説明

ディーゼルエンジンの自動停止装置

【課題】エンジンの自動停止後の再始動時の着火性を向上させる。
【解決手段】排気ガス還流通路50は、EGRクーラ52が設けられた主通路51と、EGRクーラ52が設けられていないクーラバイパス通路53とを有すると共に、排気ガスに主通路51を流通させる状態とクーラバイパス通路53を流通させる状態とを切り替える排気ガス還流弁51a及びクーラバイパス弁53aが設けられている。PCM10は、自動停止条件が成立してから燃料供給を停止させるまでの間においては、燃料を主噴射した後にポスト噴射を行い、燃料供給を停止させてからディーゼルエンジン1が停止するまでの間においては、排気ガスにクーラバイパス通路53を流通させるように排気ガス還流弁51a及びクーラバイパス弁53aを制御すると共にスロットル弁36を絞る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンを自動停止・再始動させる、ディーゼルエンジンの自動停止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車における二酸化炭素排出量の低減が強く求められており、その解決策の一つとして、アイドル運転を自動的に停止するエンジンの自動停止装置が開発されている。詳しくは、このようなエンジンの自動停止装置は、所定の自動停止条件が成立したときには燃料供給を停止してエンジンを自動停止させる一方、その後に所定の再始動条件が成立したときには燃料供給を再開してエンジンを燃焼により再始動させている。
【0003】
ところが、ディーゼルエンジンにおいて自動停止・再始動を行うと、再始動時の着火性が悪いという問題がある。詳しくは、エンジンを停止させると気筒内温度が一時的に低下する。ディーゼルエンジンは、断熱圧縮して高温となった空気に燃料を噴射することによって燃料に自己着火させるため、気筒内温度が低下すると、再始動時の着火性が悪化する。
【0004】
そこで、特許文献1に係るディーゼルエンジンの自動停止装置では、EGRクーラが設けられたEGR通路に、EGRクーラをバイパスさせるバイパス通路を接続し、エンジンの自動停止条件が成立したときには、排気ガスをバイパス通路を介して吸気側へ還流させている。つまり、エンジンの自動停止成立条件が成立してからエンジンが実際に停止するまでの間にはしばらくの時間を要し、この時間に、本来的に高温の排気ガスを、EGRクーラで冷却することなく、高温のまま吸気系に還流させるようにしている。こうすることにより、自動停止後の気筒内の温度を高温に維持して、再始動時の着火性を改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−235990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、エンジンを自動停止させるべく燃料噴射を停止した後は、燃焼が起こらないため、EGR通路へ還流される排気ガスの温度も既燃ガスほど高くはない。また、自動停止してから再始動までの時間が長い場合には、やはり気筒内の温度は低下してしまい、着火性が悪化してしまう。つまり、特許文献1のように、エンジンの自動停止時に、EGRガスを冷却することなく還流させる構成だけでは、着火性の向上には不十分な場合もあり、さらなる改良の必要がある。
【0007】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの自動停止後の再始動時の着火性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示された技術は、ディーゼルエンジンの自動停止・再始動を行うディーゼルエンジンの自動停止装置が対象である。そして、このディーゼルエンジンの自動停止装置は、前記ディーゼルエンジンの排気通路と、吸気通路のうちスロットル弁よりも下流側の部分とを連通させて排気ガスを該排気通路から該吸気通路へ還流させるためのEGR通路と、所定の自動停止条件が成立したときに燃料供給を停止して前記ディーゼルエンジンを停止させる一方、その後に所定の再始動条件が成立したときに燃料の供給を再開して該ディーゼルエンジンの燃焼による始動を行う停止・始動制御手段とを備えている。前記EGR通路は、流通する排気ガスを冷却する冷却手段が設けられた低温EGR通路と、該冷却手段が設けられていない高温EGR通路とを有すると共に、排気ガスに該低温EGR通路を流通させる状態と該高温EGR通路を流通させる状態とを切り替える通路制御弁が設けられており、前記停止・始動制御手段は、前記自動停止条件が成立してから燃料供給を停止させるまでの間においては、燃料を主噴射した後に追加噴射を行い、燃料供給を停止させてから前記ディーゼルエンジンが停止するまでの間においては、排気ガスに前記高温EGR通路を流通させるように前記通路制御弁を制御すると共に前記スロットル弁を絞るものとする。
【0009】
前記の構成によれば、自動停止条件が成立すると、そこから燃料供給を停止するまでの間において、主噴射に加えて追加噴射が行われる。こうすることによって、シリンダブロックのシリンダ壁やシリンダヘッド等を加熱しておくことができる。こうしてシリンダ壁等を加熱しておくことにより、燃料供給が停止されたときには、気筒内のガスは、追加噴射が無いときと比べて高温となる。そして、この高温の排気ガスは冷却手段をバイパスして前記高温EGR通路を介して吸気通路に還流する。つまり、高温の排気ガスが高温のまま気筒内へ還流することになる。これにより、自動停止後の気筒内の温度は、高温に維持される。このとき、スロットル弁が絞られているため、新気の導入が抑制されている。これにより、高温の排気ガスの還流が促進される。このように還流される排気ガスが高温であることに加えて、前記追加噴射によりシリンダ壁等が加熱されているため、このことによっても、気筒内の温度は高温に維持される。その結果、再始動時の圧縮行程において、気筒内の空気の温度が燃料の自己着火可能温度まで達しやすくなる。
【0010】
また、前記ディーゼルエンジンの自動停止装置は、前記吸気通路に配設されたコンプレッサと前記排気通路に配設されたタービンとを有するターボ過給機と、前記排気通路に接続されて排気ガスに前記タービンをバイパスさせるタービンバイパス通路と、前記タービンバイパス通路に設けられて該タービンバイパス通路を流通する排気ガスの流量を調整するためのバイパス弁とをさらに備え、前記停止・始動制御手段は、前記自動停止条件の成立後であって燃料供給停止後に排気ガスに前記高温EGR通路を流通させるときには、前記バイパス弁を閉じるようにすることが好ましい。
【0011】
このように、バイパス弁を閉じると、排気抵抗が大きくなる。これにより、排気ガスは、排気通路を下流へ流れるよりは、EGR通路へ流入しやすくなる。つまり、自動停止条件の成立後であって燃料供給停止後に、前述の高温の排気ガスを吸気通路へ積極的に還流させることができる。
【発明の効果】
【0012】
前記ディーゼルエンジンの自動停止装置によれば、自動停止条件が成立してから燃料供給を停止させるまでの間において追加噴射を行うことによって、シリンダ壁等を高温にして排気ガスを高温にすることができる。それに加えて、排気ガスを高温EGR通路を介して冷却手段をバイパスさせて吸気通路へ還流させることによって、高温となった排気ガスを高温のまま吸気通路へ還流させることができる。これらの結果、気筒内温度を上昇させて、再始動時の着火性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るターボ過給機付きエンジンの構成を示す概略図である。
【図2】エンジンの自動始動装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3】大型及び小型ターボ過給機の作動マップである。
【図4】吸気リサーキュレーションにおける制御動作を示すフローチャートである。
【図5】吸気リサーキュレーションにおける吸気バイパス弁及びスロットル弁の作動状態を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
《発明の実施形態》
図1は、実施形態に係る自動停止装置を備えたディーゼルエンジン1の概略構成を示す。このエンジン1は、車両に搭載されたディーゼルエンジンであって、複数の気筒11a(1つのみ図示)が設けられたシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に配設されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下側に配設され、潤滑油が貯溜されたオイルパン13とを有している。このエンジン1の各気筒11a内には、ピストン14が往復動可能にそれぞれ嵌挿されていて、このピストン14の頂面には深皿形燃焼室14aを区画するキャビティが形成されている。このピストン14は、コンロッド14bを介してクランクシャフト15と連結されている。シリンダブロック11には、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサSW1が配設されている。
【0016】
前記シリンダヘッド12には、各気筒11a毎に吸気ポート16及び排気ポート17が形成されているとともに、これら吸気ポート16及び排気ポート17の燃焼室14a側の開口を開閉する吸気弁21及び排気弁22がそれぞれ配設されている。これら吸排気弁21,22をそれぞれ駆動する動弁系において、排気弁側には、当該排気弁22の作動状態を通常モードと特殊モードとに切り替える油圧作動式の可変機構(図示省略。以下、VVM(Variable Valve Motion)と称する)が設けられている。このVVMは、その詳細な図示は省略するが、カム山を1つ有する第1カムとカム山を2つ有する第2カムとの、カムプロファイルの異なる2種類のカム、及び、その第1及び第2カムのいずれか一方のカムの作動状態を選択的に排気弁に伝達するロストモーション機構を含んで構成されており、第1カムの作動状態を排気弁22に伝達しているときには、排気弁22の作動状態が、排気行程中において一度だけ開弁される通常モードとなるのに対し、第2カムの作動状態を排気弁22に伝達しているときには、排気弁22の作動状態が、排気行程中において開弁すると共に、吸気行程中においても開弁するような、いわゆる排気の二度開きを行う特殊モードとなる。特殊モードは、内部EGRに係る制御の際に利用され得る。尚、こうした通常モードと特殊モードとの切り替えを可能にする上で、排気弁を電磁アクチュエータによって駆動する電磁駆動式の動弁系を採用してもよい。
【0017】
また、前記シリンダヘッド12には、燃料を噴射するインジェクタ18と、エンジン1の冷間時に吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ19とが設けられている。前記インジェクタ18は、その燃料噴射口が燃焼室14aの天井面から該燃焼室14aに臨むように配設されていて、圧縮行程上死点付近で燃焼室14aに燃料を直接噴射供給するようになっている。
【0018】
前記エンジン1の一側面には、各気筒11aの吸気ポート16に連通するように吸気通路30が接続されている。一方、前記エンジン1の他側面には、各気筒11aの燃焼室14aからの既燃ガス(排気ガス)を排出する排気通路40が接続されている。これら吸気通路30及び排気通路40には、吸入空気の過給を行う大型ターボ過給機61と小型ターボ過給機62とが配設されている。
【0019】
吸気通路30の上流端部には、吸入空気を濾過するエアクリーナ31が配設されている。一方、吸気通路30における下流端近傍には、サージタンク33が配設されている。このサージタンク33よりも下流側の吸気通路30は、各気筒11a毎に分岐する独立通路とされ、これら各独立通路の下流端が各気筒11aの吸気ポート16にそれぞれ接続されている。また、サージタンク33には、燃焼室14aに供給される空気の圧力を検出する過給圧センサSW2が配設されている。
【0020】
吸気通路30におけるエアクリーナ31とサージタンク33との間には、上流側から順に、吸入空気の温度を検出する吸気温度センサSW3と、詳しくは後述する大型及び小型ターボ過給機61,62のコンプレッサ61a,62aと、該コンプレッサ61a,62aにより圧縮された空気の温度を検出する過給空気温度センサSW4と、該コンプレッサ61a,62aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ35と、前記各気筒11aの燃焼室14aへの吸入空気量を調節するスロットル弁36とが配設されている。このスロットル弁36は、基本的には全開状態とされるが、エンジン1の停止時には、ショックが生じないように全閉状態とされる。
【0021】
前記排気通路40の上流側の部分は、各気筒11a毎に分岐して排気ポート17の外側端に接続された独立通路と該各独立通路が集合する集合部とを有する排気マニホールドによって構成されている。
【0022】
この排気通路40における排気マニホールドよりも下流側には、上流側から順に、小型及び大型ターボ過給機62,61のタービン62b,61bと、排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置41と、サイレンサ42とが配設されている。
【0023】
この排気浄化装置41は、酸化触媒41aと、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、フィルタという)41bとを有しており、上流側から、この順に並んでいる。酸化触媒41a及びフィルタ41bは1つのケース内に収容されている。前記酸化触媒41aは、白金又は白金にパラジウムを加えたもの等を担持した酸化触媒を有していて、排気ガス中のCO及びHCが酸化されてCO及びHOが生成する反応を促すものである。この酸化触媒41aが触媒を構成する。また、前記フィルタ41bは、エンジン1の排気ガス中に含まれる煤等の微粒子を捕集するものである。尚、フィルタ41bに酸化触媒をコーティングしてもよい。また、酸化触媒41aとフィルタ41bの間には、酸化触媒41aを通過した排気ガスの温度を検出する排気温度センサSW5が配設されている。
【0024】
また、前記吸気通路30における前記サージタンク33とスロットル弁36との間の部分(つまり小型ターボ過給機62の小型コンプレッサ62aよりも下流側部分)と、前記排気通路40における前記排気マニホールドと小型ターボ過給機62の小型タービン62bとの間の部分(つまり小型ターボ過給機62の小型タービン62bよりも上流側部分)とは、排気ガスの一部を吸気通路30に還流するための排気ガス還流通路50によって接続されている。この排気ガス還流通路50は、EGRクーラ52が配設された主通路51と、主通路51から分岐してEGRクーラ52をバイパスした後、再び主通路51に合流するクーラバイパス通路53とを有している。EGRクーラ52は、流通する排気ガスをエンジン冷却水によって冷却するものである。主通路51には、主通路51を流通する排気ガスの流量を調整するための排気ガス還流弁51aが配設されている。一方、クーラバイパス通路53には、クーラバイパス通路53を流通する排気ガスの流量を調整するためのクーラバイパス弁53aが配設されている。この排気ガス還流通路50がEGR通路を構成する。そして、主通路51が低温EGR通路を構成し、クーラバイパス通路53(詳しくは、主通路51のうち、排気通路40からクーラバイパス通路53までの部分と、クーラバイパス通路53から吸気通路30までの部分)が高温EGR通路を構成する。また、EGRクーラ52が冷却手段を構成し、排気ガス還流弁51a及びクーラバイパス弁53aが通路制御弁を構成する。
【0025】
さらに、エンジン1には、クランクシャフト15の回転角を検出する2つのクランク角センサSW6,SW7が設けられている。一方のクランク角センサSW6から出力される検出信号に基づいてエンジン回転数(回転速度)が検出されると共に、両クランク角センサSW6,SW7から出力される位相のずれた検出信号に基づいてクランク角位置が検出されるようになっている。また、エンジン1には、車両のアクセルペダル(図示省略)の操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサSW8と、車両のブレーキペダル(図示省略)の操作を検出するブレーキペダルセンサSW9と、車両のクラッチペダル(図示省略)の操作を検出するクラッチペダルセンサSW10と、車両のシフトレバー(図示省略)の操作を検出するシフトレバーセンサSW11と、車両の速度を検出する車速センサSW12とが設けられている。
【0026】
ここで、大型ターボ過給機61及び小型ターボ過給機62の構成について詳しく説明する。
【0027】
大型ターボ過給機61は、吸気通路30に配設された大型コンプレッサ61aと、排気通路40に配設された大型タービン61bとを有している。大型コンプレッサ61aは、吸気通路30におけるエアクリーナ31とインタークーラ35との間(詳しくは、吸気温度センサSW3と過給空気温度センサSW4との間)に配設されている。一方、大型タービン61bは、排気通路40における排気マニホールドと酸化触媒41aとの間に配設されている。
【0028】
小型ターボ過給機62は、吸気通路30に配設された小型コンプレッサ62aと、排気通路40に配設された小型タービン62bとを有している。小型コンプレッサ62aは、吸気通路30における大型コンプレッサ61aの下流側に配設されている。一方、小型タービン62bは、排気通路40における大型タービン61bの下流側に配設されている。小型ターボ過給機62は、相対的に小型のものであり、大型ターボ過給機61は、相対的に大型のものである。すなわち、大型ターボ過給機61の大型タービン61bの方が小型ターボ過給機62の小型タービン62bよりもイナーシャが大きい。
【0029】
すなわち、吸気通路30においては、上流側から順に大型コンプレッサ61aと小型コンプレッサ62aとが直列に配設され、排気通路40においては、上流側から順に小型タービン62bと大型タービン61bとが直列に配設されている。これら大型及び小型タービン61b,62bが排気ガス流により回転し、これら大型及び小型タービン61b,62bの回転により、該大型及び小型タービン61b,62bとそれぞれ連結された前記大型及び小型コンプレッサ61a,62aがそれぞれ作動する。尚、吸気通路30における大型コンプレッサ61aと小型コンプレッサ62aとの間には、大型コンプレッサ61aで過給された吸気の圧力を検出する中間圧センサSW13が設けられている。
【0030】
この大型及び小型ターボ過給機61,62がターボ過給機を、大型及び小型コンプレッサ61a,62aがコンプレッサを、大型及び小型タービン61b,62bがタービンを構成する。
【0031】
そして、吸気通路30には、小型コンプレッサ62aをバイパスする吸気バイパス通路63が接続されている。この吸気バイパス通路63には、該吸気バイパス通路63へ流れる空気量を調整するための吸気バイパス弁63aが配設されている。この吸気バイパス弁63aは、無通電時には全閉状態(ノーマルクローズ)となるように構成されている。これにより、吸気バイパス弁63aが故障したときに、吸気が吸気バイパス通路63を介して吸気リサーキュレーションと同様に循環することにより小型コンプレッサ62aが過回転することを防止することができる。
【0032】
一方、排気通路40には、小型タービン62bをバイパスする小型排気バイパス通路64と、大型タービン61bをバイパスする大型排気バイパス通路65とが接続されている。小型排気バイパス通路64には、該小型排気バイパス通路64へ流れる排気量を調整するためのレギュレートバルブ64aが配設され、大型排気バイパス通路65には、該大型排気バイパス通路65へ流れる排気量を調整するためのウエストゲートバルブ65aが配設されている。レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aは共に、無通電時には全開状態(ノーマルオープン)となるように構成されている。これら小型及び大型排気バイパス通路64,65がタービンバイパス通路を、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aがバイパス弁を構成する。
【0033】
これら大型ターボ過給機61と小型ターボ過給機62は、それらが配設された吸気通路30及び排気通路40の部分も含めて、一体的にユニット化されて、過給機ユニット60を構成している。この過給機ユニット60は、エンジン1に取り付けられている。そして、過給機ユニット60の吸気通路30の出口は、インタークーラ35の上流端と、ゴムホース30aを介して接続されている。つまり、インタークーラ35は、車体に取り付けられており、エンジン1に取り付けられた過給機ユニット60とは異なる振動が生じる。そこで、過給機ユニット60とインタークーラ35との異なる振動が互いに影響し合わないように、それぞれの振動をゴムホース30aで吸収するようにしている。同様の理由から、インタークーラ35の下流端と、吸気通路30のスロットル弁36の上流部分とも、ゴムホース30bを介して接続されている。
【0034】
このように構成されたターボ過給機付きのエンジン1は、パワートレイン・コントロール・モジュール(以下、PCMという)10によって制御される。PCM10は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェース及びこれらのユニットを接続するパスを有するマクロプロセッサで構成されている。このPCM10が停止・始動制御手段を構成する。PCM10は、図2に示すように、前記センサSW1〜SW13の検出信号が入力され、これらの検出信号に基づいて種々の演算を行うことによってエンジン1や車両の状態を判定し、これに応じてインジェクタ18、動弁系のVVM、各種の弁のアクチュエータへ制御信号を出力する。また、PCM10は、エンジン1の始動時に、インジェクタ18やスタータモータ(図示省略)へ制御信号を出力すると共に、必要に応じてグロープラグ19へも制御信号を出力する。さらに、PCM10は、タイミングベルト等によりクランクシャフト15に連結されたオルタネータ(図示省略)に内蔵されたレギュレータ回路に制御信号を出力することによって、車両の電気負荷及び車両バッテリの電圧等に対応した発電量の制御を実行する。
【0035】
また、PCM10は、エンジンの運転状態において大型及び小型ターボ過給機61,62の動作を制御している。具体的には、PCM10は、吸気バイパス弁63a、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aの各開度をエンジン1の運転状態に応じて設定した開度にそれぞれ制御する。
【0036】
詳しくは、PCM10は、図3に示す、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとするマップにおける低負荷且つ低回転側の領域A(エンジン負荷が所定負荷(エンジン回転数が大きいほど小さくなる)以下の領域)では、吸気バイパス弁63a及びレギュレートバルブ64aを全開以外の開度とし、ウエストゲートバルブ65aを全閉状態とすることによって、大型及び小型ターボ過給機61,62の両方を作動させる。一方、高負荷且つ高回転側の領域B(エンジン負荷が前記所定負荷よりも大きい領域)では、小型ターボ過給機62が排気抵抗になるため、吸気バイパス弁63a及びレギュレートバルブ64aを全開状態とし、ウエストゲートバルブ65aを全閉状態に近い開度にすることによって、小型ターボ過給機62をバイパスさせて大型ターボ過給機61のみを作動させる。尚、ウエストゲートバルブ65a、過回転を防止するために少し開き気味に設定している。
【0037】
また、PCM10は、酸化触媒41aが未活性状態のときには、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aの少なくとも一方を開状態にすることによって、酸化触媒41aを活性化させる。例えば、ウエストゲートバルブ65aを開状態にすることによって、排気が大型タービン61bをバイパスして、酸化触媒41aへ流入する。つまり、排気熱が大型タービン61bで放熱されることなく、酸化触媒41aまで運搬されることになる。その結果、酸化触媒41aの温度が早期に上昇して、酸化触媒41aが活性化する。
【0038】
本実施形態では、PCM10は、燃費の低減やCOの排出抑制等を目的として、所定の自動停止条件が成立したときにエンジン1を自動停止させると共に、その後、所定の再始動条件が成立したときにエンジン1を再始動させるように、いわゆるアイドルストップ制御を行う。
【0039】
具体的には、PCM10は、自動停止条件が成立すると、インジェクタ18による燃料の噴射を停止させる。例えば、ブレーキペダルセンサSW9の検出信号に基づいて判定されるブレーキペダルの踏み込み操作が所定時間継続すると共に、車速センサSW12の検出信号に基づいて判定される車速が予め設定した微低速(例えば、時速2〜5km)以下となって車両が実質、停止していることを、自動停止条件とすることができる。この自動停止の際には、スロットル弁36の開閉制御及びオルタネータ制御を併せて行うことにより、エンジン1の再始動に適したピストン位置でエンジン1を停止させるようにする。
【0040】
その後、再始動条件が成立すると、PCM10は、各気筒11aへの燃料供給を開始して、その燃焼によりエンジン1を短時間で再始動させる(いわゆる、燃焼始動)。本実施形態では、PCM10は、それと共に、スタータモータを駆動させることによって気筒内の圧力を高めている。また、例えば、車両バッテリの残容量が少なくなって充電が必要になったこと、空調装置のコンプレッサの作動が必要になったこと、又はアクセル開度センサSW8若しくはクラッチペダルセンサSW10からの検出信号に基づいて乗員によるアクセル操作若しくはクラッチ操作が検出されたこと等を、再始動条件とすることができる。この内、車両バッテリの残容量が少なくなって充電が必要になったことや、空調装置のコンプレッサの作動が必要になったことは、発進要求を伴わない始動条件ということができ、逆に、アクセル操作若しくはクラッチ操作が検出されたことは、発進要求を伴う始動条件ということができる。
【0041】
このエンジン1の自動停止に際し、PCM10は、再始動時の着火性を向上させるためにポスト噴射(追加噴射)を行っている。以下に、PCM10による、エンジン1の自動停止に係る制御について、図4のフローチャート及び図5のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0042】
まず、ステップST1において、エンジンの自動停止条件が成立したか否かを判定する。自動停止条件が成立しているときには、ステップST2へ進む一方、自動停止条件が成立していないときには、ステップST1を繰り返す。ステップST2においては、ポスト噴射を実施する。具体的には、PCM10は、制御ピストン14が上死点(TDC)を通過した直後にインジェクタ18に主噴射を行わせる。これに加えて、PCM10は、インジェクタ18に、主噴射に比べて少量のポスト噴射を行わせる。このポスト噴射は、ピストン14の膨張行程中であって、気筒内温度が燃料の自己着火温度以上である間に実施される。
【0043】
つまり、エンジンの自動停止条件が成立すると、図5(A)のT1に示すように、自動停止条件フラグがONになる。自動停止条件フラグがONになると、図5(B)のT1に示すように、ポスト噴射が実施される。
【0044】
その後、ステップST3において、自動停止条件が成立した後、所定時間経過したか否かを判定する。所定時間が経過していれば、ステップST4へ進む一方、所定時間が経過していなければ、ステップST2へ戻る。ステップST4においては、燃料供給が停止される。その結果、図5(B)のT2に示すように、ポスト噴射が終了する。尚、ポスト噴射は、自動停止条件が成立してから所定時間経過するまでの間、常に実施される必要はない。例えば、ポスト噴射は、該所定時間中の或る期間だけ実施されてもよく、該所定時間中に少なくとも1回実施されればよい。
【0045】
つまり、自動停止条件が成立した後、所定時間経過するまでの間(T1〜T2)は、主噴射及びポスト噴射が繰り返される。このポスト噴射により、主噴射だけが行われる通常の運転状態に比べて、気筒内の温度を上昇させることができる。その結果、シリンダブロック11のシリンダ壁やシリンダヘッド12や吸気及び排気マニホールド等の温度を、エンジン1の停止に先立って上昇させることができる。
【0046】
その後、ステップST5において、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aが全閉状態となっているか否かの確認が行われる。そして、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aが全閉状態である場合には、ステップST7へ進む一方、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aが全閉状態でない場合には、ステップST6へ進んで、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aを全閉状態にする。レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aは、エンジン1の運転状態においては、開状態となっている場合もある。例えば、前述の如く、酸化触媒41aを活性化させる際には、排気ガスに小型タービン61bや大型タービン62bをバイパスさせるために、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aが開状態にされている。そのような場合には、図5(C)に示すように、燃料供給が停止されるタイミング(T2)で、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aが全閉状態にされる。尚、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aは、何れか一方が全閉状態とされるようにしてもよい。
【0047】
そして、ステップST7においては、クーラバイパス通路53のクーラバイパス弁53aが全開状態か否かを判定する。クーラバイパス弁53aが全開状態である場合には、ステップST9へ進む一方、クーラバイパス弁53aが全開状態でない場合には、ステップST8へ進んで、クーラバイパス弁53aを全開状態にする。さらに、ステップST9においては、排気ガス還流通路50の排気ガス還流弁51aが全閉状態か否かを判定する。排気ガス還流弁51aが全閉状態である場合には、ステップST11へ進む一方、排気ガス還流弁51aが全閉状態でない場合には、ステップST10へ進んで、排気ガス還流弁51aを全閉状態にする。
【0048】
これらステップST7〜ST10により、図5(D),(E)に示すように、燃料供給が停止されるタイミング(T2)で、クーラバイパス弁53aが全開状態となる一方、排気ガス還流弁51aが全閉状態となる。その結果、EGRクーラ52をバイパスして、排気通路40と吸気通路30とを連通させるEGR通路が形成される。つまり、排気ガスは、EGRクーラ52で冷却されることなく、高温のまま吸気通路30へ還流することになる。
【0049】
ステップST11において、スロットル弁36を全閉状態まで絞る。つまり、図5(F)に示すように、燃料供給が停止されるタイミング(T2)で、スロットル弁36が絞られる。このとき、スロットル弁36は全閉状態よりも開いた状態であってもよい。このようにスロットル弁36を絞ることによって、吸気通路30へ還流される排気ガスの量を増加させることができる。
【0050】
こうして、気筒内の排気ガスが吸気通路30へ還流され、再び気筒内へ導入される。やがて、エンジン1が停止し、自動停止制御が完了する。
【0051】
本実施形態によれば、エンジン1の自動停止条件成立時にポスト噴射を所定の期間だけ行うことによって気筒内を高温にしているため、排気ガスも同様に高温となる。そして、この高温の排気ガスを、EGRクーラ52をバイパスさせて、高温のまま吸気通路30へ還流させる。これにより、高温の排気ガスを燃焼室14aへ高温のまま導入することができる。それに加えて、前述の如く、シリンダブロック11のシリンダ壁やシリンダヘッド12を前記ポスト噴射により加熱しているため、エンジン1が停止しても、気筒11a内の温度を比較的高温に維持することができる。その結果、エンジン1が自動停止してから再始動するまでの間、気筒11a内の温度を高温に維持することができる。これにより、エンジン1の再始動時には、圧縮行程の上死点付近における燃焼室14a内の空気の温度を燃料の自己着火温度まで支障なく高めることができ、着火・燃焼性を向上させることができる。
【0052】
それに加えて、エンジン1の自動停止制御中には、スロットル弁36を絞ることによって新気の吸入を抑制しているため、高温の排気ガスを吸気通路30へ積極的に還流させることができる。さらに、排気通路40においてレギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aを全閉状態にすることによって排気抵抗を増加させているため、このことによっても、高温の排気ガスを吸気通路30へ積極的に還流させることができる。
【0053】
尚、ポスト噴射によってシリンダ壁等が高温となっているため、燃料供給の停止後、気筒内に新気を導入する構成であっても、気筒内の温度を、ポスト噴射を行わないときと比べて、高温に維持することができ、再始動時の着火性を向上させることができる。つまり、燃料供給停止後にスロットル弁36を全閉状態としない場合であっても、再始動時の着火性を向上させることができる。
【0054】
《その他の実施形態》
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0055】
前記実施形態では、酸化触媒41aの活性状態を、酸化触媒41aの直下流の排気温度に基づいて判定しているが、これに限られるものではない。例えば、冷間始動時には酸化触媒41aの温度が低いため、エンジン1の冷却水温度に基づいて冷間始動時か否か、ひいては、酸化触媒41aが活性状態にあるか否かを判定してもよい。また、エンジン1の停止直前の酸化触媒41aの直下の排気温度とエンジン1の停止後の経過時間に基づいて、酸化触媒41aの活性状態を判定してもよい。つまり、酸化触媒41aの活性状態を概ね推定できる方法であれば、任意の方法を採用することができる。
【0056】
また、エンジンの自動停止条件は、前記実施形態に限られるものではなく、車両が停止しているか、ブレーキが踏み込まれているか、マスターバックの圧力が所定値以上であるか等、エンジンのアイドル運転が開始されると推定される条件であれば、任意の条件を採用することができる。さらに、エンジンの再始動条件も、前記実施形態に限られるものではない。エンジンの始動が必要であると推定される条件であれば、任意の条件を採用することができる。
【0057】
さらに、前記実施形態では、燃料供給停止時のクーラバイパス弁53aの開操作、排気ガス還流弁51aの閉操作及びスロットル弁36の閉操作を、燃料供給停止と同時に行っているが、これに限られるものではない。すなわち、これらの弁操作を燃料供給を停止してから所定の遅延時間(例えば、既燃ガスが存在する気筒の排気行程が完了するまでの時間)後に行ってもよい。つまり、燃料供給を停止した直後には、膨張行程中の気筒や排気行程途中の気筒など、既燃ガスが含まれている気筒が存在する。そのため、燃料供給停止直後は、気筒内に存在する既燃ガスが排気されるまでは、前述の弁操作を待ってもよい。例えば、スロットル弁36を絞る操作を、燃料供給を停止してから所定の待機時間経過後に行うようにしてもよい。その場合には、気筒内から排気される既燃ガスが吸気通路30へ還流するのを防止するために、排気ガス還流弁51a及びクーラバイパス弁53aを一旦、全閉状態にしてもよい。こうすることで、再始動時の着火性に加えて、燃焼始動性も向上させることができる。
【0058】
さらにまた、前記実施形態では、高温EGR通路を構成するクーラバイパス通路53が、主通路51から分岐するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、主通路51とクーラバイパス通路53とが別々に、排気通路40と吸気通路30とに接続されていてもよい。
【0059】
また、前記実施形態では、大型ターボ過給機61と小型ターボ過給機62とを有する多段ターボ過給システムを備えているが、これに限られるものではない。すなわち、ターボ過給機は1つであってもよいし、あるいは、ターボ過給機を備えなくてもよい。
【0060】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上説明したように、本発明は、ディーゼルエンジンの自動停止・再始動を行う、ディーゼルエンジンの自動停止装置について有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 エンジン
10 PCM(停止・始動制御手段)
30 吸気通路
36 スロットル弁
40 排気通路
50 排気ガス還流通路(EGR通路)
51 主通路(低温EGR通路)
51a 排気ガス還流弁(通路制御弁)
52 EGRクーラ(冷却手段)
53 クーラバイパス通路(高温EGR通路)
53a クーラバイパス弁(通路制御弁)
61 大型ターボ過給機(ターボ過給機)
61a 大型コンプレッサ(コンプレッサ)
61b 大型タービン(タービン)
62 小型ターボ過給機(ターボ過給機)
62a 小型コンプレッサ(コンプレッサ)
62b 小型タービン(タービン)
64 小型排気バイパス通路(タービンバイパス通路)
64a レギュレートバルブ(バイパス弁)
65 大型排気バイパス通路(タービンバイパス通路)
65a ウエストゲートバルブ(バイパス弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジンの自動停止・再始動を行うディーゼルエンジンの自動停止装置であって、
前記ディーゼルエンジンの吸気通路のうちスロットル弁よりも下流側の部分と排気通路とを連通させて排気ガスを該排気通路から該吸気通路へ還流させるためのEGR通路と、
所定の自動停止条件が成立したときに燃料供給を停止して前記ディーゼルエンジンを停止させる一方、その後に所定の再始動条件が成立したときに燃料の供給を再開して該ディーゼルエンジンの燃焼による始動を行う停止・始動制御手段とを備え、
前記EGR通路は、流通する排気ガスを冷却する冷却手段が設けられた低温EGR通路と、該冷却手段が設けられていない高温EGR通路とを有すると共に、排気ガスに該低温EGR通路を流通させる状態と該高温EGR通路を流通させる状態とを切り替える通路制御弁が設けられており、
前記停止・始動制御手段は、
前記自動停止条件が成立してから燃料供給を停止させるまでの間においては、燃料を主噴射した後に追加噴射を行い、
燃料供給を停止させてから前記ディーゼルエンジンが停止するまでの間においては、排気ガスに前記高温EGR通路を流通させるように前記通路制御弁を制御すると共に前記スロットル弁を絞ることを特徴とするディーゼルエンジンの自動停止装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディーゼルエンジンの自動停止装置であって、
前記吸気通路に配設されたコンプレッサと前記排気通路に配設されたタービンとを有するターボ過給機と、
前記排気通路に接続されて前記タービンをバイパスさせるタービンバイパス通路と、
前記タービンバイパス通路に設けられて該タービンバイパス通路を流通する排気ガスの流量を調整するためのバイパス弁とをさらに備え、
前記停止・始動制御手段は、前記自動停止条件の成立後であって燃料供給停止後に排気ガスに前記高温EGR通路を流通させるときには、前記バイパス弁を閉じることを特徴とするディーゼルエンジンの自動停止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−214413(P2011−214413A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80342(P2010−80342)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】