説明

ナビケーションシステム及びナビケーション方法

【課題】 ナビケーションサーバにより探索された経路について右折を回避して走行する際に、最適な走行状態の把握が容易となるなようにする。
【解決手段】 出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーションシステムにおいて、少なくとも経路50と、交差点501〜506と、右折を回避して左回りをする回避ルート506〜509と、回避ルート506〜509を通過するために要する所要時間t1〜t4とを含む地図データを格納したデータベース302から、探索部303により地図データを取得し、取得された地図データから経路50と、回避ルート506〜509と、所要時間t1〜t4とを表示部101において同一画面に表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの経路を探索すると共に、経路中の交差点における右折又は左折の回避ルートをも取得して表示するナビケーションシステム及びナビケーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの地点間を結ぶ経路を探索して、その探索した経路に従い自動車の経路案内を行うナビケーション装置が多く用いられている。ところが、自動車の運転者は、交差点で右折する際の対向車の合間を縫って右折しなければならい。そのため、には、右折に要する時間と労力が大きな負担として運転者にかかる。そこで、遠回りになっても右折を避け直進又は左折によって目的地に到達することのできる経路案内が望まれる。ここで、日本国内では右折が問題となるが、例えば米国においては左折が問題となる。
【0003】
このような要望に基づいて、従来は、例えば下記の特許文献1に示すものが提案されている。これは、現在位置から目的地までに最短時間、最短距離、最小費用で到達できる経路を探索するだけでなく、経路における右折回数が最小となる探索条件の設定が可能なものである。
【0004】
このように右折回数を考慮した従来技術としては、更に、下記の特許文献2で示すものがある。これは探索された複数の経路中で右折回数の最も少ない経路を選択して表示するものである。
【0005】
また、例えば、下記の特許文献3で示す従来技術が提案されている。これは、単に右折を回避することでなく、交差点に右折矢印信号機がある場合、右折コストが小さいので、この場合に右折を選択するものである。即ち、右折における実質的なコストを算定して最適な経路を検索するものである。
【0006】
このように右折コストを考慮した従来技術としては、更に、下記の特許文献4で示すものが提案されている。これは、交差点に右折矢印信号機、右折レーンの設置などが設置されているか否かだけでなく、交通情報による状態状況による右折に要する時間を算出し、これを右折コストに加味したものである。
【特許文献1】特開2000−304561号公報(段落〔0060〕、段落〔0061〕)
【特許文献2】特開平9−325038号公報(段落〔0015〕)
【特許文献3】特開2005−321360号公報(段落〔0028〕〜段落〔0030〕)
【特許文献4】特開2004−325357号公報(段落〔0108〕〜段落〔0111〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、前記特許文献1〜4に示す従来のナビケーションシステムによれば、交差点において右折を回避して右折に要する負担を軽減できるものである。特に、前記特許文献4においては、右折に要する時間を把握するので走行に必要な時間管理が可能となるものである。
【0008】
しかしながら、このような従来技術においては、右折に要する時間は、道路の混雑状況によって変化するので、現時点における必要な時間を把握することが困難である。例えば、VICS(道路交通情報通信システム)を利用したとしても多くの交差点における右折に要する時間を正確に把握することは難しくコスト的にも不利であるなどの問題点がある。
【0009】
そこで、本発明者は、探索された経路について右折又は左折を回避して走行する際に、低コストで実質的に最適な走行が可能なナビケーションシステムおよびナビケーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーションシステムにおいて、
少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを格納するデータベースと、
前記データベースに基づいて出発地から目的地に至る経路と、前記交差点と、該交差点における前記回避ルートと、前記所要時間とを含む地図データを探索する探索手段と、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出する総所要時間算出手段と、
前記探索手段により得られた前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記総所要時間算出手段で算出された前記総所要時間を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された前記回避ルートを所要時間の表示と共に選択的に削除し、削除された該回避ルートの所要時間を前記総所要時間から減じ、該削除された回避ルートを選択的に当該所要時間と共に復元する変更ための変更手段(例えば、変更用操作部107、変更用制御部108から形成される変更手段)とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項2に係る発明は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーションシステムにおいて、
少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを格納するデータベースと、
前記データベースに基づいて出発地から目的地に至る経路と、前記交差点と、該交差点における前記回避ルートと、前記所要時間とを含む地図データを探索する探索手段と、
前記探索手段により得られた前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示する表示手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項3に係る発明は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された表示するナビケーションシステムにおいて、
少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルーと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを格納するデータベースと、
前記データベースに基づいて出発地から目的地に至る経路と、該交差点における前記回避ルートと、前記所要時間とを含む地図データを探索する探索手段と、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出する総所要時間算出手段と、
前記探索手段により得られた前記地図データから前記経路、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記総所要時間算出手段で算出された前記総所要時間を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項4に係る発明は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーション方法において、
前記データベースから、少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、前記交差点と、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを探索して取得するステップ(例えば、ステップS1とステップS2とで形成するステップ)と、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出するステップ(例えば、ステップS4)と、
前記取得された前記地図データから前記経路、前記交差点と、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記算出された前記総所要時間を表示するステップ(例えば、ステップS3とステップ5で形成するステップ)と、
前記回避ルートを所要時間の表示と共に選択的に削除し、削除された該回避ルートの所要時間を前記総所要時間から減じ、該削除された回避ルートを選択的に当該所要時間と共に復元する変更のためのステップ(例えば、ステップS9とステップS16とで形成するステップ)とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項5に係る発明は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーション方法において、
前記データベースから、少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルーと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを探索して取得するステップ(例えば、ステップS1とステップS2とで形成するステップ)と、
前記取得された地図データに基づいて前記経路、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示するステップ(例えば、ステップS3)とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項6に係る発明は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーション方法において、
前記データベースから、少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを探索して取得するステップ(例えば、ステップS1とステップS2とで形成するステップ)と、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出するステップ(例えば、ステップS4)と、
前記取得された前記地図データから前記経路、前記交差点と、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記算出された前記総所要時間を表示するステップ(例えば、ステップS3とステップS5とで形成するステップ)とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本願の請求項1の発明に係るナビケーションシステムによれば、使用者は、交差点において左回り又は左回りの回避ルートを用い右折又は左折を回避して通過する場合、回避のための所要時間が各交差点について前記回避ルートと共に同一画面上に表示されるので、出発地から目的地までの経路全体の状況を簡単に把握できる。
【0017】
更に、上記請求項1によれば、使用者は、右折又は左折の回避に要する総所要時間が表示されるので、目的地に到達するために要する時間の調整の必要性を判断し、この判断の結果によって右折又は左折の回避をする交差点を選択して前記回避ルートの削除とその所要時間を総所要時間から減じて表示することができる。そのため、表示画面上で出発地から目的地までに要する時間の調整が右折又は左折の回避ルートを選択することによって最適な状態になるように一義的に設定できる。
【0018】
更にまた、上記請求項1によれば、使用者は、経路を走行中に予想外の事態の発生により、目的地に到達するまでに要する時間に余裕がなくなることがある。この場合には、その時点で、設定されている回避ルートを選択的に削除し、直ちに総所要時間を削減するので、予定とおりの到達時刻までに目的地に到達できる。一方、経路の走行が予想外にスムーズに進み、走行時間に余裕が生じてしまうことがある。この場合には、その時点で、右折又は左折の回避ルートを選択することができるので、可能な限り右折又は左折を少なくして全体的にスムーズな走行が可能となる。
【0019】
また、本願の請求項2の発明に係るナビケーションシステムによれば、使用者は、交差点において左回り又は右回りの回避ルートを用い右折又は左折を回避して通過する場合、回避のための所要時間が各交差点について前記回避ルートと共に同一画面で表示されるので、経路全体の状況を簡単に把握できる。
【0020】
また、本願の請求項3の発明に係るナビケーションシステムによれば、使用者は、使用者は、交差点において左回り又は右回りの回避ルートを用い右折又は左折を回避して通過する場合、回避のための所要時間が各交差点について前記回避ルートと共に同一画面で表示され、更に、前記所要時間を総計した総所要時間も同一画面上に表示されるので、出発地から目的地までに費やされる総所要時間と経路全体の状況とともに簡単に把握できる。
【0021】
本願の請求項4の発明に係るナビケーション方法によれば、使用者は、交差点において左回り又は左回りの回避ルートを用い右折又は左折を回避して通過する場合、回避のための所要時間が各交差点について前記回避ルートと共に同一画面上に表示されるので、出発地から目的地までの経路全体の状況を簡単に把握できる。
【0022】
更に、上記請求項4によれば、使用者は、右折又は左折の回避に要する総所要時間が表示されるので、目的地に到達するために要する時間の調整の必要性を判断し、この判断の結果によって右折又は左折の回避をする交差点を選択して前記回避ルートの削除とその所要時間を総所要時間から減じて表示することができる。そのため、表示画面上で出発地から目的地までに要する時間の調整が右折又は左折の回避ルートを選択することによって最適な状態になるように一義的に設定できる。
【0023】
更にまた、上記請求項4によれば、使用者は、経路を走行中に予想外の事態の発生により、目的地に到達するまでに要する時間に余裕がなくなることがある。この場合には、その時点で、設定されている回避ルートを選択的に削除し、直ちに総所要時間を削減するので、予定とおりの到達時刻までに目的地に到達できる。一方、経路の走行が予想外にスムーズに進み、走行時間に余裕が生じてしまうことがある。この場合には、その時点で、右折又は左折の回避ルートを選択することができるので、可能な限り右折又は左折を少なくして全体的にスムーズな走行が可能となる。
【0024】
また、本願の請求項5の発明に係るナビケーション方法によれば、使用者は、交差点において左回り又は右回りをして右折又は左折を回避し通過する場合、回避のための所要時間が各交差点について前記回避ルートと共に同一画面で表示されるので、経路全体の状況を簡単に把握できる。
【0025】
また、本願の請求項6の発明に係るナビケーション方法によれば、使用者は、交差点において左回り又は右回りの回避ルートを用い右折又は左折を回避して通過する場合、回避のための所要時間が各交差点について前記回避ルートと共に同一画面で表示され、更に、前記所要時間を総計した総所要時間も同一画面上に表示されるので、出発地から目的地までに費やされる総所要時間と経路全体の状況とともに簡単に把握できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態としては、以下に説明する実施例である。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は実施例におけるナビケーションシステムの構成を示すブロック図、図2は実施例におけるナビケーションシステムの表示画面を示す説明図、図3と図4は実施例におけるナビケーションシステムの動作を示すフローチャート、図5は実施例における回避ルートの一部を削除した表示画面を示す説明図である。
【0028】
図1において、ナビケーションシステム1は、ナビケーション端末装置10と、ネットワーク20と、ナビケーションサーバ30とを備えている。そして、ナビケーション端末装置10はネットワーク20を介してナビケーションサーバ30とのデータの授受を行うことができるようになっている。
【0029】
ナビケーション端末装置10は、表示部101と、GPS(Global Positioning System)部102と、通信部103と、表示駆動部104と、操作部105とを備えている。そして、操作部105において入力された出発地、目的地及びその他の探索用の情報は、探索用データとして通信部103からネットワーク20に送出され、ナビケーションサーバ30へと伝送されるようになっている。
【0030】
ナビケーションサーバ30は、通信部301と、データベース302と、探索部303と、制御部304とを備えている。一例として、データベース302と探索部303とでもって探索手段が形成されている。探索部303は、ナビケーション端末装置10から伝送され検索用データに基づきデータベース302のデータベースを用いて探索を実行する。
【0031】
制御部304は、経路の探索、データの送受などにおける通信部301、探索部303の全体的な制御を行うものである。
【0032】
データベース302は、出発地から目的地までの経路の地図データベース3021と、交差点と該交差点において右折を回避する左回りの回避ルーの回避ルートデータベース3022と、該回避ルートを通過する際に要する所要時間の所要時間データベース3023とから形成されている。
【0033】
ナビケーションサーバ30において探索された地図データは、ネットワーク20を介してナビケーション端末装置10に送出されるようになっている。ナビケーション端末装置10に送出された地図データは、通信部103によって受信され、表示駆動部104により表示部101に地図として表示されるようになっている。
【0034】
ここで、ナビケーションサーバ30において探索された地図データは、地図データベース3021から得られた交差点などを含む地図データと、回避ルートデータベース3022から得られた回避ルートと、所要時間データベース3023から得られた所要時間とからなっている。
【0035】
この地図データは、表示駆動部104によって図2で示す表示部101の表示画面40で表示されるようになっている。ここで、表示部101と表示駆動部104は表示手段を形成するものの一例である。
【0036】
この表示画面40は、出発地Aから目的地Bまでの経路50が表示されている。そして、経路50中の交差点501〜505における右折を回避する回避ルート506〜509が表示されている。また、回避ルート506〜509には回避のための所要時間t1〜t4が付されている。更に、必要に応じて、経路50を通過するために必要な時間が表示されるようになっている。
【0037】
また、ナビケーション端末装置10は、所要時間t1〜t4の総計を総所要時間Tとして算出する総所要時間算出部106を備えている。算出された総所要時間Tは表示駆動部106に供給され表示部101において表示画面40に表示されるようになっている。
【0038】
更に、ナビケーション端末装置10は、操作部105に設けた回避ルート506〜509の削除、復元の変更を行う変更用操作部107と、変更用制御部108と、記憶部109と、制御部110とを備えている。こkで、変更用そうサブ107と変更用制御部108と記憶部109は変更用手段を形成するものの一例である。
【0039】
変更用操作部108は、表示画面40上の回避ルート506〜509の削除と復元の操作を行うと、表示駆動部104が付記された所要時間t1〜t5と共に表示画面40上で削除または復元を行うように制御する。同時に、総所要時間Tが改めて総所要時間算出部106で算出されて表示画面40の表示値を変更するようになっている。
この総所要時間算出部106は総所要時間算出手段を形成するものの一例である。
【0040】
前記削除における削除前のデータなどは記憶部109に記憶されており、前記復元の際に再び読み出されて表示されるようになっている。
【0041】
制御部110は、地図データの探索、地図データの表示、回避ルート506〜509の削除と復元などにおける表示駆動部104、操作部105、総所要時間算出部106、変更用制御部108などの全体的な制御を行うものである。
【0042】
ナビケーション端末装置10としては、GPS102による現在位置の検知によってナビケーション動作が行われるようになっている。
【0043】
次に、上述した本発明の実施例の構成によるナビケーションシステム1の動作を図3と図4のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
使用者は、操作部105を操作して出発地、目的地などを入力し、経路などの探索を行う(ステップS1)。この入力操作によって得られた検索データは、通信部103からネットワーク20を介してナビケーションサーバ30へと伝送される。
【0045】
ナビケーションサーバ30は、探索部303が検索データによって地図データベースか3021と回避ルートデータベース3022と所要時間データベース3023とから交差点を含む経路と回避ルートと所要時間とのデータを探索し、これらのデータからなる地図データを地図通信部301からネットワークに送出する。そして、ナビケーション端末装置10において受信して取得する(ステップS2)
取得された地図データは表示駆動部104によって画像データに変換されて表示部101において画像として表示される(ステップS3)。この表示状態は表示画面40で示すように、出発地Aから目的地Bまでの経路、交差点501〜505、回避ルート506〜509、所要時間t1〜t5が表示される。
【0046】
所要時間t1〜t5は総所要時間算出部106によって総計の値が算出される(ステップS4)。算出結果は、表示駆動部104によって総所要時間Tが10分とした画像データが形成され、表示部101における表示画面40上に表示される(ステップS5)。これは、使用者が経路50を右折して通過する場合に比し、回避ルート506〜509を経緯すると10分の余分な時間を費やすことを意味する。
【0047】
使用者は、回避ルート506〜509を経緯するか、回避ルート506〜509のどれかを削除するかの選択を行う(ステップS6)。
【0048】
回避ルート506〜509のどれかを削除せず、全ての右折を回避する場合は、走行開始を行い出発地Aから目的地Bへと経路50に従って走行する(ステップS7)。交差点501においては回避ルート506を経緯し2分の余分な時間を費やして次の交差点502へと進む。交差点502においては左折して交差点503に向かう。交差点503においては回避ルート507を経緯し3分の余分な時間を費やして次の交差点504へと進む。交差点504においては回避ルート508を経緯し1分の余分な時間を費やして次の交差点505へと進む。交差点505においては回避ルート509を経緯し4分の余分な時間を費やして目的地Bへと進む。使用者は回避ルート506〜509の全てを経緯したので、目的地Bに到達するまでに右折した場合に比し、10分の余分な時間を費やすことになる(ステップS8)。
【0049】
使用者は、ステップS5において表示画面40に表示された総所要時間10分を削減したい場合、変更用操作部107を操作して回避ルート506〜509の削除操作を行う(ステップS9)。例えば、総所要時間Tを4分だけ削減したい場合には、回避ルート509にポインターをあわせてクリックする。
【0050】
その結果、図5で示すように、変更用制御部108が表示駆動部104を制御して表示画面40から回避ルート509を削除させる。同時に、変更制御部108が総所要時間算出部106において削除後の総所要時間Tを算出させる(ステップS10)。算出結果は、表示駆動部104によって総所要時間Tが表示画面40に6分として表示される(ステップS11)。
【0051】
使用者は、出発地Aから表示画面40に表示された経路50に従って走行を開始する(ステップS10)。この走行はGPS102による現在位置の検知によって行われる。
【0052】
走行中に、道路の混雑状況によって予想したよりもスムーズに走行して目的地Bに到達されることが判明し、しかも、右折をできるだけ回避したい場合は、再度、変更用操作部107を操作して削除した回避ルートを復元させることが選択できる(ステップS13)。これとは反対に、走行中に、道路の混雑状況によって予想された以上に時間がかかり、更に総所要時間Tを優先的に軽減したい場合には、再度、変更用操作部107を操作して回避ルート506〜508を更に削除することが選択できる(ステップS14)。
【0053】
使用者は、ステップS7において走行を開始した後、回避ルート506〜509の更なる削除を必要としない場合には、そのままGPS102による現在位置の検知によって走行を継続して目的地Bに到達する(ステップS15)。
【0054】
使用者は、走行中に道路の混雑状況によって予想したよりもスムーズに走行して目的地Bに到達されることが判明し、しかも、右折をできるだけ回避したい場合には、再度、変更用操作部107を操作して削除した回避ルートを復元させる(ステップS16)。この復元操作は、交差点505にポインターをあわせてクリックする。この操作によって変更用制御部108が記憶部109に保持されている回避ルート509のデータを読み出し表示駆動部104を制御し表示画面40に表示する。同時に、所要時間t4のデータを読み出して総所要時間制御部106において総所要時間Tを再度算出する。算出された総所要時間Tの10分の値が表示画面40に表示される。このようにして復元後の表示が行われる(ステップS17)。
【0055】
そして、走行を継続するが、ステップS13、ステップS14で示すように、更に削除した回避ルートの復元、回避ルートの更なる削除の必要がなければそのままの状態で目的地Bに到達する(ステップS15)
使用者は、走行中に、道路の混雑状況によって予想された以上に時間がかかり、更に総所要時間Tを優先的に軽減したい場合には、ステップS14において、更なる回避ルートと506〜508の削除を行う。この更なる削除操作は、再度、変更用操作部107を操作して回避ルート506〜508を更に削除する(ステップS18)。例えば、総所要時間Tを2分だけ削減したい場合には、回避ルート506にポインターをあわせてクリックする。
【0056】
その結果、変更用制御部108が表示駆動部104を制御して表示画面40から回避ルート506を削除させる。同時に、変更制御部108が総所要時間算出部106において削除後の総所要時間Tを算出させ、表示画面40に総所要時間Tを4分として表示する(ステップS19)。
【0057】
そして、走行を継続するが、ステップS13、ステップS14で示すように、更に削除した回避ルートの復元、回避ルートの更なる削除の必要がなければそのままの状態で目的地Bに到達する(ステップS15)。
【0058】
また、使用者は、ステップS7において走行を開始した後に、削除した回避ルート506〜509の復元、回避ルート506〜509の削除を行う場合には、上述したステップS13、ステップS14を経緯して復元、削除を行う。
【0059】
上述した本発明の実施例によれば、使用者が出発地から目的地までの経路を探索すると、ナビケーションサーバ30において、経路と、経路中の交差点と、交差点の右折を左折して回避する回避ルートと、回避ルートに要する所要時間とを含む地図データを取得し、ナビケーションシステム端末装置10の表示部101に、地図データを経路50、交差点501〜505、回避ルート506〜509、所要時間t1〜t4として表示することができる。同時に、総所要時間算出部106が所要時間t1〜t4を総計して表示部101に総所要時間Tを表示することができる。
【0060】
そのため、使用者は、経路50の全体の状況が回避ルート506〜509、所要時間t1〜t4及び所要時間t1〜t4を総計した総所要時間Tと共に把握し、表示画面40上で出発地Aから目的地Bまでに要する時間の調整を右折の回避を選択して最適な状態になるように一義的に設定できる。
【0061】
また、使用者は、経路50を走行中に予想外の渋滞が発生し、目的地Bに到達するまでに要する時間に余裕がなくなったときには、その時点で、設定されている回避ルート506〜509を選択的に削除し、直ちに総所要時間Tを削減するので、使用者の望ましい時間での走行が可能となる。同時に、経路50の走行が予想外にスムーズに進み、走行時間に余裕が生じてしまったときには、その時点で、左折の回避ルート506〜509を選択することができるので、可能な限り右折を少なくして全体的にスムーズな走行が可能となる。
【0062】
尚、上述した本発明の実施例にあっては、車両が左側通行をとる場合について説明をしたが、本発明は米国のように車両が右側通行をとる場合についても適用できることは勿論である。このように右側通行をとる地域においては、左折が困難であるので回避ルートは右折となる。
【0063】
尚、また、上述した本発明の実施例にあっては、ナビケーションサーバ30をナビケーション端末装置10と別体としたが、本発明はこれに限定されることなく両者を一体にしてもよい。
【0064】
尚、また、上述した本発明の実施例にあっては、総所要時間算出部106、変更用制御部108などを夫々独立した回路構成としたが、本発明はこれに限定されることなくこれら回路を一体にしたICによって構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例におけるナビケーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例におけるナビケーションシステムの表示画面を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例におけるナビケーションシステムの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例におけるナビケーションシステムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例における回避ルートの一部を削除した表示画面を示す説明図である。。
【符号の説明】
【0066】
1 ナビケーションシステム
10 ナビケーション端末装置
20 ネットワーク
30 ナビケーションサーバ
40 表示画面
50 経路
101 表示部
102 GPS部
103 通信部
104 表示駆動部
105 操作部
106 総所要時間算出部
107 変更用操作部
108 変更用制御部
109 記憶部
110 制御部
301 通信部
302 データベース
303 探索部
304 制御部
501
〜505 交差点
506
〜509 回避ルート
t1〜t4 所要時間
T 総所要時間



















【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーションシステムにおいて、
少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを格納するデータベースと、
前記データベースに基づいて出発地から目的地に至る経路と、前記交差点と、該交差点における前記回避ルートと、前記所要時間とを含む地図データを探索する探索手段と、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出する総所要時間算出手段と、
前記探索手段により得られた前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記総所要時間算出手段で算出された前記総所要時間を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された前記回避ルートを所要時間の表示と共に選択的に削除し、削除された該回避ルートの所要時間を前記総所要時間から減じ、該削除された回避ルートを選択的に当該所要時間と共に復元する変更のための変更手段とを備えていることを特徴とするナビケーションシステム。
【請求項2】
出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーションシステムにおいて、
少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを格納するデータベースと、
前記データベースに基づいて出発地から目的地に至る経路と、前記交差点と、該交差点における前記回避ルートと、前記所要時間とを含む地図データを探索する探索手段と、
前記探索手段により得られた前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示する表示手段とを備えていることを特徴とするナビケーションシステム。
【請求項3】
出発地から目的地までの経路を探索し、探索された表示するナビケーションシステムにおいて、
少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを格納するデータベースと、
前記データベースに基づいて出発地から目的地に至る経路と、前記交差点と、該交差点における前記回避ルートと、前記所要時間とを含む地図データを探索する探索手段と、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出する総所要時間算出手段と、
前記探索手段により得られた前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記総所要時間算出手段で算出された前記総所要時間を表示する表示手段とを備えていることを特徴とするナビケーションシステム。
【請求項4】
出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーション方法において、
データベースから、少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを探索して取得するステップと、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出するステップと、
前記取得された前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記算出された前記総所要時間を表示するステップと、
前記回避ルートを所要時間の表示と共に選択的に削除し、削除された該回避ルートの所要時間を前記総所要時間から減じ、該削除された回避ルートを選択的に当該所要時間と共に復元する変更のためのステップとを含むことを特徴とするナビケーション方法。
【請求項5】
出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーション方法において、
データベースから、少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを探索して取得するステップと、
前記取得された地図データに基づいて前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示するステップと含むことを特徴とするナビケーション方法。
【請求項6】
出発地から目的地までの経路を探索し、探索された地図を表示するナビケーション方法において、
データベースから、少なくとも前記経路と、該経路中の交差点と、該交差点における右折又は左折を回避して左回り又は右回りをする回避ルートと、該回避ルートを通過するために要する所要時間とを含む地図データを探索して取得するステップと、
前記所要時間の総計を総所要時間として算出するステップと、
前記取得された前記地図データから前記経路、前記交差点、前記回避ルート及び前記所要時間を表示画面に表示すると共に、該表示画面に前記算出された前記総所要時間を表示するステップとを含むことを特徴とするナビケーション方法。





























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−107178(P2008−107178A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289504(P2006−289504)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】