説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置

【課題】他車両との待ち合わせの際に、適切なタイミングで他車両の位置を取得して地図上に表示する。
【解決手段】自車両に搭載されたナビゲーション装置は、待ち合わせ場所を設定し(ステップS1)、自車位置を検出する(ステップS10)。検出された自車位置が、設定された待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定し(ステップS20)、待ち合わせ場所の付近であると判定されたときに、他車両に対して他車位置情報を要求する(ステップS30)。この要求に応じて他車両のナビゲーション装置から送信された他車位置情報に基づいて、他車両の位置を地図上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置と、複数のナビゲーション装置によって構成されるナビゲーションシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、他車両から位置情報を受信し、受信した他車両の位置情報に基づいて、他車両の位置を地図上に表示する装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−44795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような従来の装置において、走行中の他車両の位置を正しく表示するためには、他車両の位置情報を一定時間ごとに取得しなければならない。これは、通信時の処理負担の増加を引き起こすと共に、公衆回線を使用する場合は通信料金の増加にもつながる。しかし、同行する複数の車両が広い駐車場で待ち合わせを行ったような場合には、待ち合わせ場所である駐車場に到着したときに互いの位置が正しく分かればよいため、必ずしも相手の車両から位置情報を一定時間ごとに取得する必要はない。したがって、他車両との待ち合わせの際に、適切なタイミングで他車両の位置を取得して地図上に表示することができる装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーションシステムは、第一の車両に搭載された第一のナビゲーション装置と、第二の車両に搭載された第二のナビゲーション装置とを有するナビゲーションシステムであって、第一のナビゲーション装置は、第一の車両の位置が設定された待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定する第一の判定手段と、第一の判定手段により第一の車両の位置が待ち合わせ場所の付近であると判定されたときに、第二のナビゲーション装置に対して第二の車両の位置情報を要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて第二のナビゲーション装置から送信される第二の車両の位置情報に基づいて、第二の車両の位置を地図上に表示する表示制御手段とを備え、第二のナビゲーション装置は、要求手段による要求に応じて、第二の車両の位置情報を第一のナビゲーション装置へ送信する送信制御手段を備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、第二のナビゲーション装置は、第二の車両の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定する第二の判定手段をさらに備え、送信制御手段は、第二の判定手段により第二の車両の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であると判定されたときには、要求手段による要求に応じて第二の車両の位置情報を第一のナビゲーション装置へ送信し、第二の判定手段により第二の車両の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内でないと判定されたときには、要求手段による要求があっても第二の車両の位置情報を第一のナビゲーション装置へ送信しないこととするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、第一のナビゲーション装置は、第一の車両が待ち合わせ場所に到着したか否かを判定する第三の判定手段と、第三の判定手段により第一の車両が待ち合わせ場所に到着したと判定されたときに、その旨の通知を第二のナビゲーション装置へ送信する到着通知手段とをさらに備えるものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーションシステムにおいて、到着通知手段は、第三の判定手段により第一の車両が待ち合わせ場所に到着したと判定されたときに、その旨の通知と共に、さらに第一の車両の位置情報を第二のナビゲーション装置へ送信するものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、第二のナビゲーション装置は、到着通知手段により送信された第一の車両の位置情報に基づいて、第一の車両の位置を目的地に設定する目的地設定手段と、第二の車両の位置から目的地設定手段により目的地に設定された第一の車両の位置までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段とをさらに備えるものである。
請求項6の発明によるナビゲーション装置は、自車両の位置が設定された待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定する第一の判定手段と、第一の判定手段により自車両の位置が待ち合わせ場所の付近であると判定されたときに、他車両に対して他車位置情報を要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて他車両から送信される他車位置情報に基づいて、他車両の位置を地図上に表示する表示制御手段とを備えるものである。
請求項7の発明によるナビゲーション装置は、自車両の位置が設定された待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定する第二の判定手段と、第二の判定手段により自車両の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であると判定されたときには、他車両からの要求に応じて自車位置情報を他車両へ送信し、第二の判定手段により自車両の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内でないと判定されたときには、他車両からの要求があっても自車位置情報を他車両へ送信しない送信制御手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、他車両との待ち合わせの際に、適切なタイミングで他車両の位置を取得して地図上に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置を使用したシステムの構成例を図1に示す。自車両1には、ナビゲーション装置10と通信端末11とが搭載されており、他車両2には、ナビゲーション装置20と通信端末21とが搭載されている。
【0008】
ナビゲーション装置10は、自車両1の位置、すなわち自車位置を検出し、その自車位置を示す自車位置マークを地図上に表示する。また、ナビゲーション装置10は、目的地が設定されると、自車両1をその目的地まで案内するためのナビゲーション処理を実行する。すなわち、ユーザの操作などによりナビゲーション装置10に対して目的地が設定されると、ナビゲーション装置10はその目的地までの推奨経路を地図データに基づいて探索する。そして、探索された推奨経路を地図上に表示し、その推奨経路に従ってユーザに進行方向の指示を行うことにより、自車両1を目的地まで案内する。
【0009】
さらにナビゲーション装置10は、自車両1と他車両2とに対して、同じ場所を待ち合わせ場所として設定することができる。この待ち合わせ場所に自車両1が近づくと、ナビゲーション装置10は、他車両2に対して、その位置情報すなわち他車位置情報を送信するよう要求する。この要求に応じて他車両2から他車位置情報が送信されると、ナビゲーション装置10は、その他車位置情報に基づいて、他車両2の位置を地図上に表示する。なお、この際に実行される具体的な処理の内容については、後で図3のフローチャートにより詳しく説明する。
【0010】
通信端末11は、公衆無線回線網3に接続することにより、他車両2に搭載された通信端末21との間で無線通信を行う。この無線通信により、通信端末11において、他車両2から送信される他車位置情報が受信されると共に、ナビゲーション装置10から出力される自車両1の位置情報すなわち自車位置情報が、他車両2へと送信される。こうして公衆無線回線網3を介して無線通信を行うことにより、自車両1と他車両2の間で互いの位置情報が交換される。なお、公衆無線回線網3は、たとえば携帯電話回線網であり、通信端末11には、たとえば携帯電話が用いられる。
【0011】
通信端末11において受信された他車位置情報は、通信端末11からナビゲーション装置10へ出力される。この他車位置情報は、ナビゲーション装置10において、前述のように他車両2の位置を地図上に表示する際に利用される。
【0012】
自車両1に搭載されているナビゲーション装置10および通信端末11は、以上説明したような処理や動作を行う。なお、他車両2に搭載されているナビゲーション装置20および通信端末21も、それぞれに同様の処理や動作を行う。
【0013】
次に、ナビゲーション装置10の構成を図2に示す。ナビゲーション装置10は、制御部101、振動ジャイロ102、車速センサ103、ハードディスク(HDD)104、GPS受信部105、表示モニタ106および入力装置107を備えている。
【0014】
制御部101は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD104に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部101により、ナビゲーション装置10における様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の処理などが実行される。また、後で説明する図3のフローチャートに示す処理も、制御部101によって実行される。
【0015】
制御部101は、通信端末11と接続されている。制御部101の制御により、自車位置情報が通信端末11へ出力されると、通信端末11が行う無線通信により、その自車位置情報が自車両1から他車両2へと送信される。一方、通信端末11によって他車両2から受信された他車位置情報は、通信端末11から制御部101へと出力される。
【0016】
振動ジャイロ102は、自車両1の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ103は、自車両1の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両1の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両1の移動量が求められ、それによって自車両1の現在位置が検出される。
【0017】
HDD104は、データの書き換えが可能な不揮発性の記録媒体であり、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD104に記録されている地図データは、必要に応じて制御部101の制御により読み出され、制御部101が実行する様々な処理や制御に利用される。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までのルート探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って自車両1を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状や種別を表す。背景データは、河川や鉄道などの道路以外の地図形状や、各種施設の位置などを表す。なお、地図データにおいて各道路を表す最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、地図データにおいて各道路は複数のリンクによって構成されている。
【0018】
GPS受信部105は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部101へ出力する。GPS信号には、自車両1の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両1の現在位置と現在時刻を算出することができる。
【0019】
表示モニタ106は、ナビゲーション装置10において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ106により、自車両1の周辺について地図が表示され、その地図上に自車位置や他車位置が表示される。表示モニタ106に表示される画面の内容は、制御部101が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ106は、たとえば自車両1のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0020】
入力装置107は、ナビゲーション装置10を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザはこの入力装置107を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。入力装置107は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ106と一体化されたタッチパネルにより入力装置107を実現してもよい。
【0021】
ユーザが入力装置107を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置10は、前述の経路計算データに基づいて、所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、目的地までの推奨経路を探索する。そして、自車両1の現在位置を検出し、その周辺の道路地図を表示しながら、探索された推奨経路に従って自車両1を目的地まで誘導する。
【0022】
次に、自車両1と他車両2とが待ち合わせを行う際に、ナビゲーション装置10の制御部101において実行される処理について、図3に示すフローチャートにより説明する。ステップS1において、制御部101は、待ち合わせ場所の設定を行う。ここでは、たとえばナビゲーション装置10とナビゲーション装置20において同じ目的地をそれぞれ設定し、その目的地を待ち合わせ場所として設定する。あるいは、ナビゲーション装置10または20のいずれか一方において設定した待ち合わせ場所の情報を他方へと送信することにより、ナビゲーション装置10と20において同じ待ち合わせ場所を設定するようにしてもよい。なお、この待ち合わせ場所の設定を行う際に、合わせて他車両2の連絡先を設定しておくようにしてもよい。たとえば、通信端末21の電話番号を登録するなどの方法により、他車両2の連絡先を登録することができる。
【0023】
ステップS10において、制御部101は、自車位置を検出する。ここでは前述のように、振動ジャイロ102、車速センサ103およびGPS受信部105からの出力に基づいて、自車位置の検出を行う。
【0024】
ステップS20において、制御部101は、ステップS10で検出した自車位置が、ステップS1で設定した待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定する。自車位置が待ち合わせ場所の付近である場合、たとえば、自車位置と待ち合わせ場所との距離が300m以内である場合は、ステップS30へ進む。一方、自車位置が待ち合わせ場所の付近ではない場合は、ステップS30を実行せずにステップS40へ進む。
【0025】
ステップS30において、制御部101は、位置情報要求処理を実行する。これにより、ナビゲーション装置10からナビゲーション装置20に対して、他車位置情報の要求が行われる。なお、ここで実行される位置情報要求処理の具体的な内容については、後で図4のフローチャートにより詳しく説明する。ステップS30を実行したら、ステップS40へ進む。
【0026】
ステップS40において、制御部101は、他車両2から位置情報の要求があったか否かを判定する。他車両2のナビゲーション装置20においてステップS30の位置情報要求処理が実行されると、他車両2からナビゲーション装置10に対して位置情報の要求が行われる。この場合はステップS50へ進む。一方、他車両2から位置情報の要求がない場合は、ステップS50を実行せずにステップS60へ進む。
【0027】
ステップS50において、制御部101は、他車両2からの位置情報の要求に応答するための応答処理を実行する。なお、ここで実行される応答処理の具体的な内容については、後で図5のフローチャートにより詳しく説明する。ステップS50を実行したら、ステップS60へ進む。
【0028】
ステップS60において、制御部101は、ステップS1で設定した待ち合わせ場所に自車両1が到着したか否かを判定する。ステップS10で検出した自車位置が設定した待ち合わせ場所と一致しており、さらに自車両1が停車した場合は、待ち合わせ場所に到着したと判定してステップS70へ進む。このとき、たとえば自車両1の車速、パーキングブレーキの操作状態、シフトレバーの位置、エンジンの動作状態などに基づいて、自車両1が停車したか否かを判断することができる。一方、自車両1が待ち合わせ場所にまだ到着していない場合は、ステップS80へ進む。
【0029】
ステップS70において、制御部101は、自車両1が待ち合わせ場所に到着したことを通知するための到着通知処理を実行する。これにより、ナビゲーション装置10からナビゲーション装置20に対して、待ち合わせ場所への到着が通知される。なお、ここで実行される到着通知処理の具体的な内容については、後で図6のフローチャートにより詳しく説明する。ステップS70を実行したら、図3のフローチャートを終了する。
【0030】
ステップS80において、制御部101は、待ち合わせ場所への到着を他車両2から通知されたか否かを判定する。他車両2のナビゲーション装置20においてステップS70の到着通知処理が実行されると、他車両2からナビゲーション装置10に対して、待ち合わせ場所へ到着したことが通知される。この場合はステップS90へ進む。一方、他車両2からの到着通知がない場合は、ステップS90を実行せずにステップS10へ戻る。
【0031】
ステップS90において、制御部101は、他車両2からの到着通知を受信するための到着通知受信処理を実行する。なお、ここで実行される到着通知受信処理の具体的な内容については、後で図7のフローチャートにより詳しく説明する。ステップS90を実行したらステップS10へ戻り、上記と同様の処理を自車位置の検出から繰り返す。
【0032】
次に、図4の位置情報要求処理のフローチャートについて説明する。ステップS300において、制御部101は、図3のステップS10で検出した自車位置に基づく自車位置情報の送信を行う。なお、この自車位置情報の送信は、前述したように、通信端末11が公衆無線回線網3に接続し、他車両2に搭載された通信端末21との間で無線通信を行うことにより行われる。
【0033】
ステップS310において、制御部101は、他車両2のナビゲーション装置20に対して他車位置情報の要求を行う。次のステップS320において、制御部101は、ステップS310の要求に応じて、ナビゲーション装置20から他車位置情報が送信されたか否かを判定する。ナビゲーション装置20において後で説明する図5のステップS530の処理が実行されることにより、他車両2の位置を示す他車位置情報が送信された場合は、ステップS330へ進む。一方、ナビゲーション装置20から他車位置情報が送信されなかった場合は、ステップS350へ進む。
【0034】
ステップS330において、制御部101は、ナビゲーション装置20から送信された他車位置情報を受信する。なお、ナビゲーション装置20は、通信端末21と公衆無線回線網3とを介して、通信端末11へと他車位置情報を送信する。制御部101は、通信端末11によって受信された他車位置情報を通信端末11から入力することにより、ステップS330において他車位置情報の受信を行う。これにより、制御部101において他車位置情報が取得される。
【0035】
ステップS340において、制御部101は、ステップS330で受信した他車位置情報に基づいて、他車位置の表示を行う。これにより、他車両2の位置が地図上に表示される。なお、このときに他車両2の位置を地図上に適切に表示できるようにするため、地図の縮尺や表示範囲を、自動的にあるいはユーザの応答に応じて調節するようにしてもよい。ステップS340を実行したら、制御部101は、図3へ戻ってステップS30の位置情報要求処理を完了する。
【0036】
一方、ステップS320からステップS350へ進んだ場合、ステップS350において、制御部101は、他車両2がまだ待ち合わせ場所に近づいていないことを表示モニタ106に表示する。これにより、ナビゲーション装置20から他車位置情報が送信されない場合は、他車両2がまだ待ち合わせ場所に近づいていないと判断し、その旨を表示してユーザに通知する。ステップS350を実行したら、制御部101は、図3へ戻ってステップS30の位置情報要求処理を完了する。
【0037】
次に、図5の応答処理のフローチャートについて説明する。ステップS500において、制御部101は、ナビゲーション装置20から送信された他車位置情報を受信する。この他車位置情報は、他車両2が待ち合わせ場所の付近に到達し、ナビゲーション装置20によってステップS30の位置情報要求処理が実行されると、図4のステップS300においてナビゲーション装置20から送信されるものである。このように、他車両2から位置情報の要求があると、ステップS500が実行されることにより、制御部101において他車位置情報が取得される。
【0038】
ステップS510において、制御部101は、他車両2が待ち合わせ場所の付近に到達したことを表示モニタ106に表示する。これにより、ナビゲーション装置20から位置情報の要求があった場合は、他車両2が待ち合わせ場所の付近に到達したと判断し、その旨を表示してユーザに通知する。
【0039】
ステップS520において、制御部101は、図3のステップS10で検出した自車位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定する。自車位置が待ち合わせ場所から所定距離以内、たとえば1km以内である場合は、ステップS530へ進む。この場合、ステップS530において、制御部101は、その自車位置情報を他車両2のナビゲーション装置20に対して送信する。ステップS530を実行したら、制御部101は、図3へ戻ってステップS50の応答処理を完了する。一方、自車位置が待ち合わせ場所から所定距離以内でない場合は、ステップS530を実行せずに図3へ戻る。このようにして、自車位置が待ち合わせ場所から所定距離以内である場合には、自車両1から他車両2へ自車位置情報が送信される。しかし、自車位置が待ち合わせ場所から所定距離以内でない場合には、自車位置情報は送信されない。
【0040】
次に、図6の到着通知処理のフローチャートについて説明する。ステップS700において、制御部101は、自車両1が待ち合わせ場所に到着したことをナビゲーション装置20に対して通知する。この到着通知の送信は、自車位置情報を送信する場合と同様に、通信端末11が公衆無線回線網3に接続し、他車両2に搭載された通信端末21との間で無線通信を行うことにより行われる。
【0041】
ステップS710において、制御部101は、自車位置情報を他車両2のナビゲーション装置20に対して送信する。これにより、自車両1が待ち合わせ場所に到着した際には、自車両1から他車両2へと自車位置情報が送信される。ステップS710を実行したら、制御部101は、図3へ戻ってステップS70の到着通知処理を完了する。
【0042】
なお、上記の到着通知処理を一度実行した後に、自車両1が移動して別の場所に再度停車したような場合には、改めて到着通知処理を実行することが好ましい。このようにすれば、停車後に自車両1が移動した場合にも、その自車位置の変化を他車両2へ通知することができる。
【0043】
次に、図7の到着通知受信処理のフローチャートについて説明する。ステップS900において、制御部101は、ナビゲーション装置20から送信された他車位置情報を受信する。この他車位置情報は、他車両2が待ち合わせ場所へと到着し、ナビゲーション装置20によってステップS70の到着通知処理が実行されると、図6のステップS710においてナビゲーション装置20から送信されるものである。このように、待ち合わせ場所への到着通知が他車両2からあると、ステップS900が実行されることにより、制御部101において他車位置情報が取得される。
【0044】
ステップS910において、制御部101は、他車両2が待ち合わせ場所に到着したことを表示モニタ106に表示する。これにより、待ち合わせ場所への到着通知が他車両2からあった場合は、他車両2が待ち合わせ場所に到着したと判断し、その旨を表示してユーザに通知する。
【0045】
図8は、ステップS910において表示モニタ106に表示される到着通知画面の例である。この画面では、自車両1の位置が自車位置マーク30によって地図上に示さると共に、待ち合わせ場所を示す待ち合わせ場所マーク31が駐車場32に対して表示されている。これにより、駐車場32が自車両1と他車両2との待ち合わせ場所に設定されていることが分かる。
【0046】
メッセージウィンドウ33には、他車両2が自車両1との待ち合わせ場所である駐車場32に到着した旨のテキストメッセージが表示されている。なお、テキストメッセージにおける「○○さん」は、他車両2の運転者として予め登録された名称である。さらに、メッセージウィンドウ33には地図を拡大するか否かの問い合わせも表示されている。
【0047】
ステップS920において、制御部101は、表示する地図を拡大するか否かの判定を行う。図8のメッセージウィンドウ33において、ユーザの操作により「はい」が選択されると、地図を拡大すると判定してステップS930へ進む。一方、メッセージウィンドウ33において「いいえ」が選択されると、ステップS940へ進む。
【0048】
ステップS930において、制御部101は、地図縮尺の変更を行う。ここでは、図3のステップS10で検出した自車位置と、ステップS900で受信した他車位置情報とに基づいて、自車位置と他車位置との位置関係を分かりやすく地図上に表すために最適な地図縮尺が自動的に設定される。
【0049】
ステップS940において、制御部101は、ステップS900で受信した他車位置情報に基づいて、他車位置の表示を行う。これにより、待ち合わせ場所に到着した他車両2の位置が地図上に表示される。なお、他車位置が地図の表示範囲外にある場合や、地図縮尺が小さい場合には、他車位置を表示しないこととしてもよい。
【0050】
図9は、ステップS940において他車位置を表示したときの地図画面の例である。この画面では、ステップS930が実行されることにより、図8の画面と比べて地図の縮尺が拡大されている。自車位置マーク30が表示されると共に、駐車場32の中には、他車両2の位置を示す他車位置マーク34が表示されている。なお、このとき自車位置を表示せずに、他車位置のみを地図上に表示するようにしてもよい。
【0051】
ステップS950において、制御部101は、ステップS940で表示した他車位置を目的地に設定するか否かを判定する。ユーザの操作により、他車位置を目的地に設定するように指示された場合は、ステップS960へ進む。一方、他車位置を目的地に設定しない場合は、図3へ戻ってステップS90の到着通知受信処理を完了する。
【0052】
ステップS960において、制御部101は、ステップS940で表示した他車位置を目的地に設定する。ステップS970において、制御部101は、自車位置からステップS960で目的地に設定した他車位置までの推奨経路を、HDD104に記録された地図データに基づいて探索する。ステップS980において、制御部101は、ステップS970で探索した推奨経路を地図上に表示する。この推奨経路に従って、目的地である他車位置に向かって自車両1が誘導される。ステップS980を実行したら、制御部101は、図3へ戻ってステップS90の到着通知受信処理を完了する。
【0053】
なお、以上説明したのと同様の処理が他車両2に搭載されたナビゲーション装置20の制御部においても実行される。すなわち、ナビゲーション装置20の制御部は、他車両2の位置が待ち合わせ場所の付近であるか否かをステップS20において判定し、待ち合わせ場所の付近であると判定された場合は、ステップS30の位置情報要求処理を実行する。これにより、他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信する(ステップS300)と共に、自車位置情報をナビゲーション装置10に対して要求し(ステップS310)、自車位置情報が送信されたら、その自車位置情報に基づいて自車両1の位置を地図上に表示する(ステップS340)。
【0054】
また、ナビゲーション装置10から位置情報の要求があった場合、ナビゲーション装置20の制御部は、ステップS50の応答処理を実行する。これにより、他車位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定し(ステップS520)、待ち合わせ場所から所定距離以内であると判定された場合は、ナビゲーション装置10からの要求に応じて、他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信する(ステップS530)。しかし、待ち合わせ場所から所定距離以内でないと判定された場合は、ナビゲーション装置10からの要求があっても他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信しない。
【0055】
さらに、他車両2が待ち合わせ場所に到着した場合、ナビゲーション装置20の制御部は、ステップS70の到着通知処理を実行する。これにより、他車両2が待ち合わせ場所に到着した旨の通知をナビゲーション装置10に対して送信し(ステップS700)、その通知の送信と共に、他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信する(ステップS710)。
【0056】
ナビゲーション装置10から到着通知があった場合、ナビゲーション装置20の制御部は、ステップS90の到着通知受信処理を実行する。これにより、ナビゲーション装置10から送信された自車位置情報を受信し(ステップS900)、受信した自車位置情報に基づいて、自車両1の位置を地図上に表示する(ステップS940)と共に、その自車位置を目的地に設定する(ステップS960)。そして、他車位置から目的地に設定された自車位置までの推奨経路を探索し(ステップS970)、探索された推奨経路を地図上に表示する(ステップS980)。
【0057】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置10は、制御部101の処理により、待ち合わせ場所を設定し(ステップS1)、自車両1の位置を検出する(ステップS10)。この自車両1の位置が設定された待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定し(ステップS20)、待ち合わせ場所の付近であると判定されたときに、他車両2のナビゲーション装置20に対して他車位置情報を要求する(ステップS310)。この要求に応じて、ナビゲーション装置20は、他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信する(ステップS530)。こうしてナビゲーション装置20から送信される他車位置情報に基づいて、ナビゲーション装置10は、他車両2の位置を地図上に表示する(ステップS340)こととした。このようにしたので、他車両2との待ち合わせの際に、適切なタイミングで他車両2の位置を取得して地図上に表示することができる。
【0058】
(2)上記のステップS310によるナビゲーション装置10からの位置情報の要求があると、ナビゲーション装置20は、他車両2の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定する(ステップS520)。その結果、他車両2の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内であると判定されたときには、ナビゲーション装置10からの要求に応じて、他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信する(ステップS530)。しかし、他車両2の位置が待ち合わせ場所から所定距離以内でないと判定されたときには、ナビゲーション装置10からの要求があっても、ステップS530を実行せずに他車位置情報をナビゲーション装置10へ送信しないこととした。このようにしたので、無駄な通信を省きつつ、自車両1において必要なときに他車位置情報を取得することができる。
【0059】
(3)ナビゲーション装置10は、制御部101の処理により、自車両1が待ち合わせ場所に到着したか否かを判定し(ステップS60)、待ち合わせ場所に到着したと判定されたときに、その旨をナビゲーション装置20へ通知する(ステップS700)こととした。このようにしたので、自車両1が待ち合わせ場所へ到着したことを他車両2に対して確実に通知することができる。
【0060】
(4)ナビゲーション装置10は、制御部101の処理により、ステップS60において自車両1が待ち合わせ場所に到着したと判定されたときに、その旨の通知と共に、さらに自車位置情報をナビゲーション装置20へ送信する(ステップS710)こととした。このようにしたので、待ち合わせ場所に到着すると、他車両2との通信が途絶える前に、自車位置情報を確実に他車両2へと送信することができる。
【0061】
(5)上記のステップS710によりナビゲーション装置10から自車位置情報が送信されると、ナビゲーション装置20は、その自車位置情報に基づいて、自車両1の位置を目的地に設定する(ステップS960)。そして、他車位置から目的地に設定された自車位置までの推奨経路を探索する(ステップS970)こととした。このようにしたので、他車両2は、既に待ち合わせ場所に到着した自車両1の所へ容易にかつ確実に行き着くことができる。
【0062】
なお、上記の実施の形態では、自車両1と他車両2とが待ち合わせを行う場合の例を説明したが、3台以上の車両が待ち合わせを行う場合にも同様の処理を適用可能である。また、駐車場に限らず、他の待ち合わせ場所においても適用することができる。
【0063】
以上説明した実施の形態や各種の変形例は、あくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0064】
以上説明した実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段を、ナビゲーション装置10の制御部101またはナビゲーション装置20の制御部において実行される処理によりそれぞれ実現することとした。すなわち、ナビゲーション装置10の制御部101またはナビゲーション装置20の制御部は、第一の判定手段、要求手段、表示制御手段、送信制御手段、第二の判定手段、第三の判定手段、到着通知手段、目的地設定手段および推奨経路探索手段として機能することができる。また、以上説明した実施の形態では、特許請求の範囲における第一の車両と第二の車両を、それぞれ自車両1と他車両2により説明した。すなわち、第一のナビゲーション装置は、自車両1に搭載されたナビゲーション装置10に対応し、第二のナビゲーション装置は、他車両2に搭載されたナビゲーション装置20に対応するものである。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、各実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置を使用したシステムの構成例を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】自車両と他車両とが待ち合わせを行う際に実行される処理のフローチャートである。
【図4】位置情報要求処理のフローチャートである。
【図5】応答処理のフローチャートである。
【図6】到着通知処理のフローチャートである。
【図7】到着通知受信処理のフローチャートである。
【図8】到着通知画面の例を示す図である。
【図9】他車位置を表示したときの地図画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1:自車両 2:他車両
10,20:ナビゲーション装置 11,21:通信端末
101:制御部 102:振動ジャイロ
103:車速センサ 104:HDD
105:GPS受信部 106:表示モニタ
107:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の車両に搭載された第一のナビゲーション装置と、第二の車両に搭載された第二のナビゲーション装置とを有するナビゲーションシステムであって、
前記第一のナビゲーション装置は、
前記第一の車両の位置が設定された待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定する第一の判定手段と、
前記第一の判定手段により前記第一の車両の位置が待ち合わせ場所の付近であると判定されたときに、前記第二のナビゲーション装置に対して前記第二の車両の位置情報を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて前記第二のナビゲーション装置から送信される前記第二の車両の位置情報に基づいて、前記第二の車両の位置を地図上に表示する表示制御手段とを備え、
前記第二のナビゲーション装置は、
前記要求手段による要求に応じて、前記第二の車両の位置情報を前記第一のナビゲーション装置へ送信する送信制御手段を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記第二のナビゲーション装置は、前記第二の車両の位置が前記待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定する第二の判定手段をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記第二の判定手段により前記第二の車両の位置が前記待ち合わせ場所から所定距離以内であると判定されたときには、前記要求手段による要求に応じて前記第二の車両の位置情報を前記第一のナビゲーション装置へ送信し、前記第二の判定手段により前記第二の車両の位置が前記待ち合わせ場所から所定距離以内でないと判定されたときには、前記要求手段による要求があっても前記第二の車両の位置情報を前記第一のナビゲーション装置へ送信しないことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記第一のナビゲーション装置は、
前記第一の車両が前記待ち合わせ場所に到着したか否かを判定する第三の判定手段と、
前記第三の判定手段により前記第一の車両が前記待ち合わせ場所に到着したと判定されたときに、その旨の通知を前記第二のナビゲーション装置へ送信する到着通知手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記到着通知手段は、前記第三の判定手段により前記第一の車両が前記待ち合わせ場所に到着したと判定されたときに、その旨の通知と共に、さらに前記第一の車両の位置情報を前記第二のナビゲーション装置へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記第二のナビゲーション装置は、
前記到着通知手段により送信された前記第一の車両の位置情報に基づいて、前記第一の車両の位置を目的地に設定する目的地設定手段と、
前記第二の車両の位置から前記目的地設定手段により目的地に設定された前記第一の車両の位置までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
自車両の位置が設定された待ち合わせ場所の付近であるか否かを判定する第一の判定手段と、
前記第一の判定手段により前記自車両の位置が待ち合わせ場所の付近であると判定されたときに、他車両に対して他車位置情報を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて前記他車両から送信される他車位置情報に基づいて、前記他車両の位置を地図上に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
自車両の位置が設定された待ち合わせ場所から所定距離以内であるか否かを判定する第二の判定手段と、
前記第二の判定手段により前記自車両の位置が前記待ち合わせ場所から所定距離以内であると判定されたときには、他車両からの要求に応じて自車位置情報を前記他車両へ送信し、前記第二の判定手段により前記自車両の位置が前記待ち合わせ場所から所定距離以内でないと判定されたときには、他車両からの要求があっても前記自車位置情報を前記他車両へ送信しない送信制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−298448(P2008−298448A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141719(P2007−141719)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】