説明

ナビゲーション装置

【課題】登山や観光等に使用できる汎用性の高いナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】地図を升目状に区画し、かつ縦軸及び横軸方向に異なる符合を付して、各区画部2a毎に前記符号によりアドレスを設定した紙地図1と、GPS信号を受信して、表示手段6に表示された地図上に現在位置を表示するGPS受信手段13と、紙地図1の地図情報を電子データ化し、かつ紙地図1のアドレスと関連付けて記憶した地図情報記憶手段14と、入力手段7により入力された目的地と現在位置を直線6cで結び、かつ現在位置の移動とともに進行方向と目的地までの距離を演算して、現在位置に進行方向を表示すると同時に、目的地までの距離の増減を直線6cの色を変えることにより表示する演算処理手段12とからなり、表示手段6に表示される地図と現在位置、現在位置と中継点または目的地を結ぶ直線6cの色を見ることにより、道に迷うことなく中継点や目的地へと進むことができるため、安心して登山や観光を楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登山や観光等の際に現在位置から目的地までの道案内や、到着予定時間等の情報を地図とともに表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年GPSを利用して携帯電子端末に自位置や地図を表示し、予め入力した目的地へ道案内する携帯型ナビゲーション装置が多数提案されている(例えば特許文献1及び2)。
前記特許文献1に記載の登山用ナビゲーション装置は、地図情報格納部に格納した地図情報を予め入力した登山予定ルートに応じて表示させ、現在位置の地形斜度と、当該斜度を通過する時間から、これから通過する登山ルートの所要時間を算出するようにしたもので、登山ルートにおける所要時間を通過してきた現在地点までの実績値を基に、目的地までの所要時間を予測するため、当日の登山ペースに沿った到着時間の予測が簡単に行える効果がある。
また特許文献2に記載の観光情報提供システムは、通信端末からの要求に応じた経路を特定し、経路における目的地周辺の観光情報を通信端末に提供するようにしたもので、経路周辺の観光情報も得ることができるため、乗り換え時間等を利用して経路周辺の観光ができる等、きめの細かい観光案内が可能になる等の効果がある。
【特許文献1】特開平11−271086号公報
【特許文献2】特開2002−92102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし前記特許文献1に記載の登山用ナビゲーション装置は、用途が登山に限定されるため、例えば観光案内用のナビゲーション装置としては利用できない等、汎用性に欠ける問題がある。
また前記特許文献2に記載の観光情報提供システムは、前記特許文献1とは逆に使用目的が観光案内のみに限定されるため、登山等には利用できない等の問題がある。
本発明はかかる問題を解消するためになされたもので、登山や観光等に使用できる汎用性の高いナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のナビゲーション装置は、ナビゲーション装置本体の表示手段に表示された地図上に現在位置と目的地を表示させて、現在位置から目的地までの経路をガイドするナビゲーション装置であって、地図を升目状に区画し、かつ縦軸及び横軸方向に異なる符合を付して、各区画部毎に前記符号によりアドレスを設定した紙地図と、GPS信号を受信して、表示手段に表示された地図上に現在位置を表示するGPS受信手段と、紙地図の地図情報を電子データ化し、かつ紙地図のアドレスと関連付けて記憶した地図情報記憶手段と、入力手段により入力された目的地と現在位置を直線で結び、かつ現在位置の移動とともに進行方向と目的地までの距離を演算して、現在位置に進行方向を表示すると同時に、目的地までの距離の増減を直線の色を変えることにより表示する演算処理手段とから構成したものでる。
【0005】
前記構成により、紙地図を見ながら登山や観光旅行の計画をし、その際に作成した計画書をデータ化してナビゲーション装置本体に取り込むことにより、登山や観光等の際ナビゲーション装置本体の表示手段に表示される地図と現在位置に表示される進行方向、現在位置と中継点または目的地を結ぶ直線の色を見ることにより、道に迷うことなく中継点や目的地へと進むことができるため、安心して登山や観光を楽しむことができるようになる。
また紙地図のように、折り畳まれた地図をその都度広げて現在位置を確認したり、目的地までのルートを再確認する等の作業が不要となるため、登山や観光等を十分に楽しむことができる上、登山と観光の両方に使用できることは勿論、海上等でも使用できるため汎用性も高い。
【0006】
本発明のナビゲーション装置は、表示部に複数のアイコンにより形成されたメニュー表示部を設け、かつアイコンを入力ペンにより1クリックすると、そのアイコンの機能説明を表示部に表示し、2クリックすると選択したメニューを実行するようにしたものである。
【0007】
前記構成により、メニューのアイコンをマニュアルで確認することなくPDAを操作ができるため、登山や観光等に操作マニュアルを持参する必要がなくなり、これによって登山や観光等の際の荷物を削減できるようになる。
【0008】
本発明のナビゲーション装置は、表示手段に現在時間と到着時間、表示させた地図の区画部に該当するアドレスを表示するアドレス表示部、現在位置から目的地までの距離、現在位置を緯度と経度で表示する現在位置表示部の少なくとも1つを表示したものである。
【0009】
前記構成により、到着予定時間や現在位置が容易に把握できるため、表示手段に表示された地図では部分的過ぎて自身がどこにいるのか不明となった場合は、表示部のアドレス表示部に表示されたアドレスにより紙地図上の区画部を参照することにより、自身がどこにいるかが容易に判断できる上、周囲の山や川の名称や地名等が判読できるようになるため、登山や観光等がさらに楽しいものとなる。
【0010】
本発明の地図表示方法は、アドレス表示部に紙地図と同様な升目を表示して、表示部に表示させた区画部の該当個所を、升目上に着色表示するようにしたものである。
【0011】
前記方法により、紙地図上のどの区画部にいるかが視覚的に判断できるようになると共に、隣接する区画部を表示させたい場合は、着色表示部に隣接する升目を入力ペンでタッチするだけで隣接区画を表示することができるため、操作がさらに容易となる。
【0012】
本発明の地図表示方法は、表示部に表示させた升目状区画部の任意個所を入力ペンでクリックすることにより、その区画部を表示部に表示するようにしたものである。
【0013】
前記方法により、希望する区画部を瞬時に表示部に表示させることができるため、利便性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のナビゲーション装置によれば、登山や観光等の際、表示手段に表示される地図と現在位置及び進行方向、現在位置と中継点または目的地を結ぶ直線の色を見ることにより、道に迷うことなく中継点や目的地へと進むことができるため、安心して登山や観光を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は紙地図の展開図、図2はナビゲーション装置の正面図、図3は同ブロック図、図4は作用を示すフローチャートである。
図1に示す紙地図1は、例えばA0サイズの用紙のほぼ全面に地図2を印刷またはパソコンからプリントアウトしたもので、登山地図の場合は山岳地が、観光案内地図の場合は観光地が地図表示されている。
紙地図1に表示された地図2は、周囲に余白1aを残して全体が縦線1bと横線1cにより升目状に区画されていて、縦軸の余白1aには、各区画部2a毎に例えばアルファベットで符号3が付されており、横軸の余白1aには、各区画部2a毎に例えば数字で符号4が付されており、縦軸と横軸の交点に位置する区画部2aのアドレスが符号3,4から、例えば、E3のように設定されている。
【0016】
一方ナビゲーション装置本体5は携帯電子端末(PDA)より構成されていて、図2に示すように前面パネル5aに液晶表示器よりなる表示手段6と、その下側に操作キー群からなる入力手段7が設けられており、これら表示手段6及び入力手段7は、図3に示すように入出制御手段11を介してナビゲーション装置本体5内部の演算処理手段(CPU)12に接続されている。
表示手段6はタッチパネルを兼ねていて、図示しない入力ペンで触れることにより各種機能が実行できるようになっており、表示手段6の例えば上部と下部にメニュー表示部8、9が表示されている。
上部メニュー表示部8には、地図を見る上で必要な例えば「地図を表示する」や、「地図を拡大または縮小する」等の各種メニューが複数のアイコン8aにより表示されていて、メニューのアイコン8aを入力ペンで1クリックすると、そのメニューの機能説明文が表示手段6に表示され、2クリックするとそのメニューが実行できるようになっており、スケール表示部8bには、表示手段6に表示させた地図の縮尺に応じたスケールバーが表示され、上部メニュー表示部8の下側には、現在時間と到着時間をアナログとデジタルで表示する時計表示部8c、8dが左右に離間して表示されている。
【0017】
下部メニュー表示部9には、例えば「目的地へ向け出発する」、「時間の設定と修正」等の各種メニューが複数のアイコン9aにより表示されていて、メニューのアイコン9aを入力ペンで1クリックすると、そのメニューの機能説明文が表示手段6に表示され、2クリックするとそのメニューが実行できるようになっている。
その他にもGPSの受信状態を表示するGPS捕捉表示部9bや、現在位置から目的地までの直線距離が距離表示部9cに表示され、アイコン9aの下側には、GPSにより検出された現在位置を緯度と経度により表示する現在位置表示部9dが表示されており、現在位置表示部9dの例えば右端には、アドレス表示部9eが表示されている。
【0018】
表示手段6の下側に設けられた入力手段7は、ナビゲーション装置本体5の操作に必要な機能キー7aや十字キー7b等から構成されていて例えば表示手段6にキーボードを表示したり、表示手段6に表示された地図やカーソルをスクロールできるようになっており、表示手段6には、図2に示すようにGPSにより検出された現在位置が進行方向を示す矢印6aで表示され、入力手段7より入力した目的地が例えば丸印6bで表示されていて、矢印6aと丸印6bの間は、例えば赤、青、黄の3色に変化する直線6cにより結ばれている。
ナビゲーション装置本体5に設けられた演算処理手段12には、GPSからの位置情報を受信するGPS受信手段13と、地図情報記憶手段14及び記憶手段15が接続されていて、地図情報記憶手段14には、紙地図1に表示された地図2と、縦横線1b、1cで升目状に区画された区画部2a及びそのアドレスがデジタルデータ化され、かつ関連付けて記憶されており、記憶手段15には、地図表示プログラムが記憶されていると共に、図示しないパソコンに接続することにより、予めパソコンに入力した地図データや、登山計画等のデータが記憶手段15にダウンロードできるようになっている。
またパソコンより地図データをダウンロードしたメモリカード等の記録媒体(図示せず)をナビゲーション装置本体5に装着することによっても、地図データや登山計画等のデータがナビゲーション装置本体5で利用できるようになっている。
【0019】
次に前記紙地図1及びナビゲーション装置本体5を使用して登山を行う方法を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
紙地図1を使用して例えば登山計画を作成する場合、紙地図1を広げて登山ルートを設定するが、このとき登山ルートで通る紙地図1の区画部2aを、そのアドレス毎に登山計画書にメモしておけば、さらに容易に目的とする区画部2aをナビゲーション装置本体5の表示手段6に表示可能となる。
またパソコンが使用できる環境にある場合は、パソコンに紙地図1を電子データ化した登山地図を表示させて登山ルートを設定し、出発時間や途中通過時間、到着時間等の予定時刻やその他のデータを記入した登山計画書を作成し、その登山計画書を地図データに関連付けてナビゲーション装置本体5の記憶手段15に直接ダウンロードするか、記録媒体にダウンロードした後、記録媒体をナビゲーション装置本体5に装着して使用するようにしてもよい。
【0020】
実際の登山に当たっては、ナビゲーション装置本体5とともに紙地図1も持参し、出発地に到着したら、紙地図1で出発地点を確認し、出発地点に当たる地図2の区画部2aのアドレスを、入力手段7よりナビゲーション装置本体5に入力する(図4に示すフローチャートのステップS1)。
ナビゲーション装置本体5にアドレスを入力する方法としは、ナビゲーション装置本体5の入力手段7から機能キー7aを操作して表示手段6上にキーボードを表示させ、キーボードを入力ペンでタッチしてアドレスを入力するもので、例えば紙地図1上のアドレスがE6の区画部2aを表示させる場合は、キーボードからE6と入力する。
予め登山計画書の出発地点にアドレスをメモ書きしてある場合は、そのアドレスをキーボードより入力すれば、紙地図1を広げて出発地点のアドレスを読み出す必要がない。
キーボードよりアドレスを入力した後キーボードを表示手段6より消去すると、ステップS2で入力したアドレスの区画部2aが、図2に示すように北側を上にして表示手段6に表示され、また表示手段6右下部に設けられたアドレス表示部9に区画部2aのアドレス「E6」が表示される。
【0021】
またナビゲーション装置本体5に設けられたGPS受信手段13により受信された位置情報により、表示手段6に表示された地図の中央に現在位置が矢印6aにより表示され、同時にGPSの位置情報より検出された現在位置が緯度と経度により現在位置表示部9dに表示される。
次にステップS2で出発地と中継点、目的地、出発時間等の登山情報を入力ペンや入力手段7により入力すると、表示手段6に表示された地図上に中継点や目的地が例えば丸印6bで表示され、現在位置の矢印6aと丸印6bの間が青色の直線6cにより図1に示すように結ばれると共に、ステップS3で演算処理手段12は、現在位置から中継点または目的地までの距離と歩行速度から中継点または目的地までの時間を演算し、おおよその到着予定時間を到着時間表示部8dに表示する。
【0022】
以上のようにして登山に必要な情報をナビゲーション装置本体5に入力したら、上部メニュー表示部8のメニューアイコン8aを入力ペンでタッチして登山を開始すると、演算処理手段12は、GPS受信手段13が受信した位置情報の経時的変化から登山者の進む方向を演算して、現在位置に表示された矢印6aを進む方向へ向けると同時に、中継点または目的地と矢印6aを結ぶ直線6cが青色となって進む方向が正しいことを表示する。
なおメニュー表示部8,9に表示されたアイコン8a,9aの機能が分からない場合は、アイコン8a,9aを1クリックすると、アイコン8a,9aの機能説明が表示手段6に表示されるので、マニュアルが手元にない場合でも、アイコン8a,9aを操作してナビゲーション装置本体5を使いこなすことが可能になる。
登山中現在位置を示す矢印6aは常に表示手段6の中央位置にあって、登山者の進行方向を示しており、表示手段6に表示された地図が北側を上にしてスクロールすると共に、ステップS3では、現在位置の移動速度から歩行速度を算出して、中継点または目的地までの残りの距離と歩行速度から目的地の到着予定時間を逐次演算し、始めに演算した到着予定時間に誤差が生じた場合は到着時間表示部8dに表示された到着予定時間を修正するため、登山者の体調や天候の変化等により予定時間に誤差が生じた場合でも、到着予定時間を容易に把握することができる。
【0023】
一方登山中ナビゲーション装置本体5の演算処理手段12は、現在位置の移動とともに中継点または目的地までの距離が減少したかをステップS4で判断し、もし分岐点等で進む方向を間違えたために現在位置から中継点または目的地までの距離が減少しない事態が生じた場合はステップS5へ進んで、現在位置を示す矢印6aと中継点または目的地を示す丸印6bとの間を結ぶ直線6cを青色から黄色に変色させて、登山者に進む方向が間違っているとして注意を喚起し、現在位置から中継点または目的地までの距離が逆に増加した場合は、直線6cを黄色から赤色に変色して、登山者に道を間違えていることを警告する。
これによって登山者は、ナビゲーション装置本体5の表示手段6に表示される地図と現在位置及び進行方向を示す矢印6a、現在位置と中継点または目的地を結ぶ直線6cの色を見ることにより、道に迷うことなく中継点や目的地へと進むことができるため、安心して登山を楽しむことができるようになる。
【0024】
またナビゲーション装置本体5の表示手段6に表示された地図画像を参照して登山を続けるのに伴い、地図上に矢印6aで表示された現在位置も移動するので、地図上のどの位置を移動しているかが表示手段6を見ることにより容易に把握できると共に、現在位置が表示手段6の常に中央にあって、表示手段6に表示された地図が自動的にスクロールするため、十字キー7bを使用して地図をスクロールさせる必要がないと共に、現在表示されている地図に隣接した区画部2aの地図が表示手段6に表示されると、その区画部2aのアドレスがアドレス表示部9に表示される。
以下ステップS4からステップS7を繰り返しながら、ステップS7の中継点または目的地へ到着するまで登山を続けるが、地図のスクロールを繰り返している間に、自身が地図上のどこの場所に居るかが把握できなくなる場合がある。
また現在位置の周囲に遠望する山や川等の名称や地名を知りたい場合も生じる。このような場合は紙地図1を広げて、表示手段6のアドレス表示部9eに表示されたアドレスから、現在表示手段6に表示されている地図の区画部2aが紙地図1上のどの位置にあるか確認する。
これによって紙地図1上の現在位置が把握できるので、その位置から見える山や川を紙地図1で確認することにより、山や川の名称、地名等を容易に知ることができるため、登山の楽しみも倍増する。
【0025】
以上は紙地図1を使用して登山を計画したり、登山をした場合の使用方法であるが、観光案内地図等の紙地図1を使用して観光地を調べたり、観光計画書を作成する場合も同様な操作で、ナビゲーション装置本体5の表示手段6に表示された地図を見ながら観光することもできる。
例えば観光案内地図よりなる紙地図1により観光地を選定したら、観光地までの行き方、利用する乗り物、出発時間等をメモした観光計画書を作成する。
パソコンが使用できる環境にある場合は、パソコンのモニタに観光地図を表示させて、行きたい観光地や利用する乗物、出発時間等のデータを入力して、観光データを作成する。
パソコンで作成した観光データは、ナビゲーション装置本体5に直接ダウンロードするか、一旦記録媒体にダウンロードした後ナビゲーション装置本体5に取り込む。
【0026】
次にナビゲーション装置本体5とともに紙地図1を旅行に携帯して、出発地に到着したら、前記登山時と同様に出発地と中継点、目的地、出発時間等の観光データを入力ペンや入力手段7により入力すると、表示手段6に表示された地図上に中継点や目的地が例えば丸印6bで表示され、現在位置の矢印6aと丸印6bの間が青色の直線6cにより図2に示すように結ばれると共に、演算処理手段12は、現在位置から中継点または目的地までの距離と歩行速度から中継点または目的地までの時間を演算し、おおよその到着予定時間を到着時間表示部8dに表示する。
【0027】
以上のようにして観光に必要な情報をナビゲーション装置本体5に入力したら、上部メニュー表示部8のメニューアイコン8aを入力ペンでタッチして観光を開始すると、現在位置に表示された矢印6aが進む方向を示し、同時に中継点または目的地と矢印6aを結ぶ直線6cが青色となって進む方向が正しいことを表示する。
また演算処理手段12は、GPS受信手段13が受信した位置情報の経時的変化から歩行者の進む方向を演算して、現在位置に表示された矢印6aを進行方向へ向けると同時に、現在位置の移動速度から歩行速度を算出して、目的までの残りの距離と歩行速度から目的地の到着予定時間を逐次演算し、始めに演算した到着予定時間に誤差が生じた場合は到着時間表示部8dに表示された到着予定時間を修正するため、観光する人の体調や天候の変化等により予定時間に誤差が生じた場合でも、到着予定時間を容易に把握することができる。
【0028】
一方観光中道に迷ったため、現在位置から中継点または目的地までの距離が減少しない事態が生じた場合は、現在位置を示す矢印6aと中継点または目的地を示す丸印6bを結ぶ直線6cが青色から黄色に変色して、観光する人に進む方向が違うとして注意を喚起し、現在位置から中継点または目的地までの距離が逆に増加した場合は、現在位置を示す矢印6aと中継点または目的地を示す丸印6bを結ぶ直線6cが黄色から赤色に変色して、観光する人に道を間違えていることを警告する。
これによって観光する人は、ナビゲーション装置本体5の表示手段6に表示される地図と現在位置及び進行方向を示す矢印6a、現在位置と中継点または目的地を結ぶ直線6cの色を見ることにより、道に迷うことなく中継点や目的地へと進むことができるため、安心して観光を楽しむことができるようになる。
特に観光案内地図の場合、登山地図に比べて紙地図1上に表示された地図2の範囲は狭いが、区画部2aを拡大してナビゲーション装置本体5の表示手段6へ表示することができるため、鉄道や駅、道路、地名等まで細かく表示できる上、GPS機能を利用することにより、表示手段6に表示された地図上に現在位置を矢印6aで表示することもできる。
【0029】
また表示手段6に表示された地図上のどの位置を移動しているかが表示手段6を見ることにより容易に把握できる上、現在位置が表示手段6の常に中央にあって、表示手段6に表示された地図が自動的にスクロールするため、十字キー7bを使用して地図をスクロールさせる必要がないと共に、現在表示されている地図に隣接した区画部2aの地図が表示手段6に表示されると、その区画部2aのアドレスがアドレス表示部9に表示されるため、自身が紙地図1上のどの位置にいるかも容易に把握できるようになる。
以上は登山や観光案内のように、予め表示手段6に表示させた地図により道案内する場合であるが、道のない例えば海上等において現在位置から目的地までを最短距離で航行する船舶のナビゲーション装置としても使用することができる。
【0030】
なお前記実施の形態では、紙地図1上の区画部2aのアドレスを、ナビゲーション装置本体5の表示手段6のアドレス表示部9eに符号で表示したが、図5に示す変形例のように、アドレス表示部9eに紙地図1と同様な升目を表示して、現在表示手段6に表示されている区画部2aのアドレスを、升目の一部を例えば赤色で表示してもよく、現在表示されている区画部2aから隣接する区画部2aへ移動する場所は、赤色表示された升目の隣を入力ペンでタッチすることにより、十字キー7bによるスクロールを使用せずに隣接区画部2aを表示できるようにしてもよい。
また升目の任意な個所を入力ペンでタッチすることにより、任意な場所の区画部2aをナビゲーション装置本体5の表示手段6に表示させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態になるナビゲーション装置に使用する紙地図の展開図である。
【図2】本発明の実施の形態になるナビゲーション装置の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態になるナビゲーション装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態になるナビゲーション装置の作用を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態になるナビゲーション装置の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 紙地図
2 地図
2a 区画部
3 符号
4 符号
5 ナビゲーション装置本体
6 表示手段
6c 直線
7 入力手段
8 上部メニュー表示部
8c 現在時間表示部
8d 到着時間表示部
9 下部メニュー表示部
9d 現在位置表示部
9e アドレス表示部
12 演算処理手段
13 GPS受信手段
14 地図記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置本体の表示手段に表示された地図上に現在位置と目的地を表示させて、現在位置から目的地までの経路をガイドするナビゲーション装置であって、地図を升目状に区画し、かつ縦軸及び横軸方向に異なる符合を付して、各区画部毎に前記符号によりアドレスを設定した紙地図と、GPS信号を受信して、前記表示手段表示された地図上に現在位置を表示するGPS受信手段と、前記紙地図の地図情報を電子データ化し、かつ前記紙地図のアドレスと関連付けて記憶した地図情報記憶手段と、入力手段により入力された目的地と前記現在位置を直線で結び、かつ前記現在位置の移動とともに進行方向と前記目的地までの距離を演算して、前記現在位置に進行方向を表示すると同時に、前記目的地までの距離の増減を前記直線の色を変えることにより表示する演算処理手段とを具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示手段に、複数のアイコンにより形成されたメニュー表示部を設け、かつ前記アイコンを入力ペンにより1クリックすると、そのアイコンの機能説明を前記表示部に表示し、2クリックすると選択したメニューを実行するようにしてなる請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示手段に、現在時間と到着時間、表示させた地図の区画部に該当するアドレスを表示するアドレス表示部、前記現在位置から前記目的地までの距離、現在位置を緯度と経度で表示する現在位置表示部の少なくとも1つを表示してなる請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記アドレス表示部に前記紙地図と同様な升目を表示して、前記表示部に表示させた前記区画部の該当個所を、前記升目上に着色表示してなる請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示部に表示させた前記升目状区画部の任意個所を入力ペンでクリックすることにより、その区画部を前記表示部に表示してなる請求項4に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−300867(P2006−300867A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126256(P2005−126256)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(595167292)株式会社デージーエス・コンピュータ (18)
【Fターム(参考)】