説明

ナビゲーション装置

【課題】様々な情報を画面表示してユーザに提供する車載情報端末において、ユーザの確認時間を考慮してその表示時間を変化させることができるものを提供する。
【解決手段】受信したVICS(登録商標)情報に基づいて割り込み画像を表示し(ステップS50)、所定の表示時間の経過後に(ステップS60)、その割り込み画像を消去する(ステップS70)。このとき、割り込み画像の文字数や渋滞情報の有無に応じて(ステップS30、S31)、長い表示時間と短い表示時間のいずれかを設定する(ステップS40、S41)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な情報を画面表示してユーザに提供する車載情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
道路地図や交通情報などの様々な情報を画面表示してユーザに提供する車載情報端末において、状況に応じて画面表示の切替時間を変化させるものが知られている。たとえば、道路交通情報通信システム(VICS(登録商標))によって取得された交通情報(VICS(登録商標)情報)をディスプレイに割り込み表示するナビゲーション装置において、走行地点の道路の種類や、経路誘導中であるか否かなどの状況に応じて、その割り込み表示時間を変化させるものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−267469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
VICS(登録商標)によって取得されるVICS(登録商標)情報は、走行地点の道路の種類や経路誘導中であるか否かなどの状況が同じであっても、その内容やユーザの過去の経験の違いなどから、ユーザにとって必要な確認時間が常に同じとは限らない。しかし、特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、ユーザにとって必要な確認時間を考慮せずにVICS(登録商標)情報の割り込み表示時間を変化させている。このように、従来の車載情報端末では、ユーザにとって必要な確認時間を考慮して画面表示の切替時間を変化させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載情報端末は、第1の画面を表示モニタに表示し、所定の表示切替時間の経過後に、第1の画面を第2の画面に切り替える表示制御手段と、第1の画面に含まれる情報量に基づいて、表示切替時間を変化させる時間制御手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の車載情報端末において、情報量とは、第1の画面に含まれる文字の数であることとするものである。
請求項3の発明は、請求項2の車載情報端末において、外部から送信される道路交通情報を受信する受信手段をさらに備え、表示制御手段は、第1の画面として、受信手段により受信された道路交通情報の内容を表した文字画像を含む画面を表示し、時間制御手段は、第1の画面に含まれる文字画像における文字の数に基づいて、表示時間を変化させるものである。
請求項4の発明は、請求項1の車載情報端末において、情報量とは、第1の画面に含まれる渋滞情報の量であることとするものである。
請求項5の発明は、請求項4の車載情報端末において、外部から送信される道路交通情報を受信する受信手段をさらに備え、表示制御手段は、第1の画面として、受信手段により受信された道路交通情報の内容を表した簡易図形画像を含む画面を表示し、時間制御手段は、第1の画面に含まれる簡易図形画像における渋滞箇所の数に基づいて、表示時間を変化させるものである。
請求項6の発明による車載情報端末は、第1の画面を表示モニタに表示し、所定の表示切替時間の経過後に、第1の画面を第2の画面に切り替える表示制御手段と、第1の画面と第2の画面のいずれかをユーザに選択させるための操作手段と、表示切替時間に関わらず、第1の画面または第2の画面のうち、操作手段によってユーザに選択された方を表示モニタに表示する表示選択手段と、操作手段によるユーザの画面選択履歴に基づいて、表示切替時間を変化させる時間制御手段とを備えるものである。
請求項7の発明は、請求項6の車載情報端末において、画面選択履歴において過去に第1の画面が表示モニタに表示されているときに第2の画面がユーザに選択されていた場合、時間制御手段は、表示切替時間を短くするものである。
請求項8の発明は、請求項6の車載情報端末において、画面選択履歴において過去に第2の画面が表示モニタに表示されているときに第1の画面がユーザに選択されていた場合、時間制御手段は、表示切替時間を長くするものである。
請求項9の発明は、請求項6〜8いずれか一項の車載情報端末において、第1の画面に含まれる情報量に基づいて表示切替時間を変化させる第2の時間制御手段をさらに備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、様々な情報を画面表示してユーザに提供する車載情報端末において、ユーザの確認時間を考慮してその表示時間を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】VICS(登録商標)情報による簡易図形画像が割り込み表示された画面例である。
【図3】VICS(登録商標)情報を割り込み表示するときのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図5】キーワード入力画面の例である。
【図6】検索結果画面の例である。
【図7】検索結果画面においてメニュー項目を選択した後に表示される画面の例である。
【図8】操作手順に従って選択メニューの階層ごとの表示内容を連続的に表示するときに最初に表示される説明画面の例である。
【図9】図8の次に表示され説明画面の具体例である。
【図10】図9の次に表示される説明画面の具体例である。
【図11】メニュー選択モードにおいて実行されるフローチャートである。
【図12】ヘルプモードにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図13】説明画面表示処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
本発明の第1の実施の形態について以下に説明する。本実施形態によるナビゲーション装置は図1に示す構成を有している。このナビゲーション装置は車両に搭載されており、推奨経路を探索して道路地図を表示することにより、自車両を目的地まで誘導する。また、VICS(登録商標)センターから送信される渋滞情報など各種の道路交通情報(VICS(登録商標)情報)を受信して、そのVICS(登録商標)情報を道路地図上に表示する。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、VICS(登録商標)情報受信部18およびディスクドライブ19を有している。ディスクドライブ19には、地図データが記録されたDVD−ROM20が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、後で説明するような各種の処理や制御を行う。現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロセンサ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等の各種センサ類からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出される自車両の現在地に基づいて、後述する経路探索開始点を決定したり、自車位置を道路地図上に示したりすることができる。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、道路地図を表示するための道路地図描画用データや各種の図形データ等からなり、DVD−ROM20に記録されている地図データや、後で説明するVICS(登録商標)情報受信部18により受信したVICS(登録商標)情報に基づいて、制御回路11において作成される。制御回路11により作成された画像データが画像メモリ15に出力されることによって、表示モニタ16に道路地図が表示され、さらに、その道路地図上に様々な道路交通情報が表示される。
【0011】
入力装置17は、車両の目的地や経由地(以下、これらを合わせて単に目的地という)をユーザが設定したりするための各種入力スイッチを有している。この入力装置17は、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を操作することにより、地名や地図上の位置などを指定して目的地を設定することができる。
【0012】
VICS(登録商標)情報受信部18は、不図示のVICS(登録商標)情報センターからナビゲーション装置1に対して送信されるVICS(登録商標)情報を受信する。このVICS(登録商標)情報により、渋滞情報や通行規制情報、駐車場情報などの様々な道路交通情報がナビゲーション装置1に対して送信される。VICS(登録商標)情報受信部18において受信されたVICS(登録商標)情報は制御回路11に出力され、前述したように制御回路11において、そのVICS(登録商標)情報の内容を道路地図上に画像表示するための画像データが作成される。このようにして、受信されたVICS(登録商標)情報の内容が表示モニタ16に画像表示される。
【0013】
VICS(登録商標)情報センターからナビゲーション装置1へのVICS(登録商標)情報の送信は、主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって行われる。電波ビーコンや光ビーコンは、その設置地点付近を通過する車両に対して、電波あるいは光(赤外線)により局所的にVICS(登録商標)情報を送信するものである。これに対して、FM多重放送では比較的広い地域に対してVICS(登録商標)情報を送信することができる。
【0014】
ディスクドライブ19は、装填されたDVD−ROM20より、道路地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、ルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。なお、道路データには各道路の道路区分(道路種別)を表すための道路区分データが含まれている。この道路区分により、たとえば高速道路や国道、県道などが表される。
【0015】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0016】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して道路地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された道路地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、道路地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0017】
上記のルート案内の際には、自車位置を示すための自車位置マークが道路地図上に表示される。この自車位置マークが自車両の走行に合わせて道路地図上を移動することにより、ユーザはどの地点を自車両が走行しているか知ることができる。この自車位置は、前述のように現在地検出装置14によって検出される。
【0018】
ナビゲーション装置1は、VICS(登録商標)情報受信部18によりVICS(登録商標)情報を受信すると、そのVICS(登録商標)情報の内容を表示モニタ16に画像表示する。たとえば、道路上の渋滞箇所をその渋滞度合いに応じてオレンジ色や赤色で示したり、通行規制箇所を特定のマークを用いて示したりする。また、駐車場の空き状況に応じて色分けした駐車場マークを道路地図上の各駐車場の位置に表示することにより、駐車場情報の内容を表示する。このように、各種の道路交通情報が様々な表示マークを用いて道路地図上に表される。
【0019】
なお、VICS(登録商標)センターより送信されるVICS(登録商標)情報にはレベル1〜レベル3の3段階のレベルがあり、VICS(登録商標)情報のレベルによって表示形態が異なる。レベル1の場合、文字によってVICS(登録商標)情報の内容が表される。たとえば、渋滞地点名や渋滞距離、ある地点間の所要時間などを表現した文章が、レベル1のVICS(登録商標)情報として表示される。レベル2のVICS(登録商標)情報は、簡易図形(道路線形を簡易的な図形で表したもの)を用いて表される。たとえば、特定の道路の渋滞箇所を赤やオレンジ色などによって簡易図形上に表した画像が、レベル2のVICS(登録商標)情報として表示される。レベル3のVICS(登録商標)情報は、道路地図と組み合わせることによって表される。すなわち、前述したような渋滞箇所や通行規制箇所、駐車場マークなどを道路地図上に表示することにより、レベル3のVICS(登録商標)情報の表示が行われる。
【0020】
上記の3段階のVICS(登録商標)情報のうち、レベル1とレベル2のVICS(登録商標)情報については、受信されたときに所定時間だけ画面上に割り込み表示される。すなわち、道路地図の表示中にレベル1またはレベル2のVICS(登録商標)情報が受信されると、そのVICS(登録商標)情報による文字画像(レベル1)または簡易図形画像(レベル2)が道路地図上に重ねて表示される。こうしてVICS(登録商標)情報が割り込み表示されてから所定の表示時間が経過すると、道路地図上に表示されていた文字画像または簡易図形画像が画面から消され、元の道路地図画面に切り替えられる。
【0021】
図2(a)は、VICS(登録商標)情報の受信前に表示モニタ16に表示されている道路地図画面の例を表している。ここでレベル2のVICS(登録商標)情報が受信され、そのVICS(登録商標)情報による簡易図形画像が割り込み表示されると、図2(b)に示すような画面に切り替えられる。この画面では、符号31に示す簡易図形画像が道路地図上に重ねて表示されている。簡易図形画像31には、現在地から見た各進行方面に対してそれぞれ設定された各目標地点の地名、その各目標地点までの所要時間、道路名、路線番号などが表示されている。なお、簡易図形上のハッチング部分32は、その方面へ向かう道路が渋滞していることを表している。
【0022】
図2(b)の画面に切り替えられてから所定の表示時間が経過すると、画面が再び図2(a)の画面に切り替えられる。なお、ここではレベル2のVICS(登録商標)情報によって簡易図形画像が割り込み表示された例を説明したが、レベル1のVICS(登録商標)情報により文字画像を割り込み表示する場合も同様である。
【0023】
ナビゲーション装置1は、上記のようにしてレベル1のVICS(登録商標)情報による文字画像やレベル2のVICS(登録商標)情報による簡易図形画像を割り込み表示するときには、その画像に含まれる情報量に応じて表示時間を変化させる。情報量が多いときには割り込み表示する時間を長くし、情報量が少ないときには割り込み表示する時間を短くする。このようにすることで、ユーザにとって必要な確認時間を考慮して、VICS(登録商標)情報による割り込み表示の時間を変化させることができる。
【0024】
本実施形態においてVICS(登録商標)情報を割り込み表示するときに実行されるフローチャートを図3に示す。このフローチャートは制御回路11において実行されるものであり、VICS(登録商標)情報受信部18によってレベル1またはレベル2のVICS(登録商標)情報が受信されたときに実行される。なお、レベル3のVICS(登録商標)情報が受信された場合は、前述のように渋滞情報などを道路地図と組み合わせて表示するための処理が実行され、図3のフローチャートは実行されない。
【0025】
ステップS10では、VICS(登録商標)情報受信部18によって受信されたVICS(登録商標)情報を制御回路11において入力する。ステップS20では、ステップS10で入力されたVICS(登録商標)情報により、レベル1とレベル2のどちらのVICS(登録商標)情報を受信したか判定する。レベル1のVICS(登録商標)情報を受信した場合はステップS30へ進み、レベル2のVICS(登録商標)情報を受信した場合はステップS31へ進む。
【0026】
ステップS20からステップS30へ進んだ場合、ステップS30では、受信したレベル1のVICS(登録商標)情報に含まれる文字数、すなわち割り込み表示される文字画像における文字数が、予め定められた所定のしきい値以上であるか否かを判定する。所定のしきい値、たとえば20文字以上であった場合は、ステップS40へ進む。しきい値未満であった場合はステップS41へ進む。
【0027】
一方、ステップS20からステップS31へ進んだ場合、ステップS31では、受信したレベル2のVICS(登録商標)情報、すなわち割り込み表示される簡易図形画像において、渋滞情報が含まれているか否かを判定する。渋滞情報が含まれている場合はステップS40へ進み、渋滞情報が含まれていない場合はステップS41へ進む。なお、渋滞情報が含まれている場合は、そのVICS(登録商標)情報によって表される簡易図形画像において、簡易図形上の対応部分が図2(b)の符号32に示すハッチング部分のように表示されることにより、渋滞の発生が示される。
【0028】
ステップS40とS41では、割り込み表示するときの表示時間を設定する。ステップS40では長い表示時間、たとえば5秒間の表示時間を設定し、ステップS41では短い表示時間、たとえば3秒間の表示時間を設定する。このように、ステップS30またはS31の判定結果に応じて、長さの異なる2種類の表示時間のうちいずれかを設定する。ステップS40またはS41のいずれかを実行したら、ステップS50へ進む。
【0029】
ステップS50では、受信したVICS(登録商標)情報による割り込み画像、すなわち、レベル1のVICS(登録商標)情報による文字画像またはレベル2のVICS(登録商標)情報による簡易図形画像を、表示モニタ16に表示する。これにより、図2(a)から(b)のような画面の切り替えが行われる。次のステップS60では、ステップS50で割り込み画像を表示してからの経過時間と、ステップS40またはS41で設定された表示時間とを比較することにより、割り込み表示の時間がタイムアウトしたか否かを判定する。経過時間が設定された表示時間以内である間は、ステップS50へ戻って割り込み画像の表示を続ける。表示時間を越えるとステップS70へ進み、表示した割り込み画像を消去する。これにより、図2(b)から(a)のような画面の切り替えが行われる。ステップS70を実行したら、図3のフローチャートを終了する。
【0030】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)受信したVICS(登録商標)情報に基づいて割り込み画像を表示する(ステップS50)ことにより、図2(b)の画面を表示モニタ16に表示し、所定の表示時間の経過後に(ステップS60)、その割り込み画像を消去する(ステップS70)ことにより、図2(a)の画面に切り替える。このとき、図2(b)の画面に含まれる割り込み画像の情報量に基づいて、長い表示時間と短い表示時間のいずれかを設定する(ステップS40、S41)ことにより、上記の表示時間を変化させることとした。このようにしたので、ユーザにとって必要な確認時間を考慮して画面表示の切替時間を変化させることができる。
【0031】
(2)割り込み画像の情報量を文字の数とし、それに基づいて割り込み画像の表示時間を変化させることとした。すなわち、レベル1のVICS(登録商標)情報を受信した場合は、割り込み画像として表示される文字画像における文字数に基づいて、その表示時間を変化させることとした(ステップS30)。このようにしたので、レベル1のVICS(登録商標)情報の受信時において、簡単な処理により画面表示の切替時間を適切に変化させることができる。
【0032】
(3)割り込み画像の情報量を渋滞情報の量とし、それに基づいて割り込み画像の表示時間を変化させることとした。すなわち、レベル2のVICS(登録商標)情報を受信した場合は、割り込み画像として表示される簡易図形画像における渋滞箇所の数に基づいて、その表示時間を変化させることとした(ステップS31)。このようにしたので、レベル2のVICS(登録商標)情報の受信時においても、簡単な処理により画面表示の切替時間を適切に変化させることができる。
【0033】
なお、上記の実施の形態では、ステップS30またはS31の判定結果に応じてステップS40とS41のいずれかを実行することにより、長さの異なる2種類の表示時間のいずれかを設定することとした。しかし、3種類以上の表示時間を設定可能としてもよい。たとえば、レベル1のVICS(登録商標)情報を受信した場合に、文字数が10文字未満であれば3秒、10文字以上20文字未満であれば5秒、20文字以上であれば7秒の表示時間を設定することができる。また、レベル2のVICS(登録商標)情報を受信した場合に、渋滞情報がなければ3秒、渋滞箇所が1つであれば5秒、渋滞箇所が2つ以上であれば7秒の表示時間を設定することもできる。このように、レベル1のVICS(登録商標)情報の内容を表した文字画像における文字の数や、レベル2のVICS(登録商標)情報の内容を表した簡易図形画像における渋滞箇所の数に応じて、割り込み画像の表示時間を任意の値に変化させることができる。
【0034】
また、上記の実施の形態では、レベル2のVICS(登録商標)情報を受信した場合、その渋滞箇所の数に基づいて、長い表示時間と短い表示時間のいずれかを設定することとしていた。しかし、この設定を渋滞状況に基づいて行ってもよい。すなわち、渋滞の度合いが高い(渋滞)場合は長い表示時間を設定し、渋滞の度合いが低い(混雑)場合は短い表示時間を設定することもできる。さらに、渋滞箇所の数と渋滞状況の組み合わせにより、表示時間を変化させることとしてもよい。
【0035】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施の形態について説明する。上記で説明した第1の実施の形態では、VICS(登録商標)情報の割り込み表示時間を変化させる例について説明した。これに対して本実施形態では、メニュー項目の操作手順を説明するヘルプモードにおいて、その説明画面の表示切替時間を変化させる。その具体的な内容について、以下に説明する。
【0036】
本実施形態によるナビゲーション装置2は、図4に示す構成を有しており、図1の第1の実施の形態によるナビゲーション装置1と比較すると、VICS(登録商標)情報受信部18の代わりにフラッシュメモリ40が備えられている点以外は同じ構成である。フラッシュメモリ40は、ナビゲーション装置2の電源がオフされてもその記憶内容を保持できる不揮発性のメモリである。このフラッシュメモリ40は、後で説明するように各説明画面の表示切替時間を記憶するために設けられている。
【0037】
本実施形態において、ユーザがナビゲーション装置2に対して所望の処理を実行させたいときには、メニューボタンを押してメニュー画面を呼び出し、メニュー選択モードに移行する。その後、メニュー画面において表示される選択メニューから、該当する処理に対応するメニュー項目を入力装置17の操作によって選択する。すると、選択されたメニュー項目に対応する処理がナビゲーション装置2において実行される。
【0038】
選択メニューは処理内容に応じて複数に階層化されているため、ユーザは各階層ごとにいずれかのメニュー項目を選択する必要がある。たとえば、目的地とする施設の名称を入力して目的地を設定したい場合は、メニュー画面から最初に「行き先の設定」を選択し、次に「50音から」を選択する。すると、文字入力用の画面が表示され、そこで目的地の施設名称を入力することにより、該当する施設が目的地候補として検索される。この目的地候補の中から選択されたものが目的地に設定される。
【0039】
なおナビゲーション装置2には、ユーザが操作手順を覚えていなくても目的とする処理を実行できるようにするためのヘルプモードが設けられている。ヘルプモードでは、ユーザが目的とする処理に関連するキーワードを入力することにより、その処理を選択するまでの操作方法が説明される。このヘルプモードにおけるナビゲーション装置2の動作内容について以下に説明する。
【0040】
図5は、ヘルプモードにおいて最初に表示されるキーワード入力画面を示している。このキーワード入力画面では、ユーザが入力装置17を操作してキーボードパネル22の中に表示されている文字を順番に選択することにより、検索したい処理内容に関連するキーワードを入力する。たとえば、ルートに関する処理を検索したい場合には、「ルート」をキーワードとして入力する。入力されたキーワードは入力表示欄21に表示され、ユーザが確認できるようになっている。
【0041】
キーワードの入力を終えた後にユーザが検索ボタン23を押すと、選択メニューの各メニュー項目の中から、入力されたキーワードに関連するものが検索される。上記のように「ルート」をキーワードとして入力した場合は、それに関連するメニュー項目、たとえば「ルート」の語句を含むメニュー項目が検索される。この検索結果はリスト表示され、図6に示すような検索結果画面が表示される。
【0042】
図6の検索結果画面では、リスト表示された各メニュー項目の中のいずれかがハイライト表示され、そのメニュー項目をメニュー画面から選択するときのユーザの操作手順が文章によって説明される。このハイライト表示の部分は、入力装置17の操作によってユーザが任意に移動できる。ここでは、「ルート」を検索キーワードにして検索されたリスト表示中の各メニュー項目のうち、符号24に示す「ルートガイド」の部分がハイライト表示されている。そして、吹き出し表示部25の中には、この「ルートガイド」を選択するときの操作手順の説明文章が表示されている。すなわち、図6の検索結果画面には、ユーザが「ルートガイド」を選択するときは、選択メニューから「メニュー」、「各種設定」、「ガイド設定」の順に選択すればよいことが表示されている。
【0043】
図6の検索結果画面においてリスト中からいずれかのメニュー項目をユーザが選択すると、ヘルプモードが終了され、そのメニュー項目を選択メニューから選ぶときの画面にジャンプする。たとえば「ルートガイド」を選択すると、図7に示すような画面が表示される。この図7の画面において、ユーザが符号26に示す「ルートガイド」の部分を選択することにより、ナビゲーション装置2においてルートガイド処理が実行される。なお、図7の画面にジャンプする際には、そのメニュー項目を選択するときの操作手順に従って、選択メニューの各階層ごとに表示される操作画面の内容を表した説明画面が連続的に表示される。この点については、後で詳しく説明する。
【0044】
なお、図6の検索結果画面において操作手順を説明するための文章を表示する際には、同じ内容を音声出力することでユーザに通知してもよい。このようにすれば、ユーザは画面を見なくても操作手順を覚えることができる。あるいは、文章を表示せずに音声出力だけとしてもよい。
【0045】
また、図6の検索結果画面において、選択メニューの各メニュー項目ごとに付されたそれぞれに固有のアイコンを操作手順の説明と合わせて表示することで、ユーザが操作手順を視覚的に覚えられるようにしてもよい。たとえば図6に示すように、操作手順の説明中の「メニュー」、「各種設定」および「ガイド設定」の部分に、それぞれ四角形、ひし形および円形のアイコンを表示する。そして、選択メニュー中でもこれと同じアイコンを各メニュー項目に付して表示する。このように、当該メニュー項目が選択されるまでに、選択メニューにおいて各階層ごとに選択される各メニュー項目にそれぞれ付されるアイコンをその操作手順に従って表示することにより、ユーザは操作手順をアイコンによって覚えることができる。なお、ここでいうアイコンとは、特定の図形、文字、記号などを用いて構成されるものであり、その絵柄はメニュー項目ごとに異なっている。
【0046】
次に、検索結果画面において選択されたメニュー項目を選択メニューから選ぶときの画面にジャンプする際に、そのメニュー項目を選択するときの操作手順に従って連続的に表示される説明画面の具体例について説明する。たとえば、図5のキーワード入力画面でユーザが入力したキーワードによって「VICS(登録商標)情報を利用」というメニュー項目が検索され、これが図6の検索結果画面において選択されたとする。この場合、図8の説明画面が最初に表示され、その後に図9、図10の説明画面が順に連続的に表示される。なお、このときにたとえばハイライト表示されているメニュー項目を上から下に順に移動させるなど、実際の操作時の画面変化により近い表示内容とすることが好ましい。
【0047】
図8の説明画面は、メニューボタンを押したときに最初に表示される操作画面(メニュー画面)の内容を示している。図9の説明画面は、図8の説明画面が表すメニュー画面において「ルートの確認」を選択したときに表示される操作画面の内容を示している。図10の説明画面は、図9の説明画面が表す操作画面において「探索条件設定」を選択したときに表示される操作画面の内容を示している。これらの説明画面を連続的に表示することにより、「VICS(登録商標)情報を利用」のメニュー項目を選択するときのユーザの操作手順がユーザに通知される。
【0048】
実際の操作時には、図8〜10の説明画面と同じ内容の操作画面が、上記のようなユーザの操作に応じて順番に表示される。そして、図10の説明画面に対応する操作画面において、符号27に示す「VICS(登録商標)情報を利用」の部分が選択されると、VICS(登録商標)情報を利用してルート探索を行うように、ナビゲーション装置2における探索条件の設定内容が変更される。
【0049】
以上説明した図8〜10の説明画面の切り替えはユーザの操作入力に応じて行われる。具体的には、入力装置17に設けられた早送りボタン(図示省略)をユーザが押すことにより、次の説明画面へと切り替えられる。なお、入力装置17には巻き戻しボタン(図示省略)も設けられており、これをユーザが押すと1つ前の説明画面に戻ることができる。たとえば、図9の説明画面が表示されているときに、早送りボタンが押されると図10の説明画面に切り替えられ、巻き戻しボタンが押されると図8の説明画面に切り替えられる。また、いずれかの説明画面を表示してから所定の表示切替時間が経過した場合は、ユーザからの操作入力がなくても次の説明画面に切り替えられる。この表示切替時間は、ユーザの操作履歴に応じて次に説明するように変化させられる。
【0050】
本実施形態によるナビゲーション装置2は、図8〜10の各説明画面に対して、複数段階の表示切替時間がそれぞれ設定可能に構成されている。そして、早送りボタンが押されて次の説明画面に切り替えられた場合は、早送りした説明画面(切り替え前の説明画面)をユーザが確認するのに必要な確認時間が現状の表示切替時間よりも短いと判断して、その説明画面の表示切替時間を1段階短く設定する。逆に、巻き戻しボタンが押されて前の説明画面に切り替えられた場合は、巻き戻しした説明画面(切り替え後の説明画面)の確認時間が現状の表示切替時間よりも長いと判断して、その説明画面の表示切替時間を1段階長く設定する。こうして設定された表示切替時間の設定値はフラッシュメモリ40に記憶され、次回の表示から用いられる。このようにして、説明画面の選択履歴に基づいて表示切替時間を設定する。
【0051】
たとえば、表示切替時間を1〜5秒の間で1秒ごとに設定可能としておき、各操作画面の表示切替時間の初期値を3秒に設定する。そして、図9の説明画面が表示されているときに、早送りボタンが押されて図10の説明画面に切り替えられた場合は、図9の説明画面に対する表示切替時間を初期値の3秒から2秒に変更する。さらに図9の説明画面において早送りボタンが押されたときには、表示切替時間を1秒とする。また、巻き戻しボタンが押されて図9の説明画面から図8の説明画面に切り替えられた場合は、図8の説明画面に対する表示切替時間を初期値の3秒から4秒に変更する。さらに図9の説明画面において巻き戻しボタンが押されたときには、表示切替時間を5秒とする。このように、ユーザの画面選択履歴に基づいて説明画面の表示切替時間を変化させることにより、ユーザにとって必要な確認時間を考慮して、説明画面の表示切替時間を変化させることができる。
【0052】
なお、上記のように表示切替時間を変化させたときに、その説明画面においてカーソルの移動表示、たとえば前述のようにハイライト表示されているメニュー項目を上から下に順に移動させて表示することが行われている場合は、その移動表示速度も表示切替時間に合わせて変化させることが好ましい。さらに、表示切替時間が短いときには、途中の移動表示を省略してもよい。
【0053】
本実施形態において制御回路11により実行されるフローチャートを図11および12に示す。図11はメニュー選択モードにおいて実行されるフローチャートであり、図12はヘルプモードにおいて実行されるフローチャートである。以下、図11のフローチャートから先に説明する。
【0054】
ステップS110では、メニュー選択モードに移行し、図8の説明画面と同じ内容のメニュー画面を表示モニタ16に表示させる。これにより、選択メニューが表示される。ステップS120では、ステップS110において表示した選択メニューからいずれかのメニュー項目がユーザによって選択されたか否かを判定する。いずれかのメニュー項目が選択された場合は、次のステップS130へ進む。選択されていない場合はステップS110へ戻り、選択メニューの表示を続ける。
【0055】
ステップS130では、ステップS120で選択されたメニュー項目の次に続くメニュー項目があるか否かを判定する。前述のように選択メニューは複数に階層化されているため、選択されたメニュー項目が最下層のメニュー項目、すなわちそのメニュー項目を選択するとナビゲーション装置1において実行される処理が確定する場合は、次のメニュー項目がないものと判定する。そうでない場合は、次のメニュー項目があるものと判定する。次のメニュー項目があると判定した場合はステップS140へ進み、ないと判定した場合はステップS150へ進む。
【0056】
ステップS140へ進んだ場合は、ステップS120で選択されたよりも一階層下のメニュー項目を表示モニタ16に表示させる。このとき表示するメニュー項目の内容は、ステップS120におけるメニュー項目の選択結果に応じて、予め定められた選択メニューの階層化構造に従って決定される。たとえば、図8のように「行き先の設定」が選択された場合は、それより一階層下のメニュー項目として、「お気に入り」、「50音から」、「施設から」、「電話番号から」、「住所から」および「最近の目的地から」の各メニュー項目が表示される。ステップS140を実行したらステップS110へ戻り、ステップS110においてそのメニュー項目を次の選択メニューとして表示した後、上記のような処理を繰り返す。このようにしてステップS120〜S140の処理を繰り返し実行することにより、選択メニューの各階層ごとにいずれかのメニュー項目をユーザの操作に応じて選択する。
【0057】
一方、ステップS150へ進んだ場合は、ステップS120で最終的に選択されたメニュー項目に対応する処理を実行する。たとえば、「VICS(登録商標)情報を利用」のメニュー項目がステップS120において選択されていた場合には、VICS(登録商標)情報を利用してルート探索を行うように探索条件の設定内容を変更する。なお、このときの具体的な処理方法については、その処理内容に応じて周知の様々な方法を利用できるため、ここでは説明を省略する。ステップS150を実行した後は、図11のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、メニュー選択モードが実行される。
【0058】
次に、ヘルプモードにおいて実行される図12のフローチャートについて説明する。ステップS210では、図5のキーワード入力画面を表示モニタ16に表示させる。次のステップS220では、ステップS210において表示したキーワード入力画面において、ユーザの操作によって何らかのキーワードが入力されたか否かを判定する。ユーザが検索ボタン23を押した場合はキーワードの入力が完了したものと判定してステップS230へ進む。まだ検索ボタン23が押されていない場合はキーワード入力が完了していないものと判定してステップS210へ戻り、キーワード入力画面の表示を続ける。
【0059】
ステップS230では、ステップS220において入力されたキーワードにより、メニュー項目を検索するときの検索キーワードを設定する。ステップS240では、ステップS230において設定された検索キーワードを用いて、この検索キーワードに関連するメニュー項目を検索する。ステップS250では、ステップS240において検索キーワードに関連するメニュー項目が少なくとも1つ以上検索されたか否かを判定する。少なくとも1つ以上のメニュー項目が検索された場合はステップS260へ進む。そうでない場合、すなわち1つもメニュー項目が検索されなかった場合は、ステップS210へ戻ってユーザに再度キーワードを入力するように促す。
【0060】
ステップS260では、ステップS250において検索された各メニュー項目を表示モニタ16にリスト表示させる。なお、このときいずれかのメニュー項目をハイライト表示させる。これにより、図6に示すような検索結果画面が表示モニタ16に表示される。次のステップS270では、ステップS260においてリスト表示された各メニュー項目のうち、ハイライト表示されたメニュー項目を選択するときの操作手順を、図6の吹き出し表示部25のように文章によって表示モニタ16に表示させる。これにより、ハイライト表示されているメニュー項目を選択メニューから選択するときのユーザの操作手順を通知する。
【0061】
ステップS280では、画面にリスト表示されているメニュー項目におけるハイライト表示部分が、ユーザの操作によって移動されたか否かを判定する。移動された場合はステップS270へ戻り、移動後のハイライト表示部分にあるメニュー項目について、そのメニュー項目を選択するときの操作手順をステップS270により表示モニタ16に表示させる。一方、ハイライト表示部分が移動されていない場合は、次のステップS290へ進む。
【0062】
ステップS290では、リスト表示されているメニュー項目のうちいずれかのメニュー項目が選択されたか否かを判定する。たとえば、入力装置17に備えられている決定ボタンがユーザによって押された場合は、そのときにハイライト表示されているメニュー項目が選択されたものと判定してステップS300へ進む。一方、いずれのメニュー項目も選択されていない場合は、ステップS270へ戻って上記のような処理を繰り返す。
【0063】
ステップS300では、図8〜10のような説明画面を表示モニタ16に連続的に表示するための説明画面表示処理を行う。この説明画面表示処理は、図13に示すフローチャートにより次のようにして実行される。
【0064】
図13のステップS301では、図12のステップS290で選択されたメニュー項目をメニュー画面から選ぶときの操作手順に従って、表示すべき説明画面を選択する。すなわち、最初は図8の説明画面を選択し、その後は図9の説明画面、図10の説明画面と順番に選択する。次のステップS302では、ステップS301で選択した説明画面に対する表示切替時間の設定値をフラッシュメモリ40から読み出す。ステップS303では、ステップS302で読み出した設定値により、選択した説明画面の表示切替時間を設定する。
【0065】
ステップS304では、ステップS301で選択した説明画面を表示モニタ16に表示する。次のステップS305では、入力装置17に設けられた早送りボタンがユーザによって押されたか否かを判定する。早送りボタンが押された場合はステップS310へ進み、押されなかった場合はステップS306へ進む。ステップS306では、入力装置17に設けられた巻き戻しボタンがユーザによって押されたか否かを判定する。巻き戻しボタンが押された場合はステップS311へ進み、押されなかった場合はステップS307へ進む。
【0066】
ステップS307では、ステップS304で説明画面を表示してからの経過時間と、ステップS303で設定された表示切替時間とを比較することにより、その説明画面の表示時間がタイムアウトしたか否かを判定する。経過時間が設定された表示切替時間以内である間は、ステップS304へ戻って説明画面の表示を続ける。表示切替時間を越えるとステップS308へ進む。
【0067】
ステップS308では、次の説明画面、すなわち、ステップS304により現在表示している説明画面の次に表示すべき説明画面があるか否かを判定する。次の説明画面がある場合はステップS309へ進み、ステップS309で当該説明画面に切り替えた後、ステップS301へ戻る。この場合は、切り替え後の当該説明画面をステップS301において選択し、上記のような処理を繰り返す。すなわち、図8の説明画面を表示していた場合は、図9の説明画面をステップS301で選択してから、ステップS302以降の処理を実行する。同様に、図9の説明画面を表示していた場合は、図10の説明画面をステップS301で選択してから、ステップS302以降の処理を実行する。
【0068】
一方、ステップS309において次の説明画面がないと判定された場合は、図13のフローチャートを終了する。すなわち、図10の説明画面を表示していた場合は、次の説明画面がないため、図13のフローチャートを終了する。これにより、図12のステップS300の説明画面表示処理が実行され、図12のフローチャートが終了する。こうしてヘルプモードが実行される。
【0069】
なお、ステップS305からS310へ進んだ場合、ステップS310では、選択した説明画面に対する表示切替時間を1段階短く設定する。この設定履歴はフラッシュメモリ40によって記憶され、次回からはその1段階短い表示切替時間が用いられる。こうしてステップS310を実行したら、ステップS308へ進む。なお、既に設定可能な一番短い表示切替時間となっていた場合は、ステップS310を実行せずにそのままステップS308へ進む。
【0070】
また、ステップS306からS311へ進んだ場合、ステップS311では、選択した説明画面に対する表示切替時間を1段階長く設定する。この設定履歴はフラッシュメモリ40によって記憶され、次回からはその1段階長い表示切替時間が用いられる。こうしてステップS311を実行したら、次のステップS312へ進む。なお、既に設定可能な一番長い表示切替時間となっていた場合は、ステップS311を実行せずにそのままステップS312へ進む。
【0071】
ステップS312では、1つ前の説明画面に切り替える。ステップS312を実行したらステップS301へ戻り、切り替え後の当該説明画面をステップS301において選択し、上記のような処理を繰り返す。すなわち、図9の説明画面を表示していた場合は、図8の説明画面をステップS301で選択してから、ステップS302以降の処理を実行する。同様に、図10の説明画面を表示していた場合は、図9の説明画面をステップS301で選択してから、ステップS302以降の処理を実行する。なお、図8の説明画面を表示していた場合は、1つ前の説明画面がないため、そのまま図8の説明画面をステップS301で選択してから、ステップS302以降の処理を実行することとしてもよい。
【0072】
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ヘルプモードにおいて、操作手順に従って説明画面を表示モニタ16に表示し(ステップS304)、設定された表示切替時間の経過後に(ステップS307)、次の説明画面に切り替える(ステップS309)。また、入力装置17に設けられた早送りボタンや巻き戻しボタンを押すことにより(ステップS305、S306)、表示切替時間に関わらず前後いずれかの説明画面を選択可能とした(ステップS309、S312)。そして、この説明画面の選択履歴に基づいて、表示切替時間を変化させる(ステップS310、S311)こととした。このようにしたので、第1の実施の形態と同様に、ユーザにとって必要な確認時間を考慮して画面表示の切替時間を変化させることができる。
【0073】
(2)いずれかの説明画面が表示モニタ16に表示されているときに、早送りボタンが押されて(ステップS305)次の説明画面が選択された場合、ステップS310により表示切替時間を1段階短く設定する。この設定値がステップS302において読み出され、ステップS303において表示切替時間が設定される。すなわち、過去にいずれかの説明画面が表示されているときに、早送りボタンが押されて次の説明画面が選択されていた場合は、その説明画面に対する表示切替時間をステップS303において短くする。このようにしたので、画面表示の切替時間を適切に変化させることができる。
【0074】
(3)いずれかの説明画面が表示モニタ16に表示されているときに、巻き戻しボタンが押されて(ステップS306)前の説明画面が選択された場合、ステップS311により表示切替時間を1段階長く設定する。この設定値がステップS302において読み出され、ステップS303において表示切替時間が設定される。すなわち、過去にいずれかの説明画面が表示されているときに、巻き戻しボタンが押されて前の説明画面が選択されていた場合は、その前の説明画面に対する表示切替時間をステップS303において長くする。このようにしたことでも、画面表示の切替時間を適切に変化させることができる。
【0075】
なお、以上説明した第2の実施の形態では、ユーザによる早送りボタンや巻き戻しボタンの操作によって表示切替時間を変化させていたが、これに第1の実施の形態で説明したような画面内に含まれる情報量に基づいた表示切替時間の変化を組み合わせてもよい。たとえば、表示された説明画面に含まれる文字数やメニュー項目数などに応じて、表示切替時間を変化させることができる。
【0076】
上記の各実施の形態では、VICS(登録商標)情報の割り込み表示やヘルプモードにおける説明画面の表示を例に説明したが、これ以外の画面表示でも、所定の表示時間が経過することによって表示内容が切り替わるものについては本発明を適用することができる。たとえば、推奨経路の設定時などに所定時間表示される警告画面や、登録地の設定時または名称変更時などに所定時間表示される確認画面などにも適用することができる。この場合、警告画面や確認画面に含まれる文字数などの情報量、または、ユーザの操作入力による警告画面や確認画面から違う画面への画面選択履歴に基づいて、その表示時間を変化させることができる。
【0077】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0078】
上記の各実施の形態では、表示制御手段、時間制御手段および表示選択手段を制御回路11の処理によって実現することとした。具体的には、第1の実施の形態においては、表示制御手段をステップS50、S60およびS70により実現し、時間制御手段をステップS30、S31、S40およびS41により実現した。また、第2の実施の形態においては、表示制御手段をステップS304、S307およびS309により実現し、表示選択手段をステップS305、S306、S309およびS312により実現し、時間制御手段をステップS302、S303、S305、S306、S310およびS311により実現した。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の各実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【符号の説明】
【0079】
1、2 ナビゲーション装置 11 制御回路
12 ROM 13 RAM
14 現在地検出装置 15 画像メモリ
16 表示モニタ 17 入力装置
18 VICS(登録商標)情報受信部 19 ディスクドライブ
20 DVD−ROM 40 フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画面を表示モニタに表示し、所定の表示切替時間の経過後に、前記第1の画面を第2の画面に切り替える表示制御手段と、
前記第1の画面に含まれる情報量に基づいて、前記表示切替時間を変化させる時間制御手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項2】
請求項1の車載情報端末において、
前記情報量とは、前記第1の画面に含まれる文字の数であることを特徴とする車載情報端末。
【請求項3】
請求項2の車載情報端末において、
外部から送信される道路交通情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第1の画面として、前記受信手段により受信された道路交通情報の内容を表した文字画像を含む画面を表示し、
前記時間制御手段は、前記第1の画面に含まれる文字画像における文字の数に基づいて、前記表示時間を変化させることを特徴とする車載情報端末。
【請求項4】
請求項1の車載情報端末において、
前記情報量とは、前記第1の画面に含まれる渋滞情報の量であることを特徴とする車載情報端末。
【請求項5】
請求項4の車載情報端末において、
外部から送信される道路交通情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第1の画面として、前記受信手段により受信された道路交通情報の内容を表した簡易図形画像を含む画面を表示し、
前記時間制御手段は、前記第1の画面に含まれる簡易図形画像における渋滞箇所の数に基づいて、前記表示時間を変化させることを特徴とする車載情報端末。
【請求項6】
第1の画面を表示モニタに表示し、所定の表示切替時間の経過後に、前記第1の画面を第2の画面に切り替える表示制御手段と、
前記第1の画面と第2の画面のいずれかをユーザに選択させるための操作手段と、
前記表示切替時間に関わらず、前記第1の画面または第2の画面のうち、前記操作手段によってユーザに選択された方を前記表示モニタに表示する表示選択手段と、
前記操作手段によるユーザの画面選択履歴に基づいて、前記表示切替時間を変化させる時間制御手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項7】
請求項6の車載情報端末において、
前記画面選択履歴において過去に前記第1の画面が表示モニタに表示されているときに前記第2の画面がユーザに選択されていた場合、前記時間制御手段は、前記表示切替時間を短くすることを特徴とする車載情報端末。
【請求項8】
請求項6の車載情報端末において、
前記画面選択履歴において過去に前記第2の画面が表示モニタに表示されているときに前記第1の画面がユーザに選択されていた場合、前記時間制御手段は、前記表示切替時間を長くすることを特徴とする車載情報端末。
【請求項9】
請求項6〜8いずれか一項の車載情報端末において、
前記第1の画面に含まれる情報量に基づいて前記表示切替時間を変化させる第2の時間制御手段をさらに備えることを特徴とする車載情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−42481(P2012−42481A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232876(P2011−232876)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【分割の表示】特願2005−256065(P2005−256065)の分割
【原出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】