説明

ナビゲーション装置

【課題】 ナビゲーション装置の有する機能を利用して、当該ナビゲーション装置の買い換え時期を判定し、その判定に対応した作動を当該ナビゲーション装置に行わせる技術を提供する。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置1は、現在位置および車両の走行状態を特定し(ステップ110、120)、それらに基づいて、自車両が地図データ中の道路にも駐車場にも該当していない場所を走行していると判定し(ステップ130)、さらにナビゲーション装置の製造年月日から所定のN年以上経過していると判定した場合(ステップ140)、買い換え情報を画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ150)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の買い換え時期を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の購入後経過年数や走行距離に基づいて、車両の買い換え時期が来たことを判定する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−108908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、車両に搭載されるナビゲーション装置の買い換えタイミングは、必ずしも車両の買い換えタイミングとは一致しない。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、ナビゲーション装置の有する機能を利用して、当該ナビゲーション装置の買い換え時期を判定し、その判定に対応した作動をナビゲーション装置に行わせる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、道路及び駐車場の位置情報を含んだ地図データを記憶する記憶媒体と、自車両が前記地図データ中の道路にも駐車場にも該当しない位置を走行していることを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0006】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、地図データが古くなったか、または地図データ中のどこを自車両が走行しているかを特定する機能に何らかの不具合がある可能性が高いことに基づいて、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことを判定し、その判定に対応した作動としての、買い換えに関する情報の出力または取得を行うことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、自車両が車両用品店に停車したことを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0008】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、自車両がカー用品店に停止していることに基づいて、ナビゲーション装置の買い換えタイミングであると判定し、その判定に対応した作動としての、買い換えに関する情報の出力または取得を行うことができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、複数種類の語を記憶する記憶媒体と、入力された音声の表す語を特定する音声認識手段と、前記音声認識手段が特定した語が、前記記憶媒体が記憶する語に相当することを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0010】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、音声認識機能を利用して特定した語が、記憶された語(例えば「使いにくい」等)に相当することに基づいて、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことを判定し、その判定に対応した作動としての、買い換えに関する情報の出力または取得を行うことができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、自ナビゲーション装置が購入または製造されてから基準期間が経過していることを判定する第2判定手段を備え、前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および第2判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行うことを特徴とする。
【0012】
このように、自ナビゲーション装置が購入または製造されてから基準期間が経過していることを、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことの判定条件に付加することで、買い換え時期の判定の精度がより高くなる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過していることを判定する第3判定手段を備え、前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および第3判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行うことを特徴とする。
【0014】
このように、自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過していることを、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことの判定条件に付加することで、買い換え時期の判定の精度がより高くなる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、複数の機能を実現するナビゲーション装置であって、道路および駐車場の位置情報を含む地図データ、ならびに前記複数の機能の使用履歴を記憶する記憶媒体と、自車両が前記地図データ中の道路にも駐車場にも該当しない位置を走行していることを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させる買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0016】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、地図データが古くなったか、または地図データ中のどこを自車両が走行しているかを特定する機能に何らかの不具合がある可能性が高いことに基づいて、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことを判定し、その判定に対応した作動としての、使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を行うことができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、において、複数の機能を実現するナビゲーション装置であって、前記複数の機能の使用履歴および記憶する記憶媒体と、自車両が車両用品店に停車したことを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させる買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0018】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、自車両がカー用品店に停止していることに基づいて、ナビゲーション装置の買い換えタイミングである判定し、その判定に対応した作動としての、使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を行うことができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、複数の機能を実現するナビゲーション装置であって、道路および駐車場の位置情報を含む地図データ、ならびに複数種類の語を記憶する記憶媒体と、入力された音声の表す語を特定する音声認識手段と、前記音声認識手段が特定した語が、前記記憶媒体が記憶する語に相当することを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させる買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0020】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、音声認識機能を利用して特定した語が、記憶された語(例えば「使いにくい」等)に相当することに基づいて、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことを判定し、その判定に対応した作動としての、使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を行うことができる。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、自ナビゲーション装置が購入または製造されてから基準期間が経過していることを判定する第2判定手段を備え、前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および前記第2判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させることを特徴とする。
【0022】
このように、自ナビゲーション装置が購入または製造されてから基準期間が経過していることを、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことの判定条件に付加することで、買い換え時期の判定の精度がより高くなる。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、請求項6または7のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過していることを判定する第3判定手段を備え、前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および前記第3判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させることを特徴とする。
【0024】
このように、自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過していることを、当該ナビゲーション装置の買い換え時期が来たことの判定条件に付加することで、買い換え時期の判定の精度がより高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、無線通信回路10、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、マイク15、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18およびCPU19を有している。
【0026】
無線通信回路10は、図示しないアンテナが受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等、所定の無線通信プロトコル(例えばDSRC、携帯電話用データ通信)に従った処理を施し、その結果をCPU19に出力する。また無線通信回路10は、CPU19から入力されたデータに対してD/A変換、変調、周波数変換、増幅等、所定の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果の信号を上記のアンテナに出力する。このような作動により、無線通信回路10は、CPU19の制御に基づいて、基地局との無線接続を介してインターネット等のネットワーク上の機器と通信できるようになる。
【0027】
位置検出器11は、いずれも周知のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報をCPU19に出力する。具体的には、位置検出器11は、車速に反比例する周期でパルス信号を出力する車速センサ11a、GPS衛星からの信号に基づいて現在位置情報を出力するGPS受信機11b、車両の旋回角やロール角を検出し信号として出力するジャイロセンサ11c等を有している。
【0028】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号をCPU19に出力する。
【0029】
画像表示装置13は、CPU19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0030】
外部記憶媒体18は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、CPU19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0031】
地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置(具体的には緯度、経度)、種別(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、車両用品店等)、交差点と道路片との接続関係情報等を含む道路データ、および施設データを有している。施設データは、施設毎のエントリを複数有しており、各エントリは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、施設種類情報等を示すデータを有している。
【0032】
CPU(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14およびマイク15と信号の授受を行う。
【0033】
CPU19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、誘導経路探索処理、経路案内処理等がある。
【0034】
誘導経路探索処理は、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0035】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された誘導経路、目的地、経由地および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
【0036】
また、本実施形態のCPU19は、図2に示すプログラム100を繰り返し実行するようになっている。このプログラム100の実行において、車両用ナビゲーション装置1は、まずステップ110で、GPS受信機11bからの現在位置情報に基づいて現在位置の緯度、経度を特定する。
【0037】
続いてステップ120で、自車両の走行状態を特定する。具体的には、車速センサ11aからの車速パルス信号に基づいて、自車両の走行速度を特定する。
【0038】
続いてステップ130で、自車両が道路でも駐車場でもない位置を走行しているか否かを判定する。自車両が道路や駐車場にいるか否かは、ステップ110で特定した自車位置に該当する位置を、外部記憶媒体18の地図データ中から探し出し、その位置が当該地図データ中で道路や駐車場となっているか否かで判定する。また、自車両が走行しているか否かは、ステップ120で特定した車速が所定の基準速度(例えば時速5キロメートル)以上であるか否かで判定する。自車両が道路でも駐車場でもない位置を走行している場合、続いてステップ140を実行する。自車両が道路または駐車場を走行している場合、および自車両が走行していない場合は、プログラム100の実行を終了する。
【0039】
ステップ140では、車両用ナビゲーション装置1の製造年月日から現在まで所定の基準年数N(例えば5年)以上経過しているか否かを判定する。なお、車両用ナビゲーション装置1の製造年月日は、車両用ナビゲーション装置1の工場出荷時にROM17または外部記憶媒体18に記憶されるようになっている。また、ここでいう基準年数Nは、車両用ナビゲーション装置1を製造・販売する企業の商品切り替えサイクルや新商品開発計画に基づいてあらかじめプログラム100内に設定される。所定の基準年数N以上経過していれば続いてステップ150を実行し、経過していなければプログラム100の実行を終了する。
【0040】
ステップ150では、買い換え情報を、画像表示装置13またはスピーカ14に表示させる。買い換え情報としては、「ナビを買い換えてはいかがですか」等の文字および音声をそれぞれ画像表示装置13およびスピーカ14に表示させてもよいし、新しい車両用ナビゲーション装置の情報を外部記憶媒体18から読み出し、その情報に基づいた映像および音声をそれぞれ画像表示装置13およびスピーカ14に表示させてもよい。
【0041】
なお、この新製品情報は、無線通信回路10を用いてネットワーク上の新製品情報を送信するサーバからあらかじめダウンロードしておいてもよいし、このステップ150の時点で無線通信回路10を用いてダウンロードしてもよい。また、ステップ150では単に新製品情報のダウンロードだけを行い、後にユーザが操作スイッチ群12を用いて表示要求の操作をした場合に初めてその新製品情報を画像表示装置13およびスピーカ14に表示させてもよい。ステップ150の後、プログラム100の実行は終了する。
【0042】
以上の通りCPU19がプログラム100を実行することにより、車両用ナビゲーション装置1は、現在位置および車両の走行状態を特定し(ステップ110、120参照)、それらに基づいて、自車両が地図データ中の道路にも駐車場にも該当していない場所を走行していると判定し(ステップ130参照)、さらにナビゲーション装置の製造年月日から所定のN年以上経過していると判定した場合(ステップ140参照)、買い換え情報を画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ150参照)。
【0043】
このようになっているので、車両用ナビゲーション装置1の、地図データ中のどこを自車両が走行しているかを特定する機能に関する何らかの不具合(例えば地図データが現状の道路や駐車場の状態に合わなくなった、GPS受信機11bから正常な信号を取得できない等の不具合)がある可能性が高いことに基づいて、車両用ナビゲーション装置1の買い換え時期が来たことを判定し、その判定に対応した作動としての、買い換えに関する情報の提供を行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、CPU19がプログラム100のステップ130を実行することで第1判定手段として機能し、ステップ140を実行することで第2判定手段として機能し、ステップ150を実行することで買い換え時期対応手段として機能する。また、画像表示装置13およびスピーカ14がそれぞれ表示装置に相当する。
【0045】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成および作動は、第1実施形態と同等である。ただし、CPU19は、プログラム100に代えて図3に示すプログラム200を繰り返し実行するようになっている。
【0046】
このプログラム200の実行において、CPU19は、まずステップ210で、プログラム100のステップ110と同等の現在位置特定処理を行い、続いてステップ220で、ステップ120と同等の走行状態情報の特定を行う。
【0047】
続いてステップ230では、店情報の取得を行う。具体的には、ステップ210で特定した自車位置に該当する位置を、外部記憶媒体18の地図データ中から探し出し、地図データ中の施設データから、その位置に対応する施設およびその施設の種別を特定する。
【0048】
続いてステップ240では、自車両が車両用品店に停止しているか否かを判定する。自車両が車両用品店にいるか否かは、ステップ230で特定した現在位置の施設種別が車両用品店に該当するか否かで判定する。自車両が停止しているか否かは、ステップ220で特定した車速が所定の基準速度(例えば時速5キロメートル)以上であるか否かで判定する。自車両が車両用品店に停止していると判定した場合、続いてステップ250を実行し、それ以外の場合、プログラム200の実行を終了する。
【0049】
ステップ250および260は、それぞれプログラム100のステップ140および150と同等の処理である。
【0050】
以上の通りCPU19がプログラム200を実行することにより、車両用ナビゲーション装置1は、現在位置および車両の走行状態を特定し(ステップ210、220参照)、さらに地図データ中で現在位置に該当する施設種別を特定し(ステップ230参照)、それらに基づいて、自車両が車両用品店に停止しているか否かを判定し(ステップ240)、さらにナビゲーション装置の製造年月日から所定のN年以上経過していると判定した場合(ステップ250参照)、買い換え情報を画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ260参照)。
【0051】
このようになっているので、車両用ナビゲーション装置1は、地図データ中のどこに自車両が停止しているかを特定する機能を利用し、自車両が車両用品店に停止していることに基づいて、ナビゲーション装置の買い換えタイミングである判定し、その判定に対応した作動としての、買い換えに関する情報の提供を行うことができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、CPU19がプログラム200のステップ240を実行することで第1判定手段として機能し、ステップ250を実行することで第2判定手段として機能し、ステップ260を実行することで買い換え時期対応手段として機能する。また、画像表示装置13およびスピーカ14がそれぞれ表示装置に相当する。
【0053】
なお、ステップ240では、車両用品店に自車両が停車したとき、外部記憶媒体18中の停車カウントを1つ増やし、さらに、その停車カウントに基づいて、自車両が車両用品店に過去停車した回数が所定回数を超えたか否かを判定し、超えた場合はステップ250を実行し、超えない場合はプログラム200の実行を終了するようになっていてもよい。
【0054】
また、車両用ナビゲーション装置1が、自車両内の他の備品が取り替えられたまたは追加されたことを検出できるようになっている場合は、車両が車両用品店に停止した後に、当該他の備品が取り替えられた場合にのみ、ステップ250および260を実行するようになっていてもよい。このようにするためには、CPU19が、以下のような処理を実行するようになっていればよい。
【0055】
すなわち、自車両が車両用品店で停止し、かつエンジンがオンからACCに変化したときに、外部記憶媒体18中の車両停止フラグをオンとし、外部記憶媒体18中の駐車時刻データを現在時刻の値で上書きする。さらに、ステップ240においては、(1)自車両が車両用品店で停止しており、(2)かつ上記車両停止フラグがオンであり、(3)かつエンジンがオンとなっており、(4)かつ現在時刻が駐車時刻データの時間から所定時間(例えば20分)以上経過しており、(5)かつ当該他の車両用品が取り替えられたまたは追加された直後である場合にのみ、当該車両停止フラグをオフにした後にステップ250を実行し、それ以外の場合はプログラム200の実行を終了するようになっていればよい。
【0056】
なお、エンジンのオン、オフは、図示しないイグニッションキーからの信号に基づいて特定すればよい。また、他の装置が取り替えられたまたは追加されたことは、例えばウインドウォッシャーの液量が急激に増えたことをウインドウォッシャータンク内の液面高センサの検出信号にもとづいて検出してもよいし、バッテリから直に受ける電力供給が一時停止してその後再開したことに基づいて検出してもよいし、エアコンフィルタが交換されたことを車内LANを介した通信によりエアコンから受信するようになっていてもよい。
【0057】
また、自車両が車両用品店にいるか否かは、車両用品店の駐車場に設置されたRFタグやDSRC路上機等の無線送信装置から、車両用品店特有の情報を受信することができたか否かで判定してもよい。
【0058】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成および作動は、第1実施形態と同等である。ただし、CPU19は、プログラム100に代えて図4に示すプログラム300を繰り返し実行するようになっている。また、外部記憶媒体18は、図5に示すようなNGワードリストを有している。ここでいうNGワードとは、「遅い」、「間違える」、「使いにくい」、「道に迷った」等、車両用ナビゲーション装置1に対する否定的評価を表す語をいう。NGワードリストとは、これらの語の文字列を複数種類含むリストである。
【0059】
以下、CPU19によるプログラム300の実行について説明する。CPU19は、このプログラム300の実行において、まずステップ310で、動作状態の取得を行う。具体的には、CPU19がどのようなプログラムを実行し、どのような信号の入出力を行っているかを特定する。
【0060】
続いてステップ320では、車両用ナビゲーション装置1が動作中であるか否かを判定する。動作中とは、例えば操作スイッチ群12から操作を受けている、画像表示装置13およびスピーカ14に画像または音声を出力している等、ユーザに対する情報の提供またはユーザからの情報の取得を行っている場合をいう。また、ユーザに対する情報の提供またはユーザからの情報の取得を行うためのプログラムの実行中である場合も、ここでいう動作中に該当する。動作中であれば続いてステップ330を実行し、動作中でなければプログラム300の実行を終了する。
【0061】
ステップ330では、マイク15からユーザの音声入力を待ち、音声入力があると、その音声に対して周知の音声認識を実行することで、入力音声信号と、あらかじめ記憶された複数の音声パターン(例えば上記NGワードに対応する語の音声パターン)との合致度を算出し、その結果、入力された音声の表す語の文字列を特定する。
【0062】
続いてステップ340では、ステップ330で特定した語がNGワードリストに含まれる語であるか否かを判定する。含まれていれば続いてステップ350を実行し、含まれていなければプログラム300の実行を終了する。
【0063】
ステップ350および360は、それぞれプログラム100のステップ140および150と同等の処理である。
【0064】
以上の通りCPU19がプログラム300を実行することにより、車両用ナビゲーション装置1は、ユーザとのインタラクティブな動作を行っているときに(ステップ310、320参照)、所定の否定的な語をユーザが発したことを認識したと判定し(ステップ330、340参照)、さらにナビゲーション装置の製造年月日から所定のN年以上経過していると判定した場合(ステップ350参照)、買い換え情報を画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ360参照)。
【0065】
このようになっているので、ナビゲーション装置1は、音声認識機能を利用して特定した語が、NGワードリスト中に記憶された語に相当することに基づいて、当該車両用ナビゲーション装置1の買い換え時期であることを判定し、その判定に対応した作動としての、買い換えに関する情報の出力または取得を行うことができる。
【0066】
なお、本実施形態においては、CPU19がプログラム300のステップ330を実行することで音声認識手段として機能し、ステップ340を実行することで第1判定手段として機能し、ステップ350を実行することで第2判定手段として機能し、ステップ360を実行することで買い換え時期対応手段として機能する。また、画像表示装置13およびスピーカ14がそれぞれ表示装置に相当する。
【0067】
なお、ステップ340では、NGワードリストに含まれる語が特定されたと判定したとき、外部記憶媒体18中のNGカウントを1つ増やし、さらに、そのNGカウントに基づいて、否定的発言をユーザが行った回数が所定回数を超えたか否かを判定し、超えた場合はステップ350を実行し、超えない場合はプログラム300の実行を終了するようになっていてもよい。
【0068】
(他の実施形態)
なお、上記の各実施形態における、プログラム100のステップ140、プログラム200のステップ250、およびプログラム300のステップ350の実行においては、車両用ナビゲーション装置1の製造年月日ではなく購入年月日から現在まで基準年数が経過しているか否かを判定してもよい。これは、車両用ナビゲーション装置1の販売店において車両に車両用ナビゲーション装置1を取り付けるとき、外部記憶媒体18にその取り付けの年月日の情報を記録し、CPU19がステップ140、250、350で、その情報を読み出すことで実現可能となる。
【0069】
また、上記の各実施形態のステップ150、260、360の処理においては、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う代わりに、車両用ナビゲーション装置1の未使用機能、または使用頻度の低い機能の説明の映像および音声をそれぞれ画像表示装置13およびスピーカ14に行わせるようになっていてもよい。
【0070】
ここで、使用頻度の低い機能や未使用機能の特定のためには、外部記憶媒体18に記憶される使用履歴のデータを用いる。使用履歴は、車両用ナビゲーション装置1の実現する各種機能毎のエントリを有している。車両用ナビゲーション装置1が実現する機能としては、例えば、目的地入力を行うための画面を、通常のメニュー操作経由よりも簡単な操作で表示させる機能等がある。CPU19は、操作スイッチ群12の操作に基づいて複数の機能を実現するようになっており、操作スイッチ群12の操作に基づいたある機能を実現するとき、その使用履歴中の当該機能のエントリの使用回数値を1だけ増加させる。このようになっていることで、使用履歴は、各種機能の過去の使用回数を表すデータとなる。CPU19は、ステップ150、260、360においては、この使用履歴中、使用回数が所定の基準回数(例えば1回、5回)より少ないエントリに該当する機能を、未使用機能、または使用頻度の低い機能とする。なお、機能の説明内容のデータは、あらかじめ外部記憶媒体18に記憶されている。
【0071】
また、上記の第1および第2実施形態のステップ140、250の処理においては、製造年月日から基準年数以上経過しているか否かの判定の代わりに、自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間(例えば2ヶ月)が経過しているか否かを判定するようになっていてもよい。このためには、CPU19は、操作スイッチ群12に対する操作がある度に、外部記憶媒体18中の最終操作時データ中にその操作のあった年月日を記録し、ステップ140、250で、その最終操作データから現在時刻まで当該基準時間以上経過しているか否かを判定すればよい。
【0072】
また更に、上記の第1および第2実施形態のステップ140、250の処理においては、(1)製造年月日から基準年数以上経過しており、(2)かつ自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過している場合にのみ、それぞれステップ150、160を実行するようになっていてもよい。
【0073】
また、CPU19は、プログラム100、200、300を同時に並列的に実行するようになっていてもよい。
【0074】
また、上記の各実施形態においては、車両用ナビゲーション装置1が、本発明のナビゲーション装置の一例として挙げられているが、本発明のナビゲーションシステムは、車両用ナビゲーション装置に限らず、例えば、人が携帯できるような携帯型ナビゲーション装置としても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の各実施形態に係る車載用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】CPU19が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】CPU19が実行するプログラム200のフローチャートである。
【図4】CPU19が実行するプログラム300のフローチャートである。
【図5】NGワードリストを示す図表である。
【符号の説明】
【0076】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、10…無線通信回路、
11a…車速センサ、11b…GPS受信機、11c…ジャイロセンサ11c、
12…操作スイッチ群、13…画像表示装置、14…スピーカ、15…マイク、
16…RAM、17…ROM、18…外部記憶媒体、19…CPU、
100、200、300…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路及び駐車場の位置情報を含んだ地図データを記憶する記憶媒体と、
自車両が前記地図データ中の道路にも駐車場にも該当しない位置を走行していることを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
自車両が車両用品店に停車したことを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項3】
複数種類の語を記憶する記憶媒体と、
入力された音声の表す語を特定する音声認識手段と、
前記音声認識手段が特定した語が、前記記憶媒体が記憶する語に相当することを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行う買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項4】
自ナビゲーション装置が購入または製造されてから基準期間が経過していることを判定する第2判定手段を備え、
前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および第2判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過していることを判定する第3判定手段を備え、
前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および第3判定手段の判定に基づいて、ナビゲーション装置の買い換えに関する情報の出力または取得を行うことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
複数の機能を実現するナビゲーション装置であって、
道路および駐車場の位置情報を含む地図データ、ならびに前記複数の機能の使用履歴を記憶する記憶媒体と、
自車両が前記地図データ中の道路にも駐車場にも該当しない位置を走行していることを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させる買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項7】
複数の機能を実現するナビゲーション装置であって、
前記複数の機能の使用履歴および記憶する記憶媒体と、
自車両が車両用品店に停車したことを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させる買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項8】
複数の機能を実現するナビゲーション装置であって、
道路および駐車場の位置情報を含む地図データ、ならびに複数種類の語を記憶する記憶媒体と、
入力された音声の表す語を特定する音声認識手段と、
前記音声認識手段が特定した語が、前記記憶媒体が記憶する語に相当することを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させる買い換え時期対応手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項9】
自ナビゲーション装置が購入または製造されてから基準期間が経過していることを判定する第2判定手段を備え、
前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および前記第2判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
自ナビゲーション装置が最後に操作されてから基準期間が経過していることを判定する第3判定手段を備え、
前記買い換え時期対応手段は、前記第1判定手段の判定および前記第3判定手段の判定に基づいて、前記使用履歴において使用頻度が所定の低頻度基準を満たす機能についての説明を表示装置に表示させることを特徴とする請求項6または7に記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−226873(P2006−226873A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41953(P2005−41953)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】