説明

トレーの成形供給方法及びトレーの成形供給装置

【課題】菓子等の梱包ラインに、トレーを迅速に供給することができる、トレーの成形供給方法及びトレーの成形供給装置を提供する。
【解決手段】片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料Sをホッパー40に貯留し、このホッパー40からシート材料Sを取出して加熱加圧してトレー形状に成形し、成形されたトレー1の熱可塑性樹脂の樹脂コーティング面に気体を吹付けて、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させ、こうして成形されたトレー1を搬送コンベヤ20に載せて、トレー20に製品を載せて梱包するラインに供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、チョコレート等の固形状の菓子類などを載置するための、トレーの成形供給方法及びトレーの成形供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チョコレート等の固形状の菓子類は、紙製のトレーに載置された状態で、袋詰めされ、更に紙ケース等にパッケージングされて出荷されることがある。この場合、チョコレート等の菓子類がトレーにベタつくことなく簡単に取り出せるようにするために、トレーの菓子類の載置面には、樹脂がコーティングされているのが一般的である。また、前記トレーは、単なる平板形状ではなく、周縁がリブ状に立ち上がって皿状をなしており、それにより菓子類がトレーから飛び出さないようになっている。
【0003】
上記トレーは、例えば、片面に熱可塑性樹脂をコーティングした厚紙製のシート材料を、所定温度に加熱された型枠にセットし、加熱加圧プレスして所定のトレー形状に成形すると共に、型枠から取り出したトレーを放冷して熱可塑性樹脂を硬化させることにより成形されている。上記のように成形されたトレーは、製品の梱包ラインに配置された供給装置にセットされて、ラインに供給される。
【0004】
従来のこの種の供給装置として、下記特許文献1には、所定形状に成形されたトレーを収納するトレーストッカーと、空気の吸引によりトレーの内面を吸着し、かつ空気の排出によりトレーを離脱させ得る吸着パッドと、この吸着パッドを先端に有し、軸方向に進退移動可能に、かつ回転中心の回りを回転可能に支持された可動シャフトと、前記可動シャフトを進退移動させる進退移動用電動モータと、前記可動シャフトを前記回転中心の回りを正逆回転させる回転用電動モータとを備えるトレー自動供給装置が開示されている。そして、上記トレー自動供給装置によって、トレーストッカーに収納された複数のトレーが一枚ずつ取出されてコンベヤに供給され、コンベヤ上をトレーが移動しつつ、トレー上に被梱包物が載置されるようになっている。
【特許文献1】特開平6−9050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトレーの供給方法では、予め皿形状に成形された紙のトレーを用意しておき、このトレーを複数個ずつ積み重ねた状態で、上記特許文献1に記載されたような供給装置に手作業でセットし、既に完成したトレーを1枚ずつ取出して、梱包ラインに設けたコンベヤ上に供給するようにしていた。
【0006】
しかしながら、そのような方法では、成形して嵩張る形状をなすトレーを製造元から購入し、保管しておき、必要枚数ずつ取出して供給装置にセットする必要があるため、移送や保管時にスペースをとったり、取り扱い時にトレーを変形させてしまったりする可能性があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、製品梱包ラインに供給するまでのトレーの輸送や、保管時におけるスペースをとらず、取り扱い時にトレーが変形してしまうことがなく、製品梱包と同期できる速度でトレーを供給できるようにしたトレーの成形供給方法及びトレーの成形供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のトレーの成形供給方法は、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料をホッパーに貯留し、このホッパーから前記シート材料を取出して加熱加圧してトレー形状に成形し、成形されたトレーの熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けて、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させ、こうして成形されたトレーを搬送コンベヤに載せて、該トレーに製品を載せて梱包するラインに供給することを特徴とする。
【0009】
上記発明によれば、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料を加熱加圧してトレー形状に成形した後、熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けることによって、トレーの成形形状を迅速に安定させ、搬送コンベヤに載置して製品梱包ラインに供給することができるので、予めトレーを成形しておいて、トレーの状態で輸送したり、保管したりする必要がなくなり、輸送や保管に必要なスペースを減少させることができる。また、トレーを成形する前のシート材料のまま供給装置にセットすればよいので、トレー材料の取り扱いが容易となり、取り扱い中にトレーが変形してしまうこともない。更に、シート材料を加熱加圧して成形する際、表面の熱可塑性樹脂が硬化する前にシート材料の弾性によって成形した状態が元に戻る現象が見られるが、本発明では、気体を吹き付けて熱可塑性樹脂を迅速に硬化させることにより、トレーの成形形状を迅速に安定させることができ、それによって、製品梱包と同期できる速度でトレーを梱包ライン上に供給することが可能となる。
【0010】
本発明のトレーの成形供給方法においては、前記シート材料の加熱加圧の際、回転軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記シート材料又は前記トレーを保持する保持部を設けた回動体と、この回動体が所定位置に回動して、前記保持部の一方が前記シート材料を受け渡される位置に移動したときに、前記保持部の他方に向けて成形型を押付けて、前記シート材料を前記保持部と前記成形型との間で加熱加圧するプレス装置とを有する成形装置を用い、前記回動体の保持部の一方がトレー及びシート材料の受け渡し作業を行っている間に、前記回動体の保持部の他方に保持されたシート材料の成形を行うことが好ましい。これによれば、回動体の保持部の一方がトレー及びシート材料の受け渡し作業を行っている間に、回動体の保持部の他方に保持されたシート材料の成形を行うことができるので、トレーの成形に十分時間をかけることができる。
【0011】
本発明のトレーの成形供給方法においては、前記トレーの気体の吹付けの際、回動軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記トレーを保持する保持部を設けた回動体を有し、前記保持部に気体の噴出孔が設けられた冷却装置を用い、前記保持部の一方がトレーの受け渡し位置にあってトレーの受け渡し作業を行っている間、前記保持部の他方に保持されたトレーは前記噴出孔から噴出する気体による冷却を受け続けるようにすることが好ましい。これによれば、トレーは、受け渡し位置にて保持部の一方に保持された後、往復回動して前記受け渡し位置に戻ってくる間、噴出孔から噴出する気体による冷却を受け続けるので、効果的に冷却され、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させて、成形形状を安定させることができる。
【0012】
本発明のトレーの成形供給方法においては、複数のホッパーのそれぞれからシート材料を同時に取出し、取出された複数のシート材料をそれぞれ同時に加熱加圧して成形し、冷却した後、搬送コンベア上に並べて載せて供給することが好ましい。これによれば、複数のシート材料をそれぞれ同時に加熱加圧して成形し、冷却して、搬送コンベア上に供給することにより、単位時間当たりのトレーの供給量を増大させることができ、製品梱包ラインの処理速度に追随させることが容易となる。
【0013】
一方、本発明のトレー成形供給装置は、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料を貯留するホッパーと、このホッパーから取出された前記シート材料を加熱加圧してトレー形状に成形する成形装置と、成形されたトレーの熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けて、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させる冷却装置と、こうして成形されたトレーを載せて、該トレーに製品を載せて梱包するラインに供給する搬送コンベヤと、前記シート材料を前記ホッパーから前記成形装置に受け渡す第1受け渡し手段と、前記成形装置で成形されたトレーを前記冷却装置に受け渡す第2受け渡し手段と、前記冷却装置で冷却されたトレーを前記搬送コンベヤに載置する第3受け渡し手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、ホッパーに貯留されたシート材料が第1受け渡し手段により成形装置に受け渡されて、そこで加熱加圧されてトレー形状に成形され、その後、成形されたトレーが第2受け渡し手段により冷却装置に受け渡されて、熱可塑樹脂のコーティング面に気体が吹き付けられた後、更に第3受け渡し手段によって、搬送コンベヤに載置される。
【0015】
このように、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料を加熱加圧してトレー形状に成形した後、熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けることによって、トレーの成形形状を迅速に安定させ、搬送コンベヤに載置して製品梱包ラインに供給することができるので、予めトレーを成形しておいて、トレーの状態で輸送したり、保管したりする必要がなくなり、輸送や保管に必要なスペースを減少させることができる。また、トレーを成形する前のシート材料のまま供給装置にセットすればよいので、トレー材料の取り扱いが容易となり、取り扱い中にトレーが変形してしまうこともない。更に、気体を吹き付けて熱可塑性樹脂を迅速に硬化させることにより、トレーの成形形状を迅速に安定させることができ、それによって、製品梱包と同期できる速度でトレーを梱包ライン上に供給することが可能となる。
【0016】
本発明のトレー成形供給装置においては、前記成形装置は、回転軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記シート材料又は前記トレーを保持する保持部を設けた回動体と、この回動体が所定位置に回動して、前記保持部の一方が前記シート材料を受け渡される位置に移動したときに、前記保持部の他方に向けて成形型を押付けて、前記シート材料を前記保持部と前記成形型との間で加熱加圧するプレス装置とを有していることが好ましい。これによれば、回動体の保持部の一方がトレー及びシート材料の受け渡し作業を行っている間に、回動体の保持部の他方に保持されたシート材料の成形を行うことができるので、トレーの成形に十分時間をかけることができる。
【0017】
本発明のトレー成形供給装置においては、前記冷却装置は、前記トレーの気体の吹付けの際、回動軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記トレーを保持する保持部を設けた回動体を有し、前記保持部に気体の噴出孔が設けられていることが好ましい。これによれば、トレーは、受け渡し位置にて保持部の一方に保持された後、往復回動して前記受け渡し位置に戻ってくる間、噴出孔から噴出する気体による冷却を受け続けるので、効果的に冷却され、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させて、成形形状を安定させることができる。
【0018】
本発明のトレー成形供給装置においては、前記ホッパーは複数台並列して設置され、前記成形装置は前記回転軸を共通にして複数台並列して設置され、前記冷却装置も前記回転軸を共通にして複数台並列して設置されており、複数のホッパーのそれぞれからシート材料を同時に取出し、この複数枚のシート材料を対応する前記成形装置及び前記冷却装置によって、それぞれ成形し冷却するように構成されていることが好ましい。これによれば、複数のシート材料をそれぞれ同時に加熱加圧して成形し、冷却して、搬送コンベア上に供給することにより、単位時間当たりのトレーの供給量を増大させることができ、製品梱包ラインの処理速度に追随させることが容易となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料を加熱加圧してトレー形状に成形した後、熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けることによって、トレーの成形形状を迅速に安定させ、搬送コンベアに載置して製品梱包ラインに供給することができるので、予めトレーを成形しておいて、トレーの状態で搬送したり、保管したりする必要がなくなり、取り扱い中にトレーが変形してしまったりすることがなく、トレー材料の取り扱いが容易となり、トレーのコストも低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0021】
本発明により供給されるトレーは、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料を、加熱加圧して所定形状に成形されたものである。図16に示すように、この実施形態の場合、トレー1は、長方形状の基板2と、該基板2の周縁から所定高さでリブ状に立設された周壁3とからなる皿形状をなし、その片面、すなわち前記基板2及び前記周壁3の内面には、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレンビニルアセテート(EVA)等の熱可塑性樹脂がコーティングされて、樹脂コーティング面4が形成されている。このトレー1の樹脂コーティング面4上に、例えば、角型の固形状チョコレート菓子等の製品5が載置され、図示しない梱包装置によって袋詰め及び/又は箱詰めされて出荷されるようになっている。
【0022】
本発明によるトレーの成形供給方法及びトレーの成形供給装置は、上記トレー1を成形して、上記梱包装置が配置されたライン状に供給するのに用いられる。そこでまず、本発明の一実施形態によるトレーの成形供給装置10(以下、「成形供給装置10」という)について説明する。
【0023】
図1に示すように、この成形供給装置10は、トレー1上に製品5を載置すると共に、その状態のトレー1をアルミラミネートフィルム袋や紙ケース等により梱包する、梱包ラインに供給するための搬送コンベヤ20を有している。この搬送コンベヤ20には、図1の矢印方向に移動するベルト21が張設され、同ベルト21の外面には、トレー1を受け取って保持するための、トレー載置部23が複数取り付けられている。各トレー載置部23は、一対の保持板25,25を有し、更に各保持板25の両端からは抑え爪25a,25aがそれぞれ立設していて、図1の想像線に示すようにトレー1を確実に保持可能となっている。
【0024】
また、成形供給装置10には、上記搬送コンベヤ20の搬送経路とは別に、トレー1が所定形状に成形されるまでの製造工程経路が設けられている。つまり、製造工程経路の上流側から下流側にかけて、ホッパー30と、成形装置40と、冷却装置60とが、搬送コンベヤ20とほぼ平行に配列されて設置されている。
【0025】
まず、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料S(図1参照)を貯留するホッパー30について説明する。このホッパー30は、一端が斜め下方に傾斜した形状をなすと共に、シート材料Sを移送するコンベヤを備える図示しない載置部と、該載置部の両側から立設した一対の仕切り板32,32からなり、この実施形態では、前記搬送コンベヤ20の搬送方向に沿って複数台並列して設置されている。各ホッパー30には、図1の想像線にて示すように、複数の紙製のシート材料Sが、縦長となるように積み重ねられた状態で貯留されている。また、各シート材料Sは、樹脂コーティング面4を製造工程経路の上流側(図1中、右側)に向け、その反対側の紙の地肌面を製造工程経路の下流側(図1中、左側)に向けて収容されており、後述する第1受け渡し手段80のエア吸盤87が、シート材料Sの紙地肌面(樹脂コーティング面4とは反対側の面)に吸着するようになっている。
【0026】
次に、上記ホッパー30の下方側であって、かつ、トレー1の製造工程経路の下流側に配設されて、ホッパー30から取出されたシート材料Sを加熱加圧してトレー形状に成形する成形装置40について、図1及び図4〜6を併せて参照して説明する。図1に示すように、この成形装置40は前記ホッパー30と同様に、前記搬送コンベヤ20の搬送方向に沿って複数台並列して設置されている。具体的には、各成形装置40は、縦長の枠状をなす回動体41をそれぞれ有しており、それらの回動体41の中心には回転軸43が挿通されていて、該回転軸43に各回動体41がそれぞれ連結した構造をなしている。
【0027】
また、縦長の回動体41の長さ方向両端には、シート材料S及び所定形状に成形されたトレー1を保持するための、略長方形状の保持部45,45がそれぞれ取り付けられている。図1,及び、図4〜6を併せて参照すると、各保持部45は、長方形状の基盤45aと、該基盤45aの周縁から所定高さで立設した枠状壁45bとからなり、前記基盤45a及び枠状壁45bの外周面は、先端部に向って次第に縮径するテーパ面45cをなしている。また、図6に示すように、前記基盤45aの長さ方向中央には、所定幅の切欠き45dが形成され、この切欠き45dから複数(この実施形態では2つ)のエア吸盤46が突設されている。各エア吸盤46の基端には、枠状の回動体41内に収容保持されたエア流通管47がそれぞれ接続され、これらのエア流通管47には、回動体41の外側に配設されたエア配管48に接続され、このエア配管48による空気の吸引動作により、エア吸盤46がシート材料S又はトレー1を吸着及び脱着できるようになっている。
【0028】
上記回動体41の回転軸43の一端部(図1においては、紙面奥側)には、図2,3に示すように、従動プーリ44が固着されている。これに関連して回動体41の動作機構について説明すると、図2に示すように、前記成形装置40及び後述する冷却装置60の間の下方側であって、成形装置40及び冷却装置60の各従動プーリ44,64(後述する)が配置された側には、駆動モータMが配設されている。同図に示すように、この駆動モータMの回動軸には、駆動プーリPが固着されており、この駆動プーリPと、前記従動プーリ44,64にベルトVが張設されている。また、前記駆動プーリPは、図2の矢印に示すように、回転軸を中心に往復回動するように制御されている。したがって、駆動プーリPが往復回動すると、図2の矢印や図9の想像線に示すように、成形装置40の回動体41及び冷却装置60の回動体61の両者が連動して、各回転軸43,63を中心にして往復回動するようになっている。
【0029】
この実施形態における回動体41は、その初期状態においては、長さ方向両端に設けた両保持部45,45が上下に配置されている。その結果、駆動モータMが動作すると、回動体41が所定の回転方向に180度回動して、保持部45,45の上下が入れ替わり、その後、上記とは逆の回転方向で回動体41が180度回動して、保持部45,45が初期位置に戻るように往復回動する(図10〜15参照)。
【0030】
上記の回動体41の往復回動動作に関連して、上述したエア配管48の空気の吸引動作は次のように制御されている。すなわち、図10に示すように、後述する第1受け渡し手段80により、シート材料Sが成形装置40の保持部45に受け渡されるときに吸引動作がなされて、エア吸盤46にシート材料Sが吸着する。このエア配管48の吸引動作は、図11に示すように回動体41が回動し、保持部45に保持されたシート材料Sがプレス装置50(後述する)によって所定のトレー形状に成形される際にも継続してなされる。そして、図12に示すように、回動体41が上記とは反対方向に回動して、成形されたトレー1が上方に位置したときに、エア配管48の吸引動作が停止し、エア吸盤46からトレー1が離れるようになっている。
【0031】
上記成形装置40には、更に保持部45により保持されたシート材料Sを、所定のトレー形状に成形するためのプレス装置50を備えている。図1,4に示すように、このプレス装置50は、複数台並列して設置された回動体41の下方にそれぞれ配設されたもので、成形型51と、該成形型51を昇降動作させる昇降装置55とを有している。前記成形型51の上面には、前記保持部45に適合した形状をなすと共に、それが入り込む大きさとされた、略長方形状の押付け凹部52が所定深さで形成され、更に同成形型51には図示しない加熱ヒータが設けられ、押付け凹部52の表面を例えば130〜160℃に加熱可能となっている。また、昇降装置55は、ガイドロッド56aによって昇降可能に支持された成形型51と、上下に伸縮動作する作動ロッド56bを有するエアシリンダ56とを有し、作動ロッド56bの上端に前記成形型51が連結されていて、成形型51はエアシリンダ56により上下に昇降可能となっている。
【0032】
上記成形型51がシート材料Sを保持した回動体41の保持部45に向かって移動することにより、シート材料Sが押付け凹部52に押し付けられて所定形状に変形し、その状態でシート材料Sが保持部45と成形型51との間で加熱加圧されて、所定形状のトレー1が成形されるようになっている(図4参照)。
【0033】
そして、前記成形装置40の回動体41及びプレス装置50は、図11に示すように、前記回動体41が所定位置に回動して、一方の保持部45がシート材料Sを受け渡される位置に移動したときに、他方の保持部45に向けて成形型51が押付けられて、シート材料Sが保持部45と成形型51との間で加熱加圧されるようになっている。
【0034】
次に、上記成形装置40の下流側に配設され、成形されたトレー1の樹脂コーティング面4に気体を吹付けて、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させる冷却装置60について、図7,8を併せて参照して説明する。なお、トレー1の樹脂コーティング面4に吹き付けられる気体としては、例えば、空気やその他冷却ガスが採用される。図1に示すように、この冷却装置60は、ホッパー30及び成形装置40と同様、搬送コンベヤ20の搬送方向に沿って複数台並列して設置されている。各冷却装置60は、前記成形装置40と同様に、縦長の枠状をなす回動体61をそれぞれ有し、それらの回動体61の中心には回転軸63が挿通され、該回転軸63に各回動体61がそれぞれ連結されている。
【0035】
また、縦長の回動体61の長さ方向両端には、成形されたトレー1を保持するための、略長方形状の保持部65,65がそれぞれ取り付けられている(図1参照)。図7に示すように、各保持部65には貫通孔65a,65aが設けられており、各貫通孔65aからエア吸盤66,66がそれぞれ突設されている。各エア吸盤66の基端には、枠状の回動体61内に収容保持されたエア流通管67が接続されており、これが回動体61の外側近傍に配設された第1配管68に接続されていて、この第1配管68の空気の吸引動作により、エア吸盤66がトレー1を吸着可能となっている。
【0036】
更に、保持部65の表面周縁には、トレー冷却用の気体を噴出させるための、噴出孔65bが複数個形成されている。各噴出孔65bに対しては、前記エア吸盤66とは別系統の空気供給ラインが接続されている。具体的には、保持部65の周縁を囲むように環状の流通路69が保持部65内に設けられており、これに回動体61の外側に配設された第2配管70が接続されている(図7,8参照)。それにより、保持部65の周縁に沿って広い範囲で、気体が噴出孔65bから噴出するようになっており、トレー1の樹脂コーティング面4を効率的に冷却硬化できるようになっている。
【0037】
また、図2に示すように、上記冷却装置60の回転軸63の一端には従動プーリ64が固着され、上述の成形装置40の回動体41の動作機構において説明したように、駆動プーリPが往復回動すると、成形装置40の回動体41及び冷却装置60の回動体61の両者が連動して、各回転軸43,63を中心に往復回動するようになっている。
【0038】
上記の回動体61の往復回動動作に関連して、上述した第1配管68の空気の吸引動作は、次のように制御されている。すなわち、図12に示すように、後述する第2受け渡し手段90により、トレー1が冷却装置60の保持部65に受け渡されるときに吸引動作がなされて、エア吸盤66にトレー1が吸着保持される。この第1配管68の吸引動作は、図13に示すように、回動体61が回動して、両保持部65,65が上下反転したときも継続してなされる。そして、図14に示すように、回動体61が上記とは反対方向に回動したときに、第1配管68の吸引動作が停止して、エア吸盤66からトレー1が脱着可能となる。
【0039】
一方、噴出孔65bからの気体の噴出は、図12に示すように、回動体61の一方の保持部65に第2受け渡し手段90からトレー1が受け渡された状態から、図13に示すように、回動体61が回動して一方の保持部65が反対側に位置すると共に、他方の保持部65に別のトレー1が受け渡され、更に、図14に示すように、回動体61が上記とは反対方向に回動して、一方の保持部65に保持されたトレー1が第3受け渡し手段100への受け渡し位置に移動するまでの間、連続して噴出されるように制御されている。すなわち、冷却装置60の保持部65の一方がトレー1の受け渡し位置にあってトレー1の受け渡し作業を行っている間、保持部65の他方に保持されたトレー1は噴出孔65bから噴出する気体による冷却を受け続けるように、制御されている。
【0040】
次に、シート材料Sをホッパー30から成形装置40に受け渡す第1受け渡し手段80、成形装置40で成形されたトレー1を冷却装置60に受け渡す第2受け渡し手段90、及び、冷却装置60で冷却されたトレー1を搬送コンベヤ20に載置する第3受け渡し手段100について、図1及び図9〜15を併せて参照して説明する。
【0041】
まず、第1受け渡し手段80は、図示しないフレームに支軸81を介して回動支持された一対の第1回動アーム82,82と、該第1回動アーム82に支軸83を介して回動可能に支持された一対の第2回動アーム84,84と、該第2回動アーム84,84の先端に固定された支持棒85と、該支持棒85の長さ方向に沿って配設された複数の吸着部86とから構成されている。前記吸着部86は、複数のエア吸盤87が設けられており、シート材料Sを吸着・脱着可能となっている。そして、この第1受け渡し手段80は、図示しない駆動手段により第1回動アーム82が回動すると、それに伴って図9の想像線に示すように第2回動アーム84が回動し、それにより先端の吸着部86が横方向に向くように移動して、ホッパー30に貯留されたシート材料Sの紙地肌面に吸着して同シート材料Sを保持すると共に、成形装置40の回動体41の保持部45,45が上下位置にあるときに、吸着部86が下方に向くように移動して、成形装置40の回動体41の保持部45上にシート材料Sを、樹脂コーティング面4を下向きにして受け渡すようになっている。
【0042】
一方、第2受け渡し手段90は、図示しないフレームに支軸91を介して回動可能に支持された一対の回動アーム92,92と、該回動アーム92,92の先端に回動可能に支持された支持棒93と、該支持棒93の長さ方向に沿って配設された複数の吸着部94とから構成され、前記吸着部94は、複数のエア吸盤95が設けられており、成形装置40により成形されたトレー1を吸着・脱着可能となっている。この第2受け渡し手段90は、図示しない駆動手段によって、回動アーム92先端の吸着部94が下向きに維持された状態で、回動アーム92がトレー1の製造工程経路の下流方向に沿って所定角度で回動する。すなわち、成形装置40の回動体41の保持部45,45が上下位置にあるときに、回動アーム92が回動して、成形装置40により成形され保持部45上に支持されたトレー1の紙地肌面を吸着し保持すると共に、冷却装置60の回動体61の保持部65,65が上下位置にあるときに、同回動アーム92が反対方向に回動して、トレー1の樹脂コーティング面4を下向きにして、下流側の冷却装置60の保持部65上に受け渡すようになっている。
【0043】
次に、第3受け渡し手段100について説明する。この第3受け渡し手段100は、対向配置された一対の受け渡し部110a,110bを有している。各受け渡し部110a、110bは、図示しないフレームに支軸111a、111bを介して回動可能に支持された一対の回動アーム112a,112bと、該回動アーム112a,112bの先端に回動可能に支持された支持棒113a、113bと、該支持棒113a、113bの長さ方向に沿って配設された複数の吸着部114とから構成され、前記吸着部114は、複数のエア吸盤115が設けられており、トレー1を吸着・脱着可能となっている。上記各受け渡し部110a,110bは、その支軸111a,111bが所定間隔をおいて離れた位置に支持されていて、図示しない駆動手段により、回動アーム112a,112bどうしがほぼ垂直となるように互いに近接すると共に、同回動アーム112a,112bどうしが所定角度で大きく開いて互いに離反するように、回動するようになっている(図9参照)。また、両受け渡し部110a、110bの吸着部114は、図示しないリンクによって、その向きが制御されるようになっている。すなわち、両受け渡し部110a,110bの回動アーム112a,112bどうしが互いに近接したときは、各エア吸盤115の吸着面どうしが互いに向き合うように回動し、一方、回動アーム112a,112bどうしが互いに離反したときには、各エア吸盤115が下向きとなるように回動するようになっている。
【0044】
そして、冷却装置60の回動体61の保持部65,65が上下位置にあるときに、上流側の受け渡し部110aの回動アーム112aが下方に回動して、冷却装置60により冷却され保持部65上に支持されたトレー1の紙地肌面を吸着して保持すると共に、同回動アーム112aが上方に回動してほぼ垂直となったときに、トレー1の樹脂コーティング面4が、下流側の受け渡し部110bの回動アーム112bのエア吸盤115に向けられる。この状態で製造工程経路の下流側の受け渡し部110bは、図14に示すように、エア吸盤115にてトレー1の樹脂コーティング面4を吸着して保持し、回動アーム112bが下方に回動して搬送コンベヤ20上に移動すると、搬送コンベヤ20のトレー載置部23上に、樹脂コーティング面4を上向きにしてトレー1が載置されるようになっている。
【0045】
次に、上記構成からなる成形供給装置10を用いた、本発明によるトレーの成形供給方法について、図9〜15を参照して説明する。
【0046】
まず、複数のホッパー30内に、樹脂コーティング面4を製造工程経路の上流側に向け、紙地肌面をその下流側に向けた状態で、複数のシート材料Sを収容しておく。その状態で第1受け渡し手段80が回動して、エア吸盤87がシート材料Sの紙地肌面を吸着しこれを保持し、第1受け渡し手段80が図9の想像線に示すごとく回動して、図10に示すように、成形装置40の回動体41の上方の保持部45上に、樹脂コーティング面4を下向きにして受け渡される。
【0047】
上記状態で、成形装置40の回動体41が回動して、シート材料Sを保持した一方の保持部45が下方に移動する。そして、再度第1受け渡し手段80によって、他方の保持部45に別のシート材料Sが受け渡され、それと共に、図11に示すように、プレス装置50の成形型51が昇降装置55により上昇して、一方の保持部45に向けて成形型51が押し付けられて、シート材料Sが保持部45と成形型51との間で加熱加圧されて、所定形状のトレー1が成形される(図4も併せて参照)。
【0048】
上記工程後、図12に示すように、昇降装置55により成形型51が下降した後、回動体41が上記とは反対方向に回動し、一方の保持部45に保持された上方に移動して、トレー1が受け渡し位置に配置される。それと共に、第2受け渡し手段90が成形装置40側に回動し、エア吸盤95により上記トレー1の紙地肌面を吸着して保持し、そして同第2受け渡し手段90が反対方向に回動して、冷却装置60の回動体61の保持部65上に、樹脂コーティング面4を下向きにしてトレー1を受け渡す。
【0049】
受け渡されたトレー1は、その樹脂コーティング面4に噴出孔65bからの気体が吹き付けられ、その状態で図13に示すように回動体61が回動して、一方の保持部65に保持されたトレー1が下方に移動する。それと共に、後述する第3受け渡し手段100によって、他方の保持部65から冷却されたトレー1が譲り渡されて、第2受け渡し手段90によって、他方の保持部65に別のトレー1が受け渡される。
【0050】
そして、図14に示すように、回動体61が反対方向に回動し、一方の保持部65に気体が吹き付けられ続けた状態で保持されたトレー1が上方に移動して、気体の吹き付けにより樹脂コーティング面4が冷却されたトレー1が、受け渡し位置に配置される。
【0051】
上記工程後、同図14に示すように、第3受け渡し手段100の上流側の受け渡し部110aが、冷却装置60側に回動して、そのエア吸盤115を介して冷却硬化されたトレー1の紙地肌面を吸着して保持し、樹脂コーティング面4を搬送コンベヤ20側に向けた状態にして、同受け渡し部110aが反対方向に回動する。上記動作と共に、製造工程経路の下流側の受け渡し部110bが冷却装置60側に回動して、そのエア吸盤115が樹脂コーティング面4に吸着し、それと共に上流側のエア吸盤115からトレー1が離されて、上流側の受け渡し部110aから、下流側の受け渡し部110bへとトレー1が受け渡される。その後、図15に示すように、下流側の受け渡し部110bが搬送コンベヤ20側に回動して、搬送コンベヤ20のトレー載置部23に上に、樹脂コーティング面4を上向きにしてトレー1が載置される。
【0052】
上記のようにして、成形装置40、冷却装置60、及び各受け渡し手段80,90,100の動作がそれぞれ繰り返されることにより、シート材料Sが所定形状のトレー1に成形された後、搬送コンベヤ20上に載置されて、トレー1上に製品5を載置し梱包するための梱包ラインに、連続して供給されるようになっている。
【0053】
以上説明したように、本発明のトレーの成形供給方法によれば、片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料Sを加熱加圧してトレー形状に成形した後、樹脂コーティング面4に気体を吹付けることによって、トレー1の成形形状を迅速に安定させ、搬送コンベヤ20に載置して製品梱包ラインに供給することができるので、予めトレーを成形しておいて、トレーの状態で搬送したり、保管したりする必要がなくなるので、搬送時の積載効率が良くなり、ひいては、トレー材料の取り扱いが容易となり、トレーのコストも低減することができる。更に、予めトレーを成形した場合、成形した状態が元に戻る現象が多く見られたが、気体を吹き付けてトレーの成形形状を迅速に安定させることによって、成形後の形状が元に戻りづらくすることができる。
【0054】
また、この実施形態では、成形装置40において、回動体41の保持部45の一方がトレー1及びシート材料Sの受け渡し作業を行っている間に、回動体41の保持部45の他方に保持されたシート材料Sの成形を行うことができるように構成されているので、トレー1の成形に十分時間をかけることができる。
【0055】
更に、この実施形態では、冷却装置60において、トレー1は、受け渡し位置にて保持部65の一方に保持された後、往復回動して受け渡し位置に戻ってくる間、噴出孔65bから噴出する気体による冷却を受け続けるようになっているので、トレー1が効果的に冷却され、加熱軟化した樹脂コーティング面4を急冷硬化させて、成形形状を安定させることができる。
【0056】
また、この実施形態では、ホッパー30、成形装置40及び冷却装置60をそれぞれ複数台ずつ整合した位置となるように配設して、複数のホッパー30のそれぞれからシート材料Sを同時に取出し、取出された複数のシート材料Sをそれぞれ同時に加熱加圧して成形し、冷却した後、搬送コンベヤ20上に並べて載せて供給するように構成されているので、単位時間当たりのトレーの供給量1を増大させることができ、製品梱包ラインの処理速度に追随させることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のトレーの成形供給装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同成形供給装置の成形装置及び冷却装置の側面図である。
【図3】同成形供給装置の、成形装置及び冷却装置の各回動体の平面図である。
【図4】同成形供給装置の成形装置の側面図である。
【図5】同成形供給装置の成形装置の正面図である。
【図6】同成形供給装置の成形装置の要部拡大平面図である。
【図7】同成形供給装置の冷却装置の側面図である。
【図8】同成形供給装置の冷却装置の要部拡大平面図である。
【図9】同成形供給装置の各受け渡し手段の動作を示す説明図である。
【図10】同成形供給装置の第1の作動状態を示す説明図である。
【図11】同成形供給装置の第2の作動状態を示す説明図である。
【図12】同成形供給装置の第3の作動状態を示す説明図である。
【図13】同成形供給装置の第4の作動状態を示す説明図である。
【図14】同成形供給装置の第5の作動状態を示す説明図である。
【図15】同成形供給装置の第6の作動状態を示す説明図である。
【図16】同成形供給装置により成形され供給されるトレーの斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 トレー
2 基板
3 周壁
4 樹脂コーティング面
5 製品
10 トレーの成形供給装置
20 搬送コンベヤ
21 ベルト
23 トレー載置部
25 保持板
25a 抑え爪
30 ホッパー
32 仕切り板
40 成形装置
41 回動体
43 回転軸
44 従動プーリ
45 保持部
45a 基盤
45b 枠状壁
45c テーパ面
45d 切欠き
46 エア吸盤
47 エア流通管
48 エア配管
50 プレス装置
51 成形型
52 押付け凹部
55 昇降装置
56 エアシリンダ
56a ガイドロッド
56b 作動ロッド
60 冷却装置
61 回動体
63 回転軸
64 従動プーリ
65 保持部
65a 貫通孔
65b 噴出孔
66 エア吸盤
67 エア流通管
68 第1配管
69 流通路
70 第2配管
80 第1受け渡し手段
81 支軸
82 第1回動アーム
83 支軸
84 第2回動アーム
85 支持棒
86 吸着部
87 エア吸盤
90 第2受け渡し手段
91 支軸
92 回動アーム
93 支持棒
94 吸着部
95 エア吸盤
100 第3受け渡し手段
110a,110b 受け渡し部
111a,111b 支軸
112a,112b 回動アーム
113a,113b 支持棒
114 吸着部
115 エア吸盤
M 駆動モータ
P 駆動プーリ
S シート材料
V ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料をホッパーに貯留し、このホッパーから前記シート材料を取出して加熱加圧してトレー形状に成形し、成形されたトレーの熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けて、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させ、こうして成形されたトレーを搬送コンベヤに載せて、該トレーに製品を載せて梱包するラインに供給することを特徴とするトレーの成形供給方法。
【請求項2】
前記シート材料の加熱加圧の際、回転軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記シート材料又は前記トレーを保持する保持部を設けた回動体と、この回動体が所定位置に回動して、前記保持部の一方が前記シート材料を受け渡される位置に移動したときに、前記保持部の他方に向けて成形型を押付けて、前記シート材料を前記保持部と前記成形型との間で加熱加圧するプレス装置とを有する成形装置を用い、前記回動体の保持部の一方がトレー及びシート材料の受け渡し作業を行っている間に、前記回動体の保持部の他方に保持されたシート材料の成形を行う請求項1記載のトレーの成形供給方法。
【請求項3】
前記トレーの気体の吹付けの際、回動軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記トレーを保持する保持部を設けた回動体を有し、前記保持部に気体の噴出孔が設けられた冷却装置を用い、前記保持部の一方がトレーの受け渡し位置にあってトレーの受け渡し作業を行っている間、前記保持部の他方に保持されたトレーは前記噴出孔から噴出する気体による冷却を受け続けるようにする請求項1又は2記載のトレーの成形供給方法。
【請求項4】
複数のホッパーのそれぞれからシート材料を同時に取出し、取出された複数のシート材料をそれぞれ同時に加熱加圧して成形し、冷却した後、搬送コンベア上に並べて載せて供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載のトレーの成形供給方法。
【請求項5】
片面に熱可塑性樹脂がコーティングされた紙製のシート材料を貯留するホッパーと、このホッパーから取出された前記シート材料を加熱加圧してトレー形状に成形する成形装置と、成形されたトレーの熱可塑性樹脂のコーティング面に気体を吹付けて、加熱軟化した熱可塑性樹脂を急冷硬化させる冷却装置と、こうして成形されたトレーを載せて、該トレーに製品を載せて梱包するラインに供給する搬送コンベヤと、前記シート材料を前記ホッパーから前記成形装置に受け渡す第1受け渡し手段と、前記成形装置で成形されたトレーを前記冷却装置に受け渡す第2受け渡し手段と、前記冷却装置で冷却されたトレーを前記搬送コンベヤに載置する第3受け渡し手段とを備えていることを特徴とするトレーの成形供給装置。
【請求項6】
前記成形装置は、回転軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記シート材料又は前記トレーを保持する保持部を設けた回動体と、この回動体が所定位置に回動して、前記保持部の一方が前記シート材料を受け渡される位置に移動したときに、前記保持部の他方に向けて成形型を押付けて、前記シート材料を前記保持部と前記成形型との間で加熱加圧するプレス装置とを有している請求項5記載のトレーの成形供給装置。
【請求項7】
前記冷却装置は、前記トレーの気体の吹付けの際、回動軸を中心に往復回動すると共に、その両端に前記トレーを保持する保持部を設けた回動体を有し、前記保持部に気体の噴出孔が設けられている請求項5又は6記載のトレーの成形供給装置。
【請求項8】
前記ホッパーは複数台並列して設置され、前記成形装置は前記回転軸を共通にして複数台並列して設置され、前記冷却装置も前記回転軸を共通にして複数台並列して設置されており、複数のホッパーのそれぞれからシート材料を同時に取出し、この複数枚のシート材料を対応する前記成形装置及び前記冷却装置によって、それぞれ成形し冷却するように構成されている請求項5〜7のいずれか1項に記載のトレーの成形供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−142995(P2009−142995A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319397(P2007−319397)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)
【Fターム(参考)】