説明

ナビゲーション装置およびナビゲーション装置における気象情報提示方法

【課題】 道路交通情報に含まれる気象情報を簡便にユーザに知らせることができる「ナビゲーション装置およびナビゲーション装置における気象情報の提示方法」を提供する。
【解決手段】 本発明のナビゲーション装置は、気象情報を包含可能な道路交通情報を外部から受信する受信手段と、道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、判定手段により道路交通情報に気象情報が含まれているとき、気象情報が受信されたことを提示する提示手段とを有する。好ましくは、道路地図画面200上に、気象アイコン200、210を合成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通情報を受信する機能を備えたナビゲーション装置に関し、特に、道路交通情報に含まれる気象情報を受信したときの提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路交通情報の配信サービスの1つにVICS(Vehicle Information and Communication System)がある。VICSは、渋滞、事故、通行止めなどの道路交通情報をリアルタイムにユーザに提供するサービスである。VICSの情報配信方法には、電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送を利用したものがある。電波ビーコンや光ビーコンは、FM多重放送と比較して狭い受信エリアを対象とし、例えば、電波ビーコンは、進行方向の前方200km程度の高速道路の道路交通情報、インターチェンジに接続する一般道路の道路交通情報等を提供し、光ビーコンは、進行方向の前方30km、後方1kmの一般道路および高速道路の情報を提供し、FM多重放送は、都道府県や都道府県を含む広域の地方の道路交通情報を提供する。
【0003】
VISCが提供する道路交通情報には、レベル1からレベル3までの3段階のレベルが設定されている。レベル1は、渋滞情報や規制情報などの道路交通情報を文字で表示する文字表記型、レベル2は、略地図や道路標識のような簡単な図形を用いて道路交通情報を表示する簡易図形表記型、レベル3は、地図データの上に受信した道路交通情報を重ねて表示する地図表示型である。例えば、レベル3では、地図データのリンクを通常色から赤色に変更することで渋滞情報を表示し、渋滞の発生区域が瞬時に認識できるようにしている。
【0004】
特許文献1は、車載用ナビゲーションシステムに関し、例えば自車位置が県境付近を走行中に2つ以上の地域情報を受信可能な場合、自車位置と自車の進行方向に基づいて最適な地域情報を選択する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−313274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今後、気象庁から天候や自然災害に関する注意報や警報が発令された場合に、それらの気象情報を道路交通情報と一緒に配信するサービスが予定されている。従来のナビゲーション装置において、道路交通情報に気象情報が含まれた場合、これをユーザに知らせるには、次のような課題がある。
【0007】
図1は、従来のナビゲーション装置における道路交通情報の表示操作を説明する図である。ナビゲーション装置のディスプレイには、自車位置周辺の道路地図画面1が表示され、さらにVICSから配信された道路交通情報の詳細を閲覧するためのVICSメニュー2が表示される。ユーザがメニュー2を選択すると、次の階層画面3に切り替わる。画面3には、VICSのサービスのいずれかを選択するボタン3A、3B、3C、3Dが表示される。
【0008】
気象情報は、その伝達内容からレベル1の文字表示型で配信される。例えば、ユーザが、FM文字情報3Aを選択すると、次の階層画面4に切り替わる。画面4には、道路交通情報の内容を選択するための複数の項目が表示される。ここで、ユーザが気象情報を選択すると、受信した気象情報のページ画面に切り替わる。気象情報が複数あるとき、それらは複数のページ5A、5B、・・・5nに分割され、各ページは、受信した時刻順または警報エリア毎に並べられる。ユーザは、所望のエリアの気象情報を検索する場合、手動でページ送りをし、内容を閲覧し、確認しなければならない。走行中に、このような操作や確認を運転者等に強いることは、煩雑であり、かつ安全運転の点からも好ましくない。さらに、ページ数が多い場合には、所望のエリアの気象情報を受信しているか否かを確認するのに時間がかかってしまい、これも不便である。
【0009】
本発明は、このような課題を解決し、道路交通情報に含まれる気象情報を簡便にユーザに知らせることができるナビゲーション装置およびナビゲーション装置における気象情報の提示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの経路を案内する機能を備えたものであって、気象情報を包含可能な道路交通情報を外部から受信する受信手段と、道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により道路交通情報に気象情報が含まれているとき、前記気象情報が受信されたことを提示する提示手段とを含む。
【0011】
ナビゲーション装置はさらに、前記判定手段により道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、前記気象情報から警報内容と警報エリアを解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果に基づき警報内容と警報エリアの少なくとも一方を、文字、記号、数字および図形の少なくとも1つを用いて表したアイコン画面を作成するアイコン作成手段とを有し、前記提示手段は、前記アイコン作成手段により作成されたアイコン画面をディスプレイに表示することができる。
【0012】
ナビゲーション装置はさらに、ユーザからの入力を受け取る入力手段を含み、前記提示手段は、前記入力手段を介して前記アイコン画面が選択されたとき、選択されたアイコン画面に対応する気象情報を表示することができる。ナビゲーション装置はさらに、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置に対応する警報エリアが前記解析結果に含まれているか否かを検索する検索手段とを有し、前記提示手段は、前記検索手段により検索された警報エリアのアイコン画面を表示する。前記検索手段はさらに、目的地または目的地までの誘導経路に対応する警報エリアが前記解析結果に含まれているか否かを検索する。好ましくは提示手段は、気象情報のテキスト情報を表示する。
【0013】
本発明に係るナビゲーション装置における気象情報の提示方法は、気象情報を包含可能な道路交通情報を受信するステップと、道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定するステップと、道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、気象情報が受信されたことを示す気象アイコンをディスプレイ上に表示するステップとを有する。気象情報提示方法はさらに、ユーザ入力に応答して気象アイコンに対応する気象情報の内容を表示するステップを含むことができる。気象情報提示方法はさらに、目的地または自車位置に対応する気象情報を自動検索するステップと、検索された気象情報の内容を表示するステップとを含むことができる。
【0014】
本発明に係るナビゲーション装置が実行する気象情報を提示するための気象情報提示プログラムは、気象情報を包含可能な道路交通情報を受信するステップと、道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定するステップと、道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、気象情報が受信されたことを示す気象アイコンをディスプレイ上に表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、気象情報が受信されたことを提示するようにしたので、ユーザは、気象情報が受信されたことを容易に知ることができる。また、気象情報のアイコンを表示することで、ユーザは、受信した気象情報が必要なものか否かを容易に判断することができる。さらに、アイコンを選択することで、これに該当する気象情報の詳細を簡単な操作で表示させ、見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のナビゲーション装置における気象情報の表示方法を説明する図である。
【図2】本発明の実施例に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】気象情報抽出プログラムの機能ブロック図である。
【図4】道路交通情報のデータ構造の例を示す図である。
【図5】気象情報の分類テーブルの例示である。
【図6】警報内容に対応するアイコンの登録例である。
【図7】本発明の実施例に係るナビゲーション装置の気象情報の提示動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施例における気象アイコンの表示例である。
【図9】気象アイコンを選択したときの気象情報の表示例を説明する図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る気象アイコンの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施例では、ナビゲーション装置が受信する道路交通情報としてVICSからの情報を例示するが、これ以外の道路交通情報を利用するものであってもよい。
【実施例】
【0018】
図2は、本発明の実施例に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、自車の車速、加速度、方位、パーキングのオン/オフなどの車両の状態に関する情報を車内バスから受信するバスインターフェース20と、GPS衛星からの信号を利用して自車の位置を検出するGPS受信機30と、アンテナを介して外部から道路交通情報を受信するVICS・FM多重レシーバ40と、ユーザからの入力を受け取る入力部50と、大容量ハードディスクなどの記憶媒体を含む記憶部60と、無線または有線により外部機器とデータ通信をするデータ通信部70と、スピーカから音声を出力させる音声出力部80と、ディスプレイに画像を表示させる表示制御部90と、各種プログラムを記憶するプログラムメモリ100と、データを一時的に記憶するデータメモリ110と、プログラムを実行することで各部を制御する制御部120とを含んでいる。
【0019】
プログラムメモリ100は、例えば、バスインターフェース20やGPS受信機30からの情報に基づき自車位置を検出する自車位置検出プログラム100A、VICS・FM多重レシーバ40で受信した道路交通情報から気象情報を抽出しこれを提示する気象情報抽出プログラム100B、自車位置から目的地までの最適な経路を探索する経路探索プログラム100Cなどを含む。
【0020】
データメモリ110は、VICS・FM多重レシーバ40で受信した道路交通情報110A、道路交通情報に含まれる気象情報110B、自車位置情報検出プログラム100Aが検出した自車位置情報110C、記憶部60から読み出した自車位置周辺の地図データ110D、経路探索プログラム100Cが探索した誘導経路情報110E等を記憶する。
【0021】
図3は、本実施例の気象情報抽出プログラム110Bの機能ブロック図である。気象情報抽出プログラム110Bは、気象情報判定部130、気象情報解析部131、分類テーブル作成部132、判定結果提示部133、気象アイコン作成部134、および気象情報読出部135を含む。
【0022】
気象情報判定部130は、VICS・FM多重レシーバ40で受信した道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判別する。図4に、道路交通情報のデータ構造の一例を示す。道路交通情報は、ヘッダー部140、実データ部142、気象情報144および配信時刻146を含んでいる。ヘッダー部140は、道路交通情報が気象情報を含んでいるか否かを識別するための識別フラグ情報やVICSのレベルを識別するためのレベル識別情報などを含んでいる。実データ部142は、渋滞、通行止め、事故、規制などの事象を表す情報とそれらが発生したリンクまたは地域等を識別するリンクまたは地域情報を含んでいる。例えば、渋滞区間や渋滞距離などを示す渋滞情報、通行止めや速度規制、チェーン規制など走行規制に関する情報を含む規制情報などである。さらに実データ部142は、リンクの旅行時間情報などを含むことができる。
【0023】
気象情報144は、例えば気象庁が発した警報、注意報などがの警報内容144Aと、それらの対象となる警報エリア144Bを含んでいる。警報内容144Aは、例えば、大雨、強風、雷雨、地震、台風、火山、津波、竜巻などの天候に関する警報と自然災害情報を含む。警報エリア144Bは、例えば、経度緯度情報、地域名称(地方名、都道府県名、市区町村名など)、あるいは地域を識別するための地域コードなどを含む。
【0024】
気象情報判定部130は、上記したヘッダー部140の識別フラグ情報を参照して気象情報が含まれているか否かを判別する。例えば、フラグ情報のビットがハイレベルであるとき、気象情報が含まれていると判別し、ローレベルであるとき気象情報が含まれていないと判定する。
【0025】
気象情報解析部131は、道路交通情報が気象情報144を含んでいるとき、気象情報144の警報内容144Aと警報エリア144Bを解析する。警報内容144Aと警報エリア144Bが予め決められたルールに従い符号化されていれば、それを復号化し、さらに、警報内容144Aおよび警報エリア144Bがテキスト情報を含んでいれば、キーワード等のマッチング、構文解析、意味解析などを用いて言語解析する。
【0026】
分類テーブル作成部132は、解析された気象情報に基づき警報エリア毎に警報内容を分類した分類テーブルを作成する。図5は、分類テーブルの一例である。分類テーブルは、具体的には、警報エリア、警報内容、受信時刻、気象情報の格納先を示す格納位置(メモリのアドレス)を関連付けて保存する。例えば、警報エリアA1には、受信時刻T1、T2の警報内容W1、W2があり、それらの気象情報は、格納位置Ad1、Ad2に格納されている。分類テーブル作成部132は、同じ内容の気象情報を受信した場合には、最新の気象情報に更新されるように上書きし、また、警報や注意報の発令が解除されたとき、あるいは受信時刻が一定時間以上経過したとき、該当する気象情報を削除する。
【0027】
判定結果提示部133は、気象情報判定部130により気象情報が含まれていることが判別されたとき、気象情報が受信されたことを音声または表示によりユーザに通知する。例えば、「気象情報が受信されました」という音声をスピーカから出力させたり、気象情報が受信されたことを示す表示または気象アイコンをディスプレイに表示させる。
【0028】
判定結果提示部133は、気象アイコンを表示させる場合には、気象アイコン作成部134を起動させ、気象アイコンを作成させる。気象アイコン作成部134は、気象情報が受信されたことを示す気象アイコンを作成したり、さらに、気象情報の解析結果を反映した気象アイコンを作成することができる。好ましくは、複数種類の気象アイコンのパターンを予め用意しておき、その中から該当する気象アイコンを選択するようにする。
【0029】
図6は、気象アイコンの登録例を示し、図6(a)は、気象情報が受信されことを示す気象アイコンの例であり、図6(b)は、警報内容を反映した気象アイコンの例である。気象アイコン作成部134は、気象情報が受信されたとき、あるいは気象情報の解析結果に基づき、該当する気象アイコンの画像データを記憶部60から読み出し、読み出した画像データを用いて気象アイコンを作成する。気象アイコンは、好ましくは、警報エリアとその警報内容を含むが、警報エリアは、必ずしも文字情報に限らず、警報エリアを識別可能な図形表示であってもよく、その場合、エリアの特徴を表したアイコンを複数登録しておき、そこから該当するアイコンの画像データを選択する。また、気象アイコンは、後述するように、ディスプレイに表示されたとき、ユーザインターフェースを提供することができる。
【0030】
気象情報読出部135は、図5に示す分類テーブルの格納位置を参照し記憶部60またはデータメモリ110から気象情報を読み出す。例えば、ユーザが、表示された気象アイコンを選択したとき、当該気象アイコンに対応する気象情報が記憶部60から読み出され、読み出された気象情報は、判定結果提示部133によってディスプレイに表示される。
【0031】
次に、本実施例のナビゲーション装置における気象情報の提示動作を図7に示すフローチャートを参照して説明する。VICSセンサは、不定期なタイミングで道路交通情報を更新し、VICS・FM多重レシーバ40は、定期的なタイミングで更新された道路交通情報を受信する(ステップS101)。
【0032】
気象情報判定部130は、受信した道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定する(ステップS102)。この判定は、上記したように道路交通情報のヘッダー部のフラグをチェックして行うことができる。これ以外にも、解読された道路交通情報内に気象情報に関するキーワードなどが存在している場合には、気象情報が含まれていると判定することができる。道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき(ステップS103)、判定結果提示部133は、気象情報が受信されたことを音声等によって知らせることができる。また、気象情報解析部131は、道路交通情報から気象情報を抽出し、抽出された気象情報から警報内容および警報エリアを解析する(ステップS104)。この解析結果は、データメモリ110または記憶部60に記憶される。
【0033】
次に、分類テーブル作成部132は、解析結果に基づき図5に示すような分類テーブルを作成する(ステップS105)。分類テーブル作成部132は、分類テーブル内に同一の警報エリアについて同一の警報内容が既に存在するとき、それを上書きする。
【0034】
次に、気象アイコン作成部134は、分類テーブルを参照し、受信した気象情報のアイコンを作成する(ステップS106)。気象アイコン作成部134は、分類テーブルに含まれるすべての気象情報のアイコンを作成してもよいし、現在時刻から一定時間内に受信した気象情報のアイコンを作成してもよい。
【0035】
次に、判定結果提示部133は、作成された気象アイコンを道路地図画面に表示する(ステップS107)。図8(a)は、気象情報が受信されたことを示す気象アイコンの表示例である。同図に示すように、ディスプレイには、自車位置周辺の道路地図画面200が表示され、この画面上に、気象アイコン210が合成して表示される。ユーザは、こうした気象アイコン210の表示から、気象アイコンが受信されたことを知ることができる。
【0036】
図8(b)は、別の気象アイコンの表示例である。道路地図画面200上には、「気象警報発令中」等のタイトルと警報エリアおよびその警報内容を示す気象アイコン212が表示されている。ユーザは、気象アイコン212の表示から、警報エリアとその警報内容の概要を知ることができる。但し、気象アイコンは、必ずしも警報内容を含まず、警報エリアだけでもよい。また、気象アイコンは、受信時刻を含むものであってもよい。さらに、判定結果提示部133は、気象アイコンの表示とともに、「気象警報が発令されました」等の音声により気象情報が受信されたことを通知することができる。
【0037】
次に、気象情報読出部135は、ユーザが、気象アイコンを選択したか否かを監視する(ステップS108)。気象アイコンは、ユーザインターフェースを提供し、ユーザによって所望の気象アイコンが選択されたとき、気象情報読出部135は、選択された気象アイコンに対応する気象情報を記憶部60またはデータメモリから読出し(ステップS109)、判定結果提示部133は、読み出した気象情報をディスプレイに表示させる(ステップS110)。
【0038】
例えば、図9(a)に示す気象アイコン212が表示されているとき、気象アイコン212の各々の気象情報に対応する矩形状の選択領域212A、212B、212Cが入力インターフェースを提供する。すなわち、ユーザは、マウスやタッチパネル等の入力手段を利用して選択領域212A、212B、212Cのいずれかを選択することができ、その選択結果が気象情報読出部135へ提供される。仮に、選択領域212Aが選択されると、気象情報読出部135は、分類テーブルを参照し、選択領域212A、すなわち警報エリアA1の気象情報の格納位置から気象情報を読出し、判定結果提示部133がこれを表示する。警報エリアA1には、図5の分類テーブルに示すように、2つの警報内容W1、W2が発令されている。このため、図9(b)に示すように、2つの気象情報に関するページ230、232が表示される。ページ230、232は、道路交通情報の配信源「VICS ○○○」、警報エリア、警報内容、受信時刻などのテキスト情報を含んでいる。また、天候悪化による視界不良により通行規制が行われている場合には、これらの道路交通情報が含まれるようにしてもよい。ユーザは、同一の警報エリアA1内において、ページ送りをすれば、それぞれの警報内容を閲覧することができ、所望の気象情報を迅速に得ることができる。なお、ページ送りは、一定時間が経過すると自動的に他のページに切替えるようにしてもよい。
【0039】
また、図8(a)に示すように、気象情報が受信されたことを示す気象アイコン210が表示されている場合には、ユーザが気象アイコン210を選択すると、図8(b)に示す気象アイコン212に表示が切り替わるようにしてもよい。
【0040】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、自車位置や目的地等に応じて必要な気象情報を自動的に検索し、その気象アイコンを表示させる機能を有する。第2の実施例に係る気象情報抽出プログラム100Bは、気象情報を検索するための気象情報検索部を備え、気象情報検索部は、自車位置検出プログラム100Aが検出した自車位置、誘導経路探索プログラム100Cが探索された誘導経路や目的地が、警報エリアに該当するか否かを検索しかつ判定する。
【0041】
図10(a)において、自車位置がエリアA1(一点鎖線で示す矩形範囲)にあり、誘導経路YがエリアA2を通過し、目的地GがエリアA4にあり、警報エリアA1、A2、A3の気象情報を受信したものとする。気象情報検索部は、先ず、自車位置M、誘導経路Y、目的地Gに該当する警報エリアの有無を検索する。この検索は、例えば、図5に示す分類テーブルを参照して行われる。図5の例を参照すると、気象情報検索部は、自車位置Mに該当する警報エリアA1と誘導経路Yに該当する警報エリアA2を検索することになる。この検索結果は、気象アイコン作成部134に提供され、気象アイコン作成部134は、警報エリアA1、A2に関する気象アイコンを作成し、判定結果提示部133は、図10(b)に示すように、気象アイコン300を表示する。
【0042】
図10(c)は、他の気象アイコンの表示例である。気象アイコン310は、受信した警報エリアA1、A2、A3を含んでいるが、自車位置Mおよび誘導経路Yに合致する警報エリアA1、A2のアイコン310A、310Bを、色分け、点滅、フォントの変更などを用いて警報エリアA3のアイコン310Cよりも強調表示している。
【0043】
また、複数の気象アイコンを表示する場合には、予め決められた優先順位に従い気象アイコンの表示位置や表示色を決定するようにしてもよい。例えば、図10(d)に示すように、気象アイコン320の最上段には、誘導経路Yが存在する警報エリアA2を表示し、次に、自車位置が存在する警報エリアA1を表示し、自車位置や誘導経路に関係のない警報エリアA3を最下段に表示する。この場合、誘導経路Yの優先順位が自車位置の優先順位よりも高いことを意味する。同様に、気象アイコンの表示色を優先順位に応じて変更する。
【0044】
このように第2の実施例によれば、自車位置や自車が進行する方向の気象情報を自動的に選択して表示するようにしたので、ユーザは、より簡易な操作によって気象情報を得ることができる。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10:ナビゲーション装置 20:バスI/F
30:GPS受信機 40:VICS/FM多重レシーバ
50:入力部 60:記憶部
70:通信制御部 80:音声出力部
90:表示制御部 100:プログラムメモリ
110:データメモリ 120:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を案内する機能を備えたナビゲーション装置であって、
気象情報を包含可能な道路交通情報を外部から受信する受信手段と、
道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により道路交通情報に気象情報が含まれているとき、前記気象情報が受信されたことを提示する提示手段と
を含むナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション装置はさらに、前記判定手段により道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、前記気象情報から警報内容と警報エリアを解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果に基づき警報内容と警報エリアの少なくとも一方を、文字、記号、数字および図形の少なくとも1つを用いて表したアイコン画面を作成するアイコン作成手段とを有し、
前記提示手段は、前記アイコン作成手段により作成されたアイコン画面をディスプレイに表示する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
ナビゲーション装置はさらに、ユーザからの入力を受け取る入力手段を含み、前記提示手段は、前記入力手段を介して前記アイコン画面が選択されたとき、選択されたアイコン画面に対応する気象情報を表示する、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション装置はさらに、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置に対応する警報エリアが前記解析結果に含まれているか否かを検索する検索手段とを有し、
前記提示手段は、前記検索手段により検索された警報エリアのアイコン画面を表示する、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記検索手段はさらに、目的地または目的地までの誘導経路に対応する警報エリアが前記解析結果に含まれているか否かを検索する、請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置における気象情報の提示方法であって、
気象情報を包含可能な道路交通情報を受信するステップと、
道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定するステップと、
道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、気象情報が受信されたことを示す気象アイコンをディスプレイ上に表示するステップと、
を有するナビゲーション装置における気象情報提示方法。
【請求項7】
気象情報提示方法はさらに、ユーザ入力に応答して気象アイコンに対応する気象情報の内容を表示するステップを含む、請求項6に記載の気象情報提示方法。
【請求項8】
気象情報提示方法はさらに、目的地または自車位置に対応する気象情報を自動検索するステップと、検索された気象情報の内容を表示するステップとを含む、請求項6に記載の気象情報提示方法。
【請求項9】
ナビゲーション装置が実行する気象情報を提示するための気象情報提示プログラムであって、
気象情報を包含可能な道路交通情報を受信するステップと、
道路交通情報に気象情報が含まれているか否かを判定するステップと、
道路交通情報に気象情報が含まれていると判定されたとき、気象情報が受信されたことを示す気象アイコンをディスプレイ上に表示するステップと、
を有するナビゲーション装置における気象情報提示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−230316(P2010−230316A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74912(P2009−74912)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】