説明

ナビゲーション装置

【課題】視覚情報に頼らず音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を実行しながら、必要に応じて音、音声又は振動が表す案内の内容を利用者に確認させることができるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を行うナビゲーション装置100は、利用者の要求に応じて音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる案内内容出力手段12を備える。また、案内内容出力手段12は、案内した経路の通行回数を経路毎に記憶する通行回数記憶手段13と、通行回数記憶手段13が記憶した通行回数に応じて音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる必要があるか否かを判定する案内内容出力要否判定手段15とを用い、案内内容を音声出力させる必要があると判定した場合に、音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚情報に頼らず音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を行うナビゲーション装置に関し、特に、必要に応じて音、音声又は振動が表す案内の内容を利用者に確認させることができるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行路に描かれた路面標示(白線、黄線等)の色を検知しながら視覚障害者の歩行を支援する色識別ステッキが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この色識別ステッキは、先端に色識別センサを内蔵し、色識別センサが識別した色に対応する音(周波数、音色、出力間隔が色別に設定される。)をイヤホンから出力させたり、色識別センサが識別した色に対応する振動(音と同様に振動間隔等が色別に設定される。)を色識別ステッキの把持部分に取り付けられたバイブレータから出力させたりして、路面標示の色を視覚障害者に確実に伝えるようにする。
【特許文献1】特開2005−623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の色識別ステッキは、進行方向案内及び注意喚起等の詳細な情報を視覚障害者に伝えるには、音や振動の出力態様を複雑にする必要があるため実用的でなく、視覚障害者が音や振動の意味を確認したい場合にもそれら意味を確認させる手段を持ち合わせていない。
【0005】
上述の点に鑑み、本発明は、視覚情報に頼らず音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を実行しながら、必要に応じて音、音声又は振動が表す案内の内容を利用者に確認させることができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、第一の発明に係るナビゲーション装置は、音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起案内を行うナビゲーション装置であって、利用者の要求に応じて音、音声又は振動が表す案内内容を出力させる案内内容出力手段を備えることを特徴とする。
【0007】
また、第二の発明は、第一の発明に係るナビゲーション装置であって、案内した経路の通行回数を経路毎に記憶する通行回数記憶手段と、前記通行回数記憶手段が記憶した通行回数に応じて音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる必要があるか否かを判定する案内内容出力要否判定手段と、を更に備え、前記案内内容出力手段は、前記案内内容出力要否判定手段が案内内容を音声出力させる必要があると判定した場合に、音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させることを特徴とする。
【0008】
また、第三の発明は、第一又は第二の発明に係るナビゲーション装置であって、利用者を認証する利用者認証手段を更に備え、前記通行回数記憶手段は、前記利用者認証手段が認証した利用者毎に、通行回数を経路毎に記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述の手段により、本発明は、視覚情報に頼らず音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を実行しながら、必要に応じて音、音声又は振動が表す案内の内容を利用者に確認させることができるナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明に係るナビゲーション装置の構成例を示すブロック図であり、ナビゲーション装置100は、制御部1、位置情報取得部2、入力部3、通信部4、記憶部5、個人認証部6、振動出力部7、音声出力部8及び表示部9から構成される。
【0012】
また、ナビゲーション装置100は、好適には利用者が持ち運びできる装置であり、携帯電話や携帯オーディオ機器等に内蔵されていてもよく、視覚障害者用ステッキ等に内蔵されていてもよい。
【0013】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであって、例えば、経路探索手段10、経路案内手段11、案内内容出力手段12、通行回数記憶手段13、利用者認証手段14及び案内内容出力要否判定手段15のそれぞれに対応するプログラムをROMに記憶しながら、各手段に対応する処理をCPUに実行させる。
【0014】
位置情報取得部2は、ナビゲーション装置100の位置情報(緯度、経度、高度)を取得するための装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号を受信し、受信した信号に基づいて位置を測定する。
【0015】
位置情報取得部2による測定は、単独測位や相対測位(干渉測位を含む。)等の如何なる方法であってもよいが、好ましくは精度の高い相対測位が用いられる。この際、現在位置は、ナビゲーション装置100に搭載された加速度センサやジャイロセンサ等の各種センサの出力に基づいて補正されてもよい。
【0016】
また、位置情報取得部2は、携帯電話周波数や特定小電力無線周波数等を介して配信される情報に基づいてナビゲーション装置100の位置情報を取得するようにしてもよい。
【0017】
入力部3は、ナビゲーション装置100に各種情報を入力するための装置であり、例えば、利用者の音声を取得するためのマイク、又は、利用者の手入力を受け付けるボタン、ダイヤル若しくはスイッチ等がある。
【0018】
通信部4は、ナビゲーション装置100と外部機器との間の通信を制御するための装置であり、例えば、通信センタに設置されたサーバからリアルタイム情報(動的に変化する情報であって、例えば、工事、歩行者天国又はイベント等により通行が規制される区間又は日時等の情報がある。)を受信したり、リアルタイム情報を受信するための要求信号を送信したりする。
【0019】
記憶部5は、ナビゲーション装置100が必要とする情報を記憶するための装置であり、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体であって、地図情報(道路の勾配、幅員、歩道と車道の分離の有無、ガードレールの有無、音響式信号機の有無等の情報を含む。)、又は、施設情報(施設名称、開館時間、緯度、経度、高度等を含む。)等を記憶する。
【0020】
また、記憶部5は、ナビゲーション装置100が実行した経路案内の案内履歴(日時、出発地点、目的地点等に関する情報を含む。)を記憶したり、利用者の通行回数を経路毎に記憶したりする。
【0021】
個人認証部6は、個人を認証するための装置であり、例えば、指紋認証装置、静脈認証装置又は虹彩認証装置等であり、利用者の指紋パターン、静脈パターン又は虹彩パターン等を予め記憶部5に登録しておき、ナビゲーション装置100の使用を開始する際に、登録したパターンと各装置が検出したパターンとを照合して利用者を認証する。
【0022】
なお、ナビゲーション装置100は、入力部3を介してパスワードを入力させ、登録されたパスワードと入力されたパスワードとを照合することで利用者を認証するようにしてもよい。
【0023】
振動出力部7は、振動を発生させるための装置であり、例えば、小型モータの回転軸に偏芯おもりを付けてモータ回転時の偏芯運動により振動を発生させるバイブレータがあり、左右二方向を表現するためにナビゲーション装置100の筐体の左右端に二つ一組で配置されてもよく、前後左右の四方向を表現するためにナビゲーション装置100の筐体の前後左右端に四つ一組で配置されてもよい。
【0024】
また、振動出力部7は、振動の強弱、振動継続時間又は出力間隔等を変えながら複数種類の振動パターンを発生させ、利用者に様々な指示を与えることができるようにする。
【0025】
更に、振動出力部7は、ナビゲーション装置100本体と分離させ、利用者の左右それぞれの手で把持させるようにした左右一対の部材で構成されてもよく、利用者の体の一部(肩、手の甲、耳等である。)に貼り付けられるようにした左右一対の部材で構成されてもよい。
【0026】
音声出力部8は、音声を出力するための装置であり、例えば、スピーカ、ヘッドホン、イヤホン等があり、周波数、出力継続時間又は出力間隔等を変えながら複数種類のアラームパターンを出力させ、利用者に様々な指示を与えることができるようにする。
【0027】
また、音声出力部8は、音声メッセージを出力でき、例えば、アラームが表す指示の内容を利用者が聞き漏らした場合、或いは、マナーモード(アラームの出力を禁止した状態をいう。)利用中に、振動が表す指示の内容を利用者が認識できなかったりした場合に、入力部3(例えば、確認ボタンである。)を介した利用者の確認要求に応じて、アラーム又は振動が表す指示の内容を確認させるための音声メッセージを出力するようにしてもよい。
【0028】
表示部9は、各種情報を表示させるための装置であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)パネル、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等であり、音若しくは振動が表す指示の内容、現在位置付近の地図、又は、現在位置付近の建物の案内情報等を表示させる。なお、ナビゲーション装置100は、表示部9を省略するようにしてもよい。視覚情報に頼らず音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起案内を実現させることができるからである。
【0029】
次に、制御部1が有する各種手段について説明する。
【0030】
経路探索手段10は、目的地までの経路を探索するための手段であり、例えば、位置情報取得部2が測定した現在位置情報(緯度、経度、高度)と入力部3を介して入力された目的地の位置情報(緯度、経度、高度)と記憶部5に記憶された地図情報と通信部4を介して取得したリアルタイム情報とに基づいて、目的地に至るまでの最適な経路を導き出す。
【0031】
また、経路探索手段10は、最短経路探索アルゴリズムとしてダイクストラ法を用い最短経路を探索してもよく、或いは、車両通行量が最も少ない経路や段差や障害物が最も少ない経路を探索するようにしてもよい。
【0032】
また、経路探索手段10は、探索した経路に関する情報を案内履歴(日時、出発地点、目的地点等に関する情報を含む。)として記憶部5に記憶する。
【0033】
経路案内手段11は、経路探索手段10が探索した経路に沿って利用者を誘導するための手段であり、例えば、経路探索手段10が探索した経路に沿って、振動出力部7から所定の振動パターンを出力させたり、音声出力部8から所定のアラームパターンや音声メッセージを出力させたりして、利用者を目的地まで誘導する。
【0034】
案内内容出力手段12は、案内内容を出力するための手段であり、例えば、入力部3を介した利用者の確認要求に応じて、振動出力部7又は音声出力部8の過去の出力のうち直近の出力に対応する案内メッセージを音声出力部8から出力させる。なお、案内内容出力手段12は、案内メッセージを音声出力部8から出力させながら、振動出力部7又は音声出力部8による音、音声又は振動を再出力させるようにしてもよい。
【0035】
通行回数記憶手段13は、経路の通行回数を記憶するための手段であり、例えば、経路案内手段11が経路案内を進めるに従い、通行した各経路の通行回数を計数する。
【0036】
また、通行回数記憶手段13は、ノード、リンク、リンク群、又は、エリア等毎に通行回数を計数するようにしてもよく、出発地点から目的地点までの全経路毎に通行回数を計数するようにしてもよく、更に、経路上の進行方向(上り、下り)毎に通行回数を計数するようにしてもよい。
【0037】
また、通行回数記憶手段13は、後述の利用者認証手段14が認証する利用者毎に、通行した各経路の通行回数を計数するようにしてもよい。
【0038】
利用者認証手段14は、ナビゲーション装置100の利用者を認証するための手段であり、例えば、ナビゲーション装置100の電源が投入された場合に個人認証部6に利用者を認証させる。
【0039】
また、利用者認証手段14は、通行回数記憶手段13に認証結果を通知し、認証した利用者毎に通行回数を記憶させるようにする。
【0040】
案内内容出力要否判定手段15は、音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる必要があるか否かを判定するための手段であり、例えば、経路探索手段10が探索した経路に沿って、経路案内手段11が振動出力部7から振動を発生させ、或いは、音声出力部8からアラームを出力させて利用者を目的地へ誘導している場合に、音声出力部8から音声メッセージを出力させて利用者に提供する情報を充実させる必要があるか否かを判定する。
【0041】
案内される経路が初めての経路であれば、案内内容出力要否判定手段15は、音声メッセージによる詳細な情報の提供を必要であると判定するが、頻繁に利用する経路であれば、音声メッセージによる詳細な情報の提供がかえって煩わしさを感じさせてしまうため、不要であると判定する。
【0042】
具体的には、案内内容出力要否判定手段15は、通行回数記憶手段13が記憶部5に記憶した通行回数に基づいて、音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる必要があるか否かを判定する。
【0043】
例えば、案内内容出力要否判定手段15は、経路探索手段10が探索した経路に対応する通行回数がゼロ回(初回を意味する。)の場合、利用者はその経路に不慣れであるとしてアラームや振動による誘導に加えて音声メッセージによる情報提供が必要であると判定し、一方で、経路探索手段10が探索した経路に対応する、所定期間(例えば、30日間)内の通行回数が所定回数(例えば、5回)以上の場合、利用者がその経路に精通しているとして音声メッセージによる情報提供が不要であると判定する。
【0044】
なお、案内出力要否判定手段15は、経路探索手段10が探索した経路に対応する所定期間内の通行回数が1回以上でかつ所定回数(例えば、5回)未満の場合、利用者はその経路を通行したことはあるが未だ精通しているとはいえないとし、重要な警告(通常とは異なる事象(工事等がある。)に関する情報を含む。)等の特定の案内に限り、アラームや振動による誘導に加えて音声メッセージによる情報提供が必要であると判定するようにしてもよい。
【0045】
また、案内出力要否判定手段15は、経路探索手段10が探索した経路に対応する通行回数が所定回数以上であっても直近の通行日時から所定期間(例えば、3年)が経過している場合には、利用者はその経路を何度も通行したことはあるが忘れてしまっている、或いは、経路周辺の状況が変化してしまっているとし、アラームや振動による誘導に加えて音声メッセージによる情報提供が必要であると判定するようにしてもよい。
【0046】
次に、図2を参照しながら、案内内容とアラームパターン、振動パターン及び音声メッセージとの間の関係について説明する。なお、図2は、案内内容とアラームパターン、振動パターン及び音声メッセージとの間の関係を示す対応表の例であり、ナビゲーション装置100は、携帯電話に内蔵され、その筐体の左右端に一対の振動出力部7L、7Rを備えるものとする。
【0047】
図2に示すように、右折を案内する場合(第一行目)、ナビゲーション装置100は、右側の振動出力部7Rから0.5秒間隔で0.5秒間の長さの振動を3回発生させ、音声出力部8から0.5秒間隔で0.5秒間の長さの低音アラーム(音声出力部8は、周波数を変えながら低音、中間音、高音の3段階のアラームを発生させることができるものとする。)を3回出力させ、更に、音声出力部8から音声メッセージ「右方向へ進んで下さい」を出力させるようにする。
【0048】
また、左折を案内する場合(第二行目)、ナビゲーション装置100は、左側の振動出力部7Lから0.5秒間隔で0.5秒間の長さの振動を3回発生させ、音声出力部8から0.5秒間隔で0.5秒間の長さの中間音アラームを3回出力させ、更に、音声出力部8から音声メッセージ「左方向へ進んで下さい」を出力させるようにする。
【0049】
また、右左折することなくそのまま分岐点を通過させる案内をする場合(第三行目)、ナビゲーション装置100は、左右両側の振動出力部7L、7Rから0.5秒間隔で0.5秒間の長さの振動を3回発生させ、音声出力部8から0.5秒間隔で0.5秒間の長さの高音アラームを3回出力させ、更に、音声出力部8から音声メッセージ「このまま、進んで下さい」を出力させるようにする。
【0050】
また、周辺案内をする場合(第四行目)、ナビゲーション装置100は、左右両側の振動出力部7L、7Rから1秒間の長さの振動を1回発生させ、音声出力部8から1秒間の長さの低音アラームを1回出力させ、更に、音声出力部8から音声メッセージ「○○警察署前です」や「○○交差点です」等を出力させるようにする。
【0051】
また、利用者の注意を喚起する案内の場合(第五行目)、ナビゲーション装置100は、左右両側の振動出力部7L、7Rから3秒間の長さの振動を1回発生させ、音声出力部8から3秒間の長さの中間音アラームを1回出力させ、更に、音声出力部8から「上り坂です」や「段差があります」等の音声メッセージを出力させるようにする。
【0052】
更に、利用者に警告を発する案内の場合(第六行目)、ナビゲーション装置100は、左右両側の振動出力部7L、7Rから5秒間の長さの振動を1回発生させ、音声出力部8から5秒間の長さの高音アラームを1回出力させ、更に、音声出力部8から「階段があります」や「工事区間です」等の音声メッセージを出力させるようにする。
【0053】
次に、図3を参照しながら、ナビゲーション装置100が利用者の通行頻度に応じて案内の内容を変化させる処理について説明する。なお、図3は、利用者の通行頻度と案内内容との間の関係を示す対応表の例である。
【0054】
図3において、「ID」欄の数字は、図2の「ID」欄の数字に対応し、それぞれ振動パターン・アラームパターンの内容を示す。また、「初めて通る道」欄、「時々通る道」欄及び「よく通る道」欄は、利用者の通行頻度のレベルを示し、それらの下位にある「振動・アラーム」欄及び「音声」欄のそれぞれは、「○(実行)」又は「−(実行しない)」の値を有する。
【0055】
図3に示すように、ナビゲーション装置100は、右折又は左折を案内する場合(第一行目又は第二行目)、或いは、利用者の注意を喚起する案内の場合(第五行目)には、経路探索手段10が探索した経路が利用者にとって初めての道、又は、利用者が時々通る道(例えば、通行回数記憶手段13が記憶した通行回数が1回以上5回未満の道である。)であれば、振動及びアラームによる誘導に加え、音声メッセージによる案内をも実行させるようにし、利用者がよく通る道(例えば、通行回数記憶手段13が記憶した通行回数が5回以上の道である。)であれば、音声メッセージによる案内を省略して振動及びアラームによる誘導のみを実行させるようにする。
【0056】
よく通る道で音声メッセージによる案内を毎回出力させることは、利用者に煩わしさを感じさせてしまい、利用者が音声メッセージによる案内を軽視してしまうおそれがあるからである。
【0057】
また、ナビゲーション装置100は、右左折することなくそのまま分岐点を通過させる案内をする場合(第三行目)、利用者が初めて通る道であれば、振動及びアラームによる誘導に加え、音声メッセージによる案内をも実行させるようにし、利用者が時々通る道であれば、音声メッセージによる案内を省略して振動及びアラームによる誘導のみを実行させるようにし、利用者がよく通る道であれば、振動、アラーム及び音声メッセージによる案内すべてを省略するようにする。
【0058】
また、ナビゲーション装置100は、周辺案内をする場合(第四行目)、利用者が初めて通る道であれば、振動及びアラームによる誘導に加え、音声メッセージによる案内をも実行させるようにし、利用者が時々通る道又は利用者がよく通る道であれば、振動、アラーム及び音声メッセージによる案内すべてを省略するようにする。
【0059】
分岐点を通過させる、或いは、周辺案内をする場合であれば、利用者がアラームを聞き逃したり、振動を認識できなかったりした場合であっても経路を逸脱することはないからであり、省略可能な案内をできるだけ省略するようにして、真に重要な案内に利用者の注意力を振り向けさせるためである。
【0060】
なお、ナビゲーション装置100は、利用者に警告を発する案内の場合(第六行目)には、利用者が初めて通る道、利用者が時々通る道、及び、利用者がよく通る道の何れであっても、振動及びアラームによる誘導に加え、音声メッセージによる案内をも実行させるようにする。利用者が精通した道であったとしても、安全上、省略すべき案内ではないからである。
【0061】
以上の構成により、ナビゲーション装置100は、入力部3を介して利用者が確認を求めた場合や利用者が初めて通る道を案内する場合等に、音、音声又は振動が表す案内に対応する音声メッセージを出力するので、必要に応じて音、音声又は振動が表す案内の内容を利用者に確認させることができる。
【0062】
また、ナビゲーション装置100は、利用者がよく通る道を案内する場合に、音声メッセージによる案内を省略するので、利用者が煩わしさを感じてしまうのを防止することができる。
【0063】
また、ナビゲーション装置100は、省略可能な案内をできるだけ省略するので、真に重要な案内に利用者の注意力を振り向けさせることができ、また、同じ案内を繰り返すことなくメリハリのある案内を実行させるので、利用者を飽きさせることなく、ナビゲーション装置100が適時出力する案内に利用者の意識を集中させることができる。
【0064】
また、ナビゲーション装置100は、視覚情報に頼らず音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を実現させるので、視覚障害者による利用にも対応でき、また、振動による案内を採用するので、外部の騒音に影響されたり、視覚障害者の音情報(ナビゲーション装置100が発する音や音声メッセージ以外の外部の音に関する情報をいう。)に対する注意力を阻害したりするのを防止することができる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0066】
例えば、上述の実施例において、ナビゲーション装置100は、リアルタイム情報を通信センタから取得した上で経路探索を自身の制御部1で実行させるが、無線通信を介して、通信センタが実行した経路探索の結果を取得するようにしてもよい。地図情報等を自身で保持する必要がなく、装置を簡素化できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】案内内容とアラームパターン、振動パターン及び音声メッセージとの間の関係を示す対応表の例である。
【図3】利用者の通行頻度と案内内容との間の関係を示す対応表の例である。
【符号の説明】
【0068】
1 制御部
2 位置情報取得部
3 入力部
4 通信部
5 記憶部
6 個人認証部
7 振動出力部
8 音声出力部
9 表示部
10 経路探索手段
11 経路案内手段
12 案内内容出力手段
13 通行回数記憶手段
14 利用者認証手段
15 案内内容出力要否判定手段
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音、音声又は振動によって進行方向案内及び注意喚起を行うナビゲーション装置であって、
利用者の要求に応じて音、音声又は振動が表す案内内容を出力させる案内内容出力手段、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
案内した経路の通行回数を経路毎に記憶する通行回数記憶手段と、
前記通行回数記憶手段が記憶した通行回数に応じて音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる必要があるか否かを判定する案内内容出力要否判定手段と、を更に備え、
前記案内内容出力手段は、前記案内内容出力要否判定手段が案内内容を音声出力させる必要があると判定した場合に、音、音声又は振動が表す案内内容を音声出力させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
利用者を認証する利用者認証手段を更に備え、
前記通行回数記憶手段は、前記利用者認証手段が認証した利用者毎に、通行回数を経路毎に記憶する、
ことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−256419(P2008−256419A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−96919(P2007−96919)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】