説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザの高速道路利用の意思と利用され得る高速道路とを推定し、推定結果に基づいて当該高速道路の変更の有無を調べてユーザに知らせる技術を提供する。
【解決手段】ETCカードの挿入が検出されると(S01)、現在位置検出機能により現在位置を取得して最寄りのインターチェンジが属する高速道路を抽出する(S03)手段と、抽出された高速道路について保持している道路情報(S23)を配信センターから取得した高速道路の変更情報(S25)と比較対照して当該抽出された高速道路についての変更情報を調べる手段と、変更有りの場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する手段と、を有するナビゲーション装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに高速道路利用の意思が有ると推定される場合に、利用される蓋然性が高い高速道路について変更の有無を調べて、変更が有る場合にユーザに通知等する機能を備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車が利用する道路を示す情報を車載ナビゲーション装置が配信センターへ送信し、配信センターが当該利用する道路とその周辺道路の更新地図データを返信して購入の可否をユーザに選択させることで、必要な地域の更新地図情報のみを購入可能とする技術が、特開2004−354149号公報(特許文献1)に記載されている。
同公報に於いて、自車が利用する道路としては、自車の現在位置周辺の道路、自車の走行履歴のある道路とその周辺道路、目的地までの誘導経路とその周辺道路、自宅周辺の道路、が挙げられている。
【特許文献1】特開2004−354149号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高速道路上の種々の変更(例:料金変更,インターチェンジ/サービスエリア/パーキングエリアの新設/廃止,路線の接続/追加,等)は、経路探索の基礎となる時間的/金銭的コストに影響するばかりでなく、探索された経路候補からのユーザ意思による誘導経路選択にも大きく影響する。したがって、高速道路上の各種の変更の有無と、変更有りの場合の変更内容とを、ユーザが事前に知ることは特に有用である。
【0004】
本発明は、ユーザに高速道路利用の意思が有ると推定される場合に、利用される蓋然性が高い高速道路についての変更の有無と変更内容を、ユーザが事前に知り得るようにすることを目的とする。言い換えれば、ユーザの高速道路利用の意思と利用され得る高速道路とを推定し、推定結果に基づいて当該高速道路の変更の有無を調べ、変更有りの場合にはその変更内容を知らせる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の構成を、下記[1]〜[6]に記す。
[1]構成1:
ETCカードの挿入を検出するETC検出手段と、
前記ETC検出手段によりETCカードの挿入が検出されると、ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を参照して高速道路を抽出する道路抽出手段と、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を、高速道路の変更情報と比較対照して、当該抽出された高速道路についての変更情報の有無を調べる変更調査手段と、
前記変更調査手段により変更有りと判定された場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する変更通知手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
道路抽出手段が抽出する高速道路を、例えば、「最寄りのインターチェンジが属する高速道路」とした構成は、上記構成に含まれる。この「最寄りのインターチェンジが属する高速道路」とした構成では、ナビゲーション装置の現在位置検出機能により現在位置を取得して「最寄りのインターチェンジ」を決めることになる。最寄りのインターチェンジとしては、「現在位置から最も近いインターチェンジ」でもよく、「現在位置から所定距離内に在る各インターチェンジ」でもよく、「現在位置から所定走行時間内に在る各インターチェンジ」でもよい。また、「現在位置から最も近いインターチェンジで且つ現在位置から所定距離内に在るインターチェンジ」でもよい。「最寄りのインターチェンジ」の範囲をどの範囲とするかは、出荷時の設定や、或いは、ユーザ入力による設定で決めることができる。
また、最寄りのインターチェンジが属する高速道路としては、「最寄りのインターチェンジが属する高速道路のみ」でもよく、「最寄りのインターチェンジが属する高速道路及び該高速道路に連結される高速道路」でもよく、さらに、これらの高速道路のインターチェンジ付近の一般道路を含めるようにしてもよい。「最寄りのインターチェンジが属する高速道路」の範囲をどの範囲とするかは、出荷時の設定や、或いは、ユーザ入力による設定で決めることができる。
【0006】
[2]構成2:
ナビゲーション装置の経路探索機能により経路候補が取得されると、当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を参照して当該取得された経路候補に含まれる高速道路を抽出する道路抽出手段と、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を、高速道路の変更情報と比較対照して、当該抽出された高速道路についての変更情報の有無を調べる変更調査手段と、
前記変更調査手段により変更有りと判定された場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する変更通知手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【0007】
[3]構成3:
構成1又は構成2に於いて、
無線通信装置を更に有し、
前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を、前記無線通信装置を用いて配信センターのコンピュータとデータ通信することにより取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
[4]構成4:
構成3に於いて、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を、当該ナビゲーション装置の入力装置からのユーザ選択に応じ、前記変更情報を用いて更新し、又は、更新しないで当該変更情報を当該ナビゲーション装置の記憶装置の変更情報エリアに記憶する情報処理手段を更に有し、
前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を前記変更情報エリアからも併せて取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【0008】
[5]構成5:
構成4に於いて、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報が前記情報処理手段により更新された場合に於いて、当該高速道路の抽出が経路候補に基づいて行なわれていた場合は、当該ナビゲーション装置の経路探索機能は更新後の道路情報を用いて再度経路探索を行なう、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
この構成5では、実質的に、構成1の引用は除外される。
【0009】
[6]構成6:
構成1又は構成2に於いて、
前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を、当該ナビゲーション装置の記憶装置の変更情報エリアから取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
構成6では、変更情報エリアが保持している変更情報は、構成4のように配信センターとのデータ通信により取得されたものでもよいが、配信センターとのデータ通信以外の手法により取得されていたものでもよい。例えば、DVD−ROM等の記録媒体として頒布されたバージョンアップ版を用いて記憶したものでもよい。或いは、DVD−ROM等の記録媒体のドライブ自体を変更情報エリアとして扱う構成でもよい。これらの場合、解除キーを、必要に応じて、適宜、購入するような形態が想定される。
【発明の効果】
【0010】
構成1は、ETC検出手段と、ETCカードの挿入が検出されるとナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を参照して高速道路を抽出する手段と、抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を高速道路の変更情報と比較対照して当該抽出された高速道路についての変更情報の有無を調べる手段と、変更有りと判定された場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する手段とを有するナビゲーション装置であるため、ユーザがETCカードを使用する場合、言い換えれば、高速道路利用の蓋然性が高い場合に於いて高速道路に変更があれば、その旨をその時点でユーザに通知できる。このため、ユーザは、高速道路利用前にその変更を知ることができる。
【0011】
構成2は、ナビゲーション装置の経路探索機能により経路候補が取得されると当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を参照して当該取得された経路候補に含まれる高速道路を抽出する手段と、抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を高速道路の変更情報と比較対照して当該抽出された高速道路についての変更情報の有無を調べる手段と、変更有りと判定された場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する手段とを有するナビゲーション装置であるため、ユーザに提示した経路候補に高速道路がある場合、言い換えれば、高速道路利用の蓋然性が高い場合に於いて、その高速道路に変更があれば、その旨をその時点でユーザに通知できる。このため、ユーザは、高速道路利用前にその変更を知ることができる。
【0012】
構成3は、構成1又は構成2に於いて、無線通信装置を更に有し、前記変更調査手段は前記比較対照に供する高速道路の変更情報を前記無線通信装置を用いて配信センターのコンピュータとデータ通信することにより取得するため、高速道路利用の蓋然性が高い場合には、その高速道路に変更が有るか否かを最新の情報に基づいて調べ、有る場合にはその旨をユーザに通知できる。このため、ユーザは最新の変更を知ることができる。
構成4は、構成3に於いて、抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を当該ナビゲーション装置の入力装置からのユーザ選択に応じ、前記変更情報を用いて更新し、又は、更新しないで当該変更情報を当該ナビゲーション装置の記憶装置の変更情報エリアに記憶する手段を更に有し、前記変更調査手段は前記比較対照に供する高速道路の変更情報を前記変更情報エリアからも併せて取得するため、高速道路利用の蓋然性が高い場合には、その高速道路に変更が有るか否かを速やかに調べて、また、最新の情報に基づいて調べて、有る場合にはその旨をユーザに通知できる。このため、ユーザは速やかに変更を知ることができる。また、最新の変更を知ることができる。
【0013】
構成5は、構成4に於いて、抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報が前記情報処理手段により更新された場合に於いて、当該高速道路の抽出が経路候補に基づいて行なわれていた場合は、当該ナビゲーション装置の経路探索機能は更新後の道路情報を用いて再度経路探索を行なうため、ユーザが必要と認めて更新した最新の道路情報に基づく経路候補を再提示できる。
【0014】
構成6は、構成1又は構成2に於いて、前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を当該ナビゲーション装置の記憶装置の変更情報エリアから取得するため、高速道路利用の蓋然性が高い場合には、その高速道路に変更が有るか否かを速やかに調べて、有る場合にはその旨をユーザに通知できる。このため、ユーザは速やかに変更を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は実施の形態のナビゲーション装置の信号の入出力等を示すブロック図、図2〜図3は図1内のナビゲーション装置が利用蓋然性の高い高速道路の変更をユーザに通知する手順を示すフローチャートである。
【0016】
図示のように、本ナビゲーション装置は、CPUとCPUの処理実行を補助する素子群とから構成されるコンピュータシステムであるECU(Electronic Control Unit)10、高速道路料金の自動支払用の装置であるETC(Electronic Toll Collection System)装置11、無線通信装置12、GPS(Global Positioning Systems)受信機13、ユーザが種々の指示を入力するための操作入力装置14、地図表示や案内表示等が表示される液晶等の画面を備えた表示装置15、案内メッセージ等が出力されるスピーカ16、自動車の移動距離を検出する車速センサ17、自動車の舵角を検出する舵角センサ18、等から構成される。
ECU10には、変更情報(本例では、高速道路の変更位置や変更内容等の情報)を保持するメモリ10a、ナビゲーション装置としての種々の機能(経路探索機能、経路誘導機能等)を実現するためのプログラム等が格納されたROM10b、道路情報や高速道路の料金情報等を保持する地図データベースや配信センターにアクセスするためのID等が格納されたハードディスク10c等が含まれる。
【0017】
ETC装置11は、ナビゲーション装置の機能の一部として構成されてもよく、ナビゲーション装置とは別個独立の装置として構成されてもよい。要は、ETC装置11にETCカードが挿入されたことがナビゲーション装置にて検出でき、本発明の機能(利用蓋然性が高いと推定される高速道路の変更の有無を調べてをユーザに知らせる機能)を起動するトリガとして利用できればよい。
【0018】
ECU10は、インターネットに接続可能な無線通信装置12を介して配信センターのコンピュータ装置20との間でデータ通信が可能であり、これにより、配信センターから最新の変更情報の配信を受けることができる。なお、図示の例ではインターネットを介してデータが送受信されるが、インターネット以外の通信システムを利用してデータを送受信する構成でもよい。要は、配信センターのコンピュータ装置20との間でデータ通信を行なって、変更情報を適宜に取り込むことができればよい。
ナビゲーション装置の他の構成、即ち、GPS受信機13、車速センサ17、舵角センサ18は周知であり、本発明の要旨に直接には関連しないため、説明は省略する。
会員車両とのデータ通信が可能なようにインターネットに接続されている配信センターのコンピュータ装置20は、ハードディスク20cに、道路情報や高速道路の料金情報を有する地図データベースを保持している。また、変更情報や、配信センターを利用する会員についての情報も保持している。
【0019】
以下、図2〜図3のフローチャートに即して、利用蓋然性の高さを推定して高速道路の変更をユーザに通知等する手順を説明する。図2〜図3の処理は、例えば、イグニッションキーのオンで処理を開始する。
【0020】
ETC装置11からETCカードの挿入が検出された旨のデータが入力されると(S01でYES)、最寄りのインターチェンジが属する高速道路を抽出する(S03)。ここでは、最寄りのインターチェンジが属する高速道路をハードディスク10cの地図データベースから抽出する。最寄りのインターチェンジの範囲は、本ナビゲーション装置の出荷時の設定又はユーザ設定で決められているものとする。例えば、「現在位置から最も近いインターチェンジ」でもよく、「現在位置から所定距離内に在る各インターチェンジ」でもよく、「現在位置から所定走行時間内に在る各インターチェンジ」でもよい。また、「現在位置から最も近いインターチェンジで且つ現在位置から所定距離内に在るインターチェンジ」でもよい。
【0021】
ETCカードの挿入が検出されない場合でも(S01でNO)、本ナビゲーション装置の操作入力装置14から経路探索が指示された場合は(S11でYES)、経路探索機能から経路候補を取得する(S13)。経路探索機能とは、本ナビゲーション装置が「経路探索をせよ」とのユーザ指示に応じて経路探索用のプログラムを実行することにより実現される機能である。この経路探索機能は周知であるため、説明は省略する。
経路探索機能から経路候補が取得されると、経路取得フラグを1にする(S15)。
また、取得した各経路候補に高速道路が含まれているか否かをそれぞれ調べて、含まれている場合は、当該高速道路を抽出する(S17)。
【0022】
ステップS21では、高速道路が抽出されたか否かチェックする。
例えば、「最寄りのインターチェンジ」が「現在地から所定距離内に在るインターチェンジ」として出荷時設定又はユーザ設定で定義されている場合に於いて当該所定距離内にインターチェンジが無い場合には、ステップS03では高速道路は抽出されない。
また、経路探索機能から取得した経路候補の道路が何れも一般道のみで構成されている場合には、ステップS17では高速道路は抽出されない。
【0023】
高速道路が抽出された場合は(S21でYES)、当該抽出された高速道路の道路情報をハードディスク内の地図データベースから取得する(S23)。
また、高速道路の変更情報を、無線通信装置を介して配信センターのコンピュータとデータ通信を行なってダウンロードする(S25)。ここで、変更情報とは、例えば、変更された道路位置と変更内容をリスト形式等で表示するための情報である。例えば、以前から存在した道路1に接続する道路2が新設された場合、変更された道路位置は「道路1の位置(座標)」となり、変更内容は「道路1に接続する道路2が新設」となる。即ち、高速道路の道路情報が経路探索や経路誘導等のナビゲーション機能の実現に用い得る地図データ等であるのに対して、変更情報はナビゲーション機能には用い得ない情報である。この変更情報の範囲としては、当該ナビゲーション装置が現に持つ地図データベースの各ブロックのバージョンを配信センターが調べて、最新のバージョンでない全ブロックについての変更情報とすることができる。なお、変更情報に、購入後に渡されるキー解除を使用可能要件とする道路情報を含めるようにしてもよい。
また、前回以前のアクセス時に配信センターからダウンロードした変更情報がメモリ10aの変更情報エリアに蓄積されている場合には、まず、該変更情報エリアから変更情報を取得するようにしてもよい(S25)。
【0024】
次に、当該抽出した高速道路の道路情報(ステップS23で取得した情報)と、高速道路の変更情報(ステップS25で取得した情報)とを比較対照して、当該抽出した高速道路の変更の有無を調べる(S27)。例えば、或る変更情報が持つ道路位置と、当該抽出した中の或る高速道路の或る一部の区間が持つ道路位置とを比較対照して、両者が合致すれば、当該或る高速道路の或る一部の区間に変更があったと判定することができる。
【0025】
当該抽出した高速道路に変更が有った場合は(S31でYES)、当該抽出した高速道路の変更内容をユーザに対して出力する(S33)。例えば、ナビゲーション装置の表示装置15に変更位置と変更内容を表示したり(S33)、ナビゲーション装置のスピーカ16から変更位置と変更内容を知らせる音声を出力する(S33)。
さらに、ユーザに対して、当該抽出した高速道路の当該変更位置の道路情報(地図データ等)を更新するか否かを問い合わせる(S35)。言い換えれば、経路探索や経路誘導等のカーナビゲーション機能の実現に使用できるデータを購入するか否かを入力するように、音声及び/又は表示によって促す(S35)。
この問い合わせとそれに対する応答(選択入力)を、高速道路別・変更位置別にそれぞれ個別に行なうようにすると、ユーザにとって必要な高速道路且つ必要な位置(区間)のみについてデータを更新できるため、便利である。
【0026】
問い合わせ後、所定時間待機した後(S37)に、ユーザ入力により更新を指示された高速道路・位置について、ハードディスクの地図データベースを更新する。また、更新しないことを指示された高速道路・位置については、その変更情報をメモリの変更情報エリアに記憶する(S39)。この変更情報エリアに格納した変更情報は、次回に本機能が呼び出された時に、前述のようにステップS25でのデータ取得に用いられる。
【0027】
ステップS41では、当該抽出した各高速道路の各位置について、道路情報が更新されたか否かをチェックする。その結果、何れかの位置で道路情報が更新された場合は(S41でYES)、さらに、経路変更フラグをチェックする(S43)。経路変更フラグが1の場合は(S43でYES)、高速道路の抽出を経路探索機能による探索結果である経路候補について行なった場合であるため、経路探索機能に対し、更新後のデータを用いて経路探索を再度実行するように指示する(S45)。つまり、経路探索機能を実行するプログラムを、更新後のデータを用いて再度実行させる。
また、経路候補取得フラグを0にして(S45)、ステップS01に戻る。
以上のようにして、高速道路の利用蓋然性の高さを推定して、利用蓋然性の高い高速道路の変更を調べてユーザに通知等する機能が実現される。
【0028】
上記実施の形態においては、高速道路の変更情報をダウンロードしてユーザに対して出力したのち、高速道路の変更位置の道路情報を更新するか否かを問い合わせ、ユーザにより更新を指示された高速道路について、ハードディスクの地図データベースを更新するようにしたが、別の実施の形態においては、地図データベースの更新を行なった後、変更情報をユーザに対して出力するようにすることもできる。例えば、まず、ユーザの指示により、高速道路のみではなく一般道路(国道、県道、市長村道、細街路等)を含めてハードディスクの地図データベースを更新する。この更新の際に、高速道路の変更情報を併せてダウンロードしておく。その後、上記実施形態と同様に、ETCカードが検出、又は経路探索が指示された場合に、抽出された高速道路とダウンロード済みの高速道路の変更情報を比較対照し、変更がある場合に高速道路の変更情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態のナビゲーション装置の信号の入出力等を示すブロック図。
【図2】図1内のナビゲーション装置が高速道路の変更をユーザに通知する手順を示すフローチャートの一部。
【図3】図1内のナビゲーション装置が高速道路の変更をユーザに通知する手順を示すフローチャートの残部。
【符号の説明】
【0030】
10 ECU
11 ETC装置
20 配信センターのコンピュータ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETCカードの挿入を検出するETC検出手段と、
前記ETC検出手段によりETCカードの挿入が検出されると、ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を参照して高速道路を抽出する道路抽出手段と、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を、高速道路の変更情報と比較対照して、当該抽出された高速道路についての変更情報の有無を調べる変更調査手段と、
前記変更調査手段により変更有りと判定された場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する変更通知手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション装置の経路探索機能により経路候補が取得されると、当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を参照して当該取得された経路候補に含まれる高速道路を抽出する道路抽出手段と、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を、高速道路の変更情報と比較対照して、当該抽出された高速道路についての変更情報の有無を調べる変更調査手段と、
前記変更調査手段により変更有りと判定された場合はその旨を当該ナビゲーション装置の出力装置を用いてユーザに通知する変更通知手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、
無線通信装置を更に有し、
前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を、前記無線通信装置を用いて配信センターのコンピュータとデータ通信することにより取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に於いて、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報を、当該ナビゲーション装置の入力装置からのユーザ選択に応じ、前記変更情報を用いて更新し、又は、更新しないで当該変更情報を当該ナビゲーション装置の記憶装置の変更情報エリアに記憶する情報処理手段を更に有し、
前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を前記変更情報エリアからも併せて取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に於いて、
前記道路抽出手段により抽出された高速道路について当該ナビゲーション装置の記憶装置が保持している道路情報が前記情報処理手段により更新された場合に於いて、当該高速道路の抽出が経路候補に基づいて行なわれていた場合は、当該ナビゲーション装置の経路探索機能は更新後の道路情報を用いて再度経路探索を行なう、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に於いて、
前記変更調査手段は、前記比較対照に供する高速道路の変更情報を、当該ナビゲーション装置の記憶装置の変更情報エリアから取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−127531(P2007−127531A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320670(P2005−320670)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】