ナビゲーション装置
【課題】視認し易い表示制御を行うナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】案内方向と逆方向へ自車位置マークKを識別表示させながら移動させる。そして、案内地点周辺の地図領域を広範に表示させるとともに、案内地点周辺の地図領域における付加的情報の表示を非表示とする。
【解決手段】案内方向と逆方向へ自車位置マークKを識別表示させながら移動させる。そして、案内地点周辺の地図領域を広範に表示させるとともに、案内地点周辺の地図領域における付加的情報の表示を非表示とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に自車位置マークを表示させて目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置において、その表示方法には大きく分けて2種類ある。一つは北方向を常に上方向とする「ノースアップ」であり、もう一つは進行方向を常に上方向とする「ヘディングアップ」である。
【0003】
図9に「ノースアップ」の画面例、図10に「ヘディングアップ」の画面例を示す。
図9に示す「ノースアップ」では自車位置マークKが地図上の中心部に表示され、地図上の北が常にナビゲーション装置の画面(以下、単に「画面」という)上部に位置する様に表示される。これにより、ユーザは自車が東西南北のどの方向を進行しているのかを容易に把握することができる。
一方、図10に示す「ヘディングアップ」では自車位置マークKが地図上の中心部よりもやや下方に表示される場合が多く、地図上の北が上下左右に変動して画面に表示される。自車位置マークKをやや下方に表示するのは、進行予定の地図領域を広く表示させるためであり、これによりユーザは今後の経路を容易に把握することができる。
【0004】
ユーザは、基本的に上述した2種類の表示方法を自己の好みに合わせて切替えればよいわけだが、切替える必要が生じる場合がある。例えば「ヘディングアップ」で表示しているときに、自車が十字路で進路変更する場合が挙げられる。
【0005】
図11に、自車が進路変更地点C1を曲がる際に「ヘディングアップ」で表示している場合の画面例を示す。進路変更地点C1は、自車が現在進行している進行方向とは異なる方向へ進路変更することとなる地点である。なお、同図において破線で記載されている部分(予定経路Rの一部と案内地点P)は、実際には画面に表示されることのない部分である。予定経路Rは今後通過する予定の経路であり、案内地点Pは予定経路R上にある目的地又は目的地までの経由地点である。また、案内地点P上での進行方向を案内方向KPとする。
【0006】
図11によれば、自車位置マークKが地図上の中心よりもやや下方に表示され、現在の進行方向(上方向)における地図領域は十分広く表示されている。しかし、予定経路Rや案内地点P周辺の地図は、自車が進路変更地点C1を曲がり終えるまで表示されない。この場合、予定経路R周辺の地図を見るためにはユーザの操作が必要となる。ユーザによる操作としては、自車位置マークKが画面の中心に表示される「ノースアップ」に切替えるか、或いは地図のスケールを縮小する等の切替え操作が挙げられる。進路変更地点C1が複数ある場合、その度に切替え操作を行うことはユーザにとって煩雑であり、安全面からも好ましくない。
【0007】
このような問題を改善するため、特許文献1によれば、進行予定の範囲について把握し易いナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置では、進路変更の際、通常時にはやや下方に表示される自車位置マークKを進行予定の方向とは逆方向へ移動させて表示し、今後進行する地図領域を広範に表示させる。つまり、予定経路R上における案内地点Pを画面に表示させるように地図をシフトさせる。
図12に、案内地点Pを表示させるように地図をシフトさせた画面例を示す。
図12では、案内方向KPと逆方向となる移動方向PKへ、自車位置マークKを移動させて表示させている。このように、特許文献1に記載のナビゲーション装置によれば、図11の画面では表示しきれなかった案内地点P周辺の地図領域を広範に表示させることができ、ユーザは表示方法を切替える手間を省くことができる。
【特許文献1】特開2006−201181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載のナビゲーション装置においても、案内地点P周辺の地図を把握しにくい場合がある。例えば、時計や目的地到達距離情報等の表示が予定経路R上又は案内地点P上の周辺に重複して表示されることとなる場合である。
図12に示すように、案内地点P周辺の地図を広範に表示させるようにしても、付加的情報Eの表示により、結局案内地点P周辺は把握し難い。
【0009】
また、自車位置マークKについても同様であり、案内地点Pがどの位置となるかによって自車位置マークKが画面上のどの位置に表示されるか不明である。よって、図11の画面から図12の画面へと切替えられた場合、ユーザは自車位置マークKの位置を見失ってしまうことが考えられる。
【0010】
本発明の課題は、視認し易い表示制御を行うナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、
地図上に自車位置マーク及び付加的情報を表示する表示手段と、自車が進路変更する際に、前記自車位置マークを進行予定となる案内方向とは逆方向へ移動させて表示させる制御手段と、を有するナビゲーション装置において、
前記制御手段は、前記案内方向に位置する案内地点周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とするナビゲーション装置が提供される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記案内方向とは逆方向へ移動させた前記自車位置マーク周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とするナビゲーション装置が提供される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させるまでに要する時間を調整するナビゲーション装置が提供される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させる際、前記自車位置マークを識別表示させるナビゲーション装置が提供される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、
前記自車位置マークを識別表示させるか否かの切替え入力をするための入力手段と、
前記制御手段は、前記入力手段により識別表示させる切替え入力がなされたとき、前記自車位置マークを識別表示させるナビゲーション装置が提供される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記識別表示として、前記自車位置マークの表示形態を決定するナビゲーション装置が提供される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させた表示形態から、前記自車位置マークを移動させる前の表示形態へと切替えるナビゲーション装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、案内地点周辺の地図領域を広範に表示させるとともに、当該領域で付加的情報を非表示とすることができる。これにより、画面上の自車位置マークがどのように移動したとしても、ユーザは自車位置マーク及び案内地点周辺について容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の最適な実施形態の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
まず図1に、本実施形態におけるナビゲーション装置100の機能ブロック図を示す。
ナビゲーション装置100は、図1に示すように、制御部1、記憶部2、メモリ3、タイマー部4、入力部5、操作表示部6、ナビゲーション部7、TV(Television)部8、HD(Hard Disk)部9、デコーダ部10及びスピーカ部11等により構成される。
【0021】
制御部1は、記憶部2に記憶されている各種制御プログラム、すなわち、本発明に係るナビゲーション装置100の各部の制御、表示制御、画面表示制御等の制御プログラムとの協働により、統括的制御を実行する。なお、これらの各制御動作の詳細については後述する。
【0022】
また、制御部1は、ナビゲーション部7から出力された情報及び記憶部2に記憶されている地図情報データに基づいて、自車の現在位置と地図データの道路形状とをマッチングさせて、モニタ表示部61に地図画面を表示させるとともに、その地図画面上に自車の現在位置を表示させる。
【0023】
記憶部2は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体を有し、この記録媒体に、制御部1により実行される各種制御プログラム及びこれらの制御プログラムの実行時に利用されるデータ等を記憶する。また、記憶部2は、自車の経路案内に必要な地図情報データを記憶している。
【0024】
メモリ3は、制御部1により実行される各種制御プログラム、入力データ及びプログラム実行処理における処理結果等の各種データをワークメモリに一時的に格納する。
【0025】
タイマー部4は、制御部1からの制御信号に従って、タイマー値(例えば、5秒間)を設定するとともに、タイマー値が設定された時点からの経過時間を計時し、経過時間が当該タイマー値に達した時、計時が終了した旨を通知する終了信号を制御部1に出力する。
【0026】
入力部5は、ナビゲーション動作等の指定入力を行うための各種キー、オーディオメニューの表示の切替えを指示するためのキー等のハードキーボタンを備えており、これらのキー操作による操作信号を制御部1に出力する。ここで、ハードキーボタンとは、ナビゲーション装置100の操作表示部6の筐体に物理的に取り付けられた構成のキーボタンを指す。なお、入力部5は、リモートコントローラ等の入力装置を備える構成としてもよい。
【0027】
操作表示部6は、モニタ表示部61、タッチパネル62を備えている。モニタ表示部61は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部1から入力される表示信号に従って、所要の表示処理を行う。
【0028】
タッチパネル62は、モニタ表示部61の表示画面上を覆うように重畳して設けられ、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として制御部1に出力する。なお、ユーザはタッチパネル62を介してナビゲーション動作の指示入力を行うことができる。
【0029】
ナビゲーション部7は、GPS(Global Positioning Systems)ユニット及び自律航法ユニット等を備える。
GPSユニットは、GPSアンテナ71を有し、GPSアンテナ71を介して、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星のうち、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSユニットは、受信されたGPS信号に基づいて、自車の現在位置(緯度、経度)を検出して制御部1に出力する。
自律航法ユニットは、角度センサ、距離センサ等を備えている。角度センサは、自車の角速度を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、自車の移動量を算出する。自律航法ユニットは、これら角速度信号及びパルス信号により、自車の相対的な位置変化を算出して制御部1に出力する。
【0030】
TV部8は、TVアンテナ81に接続され、TVアンテナ81により受信されたテレビ放送用電波の中から、タッチパネル62によって指定されたチャンネルの放送電波を抽出し、制御部1から入力される制御信号に従って、放送内容である映像信号、音声信号を、それぞれ、モニタ表示部61、スピーカ部11に出力する。
【0031】
HD部9は、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)方式で圧縮された音声データを記憶する。MP3方式とは、MPEG(Moving Picture Experts Group)で規格化された音声データの圧縮方式の一つである。HD部9に記憶されるMP3方式の各ファイルには、曲名、アルバム名、アーティスト名等の付属文字情報(ID3タグ情報)が付加されている。HD部9に記憶される音声データは、例えば、メモリスティック(登録商標)等の記録媒体に記録されたMP3ファイルをコピーしたものである。
【0032】
デコーダ部10は、HD部9に格納されたMP3方式の音声データを復号化し、スピーカ部11に出力する。
【0033】
スピーカ部11は、TV部8又はデコーダ部10から入力された音声信号を増幅回路(図示略)で増幅し、外部に出力する。
【0034】
次に、図2を参照して、ナビゲーション装置100の動作について説明する。
制御部1は、自車位置マークK及び周辺の地図を表示させた通常ナビ画面を操作表示部6に表示させる(ステップS1)。通常ナビ画面は、例えば図10、11に示すような「ヘディングアップ」で表示される画面である。
【0035】
通常ナビ画面では、自車位置マークKが画面中心よりもやや下方の位置に表示され、自車が進行する進行方向が広範に表示される。よって、ユーザが進行方向周辺の地図領域について把握し易いものとなる。なお、図10、11に示す通常ナビ画面では、付加的情報が所定の位置に表示されている。付加的情報とは、例えば時計、渋滞情報、目的地到達予想時刻情報、目的地到達距離情報、メニュー操作ボタン、ショートカット操作ボタン等といった、地図とは直接的に関係しない情報である。
自車の進路変更がない場合、つまり進路変更地点C1に自車が接近しない状況においては、制御部1は操作表示部6に通常ナビ画面を表示し続ける(ステップS2;NO)。
【0036】
自車が進路変更する地点となる進路変更地点C1に向かって進んでいくと、制御部1は自車が進路変更地点C1に接近していることを認識する(ステップS2)。
制御部1が「接近」したと認識する距離は、記憶部2に記憶されている所定の距離(閾値)に基づいて判断する。例えば、記憶部2に記憶されている閾値が200mである場合、制御部1は進路変更地点C1までの距離が200mとなった際に自車が「接近」していると判断する(ステップS2;YES)。
記憶部2に記憶される閾値は、ユーザが入力部5を介して任意に設定可能としてもよいし、予め記憶されていることとしてもよい。なお、当該数値と同様に、以下の説明に記載の具体的な閾値は、記憶部2に記憶されているものとする。また、当該閾値はユーザが任意に設定可能であるものとする。
【0037】
自車が進路変更地点C1に接近していることを認識した制御部1は、更に200m以内に進路変更地点C1があるか否かを検出する(ステップS3)。
進路変更地点C1から200m先の地点までの間に、新たに進路を変更する地点がなければ(ステップS3;NO)、制御部1は進路変更地点C1から200m先の地点を案内地点Pとして決定する(ステップS4)。
【0038】
一方、進路変更地点C1から200m先の地点までの間に、新たに進路を変更する地点(これをC2とする)がある場合(ステップS3;YES)、制御部1は新たな進路変更地点C2から200m先の地点を案内地点Pとして決定する。
ここで、進路変更地点C1から200m先の地点までの間に、複数の進路変更地点C2が存在する場合が考えられる。この場合には、進路変更地点C1から最も離れた位置にある進路変更地点C2を基準に案内地点Pを決定する。
例えば、図3に示すように、進路変更地点C1から200m以内に進路変更地点C2a、C2bがあった場合、進路変更地点C1から最も離れた位置にある進路変更地点C2bを基準として案内地点Pを決定する。
【0039】
案内地点Pを決定した後、制御部1は案内地点P周辺の地図を広範に表示させるために、自車位置マークKの移動方向及び移動量を決定する(ステップS6)。
【0040】
自車位置マークKの移動方向及び距離の決定に際して、まず自車の現在進行する進行方向に対し、案内地点P上での予定進行方向となる案内方向KPがどの方向にあるかを算出する。そして、算出した案内方向KPとは逆となる方向として移動方向PKを決定する。
【0041】
次に、制御部1は自車位置マークKの移動量について算出する。移動量は、移動方向PKに基づいて、自車位置マークK及び案内地点Pの双方を画面に表示することが可能な量とする。なお、このような条件のもとに算出される移動量は、記憶部2に記憶されている所定のプログラムによって算出される。また、記憶部2が予め記憶する閾値を移動量としてもよいし、ユーザが入力部5を介して任意に移動量を設定可能とする態様としてもよい。こうして算出した距離を、制御部1は自車位置マークKの移動量として決定する。
【0042】
上記の移動方向PK及び移動量によっては、通常ナビ画面で表示する地図スケールだと自車位置マークK及び案内地点Pの双方を同時に画面に表示することができない場合がある。この場合、制御部1は双方が同時に画面に表示可能な地図スケールを算出してこの地図スケールで表示することを決定する(ステップS7)。
【0043】
次いで、制御部1は決定した移動方向PKへ決定した移動量だけ自車位置マークKを移動させる。そして、決定した地図のスケールで進路変更ナビ画面を表示させる(ステップS8)。
【0044】
図4〜図7に、進路変更ナビ画面の画面例を示す。
例えば、予定経路Rが画面右上方向に位置する場合、図4に示すように自車位置マークKはそれとは反対方向の左下方向に移動する。逆に、予定経路Rが画面左上方向に位置する場合には、図5に示すように右下方向に移動することとなる。
また、Uターンする場合も同様に自車位置マークKは移動する。図6では、自車位置マークKは予定経路Rとは反対方向の左上方向へ移動している。また、図7では、予定経路Rが左下方向にあるので自車位置マークKは右上方向へ移動することとなる。
【0045】
なお、制御部1は、ステップS8において自車位置マークKを移動させる際に自車位置マークKを識別表示させる識別表示処理を行う。識別表示には、自車位置マークKの形態に関する識別表示がある。例えば、自車位置マークKを巨大化させて表示したり色彩を変化させたり、或いは移動させている最中はスピーカ部11から音を発するようにしたりする。また、自車位置マークKの移動時間を長く取って、少しずつ移動させることとしてもよい。
このような処理を行うことにより、ユーザが画面に表示される自車位置マークKを見失うことを防止することができる。
【0046】
ステップS8の処理により、案内地点P周辺の地図を広範に表示することはできる。しかし、図4〜図7の画面例からも分かるように、自車位置マークK及び案内地点Pは予定経路Rの方向次第で何れの方向へも移動することとなる。よって、付加的情報Eが自車位置マークK及び案内地点Pの位置を不明瞭にしてしまう場合が考えられる。
【0047】
そこで、制御部1は付加的情報Eを非表示とする非表示処理を行う(ステップS9)。
非表示処理には、大別して3つの非表示処理がある。1つは、案内地点P周辺の付加的情報Eを非表示とする案内領域非表示処理である。もう1つは、自車位置マークK周辺の付加的情報Eを非表示とする自車位置マーク領域非表示処理である。そして最後に、案内地点P周辺及び自車位置マークK周辺のどちらも非表示とする双方領域非表示処理である。これらの非表示処理について、何れを施すかはユーザが入力部5を介して切替え可能とする。
【0048】
非表示処理では、制御部1は画面に表示される地図領域を分割し(例えば、4分割)、分割した何れかの領域内に案内地点Pや自車位置マークKが含まれていることを検出すると、当該領域に表示されるはずの付加的情報Eを非表示とする。
【0049】
図8に、案内領域非表示処理が施された画面例を示す。
図8では、ステップS8の処理が施されて自車位置マークKは左上に移動し、案内地点Pは右下に表示されている。また、同図において、案内地点P周辺の地図領域G1の付加的情報Eは非表示とされている。これにより、ユーザは案内地点P周辺についてより把握し易くなる。なお、地図領域G1で非表示とした付加的情報Eを、地図領域G1以外の地図領域、例えば地図領域G1の上と左の地図領域に表示することとしてもよい。
ステップS9の非表示処理により、上下左右の何れの方向に自車位置マークKが移動した場合であっても、案内地点P及び自車位置マークKが不明瞭になることを防止することができる。
【0050】
ユーザは、上記の処理(ステップS8、S9)により切り替わって表示された進路変更ナビ画面を、再度通常ナビ画面に戻すことができる。この場合、ユーザは、例えばタッチパネル62上をタッチ指示することで画面の表示切替えを指示することができる。制御部1は、タッチパネル62等を介して表示切替えの入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS10)。
【0051】
制御部1は表示切替えの入力信号がなされたと判断すると(ステップS10;YES)、画面に表示されている進路変更ナビ画面から通常ナビ画面へと切替え処理を行う(ステップS11)。
一方、進路変更ナビ画面時に表示切替えの指示信号がない場合(ステップS10;NO)、自車が進路変更地点C1(又はC2)を通過して進路変更した後、制御部1は進路変更ナビ画面から通常ナビ画面へと切替え処理を行い(ステップS12;YES)、本処理を終了する。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、自車位置マークKを移動させるとともに案内地点P周辺の地図を広範に表示させることができる。また、自車位置マークKを移動させる際、識別表示させて移動させる。更に、自車位置マークKを移動させて表示させた画面において、付加的情報Eを非表示とすることができる。付加的情報Eを非表示とすることにより、予定経路R周辺については地図のみの表示とすることができる。
このような処理によって、ユーザは付加的情報Eで把握し難かった自車位置マークK及び案内地点P周辺の地図領域について容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ナビゲーション装置の機能ブロック図である。
【図2】表示制御処理についてのフローチャートである。
【図3】複数の進路変更地点がある場合に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図4】左下に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図5】右下に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図6】左上に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図7】右上に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図8】付加的情報を案内地点周辺で非表示とした際の画面例である。
【図9】ノースアップの画面例である。
【図10】ヘディングアップの画面例である。
【図11】進路変更地点に自車位置マークが接近した際の画面例である。
【図12】自車位置マークを移動させた画面例である。
【符号の説明】
【0054】
100 ナビゲーション装置
1 制御部
R 予定経路
P 案内地点
C1、CC、C2 進路変更地点
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に自車位置マークを表示させて目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置において、その表示方法には大きく分けて2種類ある。一つは北方向を常に上方向とする「ノースアップ」であり、もう一つは進行方向を常に上方向とする「ヘディングアップ」である。
【0003】
図9に「ノースアップ」の画面例、図10に「ヘディングアップ」の画面例を示す。
図9に示す「ノースアップ」では自車位置マークKが地図上の中心部に表示され、地図上の北が常にナビゲーション装置の画面(以下、単に「画面」という)上部に位置する様に表示される。これにより、ユーザは自車が東西南北のどの方向を進行しているのかを容易に把握することができる。
一方、図10に示す「ヘディングアップ」では自車位置マークKが地図上の中心部よりもやや下方に表示される場合が多く、地図上の北が上下左右に変動して画面に表示される。自車位置マークKをやや下方に表示するのは、進行予定の地図領域を広く表示させるためであり、これによりユーザは今後の経路を容易に把握することができる。
【0004】
ユーザは、基本的に上述した2種類の表示方法を自己の好みに合わせて切替えればよいわけだが、切替える必要が生じる場合がある。例えば「ヘディングアップ」で表示しているときに、自車が十字路で進路変更する場合が挙げられる。
【0005】
図11に、自車が進路変更地点C1を曲がる際に「ヘディングアップ」で表示している場合の画面例を示す。進路変更地点C1は、自車が現在進行している進行方向とは異なる方向へ進路変更することとなる地点である。なお、同図において破線で記載されている部分(予定経路Rの一部と案内地点P)は、実際には画面に表示されることのない部分である。予定経路Rは今後通過する予定の経路であり、案内地点Pは予定経路R上にある目的地又は目的地までの経由地点である。また、案内地点P上での進行方向を案内方向KPとする。
【0006】
図11によれば、自車位置マークKが地図上の中心よりもやや下方に表示され、現在の進行方向(上方向)における地図領域は十分広く表示されている。しかし、予定経路Rや案内地点P周辺の地図は、自車が進路変更地点C1を曲がり終えるまで表示されない。この場合、予定経路R周辺の地図を見るためにはユーザの操作が必要となる。ユーザによる操作としては、自車位置マークKが画面の中心に表示される「ノースアップ」に切替えるか、或いは地図のスケールを縮小する等の切替え操作が挙げられる。進路変更地点C1が複数ある場合、その度に切替え操作を行うことはユーザにとって煩雑であり、安全面からも好ましくない。
【0007】
このような問題を改善するため、特許文献1によれば、進行予定の範囲について把握し易いナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置では、進路変更の際、通常時にはやや下方に表示される自車位置マークKを進行予定の方向とは逆方向へ移動させて表示し、今後進行する地図領域を広範に表示させる。つまり、予定経路R上における案内地点Pを画面に表示させるように地図をシフトさせる。
図12に、案内地点Pを表示させるように地図をシフトさせた画面例を示す。
図12では、案内方向KPと逆方向となる移動方向PKへ、自車位置マークKを移動させて表示させている。このように、特許文献1に記載のナビゲーション装置によれば、図11の画面では表示しきれなかった案内地点P周辺の地図領域を広範に表示させることができ、ユーザは表示方法を切替える手間を省くことができる。
【特許文献1】特開2006−201181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載のナビゲーション装置においても、案内地点P周辺の地図を把握しにくい場合がある。例えば、時計や目的地到達距離情報等の表示が予定経路R上又は案内地点P上の周辺に重複して表示されることとなる場合である。
図12に示すように、案内地点P周辺の地図を広範に表示させるようにしても、付加的情報Eの表示により、結局案内地点P周辺は把握し難い。
【0009】
また、自車位置マークKについても同様であり、案内地点Pがどの位置となるかによって自車位置マークKが画面上のどの位置に表示されるか不明である。よって、図11の画面から図12の画面へと切替えられた場合、ユーザは自車位置マークKの位置を見失ってしまうことが考えられる。
【0010】
本発明の課題は、視認し易い表示制御を行うナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、
地図上に自車位置マーク及び付加的情報を表示する表示手段と、自車が進路変更する際に、前記自車位置マークを進行予定となる案内方向とは逆方向へ移動させて表示させる制御手段と、を有するナビゲーション装置において、
前記制御手段は、前記案内方向に位置する案内地点周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とするナビゲーション装置が提供される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記案内方向とは逆方向へ移動させた前記自車位置マーク周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とするナビゲーション装置が提供される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させるまでに要する時間を調整するナビゲーション装置が提供される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させる際、前記自車位置マークを識別表示させるナビゲーション装置が提供される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、
前記自車位置マークを識別表示させるか否かの切替え入力をするための入力手段と、
前記制御手段は、前記入力手段により識別表示させる切替え入力がなされたとき、前記自車位置マークを識別表示させるナビゲーション装置が提供される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記識別表示として、前記自車位置マークの表示形態を決定するナビゲーション装置が提供される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させた表示形態から、前記自車位置マークを移動させる前の表示形態へと切替えるナビゲーション装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、案内地点周辺の地図領域を広範に表示させるとともに、当該領域で付加的情報を非表示とすることができる。これにより、画面上の自車位置マークがどのように移動したとしても、ユーザは自車位置マーク及び案内地点周辺について容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の最適な実施形態の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
まず図1に、本実施形態におけるナビゲーション装置100の機能ブロック図を示す。
ナビゲーション装置100は、図1に示すように、制御部1、記憶部2、メモリ3、タイマー部4、入力部5、操作表示部6、ナビゲーション部7、TV(Television)部8、HD(Hard Disk)部9、デコーダ部10及びスピーカ部11等により構成される。
【0021】
制御部1は、記憶部2に記憶されている各種制御プログラム、すなわち、本発明に係るナビゲーション装置100の各部の制御、表示制御、画面表示制御等の制御プログラムとの協働により、統括的制御を実行する。なお、これらの各制御動作の詳細については後述する。
【0022】
また、制御部1は、ナビゲーション部7から出力された情報及び記憶部2に記憶されている地図情報データに基づいて、自車の現在位置と地図データの道路形状とをマッチングさせて、モニタ表示部61に地図画面を表示させるとともに、その地図画面上に自車の現在位置を表示させる。
【0023】
記憶部2は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体を有し、この記録媒体に、制御部1により実行される各種制御プログラム及びこれらの制御プログラムの実行時に利用されるデータ等を記憶する。また、記憶部2は、自車の経路案内に必要な地図情報データを記憶している。
【0024】
メモリ3は、制御部1により実行される各種制御プログラム、入力データ及びプログラム実行処理における処理結果等の各種データをワークメモリに一時的に格納する。
【0025】
タイマー部4は、制御部1からの制御信号に従って、タイマー値(例えば、5秒間)を設定するとともに、タイマー値が設定された時点からの経過時間を計時し、経過時間が当該タイマー値に達した時、計時が終了した旨を通知する終了信号を制御部1に出力する。
【0026】
入力部5は、ナビゲーション動作等の指定入力を行うための各種キー、オーディオメニューの表示の切替えを指示するためのキー等のハードキーボタンを備えており、これらのキー操作による操作信号を制御部1に出力する。ここで、ハードキーボタンとは、ナビゲーション装置100の操作表示部6の筐体に物理的に取り付けられた構成のキーボタンを指す。なお、入力部5は、リモートコントローラ等の入力装置を備える構成としてもよい。
【0027】
操作表示部6は、モニタ表示部61、タッチパネル62を備えている。モニタ表示部61は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部1から入力される表示信号に従って、所要の表示処理を行う。
【0028】
タッチパネル62は、モニタ表示部61の表示画面上を覆うように重畳して設けられ、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として制御部1に出力する。なお、ユーザはタッチパネル62を介してナビゲーション動作の指示入力を行うことができる。
【0029】
ナビゲーション部7は、GPS(Global Positioning Systems)ユニット及び自律航法ユニット等を備える。
GPSユニットは、GPSアンテナ71を有し、GPSアンテナ71を介して、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星のうち、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSユニットは、受信されたGPS信号に基づいて、自車の現在位置(緯度、経度)を検出して制御部1に出力する。
自律航法ユニットは、角度センサ、距離センサ等を備えている。角度センサは、自車の角速度を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、自車の移動量を算出する。自律航法ユニットは、これら角速度信号及びパルス信号により、自車の相対的な位置変化を算出して制御部1に出力する。
【0030】
TV部8は、TVアンテナ81に接続され、TVアンテナ81により受信されたテレビ放送用電波の中から、タッチパネル62によって指定されたチャンネルの放送電波を抽出し、制御部1から入力される制御信号に従って、放送内容である映像信号、音声信号を、それぞれ、モニタ表示部61、スピーカ部11に出力する。
【0031】
HD部9は、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)方式で圧縮された音声データを記憶する。MP3方式とは、MPEG(Moving Picture Experts Group)で規格化された音声データの圧縮方式の一つである。HD部9に記憶されるMP3方式の各ファイルには、曲名、アルバム名、アーティスト名等の付属文字情報(ID3タグ情報)が付加されている。HD部9に記憶される音声データは、例えば、メモリスティック(登録商標)等の記録媒体に記録されたMP3ファイルをコピーしたものである。
【0032】
デコーダ部10は、HD部9に格納されたMP3方式の音声データを復号化し、スピーカ部11に出力する。
【0033】
スピーカ部11は、TV部8又はデコーダ部10から入力された音声信号を増幅回路(図示略)で増幅し、外部に出力する。
【0034】
次に、図2を参照して、ナビゲーション装置100の動作について説明する。
制御部1は、自車位置マークK及び周辺の地図を表示させた通常ナビ画面を操作表示部6に表示させる(ステップS1)。通常ナビ画面は、例えば図10、11に示すような「ヘディングアップ」で表示される画面である。
【0035】
通常ナビ画面では、自車位置マークKが画面中心よりもやや下方の位置に表示され、自車が進行する進行方向が広範に表示される。よって、ユーザが進行方向周辺の地図領域について把握し易いものとなる。なお、図10、11に示す通常ナビ画面では、付加的情報が所定の位置に表示されている。付加的情報とは、例えば時計、渋滞情報、目的地到達予想時刻情報、目的地到達距離情報、メニュー操作ボタン、ショートカット操作ボタン等といった、地図とは直接的に関係しない情報である。
自車の進路変更がない場合、つまり進路変更地点C1に自車が接近しない状況においては、制御部1は操作表示部6に通常ナビ画面を表示し続ける(ステップS2;NO)。
【0036】
自車が進路変更する地点となる進路変更地点C1に向かって進んでいくと、制御部1は自車が進路変更地点C1に接近していることを認識する(ステップS2)。
制御部1が「接近」したと認識する距離は、記憶部2に記憶されている所定の距離(閾値)に基づいて判断する。例えば、記憶部2に記憶されている閾値が200mである場合、制御部1は進路変更地点C1までの距離が200mとなった際に自車が「接近」していると判断する(ステップS2;YES)。
記憶部2に記憶される閾値は、ユーザが入力部5を介して任意に設定可能としてもよいし、予め記憶されていることとしてもよい。なお、当該数値と同様に、以下の説明に記載の具体的な閾値は、記憶部2に記憶されているものとする。また、当該閾値はユーザが任意に設定可能であるものとする。
【0037】
自車が進路変更地点C1に接近していることを認識した制御部1は、更に200m以内に進路変更地点C1があるか否かを検出する(ステップS3)。
進路変更地点C1から200m先の地点までの間に、新たに進路を変更する地点がなければ(ステップS3;NO)、制御部1は進路変更地点C1から200m先の地点を案内地点Pとして決定する(ステップS4)。
【0038】
一方、進路変更地点C1から200m先の地点までの間に、新たに進路を変更する地点(これをC2とする)がある場合(ステップS3;YES)、制御部1は新たな進路変更地点C2から200m先の地点を案内地点Pとして決定する。
ここで、進路変更地点C1から200m先の地点までの間に、複数の進路変更地点C2が存在する場合が考えられる。この場合には、進路変更地点C1から最も離れた位置にある進路変更地点C2を基準に案内地点Pを決定する。
例えば、図3に示すように、進路変更地点C1から200m以内に進路変更地点C2a、C2bがあった場合、進路変更地点C1から最も離れた位置にある進路変更地点C2bを基準として案内地点Pを決定する。
【0039】
案内地点Pを決定した後、制御部1は案内地点P周辺の地図を広範に表示させるために、自車位置マークKの移動方向及び移動量を決定する(ステップS6)。
【0040】
自車位置マークKの移動方向及び距離の決定に際して、まず自車の現在進行する進行方向に対し、案内地点P上での予定進行方向となる案内方向KPがどの方向にあるかを算出する。そして、算出した案内方向KPとは逆となる方向として移動方向PKを決定する。
【0041】
次に、制御部1は自車位置マークKの移動量について算出する。移動量は、移動方向PKに基づいて、自車位置マークK及び案内地点Pの双方を画面に表示することが可能な量とする。なお、このような条件のもとに算出される移動量は、記憶部2に記憶されている所定のプログラムによって算出される。また、記憶部2が予め記憶する閾値を移動量としてもよいし、ユーザが入力部5を介して任意に移動量を設定可能とする態様としてもよい。こうして算出した距離を、制御部1は自車位置マークKの移動量として決定する。
【0042】
上記の移動方向PK及び移動量によっては、通常ナビ画面で表示する地図スケールだと自車位置マークK及び案内地点Pの双方を同時に画面に表示することができない場合がある。この場合、制御部1は双方が同時に画面に表示可能な地図スケールを算出してこの地図スケールで表示することを決定する(ステップS7)。
【0043】
次いで、制御部1は決定した移動方向PKへ決定した移動量だけ自車位置マークKを移動させる。そして、決定した地図のスケールで進路変更ナビ画面を表示させる(ステップS8)。
【0044】
図4〜図7に、進路変更ナビ画面の画面例を示す。
例えば、予定経路Rが画面右上方向に位置する場合、図4に示すように自車位置マークKはそれとは反対方向の左下方向に移動する。逆に、予定経路Rが画面左上方向に位置する場合には、図5に示すように右下方向に移動することとなる。
また、Uターンする場合も同様に自車位置マークKは移動する。図6では、自車位置マークKは予定経路Rとは反対方向の左上方向へ移動している。また、図7では、予定経路Rが左下方向にあるので自車位置マークKは右上方向へ移動することとなる。
【0045】
なお、制御部1は、ステップS8において自車位置マークKを移動させる際に自車位置マークKを識別表示させる識別表示処理を行う。識別表示には、自車位置マークKの形態に関する識別表示がある。例えば、自車位置マークKを巨大化させて表示したり色彩を変化させたり、或いは移動させている最中はスピーカ部11から音を発するようにしたりする。また、自車位置マークKの移動時間を長く取って、少しずつ移動させることとしてもよい。
このような処理を行うことにより、ユーザが画面に表示される自車位置マークKを見失うことを防止することができる。
【0046】
ステップS8の処理により、案内地点P周辺の地図を広範に表示することはできる。しかし、図4〜図7の画面例からも分かるように、自車位置マークK及び案内地点Pは予定経路Rの方向次第で何れの方向へも移動することとなる。よって、付加的情報Eが自車位置マークK及び案内地点Pの位置を不明瞭にしてしまう場合が考えられる。
【0047】
そこで、制御部1は付加的情報Eを非表示とする非表示処理を行う(ステップS9)。
非表示処理には、大別して3つの非表示処理がある。1つは、案内地点P周辺の付加的情報Eを非表示とする案内領域非表示処理である。もう1つは、自車位置マークK周辺の付加的情報Eを非表示とする自車位置マーク領域非表示処理である。そして最後に、案内地点P周辺及び自車位置マークK周辺のどちらも非表示とする双方領域非表示処理である。これらの非表示処理について、何れを施すかはユーザが入力部5を介して切替え可能とする。
【0048】
非表示処理では、制御部1は画面に表示される地図領域を分割し(例えば、4分割)、分割した何れかの領域内に案内地点Pや自車位置マークKが含まれていることを検出すると、当該領域に表示されるはずの付加的情報Eを非表示とする。
【0049】
図8に、案内領域非表示処理が施された画面例を示す。
図8では、ステップS8の処理が施されて自車位置マークKは左上に移動し、案内地点Pは右下に表示されている。また、同図において、案内地点P周辺の地図領域G1の付加的情報Eは非表示とされている。これにより、ユーザは案内地点P周辺についてより把握し易くなる。なお、地図領域G1で非表示とした付加的情報Eを、地図領域G1以外の地図領域、例えば地図領域G1の上と左の地図領域に表示することとしてもよい。
ステップS9の非表示処理により、上下左右の何れの方向に自車位置マークKが移動した場合であっても、案内地点P及び自車位置マークKが不明瞭になることを防止することができる。
【0050】
ユーザは、上記の処理(ステップS8、S9)により切り替わって表示された進路変更ナビ画面を、再度通常ナビ画面に戻すことができる。この場合、ユーザは、例えばタッチパネル62上をタッチ指示することで画面の表示切替えを指示することができる。制御部1は、タッチパネル62等を介して表示切替えの入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS10)。
【0051】
制御部1は表示切替えの入力信号がなされたと判断すると(ステップS10;YES)、画面に表示されている進路変更ナビ画面から通常ナビ画面へと切替え処理を行う(ステップS11)。
一方、進路変更ナビ画面時に表示切替えの指示信号がない場合(ステップS10;NO)、自車が進路変更地点C1(又はC2)を通過して進路変更した後、制御部1は進路変更ナビ画面から通常ナビ画面へと切替え処理を行い(ステップS12;YES)、本処理を終了する。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、自車位置マークKを移動させるとともに案内地点P周辺の地図を広範に表示させることができる。また、自車位置マークKを移動させる際、識別表示させて移動させる。更に、自車位置マークKを移動させて表示させた画面において、付加的情報Eを非表示とすることができる。付加的情報Eを非表示とすることにより、予定経路R周辺については地図のみの表示とすることができる。
このような処理によって、ユーザは付加的情報Eで把握し難かった自車位置マークK及び案内地点P周辺の地図領域について容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ナビゲーション装置の機能ブロック図である。
【図2】表示制御処理についてのフローチャートである。
【図3】複数の進路変更地点がある場合に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図4】左下に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図5】右下に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図6】左上に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図7】右上に自車位置マークを移動させた際の画面例である。
【図8】付加的情報を案内地点周辺で非表示とした際の画面例である。
【図9】ノースアップの画面例である。
【図10】ヘディングアップの画面例である。
【図11】進路変更地点に自車位置マークが接近した際の画面例である。
【図12】自車位置マークを移動させた画面例である。
【符号の説明】
【0054】
100 ナビゲーション装置
1 制御部
R 予定経路
P 案内地点
C1、CC、C2 進路変更地点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に自車位置マーク及び付加的情報を表示する表示手段と、自車が進路変更する際に、前記自車位置マークを進行予定となる案内方向とは逆方向へ移動させて表示させる制御手段と、を有するナビゲーション装置において、
前記制御手段は、前記案内方向に位置する案内地点周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記案内方向とは逆方向へ移動させた前記自車位置マーク周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させるまでに要する時間を調整する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させる際、前記自車位置マークを識別表示させる請求項1〜3の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記自車位置マークを識別表示させるか否かの切替え入力をするための入力手段と、
前記制御手段は、前記入力手段により識別表示させる切替え入力がなされたとき、前記自車位置マークを識別表示させる請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記識別表示として、前記自車位置マークの表示形態を決定する請求項4又は5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させた表示形態から、前記自車位置マークを移動させる前の表示形態へと切替える請求項1〜6の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
地図上に自車位置マーク及び付加的情報を表示する表示手段と、自車が進路変更する際に、前記自車位置マークを進行予定となる案内方向とは逆方向へ移動させて表示させる制御手段と、を有するナビゲーション装置において、
前記制御手段は、前記案内方向に位置する案内地点周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記案内方向とは逆方向へ移動させた前記自車位置マーク周辺の地図領域にある、前記付加的情報を非表示とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させるまでに要する時間を調整する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させる際、前記自車位置マークを識別表示させる請求項1〜3の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記自車位置マークを識別表示させるか否かの切替え入力をするための入力手段と、
前記制御手段は、前記入力手段により識別表示させる切替え入力がなされたとき、前記自車位置マークを識別表示させる請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記識別表示として、前記自車位置マークの表示形態を決定する請求項4又は5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記自車位置マークを前記案内方向とは逆方向へ移動させた表示形態から、前記自車位置マークを移動させる前の表示形態へと切替える請求項1〜6の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−267967(P2008−267967A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110662(P2007−110662)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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