説明

ナビゲーション装置

【課題】施設に関してユーザの嗜好に応じた情報を提供する。
【解決手段】ユーザの操作に応じて、施設の種類を設定する(ステップS50)と共に、施設の密集度を設定する(ステップS60)。そして、設定された種類の施設が集まっている地域を、設定された密集度に応じて観光地として検索し(ステップS70)、検索された地域の位置を地図上に表示する(ステップS80)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが選択した種類の施設を示すアイコンを地図上に表示するナビゲーション装置において、密集度の高いアイコンを先に描画し、密集度の低いアイコンを後から描画することにより、密集度の低いアイコンが見えなくなるのを防止するものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−206933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ナビゲーション装置において、施設に関してユーザの嗜好に応じた様々な情報を提供することが求められている。たとえば、温泉地を探す場合に、あるユーザは多数の旅館やホテルが密集している有名な温泉地を探したいが、別のユーザは旅館やホテルが数件しかないような、あまり有名でない温泉地を探したい場合がある。しかし、特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、このようなニーズを満たすことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、施設の種類を設定する施設種類設定手段と、施設の密集度を設定する密集度設定手段と、施設種類設定手段により設定された種類の施設が集まっている地域を、密集度設定手段により設定された密集度に応じて検索する検索手段と、検索手段により検索された地域の位置を地図上に表示する位置表示手段とを備える。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、密集度設定手段は、所定の範囲にわたって密集度を設定するものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、密集度設定手段により全範囲にわたって密集度が設定された場合、検索手段は、施設種類設定手段により設定された種類の施設が少なくとも一つ以上存在する全ての地域を検索するものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載のナビゲーション装置において、位置表示手段により地図上にその位置を表示された地域のいずれかを選択する選択手段と、選択手段により選択された地域の詳細地図を表示する詳細地図表示手段とをさらに備えるものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のナビゲーション装置において、選択手段により選択された地域内にある施設種類設定手段により設定された種類の施設のうち、いずれかの施設を目的地に設定する目的地設定手段と、目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段とをさらに備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、施設に関してユーザの嗜好に応じた情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、GPS(Global Positioning System)受信部14、表示モニタ15および入力装置16を備える。なお、ナビゲーション装置1は、車両に搭載されて使用される。
【0008】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10が行う処理により、自車両を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、自車両の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の音声出力処理などが実行される。
【0009】
振動ジャイロ11は、自車両の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、自車両の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両の位置移動量が求められ、それによって自車両の現在位置が検出される。
【0010】
HDD13は、記録されたデータを記憶保持することができる不揮発性の記録媒体である。HDD13には、上記の制御プログラムおよび地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されているこれらのデータは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。
【0011】
HDD13に記録された地図データは、経路計算データと、道路データと、背景データとを含む。経路計算データは、目的地までの推奨経路を探索する際などに用いられるデータである。道路データは、道路の形状や種別などを表すデータである。なお、地図データにおいて各道路の最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、地図データにおいて各道路は複数のリンクにより構成される。背景データは、地図の背景を表すデータである。なお、地図の背景とは、地図上に存在する道路以外の様々な構成物である。たとえば、河川、鉄道、緑地帯、各種構造物などが背景データによって表される。
【0012】
上記の地図データの中には、様々な種類の施設に関するPOI(Point Of Interest)データも含まれる。たとえば、旅館やホテル等の宿泊施設、レストラン、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの様々な施設について、その種類と位置の情報がPOIデータに記録されている。このPOIデータに基づいて、施設の種類に応じたアイコンが地図上に表示されると共に、後で説明するような観光地検索処理が行われる。
【0013】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、自車両の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両の現在位置と現在時刻を算出することができる。このGPS受信部14と、前述の振動ジャイロ11および車速センサ12により、自車両の現在地が検出される。
【0014】
表示モニタ15は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ15により、通常の地図などが表示される。なお、表示モニタ15に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ15は、たとえば自車両のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0015】
入力装置16は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置16を表示モニタ15と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0016】
ユーザが入力装置16を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、自車両の現在位置を出発地として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、出発地から目的地までのルート探索を行う。このルート探索により求められた経路が、目的地までの推奨経路として設定される。こうして推奨経路が設定されると、他の道路とは異なる色を使用するなどの方法により、他の道路とは区別して推奨経路が地図上に表示される。これにより、ユーザは表示モニタ15に表示される地図において、推奨経路を容易に認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このようにして、目的地までのルート案内が行われる。
【0017】
次に、ナビゲーション装置1において実行される観光地検索処理について説明する。ナビゲーション装置1は、ユーザから観光地検索処理の実行を指示されると、HDD13に記録された前述のPOIデータに基づいて、ユーザに指定された施設種類と施設密集度に応じた観光地を検索する。なお、ここでいう観光地とは、ユーザが指定した特定の種類の施設、たとえば旅館やホテル等の宿泊施設、みやげ物店、飲食店、商業施設などが集まっている地域のことである。すなわち、ナビゲーション装置1は、観光地検索処理において、ユーザに指定された種類の施設が集まっている地域を、ユーザに指定された密集度に応じて、観光地として検索する。この観光地検索処理により、施設に関してユーザの嗜好に応じた情報を検索し、提供することができる。なお、密集度は、たとえば所定の大きさの領域内に存在する施設の数により表すことができる。
【0018】
図2は、観光地検索処理を実行する際に最初に表示モニタ15において表示される検索対象エリアを表した広域地図の例である。ここでは、神奈川県を検索対象エリアとした場合の広域地図を示している。なお、観光地検索処理は、適切な数の観光地が検索結果において得られるようにするため、たとえば都道府県程度の比較的広域なエリアを対象として行われる。あるいは、市町村単位で検索対象エリアを設定してもよいし、日本全国を検索対象エリアとしてもよい。
【0019】
図2の広域地図には、符号20〜24に示す各ボタンが表示されている。これらのボタンは、観光地を検索する際の施設種類または施設密集度を設定するためのボタンである。符号20に示すボタンは、施設の種類を設定するための種類設定ボタンである。ユーザは、入力装置16を用いた操作によりこの種類設定ボタン20を選択することで、観光地検索処理における施設の種類をナビゲーション装置1に設定させることができる。
【0020】
ユーザの操作により種類設定ボタン20が選択されると、ナビゲーション装置1は、予め定められた選択可能な施設種類のリストを表示して、そのうちのいずれかをユーザに選択させる。ユーザがいずれかの施設種類を選択すると、ナビゲーション装置1は、その選択結果に応じて、観光地として検索する地域に対応する施設の種類を設定する。このようにして、観光地検索処理における施設の種類を設定する。
【0021】
符号21〜24に示すボタンは、いずれも施設の密集度を設定するための密集度設定ボタンである。ユーザは、入力装置16を用いた操作によりこの密集度設定ボタン21〜24のいずれかを選択することで、観光地検索処理における施設の密集度をナビゲーション装置1に設定させることができる。
【0022】
ユーザの操作により密集度設定ボタン21〜24のいずれかが選択されると、ナビゲーション装置1は、選択されたボタンに応じた密集度を設定する。このときナビゲーション装置1は、所定の範囲にわたって密集度を設定することにより、ある程度の幅を持たせて密集度を設定する。すなわち、ナビゲーション装置1は、密集度設定ボタン21がユーザに選択された場合は、低い範囲の密集度、たとえば1〜5件の施設が集まっている程度の密集度を設定する。また、密集度設定ボタン22がユーザに選択された場合は、中間範囲の密集度、たとえば6〜10件の施設が集まっている程度の密集度を設定する。さらに、施設密集度設定ボタン23がユーザに選択された場合は、高い範囲の密集度、たとえば11件以上の施設が集まっている程度の密集度を設定する。
【0023】
一方、施設密集度設定ボタン24がユーザに選択された場合、ナビゲーション装置1は、全範囲にわたって密集度を設定する。この場合、ナビゲーション装置1は、種類設定ボタン20の操作によって設定された種類の施設が少なくとも一つ以上存在する全ての地域を検索対象とする。すなわち、施設の密集度合いに関わらず、設定された種類の施設が一つでも存在する地域を全て観光地として検索する。
【0024】
ここで、種類設定ボタン20が選択されることにより、施設の種類として温泉宿が設定されたとする。このときさらに、密集度設定ボタン21が選択されて低い密集度が設定されると、表示モニタ15において、たとえば図3のような画面が表示される。この画面では、神奈川県内に存在する温泉地のうち、旅館やホテル等の温泉宿の密集度が低い温泉地AおよびBの位置が広域地図上に表示されている。
【0025】
一方、密集度設定ボタン22が選択されて中程度の密集度が設定されると、表示モニタ15において、たとえば図4のような画面が表示される。この画面では、神奈川県内に存在する温泉地のうち、温泉宿の密集度が中程度の温泉地CおよびDの位置が広域地図上に表示されている。また、密集度設定ボタン23が選択されて高い密集度が設定されると、表示モニタ15において、たとえば図5のような画面が表示される。この画面では、神奈川県内に存在する温泉地のうち、温泉宿の密集度が高い温泉地EおよびFの位置が広域地図上に表示されている。
【0026】
さらに、施設密集度設定ボタン24が選択され、全範囲にわたって密集度が設定されると、神奈川県内に存在する温泉宿が1件以上ある温泉地の全てが表示される。その結果、表示モニタ15において、たとえば図6のような画面が表示される。この画面では、上記の図3〜5にそれぞれ表示された温泉地A〜Fの全ての位置が広域地図上に表示されている。
【0027】
なお、以上説明した図3〜6の画面のいずれかにおいて、温泉地A〜Fのうちいずれかがユーザの操作により選択されると、ナビゲーション装置1は、その温泉地付近を拡大した詳細地図を表示する。さらに、この詳細地図において表示された施設のいずれか、すなわち、種類設定ボタン20によりその種類を設定された施設のうち、選択された地域内に存在する施設のいずれかが目的地としてユーザに選択されると、ナビゲーション装置1は、その目的地までの推奨経路を探索する。そして、探索した推奨経路にしたがって、設定された目的地まで自車両を誘導する。
【0028】
以上説明したような観光地検索処理の際にナビゲーション装置1において実行される処理のフローチャートを図7に示す。このフローチャートは、ユーザから入力装置16の操作により観光地検索処理を実行するよう指示されたときに、ナビゲーション装置1の制御部10において実行される。
【0029】
ステップS10において、ナビゲーション装置1は、ユーザの操作に応じて検索対象エリアを設定する。ここでは、前述のように、たとえば都道府県単位で検索対象エリアを設定する。ステップS20において、ナビゲーション装置1は、ステップS10で設定された検索対象エリアの広域地図を表示モニタ15に表示する。ステップS30において、ナビゲーション装置1は、前述の種類設定ボタン20および密集度設定ボタン21〜24を表示モニタ15に表示する。これにより、表示モニタ15において図2のような画面が表示される。
【0030】
ステップS40において、ナビゲーション装置1は、ステップS30で表示した種類設定ボタン20および密集度設定ボタン21〜24に対するユーザの操作により、施設種類および密集度がユーザによって選択されたか否かを判定する。種類設定ボタン20により施設種類が選択され、さらに密集度設定ボタン21〜24のいずれかにより密集度が選択されると、ナビゲーション装置1は、次のステップS50へ進む。
【0031】
ステップS50において、ナビゲーション装置1は、種類設定ボタン20に対するユーザの操作に応じて、施設種類の設定を行う。これにより、たとえば検索対象とする施設の種類に温泉宿が設定される。ステップS60において、ナビゲーション装置1は、密集度設定ボタン21〜24のいずれかに対するユーザの操作に応じて、密集度の設定を行う。これにより、検索対象とする施設の密集度の範囲が設定される。
【0032】
ステップS70において、ナビゲーション装置1は、ステップS50で設定された施設種類と、ステップS60で設定された密集度とに基づいて、観光地の検索を行う。ここでは前述のように、ステップS50で設定された種類の施設が集まっている地域を、ステップS60で設定された密集度に応じて検索する。なお、密集度設定ボタン24がユーザに選択されることで全範囲にわたって密集度が設定された場合は、ステップS50で設定された種類の施設が少なくとも一つ以上存在する全ての地域を検索する。
【0033】
ステップS80において、ナビゲーション装置1は、ステップS70で検索された観光地の位置を、ステップS20で表示した広域地図上に表示する。これにより、表示モニタ15において図3〜6のいずれかのような画面が表示される。
【0034】
ステップS90において、ナビゲーション装置1は、ステップS80で広域地図上にその位置を表示した観光地のいずれかがユーザの操作により指定されたか否かを判定する。いずれかの観光地が指定された場合は次のステップS100へ進み、いずれの観光地も指定されなかった場合はステップS40へ戻る。
【0035】
ステップS100において、ナビゲーション装置1は、ステップS90でユーザに指定されたと判定された観光地を、詳細地図の表示対象として選択する。ステップS110において、ナビゲーション装置1は、ステップS100で選択した観光地の詳細地図を表示する。このようにして、ステップS80で観光地の検索結果として広域地図上にその位置を表示された地域のいずれかを選択し、その地域の詳細地図を表示する。
【0036】
ステップS120において、ナビゲーション装置1は、ステップS110で表示した詳細地図において、ユーザの操作によりいずれかの施設が目的地に指定されたか否かを判定する。いずれかの施設がユーザによって目的地に指定された場合は次のステップS130へ進み、いずれの施設も目的地に指定されなかった場合はステップS40へ戻る。
【0037】
ステップS130において、ナビゲーション装置1は、ステップS120でユーザに指定されたと判定された施設を目的地に設定する。ステップS140において、ナビゲーション装置1は、ステップS130で目的地に設置した施設までの推奨経路を探索する。このようにして、ステップS100で選択された観光地の地域内にあるステップS50で設定された種類の施設のうち、いずれかの施設を目的地に設定し、その目的地までの推奨経路を探索する。
【0038】
ステップS140の処理を実行したら、ナビゲーション装置1は、図7のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、観光地検索処理が実行される。
【0039】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置1は、ユーザの操作に応じて、施設の種類を設定する(ステップS50)と共に、施設の密集度を設定する(ステップS60)。そして、設定された種類の施設が集まっている地域を、設定された密集度に応じて観光地として検索し(ステップS70)、検索された地域の位置を地図上に表示する(ステップS80)こととした。このようにしたので、施設に関してユーザの嗜好に応じた情報を提供することができる。たとえば、温泉地を探す際に、あるユーザは多数の旅館やホテルが密集している有名な温泉地を探したいが、別のユーザは旅館やホテルが数件しかなく、あまり有名でない温泉地を探したいような場合にも、それぞれのユーザにとって希望通りの温泉地の情報を提供することができる。
【0040】
(2)ナビゲーション装置1は、ステップS60において密集度を設定する際に、所定の範囲にわたって密集度を設定する。このようにして、ある程度の幅を持たせて密集度を設定することができるようにしたので、観光地として検索される地域の数を適切に調節することができる。
【0041】
(3)ステップS60において全範囲にわたって密集度が設定された場合、ナビゲーション装置1は、ステップS70において、ステップS50で設定された種類の施設が少なくとも一つ以上存在する全ての地域を検索する。これにより、ユーザが希望すれば、施設の密集度合いに関わらず、設定された種類の施設が一つでも存在する地域を全て観光地として検索することもできる。
【0042】
(4)また、ナビゲーション装置1は、ステップS80において観光地として地図上にその位置を表示された地域のいずれかをユーザの操作に応じて選択し(ステップS100)、選択された地域の詳細地図を表示する(ステップS110)こととした。このようにしたので、ユーザが希望する地域について、各施設がどのように配置されているかを知らせることができる。
【0043】
(5)さらに、ナビゲーション装置1は、ステップS100で選択された地域内にあるステップS50で設定された種類の施設のうち、いずれかの施設を目的地に設定し(ステップS130)、設定された目的地までの推奨経路を探索する(ステップS140)こととした。このようにしたので、ユーザが希望する施設まで自車両を確実に案内することができる。
【0044】
なお、上記の実施の形態では、施設の種類として温泉宿が設定された場合に、旅館やホテル等の温泉宿が存在する温泉地を観光地として検索する例を説明したが、検索対象とする施設の種類はこれに限定されない。たとえば、飲食店、商業施設、名所旧跡などについても、温泉宿と同様に検索対象とすることができる。さらに、ユーザの操作に応じて設定された種類の施設が集まっている地域であれば、検索する場所は観光地に限定されず、どのような場所であってもよい。
【0045】
また、以上説明した実施の形態では、密集度設定ボタン21〜24のいずれかをユーザに選択させることで、観光地検索処理において検索対象とする施設の密集度を設定するようにしていた。しかし、他の方法により密集度を設定するようにしてもよい。たとえば、密集度の下限と上限をそれぞれユーザに指定させることで、その指定された範囲にわたって密集度を設定することもできる。このようにすれば、より細かく密集度を設定することができる。
【0046】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0047】
上記の実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段をナビゲーション装置1の制御部10が実行する処理によりそれぞれ実現している。すなわち、ナビゲーション装置1の制御部10は、施設種類設定手段、密集度設定手段、検索手段、位置表示手段、選択手段、詳細地図表示手段、目的地設定手段および経路探索手段として動作することができる。なお、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項との対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】観光地検索処理を実行する際に表示される検索対象エリアを表した広域地図の例を示す図である。
【図3】低い密集度が設定された場合に表示される画面の例を示す図である。
【図4】中程度の密集度が設定された場合に表示される画面の例を示す図である。
【図5】高い密集度が設定された場合に表示される画面の例を示す図である。
【図6】全範囲にわたって密集度が設定された場合に表示される画面の例を示す図である。
【図7】観光地検索処理の際に実行されるフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1:ナビゲーション装置、10:制御部、11:振動ジャイロ、12:車速センサ、
13:HDD、14:GPS受信部、15:表示モニタ、16:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の種類を設定する施設種類設定手段と、
施設の密集度を設定する密集度設定手段と、
前記施設種類設定手段により設定された種類の施設が集まっている地域を、前記密集度設定手段により設定された密集度に応じて検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された地域の位置を地図上に表示する位置表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記密集度設定手段は、所定の範囲にわたって前記密集度を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記密集度設定手段により全範囲にわたって前記密集度が設定された場合、前記検索手段は、前記施設種類設定手段により設定された種類の施設が少なくとも一つ以上存在する全ての地域を検索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記位置表示手段により前記地図上にその位置を表示された地域のいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された地域の詳細地図を表示する詳細地図表示手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記選択手段により選択された地域内にある前記施設種類設定手段により設定された種類の施設のうち、いずれかの施設を目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段により設定された目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段とをさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−19968(P2009−19968A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182244(P2007−182244)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】