ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法
【課題】利用者にとって直感的に理解可能な表題が付されたガイド情報を提示するナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】目的地へのルートをガイド情報として提示するナビゲーション部106と、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部107と、利用者の移動体の過去の移動履歴に基づいて当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部108とを備えたナビゲーション装置13と、利用者のスケジュール情報を管理するスケジュール管理部102と、利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベース103と、ナビゲーション装置13から転送される利用者の移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部104とを備えたセンターサーバ12とを連動させる。
【解決手段】目的地へのルートをガイド情報として提示するナビゲーション部106と、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部107と、利用者の移動体の過去の移動履歴に基づいて当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部108とを備えたナビゲーション装置13と、利用者のスケジュール情報を管理するスケジュール管理部102と、利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベース103と、ナビゲーション装置13から転送される利用者の移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部104とを備えたセンターサーバ12とを連動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関し、特に、利用者のスケジュール情報に関連付けて、ナビゲーションにおいて推定した目的地に対する表題(ラベル)を補完して付与することを可能とするナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が所望する目的地へルート案内を行うナビゲーション装置について、近年、目的地を自動的に推定し、ルート案内およびルートに関わる各種情報を利用者(ドライバ)に対して提供する手法が盛んになってきている。これは、現在の移動ルートに基づいて、過去の移動体の移動履歴を分析して、該移動履歴の分析結果から、今回の行き先つまり目的地を推定するという技術に基づいている。本技術は、日常的に移動するルートについて、毎回のように、目的地設定を行うことが面倒であり、利用者(ドライバ)の利便性向上を図るという要求に応えることを目的としている。
【0003】
目的地の推定に基づく自動ルート案内が可能になると、利用者は、直接、目的地の設定操作を行う必要が無くなり、利便性が著しく向上することになる。ここで、目的地の推定に基づく自動ルート案内について、重要な要素の一つとして、推定した目的地に対する表題(ラベル)の付与がある。目的地の推定精度が、仮に100%であれば、正しく推定された目的地へのルート案内と該ルートに関連する情報のみを提示することで十分であるので、目的地に対する表題の付与自体はあまり問題にはならない。
【0004】
しかしながら、現実的には、100%の推定精度を得ることは困難であるので、目的地の推定技術と併せて、推定結果として得られた推定目的地を利用者に対して効率良く提示することが、ユーザビリティの向上に寄与するために強く要求される。すなわち、ナビゲーション装置として、今回、どの場所を推定目的地として推定しているかということを、表題(ラベル)として、利用者に理解し易い形式で明示的に示すことが重要である。かくのごとき表題を提示することによって、推定した目的地が、利用者が所望する目的地と一致しているか否かを、利用者は、容易に認識することができ、仮に、推定精度が悪く、推定目的地が所望の目的地ではなかった場合であっても、その状況を利用者が知ることができ、利用者は、目的地に対する的確な訂正操作等を行うことができる。
【0005】
推定目的地に対する表題(ラベル)の自動付与技術としては、たとえば、特許文献1の特開2001−108466号公報「車両走行誘導装置」がある。該特許文献1においては、エンジンをオフにした際の緯度経度情報を、目的地の場所を示す情報として認識するとともに、該緯度経度情報の地点の最寄りの住所データ(住所名称)を地図情報から取得して、緯度経度情報とともに移動履歴情報として記録することとしている。したがって、以降の移動時において、推定目的地の緯度経度情報が得られた際に、該移動履歴情報を参照することによって、当該推定目的地に関する住所データを、当該推定目的地に対する表題として付与して利用者に提示することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1のように、エンジンオフ時の緯度経度情報とともに地図情報が示す最寄りの住所データ(住所名称)を付与して登録するという技術の場合、該緯度経度情報の最寄りの住所データ(住所名称)は、目的地として登録されるべき地点を示す情報としては利用者の印象が薄い可能性があり、どの目的地に対して登録されたかということを利用者が直感的に理解することができない可能性が大きい。たとえば、目的地の緯度経度情報とともに「神奈川県横浜市西区高島付近」などの住所データが登録されていたとしても、かくのごとき住所データでは、たとえ、普段から通い慣れている場所であっても、利用者は把握していない場合が多く、利用者が直感的に理解することは容易ではないという問題がある。
【0007】
本発明は、かくのごとき問題を解決するためになされたものであり、利用者に対するルートをガイドするガイド情報として、利用者にとって直感的に理解することが容易な表題が付されたガイド情報を利用者に提示するナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題を解決するために、利用者が使用する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定し、該指定目的地へのルートをガイドするガイド情報を当該利用者へ提示する際に、当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与して出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法によれば、利用者本人が実際に行動した可能性が高いスケジュール情報を利用して、推定された目的地に対する表題を生成して、利用者へのルートガイド用として提示するガイド情報に付与して出力するという仕組みを実現しているので、推定目的地に対する表題が、利用者本人にとって分かり易い内容とすることができ、利用者は、ガイド情報に付与された表題から直ちに推定目的地を理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明によるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法の最良の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてまずその概要を説明する。本発明によるナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置とセンターサーバ(スケジュールサーバ)とを少なくとも備え、両者が連携して、利用者の操作負担を軽減すると同時に、利用者にとって理解し易い表題を付したガイド情報を提示することを主な特徴としている。
【0012】
ここで、ナビゲーション装置は、移動体の移動履歴の分析結果に基づいて、利用者からの入力無しに、利用者の行き先である目的地を推定目的地として推定し、該推定目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するものであり、センターサーバ(スケジュールサーバ)は、利用者のスケジュール情報(つまり、電子予定表、電子日記帳等を利用して設定される個人行動記録:行動予定、行動履歴)を管理するものである。センターサーバ(スケジュールサーバ)に記録されている利用者のスケジュール情報とナビゲーション装置に記録されている移動履歴(走行履歴)とを利用して、ナビゲーション装置が推定した推定目的地に対応する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完データとして出力することにより、スケジュール情報を利用して生成された表題が付されたガイド情報を、推定目的地へのルートガイド用として利用者へ提示することを主な特徴としている。
【0013】
つまり、ナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置とセンターサーバ(スケジュールサーバ)とは、互いに、情報を送受信する通信手段を備えており、センターサーバ(スケジュールサーバ)に記録されている利用者のスケジュール情報を、当該利用者の移動体に搭載されたナビゲーション装置に記録されている当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴との関連付けを行うことにより、ナビゲーション装置が推定した推定目的地に対応するスケジュール情報を抽出して、抽出したスケジュール情報に基づいて、推定目的地を示す表題(ラベル)を生成して、ルートガイド用のガイド情報に付与して、利用者に提示することを特徴としている。
【0014】
ここで、移動体としては、車両、船舶、航空機など、乗員を目的地へ移動させるための担体であれば、如何なる形態のものであってもかまわないが、以下の実施形態の説明においては、車両の場合を中心にして説明する。
【0015】
また、ナビゲーション装置とセンターサーバ(スケジュールサーバ)との間の情報の送受信に用いる通信手段は、移動体用の通常の無線通信システムに適用される通信手段であれば、如何なる形態のものであっても良い。
【0016】
また、センターサーバ(スケジュールサーバ)に利用者のスケジュール情報を登録する場合、利用者それぞれが所持するクライアント端末から、適当な通信ネットワーク(インターネットなど)を介して、センターサーバ(スケジュールサーバ)にアクセスすることによって、登録する場合を中心にして、以下の実施形態においては説明するが、あらかじめ割り当てられている各利用者から収集したスケジュール情報をセンターサーバ(スケジュールサーバ)にて直接登録するような形式であっても良い。また、場合によっては、センターサーバ(スケジュールサーバ)を設置しないで、クライアント端末またはナビゲーション装置に利用者のスケジュール情報を登録管理させるような構成であっても良い。
【0017】
また、利用者のスケジュール情報は、前述のように、電子予定表や電子日記帳などとして広く利用されているスケジュール管理ソフトウェアに登録されているような個人の行動予定・行動履歴に関する情報であり、少なくとも、スケジュールのタイトル、開催場所、開始日時(開始日時、終了日時)、主催者、参加者、または、イベント内容などから構成されている。
【0018】
なお、スケジュール情報のイベント内容として、スケジュールの主催者が、ガイド情報が提示される利用者本人であるか否か、スケジュールへの参加者が、ガイド情報が提示される利用者本人のみであるか否か、スケジュールへの参加者に、異なる組織の人物が含まれているか否か、スケジュールが繰り返し開催される反復属性を含んでいるか否か、スケジュールへの参加要求レベルが、ガイド情報が提示される利用者本人にとって必須とされているか否か、スケジュールへの参加表明が、ガイド情報が提示される利用者本人によりなされているか否か、などの情報を登録することも、また、主催者または参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスなどの情報を登録することもできることが望ましい。
【0019】
また、利用者が使用するクライアント端末は、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)を中心にして、以下の実施形態においては説明するが、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)端末など任意の形態の端末であってかまわない。
【0020】
(第1の実施形態)
まず、本発明における第1の実施形態として、利用者が使用する移動体(車両)の過去の移動履歴(走行履歴)を用いて、当該移動体の行き先となる目的地を推定した際に、電子予定表、電子日記帳等の個人行動記録であるスケジュール情報と連携することによって、推定した目的地を利用者にとって認識し易いラベルを表題として生成して、ガイド情報に付与して利用者へ提示する場合について、その一例を説明する。
【0021】
<システム構成>
図1は、本発明によるナビゲーションシステムの第1の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図であり、本発明の基本的な構成例を示している。図1に示すように、第1の実施形態のナビゲーションシステムは、クライアント端末11、センターサーバ12、および、ナビゲーション装置13を少なくとも含んで構成されており、図示していない通信回線を用いて、相互に情報の送受信が可能とされている。
【0022】
クライアント端末11は、利用者からのスケジュール情報の入力を受け付けるとともに、利用者へスケジュール情報の閲覧情報を提示する役割を担い、センターサーバ12は、クライアント端末11に入力されたスケジュール情報を、通信回線を介して転送されることによって、保持するスケジュールサーバの役割を担う。また、ナビゲーション装置13は、利用者を目的地まで案内するルート案内機能を担うものであり、本発明においては、さらに、利用者の目的地設定操作を行うこと無しに、目的地および移動ルート(走行ルート)を自動的に推定し、該目的地までのガイドを行う目的地推定機能をも有している。なお、センターサーバ12は、前述のように、利用者のスケジュール情報を管理するためのスケジュールサーバとして機能するものであり、たとえば電子予定表、電子日記帳等の形式を用いて記録されている利用者の行動予定、行動履歴を、スケジュール情報として管理するものである。
【0023】
図1に示すように、クライアント端末11は、スケジュール情報入出力部101を少なくとも備えており、たとえばPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)などの一般的な情報端末を用いて構成されている。センターサーバ12は、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103、表題補完部104を少なくとも備え、ナビゲーション装置13は、ナビゲーション部106、移動履歴記録部107、目的地推定部108を少なくとも備えている。
【0024】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101は、利用者によるスケジュール情報(行動予定、行動履歴)の入力および閲覧のためのインタフェースである。
【0025】
センターサーバ12のスケジュール管理部102は、利用者からクライアント端末11を介して入力されたスケジュール情報の登録要求や、スケジュール情報の取得要求に基づいて、スケジュールデータベース103に登録したり、他のスケジュール情報との競合を検出したり、必要なスケジュール情報を検索したり、スケジュール情報の閲覧要求があった利用者のクライアント端末11や場合によってはあらかじめ設定されている他利用者のクライアント端末11へスケジュール情報を転送したりする処理を行う部位である。
【0026】
また、スケジュールデータベース103は、利用者のスケジュール情報(行動予定、行動履歴)を、効率的なデータ形式に加工して蓄積する記憶手段である。また、表題補完部104は、本発明特有の部位であり、ナビゲーション装置13から転送されてきた利用者に関する移動体の過去の移動履歴およびスケジュールデータベース103内に蓄積されている利用者のスケジュール情報の関連性に鑑みて、推定目的地に対する表題(ラベル)を生成して、利用者へ提示すべきガイド情報に付与するための補完データ(つまり補完ラベルデータ)として出力する部位である。
【0027】
なお、スケジュール管理部102は、一般的なスケジュール管理ソフトウェアにおいて用いられているスケジュール管理機能と同様の機能を有している。つまり、前述のように、オフィス等で汎用的に用いられているグループウェアとしてのスケジュール管理ソフトや、携帯電話機やインターネット上で利用することができる電子予定表や電子日記帳などの各種スケジュール管理ソフトを利用する形としても良い。ただし、前述のようなスケジュール管理ソフトに入力されたスケジュール情報は、図1のセンターサーバ12において、スケジュールデータベース103に蓄積することができ、かつ、表題補完部104による表題生成のために適宜抽出することができることが必要である。
【0028】
また、スケジュール管理部102は、スケジュール情報として、スケジュールのタイトル、開催場所、開始日時、終了日時、主催者、参加者、イベントの内容に関する情報を少なくとも有し、さらに、付随する各種情報を付与することができる拡張性を有する構成となっていることが望ましい。たとえば、イベントの内容として、スケジュールへの任意出席や必須出席等の、参加者の参加要件の強さや、スケジュールが繰り返し開催されるか否かを示す反復属性や、スケジュール自体の重要度などや、利用者によるスケジュールへの参加表明の有無、主催者または参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスなどの情報をスケジュール情報として設定することができるように構成されることが望ましい。詳細は後述するが、かくのごときスケジュール情報の各種情報を利用することによって、表題補完部104にて推定目的地に対する表題を生成する際に、より正確な表題を生成して付与することが可能になる。
【0029】
また、ナビゲーション装置13のナビゲーション部106は、利用者の所望する目的地までのルートを演算してガイド情報(表題補完部104にて生成された表題を付与したガイド情報)として出力する部位であり、移動履歴記録部107は、移動体の移動履歴を蓄積保存する記憶手段である。また、目的地推定部108は、現在移動中の移動体の移動位置、移動ルートに基づいて、移動履歴記録部107に蓄積されている移動体の移動履歴を分析することによって、利用者が目的地の設定操作を行うこと無しに、目的地やルートを自動的に推定して推定目的地として出力する部位である。
【0030】
以上のように、本実施形態におけるナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置13として、目的地へのルートをガイドするガイド情報を利用者へ提示するために、利用者に関する移動体(たとえば車両)が移動した履歴を記録する移動履歴記録部107と、現在の移動位置の推移と移動履歴記録部107に記録されている移動履歴とを分析することにより、利用者の行き先となる目的地を推定する目的地推定部108とを少なくとも有するとともに、利用者のスケジュール情報(行動予定、行動履歴)を管理するセンターサーバ12として、目的地推定部108が推定した推定目的地について、当該利用者に関する移動体(たとえば車両)の移動履歴と当該利用者のスケジュール情報との関連性に基づいて、当該利用者のスケジュール情報から抽出した情報を用いて、当該利用者にとって理解し易い表題(ラベル)を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力する表題補完部104を少なくとも有する構成としている。
【0031】
ここで、利用者のスケジュール情報は、利用者本人が入力する以外に、利用者の周りの関係者が入力することも可能であるが、いずれにしても、利用者本人が実際に行動する予定や行動した履歴を示す情報であるので、該スケジュール情報に含まれるスケジュールの開催場所や実行場所に関する情報は、利用者本人にとって理解し易い表現となっている可能性が高い。したがって、当該利用者のスケジュール情報に含まれている情報を推定目的地の表題(ラベル)として生成することによって、利用者にとって理解性が高い目的地の情報が表題として付与されたガイド情報を利用者に提示することができる。
【0032】
たとえば、従来技術のように、推定目的地に対する表題を地図情報から取得するような場合、地図情報上にすべての地点に対応して施設名称が付与されているとは限らないため、このような場合には、推定目的地に対する表題として該地点を含む住所情報たとえば「神奈川県横浜市西区高島付近」として提示される場合が多くなる。こうした住所情報での提示は、たとえ普段から通い慣れた場所であっても、利用者は把握していないことが多く、推定目的地とされた場所を直感的に理解することは容易ではない。
【0033】
また、施設名称が地図情報上に登録されていた場合であっても、テナントビルや複合商業施設などにように、複数の会社、店舗等が一つの地点に集中している場合、個々の会社名や店舗名ではなく、ビル名称や施設の総合名称が登録されている場合が多い。しかし、利用者の実際の目的地は、当該ビルや施設の中の特定の会社や特定の店舗であり、利用者は、会社名や店舗名は把握していても、ビル名称や施設の総合名称を把握していないことが多いので、ビル名称や施設の総合名称を表題として提示されても、利用者は推定目的地とされた場所を理解し難い場合が多い。
【0034】
これに対して、本実施形態においては、利用者が実際に行動するために登録しているスケジュール情報を利用して、表題を生成しているので、利用者は、ルートガイド用として提示されたガイド情報に付与されて出力されている表題を、直感的に理解することができる可能性が極めて高い。
【0035】
なお、図1に示す本実施形態は、前述のように、カーナビゲーション装置13として近年普及しつつある通信機能を有するカーナビゲーション装置を用いている。すなわち、図示しない通信回線を用いて、利用者に関する移動体の過去の移動履歴さらに場合によっては推定した目的地に関する情報をセンターサーバ12側に伝達し、センターサーバ12側にて、利用者がクライアント端末11を介して入力したスケジュール情報と当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴(場合によっては目的地情報も含む)との両方の情報を用いて、推定目的地に対する適切な表題を生成して、ナビゲーション装置13へ伝達するという構成としている。
【0036】
ただし、本発明は、図1のごとき構成に限定されるものではなく、たとえば、スケジュール情報は、クライアント端末11から利用者自身が直接入力した場合のみならず、別のデバイスで作成してクライアント端末11にダウンロードしてクライアント端末11からセンターサーバ12に伝達するように構成しても良いし、クライアント端末11ではなく、直接、センターサーバ12に入力するような構成であっても良いし、利用者自身ではなく、他の利用者からのスケジュール情報を当該利用者用のスケジュール情報として設定するような形式であってもかまわない。
【0037】
また、クライアント端末11は、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)ではなく、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)端末等としても良い。
【0038】
また、図1の構成とは異なり、図2に示すように、推定目的地に対する表題を生成してガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力する表題補完部104を、センターサーバ12側ではなく、ナビゲーション装置13側に配置するように構成しても良い。図2は、本発明によるナビゲーションシステムの図1とは異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【0039】
さらには、クライアント端末11から、センターサーバ12を介さずに、直接接続あるいは通信回線を介した接続によりスケジュール情報をナビゲーション装置13に転送して、推定目的地に対する表題をナビゲーション装置13側にて生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力する構成とすることも可能である。
【0040】
この場合、本ナビゲーションシステムは、図3、図4に示すように、クライアント端末11とナビゲーション装置13とによって構成することが可能であり、表題補完部104は、センターサーバ12側ではなくナビゲーション装置13側に配置され、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能は、クライアント端末11またはナビゲーション装置13側に配置される構成になる。図3および図4は、本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図であり、図3は、表題補完部104を、ナビゲーション装置13側に配置し、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能を、クライアント端末11側に配置した場合を示し、図4は、表題補完部104のみならず、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能も、ナビゲーション装置13側に配置した場合を示している。
【0041】
あるいは、ナビゲーション装置13から過去の移動履歴や推定した目的地に関する情報を、センターサーバ12を介さずに、直接接続あるいは通信回線を介した接続によりクライアント端末11側に転送して、推定目的地に対する表題をクライアント端末11にて生成して、センターサーバ12を介さずに、直接接続あるいは通信回線を介した接続によりナビゲーション装置13に送り返すことによって、クライアント端末11側で生成した表題を付与したガイド情報を利用者に対して提示するようにしても良い。
【0042】
この場合も、本ナビゲーションシステムは、図5に示すように、クライアント端末11とナビゲーション装置13とによって構成することが可能であり、表題補完部104は、クライアント端末11側に配置され、スケジュール管理部102に相当する機能も、クライアント端末11側に配置される構成になる。図5は、本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図であり、表題補完部104、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能が、クライアント端末11側に配置した場合を示している。
【0043】
以上のように、図1ないし図5のいずれの構成からなるナビゲーションシステムにおいても、目的地推定部108において、現在移動中の移動体の移動ルート、移動位置によって、過去の移動履歴に同一または類似の移動履歴が存在しているか否かを分析し、得られた分析結果に基づいて、行き先となる目的地を推定する。推定した目的地へのルートをガイドするガイド情報を利用者に対して出力する場合、表題補完部104において、利用者のスケジュール情報と移動体の移動履歴とに基づいて(つまり、スケジュール情報と移動履歴との一致性や類似性などの関連性を分析した結果に基づいて)、推定された目的地に対する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力するという仕組みを実現している。
【0044】
したがって、表題補完部104により、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題を、スケジュール情報を利用した情報とすることによって、利用者本人にとって分かり易い内容とすることができ、利用者は、ガイド情報に付与された表題から直ちに推定目的地の妥当性を判断することができる。その結果、推定目的地が所望の目的地と異なっている場合には、利用者は、直ちに、かつ、的確に、目的地の訂正等の適切な処置を実施することができるという効果が得られる。
【0045】
<基本機能の具体的な実現例>
次に、図1のナビゲーションシステムにおける各装置内の基本的な機能を実現するための具体的な装置構成の一例を、図6を用いて説明する。図6は、図1のナビゲーションシステムにおける各装置内の基本的な機能を実現するための具体的な装置構成の一例を示す装置構成図である。
【0046】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101は、図6に示す例においては、少なくとも、キーボード2111、タッチパッド2112をはじめとする汎用的な入力装置211と、ディスプレイ2141、スピーカ2142をはじめとする汎用的な出力装置214と、演算装置212と、記憶装置213とが組み合わされて実現され、かつ、センターサーバ12(場合によっては、ナビゲーション装置13)との通信機能を有する一般的な情報端末によって構成されている。たとえば、前述のように、PC(パーソナルコンピュータ)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話機、PHS端末等がその好例である。さらに、クライアント端末11として、PC、PDA、携帯電話機、PHS端末等の複数種類の情報端末との間で情報を相互にやり取り(インポート/エクスポート)することを可能とする仕組みを備えていれば、より使い勝手が向上する。すなわち、或る種類の情報端末で入力した情報を、別の種類の情報端末から閲覧、修正することが可能な構成とすることにより、融通性、柔軟性を向上させることができる。なお、図2ないし図5に示すようなシステム構成であっても、クライアント端末11に配置されるそれぞれの機能を実現する構成として、同様に、通信機能を有する一般的な情報端末を用いることができる。
【0047】
センターサーバ12のスケジュール管理部102、スケジュールデータベース103、表題補完部104は、図6に示す例においては、少なくとも、一般的な演算装置221および記憶装置222が組み合わされて実現され、かつ、クライアント端末11およびナビゲーション装置13との通信機能を有する一般的なサーバ装置によって構成されている。センターサーバ12は、多くの利用者からの情報の入出力要求に応えるために、強力かつ安定的な演算能力および大容量の記憶領域を備えることが望ましい。たとえば、複数の汎用的なPC(パーソナルコンピュータ)をクラスタ状に接続してトータルとして大きな性能を発揮するサーバ構成とすることが望ましい。また、図2に示すようなシステム構成であっても、センターサーバ12に配置される機能を実現する構成として、同様に、一般的なサーバ装置を用いることができる。
【0048】
ナビゲーション装置13のナビゲーション部106、移動履歴記録部107、目的地推定部108は、図6に示す例においては、少なくとも、タッチパネル2311、スイッチ2312、マイク2313をはじめとする汎用的な入力装置231と、ディスプレイ2341、スピーカ2342をはじめとする汎用的な出力装置234と、演算装置232と、記憶装置233とを組み合わせて実現され、かつ、センターサーバ12(場合によっては、クライアント端末11)との通信機能を有する一般的な情報端末によって構成されている。また、図2ないし図5に示すようなシステム構成であっても、ナビゲーション装置13に配置されるそれぞれの機能を実現する構成として、同様に、通信機能を有する一般的な情報端末を用いることができる。
【0049】
なお、前述したように、クライアント端末11、センターサーバ12、ナビゲーション装置13は、それぞれ、通信機能を実現する通信インタフェースを備えており、少なくとも、クライアント端末11とセンターサーバ12との間、センターサーバ12とナビゲーション装置13との間で任意の情報のやり取りを行うことが可能である。また、前述したように、クライアント端末11もしくはナビゲーション装置13自身が表題補完部104を備えるような構成も可能としており、かかる場合においては、センターサーバ12を介さずに、クライアント端末11とナビゲーション装置13との間で互いが直接接続または通信回線を介して情報のやり取りを行う構成とすることも可能である。
【0050】
<具体的な表題生成方法の一例>
次に、図1に示すセンターサーバ12の表題補完部104において、推定目的地に対する表題を生成する具体的な実施例について、その一例を説明する。
【0051】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101においては、前述のように、クライアント端末11に対して利用者から直接入力されたまたは他のデバイスから転送されてきた当該利用者のスケジュール情報の入力を受け付ける。入力されたスケジュール情報は、センターサーバ12のスケジュール管理部102を経てスケジュールデータベース103に蓄積される。ここで、スケジュール情報入出力部101のインタフェースとしては、一般的に普及している、メール機能、アドレス帳機能、スケジュール機能を一括管理することが可能なグループウェアが備えているインタフェースと同様の機能を具備していることが望ましい。この場合、センターサーバ12のスケジュール管理部102にも、各利用者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス等を登録したアドレス帳データベースが、スケジュールデータベース103と関連付けられて具備されていることが望ましい。
【0052】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101における利用者インタフェースの一例を図7に示す。図7は、クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101における利用者インタフェースの一例を示す模式図であり、図7(A)には、利用者のスケジュール情報を入力する画面情報の一例を示し、図7(B)には、利用者のスケジュール情報を一覧表示する画面情報の一例を示している。
【0053】
つまり、図7(A)におけるスケジュール入力画面31は、一つのスケジュール情報を入力する入力インタフェースを提供する画面例であり、スケジュールのタイトル、開催場所、主催者、必須参加者、任意参加者、開始日時、終了日時、重要度、公開・非公開の有無、利用者自身の参加表明情報(参加、仮の参加、未表明、不参加等)、そして、スケジュールの補足情報(たとえば、メール本文や資料の添付、署名等)を入力することができる構成となっており、スケジュールのタイトル、開催場所、開始日時、終了日時、主催者、参加者、イベントの内容のみならず、付随する各種情報を付与することができる拡張性を有する構成とされている。
【0054】
また、図7(B)におけるスケジュール一覧表示画面32は、入力したスケジュール情報を時系列に一覧表示する出力インタフェースを提供している画面例を示しており、各日付ごとの時間別のスケジュール情報が一覧表示されている。たとえば、図7(A)のスケジュール入力画面31によってスケジュール情報として入力された「商品説明会議」というタイトルのスケジュールについては、図7(B)のスケジュール一覧表示画面32内の1月9日の9時30分から12時までの時間帯に、商品説明会議321として、タイトル、開催場所、参加表明の有無が表示されている。
【0055】
さらに、図7(B)の例では、商品説明会議321の他に、歯医者322、C社打ち合わせ323、月例報告会324、○○誌取材325といったスケジュールが入力済みとなっており、一画面の表示範囲内の日付に関してスケジュールとして入力済みのすべてのスケジュール情報が一覧表示されている。ここで、スケジュール一覧表示画面32は、タッチパネル付きディスプレイに画面表示するようにしており、表示すると同時に、タッチパネルなどを利用してスケジュールの日程の変更・追加・消去等を行うこともできる。
【0056】
なお、図7(A)のスケジュール入力画面31に示す参加者欄(参加(必須)、参加(任意)の各欄)には、参加者の名前や参加者の所属会社名以外に、参加者のメールアドレスも入力することが可能であり、スケジュール作成後に、作成したスケジュールを、メールを用いて、当該参加者宛に通知することによって、該スケジュールを作成者のみならず他の参加者と共有することができる。
【0057】
ここで、当該参加者のメールアドレスを、スケジュールの作成者が参加者欄に直接入力することも可能であるが、前述したように、スケジュール情報入出力部101としてアドレス帳機能を具備することによって、アドレス帳から適宜選択することによって当該参加者のメールアドレス等の情報を効率的に入力することも可能である。さらに、開催場所についても、同様であり、作成者が直接入力することが可能である他に、開催場所に関する情報が、アドレス帳に保存されている場合には、選択操作のみで効率的に入力することも可能である。
【0058】
スケジュールデータベース103に記録されるスケジュール情報の一例を図8に示す。図8に示す登録例においては、スケジュールデータベース103の各スケジュール情報は、各スケジュールを識別するためのID(Identification Number)が付与されて登録されており、各スケジュールそれぞれのタイトル、開始日時、終了日時、開催場所、主催者、必須参加者、任意参加者、重要度、公開の有無、利用者自身の参加表明、補足情報が登録されている。
【0059】
図7(B)に例示した商品説明会議321,歯医者322,…,○○誌取材325の各スケジュールは、図8に示すスケジュール情報の登録例においては、それぞれ、ID=1,2,…,5に登録されている。なお、図8に示す登録例としては、これらのスケジュールの他に、さらに、ID=6〜9までのスケジュールが登録されて保持されている例を示している。
【0060】
一方、ナビゲーション装置13の目的地推定部108においては、移動体の現在移動中の移動位置情報と過去の移動履歴とを照合し、過去の移動頻度等を解析することによって、利用者の行き先と想定される目的地の推定を行う。しかる後、目的地の推定結果として得られた推定目的地の位置情報を過去の移動履歴とともにセンターサーバ12に送付して、推定目的地に対応する表題(ラベル)を問い合わせる。なお、推定目的地の位置情報としては、緯度経度情報が基本となる。ただし、過去の移動履歴に、当該緯度経度情報に該当する施設名称あるいは住所情報が記録されている場合には、当該緯度経度情報に付随する施設名称あるいは住所情報をも合わせてセンターサーバ12に送付する形としても良い。
【0061】
センターサーバ12の表題補完部104においては、ナビゲーション装置13から送信されてきた推定目的地の位置情報データ(緯度経度情報、さらに、場合によっては、施設名称あるいは住所情報も含む)と、スケジュールデータベース103から取得したスケジュール情報とを照合し、推定目的地に該当するスケジュール情報(つまり推定目的地との一致度または類似度が高いスケジュール情報)を抽出する。しかる後、抽出したスケジュール情報に基づいて、推定目的地に対する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして、ナビゲーション装置13に出力する。
【0062】
以上に説明したように、表題補完部104は、スケジュールサーバつまりセンターサーバ12のスケジュールデータベース103に、たとえば図8に示すような各利用者のスケジュール情報が記録されている中から、該当する利用者のスケジュール情報を検索して、検索した利用者のスケジュール情報に関するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報のいずれかを用いて、推定目的地に対する表題を生成して、利用者へ提示するガイド情報に付与することができるので、利用者にとって理解性が高い目的地に関する情報を表題として提示することができる。
【0063】
また、ナビゲーション装置13の移動履歴記録部107には、少なくとも、利用者に関する移動体の過去の移動ルート、出発・到着地点(主に、エンジンの始動・停止位置)、および、出発・到着日時(主に、エンジンの始動・停止日時)が、それぞれの利用者に関する移動体の移動履歴データとして記録されている。
【0064】
したがって、表題補完部104は、対象とする利用者に関する移動体に関する移動履歴データを移動履歴記録部107から取得し、推定目的地として推定された場所に関する移動履歴データの中から、到着日時に関する情報を抽出して、抽出された該到着日時に相当する開始日時の情報を有するスケジュール情報を、スケジュールデータベース103の中から検索することができる。到着日時に相当する開始日時の情報を有するスケジュール情報を得ることによって、推定目的地に実際に移動した過去の移動履歴と、該推定目的地に到着して開催されたスケジュール情報とを対応付けることが可能である。
【0065】
前述のように、過去の移動履歴データのうち到着日時を利用して、スケジュールデータベース103からスケジュール情報を抽出する場合、表題補完部104は、たとえば以下のような手順によって、表題を生成する。
【0066】
推定目的地への移動履歴データの到着日時に相当する開始日時の情報を有するスケジュール情報が、たとえば、図8のスケジュールデータベース103の中のスケジュール情報のうち、ID=1(商品説明会議)のスケジュール情報に相当している場合、該スケジュール情報の開催場所情報である「A社第3応接室」が表題として適切であるものと想定される。
【0067】
なお、ここで、利用者へ提示するガイド情報の表示スペースについて表題として表示するスペースに限りがあり、「A社第3応接室」という文字列を表示することができない場合には、たとえば、テキスト解析結果から、細かな場所に関する情報(たとえば、前述の「A社第3応接室」の例であれば、「第3応接室」など)を削除して、表題を単に「A社」として用いるようにしても良い。ただし、「第3応接室」などの細かな情報は、実際の移動時に有用と考えられるので、省略表示とした場合であっても、利用者の操作によって、詳細な情報の表示が指示された場合に、表示することを可能とする機能を付随することが望ましい。
【0068】
また、表題として抽出する情報は、開催場所に関する情報以外にも、たとえば、スケジュールのタイトル、開催時間、参加者などの情報も対象となり得る。たとえば、前述の図8のID=1(商品説明会議)の例であれば、表題として、タイトルと開催場所とを組み合わせて、「A社第3応接室(商品説明会議)」としたり、あるいは、開催場所と開催時間とを組み合わせて、「A社第3応接室(9時半〜12時)」としたり、あるいは、開催場所と参加者とを組み合わせて、「A社第3応接室(A社××様)」としたりすることができる。また、開催場所、タイトル、開催時間、参加者などの情報のうち、2種類の情報のみの組み合わせに限ることなく、3種類以上の情報を組み合わせても良い。
【0069】
さらに、表題の生成の際には、表示部の表示範囲のようなハードウェア的な要件と、利用者にとって煩わしくない情報量等の要件とに鑑みて、あらかじめ表示基準を決めておき、該表示基準に基づいて、表示内容を調整して出力する構成とすることが望ましい。
【0070】
なお、前述したように、ナビゲーション装置13からセンターサーバ12側に送られてくる推定目的地情報が、緯度経度情報のみならず、その住所情報や、該当する施設名称の情報を含むような場合には、これらの住所情報や施設名称情報などの情報をさらに組み合わせて表題を生成するようにしても良い。たとえば、図8のID=1(商品説明会議)の例において、ナビゲーション装置13から取得した推定目的地情報として、緯度経度情報以外に、住所情報「東京都中央区銀座」や施設名称情報「○○ビル」等が得られている場合には、「A社(東京都中央区銀座)」や、「A社××様(○○ビル)」のような表題とすることも可能である。
【0071】
さらには、開催場所、参加者等の情報が設定されていないスケジュール情報のような場合であっても、図8の補足情報にテキスト情報が登録されているような場合には、補足情報のテキスト情報を解析することによって、同様の情報を抽出することができる可能性がある。
【0072】
たとえば、図8のID=3(C社打ち合わせ)のスケジュール情報の場合は、開催場所に関する情報が記載されていないが、補足情報欄に示すように、テキスト情報として、相手先とやりとりしたメール(「○○(挨拶文)−署名:C社」)が登録されており、該メールの署名欄として、署名「C社」が付随している。このような場合、署名欄の情報から、相手先の氏名、法人名や住所等を抽出して、表題として利用することにより、開催場所に関する情報が設定されている場合と同様の表題を生成することができる。
【0073】
なお、スケジュールデータベース103からスケジュール情報を抽出する手法としては、一般的に知られているテキストマイニングや構文解析の手法を適用することが可能である。なお、このようなテキストマイニングや構文解析の手法を用いる場合は、場所に関連する情報を効果的に抽出することができるように、各種のルールを規定しておくことが望ましい。たとえば、固有名詞(人名、法人名)、住所、電話番号、メールアドレス、その他、「ビル」や「店」等の場所に付随するキーワードを抽出するためのルールを規定しておくことである。
【0074】
しかし、このようなルールに基づいて、場所に関連する情報の抽出を試みた結果、一つも場所に関連する情報が得られない場合もあり得る。たとえば、スケジュール情報として、開始日時と終了日時との2つの情報しか登録されていないような場合である。かくのごとく、スケジュール情報から場所に関連する情報が得られない場合には、推定目的地に対する表題を生成することが困難となる。したがって、かかる場合には、表題補完部104は、「表題を生成するスケジュール情報が存在しない」と判定することが妥当であり、この旨をガイド情報に付与して利用者に提示することが望ましい。
【0075】
以上のように、表題補完部104は、目的地推定部108が推定する推定目的地について、スケジュール情報に含まれる少なくとも開始日時に関する情報と、移動履歴から抽出することができる少なくとも到着日時に関連する情報とから、移動履歴に対応するスケジュール情報を抽出して、表題を生成する構成を用いることによって、実際に履行したスケジュール情報を用いた表題とすることができ、利用者にとってより理解性が高い表題が付与された推定目的地の提示を行うことができる。
【0076】
また、表題補完部104は、目的地推定部108が推定する推定目的地について、推定目的地に該当するスケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報などのいずれか1ないし複数の情報に含まれている内容に基づいて、推定目的地に対する表題を生成することにより、利用者にとって直感的に理解し易いガイド情報を提示することができる。
【0077】
さらに、表題補完部104は、目的地推定部108が推定する推定目的地について、たとえば、スケジュール情報に含まれる場所に関する情報と、移動履歴から抽出することができる到着地に関する地図情報とから表題を生成するという構成を用いることも可能であり、かかる場合、スケジュール情報に含まれる推定目的地の名称と、地図情報から得られる推定目的地の名称(住所名称や施設名称)とを組み合わせた表題を生成することもでき、利用者にとって理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0078】
また、移動履歴記録部107から得られる移動履歴データに関連するスケジュール情報が、スケジュールデータベース103の中に一対一に対応して記録されている場合には、表題補完部104において、前述のような手順によって表題を付与することができる。しかし、通常は、移動履歴記録部107には同様の移動履歴データが複数記録されており、かつ、スケジュールデータベース103には該当するスケジュール情報が複数存在することが想定される。
【0079】
かくのごとく、移動履歴データとスケジュール情報とが多対多の関係にある場合、同一の目的地を有する移動履歴データに対して、スケジュールデータベース103の中の該当する複数のスケジュール情報が抽出されてくるので、抽出された複数のスケジュール情報それぞれについて、場所以外の情報にも着目して、適宜、あらかじめ定めた規則に基づいて、各スケジュール情報の情報を統合して、表題を生成することが望ましい。
【0080】
たとえば、情報を統合するためにあらかじめ定めた規則としては、情報の鮮度に着目して、該当する各スケジュール情報のうち最新のスケジュールに含まれる情報を優先的に用いる方法や、スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する各情報について同一の文字または類似する文字が出現する出現頻度に着目して、該当する各スケジュール情報について重複して出現する情報を優先的に用いる方法などを適用することが望ましい。すなわち、スケジュール情報の鮮度を用いる方法と、該当する各スケジュール情報に現れたテキスト情報の出現頻度解析によって、重複して出現する頻度が高い情報を主要な情報として優先的に用いる方法などを適用することが望ましい。
【0081】
後者の例、つまり、該当する各スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報の少なくともいずれかの一致度から、スケジュール情報間の類似度を評価する方法の一例として、該当する各スケジュール情報の中の開催場所を示す情報について、次に説明する。
【0082】
たとえば、開催場所を示す情報として、「A社第3会議室」、「A社第2会議室」、「A社応接室」等の情報が存在していた場合には、出現頻度が最も高く、共通に用いられているキーワードの「A社」を抽出する等の方法を適用する。また、文字そのものが一致していなくても、意味が類似している場合には、同一のキーワードとみなすような、意味上のクラスタリング手法を適用することによって、出現頻度を解析する方法とすることも有効である。たとえば、「会議」、「打ち合わせ」、「商談」等については類似する意味を有しているものとみなして、これらのすべてを、たとえば「会議」という代表キーワードによってクラスタリングして出現頻度をカウントするような方法を用いるものである。
【0083】
また、前述のスケジュール情報の鮮度とスケジュール情報中の出現頻度との双方を加味して、重み付きの出現頻度解析を行う方法(つまり、新しいスケジュール情報のテキスト情報ほど、より大きな重みを付与して、キーワードの出現頻度解析を行う方法)を採用しても良い。
【0084】
さらに、該当するスケジュール情報を検索する際に、単純に、到着日時のみに鑑みて検索するのではなく、たとえば、移動ルートパターンごとに該当するスケジュール情報を抽出して表題生成を行う仕組みとすることによって、より正確な表題を生成することが可能になる。たとえば、地点Xを経由しながら地点Zに向かった場合のスケジュール情報と、地点Yを経由しながら地点Zに向かった場合のスケジュール情報とを別物として分析して、表題の生成およびガイド情報への付与を行うような構成を採用すれば、仮に、それぞれのルートパターンごとに、利用者の目的が異なっているような場合については、それぞれのスケジュール情報を弁別して表題の生成を行うことができるので、双方のスケジュール内容に異なる情報が含まれていた場合、この異なる情報を適切に反映した表題を生成することができる。
【0085】
なお、前述のように、表題を生成するために適用することが可能な該当するスケジュール情報が存在していない場合には、移動履歴とスケジュール情報との関連性に基づいた、表題を生成するという方法を適用することができない。このような場合が発生した際には、前述のように、ナビゲーション装置13側に補完データとしてその旨が通知されてくるので、従来技術の場合と同様に、かかる通知を受け取ったナビゲーション装置13側において、推定目的地の緯度経度情報を用いて地図情報を検索して、地図情報上の該当する位置に存在している施設名称や住所名称を表題として抽出するようにしても良い。
【0086】
ただし、このように、地図情報上から抽出した施設名称や住所名称を用いて表題を生成した場合、スケジュール情報とは連動していない旨(つまり、スケジュール情報を利用した表題ではない旨)を利用者に報知するために、ガイド情報として表題を利用者に提示する際に、表題の表示方法をスケジュール情報から抽出した場合とは異なる表示とすることが望ましい。たとえば、表題のフォントや背景の色、あるいは、スケジュール情報と連動した表題か否かが利用者にとって識別し易いアイコンの付与などを用いて差別化を図れば良い。
【0087】
図9に、ナビゲーション装置13において表題付きのガイド情報として推定目的地(候補目的地)へのナビゲーション情報を画面表示した場合の一例を示す。図9のナビゲーション画面において、地図画面上には、利用者本人の車両の現在位置が画面中央の地点P50として示され、現時点における推定目的地(候補目的地)が地点P51,P52,P53の3つの地点として示され、また、推定目的地(候補目的地)である地点P51,P52,P53それぞれへの最適なルートが経路R51,R52,R53として示されている。
【0088】
図9のナビゲーション画面の右側のウィンドウ枠には、現時点の3つの推定目的地(候補目的地)である地点P51,P52,P53それぞれに相当する推定目的地A,B,Cが、目的地候補D54,D56,D58として、それぞれ、A社(会議)、本社(東京)(定例会)、事業所(横浜)のように、複数表示されている。
【0089】
複数の目的地候補D54,D56,D58それぞれの信頼度すなわち推定の度合い(つまり、スケジュール情報と移動履歴との一致度、類似度の度合い)を円筒形グラフの長短で示しており、図9の例では、目的地候補D54、D56、D58の順番に表題に利用されたスケジュール情報の信頼度(推定度合い)が高い場合を示している。なお、目的地候補D54,D56,D58のような表題に利用されているスケジュール情報の信頼度に関する判定方法について、つまり、表題として生成するためにどの程度相応しいスケジュール情報か否かを示す信頼度を評価する判定方法については、第2の実施形態において、その詳細を説明する。
【0090】
ここで、図9の画面表示を、タッチパネル付きディスプレイ上に表示するようにしている場合には、たとえば、このナビゲーション画面上で利用者が目的地候補D54,D56,D58のうちいずれかの目的地候補にタッチすると、タッチした目的地候補を利用者が所望する目的地として確定して、他の目的地候補をナビゲーション画面から消去するという構成とすることもできる。
【0091】
また、スケジュールデータベース103のスケジュール情報から得られた情報を用いた表題であるか否かを、利用者が容易に認識することができるように、スケジュール情報を用いた表題であった場合には、図9のスケジュールアイコンD53,D55,D57のように、スケジュール情報から得られた情報であることを示すアイコンが合わせて表示されており、一方、スケジュール情報を用いず、地図情報から求めた表題であった場合には、図9の推定目的地D(横浜市西区高島)のように、スケジュールアイコンは表示されない。
【0092】
以上のように、表題補完部104は、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、該複数のスケジュール情報それぞれをあらかじめ定めた規則にしたがって適宜統合して、統合した情報を用いて、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力するという構成を用いることによって、利用者にとってより理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0093】
さらに、表題補完部104は、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、該複数のスケジュール情報の鮮度および/または類似度(つまり同一情報の出現頻度)に基づいて、表題を生成する構成を採用することによって、鮮度が高いスケジュールおよび/または類似度が高いスケジュールを優先的に用いて、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題を生成することができ、利用者にとってより理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0094】
さらに、スケジュール情報の鮮度は、該スケジュール情報の作成日時または実施日時からの経過時間として評価し、また、スケジュール情報の類似度は、スケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報の少なくともいずれかの一致度から評価するものとする構成を採用することによって、スケジュール情報の鮮度や類似度をより確実に求めることができ、利用者にとってより理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。なお、各情報の一致度を評価する際には、同一の文字のみに限らず、同一の意味を有する文字についても、一致しているものとしてクラスタリングすることにより、スケジュール情報の類似度をより確実に評価することができる。
【0095】
<表題生成の処理手順例>
次に、以上に説明した本実施形態のナビゲーションシステムにおける表題生成までの一連の処理手順について、図10のフローチャートを用いてさらに説明する。図10は、本発明によるナビゲーションシステムにおける表題生成までの一連の処理手順の一例を示すフローチャートであり、本発明によるナビゲーション方法の一例を示している。図10のフローチャートにおいて、図10(A)に示すステップS101〜ステップS106までの処理は、クライアント端末11−センターサーバ12間の処理であり、一方、図10(B)に示すステップS107〜ステップS116までの処理は、ナビゲーション装置13−センターサーバ12間の処理である。
【0096】
なお、図10(A)と図10(B)との処理は、独立した処理であり、図10(A)においてクライアント端末11を用いて利用者がセンターサーバ12にスケジュール情報を更新登録すると、しかる後においては、図10(B)において、ナビゲーション装置13側が推定した推定目的地に関する表題をセンターサーバ12において生成処理を行う際に、図10(A)にて利用者により更新登録されたスケジュール情報を利用することが可能な状態になる。
【0097】
まず、図10(A)のクライアント端末11−センターサーバ12間の処理について説明する。
【0098】
図10(A)において、センターサーバ12にて、利用者のクライアント端末11からのスケジュール閲覧要求を待ち合わせ、スケジュールの閲覧要求があった場合には(ステップS101のYES)、利用者のスケジュール閲覧要求に基づいて、要求された日時範囲、時間範囲のスケジュール情報をスケジュールデータベース103から検索し、GUI(Graphical User Interface)上の形式に整形して、クライアント端末11に対して通信回線を介して転送する(ステップS102)。
【0099】
次いで、クライアント端末11においては、転送されてきたスケジュール情報を画面表示するとともに、利用者からの新規スケジュールの入力を待ち合わせ、新規スケジュールの入力があった場合には(ステップS103のYES)、ステップS104へ移行する。なお、新規スケジュールではなく、登録済みの既存スケジュールの修正・更新の入力があった場合であっても、同様に、ステップS104に移行する。なお、利用者のスケジュール情報は、利用者が直接入力する場合のみに限らず、他のデバイスから転送されてきたスケジュール情報が入力される場合であっても良い。
【0100】
ステップS104において、利用者から入力されたスケジュール情報について、異常な内容を示す異常値の存在の有無を確認する(ステップS104)。スケジュール情報の異常値としては、たとえば、開始日時と終了日時との間の矛盾や、競合スケジュールの存在等がある。かくのごとき異常値が検出された場合には(ステップS104のYES)、異常値が存在する旨を利用者へ報知して、スケジュール情報の再入力を促し、ステップS103に復帰する。ただし、競合スケジュールの存在に関しては、競合している旨の注意を利用者に報知するだけにして、競合する該スケジュール情報の登録自体に関しては、許容するようにしても良い。
【0101】
入力されたスケジュール情報について、異常値が検出されなかった場合は(ステップS104のNO)、登録すべきスケジュール情報として確定し、ステップS105に移行して、クライアント端末11は、確定されたスケジュール情報をセンターサーバ12へ通信回線を介して転送する(ステップS105)。クライアント端末11からのスケジュール情報を受け取ったセンターサーバ12は、転送されてきたスケジュール情報をスケジュール管理部102の制御によりスケジュールデータベース103に記録する(ステップS106)。
【0102】
次に、図10(B)のナビゲーション装置13−センターサーバ12間の処理について説明する。
【0103】
図10(B)において、ナビゲーション装置13は、エンジンの始動を検出すると(ステップS107のYES)、移動履歴を記録されている移動履歴記録部107を参照して、当該移動体の移動履歴として記録された過去の移動ルート、出発地、到着地、出発日時、到着日時等の走行履歴情報(つまり、移動履歴データ)をセンターサーバ12へ通信回線を介して送信する(ステップS108)。
【0104】
センターサーバ12の表題補完部104は、ナビゲーション装置13から取得した移動履歴データに含まれている到着地の情報に基づき、スケジュールデータベース103を検索して、該到着地と同一の目的地ごとに、該到着地の到着日時付近で開催された開始日時の情報を有するスケジュール情報を抽出する(ステップS109)。スケジュールデータベース103の中に該当するスケジュール情報が存在していなかった場合には(ステップS110のNO)、該当するスケジュール情報が存在していない旨を付してステップS112へ移行する。
【0105】
一方、スケジュールデータベース103の中に該当するスケジュール情報が存在していた場合には(ステップS110のYES)、スケジュールデータベース103から抽出された各スケジュール情報群のテキスト情報を分析して、ガイド情報に付与すべき表題(ラベル)を生成する(ステップS111)。
【0106】
ここで、表題生成方法としては、前述したように、抽出された複数のスケジュール情報について、それぞれを構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、または、イベント内容などに関する各情報のテキスト情報中の出現頻度の解析結果に基づいて、出現頻度が高い重要なキーワードを抽出する、あるいは、各スケジュール情報の作成日時または開催日時の解析結果に基づいて、鮮度が高い最新のスケジュール情報中のテキスト情報から優先的にキーワードを抽出する等が用いられる。
【0107】
次いで、ステップS111にて表題が生成されていた場合には、推定目的地に関して生成した表題を、一方、ステップS110にて該当するスケジュール情報が存在していない旨が通知されてきた場合には、その旨を付した情報を、利用者へ提示すべきガイド情報への補完データとして、センターサーバ12からナビゲーション装置13へ転送する(ステップS112)。補完データを受信したナビゲーション装置13においては、補完データとして表題を受信していた場合は、ナビゲーション装置13の移動履歴記録部107に移動履歴データとして記録されているそれぞれの到着地に対応させる形で、受信した表題を、移動履歴記録部107に記録し、以降においては、到着地の緯度経度情報や地図情報による住所情報以外に、表題をも含む形で移動履歴データを扱うような構成としても良い。
【0108】
しかる後、補完ラベルデータを受信したナビゲーション装置13の目的地推定部108においては、移動体の現在の移動位置、移動ルートに基づいて、過去の移動体の走行履歴(移動履歴)に鑑みて、今回の目的地(到着予定地)を推定目的地として推定する(ステップS113)。さらに、センターサーバ12から転送されてきた到着地ごとの表題を参照して、推定された推定目的地について、スケジュール情報から取得した表題が存在する場合には(ステップS114のYES)、図9に示したように、スケジュールアイコン付きとして、推定目的地に対応する表題を、ガイド情報に付与して、利用者に対して提示する(ステップS115)。
【0109】
一方、推定された推定目的地について、該当するスケジュール情報が存在していなく、スケジュール情報から生成した表題が存在していなかった場合には(ステップS114のNO)、スケジュール情報を用いることなく、地図情報から、緯度経度情報が位置する近隣の住所名称、もしくは、緯度経度情報が示す施設名称を抽出し、抽出した情報を、スケジュールアイコン無しの表題として、ガイド情報に付与して、利用者に提示するというスケジュール非連動表題付与処理を行う(ステップS116)。
【0110】
なお、本フローチャートにおいては、ナビゲーション装置13からセンターサーバ12側には、推定目的地に関する情報を転送することなく、ステップS108において、移動履歴データのみを転送することにより、センターサーバ12側から、推定目的地の如何によらず、移動履歴データと関連性が深いとみなされるスケジュール情報を利用した表題を生成して、補完データとしてナビゲーション装置13に返送させる例について示している。したがって、しかる後、ナビゲーション装置13側において、ステップS113において推定した推定目的地に該当する表題を、センターサーバ12から返送された補完データの中から抽出する場合について示している。
【0111】
しかし、本発明は、前述したように、かかる場合に限るものではなく、ステップS113における推定目的地の推定処理を、ステップS108に前に実施することにして、ステップS108において、推定目的地の推定処理により得られた推定目的地を移動履歴データとともに、センターサーバ12側に転送するようにしても良い。かかる場合には、センターサーバ12側から、移動履歴データのうち推定目的地と関連性が深いとみなされるスケジュール情報を利用した表題が生成されて、補完データとしてナビゲーション装置13に返送されてくるので、ナビゲーション装置13側においては、補完データに表題が含まれているか否かを判定して、含まれていた場合にはガイド情報に直ちに付与して出力することができる。
【0112】
以上のように、クライアント端末11、センターサーバ12、ナビゲーション装置13の連動動作によって、現在移動中の移動体の移動ルートや移動位置として、過去の移動履歴に同一または類似の移動履歴が存在しているか否かを分析し、過去の移動体の移動履歴の分析結果に基づいて、行き先となる目的地を推定し、推定した目的地へのルートをガイドするガイド情報をサビゲーションデータとして利用者に対して提示する際に、利用者のスケジュール情報と移動体の移動履歴とに基づいて(つまり、スケジュール情報と移動履歴との一致度や類似度の分析結果に基づいて)、推定される推定目的地の表題を生成して、ガイド情報に付与して出力するという動作を実現している。
【0113】
したがって、推定される推定目的地に対する表題を、利用者本人にとって分かり易い内容とすることができ、利用者は、ガイド情報に付与された表題から直ちに推定目的地の妥当性を判断することができる。その結果、推定目的地が所望の目的地と異なっている場合には、利用者は、直ちに、かつ、的確に、目的地の訂正等の適切な処置を実施することができるという効果が得られる。
【0114】
(第2の実施形態)
<システム構成>
図11は、本発明によるナビゲーションシステムの第2の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図であり、本発明の基本的な構成として第1の実施形態の図1とは異なる構成例を示している。図11に示すように、第2の実施形態のナビゲーションシステムは、第1の実施形態の図1の場合と同様に、クライアント端末11、センターサーバ12A、および、ナビゲーション装置13を少なくとも含んで構成されるが、図1の場合とは異なり、センターサーバ12Aには、信頼度判定部105がさらに追加されている。なお、第1の実施形態の図2ないし図5のようなシステ構成の場合であっても、基本的には同様であるが、かかる場合には、信頼度判定部105を、センターサーバ12Aではなく、表題補完部104と同一の装置内(ナビゲーション装置13またはクライアント端末11)に配置するようにすることが望ましい。
【0115】
本実施形態における第1の実施形態との違いは、信頼度判定部105において、表題として生成するために相応しいスケジュール情報か否かを、「信頼度」という指標により判定した結果を出力してくる点にある。ここで言う「信頼度」とは、スケジュールデータベース103に記録されているスケジュール情報が、実際に、利用者によって遵守されたものとみなすことができる程度を示す指標のことであり、「信頼度」のレベルが高いほど、スケジュール情報がその通り遵守されており、推定目的地の表題を示す情報として、より正確性が高い情報であるということを示している。
【0116】
信頼度判定部105において判定されたスケジュール情報の信頼度を示す指標は、表題補完部104において参照されて、表題として利用することが可能なスケジュール情報を取得して、取得したスケジュール情報と、移動履歴データとに基づいて、推定目的地に対する表題を生成する際にも利用されて、表題として抽出するスケジュール情報の対象範囲を切り替えることを可能とするとともに、生成した表題と、信頼度判定部105にて判定した信頼度とを、ガイド情報に対して付与すべき補完データ(補完ラベルデータ)として出力する動作を行うことが可能である。
【0117】
該補完ラベルデータを受け取ったナビゲーション装置13においては、該補完ラベルデータに含まれている表題を、ガイド情報に付与すると同時に、該補完ラベルデータに含まれている該表題に関する信頼度も、ガイド情報に付与して、利用者に対して提示する。この結果、利用者は、たとえば、1ないし複数の推定目的地が、目的地候補として得られた場合に、それぞれの推定目的地に対する推定の度合いつまり信頼度を把握することができ、いずれの推定目的地を、目的地として設定すべきかを、より正確に判断することができる。
【0118】
なお、信頼度に関する画面表示例としては、第1の実施形態の図9に示すように、推定目的地を示す表題を付した円筒形グラフの長さとして表示するようにしても良いし、数値や信頼度レベルに応じて大きさや形状や色や階調が異なるアイコンとして表示するようにしても良い。
【0119】
以下の説明においては、第1の実施形態と重複する説明は省略し、第1の実施形態と異なる信頼度判定部105の機能に限って説明することにする。
【0120】
本実施形態においては、前述のように、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムにおける表題の生成・付与動作に対して、さらに、スケジュール情報と移動履歴、推定目的地との一致度の評価結果から、該スケジュール情報を利用者自身が遵守する可能性すなわちスケジュールの信頼度を評価する信頼度判定部105を併せ持つ構成としている。利用者自身が遵守する可能性が高いスケジュール情報については、推定目的地に対する表題として、信頼度がより高く、より正確な情報であることを示していることになる。
【0121】
信頼度判定部105は、たとえば、移動履歴記録部107から取得した過去の走行履歴(移動履歴)について、出発地、到着地の移動履歴ごとに分類した履歴群の中に含まれている到着日時、出発日時の履歴情報に基づいて、スケジュールデータベース103の中から該当するスケジュール情報を抽出し、抽出したスケジュール情報の信頼度を判定するようにしても良く、信頼度判定部105の機能は、たとえば図6に示したサーバ装置12の演算装置221および記憶装置222を組み合わせて実現される。
【0122】
かくのごとき構成とすることによって、推定目的地に対する表題とともにその信頼度を画面表示するのみならず、推定目的地に対する表題そのものを生成する際に、利用者が実際にスケジュールを遵守したと思われるスケジュール情報を信頼し、信頼が得られたスケジュール情報を、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題として利用するようにすることもできる。而して、実際に遵守された可能性が高いつまり信頼度が高いスケジュール情報を表題として利用することによって、表題の正確性がより高くなり、利用者にとってさらに直感的に理解し易い表題を生成して、ガイド情報に付与した形で推定目的地の提示を行うことができる。
【0123】
<信頼度の判定方法>
次に、信頼度判定部105の「信頼度」の判定方法について、さらに説明する。
【0124】
信頼度判定部105において、表題として相応しいスケジュール情報であるか否かの信頼度を判定する方法として、たとえば次のような方法を用いる。
【0125】
(1)場所の一致度による判定
推定目的地とスケジュール情報中の場所(開催場所)との一致度を検証する。
【0126】
(2)滞在時間の一致度による判定
走行履歴(移動履歴)の到着地における到着日時、出発日時から推定される滞在時間と、スケジュール情報中の開始日時、終了日時から得られる開催時間との一致度を検証する。
【0127】
(3)スケジュール情報の付随情報に基づく判定
スケジュール情報自体に設定されている主催者や参加者属性(必須参加、任意参加)や重要度、スケジュール属性(定期アイテム、個別アイテム)、参加表明の有無との関係などの付随情報を考慮する。
【0128】
(4)複数スケジュール間の類似度による判定
移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、スケジュール情報それぞれを構成する各情報全体を分析し、各スケジュール情報間の類似度に基づいて信頼度を決定する。
【0129】
以下に、各信頼度の判定方法について、個別に、その具体例を説明する。
【0130】
(1)場所の一致度による判定
まず、推定目的地と該当スケジュール情報中の場所との一致度を検証することによって、信頼度を判定する場合について説明する。
【0131】
移動履歴記録部107に記録されている走行履歴データ(移動履歴データ)は、一般に、利用者が所望する目的地と一致する場所におけるエンジン停止時の位置が、到着日時と到着地として記録されている。したがって、エンジン停止時の位置情報(つまり到着地)と、到着日時と同一の日時に設定されているスケジュール情報の場所情報との一致度が高い場合(つまり、両者のテキスト情報に同一文字列が存在している度合いが大きい場合)、または、到着日時からあらかじめ定めた許容時間内(たとえば、到着日時の前後15分の範囲内の開始日時)に設定されているスケジュール情報の場所情報との一致度が高い場合、該スケジュール情報は遵守された可能性が高いものと想定される。
【0132】
検証処理は、以下の通りである。まず、移動履歴記録部107から得られた走行履歴データ(移動履歴データ)中の到着地への到着日時と同一時間帯(同一日時または前記許容時間内)のスケジュール情報をスケジュールデータベース103の中から検索し、該スケジュール情報に記録された施設関連情報すなわち開催場所を示す施設名称や住所名称の情報を抽出する。しかる後、移動履歴記録部107に記録されている到着地の場所に関する情報と、スケジュール情報から抽出された施設関連情報との一致度を判定する。両者の一致度が高いと判定された場合には、当該スケジュール情報は利用者によって遵守された可能性が高いものと判定され、表題に利用するスケジュール情報としての信頼度が高いものと判定される。
【0133】
なお、図8のスケジュールデータベース103中のスケジュール情報の「開催場所」に場所データが記録されていれば、該場所データを施設関連情報として利用することが可能である。さらには、「開催場所」以外であっても、スケジュール情報として補足されている「補足情報」のたとえば署名部分に住所や会社名が含まれている場合には、該署名部分の住所や会社名についても施設関連情報として利用することができる。
【0134】
場所の一致度による判定は、移動履歴記録部107として過去の移動履歴に利用者が所望する到着地の場所に関する情報(住所名称や施設名称など)が設定されていた場合に有効な判定処理であり、かかる場合に、スケジュール情報から抽出した施設関連情報と、移動履歴から推定した目的地の情報との一致度の判定結果から、信頼度を判定する構成となっている。したがって、場所に関する情報の一致度を用いて、実際の利用者の行動履歴としてスケジュール情報が遵守されたか否かを評価することができ、遵守された可能性が高いか否かを信頼度として表題とともに出力したり、あるいは、遵守された可能性が高いスケジュール情報を用いて、表題を生成したりすることができるので、ガイド情報に付与されて提示される表題の信頼度が高くなり、利用者にとって直感性が高い表題とすることができる。
【0135】
さらには、たとえば、施設関連情報としては、前述の施設名称や住所名称のような場所に関する情報つまり開催場所情報のみに限らず、センターサーバ12内に記録されているアドレス帳やスケジュール情報に含まれる主催者や参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、また、スケジュール情報の補足情報の署名欄に含まれる相手先のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス等を手がかりとして、検索エンジン等から主催者や相手先などを割り出し、開催場所つまり開催地を示す社名(施設名称)や住所名称を抽出することも可能である。
【0136】
したがって、施設関連情報として、スケジュール情報に含まれる開催場所に関する情報のみならず、主催者・参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、署名欄に含まれている住所、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスのうち、少なくともいずれか一つ以上の情報を用いて、施設の名称もしくは住所名称を取得する構成とすることにより、スケジュール情報から適切に施設の名称や住所名称を抽出することができ、移動履歴における目的地との照合結果から、当該スケジュール情報が遵守されたか否かを、より広範な情報に基づいて評価することができる。
【0137】
かくのごとき少なくともいずれか一つ以上の情報を用いて、スケジュール情報に関する開催場所が施設関連情報として抽出された場合に、信頼度判定部105においては、抽出された開催場所が表題として利用する情報として信頼度が高いか否かを判定するために、該開催場所を緯度経度情報へ変換するようにしても良い。つまり、移動履歴の到着地として施設名称などの情報が付属していなく、緯度経度情報のみがナビゲーション装置13から転送されてくる場合、信頼度判定部105においては、緯度経度情報を用いて、信頼度の評価を行うようにしても良い。
【0138】
該開催場所を緯度経度情報へ変換する方法は、近年普及しつつある、「ジオコーディング」と呼ばれる方法を用いることができる。「ジオコーディング」とは、地図上に配置された施設名称や住所情報と緯度経度情報とを相互に変換する手法のことであり、互いの対応関係をデータベースとして保持することによって実現されている。
【0139】
信頼度判定部105において、施設関連情報として開催場所の施設名称や住所情報がスケジュール情報から抽出された場合、「ジオコーディング」を適用して、該開催場所に関する情報を緯度経度情報に変換して、変換した緯度経度情報とナビゲーション装置13から得られた移動履歴の到着地の緯度経度情報とを照合し、その近接度合いによって信頼度を判定する。近接度合いの評価尺度として、たとえば、両者の位置関係が5km圏内あるいは同一町内等であれば、高い信頼度を設定して、該スケジュール情報を信頼して、表題生成に用いることとし、逆に、10km圏外にあるかあるいは同一市内で存在していない場合等においては、低い信頼度を設定して、該スケジュール情報を表題生成に用いない等の処理を行うようにしても良い。
【0140】
なお、ナビゲーション装置13側にて、「ジオコーディング」を行い、移動履歴を記録する際に、移動履歴データとして記録される出発地や到着地の緯度経度情報を施設名称や住所情報に変換して、移動履歴記録部107に移動記録データとして記録するように構成しても良いし、記録された過去の移動履歴データを、スケジュール情報と照合するために、センターサーバ12側に転送する際に、過去の移動履歴データの到着地の緯度経度情報を施設名称や住所情報に変換して、転送するように構成しても良い。
【0141】
また、たとえば、クライアント端末11側の利用者とのインタフェースとして設けられている、開催場所を設定するインタフェースに、「ジオコーディング」を実装することも可能である。すなわち、利用者がスケジュール情報を登録するために、クライアント端末11に開催場所を入力する際に、画面表示された地図上の開催場所を示すポイントをたとえばクリック等を行うことによって、「ジオコーディング」を動作させて、開催場所とともに該開催場所の緯度経度情報を併せて出力し、出力結果を、センターサーバ12Aに転送するように構成することも可能である。
【0142】
したがって、クライアント端末11側のインタフェースに「ジオコーディング」を実装している場合、センターサーバ12Aのスケジュールデータベース103には、当初から、開催場所以外に該開催場所の緯度経度情報が格納されることになるので、ナビゲーション装置13から移動履歴データの到着地として緯度経度情報が転送されてくる場合の、両者の照合処理を効率的に行うことが可能となる。
【0143】
(2)滞在時間の一致度による判定
次に、走行履歴(移動履歴)から推定される滞在時間と、推定目的地に該当するスケジュール情報中の開催時間との一致性を検証することによって、信頼度を判定する場合について説明する。
【0144】
ナビゲーション装置13の移動履歴記録部107に記録されている移動履歴データは、出発地、到着地のデータを、前述のように、たとえば、エンジンの始動・停止日時(出発日時・到着日時)とともに記録している。したがって、或る日時の前回の移動履歴におけるエンジン停止日時すなわち目的地への到着日時と、次回の移動履歴におけるエンジン始動日時すなわち目的地からの出発日時とから求められる目的地における滞在時間が、該当する日時のスケジュール情報の開催時間と一致するか、または、あらかじめ定めた許容時間内(たとえば、到着日時・出発日時それぞれの前後15分の範囲内の開始日時・終了日時)に設定されているスケジュール情報の場合には、該スケジュール情報は遵守された可能性が高いものとみなすことができる。よって、このような移動履歴データから求められる滞在時間と一致しているか、または、前記許容時間内の開催日時の情報を有するスケジュール情報ほど、信頼度を高く設定し、滞在時間との一致度が低いスケジュール情報の場合ほど、信頼度を低く設定する。
【0145】
(3)スケジュール情報の付随情報に基づく判定
次に、スケジュール情報に設定されている主催者や参加者の属性、重要度、参加表明の有無などの付随情報を考慮することによって、信頼度を判定する場合について説明する。
【0146】
図8のスケジュールデータベース103に示したスケジュール情報のように、スケジュール情報には、主催者、必須参加者、任意参加者、スケジュールの重要度、利用者自身の参加表明といった情報を「スケジュール属性情報」として含ませることが可能である。この「スケジュール属性情報」によって、信頼度を、或る程度判別することができる。たとえば、以下のように、「スケジュール属性情報」によって、スケジュールの遵守度を判別して、信頼度に関するレベル分けを行うことが可能である。
【0147】
(a)スケジュールの重要度が低い場合よりも、高い場合の方が遵守する可能性が高い。
【0148】
(b)スケジュールが繰り返し開催されるという反復属性(定期性を有する属性)を含む場合ほど、遵守する可能性が高い。
【0149】
(c)利用者自身が主催者であるスケジュールの場合、他の参加者が存在しない場合より、参加する場合の方が遵守する可能性が高い。
【0150】
(d)利用者自身が主催者ではないスケジュールの場合、主催者が同一団体内である場合よりも、別団体である場合の方が遵守する可能性が高い。
【0151】
(e)利用者自身が主催者ではないスケジュールの場合、利用者自身が任意出席者の場合よりも、必須出席者の場合の方が遵守する可能性が高い。
【0152】
(f)参加表明が「仮の出席表明」や「未表明」の場合よりも、「出席表明」の場合の方が遵守する可能性が高い。
【0153】
かくのごとく、「スケジュール属性情報」に基づいてレベル分けされた遵守可能性を、それぞれ、あらかじめ定めた基準値を用いて信頼度のパラメータ値に変換することにする。また、レベル分けされた遵守可能性に関する複数の条件つまり「スケジュール属性情報」を構成する各情報を組み合わせて信頼度を評価する場合には、重み付け加算とすることが望ましい。ここで、重み付け加算する場合の重みについては、たとえば、被験者等を用いてスケジュールの遵守状況を一定期間記録したデータ等を作成して、実際の遵守率を最適に反映するような学習を行うことによって調整する等の方法を用いることが望ましい。
【0154】
さらに、クライアント端末11に、移動体の製品出荷後において、スケジュール情報が遵守されたか否かをチェックすることを可能とする機構を設けたり、あるいは、ナビゲーション装置13側に、移動体の製品出荷後において、推定目的地を表題付きで提示した際に、表題の提示内容を、利用者が否定したり、訂正したりすることが可能な機構を設けたりすることによって、フィードバックデータを取得するようにしても良い。取得したフィードバックデータに基づいて、再学習を行って、信頼度のパラメータ値を利用者ごとに最適化するような仕組みを採用することによって、信頼度としての指標の正確性をさらに向上させることができる。
【0155】
(4)複数スケジュール情報間の類似度による判定
次に、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、複数個のスケジュール情報それぞれを構成する各情報全体を分析し、各スケジュール情報間の類似度に基づき信頼度を決定する場合について説明する。
【0156】
移動履歴中の目的地と同一の開催場所となるスケジュール情報が複数存在する場合に、複数のスケジュール情報それぞれを構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容の少なくとも一つ以上の各情報の中には、スケジュール情報間で一致する情報と一致しない情報とが混在する可能性が高いので、各スケジュール情報それぞれを構成する各情報間の一致度を判別する。ここで、情報間の一致度とは、たとえば、参加者の重複度合いや、タイトルの一致度等であり、意味的に同一であれば、一致したものとみなす。各スケジュール情報それぞれを構成する各情報間の一致度をたとえば画一的に分析し、各情報間の一致度に基づいて、スケジュール情報群を分類した結果として得られた複数のグループのうち、最も所属スケジュール数が多いグループのスケジュール情報について、類似度が高いスケジュール情報群として、より大きな信頼度を設定することとすれば良い。
【0157】
センターサーバ12Aの表題補完部104では、以上のようにして、信頼度判定部105にて得られた信頼度付きのスケジュール情報を参照して表題を設定することが可能である。たとえば、信頼度があらかじめ定めた所定の値よりも高いスケジュール情報のみを用いて表題を生成し、生成した表題を信頼度とともに、ガイド情報に付与して、利用者に提示するようにすることができる。
【0158】
以上のように、信頼度判定部105は、スケジュール情報から抽出した施設関連情報と、移動履歴から推定した目的地の情報との間の一致度から、信頼度を判定する構成を用いることによって、実際の移動履歴でスケジュール情報を利用者自身が遵守したか否かを評価し、利用者が遵守した可能性が高いスケジュール情報ほど信頼度を高く設定するので、信頼度が高いスケジュール情報を利用して生成された表題ほど、その正確性が高くなり、利用者にとって直感性の高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0159】
ここで、施設関連情報を、スケジュール情報に含まれる、開催場所、主催者や参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、あるいは、メールの署名欄に含まれる住所、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスの少なくともいずれか一つ以上の情報から抽出するものとし、抽出した施設関連情報を用いて施設の名称もしくは施設の位置を検出する構成を用いることによって、より広範囲の情報を利用して、スケジュール情報から適切に施設の名称や施設の位置を抽出することができ、スケジュールを遵守したか否かをより確実に評価することができる。
【0160】
また、信頼度判定部105は、スケジュール情報から抽出した開催時間(開始日時、終了日時)と移動履歴から算出した実際の滞在時間(到着日時、出発日時)とに鑑みて、信頼度を算出する構成を用いることによって、利用者の実際の移動履歴に鑑みて、信頼度のレベル如何によって、利用者自身がスケジュールを遵守したか否かを確実に判定することができ、表題の正確性を高めることができる。
【0161】
さらに、信頼度判定部105は、スケジュールの発信者(主催者)が、利用者本人であるか否か、あるいは、スケジュールの参加者が、本人のみであるか否か、あるいは、スケジュールの参加者に、別組織の人物が含まれているか否か、あるいは、スケジュールが反復属性(定期性を有する属性)を含むか否か、あるいは、当該スケジュールの参加要求レベルが必須であるか否か、あるいは、当該スケジュールの利用者自身の参加表明状態が参加であるか否かなどの「スケジュール属性情報」のうちいずれか少なくとも一つ以上の情報を用いて、スケジュール情報の信頼度を判定する構成を用いることによって、簡易的に、利用者自身がスケジュールを遵守したか否かを判断することができ、表題の正確性を高めることができる。
【0162】
さらに、信頼度判定部105は、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、同一の開催場所となる複数個のスケジュール情報間の類似度に基づいて、信頼度を判定する構成を用いることによって、スケジュール情報を構成する各情報の多くが同一となっていて、類似度が高いスケジュール情報ほど、スケジュール情報を遵守した可能性が高いものと判断することができ、表題の正確性を高めることができる。
【0163】
ここで、スケジュール情報間の類似度として、各スケジュールを構成するスケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報の少なくともいずれか一つ以上の情報の一致度から評価する構成を用いることによって、スケジュール情報間の類似度を、総合的に、比較することが可能であり、類似するスケジュール情報をさらに適切に抽出することができる。
【0164】
なお、信頼度判定部105は、移動履歴記録部107に記録された移動履歴の情報のみならず、図11にも示すように、目的地推定部8にて推定した推定目的地に関する情報も受け取って、スケジュール情報の信頼度を判定する際に、受け取った推定目的地に関連するスケジュール情報を抽出して、信頼度を判定するようにしても良い。
【0165】
また、表題に利用したスケジュール情報の信頼度をガイド情報として利用者に提示する場合、図9に示すように、表題の信頼度の程度を利用者が容易に理解できるような円筒形グラフなどを含むアイコンとして表示するようにしても良いし、表題の信頼度の程度を示す数値を付随させて提示する等の方法を採用することとしても良い。また、スケジュール情報を利用した表題であるか否かについても、利用者が容易に判別できるように、図9に示したようなスケジュールアイコンを付随させて表示するようにしても良い。
【0166】
また、スケジュール情報の信頼度を加味して、異なる表題を生成することとし、信頼度が高いスケジュール情報を用いて生成した表題については、スケジュール情報のタイトルのみ等の簡潔な表題を付与することとし、信頼度が中程度のスケジュール情報を用いて生成した表題については、ナビゲーション装置13が地図情報から取得した住所や施設名称をさらに付与する形とすることとしても良い。一方、信頼度が低いスケジュール情報に関しては、ナビゲーション装置13が地図情報から取得した住所や施設名称を表題として表示し、カッコ書き等によって、スケジュール情報から得られた表題を付与することとしても良いし、表題に該当する候補となるスケジュール情報が、スケジュールデータベース103内に存在していなかった場合には、地図情報から取得した住所や施設名称のみを表題として表示することにしても良い。
【0167】
つまり、表題補完部104は、信頼度判定部105が判定した信頼度の判定結果に応じて、スケジュール情報のタイトルのみを表題として生成して表示する形式と、スケジュール情報のタイトルと開催場所情報(住所情報や施設名称)との双方を表題として生成して表示する形式と、地図情報から取得した場所情報(住所情報や施設名称)にスケジュール情報のタイトルをカッコ書きで表題として生成して表示する形式と、地図情報から取得した場所情報(住所情報や施設名称)のみを表題として生成して表示する形式とを切り替える構成を用いることによって、スケジュール情報の信頼度が高い場合には、簡潔な表題とし、スケジュールの信頼度が不十分であっても、補足情報を付与した表題とすることによって、利用者にとって理解性の高い表題を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明によるナビゲーションシステムの第1の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明によるナビゲーションシステムの図1とは異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図3】本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図4】本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図5】本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図6】図1のナビゲーションシステムにおける各装置内の基本的な機能を実現するための具体的な装置構成の一例を示す装置構成図である。
【図7】クライアント端末のスケジュール情報入出力部における利用者インタフェースの一例を示す模式図である。
【図8】スケジュールデータベースに記録されるスケジュールデータの一例を示すデータ構成図である。
【図9】ナビゲーション装置において表題付きのガイド情報として推定目的地(候補目的地)へのナビゲーション情報を画面表示した場合の一例を示す画面図である。
【図10】本発明によるナビゲーションシステムにおける表題生成までの一連の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明によるナビゲーションシステムの第2の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0169】
11…クライアント端末、12…センターサーバ(スケジュールサーバ)、13…ナビゲーション装置、31…スケジュール入力画面、32…スケジュール一覧表示画面、101…スケジュール情報入出力部、102…スケジュールサーバ、103…スケジュールデータベース、104…表題補完部、105…信頼度判定部、106…ナビゲーション部、107…移動履歴記録部、108…目的地推定部、211…入力装置、212…演算装置、213…記憶装置、214…出力装置、231…入力装置、232…演算装置、233…記憶装置、234…出力装置、321…商品説明会議、322…歯医者、323…C社打ち合わせ、324…月例報告会、325…○○誌取材、2111…キーボード、2112…タッチパッド、2141…ディスプレイ、2142…スピーカ、2311…タッチパネル、2312…スイッチ、2313…マイク、2341…ディスプレイ、2342…スピーカ、D53,D55,D57…スケジュールアイコン、D54,D56,D58…目的地候補、P50…地点(車両位置)、P51,P52,P53…地点(推定目的地)、R51,R52,R53…経路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関し、特に、利用者のスケジュール情報に関連付けて、ナビゲーションにおいて推定した目的地に対する表題(ラベル)を補完して付与することを可能とするナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が所望する目的地へルート案内を行うナビゲーション装置について、近年、目的地を自動的に推定し、ルート案内およびルートに関わる各種情報を利用者(ドライバ)に対して提供する手法が盛んになってきている。これは、現在の移動ルートに基づいて、過去の移動体の移動履歴を分析して、該移動履歴の分析結果から、今回の行き先つまり目的地を推定するという技術に基づいている。本技術は、日常的に移動するルートについて、毎回のように、目的地設定を行うことが面倒であり、利用者(ドライバ)の利便性向上を図るという要求に応えることを目的としている。
【0003】
目的地の推定に基づく自動ルート案内が可能になると、利用者は、直接、目的地の設定操作を行う必要が無くなり、利便性が著しく向上することになる。ここで、目的地の推定に基づく自動ルート案内について、重要な要素の一つとして、推定した目的地に対する表題(ラベル)の付与がある。目的地の推定精度が、仮に100%であれば、正しく推定された目的地へのルート案内と該ルートに関連する情報のみを提示することで十分であるので、目的地に対する表題の付与自体はあまり問題にはならない。
【0004】
しかしながら、現実的には、100%の推定精度を得ることは困難であるので、目的地の推定技術と併せて、推定結果として得られた推定目的地を利用者に対して効率良く提示することが、ユーザビリティの向上に寄与するために強く要求される。すなわち、ナビゲーション装置として、今回、どの場所を推定目的地として推定しているかということを、表題(ラベル)として、利用者に理解し易い形式で明示的に示すことが重要である。かくのごとき表題を提示することによって、推定した目的地が、利用者が所望する目的地と一致しているか否かを、利用者は、容易に認識することができ、仮に、推定精度が悪く、推定目的地が所望の目的地ではなかった場合であっても、その状況を利用者が知ることができ、利用者は、目的地に対する的確な訂正操作等を行うことができる。
【0005】
推定目的地に対する表題(ラベル)の自動付与技術としては、たとえば、特許文献1の特開2001−108466号公報「車両走行誘導装置」がある。該特許文献1においては、エンジンをオフにした際の緯度経度情報を、目的地の場所を示す情報として認識するとともに、該緯度経度情報の地点の最寄りの住所データ(住所名称)を地図情報から取得して、緯度経度情報とともに移動履歴情報として記録することとしている。したがって、以降の移動時において、推定目的地の緯度経度情報が得られた際に、該移動履歴情報を参照することによって、当該推定目的地に関する住所データを、当該推定目的地に対する表題として付与して利用者に提示することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1のように、エンジンオフ時の緯度経度情報とともに地図情報が示す最寄りの住所データ(住所名称)を付与して登録するという技術の場合、該緯度経度情報の最寄りの住所データ(住所名称)は、目的地として登録されるべき地点を示す情報としては利用者の印象が薄い可能性があり、どの目的地に対して登録されたかということを利用者が直感的に理解することができない可能性が大きい。たとえば、目的地の緯度経度情報とともに「神奈川県横浜市西区高島付近」などの住所データが登録されていたとしても、かくのごとき住所データでは、たとえ、普段から通い慣れている場所であっても、利用者は把握していない場合が多く、利用者が直感的に理解することは容易ではないという問題がある。
【0007】
本発明は、かくのごとき問題を解決するためになされたものであり、利用者に対するルートをガイドするガイド情報として、利用者にとって直感的に理解することが容易な表題が付されたガイド情報を利用者に提示するナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題を解決するために、利用者が使用する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定し、該指定目的地へのルートをガイドするガイド情報を当該利用者へ提示する際に、当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与して出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法によれば、利用者本人が実際に行動した可能性が高いスケジュール情報を利用して、推定された目的地に対する表題を生成して、利用者へのルートガイド用として提示するガイド情報に付与して出力するという仕組みを実現しているので、推定目的地に対する表題が、利用者本人にとって分かり易い内容とすることができ、利用者は、ガイド情報に付与された表題から直ちに推定目的地を理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明によるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびナビゲーション方法の最良の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてまずその概要を説明する。本発明によるナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置とセンターサーバ(スケジュールサーバ)とを少なくとも備え、両者が連携して、利用者の操作負担を軽減すると同時に、利用者にとって理解し易い表題を付したガイド情報を提示することを主な特徴としている。
【0012】
ここで、ナビゲーション装置は、移動体の移動履歴の分析結果に基づいて、利用者からの入力無しに、利用者の行き先である目的地を推定目的地として推定し、該推定目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するものであり、センターサーバ(スケジュールサーバ)は、利用者のスケジュール情報(つまり、電子予定表、電子日記帳等を利用して設定される個人行動記録:行動予定、行動履歴)を管理するものである。センターサーバ(スケジュールサーバ)に記録されている利用者のスケジュール情報とナビゲーション装置に記録されている移動履歴(走行履歴)とを利用して、ナビゲーション装置が推定した推定目的地に対応する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完データとして出力することにより、スケジュール情報を利用して生成された表題が付されたガイド情報を、推定目的地へのルートガイド用として利用者へ提示することを主な特徴としている。
【0013】
つまり、ナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置とセンターサーバ(スケジュールサーバ)とは、互いに、情報を送受信する通信手段を備えており、センターサーバ(スケジュールサーバ)に記録されている利用者のスケジュール情報を、当該利用者の移動体に搭載されたナビゲーション装置に記録されている当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴との関連付けを行うことにより、ナビゲーション装置が推定した推定目的地に対応するスケジュール情報を抽出して、抽出したスケジュール情報に基づいて、推定目的地を示す表題(ラベル)を生成して、ルートガイド用のガイド情報に付与して、利用者に提示することを特徴としている。
【0014】
ここで、移動体としては、車両、船舶、航空機など、乗員を目的地へ移動させるための担体であれば、如何なる形態のものであってもかまわないが、以下の実施形態の説明においては、車両の場合を中心にして説明する。
【0015】
また、ナビゲーション装置とセンターサーバ(スケジュールサーバ)との間の情報の送受信に用いる通信手段は、移動体用の通常の無線通信システムに適用される通信手段であれば、如何なる形態のものであっても良い。
【0016】
また、センターサーバ(スケジュールサーバ)に利用者のスケジュール情報を登録する場合、利用者それぞれが所持するクライアント端末から、適当な通信ネットワーク(インターネットなど)を介して、センターサーバ(スケジュールサーバ)にアクセスすることによって、登録する場合を中心にして、以下の実施形態においては説明するが、あらかじめ割り当てられている各利用者から収集したスケジュール情報をセンターサーバ(スケジュールサーバ)にて直接登録するような形式であっても良い。また、場合によっては、センターサーバ(スケジュールサーバ)を設置しないで、クライアント端末またはナビゲーション装置に利用者のスケジュール情報を登録管理させるような構成であっても良い。
【0017】
また、利用者のスケジュール情報は、前述のように、電子予定表や電子日記帳などとして広く利用されているスケジュール管理ソフトウェアに登録されているような個人の行動予定・行動履歴に関する情報であり、少なくとも、スケジュールのタイトル、開催場所、開始日時(開始日時、終了日時)、主催者、参加者、または、イベント内容などから構成されている。
【0018】
なお、スケジュール情報のイベント内容として、スケジュールの主催者が、ガイド情報が提示される利用者本人であるか否か、スケジュールへの参加者が、ガイド情報が提示される利用者本人のみであるか否か、スケジュールへの参加者に、異なる組織の人物が含まれているか否か、スケジュールが繰り返し開催される反復属性を含んでいるか否か、スケジュールへの参加要求レベルが、ガイド情報が提示される利用者本人にとって必須とされているか否か、スケジュールへの参加表明が、ガイド情報が提示される利用者本人によりなされているか否か、などの情報を登録することも、また、主催者または参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスなどの情報を登録することもできることが望ましい。
【0019】
また、利用者が使用するクライアント端末は、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)を中心にして、以下の実施形態においては説明するが、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)端末など任意の形態の端末であってかまわない。
【0020】
(第1の実施形態)
まず、本発明における第1の実施形態として、利用者が使用する移動体(車両)の過去の移動履歴(走行履歴)を用いて、当該移動体の行き先となる目的地を推定した際に、電子予定表、電子日記帳等の個人行動記録であるスケジュール情報と連携することによって、推定した目的地を利用者にとって認識し易いラベルを表題として生成して、ガイド情報に付与して利用者へ提示する場合について、その一例を説明する。
【0021】
<システム構成>
図1は、本発明によるナビゲーションシステムの第1の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図であり、本発明の基本的な構成例を示している。図1に示すように、第1の実施形態のナビゲーションシステムは、クライアント端末11、センターサーバ12、および、ナビゲーション装置13を少なくとも含んで構成されており、図示していない通信回線を用いて、相互に情報の送受信が可能とされている。
【0022】
クライアント端末11は、利用者からのスケジュール情報の入力を受け付けるとともに、利用者へスケジュール情報の閲覧情報を提示する役割を担い、センターサーバ12は、クライアント端末11に入力されたスケジュール情報を、通信回線を介して転送されることによって、保持するスケジュールサーバの役割を担う。また、ナビゲーション装置13は、利用者を目的地まで案内するルート案内機能を担うものであり、本発明においては、さらに、利用者の目的地設定操作を行うこと無しに、目的地および移動ルート(走行ルート)を自動的に推定し、該目的地までのガイドを行う目的地推定機能をも有している。なお、センターサーバ12は、前述のように、利用者のスケジュール情報を管理するためのスケジュールサーバとして機能するものであり、たとえば電子予定表、電子日記帳等の形式を用いて記録されている利用者の行動予定、行動履歴を、スケジュール情報として管理するものである。
【0023】
図1に示すように、クライアント端末11は、スケジュール情報入出力部101を少なくとも備えており、たとえばPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)などの一般的な情報端末を用いて構成されている。センターサーバ12は、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103、表題補完部104を少なくとも備え、ナビゲーション装置13は、ナビゲーション部106、移動履歴記録部107、目的地推定部108を少なくとも備えている。
【0024】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101は、利用者によるスケジュール情報(行動予定、行動履歴)の入力および閲覧のためのインタフェースである。
【0025】
センターサーバ12のスケジュール管理部102は、利用者からクライアント端末11を介して入力されたスケジュール情報の登録要求や、スケジュール情報の取得要求に基づいて、スケジュールデータベース103に登録したり、他のスケジュール情報との競合を検出したり、必要なスケジュール情報を検索したり、スケジュール情報の閲覧要求があった利用者のクライアント端末11や場合によってはあらかじめ設定されている他利用者のクライアント端末11へスケジュール情報を転送したりする処理を行う部位である。
【0026】
また、スケジュールデータベース103は、利用者のスケジュール情報(行動予定、行動履歴)を、効率的なデータ形式に加工して蓄積する記憶手段である。また、表題補完部104は、本発明特有の部位であり、ナビゲーション装置13から転送されてきた利用者に関する移動体の過去の移動履歴およびスケジュールデータベース103内に蓄積されている利用者のスケジュール情報の関連性に鑑みて、推定目的地に対する表題(ラベル)を生成して、利用者へ提示すべきガイド情報に付与するための補完データ(つまり補完ラベルデータ)として出力する部位である。
【0027】
なお、スケジュール管理部102は、一般的なスケジュール管理ソフトウェアにおいて用いられているスケジュール管理機能と同様の機能を有している。つまり、前述のように、オフィス等で汎用的に用いられているグループウェアとしてのスケジュール管理ソフトや、携帯電話機やインターネット上で利用することができる電子予定表や電子日記帳などの各種スケジュール管理ソフトを利用する形としても良い。ただし、前述のようなスケジュール管理ソフトに入力されたスケジュール情報は、図1のセンターサーバ12において、スケジュールデータベース103に蓄積することができ、かつ、表題補完部104による表題生成のために適宜抽出することができることが必要である。
【0028】
また、スケジュール管理部102は、スケジュール情報として、スケジュールのタイトル、開催場所、開始日時、終了日時、主催者、参加者、イベントの内容に関する情報を少なくとも有し、さらに、付随する各種情報を付与することができる拡張性を有する構成となっていることが望ましい。たとえば、イベントの内容として、スケジュールへの任意出席や必須出席等の、参加者の参加要件の強さや、スケジュールが繰り返し開催されるか否かを示す反復属性や、スケジュール自体の重要度などや、利用者によるスケジュールへの参加表明の有無、主催者または参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスなどの情報をスケジュール情報として設定することができるように構成されることが望ましい。詳細は後述するが、かくのごときスケジュール情報の各種情報を利用することによって、表題補完部104にて推定目的地に対する表題を生成する際に、より正確な表題を生成して付与することが可能になる。
【0029】
また、ナビゲーション装置13のナビゲーション部106は、利用者の所望する目的地までのルートを演算してガイド情報(表題補完部104にて生成された表題を付与したガイド情報)として出力する部位であり、移動履歴記録部107は、移動体の移動履歴を蓄積保存する記憶手段である。また、目的地推定部108は、現在移動中の移動体の移動位置、移動ルートに基づいて、移動履歴記録部107に蓄積されている移動体の移動履歴を分析することによって、利用者が目的地の設定操作を行うこと無しに、目的地やルートを自動的に推定して推定目的地として出力する部位である。
【0030】
以上のように、本実施形態におけるナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置13として、目的地へのルートをガイドするガイド情報を利用者へ提示するために、利用者に関する移動体(たとえば車両)が移動した履歴を記録する移動履歴記録部107と、現在の移動位置の推移と移動履歴記録部107に記録されている移動履歴とを分析することにより、利用者の行き先となる目的地を推定する目的地推定部108とを少なくとも有するとともに、利用者のスケジュール情報(行動予定、行動履歴)を管理するセンターサーバ12として、目的地推定部108が推定した推定目的地について、当該利用者に関する移動体(たとえば車両)の移動履歴と当該利用者のスケジュール情報との関連性に基づいて、当該利用者のスケジュール情報から抽出した情報を用いて、当該利用者にとって理解し易い表題(ラベル)を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力する表題補完部104を少なくとも有する構成としている。
【0031】
ここで、利用者のスケジュール情報は、利用者本人が入力する以外に、利用者の周りの関係者が入力することも可能であるが、いずれにしても、利用者本人が実際に行動する予定や行動した履歴を示す情報であるので、該スケジュール情報に含まれるスケジュールの開催場所や実行場所に関する情報は、利用者本人にとって理解し易い表現となっている可能性が高い。したがって、当該利用者のスケジュール情報に含まれている情報を推定目的地の表題(ラベル)として生成することによって、利用者にとって理解性が高い目的地の情報が表題として付与されたガイド情報を利用者に提示することができる。
【0032】
たとえば、従来技術のように、推定目的地に対する表題を地図情報から取得するような場合、地図情報上にすべての地点に対応して施設名称が付与されているとは限らないため、このような場合には、推定目的地に対する表題として該地点を含む住所情報たとえば「神奈川県横浜市西区高島付近」として提示される場合が多くなる。こうした住所情報での提示は、たとえ普段から通い慣れた場所であっても、利用者は把握していないことが多く、推定目的地とされた場所を直感的に理解することは容易ではない。
【0033】
また、施設名称が地図情報上に登録されていた場合であっても、テナントビルや複合商業施設などにように、複数の会社、店舗等が一つの地点に集中している場合、個々の会社名や店舗名ではなく、ビル名称や施設の総合名称が登録されている場合が多い。しかし、利用者の実際の目的地は、当該ビルや施設の中の特定の会社や特定の店舗であり、利用者は、会社名や店舗名は把握していても、ビル名称や施設の総合名称を把握していないことが多いので、ビル名称や施設の総合名称を表題として提示されても、利用者は推定目的地とされた場所を理解し難い場合が多い。
【0034】
これに対して、本実施形態においては、利用者が実際に行動するために登録しているスケジュール情報を利用して、表題を生成しているので、利用者は、ルートガイド用として提示されたガイド情報に付与されて出力されている表題を、直感的に理解することができる可能性が極めて高い。
【0035】
なお、図1に示す本実施形態は、前述のように、カーナビゲーション装置13として近年普及しつつある通信機能を有するカーナビゲーション装置を用いている。すなわち、図示しない通信回線を用いて、利用者に関する移動体の過去の移動履歴さらに場合によっては推定した目的地に関する情報をセンターサーバ12側に伝達し、センターサーバ12側にて、利用者がクライアント端末11を介して入力したスケジュール情報と当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴(場合によっては目的地情報も含む)との両方の情報を用いて、推定目的地に対する適切な表題を生成して、ナビゲーション装置13へ伝達するという構成としている。
【0036】
ただし、本発明は、図1のごとき構成に限定されるものではなく、たとえば、スケジュール情報は、クライアント端末11から利用者自身が直接入力した場合のみならず、別のデバイスで作成してクライアント端末11にダウンロードしてクライアント端末11からセンターサーバ12に伝達するように構成しても良いし、クライアント端末11ではなく、直接、センターサーバ12に入力するような構成であっても良いし、利用者自身ではなく、他の利用者からのスケジュール情報を当該利用者用のスケジュール情報として設定するような形式であってもかまわない。
【0037】
また、クライアント端末11は、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)ではなく、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)端末等としても良い。
【0038】
また、図1の構成とは異なり、図2に示すように、推定目的地に対する表題を生成してガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力する表題補完部104を、センターサーバ12側ではなく、ナビゲーション装置13側に配置するように構成しても良い。図2は、本発明によるナビゲーションシステムの図1とは異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【0039】
さらには、クライアント端末11から、センターサーバ12を介さずに、直接接続あるいは通信回線を介した接続によりスケジュール情報をナビゲーション装置13に転送して、推定目的地に対する表題をナビゲーション装置13側にて生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力する構成とすることも可能である。
【0040】
この場合、本ナビゲーションシステムは、図3、図4に示すように、クライアント端末11とナビゲーション装置13とによって構成することが可能であり、表題補完部104は、センターサーバ12側ではなくナビゲーション装置13側に配置され、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能は、クライアント端末11またはナビゲーション装置13側に配置される構成になる。図3および図4は、本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図であり、図3は、表題補完部104を、ナビゲーション装置13側に配置し、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能を、クライアント端末11側に配置した場合を示し、図4は、表題補完部104のみならず、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能も、ナビゲーション装置13側に配置した場合を示している。
【0041】
あるいは、ナビゲーション装置13から過去の移動履歴や推定した目的地に関する情報を、センターサーバ12を介さずに、直接接続あるいは通信回線を介した接続によりクライアント端末11側に転送して、推定目的地に対する表題をクライアント端末11にて生成して、センターサーバ12を介さずに、直接接続あるいは通信回線を介した接続によりナビゲーション装置13に送り返すことによって、クライアント端末11側で生成した表題を付与したガイド情報を利用者に対して提示するようにしても良い。
【0042】
この場合も、本ナビゲーションシステムは、図5に示すように、クライアント端末11とナビゲーション装置13とによって構成することが可能であり、表題補完部104は、クライアント端末11側に配置され、スケジュール管理部102に相当する機能も、クライアント端末11側に配置される構成になる。図5は、本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図であり、表題補完部104、スケジュール管理部102、スケジュールデータベース103に相当する機能が、クライアント端末11側に配置した場合を示している。
【0043】
以上のように、図1ないし図5のいずれの構成からなるナビゲーションシステムにおいても、目的地推定部108において、現在移動中の移動体の移動ルート、移動位置によって、過去の移動履歴に同一または類似の移動履歴が存在しているか否かを分析し、得られた分析結果に基づいて、行き先となる目的地を推定する。推定した目的地へのルートをガイドするガイド情報を利用者に対して出力する場合、表題補完部104において、利用者のスケジュール情報と移動体の移動履歴とに基づいて(つまり、スケジュール情報と移動履歴との一致性や類似性などの関連性を分析した結果に基づいて)、推定された目的地に対する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力するという仕組みを実現している。
【0044】
したがって、表題補完部104により、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題を、スケジュール情報を利用した情報とすることによって、利用者本人にとって分かり易い内容とすることができ、利用者は、ガイド情報に付与された表題から直ちに推定目的地の妥当性を判断することができる。その結果、推定目的地が所望の目的地と異なっている場合には、利用者は、直ちに、かつ、的確に、目的地の訂正等の適切な処置を実施することができるという効果が得られる。
【0045】
<基本機能の具体的な実現例>
次に、図1のナビゲーションシステムにおける各装置内の基本的な機能を実現するための具体的な装置構成の一例を、図6を用いて説明する。図6は、図1のナビゲーションシステムにおける各装置内の基本的な機能を実現するための具体的な装置構成の一例を示す装置構成図である。
【0046】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101は、図6に示す例においては、少なくとも、キーボード2111、タッチパッド2112をはじめとする汎用的な入力装置211と、ディスプレイ2141、スピーカ2142をはじめとする汎用的な出力装置214と、演算装置212と、記憶装置213とが組み合わされて実現され、かつ、センターサーバ12(場合によっては、ナビゲーション装置13)との通信機能を有する一般的な情報端末によって構成されている。たとえば、前述のように、PC(パーソナルコンピュータ)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話機、PHS端末等がその好例である。さらに、クライアント端末11として、PC、PDA、携帯電話機、PHS端末等の複数種類の情報端末との間で情報を相互にやり取り(インポート/エクスポート)することを可能とする仕組みを備えていれば、より使い勝手が向上する。すなわち、或る種類の情報端末で入力した情報を、別の種類の情報端末から閲覧、修正することが可能な構成とすることにより、融通性、柔軟性を向上させることができる。なお、図2ないし図5に示すようなシステム構成であっても、クライアント端末11に配置されるそれぞれの機能を実現する構成として、同様に、通信機能を有する一般的な情報端末を用いることができる。
【0047】
センターサーバ12のスケジュール管理部102、スケジュールデータベース103、表題補完部104は、図6に示す例においては、少なくとも、一般的な演算装置221および記憶装置222が組み合わされて実現され、かつ、クライアント端末11およびナビゲーション装置13との通信機能を有する一般的なサーバ装置によって構成されている。センターサーバ12は、多くの利用者からの情報の入出力要求に応えるために、強力かつ安定的な演算能力および大容量の記憶領域を備えることが望ましい。たとえば、複数の汎用的なPC(パーソナルコンピュータ)をクラスタ状に接続してトータルとして大きな性能を発揮するサーバ構成とすることが望ましい。また、図2に示すようなシステム構成であっても、センターサーバ12に配置される機能を実現する構成として、同様に、一般的なサーバ装置を用いることができる。
【0048】
ナビゲーション装置13のナビゲーション部106、移動履歴記録部107、目的地推定部108は、図6に示す例においては、少なくとも、タッチパネル2311、スイッチ2312、マイク2313をはじめとする汎用的な入力装置231と、ディスプレイ2341、スピーカ2342をはじめとする汎用的な出力装置234と、演算装置232と、記憶装置233とを組み合わせて実現され、かつ、センターサーバ12(場合によっては、クライアント端末11)との通信機能を有する一般的な情報端末によって構成されている。また、図2ないし図5に示すようなシステム構成であっても、ナビゲーション装置13に配置されるそれぞれの機能を実現する構成として、同様に、通信機能を有する一般的な情報端末を用いることができる。
【0049】
なお、前述したように、クライアント端末11、センターサーバ12、ナビゲーション装置13は、それぞれ、通信機能を実現する通信インタフェースを備えており、少なくとも、クライアント端末11とセンターサーバ12との間、センターサーバ12とナビゲーション装置13との間で任意の情報のやり取りを行うことが可能である。また、前述したように、クライアント端末11もしくはナビゲーション装置13自身が表題補完部104を備えるような構成も可能としており、かかる場合においては、センターサーバ12を介さずに、クライアント端末11とナビゲーション装置13との間で互いが直接接続または通信回線を介して情報のやり取りを行う構成とすることも可能である。
【0050】
<具体的な表題生成方法の一例>
次に、図1に示すセンターサーバ12の表題補完部104において、推定目的地に対する表題を生成する具体的な実施例について、その一例を説明する。
【0051】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101においては、前述のように、クライアント端末11に対して利用者から直接入力されたまたは他のデバイスから転送されてきた当該利用者のスケジュール情報の入力を受け付ける。入力されたスケジュール情報は、センターサーバ12のスケジュール管理部102を経てスケジュールデータベース103に蓄積される。ここで、スケジュール情報入出力部101のインタフェースとしては、一般的に普及している、メール機能、アドレス帳機能、スケジュール機能を一括管理することが可能なグループウェアが備えているインタフェースと同様の機能を具備していることが望ましい。この場合、センターサーバ12のスケジュール管理部102にも、各利用者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス等を登録したアドレス帳データベースが、スケジュールデータベース103と関連付けられて具備されていることが望ましい。
【0052】
クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101における利用者インタフェースの一例を図7に示す。図7は、クライアント端末11のスケジュール情報入出力部101における利用者インタフェースの一例を示す模式図であり、図7(A)には、利用者のスケジュール情報を入力する画面情報の一例を示し、図7(B)には、利用者のスケジュール情報を一覧表示する画面情報の一例を示している。
【0053】
つまり、図7(A)におけるスケジュール入力画面31は、一つのスケジュール情報を入力する入力インタフェースを提供する画面例であり、スケジュールのタイトル、開催場所、主催者、必須参加者、任意参加者、開始日時、終了日時、重要度、公開・非公開の有無、利用者自身の参加表明情報(参加、仮の参加、未表明、不参加等)、そして、スケジュールの補足情報(たとえば、メール本文や資料の添付、署名等)を入力することができる構成となっており、スケジュールのタイトル、開催場所、開始日時、終了日時、主催者、参加者、イベントの内容のみならず、付随する各種情報を付与することができる拡張性を有する構成とされている。
【0054】
また、図7(B)におけるスケジュール一覧表示画面32は、入力したスケジュール情報を時系列に一覧表示する出力インタフェースを提供している画面例を示しており、各日付ごとの時間別のスケジュール情報が一覧表示されている。たとえば、図7(A)のスケジュール入力画面31によってスケジュール情報として入力された「商品説明会議」というタイトルのスケジュールについては、図7(B)のスケジュール一覧表示画面32内の1月9日の9時30分から12時までの時間帯に、商品説明会議321として、タイトル、開催場所、参加表明の有無が表示されている。
【0055】
さらに、図7(B)の例では、商品説明会議321の他に、歯医者322、C社打ち合わせ323、月例報告会324、○○誌取材325といったスケジュールが入力済みとなっており、一画面の表示範囲内の日付に関してスケジュールとして入力済みのすべてのスケジュール情報が一覧表示されている。ここで、スケジュール一覧表示画面32は、タッチパネル付きディスプレイに画面表示するようにしており、表示すると同時に、タッチパネルなどを利用してスケジュールの日程の変更・追加・消去等を行うこともできる。
【0056】
なお、図7(A)のスケジュール入力画面31に示す参加者欄(参加(必須)、参加(任意)の各欄)には、参加者の名前や参加者の所属会社名以外に、参加者のメールアドレスも入力することが可能であり、スケジュール作成後に、作成したスケジュールを、メールを用いて、当該参加者宛に通知することによって、該スケジュールを作成者のみならず他の参加者と共有することができる。
【0057】
ここで、当該参加者のメールアドレスを、スケジュールの作成者が参加者欄に直接入力することも可能であるが、前述したように、スケジュール情報入出力部101としてアドレス帳機能を具備することによって、アドレス帳から適宜選択することによって当該参加者のメールアドレス等の情報を効率的に入力することも可能である。さらに、開催場所についても、同様であり、作成者が直接入力することが可能である他に、開催場所に関する情報が、アドレス帳に保存されている場合には、選択操作のみで効率的に入力することも可能である。
【0058】
スケジュールデータベース103に記録されるスケジュール情報の一例を図8に示す。図8に示す登録例においては、スケジュールデータベース103の各スケジュール情報は、各スケジュールを識別するためのID(Identification Number)が付与されて登録されており、各スケジュールそれぞれのタイトル、開始日時、終了日時、開催場所、主催者、必須参加者、任意参加者、重要度、公開の有無、利用者自身の参加表明、補足情報が登録されている。
【0059】
図7(B)に例示した商品説明会議321,歯医者322,…,○○誌取材325の各スケジュールは、図8に示すスケジュール情報の登録例においては、それぞれ、ID=1,2,…,5に登録されている。なお、図8に示す登録例としては、これらのスケジュールの他に、さらに、ID=6〜9までのスケジュールが登録されて保持されている例を示している。
【0060】
一方、ナビゲーション装置13の目的地推定部108においては、移動体の現在移動中の移動位置情報と過去の移動履歴とを照合し、過去の移動頻度等を解析することによって、利用者の行き先と想定される目的地の推定を行う。しかる後、目的地の推定結果として得られた推定目的地の位置情報を過去の移動履歴とともにセンターサーバ12に送付して、推定目的地に対応する表題(ラベル)を問い合わせる。なお、推定目的地の位置情報としては、緯度経度情報が基本となる。ただし、過去の移動履歴に、当該緯度経度情報に該当する施設名称あるいは住所情報が記録されている場合には、当該緯度経度情報に付随する施設名称あるいは住所情報をも合わせてセンターサーバ12に送付する形としても良い。
【0061】
センターサーバ12の表題補完部104においては、ナビゲーション装置13から送信されてきた推定目的地の位置情報データ(緯度経度情報、さらに、場合によっては、施設名称あるいは住所情報も含む)と、スケジュールデータベース103から取得したスケジュール情報とを照合し、推定目的地に該当するスケジュール情報(つまり推定目的地との一致度または類似度が高いスケジュール情報)を抽出する。しかる後、抽出したスケジュール情報に基づいて、推定目的地に対する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして、ナビゲーション装置13に出力する。
【0062】
以上に説明したように、表題補完部104は、スケジュールサーバつまりセンターサーバ12のスケジュールデータベース103に、たとえば図8に示すような各利用者のスケジュール情報が記録されている中から、該当する利用者のスケジュール情報を検索して、検索した利用者のスケジュール情報に関するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報のいずれかを用いて、推定目的地に対する表題を生成して、利用者へ提示するガイド情報に付与することができるので、利用者にとって理解性が高い目的地に関する情報を表題として提示することができる。
【0063】
また、ナビゲーション装置13の移動履歴記録部107には、少なくとも、利用者に関する移動体の過去の移動ルート、出発・到着地点(主に、エンジンの始動・停止位置)、および、出発・到着日時(主に、エンジンの始動・停止日時)が、それぞれの利用者に関する移動体の移動履歴データとして記録されている。
【0064】
したがって、表題補完部104は、対象とする利用者に関する移動体に関する移動履歴データを移動履歴記録部107から取得し、推定目的地として推定された場所に関する移動履歴データの中から、到着日時に関する情報を抽出して、抽出された該到着日時に相当する開始日時の情報を有するスケジュール情報を、スケジュールデータベース103の中から検索することができる。到着日時に相当する開始日時の情報を有するスケジュール情報を得ることによって、推定目的地に実際に移動した過去の移動履歴と、該推定目的地に到着して開催されたスケジュール情報とを対応付けることが可能である。
【0065】
前述のように、過去の移動履歴データのうち到着日時を利用して、スケジュールデータベース103からスケジュール情報を抽出する場合、表題補完部104は、たとえば以下のような手順によって、表題を生成する。
【0066】
推定目的地への移動履歴データの到着日時に相当する開始日時の情報を有するスケジュール情報が、たとえば、図8のスケジュールデータベース103の中のスケジュール情報のうち、ID=1(商品説明会議)のスケジュール情報に相当している場合、該スケジュール情報の開催場所情報である「A社第3応接室」が表題として適切であるものと想定される。
【0067】
なお、ここで、利用者へ提示するガイド情報の表示スペースについて表題として表示するスペースに限りがあり、「A社第3応接室」という文字列を表示することができない場合には、たとえば、テキスト解析結果から、細かな場所に関する情報(たとえば、前述の「A社第3応接室」の例であれば、「第3応接室」など)を削除して、表題を単に「A社」として用いるようにしても良い。ただし、「第3応接室」などの細かな情報は、実際の移動時に有用と考えられるので、省略表示とした場合であっても、利用者の操作によって、詳細な情報の表示が指示された場合に、表示することを可能とする機能を付随することが望ましい。
【0068】
また、表題として抽出する情報は、開催場所に関する情報以外にも、たとえば、スケジュールのタイトル、開催時間、参加者などの情報も対象となり得る。たとえば、前述の図8のID=1(商品説明会議)の例であれば、表題として、タイトルと開催場所とを組み合わせて、「A社第3応接室(商品説明会議)」としたり、あるいは、開催場所と開催時間とを組み合わせて、「A社第3応接室(9時半〜12時)」としたり、あるいは、開催場所と参加者とを組み合わせて、「A社第3応接室(A社××様)」としたりすることができる。また、開催場所、タイトル、開催時間、参加者などの情報のうち、2種類の情報のみの組み合わせに限ることなく、3種類以上の情報を組み合わせても良い。
【0069】
さらに、表題の生成の際には、表示部の表示範囲のようなハードウェア的な要件と、利用者にとって煩わしくない情報量等の要件とに鑑みて、あらかじめ表示基準を決めておき、該表示基準に基づいて、表示内容を調整して出力する構成とすることが望ましい。
【0070】
なお、前述したように、ナビゲーション装置13からセンターサーバ12側に送られてくる推定目的地情報が、緯度経度情報のみならず、その住所情報や、該当する施設名称の情報を含むような場合には、これらの住所情報や施設名称情報などの情報をさらに組み合わせて表題を生成するようにしても良い。たとえば、図8のID=1(商品説明会議)の例において、ナビゲーション装置13から取得した推定目的地情報として、緯度経度情報以外に、住所情報「東京都中央区銀座」や施設名称情報「○○ビル」等が得られている場合には、「A社(東京都中央区銀座)」や、「A社××様(○○ビル)」のような表題とすることも可能である。
【0071】
さらには、開催場所、参加者等の情報が設定されていないスケジュール情報のような場合であっても、図8の補足情報にテキスト情報が登録されているような場合には、補足情報のテキスト情報を解析することによって、同様の情報を抽出することができる可能性がある。
【0072】
たとえば、図8のID=3(C社打ち合わせ)のスケジュール情報の場合は、開催場所に関する情報が記載されていないが、補足情報欄に示すように、テキスト情報として、相手先とやりとりしたメール(「○○(挨拶文)−署名:C社」)が登録されており、該メールの署名欄として、署名「C社」が付随している。このような場合、署名欄の情報から、相手先の氏名、法人名や住所等を抽出して、表題として利用することにより、開催場所に関する情報が設定されている場合と同様の表題を生成することができる。
【0073】
なお、スケジュールデータベース103からスケジュール情報を抽出する手法としては、一般的に知られているテキストマイニングや構文解析の手法を適用することが可能である。なお、このようなテキストマイニングや構文解析の手法を用いる場合は、場所に関連する情報を効果的に抽出することができるように、各種のルールを規定しておくことが望ましい。たとえば、固有名詞(人名、法人名)、住所、電話番号、メールアドレス、その他、「ビル」や「店」等の場所に付随するキーワードを抽出するためのルールを規定しておくことである。
【0074】
しかし、このようなルールに基づいて、場所に関連する情報の抽出を試みた結果、一つも場所に関連する情報が得られない場合もあり得る。たとえば、スケジュール情報として、開始日時と終了日時との2つの情報しか登録されていないような場合である。かくのごとく、スケジュール情報から場所に関連する情報が得られない場合には、推定目的地に対する表題を生成することが困難となる。したがって、かかる場合には、表題補完部104は、「表題を生成するスケジュール情報が存在しない」と判定することが妥当であり、この旨をガイド情報に付与して利用者に提示することが望ましい。
【0075】
以上のように、表題補完部104は、目的地推定部108が推定する推定目的地について、スケジュール情報に含まれる少なくとも開始日時に関する情報と、移動履歴から抽出することができる少なくとも到着日時に関連する情報とから、移動履歴に対応するスケジュール情報を抽出して、表題を生成する構成を用いることによって、実際に履行したスケジュール情報を用いた表題とすることができ、利用者にとってより理解性が高い表題が付与された推定目的地の提示を行うことができる。
【0076】
また、表題補完部104は、目的地推定部108が推定する推定目的地について、推定目的地に該当するスケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報などのいずれか1ないし複数の情報に含まれている内容に基づいて、推定目的地に対する表題を生成することにより、利用者にとって直感的に理解し易いガイド情報を提示することができる。
【0077】
さらに、表題補完部104は、目的地推定部108が推定する推定目的地について、たとえば、スケジュール情報に含まれる場所に関する情報と、移動履歴から抽出することができる到着地に関する地図情報とから表題を生成するという構成を用いることも可能であり、かかる場合、スケジュール情報に含まれる推定目的地の名称と、地図情報から得られる推定目的地の名称(住所名称や施設名称)とを組み合わせた表題を生成することもでき、利用者にとって理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0078】
また、移動履歴記録部107から得られる移動履歴データに関連するスケジュール情報が、スケジュールデータベース103の中に一対一に対応して記録されている場合には、表題補完部104において、前述のような手順によって表題を付与することができる。しかし、通常は、移動履歴記録部107には同様の移動履歴データが複数記録されており、かつ、スケジュールデータベース103には該当するスケジュール情報が複数存在することが想定される。
【0079】
かくのごとく、移動履歴データとスケジュール情報とが多対多の関係にある場合、同一の目的地を有する移動履歴データに対して、スケジュールデータベース103の中の該当する複数のスケジュール情報が抽出されてくるので、抽出された複数のスケジュール情報それぞれについて、場所以外の情報にも着目して、適宜、あらかじめ定めた規則に基づいて、各スケジュール情報の情報を統合して、表題を生成することが望ましい。
【0080】
たとえば、情報を統合するためにあらかじめ定めた規則としては、情報の鮮度に着目して、該当する各スケジュール情報のうち最新のスケジュールに含まれる情報を優先的に用いる方法や、スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する各情報について同一の文字または類似する文字が出現する出現頻度に着目して、該当する各スケジュール情報について重複して出現する情報を優先的に用いる方法などを適用することが望ましい。すなわち、スケジュール情報の鮮度を用いる方法と、該当する各スケジュール情報に現れたテキスト情報の出現頻度解析によって、重複して出現する頻度が高い情報を主要な情報として優先的に用いる方法などを適用することが望ましい。
【0081】
後者の例、つまり、該当する各スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報の少なくともいずれかの一致度から、スケジュール情報間の類似度を評価する方法の一例として、該当する各スケジュール情報の中の開催場所を示す情報について、次に説明する。
【0082】
たとえば、開催場所を示す情報として、「A社第3会議室」、「A社第2会議室」、「A社応接室」等の情報が存在していた場合には、出現頻度が最も高く、共通に用いられているキーワードの「A社」を抽出する等の方法を適用する。また、文字そのものが一致していなくても、意味が類似している場合には、同一のキーワードとみなすような、意味上のクラスタリング手法を適用することによって、出現頻度を解析する方法とすることも有効である。たとえば、「会議」、「打ち合わせ」、「商談」等については類似する意味を有しているものとみなして、これらのすべてを、たとえば「会議」という代表キーワードによってクラスタリングして出現頻度をカウントするような方法を用いるものである。
【0083】
また、前述のスケジュール情報の鮮度とスケジュール情報中の出現頻度との双方を加味して、重み付きの出現頻度解析を行う方法(つまり、新しいスケジュール情報のテキスト情報ほど、より大きな重みを付与して、キーワードの出現頻度解析を行う方法)を採用しても良い。
【0084】
さらに、該当するスケジュール情報を検索する際に、単純に、到着日時のみに鑑みて検索するのではなく、たとえば、移動ルートパターンごとに該当するスケジュール情報を抽出して表題生成を行う仕組みとすることによって、より正確な表題を生成することが可能になる。たとえば、地点Xを経由しながら地点Zに向かった場合のスケジュール情報と、地点Yを経由しながら地点Zに向かった場合のスケジュール情報とを別物として分析して、表題の生成およびガイド情報への付与を行うような構成を採用すれば、仮に、それぞれのルートパターンごとに、利用者の目的が異なっているような場合については、それぞれのスケジュール情報を弁別して表題の生成を行うことができるので、双方のスケジュール内容に異なる情報が含まれていた場合、この異なる情報を適切に反映した表題を生成することができる。
【0085】
なお、前述のように、表題を生成するために適用することが可能な該当するスケジュール情報が存在していない場合には、移動履歴とスケジュール情報との関連性に基づいた、表題を生成するという方法を適用することができない。このような場合が発生した際には、前述のように、ナビゲーション装置13側に補完データとしてその旨が通知されてくるので、従来技術の場合と同様に、かかる通知を受け取ったナビゲーション装置13側において、推定目的地の緯度経度情報を用いて地図情報を検索して、地図情報上の該当する位置に存在している施設名称や住所名称を表題として抽出するようにしても良い。
【0086】
ただし、このように、地図情報上から抽出した施設名称や住所名称を用いて表題を生成した場合、スケジュール情報とは連動していない旨(つまり、スケジュール情報を利用した表題ではない旨)を利用者に報知するために、ガイド情報として表題を利用者に提示する際に、表題の表示方法をスケジュール情報から抽出した場合とは異なる表示とすることが望ましい。たとえば、表題のフォントや背景の色、あるいは、スケジュール情報と連動した表題か否かが利用者にとって識別し易いアイコンの付与などを用いて差別化を図れば良い。
【0087】
図9に、ナビゲーション装置13において表題付きのガイド情報として推定目的地(候補目的地)へのナビゲーション情報を画面表示した場合の一例を示す。図9のナビゲーション画面において、地図画面上には、利用者本人の車両の現在位置が画面中央の地点P50として示され、現時点における推定目的地(候補目的地)が地点P51,P52,P53の3つの地点として示され、また、推定目的地(候補目的地)である地点P51,P52,P53それぞれへの最適なルートが経路R51,R52,R53として示されている。
【0088】
図9のナビゲーション画面の右側のウィンドウ枠には、現時点の3つの推定目的地(候補目的地)である地点P51,P52,P53それぞれに相当する推定目的地A,B,Cが、目的地候補D54,D56,D58として、それぞれ、A社(会議)、本社(東京)(定例会)、事業所(横浜)のように、複数表示されている。
【0089】
複数の目的地候補D54,D56,D58それぞれの信頼度すなわち推定の度合い(つまり、スケジュール情報と移動履歴との一致度、類似度の度合い)を円筒形グラフの長短で示しており、図9の例では、目的地候補D54、D56、D58の順番に表題に利用されたスケジュール情報の信頼度(推定度合い)が高い場合を示している。なお、目的地候補D54,D56,D58のような表題に利用されているスケジュール情報の信頼度に関する判定方法について、つまり、表題として生成するためにどの程度相応しいスケジュール情報か否かを示す信頼度を評価する判定方法については、第2の実施形態において、その詳細を説明する。
【0090】
ここで、図9の画面表示を、タッチパネル付きディスプレイ上に表示するようにしている場合には、たとえば、このナビゲーション画面上で利用者が目的地候補D54,D56,D58のうちいずれかの目的地候補にタッチすると、タッチした目的地候補を利用者が所望する目的地として確定して、他の目的地候補をナビゲーション画面から消去するという構成とすることもできる。
【0091】
また、スケジュールデータベース103のスケジュール情報から得られた情報を用いた表題であるか否かを、利用者が容易に認識することができるように、スケジュール情報を用いた表題であった場合には、図9のスケジュールアイコンD53,D55,D57のように、スケジュール情報から得られた情報であることを示すアイコンが合わせて表示されており、一方、スケジュール情報を用いず、地図情報から求めた表題であった場合には、図9の推定目的地D(横浜市西区高島)のように、スケジュールアイコンは表示されない。
【0092】
以上のように、表題補完部104は、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、該複数のスケジュール情報それぞれをあらかじめ定めた規則にしたがって適宜統合して、統合した情報を用いて、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題を生成して、ガイド情報に付与すべき補完ラベルデータとして出力するという構成を用いることによって、利用者にとってより理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0093】
さらに、表題補完部104は、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、該複数のスケジュール情報の鮮度および/または類似度(つまり同一情報の出現頻度)に基づいて、表題を生成する構成を採用することによって、鮮度が高いスケジュールおよび/または類似度が高いスケジュールを優先的に用いて、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題を生成することができ、利用者にとってより理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0094】
さらに、スケジュール情報の鮮度は、該スケジュール情報の作成日時または実施日時からの経過時間として評価し、また、スケジュール情報の類似度は、スケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報の少なくともいずれかの一致度から評価するものとする構成を採用することによって、スケジュール情報の鮮度や類似度をより確実に求めることができ、利用者にとってより理解性が高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。なお、各情報の一致度を評価する際には、同一の文字のみに限らず、同一の意味を有する文字についても、一致しているものとしてクラスタリングすることにより、スケジュール情報の類似度をより確実に評価することができる。
【0095】
<表題生成の処理手順例>
次に、以上に説明した本実施形態のナビゲーションシステムにおける表題生成までの一連の処理手順について、図10のフローチャートを用いてさらに説明する。図10は、本発明によるナビゲーションシステムにおける表題生成までの一連の処理手順の一例を示すフローチャートであり、本発明によるナビゲーション方法の一例を示している。図10のフローチャートにおいて、図10(A)に示すステップS101〜ステップS106までの処理は、クライアント端末11−センターサーバ12間の処理であり、一方、図10(B)に示すステップS107〜ステップS116までの処理は、ナビゲーション装置13−センターサーバ12間の処理である。
【0096】
なお、図10(A)と図10(B)との処理は、独立した処理であり、図10(A)においてクライアント端末11を用いて利用者がセンターサーバ12にスケジュール情報を更新登録すると、しかる後においては、図10(B)において、ナビゲーション装置13側が推定した推定目的地に関する表題をセンターサーバ12において生成処理を行う際に、図10(A)にて利用者により更新登録されたスケジュール情報を利用することが可能な状態になる。
【0097】
まず、図10(A)のクライアント端末11−センターサーバ12間の処理について説明する。
【0098】
図10(A)において、センターサーバ12にて、利用者のクライアント端末11からのスケジュール閲覧要求を待ち合わせ、スケジュールの閲覧要求があった場合には(ステップS101のYES)、利用者のスケジュール閲覧要求に基づいて、要求された日時範囲、時間範囲のスケジュール情報をスケジュールデータベース103から検索し、GUI(Graphical User Interface)上の形式に整形して、クライアント端末11に対して通信回線を介して転送する(ステップS102)。
【0099】
次いで、クライアント端末11においては、転送されてきたスケジュール情報を画面表示するとともに、利用者からの新規スケジュールの入力を待ち合わせ、新規スケジュールの入力があった場合には(ステップS103のYES)、ステップS104へ移行する。なお、新規スケジュールではなく、登録済みの既存スケジュールの修正・更新の入力があった場合であっても、同様に、ステップS104に移行する。なお、利用者のスケジュール情報は、利用者が直接入力する場合のみに限らず、他のデバイスから転送されてきたスケジュール情報が入力される場合であっても良い。
【0100】
ステップS104において、利用者から入力されたスケジュール情報について、異常な内容を示す異常値の存在の有無を確認する(ステップS104)。スケジュール情報の異常値としては、たとえば、開始日時と終了日時との間の矛盾や、競合スケジュールの存在等がある。かくのごとき異常値が検出された場合には(ステップS104のYES)、異常値が存在する旨を利用者へ報知して、スケジュール情報の再入力を促し、ステップS103に復帰する。ただし、競合スケジュールの存在に関しては、競合している旨の注意を利用者に報知するだけにして、競合する該スケジュール情報の登録自体に関しては、許容するようにしても良い。
【0101】
入力されたスケジュール情報について、異常値が検出されなかった場合は(ステップS104のNO)、登録すべきスケジュール情報として確定し、ステップS105に移行して、クライアント端末11は、確定されたスケジュール情報をセンターサーバ12へ通信回線を介して転送する(ステップS105)。クライアント端末11からのスケジュール情報を受け取ったセンターサーバ12は、転送されてきたスケジュール情報をスケジュール管理部102の制御によりスケジュールデータベース103に記録する(ステップS106)。
【0102】
次に、図10(B)のナビゲーション装置13−センターサーバ12間の処理について説明する。
【0103】
図10(B)において、ナビゲーション装置13は、エンジンの始動を検出すると(ステップS107のYES)、移動履歴を記録されている移動履歴記録部107を参照して、当該移動体の移動履歴として記録された過去の移動ルート、出発地、到着地、出発日時、到着日時等の走行履歴情報(つまり、移動履歴データ)をセンターサーバ12へ通信回線を介して送信する(ステップS108)。
【0104】
センターサーバ12の表題補完部104は、ナビゲーション装置13から取得した移動履歴データに含まれている到着地の情報に基づき、スケジュールデータベース103を検索して、該到着地と同一の目的地ごとに、該到着地の到着日時付近で開催された開始日時の情報を有するスケジュール情報を抽出する(ステップS109)。スケジュールデータベース103の中に該当するスケジュール情報が存在していなかった場合には(ステップS110のNO)、該当するスケジュール情報が存在していない旨を付してステップS112へ移行する。
【0105】
一方、スケジュールデータベース103の中に該当するスケジュール情報が存在していた場合には(ステップS110のYES)、スケジュールデータベース103から抽出された各スケジュール情報群のテキスト情報を分析して、ガイド情報に付与すべき表題(ラベル)を生成する(ステップS111)。
【0106】
ここで、表題生成方法としては、前述したように、抽出された複数のスケジュール情報について、それぞれを構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、または、イベント内容などに関する各情報のテキスト情報中の出現頻度の解析結果に基づいて、出現頻度が高い重要なキーワードを抽出する、あるいは、各スケジュール情報の作成日時または開催日時の解析結果に基づいて、鮮度が高い最新のスケジュール情報中のテキスト情報から優先的にキーワードを抽出する等が用いられる。
【0107】
次いで、ステップS111にて表題が生成されていた場合には、推定目的地に関して生成した表題を、一方、ステップS110にて該当するスケジュール情報が存在していない旨が通知されてきた場合には、その旨を付した情報を、利用者へ提示すべきガイド情報への補完データとして、センターサーバ12からナビゲーション装置13へ転送する(ステップS112)。補完データを受信したナビゲーション装置13においては、補完データとして表題を受信していた場合は、ナビゲーション装置13の移動履歴記録部107に移動履歴データとして記録されているそれぞれの到着地に対応させる形で、受信した表題を、移動履歴記録部107に記録し、以降においては、到着地の緯度経度情報や地図情報による住所情報以外に、表題をも含む形で移動履歴データを扱うような構成としても良い。
【0108】
しかる後、補完ラベルデータを受信したナビゲーション装置13の目的地推定部108においては、移動体の現在の移動位置、移動ルートに基づいて、過去の移動体の走行履歴(移動履歴)に鑑みて、今回の目的地(到着予定地)を推定目的地として推定する(ステップS113)。さらに、センターサーバ12から転送されてきた到着地ごとの表題を参照して、推定された推定目的地について、スケジュール情報から取得した表題が存在する場合には(ステップS114のYES)、図9に示したように、スケジュールアイコン付きとして、推定目的地に対応する表題を、ガイド情報に付与して、利用者に対して提示する(ステップS115)。
【0109】
一方、推定された推定目的地について、該当するスケジュール情報が存在していなく、スケジュール情報から生成した表題が存在していなかった場合には(ステップS114のNO)、スケジュール情報を用いることなく、地図情報から、緯度経度情報が位置する近隣の住所名称、もしくは、緯度経度情報が示す施設名称を抽出し、抽出した情報を、スケジュールアイコン無しの表題として、ガイド情報に付与して、利用者に提示するというスケジュール非連動表題付与処理を行う(ステップS116)。
【0110】
なお、本フローチャートにおいては、ナビゲーション装置13からセンターサーバ12側には、推定目的地に関する情報を転送することなく、ステップS108において、移動履歴データのみを転送することにより、センターサーバ12側から、推定目的地の如何によらず、移動履歴データと関連性が深いとみなされるスケジュール情報を利用した表題を生成して、補完データとしてナビゲーション装置13に返送させる例について示している。したがって、しかる後、ナビゲーション装置13側において、ステップS113において推定した推定目的地に該当する表題を、センターサーバ12から返送された補完データの中から抽出する場合について示している。
【0111】
しかし、本発明は、前述したように、かかる場合に限るものではなく、ステップS113における推定目的地の推定処理を、ステップS108に前に実施することにして、ステップS108において、推定目的地の推定処理により得られた推定目的地を移動履歴データとともに、センターサーバ12側に転送するようにしても良い。かかる場合には、センターサーバ12側から、移動履歴データのうち推定目的地と関連性が深いとみなされるスケジュール情報を利用した表題が生成されて、補完データとしてナビゲーション装置13に返送されてくるので、ナビゲーション装置13側においては、補完データに表題が含まれているか否かを判定して、含まれていた場合にはガイド情報に直ちに付与して出力することができる。
【0112】
以上のように、クライアント端末11、センターサーバ12、ナビゲーション装置13の連動動作によって、現在移動中の移動体の移動ルートや移動位置として、過去の移動履歴に同一または類似の移動履歴が存在しているか否かを分析し、過去の移動体の移動履歴の分析結果に基づいて、行き先となる目的地を推定し、推定した目的地へのルートをガイドするガイド情報をサビゲーションデータとして利用者に対して提示する際に、利用者のスケジュール情報と移動体の移動履歴とに基づいて(つまり、スケジュール情報と移動履歴との一致度や類似度の分析結果に基づいて)、推定される推定目的地の表題を生成して、ガイド情報に付与して出力するという動作を実現している。
【0113】
したがって、推定される推定目的地に対する表題を、利用者本人にとって分かり易い内容とすることができ、利用者は、ガイド情報に付与された表題から直ちに推定目的地の妥当性を判断することができる。その結果、推定目的地が所望の目的地と異なっている場合には、利用者は、直ちに、かつ、的確に、目的地の訂正等の適切な処置を実施することができるという効果が得られる。
【0114】
(第2の実施形態)
<システム構成>
図11は、本発明によるナビゲーションシステムの第2の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図であり、本発明の基本的な構成として第1の実施形態の図1とは異なる構成例を示している。図11に示すように、第2の実施形態のナビゲーションシステムは、第1の実施形態の図1の場合と同様に、クライアント端末11、センターサーバ12A、および、ナビゲーション装置13を少なくとも含んで構成されるが、図1の場合とは異なり、センターサーバ12Aには、信頼度判定部105がさらに追加されている。なお、第1の実施形態の図2ないし図5のようなシステ構成の場合であっても、基本的には同様であるが、かかる場合には、信頼度判定部105を、センターサーバ12Aではなく、表題補完部104と同一の装置内(ナビゲーション装置13またはクライアント端末11)に配置するようにすることが望ましい。
【0115】
本実施形態における第1の実施形態との違いは、信頼度判定部105において、表題として生成するために相応しいスケジュール情報か否かを、「信頼度」という指標により判定した結果を出力してくる点にある。ここで言う「信頼度」とは、スケジュールデータベース103に記録されているスケジュール情報が、実際に、利用者によって遵守されたものとみなすことができる程度を示す指標のことであり、「信頼度」のレベルが高いほど、スケジュール情報がその通り遵守されており、推定目的地の表題を示す情報として、より正確性が高い情報であるということを示している。
【0116】
信頼度判定部105において判定されたスケジュール情報の信頼度を示す指標は、表題補完部104において参照されて、表題として利用することが可能なスケジュール情報を取得して、取得したスケジュール情報と、移動履歴データとに基づいて、推定目的地に対する表題を生成する際にも利用されて、表題として抽出するスケジュール情報の対象範囲を切り替えることを可能とするとともに、生成した表題と、信頼度判定部105にて判定した信頼度とを、ガイド情報に対して付与すべき補完データ(補完ラベルデータ)として出力する動作を行うことが可能である。
【0117】
該補完ラベルデータを受け取ったナビゲーション装置13においては、該補完ラベルデータに含まれている表題を、ガイド情報に付与すると同時に、該補完ラベルデータに含まれている該表題に関する信頼度も、ガイド情報に付与して、利用者に対して提示する。この結果、利用者は、たとえば、1ないし複数の推定目的地が、目的地候補として得られた場合に、それぞれの推定目的地に対する推定の度合いつまり信頼度を把握することができ、いずれの推定目的地を、目的地として設定すべきかを、より正確に判断することができる。
【0118】
なお、信頼度に関する画面表示例としては、第1の実施形態の図9に示すように、推定目的地を示す表題を付した円筒形グラフの長さとして表示するようにしても良いし、数値や信頼度レベルに応じて大きさや形状や色や階調が異なるアイコンとして表示するようにしても良い。
【0119】
以下の説明においては、第1の実施形態と重複する説明は省略し、第1の実施形態と異なる信頼度判定部105の機能に限って説明することにする。
【0120】
本実施形態においては、前述のように、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムにおける表題の生成・付与動作に対して、さらに、スケジュール情報と移動履歴、推定目的地との一致度の評価結果から、該スケジュール情報を利用者自身が遵守する可能性すなわちスケジュールの信頼度を評価する信頼度判定部105を併せ持つ構成としている。利用者自身が遵守する可能性が高いスケジュール情報については、推定目的地に対する表題として、信頼度がより高く、より正確な情報であることを示していることになる。
【0121】
信頼度判定部105は、たとえば、移動履歴記録部107から取得した過去の走行履歴(移動履歴)について、出発地、到着地の移動履歴ごとに分類した履歴群の中に含まれている到着日時、出発日時の履歴情報に基づいて、スケジュールデータベース103の中から該当するスケジュール情報を抽出し、抽出したスケジュール情報の信頼度を判定するようにしても良く、信頼度判定部105の機能は、たとえば図6に示したサーバ装置12の演算装置221および記憶装置222を組み合わせて実現される。
【0122】
かくのごとき構成とすることによって、推定目的地に対する表題とともにその信頼度を画面表示するのみならず、推定目的地に対する表題そのものを生成する際に、利用者が実際にスケジュールを遵守したと思われるスケジュール情報を信頼し、信頼が得られたスケジュール情報を、目的地推定部108が推定する推定目的地に対する表題として利用するようにすることもできる。而して、実際に遵守された可能性が高いつまり信頼度が高いスケジュール情報を表題として利用することによって、表題の正確性がより高くなり、利用者にとってさらに直感的に理解し易い表題を生成して、ガイド情報に付与した形で推定目的地の提示を行うことができる。
【0123】
<信頼度の判定方法>
次に、信頼度判定部105の「信頼度」の判定方法について、さらに説明する。
【0124】
信頼度判定部105において、表題として相応しいスケジュール情報であるか否かの信頼度を判定する方法として、たとえば次のような方法を用いる。
【0125】
(1)場所の一致度による判定
推定目的地とスケジュール情報中の場所(開催場所)との一致度を検証する。
【0126】
(2)滞在時間の一致度による判定
走行履歴(移動履歴)の到着地における到着日時、出発日時から推定される滞在時間と、スケジュール情報中の開始日時、終了日時から得られる開催時間との一致度を検証する。
【0127】
(3)スケジュール情報の付随情報に基づく判定
スケジュール情報自体に設定されている主催者や参加者属性(必須参加、任意参加)や重要度、スケジュール属性(定期アイテム、個別アイテム)、参加表明の有無との関係などの付随情報を考慮する。
【0128】
(4)複数スケジュール間の類似度による判定
移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、スケジュール情報それぞれを構成する各情報全体を分析し、各スケジュール情報間の類似度に基づいて信頼度を決定する。
【0129】
以下に、各信頼度の判定方法について、個別に、その具体例を説明する。
【0130】
(1)場所の一致度による判定
まず、推定目的地と該当スケジュール情報中の場所との一致度を検証することによって、信頼度を判定する場合について説明する。
【0131】
移動履歴記録部107に記録されている走行履歴データ(移動履歴データ)は、一般に、利用者が所望する目的地と一致する場所におけるエンジン停止時の位置が、到着日時と到着地として記録されている。したがって、エンジン停止時の位置情報(つまり到着地)と、到着日時と同一の日時に設定されているスケジュール情報の場所情報との一致度が高い場合(つまり、両者のテキスト情報に同一文字列が存在している度合いが大きい場合)、または、到着日時からあらかじめ定めた許容時間内(たとえば、到着日時の前後15分の範囲内の開始日時)に設定されているスケジュール情報の場所情報との一致度が高い場合、該スケジュール情報は遵守された可能性が高いものと想定される。
【0132】
検証処理は、以下の通りである。まず、移動履歴記録部107から得られた走行履歴データ(移動履歴データ)中の到着地への到着日時と同一時間帯(同一日時または前記許容時間内)のスケジュール情報をスケジュールデータベース103の中から検索し、該スケジュール情報に記録された施設関連情報すなわち開催場所を示す施設名称や住所名称の情報を抽出する。しかる後、移動履歴記録部107に記録されている到着地の場所に関する情報と、スケジュール情報から抽出された施設関連情報との一致度を判定する。両者の一致度が高いと判定された場合には、当該スケジュール情報は利用者によって遵守された可能性が高いものと判定され、表題に利用するスケジュール情報としての信頼度が高いものと判定される。
【0133】
なお、図8のスケジュールデータベース103中のスケジュール情報の「開催場所」に場所データが記録されていれば、該場所データを施設関連情報として利用することが可能である。さらには、「開催場所」以外であっても、スケジュール情報として補足されている「補足情報」のたとえば署名部分に住所や会社名が含まれている場合には、該署名部分の住所や会社名についても施設関連情報として利用することができる。
【0134】
場所の一致度による判定は、移動履歴記録部107として過去の移動履歴に利用者が所望する到着地の場所に関する情報(住所名称や施設名称など)が設定されていた場合に有効な判定処理であり、かかる場合に、スケジュール情報から抽出した施設関連情報と、移動履歴から推定した目的地の情報との一致度の判定結果から、信頼度を判定する構成となっている。したがって、場所に関する情報の一致度を用いて、実際の利用者の行動履歴としてスケジュール情報が遵守されたか否かを評価することができ、遵守された可能性が高いか否かを信頼度として表題とともに出力したり、あるいは、遵守された可能性が高いスケジュール情報を用いて、表題を生成したりすることができるので、ガイド情報に付与されて提示される表題の信頼度が高くなり、利用者にとって直感性が高い表題とすることができる。
【0135】
さらには、たとえば、施設関連情報としては、前述の施設名称や住所名称のような場所に関する情報つまり開催場所情報のみに限らず、センターサーバ12内に記録されているアドレス帳やスケジュール情報に含まれる主催者や参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、また、スケジュール情報の補足情報の署名欄に含まれる相手先のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス等を手がかりとして、検索エンジン等から主催者や相手先などを割り出し、開催場所つまり開催地を示す社名(施設名称)や住所名称を抽出することも可能である。
【0136】
したがって、施設関連情報として、スケジュール情報に含まれる開催場所に関する情報のみならず、主催者・参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、署名欄に含まれている住所、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスのうち、少なくともいずれか一つ以上の情報を用いて、施設の名称もしくは住所名称を取得する構成とすることにより、スケジュール情報から適切に施設の名称や住所名称を抽出することができ、移動履歴における目的地との照合結果から、当該スケジュール情報が遵守されたか否かを、より広範な情報に基づいて評価することができる。
【0137】
かくのごとき少なくともいずれか一つ以上の情報を用いて、スケジュール情報に関する開催場所が施設関連情報として抽出された場合に、信頼度判定部105においては、抽出された開催場所が表題として利用する情報として信頼度が高いか否かを判定するために、該開催場所を緯度経度情報へ変換するようにしても良い。つまり、移動履歴の到着地として施設名称などの情報が付属していなく、緯度経度情報のみがナビゲーション装置13から転送されてくる場合、信頼度判定部105においては、緯度経度情報を用いて、信頼度の評価を行うようにしても良い。
【0138】
該開催場所を緯度経度情報へ変換する方法は、近年普及しつつある、「ジオコーディング」と呼ばれる方法を用いることができる。「ジオコーディング」とは、地図上に配置された施設名称や住所情報と緯度経度情報とを相互に変換する手法のことであり、互いの対応関係をデータベースとして保持することによって実現されている。
【0139】
信頼度判定部105において、施設関連情報として開催場所の施設名称や住所情報がスケジュール情報から抽出された場合、「ジオコーディング」を適用して、該開催場所に関する情報を緯度経度情報に変換して、変換した緯度経度情報とナビゲーション装置13から得られた移動履歴の到着地の緯度経度情報とを照合し、その近接度合いによって信頼度を判定する。近接度合いの評価尺度として、たとえば、両者の位置関係が5km圏内あるいは同一町内等であれば、高い信頼度を設定して、該スケジュール情報を信頼して、表題生成に用いることとし、逆に、10km圏外にあるかあるいは同一市内で存在していない場合等においては、低い信頼度を設定して、該スケジュール情報を表題生成に用いない等の処理を行うようにしても良い。
【0140】
なお、ナビゲーション装置13側にて、「ジオコーディング」を行い、移動履歴を記録する際に、移動履歴データとして記録される出発地や到着地の緯度経度情報を施設名称や住所情報に変換して、移動履歴記録部107に移動記録データとして記録するように構成しても良いし、記録された過去の移動履歴データを、スケジュール情報と照合するために、センターサーバ12側に転送する際に、過去の移動履歴データの到着地の緯度経度情報を施設名称や住所情報に変換して、転送するように構成しても良い。
【0141】
また、たとえば、クライアント端末11側の利用者とのインタフェースとして設けられている、開催場所を設定するインタフェースに、「ジオコーディング」を実装することも可能である。すなわち、利用者がスケジュール情報を登録するために、クライアント端末11に開催場所を入力する際に、画面表示された地図上の開催場所を示すポイントをたとえばクリック等を行うことによって、「ジオコーディング」を動作させて、開催場所とともに該開催場所の緯度経度情報を併せて出力し、出力結果を、センターサーバ12Aに転送するように構成することも可能である。
【0142】
したがって、クライアント端末11側のインタフェースに「ジオコーディング」を実装している場合、センターサーバ12Aのスケジュールデータベース103には、当初から、開催場所以外に該開催場所の緯度経度情報が格納されることになるので、ナビゲーション装置13から移動履歴データの到着地として緯度経度情報が転送されてくる場合の、両者の照合処理を効率的に行うことが可能となる。
【0143】
(2)滞在時間の一致度による判定
次に、走行履歴(移動履歴)から推定される滞在時間と、推定目的地に該当するスケジュール情報中の開催時間との一致性を検証することによって、信頼度を判定する場合について説明する。
【0144】
ナビゲーション装置13の移動履歴記録部107に記録されている移動履歴データは、出発地、到着地のデータを、前述のように、たとえば、エンジンの始動・停止日時(出発日時・到着日時)とともに記録している。したがって、或る日時の前回の移動履歴におけるエンジン停止日時すなわち目的地への到着日時と、次回の移動履歴におけるエンジン始動日時すなわち目的地からの出発日時とから求められる目的地における滞在時間が、該当する日時のスケジュール情報の開催時間と一致するか、または、あらかじめ定めた許容時間内(たとえば、到着日時・出発日時それぞれの前後15分の範囲内の開始日時・終了日時)に設定されているスケジュール情報の場合には、該スケジュール情報は遵守された可能性が高いものとみなすことができる。よって、このような移動履歴データから求められる滞在時間と一致しているか、または、前記許容時間内の開催日時の情報を有するスケジュール情報ほど、信頼度を高く設定し、滞在時間との一致度が低いスケジュール情報の場合ほど、信頼度を低く設定する。
【0145】
(3)スケジュール情報の付随情報に基づく判定
次に、スケジュール情報に設定されている主催者や参加者の属性、重要度、参加表明の有無などの付随情報を考慮することによって、信頼度を判定する場合について説明する。
【0146】
図8のスケジュールデータベース103に示したスケジュール情報のように、スケジュール情報には、主催者、必須参加者、任意参加者、スケジュールの重要度、利用者自身の参加表明といった情報を「スケジュール属性情報」として含ませることが可能である。この「スケジュール属性情報」によって、信頼度を、或る程度判別することができる。たとえば、以下のように、「スケジュール属性情報」によって、スケジュールの遵守度を判別して、信頼度に関するレベル分けを行うことが可能である。
【0147】
(a)スケジュールの重要度が低い場合よりも、高い場合の方が遵守する可能性が高い。
【0148】
(b)スケジュールが繰り返し開催されるという反復属性(定期性を有する属性)を含む場合ほど、遵守する可能性が高い。
【0149】
(c)利用者自身が主催者であるスケジュールの場合、他の参加者が存在しない場合より、参加する場合の方が遵守する可能性が高い。
【0150】
(d)利用者自身が主催者ではないスケジュールの場合、主催者が同一団体内である場合よりも、別団体である場合の方が遵守する可能性が高い。
【0151】
(e)利用者自身が主催者ではないスケジュールの場合、利用者自身が任意出席者の場合よりも、必須出席者の場合の方が遵守する可能性が高い。
【0152】
(f)参加表明が「仮の出席表明」や「未表明」の場合よりも、「出席表明」の場合の方が遵守する可能性が高い。
【0153】
かくのごとく、「スケジュール属性情報」に基づいてレベル分けされた遵守可能性を、それぞれ、あらかじめ定めた基準値を用いて信頼度のパラメータ値に変換することにする。また、レベル分けされた遵守可能性に関する複数の条件つまり「スケジュール属性情報」を構成する各情報を組み合わせて信頼度を評価する場合には、重み付け加算とすることが望ましい。ここで、重み付け加算する場合の重みについては、たとえば、被験者等を用いてスケジュールの遵守状況を一定期間記録したデータ等を作成して、実際の遵守率を最適に反映するような学習を行うことによって調整する等の方法を用いることが望ましい。
【0154】
さらに、クライアント端末11に、移動体の製品出荷後において、スケジュール情報が遵守されたか否かをチェックすることを可能とする機構を設けたり、あるいは、ナビゲーション装置13側に、移動体の製品出荷後において、推定目的地を表題付きで提示した際に、表題の提示内容を、利用者が否定したり、訂正したりすることが可能な機構を設けたりすることによって、フィードバックデータを取得するようにしても良い。取得したフィードバックデータに基づいて、再学習を行って、信頼度のパラメータ値を利用者ごとに最適化するような仕組みを採用することによって、信頼度としての指標の正確性をさらに向上させることができる。
【0155】
(4)複数スケジュール情報間の類似度による判定
次に、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、複数個のスケジュール情報それぞれを構成する各情報全体を分析し、各スケジュール情報間の類似度に基づき信頼度を決定する場合について説明する。
【0156】
移動履歴中の目的地と同一の開催場所となるスケジュール情報が複数存在する場合に、複数のスケジュール情報それぞれを構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容の少なくとも一つ以上の各情報の中には、スケジュール情報間で一致する情報と一致しない情報とが混在する可能性が高いので、各スケジュール情報それぞれを構成する各情報間の一致度を判別する。ここで、情報間の一致度とは、たとえば、参加者の重複度合いや、タイトルの一致度等であり、意味的に同一であれば、一致したものとみなす。各スケジュール情報それぞれを構成する各情報間の一致度をたとえば画一的に分析し、各情報間の一致度に基づいて、スケジュール情報群を分類した結果として得られた複数のグループのうち、最も所属スケジュール数が多いグループのスケジュール情報について、類似度が高いスケジュール情報群として、より大きな信頼度を設定することとすれば良い。
【0157】
センターサーバ12Aの表題補完部104では、以上のようにして、信頼度判定部105にて得られた信頼度付きのスケジュール情報を参照して表題を設定することが可能である。たとえば、信頼度があらかじめ定めた所定の値よりも高いスケジュール情報のみを用いて表題を生成し、生成した表題を信頼度とともに、ガイド情報に付与して、利用者に提示するようにすることができる。
【0158】
以上のように、信頼度判定部105は、スケジュール情報から抽出した施設関連情報と、移動履歴から推定した目的地の情報との間の一致度から、信頼度を判定する構成を用いることによって、実際の移動履歴でスケジュール情報を利用者自身が遵守したか否かを評価し、利用者が遵守した可能性が高いスケジュール情報ほど信頼度を高く設定するので、信頼度が高いスケジュール情報を利用して生成された表題ほど、その正確性が高くなり、利用者にとって直感性の高い表題を付与した推定目的地の提示を行うことができる。
【0159】
ここで、施設関連情報を、スケジュール情報に含まれる、開催場所、主催者や参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、あるいは、メールの署名欄に含まれる住所、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスの少なくともいずれか一つ以上の情報から抽出するものとし、抽出した施設関連情報を用いて施設の名称もしくは施設の位置を検出する構成を用いることによって、より広範囲の情報を利用して、スケジュール情報から適切に施設の名称や施設の位置を抽出することができ、スケジュールを遵守したか否かをより確実に評価することができる。
【0160】
また、信頼度判定部105は、スケジュール情報から抽出した開催時間(開始日時、終了日時)と移動履歴から算出した実際の滞在時間(到着日時、出発日時)とに鑑みて、信頼度を算出する構成を用いることによって、利用者の実際の移動履歴に鑑みて、信頼度のレベル如何によって、利用者自身がスケジュールを遵守したか否かを確実に判定することができ、表題の正確性を高めることができる。
【0161】
さらに、信頼度判定部105は、スケジュールの発信者(主催者)が、利用者本人であるか否か、あるいは、スケジュールの参加者が、本人のみであるか否か、あるいは、スケジュールの参加者に、別組織の人物が含まれているか否か、あるいは、スケジュールが反復属性(定期性を有する属性)を含むか否か、あるいは、当該スケジュールの参加要求レベルが必須であるか否か、あるいは、当該スケジュールの利用者自身の参加表明状態が参加であるか否かなどの「スケジュール属性情報」のうちいずれか少なくとも一つ以上の情報を用いて、スケジュール情報の信頼度を判定する構成を用いることによって、簡易的に、利用者自身がスケジュールを遵守したか否かを判断することができ、表題の正確性を高めることができる。
【0162】
さらに、信頼度判定部105は、移動履歴記録部107に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報がスケジュールデータベース103に複数個存在している場合、同一の開催場所となる複数個のスケジュール情報間の類似度に基づいて、信頼度を判定する構成を用いることによって、スケジュール情報を構成する各情報の多くが同一となっていて、類似度が高いスケジュール情報ほど、スケジュール情報を遵守した可能性が高いものと判断することができ、表題の正確性を高めることができる。
【0163】
ここで、スケジュール情報間の類似度として、各スケジュールを構成するスケジュールのタイトル、開催地、開催日時、主催者、参加者、イベント内容に関する情報の少なくともいずれか一つ以上の情報の一致度から評価する構成を用いることによって、スケジュール情報間の類似度を、総合的に、比較することが可能であり、類似するスケジュール情報をさらに適切に抽出することができる。
【0164】
なお、信頼度判定部105は、移動履歴記録部107に記録された移動履歴の情報のみならず、図11にも示すように、目的地推定部8にて推定した推定目的地に関する情報も受け取って、スケジュール情報の信頼度を判定する際に、受け取った推定目的地に関連するスケジュール情報を抽出して、信頼度を判定するようにしても良い。
【0165】
また、表題に利用したスケジュール情報の信頼度をガイド情報として利用者に提示する場合、図9に示すように、表題の信頼度の程度を利用者が容易に理解できるような円筒形グラフなどを含むアイコンとして表示するようにしても良いし、表題の信頼度の程度を示す数値を付随させて提示する等の方法を採用することとしても良い。また、スケジュール情報を利用した表題であるか否かについても、利用者が容易に判別できるように、図9に示したようなスケジュールアイコンを付随させて表示するようにしても良い。
【0166】
また、スケジュール情報の信頼度を加味して、異なる表題を生成することとし、信頼度が高いスケジュール情報を用いて生成した表題については、スケジュール情報のタイトルのみ等の簡潔な表題を付与することとし、信頼度が中程度のスケジュール情報を用いて生成した表題については、ナビゲーション装置13が地図情報から取得した住所や施設名称をさらに付与する形とすることとしても良い。一方、信頼度が低いスケジュール情報に関しては、ナビゲーション装置13が地図情報から取得した住所や施設名称を表題として表示し、カッコ書き等によって、スケジュール情報から得られた表題を付与することとしても良いし、表題に該当する候補となるスケジュール情報が、スケジュールデータベース103内に存在していなかった場合には、地図情報から取得した住所や施設名称のみを表題として表示することにしても良い。
【0167】
つまり、表題補完部104は、信頼度判定部105が判定した信頼度の判定結果に応じて、スケジュール情報のタイトルのみを表題として生成して表示する形式と、スケジュール情報のタイトルと開催場所情報(住所情報や施設名称)との双方を表題として生成して表示する形式と、地図情報から取得した場所情報(住所情報や施設名称)にスケジュール情報のタイトルをカッコ書きで表題として生成して表示する形式と、地図情報から取得した場所情報(住所情報や施設名称)のみを表題として生成して表示する形式とを切り替える構成を用いることによって、スケジュール情報の信頼度が高い場合には、簡潔な表題とし、スケジュールの信頼度が不十分であっても、補足情報を付与した表題とすることによって、利用者にとって理解性の高い表題を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明によるナビゲーションシステムの第1の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明によるナビゲーションシステムの図1とは異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図3】本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図4】本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図5】本発明によるナビゲーションシステムの図1とはさらに異なるシステム構成を示すシステム構成図である。
【図6】図1のナビゲーションシステムにおける各装置内の基本的な機能を実現するための具体的な装置構成の一例を示す装置構成図である。
【図7】クライアント端末のスケジュール情報入出力部における利用者インタフェースの一例を示す模式図である。
【図8】スケジュールデータベースに記録されるスケジュールデータの一例を示すデータ構成図である。
【図9】ナビゲーション装置において表題付きのガイド情報として推定目的地(候補目的地)へのナビゲーション情報を画面表示した場合の一例を示す画面図である。
【図10】本発明によるナビゲーションシステムにおける表題生成までの一連の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明によるナビゲーションシステムの第2の実施形態のシステム構成を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0169】
11…クライアント端末、12…センターサーバ(スケジュールサーバ)、13…ナビゲーション装置、31…スケジュール入力画面、32…スケジュール一覧表示画面、101…スケジュール情報入出力部、102…スケジュールサーバ、103…スケジュールデータベース、104…表題補完部、105…信頼度判定部、106…ナビゲーション部、107…移動履歴記録部、108…目的地推定部、211…入力装置、212…演算装置、213…記憶装置、214…出力装置、231…入力装置、232…演算装置、233…記憶装置、234…出力装置、321…商品説明会議、322…歯医者、323…C社打ち合わせ、324…月例報告会、325…○○誌取材、2111…キーボード、2112…タッチパッド、2141…ディスプレイ、2142…スピーカ、2311…タッチパネル、2312…スイッチ、2313…マイク、2341…ディスプレイ、2342…スピーカ、D53,D55,D57…スケジュールアイコン、D54,D56,D58…目的地候補、P50…地点(車両位置)、P51,P52,P53…地点(推定目的地)、R51,R52,R53…経路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を管理するスケジュールサーバと、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記スケジュールサーバとが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、を少なくとも備え、前記スケジュールサーバは、利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースと、前記ナビゲーション装置から転送される利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、前記スケジュールデータベースから抽出された当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部と、を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュールを管理するスケジュールサーバと、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記スケジュールサーバとが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、前記スケジュールサーバから転送される当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部と、を少なくとも備え、前記スケジュールサーバは、利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースを少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末をさらに備え、前記スケジュールサーバは、前記クライアント端末から転送される利用者のスケジュール情報を、前記スケジュールデータベースに記録することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末と、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記クライアント端末とが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、当該利用者に関する移動体の移動履歴と、前記クライアント端末から転送される当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部を少なくとも備え、前記クライアント端末は、入力された利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースを少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末と、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記クライアント端末とが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、前記クライアント端末から転送される利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースと、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、当該利用者に関する移動体の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末と、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記クライアント端末とが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、を少なくとも備え、前記クライアント端末は、入力された利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースと、前記ナビゲーション装置から転送される利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記スケジュールデータベースに記録される利用者のスケジュール情報が、スケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、または、イベント内容に関する情報のうち、少なくとも一つ以上を含む情報から構成されており、前記表題補完部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各前記情報のうち、少なくとも一つ以上を含む情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴中の該当する情報とに基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各前記情報のうち、開催場所を示す情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴のうち、目的地を示す場所に関する情報とに基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各前記情報のうち、少なくとも開始日時を示す情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴のうち、少なくとも目的地への到着日時を示す情報とに基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報をあらかじめ定めた規則に基づいて統合した情報を用いて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、あらかじめ定めた前記規則として、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報間の類似度に基づいて、複数個の前記スケジュール情報を統合した情報を用いて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、複数個の前記スケジュール情報間の類似度を、前記スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、または、イベント内容に関する情報のうち、少なくとも一つ以上を含む情報それぞれの一致度を評価することによって設定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、あらかじめ定めた前記規則として、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報それぞれの鮮度に基づいて、複数個の前記スケジュール情報を統合した情報を用いて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、複数個の前記スケジュール情報それぞれの鮮度を、前記スケジュール情報の作成日時または開催日時からの経過時間を評価することによって設定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、前記スケジュールデータベースに記録された当該利用者の過去のスケジュール情報との一致度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を評価する信頼度判定部を、前記スケジュールサーバまたは前記ナビゲーション装置または前記クライアント端末のいずれかに、さらに備え、前記表題補完部は、前記信頼度判定部が判定した前記スケジュール情報の信頼度に関する判定結果を加味して、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、生成した前記推定目的地に対する表題と、前記信頼度判定部による前記スケジュール情報の信頼度の判定結果と、の双方を、前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各情報のいずれかに、場所を示す情報として含まれている施設関連情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている場所に関する情報と、の一致度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記施設関連情報は、前記スケジュール情報を構成する各情報のうち、スケジュールの開催場所、主催者または参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスのうち、少なくとも一つ以上の情報から抽出されることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項19】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各情報のうち、スケジュールの開始日時、終了日時に関する情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている目的地への到着日時、該目的地からの出発日時に関する情報と、の一致度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項20】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、前記スケジュール情報それぞれについて、スケジュールの主催者が、前記ガイド情報が提示される利用者本人であるか否か、または、スケジュールへの参加者が、前記ガイド情報が提示される利用者本人のみであるか否か、または、スケジュールへの参加者に、異なる組織の人物が含まれているか否か、または、スケジュールが繰り返し開催される反復属性を含んでいるか否か、または、スケジュールへの参加要求レベルが、前記ガイド情報が提示される利用者本人にとって必須とされているか否か、または、スケジュールへの参加表明が、前記ガイド情報が提示される利用者本人によりなされているか否か、の少なくとも一つ以上の判定結果に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項21】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報間の類似度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、前記スケジュール情報間の類似度を評価する際に、利用者の前記スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容の各情報のうち、少なくとも一つ以上の情報間の一致度に基づいて、前記スケジュール情報間の類似度を評価することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項23】
請求項15ないし22のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記信頼度判定部による前記スケジュール情報の信頼度の判定結果に応じて、前記スケジュール情報のタイトルのみを前記推定目的地に対する表題として生成する形式と、前記スケジュール情報のタイトルと前記スケジュール情報または地図情報から得られる施設名称または住所情報との双方を前記推定目的地に対する表題として生成する形式と、地図情報から得られる施設名称または住所情報のみを前記推定目的地に対する表題として生成する形式と、のいずれかに切り替えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項24】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置において、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与する表題補完部と、を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項25】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション方法において、利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定し、かつ、当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与して出力することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項1】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を管理するスケジュールサーバと、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記スケジュールサーバとが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、を少なくとも備え、前記スケジュールサーバは、利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースと、前記ナビゲーション装置から転送される利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、前記スケジュールデータベースから抽出された当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部と、を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュールを管理するスケジュールサーバと、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記スケジュールサーバとが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、前記スケジュールサーバから転送される当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部と、を少なくとも備え、前記スケジュールサーバは、利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースを少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末をさらに備え、前記スケジュールサーバは、前記クライアント端末から転送される利用者のスケジュール情報を、前記スケジュールデータベースに記録することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末と、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記クライアント端末とが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、当該利用者に関する移動体の移動履歴と、前記クライアント端末から転送される当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部を少なくとも備え、前記クライアント端末は、入力された利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースを少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末と、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記クライアント端末とが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、前記クライアント端末から転送される利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースと、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、当該利用者に関する移動体の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置と、利用者のスケジュール情報を入力するクライアント端末と、を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置と前記クライアント端末とが連携して利用者へ提示すべき前記ガイド情報を生成して出力するナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、を少なくとも備え、前記クライアント端末は、入力された利用者のスケジュール情報を記録するスケジュールデータベースと、前記ナビゲーション装置から転送される利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力する表題補完部を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記スケジュールデータベースに記録される利用者のスケジュール情報が、スケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、または、イベント内容に関する情報のうち、少なくとも一つ以上を含む情報から構成されており、前記表題補完部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各前記情報のうち、少なくとも一つ以上を含む情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴中の該当する情報とに基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各前記情報のうち、開催場所を示す情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴のうち、目的地を示す場所に関する情報とに基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各前記情報のうち、少なくとも開始日時を示す情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴のうち、少なくとも目的地への到着日時を示す情報とに基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報をあらかじめ定めた規則に基づいて統合した情報を用いて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、あらかじめ定めた前記規則として、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報間の類似度に基づいて、複数個の前記スケジュール情報を統合した情報を用いて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、複数個の前記スケジュール情報間の類似度を、前記スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、または、イベント内容に関する情報のうち、少なくとも一つ以上を含む情報それぞれの一致度を評価することによって設定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、あらかじめ定めた前記規則として、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報それぞれの鮮度に基づいて、複数個の前記スケジュール情報を統合した情報を用いて、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、複数個の前記スケジュール情報それぞれの鮮度を、前記スケジュール情報の作成日時または開催日時からの経過時間を評価することによって設定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、前記スケジュールデータベースに記録された当該利用者の過去のスケジュール情報との一致度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を評価する信頼度判定部を、前記スケジュールサーバまたは前記ナビゲーション装置または前記クライアント端末のいずれかに、さらに備え、前記表題補完部は、前記信頼度判定部が判定した前記スケジュール情報の信頼度に関する判定結果を加味して、前記推定目的地に対する表題を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、生成した前記推定目的地に対する表題と、前記信頼度判定部による前記スケジュール情報の信頼度の判定結果と、の双方を、前記ガイド情報に付与するための補完データとして出力することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各情報のいずれかに、場所を示す情報として含まれている施設関連情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている場所に関する情報と、の一致度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記施設関連情報は、前記スケジュール情報を構成する各情報のうち、スケジュールの開催場所、主催者または参加者のアドレス情報、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレスのうち、少なくとも一つ以上の情報から抽出されることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項19】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、利用者の前記スケジュール情報を構成する各情報のうち、スケジュールの開始日時、終了日時に関する情報と、前記移動履歴記録部に記録された当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている目的地への到着日時、該目的地からの出発日時に関する情報と、の一致度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項20】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、前記スケジュール情報それぞれについて、スケジュールの主催者が、前記ガイド情報が提示される利用者本人であるか否か、または、スケジュールへの参加者が、前記ガイド情報が提示される利用者本人のみであるか否か、または、スケジュールへの参加者に、異なる組織の人物が含まれているか否か、または、スケジュールが繰り返し開催される反復属性を含んでいるか否か、または、スケジュールへの参加要求レベルが、前記ガイド情報が提示される利用者本人にとって必須とされているか否か、または、スケジュールへの参加表明が、前記ガイド情報が提示される利用者本人によりなされているか否か、の少なくとも一つ以上の判定結果に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項21】
請求項15または16に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、前記移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に含まれている到着地と同一の開催場所の情報を有する当該利用者の前記スケジュール情報が前記スケジュールデータベースに複数個記録されていることを検出した場合、同一の開催場所の情報を有する複数個の前記スケジュール情報間の類似度に基づいて、前記スケジュール情報それぞれの信頼度を判定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記信頼度判定部は、前記スケジュール情報間の類似度を評価する際に、利用者の前記スケジュール情報を構成するスケジュールのタイトル、開催場所、開催日時、主催者、参加者、イベント内容の各情報のうち、少なくとも一つ以上の情報間の一致度に基づいて、前記スケジュール情報間の類似度を評価することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項23】
請求項15ないし22のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記表題補完部は、前記信頼度判定部による前記スケジュール情報の信頼度の判定結果に応じて、前記スケジュール情報のタイトルのみを前記推定目的地に対する表題として生成する形式と、前記スケジュール情報のタイトルと前記スケジュール情報または地図情報から得られる施設名称または住所情報との双方を前記推定目的地に対する表題として生成する形式と、地図情報から得られる施設名称または住所情報のみを前記推定目的地に対する表題として生成する形式と、のいずれかに切り替えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項24】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション装置において、利用者に関する移動体の移動履歴を記録する移動履歴記録部と、該移動履歴記録部に記録された利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定する目的地推定部と、利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与する表題補完部と、を少なくとも備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項25】
移動体に搭載され目的地へのルートをガイド情報として利用者に提示するナビゲーション方法において、利用者に関する移動体の過去の移動履歴に基づいて、当該利用者の行き先を推定目的地として推定し、かつ、当該利用者に関する移動体の過去の移動履歴と、当該利用者の過去のスケジュール情報と、に基づいて、前記推定目的地に対する表題を生成して前記ガイド情報に付与して出力することを特徴とするナビゲーション方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−186219(P2009−186219A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23963(P2008−23963)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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