説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザが使いたくなるような面白い機能を提供する。
【解決手段】本発明のナビゲーションシステム10は、車両に搭載され、リンクデータおよびリ図データを格納するデータベース26と、現在位置算出部25と、出発地点から目的地点までの経路を探索する経路探索部22と、車両の現在位置を示すカーマークを地図と共に表示することにより経路誘導を行う経路誘導部23と、車両の現在位置の変化に応じて、誘導経路において車両がどの程度の割合を既に走行したのかを示す走行割合を算出する走行割合算出21と、算出された走行割合に応じて、カーマークの形態を変化させるカーマーク制御部24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に搭載され、設定された目的地までの経路を探索し、探索した経路に基づいて誘導を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、画面に表示された地図上に、車両の現在位置を示すカーマークを表示することにより、車両の現在位置をユーザに通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−17572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のナビゲーション装置は、競合する他社製品との差別化を図るため、様々な機能が組み込まれる傾向にあり、高機能化および多機能化している。しかし、いくら便利な機能が組み込まれていたとしても、ユーザがその機能を使わなければ、ユーザにその機能の便利さを実感してもらえず、結果として製品の良さをユーザに味わってもらえない場合がある。
【0005】
そこで、ユーザがナビゲーション装置を使いたくなるような面白い機能や楽しい機能があれば、ユーザに積極的に便利な機能を使わせ、その便利な機能の利便性を実感させることができ、ひいてはナビゲーション装置の良さをユーザに実感してもらえることになる。
【0006】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーザがナビゲーション装置を使いたくなるような面白い機能を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、出発地から目的地までの誘導経路を探索する誘導経路探索手段と、車両が誘導経路上を移動した量を演算する移動量演算手段と、移動量演算手段によって演算された移動量に応じて、現在位置を表すカーマークの形態を決定するカーマーク制御手段と、誘導経路探索手段によって探索された誘導経路と、カーマーク制御手段によって決定された形態のカーマークとを表示する表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のナビゲーション装置によれば、ユーザがナビゲーション装置を使いたくなるような面白い機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態にかかるナビゲーションシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】データベース26に格納されるリンクテーブル260の構造の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態においてカーマーク制御部24が有するカーマークテーブル240の構造の一例を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における経路誘導処理(S200)の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態にかかるナビゲーションシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。
【図7】第2の実施形態における経路誘導処理(S200)の一例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態にかかるナビゲーションシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。
【図9】誘導回数の計数方法を説明するための概念図である。
【図10】第3の実施形態においてカーマーク制御部24が有するカーマークテーブル240の構造の一例を示す図である。
【図11】第3の実施形態における経路誘導処理(S200)の一例を示すフローチャートである。
【図12】ナビゲーション装置20の機能を実現するコンピュータ40の一例を示すハードウェア構成図である。
【図13】カーマークテーブル240の構造の他の例を示す図である。
【図14】カーマークテーブル240の構造の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるナビゲーションシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。ナビゲーションシステム10は、入力装置11、表示装置12、スピーカ13、センサ14、およびナビゲーション装置20を備える。ナビゲーション装置20は、走行割合算出部21、経路探索部22、経路誘導部23、カーマーク制御部24、現在位置算出部25、およびデータベース26を有する。
【0012】
データベース26には、地図データ、登録地点を示すデータ、およびリンクに関する情報を含むリンクテーブルが格納されている。リンクテーブルには、例えば図2に示すように、リンクに関するデータが、所定の地図領域毎のメッシュデータ261として格納されている。それぞれのメッシュデータ261には、それぞれのメッシュを識別するメッシュID262およびメッシュ内のリンクに関するデータであるリンクデータ263等が含まれる。
【0013】
それぞれのリンクデータ263には、それぞれのリンクを識別するリンクID264、リンクの開始ノード座標265、リンクの終了ノード座標266、リンクの道路種別267、リンク長268、リンクの開始ノードに接続されている他のリンクの識別情報である開始接続リンク269、およびリンクの終了ノードに接続されている他のリンクの識別情報である終了接続リンク270等が格納されている。
【0014】
センサ14は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機や方位センサ、距離センサ等であり、測地衛星から送信されたGPS信号や、車両の進行方位、車両の移動距離等を測定し、測定情報を現在位置算出部25に供給する。
【0015】
現在位置算出部25は、センサ14からの測定情報およびデータベース26に格納されたリンクデータに基づいて、ナビゲーション装置20が搭載された車両が例えば所定距離移動する毎に、例えばマップマッチング等により当該車両の現在位置を算出し、算出した車両の現在位置を示す情報を経路探索部22および経路誘導部23に提供する。
【0016】
経路探索部22は、出発地点、目的地点、および経由地点の座標や、探索条件等を含む探索情報を、タッチパネル等の入力装置11を介してユーザから受け付けた場合に、データベース26内のリンクデータを参照し、当該探索情報に基づいて、例えばダイクストラ法等のアルゴリズムを用いて、出発地点から目的地点までの経路を探索し、探索結果を表示装置12に表示する。なお、経路探索部22は、車両の現在位置を出発地点として経路探索を実行してもよい。
【0017】
そして、経路探索部22は、入力装置11を介してユーザから探索された経路を指定する情報を受け付けた場合に、指定された経路を誘導経路として走行割合算出部21および経路誘導部23へ送る。
【0018】
また、経路探索部22は、誘導中の経路と車両の現在位置との関係が予め定められた条件を満たした場合(例えば誘導経路から車両の現在位置までの距離が100m以上離れた場合等)に、誘導経路を再度探索し、再探索した誘導経路を走行割合算出部21および経路誘導部23へ送る。
【0019】
経路誘導部23は、経路探索部22から誘導経路を示す情報を受け取った場合に、カーマーク制御部24からカーマークを受け取る。そして、経路誘導部23は、データベース26に格納されている、車両の現在位置付近の地図データと共に、車両の現在位置にカーマーク制御部24から受け取ったカーマークを表示することにより、経路誘導を開始する。
【0020】
そして、経路誘導部23は、現在位置算出部25によって算出された車両の現在位置およびデータベース26に格納されているリンクデータを参照して、誘導経路上において、車両の前方所定距離以内に、進行方向を指示すべき案内地点が存在する場合に、当該案内地点に関する画像を表示装置12に表示すると共に、誘導を示す音声をスピーカ13を介して再生することにより、進むべき方向を案内する。
【0021】
走行割合算出部21は、経路探索部22から誘導経路を受け取った場合に、当該誘導経路に含まれるそれぞれのリンクのリンクデータをデータベース26から取得し、当該誘導経路の総旅行距離を算出する。そして、走行割合算出部21は、現在位置算出部25によって車両の現在位置が更新される都度、当該誘導経路について、出発地点から車両の現在位置までの距離を算出し、車両が誘導経路においてどの程度の割合を既に走行したのかを示す走行割合を算出し、算出した走行割合をカーマーク制御部24へ送る。
【0022】
カーマーク制御部24は、例えば図3に示すように、走行割合の範囲241を示す情報に対応付けて、カーマーク242のデータが登録されているカーマークテーブル240を予め格納している。カーマーク制御部24は、走行割合算出部21から走行割合を受け取った場合に、カーマークテーブル240を参照して、受け取った走行割合が含まれる範囲に対応するカーマークを選択し、選択したカーマークのデータを経路誘導部23へ送る。
【0023】
なお、カーマークテーブル240内に登録されているカーマークのデータは、ナビゲーション装置20の取扱説明書等によってナビゲーション装置20のユーザに予め認識されているものであり、ユーザは、カーマークの形態を見るだけで、現在の走行割合の範囲を認識することができる。
【0024】
そのため、表示装置12に到着予想時間や現在位置から目的地点に至るまでの所要時間等を表示しなくても、ナビゲーション装置20は、ユーザに現在の走行割合の範囲を認識させることができる。従って、ナビゲーション装置20は、表示装置12に表示する情報を削減することができ、表示装置12の表示をより見易くすることができると共に、表示装置12の表示領域をより有効に活用することができる。
【0025】
図4は、ナビゲーション装置20の動作の一例を示すフローチャートである。電源が投入される等の所定のタイミングで、ナビゲーション装置20は、本フローチャートに示す動作を開始する。
【0026】
まず、経路探索部22は、入力装置11を介して、出発地点、目的地点、および経由地点の座標や、探索条件等を含む探索情報を、ユーザから受け付けたか否かを判定することにより、経路探索を指示されたか否かを判定する(S100)。ユーザから経路探索が指示された場合(S100:Yes)、経路探索部22は、データベース26内のリンクデータを参照し、当該探索情報に基づいて、例えばダイクストラ法等のアルゴリズムを用いて、出発地点から目的地点までの経路を探索し(S101)、探索結果を表示装置12に表示する。
【0027】
次に、経路探索部22は、入力装置11を介してユーザから探索された経路を指定する情報を受け付けたか否かを判定することにより、誘導経路が決定されたか否かを判定する(S102)。ユーザから経路探索が指示されていない場合(S100:No)、または、誘導経路が決定されなかった場合(S102:No)、経路探索部22は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0028】
誘導経路が決定された場合(S102:Yes)、経路探索部22は、決定された誘導経路を走行割合算出部21および経路誘導部23へ送る。そして、ナビゲーション装置20は、後述する経路誘導処理を実行し(S200)、経路探索部22は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0029】
図5は、第1の実施形態における経路誘導処理(S200)の一例を示すフローチャートである。
【0030】
まず、走行割合算出部21は、走行割合を0に初期化し(S201)、初期化した走行割合をカーマーク制御部24へ送る。カーマーク制御部24は、走行割合算出部21から受け取った走行割合に対応するカーマークをカーマークテーブル240から選択し(S202)、選択したカーマークを経路誘導部23へ送る。経路誘導部23は、データベース26に格納されている、車両の現在位置付近の地図データと共に、車両の現在位置にカーマーク制御部24から受け取ったカーマークを表示することにより、経路誘導を開始する。
【0031】
次に、経路誘導部23は、現在位置算出部25によって算出された車両の現在位置およびデータベース26に格納されているリンクデータを参照して、誘導経路上において、車両の前方所定距離以内に案内地点が存在するか否かを判定する(S203)。車両の前方所定距離以内に案内地点が存在する場合(S203:Yes)、経路誘導部23は、当該案内地点は、既に案内済みの案内地点か否かを判定する(S204)。
【0032】
未だ案内が行われていない案内地点である場合(S204:No)、経路誘導部23は、当該案内地点に関する画像を表示装置12に表示すると共に、誘導を示す音声をスピーカ13を介して再生することにより、進むべき方向を案内し(S205)、当該案内地点を案内済みとして記憶し、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0033】
車両の前方所定距離以内に案内地点が存在しない場合(S203:No)、または、当該案内地点は、既に案内済みの案内地点である場合(S204:Yes)、経路探索部22は、再探索の条件が満たされた(例えば誘導経路から車両の現在位置までの距離が100m以上離れた等)か否かを判定する(S206)。
【0034】
再探索条件が満たされた場合(S206:Yes)、経路探索部22は、車両の現在位置およびリンクデータに基づいて誘導経路を再度探索する(S207)。そして、経路探索部22は、再探索した誘導経路を走行割合算出部21および経路誘導部23へ送り、経路誘導部23は、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0035】
再探索条件が満たされていない場合(S206:No)、経路誘導部23は、ユーザから経路誘導の終了が指示された、あるいは、車両が目的地付近に到着した等の理由により経路誘導を終了するか否かを判定する(S208)。経路誘導を終了する場合(S208:Yes)、ナビゲーション装置20は、本フローチャートに示した経路誘導処理を終了する。
【0036】
経路誘導を続行する場合(S208:No)、走行割合算出部21は、現在位置算出部25によって更新された車両の現在位置に基づいて走行割合を更新し(S209)、更新した走行割合をカーマーク制御部24へ送る。カーマーク制御部24は、走行割合算出部21から受け取った走行割合に対応するカーマークをカーマークテーブル240から選択し(S210)、選択したカーマークを経路誘導部23へ送る。経路誘導部23は、カーマーク制御部24によって選択されたカーマークを用いて経路誘導を続け、経路誘導部23は、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0037】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0038】
上記説明から明らかなように、本実施形態のナビゲーションシステム10によれば、ユーザがナビゲーション10を使いたくなるような面白い機能を提供することができる。これにより、ナビゲーションシステム10は、便利な機能をユーザに積極的に使わせ、その便利な機能の利便性をユーザに実感させることができ、ひいてはナビゲーションシステム10の良さをユーザに実感してもらうことができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0040】
図6は、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。ナビゲーションシステム10は、入力装置11、表示装置12、スピーカ13、センサ14、およびナビゲーション装置20を備える。
【0041】
本実施形態のナビゲーション装置20は、走行割合算出部21、経路探索部22、経路誘導部23、カーマーク制御部24、現在位置算出部25、データベース26、および旅行時間算出部27を有する。なお、以下に説明する点を除き、図6において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0042】
経路探索部22は、ユーザが指定した誘導経路を経路誘導部23および旅行時間算出部27へ送る。また、誘導経路の再探索を行った場合、経路探索部22は、再探索した誘導経路を経路誘導部23および旅行時間算出部27へ送る。
【0043】
旅行時間算出部27は、FM多重放送や電波ビーコン等を介して配信される渋滞情報をアンテナ15を介して随時取得する。また、旅行時間算出部27は、経路探索部22から誘導経路を受け取った場合に、当該誘導経路に含まれるそれぞれのリンクのリンクデータをデータベース26から取得し、最新の渋滞情報に基づいて当該誘導経路の総旅行時間を算出し、算出した総旅行時間を走行割合算出部21へ送る。
【0044】
また、旅行時間算出部27は、経路探索部22から受け取った誘導経路に含まれるリンクの渋滞情報が更新される都度、あるいは、経路探索部22によって誘導経路が再探索される都度、誘導経路の総旅行時間を再計算して走行割合算出部21へ送る。
【0045】
走行割合算出部21は、旅行時間算出部27から誘導経路の総旅行時間を受け取った後に時間の経過を測定し、当該総旅行時間に対する経過時間の割合を走行割合として算出し、算出した走行割合をカーマーク制御部24へ送る。なお、旅行時間算出部27から再計算された総旅行時間を受け取った場合、走行割合算出部21は、走行割合の算出に用いていた総旅行時間を受け取った総旅行時間で置き換えることにより、走行時間を再計算し、再計算した走行割合をカーマーク制御部24へ送る。
【0046】
図7は、第2の実施形態における経路誘導処理(S200)の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する点を除き、図7において、図5と同じ符号を付した処理は、図5における処理と同様であるため説明を省略する。
【0047】
ステップS207において誘導経路を再探索した後、経路探索部22は、再探索した誘導経路を経路誘導部23および旅行時間算出部27へ送る。旅行時間算出部27は、再探索された誘導経路に含まれるそれぞれのリンクのリンクデータをデータベース26から取得し、最新の渋滞情報に基づいて当該誘導経路の総旅行時間を再計算し(S220)、再計算した総旅行時間を走行割合算出部21へ送り、経路誘導部23は、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0048】
ステップS206において、再探索条件が満たされていない場合(S206:No)、旅行時間算出部27は、現在の誘導経路に含まれるリンクの渋滞情報が更新されたか否かを判定する(S221)。渋滞情報が更新された場合(S221:Yes)、旅行時間算出部27は、ステップS220に示した処理を実行する。渋滞情報が更新されていない場合(S221:No)、経路誘導部23は、ステップS208に示した処理を実行する。
【0049】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0050】
上記説明から明らかなように、本実施形態のナビゲーションシステム10によれば、誘導経路の総旅行時間に対する、出発してからの経過時間を走行割合として用いた場合であっても、ユーザがナビゲーション10を使いたくなるような面白い機能を提供することができる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0052】
図8は、第3の実施形態にかかるナビゲーションシステム10の構成の一例を示すシステム構成図である。ナビゲーションシステム10は、入力装置11、表示装置12、スピーカ13、センサ14、およびナビゲーション装置20を備える。
【0053】
本実施形態のナビゲーション装置20は、経路探索部22、経路誘導部23、カーマーク制御部24、現在位置算出部25、データベース26、および誘導回数算出部28を有する。なお、以下に説明する点を除き、図8において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0054】
経路探索部22は、ユーザが指定した誘導経路を経路誘導部23へ送る。また、誘導経路の再探索を行った場合、経路探索部22は、再探索した誘導経路を経路誘導部23へ送る。経路誘導部23は、例えば図9に示すように、登録地点32から所定距離(例えば300m)以内の範囲33を車両が通過した場合、誘導経路30上の案内地点31を車両が通過した場合、または、経路誘導を終了した場合に、その旨を誘導回数算出部28に通知する。
【0055】
誘導回数算出部28は、経路誘導部23によって経路誘導が開始された後に、登録地点32から所定距離以内の範囲33を車両が通過した旨、誘導経路30上の案内地点31を車両が通過した旨、および、経路誘導を終了した旨を、経路誘導部23から通知される都度、これらの回数を合計した誘導回数を算出し、算出した誘導回数をカーマーク制御部24へ送る。
【0056】
例えば、登録地点32から所定距離以内の範囲33を車両が通過した回数が4回であり、誘導経路30上の案内地点31を車両が通過した回数が3回であり、経路誘導を終了した回数(すなわち、経路誘導が実行された回数)が1回である場合、誘導回数算出部28は、誘導回数を8回と算出する。
【0057】
カーマーク制御部24は、例えば図10に示すように、誘導回数の範囲243を示す情報に対応付けて、カーマーク242のデータが登録されているカーマークテーブル240を予め格納している。カーマーク制御部24は、誘導回数算出部28から誘導回数を受け取った場合に、カーマークテーブル240を参照して、受け取った誘導回数が含まれる範囲に対応するカーマークを選択し、選択したカーマークのデータを経路誘導部23へ送る。
【0058】
なお、本実施形態において、カーマーク制御部24は、ユーザからリセットの指示があるまで、ナビゲーション装置20内の不揮発性メモリ等に誘導回数の累積値を保存し、経路誘導が終了した、あるいは、ナビゲーション装置20への電源供給が遮断された場合であっても、前回までの誘導回数の累積値を保持して次回の経路誘導時に使用する。
【0059】
図11は、第3の実施形態における経路誘導処理(S200)の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する点を除き、図11において、図5と同じ符号を付した処理は、図5における処理と同様であるため説明を省略する。
【0060】
ステップS205において、案内地点に関する画像を表示装置12に表示すると共に、誘導を示す音声をスピーカ13を介して再生することにより、経路誘導を行った後、経路誘導部23は、誘導経路上の案内地点を車両が通過した旨を示す情報を誘導回数算出部28へ送る。誘導回数算出部28は、誘導回数を1増やすことにより誘導回数を更新し(S230)、経路誘導部23は、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0061】
ステップS206において、再探索条件が満たされていない場合(S206:No)、経路誘導部23は、車両の現在位置が登録地点から所定距離以内の範囲を通過したか否かを判定する(S231)。車両の現在位置が登録地点から所定距離以内の範囲を通過した場合(S231:Yes)、経路誘導部23は、その旨を誘導回数算出部28に通知する。誘導回数算出部28は、誘導回数を1増やすことにより誘導回数を更新し(S232)、経路誘導部23は、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0062】
ステップS208において、経路誘導を終了する場合(S208:Yes)、経路誘導部23は、その旨を誘導回数算出部28に通知する。誘導回数算出部28は、誘導回数を1増やすことにより誘導回数を更新し(S233)、ナビゲーション装置20は、本フローチャートに示した経路誘導処理を終了する。
【0063】
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
【0064】
上記説明から明らかなように、本実施形態のナビゲーションシステム10によれば、ナビゲーション装置20を用いて経路誘導を実行すればするほどカーマークの形態が変化する。これにより、ユーザに、カーマークの変化の楽しみを与えることができ、ユーザに、ナビゲーション装置20の機能を使ってもらうことができる。
【0065】
なお、上記した各実施形態のナビゲーション装置20は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ40によって実現される。コンピュータ40は、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)44、入力インターフェイス(I/F)45、出力インターフェイス(I/F)46、およびメディアインターフェイス(I/F)47を備える。
【0066】
CPU41は、ROM43またはHDD44に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM43は、コンピュータ40の起動時にCPU41によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ40のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。HDD44は、CPU41によって実行されるプログラムを格納する。
【0067】
入力インターフェイス45は、入力装置11またはセンサ14からの信号を受信してCPU41へ送る。CPU41は、入力インターフェイス45を介して、入力装置11およびセンサ14を制御し、入力インターフェイス45を介して、入力装置11またはセンサ14から信号を取得する。出力インターフェイス46は、CPU41から取得したデータを、表示装置12またはスピーカ13へ出力する。CPU41は、出力インターフェイス46を介して、表示装置12およびスピーカ13を制御し、生成したデータを、出力インターフェイス46を介して表示装置12またはスピーカ13へ出力する。
【0068】
メディアインターフェイス47は、記録媒体48に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM42を介してCPU41に提供する。CPU41は、当該プログラムを、メディアインターフェイス47を介して記録媒体48からRAM42上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体48は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0069】
コンピュータ40が第1の実施形態におけるナビゲーション装置20として機能する場合、コンピュータ40のCPU41は、RAM42上にロードされたプログラムを実行することにより、走行割合算出部21、経路探索部22、経路誘導部23、カーマーク制御部24、現在位置算出部25、およびデータベース26の各機能を実現する。また、ROM43またはHDD44には、カーマーク制御部24が有するデータおよびデータベース26内のデータが格納される。
【0070】
コンピュータ40が第2の実施形態におけるナビゲーション装置20として機能する場合、コンピュータ40のCPU41は、RAM42上にロードされたプログラムを実行することにより、走行割合算出部21、経路探索部22、経路誘導部23、カーマーク制御部24、現在位置算出部25、データベース26、および旅行時間算出部27の各機能を実現する。また、ROM43またはHDD44には、カーマーク制御部24が有するデータおよびデータベース26内のデータが格納される。また、第2の実施形態におけるナビゲーション装置20には、この他に、アンテナ15および渋滞情報を受信するための受信機が設けられる。
【0071】
コンピュータ40が第3の実施形態におけるナビゲーション装置20として機能する場合、コンピュータ40のCPU41は、RAM42上にロードされたプログラムを実行することにより、経路探索部22、経路誘導部23、カーマーク制御部24、現在位置算出部25、データベース26、および誘導回数算出部28の各機能を実現する。また、ROM43またはHDD44には、カーマーク制御部24が有するデータおよびデータベース26内のデータが格納される。
【0072】
コンピュータ40は、これらのプログラムを、記録媒体48から読み取って実行するが、他の例として、コンピュータ40に通信機能を設け、有線または無線の通信回線を介してこれらのプログラムを取得するようにしてもよい。
【0073】
また、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0074】
例えば、上記した第3の実施形態において、ナビゲーション装置20は、指定された目的地点のジャンルに応じて、カーマークの形態の変化のさせかたを変えてもよい。例えば、カーマーク制御部24は、図13に示すように、目的地点のジャンルを識別する種別244に対応付けて、誘導回数の範囲245毎に採用するカーマークの形態を対応付けたカーマークテーブル240を保持する。
【0075】
図13において、例えば、目的地点のジャンルが「食事」である場合、カーマーク制御部24は、誘導回数に応じて、カーマークの大きさを変える。また、目的地点のジャンルが「ビジネス」である場合、カーマーク制御部24は、誘導回数に応じて、カーマークの色を変える。また、目的地点のジャンルが「レジャー」である場合、カーマーク制御部24は、誘導回数に応じて、カーマークの種類を変える。
【0076】
これにより、設定した目的地点のジャンルに応じて、カーマークの変化が異なり、ユーザは、より多彩なカーマークの変化を楽しむことができる。なお、色や大きさを変える場合には、図13に示した4段階に限らず、誘導回数が1回増える毎に連続的に色や大きさを変えるようにしてもよい。
【0077】
また、上記した第1または第2の実施形態において、カーマーク制御部24は、例えば図14に示すように、生き物の成長を模擬したカーマークを用いてもよい。これにより、ユーザは、ナビゲーション装置20の説明書等により、カーマークの変化の過程を予め調べておかなくても、ユーザの経験から、カーマークの変化の過程の中での現在の状態を認識することができ、現在の走行割合の範囲を認識することができる。
【0078】
また、上記した第3の実施形態においても、図14に示したような、生き物の成長を模擬したカーマークが用いられてもよい。この場合、ナビゲーション装置20は、経路誘導中の画面において、登録地点や案内地点付近を通過した場合に、カーマークの生き物が、登録地点や案内地点を示すアイコン(図9の符号32や31で示したアイコン)を食べるようなしぐさを表示することにより、カーマークの生き物の成長がよりリアルに表現され、ユーザにさらなる楽しさを与えることができる。
【0079】
また、上記した第3の実施形態では、経路誘導の回数、案内地点の通過回数、および登録地点付近を通過した回数を合計したものを誘導回数として用いたが、本発明はこれに限られず、経路誘導の回数のみ、案内地点の通過回数のみ、または、登録地点付近を通過した回数のみを誘導回数として用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10・・・ナビゲーションシステム、11・・・入力装置、12・・・表示装置、13・・・スピーカ、14・・・センサ、15・・・アンテナ、20・・・ナビゲーション装置、21・・・走行割合算出部、22・・・経路探索部、23・・・経路誘導部、24・・・カーマーク制御部、240・・・カーマークテーブル、25・・・現在位置算出部、26・・・データベース、27・・・旅行時間算出部、28・・・誘導回数算出部、30・・・誘導経路、31・・・案内地点、32・・・登録地点、33・・・範囲、34・・・カーマーク、40・・・コンピュータ、41・・・CPU、42・・・RAM、43・・・ROM、44・・・HDD、45・・・入力インターフェイス、46・・・出力インターフェイス、47・・・メディアインターフェイス、48・・・記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
出発地から目的地までの誘導経路を探索する誘導経路探索手段と、
前記車両が前記誘導経路上を移動した量を演算する移動量演算手段と、
前記移動量演算手段によって演算された移動量に応じて、前記現在位置を表すカーマークの形態を決定するカーマーク制御手段と、
前記誘導経路探索手段によって探索された誘導経路と、前記カーマーク制御手段によって決定された形態のカーマークとを表示する表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導経路探索手段は、
所定の条件が満たされた場合に、前記目的地に至る誘導経路を再度探索し、
前記移動量演算手段は、
前記誘導経路探索手段によって、再度探索された誘導経路を用いて前記車両が移動した量を演算することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記移動量演算手段は、
前記誘導経路の出発地から目的地までの距離に対する、前記出発地から前記現在位置までの前記誘導経路上の移動距離の割合を演算することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記移動量演算手段は、
前記誘導経路の出発地から目的地までの旅行時間に対する、前記出発地から前記現在位置までの移動時間の割合を演算することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
随時、交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記交通情報が取得されたときに、前記現在位置から前記誘導経路を通って前記目的地に到着するまでの移動時間を推定する移動時間推定手段と
をさらに備え、
前記移動量演算手段は、
前記移動時間推定手段によって推定された移動時間を用いて、前記移動時間の割合を演算することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
出発地から目的地までの誘導経路を探索する誘導経路探索手段と、
前記誘導経路を用いて前記車両の経路誘導を行った回数を計数する誘導回数計数手段と、
前記誘導回数計数手段によって計数された回数に応じて、前記現在位置を表すカーマークの形態を決定するカーマーク制御手段と、
前記誘導経路探索手段によって探索された誘導経路と、前記カーマーク制御手段によって決定された形態のカーマークとを表示する表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導回数計数手段は、
前記誘導経路上に設定された経路誘導を行うポイントを前記車両が通過した回数を、前記経路誘導を行った回数として計数することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
ユーザによって設定された登録地点を格納する登録地点格納手段をさらに備え、
前記誘導回数計数手段は、
前記車両が前記登録地点から所定距離以内を通過した回数を、前記経路誘導を行った回数として計数することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記カーマーク制御手段は、
予め定められた複数の形態のカーマークの中から所定の形態のカーマークを選択することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記カーマーク制御手段は、
目的地のジャンルに応じて、異なった形態の前記カーマークを選択することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−276453(P2010−276453A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128883(P2009−128883)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】