説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザの操作負担を軽減させることができるとともに、ランドマークおよび地図の視認性を向上させることができる利便性に優れた「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】ランドマーク表示手段33によって地図1上に表示されている任意のランドマーク2を、当該地図1の表示状態におけるユーザ操作にともなって選択する選択手段34と、この選択手段34によって選択された任意のランドマーク2と同種のランドマーク2以外のランドマーク2が地図1上において非表示となるようにランドマーク表示手段33によるランドマーク2の表示を制御するランドマーク表示制御手段35とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、特に、地図上にランドマークを表示するのに好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置には、車内モニタに、ユーザが指定した地点(例えば、自車位置)の周辺の地図を表示した上で、この地図上における該当する位置に、当該位置に対応する地点に存在する店舗等の施設を示すアイコン(以下、ランドマークと称する)を重畳表示する機能が備えられていた。このランドマークは、例えば、ブランドロゴや地図記号等の態様で表示されるようになっていた。
【0003】
また、このようなランドマークを表示する機能を備えた車載用ナビゲーション装置の中には、ブランドごとまたは業種ごとにランドマークの表示または非表示を設定することができる機能を備えたものもあった。このような機能の想定される使用ケースとしては、例えば、自車位置や経路の把握のための目印として活用する場合、ユーザが常時利用する可能性がある施設に限定してランドマークを表示する場合、走行中における任意のタイミングで自車位置周辺のユーザが希望する施設を確認したい場合および地図上のアクセサリとして使用する場合等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−39778号公報
【特許文献2】特開2006−275662号公報
【特許文献3】特開2007−128329号公報
【特許文献4】特開2007−17269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の車載用ナビゲーション装置においては、前述した各使用ケースにおいて、ユーザが使い勝手が悪いと感じる場面が多数存在していた。
【0006】
例えば、図4においては、地図1上に、一般ユーザが比較的使用する可能性が高い施設として、コンビニ、ファミリーレストラン、ファーストフードおよびガソリンスタンドの各施設のランドマーク2が重畳表示されている。なお、図4において、同一ブランドの施設を示すランドマーク2には、同一の文字表記がなされている。また、図4において、同一業種の施設を示すランドマーク2には、同一の業種を示す文字表記(例えば、コンビニ)がなされている。
【0007】
しかしながら、この図4に示すような施設密集地域においては、地図1上に表示されるランドマーク2の個数が多すぎることにより、地図1中の道路3や自車位置を示す自車位置マーク4が非常に見づらくなってしまっていた。
【0008】
また、図5(a)に示すように、自車位置周辺の地図1を表示した状態における走行中に、任意のタイミング(図5(a)では、ガソリンの残量が少ないことに気付いた時点)で、希望する施設(図5(a)におけるガソリンスタンド)を地図1上で確認したいと思う場合は少なくない。
【0009】
このような場合に、地図1上に表示されているランドマーク2の個数が多すぎると、図5(b)に示すように、ユーザが希望する施設を確認することが極めて困難になる。
【0010】
したがって、このような場合には、図5(b)、(c)に示すように、地図1上に表示されるランドマーク2をユーザが希望する施設のランドマーク2に限定するために、ランドマーク2の設定画面5に遷移して、この設定画面5における操作ボタン6の操作によって、ランドマーク2の表示または非表示を設定することが行われていた。
【0011】
したがって、図5のケースでは、ユーザに、現在のランドマーク2が表示されている地図1の画面から設定画面5へと遷移するための操作および設定画面5における各ランドマークの表示/非表示の設定操作といった煩雑な操作を強いる結果となっていた。
【0012】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、ユーザの操作負担を軽減させることができるとともに、ランドマークおよび地図の視認性を向上させることができる利便性に優れたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、表示部に地図を表示する地図表示手段と、この地図表示手段によって表示されている前記地図上にランドマークを表示するランドマーク表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、前記ランドマーク表示手段によって前記地図上に表示されている任意のランドマークを、前記地図の表示状態におけるユーザ操作にともなって選択する選択手段と、この選択手段によって選択された前記任意のランドマークと同種のランドマーク以外のランドマークが前記地図上において非表示となるように前記ランドマーク表示手段による前記ランドマークの表示を制御するランドマーク表示制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】
そして、このような構成によれば、ランドマーク表示制御手段の制御により、選択手段によって地図の表示状態において選択されたランドマークと同種のランドマーク以外のランドマークを地図上において非表示とすることができるので、簡便な操作によって、ユーザが希望するランドマークに限定した表示に切り替えることが可能となる。
【0015】
また、前記選択手段は、前記ランドマークが表示されている前記地図上に、この地図上におけるユーザが希望する位置をユーザ操作にともなって指示するためのカーソルを表示するように形成されているとともに、前記カーソルによって指示されている前記ユーザが希望する位置に表示されているランドマークを、前記任意のランドマークとして選択可能に形成されていてもよい。
【0016】
そして、このような構成によれば、カーソルを用いてユーザが希望するランドマークが表示されている地図上の位置を特定することによって、ユーザが希望するランドマークを地図の表示状態においてさらに簡便に選択することが可能となる。
【0017】
さらに、前記選択手段は、前記ランドマークが表示されている前記地図上に、この地図上におけるユーザが希望する位置をユーザ操作にともなって指示するためのカーソルを表示するように形成されているとともに、前記カーソルによって指示されている前記ユーザが希望する位置の周辺の所定範囲の領域内に表示されているランドマークを、前記任意のランドマークとして選択可能に形成されていてもよい。
【0018】
そして、このような構成によれば、カーソルを用いてユーザが希望するランドマークが表示されている地図上の領域を特定することによって、ユーザが希望するランドマークを地図の表示状態においてより簡便に選択することが可能となる。
【0019】
さらにまた、前記選択手段は、前記ランドマークを操作ボタンの機能を有した状態として前記地図上に表示した上で、前記操作ボタンの機能が操作された前記ランドマークを、前記任意のランドマークとして選択するように形成されていてもよい。
【0020】
そして、このような構成によれば、ランドマークの操作ボタンの機能を用いてユーザが希望するランドマークを地図の表示状態においてさらに簡便に選択することが可能となる。
【0021】
また、前記選択手段によって選択されたランドマークと同種のランドマークは、当該ランドマークと同一ブランドのランドマークを含んでいてもよい。
【0022】
そして、このような構成によれば、簡便な操作により、ユーザが希望するブランドに限定したランドマークの表示に切り替えることが可能となる。
【0023】
さらに、前記選択手段によって選択されたランドマークと同種のランドマークは、当該ランドマークと同一業種のランドマークを含んでいてもよい。
【0024】
そして、このような構成によれば、簡便な操作により、ユーザが希望する業種に限定したランドマークの表示に切り替えることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザの操作負担を軽減させることができるとともに、ランドマークおよび地図の視認性を向上させることができ、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係るナビゲーション装置としての車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0027】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置10は、大別して、現在地から目的地まで自車両を誘導するナビゲーションのための主たる処理や制御を行うナビゲーションメインユニット11と、このナビゲーションメインユニット11にそれぞれ接続されたGPSレシーバ12、地図データ記憶装置14、入力操作部15、表示部としてのディスプレイ16およびスピーカ17とによって構成されている。
【0029】
GPSレシーバ12は、GPS衛星18から、軌道および時刻に関する情報(以下、GPS情報と称する)を受信し、受信されたGPS情報をナビゲーションメインユニット11に入力するようになっている。
【0030】
地図データ記憶装置14には、車載用ナビゲーション装置10の各種の機能を実行させるための地図データが記憶されており、この地図データは、地図表示機能および経路誘導機能の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、施設の検索機能およびランドマーク表示機能の実行に用いられる検索データとを有している。
【0031】
この地図データ記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブやDVDが搭載されたDVDドライブであってもよい。
【0032】
また、入力操作部15は、ユーザが、車載用ナビゲーション装置10に対する入力操作(ユーザ操作)を行うことができるものであればよく、例えば、リモコン、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダまたはディスプレイ16のタッチパネルであってもよい。
【0033】
次に、ナビゲーションメインユニット11についてさらに詳述する。
【0034】
図1に示すように、ナビゲーションメインユニット11は、主制御部としてのナビCPU20を有しており、このナビCPU20は、所定の実行プログラムを実行することによって、前述した車載用オーディオ再生装置10の各種の機能を実現させるようになっている。
【0035】
ナビCPU20には、前述したGPSレシーバ12が接続されており、このGPSレシーバ12からのGPS情報が、ナビCPU20に入力されるようになっている。
【0036】
また、ナビCPU20には、ジャイロセンサ等の自律航法センサ21が接続されており、この自律航法センサ21は、自車両の車速、角速度および自車方位等を検出し、検出結果をナビCPU20に入力するようになっている。
【0037】
さらに、ナビCPU20には、システムバス22を介して地図データ記憶装置14が接続されている。
【0038】
さらにまた、ナビCPU20には、システムバス22および画像インターフェース(I/F)23を介してディスプレイ16が接続されている。
【0039】
また、ナビCPU20には、システムバス22およびユーザインターフェース(I/F)24を介して入力操作部15が接続されている。
【0040】
さらに、ナビCPU20には、音声インターフェース(I/F)26を介してスピーカ17が接続されている。
【0041】
さらにまた、ナビCPU20には、システムバス22を介してメモリ27が接続されており、このメモリ27には、ナビCPU20の実行プログラムが記憶されている。また、メモリ27には、ナビCPU20による処理結果および地図データ記憶装置14から読み出された地図データが一時的に記憶されるようになっている。このメモリ27は、SDRAMやFlashROM等からなるものであってもよい。
【0042】
ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、自車位置算出部29を有しており、この自車位置算出部29は、GPSレシーバ12から入力されたGPS情報および自律航法センサ21から入力された検出結果を適宜用いることによって、自車位置を算出するようになっている。なお、この自車位置の算出の際に、自車位置算出部29は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部29は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0043】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、地図表示手段としての地図描画部30を有しており、この地図描画部30は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、自車位置算出部29によって算出された自車位置の周辺の地図1(図2参照)の描画データを生成するようになっている。そして、地図描画部30は、生成された地図1の描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、ディスプレイ16上に地図1を表示するようになっている。
【0044】
なお、地図描画部30は、地図1の表示画面に対して、ユーザが、入力操作部15を用いた画面スクロールを行った場合には、画面スクロールにあわせてディスプレイ16に表示される地図1を変更するようになっている。
【0045】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、自車位置描画部31を有しており、この自車位置描画部31は、自車位置算出部29の算出結果に基づいて、ディスプレイ16に表示された地図1上における自車位置を示す自車位置マーク4の描画データを生成するようになっている。そして、自車位置描画部31は、生成された自車位置マーク4の描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、地図1上に自車位置マーク4を重畳表示するようになっている。
【0046】
さらにまた、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、ランドマーク表示手段としてのランドマーク描画部33を有しており、このランドマーク描画部33は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、ディスプレイ16に表示された地図1に相当する地域内に存在する施設のランドマーク2の描画データを生成するようになっている。そして、ランドマーク描画部33は、生成されたランドマーク2の描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、地図1上における該当する位置に、ランドマーク2を重畳表示するようになっている。
【0047】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、選択手段としてのランドマーク選択部34を有している。このランドマーク選択部34は、ランドマーク描画部33によって地図1上に表示されているランドマーク2の中から、限定表示の対象となる任意のランドマーク2(以下、対象ランドマークと称する)を、当該地図1の表示状態における入力操作部15を用いたユーザ操作にともなって選択するようになっている。
【0048】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、ランドマーク表示制御手段としてのランドマーク描画制御部35を有している。このランドマーク描画制御部35は、ランドマーク選択部34によって選択された対象ランドマークと同種のランドマーク2以外のランドマーク2が地図1上において非表示となるように、ランドマーク描画部33によるランドマーク2の表示を制御するようになっている。
【0049】
したがって、本実施形態によれば、従来のような設定画面5(図5(c)参照)に遷移する操作を要することなく、地図1の表示状態におけるユーザ操作にともなって、対象ランドマークのみを地図1上に限定表示することができる。
【0050】
なお、ランドマーク選択部34は、ランドマーク2が表示されている地図1上に、この地図1上におけるユーザが希望する位置を入力操作部5を用いたユーザ操作(入力操作)にともなって指示するためのカーソルを表示した上で、当該カーソルによって指示されている前記ユーザが希望する位置に表示されているランドマーク2を対象ランドマークとして選択するようにしてもよい。なお、このように、カーソルによって指示されている位置に表示されているランドマーク2を対象ランドマークとして選択する操作は、このランドマーク2上に位置されているカーソルに対するタッパネルを用いたタッチ操作や、地図1上にカーソルとは個別に表示されている決定ボタンの操作等の地図1上における決定操作をともなうものであってもよい。また、カーソルの形状としては、十字状等の種々の形状を採用することができる。
【0051】
そして、このような構成によれば、カーソルを用いてユーザが希望するランドマーク2が表示されている地図1上の位置を特定することによって、ユーザが希望するランドマーク2を地図1の表示状態においてさらに簡便に選択することが可能となる。
【0052】
また、これ以外にも、ランドマーク選択部34は、前述したカーソルによって指示されているユーザが希望する位置の周辺の所定範囲の領域内に表示されているランドマーク2を対象ランドマークとして選択するようにしてもよい。なお、この場合には、ユーザが、カーソルによって指示されている位置の周辺の所定範囲の領域を把握するための画像(例えば、当該所定範囲の領域を包囲する枠)を表示するようにしてもよい。また、この場合においても、対象ランドマークを選択する操作が、カーソルに対するタッチパネルを用いたタッチ操作等の決定操作をともなうものであってもよい。
【0053】
そして、このような構成によれば、カーソルを用いてユーザが希望するランドマーク2が表示されている地図1上の領域を特定することによって、ユーザが希望するランドマーク2を地図1の表示状態においてより簡便に選択することが可能となる。
【0054】
さらに、これ以外にも、ランドマーク選択部34は、ランドマーク描画部33によって生成されるランドマーク2の描画データに、操作ボタンとしての機能を付与することによって、ランドマーク2を操作ボタンの機能を有した状態として前記地図1上に表示した上で、操作ボタンの機能が操作されたランドマーク2を対象ランドマークとして選択するようにしてもよい。
【0055】
そして、このような構成によれば、ランドマーク2における操作ボタンの機能を用いてユーザが希望するランドマーク2を地図1の表示状態においてさらに簡便に選択することが可能となる。
【0056】
また、対象ランドマークと同種のランドマーク2は、対象ランドマークによって示される施設と同一ブランドの施設を示すランドマーク2(すなわち、同一ブランドのランドマーク)であってもよく、または、対象ランドマークによって示される施設と同一業種の施設を示すランドマーク2(すなわち、同一業種のランドマーク)であってもよい。
【0057】
上記構成以外にも、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての操作画面描画部37を有しており、この操作画面描画部37は、メニュー画面、目的地設定用の操作画面等の種々の操作画面の描画データを生成し、生成された描画データをディスプレイ16に出力することによって、操作画面を表示するようになっている。
【0058】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての目的地設定部38を有しており、この目的地設定部38は、目的地設定用の操作画面に対する入力操作部15を用いたユーザの入力操作結果に対応した目的地を設定するようになっている。
【0059】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての経路探索部39を有しており、この経路探索部39は、目的地設定部38によって設定された目的地までの経路を探索するようになっている。
【0060】
さらにまた、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部40を有しており、この経路誘導部40は、経路探索部39によって探索された経路に沿って自車両を目的地まで経路誘導(ルート案内)するようになっている。この経路誘導は、ディスプレイ16への案内画像(交差点拡大画像等)の表示やスピーカ17からの案内音声(例えば、交差点右左折案内等)の出力によって行われるようになっている。
【0061】
次に、本実施形態の基本的な作用について、具体例を用いて説明する。
【0062】
なお、便宜上、初期状態において、ディスプレイ16には、図2(a)に示すように、地図描画部30によって地図1の画面が表示されているとともに、この地図1上に、自車位置描画部31によって自車位置マーク4が、ランドマーク描画部33によってランドマーク2が、それぞれ重畳表示されているものとする。
【0063】
また、このとき、画面の中央には、ランドマーク選択部34によって十字状のカーソル41が表示されているものとする。
【0064】
なお、図2(a)におけるカーソル41は、その表示位置が画面中央になるように固定されており、ユーザが入力操作部5を用いて地図1上における画面中央以外の地点を指定する操作(例えば、タッチパネルのタッチ操作)を行うと、指定された地点がカーソル41の位置(画面中央)に変位するように地図1全体が地図1上のランドマーク2とともにスクロールされることで、カーソル41による地図1上の指示位置が変更されるようになっている。
【0065】
ただし、このような構成に限定されるものではなく、例えば、カーソル41自体を地図1上における任意の地点上に入力操作部15の操作にともなって移動させるように構成してもよい。その場合には、常に自車位置マーク4を画面上に表示させておくことができ、地図1上におけるユーザが希望する位置と自車位置との関係をユーザが常時把握することができる。
【0066】
また、カーソル41は、地図表示の際に常時表示されるものであってもよく、地図1上にランドマーク2を表示するためのユーザ操作が行われた際に、ランドマーク2と同時に自動的に表示されるものであってもよく、あるいは、ランドマーク描画制御部35によるランドマーク2の限定表示に移行するための地図1の表示状態におけるユーザ操作(例えば、地図1上に表示された限定表示に移行するための操作ボタンの操作)が行われてはじめて表示されるものであってもよい。
【0067】
そして、初期状態から、ユーザが、入力操作部15を用いて地図1上における画面中央以外の所定の地点Pを指定する操作を行う。
【0068】
ここで、図2(a)に示すように、前記所定の地点Pは、石油販売業者のA石油が経営するガソリンスタンド(スタンドA)と、石油販売業者のB石油が経営するガソリンスタンド(スタンドB)との近傍とされている。
【0069】
そして、このような地図1上の所定の地点Pを指定する操作が行われると、図2(b)に示すように、地図描画部30およびランドマーク描画部33により、地図1全体がランドマーク2とともにスクロールされて、所定の地点Pがカーソル41による指示位置(画面中央)へと変位する。
【0070】
次いで、この図2(b)において、ユーザが、入力操作部15を用いてカーソル41に対する決定操作(例えば、タッチパネルにおけるカーソル41のタッチ操作)を行うと、図2(b)に示すように、ランドマーク選択部34により、図中の破線枠で囲まれるカーソル41の周辺の所定範囲の領域R内に表示されているスタンドAおよびスタンドBのランドマーク2が、対象ランドマークとして選択される。
【0071】
そして、このように、対象ランドマークが選択されると、図2(c)に示すように、図2(a)に示した自車位置周辺の地図1へと自動的にスクロールされた上で、ランドマーク描画制御部35の制御により、地図1上に表示されるランドマーク2が、対象ランドマークとしてのスタンドAおよびスタンドBのランドマーク2のみに限定される。
【0072】
このように限定表示が行われた地図1は、ランドマーク2の視認性はもとより、地図1中の道路3や自車位置マーク4の視認性も良好なものとなっているため、ユーザは、最寄りのスタンドAまたはスタンドBを迅速かつ適切に把握することができる。
【0073】
以上述べたように、本実施形態によれば、ランドマーク描画制御部35の制御により、ランドマーク選択部34によって地図1の表示状態において選択されたランドマーク2と同種のランドマーク2以外のランドマーク2を地図1上において非表示とすることができるので、簡便な操作によって、ユーザが希望するランドマークに限定した表示に切り替えることができる。
【0074】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0075】
例えば、本発明は、車載用ナビゲーション装置以外のナビゲーション装置にも適用可能なものである。
【0076】
例えば、ランドマーク選択部34は、図2(b)に示したカーソル41に対する決定操作が行われた後に、図3(a)に示すように、対象ランドマークと同一ブランドのランドマークまたは対象ランドマークと同一業種のランドマークのいずれの限定表示に移行するかを選択するための操作画面42を表示するようにしてもよい。
【0077】
この場合に、入力操作部15を用いたユーザ操作によって同一ブランドのランドマークの限定表示が選択された場合には、ランドマーク描画制御部35の制御により、図2(c)に示したものと同様の限定表示を行えばよい。また、同一業種のランドマークの限定表示が選択された場合には、図3(b)に示すように、対象ランドマークと同一業種(図3におけるガソリンスタンド)のすべてのランドマークが表示されるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置としての車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本実施形態における車載用ナビゲーション装置によって表示される画面において、(a)は、便宜上の初期画面を、(b)は、ランドマーク選択画面を、(c)は、ランドマーク限定表示画面を示す図
【図3】本実施形態における車載用ナビゲーション装置の図2と異なる実施形態において、(a)は、対象ランドマークと同一ブランドのランドマークの限定表示または対象ランドマークと同一業種のランドマークの限定表示を選択するための操作画面の表示状態を示し、(b)は、対象ランドマークと同一業種のランドマークの限定表示状態を示す図
【図4】従来のランドマーク表示の問題点の一例を示す図
【図5】従来のランドマーク表示の問題点の他の一例を(a)〜(c)の工程を用いて順次説明するための説明図
【符号の説明】
【0079】
10 車載用ナビゲーション装置
30 地図描画部
33 ランドマーク描画部
34 ランドマーク選択部
35 ランドマーク描画制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に地図を表示する地図表示手段と、
この地図表示手段によって表示されている前記地図上にランドマークを表示するランドマーク表示手段と
を備えたナビゲーション装置であって、
前記ランドマーク表示手段によって前記地図上に表示されている任意のランドマークを、前記地図の表示状態におけるユーザ操作にともなって選択する選択手段と、
この選択手段によって選択された前記任意のランドマークと同種のランドマーク以外のランドマークが前記地図上において非表示となるように前記ランドマーク表示手段による前記ランドマークの表示を制御するランドマーク表示制御手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記ランドマークが表示されている前記地図上に、この地図上におけるユーザが希望する位置をユーザ操作にともなって指示するためのカーソルを表示するように形成されているとともに、前記カーソルによって指示されている前記ユーザが希望する位置に表示されているランドマークを、前記任意のランドマークとして選択可能に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記ランドマークが表示されている前記地図上に、この地図上におけるユーザが希望する位置をユーザ操作にともなって指示するためのカーソルを表示するように形成されているとともに、前記カーソルによって指示されている前記ユーザが希望する位置の周辺の所定範囲の領域内に表示されているランドマークを、前記任意のランドマークとして選択可能に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記ランドマークを操作ボタンの機能を有した状態として前記地図上に表示した上で、前記操作ボタンの機能が操作された前記ランドマークを、前記任意のランドマークとして選択可能に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記選択手段によって選択された前記任意のランドマークと同種のランドマークは、当該任意のランドマークと同一ブランドのランドマークを含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記選択手段によって選択された前記任意のランドマークと同種のランドマークは、当該任意のランドマークと同一業種のランドマークを含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−101832(P2010−101832A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275527(P2008−275527)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】