説明

トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩、その製造方法およびそれを含有する薬学的組成物

本発明は、トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩、その製造方法およびそれを含有する薬学的組成物に関する。具体的に、本発明は、コルヒチンの誘導体としてのトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩、その製造方法およびそれを含有する薬学的組成物に関する。
本発明に係るトリサイクリック誘導体は、癌細胞株に対しては非常に強い細胞毒性を示し、動物毒性実験ではコルヒチンまたはタクソール注射剤より著しく減少した毒性を示し、腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量を著しく減少させ、HUVEC細胞で強力な血管新生抑制作用を示すので、臨床的に有用な抗癌剤、抗増殖抑制剤および血管新生抑制剤として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、下記化学式1で表わされるトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩、その製造方法およびそれを含有する薬学的組成物に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、R、R、R、RおよびXは、下記に記載されているとおりである。)
【0004】
〔背景技術〕
コルヒチンは、シュードアルカロイド(psudo-alkaloid)化合物であって、抗炎症作用を持っており、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の治療にも使用されるという報告[臨床雑誌内科、86, No.2, 342-345, 2000]があり、コルヒチンおよびチオコルヒチン誘導体は、筋肉弛緩作用および抗炎症作用を示し(US 5 973 204, EP 0870761 A1)、チオコルヒコシド(thiocolchicoside)は、骨格筋に対する痙縮および炎症状態の治療に使用されている。また、コルヒチンは、動物移植試験において移植臓器に対して単球(monocyte)およびT細胞の浸潤(infiltration)を抑制させ且つ炎症性サイトカインであるTNF−α、IL−1およびIL−6の生成を減少させることにより、免疫抑制作用を示すものと報告されている[J. Am. Soc. Nephrol., 4(6), 1294-1299, 1993; Transplantation Proceedings, 32, 2091-2092, 2002]。したがって、コルヒチンを免疫抑制剤として開発する研究(WO 02/100824)も行われている。
【0005】
コルヒチンは、チューブリン(tubulin)との反応によって微小管(microtubule)を不安定化させる作用を行うことにより、細胞分裂を抑制する[The Alkaloids, 1991, 41, 125-176; US 4 533 675 ]。このようなコルヒチンは、痛風(gout)およびそれに関連した炎症性疾患の治療剤として用いられている。ところが、コルヒチンは、胃腸管毒性および制限的な治療指数(therapeutic index) によって、その使用が急性炎症性疾患の治療剤に限られている[Pharmacotherapy, 11, 3, 196-211, 1991]。
【0006】
また、コルヒチン誘導体を抗癌剤として開発するための研究[US 3 222 253; US 00/6080739; WO 97/01570]が行われてきたが、現在まで成功しておらず、デメコルチン(demecolcine)のみが白血病治療剤として病院で採用されている。ところが、デメコルチンも、胃腸管毒性および制限的な治療指数は解決されていない。
【0007】
本発明者らは、毒性を減少させて安定的な治療指数を示し、優れた抗癌作用、抗増殖抑制作用および血管新生抑制作用を有するコルヒチン誘導体を開発することにより、本発明を完成した。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、毒性を減少させて安定的な治療指数を示し、優れた抗癌作用、抗増殖抑制作用および血管新生抑制作用を有するトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、前記トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩の製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の別の目的は、前記トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を提供することにある。
【0011】
本発明は、下記化学式1で表わされるトリサクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、(1)Rは、化学式−T−Bであり;
前記において、Tは、−X−、−X−C(X)−、−N(R)−、−N(R)C(X)−、−N(R)S(O)n−、−N(R-)C(O)−X−または−N(R)C(X)NH−であり、この際、X、XはそれぞれOまたはSであり、Rはそれぞれ水素またはC〜Cアルキル基であり、nは1〜2の整数であり;Bは下記(a)〜(j)の基よりなる群から選択され、
【0014】
【化3】

【0015】
前記において、RとRは、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノまたはC〜C低級アルキル基であり;RとRは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、−ONO、−ONOまたはSNOであり、この際、RとRは、互いに同じでも異なってもよく;
【0016】
【化4】

【0017】
は、ヘテロ原子を1〜2つ含むC〜Cの飽和または不飽和複素環であり、この際、前記へテロ原子は、O、SおよびNよりなる群から選択され、好ましくは、
【0018】
【化5】

【0019】
であり、最も好ましくは、位置2番および6番または2番および5番に置換されたC1(ピリジル基)、2番および5番または2番および4番に置換されたC7(ピロリル基)、C11(チオフェニル基)またはC12(フラニル基)であり、置換体の結合は、対称および非対称の位置にありうり;Zは、C〜C10の直鎖または分岐鎖アルキル基、好ましくは、C〜C直鎖または分岐鎖アルキル基、または置換基を有するシクロアルキル基であり;ZとZは、それぞれ独立に水素またはメチル基を意味し、この際、Zがメチル基のときにはZは水素であり、Zがメチル基のときにはZが水素であり;Tは−X−または−X−C(X)−であり、この際、X、Xは、それぞれOまたはSであり、Bは、前記(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の基よりなる群から選ばれ;nは0〜3の整数であり、nは0〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、nとnはそれぞれ独立に1〜6の整数であり;
(2)RとRは、それぞれ独立に水素、−PO、ホスホン酸塩、硫酸塩、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルカノイル、C〜C直鎖または分岐鎖アルキルまたは糖であり、この際、糖は、グルクロニル、グルコシルまたはガラクトシルなどの単糖類を意味し;
(3)Rは、OCH、SCHまたはNR1011であり、この際、R10とR11は、それぞれ独立に水素、C1〜5アルキルであり;
(4)Xは、OまたはSである。)
【0020】
好ましくは、前記化学式1において、
(1)Rは、化学式−T−Bであり;
前記において、Tは、−N(R)C(X)−、N(R)C(O)−X−または−N(R)C(X)NH−であり、この際、X、XはそれぞれOであり、Rはそれぞれ水素またはC〜Cアルキル基であり;Bは下記(a)〜(j)の基よりなる群から選択され、
【0021】
【化6】

【0022】
前記において、RとRは、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノまたはC〜C低級アルキル基であり;RとRは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト(チオール基)、−ONO、−ONOまたはSNOであり、この際、RとRは、お互い同じでも異なってもよく;
【0023】
【化7】

【0024】
は、ヘテロ原子を1〜2つ含むC〜Cの飽和または不飽和複素環であり、この際、前記へテロ原子は、O、SおよびNよりなる群から選択され、好ましくは、
【0025】
【化8】

【0026】
であり、最も好ましくは、位置2番および6番または2番および5番に置換されたC1(ピリジル基)、2番および5番または2番および4番に置換されたC7(ピロリル基)、C11(チオフェニル基)またはC12(フラニル基)であり、置換体の結合は、対称および非対称の位置にありうり;Zは、C〜C10直鎖または分岐鎖アルキル基、好ましくは、C〜C直鎖または分岐鎖アルキル基、または置換基を有するシクロアルキル基であり;ZとZは、それぞれ独立に水素またはメチル基を意味し、この際、Zがメチル基のときにはZは水素であり、Zがメチル基のときにはZが水素であり;Tは−X−または−X−C(X)−であり、この際、X、Xは、それぞれOまたはSであり;Bは、前記(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の基よりなる群から選択され;nは0〜3の整数であり、nは0〜5の整数であり、nは1〜3の整数であり、nとnはそれぞれ独立に1〜3の整数であり;
(2)RとRは、それぞれ独立にC〜CシクロアルキルまたはC〜Cアルキルであり;
(3)Rは、SCHまたはOCHであり;
(4)Xは、OまたはSである。)
【0027】
本発明に係る好適なトリサイクリック誘導体は、
1)6−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ニコチンアミド;
2)5−ニトロオキシメチル−フラン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
3)N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチルベンズアミド;
4)N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチルベンズアミド;
5)6−ニトロオキシメチルピリジン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
6)5−ニトロオキシメチルチオフェン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
7)N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチルベンズアミド;
8)N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−2−フルオロ−3−ニトロオキシメチルベンズアミド;
9)2−フルオロ−N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチルベンズアミド;
10)2−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
11)N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−2−フルオロ−3−ニトロオキシメチルベンズアミド;
12)3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
13)N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−フルオロ−5−ニトロオキシメチルベンズアミド;
14)3−フルオロ−N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−5−ニトロオキシメチルベンズアミド;
15)N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−フルオロ−5−ニトロオキシメチルベンズアミド;
16)4−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
17)2−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
18)3−ヒドロキシ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
19)3,5−bis−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
20)2−ヒドロキシ−4−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
21)4−ニトロオキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
22)3−ニトロオキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
23)2−(3−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミド;
24)3−(2−ニトロオキシ−エチル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
25)3−ニトロオキシ安息香酸−5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イルメチルエステル;
26)4−ニトロオキシ酪酸−5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イルメチルエステル;
27)3−ニトロオキシメトキシ安息香酸−6−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イルメチルエステル;
28)4−ニトロオキシ酪酸−6−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イルメチルエステル;
29)3−ニトロオキシメチル安息香酸−2−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
30)4−ニトロオキシ酪酸−2−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
31)3−ニトロオキシメチル安息香酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
32)4−ニトロオキシ酪酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
33)3−ニトロオキシメチル安息香酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
34)4−ニトロオキシ酪酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジルエステル;
35)2−ニトロソチオ−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
36)3−ニトロソオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
37)3−フルオロ−5−ニトロソオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
38)3−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
39)3−フルオロ−5−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
40)3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3,10−テトラメトキシ−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
41)3−ニトロオキシメチル−N−メチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
42)3−フルオロ−N−メチル−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
43)2−(3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミド;または
44)2−(2−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミドである。
【0028】
また、本発明は、前記化学式1で表わされる化合物の薬学的に許容される塩を提供する。本発明の薬学的に許容される塩は、本発明に係る化合物が十分塩基性の場合、本発明に係る化合物の酸付加塩を含む。このような酸付加塩は、例えばハロゲン化水素などの薬学的に許容される陰イオンを提供する無機酸または有機酸を保有する塩、または硫酸またはリン酸を保有する塩、またはトリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸を保有する塩を含む。好ましい塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩および酒石酸塩が挙げられる。また、本発明に係る化合物が十分酸性の場合、薬学的に許容される塩は、薬学的に受容可能な陽イオンを提供する無機塩基または有機塩基で形成することができる。前記無機塩基としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩などが挙げられ、前記有機塩基としては、例えばメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、ピペリジン塩またはモルホリン塩などが挙げられる。
【0029】
また、本発明は、前記化学式1で表わされるトリサイクリック誘導体の製造方法を提供する。本発明に係るトリサクリック誘導体の製造方法は、下記反応式1〜下記反応式8に表現されており、具体的には、前記化学式1において、Rが−T−Bであり、Bが前記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)基のいずれか一つである場合、反応式1〜反応式6の方法で製造され、前記化学式1において、Rが−T−Bであり、Bが前記(f)、(g)、(h)、(i)、(j)基のいずれか一つである場合、反応式7と反応式8の方法で製造される。また、反応式1〜反応式8において、化学式1の具体的な化合物は、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIi)、(IIj)、(IIk)、(II1)、(IIm)、(IIn)、(IIo)および(IIp)で表わす。
【0030】
【化9】

【0031】
【化10】

【0032】
【化11】

【0033】
【化12】

【0034】
【化13】

【0035】
【化14】

【0036】
【化15】

【0037】
【化16】

【0038】
この際、前記反応式において、Eは、それぞれ下記E1〜E6を示し;
【0039】
【化17】

【0040】
この際、X、XおよびXは、それぞれOまたはSである。
【0041】
前記反応式において、Dは
【0042】
【化18】

【0043】
であり、この際、R、R、RおよびXは、前記化学式1で定義したとおりであり;
は、水素または低級アルキルを示し、X、XまたはXは、それぞれ独立にOまたはSを示し、HalとHalは、ハロゲンを示し、一般式(IV)と(IX)のHalとHalは、それぞれ同一または異なるハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIを示し、Pは、例えばメトキシメチル、t−ブチルジメチルシリルまたはベンジルなどの通常のヒドロキシ保護基を示し、YとY’は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ下記一般式(a’)、(b’)、(c’)、(d’)および(e’)を示し、
【0044】
【化19】

【0045】
この際、
【0046】
【化20】

【0047】
、R、R、R、Z、Z、Z、n、n、n、nおよびnは、下記化学式1で定義したとおりであり、nおよびnは、1〜2の整数である。
【0048】
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
【0049】
〔方法1〕
化学式(IIa)および(IIb)の化合物を製造する本発明の方法1によれば、第1段階では、化学式(III)のアミン化合物と化学式(IV)のハロゲン化合物とを反応させる一般的なアミド化反応(amidation reaction)によって化学式(V)の化合物を製造する。この反応は、塩基を使用することなく行うことができるが、一般には、アミド化反応に使用できる塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミンまたはN−メチルモルホリンなどの存在下で反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエンまたはジメチルホルムアミドなどを用いて反応を行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは常温で行う。
【0050】
第2段階では、第1段階で生成された化学式(V)の化合物を、ニトロ化反応(nitration reaction)を用いて化学式(IIa)のニトロオキシ化合物(nが2の場合)に転換させ、ニトロソ化反応(nitrosation-reaction)を用いて化学式(IIa)のニトロソオキシ化合物(nが1の場合)に転換させる。ニトロ化反応は、一般に、ハロゲンをニトロ化反応させることが可能な化合物を使用することができ、好ましくは、硝酸銀(AgNO)、t−ブチルアンモニウムニトラート(BuNNO)などを用いて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばクロロホルム、アセトニトリル、アセトニトリルと水溶液との混合溶液、またはジクロロメタンなどの存在下に行う。ニトロソ化反応は、一般には、ハロゲンをニトロソ化させることが可能な化合物を使用することができ、好ましくは、亜硝酸銀(AgNO)、亜硝酸ナトリウム(NaNO)などを用いて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばクロロホルム、アセトニトリル、アセトニトリルと水溶液との混合溶液、水溶液、またはジクロロメタンなどの存在の下で行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは常温で行う。
【0051】
化学式(IIa)の化合物を合成する別の方法は、化学式(III)の化合物を化学式(VI)の化合物と反応させて化学式(VII)の化合物を生成させ、生成された化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる方法で合成することができる。化学式(III)と化学式(VI)の化合物の反応条件は、カップリング試薬(coupling reagent)である1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1-(3-dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide、EDCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレイト(1−hydroxybenzotriazole hydrate、HOBT)または1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1,3-dicyclohexyl carbodiimide、DCC)などの存在下に反応させる。この反応は、塩基を使用することなく行うことができるが、アミド化反応に使用できる一般的な塩基、例えば4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリンまたはジメチルフェニルアミンなどの存在下に、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンなどを用いて行う。
【0052】
反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができるが、好ましくは、冷温または常温で行う。また、化学式(VII)の化合物は、一般に、アルコールをトリフェニルホスフィン(triphenylphosphine、PPh)、N−ブロモスクシニミド(N-bromo succinimide、NBS)および硝酸銀または亜硝酸銀と反応させて直接化学式(IIa)の化合物に転換させる。この際、使用される溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばクロロホルム、アセトニトリル、ジクロロメタン、アセトニトリルとジクロロメタンとの混合溶液などの存在下に行うことができ、反応温度は、特に制限されず、一般に、反応は、冷温ないし常温の下に行う。化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる別の方法は、化学式(VII)の化合物を、ハロゲン化合物である化学式(V)の化合物に転換させた後、化学式(IIa)の化合物に転換させる方法で得ることができる。この際、ハロゲン化合物の転換は、一般に、ヒドロキシ基をハロゲンに転換させる試薬、例えばトリブロモホスフィン、テトラブロモメタンなどを用いて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばクロロホルム、アセトニトリル、ジクロロメタンなどの存在下で行うことができ、反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし常温の下に行う。
【0053】
本発明の方法1の化学式(IIb)の化合物を製造する方法は、化学式(VII)のアルコールの水素をメシラート、トシレートまたはトリフラートなどの離脱基(leaving group)に転換させた後、チオ酢酸カリウムと反応させてチオ酢酸エステル化合物を作り、その後塩基の存在下に加水分解させて化学式(VIII)の化合物を合成する。この際、使用される塩基は、エステル化合物を加水分解することが可能な一般的な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはチオメトキシドナトリウムなどを用いて反応を行い、溶媒は、メタノール、エタノールなどのアルコール溶液を使用する。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは冷温または常温で行う。化学式(VIII)の化合物を酸条件で亜硝酸ナトリウムと反応させて化学式(IIb)のニトロソチオ化合物に転換させる。この際、使用される溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトニトリルと水溶液との混合溶液、またはジクロロメタンなどの存在下で行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは常温で行う。
【0054】
〔方法2〕
化学式(IIc)および(IId)の化合物を製造する本発明の方法2によれば、まず、第1段階では、化学式(III)の化合物を化学式(IX)の化合物と反応させて化学式(X)の化合物を製造する。この反応は、一般に、方法1の化学式(III)の化合物を化学式(V)の化合物に転換させるアミド化反応と同様の条件で行う。
【0055】
第2段階では、第1段階で生成された化合物(X)を用いてニトロ化およびニトロソ化反応を行って化学式(IIc)の化合物を合成する。この反応は、一般には、方法1の化学式(V)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる反応と同様の条件で反応を行う。
【0056】
化学式(IIc)の化合物を合成する別の方法は、化学式(III)の化合物を化学式(XI)の化合物と反応させて化学式(XII)の化合物を生成させ、この化学式(XII)の化合物を化学式(IIc)の化合物に転換させる方法によって合成することができる。化学式(III)と化学式(XI)の化合物の反応条件は、方法1の化学式(III)の化合物を化学式(V)の化合物に転換させるアミド化反応と同様の条件で行う。化学式(XII)の化合物を化学式(IIc)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる方法と同様の条件で行う。
【0057】
化学式(XII)の化合物を化学式(IId)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式VIIの化合物を化学式IIbの化合物に転換させる方法と同様の条件で行う。
【0058】
〔方法3〕
化学式(IIe)および(IIf)の化合物を製造する本発明の方法3によれば、まず、第1段階では、化学式(XIV)の化合物と化学式(IV)の化合物を反応させて化学式(XV)の化合物を生成させる。この反応は、一般には、アルコール(X=O)またはチオアルコール(X=S)とアシルまたはチオアシルハライドとのエステル化反応(esterification reaction)によって、一般的なエステル化反応に使用できる塩基の存在下で行う。このような目的で好ましく使用することが可能な塩基としては、例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、2,6−ルチジン、水素化ナトリウム(NaH)、炭酸セシウムまたは水酸化ナトリウムを挙げることができ、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドのような相間移動触媒(phase transfer catalyst)を共に使用することができる。また、前記反応は、好ましくは反応に悪影響を及ぼさない溶媒の存在下で行うが、このような目的で使用できる溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルまたは水溶液などが挙げられる。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは常温で行う。
【0059】
第2段階では、第1段階で生成された化学式(XV)の化合物を用いてニトロ化反応およびニトロソ化反応によって化学式(IIe)の化合物を生成させる。この反応は、一般には、方法1の化学式(V)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる反応と同様の条件で行う。
【0060】
化学式(IIe)の化合物を合成する別の方法は、化学式(XIV)の化合物を、アルコール基に保護基を有する化学式(VI’)の化合物と反応させて化学式(XVII)の化合物を製造し、脱保護反応の後、化学式(XVIII)の化合物を作って化学式(IIe)の化合物に転換させる方法で合成する。この際、化学式(XIV)の化合物と化学式(VI’)の化合物との反応条件は、一般的なアルコール(X=O)またはチオアルコール(X=S)とカルボン酸またはチオカルボン酸とのエステル化反応で行うが、この際、反応条件は、塩酸、硫酸、ドデシルベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸などの酸を用いて水溶液上で常温または加温の下に行うか、あるいは方法1の化学式(III)の化合物を化学式(VII)の化合物に転換させる反応と同様の条件で行う。別のエステル化反応は、トリフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチルを使用するミツノブ反応を用いて行うが、この反応は、好ましくは、反応に悪影響を及ぼさない溶媒の存在下で行われる。このような目的で使用できる溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエンまたはアセトニトリルなどがある。この際、反応温度は、特に制限されないが、一般に冷温ないし常温で行う。アルコール基の保護反応と脱保護反応は、一般的な有機合成における公知の方法によって行う。
【0061】
また、化学式(XVIII)の化合物は、化学式(XIV)の化合物と化学式(XVI)の化合物とを反応させて得ることができ、この反応は、方法3の化学式(XIV)の化合物を化学式(XV)の化合物に転換させる反応と同様の条件で行う。
【0062】
化学式(XVIII)の化合物を化学式(IIe)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる条件と同様の条件で行う。
【0063】
化学式(XVIII)の化合物を化学式(IIf)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIb)の化合物に転換させる方法と同様の条件で行う。
【0064】
〔方法4〕
化学式(IIg)および(IIh)の化合物を製造する本発明の方法4によれば、まず、第1段階では、化学式(III)の化合物と化学式(XX)の化合物とを反応させて化学式(XXI)の化合物を生成させる。
【0065】
化学式(IIg)の化合物がスルフィニルアミド(nが1の場合)の場合、化学式(III)の化合物と化学式(XX)のスルフィニルハライドとの反応は、塩基を使用することなく行うか、あるいはアミド化反応に一般に使用できる塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリンまたはジメチルフェニルアミンなどの存在下で、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエンまたはジメチルホルムアミドなどを用いて行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは常温で行う。
【0066】
化学式(IIg)の化合物が、スルフィニルアミド(nが2の場合)の場合、化学式(III)の化合物と化学式(XX)のスルホニルハライドとの反応は、塩基を使用することなく行うか、あるいはアミド化反応に一般に使用できる塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの存在下で、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエンまたはジメチルホルムアミドなどを用いて行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは常温で行う。
【0067】
第2段階では、第1段階で生成された化学式(XXI)の化合物を化学式(IIg)の化合物に転換させるが、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換される条件と同様に行う。
【0068】
化学式(XXI)の化合物を化学式(IIh)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIb)の化合物に転換させる条件と同様に行う。
【0069】
〔方法5〕
化学式(IIi)および(IIj)の化合物を製造する本発明の方法5によれば、第1段階では、化学式(III)の化合物とアルコール基に保護基を有する化学式(XXIII)の化合物とを反応させ、脱保護反応の後、化学式(XXIV)の化合物を作って化学式(IIi)の化合物に転換させる方法で合成する。この際、化学式(III)の化合物と化学式(XXIII)の化合物との反応は、カップリング試薬、例えば二塩化カルボニル、トリホスゲン、ジ−t−ブチルジカルボネートまたは1、1’−カルボニルジイミダゾールなどを用いて行う。この反応は、塩基を使用することなく行うことができるが、一般には、アミド生成反応に使用できる塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリンまたはジメチルフェニルアミンなどの存在下で、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノールまたはジメチルホルムアミドなどを用いて行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし常温で行う。そして、脱保護反応は、一般的な有機合成における公知の方法によって行う。
【0070】
第2段階では、第1段階で生成された化学式(XXIV)の化合物を化学式(IIi)の化合物に転換させるが、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる条件と同様に行う。
【0071】
化学式(XXIV)の化合物を化学式(IIj)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIb)の化合物に転換させる条件と同様に行う。
【0072】
〔方法6〕
化学式(IIk)および(IIl)の化合物を製造する本発明の方法6によれば、第1段階では、化学式(III)の化合物とアルコール基に保護基を有する化学式(XXVI)の化合物とを反応させ、脱保護反応の後、化学式(XXVII)の化合物を生成させた後、化学式(IIk)の化合物に転換させる方法で合成する。この際、化学式(III)の化合物と化学式(XXVI)の化合物との反応は、塩基を使用することなく行うことができるが、一般には、アミド化反応に使用できる塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミンまたはN−メチルモルホリンなどの存在下で、反応に悪影響を及ぼさない溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ベンゼン、アセトニトリルなどを用いて行う。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし常温で行う。この際、アルコール基の保護反応と脱保護反応は、一般的な有機合成における公知の方法によって行う。
【0073】
第2段階では、第1段階で生成された化学式(XXVII)の化合物を化学式(IIk)の化合物に転換させるが、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる条件と同様に行う。
【0074】
化学式(XXVII)の化合物を化学式(IIl)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIb)の化合物に転換させる条件と同様に行う。
【0075】
〔方法7〕
化学式(IIm)および(IIn)の化合物を製造する本発明の方法7は、化学式(XXIX)の化合物を用いて方法3と同様の合成法で行う。
【0076】
〔方法8〕
化学式(IIo)および(IIp)の化合物を製造する本発明の方法8によれば、第1段階では、化学式(XXIX)の化合物を化学式(IX’)の化合物と反応させて化学式(XXXIV)の化合物を生成させる。この反応は、一般に、アルコール(X=O)またはチオアルコール(X-=S)とアルキルハライドとのエーテル化反応によって、エーテル生成反応に使用できる塩基の存在下に行う。このような目的で好ましく使用することが可能な塩基の例としては、水素化ナトリウム(NaH)、t−ブトキシドナトリウム(t−BuOK)、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどの相間移動触媒(phase transfer catalyst)、またはクラウンエーテル(crown ether)を使用することができる。また、前記反応は、好ましくは反応に悪影響を及ぼさない溶媒の存在の下で行うが、このような目的で使用できる溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ジメチルホルムアミド、水溶液、ジメチルスルホキシドまたはベンゼンなどがある。反応温度は、特に制限されないが、一般に、反応は、冷温ないし加温の下に行うことができ、好ましくは冷温ないし常温で行う。
【0077】
第2段階では、第1段階で生成された化合物(XXXIV)を用いてニトロ化またはニトロソ化反応を行って化学式(IIo)の化合物を合成する。この反応は、一般には方法1の化学式(V)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる反応と同様の条件で行う。
【0078】
化学式(IIo)の化合物を合成する別の方法は、化学式(XXIX)の化合物とアルコールが保護基を有する化学式(XI’)の化合物とを反応させ、脱保護反応の後、化学式(XXXV)の化合物を生成させ、この化学式(XXXV)の化合物を化学式(IIo)の化合物に転換させる方法で合成することができる。化学式(XXIX)の化合物を化学式(XI’)の化合物と反応させ、方法8の化学式(XXIX)の化合物を化学式(XXXIV)の化合物に転換させるエーテル生成反応条件と同様の条件で行う。
【0079】
化学式(XXXV)の化合物を化学式(IIo)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIa)の化合物に転換させる反応と同様に行う。
【0080】
化学式(XXXV)の化合物を化学式(IIp)の化合物に転換させる方法は、方法1の化学式(VII)の化合物を化学式(IIb)の化合物に転換させる反応と同様の条件で行う。
【0081】
前記反応式で生成された目的の化合物は、通常の方法、例えばカラムクロマトグラフィ、再結晶化などの方法を用いて分離精製することができる。
【0082】
また、本発明は、前記化学式1で表わされるトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を提供する。
【0083】
本発明に係るトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩は、癌細胞株に対しては非常に強い細胞毒性を示し、動物毒性試験ではコルヒチンまたはタクソール注射剤より毒性が顕著に減少する。
【0084】
また、本発明のトリサイクリック誘導体は、ヒト肺癌細胞株であるNCI−H460細胞を移植したBALb/cヌードマウスに投与した場合、腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量を著しく減少させるが、この際、投与用量が高いほど、腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量は減少する。
【0085】
また、本発明のトリサイクリック誘導体は、HUVEC細胞で強力な血管新生抑制作用を示す。
【0086】
したがって、本発明に係るトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩は、抗癌剤、抗増殖抑制剤および血管新生抑制剤として有用に使用できる。
【0087】
本発明の組成物は、前記トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩に、さらに同一または類似の機能を示す有効成分を1種以上含有することができる。
【0088】
前記トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩は、臨床投与の際に経口または非経口で投与が可能であり、一般的な医薬品製剤の形で使用できる。すなわち、本発明のトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩は、実際臨床投与の際に経口および非経口の各種剤形にして投与できるが、製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤および界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤およびカプセル剤などが含まれる。このような固形製剤は、トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩に少なくとも一つの賦形剤、例えば澱粉、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトースおよびゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの潤滑剤も使用される。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内溶液剤、乳剤およびシロップ剤などがあるが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に、各種賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤および保存剤などが含まれる。非経口投与のための製剤には、滅菌した水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤および坐剤が含まれる。非水性溶剤と懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリブ油などの植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどが使用できる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(Witepsol)、マクロゴール、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロールおよびゼラチンなどが使用できる。
【0089】
本発明の組成物は、目的の方法に応じて非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内または局所に適用)または経口投与することができ、投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率および疾患の重症度などによってその範囲が様々である。一日投与量は、本発明のトリサイクリック誘導体が3〜30mg/kgであり、一日1回〜数回に分けて投与することがさらに好ましい。
【0090】
〔実施例〕
以下、本発明を下記実施例によって詳細に説明する。ところが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
【0091】
下記実施例で使用された7−脱アセチンコルヒチン(7-deacetylcolchicine)は、文献[EP 0493064; Synthetic Communications 1997, 27(2). 293-296]の方法によって合成した。
【0092】
7−アミノ−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]−ヘプタレン−9−オンは、文献(WO 9421598; Bioorganic & Medicinal Chemistry, Vol 5, No.12, pp2277-2282, 1997)の方法によって合成した。
【0093】
チオデメコルチンは、参考文献(J. Med. Chem, 1985,28, 1204-1208)の方法によって合成した。
【0094】
(7S)−7−アミノ−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]ヘプタレン−9−オン、(7S)−7−アミノ−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]ヘプタレン−9−オン、(7S)−7−アミノ−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]ヘプタレン−9−オンは、参考文献(WO 9611184)の方法によって合成した。
【0095】
〔実施例1〕6−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ニコチンアミドの合成
(段階1)6−ヒドロキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ニコチンアミドの合成
【0096】
【化21】

【0097】
6−ヒドロキシメチル−ニコチン酸は、参考文献(Bioorg. Med. Chem. Lett, 1996, 6, 3025-3028)の方法によって合成した。
【0098】
7−アミノ−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]−ヘプタレン−9−オン(300mg、0.80mmoL)と6−ヒドロキシメチルニコチン酸(135mg、0.88mmoL)、DMAP(60mg、0.48mmoL)をアセトニトリル10mLに溶解させ、0℃に降温した後、EDCI(308mg、1.60mmoL)を滴加した。これを常温で2時間攪拌させ、水を加えて反応を終結させた後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:メタノール=8:1)で精製して標題化合物(244mg、収率:60%、黄色固体)を得た。
【0099】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.07-2.15(m, 1H), 2.31-2.44(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.56-2.59(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.66(q, J=10.2Hz, 2H), 4.90-4.93(m, 1H), 6.56(s, 1H), 7.13(t, J=9.1Hz, 2H), 7.40(d, J=10.2Hz, 1H), 7.52(s, 1H), 8.15(dd, J=2.2, 5.8Hz, 1H), 8.80(d, J=6.9Hz, 1H), 8.96(s, 1H)
【0100】
(段階2)6−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ニコチンアミドの合成
【0101】
【化22】

【0102】
前記実施例1の段階1で製造した化合物(100mg、0.19mmoL)とトリフェニルホスフィン(57mg、0.21mmoL)をアセトニトリル/ジクロロメタン(1.25mL/0.5mL)に溶解させ、−35℃に降温した後、NBS(42mg、0.23mmoL)を滴加して20分間攪拌した。ここに硝酸銀(40mg、0.23mmoL)をゆっくり滴加し、常温にゆっくり昇温させた後、18時間攪拌した。水を加えて反応を終結させ、クロロホルムで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧濃縮して残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製して標題化合物(18mg、収率:35%、黄色固体)を得た。
【0103】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.09-2.13(m, 1H), 2.31-2.43(m, 2H), 2.46(s, 3H), 2.55-2.64(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.93-4.98(m, 1H), 5.50(s, 2H), 6.56(s, 1H), 7.16(t, J=10.9Hz, 1H), 7.26(d, J=8.8Hz, 1H), 7.40(d, J=10.6Hz, 1H), 7.59(s, 1H), 8.27(dd, J=2.2, 5.8Hz, 1H), 8.77(d, J=7.3Hz, 1H), 9.08(s, 1H)
【0104】
〔実施例2〜4〕
実施例2〜実施例4は、前記実施例1に記載の方法と類似の方法で合成し、必要な中間体は、下記の方法によって製造した。
【0105】
(中間体1)5−ヒドロキシメチル−フラン−2−カルボン酸の合成
5−ヒドロキシメチル−フラン−2−カルボンは、文献(Helv. Chim. Acta, 1926, 9, 1068)に記載の方法によって合成した。
【0106】
(中間体2)3−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0107】
【化23】

【0108】
イソフタル酸ジエチルエステル(9.100g、40.95mmoL)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、リチウムボロハイドライド(11.26mL、22.52mmoL、2Mテトラヒドロフラン溶液)をゆっくり滴加して3時間還流した。水を加えて反応を終結させ、0℃で1N塩酸水溶液によって中和して酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して3−ヒドロキシメチル安息香酸エチルエステル(5.76g、反応収率:77.1%、無色液体)を得た。
【0109】
上で生成されたエステル化合物(1.317g、7.311mmoL)をエタノール(6mL)に溶解させ、2N水酸化ナトリウム(11.0mL、21.93mmoL)水溶液をゆっくり滴加して1時間常温で攪拌した。反応混合物を1%塩酸水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機溶媒層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を減圧、濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:メチルアルコール=5:1)で精製して標題化合物(1.03g、収率:92.8%、白色固体)を得た。
【0110】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ4.66(s, 2H), 7.44(t, J=7.7Hz, 1H), 7.58(d, J=7.7Hz, 1H), 7.92(d, J=7.7Hz, 1H), 8.04(s, 1H)
【0111】
〔実施例2〕5−ニトロオキシメチル−フラン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド
【0112】
【化24】

【0113】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.37-2.51(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.61-2.92(m, 1H), 3.74(s, 3H), 3.93(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.82-4.85(m, 1H), 4.85(d, J=13.2Hz, 1H), 4.90(d, J=13.2Hz, 1H), 6.39(s, 1H), 6.58(s, 1H), 6.64(s, 1H), 7.16(d, J=10.6Hz, 1H), 7.42(d, J=10.2Hz, 1H), 7.72(s, 1H), 8.99(s, 1H)
【0114】
〔実施例3〕N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0115】
【化25】

【0116】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.42(t, J=6.6Hz, 6H), 2.22-2.27(m, 1H), 2.34-2.49(s, 2H), 2.54-2.57(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.59-4.63(m, 1H), 4.93-4.97(m, 1H), 5.23(q, J=13.0Hz, 2H), 6.56(s, 1H), 7.15(d, J=10.6Hz, 1H), 7.18-7.25(m, 1H), 7.33(d, J=8.0Hz, 2H), 7.46(d, J=10.2Hz, 1H), 7.64(s, 1H),7.71(d, J=8.0Hz, 1H), 7.88(s, 1H), 8.40(s, 1H)
【0117】
〔実施例4〕N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0118】
【化26】

【0119】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.49(t, J=6.9Hz, 3H), 2.17-2.24(m, 1H), 2.34-2.47(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.49-2.58(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.12-4.15(m, 2H), 4.89-4.96(m, 1H), 5.24(q, J=12.0Hz, 2H), 6.56(s, 1H), 7.15(d, J=10.2Hz, 1H), 7.21-7.25(m, 1H), 7.31-7.35(m, 1H), 7.41(d, J=10.6Hz, 1H), 7.60(s, 1H), 7.71(d, J=7.3Hz, 1H), 7.78(s, 1H), 8.23(s, 1H)
【0120】
〔実施例5〕6−ニトロオキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミドの合成
(段階1)6−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミドの合成
【0121】
【化27】

【0122】
6−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸(23mg、0.17mmoL)を用いて前記実施例1の段階1と同様の方法で合成して標題化合物(35mg、収率:53%、黄色固体)を得た。
【0123】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.45(s, 3H), 2.33-2.50(m, 3H) 2.52-2.73(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.97(S, 3H), 4.28(d, J=14Hz, 1H), 4.44(d, J=14Hz, 1H) 4.86-4.92(m, 1H), 6.57(s, 1H), 7.13(d, J=10.4Hz, 1H), 7.37-7.48(m, 4H), 7.73(s, 1H), 9.80(d, J=8Hz, 1H)
【0124】
(段階2)6−ブロモメチル−ピリジン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミドの合成
【0125】
【化28】

【0126】
前記段階1で製造した化合物(50mg、0.098mmoL)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、0℃でトリブロモホスフィン(PBr、0.005mL、0.05mmoL)をゆっくり滴加して常温で3時間攪拌した。メタノールを加えて反応を終結させ、溶媒を減圧濃縮した後、残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール=99:1)で精製して標題化合物(40mg、収率:71%、黄色固体)を得た。
【0127】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.06-2.14(m, 1H), 2.33-2.41(m, 1H), 2.41(s, 3H), 2.46-2.54(m, 1H) 2.58-2.63(m, 1H), 3.72(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.95(S, 3H), 4.55(d, J=2.8Hz, 2H), 4.77-4.83(m, 1H), 6.57(s, 1H), 7.04(d, J=10.4Hz, 1H), 7.29(s, 1H), 7.31(d, J=10.4Hz, 1H), 7.58(d, J=7.6Hz, 1H), 7.78(t, J=7.6Hz, 1H), 7.90(d, J=8.0Hz, 1H), 8.53(d, J=7.6Hz, 1H)
【0128】
(段階3)6−ニトロオキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミドの合成
【0129】
【化29】

【0130】
前記段階2で製造した化合物(40mg、0.070mmoL)をアセトニトリル(3mL)に溶解させ、硝酸銀(23mg、0.14mmoL)を滴加して常温で12時間攪拌した。反応混合物を水で洗浄し、減圧濃縮した後、残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール=99:1)で精製して標題化合物(17mg、収率:44.7%、黄色固体)を得た。
【0131】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.03-2.10(m, 1H), 2.33-2.41(m, 1H), 2.43(s, 3H), 2.46-2.54(m, 1H) 2.58-2.65(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.95(S, 3H), 4.77-4.83(m, 1H), 5.63(d, J=3.2Hz, 2H), 6.58(s, 1H), 7.06(d, J=10.4Hz, 1H), 7.27(s, 1H), 7.31(d, J=10.4Hz, 1H), 7.53(d, J=7.6Hz, 1H), 7.88(t, J=8.0Hz, 1H), 8.02(d, J=7.2Hz, 1H), 8.39(d, J=7.2Hz, 1H)
【0132】
〔実施例6〜24〕
実施例6〜実施例24は、前記実施例5に記載の方法と類似の方法で合成し、必要な中間体は、下記の方法によって製造した。
【0133】
(中間体3)6−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸の合成
【0134】
【化30】

【0135】
6−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(200mg、1.1mmoL)(J. Amer. Chem. Soc, 1982, 104, 2251-2257)をメタノール(1mL)に溶解させ、2N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を滴加して常温で1時間攪拌した。反応混合物を2N塩酸で酸性化(pH=3)し、溶媒を減圧濃縮した後、メタノールに溶かして濾過した。濾過液を減圧濃縮して標題化合物(150mg、収率:89%、白色固体)を得た。
【0136】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ5.05(s, 2H), 8.34(d, J=8.0Hz, 1H), 8.47(d, J=8.0Hz, 1H) 8.73(d, J=8.0Hz, 1H)
【0137】
(中間体4)5−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸の合成
【0138】
【化31】

【0139】
チオフェン−2,5−ジカルボン酸(4g、23.3mmoL)をメタノール(300mL)に溶解させ、触媒量の硫酸を滴加して加熱還流することにより、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(3.8g、反応収率:81.7%、白色固体)を得た後、窒素の下に室温で無水テトラヒドロフラン(50mL)にチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(3.7g、18.84mmoL)を溶かした後、0℃で2.0Mのリチウムボロハイドライドテトラヒドロフラン溶液(5.5mL、11mmoL)を滴加して3時間加熱還流することにより、5−ヒドロキシ−メチルチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.1g、反応収率:64.7%、白色固体)を得た。5−ヒドロキシメチルチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.1g、12.2mmoL)をメタノール(20mL)に溶解させ、2N水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を滴加して常温で1時間攪拌することにより、標題化合物(1.75g、収率:89%、白色固体)を得た。
【0140】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ3.90(Br, 1H), 4.79(d, J=0.8Hz, 2H), 6.97(d, J=4Hz, 1H), 7.66(d, J=4Hz, 1H)
【0141】
(中間体5)2−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0142】
【化32】

【0143】
2−フルオロイソフタル酸(3g、16.3mmoL)(J. Amer. Chem. Soc., 1943, 65, 2308)をメタノール(150mL)に溶解させ、触媒量の硫酸を滴加して加熱還流した。反応混合物の溶媒を減圧濃縮して除去した後、酢酸エチルに溶解させ、有機溶媒層を飽和炭酸ナトリウムで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)して2−フルオロ−イソフタル酸ジメチルエステル(3.1g、反応収率:88%、白色固体)を得た後、窒素の下に室温で無水テトラヒドロフラン(50mL)にチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(3.1g、14.6mmoL)を溶かした後、0℃で2.0Mリチウムボロハイドライドテトラヒドロフラン溶液(4.4mL、8.7mmoL)を滴加して3時間還流した。反応混合物を1N塩酸水溶液で酸性化して減圧濃縮し、溶媒を除去した後、クロロホルムで抽出した。有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:メタノール=99:1)して2−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(1.5g、反応収率:58%、白色固体)を得た。2−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(1.3g、7.6mmoL)をメタノール(20mL)に溶解させ、2N水酸化ナトリウム水溶液(14mL)を滴加して常温で1時間攪拌した。反応混合物を2N塩酸で酸性化(pH=3)し、溶媒を減圧濃縮した後、メタノールに溶かして濾過した。濾過液を減圧濃縮して標題化合物(1.15g、収率:88%、白色固体)を得た。
【0144】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ4.58(d, J=5.2Hz, 2H),5.37(t, J=5.2Hz, 1H) 7.28(t, J=8Hz, 1H), 7.68(t, J=8Hz, 1H), 7.74(t, J=8Hz, 1H)
【0145】
(中間体6)3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
(段階1)3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの合成
【0146】
【化33】

【0147】
5−フルオロイソフタル酸ジメチルエステル(1.6g、7.54mmoL)(J. Org. Chem; 1969, 34, 1960-10-1961)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解させ、0℃で2.0Mリチウムボロハイドライドテトラヒドロフラン溶液(2.6mL、5.27mmoL)を滴加して3時間還流した。反応混合物を1N塩酸水溶液で酸性化して減圧濃縮し、溶媒を除去した後、クロロホルムで抽出した。有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:メタノール=99:1)して標題化合物(800mg、収率:57%、白色固体)を得た。
【0148】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ3.92(d, J=1.6Hz, 3H), 4.75(d, J=4Hz, 2H), 7.29-7.32(m, 1H), 7.61(dd, J=9.2, 1.6Hz, 1H), 7.8(d, J=0.8Hz, 1H)
【0149】
(段階2)3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0150】
【化34】

【0151】
前記段階1で製造した化合物を用いて中間体3の製造方法と同様の方法で合成して標題化合物(1.6g、収率:94%、白色固体)を得た。
【0152】
1H NMR(400MHz, CD3OD): δ4.66(d, J=0.8Hz, 2H), 7.33-7.36(m, 1H), 7.56-7.59(m, 1H), 7.83-7.84(m, 1H)
【0153】
(中間体7)4−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
(段階1)4−フルオロイソフタル酸の合成
【0154】
【化35】

【0155】
4−フルオロ−3−メチル安息香酸(2.52g、16.346mmoL)と過マンガン酸カリウム(10.33g、65.382mmoL)を水溶液(300mL)に溶解させ、1日間還流した。反応混合物を濾過して濾液を常温に降温した後、濃い塩酸を滴加した。生成された固体を加熱して完全に溶かした後、さらに常温に降温して固体を濾過することにより、標題化合物(2.08g、収率:69.1%、白色固体)を得た。
【0156】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.32(dd, J=10.4, 8.6Hz, 1H), 8.21-8.25(m, 1H), 8.59(dd, J=7.0, 2.4Hz, 1H)
【0157】
(段階2)4−フルオロ−イソフタル酸ジメチルエステルの合成
【0158】
【化36】

【0159】
前記段階1で製造した化合物(2.08g、11.29mmoL)をメタノール(30mL)に溶解させた後、濃い硫酸を10滴り滴加した。この反応溶液を1日間還流させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和させ、クロロホルム溶液で抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧濃縮して標題化合物(2.21g、収率:92.2%、白色固体)を得た。
【0160】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ3.96(s, 3H), 3.97(s, 3H), 7.22(dd, J=10.3, 8.8Hz, 1H), 8.20-8.23(m, 1H), 8.64(dd, J=7.0, 2.2Hz, 1H)
【0161】
(段階3)4−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルと2−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの合成
【0162】
【化37】

【0163】
前記段階2で製造した化合物(104.5mg、0.493mmoL)をテトラヒドロフラン溶液(4mL)に溶かした後、2Mリチウムボロハイドライドテトラヒドロフラン溶液(0.123mL、0.246mmoL)を滴加して1日間還流させた。水を加えて反応を終結させた後、0℃で1M塩酸溶液によってpHを5に合わせた後、酢酸エチルで抽出した。抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)して4−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(45.4mg、反応収率:50.1%、無色液体)と2−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(15.4mg、反応収率:17.0%、無色液体)を得た。
【0164】
4−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル:
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.73(t, J=5.1Hz, 1H), 3.90(s, 3H), 4.78(d, J=5.1Hz, 2H), 7.07(dd, J=9.2, 9.2Hz, 1H), 7.93-7.97(m, 1H), 8.14(dd, J=7.1, 2.2Hz, 1H)
2−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル:
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.96(t, J=4.4Hz, 1H), 3.94(s, 3H), 4.70(d, J=4.4Hz, 2H), 7.13(dd, J=10.6, 8.4Hz, 1H), 7.52-7.56(m, 1H), 7.92(dd, J=7.0, 2.2Hz, 1H)
【0165】
(段階4)4−フルオロ−3−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0166】
【化38】

【0167】
前記段階3で製造した化合物(1.074g、5.380mmoL)を除いては、中間体3の製造方法と同様の方法で合成して、標題化合物(0.906g、収率:91.3%、白色固体)を得た。
【0168】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ4.69(s, 2H), 7.13(dd, J=9.9, 8.8Hz, 1H), 7.90-7.97(m, 1H), 8.16(dd, J=7.3, 2.2Hz, 1H)
【0169】
(中間体8)2−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0170】
【化39】

【0171】
前記中間体7の段階3で得られた2−フルオロ−5−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルから中間体3の製造方法と同様の方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ4.61(s, 2H), 7.17(dd, J=11.0, 8.4Hz, 1H), 7.55-7.59(m, 1H), 7.93(dd, J=7.1, 2.4Hz, 1H)
【0172】
(中間体9)3−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0173】
【化40】

【0174】
0℃、窒素の下でテトラヒドロフラン(20mL)に5−ヒドロキシイソフタル酸メチルエステル(300mg、1.42mmoL)を溶かした後、リチウムアルミニウムハイドライド(30mg、0.7mmoL)を加えた。温度を室温に昇温し、3時間攪拌した。水を加えて反応を終結させ、酢酸エチルで抽出した後、1N塩酸水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した。前記で得た3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(170mg、0.93mmoL)をメタノール(1mL)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を滴加して常温で1時間攪拌した。反応混合物を2N塩酸で酸性化(pH=3)し、溶媒を減圧濃縮した後、メタノールに溶かして濾過した。濾過液を減圧濃縮して標題化合物(150mg、収率:96%、白色固体)を得た。
【0175】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ3.87(s, 3H), 4.57(s, 2H), 7.02(s, 1H), 7.31(s, 1H), 7.48(s, 1H)
【0176】
(中間体10)3,5−bis−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
(段階1)3,5−bis−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの合成
【0177】
【化41】

【0178】
ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸トリメチルエステル(1.010g、4.003mmoL)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解させ、0℃に降温した後、リチウムアルミニウムハイドライド(0.160g、4.003mmoL)をゆっくり滴加して常温で3時間攪拌した。反応混合物に水(0.15mL)と15%の水酸化ナトリウム水溶液(0.15mL)をゆっくり滴加して反応を終結し、さらに水溶液(0.45mL)に加えて濾過した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)して標題化合物(0.34g、収率:43.1%、無色液体)を得た。
【0179】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ3.91(s, 3H), 4.66(s, 4H), 7.59(s, 1H), 7.93(s, 2H)
【0180】
(段階2)3,5−bis−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0181】
【化42】

【0182】
前記段階1で製造した化合物(1.50g、7.65mmoL)を用いて前記中間体3Dの製造方法と同様の方法で合成して標題化合物(0.617g、収率:44.3%、白色固体)を得た。
【0183】
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ5.21(s, 4H), 7.55(s, 1H), 7.92(s, 2H)
【0184】
(中間体11)2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
(段階1)2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの合成
【0185】
【化43】

【0186】
2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチルエステル(166mg、1mmoL)をCCl(1.5mL)に溶解させ、N−ブロモスクシニミド(NBS、177mg、1mmoL)、過酸化ベンゾイル(5mg、0.02mmoL)を加える。70℃で12時間攪拌した。反応混合物を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:ヘキサン=1:4)して4−ブロムメチル−2−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(130mg、反応収率:53%、白色固体)を得た。前記反応生成物(130mg、0.53mmoL)を水溶液(1.5mL)、1.4−ジオキサン(1.5mL)に溶解させ、90℃で12時間攪拌した。反応溶液をクロロホルムで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)して標題化合物(55mg、収率:57%、白色固体)を得た。
【0187】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ3.95(s, 3H), 4.71(d, J=6Hz, 2H), 6.88(d, J=8Hz, 1H), 6.99(s, 1H), 7.82(d, J=8Hz, 1H), 10.79(s, 1H)
【0188】
(段階2)2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル安息香酸の合成
【0189】
【化44】

【0190】
前記段階1で製造した化合物を用いて中間体3の製造方法と同様の方法で合成して標題化合物(45mg、収率:90%、白色固体)を得た。
【0191】
(中間体12)4−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸の合成
(段階1)A:4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸、
B:3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸の合成
【0192】
【化45】

【0193】
2.5Mブチルリチウム(12.2mL、30.55mmoL)を窒素の下に室温でジエチルエーテル(1mL)に溶解させた後、3−メチルチオフェン(3g、30.55mmoL)をジエチルエーテルに溶かし、その後ゆっくり滴加し、加熱還流して2時間攪拌した。反応容器を0℃に冷却した後、ドライアイスをゆっくり入れる。45mLの水を加えて反応を終結させた後、ジエチルエーテル層を抽出して除去し、水層を1N塩酸溶液で酸性化した後、酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)して精製して標題化合物A(900mg、白色固体)および標題化合物B(650mg、白色固体)を得た。
【0194】
(段階2)4−ブロモメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
【0195】
【化46】

【0196】
前記段階1で生成された4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸(900mg、6.33mmoL)をメタノール(15mL)に溶解させ、触媒量の硫酸を滴加して加熱還流することにより、4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(890mg、反応収率:90%、白色固体)を得た後、窒素の下に室温で4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、1.28mmoL)、N−ブロモスクシニミド(NBS、215mg、1.216mmoL)、触媒量の過酸化ベンゾイルをテトラクロロメタン溶液(5mL)に溶解させた後、70℃で3時間加熱還流して標題化合物(165mg、反応収率:55%、白色固体)を得た。
【0197】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ3.89(s, 3H), 4.46(s, 2H), 7.49(s, 1H), 7.80(s, 1H)
【0198】
(段階3)4−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸の合成
【0199】
【化47】

【0200】
前記段階2で生成された化合物(150mg、0.638mmoL)を1,4−ジオキサン(1.5mL)、水(1.5mL)に溶解させ、硝酸銀(130mg、0.765mmoL)をゆっくり滴加して常温で12時間攪拌することにより、4−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(60mg、反応収率:55%、白色固体)を得た後、前記で得た化合物(60mg、0.348mmoL)を室温でメタノール(1mL)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を滴加して常温で1時間攪拌することにより、標題化合物(50mg、反応収率:95%、白色固体)を得た。
【0201】
(中間体13)3−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸の合成
(段階1)3−ブロモメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
【0202】
【化48】

【0203】
前記中間体12の段階1で製造した3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸(650mg、4.57mmoL)を用いて中間体12の段階2と同様の方法で合成することにより、標題化合物(750mg、反応収率:79%、白色固体)を得た。
【0204】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ3.90(s, 3H), 4.91(s, 2H), 7.18(d, J=5.2Hz, 1H), 7.46(d, J=5.2Hz, 1H)
【0205】
(段階2)3−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸の合成
【0206】
【化49】

【0207】
前記段階1で製造した化合物(750mg、3.19mmoL)を用いて中間体12の段階3と同様の方法で合成することにより、標題化合物(210mg、反応収率:92%、白色固体)を得た。
【0208】
(中間体14)(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−酢酸の合成
【0209】
【化50】

【0210】
m−トリル酢酸エチルエステル(1g、5.6mmoL)とN−ブロモスクシニミド(NBS、948mg、5.33mmoL)と触媒量の過酸化ベンゾイルをテトラクロロメタン(15mL)に溶解させ、70℃で3時間加熱還流して(3−ブロモメチル−フェニル)−酢酸エチルエステル(600mg、反応収率:42%、白色固体)を得た。次の反応は、(3−ブロモメチル−フェニル)−酢酸エチルエステル(130mg、0.50mmoL)と炭酸カルシウム(300mg、3mmoL)を水(2mL)、1,4−ジオキサン(2mL)に入れて加熱還流することにより、(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−酢酸エチルエステル(85mg、反応収率:87%、白色固体)を得た後、室温で(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−酢酸エチルエステル(85mg、0.43mmoL)をメタノール(1mL)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を滴加して常温で1時間攪拌することにより、標題化合物(65mg、反応収率:91%、白色固体)を得た。
【0211】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ3.66(s, 2H), 4.57(s, 2H), 7.21-7.32(m, 4H)
【0212】
(中間体15)3−(2−ヒドロキシ−エチル)−安息香酸の合成
【0213】
【化51】

【0214】
イソフタル酸(5g、30mmoL)をメタノール(50mL)に溶解させた後、触媒量の硫酸を加えて12時間加熱還流することにより、イソフタル酸ジメチルエステル(5.2g、反応収率:90%、白色固体)を得、イソフタル酸ジメチルエステル(5.2g、26.7mmoL)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解させた後、2Mリチウムボロハイドライドテトラヒドロフラン(13mL、26.7mmoL)を入れて加熱還流することにより、3−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル(2.7g、反応収率:63%、無色液体)を得た。次の反応は、3−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル(200mg、1.20mmoL)をジクロロメタン(5mL)に溶解させた後、PCC(388mg、1.8mmoL)を入れて室温で3時間攪拌することにより、3−ホルミル−安息香酸メチルエステル(140mg、反応収率:72%、白色固体)を得た。窒素の下で(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(770mg、2.24mmoL)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させた後、−78℃に降温し、1Mビストリメチルシリルアミドナトリウム(NaHMDS)テトラヒドロフラン(2mL、2.04mmoL)をゆっくり加えて1時間攪拌させた後、3−ホルミル−安息香酸メチルエステル(160mg、0.975mmoL)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させた後、ゆっくり加えた。室温で24時間攪拌することにより、3−(2−メトキシ−ビニル)−安息香酸メチルエステル(121mg、反応収率:65%、白色固体)を得、3−(2−メトキシ−ビニル)−安息香酸メチルエステル(120mg、0.63mmoL)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶かした後、4M HCl(2mL)を仕込んで室温で24時間攪拌することにより、3−(2−オキソ−エチル)−安息香酸メチルエステル(60mg、反応収率:54%、白色固体)を得た。その後、3−(2−オキソ−エチル)−安息香酸メチルエステル(60mg、0.036mmoL)をエタノール(2mL)に溶かした後、0℃に降温し、その後水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、25mg、0.67mmoL)を加えて1時間攪拌することにより、3−(2−ヒドロキシ−エチル)−安息香酸メチルエステル(50mg、反応収率:84%、白色固体)を得た。その後、3−(2−ヒドロキシ−エチル)−安息香酸メチルエステル(50mg、0.28mmoL)をメタノール(1mL)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を滴加して常温で1時間攪拌することにより、標題化合物(43mg、反応収率:95%、白色固体)を得た。
【0215】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.32(br, 1H), 2.89(t, J=6.4Hz, 2H), 3.85(t, J=6.4Hz, 2H), 7.36(t, J=7.6Hz, 1H), 7.42(d, J=5.6Hz, 1H), 7.88(d, J=8.8Hz, 1H), 7.89(s, 1H)
【0216】
〔実施例6〕5−ニトロオキシメチルチオフェン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド
【0217】
【化52】

【0218】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.07-2.11(m, 1H), 2.32-2.45(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.53-2.56(m, 1H), 3.71(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(S, 3H), 4.84-4.91(m, 1H), 5.46(s, 2H), 6.56(s, 1H), 6.95(d, J=3.6Hz, 1H), 7.13(d, J=10.8Hz, 1H), 7.37(d, J=10.8Hz, 1H), 7.58(d, J=4.0Hz, 1H), 7.61(s, 1H), 8.50(d, J=6.8Hz, 1H)
【0219】
〔実施例7〕N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0220】
【化53】

【0221】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.61-1.73(m, 2H), 1.85-2.00(m, 6H), 2.21-2.65(m, 4H), 2.44(s, 3H), 3.75(s, 3H), 3.93(s, 3H), 4.82-4.88(m, 1H), 4.92-5.00(m, 1H), 5.16(dd, J=12, 31.2Hz, 2H), 6.55(s, 1H), 7.13-7.17(m, 2H), 7.28(d, J=6.4Hz, 1H), 7.41(d, J=10.8Hz, 1H), 7.68-7.70(m, 1H), 7.72(s, 1H), 7.78(s, 1H), 8.78(d, J=7.2Hz, 1H)
【0222】
〔実施例8〕N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−2−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0223】
【化54】

【0224】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.49(t, J=6.9Hz, 3H), 1.93-1.98(m, 1H), 2.31-2.39(m, 1H), 2.43(s, 3H), 2.46-2.49(m, 1H), 2.51-2.59(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.11-4.14(m, 2H), 4.83-4.86(m, 1H), 5.53(d, J=12.8Hz, 1H), 5.59(d, J=12.4Hz, 1H), 6.56(s, 1H), 7.07(d, J=10.2Hz, 1H), 7.10-7.15(m, 1H), 7.20-7.28(m, 1H), 7.31(d, J=10.2Hz, 1H), 7.57(t, J=6.4Hz, 1H), 7.97(t, J=6.9Hz, 1H)
【0225】
〔実施例9〕2−フルオロ−N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0226】
【化55】

【0227】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.41(q, J=6.0Hz, 6H), 1.92-1.99(m, 1H), 2.31-2.40(m, 1H), 2.43(s, 3H), 2.46-2.52(m, 1H), 2.55-2.60(m, 1H), 3.72(s, 3H), 3.94(s, 3H), 4.57-4.63(m, 1H), 4.83-4.89(m, 1H), 5.53(d, J=12.8Hz, 1H), 5.59(d, J=12.4Hz, 1H), 6.57(s, 1H), 7.07(d, J=10.6Hz, 1H), 7.15-7.19(m, 1H), 7.23-7.27(m, 1H), 7.34(d, J=10.2Hz, 1H), 7.56(t, J=7.1Hz, 1H), 7.7(t, J=7.5Hz, 1H)
【0228】
〔実施例10〕2−フルオロ−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0229】
【化56】

【0230】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.95-2.02(m, 1H), 2.31-2.54(m, 2H), 2.43(s, 3H), 2.59-2.63(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.87(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.82-4.88(m, 1H), 5.51(d, J=12.8Hz, 1H), 5.60(d, J=12.8Hz, 1H), 6.58(s, 1H), 7.06(d, J=10.6Hz, 1H), 7.22-7.27(m, 2H), 7.28(s, 1H), 7.32(d, J=10.6Hz, 1H), 7.54-7.58(m, 1H), 7.93-7.98(m, 1H)
【0231】
〔実施例11〕N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−2−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0232】
【化57】

【0233】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.61-1.73(m, 2H), 1.85-2.00(m, 6H), 2.35-2.52(m, 4H), 2.42(s, 3H), 3.72(s, 3H), 3.93(s, 3H), 4.82-4.88(m, 2H), 5.57(dd, J=12.8, 37.6Hz, 2H), 6.55(s, 1H), 7.05(d, J=10.4Hz, 1H), 7.09-7.13(m, 1H), 7.26(d, J=7.2Hz, 2H), 7.32(d, J=10.4Hz, 1H), 7.55-7.59(m, 1H), 7.96-8.00(m, 1H)
【0234】
〔実施例12〕3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0235】
【化58】

【0236】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.31-2.45(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.59-2.63(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.93(s, 3H), 3.98(S, 3H), 4.90-4.95(m, 1H), 5.11(dd, J=12.8, 45.6Hz, 2H), 6.57(s, 1H), 7.03(d, J=7.6Hz,1H), 7.19(d, J=8.8Hz, 1H), 7.30-7.33(m, 1H), 7.42(d, J=10.8Hz, 1H), 7.55(s, 1H), 7.68(s, 1H), 8.76(d, J=7.2Hz, 1H)
【0237】
〔実施例13〕N−[(7S)−(3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0238】
【化59】

【0239】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.50(t, J=6.9, 3H), 2.33~2.42(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.51~2.59(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.11~4.16(m, 2H), 4.90~4.93(m, 1H), 5.05(d, J=12.4, 1H), 5.17(d, J=12.4, 1H), 6.56(s, 1H), 7.03(d, J=7.3, 1H), 7.20(d, J=10.6, 1H), 7.31(d, J=9.1, 1H), 7.45(d, J=10.6, 1H), 7.55(s, 1H), 7.69(s, 1H), 8.88(d, J=7.3, 1H)
【0240】
〔実施例14〕3−フルオロ−N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−5−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0241】
【化60】

【0242】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.37~1.44(m, 6H), 2.34~2.41(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.51~2.58(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.57~4.62(m, 1H), 4.91~4.95(m, 1H), 5.05(d, J=12.4, 1H), 5.17(d, J=12.4, 1H), 6.56(s, 1H), 7.03(d, J=8.4, 1H), 7.20(d, J=10.6, 1H), 7.31(d, J=7.3, 1H), 7.45(d, J=10.6, 1H), 7.55(s, 1H), 7.70(s, 1H), 8.91(d, J=7.3, 1H)
〔実施例15〕N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−ベンズアミド
【0243】
【化61】

【0244】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.64~1.69(m, 2H), 1.83~1.98(m, 6H), 2.35~2.43(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.51~2.58(m, 1H), 3.74(s, 3H), 3.94(s, 3H), 4.82~4.84(m, 1H), 4.91~4.94(m, 1H), 5.04(d, J=12.4, 1H), 5.16(d, J=12.4, 1H), 6.55(s, 1H), 7.02(d, J=8.4, 1H), 7.20(d, J=10.6, 1H), 7.31(d, J=7.3, 1H), 7.45(d, J=10.2, 1H), 7.55(s, 1H), 7.70(s, 1H), 8.93(d, J=6.9, 1H)
【0245】
〔実施例16〕4−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0246】
【化62】

【0247】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.22-2.51(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.55-2.63(m, 1H), 3.76(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.90-4.97(m, 1H), 5.10(d, J=12.1Hz, 1H), 5.35(d, J=12.1Hz, 1H), 6.57(s, 1H), 6.86(dd, J=9.2, 8.8Hz, 1H), 7.18(d, J=10.3Hz, 1H), 7.43(d, J=10.3Hz, 1H), 7.72(s, 1H), 7.76-7.80(m, 1H), 7.91(dd, J=6.80, 2.2Hz, 1H), 8.93(d, J=7.2Hz, 1H)
【0248】
〔実施例17〕2−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0249】
【化63】

【0250】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.94-2.01(m, 1H), 2.31-2.54(m, 2H), 2.43(s, 3H), 2.58-2.63(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.81-4.87(m, 1H), 5.36(s, 2H), 6.57(s, 1H), 7.06(d, J=10.3Hz, 1H), 7.16-7.28(m, 2H), 7.26(s, 1H), 7.33(d, J=10.3Hz, 1H), 7.51-7.55(m, 1H), 7.99(dd, J=7.3, 2.6Hz, 1H)
【0251】
〔実施例18〕3−ヒドロキシ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0252】
【化64】

【0253】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.30-2.43(m, 6H), 2.56-2.57(m, 1H), 3.61(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.82-4.85(m, 1H), 5.00(dd, J=30.8Hz, 12.8Hz, 2H), 6.56(s, 1H), 6.62(s, 1H), 7.11(s, 2H), 7.16-7.19(m, 2H), 7.41(d, J=10.8Hz, 1H), 7.66(s, 1H), 8.57(br s , 1H, NH), 8.78(brs , 1H, OH)
【0254】
〔実施例19〕3,5−bis−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0255】
【化65】

【0256】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.29-2.51(m, 3H), 2.46(s, 3H), 2.60-2.62(m, 1H), 3.77(s, 3H), 3.93(s, 3H), 3.99(s, 3H), 4.94-4.98(m, 1H), 5.18(s, 4H), 6.58(s, 1H), 7.20(d, J=10.6Hz, 1H), 7.26(s, 1H), 7.45(d, J=10.6Hz, 1H), 7.77(s, 2H), 7.81(s, 1H), 9.12(d, J=7.0Hz, 1H)
【0257】
〔実施例20〕2−ヒドロキシ−4−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0258】
【化66】

【0259】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.25-2.63(m, 4H), 2.47(s, 3H), 3.74(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(S, 3H), 4.85-4.92(m, 1H), 5.27(d, J=4.8Hz, 2H), 6.53(d, J=8.4Hz, 1H), 6.57(s, 1H), 6.61(s, 1H), 7.20(d, J=10.4Hz, 1H), 7.42(d, J=10Hz, 1H), 7.63(s, 1H), 7.72(d, J=8Hz, 1H), 9.13(d, J=6.8Hz, 1H), 12.29(s, 1H)
【0260】
〔実施例21〕4−ニトロオキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド
【0261】
【化67】

【0262】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.21-2.29(m, 1H), 2.34-2.46(m, 5H), 2.51-2.58(m, 1H), 3.71(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(S, 3H), 4.88-4.95(m, 1H), 5.18(dd, J=12.8, 20Hz, 2H), 6.56(s, 1H), 7.17(d, J=10.4Hz, 1H), 7.30(s, 1H), 7.41(d, J=10.4Hz, 1H), 7.61(s, 1H), 7.74(s, 1H), 8.81(d, J=6.4Hz, 1H)
【0263】
〔実施例22〕3−ニトロキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド
【0264】
【化68】

【0265】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.04-2.17(m, 1H), 2.30-2.45(m, 5H), 2.57-2.64(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(S, 3H), 4.67-4.88(m, 1H), 5.66(d, J=13.6Hz, 1H), 5.80(d, J=13.6Hz, 1H), 6.56(s, 1H), 7.02(d, J=4.4Hz, 1H), 7.08(d, J=10.4Hz, 1H), 7.26(d, J=4.4Hz, 1H), 7.29(d, J=10.4Hz, 1H), 7.43(s, 1H), 7.45(d, J=7.2Hz, 1H)
【0266】
〔実施例23〕2−(3−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミド
【0267】
【化69】

【0268】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ1.82-1.95(m, 1H), 2.21-2.28(m, 1H), 2.31-2.42(m, 1H), 2.45(s, 3H), 2.47-2.53(m, 1H), 3.51(d, J=14.0Hz, 1H), 3.64(s, 3H), 3.66(d, J=14.0Hz, 1H), 3.88(s, 3H), 3.93(s, 3H), 4.66-4.72(m, 1H), 5.40(s, 2H), 6.51(s, 1H), 7.11(d, J=10.4Hz, 1H), 7.24-7.38(m, 5H), 7.48(s, 1H), 7.90(d, J=7.2Hz, 1H)
【0269】
〔実施例24〕3−(2−ニトロオキシ−エチル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
【0270】
【化70】

【0271】
1H NMR(400MHz, CDCl3); δ2.05-2.11(m, 1H), 2.17-2.56(m, 2H), 2.46(s, 3H), 2.56-2.60(m, 1H), 2.81-2.91(m, 2H), 3.69(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.45(t, J=6.8,Hz, 2H), 4.89-4.95(m, 1H), 6.56(s, 1H), 7.12-7.24(m, 3H), 7.39(d, J=10.4Hz, 1H), 7.61-7.64(m, 2H), 7.69(s, 1H), 8.22(d, J=6.8Hz, 1H)
【0272】
〔実施例25〕3−ニトロオキシ安息香酸−5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステルの合成
(段階1)3−クロロメチル安息香酸−{5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモニル]−ピリジン−2−イル}−メチルエステルの合成
【0273】
【化71】

【0274】
前記実施例1の段階1で製造した化合物(100mg、0.19mmoL)をジクロロメタン(3mL)に溶解させた後、3−(クロロメチル)ベンゾイルクロライド(0.030mL、0.21mmoL)とトリエチルアミン(0.082mL、0.59mmoL)をそれぞれ滴加した。これを常温で10分間反応させ、水を加えて反応を終結させた後、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物(99mg、収率:79%、黄色固体)を得た。
【0275】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.14-2.16(m, 1H), 2.30-2.39(m, 1H), 2.43-2.45(m, 1H), 2.48(s, 3H), 2.68-2.96(m, 1H), 3.67(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.91(s, 3H), 4.83-4.93(m, 1H), 4.88(s, 2H), 5.51(s, 2H), 6.77(s, 1H), 7.27(s, 1H), 7.52(t, J=7.7Hz, 1H), 7.65-7.70(m, 2H), 8.05(d, J=7.7Hz, 1H), 8.14(s, 1H), 8.28(d, J=10.6Hz, 1H), 9.02(s, 1H)
【0276】
(段階2)3−ニトロオキソ安息香酸−{5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモニル]−ピリジン−2−イル}−メチルエステルの合成
【0277】
【化72】

【0278】
前記段階1で製造した化合物(90mg、0.13mmoL)とヨウ化ナトリウム(31mg、0.20mmoL)を3mLのアセトンに溶解させた後、常温で1日間反応させた。水を加えて反応を終結させた後、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧濃縮した。反応濃縮液と硝酸銀(30mg、0.045mmoL)を5mLのアセトニトリルに溶解させて常温で1日間反応させた。水を加えて反応を終結させた後、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧濃縮した。残余物を短いカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製し、PLCで精製することにより、標題化合物(26mg、収率:29%、黄色固体)を得た。
【0279】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.09-2.17(m, 1H), 2.35-2.41(m, 2H), 2.44(s, 3H), 2.55-2.58(m, 1H), 3.74(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.92-4.95(m, 1H), 5.45(s, 2H), 5.47(s, 2H), 6.56(s, 1H), 7.13(d, J=10.2Hz, 1H), 7.35(t, J=9.1Hz, 2H), 7.50(t, J=8.5Hz, 1H), 7.54(s, 1H), 7.62(d, J=7.3Hz, 1H), 8.14(d, J=8.3Hz, 2H), 8.24(dd, J=2.2, 6.2Hz, 1H, ArH), 8.36(d, J=6.9Hz, 1H), 9.09(s, 1H)
【0280】
〔実施例26〜34〕
実施例26〜34は、前記実施例25に記載の方法と類似の方法で合成し、必要な中間体は、下記の方法によって製造した。
【0281】
(中間体16)2−ヒドロキシ−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0282】
【化73】

【0283】
2−ヒドロキシ安息香酸(203mg、1.47mmoL)とEDCI(385mg、2.01mmoL)、HOBt(271mg、2.01mmoL)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.37mL、2.67mmoL)を滴加して1日間常温で攪拌した。ここに化合物7−アミノ−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]−ヘプタレン−9−オン(500mg、1.34mmoL)を滴加して常温で1日間攪拌し、水を加えて反応を終結させ、ジエチルエーテルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=1:5)した後、メタノールで再結晶して標題化合物(516mg、収率:78%、黄色固体)を得た。
【0284】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.14-2.17(m, 1H), 2.31-2.37(m, 1H), 2.40-2.44(s, 1H), 2.45(s, 3H), 2.56-2.60(m, 1H), 3.74(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.85-4.92(m, 1H), 6.56(s, 1H), 6.64(d, J=7.7Hz, 1H), 6.77(d, J=8.4Hz, 1H), 7.15(d, J=10.6Hz, 1H), 7.22(d, J=7.3Hz, 1H), 7.38(d, J=10.6Hz, 1H), 7.57(s, 1H), 7.71(d, J=8.0Hz, 1H)
【0285】
(中間体17)3−ヒドロキシ−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0286】
【化74】

【0287】
3−ヒドロキシ安息香酸(497mg、1.33mmoL)を用いて前記中間体16の製造方法と同様の方法で合成して標題化合物(558mg、収率:85%、黄色固体)を得た。
【0288】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ2.07-2.15(m, 1H), 2.18-2.35(m, 6H), 3.55(s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.84(s, 3H), 4.53-4.56(m, 1H), 6.81(s, 1H), 6.92(d, J=6.8Hz, 1H), 7.10(s, 1H), 7.15-7.31(m, 5H), 8.98(d, J=7.6Hz, 1H, -NH), 9.70(s, 1H, -OH)
【0289】
〔実施例26〕4−ニトロオキシ酪酸−5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル
【0290】
【化75】

【0291】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.06-2.16(m, 1H), 2.08-2.11(m, 2H), 2.31-2.49(m, 1H), 2.45(s, 3H), 2.57(t, J=7.1Hz, 2H), 3.75(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.52(t, J=6.4Hz, 2H), 4.91-4.94(m, 1H), 5.21(s, 2H), 6.56(s, 1H), 7.13(d, J=10.9Hz, 1H), 7.21-7.25(m, 1H), 7.38(d, J=10.6Hz, 1H), 7.52(s, 1H), 8.22(d, J=8.0Hz, 1H), 9.05(s, 1H)
【0292】
〔実施例27〕3−ニトロオキシメトキシ安息香酸−6−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル
【0293】
【化76】

【0294】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.84-1.92(m, 1H), 2.33-2.60(m, 1H), 2.43(s, 3H), 2.46-2.54(m, 1H) 2.55-2.60(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.96(S, 3H), 4.74-4.81(m, 1H), 5.51(s, 2H) 5.57(d, J=4.0Hz, 1H), 6.56(s, 1H), 7.04(d, J=10.4Hz, 1H), 7.25(d, J=10.4Hz, 1H), 7.54-7.60(m, 2H), 7.65(d, J=7.6Hz, 1H), 7.87(t, J=8.0Hz, 1H), 7.99(d, J=7.6Hz, 1H), 8.21(s, 2H), 8.22(s, 1H), 8.41(d, J=7.2Hz, 1H)
【0295】
〔実施例28〕4−ニトロオキシ酪酸−6−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル
【0296】
【化77】

【0297】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.02-2.09(m, 1H), 2.11-2.18(m, 2H), 2.21-2.40(m, 2H), 2.43(s, 3H), 2.47-2.56(m, 1H), 2.63(t, J=7.2Hz, 2H), 3.73(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.96(S, 3H), 4.57(t, J=6.4Hz, 2H), 4.77-4.83(m, 1H), 5.30(d, J=4.8Hz, 2H), 6.58(s, 1H), 7.05(d, J=10.4Hz, 1H), 7.25(S, 1H), 7.32(d, J=10.4Hz, 1H), 7.52(d, J=8.0Hz, 1H), 7.84(t, J=8.0Hz, 1H), 7.98(d, J=8.0Hz, 1H), 8.45(d, J=6.8Hz, 1H)
【0298】
〔実施例29〕3−ニトロオキシメチル安息香酸−2−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル
【0299】
【化78】

【0300】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.48-1.55(m, 1H), 1.83-1.89(m, 1H), 2.22-2.39(m, 2H), 2.42(s, 3H), 3.62(s, 3H), 3.87(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.63-4.70(m, 1H), 5.54(s, 2H), 6.47(s, 1H), 6.89(d, J=7.4Hz, 1H), 7.03(d, J=10.2Hz, 1H), 7.17(s, 1H), 7.23(d, J=10.1Hz, 1H), 7.35(t, J=7.3Hz, 1H), 7.54(t, J=7.4Hz, 1H), 7.58(t, J=7.6Hz, 1H), 7.72(d, J=8.0Hz, 1H), 7.83(d, J=7.7Hz, 1H), 8.26(m, 2H)
【0301】
〔実施例30〕4−ニトロオキシ酪酸−2−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル
【0302】
【化79】

【0303】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.60-1.90(m, 1H), 2.10-2.14(m, 2H), 2.26-2.39(m, 1H), 2.44(s, 3H), 2.46-2.51(m, 1H), 2.56-2.61(m, 1H), 2.80(t, J=7.1Hz, 2H), 3.70(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.55(t, J=6.2Hz, 2H), 4.74-4.81(m, 1H), 6.57(s, 1H), 6.82(d, J=6.9Hz, 1H), 7.08(d, J=10.6Hz, 1H), 7.13(d, J=9.1Hz, 1H), 7.23(s, 1H), 7.28-7.36(m, 1H), 7.47(t, J=9.9Hz, 1H), 7.68(d, J=9.5Hz, 1H)
【0304】
〔実施例31〕3−ニトロオキシメチル安息香酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル
【0305】
【化80】

【0306】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.05-2.15(m, 1H), 2.23-2.59(m, 6H), 3.75(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.90-5.00(m, 1H), 5.49(s, 2H), 6.56(s, 1H), 7.03(d, J=10.4Hz, 1H), 7.27(s, 2H), 7.34(d, J=8.8Hz, 2H) 7.53-7.65(m, 2H), 7.76(s, 1H), 7.77(d, J=6.4Hz, 1H), 8.13(m, 3H)
【0307】
〔実施例32〕4−ニトロオキシ酪酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル
【0308】
【化81】

【0309】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.04-2.18(m, 3H), 2.25-2.60(m, 6H), 2.65(t, J=6.8Hz, 2H), 3.74(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.56(t, J=6.4Hz, 2H), 4.87-4.94(m, 1H), 6.56(s, 1H), 7.08-7.12(m, 2H), 7.26-7.35(m, 2H), 7.48(s, 1H), 7.59(s, 1H), 7.71(d, J=8.0Hz, 1H), 7.75 (d, J=7.6Hz, 1H, -NH)
【0310】
〔実施例33〕3−ニトロオキシメチル安息香酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジルエステル
【0311】
【化82】

【0312】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.05-2.18(m, 1H), 2.31-2.47(m, 2H), 2.40(s, 3H), 2.55-2.59(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.90-4.96(m, 1H), 5.24(s, 2H), 5.44(s, 2H), 6.56(s, 1H), 7.09(d, J=10.6Hz, 1H), 7.27(dd, J=7.6, 7.6Hz, 1H), 7.36(d, J=10.6Hz, 1H), 7.44(d, J=7.6Hz, 1H), 7.45(dd, J=8.0, 7.6Hz, 1H), 7.58(d, J=8.0Hz, 1H), 7.59(s, 1H), 7.79(d, J=7.6Hz, 1H), 7.91(s, 1H), 8.05(d, J=7.6Hz, 1H), 8.06(s, 1H), 8.18(d, J=7.2Hz, 1H)
【0313】
〔実施例34〕4−ニトロオキシ酪酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジルエステル
【0314】
【化83】

【0315】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.00-2.14(m, 3H), 2.31-2.51(m, 4H), 2.44(s, 3H), 2.56-2.60(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.49(t, J=6.2Hz, 2H), 4.89-4.95(m, 1H), 4.99(d, J=12.4Hz, 1H), 5.04(d, J=12.4Hz, 1H), 6.56(s, 1H), 7.11(d, J=10.6Hz, 1H), 7.26(dd, J=7.6, 7.6Hz, 1H), 7.35-7.37(m, 2H), 7.54(s, 1H), 7.76(d, J=8.0Hz, 1H), 7.81(s, 1H), 8.00(d, J=7.6Hz, 1H)
【0316】
〔実施例35〕2−ニトロソチオ−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
(段階1)2−メルカプト−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0317】
【化84】

【0318】
チオサリチル酸(115mg、0.75mmoL)に過量の塩化チオニルを加えて1日間加熱攪拌した。これを減圧濃縮して塩化チオニルを除去し、クロライド系化合物を合成した。7−アミノ−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[a]−ヘプタレン−9−オン(243mg、0.62mmoL)を、精製されたジクロロメタンに溶解させ、トリエチルアミン(0.26mL、1.86mmoL)を滴加し、0℃に降温下後、チオサリチル酸塩化物をジクロロメタンに溶解させて滴加した。これを30分間攪拌し、水を加えて反応を終結させた後、クロロホルムで抽出して炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮することにより、残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール=12:1)して標題化合物(210mg、収率:66%、白色固体)を得た。
【0319】
1H NMR (400MHz, CDCl3) : δ2.06-2.17(m, 1H), 2.33-2.49(m, 2H), 2.42(s, 3H), 2.54-2.59(m, 1H), 3.72(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.86-4.93(m, 1H), 6.56(s, 1H), 7.06(d, J=10.6Hz, 1H), 7.14(t, J=7.5Hz, 1H), 7.24(d, J=7.7Hz, 1H), 7.31(d, J=10.6Hz, 1H), 7.51(s, 1H), 7.58(d, J=7.3Hz, 1H), 7.63(t, J=8.6Hz, 2H)
【0320】
(段階2)2−ニトロソチオ−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−1−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0321】
【化85】

【0322】
前記段階1で製造した化合物(40mg、0.078mmoL)をメタノールに溶解させ、1N塩酸水溶液(3mL)を滴加した後、亜硝酸ナトリウム(NaNO、6.5mg、0.094mmoL)を水(1.5mL)に溶解させて滴加した。これを常温で1時間攪拌して炭酸水素ナトリウムで反応を終結させ、クロロホルムで抽出して溶媒を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧濃縮し、残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール=12:1)して標題化合物(34.1mg、収率:81%、黄色固体)を得た。
【0323】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.07-2.14(m, 1H), 2.31-2.37(m, 1H), 2.42(s, 3H), 2.45-2.48(m, 1H), 2.54-2.59(m, 1H), 3.72(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.96(s, 3H), 4.88-4.94(m, 1H), 6.56(s, 1H), 7.06(d, J=10.6Hz, 1H), 7.10(t, J=7.5Hz, 1H), 7.21(t, J=6.9Hz, 1H), 7.31(d, J=10.6Hz, 1H), 7.54(s, 1H), 7.64(t, J=8.6Hz, 2H), 7.72(d, J=7.3Hz, 1H)
【0324】
〔実施例36〕3−ニトロソオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0325】
【化86】

【0326】
3−クロロメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]ベンズアミド(119.8mg、0.228mmoL)とヨウ化ナトリウム(136,5mg、0.911mmoL)をアセトン(15mL)に溶解させ、1日間55℃で攪拌した。反応混合物をクロロホルムで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過した後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物と亜硝酸銀(125.5mg、0.812mmoL)をアセトニトリル(5mL)に溶解させ、1日間常温で攪拌した。反応混合物をクロロホルムで抽出し、有機溶媒層を無水硫酸マグネシウムで乾燥ろ過して溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:クロロホルム=4:1)して標題化合物(35.4mg、収率:32.4%、黄色固体)を得た。
【0327】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ2.35-2.55(m, 3H), 2.48(s, 3H), 2.62-2.66(m, 1H), 3.76(s, 3H), 3.84(d, J=12.8Hz, 1H), 3.92(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.26(d, J=12.8Hz, 1H), 4.91-4.97(m, 1H), 6.58(s, 1H), 6.96(dd, J=7.7, 7.7Hz, 1H), 7.22(d, J=10.6Hz, 1H), 7.26-7.30(m, 2H), 7.44-7.47(m, 2H), 7.86(s, 1H), 9.30(d, J=6.8Hz, 1H)
【0328】
〔実施例37〕3−フルオロ−5−ニトロソオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド
前記実施例36に記載の方法と類似の方法で合成して標題化合物を得た。
【0329】
【化87】

【0330】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ2.04~2.20(m, 1H), 2.47(s, 3H), 2.52~2.62(m, 2H), 2.67~2.72(m, 1H), 3.81(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.71(s, 2H), 4.93~4.96(m, 1H), 6.42(d, J=6.2, 1H), 6.58(s, 1H), 7.14~7.21(m, 2H), 7.30(d, J=8.4, 1H), 7.42(s, 1H), 7.53(d, J=10.6, 1H)
【0331】
〔実施例38〕3−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
(段階1)メタンスルホン酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジルエステルの合成
【0332】
【化88】

【0333】
3−ヒドロキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド(252.5mg、0.497mmoL)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、0℃に降温した後、塩化メタンスルホニル(42.4μL、0.547mmoL)とトリエチルアミン(0.104mL、0.745mmoL)をそれぞれ滴加し、常温で2時間攪拌した。反応混合物をクロロホルムで抽出し、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥ろ過させて溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をクロムクロマトグラフィ(酢酸エチル:クロロホルム=3:2)して標題化合物(182.3mg、収率:62.6%、黄色固体)を得た。
【0334】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ2.14-2.21(m, 1H), 2.31-2.50(m, 2H), 2.46(s, 3H), 2.57-2.62(m, 1H), 2.85(s, 3H), 3.76(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.87-4.94(m, 1H), 5.06(d, J=12.7Hz, 1H), 5.10(d, J=12.7Hz, 1H), 6.57(s, 1H), 7.14(d, J=10.6Hz, 1H), 7.28(dd, J=7.7, 7.7Hz, 1H), 7.38-7.42(m, 2H), 7.56(s, 1H), 7.74(d, J=8.0Hz, 1H), 8.24(d, J=7.7Hz, 1H)
【0335】
(段階2)チオ酢酸−S−{3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジル}エステルの合成
【0336】
【化89】

【0337】
前記段階1で製造した化合物(182.3mg、0.311mmoL)をアセトン(6mL)に溶解させ、0℃に降温した後、チオ酢酸カリウム(53.2mg、0.467mmoL)を滴加して1時間攪拌した。反応混合物をクロロホルムで抽出し、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過した後、溶媒を減圧濃縮して標題化合物(173.6mg、収率:98.6%、黄色固体)を得た。
【0338】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.05-2.14(m, 1H), 2.30(s, 2H), 2.32-2.49(m, 2H), 2.44(s, 3H), 2.52-2.61(m, 1H), 3.74(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.01(d, J=13.9Hz, 1H), 4.05(d, J=13.9Hz, 1H), 4.87-4.93(m, 1H), 6.56(s, 1H), 7.10(d, J=10.3Hz, 1H), 7.21(dd, J=7.7, 7.7Hz, 1H), 7.32-7.36(m, 2H), 7.49(s, 1H), 7.64-7.71(m, 3H)
【0339】
(段階3)3−メルカプトメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0340】
【化90】

【0341】
前記段階2で製造した化合物(165.2mg、0.292moL)をメタノール(6mL)に溶解させ、0℃に降温した後、チオメトキシドナトリウム(21.5mg、0.307mmoL)を滴加して常温で30分間攪拌した。反応混合物を0.1N塩酸水溶液で終結し、クロロホルムで抽出して飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥ろ過し、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:クロロホルム=1:1)して標題化合物(182.3mg、収率:62.6%、黄色固体)を得た。
【0342】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.70(t, J=7.3Hz, 1H), 2.12-2.19(m, 1H), 2.31-2.50(m, 2H), 2.18(s, 3H), 2.57-2.61(m, 1H), 3.58(d, J=7.3Hz, 1H), 3.74(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.89-4.95(m, 1H), 6.57(s, 1H), 7.12(d, J=10.3Hz, 1H), 7.19(dd, J=7.7, 7.7Hz, 1H), 7.34(d, J=7.7Hz, 1H), 7.37(d, J=10.3Hz, 1H), 7.55(s, 1H), 7.59(d, J=7.7Hz, 1H), 7.70(s, 1H), 7.93(d, J=7.3Hz, 1H)
【0343】
(段階4)3−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0344】
【化91】

【0345】
前記段階3で製造した化合物(101.2mg、0.193moL)を3mLのメタノールと3mLのジメチルホルムアミドに溶解させ、0℃に降温した後、3mLの0.1N塩酸水溶液と16.0mgの亜硝酸ナトリウムを滴加して常温で2時間攪拌した。反応混合物をクロロホルムで抽出して飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥ろ過し、溶媒を減圧濃縮した。得られた残余物をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:クロロホルム:ヘキサン=3:2:1.5)して標題化合物(19.5mg、収率:18.3%、黄色固体)を得た。
【0346】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.08-2.16(m, 1H), 2.31-2.51(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.57-2.61(m, 1H), 3.57(s, 3H), 3.80(s, 2H), 3.92(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.89-4.96(m, 1H), 6.57(s, 1H), 7.10(d, J=10.3Hz, 1H), 7.25(dd, J=7.7, 7.7Hz, 1H), 7.36(d, J=10.3Hz, 1H), 7.38(d, J=7.7Hz, 1H), 7.53(s, 1H), 7.68(d, J=7.7Hz, 1H), 7.77(s, 1H), 7.79(d, J=7.0Hz, 1H)
【0347】
〔実施例39〕3−フルオロ−5−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミ
前記実施例38に記載の方法と類似の方法で合成して実施例39の化合物を得た。
【0348】
【化92】

【0349】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.30~2.48(m, 3H), 2.44(s, 3H), 2.56~2.59(m, 1H), 3.57(q, J=13.9, 16.5, 2H), 3.73(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.97~5.03(m, 1H), 6.57(s, 1H), 7.02(d, J=8.4, 1H), 7.15(d, J=10.6, 1H), 7.39(d, J=10.2, 1H), 7.43(s, 1H), 7.64(d, J=9.1, 1H), 7.73(s, 1H), 8.96(d, J=7.3, 1H)
【0350】
〔実施例40〕3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3,10−テトラメトキシ−9−オキソ−5,6,7−9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
(段階1)3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−N−[(7S)−1,2,3,10−テトラメトキシ−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0351】
【化93】

【0352】
デアセチルコルヒチン(150mg、0.42mmoL)と3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−安息香酸(85mg、0.50mmoL)、HOBt(67mg、0.50mmoL)を2mLのジメチルホルムアミド溶液に溶解させ、0℃に降温した後、EDCI(95mg、0.50mmoL)を滴加した。これを常温で攪拌させ、水を加えて反応を終結させた後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)で精製して標題化合物(110mg、反応収率:52%、黄色固体)を得た。
【0353】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.40-2.58(m, 3H), 2.62-2.69(m, 1H), 3.64-3.78(m, 1H), 3.74(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.07(S, 3H), 4.23-4.28(m, 1H), 4.81-4.88(m, 1H), 6.58(s, 1H), 6.87(d, J=9.2Hz, 1H), 6.97(d, J=9.2Hz, 1H), 7.03(d, J=10.4Hz, 1H), 7.38(s, 1H), 7.50(d, J=10.4Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 9.64(d, J=6.0Hz, 1H)
【0354】
(段階2)3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3,10−テトラメトキシ−9−オキソ−5,6,7−9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0355】
【化94】

【0356】
前記段階1で製造した化合物(90mg、0.18mmoL)を用いて実施例5の段階2および段階3と同様の方法で合成して標題化合物(30mg、反応収率:30%、黄色固体)を得た。
【0357】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.38-2.49(m, 3H), 2.58-2.59(m, 1H), 3.75(s, 3H), 3.92(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.05(S, 3H), 4.89-4.93(m, 1H), 4.94(d, J=12.8Hz, 1H), 5.10(d, J=12.8Hz, 1H), 6.58(s, 1H), 6.96(d, J=8.4Hz, 1H), 7.01(d, J=10.4Hz, 1H), 7.17(d, J=8.4Hz, 1H), 7.45(s, 1H), 7.48(d, J=10.4Hz, 1H), 7.89(s, 1H), 9.25(d, J=6.4Hz, 1H)
【0358】
〔実施例41〕3−ニトロオキシメチル−N−メチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
(段階1)3−クロロメチル−N−メチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0359】
【化95】

【0360】
チオデメルコルチン(50mg、0.129mmoL)とピリジン(0.012mL、0.154mmoL)をジクロロメタンに溶解させ、0℃に降温した後、3−(クロロメチル)ベンゾイルクロライド(0.022mL、0.154mmoL)を滴加した。これを常温で攪拌させ、水を加えて反応を終結させた後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)で精製して標題化合物(45mg、反応収率:67%、黄色固体)を得た。
【0361】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.24-2.38(m, 2H), 2.44(s, 3H),2.45-2.58(m, 1H), 2.61-2.74(m, 1H), 3.25(s, 3H), 3.72(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.54(s, 2H), 5.05(br, 1H), 6.57(s, 1H), 7.06(d, J=10.0Hz, 1H), 7.09(s, 1H), 7.22-7.41(m, 5H)
【0362】
(段階2)3−ニトロオキシメチル−N−メチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0363】
【化96】

【0364】
前記段階1で製造した化合物(45mg、0.085mmoL)を用いて実施例25の段階2と同様の方法で合成して標題化合物(40mg、反応収率:83%、黄色固体)を得た。
【0365】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.24-2.38(m, 2H), 2.44(s, 3H),2.45-2.58(m, 1H), 2.61-2.74(m, 1H), 3.24(s, 3H), 3.71(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.77(br, 1H), 5.58(s, 2H), 6.85(s, 2H), 7.21(d, J=10.0Hz, 1H), 7.29(d, J=10.4Hz, 1H), 7.40-7.53(m, 4H)
【0366】
〔実施例42〕3−フルオロ−N−メチル−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7−9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
(段階1)3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−N−メチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7−9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0367】
【化97】

【0368】
窒素の下で3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−安息香酸(52mg、0.309mmoL)をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、0℃に降温した後、エチルクロロホルメート(0.022mL、0.231mmoL)、トリエチルアミン(TEA、0.042mL、0.309mmoL)を滴加した。0℃で30分間攪拌させた後、ピリジン(0.012mL、0.154mmoL)、チオデメルコルチン(60mg、0.154mmoL)を入れる。これを常温で3時間攪拌させ、水を加えて反応を終結させた後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)で精製して標題化合物(30mg、反応収率:21%、黄色固体)を得た。
【0369】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.76(br, 1H), 2.24-2.38(m, 2H), 2.44(s, 3H),2.45-2.58(m, 1H), 2.61-2.74(m, 1H), 3.23(s, 3H), 3.72(s, 3H), 3.93(s, 3H), 3.97(s, 3H), 4.65(s, 2H), 5.02(br, 1H), 6.57(s, 1H), 6.92(s, 1H), 6.99-7.24(m, 4H), 7.34(s, 1H)
【0370】
(段階2)3−フルオロ−N−メチル−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7−9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミドの合成
【0371】
【化98】

【0372】
前記段階1で製造した化合物(55mg、0.101mmoL)を用いて実施例5の段階2および段階3と同様の方法で合成して標題化合物(20mg、反応収率:37%、黄色固体)を得た。
【0373】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ2.22-2.41(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.45-2.58(m, 1H), 2.61-2.74(m, 1H), 3.24(s, 3H), 3.75(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.95(s, 3H), 5.02(br, 1H), 5.39(s, 2H), 6.57(s, 1H), 7.05-7.24(m, 5H), 7.34(s, 1H)
【0374】
〔実施例43〕2−(3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7−9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミドの合成
(段階1)(3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル)−酢酸の合成
【0375】
【化99】

【0376】
前記中間体6の段階1で製造した化合物(2.5g、13.57mmoL)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、トリブロモホスフィン(PBr、1.15mL、12.21mmoL)を加えて室温で3時間攪拌した後、3−ブロモメチル−5−フルオロ−安息香酸メチルエステル(1.6g、反応収率:50%、白色固体)を得、3−ブロモメチル−5−フルオロ−安息香酸メチルエステル(1.5g、6.1mmoL)とシアン化カリウム(KCN、1.6g、24.4mmoL)、18−クラウン−6(820mg、3.1mmoL)をアセトニトリル(10mL)に溶解させた後、室温で18時間攪拌し、その後3−シアノメチル−5−フルオロ−安息香酸メチルエステル(900mg、反応収率:77%、白色固体)を得た後、3−シアノメチル−5−フルオロ−安息香酸メチルエステル(900mg、4.65mmoL)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させた後、2Mリチウムボロハイドライドテトラヒドロフラン(2.3mL、4.6mmoL)を仕込んで加熱還流して(3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル)−アセトニトリル(430mg、反応収率:56%、白色固体)を得、(3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル)−アセトニトリル(400mg、2.42mmoL)と水酸化カリウム(1.34g、23.8mmoL)をエタノール(10mL)、水(5mL)に溶かした後、24時間加熱還流して標題化合物(356mg、反応収率:80%、白色固体)を得た。
【0377】
1H NMR(400MHz, CD3OD); δ3.62(s, 2H), 4.59(s, 2H), 6.94(d, J=9.6Hz, 1H), 7.04(d, J=9.6Hz, 1H), 7.08(s, 1H)
【0378】
(段階2)2−(3−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミドの合成
【0379】
【化100】

【0380】
前記段階1で製造した化合物(30mg、0.16mmoL)を用いて前記実施例40の段階1と同様の方法で合成して標題化合物(58mg、反応収率:70%、黄色固体)を得た。
【0381】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.92-2.01(m, 1H), 2.19-2.40(m, 2H), 2.41(s, 3H), 2.46-2.52(m, 1H), 3.46(d, J=14.0,Hz, 1H), 3.52(d, J=14.0,Hz, 1H), 3.63(s, 3H), 3.89(s, 3H), 3.91(s, 3H), 4.64-4.74(m, 1H), 4.75(s, 2H), 6.53(s, 1H), 6.86-6.94(m, 3H), 7.07(d, J=10.8Hz, 1H), 7.13(s, 1H), 7.30(d, J=10.8Hz, 1H), 7.39(s, 1H)
【0382】
(段階3)メタンスルホン酸3−フルオロ−5−[(7S)−(1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル)−メチル]−ベンジルエステルの合成
【0383】
【化101】

【0384】
前記段階2で製造した化合物(58mg、0.107mmoL)を用いて実施例38の段階1と同様の方法で合成して標題化合物(60mg、反応収率:90%、黄色固体)を得た。
【0385】
(段階4)2−(3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミドの合成
【0386】
【化102】

【0387】
前記段階3で製造した化合物(60mg、0.097mmoL)を使用した以外は、前記実施例25の段階2と同様の方法で合成して標題化合物(30mg、反応収率:83%、黄色固体)を得た。
【0388】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.92-1.98(m, 1H), 2.22-2.42(m, 2H), 2.46(s, 3H), 2.49-2.52(m, 1H), 3.50(d, J=14.0,Hz, 1H), 3.65(s, 3H), 3.66(d, J=14.0,Hz, 1H), 3.89(s, 3H), 3.93(s, 3H), 4.64-4.74(m, 1H), 5.37(s, 2H), 6.52(s, 1H), 6.97(d, J=8.8Hz, 1H), 7.11-7.17(m, 3H), 7.35(d, J=10.8Hz, 1H), 7.50(s, 1H), 8.04(d, J=7.2Hz, 1H)
【0389】
〔実施例44〕2−(2−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミド
前記実施例43に記載の方法と類似の方法で合成し、必要な中間体は、下記の方法によって製造した。
【0390】
【化103】

【0391】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ1.89-1.93(m, 1H), 2.26-2.29(m, 1H), 2.34-2.40(m, 1H), 2.43(s, 3H), 2.49-2.54(m, 1H), 3.61(s, 3H), 3.62(d, J=15.2Hz, 1H), 3.72(d, J=15.2Hz, 1H), 3.89(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.70-4.75(m, 1H), 5.49(s, 2H), 6.53(s, 1H), 7.06-7.11(m, 2H), 7.25-7.31(m, 2H), 7.35(t, J=7.6Hz, 1H), 7.44(s, 1H), 7.57(d, J=7.2Hz, 1H)
【0392】
(中間体18)(2−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル)−酢酸の合成
【0393】
【化104】

【0394】
前記中間体5で製造された化合物(2.2g、11.94mmoL)を用いて実施例43の段階1と同様の方法で合成することにより、標題化合物(400mg、反応収率:90%、白色固体)を得た。
【0395】
〔実験例1〕癌細胞株に対する細胞毒性測定試験
薬物のインビトロ(in vitro)抗癌活性度を測定するために開発されたスルホローダミン(Sulforhodamin)−B<SRB>法(1989、米国国立癌研究所(NCI)を用いてA549(韓国化学研究院)、SK−OV−3(韓国化学研究院)、SK−MEL−2(韓国化学研究院)、HCT−15(韓国化学研究院)およびMCF7細胞(ソウル大学校医科大学癌研究所細胞株銀行)に対する細胞毒性を測定した。実験に使用する細胞は、0.25%のトリプシン−EDTA溶液で付着面から分離させ、5×10〜2×10細胞/ウェルの細胞懸濁液に製造した後、96ウェルプレートにウェル当たり100Lずつ加えて37℃、5%CO培養器で24時間培養した。試料は、本発明によって実施例で製造した化合物を使用し、実験直前にジメチルスルホキシドに溶解させた後、培地(RPMI1640)で希釈して使用した。試料の最終濃度は、1μM〜0.00001μMの様々な濃度で使用した。96ウェルプレートの培地を除去した後、試料希釈液を100Lずつ加えた後、37℃、5%CO培養器で48時間培養した。試料を加えた時点でTz(time zero)プレートを収集した。培養の完了後、Tzプレートと共に各ウェルから培地を除去し、10%トリクロロ酢酸(TCA)をウェル当たり100Lずつ加えた。4℃で1時間放置して細胞をプレートの底面に固定させた。細胞の固定が完了した後、プレートを水で5〜6回洗浄して、残存したトリクロロ酢酸溶液を完全に除去し、水気が残らないように室温で乾燥させた。1%酢酸溶液に0.4%スルホローダミン−Bを溶解させた染色溶液を、完全に乾燥したプレートにウェル当たり100Lずつ加えて30分間細胞を染色した。これをさらに1%酢酸溶液で5〜6回洗浄して、細胞に結合していないスルホローダミン−Bを全て除去した後、プレートをさらに室温で乾燥させた。ここに10mMトリス溶液100Lを加えて染料を溶解させ、マイクロプレートリーダーで520nmにおける光学密度(OD、optical density)値を測定した。
【0396】
試料の癌細胞に対するED50-値(癌細胞の成長を50%抑制する濃度、50%有効濃度(effective dose、nM/mL)を次のように計算した。試料を加えて培養を開始する時間のOD値をTz値と定め、試料を処理せずに培養するウェルのOD値を対照値(C)、試料を処理して培養したウェルのOD値を試験値(T)とそれぞれ定めた。Tz、CおよびTを求めた後、下記数式1によって試料の細胞毒性の度合いを測定した。
<数学式1>
T≦Tzの場合、(T−Tz)/(C−Tz)×100
T>Tzの場合、(T−Tz)/Tz×100
【0397】
前記数式1によって計算された値からロータスプログラムの回帰機能を用いて薬物の癌細胞成長を50%抑制する濃度、すなわち有効濃度ED50を計算した。
【0398】
また、対照物質としてパクリタキセル、ドキソルビシンおよびコルヒチンに対しても、前記と同様の方法で実験した。
【0399】
その結果は、表1に示した。
【0400】
【表1】

【0401】
表1に示すように、本発明に係るトリサイクリック誘導体は、癌細胞株に対して非常に強い細胞毒性を示した。
【0402】
〔実験例2〕本発明のトリサイクリック誘導体の腫瘍成長抑制活性に及ぼす影響
本発明のトリサイクリック誘導体の腫瘍成長抑制活性に及ぼす影響を調べるために、下記のような実験を行った。
【0403】
実験に使用した試料は、実験期間中に冷蔵保管した。マウスへの投与用量は、実施例8で製造した化合物(10mg/kg)、実施例12で製造した化合物(1、3、10mg/kg)、陽性対照物質[タクソール(Taxol)−3mg/kg、アドリアマイシン(Adriamycin)−2mg/kg]に設定した。実施例12の化合物は、4%ツイーン80、陽性対照物質であるタクソールの場合には5%エタノール+25%クレモフォール(cremophor)+75%PBSを溶媒として使用した。調製された試料は、放置すれば沈澱が生ずるという問題があって、投与直前にチップソニケーション(tip sonication)を施してよく分散させた後、動物に投与した。
【0404】
実験動物は、日本Charles River社の7週齢雌S.P.F BALB/cヌードマウスを使用した。実験動物は、1週間以上無菌動物室で適応させた後、実験に使用した。動物室は、温度が21±2℃、湿度が55±5%であり、明暗が12時間周期で自動調節された。実験動物用固形試料(韓国の第一製糖)は放射線滅菌製品であり、飲み水は高圧蒸気滅菌器で滅菌した。試料と飲み水は、自由摂取させた。癌細胞株は、韓国生命工学研究院で保存中のヒト肺癌細胞株(Human lung tumor cell line; NCI−H460)を使用した。
【0405】
実験動物に移植する癌細胞は、液体窒素の中で冷凍保管していた細胞を解凍(thawing)した後、CO培養器内で温度37℃とCO濃度5%に合わせて適切な期間培養した後、最終日に全ての細胞を収去して計数し、PBSを用いて3×10cells/mLの細胞濃度に調節した。このように調節された細胞培養液をマウスに1匹当たり0.3mLずつ右側の肩胛部と胸壁間の腋窩部位皮下に注入した。NCI−H460異種移植されたヌードマウス(xenografted nude mice)は、癌細胞移植の後、翌日から毎日1回マウス体重20g当たり0.2mLずつ腹腔投与を開始した。
【0406】
癌細胞移植の後、腫瘍の大きさを個体別に測定するが、腫瘍の大きさはノギス(vernier caliper)を用いて3方向から測定した後、下記数式2で表現した。
<数学式2>
腫瘍の大きさ(Tumor volume)=(長さ×広さ×高さ)/2
【0407】
動物の体重変化は、週3回程度測定した。それぞれの癌細胞移植ヌードマウスは、最終剖検日に動物を犠牲させて腫瘍を分離し、重量を測定した。
【0408】
腫瘍の大きさおよび重量測定結果は、表2、図1、図3および図5に示し、マウスの体重変化は、表3、図2および図4に示した。
【0409】
【表2】

【0410】
【表3】

【0411】
表2、図1、図3および図5に示すように、本発明のトリサイクリック誘導体(実施例8および実施例12)を、ヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに投与した場合、溶媒のみを投与した群(V.C−1、V.C−2)および陽性対照物質(タクソール、アドリアマイシン)を投与した群より腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量が著しく減少した。特に、実施例12化合物の場合は、1mg/kgを投与したときより10mg/kgを投与したときに腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量が著しく減少し、実施例8の化合物の場合は、10mg/kgを投与したときに85%の腫瘍大きさ抑制率を示した。したがって、腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量の減少率は、本発明のトリサイクリック誘導体の投与量に比例することが分かる。
【0412】
また、表3、図2および図4に示すように、本発明のトリサイクリック誘導体(実施例8および実施例12)を、ヒト肺癌細胞株であるNCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに10mg/kgで投与した場合、溶媒のみを投与した群(V.C−1、V.C−2)および陽性対照物質(タクソール、アドリアマイシン)を投与した群よりマウスの体重が約10%程度減少した。
【0413】
したがって、本発明のトリサイクリック誘導体は、腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量を減少させて優れた抗癌抑制効果を示すので、抗癌剤および抗増殖抑制剤として有用に使用できる。
【0414】
〔実験例3〕HUVEC細胞における本発明のトリサイクリック誘導体の血管形成抑制活性に及ぼす影響(Capillary-like tube formation assay)
実験に使用したマトリゲル(matrigel)は、BioCoat社の製品を使用し、使用前に、24時間冷蔵保管して解凍させた。解凍したマトリゲル、96ウェルプレートおよびイエローチップ(yellow tip)を氷上に置いた後、マトリゲルを96ウェルプレートに40μLずつ分注した。分注の後、プレートは30分間37℃の培養器で重合(polymerization)させた。各プレートにHUVEC細胞を2×10cells/mLの濃度で180μL、前記実施例12で製造した化合物溶液(in free serum media)を用量別(0.3、1、3、10および30μg/mL)に20μLずつそれぞれ分注した後、24時間培養させた。
【0415】
評価方法は、顕微鏡上で写真撮影してチューブ形成の度合いから新生血管生成抑制活性を判断した。
【0416】
陽性対照物質としては、フマギリン(fumagilin)とドキソルビシン(doxorubicin)を使用した。
【0417】
その結果は、図6に示した。
【0418】
図6に示すように、本発明のトリサイクリック誘導体(実施例12)は、0.3μg/mL以上で血管形成阻害効果を示し、陽性対照物質であるフマギリン10μg/mLと同等な阻害効果を示すことが分かり、本発明のトリサイクリック誘導体(実施例12)が、10μg/mL以上では血管形成が完全に阻害されることを観察することができた。
【0419】
したがって、本発明のトリサイクリック誘導体は、血管新生抑制剤として有用に使用できる。
【0420】
〔実験例4〕急性毒性実験
実験動物として、5週齢の体重25〜30gのICRマウス(SPF、生産会社:日本SLC社)を、それぞれの実験化合物当たり雌雄1つずつ使用した。各グループ当たり実験動物10匹からなるグループ(T2、T3、T4およびT5)を指定し、前記実施例12で製造した化合物を用いて急性毒性を測定した。また、下記表4に示されている用量で実験動物に前記実施例12で製造した化合物を溶媒剤[5%DMSO;20%ツイーン80;75%PBS(−)]に溶解させて腹腔注射した後、7日間観察した。対照群T1として、前記実施例12で製造した化合物を除いた溶媒剤のみを投与したグループに対しても前記と同様の実験を行った。その結果は表4に示した。
【0421】
比較物質としてのコルヒチンに対しても、前記と同様の方法で実験動物に対する急性毒性を観察した。コルヒチンに対して、グループは実験動物6匹から構成されている。その結果は表5に示した。
【0422】
比較物質としての、現在市販されているブリストルマイヤーズスクイブ社のタクソール注射剤に対しても、前記同様の方法で実験動物に対する急性毒性を観察した。その結果は表6に示した。
【0423】
【表4】

【0424】
【表5】

【0425】
【表6】

【0426】
表4、表5および表6に示すように、天然物であるコルヒチンのマウスに対する毒性は、LD50=2mg/kgを示して、文献に報告されたLD50=1.6mg/kgに近接した結果[参考:Medicinal Research Reviews, Vol.8, No.1, 77-94(1988)]を示している。また、パクリタキセル製剤であるタクソール注射剤の毒性は、LD50=9〜13mg/kg程度(i.v.投与)であった。ところが、本発明に係る実施例12で製造された化合物の場合、LD50=60mg/kg以上を示して、コルヒチンより30倍以上毒性が弱く、パクリタキセル製剤であるタクソール注射剤よりも毒性が弱いことが分かる。したがって、本発明に係る化合物は、コルヒチンまたはタクソール注射剤より正常細胞に対する毒性が低いことが分かる。
【0427】
〔産業上の利用可能性〕
本発明に係るトリサイクリック誘導体は、癌細胞株に対しては非常に強い細胞毒性を示し、動物毒性実験ではコルヒチンまたはタクソール注射剤より著しく減少した毒性を示し、腫瘍の大きさおよび腫瘍の重量を著しく減少させ、HUVEC細胞で強力な血管新生抑制作用を示すので、臨床的に有用な抗癌剤、抗増殖抑制剤および血管新生抑制剤として使用できる。また、本発明に係るトリサイクリック誘導体は、比較的簡単かつ容易に得ることができ、水溶解度が高くて経口用製剤、注射剤などへの製剤化がより容易であるという利点をもっている。
【図面の簡単な説明】
【0428】
【図1】ヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに本発明のトリサイクリック誘導体(実施例8)を投与したときの腫瘍の大きさの変化を示す図である。
【図2】ヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに本発明のトリサイクリック誘導体(実施例8)を投与したときのマウスの体重の変化を示す図である。
【図3】ヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに本発明のトリサイクリック誘導体(実施例12)を濃度別(1、3、10mg/kg)に投与したときの腫瘍の大きさの変化を示す図である。
【図4】ヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに本発明のトリサイクリック誘導体(実施例12)を濃度別(1、3、10mg/kg)に投与したときのマウスの体重の変化を示す図である。
【図5】ヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を移植したBALB/cヌードマウスに本発明のトリサイクリック誘導体を投与し、14日目にヒト肺癌細胞株NCI−H460細胞を分離して腫瘍の大きさを写真で示した図である。
【図6】HUVEC細胞における本発明のトリサイクリック誘導体の血管形成抑制活性を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表わされるトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【化1】

(式中、(1)Rは、化学式−T−Bであり;
前記において、Tは、−X−、−X−C(X)−、−N(R)−、−N(R)C(X)−、−N(R)S(O)n−、−N(R)C(O)−X−または−N(R)C(X)NH−であり、この際、X、XはそれぞれOまたはSであり、Rはそれぞれ水素またはC〜Cアルキル基であり、nは1〜2の整数であり;Bは下記(a)〜(j)の基よりなる群から選択され、
【化2】

前記において、RとRは、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノまたはC〜C低級アルキル基であり;RとRは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、−ONO、−ONOまたはSNOであり、この際、RとRは、互いに同じでも異なってもよく;
【化3】

は、ヘテロ原子を1〜2つ含むC〜Cの飽和または不飽和複素環であり、この際、前記へテロ原子は、O、SおよびNよりなる群から選択され、好ましくは、
【化4】

であり、最も好ましくは、位置2番および6番または2番および5番に置換されたC1(ピリジル基)、2番および5番または2番および4番に置換されたC7(ピロリル基)、C11(チオフェニル基)またはC12(フラニル基)であり、置換体の結合は、対称および非対称の位置にありうり;Zは、C〜C10の直鎖または分岐鎖アルキル基、好ましくは、C〜C直鎖または分岐鎖アルキル基、または置換基を有するシクロアルキル基であり;ZとZは、それぞれ独立に水素またはメチル基を意味し、この際、Zがメチル基のときにはZは水素であり、Zがメチル基のときにはZが水素であり;Tは−X−または−X−C(X)−であり、この際、X、Xは、それぞれOまたはSであり、Bは、前記(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の基よりなる群から選ばれ;nは0〜3の整数であり、nは0〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、nとnはそれぞれ独立に1〜6の整数であり;
(2)RとRは、それぞれ独立に水素、−PO、ホスホン酸塩、硫酸塩、C〜Cシクロアルキル、C2-〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルカノイル、C〜C直鎖または分岐鎖アルキルまたは糖であり、この際、糖は、グルクロニル、グルコシルまたはガラクトシルなどの単糖類を意味し;
(3)Rは、OCH、SCHまたはNR1011であり、この際、R10とR11は、それぞれ独立に水素、C1〜5アルキルであり;
(4)Xは、OまたはSである。)
【請求項2】
前記化学式1の化合物が、
(1)Rは、化学式−T−Bであり;
前記において、Tは、−N(R)C(X)−、N(R)C(O)−X−または−N(R)C(X)NH−であり、この際、X、XはそれぞれOであり、Rはそれぞれ水素またはC〜Cアルキル基であり;Bは下記(a)〜(j)の基よりなる群から選択され、
【化5】

前記において、RとRは、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノまたはC〜C低級アルキル基であり;RとRは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト(チオール基)、−ONO、−ONOまたはSNOであり、この際、RとRは、お互い同じでも異なってもよく;
【化6】

は、ヘテロ原子を1〜2つ含むC〜Cの飽和または不飽和複素環であり、この際、前記へテロ原子は、O、SおよびNよりなる群から選択され、好ましくは、
【化7】

であり、最も好ましくは、位置2番および6番または2番および5番に置換されたC1(ピリジル基)、2番および5番または2番および4番に置換されたC7(ピロリル基)、C11(チオフェニル基)またはC12(フラニル基)であり、置換体の結合は、対称および非対称の位置にありうり;Zは、C〜C10直鎖または分岐鎖アルキル基、好ましくは、C〜C直鎖または分岐鎖アルキル基、または置換基を有するシクロアルキル基であり;ZとZは、それぞれ独立に水素またはメチル基を意味し、この際、Zがメチル基のときにはZは水素であり、Zがメチル基のときにはZが水素であり;Tは−X−または−X−C(X)−であり、この際、X、Xは、それぞれOまたはSであり;Bは、前記(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の基よりなる群から選択され;nは0〜3の整数であり、nは0〜5の整数であり、nは1〜3の整数であり、nとnはそれぞれ独立に1〜3の整数であり;
(2)RとRは、それぞれ独立にC〜CシクロアルキルまたはC〜Cアルキルであり;
(3)Rは、SCHまたはOCHであり;
(4)Xは、OまたはSであることを特徴とする、トリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記トリサイクリック誘導体が、
1)6−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ニコチンアミド;
2)5−ニトロオキシメチル−フラン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
3)N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
4)N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
5)6−ニトロオキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
6)5−ニトロオキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
7)N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
8)N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−2−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
9)2−フルオロ−N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
10)2−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
11)N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−2−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
12)3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
13)N−[(7S)−3−エトキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
14)3−フルオロ−N−[(7S)−3−イソプロポキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−5−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
15)N−[(7S)−3−シクロペンチルオキシ−1,2−ジメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−ベンズアミド;
16)4−フルオロ−3−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
17)2−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
18)3−ヒドロキシ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
19)3,5−bis−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
20)2−ヒドロキシ−4−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
21)4−ニトロオキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
22)3−ニトロオキシメチル−チオフェン−2−カルボン酸[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アミド;
23)2−(3−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミド;
24)3−(2−ニトロオキシ−エチル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
25)3−ニトロオキシ安息香酸−5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル;
26)4−ニトロオキシ酪酸−5−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル;
27)3−ニトロオキシメトキシ安息香酸−6−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル;
28)4−ニトロオキシ酪酸−6−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ピリジン−2−イル−メチルエステル;
29)3−ニトロオキシメチル安息香酸−2−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
30)4−ニトロオキシ酪酸−2−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
31)3−ニトロオキシメチル安息香酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
32)4−ニトロオキシ酪酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−フェニルエステル;
33)3−ニトロオキシメチル安息香酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジルエステル;
34)4−ニトロオキシ酪酸−3−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル−カルバモイル]−ベンジルエステル;
35)2−ニトロソチオ−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
36)3−ニトロソオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
37)3−フルオロ−5−ニトロソオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
38)3−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
39)3−フルオロ−5−ニトロソチオメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
40)3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3,10−テトラメトキシ−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
41)3−ニトロオキシメチル−N−メチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
42)3−フルオロ−N−メチル−5−ニトロオキシメチル−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−ベンズアミド;
43)2−(3−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミド;または
44)2−(2−フルオロ−5−ニトロオキシメチル−フェニル)−N−[(7S)−1,2,3−トリメトキシ−10−メチルスルファニル−9−オキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−ベンゾ[a]ヘプタレン−7−イル]−アセトアミドであることを特徴とする、請求項1に記載のトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
下記反応式1で表されるように、
(1)化学式(III)の化合物を化学式(IV)の化合物または化学式(VI)の化合物と反応させて化学式(V)の化合物または化学式(VII)の化合物を製造し、あるいは生成された化学式(VII)の化合物をハロゲン化合物と反応させて化学式(V)の化合物を製造する段階(第1段階)と、
(2)前記製造された化学式(V)の化合物または化学式(VII)の化合物をニトロ化反応またはニトロソ化反応させて化学式(IIa)の化合物を製造する段階(第2段階)とを含む、トリサイクリック誘導体を製造する方法。
【化8】

(前記反応式において、Dは、
【化9】

であり、この際、R、R、RおよびXは、請求項1の化学式1で定義したとおりであり;
は、水素または低級アルキルを示し、Xは、OまたはSを示し、HalとHalは、ハロゲンを示し、一般式(IV)のHalとHalは、それぞれ同一または異なるハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIを示し、Yは、下記の一般式(a’)、(b’)、(c’)、(d’)または(e’)を示し、
【化10】

この際、
【化11】

、R、R、R、Z、Z、Z、n、n、n、nおよびnは、請求項1の化学式1で定義したとおりである。)
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗癌剤または抗増殖抑制剤。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリサイクリック誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血管新生抑制剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−520422(P2007−520422A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515341(P2006−515341)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001518
【国際公開番号】WO2004/113281
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505475644)ジェ イル ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】