説明

ナビゲーションサーバ、携帯電話機、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法

【課題】 現在の店舗の状況に基づいてユーザが店舗を選択できるように構成された「ナビゲーションサーバ、携帯電話機、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法」を提供する。
【解決手段】 ナビゲーションサーバ14は店舗サイト16から店舗情報を収集する。携帯電話機12はナビゲーション機能が起動された場合、ナビゲーションサーバ14へ地図イメージを要求し、受信した地図イメージをユーザへ表示する。また、携帯電話機12は店舗検索機能が起動された場合、ナビゲーションサーバ14へ表示した地図イメージに含まれる店舗の一覧を要求し、受信した店舗一覧を表示する。さらに、携帯電話機12は表示した店舗一覧から何れかの店舗が選択されると、当該店舗への予約の申込みをナビゲーションサーバ14へ要求する。これに対し、ナビゲーションサーバ14は要求された店舗サイト16へ予約の申込みを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションサーバ、携帯電話機、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関し、特に地図に店舗情報を重ねて表示する機能を有するナビゲーションサーバ、携帯電話機、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能だけでなく、インターネット(簡易型インターネットを含む)接続機能やGPS(Global Positioning System)機能などを備えた携帯電話機が販売されている。このような携帯電話機は、GPS機能により自己の位置を把握し、周囲の情報やユーザから入力された目的地までの経路などを表示する、いわゆるナビゲーション機能を備えている。
【0003】
一方、近年のナビゲーション装置は、経路誘導を誘導するだけでなく、経路上若しくは近辺に存在するレストランやサービスステーション(SS)やコンビニエンスストア(CS)など、種々の情報も合わせてドライバへ提示することが可能となってきている。
【0004】
しかしながら、これらのような携帯電話機やナビゲーション装置では、現在位置の周囲に存在する店舗の位置を表示するだけである。このため、ユーザはどの店舗にしようか迷ってしまい、かえってドライバを混乱させかねないという問題が存在する。
【0005】
このような問題を解決する技術として、たとえば以下に示す特許文献1には、店舗の位置及び名称と共に、店舗の公告も表示することで、ユーザのニーズにあった店舗を選択し易くするための技術が開示されている。
【特許文献1】特開平8−138193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、店舗の公告を表示するだけでは、その店舗が本当にユーザのニーズにあっているかわからない。たとえば、店舗が非常に混雑しており、入店までに時間がかかったり、その店舗自体が休業日であったりなど、現在の店舗の状況によってユーザが享受できる利益が異なる場合が存在する。
【0007】
そこで本発明は、現在の店舗の状況に基づいてユーザが店舗を選択できるように構成されたナビゲーションサーバ、携帯電話機、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明は、所定のネットワークを介して店舗の情報を収集する店舗情報収集手段と、携帯電話機に表示させる地図イメージを描画する地図描画手段と、該地図描画手段で描画した地図イメージを前記携帯電話機へ送信する送信手段とを有するナビゲーションサーバであって、前記地図描画手段で描画された地図イメージに含まれる店舗の一覧を前記携帯電話機へ送信する店舗一覧送信手段と、前記携帯電話機において選択された店舗に前記所定のネットワークを介して予約を入れる予約申込み手段とを有し、前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれるように構成される。ナビゲーション機能を備えた携帯電話機に対し、表示した地図イメージに含まれる店舗の現在の状況、特に空き状況や待ち時間を提供することで、ユーザにより的確な情報を提示することができる。また、このように表示した店舗の現在の状況に基づいて予約などを入れることができるように構成することで、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【0009】
また、本発明は、所定のネットワークを介して店舗の情報を収集する店舗情報収集手段を有するナビゲーションサーバであって、前記ナビゲーション装置で描画された地図イメージに含まれる店舗の一覧を当該ナビゲーション装置へ送信する店舗一覧送信手段と、前記ナビゲーション装置において選択された店舗に前記所定のネットワークを介して予約を入れる予約申込み手段とを有し、前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれるように構成される。ナビゲーション装置で表示された地図イメージに含まれる店舗の現在の状況、特に空き状況や待ち時間を提供することで、ユーザにより的確な情報を提示することができる。また、このように表示した店舗の現在の状況に基づいて予約などを入れることができるように構成することで、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【0010】
また、本発明は、所定のネットワークを介して接続されたサーバから地図イメージを受信する受信手段を有し、該受信手段で受信した地図イメージに基づいてユーザへナビゲーション機能を提供する携帯電話機であって、前記地図イメージに含まれる店舗の一覧を前記サーバから受信する店舗一覧受信手段と、前記店舗一覧受信手段で受信した一覧の中から何れかの店舗をユーザに選択させる店舗選択手段と、前記店舗選択手段で選択された店舗への予約を前記サーバへ要求する予約要求手段とを有し、前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれるように構成される。ナビゲーション機能を備えた携帯電話機において、表示した地図イメージに含まれる店舗の現在の状況、特に空き状況や待ち時間をユーザへ表示することで、ユーザにより的確な情報を提示することができる。また、このように表示した店舗の現在の状況に基づいて予約などを入れることができるように構成することで、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【0011】
また、本発明は、店舗の情報を保持するサーバと所定のネットワークを介して接続されたナビゲーション装置であって、現在位置を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段で特定された現在位置に基づいて地図イメージを描画する地図描画手段と、前記地図描画手段で描画された地図に含まれる店舗の一覧を前記サーバから受信する店舗一覧受信手段と、前記店舗一覧受信手段で受信した一覧の中から何れかの店舗をユーザに選択させる店舗選択手段と、前記店舗選択手段で選択された店舗への予約を前記サーバへ要求する予約要求手段とを有し、前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれるように構成される。ナビゲーション装置において、表示した地図イメージに含まれる店舗の現在の状況、特に空き状況や待ち時間をユーザへ表示することで、ユーザにより的確な情報を提示することができる。また、このように表示した店舗の現在の状況に基づいて予約などを入れることができるように構成することで、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【0012】
また、本発明は、表示された地図イメージに含まれる店舗に予約を入れるためのナビゲーション方法であって、所定のネットワークを介して店舗の情報を収集する第1ステップと、前記地図イメージに含まれる店舗の一覧をユーザへ表示する第2ステップと、前記第2ステップで表示された前記一覧の中から何れかの店舗をユーザに選択させる第3ステップと、前記第3ステップで選択された店舗に所定のネットワークを介して予約を入れる第4ステップとを有し、前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれるように構成される。表示した地図イメージに含まれる店舗の現在の状況、特に空き状況や待ち時間をユーザへ表示することで、ユーザにより的確な情報を提示することができる。また、このように表示した店舗の現在の状況に基づいて予約などを入れることができるように構成することで、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現在の店舗の状況に基づいてユーザが容易に店舗を選択できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
まず、本発明による実施例1について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施例によるナビゲーションシステム10の構成を示すシステム図である。図1に示すように、ナビゲーションシステム10は、携帯電話機12とナビゲーションサーバ14と店舗サイト161,162,163,…とを含んで構成される。携帯電話機12とナビゲーションサーバ14とは、無線を含むネットワークを介して通信可能である。なお、携帯電話機12と無線基地局13とは例えば公衆無線回線で接続され、無線基地局13とナビゲーションサーバ14とはキャリア−インターネット・サービス・プロバイダ間の通常のネットワークで接続される。また、ナビゲーションサーバ14と店舗サイト161,162,163,…とはインターネット15を介して通信可能である。
【0016】
上記の構成において、本実施例では携帯電話機12に例えばGPS機能を搭載した移動体通信端末を採用する。ただし、本発明では、これに限定されず、自己の現在位置をナビゲーションサーバ14に特定させることが可能な電子機器であれば、如何なるものも適用することができる。例えばGPS機能を搭載していない携帯電話機であっても、2つ以上の無線基地局13の位置と、無線基地局13または携帯電話機12で受信した電波の強度とから携帯電話機12の位置を特定することができる場合、これを本発明に適用することが可能である。
【0017】
図2に本実施例で採用した携帯電話機12の構成を示す。図2に示すように、携帯電話機12は、送受信部103と受信レベル検出部104とGPS処理部105と記憶部106と制御部107と表示部108とスピーカ109と報知部110と操作部111とマイク112とを含んで構成される。
【0018】
送受信部103は送受信部103はアンテナ101と接続されており、無線基地局13と無線ネットワークを形成し、データを送受信する。受信レベル検出部104は送受信部103で受信した電波の強度レベルを検出し、通信に最適な出力強度を算出する。GPS処理部105はGPS衛星から送信されてくるGPS信号をアンテナ102で受信して現在位置の緯度及び経度を検出する。記憶部106は制御部107が動作するためのプログラムおよび各種処理結果を記憶する。
【0019】
表示部108は例えば液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザへのメッセージなどの他にナビゲーションサーバ14から受信した地図データを表示する。スピーカ109は電話中の相手の音声などを出力する。報知部110は電話や電子メールなどの着信の他にアラームやバッテリー切れなどをユーザに報知する。操作部111はテンキーや方向キーなどで構成されたユーザインタフェースである。マイク112は通話中のユーザの音声を入力したりする。制御部107は上記した各部を制御すると共に、必要に応じて各種処理を実行する。
【0020】
一方、ナビゲーションサーバ14は、図3に示すような構成を有する。図3に示すように、ナビゲーションサーバ14は、送受信部121と位置特定部122と地図描画部123とアイコン生成部124と誘導経路描画部125と表示情報生成部126と制御部127と送受信部128と店舗情報収集部129と店舗情報保持部130と地図データ蓄積部131とを有する。
【0021】
制御部127は、例えばマイクロコンピュータやCPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置で構成される。この制御部127は、ナビゲーション用のプログラム(後述する経路探索の処理やそれに基づく経路案内に必要な表示出力制御等を行うためのプログラム)を内蔵しており、このプログラムに従ってナビゲーションに係る種々の処理を実行する。但し、例えば上記のプログラムはハードディスクドライブやCD−ROMやDVD−ROM等に記憶しておくことも可能である。この場合、制御部127は必要に応じてこれを読出し、実行する。
【0022】
送受信部121は無線基地局13を介して携帯電話機12とデータの送受信を行う。位置特定部122は携帯電話機12から受信したデータから現在位置(緯度および経度)を特定する。地図描画部123は位置特定部122で特定した現在位置と携帯電話機12から指定された地図の縮尺とに基づいて描画領域を特定し、これに基づいて地図データ蓄積部131を参照することで地図イメージを描画する。アイコン生成部124は地図描画部123で特定された描画領域内に存在する店舗などのランドマークを地図データ蓄積部131から特定し、これを地図上に描画するためのアイコンを生成する。誘導経路描画部125は例えば携帯電話機12から目的地が指定された場合、現在位置から目的地までの誘導経路を算出し、これのイメージを描画する。表示情報生成部126は、動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)及び現在位置,カーソル等の各種マークを生成すると共に、以下で示すような携帯電話機12にポップアップ表示する内容を生成する。
【0023】
一方の送受信部128はインターネット15を介して店舗サイト161,162,163,…とデータの送受信を行う。店舗情報収集部129は店舗サイト161,162,163,…から所定の情報を定期的又はリアルタイムに収集し、これを店舗情報保持部130に格納する。なお、店舗情報保持部130に保持された情報は可能な限りリアルタイムであることが好ましい。ここで、店舗情報保持部130に保持されるデータ、すなわち店舗情報収集部129が収集するデータ(これを店舗情報という)を図4を用いて説明する。
【0024】
図4に示すように、店舗情報には、店の種類(店種類)と、店舗名と、空き状況(空席や空き部屋や空きスペースなどの状況)および店舗側で予測した待ち時間(空き状況/待ち時間)と、予約できるか否かである予約受付可否と、店舗の営業時間と、本日が営業日であるかいなかを示す営業情報とが含まれる。これらの情報のうち、店種類と店舗メイト予約受付可否と営業時間と営業情報とは、店舗毎に予め定められた情報である。したがって、これらの情報は随時更新せずともよく、例えば予め登録しておいた店舗毎のスケジュールに従って、夜中などにバッチ処理により更新するよう構成することができる。一方、空き状況/待ち時間は店舗の営業中常時状況が変化するため、例えばリアルタイムまたは1分や5分などの所定の時間ごとに更新される。
【0025】
次に携帯電話機12の表示部108に表示される画面(表示画面)を用いて、本実施例によりユーザが享受できるサービスを説明する。ユーザが店舗検索の機能を起動した際、図5に示すように、表示部108には店種類を選択するためのポップアップウィンドウ(w1)が表示される。ポップアップウィンドウ(w1)から何れかの店種類が選択されると、次に表示部108には図6に示すように、選択された店種類であって、描画した地図領域内に含まれる店舗の一覧を示すポップアップウィンドウ(w2)が表示される。この一覧には、店舗の名称(店舗名)と、各店舗までの所要時間と、店舗の空き状況および待ち時間と、所要時間および待ち時間を合計した合計時間と、予約できるか否かを示す予約受付可否と、店舗の営業時間とが含まれる。なお、店舗までの所要時間は徒歩や自転車や自動車(図1では自車11で移動している場合を採用している)などの交通手段によって変化するため、先のポップアップウィンドウ(w1)でいずれの交通手段を用いているかを選択するように構成しても良い。また、表示される一覧には、本日が休業日である店舗が除外されている。
【0026】
ユーザは以上のように表示された一覧を見て、予約を入れたいと思う店舗があれば、これを選択する。すなわち、一覧の各店舗は選択肢として機能する。なお、選択は、例えば操作部111によるキー操作やマイク112からの音声入力で行うように構成することができる。また、ユーザが何れかの店舗を選択すると、表示部108には図7に示すようなポップアップウィンドウ(w3)が表示され、予約を入れるかどうかユーザに確認する。さらに、予約を入れた場合、表示部108には図8に示すようなポップアップウィンドウ(w4)が常時表示され、予約が登録されていることをユーザへ確認させる。なお、ポップアップウィンドウ(w4)は、店舗検索機能の起動有無に関わらず、目的地に到着するまで、または予約を取り消すまで、表示部108に表示されるように構成すると良い。また、時刻を指定して予約を入れるように構成した場合、予約の時刻となったことをユーザへアラームなどで報知するように構成することもできる。このほか、予約が成立した場合、これをメールや電話(自動音声でもよい)などでユーザへ通知するように構成してもよい。
【0027】
以上のように入店の予約申込みの他、例えばレストランなどであればドリンクや前菜など(コース料理であればコースなど)を、また、ホテルなどであればルームサービスなどを予め注文しておくことができるように構成しても良い。この場合、ポップアップウィンドウ(w3)で予約の申込みを行った後、表示部108には注文するか否かを問うポップアップウィンドウが表示される。また、このポップアップウィンドウで注文することが指示された場合、表示部108には予約を入れた店舗のメニューが表示される。ユーザは表示されたメニューのなかから注文しておく品目を選択し、送信する。送信された注文内容はナビゲーションサーバ14を介して店舗サイトへ送信され、受け付けられる。なお、各店舗のメニューはナビゲーションサーバ14において予め収集され、店舗情報保持部130に保持されている。
【0028】
次に、携帯電話機12と無線基地局13とナビゲーションサーバ14と店舗サイト161,162,163,…(なお、以下の説明では店舗サイトの参照符号を16とする)とのやりとりを、図9に示すシーケンスと共に説明する。
【0029】
図9に示すように、本動作では、ナビゲーションサーバ14と店舗サイト16との間で通信が確立され、店舗情報が常時または定期的に収集される(n1←→s1)。なお、図面ではn1とs1とで記述されているが、これは以降の動作でも常時または定期的に繰り返されているものとする。
【0030】
また、携帯電話機12においてナビゲーション機能が起動されると、携帯電話機12からは現在位置および地図の縮尺の情報が送られ、地図イメージが要求される(m1→b1:地図イメージ要求)。このように携帯電話機12から送信された地図イメージ要求は無線基地局13を介してナビゲーションサーバ14へ転送される(b1→n2:要求転送)。地図イメージ要求を受信すると、ナビゲーションサーバ14は受信した現在位置と縮尺との情報に基づいて、店舗のアイコンやその他表示情報が重畳された地図イメージを描画し(n3:地図イメージ描画)、これを携帯電話機12へ送信する(n4→m2:地図イメージ応答)。これにより、携帯電話機12には描画された地図イメージが表示される。
【0031】
次に、携帯電話機12において店舗検索機能が起動されると、携帯電話機12からは図5に示す画面において選択された店種類の情報が送られ、店舗一覧が要求される(m3→b2:店舗一覧要求)。このように携帯電話機12から送信された店舗一覧要求は無線基地局13を介してナビゲーションサーバ14へ転送される(b2→n5:要求転送)。店舗一覧要求を受信すると、ナビゲーションサーバ14は上記において地図イメージを作成した際に使用した店舗の情報を店舗情報保持部130から取得し、これを用いて店舗一覧を作成する(n6:店舗一覧作成)。また、ナビゲーションサーバ14は作成した店舗一覧を携帯電話機12へ送信する(n7→m4:店舗一覧応答)。これは、表示情報生成部126と制御部127と送受信部121とを含んで構成される店舗一覧送信手段が予め登録されている所定のアルゴリズムに従って動作することで自動的に実行される。一方、携帯電話機12の表示画面に図6に示すような店舗一覧を含むポップアップウィンドウ(w2)が表示される。これは、送受信部103と制御部107とを含んで構成される店舗一覧受信手段が予め登録されている所定のアルゴリズムに従って動作することで自動的に実行される。
【0032】
以上のように表示された店舗一覧は、上述したように選択肢として機能する。すなわち、店舗一覧を表示する表示部108と一覧の中から何れかの店舗を選択するための操作部111またはマイク112と制御部107とは店舗選択手段として機能する。店舗一覧から何れかの店舗が選択されると、携帯電話機12は予約の要求を送信する(m5→b3:予約要求)。すなわち、制御部107および送受信部103は予約要求手段として機能する。このように携帯電話機12から送信された予約要求は無線基地局13を介してナビゲーションサーバ14へ転送される(b3→n8:要求転送)。
【0033】
一方、予約要求を受信したナビゲーションサーバ14は、対象の店舗へ予約の申込みを行う(n9→s2:予約申込み)。これは、制御部127と送受信部128とを含んで構成される予約申し込み手段が予め登録されている所定のアルゴリズムに従って動作することで自動的に実行される。このように予約の申込みを行うと、これを受け付けた店舗サイト16からは受け付けたことが通知される(s3→n10:予約受付応答)。また、店舗サイト16から予約の受付が通知されると、ナビゲーションサーバ14はこの結果を携帯電話機12へ送信する(n11→m4)。これにより、携帯電話機12では図8に示すような予約状況が表示される(m7)。
【0034】
以上のように、店舗の現在の状況を表示し、これに基づいて予約などを入れることができるように構成することで、本実施例によれば、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【実施例2】
【0035】
次に、本発明の実施例2について図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の説明において、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、特記しない構成に関しては実施例1と同様である。
【0036】
図10は本実施例によるナビゲーションシステム20の構成を示すシステム図である。図10に示すように、ナビゲーションシステム20は自車21と無線基地局23とナビゲーションサーバ24とインターネット15と店舗サイト161,162,163,…とを含んで構成される。自車21とナビゲーションサーバ24とは、無線を含むネットワークを介して通信可能である。自車21と無線基地局23とは例えば実施例1と同様に公衆無線回線で接続されてもよい。なお、無線基地局23とナビゲーションサーバ24とはキャリア−インターネット・サービス・プロバイダ間の通常のネットワークで接続される。また、ナビゲーションサーバ24と店舗サイト161,162,163,…とは実施例1と同様にインターネット15を介して通信可能である。
【0037】
上記の構成において、自車21には、図11に示すようなナビゲーション装置200が搭載される。このナビゲーション装置200を以下に説明する。
【0038】
図10において、読取り機構201は、地図データやその他の案内データを格納したCD(コンパクトディスク)−ROM(Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の記録媒体を読み込むため構成である。ただし、これに限定されず、たとえばハードディスクドライブなどの記憶装置も適用することができる。
【0039】
操作部202は、ドライバが車載用ナビゲーション装置200に各種操作・設定を入力するための構成である。これは、リモートコントローラ装置やコントロールパネル等のように個別に構成されていても、後述する表示部207と一体に形成されたタッチパネル式の入力装置として構成されていても良い。更には、音声入力用のマイクロフォン等で構成されてもよい。送受信部203は、ナビゲーションサーバ24や各種サービスセンタ等と通信するための車載電話機等で構成される。VICS(道路交通情報通信システム)受信部204は、電波ビーコン又は光ビーコンから送信されてくるVICS情報を受信するための構成である。GPS(Global Positioning System)受信部205は、GPS衛星から送信されてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の緯度及び経度を検出するための構成である。自立航法センサ206は、車両方位を検出するためのジャイロ等を含む角度センサ206aと、一定の走行距離毎にパルスを発生する距離センサ206bとを有して構成されており、車両の進行方向や速度を検出する。
【0040】
表示部207は、例えば液晶表示方式のディスプレイ装置等で構成され、車載用ナビゲーション装置200から入力された、地図や誘導経路や車両の現在位置やその他ランドマーク等の各種情報を画面上に表示するための構成である。スピーカ208は、同じく車載用ナビゲーション装置200から入力された音声案内情報等を出力するための構成である。尚、スピーカ208はその他、音響装置等から入力された音楽等も出力することができる。
【0041】
また、車載用ナビゲーション装置200において、バッファメモリ211は、後述する制御部217からの制御の下に読取り機構201から入力された地図データ等を一時的に格納するための構成である。I/F(インタフェース)212,213,214,215及び216は、それぞれ操作部202,送受信部203,VICS受信部204,GPS受信部205及び自立航法センサ206と車載用ナビゲーション装置200における内部バスとを接続するための構成である。
【0042】
制御部217は、例えばマイクロコンピュータやCPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置で構成される。この制御部217は、ナビゲーション用のプログラム(後述する経路探索の処理やそれに基づく経路案内に必要な表示出力制御等を行うためのプログラム)を内蔵しており、このプログラムに従い、GPS受信部205及び自立航法センサ206から出力される信号に基づいて車両の現在位置を検出したり、表示させたい地図のデータ等を読取り機構201からバッファメモリ211に読み出したり、バッファメモリ211に読み出した地図データから誘導経路を探索する等のナビゲーションに係る種々の処理を実行する。但し、例えば上記のプログラムはCD−ROMやDVD−ROM等に記憶しておくことも可能である。この場合、制御部217は必要に応じてこれを読出し、実行する。
【0043】
地図描画部218は、バッファメモリ211に読み出された地図データを用いて地図画像の描画処理を行うための構成である。表示情報生成部219は、動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)及び車両位置マーク,カーソル等の各種マークを生成するための構成である。誘導経路記憶部220は、出発地及び目的地やその他の探索条件に基づいて制御部217において探索された誘導経路の全てのノードに関するデータ及び探索中に変更された誘導経路のデータ(以下、これらを誘導経路データという)を格納しておくための構成である。誘導経路描画部221は、誘導経路記憶部220から誘導経路データを読み出して誘導経路を他の道路とは異なる表示態様(色や線幅を用いた強調表示等)で描画するための構成である。アイコン描画部222は、地図データに含まれる各ランドマークのデータ(物件データともいう)に対応する個々のランドマークをそれぞれ指示するためのアイコンの描画処理を行うための構成である。音声出力部223は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等を含んで構成され、制御部217からの信号に基づいて音声信号をスピーカ208に出力する。
【0044】
画像合成部224は、地図描画部218で描画された地図画像に、誘導経路描画部221で描画された誘導経路や、表示情報生成部219で描画された操作画面及び各種マークや、アイコン描画部222で描画された各ランドマークを指示するアイコン等を適宜重ねて、表示部7に表示させるための構成である。
【0045】
一方、ナビゲーションサーバ24は、図12に示すような構成を有する。図12に示すように、ナビゲーションサーバ24は、送受信部121と位置特定部122と描画範囲特定部230と表示情報生成部126と制御部127と送受信部128と店舗情報保持部130と店舗情報保持部130と地図データ蓄積部231とを有する。
【0046】
上記構成において、送受信部121と位置特定部122と表示情報生成部126と制御部127と送受信部128と店舗情報収集部129と店舗情報保持部130とは実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0047】
また、描画範囲特定部230は、実施例1における地図描画部123が備えた機能の一部と同様であり、ナビゲーション装置200から受信した現在位置および縮尺の情報からナビゲーション装置200において描画される地図イメージの領域を特定する。また、地図データ蓄積部131に蓄積されたデータは実施例1と同様の内容であっても良いが、少なくとも描画する地図領域に含まれる店舗を特定できる情報が格納されていれば良い。これに対し、表示情報生成部126は描画範囲特定部230で特定された範囲に含まれる店舗を地図データ蓄積部231から特定し、これに基づいて実施例1で携帯電話機12に表示されたポップアップウィンドウと同様のデータを生成する。したがって、ナビゲーション装置200に表示されるポップアップウィンドウの内容は、実施例1において図5から図8を用いて説明した内容と同様のものとなる。
【0048】
また、本実施例において、ナビゲーション装置200とと無線基地局23とナビゲーションサーバ24と店舗サイト161,162,163,…(なお、以下の説明では店舗サイトの参照符号を16とする)とのやりとりは、図9に示すシーケンスにおいて、地図イメージ要求(m1→(b1)→n2)から地図イメージ応答(n4→m2)までが省略されたものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0049】
以上のように、本実施例でも、店舗の現在の状況を表示し、これに基づいて予約などを入れることができるように構成することで、ユーザのニーズに最適な店舗を容易に選択させることが可能となる。
【0050】
なお、上記実施例1および実施例2は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば上記した各実施例ではネットワークとして移動体通信ネットワークを適用しているが、本発明はこれに限定されず、例えば無線LAN(Local Area Network)を用いた車車間通信(アクセスポイントを介する場合や車車間で直接通信する場合を含む)など、相互にデータを送受信することが可能なネットワークであれば、如何なるものも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例1によるナビゲーションシステム10の構成を示すシステム図である。
【図2】本発明の実施例1による携帯電話機12の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1によるナビゲーションサーバ14の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例1において店舗情報保持部130に保持された店舗情報を示す図である。
【図5】本発明の実施例1においてユーザが検索の店舗の種類を指定するための表示画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施例1において携帯電話機12に表示される店舗一覧の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例1において携帯電話機12に表示された店舗一覧から選択した店舗へ予約を入れる際の画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施例1において携帯電話機12に表示される予約内容の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施例1における動作を示すシーケンスである。
【図10】本発明の実施例2によるナビゲーションシステム20の構成を示すシステム図である。
【図11】本発明の実施例2によるナビゲーション装置200の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例2によるナビゲーションサーバ24の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
10、20 ナビゲーションシステム
11、21 自車
12 携帯電話機
13、23 無線基地局
14、24 ナビゲーションサーバ
15 インターネット
16、161、162、163、… 店舗サイト
101、102 アンテナ
103、121、128、203 送受信部
104 受信レベル検出部
105 GPS処理部
106 記憶部
107、127、217 制御部
108、207 表示部
109、208 スピーカ
110 報知部
111、202 操作部
112 マイク
122 位置特定部
123、218 地図描画部
124 アイコン生成部
125 誘導経路描画部
126、219 表示情報生成部
129 店舗情報収集部
130 店舗情報保持部
131、231 地図データ蓄積部
200 ナビゲーション装置
201 読取り機構
204 VICS受信部
205 GPS受信部
206 自立航法センサ
206a 角度センサ
206b 距離センサ
211 バッファメモリ
212、213、214、215、216 I/F
220 誘導経路記憶部
221 誘導経路描画部
222 アイコン描画部
223 音声出力部
224 画像合成部
230 描画範囲特定部
w1,w2,w3,w4 ポップアップウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のネットワークを介して店舗の情報を収集する店舗情報収集手段と、携帯電話機に表示させる地図イメージを描画する地図描画手段と、該地図描画手段で描画した地図イメージを前記携帯電話機へ送信する送信手段とを有するナビゲーションサーバであって、
前記地図描画手段で描画された地図イメージに含まれる店舗の一覧を前記携帯電話機へ送信する店舗一覧送信手段と、
前記携帯電話機において選択された店舗に前記所定のネットワークを介して予約を入れる予約申込み手段とを有し、
前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれることを特徴とするナビゲーションサーバ。
【請求項2】
所定のネットワークを介して店舗の情報を収集する店舗情報収集手段を有するナビゲーションサーバであって、
前記ナビゲーション装置で描画された地図イメージに含まれる店舗の一覧を当該ナビゲーション装置へ送信する店舗一覧送信手段と、
前記ナビゲーション装置において選択された店舗に前記所定のネットワークを介して予約を入れる予約申込み手段とを有し、
前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれることを特徴とするナビゲーションサーバ。
【請求項3】
所定のネットワークを介して接続されたサーバから地図イメージを受信する受信手段を有し、該受信手段で受信した地図イメージに基づいてユーザへナビゲーション機能を提供する携帯電話機であって、
前記地図イメージに含まれる店舗の一覧を前記サーバから受信する店舗一覧受信手段と、
前記店舗一覧受信手段で受信した一覧の中から何れかの店舗をユーザに選択させる店舗選択手段と、
前記店舗選択手段で選択された店舗への予約を前記サーバへ要求する予約要求手段とを有し、
前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれることを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
店舗の情報を保持するサーバと所定のネットワークを介して接続されたナビゲーション装置であって、
現在位置を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段で特定された現在位置に基づいて地図イメージを描画する地図描画手段と、
前記地図描画手段で描画された地図に含まれる店舗の一覧を前記サーバから受信する店舗一覧受信手段と、
前記店舗一覧受信手段で受信した一覧の中から何れかの店舗をユーザに選択させる店舗選択手段と、
前記店舗選択手段で選択された店舗への予約を前記サーバへ要求する予約要求手段とを有し、
前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
表示された地図イメージに含まれる店舗に予約を入れるためのナビゲーション方法であって、
所定のネットワークを介して店舗の情報を収集する第1ステップと、
前記地図イメージに含まれる店舗の一覧をユーザへ表示する第2ステップと、
前記第2ステップで表示された前記一覧の中から何れかの店舗をユーザに選択させる第3ステップと、
前記第3ステップで選択された店舗に所定のネットワークを介して予約を入れる第4ステップとを有し、
前記一覧には店舗の空き状況および待ち時間が含まれることを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−31398(P2006−31398A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209156(P2004−209156)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】