形成することが好ましい。好ましい実施形態では、開口部860は、好ましくはUVまたは熱硬化性のポリマでシールされる。ポリマは周囲シール840よりも粘性が低く、表面張力が増して、したがって、ポリマが開口部860を完全にシールするのを助けることが好ましい。
【0080】
図11Aおよび11Bは、1つの実施形態にしたがって、パッケージから水蒸気を除去する処理を示す模式図を示している。図11Aのパッケージ900は乾燥剤970を含み、一方で図11Bのパッケージ900は含まない。図11Cは、図11Bに示されている実施形態の上平面図である。図11Cに示されているように、シール940内に注入口960および放出口980を生成するために、シール940は連続的に施されない。水蒸気除去処理は、別途より詳しく記載する。この中で使用されているように、“水蒸気”という用語は、制限はしないが、パッケージ内部の表面上の液体状の水、(気相の)気体状の水、または凝縮された水を含む任意の種類の水を含む。
【0081】
図11AおよびBに示されているように、注入口960および放出口980は、シール940内に定められている。1つの実施形態では、注入口960は、ガスをパッケージ900の内部へ供給するように構成され、放出口980は、水蒸気がパッケージ900から出て行くのを可能にするように構成されている。図11Aおよび11Bに示されている実施形態では、1つの注入口および放出口が、シール940内に定められている。
【0082】
別の実施形態では、シール内に1つの注入口と複数の放出口とが定められている。1つの実施形態では、注入口960および放出口980の少なくとも1つが、スクライバを使用して形成される。この実施形態では、注入口960および放出口980の形態は、実質的に円形である。別の実施形態では、注入口960および放出口980は、円形以外の形態であってもよい。当業者には、その代りに、注入口960または放出口980、あるいはこの両者を、ドリリングによって、または任意の他の適切なツールを使用して形成してもよいことが分かるであろう。
【0083】
ある特定の実施形態では、注入口960および放出口980は実質的に同じサイズをもつ。別の実施形態では、注入口960および放出口980は、異なるサイズであってもよい。例えば、注入口960のサイズは、放出口の穴980のサイズよりも大きくてもよい。その代りに、別途より詳しく記載するように、水蒸気を除去した後で、注入口960および放出口980のサイズを、それらをどのように効果的または容易にシールするかの基準によって判断してもよい。言い換えると、シーリングを効果的に行うことができる限り、注入口960および放出口980は、どんなサイズでもよい。注入口960および放出口980の少なくとも一方の直径は、好ましくは、約10ミクロンないし2ミリメートルの範囲、より好ましくは、約500ミクロンないし1.5ミリメートルの範囲、さらにより好ましくは、約1ミリメートルである。
【0084】
注入口960および放出口980は、シール940内に同時に定めてもよい。その代りに、注入口960および放出口980の一方を最初に定めて、その後で、他方をシール940内に定めてもよい。例えば、注入口960を最初に形成して、ガスを注入口960を通して、パッケージ900内へ取入れた後で、放出口980を形成してもよい。この実施形態では、パッケージ900の内部のガスの圧力を高めて、水蒸気除去処理を向上することができる。
【0085】
1つの実施形態では、パッケージ900内に取入れられるガスは、乾性不活性ガス、好ましくは、窒素分子Nである。別の実施形態では、ガスはアルゴンである。ガスは、例えば、圧力、乾燥、追出し(ブローイング)、またはバキューミング(吸引)によって、パッケージ900の内部の水蒸気を除去するのに効果的な任意のタイプのガスであることが分かるであろう。ガスは、例えば、加熱空気、加熱ガス、または乾性ガスである。
【0086】
水蒸気の全てが実質的に除去されるまで、ガスは注入口960を通してパッケージ900の内部へ連続的に供給される。1つの実施形態では、水蒸気が実質的に除去されたかどうかは、放出口980において湿度を監視して、放出口980から出て行くガスの湿度を測定することによって判断することができる。
【0087】
また別の実施形態では、水蒸気の少なくとも一部分は、真空ポンプを使用して、パッケージ900の内部から、パッケージ900内の開口部を通して、例えば、除去することができる。供給されるガスは、水蒸気のほかに、他の不要な物質(例えば、塵、他の不要な粒子、または液体物質)も除去することができる。この実施形態では、パッケージ900をチャンバ(または真空チャンバ)内に置き、チャンバを真空にし、それを窒素またはアルゴンのような乾性ガスで再充填することによって、ガスをパッケージ900内へ供給する。この実施形態では、少なくとも部分的な真空をパッケージ900の周りに生成し、パッケージ900の内部から水蒸気を抜き取る。この実施形態では、パッケージ900内に1つのみの開口部が必要であることが分かるであろう。したがって、この実施形態では、注入口960および放出口980の両者をもつ必要はない。
【0088】
1つの実施形態では、水蒸気は、パッケージ900の組立て処理中に除去される。この実施形態では、既に記載したように、干渉変調器930の犠牲層を最初にエッチングで除去する“剥離(release)”または除去処理を使用することができる。次に、シール940内に形成された注入口960を通してパッケージ内に取入れられるキャリアガス(例えば、窒素またはアルゴン)を使用して、パッケージ900の内部の水蒸気(および/または、望ましくない、あるいは不要な物質)を除去することができる。1つの実施形態では、除去処理は、例えば、XACIA(米国)から販売されているX3 Series XetchおよびPenta Vacuum(シンガポール)から販売されているMEMS ETCHERのような、MEMSエッチングシステムによって行われる。
【0089】
図12は、別の実施形態にしたがって、パッケージの内部から水蒸気を除去する処理を示す模式図である。この実施形態では、バックプレーンを透明基板にシールでシーリングして、干渉変調器をカプセル化するのではなく、その代りに、薄膜1020を透明基板1010の上に蒸着し、犠牲層を干渉変調器1030の上に形成する。この実施形態では、別々のシールは不要である。その代わりに、図12に示されているように、注入口1040および放出口1050が薄膜1020内に形成される。干渉変調器1030の移動部分(例えば、機械部品14a、14b)が移動できる空洞を生成するのに、犠牲層を取除く必要があることが分かるであろう。犠牲層を除去するために、二弗化キセノン(XeF)のような、剥離材料を、薄膜1020内の開口部1040、1050を通して、パッケージ構造1000の内部へ取入れて、犠牲層を除去する。犠牲層を除去した後で、上述の方法を使用して、パッケージ内の水蒸気を除去してもよい。薄膜のバックプレーンをもつパッケージ構造は、2005年1月28日に出願された米国特許出願第11/045,738号に記載されており、これは、この中で全体的に取入れられている。
【0090】
図13は、別の実施形態にしたがって、パッケージ1100から水蒸気を除去する処理を示す模式図である。この実施形態では、注入口1150は、シール1140内ではなく、バックプレーン1120内に形成されている。既に記載したように、バックプレーン1120は、ガラス、金属、または可撓性ポリマのような材料から形成されているので、例えば、スクライバまたはレーザを使用して、バックプレーン1120内に注入口1150を効果的に生成することができる。図13に示されているように、不連続のシールを施すことによって、放出口1160をシール1140内に形成するのが好ましい。注入口1150を通してパッケージ1100内へガスを供給して、水蒸気または不要な物質、あるいはこの両者を除去してもよい。その代りに、注入口をシール内に形成し、放出口をバックプレーン内に形成してもよいことが分かるであろう。
【0091】
図14は、別の実施形態にしたがって、パッケージ1200から水蒸気を除去するためのパッケージ構成を示す模式図である。この実施形態では、注入口1250および放出口1260の両者は、図13に示されているように、シール1240内ではなく、バックプレーン1220内に形成されている。注入口1250および放出口1260が形成されると、ガスをパッケージ1200内へ供給して、水蒸気または不要な物質、あるいはこの両者を除去する。注入口1250および放出口1260は、バックプレーン1220の組立て処理中に、バックプレーン1220内に形成されることが分かるであろう。
【0092】
図15は、また別の実施形態にしたがって、パッケージ1300から水蒸気を除去するためのパッケージ構造を示す模式図である。この実施形態では、図15に示されているように、注入口1350は、透明基板1310内に形成され、放出口1360は、不連続のシールを施すことによってシール1340内に形成される。既に記載したように、透明基板1310は、例えば、ガラス、プラスチック、またはポリマのような材料から形成されているので、注入口1350は、例えば、スクライバまたはレーザを使用して、透明基板1310内に効果的に定めることができる。注入口1350および放出口1360が形成されると、ガスをパッケージ1300内に取入れて、パッケージの内部から水蒸気を除去する。
【0093】
図16Aないし16Cは、別の実施形態にしたがって、パッケージ1400から水蒸気を除去する処理を示す模式図である。この実施形態では、1つのみの開口部がパッケージ1400内に形成されていることが好ましい。図16Aに示されているように、開口部1450をシール1440内に形成してもよい。その代りに、図16Bに示されているように、開口部1460をバックプレーン1420内に形成してもよい。別の実施形態では、図16Cに示されているように、開口部1470を透明基板1410内に形成してもよい。これらの実施形態では、加熱空気または加熱ガスをパッケージ1400内に取入れて、パッケージ1400内の水蒸気を乾燥させる。加熱ガスがパッケージ1400の内部に供給されると、バキューミングも行なわれ、残りの水蒸気をパッケージ1400の内部から抜き取る。開口部1450、1460、1470は、既に詳しく記載したように、乾燥剤、剥離材料、または自己整合性単分子膜を注入するのに使用することもできる。
【0094】
図17Aは、1つの実施形態にしたがって、パッケージ1500内の開口部をシーリングする処理の模式図である。水蒸気または望ましくない物質、あるいはこの両者をパッケージ1600の内部から実質的に、または完全に除去した後で、開口部1560をシールして、エンドシールを形成することが好ましい。図17Bは、開口部1560をシールする前の、図17Aに示されている実施形態の上平面図である。図17Bの上平面図に示されているように、シール1540内の開口部1560は、不連続のシール1540を施すことによって形成される。図17Aに示されている実施形態では、シール1540内の開口部1560は、周囲シール1540を形成しているのと同じ材料1550でシールされる。図17Aは、シール1540内に開口部をもつパッケージのシーリング処理を示しているが、同じ、または同様のシーリング処理を別の実施形態で行うことができることが分かるであろう。例えば、バックプレーン内の開口部を、バックプレーンを形成しているのと同じ材料でシールしてもよい。その代りに、透明基板内の開口部を、透明基板を形成しているのと同じ材料でシールしてもよい。当業者には、開口部を、制限はしないが、好ましくは低粘性の、熱またはUV硬化性のエポキシ、溶接、はんだ、金属キャップ、およびガラスキャップを含む別の材料でシールしてもよいことが分かるであろう。
【0095】
一般に、エンドシール処理を含むパッケージング処理は、真空内、真空から周囲圧力以下の圧力、または周囲圧力よりも高い圧力において達成される。パッケージング処理は、シーリング処理中の、種々の、制御される高い、または低い圧力の環境においても達成される。完全に乾燥した環境において干渉変調器をパッケージ化することにはメリットがあるが、これは必須ではない。
【0096】
既に記載したように、シーリング処理中のバックプレーンまたは周囲シール内の開口部は、パッケージ構造内およびパッケージ構造外の圧力を同等に維持する。パッケージング環境は、周囲条件における不活性ガスを含んでもよい。周囲条件におけるパッケージングは、設備選択の融通性により大きな潜在性を与え、かつ装置の動作に影響を与えることなく、周囲条件において装置を移送できるので、より低コストの処理を可能にする。
【0097】
図18Aおよび18Bは、ディスプレイ装置2040の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置2040は、例えば、セルラまたは移動電話である。しかしながら、ディスプレイ装置2040の同じ構成要素またはそれらを僅かに変更したものは、テレビジョンおよびポータブルメディアプレーヤのような、種々のタイプのディスプレイ装置も示す。
【0098】
ディスプレイ装置2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力装置2048、およびマイクロフォン2046を含む。ハウジング2041は、一般に、射出成形および真空成形を含む、当業者にはよく知られている種々の製造処理から形成される。さらに加えて、ハウジング2041は、種々の材料から作られ、材料は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに制限されない。1つの実施形態では、ハウジング2041は、取り外し可能な部分(示されていない)を含み、異なる色の、あるいは異なるロゴ、絵、または記号を含んだ他の取り外し可能な部分と交換できる。
【0099】
例示的なディスプレイ装置2040のディスプレイ2030は、この中に記載されている、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイの何れかである。他の実施形態では、ディスプレイ2030は、既に記載されている、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDのような、フラットパネルディスプレイ、または当業者によく知られているような、CRTまたは他のチューブ装置のような、非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、この実施形態を記載するために、ディスプレイ2030は、この中に記載されている干渉変調器ディスプレイを含む。
【0100】
例示的なディスプレイ装置2040の1つの実施形態の構成要素は、図18Bに模式的に示されている。図示されている例示的なディスプレイ装置2040は、ハウジング2041を含み、さらに加えて、その中に少なくとも部分的に入れられている追加の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、例示的なディスプレイ装置2040はネットワークインターフェイス2027を含み、ネットワークインターフェイス2027はアンテナ2043を含み、アンテナ2043はトランシーバ2047に接続されている。トランシーバ2047はプロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021は調整ハードウエア2052に接続されている。調整ハードウエア2052は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタにかける)ように構成される。調整ハードウエア2052は、スピーカ2045およびマイクロフォン2046に接続されている。プロセッサ2021は、入力装置2048およびドライバ制御装置2029にも接続されている。ドライバ制御装置2029は、フレーム緩衝器2028およびアレイドライバ2022に接続され、アレイドライバ2022は、ディスプレイアレイ2030に接続されている。電源2050は、特定の例示的なディスプレイ装置2040の設計によって要求されるように、全ての構成要素に電力を与える。
【0101】
ネットワークインターフェイス2027は、アンテナ2043およびトランシーバ2047を含み、したがって例示的なディスプレイ装置2040は、ネットワーク上で1つ以上の装置と通信することができる。1つの実施形態では、ネットワークインターフェイス2027は、若干の処理能力ももち、プロセッサ2021の要件を緩和する。アンテナ2043は、信号を送受信するための、当業者に知られている任意のアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE 802.11標準にしたがって、RF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナは、ブルートゥースの標準にしたがって、RF信号を送受信する。セルラ電話の場合は、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS、または無線セル電話ネットワーク内で通信するのに使用される他の既知の信号を受信するように設計されている。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受信した信号を前処理し、それらはプロセッサ2021によって受信され、さらに処理される。また、トランシーバ2047がプロセッサ2021から受信した信号を処理し、それらが例示的なディスプレイ装置2040からアンテナ2043を介して送信されることもある。
【0102】
別の実施形態では、トランシーバ2047を受信機と置換することができる。また別の実施形態では、ネットワークインターフェイス2027は画像源を置換することができ、これは画像データを記憶または生成して、プロセッサ2021へ送ることができる。例えば、画像源は、画像データを含むディジタルビデオディスク(digital video disc, DVD)またはハードディスクドライブ、あるいは画像データを生成するソフトウエアモジュールであってもよい。
【0103】
プロセッサ2021は、一般に、例示的なディスプレイ装置2040の全体的な動作を制御する。プロセッサ2021は、ネットワークインターフェイス2027または画像源から、圧縮画像データのようなデータを受信し、このデータを、生の画像データか、または生の画像データに容易に処理されるフォーマットへ処理する。次に、プロセッサ2021は、処理されたデータをドライバ制御装置2029か、またはフレーム緩衝器2028へ送って、記憶させる。生のデータは、一般に、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を指す。例えば、このような画像特性は、色、飽和度、グレースケールレベルを含むことができる。
【0104】
1つの実施形態では、プロセッサ2021は、マイクロ制御装置、CPU、または論理ユニットを含み、例示的なディスプレイ装置2040の動作を制御する。調整ハードウエア2052は、一般に、信号をスピーカ2045へ送信し、かつ信号をマイクロフォン2046から受信するための増幅器およびフィルタを含む。調整ハードウエア2052は、例示的なディスプレイ装置2040内のディスクリートな構成要素であっても、またはプロセッサ2021または他の構成要素内に組込まれていてもよい。
【0105】
ドライバ制御装置2029は、プロセッサ2021によって生成された生の画像データを、プロセッサ2021から直接に、またはフレーム緩衝器2028から取入れ、生の画像データを適切に再フォーマットして、アレイドライバ2022へ高速で送信する。具体的には、ドライバ制御装置2029は、生の画像データを、ディスプレイアレイ2030全体を走査するのに適した時間順をもつように、ラスタのようなフォーマットをもつデータ流へ再フォーマットする。その後で、ドライバ制御装置2029は、フォーマットされた情報をアレイドライバ2022へ送る。LCD制御装置のようなドライバ制御装置2029は、スタンドアローン型集積回路(Integrated Circuit, IC)のようなシステムプロセッサ2021と関係付けられることが多いが、このような制御装置は多くのやり方で構成される。これらは、プロセッサ2021内にハードウエアとして埋め込まれるか、プロセッサ2021内にソフトウエアとして埋め込まれるか、またはハードウエアでアレイドライバ2022と完全に統合される。
【0106】
一般に、アレイドライバ2022は、ドライバ制御装置2029から、フォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを波形の並列の組へ再フォーマットし、これらは、ディスプレイのx−yの行列の画素からの数百、ときには、数千本のリード線へ毎秒何度も加えられる。
【0107】
1つの実施形態では、ドライバ制御装置2029、アレイドライバ2022、およびディスプレイアレイ2030は、この中に記載されている任意のタイプのディスプレイに適している。例えば、1つの実施形態では、ドライバ制御装置2029は、従来のディスプレイ制御装置または双安定ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。別の実施形態では、アレイドライバ2022は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器制御ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ制御装置2029は、アレイドライバ2022と統合される。このような実施形態は、セルラ電話、腕時計、および他の小面積ディスプレイのような、高統合システムにおいて共通である。また別の実施形態では、ディスプレイアレイ2030は、一般のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0108】
入力装置2048は、ユーザが例示的なディスプレイ装置2040の動作を制御するのを可能にする。1つの実施形態では、入力装置2048は、QWERTYキーボードまたは電話のキーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンシティブスクリーン、圧感または温感メンブレンを含む。1つの実施形態では、マイクロフォン2046は、例示的なディスプレイ装置2040のための入力装置である。マイクロフォン2046を使用して、データを装置へ入力するとき、ユーザは、例示的なディスプレイ装置2040の動作を制御するための音声命令を与える。
【0109】
電源2050は、この分野においてよく知られている種々のエネルギー記憶装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源2050は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池のような充電式電池である。別の実施形態では、電源2050は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池および太陽電池塗料を含む太陽電池である。別の実施形態では、電源2050は、壁付きコンセントから電力を受信するように構成されている。
【0110】
幾つかの実行では、既に記載したように、制御プログラミング性は、電子ディスプレイシステム内の幾つかの場所に配置することができるドライバ制御装置内にある。いくつかの場合に、制御プログラミング性は、アレイドライバ2022内にある。当業者には、上述の最適化が、多数のハードウエア構成要素またはソフトウエア構成要素、あるいはこの両者、および種々の構成において実行されることが分かるであろう。
【0111】
上述の詳細な記述では、種々の実施形態に与えられている本発明の斬新な特徴を示し、記載し、指示してきたが、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、示されている装置または処理の形態および細部において種々の省略、置換、および変更をしてもよいことが分かるであろう。この中に記載されている一部の特徴は、他の特徴と切り離して、使用または実行されるので、本発明は、これらの特徴および長所の全てをもっていない形で具現されることもあることが分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置を製造する方法であって、
干渉変調器が上部に形成されている透明基板を与えることと、
バックプレーンと透明基板との間にシールを適用することによって、バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージを形成することとを含み、干渉変調器がパッケージによってカプセル化され、パッケージが少なくとも1つの開口部をもつ方法。
【請求項2】
バックプレーンを透明基板に接合した後で、少なくとも1つの開口部をシールすることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
バックプレーンを透明基板に接合した後で、少なくとも1つの開口部を通して、乾燥剤を取入れることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
透明基板および超小型電子機械装置の上に犠牲層を蒸着することと、
犠牲層の上に薄膜バックプレーンを蒸着し、パッケージを形成することとを含み、薄膜が少なくとも1つの開口部をもつ請求項1記載の方法。
【請求項5】
バックプレーンを透明基板に接合した後で、少なくとも1つの開口部を通して剥離材料を取入れることをさらに含む請求項1または4記載の方法。
【請求項6】
剥離材料が、二弗化キセノンである請求項5記載の方法。
【請求項7】
犠牲層を除去した後で、少なくとも1つの開口部を通して、パッケージ内へガスを取入れることをさらに含む請求項4記載の方法。
【請求項8】
ガスを取入れた後で、少なくとも1つの開口部をシールすることをさらに含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
薄膜が少なくとも2つの開口部をもつ請求項7記載の方法。
【請求項10】
ガスが加熱される請求項7記載の方法。
【請求項11】
ガスが、窒素またはアルゴンである請求項7記載の方法。
【請求項12】
バックプレーンを透明基板に接合した後で、少なくとも1つの開口部を通して、自己整合性単分子膜を取入れることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの開口部がバックプレーン内にある請求項1記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの開口部を金属キャップでシールすることをさらに含む請求項13記載の方法。
【請求項15】
シーリングが、はんだ付けによって行われる請求項13記載の方法。
【請求項16】
シールが、連続シールである請求項13記載の方法。
【請求項17】
バックプレーンを透明基板に接合する前に、乾燥剤をバックプレーンに適用する請求項1記載の方法。
【請求項18】
方法が周囲条件において行われる請求項1記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの開口部をポリマでシールすることをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの開口部がシール内にある請求項1記載の方法。
【請求項21】
請求項1記載の方法によって作られるディスプレイ装置。
【請求項22】
光を透過させる透過手段と、
前記透過手段を透過した光を変調する変調手段と、
前記変調手段をカバーするカバリング手段と、
カバリング手段を透過手段に接合して、パッケージを形成するシーリング手段とを含み、カバリング手段またはシーリング手段が、シールされた開口部を含む、超小型電子機械システムを用いた装置。
【請求項23】
前記透過手段が、透明基板を含む請求項22記載の装置。
【請求項24】
前記変調手段が、干渉変調器のアレイを含む請求項22記載の装置。
【請求項25】
前記カバリング手段が、バックプレーンを含む請求項22記載の装置。
【請求項26】
前記バックプレーンが、薄膜バックプレーンである請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記シーリング手段が、接着剤を含む請求項22記載の装置。
【請求項28】
開口部がシールされる前に、開口部を通してパッケージ内へ注入される乾燥剤をさらに含む請求項22記載の装置。
【請求項29】
カバリング手段が、内側表面上に適用された乾燥剤をもつ請求項22記載の装置。
【請求項30】
シールされた開口部が、カバリング手段内にある請求項22記載の装置。
【請求項31】
シールされた開口部が、金属キャップから形成される請求項30記載の装置。
【請求項32】
シールされた開口部が、はんだから形成される請求項30記載の装置。
【請求項33】
シールされた開口部が、シーリング手段内にある請求項22記載の装置。
【請求項34】
シールされた開口部が、シーリング手段の粘性よりも低い粘性をもつ材料から形成される請求項33記載の装置。
【請求項35】
シールされた開口部が、ポリマから形成される請求項22記載の装置。
【請求項36】
超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板と、
バックプレーンと、
バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージ内に超小型電子機械装置をカプセル化するように構成されたシールとを含み、バックプレーンまたはシールの何れかが、シールされた開口部をもつ、超小型電子機械システムを用いた装置。
【請求項37】
開口部がシールされる前に、開口部を通してパッケージ内へ注入される乾燥剤をさらに含む請求項36記載の装置。
【請求項38】
バックプレーンが、内側表面上に適用された乾燥剤をもつ請求項36記載の装置。
【請求項39】
シールされた開口部が、バックプレーン内にある請求項36記載の装置。
【請求項40】
シールされた開口部が、金属キャップから形成される請求項39記載の装置。
【請求項41】
シールされた開口部が、はんだから形成される請求項39記載の装置。
【請求項42】
シールされた開口部が、シール内にある請求項36記載の装置。
【請求項43】
シールされた開口部が、シールの粘性よりも低い粘性をもつ材料から形成される請求項42記載の装置。
【請求項44】
シールされた開口部が、ポリマから形成される請求項36記載の装置。
【請求項45】
超小型電子機械装置が、干渉変調器である請求項36記載の装置。
【請求項46】
超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板を与えることと、
バックプレーンと透明基板との間にシールを適用することによって、バックプレーンを透明基板に接合し、パッケージを形成し、超小型電子機械装置がパッケージによってカプセル化され、パッケージが少なくとも1つの開口部をもつことと、
少なくとも1つの開口部を通してパッケージ内にガスを取入れることによって、パッケージ内の水含有量を低減することとを含む、ディスプレイ装置を製造する方法。
【請求項47】
ガスを取入れた後で、開口部をシールすることをさらに含む請求項46記載の方法。
【請求項48】
ガスが加熱される請求項46記載の方法。
【請求項49】
パッケージが、少なくとも2つの開口部をもつ請求項46記載の方法。
【請求項50】
水蒸気が、前記少なくとも2つの開口部の一方を通ってパッケージから出て行く請求項49記載の方法。
【請求項51】
ガスが、不活性ガスである請求項46記載の方法。
【請求項52】
不活性ガスが、窒素またはアルゴンである請求項51記載の方法。
【請求項53】
水含有量を低減することが、ガスを取入れる前に、パッケージから少なくとも1つの開口部を通して水蒸気を除去することをさらに含む請求項46記載の方法。
【請求項54】
除去することが、パッケージの周りに少なくとも部分的な真空を与えることを含む請求項53記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1つの開口部が、シール内にある請求項46記載の方法。
【請求項56】
少なくとも1つの開口部が、バックプレーン内にある請求項46記載の方法。
【請求項57】
少なくとも1つの開口部が、透明基板内にある請求項46記載の方法。
【請求項58】
請求項46記載の方法によって作られるディスプレイ装置。
【請求項59】
光を透過させる透過手段と、
前記透過手段を透過した光を変調する変調手段と、
前記変調手段をカバーするカバリング手段と、
バックプレーンを透明基板に接合して、超小型電子機械装置をパッケージ内にカプセル化するシーリング手段とを含み、パッケージが少なくとも1つのエンドシールをもち、パッケージ内の水分含有量を除去するために、少なくとも1つのエンドシールがシールされる前に、少なくとも1つのエンドシールが、ガスがそこを流れることを可能にするように構成されるディスプレイ装置。
【請求項60】
前記透過手段が、透明基板を含む請求項59記載の装置。
【請求項61】
エンドシールが、透明基板内にある請求項60記載のディスプレイ装置。
【請求項62】
前記変調手段が、干渉変調器のアレイを含む請求項59記載の装置。
【請求項63】
前記カバリング手段が、バックプレーンを含む請求項59記載の装置。
【請求項64】
前記バックプレーンが、薄膜バックプレーンである請求項63記載の装置。
【請求項65】
前記シーリング手段が、接着剤を含む請求項59記載の装置。
【請求項66】
ガスが水蒸気である請求項59記載のディスプレイ装置。
【請求項67】
エンドシールが、カバリング手段内にある請求項59記載のディスプレイ装置。
【請求項68】
エンドシールが、シーリング手段内にある請求項59記載のディスプレイ装置。
【請求項69】
パッケージが少なくとも2つのエンドシールをもち、エンドシールの一方が、不活性ガスをパッケージ内に取入れるのを可能にするように構成されていて、エンドシールの他方が、エンドシールがシールされる前に、水蒸気がパッケージから出て行くのを可能にするように構成されている請求項59記載のディスプレイ装置。
【請求項70】
超小型電子機械装置が上部に形成されている透明基板と、
バックプレーンと、
バックプレーンを透明基板に接合して、パッケージ内に超小型電子機械装置をカプセル化するシールとを含み、シールがバックプレーンと透明基板との間に適用され、パッケージが少なくとも1つのエンドシールをもち、パッケージ内の水分含有量を除去するために、少なくとも1つのエンドシールがシールされる前に、少なくとも1つのエンドシールが、ガスがそこを通ることを可能にするように構成されている、超小型電子機械システムを用いた装置。
【請求項71】
少なくとも1つのエンドシールが、バックプレーン内にある請求項70記載の装置。
【請求項72】
少なくとも1つのエンドシールが、シール内にある請求項70記載の装置。
【請求項73】
少なくとも1つのエンドシールが、透明基板内にある請求項70記載の装置。
【請求項74】
パッケージが少なくとも2つのエンドシールをもち、エンドシールの一方が、不活性ガスをパッケージ内に取入れるのを可能にするように構成されていて、エンドシールの他方が、エンドシールがシールされる前に、水蒸気がパッケージから出て行くのを可能にするように構成されている請求項70記載の装置。
【請求項75】
超小型電子機械装置が干渉変調器である請求項70記載の装置。
【請求項76】
前記超小型電子機械装置と電気的に通信するプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ装置とをさらに含む請求項36または70記載の装置。
【請求項77】
少なくとも1つの信号を前記超小型電子機械装置へ送るように構成されたドライバ回路をさらに含む請求項76記載の装置。
【請求項78】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路へ送るように構成された制御装置をさらに含む請求項77記載の装置。
【請求項79】
前記画像データを前記プロセッサへ送るように構成された画像源モジュールをさらに含む請求項76記載の装置。
【請求項80】
前記画像源モジュールが、受信機、トランシーバ、および送信機の中の少なくとも1つを含む請求項79記載の装置。
【請求項81】
入力データを受信し、前記入力データを前記プロセッサへ通信するように構成された入力装置をさらに含む請求項76記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【公開番号】特開2010−176140(P2010−176140A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−44179(P2010−44179)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【分割の表示】特願2005−253492(P2005−253492)の分割
【原出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】