説明

ノンフォトリアリスティック(NPR)3Dマップを用いる3Dナビゲーション方法

ナビゲーションマップを表示する方法は、車両の位置を自動的に測定する工程を含む。車両を囲む建物に関連する三次元または二次元のデータが特定される。車両の周囲の三次元物体のノンフォトリアリスティック画像は、データに基づいてレンダリングされる。ノンフォトリアリスティック画像はユーザーに電子的に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、電子ナビゲーションマップに関し、特に、電子ナビゲーションマップ用に画像をレンダリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の詳細
ナビゲーションマップはランドマークや興味のある他の場所(POI)、例えば、博物館、レストラン、公園およびショッピングセンターを視覚的に強調するため、よく知らない都市を訪れるための重要なリソースである。ほとんどの車載の、および、携帯型のナビゲーションデバイス(PND)は、二次元(2D)でこれらのランドマークやPOIを視覚化するために2Dのナビゲーションマップに依存しているが、三次元(3D)の車載ナビゲーションシステムが現れつつある。ほとんどのこれらの3Dナビゲーションシステムは、三次元の建物、ランドマークおよびPOIを視覚化するために、フォトリアリスティック(photorealistic)レンダリング技術を使用している。この視覚化体系では、正確な幾何学モデルと細部のフォトリアリスティックな建物テクスチャが必要である。これらのシステムは、このようなレンダリングされた三次元の建物、道または他の対象の外観が、実際の建物、道または他の対象の外観と可能な限り一致することを必要とする。したがって、ドライバーがフロントガラス越しに実際の三次元の建物を見ると、三次元のランドマークを認識するために、フォトリアリスティックに一致させることができる。一方では、2Dナビゲーションシステムは、我々の三次元の世界の細部をほとんどなにも視覚化しない。他方では、フォトリアリスティックな3Dマップに基づくナビゲーションシステムは我々の三次元世界のあらゆる細部を視覚化しようとするが、これは必要ないこともある。
【0003】
先行技術によって開示も示唆もされていないものは、ユーザーが観察する現実の視界にレンダリングを容易に一致させることができるような(不必要な細部を伴わない)簡潔な方法でナビゲーションマップ上に、建物、ランドマークおよび他の三次元物体のレンダリングを示すための方法であり、レンダリングを生成するためには低レベルの計算手段のみが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ノンフォトリアリスティック(non−photorealistic)(NPR)または表現レンダリング技術を用いることによって重要な細部のみを視覚化し強調することで、2Dマップとフォトリアリスティック3Dマップの間のギャップを埋める3Dナビゲーションシステムを提供する。典型的なNPRレンダリング様式は、「Stylized rendering techniques for scalable real−time 3D animation“, Adam Lake, Carl Marshall, Mark Harris, Marc Blackstein,NPAR’00:(2000年のノンフォトリアリスティックアニメーションとレンダリングに関する第一回国際シンポジウムの議事録)」(この文献は全体として本明細書での引用によって組み込まれえる)で開示されるように、劇画(cartoon)のようなレンダリングを含んでもよい。別の典型的なNPRレンダリング様式は、「Real−time pencil rendering”, Hyunjun Lee, Sungtae Kwon, Seungyong Lee,NPAR ’06:2006年のノンフォトリアリスティックアニメーションとレンダリングに関する第一回国際シンポジウムの議事録)」(この文献は全体として本明細書での引用によって組み込まれる)で開示されるように、鉛筆画である。さらに別のNPRレンダリング様式は、「Walk−Through Illustrations:Frame−Coherent Pen−and−Ink Style in a Game Engine」,(Bert Freudenberg,Maic Masuch, Thomas Strothotte, Eurographics 2001)(この文献は全体として本明細書での引用によって組み込まれる)で開示されるように、ペン画である。さらなる典型的なNPRレンダリング様式は、油絵効果や他の絵画様式を含んでもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、その1つの形状において、車両の位置を自動的に測定する工程を含む、ナビゲーションマップを表示する方法を含む。車両を囲む建物に関連した三次元のデータが特定される。ノンフォトリアリスティックな画像はデータに基づいてレンダリングされる。ノンフォトリアリスティックな画像は、ユーザーに電子的に表示される。
【0006】
本発明は、その別の形状において、三次元マップデータのソースを含む、車載の電子ナビゲーションマップ構造(arrangement)を含む。データは車両の位置に関連している。ノンフォトリアリスティックな三次元マップレンダリングエンジンは、三次元マップのデータのソースに通信するようにつながれる。エンジンはデータに基づいてノンフォトリアリスティックな三次元画像をレンダリングする。ユーザーインタフェースは、エンジンに通信するようにつなげられ、ノンフォトリアリスティックな三次元画像を電子的に表示するディスプレイスクリーンを含む。
【0007】
本発明は、さらにその別の形状において、車両の位置を自動的に測定する工程を含む、ナビゲーションマップを表示する方法を含む。車両を囲む建物に関連した三次元データが特定される。入力はユーザーから受け取られる。入力はユーザーによって要求されるノンフォトリアリスティックな画像様式である。ノンフォトリアリスティックな画像は、データに基づき、かつ、入力に基づき、レンダリングされる。ノンフォトリアリスティックな画像は、ユーザーに電子的に表示される。
【0008】
本発明の利点は、NPRレンダリング技術が、フォトリアリスティックレンダリング技術と比較して、より単純で、かつ、より表現に富んだ視覚化を提供することができるということである。
【0009】
本発明の別の利点は、既存のフォトリアリスティック3Dナビゲーションシステムと比較して、3D車載ナビゲーション用のNPR 3Dマップがドライバーの配置(driver orientation)とランドマークの認識を改善するということである。そもそも人は三次元世界に住んでいるため、3Dマップは2Dマップと比較してドライバーの配置を改善する。しかしながら、フォトリアリスティック3Dレンダリングはあまりにも多くの細部を提供することがあり、そのことはナビゲーション目的に不必要な気晴らしを取り入れかねない。NPRレンダリングは、特定のために三次元物体の最も重要な特徴(例えば、形状、奥行きの手がかり(depth cue)、色の変化)を強調して、些細な細部を省略することにより、この問題を解決する。
【0010】
本発明のさらに別の利点は、既存のフォトリアリスティック3Dナビゲーションシステムと比較して、3D車載ナビゲーション用のNPR 3Dマップがマップの更新の必要性を減らすということである。実際の三次元世界の細部は頻繁に変わることがある。フォトリアリスティック3Dマップは、頻繁なマップの更新がこのような変化と同期して一致していることを要求する。このような更新はエンドユーザとデータ提供者の両方にとって負担になりかねない。NPRは三次元世界のより単純かつより表現に富んだ視覚化を提供するため、マップの更新は著しく減ることになる。
【0011】
本発明のさらなる利点は、既存のフォトリアリスティック3Dナビゲーションシステムと比較して、3Dの車載ナビゲーション用のNPR 3Dマップが、「フォトリアリスティックな一致(photorealistic match)」を回避することによって、認識的負荷を軽減するということである。フォトリアリスティック3Dマップを使用する際、フォトリアリスティック3Dマップがユーザーのフォトリアリズムの期待をかきたてるため、ユーザーはレンダリングされた三次元物体の細部すべてを実際の世界での細部と一致させる傾向がある。フォトリアリズムの程度によっては、ユーザーが全ての細部を一致させる(フォトリアリスティックな一致)のに長い時間がかかることもある。逆に、NPR 3Dマップが使用される場合、ユーザーは「フォトリアリスティックな一致」を回避することができる。例えば、郵便局が特定の様式(例えば、特定のNPR効果)で常にレンダリングされる場合、ユーザーは、フォトリアリスティックにレンダリングされた郵便局の外観を考えたり、その外観を実際の郵便局の建物の外観と一致させたりするかわりに、その建物が郵便局であるという事実をすぐに認めて理解することができるであろう。
【0012】
本発明のさらに別の利点は、既存のフォトリアリスティック3Dナビゲーションシステムと比較して、3Dの車載ナビゲーション用のNPR 3Dマップがユーザーにとってより訴求力が高いということである。様々なNPR様式によって提供される芸術的な効果を考慮すると、NPR 3Dマップは非常に魅力的であるかもしれない。さらに、ユーザーが異なれば好みも異なるため、ユーザーはそれぞれ、3Dナビゲーションマップ用のお気に入りのレンダリング様式を選択して、それを実施することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の3Dマップレンダリング構造の1つの実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の3Dマップレンダリング方法の少なくともいくつかの実施形態で使用するのに適した、拡大縮小可能なリアルタイムの3Dアニメーション用の劇画様式のレンダリング技術の一例である。
【図3】本発明の3Dマップレンダリング方法の少なくともいくつかの実施形態で使用するのに適したペン画様式のレンダリングの一例である。
【図4】本発明の3Dマップレンダリング方法の少なくともいくつかの実施形態で使用するのに適した鉛筆画風レンダリング(pencil rendering)の一例である。
【図5】本発明の3Dマップレンダリング方法の少なくともいくつかの実施形態で使用するのに適した劇画様式のレンダリングの一例である。
【図6】ナビゲーションマップを表示するための本発明の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の上記特徴および目的と他の特徴および目的、ならびに、これらを成し遂げる手法がさらに明らかになるとともに、本発明そのものは、添付の図面と併せて取り込まれる本発明の実施形態の以下の記載を参照することによって一層よく理解されるであろう。
【0015】
対応する参照文字は、複数の図にわたって対応する部分を示している。本明細書で書かれる事例は本発明の実施形態を示しており、幾つかの形状では、以下に開示される実施形態は、包括的となるよう意図されたものではなく、かつ、本発明の範囲を、開示された正確な形状に制限するものとして解釈されるように意図されたものでもない。
【0016】
本発明は、ナビゲーションマップでの三次元物体用の定型化した視覚化を含む、NPR 3Dマップを使用する3Dナビゲーションの方法を提供する。3Dナビゲーションマップに表示される三次元物体は、建物、ランドマーク、POI、危険スポット、および、道路を含む。NPR 3Dマップは、異なる方法で生成される三次元物体のデータに基づいて作成されてもよい。3Dデータは、フォトリアリスティックレンダリングのみに適したフォーマット(例えば、フォトリアリスティックテクスチャを含む多角形メッシュ)でデータ提供者によって提供される。この場合、そのようなデータはNPRレンダリングのために増強されてよい。3Dデータは、定型化したNPRレンダリングのための2Dデータの再構成によっても生成されてよい。例えば、三次元の建物データは、追加情報(建物の種類、建物の高さなど)を含んで、または、含まずに、建物の二次元の占有面積(footprint)から生成されてもよい。この工程では、特定のルールが三次元の建物の種類に基づいて適用されることで、同じ種類の建物の様式または外観が一致したものになる。例えば、異なる二次元の占有面積を備えた郵便局の建物は同様の定型化した外観を有する。
【0017】
ここで図面、特に図1に目を向けると、自動車、船、飛行機などの車両に関連する本発明の3Dマップレンダリング構造(10)の1つの実施形態が示されている。すなわち、構造(10)は車に搭載して取り付けられる。
【0018】
構造(10)は、3Dマップデータのソース(12)、NPR 3Dマップレンダリングエンジン(14)、および、ユーザーインタフェース(16)を含んでもよい。3Dマップデータソース(12)は、コンパクトディスク(CD)または他の記憶装置の形状であってもよい。あるいは、3Dマップデータは、それぞれの3Dマップレンダリング構造(10)を有する多くの車両に、中央の送信機(図示せず)によって無線送信されてもよい。そのような無線送信はエンジン(14)によって受け取られてもよい。
【0019】
3Dマップデータソース(12)は、リアルタイムで車両のグローバルな位置座標を測定するために全地球測位システム(GPS)モジュール(図示せず)も含んでよい。車両の現在の位置に基づいて、車両内の人々にとって興味深い対応する3Dマップデータが識別され、エンジン(14)に提供される。
【0020】
NPR 3Dマップレンダリングエンジン(14)は、ソース(12)からの3Dマップデータをノンフォトリアリスティック画像データに変換する標準電子プロセッサーを含んでもよい。NPR画像データは、劇画のようなレンダリング、鉛筆画、ペン画、油絵効果、および、他の絵画様式などの様々な様式であってもよい。NPRレンダリングは、物体の表面および物体の典型的なまたは周知の特徴を描いてもよい。
【0021】
ユーザーインタフェース(16)は、車両のダッシュボードに配置されてもよく、ディスプレイスクリーン(18)および制御装置(20)を含んでもよい。ディスプレイスクリーン(18)は、スクリーンまたはモニターに表示される情報または内容を制御するためのプロセッサーとメモリを含んでもよい。一般に、ディスプレイスクリーン(18)は、エンジン(14)から受け取ったNPR 3D画像データを示すか、または、描写する。
【0022】
制御装置(20)は、ダイヤル、ノブ、プッシュボタン一式、ジョイスティック、マイクロホン、または、上記のものの任意の組み合わせの形状であってもよい。ユーザーは、エンジン(14)にフィードバック(22)を提供するために制御装置(20)を使用してもよい。フィードバック(22)は、別の画像データ一式(例えば、別の場面、物体、または、物体一式を描く画像データ)を作るようエンジン(14)に指示してもよい。あるいは、フィードバック(22)は、現在の画像データ一式が見える視角を変更するようにエンジン(14)に指示してもよい。視角は、建物の頭上の鳥瞰図から、地表レベル(ground level)または地上レベル(street level)から建物またはランドマークを見上げる角度まで、様々である。
【0023】
別の実施形態では、3Dマップデータを提供するソース(12)の代わりに、ソース(12)は、建物の種類や高さなどの追加情報に加えて、1以上の建物の二次元の占有面積を提供する。この場合、エンジン(14)は、まず建物の3D構造を生成し、次にその建物のためのNPRレンダリングを適用する。
【0024】
図2乃至5は、先行技術のナビゲーション領域に適用されていない様々なNPR様式を示す。図2乃至5のこれらの様式の各々は、本発明のNPR 3Dマップレンダリング(rending)方法とともに使用するのに適している。特に、図2は、拡大縮小可能なリアルタイムの3Dアニメーション用の劇画のような定型化したレンダリング技術を示し、図3はペン画のレンダリングを示し、図4はリアルタイム鉛筆画風レンダリングを示し、そして、図5は本発明によってレンダリングされるNPR 3Dマップの一例である劇画様式のNPR 3Dマップを示す。
【0025】
図5では、最先端の建物のいくつかは建物の占有面積に基づいてNPR様式で描写される。幾何学データはエンジン(14)をレンダリングすることによって生成されてもよい。他のいくつかの建物は、「BOSCH」を有する建物のような本発明のNPR様式で図5に描かれている。これらの「BOSCH」の建物については、幾何学と元々のテクスチャの双方ともデータ提供者によって提供され、このような幾何学および元々のテクスチャはフォトリアリスティックレンダリングのためにのみ都合よく用られる。しかしながら、本発明によれば、NPRエンジン(14)は、NPRな外観の建物のイラストを提供するために、いくつかの処理を行ってもよい。
【0026】
1つの実施形態では、ユーザーは、図5に描かれる画角を、地表レベルまたはそれより高い任意の視角または任意の位置に調節することができる。例えば、ユーザーは、建物のいずれかまたはすべてのまわりの360度のアーク(360 degree arc)に沿った視界のほとんど無限の数の中から選んでもよい。さらに、ユーザーは、垂直面に沿った任意の下向きの視角を選んでもよい。
【0027】
本発明は、ノンフォトリアリスティックレンダリングを使用する3Dナビゲーションシステムを含むいくつかの新規な特徴を提供する。別の新規な特徴は、3Dナビゲーションの個人用設定(personalization)を可能にするか増強する能力である。例えば、ユーザーは、建物または自然のランドマークが描かれるNPR様式(例えば、劇画、ペン画、鉛筆画など)を選択することができてもよい。ユーザーは、画像中の建物または自然のランドマークのどれがNPRレンダリングで描かれるかを選択することができてもよい。1つの実施形態では、ユーザーは、システムに建物または自然のランドマークのNPR画像をレンダリングさせるために、タッチスクリーン上の建物または自然のランドマークに触れることができてもよい。ディスプレイの画像中の他の建物または自然のランドマークは、一般的な様式または非現実的主義の様式で描かれてもよい。しかしながら、本発明の別の実施形態では、建物、道路、および、自然の特徴はすべて、ユーザーによって選択される同じ特定の手法でレンダリングされる。
【0028】
しかし、本発明の別の新規な特徴は、NPR 3Dナビゲーション用のフォトリアリスティック3Dナビゲーションの3Dデータを再利用する能力である。すなわち、フォトリアリスティック3Dナビゲーションデータは、NPR 3Dナビゲーション画像をレンダリングする際に使用されるために、増強または修正されてもよい。
【0029】
本発明のさらに別の新規な特徴は、NPR 3Dナビゲーションにおける定型化した視覚化のための3Dデータの作成である。定型化した視覚化は、画像を乱さずに(clutter the image)、かつ、ユーザーの認識の仕事を単純化するために、建物の選択された認識可能な態様のみの描写を含んでもよい。例えば、図5の実施形態では、NPRで描かれた建物の大きな面、窓および大きな文字のみが画像に含まれている。
【0030】
上に記載されたように、本発明は先行技術によっては開示も示唆もされなかったいくつかの態様を提供し、この態様は、3DナビゲーションのためにNPRレンダリングを使用することと、多数のNPR様式のいずれかを使用すること、それによって、個人用設定された3Dナビゲーションシステムを可能にすること、NPR 3Dナビゲーション用の既存のフォトリアリスティック三次元物体データを再利用すること、および、NPR 3Dナビゲーションで定型化した視覚化用の3Dデータを作成することを含む。
【0031】
ナビゲーションマップを表示するための本発明の方法(600)の実施形態が図6で示されている。第1の工程(602)では、車両の位置が自動的に測定される。例えば、図1の構造は、構造に関連する車両の現在の位置(それはグローバル座標で表現されてもよい)を自動的かつ連続的に更新するGPSまたは他の装置を含んでもよい。
【0032】
次の工程(604)では、車両を囲む建物に関連する三次元データが特定される。例えば、工程(602)で測定された車両位置に基づいて、車両付近に関連するマップデータがCDなどの記憶装置から検索されてもよい。あるいは、車両付近に関連するマップデータは、マップデータのセントラル・レポジトリから無線で受け取られてもよい。どのように受け取られるかにかかわらず、マップデータは、車両付近内の建物と自然のランドマークの形状、寸法、色、および、窓を記載した3Dデータを含んでもよい。別の実施形態では、マップデータは建物の2D占有面積データを包含している。この場合、レンダリングエンジン(14)は、データの2D占有面積に基づいて三次元の建物を生成してもよい。
【0033】
次に、工程(606)では、入力はユーザーから受け取られる。入力はユーザーによって要求されたノンフォトリアリスティックな画像様式である。例えば、図2乃至5で描かれたNPRレンダリング様式の1つを選択するために、ユーザーは、ユーザーインタフェース(16)上で制御装置(20)を使用してもよい。1つの実施形態では、ユーザーは、劇画様式、ペン画様式、および、鉛筆画様式のなかから選択してもよい。さらに、ユーザーは、異なる建物および/またはランドマークに異なる様式を選ぶことができる。例えば、フィードバック(22)の使用によって、ユーザは、木または山のような自然のランドマークに劇画様式を、および、建物または他の人工建造物に鉛筆画様式を選択してもよい。
【0034】
工程(608)では、ノンフォトリアリスティック画像は、データと入力に基づいてレンダリングされる。すなわち、レンダリングエンジン(14)は、ソース(12)から受け取った3Dデータに基づいてNPR画像を作成してもよく、NPR画像はユーザーによって要求された様式で作成されてもよい。
【0035】
最終的な工程(610)では、ノンフォトリアリスティック画像は、ユーザーに電子的に表示される。1つの実施形態では、エンジン(14)によってレンダリングされるNPR画像は、ユーザーインタフェース(16)のスクリーン(18)に表示される。
【0036】
この発明は例示的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明はこの開示の精神と範囲内でさらに修正されてもよい。したがって、この出願は一般的な原則を用いて本発明の任意の変化、用途、または、適応を対象とするように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションマップを表示する方法であって、
前記方法は、
車両の位置を自動的に測定する工程と、
車両を囲む建物に関連した三次元データを特定する工程と、
データに基づいてノンフォトリアリスティック画像をレンダリングする工程と、
ノンフォトリアリスティック画像をユーザーに電子的に表示する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
ノンフォトリアリスティック画像が劇画様式、ペン画様式、鉛筆画様式の少なくとも1つでレンダリングされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
特定する工程が、車両の位置に関連する三次元データを発見する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
特定する工程が、三次元データのセントラル・レポジトリからデータを無線で受け取る工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ユーザーからのフィードバックに基づいてノンフォトリアリスティック画像の視角を修正する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データは建物の形状、寸法、色、および、窓を記載することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
車載電子ナビゲーションマップ構造であって、
前記構造は、
車両の位置に関連するマップデータのソースと、
三次元マップのデータのソースに通信するようにつながれた、ノンフォトリアリスティックな三次元マップレンダリングエンジンを含み、
該エンジンはデータに基づいてノンフォトリアリスティックな三次元画像をレンダリングするように構成され、
前記構造はさらに、
ノンフォトリアリスティックな三次元画像を電子的に表示するように構成されたディスプレイスクリーンを含む、エンジンに通信するようにつながれたユーザーインターフェースを含むことを特徴とする構造。
【請求項8】
前記エンジンは、劇画様式、ペン画様式、鉛筆画様式の少なくとも1つで、ノンフォトリアリスティックな三次元画像をレンダリングするように構成されることを特徴とする請求項7に記載の構造。
【請求項9】
マップデータのソースは三次元のマップデータのソースを含むことを特徴とする請求項7に記載の構造。
【請求項10】
マップデータは、建物の二次元の占有面積、建物の種類、建物の高さを含むことを特徴とする請求項7に記載の構造。
【請求項11】
前記エンジンは建物の三次元構造を作り出すように、および、建物のノンフォトリアリスティックレンダリングを作り出すように、構成されることを特徴とする請求項10に記載の構造。
【請求項12】
データソースは三次元データのセントラル・レポジトリからデータを無線で受け取るように構成されることを特徴とする請求項7に記載の構造。
【請求項13】
レンダリングエンジンは、ユーザーからのフィードバックに基づいて、ノンフォトリアリスティック画像の視角を修正するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の構造。
【請求項14】
データは車両を囲む建物の形状、寸法、色、および、窓について記載することを特徴とする請求項7に記載の構造。
【請求項15】
ナビゲーションマップを表示する方法であって、
前記方法は、
車両の位置を自動的に測定する工程と、
車両を囲む建物に関連した三次元データを特定する工程と、
ユーザーからの入力を受け取る工程を含み、
該入力は、ユーザーによって要求されたノンフォトリアリスティックな画像様式であり、
前記方法はさらに、
データと入力に基づいて、ノンフォトリアリスティック画像をレンダリングする工程と、
ノンフォトリアリスティック画像をユーザーに電子的に表示する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
ノンフォトリアリスティック画像様式は、劇画様式、ペン画様式、鉛筆画様式の1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
特定する工程が、車両の位置に関連する三次元データを発見する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
特定する工程が、車両内に配されたコンパクトディスクからデータを検索する工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
特定する工程が、三次元データのセントラル・レポジトリからデータを無線で受け取る工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ユーザーからのフィードバックに基づいて、ノンフォトリアリスティック画像の視角を修正する工程をさらに含み、
データは、建物の形状、寸法、色、および、窓について記載することを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−508858(P2013−508858A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535281(P2012−535281)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/053058
【国際公開番号】WO2011/049870
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(511150573)ロベルト ボッシュ ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】