説明

ナイアシン受容体アゴニスト、前記化合物を含む組成物及び治療方法

本発明は、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症等を治療するために有用な式(I)


を有する化合物並びにその医薬的に許容され得る塩及び水和物を含む。医薬組成物及び使用方法も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ置換化合物、その誘導体、前記化合物を含む組成物並びに哺乳動物における脂質異常症に関する治療または予防方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂質異常症は血清脂質が異常な状態である。高コレステロール及び低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)は、アテローム性動脈硬化症及び心血管疾患のリスクが正常より高いアテローム性動脈硬化症に対する独立したリスク因子である。血清コレステロールに影響を及ぼす公知の因子には遺伝的素因、食事、体重、身体活動度、年齢及び性別が含まれる。正常量のコレステロールは細胞膜及び必須の有機分子(例えば、ステロイド及び胆汁酸)の重要な構成ブロックであるが、過剰のコレステロールは心血管疾患に寄与することが知られている。例えば、泡沫細胞との関係によりコレステロールはプラークの主要成分であり、前記プラークは冠動脈に集まり、アテローム性動脈硬化症と称される心血管疾患をもたらす。
【0003】
コレステロールを低下させるための従来の治療方法にはスタチン類(身体によるコレステロールの生成を抑える。)のような投薬が含まれる。より最近では、血中コレステロールを低下させる際の栄養及び栄養サプリメントの価値がかなり注目されている。例えば、可溶性繊維、ビタミンE、大豆、ニンニク、ω−3脂肪酸及びナイアシンのような食事性化合物がかなり注目されており、研究投資されている。
【0004】
ナイアシン、すなわちニコチン酸(ピリジン−3−カルボン酸)は治験において冠血管事象を減らす化合物である。ナイアシンが高密度リポタンパク質(HDL)の血清レベルを上昇させることは一般的に知られている。重要なことは、ナイアシンは他の脂質プロフィールにも有利な効果をも有することである。具体的には、ナイアシンは低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL)及びトリグリセリド(TG)を低下させる。しかしながら、ニコチン酸の臨床使用は時に潮紅と呼ばれる皮膚血管拡張を含めた多数の副作用により制限されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
血清コレステロール、血清トリグリセリド等を制御するための従来及び代替手段に注目が集まっているが、人口の大部分は約200mg/dL以上の全コレステロールレベルを有しており、よって脂質異常症治療の候補者である。このように、当業界では全コレステロール、血清トリグリセリド等を低下させ、HDLを上昇させる化合物、組成物及び代替方法が依然として要望されている。
【0006】
本発明は、血清脂質レベルの修飾の際に効果を有することが知見された化合物に関する。
【0007】
よって、本発明は、本明細書中に記載されている方法に従って全コレステロール及びトリグリセリド濃度を低下させ、HDLを上昇させるための組成物を提供する。
【0008】
従って、本発明の1つの目的は、ナイアシン治療に関連する副作用を最小限としながら、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、メタボリックシンドローム及び関連状態を治療するために使用され得るニコチン酸受容体アゴニストを提供することである。
【0009】
別の目的は、経口用医薬組成物を提供することである。
【0010】
これらの目的及び他の目的は本明細書中の記載から明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
式I
【化4】

[式中、
環Aは6〜10員アリール、5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基(前記したヘテロアリール、非芳香族及び部分芳香族ヘテロ環式基は最高5個のヘテロ原子が存在するとして、少なくとも1個のO、S、S(O)、S(O)及びNから選択されるヘテロ原子、場合により1個のO及びSから選択される他のヘテロ原子、場合により1〜3個の追加N原子を含有している。)を表し;
環Bはフェニル、チオフェンまたはシクロヘキセニル環(点線及びそれに隣接する線は一緒になって二重結合を表す。)を表し;
各RはHであり、または独立して
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記したC1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。)、
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’
{ここで、R’はH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し、
R”は(a)場合により1〜4個の基(前記基のうちの0〜4個はハロであり、0〜1個はOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したHetcy、Aryl及びHARは更に場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルコキシ基で置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、及び(b)それぞれが場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される基で置換されているHetcy、ArylまたはHARを表し、
R”’はHまたはR”を表す。}、
f)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)、
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記b)に規定されるように置換されている。)、及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’(ここで、R’、R”及びR”’は上記した通りである。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
x及びyの1つは0であり、他は1であり;
、R及びRの各々はH、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択され;
及びRはH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し;
3個のR基が存在し、そのうちの0〜1個はAryl、HARまたはHetcy(前記したAryl、HARまたはHetcy基は場合により最高3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される)を表し、R基の残りはH、ハロ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びCN(前記したアルキル、並びにC1−3アルコキシ、NHC1−3アルキル及びN(C1−3アルキル)のアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したAryl及びHARは更に場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択される。)からなる群から選択される。]
で表される化合物またはその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエステルを開示する。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、別段の特定がない限り以下に定義する用語を用いて本明細書中に詳細に記載されている。
【0013】
「アルキル」及び接頭語「アルカ」を有する他の基(例えば、アルコキシ、アルカノイル等)は、指定数の炭素原子を含有する直鎖状、分岐状、環状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。数が特定されていない場合、直鎖状アルキル基に関しては1〜6個の炭素原子が意図され、分岐状アルキル基に関しては3〜7個の炭素原子が意図される。アルキル基の例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。シクロアルキルはアルキルの部分集合である。原子の数が特定されていない場合、縮合される1〜3個の炭素環式環を形成する3〜7個の炭素原子が意図される。「シクロアルキル」には結合ポイントが非芳香族部分上にあるアリール基に縮合している単環式環も含まれる。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニル等が含まれる。
【0014】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状、分岐状またはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルケニルの例にはビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が含まれる。
【0015】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖状、分岐状またはその組み合わせであり得る炭素鎖を意味する。アルキニルの例にはエチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が含まれる。
【0016】
「アリール」(Ar)は、6〜10個の炭素原子を含有する単環式または二環式芳香族環である。アリールの例にはフェニル、ナフチル、インデニル等が含まれる。
【0017】
「ヘテロアリール」(HAR)は、別段の特定がない限り少なくとも1個のO、S、S(O)、SO及びNから選択されるヘテロ原子を含有し、各環が5〜6個の原子を含有している単環式、二環式及び三環式芳香族環系を意味する。HAR基が5〜14個、好ましくは5〜13個の原子を含有していてもよい。その例にはピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ジヒドロインドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル等が含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリールには、非芳香族もしくは部分芳香族であるヘテロ環に縮合しており、場合によりカルボニルを含む芳香族炭素環式またはヘテロ環式基も含まれる。追加のヘテロアリール基の例にはインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、及びシクロアルキル環に縮合している芳香族ヘテロ環式基が含まれる。例には
【0018】
【化5】

も含まれる。ヘテロアリールには、ピリジニウムのような荷電形態の基も含まれる。
【0019】
「ヘテロシクリル」(Hetcy)は、別段の特定がない限り少なくとも1個のN、S及びOから選択されるヘテロ原子を含有し、各環が結合ポイントが炭素または窒素であり得る3〜10個の原子を有する単環式または二環式飽和環及び環系を意味する。「ヘテロシクリル」の例にはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチエニル等が含まれるが、これらに限定されない。ヘテロ環は互変異性体、例えば2−及び4−ピリドンの形態でも存在し得る。更に、ヘテロ環にはピペリジニウムのような荷電形態の基も含まれる。
【0020】
「ハロゲン」(Halo)には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
【0021】
フレーズ「実質的な潮紅の非存在下」は、ニコチン酸を治療量で投与したときにしばしば見られる副作用を指す。ニコチン酸の潮紅作用は、患者は治療用量の薬物に対して耐性を発現するので通常余り頻繁でなく、重症でなくなるが、潮紅作用はなおある程度生じ、一過性であり得る。よって、「実質的な潮紅の非存在下」は、他の方法で生じる潮紅事象よりも頻度が少なく、また潮紅が生じたとしてもその重症度が低いことを指す。(ナイアシンと比較した)潮紅の頻度が少なくとも約1/3に減っていることが好ましく、潮紅の頻度が半分に減っていることがより好ましく、潮紅の頻度が約2/3以上に減っていることが最も好ましい。また、(ナイアシンと比較した)重症度が少なくとも約1/3に減っていることが好ましく、少なくとも1/2に減っていることがより好ましく、少なくとも約2/3に減っていることが最も好ましい。明らかに、潮紅の頻度及び重症度が0.01%に減っていることが最も好ましいが、必須ではない。
【0022】
興味深い本発明の1つの態様は、式I
【0023】
【化6】

[式中、
環Aは6〜10員アリール、5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基(前記したヘテロアリール、非芳香族及び部分芳香族ヘテロ環式基は最高5個のヘテロ原子が存在し、少なくとも1個のO、S、S(O)、S(O)及びNから選択されるヘテロ原子、場合により1個のO及びSから選択される他のヘテロ原子、場合により1〜3個の追加N原子を含有している。)を表し;
環Bはフェニル、チオフェンまたはシクロヘキセニル環(点線及びそれに隣接する線は一緒になって二重結合を表す。)を表し;
各RはHであり、または独立して
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記したC1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。)、
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’
{ここで、R’はH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し、
R”は(a)場合により1〜4個の基(前記基のうちの0〜4個はハロであり、0〜1個はOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したHetcy、Aryl及びHARは更に場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルコキシ基で置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、及び(b)それぞれが場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される基で置換されているHetcy、ArylまたはHARを表し、
R”’はHまたはR”を表す。}、
f)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)、
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記b)に規定されるように置換されている。)、及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’(ここで、R’、R”及びR”’は上記した通りである。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
x及びyの1つは0であり、他は1であり;
、R及びRの各々はH、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択され;
及びRはH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し;
3個のR基が存在し、そのうちの0〜1個はAryl、HARまたはHetcy(前記したAryl、HARまたはHetcy基は場合により最高3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される)を表し、R基の残りはH、ハロ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びCN(前記したアルキル、並びにC1−3アルコキシ、NHC1−3アルキル及びN(C1−3アルキル)のアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したAryl及びHARは更に場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択される。)からなる群から選択される。]
で表される化合物またはその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエステルに関する。
【0024】
本発明の別の態様は、式Ia:
【0025】
【化7】

[式中、
環Aは6〜10員アリール、5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基(前記したヘテロアリール、非芳香族及び部分芳香族ヘテロ環式基は最高5個のヘテロ原子が存在し、少なくとも1個のO、S、S(O)、S(O)及びNから選択されるヘテロ原子、場合により1個のO及びSから選択される他のヘテロ原子、場合により1〜3個の追加N原子を含有している。)を表し;
環Bはフェニル、チオフェンまたはシクロヘキセニル環(点線及びそれに隣接する線は一緒になって二重結合を表す。)を表し;
各RはHであり、または独立して
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記したC1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。)、
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’
{ここで、R’はH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し、
R”は(a)場合により1〜4個の基(前記基のうちの0〜4個はハロであり、0〜1個はOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したHetcy、Aryl及びHARは更に場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルコキシ基で置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、及び(b)それぞれが場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される基で置換されているHetcy、ArylまたはHARを表し、
R”’はHまたはR”を表す。}、
f)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)、
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記b)に規定されるように置換されている。)、及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’(ここで、R’、R”及びR”’は上記した通りである。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
x及びyの1つは0であり、他は1であり;
、R及びRはH、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択され;
及びRはH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し;
3個のR基が存在し、そのうちの0〜1個はAryl、HARまたはHetcy(前記したAryl、HARまたはHetcy基は場合により最高3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される。)を表し、R基の残りはH、ハロ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びCN(前記したアルキル、並びにC1−3アルコキシ、NHC1−3アルキル及びN(C1−3アルキル)のアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したAryl及びHARは更に場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択される。)からなる群から選択される。]
で表される化合物またはその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエステルに関する。
【0026】
興味深い化合物の1つの部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは6〜10員アリール基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0027】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは5〜13員ヘテロアリール(HAR)またはヘテロシクリル(Hetcy)基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0028】
より特定的には、興味深い化合物の部分集合は、式I(式中、環Aは1個の酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子及び0〜2個の追加窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0029】
更により特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは1個の酸素原子及び0〜2個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0030】
更により特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは1個の硫黄原子及び0〜2個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0031】
更により特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは2〜3個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0032】
更により特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aはピラゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール及びチアゾールからなる群から選択される。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0033】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aはオキサゾール、オキサジアゾール及びピラゾールからなる群から選択される。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0034】
更に、興味深い化合物の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは1〜2個の酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子及び0〜3個の追加窒素原子を有する三環式ヘテロアリール(HAR)基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0035】
更により特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Aは以下の群:
【0036】
【化8】

から選択される三環式ヘテロアリール(HAR)部分を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0037】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはシクロヘキセニルまたはフェニルを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0038】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはフェニル環を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0039】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはチオフェン環を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0040】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはシクロヘキセニル環を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0041】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、x及びyは0を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0042】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、部分(C(Rは−CH−または−CH(CH)−基を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0043】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、RはHまたはCHを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0044】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、xは0を表し、yは1を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0045】
より特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、xは1を表し、yは0を表し、R及びRはそれぞれHまたはメチルを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0046】
更には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、xは0を表し、yは1を表し、R及びRはそれぞれHまたはメチルを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0047】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、R及びRはHまたはCHを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0048】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、R及びRは水素を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0049】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、Rはすべて水素を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0050】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、各RはHであり、またはCH、未置換であるかまたは1〜3個のハロ基で置換されているフェニル、及び未置換であるまたは1〜3個のハロ基で置換されているピリジルからなる群から選択される。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0051】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはフェニルまたはチオフェン環を表し、各Rは水素及びハロ(特に、フルオロ)から選択される。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0052】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bは1〜3個の水素、ハロ、C1−3アルキルから選択されるR基及び0〜1個のヘテロアリール及びアリールから選択されるR基を有するシクロヘキセン環を表し、前記したC1−3アルキル、ヘテロアリール及びアリール基は場合により1〜3個のハロ基及び1個のOC1−3アルキル、OHまたはNH基で置換されている。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0053】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはシクロヘキセン環を表し、3個のR基が存在し、Hまたはメチルを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0054】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、環Bはシクロヘキセン環を表し、3個のR基が存在し、そのうちの1個は1〜3個のハロ原子で置換されているフェニルを表し、R基の残りはHを表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0055】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、各RはHであり、または独立して
(a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルであり、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
(b)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、及び
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択される。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0056】
より特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、各RはH、ハロ、NH及びOHからなる群から選択される。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0057】
更により特定的には、興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa[式中、2個のR部分はHであり、1個のR部分は利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基(前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキルから選択され、1個はOH、CN及びNHからなる群から選択される。)で置換されているフェニルまたは5〜6員ヘテロアリール基からなる群から選択される。]を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0058】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、1個のR基は1〜3個のF、Cl、OH、CH及びOCHで置換されているフェニル及びピリジルからなる群から選択されるメンバーであり、残りのR基は水素を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0059】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、3個のR基が存在し、そのうちの1個はフッ素原子で置換されているピリジル環を表し、R基の残りは水素を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0060】
興味深い化合物の別の部分集合は、式IまたはIa(式中、3個のR基が存在し、そのうちの1個はヒドロキシ基で置換されているピリジル環を表し、R基の残りは水素を表す。)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0061】
特に興味深い化合物の部分集合は、式IまたはIa
[式中、
環Aは6〜10員アリール、或いは少なくとも1個のO、S及びNから選択されるヘテロ原子及び0〜2個の追加N原子を含有する5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基を表し;
環Bはフェニル、チオフェン及びシクロヘキセニルから選択され;
x及びyの1つは0であり、他は1であり;
、R及びRはH及びCHから選択され;
及びRはHを表し;
各RはHであり、または独立して
(a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、及び
(b)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、及び
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
環Bがフェニルまたはチオフェンを表すときには各R基は水素及びハロ(特に、フルオロ)から選択され、環Bがシクロヘキセン環を表すときには1〜3個のR基は水素、ハロ及びC1−3アルキルから選択され、0〜1個のR基はヘテロアリール及びアリールから選択され、前記したC1−3アルキル、ヘテロアリール及びアリール基は場合により1〜3個のハロ基及び1個のOC1−3アルキル、OHまたはNH基で置換されている。]
を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0062】
興味深い化合物の代表例を下表1に示す。本発明のこの部分集合の範囲内で、他の可変項目はすべて式Iに関して定義されている通りである。
【0063】
【表3】


【0064】
これらの医薬的に許容され得る塩及び溶媒和物も含まれる。
【0065】
式Iを有する化合物はすべて不斉中心を含み、よってラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。これらのすべての異性体が包含される。
【0066】
更に、一般式IまたはIaの1つの立体中心を有するキラル化合物は、当業者に公知の方法を用いてキラル環境の存在下でそのエナンチオマーに分割され得る。2個以上の立体中心を有するキラル化合物は、当業者に公知の方法を用いてその物理的特性に基づいて非キラル環境でそのジアステレオマーに分割され得る。ラセミ形態で得られる単一ジアステレオマーは上記したようにエナンチオマーに分割され得る。
【0067】
所望により、化合物のラセミ混合物は個々のエナンチオマーが単離されるように分離され得る。分離は当業者に公知の方法により、例えば式IまたはIaを有する化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後、標準の方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーに分離することにより実施され得る。カップリング反応はしばしばエナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。その後、ジアステレオマー誘導体は、ジアステレオマー化合物から付加されたキラル残基を切断することにより実質的に純粋なエナンチオマーに変換され得る。
【0068】
式IまたはIaを有する化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法により直接分離され得るが、この方法は当業界で公知である。
【0069】
或いは、一般式Iを有する化合物のエナンチオマーは、光学的に純粋な出発物質または試薬を用いて立体選択的合成により得られ得る。これらの光学的に純粋な出発物質の幾つかはキラルプール(例えば、天然アミノ酸)から商業的に入手され得る。
【0070】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかは、1つ以上の二重結合シフトを伴う水素に対する異なる結合ポイントを有する互変異性体として存在する。例えば、ケトン及びそのエノール形態はケト−エノール互変異性体である。或いは、例えば2−ヒドロキシキノリンは互変異性体の2−キノリン形態中に残存し得る。個々の互変異性体及びその混合物が包含される。
【0071】
投与情報
式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の用量は広範囲で変更される。特定患者に対する具体的投与レジメン及びレベルは年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与時期、投与ルート、排泄率、薬物の組合せ及び患者の状態の重症度を含めた各種因子に依存する。これらの因子は、状態の進行を防止、逆行または阻止させるのに必要な治療有効量または予防有効量を決定する目的で担当医の権限内で十分に考慮される。通常、化合物は約0.01mg/日〜約2000mg/日の範囲の量で投与され、これを1回でまたは分割して投与される。代表的な用量は約0.1mg/日〜約1g/日である。最初低用量を使用し、望ましくない副作用を更に最小限とするために用量を増加させてもよい。本明細書中に記載されている化合物は患者に関連する医学的状態を治療または予防するために適切な期間毎日ベースで投与されると期待され、治療期間は数ヶ月、数年または患者の一生続く。
【0072】
併用治療
1つ以上の追加活性物質を本明細書中に記載されている化合物と一緒に投与され得る。追加活性物質は脂質修飾化合物、他の医薬活性を有する物質、または脂質修飾効果及び他の医薬活性の両方を有する物質であり得る。使用され得る追加活性物質の例には、そのラクトン化またはジヒドロキシ開酸形態のスタチン、並びにその医薬的に許容され得る塩及びエステルを含めたHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(その例にはロバスタチン(米国特許4,342,767参照)、シンバスタチン(米国特許4,444,784参照)、ジヒドロキシ開酸シンバスタチン、特にそのアンモニウムまたはカルシウム塩、プラバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許4,346,227参照)、フルバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許5,354,772参照)、アトルバスタチン、特にそのカルシウム塩(米国特許5,273,995参照)、NK−104としても公知のピタバスタチン(PCT国際特許WO 97/23200参照)、及びCRESTOR(登録商標)としても公知のロスバスタチン(米国特許5,264,440参照)が含まれるが、これらに限定されない。);HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレンシンターゼ阻害剤(スクアレン合成阻害剤としても公知)、アシル−コエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、例えばACAT−1またはACAT−2の選択的阻害剤、並びにACAT−1及び−2の二重阻害剤;ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTP)阻害剤;内皮リパーゼ阻害剤;胆汁酸セクエストラント;LDL受容体インデューサー;血小板凝集阻害剤、例えば糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン;ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPAR−γ)アゴニスト、例えば通常グリタゾン(例えば、ピオグリタゾン及びロシグリタゾン)と称されている化合物及びチアゾリジンジオンとして公知の構造クラスの範囲に含まれる化合物、並びにチアゾリジンジオン構造クラスの範囲外のPPAR−γアゴニスト;PPAR−αアゴニスト、例えばクロフィブレート、微粉状フェノフィブレートを含めたフェノフィブレート及びゲムフィブロジル;PPAR二重α/γアゴニスト;ビタミンB(ピリドキシンとしても公知)及びその医薬的に許容され得る塩(例えば、HCl塩);ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知);葉酸、或いはその医薬的に許容され得る塩またはエステル、例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩;抗酸化性ビタミン、例えばビタミンC及びE、及びβ−カロテン;β−ブロッカー;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばロサルタン;アンギオテンシン変換酵素阻害剤、例えばエナラプリル及びカプトプリル;レニン阻害剤、カルシウムチャネルブロッカー、例えばニフェジピン及びジルチアゼム;内皮アンタゴニスト;ABCA1遺伝子発現を増強する物質;コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害化合物、アンタゴニスト及びアゴニストを含めたファルネソイドX受容体(FXR)リガンド;肝臓X受容体(LXR)−αリガンド、LXR−βリガンド、ビスホスホネート化合物、例えばアレンドロネートナトリウム;シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えばロフェコキシブ及びセレコキシブ;並びに血管炎症を減衰させる化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
コレステロール吸収阻害剤も本発明において使用され得る。前記化合物はコレステロールが腸内腔から小腸壁の腸上皮細胞に移動するのを阻止し、よって血清コレステロールレベルを低下させる。コレステロール吸収阻害剤の例は米国特許5,846,966、5,631,365、5,767,115、6,133,001、5,886,171、5,856,473、5,756,470、5,739,321、5,919,672、並びにPCT出願WO 00/63703、WO 00/60107、WO 00/38725、WO 00/34240、WO 00/20623、WO 97/45406、WO 97/16424、WO 97/16455及びWO 95/08532に記載されている。最も有用なコレステロール吸収阻害剤は、米国特許5,767,115及び5,846,966に記載されている1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノンとしても公知のエゼチミベである。
【0074】
コレステロール吸収阻害剤の治療有効量は約0.01〜約30mg/kg体重/日、好ましくは約0.1〜約15mg/kgの用量を含む。
【0075】
糖尿病患者に対して、本発明で使用される化合物は慣用の糖尿病薬と一緒に投与される。例えば、本明細書中に記載されている治療を受けている糖尿病患者はインスリンまたは経口抗糖尿病薬も服用し得る。本発明において有用な経口抗糖尿病薬の1例はメトホルミンである。
【0076】
ナイアシン受容体アゴニストが若干の血管拡張を誘発させる場合には、式Iを有する化合物を血管拡張抑制剤と一緒に投与してもよいと理解される。従って、本明細書中に記載されている方法の1つの態様は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と潮紅を抑える化合物の併用に関する。この点でアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、他のNSAID、COX−2選択的阻害剤等の慣用化合物が慣用用量で有用である。或いは、DPアンタゴニストも有用である。DP受容体アンタゴニストの用量及び選択性は、DPアンタゴニストがCRTH2受容体を実質的にモジュレートすることなくDP受容体を選択的にモジュレートするものである。特に、DP受容体アンタゴニストは理想的にはDP受容体での親和性(すなわち、K)がCRTH2受容体での親和性よりも少なくとも約10倍高い(数値的にはより低いK値)ものである。これらのガイドラインに従ってDPと選択的に相互作用する化合物は“DP選択的”と見なされる。これは2004年11月18日に公開された米国特許出願2004/0229844A1に従う。
【0077】
哺乳動物患者、特にヒトにおいて潮紅作用を抑えるかまたは防止するために有用である本明細書中に記載されているDPアンタゴニストの用量は約0.01〜約100mg/日の範囲の用量を含み、これを1日1回または分割して投与される。好ましくは、用量は約0.1mg/日〜約1.0g/日であり、これを1日1回または分割して投与される。
【0078】
DP受容体を選択的に拮抗させ、潮紅作用を抑えるのに特に有用な化合物の例には2004年12月2日に公開されたWO 2004/103370A1に記載されている化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及び溶媒和物が含まれる。
【0079】
本発明を逸脱することなく、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物及びDPアンタゴニストを一緒にまたは順次1日1回または複数回(例えば、bid、tidまたはqid)投与してもよい。徐放、例えば24時間を超える放出プロフィールを示す徐放剤を所望する場合には、隔日に投与し得る。しかしながら、1日1回投与することが好ましい。また、朝または晩に投与し得る。
【0080】
塩及び溶媒和物
式Iを有する化合物の塩及び溶媒和物も本発明に含まれ、この点でニコチン酸の多数の医薬的に許容され得る塩及び溶媒和物が有用である。アルカリ金属塩、特にナトリウム及びカリウムが本明細書中に記載されているように有用である塩を構成する。また、アルカリ土類金属、特にカルシウム及びマグネシウムが本明細書中に記載されているように有用である塩を構成する。アミンの各種塩、例えばアンモニウム及び置換アンモニウム化合物も本明細書中に記載されているように有用である塩を構成する。同様に、式Iを有する化合物の溶媒和物が本発明の範囲内で有用である。その例には半水和物、一水和物、二水和物、三水和物及びセスキ水和物が含まれる。
【0081】
本発明化合物には、医薬的に許容され得るエステル及び代謝的に不安定なエステルが含まれる。代謝的に不安定なエステルにはC1−4アルキルエステル、好ましくはエチルエステルが含まれる。多くのプロドラッグ戦略が当業者に公知である。前記戦略の1つにはそれ自身に環化して遊離酸を遊離し得るペンダント求核試薬(例えば、リシン)を有する工学操作した無水アミノ酸が含まれる。また、アセトン、酸及び活性酸に分解し得るアセトン−ケタールジエステルも使用可能である。
【0082】
式Iを有する化合物の両性形態も含まれる。
【0083】
本発明において使用されるる化合物は慣用の投与ルートを用いて投与され得る。好ましい投与ルートは経口である。
【0084】
医薬組成物
本明細書中に記載されている医薬組成物は通常、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を医薬的に許容され得る担体と一緒に含む。
【0085】
適当な経口組成物の例には錠剤、カプセル剤、トローチ剤、口内錠剤、懸濁液剤、分散性散剤または顆粒剤、エマルション剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。担体成分の例には希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、着香料、着色料、保存剤等が含まれる。希釈剤の例には、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム及びリン酸ナトリウムが含まれる。顆粒化及び崩壊剤の例にはコーンスターチ及びアルギン酸が含まれる。結合剤の例にはデンプン、ゼラチン及びアカシアが含まれる。滑沢剤の例にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及びタルクが含まれる。錠剤にコーティングが被されていなくても、公知技術によりコーティングが被されていてもよい。前記コーティングは胃腸管での崩壊、よって吸収を遅らせて長期間にわたり持続作用を与え得る。
【0086】
本発明の1つの実施態様では、約1〜約1000mgの式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る溶媒和物もしくは溶媒和物を医薬的に許容され得る担体と組み合わせて、医薬組成物を形成する。好ましくは、これは錠剤またはカプセル剤である。
【0087】
本発明の別の実施態様では、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を別の治療薬及び担体と組み合わせて一定配合剤を形成する。この一定配合剤は、好ましくは経口用錠剤またはカプセル剤である。
【0088】
より特定的には、本発明の別の実施態様では、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(約1〜約1000mg)及び第2治療薬(約1〜約500mg)が医薬的に許容され得る担体と組み合わされ、経口用錠剤またはカプセル剤が提供される。
【0089】
長期間にわたる徐放性は製剤において特に重要であり得る。タイムディレイ材料、例えばグリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートを使用し得る。徐放用浸透性治療用錠剤を形成するために剤形に米国特許4,256,108、4,166,452及び4,265,874に記載されている技術によりコーティングを被せてもよい。
【0090】
他の徐放技術も利用可能であり、本発明に含まれる。徐放性錠剤中のニコチン酸の放出を遅らすために有用である典型的な成分には各種セルロース化合物、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、デンプン等が含まれる。各種の天然及び合成材料も徐放性製剤中に使用されている。その例にはアルギン酸、各種アルギネート、ポリビニルピロリドン、トラガカント、ローカストビーンガム、グアーガム、ゼラチン、各種長鎖アルコール(例えば、セチルアルコール)及び蜜ろうが含まれる。
【0091】
任意ではあるが、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含み、更にHMG Co−Aレダクターゼ阻害剤(例えば、シンバスタチンまたはアトルバスチタン)を含有する上記錠剤がより興味深い。この特定の実施態様は場合によりDPアンタゴニストも含む。
【0092】
本発明に従う徐放性錠剤に関する典型的な放出時間フレームは約1〜約48時間、好ましくは約4〜約24時間、より好ましくは約8〜約16時間の範囲である。
【0093】
硬ゼラチンカプセル剤は経口用の別の固体剤形を構成している。前記カプセル剤も活性成分を上記した担体材料と混合して含む。軟ゼラチンカプセル剤は活性成分を水混和性溶媒(例えば、プロピレングリコール、PEG及びエタノール)または油(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合して含む。
【0094】
水性懸濁液剤も水性懸濁液を調製するのに適した賦形剤と混合して活性物質を含むものと考えられる。前記賦形剤には懸濁剤、例えば例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント及びアカシア;分散または湿潤剤、例えばレシチン;保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル;着色料、着香料、甘味料等が含まれる。
【0095】
水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は活性成分を分散または湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤と混合して含む。適当な分散または湿潤剤及び懸濁剤としては上に挙げたものが例示される。
【0096】
シロップ剤及びエリキシル剤も製剤化され得る。
【0097】
より特定的には、興味深い医薬組成物は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物及び化合物A〜AJからなる群から選択されるDP受容体アンタゴニストを医薬的に許容され得る担体と一緒に含む徐放性錠剤である。
【0098】
別のより興味深い医薬組成物は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物及び化合物A、B、D、E、X、AA、AF、AG、AH、AI及びAJからなる群から選択されるDP受容体アンタゴニスト化合物を医薬的に許容され得る担体と一緒に含む。
【0099】
別のより興味深い医薬組成物は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物、化合物A、B、D、E、X、AA、AF、AG、AH、AI及びAJからなる群から選択されるDP受容体アンタゴニスト、及びシンバスタチンまたはアトルバスタチンを医薬的に許容され得る担体と一緒に含む徐放性錠剤に関する。
【0100】
用語「組成物」は、上記した医薬組成物を包含する以外に、2つ以上の活性成分または賦形剤の組合せ、複合化または集合から、1つ以上の成分の解離から、1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品も包含する。従って、本発明の医薬組成物は、化合物、追加の活性成分及び医薬的に許容され得る賦形剤を混合するかまたは他の方法で組み合せることにより製造される組成物を包含する。
【0101】
本発明の別の態様は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物及びDPアンタゴニストの薬剤の製造における使用に関する。この薬剤は本明細書中に記載されている用途を有する。
【0102】
より特定的には、本発明の別の態様は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物、DPアンタゴニスト及びHMG Co−Aレダクターゼ阻害剤(例えば、シンバスタチン)の薬剤の製造における使用に関する。この薬剤は本明細書中に記載されている用途を有する。
【0103】
本発明化合物は抗高脂血症活性を有し、LDL−C、トリグリセリド、アポリポタンパク質a及び全コレステロールを低下させ、HDL−Cを上昇させる。従って、本発明化合物は脂質異常症の治療において有用である。よって、本発明は、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物をアテローム性動脈硬化症、並びに本明細書中に記載されている他の疾患及び状態を治療、予防または逆転させるのに有効な量で投与することによりアテローム性動脈硬化症、並びに本明細書中に記載されている他の疾患及び状態の治療、予防または逆転に関する。これは、ヒトにおいて頻度及び/または重症度の点で潮紅作用を予防、低減または最小限としながら、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を前記状態を治療または予防するのに有効な量で投与することにより達成される。
【0104】
興味深い本発明の1つの態様は、アテローム性動脈硬化症の治療を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を実質的な潮紅の非存在下でアテローム性動脈硬化症を治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法である。
【0105】
興味深い本発明の別の態様は、血清HDLレベルの上昇を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を血清HDLレベルを上昇させるのに有効な量で投与することを含む前記患者における血清HDLレベルの上昇方法である。
【0106】
興味深い本発明の別の態様は、脂質異常症の治療を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を脂質異常症を治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者における脂質異常症の治療方法である。
【0107】
興味深い本発明の別の態様は、血清VLDLまたはLDLレベルの低下を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を実質的な潮紅の非存在下で血清VLDLまたはLDLレベルを低下させるのに有効な量で投与することを含む前記患者における血清VLDLまたはLDLレベルの低下方法に関する。
【0108】
興味深い本発明の別の態様は、血清トリグリセリドレベルの低下を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を血清トリグリセリドレベルを低下させるのに有効な量で投与することを含む前記患者における血清トリグリセリドレベルの低下方法に関する。
【0109】
興味深い本発明の別の態様は、血清Lp(a)レベルの低下を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を血清Lp(a)レベルを低下させるのに有効な量で投与することを含む前記患者における血清Lp(a)レベルの低下方法に関する。本明細書中に使用されているLp(a)はリポタンパク質(a)を指す。
【0110】
興味深い本発明の別の態様は、糖尿病、特に2型糖尿病の治療を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を糖尿病の治療に有効な量で投与することを含む前記患者における糖尿病、特に2型糖尿病の治療方法に関する。
【0111】
興味深い本発明の別の態様は、メタボリックシンドロームの治療を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物をメタボリックシンドロームを治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者におけるメタボリックシンドロームの治療方法に関する。
【0112】
興味深い本発明の別の態様は、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームまたは関連状態の治療を要するヒト患者に対して式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物及びDP受容体アンタゴニストを投与することを含むアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームまたは関連状態の治療方法に関し、前記配合剤は実質的な潮紅の非存在下でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームまたは関連状態を治療するのに有効な量で投与される。
【0113】
特に興味深い本発明の別の態様は、DP受容体アンタゴニストが化合物A〜AJ、並びにその医薬的に許容され得る塩及び溶媒和物からなる群から選択される上記した方法に関する。
【0114】
式Iを有する化合物の合成方法
式Iを有する代表的化合物を以下の反応スキームにより製造した。これらの構造クラスに対する他の合成アプローチを当業者は思いつくと理解される。従って、これらの反応スキームは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。すべての置換基は別段の指定がない限り上に定義した通りである。
【0115】
【化9】

【0116】
【化10】

【0117】
【化11】

【0118】
【化12】

【0119】
【化13】

【0120】
【化14】

【0121】
【化15】

【0122】
【化16】

【0123】
【化17】

【0124】
【化18】

【0125】
【化19】

【0126】
【化20】

【0127】
【化21】

【0128】
【化22】

【0129】
【化23】

【0130】
【化24】

【0131】
【化25】

【0132】
【化26】

【0133】
【化27】

【0134】
【化28】

【0135】
本明細書中で使用されている各種の有機基変換及び保護基は上のスキーム中に示されている手順以外の多数の手順により実施され得る。本明細書中に開示されている中間体または化合物を製造するために利用され得る他の合成手順に関する参考文献は、例えばM.B.Smith,J.March,Advanced Organic Chemistry,第5版,Wiley−Interscience(2001);R.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,A Guide to Functional Group Preparations,第2版,VCH Publishers,Inc.(1999);T.L.Gilchrist,Heterocyclic Chemistry,第3版,Addison Wesley Longman Ltd.(1997);J.A.Joule,K.Mills,G.F.Smith,Heterocyclic Chemistry,第3版,Stanley Thornes Ltd.(1998);G.R.Newkome,W.W.Paudler,Contempory Heterocyclic Chemistry,John Wiley and Sons(1982);またはWuts,P.G.M.,Greene,T.W.,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley and Sons(1999)中に見つけられ得る。
【0136】
代表的実施例
以下の実施例は本発明をより十分に説明するために提示されており、範囲を限定するものと決して解釈されない。別段の記載がない限り、
(i)操作はすべて、室温または周囲温度(RTまたはrt)、すなわち18〜25℃の範囲の温度で実施した。
(ii)溶媒の蒸発は、回転蒸発器を用いて減圧(4.5〜30mmHg)下最高50℃の浴温で実施した。
(iii)反応の経過は、薄層クロマトグラフィー(TLC)及び/またはタンデム高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の後質量分光法(MS)(本明細書中でLCMSと称されている)により追跡した。反応時間は例示の目的のみで示されている。
(iv)記載されている場合、収率は例示の目的のみで示されている。
(v)すべての最終化合物の構造はMSまたはプロトン核磁気共鳴(H MMR)分光法の少なくとも1つを用いて確認し、純度はTLCまたはHPLCの少なくとも1つにより確認した。
(vi)H NMRスペクトルは500または600MHzで指定した溶媒を用いてVarian UnityまたはVarian Inova計器で記録した。ラインリストされている場合、NMRデータは主要診断プロトンについて残留溶媒ピークに対する100万部あたりの部(ppm)で示すδ値である(多重度及び水素の数)。シグナルの形について使用した慣用の略号はs 一重項;d 二重項(見かけ);t 三重項(見かけ);m 多重項;br 幅広;等である。
(vii)MSデータはHewlett−Packard(Agilent 1100)HPLC計器とインターフェースで接続し、MassLynx/OpenLynxソフトウェアで操作するWaters Micromassユニットで記録した。エレクトロスプレーイオン化はポジティブ(ES)またはネガティブイオン(ES)検出で使用した。LCMS ESに対する方法は1〜2mL/分で、5.5分間にわたる10→95% B直線勾配(B=0.05% TFA−アセトニトリル、A=0.05% TFA−水)であり、LCMS ESに対する方法は1〜2mL/分、5.5分間にわたる10→95% B直線勾配(B=0.1% ギ酸−アセトニトリル、A=0.1% ギ酸−水)であった。Waters XTerra C18−3.5um−50×3.0mm内径、及びダイオードアレイ検出。
(viii)化合物の分取逆相HPLCによる自動精製は、GilsonシステムでYMC−Pack Pro C18カラム(150×20mm内径)を用い、0〜50% アセトニトリル/水(0.1% TFA)を20mL/分で溶離させて実施した。
(ix)カラムクロマトグラフィーは、ガラスシリカゲルカラムでKieselgel 60,0.463〜0.200mm(Merck)またはBiotageカートリッジシステムを用いて実施した。
(x)化学記号は通常の意味を有している。以下の略号も使用されている:
v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リッター)、mL(ミリリッター)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eqまたはequiv(当量)、IC50(最大に可能な抑制の50%を生ずるモル濃度)、EC50(最大に可能な有効性の50%を生ずるモル濃度)、uM(ミイクロモル)、nM(ナノモル)。
(xi)定義及び頭文字は以下の通りである:
DIBALHは水素化ジイソブチルアルミニウムである;
HOBtはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールである;
DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドである;
THFはテトラヒドロフランである;
DMFはジメチルホルムアミドである;
DCMはジクロロメタン(メチレンクロリド)である;
OTfはトリフレートである;
TFAはトリフルオロ酢酸である;
EDCは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である;
LDAはリチウムジイソプロピルアミドである;
TEMPOは2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(フリーラジカル)である;
DMSOはジメチルスルホキシドである;
コミンズ試薬は2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジンである;
バージェス試薬は水酸化(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウム−内部塩である;
KHMDSはカリウムヘキサメチルジシラザンである;
DMAPはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンである;
NMMはN−メチルモルホリンである;
トリシルN3はトリイソプロピルフェニルアジドである;
IPAはイソプロピルアルコールである;
PMBOHはパラメトキシベンジルアルコールである;
CDIはカルボニルジイミダゾールである。
【実施例】
【0137】
実施例1
【0138】
【化29】

【0139】
CHC1(10mL)中の市販されているN−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−ナフチル)−L−アラニン(500mg,1.58ミリモル)を−10℃に冷却し、DCC(394mg,1.9ミリモル)及びHOBT(215mg,1.59ミリモル)を順次添加した。反応混合物を1時間撹拌し、2−アミノ安息香酸エチル(263mg,1.59ミリモル)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、12〜24時間撹拌した。完了したら、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)を添加し、二相混合物を10分間撹拌した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製して、所望の生成物を得た。アミド(420mg,0.90ミリモル)をTHF/MeOH/HO(2:5:1)(5mL)中に含む溶液に水酸化カリウム(153mg,2.72ミリモル)を添加した。二相溶液を12時間撹拌した。完了したら、反応物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、濃HClでpH=3に酸性化した。酸性溶液を酢酸エチル(10mL)で3回抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、アントラニル酸(391mg,0.9ミリモル)をCHCl/トリフルオロ酢酸(1:1)(4mL)で希釈し、室温で4時間撹拌した。完了したら、反応混合物を濃縮し、Gilsonシステムで分取逆相HPLCにより精製して、所望の生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.51(d,1H),7.99(d,1H),7.81(m,2H),7.74(m,2H),7.57(t,1H),7.45(m,2H),7.39(d,1H),7.17(t,1H),4.41(m,1H),3.43(m,2H);LCMS m/z 335(M+H)。
【0140】
実施例2
【0141】
【化30】

【0142】
CHCl(50mL)中の市販されているN−(tert−ブトキシカルボニル)−p−ヨード−L−フェニルアラニン(2g,5.11ミリモル)を−10℃に冷却し、DCC(1.26g,6.1ミリモル)及びHOBT(828mg,6.13ミリモル)を順次添加した。反応混合物を1時間撹拌し、2−アミノ安息香酸エチル(1.01g,6.13ミリモル)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、12〜24時間撹拌した。完了したら、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)を添加し、二相混合物を10分間撹拌した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製して、所望の生成物を得た。ジオキサン(1mL)中にアミド(100mg,0.18ミリモル)を含む脱ガス溶液に4−ヒドロキシフェニルボロン酸(103mg,0.74ミリモル)、トリエチルアミン(74mg,0.74ミリモル)及びテトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(21.4mg,0.02ミリモル)を添加した。生じた混合物をマイクロ波を用いて100℃で10分間加熱した。反応が完了したら、混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40S)により精製して、所望の生成物を得た。アミド(94mg,0.19ミリモル)をTHF/MeOH/H0(2:5:1)(5mL)中に含む溶液に水酸化リチウム(91mg,3.8ミリモル)を添加した。二相溶液を12時間撹拌した。完了したら、反応物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、濃HClでpH=3に酸性化した。酸性溶液を酢酸エチル(10mL)で3回抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、アントラニル酸(90mg,0.19ミリモル)をCHCl/トリフルオロ酢酸(1:1)(4mL)で希釈し、室温で4時間撹拌した。完了したら、反応混合物を濃縮し、Gilsonシステムで分取逆相HPLCにより精製して、所望の生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.52(m,1H),8.05(m,1H),7.58(m,1H),7.48(d,2H),7.38(m,2H),7.29(d,2H),7.20(t,1H),6.83(m,2H),4.30(m,1H),3.28(m,2H);LCMS m/z 377(M+H)。
実施例3
【0143】
【化31】

【0144】
市販されている(R)−N−BOC−3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロパン酸(500mg,1.45ミリモル)をアルゴン雰囲気下0℃で無水ジクロロメタン中に溶解した。溶液をメタンスルホニルクロリド(0.12mL,1.45ミリモル)及び4−ジメチルアミノピリジン(444mg,3.63ミリモル)で処理し、0℃で15分間維持した。アントラニル酸ベンジル(330mg,1.45ミリモル)を添加したら、溶液を45℃に15時間加熱した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗な生成物を分取RPHPLCにより精製した。この中間体(40mg,0.08ミリモル)をアルゴン雰囲気下で脱ガスした無水DMF中に溶解した。この溶液に4−メトキシフェニルボロン酸(19mg,0.12ミリモル)、脱ガスした水性2M NaCO(0.08mL,0.16ミリモル)、Pd(dba)(4mg)、P−(Tos)(2.5mg)を添加した。マイクロ波条件(250psi,150W,100℃)を使用して反応混合物を20分間加熱した。反応混合物を冷却し、pH7緩衝液と酢酸エチルに分配した。次いで、有機相を分離し、乾燥し、真空中で濃縮した。分取RPHPLCにより生成物が生じた。このビフェニル中間体(20mg,0.04ミリモル)を0℃で無水ジクロロメタン及びBBr(0.4mL,0.40ミリモル)と合わせた。溶液をゆっくり室温まで加温し、LCMSによりモニターした。1時間後、反応混合物をpH7緩衝液と酢酸エチルに分配し、乾燥し、減圧下で蒸発させた。所望の生成物を分取RPHPLCにより精製した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.71(s,1H),8.81(s,1H),8.85(s,2H),7.53(d,1H),7.11(d,1H),6.57(s,4H),6.63−6.58(m,3H),6.23(t,1H),5.98(d,2H),3.92(t,1H),2.57−2.34(m,2H);LCMS m/z 377(M+H)。
【0145】
実施例4
【0146】
【化32】

【0147】
テトラヒドロフラン(50mL)中の市販されている2−ブロモ−5−ホルミルチアゾール(5g,26ミリモル)を0℃に冷却した。この溶液にホウ水素化ナトリウム(1.23g,32ミリモル)を少しずつ添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌し、室温まで加温し、更に1時間撹拌した。反応が完了したら、水(100ml)を添加し、混合物を30分間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。CHCl(100mL)中の対応チアゾール−アルコール(3.87g,20ミリモル)に0℃で四臭化炭素(13.2g,40ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(10g,40ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。市販されているN−(ジフェニルメチレン)グリシン酸エチル(2.87g,10.7ミリモル)をテトラヒドロフラン(18mL)中に含む溶液を予冷却(0℃)し、ここにテトラヒドロフラン(25mL)中のカリウムtert−ブトキシド(1.2g,14.7ミリモル)を添加した。反応混合物をこの温度で30分間撹拌し、−78℃に冷却した。この予冷却(−78℃)した溶液にテトラヒドロフラン(8mL)中の臭化チアゾリル(1.83g,7.1ミリモル)を添加した。反応混合物をこの温度で30分間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液(40mL)を添加し、有機層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。対応のシッフ塩基(3.17g,7.1ミリモル)に濃塩酸(9mL)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応が完了したら、水性層を酢酸エチル(20mL)で3回抽出し、水性層を真空中で濃縮した。更に精製することなく、CHCl(100mL)中のアミン(1.99g,7.16ミリモル)をトリエチルアミン(2.89g,29ミリモル)及びジ炭酸ジ−tert−ブチル(3.1g,14.3ミリモル)で処理した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応が完了したら、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)を添加し、混合物を30分間撹拌した。有機層を分離し、水性層をCHCl(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。トルエン(20mL)中のアミノ酸(0.82g,2.1ミリモル)に(2−クロロ−4−メトキシフェニル)ボロン酸(0.81g,4.3ミリモル)、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0.12g,0.1ミリモル)及び炭酸カリウム(0.89g,6.4ミリモル)を添加した。反応混合物を100℃に12時間加熱した。反応が完了したら、混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。テトラヒドロフラン(6mL)中の所望のアミノ酸(0.57g,1.3ミリモル)に水(6mL)、メタノール(1mL)及び水酸化リチウム(0.12g,5.2ミリモル)を添加した。二相反応混合物を室温で12時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、濃HClでpH=3に酸性化した。酸性溶液を酢酸エチル(10mL)で3回抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、テトラヒドロフラン(5mL)中のカルボン酸(0,14g,0.33ミリモル)を−20℃で4−メチルモルホリン(0.067g,0.67ミリモル)で処理し、クロロギ酸イソブチル(0.045g,0.33モル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を10分間撹拌した後、2−アミノ安息香酸エチル(0.11g,0.67ミリモル)を添加した。混合物を−20℃で2時間、次いで室温で12時間攪拌した。反応が完了したら、沈殿を濾別し、濾液を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40S)により精製した。CHCl(3mL)中の精製したアントラニル酸誘導体(18mg,33ミリモル)に0℃で三臭化ホウ素(1M,0.33ミリモル)を添加した。混合物を0℃で10分間、次いで、室温で1時間撹拌した。反応が完了したら、水(10mL)を添加し、二相混合物を10分間撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH=14の塩基性とした。塩基性反応混合物を室温で12時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮した後、水(2mL)で希釈した。水性溶液を濃塩酸で酸性化(pH=3)した後、逆相HPLC(Gilson)により精製して、所望のラセミ生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.53(d,1H),8.09(d,1H),7.84(d,1H),7.7(s,1H),7.61(m,1H),7.23(m,1H),6.91(d,1H),6.81(m,1H),4.43(m,1H),3.60(m,2H);LCMS m/z 418(M+H)。
【0148】
実施例5
【0149】
【化33】

【0150】
CHCl/DMF(15mL,9:1)中の市販されているN’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゼンカルボキシミドアミド(1.2g,7.23ミリモル)及びFmoc−tert−ブトキシアスパラギン酸(2.4g,6.0ミリモル)に−10℃でHOBT(0.98g,7.2ミリモル)及びDCC(1.49g,7.2ミリモル)を添加した。反応混合物をこの温度で20分間、次いで室温で3時間撹拌した。反応が完了したら、溶液を真空中で濃縮し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、エタノール(20mL)中のアスパラギン酸誘導体(3.37g,6.02ミリモル)を水(2mL)中で酢酸ナトリウム(0.49g,6.02ミリモル)で処理した。次いで、反応混合物を86℃で3時間加熱した。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。CHCl(5mL)中の精製したオキサジアゾール(2.39g,4.3ミリモル)にトリフルオロ酢酸(2mL)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。この後反応混合物を濃縮し、トルエン(10mL)中の粗な酸(1.0g,2.15ミリモル)を塩化チオニル(2mL)と接触させた。反応混合物を95℃に2時間加熱した。反応が完了したら、溶液を濃縮し、CHCl(10mL)で希釈し、アミノ安息香酸エチル(1.1g,6.8ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、この後混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)でクエンチし、20分間撹拌した。有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。CHCl(5mL)中の純粋なアントラニル酸誘導体(0.17g,0.27ミリモル)を0℃まで冷却し、ここに三臭化ホウ素の溶液(1M,2.68ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。この後、反応混合物を真空中で濃縮し、水(3mL)で希釈し、固体水酸化ナトリウムで塩基性(pH=13)とした。塩基性溶液を室温で12時間撹拌した。水性溶液を濃塩酸で酸性化(pH=3)し、逆相HPLC(Gilson)により精製して、所望の生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.49(d,1H),8.1(d,1H),7.86(d,2H),7.60(t,1H),7.23(t,1H),6.86(d,2H),4.73(t,2H),3.73(m,1H);LCMS m/z 369(M+H)。
【0151】
実施例6
【0152】
【化34】

【0153】
実施例6は、上記実施例に記載されており且つスキーム4に示されている類似反応条件下で製造した。実施例6は所望の生成物を得るための出発物質として市販されている3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル(Aldrich)を使用した。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.00(d,1H),7.99(d,2H),7.70(d,1H),6.88(d,2H),4.80(m,1H),3.67(m,2H);LCMS m/z 375(M+H)。
【0154】
実施例7
【0155】
【化35】

【0156】
実施例7は、上記実施例に記載されており且つスキーム4に示されている類似反応条件下で製造した。実施例7は所望の生成物を得るための出発物質として市販されている直交的に保護されているFmoc−D−Asp(OtBu)−OH(Advanced Chemtech)を使用した。H NMR((CDSO,500MHz)δ 11.26(s,1H),10.2(s,1H),8.30(m,1H),7.98(m,1H),7.85(m,2H),7.58(m,1H),7.20(m,1H),6.93(m,2H),5.21(m,1H),3.17(m,2H);LCMS m/z 369(M+H)。
【0157】
実施例8
【0158】
【化36】

【0159】
5−ブロモ−2−シアノピリジン(1g,5.5ミリモル)、炭酸セシウム(3.6g,11ミリモル)、4−メトキシベンジルアルコール(1.5g,10.9ミリモル)をトルエン(20mL)中に含む混合物に窒素下で1,10−フェナントロリン(98mg,0.55ミリモル)及びヨウ化銅(I)(52mg,0.27ミリモル)を素早く添加した。反応混合物を120℃で一晩加熱した。次いで、混合物に水(150mL)を添加し、酢酸エチル(2×100mL)で2回分配した。次いで、水性層をジクロロメタン(2×100mL)で2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をDMSO中に溶解し、RPHPLCにより精製して、5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−シアノピリジンを淡黄色固体として得た。この中間体(60mg,0.25ミリモル)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(38mg,0.55ミリモル)をエタノール(8mL)中に含むスラリーに3N 水酸化ナトリウム水溶液(0.17mL)を添加した。反応混合物を23℃で一晩撹拌した。残渣をRPHPLCにより精製して、5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアミジニルピリジンを白色固体として得た。CHCl(100mL)中の市販されているBoc−tert−ブトキシアスパラギン酸(10.0g,35ミリモル)にCDI(11g,69ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、上で製造した対応のN’−ヒドロキシピリジンルボキシミダアミド(19.0g,69ミリモル)を添加した。反応物を2時間撹拌した後、反応物を濾過し、有機層を飽和塩化アンモニウム(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、トルエン(50mL)中のアスパラギン酸誘導体(5.0g,9.1ミリモル)を130℃で16時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。オキサジアゾール(3.71mg,7.0ミリモル)をTHF/MeOH/HO(2:5:1)(50mL)中に含む溶液に水酸化ナトリウム(0.84g,21ミリモル)を添加した。二相溶液を12時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、濃HClでpH=3に酸性化した。酸性溶液を酢酸エチル(20mL)で3回抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、CHCl(50mL)中の酸(1.77g,3.76ミリモル)をN−ヒドロキシスクシンイミド(649mg,5.64ミリモル)及びEDC(1.09g,5.64ミリモル)で処理した。反応混合物を4時間撹拌した後、酢酸エチル(100mL)で希釈した。混合物を濾過し、有機層を水(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。活性化エステルをジオキサン(100mL)で希釈し、水酸化アンモニウム(10mL)を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応が完了したら、有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。ジオキサンの脱ガス溶液(7mL)中の精製アミド(0.32g,0.69ミリモル)に対応トリフレート(0.26g,0.83ミリモル)、炭酸セシウム(0.32g,0.97ミリモル)、キサントホスリガンド(0.8g,0.13ミリモル)及びPd(dba)触媒(0.6g,0.07ミリモル)を添加し、反応混合物を75℃に6時間加熱した。混合物を冷却し、濾過し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。CHCl(5mL)中の所望のシクロアルケン(0.10g,0.1ミリモル)に0℃でトリエチルシラン(0.1mL)及びトリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)で中和し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。次いで、テトラヒドロフラン(2mL)中のアミンを0℃でメタノール(1mL)及び1M 水酸化リチウム溶液(1mL)で処理した。反応混合物を6時間撹拌した。反応混合物を2M 塩酸でpH=2に酸性化し、混合物を逆相HPLC(Gilson)により精製して、所望の生成物を得た。H NMR(500MHz,(CDSO)δ 11.6(s,1H),8.54(s,1H),8.28(s,1H),7.93(d,1H),7.34(d,1H),4.55(m,1H),3.59(m,2H),2.75(m,2H),2.24(m,2H),1.56(m,4H);LCMS m/z 396(M+Na)。
【0160】
実施例9
【0161】
【化37】

【0162】
実施例9は、上記実施例に記載されており且つスキーム4に示されている類似反応条件下で製造した。実施例9は所望の生成物を得るための中間体として5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−アミジニルピリジン(スキーム5も参照)を使用した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.32(s,1H),8.62(s,1H),8.28(m,1H),8.21(d,1H),7.98(d,1H),7.90(d,1H),7.66(t,1H),7.31(m,2H),4.70(m,1H),3.65(m,2H);LCMS m/z 370(M+H)。
【0163】
実施例10
【0164】
【化38】

【0165】
実施例10では、所望の生成物を得るための中間体として5−フルオロ−2−ヒドロキシアミジニルピリジンを使用した。5−アミノ−2−シアノピリジン(100g,840ミリモル)の混合物を−10℃に冷却し、ここにHF−ピリジン(500mL,70%v/v)を添加した。亜硝酸ナトリウム(91g,1.32モル)を少しずつ添加した。次いで、反応物を−10℃で45分間、室温で30分間、80℃で90分間撹拌した。完了したら、反応物を室温まで冷却し、氷水でクエンチした。水溶液をCHClで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。フルオロピリジン(40g,328ミリモル)をメタノール(300mL)中で炭酸ナトリウム(82g,773ミリモル)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(45g,652ミリモル)で処理した。反応物を24時間撹拌し、完了したら反応物を真空中で濃縮し、水で希釈し、濾過し、真空中で濃縮した。
【0166】
【化39】

【0167】
実施例10は、上記実施例に記載されており且つスキーム4及び5に示されている類似反応条件下で製造した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 12.0(s,1H),8.79(s,1H),8.23(m,1H),8.14(m,1H),7.97(m,1H),7.64(m,1H),7.26(m,1H),4.64(m,1H),3.56(m,2H);LCMS m/z 394(M+Na)。
【0168】
実施例11
【0169】
【化40】

【0170】
THF(100ml)中の市販されているアセト酢酸エチル(10g,77ミリモル)を−78℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(2M,153.6ミリモル)を1滴ずつ添加し、反応混合物を低温で1時間撹拌した。この反応混合物に2−ブロモ−5−メトキシベンジルブロミド(24g,84ミリモル)をTHF(100ml)中に含む溶液を添加した。反応混合物を室温まで加温し、4時間撹拌した。反応が完了したら、飽和塩化アンモニウム溶液(1L)を添加し、二相混合物を30分間撹拌した。混合物をCHCl(100mL)で3回抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)を用いて精製した。精製したエステル(30g,1.7ミリモル)にオルトギ酸トリエチル(20.4g,138ミリモル)及び無水酢酸(50mL)を添加した。混合物を120℃で3時間加熱した。反応が完了したら、反応混合物を酢酸エチル(100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)に分配した。水溶液を更に酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗なエステル(35g,2ミリモル)にエタノール(100mL)を添加し、次いでヒドラジン塩酸塩(12.5g,183ミリモル)を水(10mL)中に含む溶液を添加し、反応混合物を2時間還流した。反応が完了したら、溶液を真空中で濃縮し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。脱ガスしたトルエン(20mL)中の対応ピラゾール(23g,9.2ミリモル)にヨウ化銅(0.087g,0.46ミリモル)、炭酸カリウム(3.81g,27.6ミリモル)及びジメチルエチレンジアミン(162mg,1.84ミリモル)を添加した。反応混合物を110℃で12時間加熱した。反応が完了したら、混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、1M HCl(100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。トルエン(10mL)中の精製したエステル(656mg,2.42)を−78℃に冷却し、DIBALH(1M,4.82ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。反応が完了したら、混合物を0℃で1M HCl(50mL)でクエンチした。水性層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗なアルコールをフラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。CHCl(10mL)中の純粋なアルコール(537mg,2.33ミリモル)に0℃でヨードベンゼンジアセテート(1.33g,4.15ミリモル)及びTEMPO(43mg,0.28ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了したら、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)でクエンチし、水性層をCHCl(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。水素化ナトリウム(80mg,3.34ミリモル)及びホスホノ酢酸トリメチル(608mg,3.34ミリモル)の予備混合溶液にテトラヒドロフラン(10mL)中の対応のアルデヒド(508mg,2.23ミリモル)を0℃で1滴ずつ添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。MeOH/CHCl(3:1)(4ml)中の精製したアセテート(688mg,2.41ミリモル)に10% 水酸化パラジウム(68mg)を添加した。不均一反応混合物に水素ガスバルーンを充填し、室温で5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。精製エステル(409mg,1.43ミリモル)をTHF(10ml)中に含む溶液を冷却(−78℃)し、ここにカリウムヘキサメチルジシラン(0.5M,2.86ミリモル)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、この後THF(10mL)中のトリシルアジド(885mg,2.86ミリモル)を1滴ずつ添加した。混合物を低温で10分間撹拌した後、酢酸(172mg,2.86ミリモル)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。反応が完了したら、CHCl(50mL)を添加し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、精製(Biotage 40M)した。THF/水(2:1)(5mL)中の純粋なアジド(468mg,1.43ミリモル)に室温で水酸化リチウム(137mg,5.72ミリモル)を添加した。二相混合物を室温で12時間撹拌した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、濃HClでpH=3まで酸性化した。酸性溶液を酢酸エチル(10mL)で3回抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。更に精製することなく、CHCl(20ml)中の酸(201mg,0.64ミリモル)を0℃でDCC(264mg,1.28ミリモル)及びHOBT(173mg,1.28ミリモル)で処理し、1時間撹拌した。次いで、アミノ安息香酸エチル(211mg,1.28ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応が完了したら、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、この混合物を30分間撹拌した。次いで、有機層を分離し、水性層をCHCl(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。エタノール(5mL)中の精製したアントラニル酸(147mg,0.32ミリモル)に炭素担持10% パラジウム(14.7mg)を添加した。反応混合物に水素ガス(バルーン)を充填し、室温で2時間撹拌した。反応が完了したら、混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。更に精製することなく、CHCl(4mL)中の所望のアミン(48mg,0.11ミリモル)に0℃で三臭化ホウ素の溶液(1M,1.1ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。この後、混合物を水(4mL)でクエンチし、室温で30分間撹拌した。反応が完了したら、二相混合物を濃縮し、THF/水(5mL,2:1)で希釈し、水酸化ナトリウム(100mg,2.5ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈し、0℃まで冷却し、濃HClでpH=3に酸性化した。粗な残渣を逆相HPLC(Gilson)により精製して、所望のラセミ生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.58(d,1H),8.1(d,1H),7.59(m,1H),7.52(d,1H),7.45(s,1H),7.19(t,1H),6.72(m,2H),4.23(m,1H),3.16(m,2H),2.86(m,3H),2.68(m,1H);LCMS m/z 393(M+H)。
【0171】
実施例12
【0172】
【化41】

【0173】
テトラヒドロフラン(140mL)中の酢酸(1.15g,19.2ミリモル)を−78℃に冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(1.8M,22.2mL,40ミリモル)で処理した。混合物を30分間維持した後、市販されている2−ナフトアルデヒド(2.5g,16.0ミリモル)をテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液として添加した。混合物を室温まで加温し、3時間エージングし、水とジエチルエーテルに分配し、水性相を2N HClでpH=2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機相を真空中で濃縮すると、クリーンなヒドロキシ酸が生じた。この中間体(154mg,0.694ミリモル)をTHF(5mL)中に溶解し、クロロジメトキシトリアジン(0.764ミリモル,134mg)及びN−メチルモルホリン(0.833ミリモル,85mg)を添加した。生じた反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、アントラニル酸ベンジルエステル(0.902ミリモル,208mg)を添加した。反応混合物を15時間かけて室温まで加温した後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた蒸発させた有機残渣を分取薄層クロマトグラフィー(EtOAC,ジクロロメタン)により精製した。この中間体(40mg,0.094ミリモル)をジクロロメタン(2mL)中に溶解し、密封圧力容器中に入れた。ここに二酸化マンガン(0.47ミリモル,41mg)を添加し、生じた反応混合物を38℃に4時間加熱した。セライトを介して濾過し、減圧下で濃縮した後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(アセトン,ヘキサン)により精製した。このケトン(10mg,0.024ミリモル)、アリルアミン(0.026ミリモル,0.002mL)及び酢酸(0.118ミリモル,0.007mL)をエタノール(1mL)中に溶解し、生じた反応混合物を2時間還流した後、メタノール(0.5mL)中のシアノホウ水素化ナトリウム(0.048ミリモル,3mg)を添加した。次いで、この溶液を45℃で4日間保持した後、水と酢酸エチルに分配した。有機層を蒸発させると有機残渣が生じ、これを分取HPLC(アセトニトリル−水−TFA)により精製した。このアリルアミン(10mg,0.022ミリモル)をジクロロメタンとメタノールの1:1混合物中に溶解し、触媒量の炭素担持20% 水酸化パラジウム(5mg)を添加した。反応混合物を水素雰囲気に3時間さらした後、セライトを介して濾過し、減圧下で濃縮し、分取HPLCにより精製して、ラセミ生成物を得た。H NMR(CDOD,600MHz)δ 8.44(d,1H),8.04(s,1H),8.02(dd,1H),7.99(d,1H),7.98−7.89(m,2H),7.59(dd,1H),7.56−7.54(m,2H),7.51(t,1H),7.13(t,1H),4.96(t,1H),3.42(dd,1H),3.25(dd,1H),3.00−2.96(m,1H),2.85−2.81(m,1H),1.77−1.69(m,2H),0.96(t,3H);LCMS m/z 377(M+H)。
【0174】
実施例13
【0175】
【化42】

【0176】
DMSO(3mL)中のDL−α−メチルアスパラギン酸(1g,6.8ミリモル)にヘキサフルオロアセトン(3当量)を添加し、密封したドライアイスコンデンサーを用いて室温で5時間撹拌した。混合物をDCMと氷水に分配した後、過剰のヘキサフルオロアセトンを蒸発させた。有機層をHO及びブラインで洗浄して、純粋な保護中間体の酸を得た。DCM中のこの酸(1当量,255mg,0.864ミリモル)に1時間でEDC(331mg,2.0当量,1.728ミリモル)を添加した後、フルオロピリジルヒドロキシアミジン(2.1当量,281mg,1.814ミリモル)を添加し、室温で更に2時間撹拌した。反応混合物をSiOを介して濾過し、水、NHCl、水、ブラインで洗浄し、乾燥して、アシル化中間体を粗な生成物として得た。これをTHF中でバージェス試薬(3×1当量)で処理し、マイクロ波を用いて150W、120℃で3×6分間加熱した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、オキサジアゾールを得た。次いで、ジオキサン中のこの保護中間体(50mg)にNHOH(1mL)を添加し、室温で1時間音波処理した後、溶媒を蒸発させた。このカルボキサミド中間体(40mg,1当量,0.121ミリモル)をPd(DBA)(0.1当量,11mg)、キサントホス(0.2当量,14mg)、CsCO(1.4当量,55mg)及び前記実施例に記載されている必要なトリフレート(1.2当量,42mg)を合わせ、ジオキサン(1mL)中の混合物をN下で80℃に12時間加熱した。混合物を冷却し、CHCl(2mL)で希釈し、セライトを介して濾過した。濾液を乾燥し、EtO/ヘキサンを用いて再結晶化することにより精製して、明黄色固体を得た。最後に、THF中のこのメチルエステル(1当量,48mg)に0℃でLiOH(0.5m,3当量)を添加し、室温で8時間撹拌した。混合物を0℃でAcOHでpH=7に酸性化し、有機溶媒を真空中で除去した。粗な残渣をHPLCにより精製して、生成物を白色固体として得た。H NMR(CDOD)δ 8.67(d,1H),8.25(dd,1H),7.86(t,1H),3.76(q,2H),3.31(s,3H),2.31(m,2H),1.69(m,2H),1.64(m,4H);LCMS m/z 388(M−H)。
【0177】
実施例14
【0178】
【化43】

【0179】
実施例14は、上記した類似手順に従って製造した。H NMR(CDOD)δ 8.52(d,1H),8.16(dd,1H),8.12(d,1H),8.03(m,1H),7.61(t,1H),7.41(t,1H),7.25(t,1H),4.75(t,1H),3.76(dq,2H);LCMS m/z 405(M+H)。
【0180】
実施例15
【0181】
【化44】

【0182】
実施例15は、スキーム9に示したように上記した類似手順に従って製造した。H NMR(CDOD)δ 8.53(d,1H),8.09(dd,1H),7.60(t,1H),7.42(d,2H),7.23(t,1H),7.23(s,1H),6.78(d,2H),4.65(t,1H),3.60(dq,2H);LCMS m/z 368(M+H)。
【0183】
実施例16
【0184】
【化45】

【0185】
−78℃で、THF(100mL)中のアスパラギン酸ジエステル(1当量.8.005g,23.74ミリモル)にLiHMDS(2.25当量,53.42ミリモル,1M/THF)を添加し、N下で30分間エージングした。溶液をMeI(1.2当量.4.05g,28.49ミリモル)で処理し、この溶液を−78℃で更に6時間撹拌した。溶液を低温で飽和NHCl(水性)溶液でクエンチし、AcOEt(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、モノメチル化生成物及びジメチル化生成物の両方を得た。MeOH中のモノメチル化生成物(5g)にPd/C(〜100mg)を添加した後、16時間水素化して、モノ酸生成物中間体を得た。その後、実施例16は上記実施例に記載されている類似の反応条件に従って合成した。H NMR(CDOD)δ 8.28(d,1H),8.08(d,1H),7.39(dd,1H),4.50(d,1H),3.90(m,1H),2.85(m,2H),2.34(br,2H),1.68(m,4H),1.62(d,3H);LCMS m/z 386(M−H)。
【0186】
実施例17
【0187】
【化46】

【0188】
実施例17は、ジメチル化アスパルテート中間体を用いたときには上記実施例16に記載されている方法と同様にして得た。H NMR(CDOD)δ 8.28(d,1H),8.08(d,1H),7.41(dd,1H),4.43(s,1H),2.85(m,2H),2.34(br,2H),1.69(d,6H),1.60(m,4H);LCMS m/z 424(M+Na)。
【0189】
実施例18
【0190】
【化47】

【0191】
パラフルオロフェニルピラゾール(200g)及びプロパルギレート(1g)を混合し、90℃に15時間加熱し、真空中で乾燥して、生成物の粗な混合物を得た。これをMeOH/Pd/Cを用いて室温で16時間水素化し、濾過し、溶媒を真空中で除去した後、飽和エステル中間体を得た。次いで、THF(20mL)中のこのエステル(530mg)に−78℃でKHMDS(2当量,0.5M,8.54mL)を添加し、30分間撹拌した。THF(10mL)中のトリシルアジド(2当量,1.321g)を添加した。混合物を−78℃で10分間撹拌した後、酢酸(2当量,0.244mL)を添加した。この溶液を室温まで一晩加温し、CHClを添加した後、NaHCO、次いで水で洗浄した。生成物をBiotage(25S)(ヘキサン/AcOEt 10〜20%)より精製して、アジドエステルを無色油状物として得た。この油状物をMeOH中に溶解し、Pd/CをN下で添加した後、16時間バルーン水素化して、α−アミノ−メチルエステルを得た。この中間体(260mg)を7N NH/MeOH(8mL)中に溶解し、52℃に5時間加熱し、溶媒を真空中で除去して、アミノカルボキサミドを得た。この中間体を上記した類似条件下で実施例18に加工した。H NMR(CDOD)δ 8.44(d,1H),8.07(dd,1H),7.75(dd,2H),7.66(dd,1H),7.57(t,1H),7.21(t,1H),7.07(t,2H),6.59(d,1H),4.80(m,2H),4.69(t,1H);LCMS m/z 369(M+H)。
【0192】
実施例19
【0193】
【化48】

【0194】
フルオロブロモピリジン(1当量,1g)、ピラゾール(4当量,5.023g)、リガンド(0.2当量,0.196g)、CuO(0.05当量,51mg)及びCsCO(2当量,4.65g)をCHCN(8mL)中で混合し、密封容器においてN下で82℃に16時間加熱した。溶液をDCMで希釈し、セライトを介して濾過し、水、次いでブラインで分配した。生成物を真空中で蒸発させ、10〜20% EtOAc/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製して、主要な位置異性体生成物を白色固体として得た。次いで、THF(30mL)中のこのエステル中間体(1当量,690mg)にLiBH(2当量,128mg)を添加し、15時間還流加熱した。次いで、0.1N HCl(数滴)を添加し、1時間撹拌した後、DCM/HO分配し、水性層をNaOHでpH=9に塩基性とし、DCMで抽出した。合わせた有機相を乾燥して、アルコールを白色固体として得た。このアルコール(1当量,530mg)のAcOEt(25mL)溶液にAcOEt(25ml)中のヨウ素(1.52当量,1.058g)を添加した後、室温でPhP(1.52当量,1.094g)及びイミダゾール(1.52当量,0.284g)を10分間かけて添加した。溶液を1時間撹拌し、Na及びブラインで洗浄した。生成物を真空中で乾燥し、固体残渣をヘキサン(3×70ml)で抽出し、濾過した。濾液を乾燥して、ヨウ化物生成物を白色固体として得た。次いで、THF中のN−(ジフェニルメチレン)−グリシンエチルエステル(1.5当量,595mg)に室温でKOtBu(1.5当量,250mg)を添加し、10分間撹拌した。この溶液に−78℃でTHF(5mL)中のこのヨウ化物中間体(1当量,450mg)を添加し、混合物をゆっくり2時間かけて室温まで加温した。この溶液に室温で追加1当量のKOtBuを添加し、室温で50時間撹拌した。混合物をNHClでクエンチし、DCMで抽出し、HO、次いでブラインで洗浄し、真空中で乾燥した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt−20%)により精製して、生成物を得た。この中間体(1当量,200mg)を飽和7N NH/MeOH(7mL)溶液中に溶解し、密封チューブ中で60℃に24時間加熱した。反応混合物を真空中で乾燥し、残渣を室温でTHF(5ml)及び1N HCl(2mL)中に溶解し、60℃に20分間加熱した。THFを真空中で除去した。水性層をEtOで洗浄し、真空中で乾燥して、アミノカルボキサミドを白色固体HCl塩として得た。アミド中間体(1当量,68mg)、トリフレート(1.2当量,82mg)、Pd(DBA)(0.1当量)、キサントホス(0.2当量)及びCsCO(2.4当量,186mg)をN下でジオキサン(2mL)中で合わせ、75℃に13時間加熱した。混合物を冷却し、CHCl(2mL)で希釈し、セライトを介して濾過し、CHClを真空中で除去し、濾液にEtOを添加し、3N HCl(3×10mL)で抽出した。合わせた水性層を0℃でNaCOでpH=9に塩基性とし、AcOEt(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で乾燥して、粗な生成物を明黄色油状物として得た。最後に、THF/MeOH中のこのエステルに0℃でLiOH(0.5M,3mL)を添加し、20時間撹拌した。次いで、0℃でAcOHを添加してpH=7に酸性化し、HPLC精製して、生成物を得た。H NMR(CDOD)δ 8.48(d,1H),8.30(d,1H),7.99(dd,1H),7.74(m,1H),6.43(d,1H),4.37(t,1H),3.50(d,2H),2.88(m,2H),2.29(br,2H),1.62(m,4H);LCMS m/z 374(M+H)。
【0195】
実施例20
【0196】
【化49】

【0197】
実施例20は、本明細書中に記載されている類似手順を用いて製造した。H NMR(CDOD)δ 8.48(s,1H),8.30(d,1H),7.95(dd,1H),7.77(dt,1H),7.65(s,1H),4.20(t,1H),3.20(d,2H),2.90(m,2H),2.32(m,2H),1.66(m,4H);LCMS m/z 374(M+H)。
【0198】
実施例21
【0199】
【化50】

【0200】
中間体Aは上記したように製造した。エナンチオマーはChiralPak AS−Hカラムで25% MeOH/COを用いてキラルSFC−BPLCにより分割して、エナンチオマーAを2.1分後に速く溶離する生成物として、エナンチオマーBを3.0分後にゆっくり溶離する生成物として得ることができる。水酸化物のような塩基性条件でアミノ立体中心をラセミ化し得、幾つかの場合には代替のエステル保護(例えば、メチル対PMBまたはベンジル)戦略が潜在的なエピマー化を抑えるために使用されることに注目されたい。
【0201】
分割異性体A
【0202】
【化51】

【0203】
シクロヘキサン1,3−ジオン(1.0g,8.92ミリモル)及び2,6−ルチジン(2.07mL,17.84ミリモル)をDCM中に含む溶液を0℃に冷却し、ここに無水トリフルオロメタンスルホン酸(2.25mL,13.38ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、1N HClを添加することによりクエンチした。生じた混合物をDCMで抽出した。有機層を1N HClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を20% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を明褐色油状物として得た。このトリフレート(8.71g,35.7ミリモル)をTHF(100mL)中に含む溶液に2,3,5−トリフルオロフェニルボロン酸、NaCO(50mL,2.0M溶液)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0g)を添加した。生じた混合物を窒素雰囲気下で60℃で加熱した。30分後、反応物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を10% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を明黄色固体として得た。この中間体(7.5g,33.15ミリモル)を無水THF中に溶液を窒素雰囲気下で−78℃に冷却し、ここにLHMDS(36.5mL,36.5ミリモル,THF中1.0M)を添加した。反応混合物を0℃で25分間撹拌した。次いで、−78℃に冷却し、シアノギ酸メチル(3.16mL,39.78ミリモル)を添加した。34分後、反応物を水(100mL)に注ぐことによりクエンチした。生じた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を10% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、所望の生成物を黄色固体として得た。この中間体(7.49g,26.37ミリモル)をメタノール(140mL)中に含む溶液にPd/C(100mg,10重量%)を添加した。生じた反応物をHバルーン下で18時間撹拌した。反応混合物をセライトを介して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、10% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色油状物として得た。この中間体(4.71g,16.47ミリモル)を無水THF(100mL)中に含む溶液を0℃に冷却し、ここに水素化ナトリウム(0.99g,24.7ミリモル,60%分散物)を添加した。20分後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(7.76g,19.76ミリモル)を添加した。反応物を室温で4時間撹拌した後、水でクエンチした。生じた混合物を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を5% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色油状物として得た。このトリフレート中間体(0.13g,0.31ミリモル)及び中間体A(0.090g,0.26ミリモル)を無水ジオキサン(3mL)中に含む溶液にキサントホス(30mg,0.051ミリモル)、炭酸セシウム(117mg,0.36ミリモル)、次いでPd(dba)(23mg,0.026ミリモル)を添加した。生じた混合物を70℃で4.5時間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。反応物をセライトパッドを介して濾過した。セライトを酢酸エチル及びジクロロメタンで洗浄した。濾液及び合わせた洗浄液を真空中で濃縮し、10カラム容量で0→30% 酢酸エチル−ヘキサンの勾配、6カラム容量で30% 酢酸エチル−ヘキサン、次いで7カラム容量で30→100% 酢酸エチル−ヘキサンの勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を淡黄色固体として得た。この中間でエナンチオマー的に純粋なα−アミノアミドをラセミトリフレートとカップリングした後、生じたジアステレオマーをキラルHPLC分割して個々の立体異性体を単離した。製造したジアステレオマーの2つをChiralPak IAカラムで7% EtOH−ヘプタンを用いて分割して、異性体Aを70分後に速く溶離する異性体、異性体Bを81分後にゆっくり溶離する異性体として得た。また、ジアステレオマーの2つをChiralPak OD−Hカラムで8% EtOH−ヘプタンを用いて分割して、異性体Cを48分後に速く溶離する異性体として、異性体Dを55分後にゆっくり溶離する異性体として得た。
【0204】
中間体異性体D(29mg,0.046ミリモル)をDCM(1mL)中に含む溶液に0℃でトリイソプロピルシラン(0.15mL,0.73ミリモル)及びTFA(0.5mL)を順次添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで飽和水性NaHCOを用いてpH=7に中和した。生じた混合物をDCM(3×)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。このエステル中間体(29mg)をジオキサン(1.5mL)中に含む溶液に0℃で1N LiOH(1mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を1N HCl(1mL)を添加することによりクエンチした。生じた混合物を酢酸エチル、次いでDCMで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を逆相HPLC(Gilson)により精製して、所望の生成物を白色固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO)δ 11.46(s,1H),8.77(d,1H),8.15(dd,1H),7.95(t,1H),7.41(m,1H),7.11(m,1H),4.58(t,1H),3.60(m,2H,水により部分的に妨害),3.16(m,1H),3.09(d,1H),2.77(m,1H),2.46−2.36(重複m,2H),1.86−1.75(重複m,2H);LCMS m/z 504(M H)。同様に4つの異性体すべてを製造した。
【0205】
実施例22
【0206】
【化52】

【0207】
スキーム14に示すアリール化β−ケトエステルへの標準アクセスにより、トリフレート化され得る中間体が得られる。すなわち、1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(4.0g,25.61ミリモル)を無水THF(130mL)中に含む溶液をN雰囲気下で−78℃に冷却し、ここにLiHMDS(28mL,28ミリモル,THF中1.0M)を添加した。1時間撹拌した後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(10.0g,25.46ミリモル)をTHF(100mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温まで加温した後、18時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、生じた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を(0% EtOAc/ヘキサン→20% EtOAc/ヘキサン)を用いるフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)により精製して、所望の生成物を無色油状物として得た。この中間体トリフレート(1当量)をTHF中に含む溶液に必要なボロン酸(1当量)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(触媒量5%)を添加した。水性炭酸ナトリウム溶液(1M)を添加し、反応混合物にNをフラッシュし、50℃に1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。粗な物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を得た。オレフィン性ケタールをMeOH中に含む溶液をMeOH中の炭素担持パラジウム(5%)を添加した。反応混合物を水素バルーン下で18時間撹拌した後、セライトを介して濾過し、真空中で濃縮した。粗な物質をTHF/EtOH/3N HCl(5:2:4)中に溶解した。生じた混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、1N NaOHでpH=8に調節した。生じた混合物をEtOAc(2×)で抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗な物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を得た。この中間体(1当量)を無水THF(61mL)中に含む溶液をN雰囲気下で−78℃に冷却し、ここにLiHMDS(1.5当量,THF中1.0M)を添加した。1時間後、シアノギ酸メチル(1.4当量)を添加し、反応混合物を2時間かけて−40℃まで加温した。混合物を1N HClでクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。この物質を更に精製することなく次ステップで使用した。ケトエステル(347mg,0.93ミリモル)を無水THF(10mL)中に溶解した。混合物を0℃まで冷却し、NaH(60%,44mg,1.11ミリモル)で処理した。氷浴を外し、30分間かけて室温まで加温した。この時点で、コミンズ試薬(369mg,0.927ミリモル)を添加し、一晩撹拌した。次いで、混合物を1N HCl(pH7まで)でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、褐色油状物を得た。この油状物をPTLC(10%EtOAc/ヘキサン)により精製した。このトリフレート(387mg,0.764ミリモル)を上記実施例に記載されているエナンチオマー的に純粋なカルボキサミド(22mg,0.637ミリモル)、炭酸セシウム(245mg,0.764ミリモル)、キサントホス(74mg,0.127ミリモル)及び無水ジオキサン(6mL)と合わせた。反応容器にNをフラッシュした後、Pddba(35mg,0.038ミリモル)で処理し、混合物を75℃に一晩加熱し、室温まで冷却し、次いでセライトを介して濾過し、濃縮し、粗な物質をPTLC(30% EtOAc/ヘキサン)により精製し、分離したエナンチオマー(アリールステレオ中心で)に対して順相キラルSFC(ChiralPak IA,25% IPA/CO)を実施した。この保護されている中間体(12mg,キラルSFCにより最初に溶離するジアステレオマー)を無水CHCl(1mL)中に溶解し、TFA(0.3mL)で処理し、混合物を一晩撹拌し、0℃まで冷却した後、飽和NaHCO(水性)でpH=7に中和し、CHCl(2×)で抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を逆相HPLC(10→100% MeCN/HO(1% TFA)により精製して、最終白色粉末を得た。H NMR(CDOD,500mHz)δ 8.68−8.67(d,1H),8.30−8.27(dd,1H),7.87−7.83(m,1H),6.89−6.86(m,2H),6.79−6.74(m,1H),4.67−4.64(m,1H),3.80−3.77(m,1H),3.70−3.64(m,1H),3.16−3.11(m,1H),3.03−2.97(m,1H),2.84−2.80(m,1H),2.74−2.70(m,1H),2.33−2.27(m,1H),2.01−1.99(m,1H),1.8−1.72(m,1H);LCMS m/z 488(M+H)。
【0208】
実施例23
【0209】
【化53】

【0210】
THF(100mL)中の3−エトキシ−2−シクロヘキセン−1−オン(3.5g,25ミリモル)に0℃で塩化プロピルマグネシウム(THF中2M)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、1N HClでクエンチした。この溶液を酢酸エチルで2回洗浄し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した。−78℃で、THF(100mL)中のケトンにLHMDS(32mL,32ミリモル,THF中1.0M)を添加した。これを0℃で40分間撹拌した後、シアノギ酸メチル(3mL,37ミリモル)を−78℃で添加した。次いで、この反応物をゆっくり室温まで加温し、1N HClでクエンチした。溶液を酢酸エチルで洗浄し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をMeOH(100mL)中に再溶解した。混合物を水素バルーン下で、炭素担持10% パラジウム(200mg)の存在下で一晩撹拌した。反応混合物をセライトを介して濾過し、溶媒を除去した。ケトエステルを0〜30% 酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。このケトエステル(1.5g,7.6ミリモル)を4−メトキシベンジルアルコール(2.5mL)及びトルエン(50mL)中で24時間還流加熱した。溶媒を除去し、生成物を0〜30% 酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。上記実施例に記載されている方法を用いて、実施例23を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.68(d,1H),8.28(m,1H),7.85(td,1H),4.63(m,1H),3.71(m,1H),3.08(m,2H),2.52−2.39(m,2H),2.26(m,1H),1.79(m,1H),1.37(m,2H),1.31(m,3H),1.18(m,1H),0.93(m,3H);LCMS m/z 418(M+H)。
【0211】
実施例24
【0212】
【化54】

【0213】
実施例24は、上記実施例に記載されている類似条件下で製造した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 8.80(d,1H),8.18−8.15(m,2H),7.99(m,1H),7.92(m,1H),7.13(m,1H),4.54(m,1H),3.70−3.52(m,2H),3.02−2.95(m,2H),2.67−2.61(m,1H),2.35−2.23(m,1H),1.90(m,1H),1.76(m,1H),1.15(m,1H);LCMS m/z 471(M+H)。
【0214】
実施例25
【0215】
【化55】

【0216】
実施例25のためのN’−ヒドロキシ−ピリジンカルボキシミドアミド中間体は、代替手順に従って製造した。DMF(100mL)中のp−メトキシベンジルアルコールに0℃で水素化ナトリウム(1.09g,46ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、この後5−ブロモ−2−シアノピリジン(7.1g,39ミリモル)を少しずつ添加した。混合物を1時間撹拌した後、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)で希釈した。混合物をCHCl(100mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)により精製した。メタノール(100mL)中のピリジン誘導体(8.82g,37ミリモル)に室温で炭酸水素ナトリウム(6.1g,73ミリモル)及びヒドロキシルアミン−HCl(5.1g,73ミリモル)を添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、白色固体を冷却水で洗浄し、一晩乾燥した。乾燥させたら、カルボキシミドアミドを更に精製することなく実施例25の合成のために使用した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.56(m,1H),8.25(s,1H),7.93(m,1H),7.33(m,1H),4.55(m,1H),3.5(m,2H),2.83(m,2H),2.24(m,2H),1.60(m,2H),1.13(m,1H),0.96(m,3H);LCMS m/z 388(M+H)。
【0217】
実施例26
【0218】
【化56】

【0219】
実施例26は、上記実施例に記載されている類似条件下で製造した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.56(m,1H),8.78(s,1H),8.17(m,1H),7.98(m,1H),4.54(m,1H),3.63(m,2H),2.88(m,2H),2.33(m,2H),1.65(m,2H),1.15(m,1H),1.12(m,3H);LCMS m/z 412(M+Na)。
【0220】
実施例27
【0221】
【化57】

【0222】
実施例27は、上記実施例に記載されている類似条件下で製造した。3,4−ジメチルシクロヘキサノン出発物質はラセミ−anti異性体及びラセミ−syn異性体の両方として市販されている。実施例27のanti−生成物:H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.53(m,1H),8.78(s,1H),8.17(m,1H),7.99(m,1H),4.56(m,1H),3.6(m,2H),2.92(m,2H),2.41(m,2H),1.80(m,1H),1.25(m,1H),0.92(m,6H);LCMS m/z 404(M+1)。実施例27のsyn−生成物:H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.58(m,1H),8.77(s,1H),8.15(m,1H),7.97(m,1H),4.53(m,1H),3.61(m,2H),2.81(m,2H),2.49(m,2H),1.97(m,1H),1.79(m,1H),0.88(m,6H);LCMS m/z 404(M+H)。
【0223】
実施例28
【0224】
【化58】

【0225】
スキーム16に示すように、シクロヘキサン1,3−ジオン(1.0g,8.92ミリモル)及び2,6−ルチジン(2.07mL,17.84ミリモル)をDCM中に含む溶液を0℃に冷却し、ここに無水トリフルオロメタンスルホン酸(2.25mL,13.38ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、1N HClを添加することによりクエンチした。生じた混合物をDCMで抽出した。有機層を1N HClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を20% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を明褐色油状物として得た。この中間体(1.0g,4.09ミリモル)をTHF(5mL)中に含む溶液にフェニルボロン酸(749mg,6.13ミリモル)、NaCO(3ml,1.0M溶液)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(144mg,0.2ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で30分間加熱した後、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を10% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を白色固体として得た。ヨウ化銅(I)(3.77g,19.8ミリモル)を無水ジエチルエーテル(30mL)中に含む懸濁液をN雰囲気下で0℃に冷却し、ここにメチルリチウム(24.8mL,39.6ミリモル)を1滴ずつ添加した。15分後、反応混合物を−78℃まで冷却し、エノン中間体(0.69g,3.96ミリモル)をエーテル(20mL)中に含む溶液を添加した。反応混合物をゆっくり室温まで加温し、1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液を添加することにより混合物をクエンチした。生じた二相混合物をセライトを介して濾過し、酢酸エチルで十分洗浄した。濾液中の層を分離し、水性層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を5% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を得た。この中間体(0.64g,3.36ミリモル)を無水THF(20mL)中に含む溶液を−78℃に冷却し、ここにLHMHS(4mL,4.04ミリモル,THF中1.0M)を添加した。20分後、シアノギ酸メチル(0.32mL,4.04ミリモル)を添加した。混合物をゆっくり−20℃まで加温し、1N HClでクエンチした。生じた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を10% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を得た。この中間体(0.548g,2.22ミリモル)を無水THF(20mL)中に含む溶液を0℃に冷却し、ここに水素化ナトリウム(0.133g,3.34ミリモル,60重量%)を添加した。30分後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(1.44g,2.66ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。生じた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を2%、次いで5% 酢酸エチル−ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色油状物として得た。実施例28は、適当な2,3,5−トリフルオロフェニルボロン酸を用いて記載されている条件及び上記実施例に記載されている類似条件下で製造した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.29(s,1H),8.72(m,1H),8.09(m,1H),7.97(m,1H),7.40(m,1H),7.06(m,1H),4.60(m,1H),3.29(m,2H),2.91(m,1H),2.78(m,1H),2.35(m,1H),2.16(m,1H),1.90(m,1H),1.80(m,1H),1.34(m,3H);LCMS m/z 542(M+Na)。
【0226】
実施例29
【0227】
【化59】

【0228】
実施例29は、実施例5から直接パラホルムアルデヒドの固体トリマー形態を用いて当業者に公知の標準還元アミノ化条件により製造した。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.49(m,1H),8.12(s,1H),7.87(m,2H),7.63(m,1H),7.27(m,1H),6.78(m,2H),4.75(m,1H),3.79(m,2H),2.64(m,3H);LCMS m/z 383(M+H)。
【0229】
実施例30
【0230】
【化60】

【0231】
実施例30は、上記実施例に記載されており且つスキーム17に例示されている類似条件下で製造した。H NMR(CDOD,500MHz)δ 8.53(m,1H),8.13(m,1H),7.7(m,2H),7.25(m,3H),4.79(m,1H),3.90(s,3H),3.77(m,2H);LCMS m/z 401(M+H)。
【0232】
実施例31
【0233】
【化61】

【0234】
エチル−3−ピラゾールカルボキシレート(3.53g,25.2ミリモル)をDMF(40mL)中に含む溶液に0℃で水素化ナトリウム(60%,1.21g,30.2ミリモル)を添加した。生じた混合物を室温で40分間撹拌した後、5−ニトロ−2−ブロモピリジン(5.1g,25.2ミリモル)を添加した。20分間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン(1000mL)と水(500mL)に分配し、有機相を水(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を80% DCM/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望のビアリール生成物を得た。このニトロ中間体(6.77g,25.8ミリモル)を酢酸(220mL)中に含む溶液に亜鉛粉末(16.77g,258ミリモル)を添加した。生じた混合物を60℃で30分間加熱した後、濾過した。濾液を真空中で濃縮した。残渣にDCM(1000mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(1000mL)を添加し、生じた混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を5% メタノール/DCM(0.1% トリエチルアミン含有)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を黄色固体として得た。このアミノピリジン(5.96g,25.7ミリモル)をテトラフルオロホウ酸(48%,130mL)中に含む溶液に0℃で亜硝酸ナトリウム(1.95g,28.3ミリモル)を水(20mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。生じた溶液を0℃で1時間撹拌した後、濾過した。固体を水及びジエチルエーテルで洗浄して、所望の生成物を黄色固体として得た。ジアゾ中間体(6.66g)を無水酢酸(250mL)中に含む混合物を70℃で一晩加熱した後、真空中で濃縮した。残渣をDCMで溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体として得た。このアセテート中間体(3.5g,12.7ミリモル)をエタノール(400mL)中に含む溶液を4滴の硫酸の存在下で一晩還流加熱した。真空中で濃縮した後、残渣をDCM(340mL)と水(200mL)に分配した。生じた混合物のpHを飽和炭酸水素ナトリウム溶液によりpH=5に調節した。DCM相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、生成物のヒドロキシピリジンを固体として得た。DMF(40mL)中のこのアルコール中間体(2.86g,12.3ミリモル)に0℃で水素化ナトリウム(60%,589mg,14.73ミリモル)を添加した。生じた混合物を室温で40分間撹拌した後、4−メトキシベンジルクロリド(2.31g,14.73ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(10mg)を添加した。生じた混合物を80℃で0.5時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物をDCM(500mL)とブライン(500mL)に分配した。DCM相をブライン(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣 を20% EtOAc/ヘキサン(50mL)で処理し、混合物を濾過して、所望の生成物を得た。濾液を濃縮し、生じた残渣を20% EtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、追加の生成物を白色固体として得た。このエステル中間体(4.13g,11.9ミリモル)及びホウ水素化リチウム(384mg,17.6ミリモル)をTHF(300mL)中に含む懸濁液を一晩還流加熱した後、0℃まで冷却し、pH=6まで1N HClによりクエンチした。生じた混合物をEtOAc(404mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、所望の生成物を白色固体として得た。このヒドロキシメチレン中間体(3.7g,11.88ミリモル)をDCM(200mL)中に含む溶液に0℃でピリジン(1.13g,14.27ミリモル)、トリフェニルホスフィン(8.73g,33.29ミリモル)及びNBS(6.34g,35.66ミリモル)を添加した。生じた溶液を0℃で1.5時間撹拌した。DCM相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をDCMで溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物のブロモメチレン中間体を白色固体として得た。スキーム19に示すように、実施例31はこのブロモメチレン中間体から文献及び上記実施例に詳しく記載されている条件下で製造した。H NMR(500MHz,DMSD−d)δ 11.61(1H,s),10.2(1H,s),8.38(1H,s),8.37(3H,s),7.95(1H,d),7.71(1H,m),7.35(1H,m),6.37(1H,d),4.30(1H,m),3.22(2H,d),2.72(2H,m),2.20(2H,m),1.52(4H,m);LCMS m/z 372(M+H)。
【0235】
実施例32
【0236】
【化62】

【0237】
実施例32は、市販されている4−ピラゾールカルボン酸エチルから上記実施例に記載されており且つスキーム20に例示されている類似条件に従って製造した。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.36(1H,s),7.96(1H,s),7.72(1H,m),7.59(1H,s),7.34(1H,m),4.20(1H,m),3.20(2H,d),2.92(2H,m),2.32(2H,m),1.62(4H,m);LCMS m/z 372(M+H)。
【0238】
実施例33
【0239】
【化63】

【0240】
実施例33は、市販されている(R)−3−メチルシクロヘキサノンを用いて上記実施例に記載されている類似条件下で製造した。H NMR(CDOD−d,500MHz)δ 8.37(1H,d),7.97(1H,s),7.72(1H,d),7.60(1H,d),7.37(1H,dd),4.20(1H,q),3.32(1H,s),3.21(2H,d),3.05(1H,m),2.50(2H,m),2.22(1H,m),1.70(2H,m),1.02(3H,d);LCMS m/z 386(M+H)。
【0241】
生物学的アッセイ
本発明化合物のナイアシン受容体アフィニティー及び機能に関する活性は以下のアッセイを用いて評価され得る。
【0242】
H−ナイアシン結合アッセイ
1.膜:膜調製物を液体窒素中、20mM HEPES(pH7.4)、0.1mM EDTA中に保存する。
【0243】
受容体膜を直ぐに解凍し、氷上に載せる。ピペットで上下に激しく動かすことにより再懸濁し、すべてのチューブをプールし、十分に混合する。清潔なヒトを15μg/ウェルで、清潔なマウスを10ug/ウェルで、汚い調製物を30ug/ウェルで使用する。
1a.(ヒト):結合緩衝液で希釈する。
1b.(ヒト+4% 血清):最小濃度4%のために5.7%の100% ヒト血清ストック(−20℃で保存)を添加する。結合緩衝液で希釈する。
1c.(マウス):結合緩衝液で希釈する。
【0244】
2.洗浄緩衝液及び希釈緩衝液:10Lの氷冷結合緩衝液、すなわち20mM HEPES(pH7.4)、1mM MgCl、0.01% CHAPS(w/v)を作成する。分子グレードまたはddHOの水を使用する。
【0245】
3.[5,6−H]−ニコチン酸:American Radiolabeled Chemicals,Inc.(カタログ#ART−689)。ストックは〜50Ci/ミリモル、1mCi/ml、全部でエタノール中1ml→20μM。
7.5% EtOH及び0.25μM トレーサーを含有する中間体H−ナイアシン作業溶液を作成する。この溶液40μLを各ウェルにおいて全部で200μLに希釈する→1.5% EtOH、50nM トレーサー最終。
【0246】
4.非標識ニコチン酸:100mM、10mM及び80μMストックを作成する。−20℃で保存する。DMSOで希釈する。
【0247】
5.プレートの作成
1)プレートに手動でアリコートする。すべての化合物を2回試験する。各実験で10mM 非標識ニコチン酸をサンプル化合物として含めなければならない。
2)プレートを横切って10mM 化合物を1:5希釈度(8μl:40μl)で希釈する。
3)中間体プレートのすべてのウェルに195μLの結合緩衝液を添加して、作業溶液を作成する(250μM→0)。各薬物プレートにつき1つの中間体プレートとする。
4)薬物プレートから5μLを中間体プレートに移す。4〜5回混合する。
【0248】
6.手順
1)それぞれのウェルに140μ1の適切に希釈した19CD膜を添加する。各薬物プレートにつき3つのプレート、すなわち1つのヒト、1つのヒト+血清、1つのマウスを用意する。
2)20μLの化合物を適当な中間体プレートから添加する。
3)すべてのウェルに40μLの0.25μM H−ニコチン酸を添加する。
4)プレートを密封し、アルミホイルでガバーし、室温で3〜4時間、スピード2で力価プレートシェーカーで振とうする。
5)濾過し、8×200μLの氷冷結合緩衝液で洗浄する。最後のプレート後装置を>1Lの水で確実に濯ぐ。
6)フードにおいて一晩風乾する(風が流れ得るようにプレートをしっかり支える)。
7)プレートの背面を密封する。
8)各ウェルに40μLのMicroscint−20を添加する。
9)上部をシーラーで密封する。
10)Packard Topcountシンチレーションカウンターを用いてカウントする。
11)データを計算プログラムにアップロードし、Prismに生カウントをプロットして、作成したグラフ及びIC50値が一致するか調べる。
【0249】
本発明化合物は、H−ニコチン酸競合結合アッセイにおいて通常1nM〜約25μMの範囲のIC50を有していた。
【0250】
35S−GTPγS結合アッセイ
安定的にナイアシン受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞から作成した膜またはベクターコントロール(7μg/アッセイ)をWallac Scintistripプレートにおいてアッセイ緩衝液(100mM HEPES,100mM NaCl及び10mM MgCl(pH7.4))で希釈し、40μM GDP(最終[GDP]は10μMであった)を含有するアッセイ緩衝液で希釈した試験化合物と〜10分間プレインキュベートした後、35S−GTPγSを0.3nMまで添加した。可能性ある化合物の沈降を避けるため、すべての化合物をまず100% DMSO中で調製し、次いでアッセイ緩衝液で希釈して、アッセイ中3% DMSOの最終濃度とした。結合を1時間進行させた後、プレートを室温で4000rpmで15分間遠心し、TopCountシンチレーションカウンターを用いてカウントした。結合曲線の非線形回帰分析をGraphPad Prismを用いて実施した。
【0251】
膜作成
(材料)
CHO−K1細胞培地:10% FBS、2mM L−グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム及び400μg/ml G418を含むF−12 Kaighn改良細胞培地
膜擦過緩衝液:20mM HEPES、10mM EDTA(pH7.4)
膜洗浄緩衝液:20mM HEPES、0.1mM EDTA(pH7.4)
プロテアーゼ阻害剤カクテル:P−8340(ミズーリ州セントルイスに所在のSigma)。
【0252】
(手順)
(作成中すべてを氷上に維持する;緩衝液及び細胞プレート)
・細胞培地を15cmプレートから吸引除去し、5mLの冷PBSですすぎ、吸引する。
・5mLの膜擦過緩衝液を添加し、細胞を擦過する。擦過物を50mLの遠心管に移す。50μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを添加する。
・4℃で20,000rpmで17分間スピンさせる。
・上清を吸引除去し、ペレットを30mLの膜洗浄緩衝液中に再懸濁する。50μLのタンパク質阻害剤カクテルを添加する。
・4℃で20,000rpmで17分間スピンさせる。
・上清を吸引して膜ペレットを除去する。ペレットを後に使用するために−80℃で凍結させてもよいし、直ぐに使用してもよい。
【0253】
アッセイ
(材料)
グアノシン5’−ジホスフェートナトリウム塩(GDP,Sigma−Aldrichカタログ#87127)
グアノシン5’−[γ35]チオトリホスフェートトリエチルアンモニウム塩([35S]GTPγS,Amersham Biosciencesカタログ#SJ1320,〜1000Ci/ミリモル)
96ウェルのシンチプレート(Perkin−Elmer#1450−501)
結合緩衝液:20mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、10mM MgCl
GOP緩衝液:結合緩衝液+0.4〜40μMの範囲のGDP、アッセイ前に新鮮なものを作成。
【0254】
(手順)
(全アッセイ容量=100μウェル)
場合により化合物を含む25μLのGDP緩衝液(最終GDP 10μM−よって40μM ストックを使用)
結合緩衝液中50μLの膜(0.4mgのタンパク質/mL)
結合緩衝液中25μLの[35S]GTPγS。これは、10mLの緩衝液(この緩衝液はGDPを含まない)中に5μlの[35S]GTPγSストックを添加することにより作成する。
・スクリーニングしようとする化合物プレート(100% DMSO中5μLの化合物(2mM)を有する娘プレート)を解凍する。
・2mM 化合物を245μLのGDP緩衝液で1:50希釈して、2% DMSO中40μMとする(注:GDP緩衝液中のGDP濃度は受容体に依存し、最大信号対雑音を得るために最適化しなければならない;40μM)。
・凍結した膜ペレットを氷上で解凍する(注:この時点で実際に膜である。細胞を膜作成ステップ中に塩を含まない低張性緩衝液中で分解し、殆どの細胞タンパク質は洗浄除去した)。
・ポリトロンPT3100(7000rpmの設定値でのプローブPT−DA 3007/2)を用いて懸濁状態まで膜を短時間ホモジナイズする(数秒−膜を温めてはならず、ホモジナイズのバースト間氷上に保持する)。膜タンパク質濃度をBradfordアッセイにより測定する。膜を結合緩衝液で0.44mg/mlのタンパク質濃度まで希釈する。(注:最終アッセイ濃度は20μg/ウェルである)。
・シンチプレートにGDP緩衝液中25μl/ウェルの化合物を添加する。
・シンチプレートに50μl/ウェルの膜を添加する。
・室温で5〜10分間プレインキュベートする(化合物が光感受性である恐れがあるのでプレートにホイルを被せる)。
・25μlの希釈した[35S]GTPγSを添加する。室温でシェーカー(Lab−Lineモデル#1314,4の設定値で振とう)を用いて60分間インキュベートする。化合物が光感受性である恐れがあるのでプレートにホイルを被せる。
・22℃でプレートカバーで密封したプレートを2500rpmで20分間スピンさせることによりアッセイを停止する。
・TopCount NXTシンチレーションカウンター−35Sプロトコルを用いて測定する。
【0255】
本発明化合物は、機能的インビトロGTPγS結合アッセイにおいて通常約1μM未満〜約100μMの範囲のEC50を有している。
【0256】
レーザードップラーによる潮紅
雄C57B16マウス(〜25g)を10mg/ml/kgのネンブタールナトリウムを用いて麻酔する。アンタゴニストを投与しようとするときには、ネンブタール麻酔と一緒に注射する。10分後、動物をレーザー下に置き、腹側を露出させるために耳を折り返す。レーザーを耳の中心に配置し、8.4〜9.0Vの強度(通常、耳の上〜4.5cm)に集束させる。データー獲得は15×15画像フォーマット、自動間隔、60画像及びメジウム分割で20秒むだ時間で開始する。試験化合物を第10画像後腹腔スペースに注入することにより投与する。画像1〜10は動物のベースラインと見なされ、データベースはベースライン平均強度の平均値に正規化する。
【0257】
(材料及び方法)
レーザードップラーPirimed PimII;ナイアシン(Sigma);ネンブタール(Abbott labs)
【0258】
本明細書中で引用されている特許、特許出願及び公開は全文が援用により本明細書中に含まれるとする。特定の好ましい実施態様を本明細書中に詳細に説明してきたが、多数の代替実施態様が本発明の範囲に含まれると見られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
環Aは6〜10員アリール、5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基(前記したヘテロアリール、非芳香族及び部分芳香族ヘテロ環式基は最高5個のヘテロ原子が存在し、少なくとも1個のO、S、S(O)、S(O)及びNから選択されるヘテロ原子、場合により1個のO及びSから選択される他のヘテロ原子、場合により1〜3個の追加N原子を含有している。)を表し;
環Bはフェニル、チオフェンまたはシクロヘキセニル環(点線及びそれに隣接する線は一緒になって二重結合を表す。)を表し;
各RはHであり、または独立して
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記したC1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。)、
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’
{ここで、R’はH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し、
R”は(a)場合により1〜4個の基(前記基のうちの0〜4個はハロであり、0〜1個はOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したHetcy、Aryl及びHARは更に場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルコキシ基で置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、及び(b)それぞれが場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される基で置換されているHetcy、ArylまたはHARを表し、
R”’はHまたはR”を表す。}、
f)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)、
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記b)に規定されるように置換されている。)、及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’(ここで、R’、R”及びR”’は上記した通りである。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
x及びyの1つは0であり、他は1であり;
、R及びRの各々はH、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択され;
及びRはH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し;
3個のR基が存在し、そのうちの0〜1個はAryl、HARまたはHetcy(前記したAryl、HARまたはHetcy基は場合により最高3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される。)を表し、R基の残りはH、ハロ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びCN(前記したアルキル、並びにC1−3アルコキシ、NHC1−3アルキル及びN(C1−3アルキル)のアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したAryl及びHARは更に場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択される。)からなる群から選択される。]
で表される化合物またはその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエステル。
【請求項2】
式Ia
【化2】

[式中、
環Aは6〜10員アリール、5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基(前記したヘテロアリール、非芳香族及び部分芳香族ヘテロ環式基は最高5個のヘテロ原子が存在し、少なくとも1個のO、S、S(O)、S(O)及びNから選択されるヘテロ原子、場合により1個のO及びSから選択される他のヘテロ原子、場合により1〜3個の追加N原子を含有している。)を表し;
環Bはフェニル、チオフェンまたはシクロヘキセニル環(点線及びそれに隣接する線は一緒になって二重結合を表す。)を表し;
各RはHであり、または独立して
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記したC1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。)、
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記(b)で規定したように置換されている。)、
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’
{ここで、R’はH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し、
R”は(a)場合により1〜4個の基(前記基のうちの0〜4個はハロであり、0〜1個はOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したHetcy、Aryl及びHARは更に場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルコキシ基で置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、及び(b)それぞれが場合により1〜3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される基で置換されているHetcy、ArylまたはHARを表し、
R”’はHまたはR”を表す。}、
f)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)、
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により上記b)に規定されるように置換されている。)、及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”及びNR’C(O)NR”R”’(ここで、R’、R”及びR”’は上記した通りである。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
x及びyの1つは0であり、他は1であり;
、R及びRはH、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択され;
及びRはH、C1−3アルキルまたはハロC1−3アルキルを表し;
3個のR基が存在し、そのうちの0〜1個はAryl、HARまたはHetcy(前記したAryl、HARまたはHetcy基は場合により最高3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される)を表し、R基の残りはH、ハロ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びCN(前記したアルキル、並びにC1−3アルコキシ、NHC1−3アルキル及びN(C1−3アルキル)のアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARからなる群から選択され、前記したAryl及びHARは更に場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの0〜3個はハロであり、0〜1個はOH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択される。)からなる群から選択される。]
で表される化合物またはその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはエステル。
【請求項3】
環Aが6〜10員アリール基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Aが5〜13員ヘテロアリール(HAR)またはヘテロシクリル(Hetcy)基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
環Aが1個の酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子及び0〜2個の追加窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
環Aが1個の酸素原子及び0〜2個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環Aが1個の硫黄原子及び0〜2個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
環Aが2〜3個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール(HAR)基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
環Aがピラゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール及びチアゾールからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
環Aがオキサゾール、オキサジアゾール及びピラゾールからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
環Aが1〜2個の酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子及び0〜3個の追加窒素原子を有する三環式ヘテロアリール(HAR)基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
環Aが以下の群
【化3】

(式中、すべての他の可変項目は式Iに関して定義した通りである。)
から選択される三環式ヘテロアリール(HAR)部分を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
環Bがシクロヘキセニルまたはフェニルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
環Bがフェニル環を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
環Bがチオフェン環を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
環Bがシクロヘキセニル環を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
xが1を表し、yが0を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
部分(C(Rが−CH−または−CH(CH)−基を表す請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
がHまたはCHを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
xが0を表し、yが1を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
xが1を表し、yが0を表し、R及びRがそれぞれHまたはメチルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
xが0を表し、yが1を表し、R及びRがそれぞれHまたはメチルを表す請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
及びRがHまたはCHを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
及びRが水素を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
基がすべて水素を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
各RがHであり、またはCH、未置換であるまたは1〜3個のハロ基で置換されているフェニル、及び未置換であるまたは1〜3個のハロ基で置換されているピリジルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
環Bがフェニルまたはチオフェン環を表し、各Rが水素及びハロ(特に、フルオロ)から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
環Bが1〜3個の水素、ハロ、C1−3アルキルから選択されるR基及び0〜1個のヘテロアリール及びアリールから選択されるR基を有するシクロヘキセン環を表し、前記したC1−3アルキル、ヘテロアリール及びアリール基は場合により1〜3個のハロ基、1個のOC1−3アルキル、OHまたはNH基で置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
環Bがシクロヘキセン環を表し、3個のR基が存在し、Hまたはメチルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
環Bがシクロヘキセン環を表し、3個のR基が存在し、そのうちの1個は1〜3個のハロ原子で置換されているフェニルであり、R基の残りはHを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
各RがHであり、または独立して
(a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)Re及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルであり、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、
(b)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、及び
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
各RがH、ハロ、NH及びOHからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
2個のR部分がHであり、1個のR部分が利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基(前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、1個はOH、CN及びNHからなる群から選択される。)で置換されているフェニルまたは5〜6員ヘテロアリール基からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
1個のR基が1〜3個のF、Cl、OH、CH及びOCHで置換されているフェニル及びピリジルからなる群から選択され、残りのR基が水素を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
3個のR基が存在し、そのうちの1個はフッ素原子で置換されているピリジル環を表し、R基の残りは水素を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
3個のR基が存在し、そのうちの1個はヒドロキシ基で置換されているピリジル環を表し、R基の残りは水素を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
環Aが6〜10員アリール、或いは少なくとも1個のO、S及びNから選択されるヘテロ原子及び0〜2個の追加N原子を含有する5〜13員ヘテロアリールまたは非芳香族もしくは部分芳香族ヘテロ環式基を表し;
環Bがフェニル、チオフェン及びシクロヘキセニルから選択され;
x及びyの1つが0であり、他は1であり;
、R及びRがH及びCHから選択され;
及びRがHを表し;
各RがHであり、または独立して
(a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(ここで、RはC1−4アルキルまたはフェニルを表し、前記したC1−4アルキル及びフェニルはそれぞれ場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2個はOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。)、及び
(b)利用可能な環原子において結合されており、それぞれが場合により1〜3個の基
{前記基のうちの1〜3個はハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、1〜2個はOC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、0〜1個は
i)OH、COH、CN、NH及びS(O)0−2(ここで、Rは上記した通りである。)、及び
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は場合により1〜3個の基で置換されており、そのうちの1〜3個はハロであり、1〜2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。)
からなる群から選択される。}
で置換されているフェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはHetcy基
からなる群から選択され;
環Bがフェニルまたはチオフェンを表すときには各R基は水素及びハロ(特に、フルオロ)から選択され、環Bがシクロヘキセン環を表すときには1〜3個のR基は水素、ハロ及びC1−3アルキルから選択され、0〜1個のR基はヘテロアリール及びアリールから選択され、前記したC1−3アルキル、ヘテロアリール及びアリール基は場合により1〜3個のハロ基及び1個のOC1−3アルキル、OHまたはNH基で置換されている
請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
【表1】



からなる群から選択される請求項1に記載の化合物並びにその医薬的に許容され得る塩及び溶媒和物。
【請求項39】
請求項1に記載の化合物を医薬的に許容され得る担体と共に含む医薬組成物。
【請求項40】
アテローム性動脈硬化症の治療を要するヒト患者に対して請求項1に記載の化合物をアテローム性動脈硬化症を治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法。
【請求項41】
脂質異常症の治療を要するヒト患者に対して請求項1に記載の化合物を脂質異常症を治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者における脂質異常症の治療方法。
【請求項42】
糖尿病の治療を要するヒト患者に対して請求項1に記載の化合物を糖尿病を治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者における糖尿病の治療方法。
【請求項43】
メタボリックシンドロームの治療を要するヒト患者に対して請求項1に記載の化合物をメタボリックシンドロームを治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者におけるメタボリックシンドロームの治療方法。
【請求項44】
アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームまたは関連状態の治療を要するヒト患者に対して請求項1に記載の化合物及びDP受容体アンタゴニストを実質的な潮紅の非存在下でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病または関連状態を治療するのに有効な量で投与することを含む前記患者におけるアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームまたは関連状態の治療方法。
【請求項45】
DP受容体アンタゴニストは化合物A〜AJ
【表2】


またはその医薬的に許容され得る塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される請求項30に記載の方法。

【公表番号】特表2009−520820(P2009−520820A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547470(P2008−547470)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/048535
【国際公開番号】WO2007/075749
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】