説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム

【課題】ユーザーが車両内でデジタル放送を視聴できない場合に、デジタル放送を視聴するための案内を行うことができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、デジタル放送を車両外において視聴可能な視聴可能施設の位置情報を含んだ地図情報を格納する地図情報DB81と、デジタル放送を受信する放送受信部30と、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、地図情報DB81に格納された地図情報を参照することにより視聴可能施設を特定し、当該特定した視聴可能施設に関する案内を行う案内部74とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の現在地から目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置であって、デジタル放送の視聴に関する利便性を高めることができるナビゲーション装置が提案されている。例えば、特許文献1には、良好な受信状態が得られるような走行経路を探索する装置が開示されている。また、特許文献2には、目的地への到着予定時刻が番組の放送開始時刻より遅い場合に、目的地に存在する録画装置に録画予約の設定を行わせる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−74881号公報
【特許文献2】特開2008−244854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の装置は、デジタル放送の視聴に関する利便性に関して改善の余地があった。例えば、特許文献1の装置では、良好な受信状態が得られるような走行経路が見つからない場合には、ユーザがデジタル放送を視聴することができないという問題があった。特に、デジタル放送の場合には、アナログ放送の場合と異なり、受信状態が悪いと映像情報だけでなく音声情報も取得することができないため、ユーザが放送を全く視聴することができないという問題があった。また、特許文献2の装置では、録画装置に録画された放送を目的地に到着した後に視聴することが可能となるが、放送からある程度の時間が経った後でしか放送を視聴することができないので、リアルタイムで視聴することに価値があるような放送をリアルタイムで視聴することができず、ユーザの満足感が得られにくいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、デジタル放送を車両内で視聴できない場合であっても、車両外でデジタル放送を視聴するための案内を行うことにより、デジタル放送の視聴に関する利便性を向上させることができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーション装置は、デジタル放送を車両外において視聴可能な視聴可能施設の位置情報を含んだ地図情報を格納する地図情報格納手段と、デジタル放送を受信する受信手段と、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、前記地図情報格納手段に格納された前記地図情報を参照することにより前記視聴可能施設を特定し、当該特定した前記視聴可能施設に関する案内を行う案内手段とを備える。
【0007】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、前記特定した視聴可能施設の目的地設定と、所定の前記視聴可能施設におけるデジタル放送の録画設定とから、いずれか一方を選択するための選択手段を提示する。
【0008】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、前記受信手段にて受信されたデジタル放送から番組情報を取得する番組情報取得手段を備え、前記案内手段は、前記番組情報取得手段にて取得された番組情報に基づいて、デジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるか否かを判定し、リアルタイム性の高い放送であるものと判定した場合に、前記視聴可能施設に関する案内を行う。
【0009】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、現在地から目的地に至る走行経路を探索する走行経路探索手段と、デジタル放送の放送予定情報を格納する放送予定情報格納手段を備え、前記地図情報格納手段は、位置に対応したデジタル放送の受信感度に関する情報を含んだ地図情報を格納し、前記案内手段は、前記走行経路探索手段にて探索された走行経路において、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間を、前記地図情報格納手段に格納された前記位置に対応したデジタル放送の受信感度に関する情報を参照することで特定し、当該特定した区間の走行時に視聴するデジタル放送を、前記放送予定情報格納手段にて格納された放送予定情報を参照することで特定し、当該特定したデジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるか否かを、前記番組情報取得手段にて取得された番組情報に基づいて判定し、当該特定したデジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるものと判定した場合に、当該特定した区間近傍の視聴可能施設を特定し、当該特定した視聴可能施設に関する案内を行う。
【0010】
また、請求項5に記載のナビゲーション装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記視聴可能施設において使用可能なクーポンを発行するためのクーポン情報を格納するクーポン情報格納手段を備え、前記案内手段は、前記視聴可能施設に関する案内を行う際に、当該案内を行う視聴可能施設において使用可能なクーポンを、前記クーポン情報格納手段にて格納されたクーポン情報を参照して発行する。
【0011】
また、請求項6に記載のナビゲーション方法は、デジタル放送を受信する受信ステップと、前記受信ステップにて受信されたデジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、デジタル放送を視聴可能な視聴可能施設の位置情報を含んだ地図情報を格納する地図情報格納手段に格納された当該地図情報を参照することにより当該視聴可能施設を特定し、当該特定した前記視聴可能施設に関する案内を行う案内ステップとを含む。
【0012】
また、請求項7に記載のナビゲーションプログラムは、請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載のナビゲーション装置、請求項6に記載のナビゲーション方法、又は請求項7に記載のナビゲーションプログラムによれば、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、視聴可能施設に関する案内を行うので、デジタル放送が車両内において視聴困難な走行経路を走行している場合であっても、ユーザは案内を参照することで、デジタル放送を車両外の視聴可能施設において容易に視聴することができるので、デジタル放送の視聴に関する利便性を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載のナビゲーション装置によれば、視聴可能施設の目的地設定と、視聴可能施設におけるデジタル放送の録画設定とから、いずれか一方を選択するための選択手段を提示するので、視聴可能施設でデジタル放送を視聴する以外にも、録画装置でデジタル放送を録画することを容易に選択することができ、例えば、リアルタイム性の高い放送でない場合には録画を行って後から視聴する等、デジタル放送を視聴することに対するユーザの選択肢を増やすことができるので、デジタル放送の視聴に関する利便性を一層向上させることができる。
【0015】
請求項3に記載のナビゲーション装置によれば、デジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるか否かを判定し、リアルタイム性の高い放送であるものと判定した場合に、視聴可能施設に関する案内を行うので、リアルタイムで視聴することに価値があるような放送を、視聴可能施設において確実にリアルタイムで視聴できるようになり、リアルタイム性の高いデジタル放送を視聴することに対するユーザの満足感を高めることができる。
【0016】
請求項4に記載のナビゲーション装置によれば、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間を特定し、当該特定した区間の走行時に視聴するデジタル放送を特定し、当該特定したデジタル放送がリアルタイム性の高い放送である場合に、当該特定した区間近傍の視聴可能施設に関する案内を行うので、リアルタイム性の高いデジタル放送の視聴が困難となる走行経路の区間を先読みして、当該デジタル放送を視聴可能な視聴可能施設を事前に案内することができ、例えば、視聴可能施設を経由する走行経路へ事前に変更を行うことが可能になる等、リアルタイム性の高いデジタル放送を視聴することに関する利便性を一層向上させることができる。
【0017】
請求項5に記載のナビゲーション装置によれば、視聴可能施設に関する案内を行う際に、当該案内を行う視聴可能施設において使用可能なクーポンを発行するので、視聴可能施設において単にデジタル放送を視聴するだけでなく、視聴可能施設でクーポンを使用して商品の購入等を行う動機付けをユーザに与えることができるので、視聴可能施設に対してもユーザにデジタル放送の視聴を行わせることへのメリットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る先読み案内制御処理のフローチャートである。
【図3】経由地設定操作ボタンや録画設定操作ボタンを含む表示画面例である。
【図4】経由地設定処理のフローチャートである。
【図5】録画設定処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る案内制御処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図8】リアルタイム性判定情報テーブルの構成例を示す図である。
【図9】実施の形態2に係る先読み案内制御処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態2に係る案内制御処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図12】実施の形態3に係る先読み案内制御処理のフローチャートである。
【図13】広告情報の表示画面例を示す図であり、(a)は視聴可能施設に関する案内を行う際の表示画面例、(b)は視聴可能施設が経由地として設定された際の表示画面例である。
【図14】実施の形態3に係る案内制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、本発明のナビゲーション装置の基本形態である。
【0021】
(構成)
まず、実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を説明する。図1は、実施の形態1に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。このナビゲーション装置1は、操作部10、現在位置検出処理部20、放送受信部30、通信部40、スピーカ50、ディスプレイ60、制御部70、及びデータ記録部80を備えている。
【0022】
(構成−操作部)
操作部10は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部10の具体的な構成は任意であり、例えば、ディスプレイ60の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて操作部10を構成することができる。
【0023】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部20は、ナビゲーション装置1が取り付けられた車両(以下、自車両)の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の自車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0024】
(構成−放送受信部)
放送受信部30は、デジタル放送を受信する受信手段である。この放送受信部30の具体的な構成は任意であり、デジタル放送を受信するアンテナ及びチューナーを有する装置として構成されているが、デジタル放送の放送信号を外部機器から受信するための受信用のインターフェースとして構成されてもよい。また、「デジタル放送」とは、地上デジタル放送やBSデジタル放送によるTV放送やラジオ放送等を含むが、これらに限定されず任意の放送形態による放送を含む。また、「デジタル放送」は、放送局から放送された放送(以下、「一次放送」)と、一次放送を中継等する機器から出力された放送(以下、「二次放送」)を含む。
【0025】
(構成−通信部)
通信部40は、外部の通信装置(例えば、既知のコンピュータ、移動体通信端末、あるいは、カー番組情報案内サービスを統括する統括センター)との間で、各種情報を通信するための通信手段であり、公知の無線通信装置を用いることができる。
【0026】
(構成−スピーカ)
スピーカ50は、制御部70の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ50より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0027】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ60は、制御部70の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ60の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0028】
(構成−制御部)
制御部70は、ナビゲーション装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態1に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーション装置1にインストールされることで、制御部70の各部を実質的に構成する。
【0029】
この制御部70は、機能概念的に、走行経路探索部71、受信感度評価部72、番組情報取得部73、及び案内部74を備えている。走行経路探索部71は、出発地から目的地までの走行経路を探索する走行経路探索手段である。受信感度評価部72は、デジタル放送の受信感度を評価する受信感度評価手段である。番組情報取得部73は、放送受信部30にて受信されたデジタル放送から番組情報を取得する番組情報取得手段である。具体的には、番組情報取得部73は、デジタル放送に含まれる放送信号を読み取ることにより番組情報を取得する。なお、番組情報の詳細については後述する。案内部74は、自車両の外部(以下、車両外)においてデジタル放送を視聴可能な視聴可能施設に関する案内を行う案内手段である。「視聴可能施設」の具体的内容は、デジタル放送を視聴可能である限り任意であるが、例えば、家電量販店、カー用品店、高速道路のサービスエリア、あるいはレストラン等の商業施設や、ユーザの友人宅やユーザの自宅等のようにユーザによって登録された施設等が該当する。これらの制御部70の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0030】
ここで、番組情報の詳細について説明する。この「番組情報」は、「番組本体情報」と「番組付随情報」を含む。「番組本体情報」とは、番組本体を構成する情報であって、例えば、番組がTV番組である場合には、当該TV番組を構成する音声情報や映像情報が該当し、番組がラジオ番組である場合には、当該ラジオ番組を構成する音声情報が該当する。また、「番組付随情報」とは、番組に付随する情報であって、例えば、番組が地上デジタル放送やBSデジタル放送によるデジタルTV番組である場合には、文字データ放送等を行うための文字情報、デジタル信号にパケットとして挿入されるPSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)、あるいは、番組放送に伴い付随的に配信される情報(メタ情報)が該当する。SIには、例えば、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を作成する元データとなり得るEIT(Event Information Table)が含まれる。ここで、番組付随情報には、例えば、「番組名」、「番組ジャンル」、「放送局名称(ここでは、番組の放送局を特定するための情報)」、「放送時刻(ここでは、番組の放送時刻を特定するための情報)」、「出演者名」、「サブタイトル」等が含まれる。
【0031】
(構成−データ記録部)
データ記録部80は、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0032】
このデータ記録部80は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)81、及び放送予定情報DB82を備えている。
【0033】
地図情報DB81は、地図情報を格納する格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、視聴可能施設データ(位置、種別、概要等)、受信感度データ(道路座標に対応したデジタル放送の受信感度等)、地形データ、地図をディスプレイ60に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0034】
特に、この「地図情報」は、「視聴可能施設に関する情報」及び「デジタル放送の受信感度に関する情報」を含んでいる。「視聴可能施設に関する情報」としては、例えば、各視聴可能施設の座標及び名称と、各視聴可能施設がデジタル放送を録画するためにユーザが使用可能な施設(例えば、ユーザの友人宅や自宅。以下、録画可能施設)であるか否かを特定するための情報(例えば、録画可能施設であるか否かを示すフラグ)と、録画可能施設である場合には当該録画可能施設に設けられている図示しない録画装置に対して録画を行うために必要な情報(例えば、ネットワークアドレスとユーザの認証コード。以下、録画必要情報)が格納されている。また、「デジタル放送の受信感度に関する情報」とは、位置に対応したデジタル放送の受信感度に関する情報であり、例えば、各リンクにおけるデジタル放送の受信感度データが格納されている。これら「視聴可能施設に関する情報」及び「デジタル放送の受信感度に関する情報」は、後述する先読み案内制御処理及び案内制御処理の前に、通信部40を介して統括センターから取得され、あるいはユーザによって操作部10を介して入力されて、地図情報DB81に格納される。なお、これら「視聴可能施設に関する情報」や「デジタル放送の受信感度に関する情報」は、地図情報DB81とは異なる格納手段に格納されてもよいが、ここでは地図情報DB81において地図情報の一部として格納されているものとして説明する。
【0035】
放送予定情報DB82は、デジタル放送の放送予定情報を格納する放送予定情報格納手段である。「放送予定情報」は、例えば放送予定の番組名、番組ジャンル、放送局名称、及び放送日時を示す情報を相互に関連付けて構成されている。この放送予定情報を放送予定情報DB82に格納するタイミングは任意であり、例えば、ナビゲーション装置1が起動された際であって、後述する先読み案内制御処理及び案内制御処理の前に、放送受信部30によって受信された番組情報の中から、番組情報取得部73が放送予定情報を公知の方法で取得して放送予定情報DB82に格納する。
【0036】
(処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置1によって実行される処理について説明する。この処理は、先読み案内制御処理、及び案内制御処理に大別される。なお、特記しない制御に関しては、ナビゲーション装置1の制御部70が行うこととする。
【0037】
(処理−先読み案内制御処理)
最初に、先読み案内制御処理について説明する。図2は実施の形態1に係る先読み案内制御処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この先読み案内制御処理は、自車両の走行開始前に、自車両の走行経路上におけるデジタル放送の受信状態を先読みし、受信状態が悪いことが予想される場合には、予め視聴可能施設に関する案内を行う処理である。この先読み案内制御処理は、車両の走行開始時に起動され、例えば、エンジンが始動された時や、あるいはナビゲーション装置1への電源投入時等に自動的に起動される。
【0038】
先読み案内制御処理が開始されると、走行経路探索部71は、地図情報DB81に記録された各種情報に基づいて、現在位置検出処理部20を介して取得された自車両の現在位置を出発地とし、この出発地から、ユーザによって操作部10を介して設定された目的地までの走行経路を、公知の経路探索ロジックにより探索する(SA1)。そして、案内部74は、当該探索された走行経路を案内する(SA2)。この案内は、従来と同様の方法で行うことができ、例えば、案内部74は、地図情報DB81から取得された地図情報と、当該走行経路とを、ディスプレイ60に重畳表示させる。
【0039】
次いで、案内部74は、地図情報DB81から受信感度データを取得する(SA3)。具体的には、案内部74は、SA1にて探索された走行経路に含まれる各リンクにおけるデジタル放送の受信感度データを、地図情報DB81から取得する。そして、受信感度評価部72は、当該取得された受信感度データに基づいて、所定の受信感度以下となる区間を判定する(SA4)。具体的には、受信感度評価部72は、SA3で取得された各リンクにおけるデジタル放送の受信感度データを所定の受信感度と比較し、当該所定の受信感度以下となる受信感度データのリンクがある場合には、当該リンクが含まれる区間を、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間として判定する。この判定の結果、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間がない場合(SA4、No)、制御部70は、それ以上の処理を行う必要がないとし、先読み案内制御処理を終了する。
【0040】
一方、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間がある場合(SA4、Yes)、案内部74は、当該区間ではデジタル放送の視聴が困難であるとして、当該区間の近傍に視聴可能施設があるか否かを判定する(SA5)。例えば、案内部74は、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間から、所定範囲内(例えば1km以内)に視聴可能施設があるか否かを、地図情報DB81に格納された各視聴可能施設の座標を参照して判定する。
【0041】
視聴可能施設があると判定された場合(SA5、Yes)、案内部74は、さらに、録画可能施設があるか否かを判定する(SA6)。具体的には、案内部74は、地図情報DB81に格納されている視聴可能施設に関する情報を参照することによって録画可能施設を特定する。
【0042】
そして、録画可能施設があると判定された場合(SA6、Yes)、案内部74は、SA5で判定された視聴可能施設と、SA6で判定された録画可能施設を、ユーザに案内する(SA7)。この案内としては、視聴可能施設の存在をユーザに知らせるための案内、視聴可能施設を目的地として設定するための案内、及び録画可能施設の存在をユーザに知らせるための案内、及び録画可能施設における録画を行うための案内を挙げることができる(以下、視聴可能施設や録画可能施設を案内する場合において同じ)。例えば、案内部74は、視聴可能施設を目的地として設定するための案内と、録画可能施設における録画を行うための案内として、当該視聴可能施設の目的地設定と、当該録画可能施設におけるデジタル放送の録画設定とから、いずれか一方を選択するための選択手段を提示する。なお、目的地には、自車両の最終的な目的地のみならず、中間的な目的地(以下、経由地)も含むものとし、以下では、当該視聴可能施設を経由地として設定するための案内を行う場合について説明する。
【0043】
例えば、案内部74は、SA2でディスプレイ60に表示させている地図情報において、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間の近傍にあるものとしてSA5で判定された視聴可能施設(以下、近傍視聴可能施設)の座標に対応する位置に、当該近傍視聴可能施設を示す所定形状のアイコンと、地図情報DB81から取得した当該近傍視聴可能施設の名称とを、重畳表示させる。このことにより、ユーザは、近傍視聴可能施設の存在や概要を把握することができる。また、例えば、案内部74は、近傍視聴可能施設を経由地として設定することを指示するための経由地設定操作ボタンをディスプレイ60に表示させる。さらに、案内部74は、SA6で判定された録画可能施設の座標に対応する位置に、当該録画可能施設を示す所定形状のアイコンと、地図情報DB81から取得した当該録画可能施設の名称とを、重畳表示させる。このことにより、ユーザは、録画可能施設の存在や概要を把握することができる。また、例えば、案内部74は、録画可能施設における録画を設定することを指示するための録画設定操作ボタンをディスプレイ60に表示させる。そして、経由地設定操作ボタンがユーザに押圧されることによって、経由地設定が指示された場合には(SA8、経由地設定)、経由地設定処理を行い(SA9)、録画設定操作ボタンがユーザに押圧されることによって、録画設定が指示された場合には(SA8、録画設定)、録画設定処理を行う(SA10)。すなわち、これら経由地設定操作ボタンと録画設定操作ボタンは、視聴可能施設の目的地設定と、録画可能施設におけるデジタル放送の録画設定とから、いずれか一方を選択するための選択手段として機能する。このように、経由地設定操作ボタンや録画設定操作ボタンが表示された画面例を図3に示す。
【0044】
まず、経由地設定処理(SA9)について説明する。図4は、経由地設定処理のフローチャートである。この処理において、案内部は、図2のSA5で判定された視聴可能施設が複数あるか否かを判定し、複数ある場合には(SB1、Yes)、当該複数の視聴可能施設の中から、経由地として設定すべき視聴可能施設を選択させるための案内を行う(SB2)。例えば、案内部は、地図情報DB81から取得した当該複数の近傍視聴可能施設の名称をリスト表示し、ユーザがこれら複数の近傍視聴可能施設の名称のいずれかを押圧することで、経由地として設定すべき近傍視聴可能施設を選択することができるようにする。そして、経由地として設定すべき近傍視聴可能施設が選択された場合、あるいは、近傍視聴可能施設が複数ないと判定された場合(SB1、No)、案内部は、SB2の案内で選択された近傍視聴可能施設、あるいは、図2のSA5で判定された唯一つの近傍視聴可能施設を経由地として、自車両の出発地から目的地までの走行経路を、公知の経路探索ロジックにより再探索する(SB3)。そして、案内部74は、当該再探索された走行経路を図2のSA2と同様に案内する(SB4)。これにて、経由地設定処理が終了し、図2の先読み案内制御処理に戻り、先読み案内制御処理が終了する。
【0045】
次に、録画設定処理(SA10)について説明する。図5は、録画設定処理のフローチャートである。この処理において、案内部は、図2のSA6で判定された録画可能施設が複数あるか否かを判定し、複数ある場合には(SC1、Yes)、当該複数の録画可能施設の中から、録画を設定すべき録画可能施設を選択させるための案内を行う(SC2)。例えば、案内部は、地図情報DB81から取得した当該複数の録画可能施設の名称をリスト表示し、ユーザがこれら複数の録画可能施設の名称のいずれかを押圧することで、録画を設定すべき録画可能施設を選択することができるようにする。そして、録画を設定すべき録画可能施設が選択された場合、あるいは、録画可能施設が複数ないと判定された場合(SC1、No)、案内部は、録画予約の設定処理を行う。
【0046】
このため、まず案内部は、放送予定情報DB82から放送予定情報を取得し(SC3)、当該取得した放送予定情報に基づいて、録画番組の選択案内を行う(SC4)。例えば、案内部74は、図2のSA1で探索された走行経路を走行することにより、SA4で所定の受信感度以下になるものとして判定された区間を自車両が走行する日時を、公知の方法で予測する。そして、案内部74は、当該取得した放送予定情報に含まれる放送日時と、当該予測した区間を走行する日時とから、当該区間を自車両が走行する際に放送される番組を特定し、当該特定された番組の番組名、番組ジャンル、及び放送局名称を放送予定情報DB82から取得する。そして、案内部74は、当該取得した番組名、番組ジャンル、及び放送局名称と、上記取得した放送日時と、録画可能施設におけるデジタル放送の録画を指示するための録画操作ボタンとを、各番組毎にディスプレイ60に表示させる。
【0047】
このような案内に基づいて、ユーザによって録画を行うべき番組が選択された後、案内部は、SC2の案内で選択された録画可能施設、あるいは、図2のSA6で判定された唯一つの録画可能施設における、SC4の案内で選択された番組の録画予約を実行する(SC5)。具体的には、案内部は、ユーザによって選択された番組の番組名、放送局名称、及び放送日時を含む録画指示信号を生成し、当該生成した録画指示信号を通信部40を介して外部の通信装置に送信する。この際、案内部は、録画が指示された録画可能施設の録画必要情報を地図情報DB81から取得し、当該取得した録画必要情報に基づいて録画指示信号を送信する。この録画指示信号は、録画可能施設の図示しない録画装置によって受信され、録画指示信号に含まれる番組の番組名、放送局名称、及び放送日時に基づいて録画予約が実行される。これにて、録画設定処理が終了し、図2の先読み案内制御処理に戻り、先読み案内制御処理が終了する。
【0048】
再び図2において、SA6で録画可能施設がないと判定された場合(SA6、No)、案内部は、SA5で判定された近傍視聴可能施設を、ユーザに案内する(SA11)。この案内は、例えば、SA7における近傍視聴可能施設に関する案内と同様に行うことができる。そして、経由地設定操作ボタンがユーザに押圧されることによって、経由地設定が指示された場合には、経由地設定処理を行う(SA12)。ただし、この経由地設定処理は、SA9と同様に行うことができるので、その説明を省略する。
【0049】
あるいは、SA5において、視聴可能施設がないと判定された場合(SA5、No)、案内部は、録画可能施設があるか否かをSA6と同様に判定し(SA12)、録画可能施設がないと判定された場合には(SA12、No)、案内を行うことができる施設がないものとして、先読み案内制御処理を終了し、録画可能施設があると判定された場合には(SA12、Yes)、当該録画可能施設を、ユーザに案内する(SA14)。この案内は、例えば、SA7における録画可能施設に関する案内と同様に行うことができる。録画設定操作ボタンがユーザに押圧されることによって、録画設定が指示された場合には、録画設定処理を行う(SA15)。ただし、この録画設定処理は、SA10と同様に行うことができるので、その説明を省略する。これにて先読み案内制御処理が終了する。
【0050】
(処理−案内制御処理)
次に、案内制御処理について説明する。図6は実施の形態1に係る案内制御処理のフローチャートである。この案内制御処理は、車両が走行している時に、視聴可能施設に関する案内を行う処理であり、例えばナビゲーション装置1の電源投入後、所定周期で繰り返し起動される。なお、SD1、SD2、SD7からSD16は、図2のSA1、SA2、SA6からSA15とそれぞれ同じであるため、その説明を省略する。
【0051】
走行経路の案内後(SD2)、制御部70は、放送受信部30を介してデジタル放送がユーザによって視聴されているか否かを判定する(SD3)。そして、デジタル放送が視聴されていない場合(SD3、No)、制御部70は、それ以上の処理を行う必要がないとし、案内制御処理を終了する。
【0052】
一方、デジタル放送が視聴されている場合(SD3、Yes)、受信感度評価部72は、当該視聴されているデジタル放送の受信感度を公知の評価方法により評価する(SD4)。そして、案内部74は、当該評価されたデジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下であるか否かを判定する(SD5)。この結果、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下でない場合(SD5、No)、案内部74は、それ以上の処理を行う必要がないとし、案内制御処理を終了する。
【0053】
一方、当該評価されたデジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合(SD5、Yes)、案内部74は、自車両が現在走行している区間ではデジタル放送の視聴が困難であるとして、地図情報DB81を参照し、自車両が現在走行している区間の近傍に近傍視聴可能施設があるか否かを判定する(SD6)。そして、この判定結果に基づいて、SD7からSD16の処理が実行される。なお、SD11、SD16の録画設定処理は、図5の処理とほぼ同様に行うことができるが、ここでは、自車両が現在走行している区間で視聴が困難なデジタル放送を対象に案内を行うため、放送予定情報を取得する処理は省略され、放送受信部30を介して取得した番組付随情報の中から、その時点で放送受信部30を介して視聴されている番組の番組名、放送局名称、及び放送日時を取得し、当該取得した情報を含む録画指示信号を生成して録画予約を実行する。ただし、受信感度が低いために番組付随情報が取得できない場合には、図5と同様に、放送予定情報に基づく処理を行ってもよい。これにて案内制御処理を終了する。
【0054】
(効果)
このように実施の形態1によれば、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、視聴可能施設に関する案内を行うので、デジタル放送が車両内において視聴困難な走行経路を走行している場合であっても、ユーザは案内を参照することで、デジタル放送を車両外の視聴可能施設において容易に視聴することができるので、デジタル放送の視聴に関する利便性を向上させることができる。
【0055】
また、視聴可能施設の目的地設定と、視聴可能施設におけるデジタル放送の録画設定とから、いずれか一方を選択するための選択手段を提示するので、視聴可能施設でデジタル放送を視聴する以外にも、録画装置でデジタル放送を録画することを容易に選択することができ、例えば、リアルタイム性の高い放送でない場合には録画を行って後から視聴する等、デジタル放送を視聴することに対するユーザの選択肢を増やすことができるので、デジタル放送の視聴に関する利便性を一層向上させることができる。
【0056】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、リアルタイム性の高い放送に関する案内を行う形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0057】
(構成−データ記録部)
まず、実施の形態2に係る運転支援システム1の構成について説明する。図7は、実施の形態2に係るナビゲーション装置1を例示するブロック図である。図7に示すように、実施の形態2に係るデータ記録部80は、地図情報DB81及び放送予定情報DB82に加えて、リアルタイム性判定情報テーブル83を備えている。
【0058】
リアルタイム性判定情報テーブル83は、デジタル放送がリアルタイム性を有するか否かの指標となるリアルタイム性判定情報を格納するリアルタイム性判定情報格納手段である。図8は、リアルタイム性判定情報の構成例を示す図である。この図8に示すように、リアルタイム性判定情報は、項目「番組ジャンル」及び項目「キーワード」を有し、これらの項目に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「番組ジャンル」に対応して格納される情報は、リアルタイム性を有するデジタル放送の番組のジャンルを特定する番組ジャンル情報が格納されている(図8では「スポーツ」等)。項目「キーワード」に対応して格納される情報は、リアルタイム性を有するデジタル放送の番組を所定条件に基づいて特定する番組キーワード情報が格納されている(図8では「野球」等)。この視聴情報をリアルタイム性判定情報テーブル83に格納するタイミングは任意であり、例えば、ユーザによって操作部10を介して入力されて、リアルタイム性判定情報テーブル83に格納される。
【0059】
(処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置1によって実行される処理について説明する。この処理は、先読み案内制御処理、及び案内制御処理に大別される。
【0060】
(処理−先読み案内制御処理)
最初に、先読み案内制御処理について説明する。図9は実施の形態2に係る先読み案内制御処理のフローチャートである。なお、SE1、SE2、SE4、SE5、SE7からSE17は、図2のSA1、SA2、SA3、SA4、SA5〜SA15とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0061】
走行経路の案内後(SE2)、制御部70は、視聴計画を作成する(SE3)。視聴計画とは、自車両がSE1で探索された走行経路を走行している間に、ユーザが視聴するデジタル放送の計画である。具体的には、制御部70は、SC1で探索された走行経路の各区間を自車両が走行する日時を、公知の方法で予測する。また、制御部70は、放送予定情報DB82から放送予定情報を取得する。そして、案内部74は、当該取得した放送予定情報に含まれる放送日時と、当該予測した区間を走行する日時とから、各区間を自車両が走行する際に放送される番組を特定し、当該特定された番組の番組名、番組ジャンル、及び放送局名称を放送予定情報DB82から取得する。そして、このように取得された情報を日時毎及び番組毎にディスプレイ60に表示させ、ユーザによって日時毎に番組が選択された場合に、当該選択された番組によって構成される視聴計画を作成する。
【0062】
次に、受信感度データを取得し(SE4)、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間があるものと判定された場合(SE5、Yes)、案内部74は、所定の受信感度以下となるものとしてSE5で判定された区間において、ユーザが視聴する予定である番組をSE3で作成した視聴計画に基づいて特定し、当該特定した番組にリアルタイム性があるか否かを判定する(SE6)。具体的には、案内部74は、当該番組の番組名及び番組ジャンルを放送予定情報DB82から取得し、当該取得した番組ジャンルが、リアルタイム性判定情報テーブル83の項目「番組ジャンル」に対応する情報のいずれかに合致する場合、あるいは、当該取得した番組名又は番組ジャンルに、リアルタイム性判定情報テーブル83の項目「キーワード」に対応する情報のいずれかが含まれる場合に、当該特定した番組にリアルタイム性があるものと判定し、その他の場合には当該特定した番組にリアルタイム性がないものと判定する。例えば、放送予定情報DB82から取得した番組ジャンルが「スポーツ」である場合には、リアルタイム性があるものと判定され、、放送予定情報DB82から取得した番組ジャンルが「ドラマ」である場合には、リアルタイム性がないものと判定される。ただし、リアルタイム性の判定の具体的な方法としては、この他の方法を採用することもでき、例えば、キーワードの数が所定数以上である場合や、番組ジャンルが一致すると共にキーワードが含まれる場合に、リアルタイム性があるものと判定してもよい。
【0063】
そして、リアルタイム性がないものと判定された場合(SE6、No)、案内部74は、それ以上の処理を行う必要がないとし、先読み案内制御処理を終了する。一方、リアルタイム性があるものと判定された場合(SE6、Yes)、案内部74は、SE7からSE17の処理が実行される。なお、SE12、SE17の録画設定処理は、図5の処理とほぼ同様に行うことができるが、ここでは、SE6においてリアルタイム性があると判定された番組を対象に案内を行うため、放送予定情報を取得する処理は省略され、放送予定情報DB82から、SE6においてリアルタイム性があると判定された番組の番組名、放送局名称、及び放送日時を取得し、当該取得した情報を含む録画指示信号を生成して録画予約を実行する。これにて先読み案内制御処理を終了する。
【0064】
(処理−案内制御処理)
次に、案内制御処理について説明する。図10は実施の形態2に係る案内制御処理のフローチャートである。なお、SF1からSF5、SF7からSF17は、図6のSD1からSD5、SD6からSD16とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0065】
ユーザによって視聴されているデジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合(SF5、Yes)、案内部74は、当該視聴されている番組にリアルタイム性があるか否かを判定する(SF6)。具体的には、案内部74は、放送受信部30を介して取得した番組付随情報の中から、その時点で放送受信部30を介して視聴されている番組の番組名及び番組ジャンルを取得し、当該取得した番組ジャンルが、リアルタイム性判定情報テーブル83の項目「番組ジャンル」に対応する情報のいずれかに合致する場合、あるいは、当該取得した番組名又は番組ジャンルに、リアルタイム性判定情報テーブル83の項目「キーワード」に対応する情報のいずれかが含まれる場合に、当該特定した番組にリアルタイム性があるものと判定し、その他の場合には当該特定した番組にリアルタイム性がないものと判定する。ただし、録画設定処理(SF12、SF17)において、受信感度が低いために番組付随情報が取得できない場合には、図5と同様に、放送予定情報に基づく処理を行ってもよい。これにて案内制御処理を終了する。
【0066】
(効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態1における基本的な効果に加えて、デジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるか否かを判定し、リアルタイム性の高い放送であるものと判定した場合に、視聴可能施設に関する案内を行うので、リアルタイムで視聴することに価値があるような放送を、視聴可能施設において確実にリアルタイムで視聴できるようになり、リアルタイム性の高いデジタル放送を視聴することに対するユーザの満足感を高めることができる。
【0067】
また、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間を特定し、当該特定した区間の走行時に視聴するデジタル放送を特定し、当該特定したデジタル放送がリアルタイム性の高い放送である場合に、当該特定した区間近傍の視聴可能施設に関する案内を行うので、リアルタイム性の高いデジタル放送の視聴が困難となる走行経路の区間を先読みして、当該デジタル放送を視聴可能な視聴可能施設を事前に案内することができ、例えば、視聴可能施設を経由する走行経路へ事前に変更を行うことが可能になる等、リアルタイム性の高いデジタル放送を視聴することに関する利便性を一層向上させることができる。
【0068】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、視聴可能施設の案内時にクーポンを発行する形態である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0069】
(構成−データ記録部)
まず、実施の形態3に係るナビゲーション装置1の構成について説明する。図11は、実施の形態3に係るナビゲーション装置1を例示するブロック図である。この図11に示すように、実施の形態3に係るデータ記録部80は、地図情報DB81及び放送予定情報DB82に加えて、クーポン情報DB84を備えている。クーポン情報DB84は、視聴可能施設で使用可能なクーポンを発行するためのクーポン情報を格納するクーポン情報格納手段である。このクーポン情報は、例えば、各視聴可能施設を特定するための情報(ここでは、各視聴可能施設の座標及び名称)と、各視聴可能施設で提供される特典や各視聴可能施設の広告の内容を特定するための広告情報(ここでは、クーポンを発行しているか否かを特定するための発行フラグ、クーポンの2次元バーコード、及び広告の内容を示すテキスト情報)とを、相互に対応付けて構成されている。このクーポン情報をクーポン情報DB84に格納するタイミングは任意であり、例えば、ナビゲーション装置1が起動された際であって、後述する先読み案内制御処理及び案内制御処理の前に、放送受信部30によって受信された番組情報の中から番組情報取得部73によって公知の方法で取得され、あるいは、通信部40を介して統括センターから取得されて、クーポン情報DB84に格納される。
【0070】
(処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置1によって実行される処理について説明する。この処理は、先読み案内制御処理、及び案内制御処理に大別される。なお、特記しない制御に関しては、ナビゲーション装置1の制御部70が行うこととする。
【0071】
(処理−先読み案内制御処理)
最初に、先読み案内制御処理について説明する。図12は実施の形態3に係る先読み案内制御処理のフローチャートである。なお、SG1からSG6、SG8、SG9、SG11、SG13、SG15からSG17は、図2のSA1からSA6、SA8、SA9、SA10、SA12、SA13からSA15とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0072】
デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間の近傍に視聴可能施設があると判定され(SG5、Yes)、録画可能施設があると判定された場合(SG6、Yes)、案内部74は、SG5で判定された視聴可能施設と、SG6で判定された録画可能施設を、ユーザに案内する(SG7)。この案内は、図2のSA7と同様に行うことができるが、ここでは、案内部74は、当該案内の対象になる視聴可能施設の広告情報を併せて案内する。具体的には、案内部74は、当該案内の対象になる視聴可能施設の座標及び名称を地図情報DB81から取得し、当該取得した座標及び名称に対応する広告情報をクーポン情報DB84から取得し、当該取得した広告情報を、近傍視聴可能施設を示す所定形状のアイコンの近傍に表示させる。
【0073】
図13は、広告情報の表示画面例を示す図であり、(a)は視聴可能施設に関する案内を行う際の表示画面例、(b)は視聴可能施設が経由地として設定された際の表示画面例である。図13(a)に示すように、ディスプレイ60には、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間の近傍にあるものとしてSE5で判定された視聴可能施設の座標に対応する位置に、当該近傍視聴可能施設を示す所定形状のアイコン61が表示されており、このアイコン61の近傍には、地図情報DB81から取得した当該近傍視聴可能施設の名称と共に、クーポン情報DB84から取得した広告情報62が表示されている(なお、経由地設定操作ボタンの図示は省略する)。例えば、図示左側の近傍視聴可能施設に関しては、近傍視聴可能施設の名称が「○△電器」であり、広告情報62として「クーポン発券中」である旨が表示されている。「クーポン発券中」である旨の表示は、クーポン情報DB84から取得した広告情報に含まれる発行フラグに基づいて行われる。
【0074】
その後、図12において、経由地設定処理が行われることで(SG9)、近傍視聴可能施設が経由地として設定された場合、案内部74は、当該経由地として設定された近傍視聴可能施設がクーポンを発行している場合には、当該クーポンを発行する(SG10)。具体的には、案内部74は、当該経由地として設定された近傍視聴可能施設の座標及び名称を地図情報DB81から取得し、当該取得した座標及び名称に対応する広告情報をクーポン情報DB84から取得し、当該取得した広告情報にクーポンの2次元バーコードが含まれている場合には、当該2次元バーコードをディスプレイ60に表示する。
【0075】
例えば、図13(b)に示すように、ディスプレイ60には、アイコン61で示される近傍視聴可能施設が経由地として設定されたことが表示されており、また、2次元バーコード63が表示されている。従って、ユーザは、自己のカメラ付き携帯電話等を用いて、2次元バーコード63を撮影したり、ナビゲーション装置1が備える図示しない近距離通信部との間で通信を行って2次元バーコード63を受信した上で、近傍視聴可能施設において当該2次元バーコード63を提示することで、当該2次元バーコード63によって特定される所定の特典(商品の割引等)を受けることができる。
【0076】
また、図12において、SG12で視聴可能施設を案内する場合にも、案内部74は、SG7と同様に、当該案内の対象になる視聴可能施設の広告情報を併せて案内する。また、SG13で経由地設定処理が行われることで、近傍視聴可能施設が経由地として設定された場合にも、案内部74は、SG10と同様に、当該経由地として設定された近傍視聴可能施設がクーポンを発行している場合には、当該クーポンを発行する(SG14)。これにて先読み案内制御処理が終了する。
【0077】
(処理−案内制御処理)
次に、案内制御処理について説明する。図14は実施の形態3に係る案内制御処理のフローチャートである。なお、SH1からSH7、SH9、SH10、SH12からSH14、SH16からSH18は、図6のSD1からSD7、SD9、SD10、SD11からSD13、SD14からSD16とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0078】
デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間の近傍に視聴可能施設があると判定され(SH6、Yes)、録画可能施設があると判定された場合(SH7、Yes)、案内部74は、SH6で判定された視聴可能施設と、SH7で判定された録画可能施設を、ユーザに案内する(SH8)。この案内は、図6のSD8と同様に行うことができるが、ここでは、案内部74は、図13のSG7と同様に、当該案内の対象になる視聴可能施設の広告情報を併せて案内する。また、SH13にて案内を行う場合にも、案内部74は、図13のSG7と同様に、当該案内の対象になる視聴可能施設の広告情報を併せて案内する。
【0079】
また、SH10やSH14で経由地設定処理が行われることで、近傍視聴可能施設が経由地として設定された場合には、案内部74は、図13のSG10と同様に、当該経由地として設定された近傍視聴可能施設がクーポンを発行している場合には、当該クーポンを発行する(SH11、SH15)。これにて案内制御処理が終了する。
【0080】
(効果)
このように実施の形態3によれば、視聴可能施設に関する案内を行う際に、当該案内を行う視聴可能施設において使用可能なクーポンを発行するので、視聴可能施設において単にデジタル放送を視聴するだけでなく、視聴可能施設でクーポンを使用して商品の購入等を行う動機付けをユーザに与えることができるので、視聴可能施設に対してもユーザにデジタル放送の視聴を行わせることへのメリットを提供することができる。
【0081】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0082】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0083】
(先読み案内制御処理と案内制御処理について)
上述の各実施の形態では、先読み案内制御処理と案内制御処理を両方実行するものとして説明したが、いずれか一方を省略してもよい。
【0084】
(視聴計画について)
上述の各実施の形態では、実施の形態2の先読み案内制御処理のみにおいて視聴計画を作成しているが、他の実施の形態1、3の先読み案内制御処理においても、同様に視聴計画の作成及び利用を行ってもよい。
【0085】
(リアルタイム性判定について)
上述の各実施の形態では、実施の形態2のみにおいてリアルタイム性判定を行っているが、他の実施の形態1、3においても、同様にリアルタイム性の判定と当該判定結果に基づいた処理を行ってもよい。また、リアルタイム性の判定は、ユーザが行うようにしてもよく、例えば、案内部74は、現在視聴している番組の受信感度が所定感度以下であると判定された場合に、当該番組を視聴可能な施設を案内することを指示する施設案内操作ボタンをディスプレイ60に表示させ、当該施設案内操作ボタンが所定時間以内に押圧された場合には、現在視聴している番組にリアルタイム性があるものとし、近傍視聴可能施設を案内するようにしてもよい。
【0086】
(広告情報について)
上述の各実施の形態では、実施の形態3のみにおいて広告情報の案内を行っているが、他の実施の形態1、2においても、同様に広告情報の案内を行ってもよい。また、広告情報の案内を行う方法として、実施の形態3では、近傍視聴可能施設が経由地として設定された場合にのみ、クーポンを発行しているが、この他にも、例えば、近傍視聴可能施設が経由地として設定されていない場合であっても、自車両が実際に近傍視聴可能施設に到着したことが、現在位置検出処理部20にて検出された自車両の位置に基づいて確認された場合に、クーポンを発行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 ナビゲーション装置
10 操作部
20 現在位置検出処理部
30 放送受信部
40 通信部
50 スピーカ
60 ディスプレイ
70 制御部
71 走行経路探索部
72 受信感度評価部
73 番組情報取得部
74 案内部
80 データ記録部
81 地図情報DB
82 放送予定情報DB
83 リアルタイム性判定情報テーブル
84 クーポン情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を車両外において視聴可能な視聴可能施設の位置情報を含んだ地図情報を格納する地図情報格納手段と、
デジタル放送を受信する受信手段と、
デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、前記地図情報格納手段に格納された前記地図情報を参照することにより前記視聴可能施設を特定し、当該特定した前記視聴可能施設に関する案内を行う案内手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内手段は、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、前記特定した視聴可能施設の目的地設定と、所定の前記視聴可能施設におけるデジタル放送の録画設定とから、いずれか一方を選択するための選択手段を提示する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記受信手段にて受信されたデジタル放送から番組情報を取得する番組情報取得手段を備え、
前記案内手段は、前記番組情報取得手段にて取得された番組情報に基づいて、デジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるか否かを判定し、リアルタイム性の高い放送であるものと判定した場合に、前記視聴可能施設に関する案内を行う、
請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在地から目的地に至る走行経路を探索する走行経路探索手段と、
デジタル放送の放送予定情報を格納する放送予定情報格納手段を備え、
前記地図情報格納手段は、位置に対応したデジタル放送の受信感度に関する情報を含んだ地図情報を格納し、
前記案内手段は、
前記走行経路探索手段にて探索された走行経路において、デジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下となる区間を、前記地図情報格納手段に格納された前記位置に対応したデジタル放送の受信感度に関する情報を参照することで特定し、
当該特定した区間の走行時に視聴するデジタル放送を、前記放送予定情報格納手段にて格納された放送予定情報を参照することで特定し、
当該特定したデジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるか否かを、前記番組情報取得手段にて取得された番組情報に基づいて判定し、
当該特定したデジタル放送がリアルタイム性の高い放送であるものと判定した場合に、当該特定した区間近傍の視聴可能施設を特定し、当該特定した視聴可能施設に関する案内を行う、
請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記視聴可能施設において使用可能なクーポンを発行するためのクーポン情報を格納するクーポン情報格納手段を備え、
前記案内手段は、前記視聴可能施設に関する案内を行う際に、当該案内を行う視聴可能施設において使用可能なクーポンを、前記クーポン情報格納手段にて格納されたクーポン情報を参照して発行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
デジタル放送を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信されたデジタル放送の受信感度が所定の受信感度以下である場合に、デジタル放送を視聴可能な視聴可能施設の位置情報を含んだ地図情報を格納する地図情報格納手段に格納された当該地図情報を参照することにより当該視聴可能施設を特定し、当該特定した前記視聴可能施設に関する案内を行う案内ステップと、
を含むナビゲーション方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるナビゲーションプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−214991(P2011−214991A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83214(P2010−83214)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】