説明

ハイブリッド車両の制御装置

【課題】エンジンの始動停止の頻度を低減することにより、乗員に与える違和感を低減する。
【解決手段】統合コントローラ10は、アクセル開度APOが予め設定されたエンジン停止判定値APO1以下であることをアクセルオフとして判定し、このアクセルオフの判定タイミングを起点としてエンジン停止開始タイミングを設定する。この場合、統合コントローラ10は、勾配路であると判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングを、勾配路でないと判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングよりも遅くしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンとモータジェネレータとを駆動源として備えるハイブリッド車両の制御装置が知られている。このハイブリッド車両では、第1クラッチによりエンジンとモータジェネレータとが断続可能に連結されており、第2クラッチによりモータジェネレータと駆動輪とが断続可能に連結されている。これにより、ハイブリッド車両は、モータジェネレータを動力源として走行する電気自動車走行モードと、モータジェネレータとエンジンとを動力源として走行するエンジン使用走行モードとを有し、これらのモードを切り換えながら走行する。
【0003】
また、特許文献1には、ハイブリッド車両の走行モードとして、エンジン使用スリップ走行モード、および、モータスリップ走行モードが開示されている。エンジン使用スリップ走行モードは、第1クラッチを締結状態で第2クラッチをスリップ制御させ、エンジンを動力源に含みながら走行するモードである。このモードは、発進時や低速時などに使用される。一方、モータスリップ走行モードは、エンジンを作動させたまま、第1クラッチを解放し、モータジェネレータを作動させつつ第2クラッチをスリップ制御させ、モータジェネレータを動力源として走行するモードである。このモータスリップ走行モードは、勾配路での発進時や低速時などに、前述のエンジン使用スリップ走行モードに代えて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−132195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなハイブリッド車両では、アクセル開度や車速に応じてエンジンを停止するシーンが存在するため、アクセルワークにともないエンジンの始動や停止が行われる。また、前述の如く、勾配路ではモータスリップ走行モードへ遷移するために、エンジンの始動要求がなされる。そのため、エンジンの始動停止の頻度が高くなることで、乗員が違和感を覚える可能性もある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの始動停止の頻度を低減することにより、乗員に与える違和感を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、本発明は、アクセル開度検出値が予め設定された第1エンジン停止判定値以下であることをアクセルオフとして判定し、このアクセルオフの判定タイミングを起点としてエンジンを停止するエンジン停止開始タイミングを設定する設定部とを有するハイブリッド車両の制御装置を提供する。ここで、設定部は、勾配路であると判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングを、勾配路でないと判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングよりも遅くする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、勾配路では、アクセルオフの判定直後にエンジンの始動要求があるよ
うな場合であっても、エンジン停止開始タイミングが継続されている分、エンジンの停止および始動が連続するといった事態が抑制される。これにより、エンジンの始動停止の頻度を低減することができるので、乗員に与える違和感を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ハイブリッド車両を模式的に示す構成図
【図2】目標駆動力マップの説明図
【図3】目標充放電電力量マップの説明図
【図4】実施形態にかかる統合コントローラ10を機能的に示すブロック構成図
【図5】第1の実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作を示すフローチャート
【図6】第1の実施形態にかかる、アクセル開度APO、車速VSP、勾配推定値RGおよびフラグFest,Fesrの推移を示すタイミングチャート
【図7】第2の実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作を示すフローチャート
【図8】第2の実施形態にかかるアクセル開度APO、車速VSP、勾配推定値RGおよびフラグFest,Fesrの推移を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる制御装置が適用されるハイブリッド車両を模式的に示す構成図である。まず、ハイブリッド車両の駆動系の構成を説明する。このハイブリッド車両の駆動系は、エンジンEと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左右のドライブシャフトDSL,DSRと、左右の駆動輪(例えば左右の後輪RL,RR)とを有している。
【0011】
エンジンEは、例えばガソリンエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジン出力軸にはフライホイールFWが設けられている。
【0012】
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に配置されたクラッチである。第1クラッチCL1としては、例えば比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いることができる。この第1クラッチCL1は、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。
【0013】
モータジェネレータMGは、永久磁石が埋設されたロータと、ステータコイルが巻き付けられたステータとで構成される同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータMGは、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいてインバータ3が動作することにより、バッテリ4からインバータ3を介してから出力される三相交流電流を通じて制御される。このモータジェネレータMGは、電力の供給を受けている場合には、回転駆動する電動機として動作することができるし、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として動作することもできる。モータジェネレータMGにより発生した電力は、バッテリ4の充電のために使用される。モータジェネレータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
【0014】
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右の後輪RL,RRとの間に介装
されたクラッチである。第2クラッチCL2としては、例えば比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いている。この第2クラッチCL2は、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。
【0015】
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。前述の第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用して構成されている。
【0016】
この自動変速機ATの出力軸は、車両駆動軸としてのプロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左右のドライブシャフトDSL,DSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
【0017】
このハイブリッド車両には、第1クラッチCL1の状態に応じて3つの走行モードが存在する。第1走行モードは、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モード(以下「EV走行モード」という)である。第2走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下「HEV走行モード」という)である。第3走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下「WSC走行モード」という)である。このWSCモードは、バッテリ4の充電状態SOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成可能なモードである。
【0018】
また、本実施形態において、ハイブリッド車両には、エンジンEを作動させたまま、第1クラッチCL1を解放し、モータジェネレータMGを作動させつつ第2クラッチCL2をスリップ制御させ、モータジェネレータMGを動力源として走行するモータ使用スリップ走行モード(以下「MWSC走行モード」という)が存在する。WSC走行モードでは、路面勾配が所定値以上における上り坂等でアクセルヒルホールド(ドライバーがアクセルペダルを調整して車両停止状態を維持する動作)が行われるような場合、第2クラッチCL2のスリップ量が過多の状態が継続されるおそれがある。なぜならば、エンジンEをアイドル回転数より小さくすることができないからである。
【0019】
そこで、このMWSC走行モードにより、以下に列挙する効果を得ることができる。(1)アイドル回転数よりも低い回転数でモータジェネレータMGを回転することから、第2クラッチCL2のスリップ量を小さくすることが可能となり、第2クラッチCL2の耐久性の向上を図ることができる。(2)エンジンEが作動状態であることからモータジェネレータMGにエンジン始動分の駆動トルクを残しておく必要が無く、モータジェネレータMGの駆動トルク上限値を大きくすることができる。具体的には、要求駆動力軸で見たときに、EV走行モードの領域よりも高い要求駆動力に対応できる。(3)モータジェネレータMGの回転状態を確保することでスイッチング素子等の耐久性を向上できる。
【0020】
つぎに、ハイブリッド車両の制御系について説明する。ハイブリッド車両の制御系は、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とを主体に構成されている。個々のコントローラ1,2,5,7,9,10としては、例えば、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。これらのコントローラ1,2,5,7,9,10は、ハイブリッド車両の制御装置が構成し、互いに情報交換が可能なCA
N通信線11を介して接続されている。
【0021】
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じて、エンジン動作点(Ne:エンジン回転数、Te:エンジントルク)に関する制御指令を演算する。演算により得られた制御指令は、例えばスロットルバルブアクチュエータ(図示せず)へ出力される。なお、エンジン回転数Ne等の情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
【0022】
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じて、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm:モータジェネレータ回転数、Tm:モータジェネレータトルク)に関する制御指令を演算する。演算により得られた制御指令は、インバータ3へ出力される。また、このモータコントローラ2は、バッテリ4の充電状態SOCを監視しており、このバッテリ4の充電状態SOCは、モータジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
【0023】
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じて、第1クラッチCL1の締結・開放に関する制御指令を演算する。演算により得られた制御指令は、第1クラッチ油圧ユニット6に出力される。第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を第1クラッチストローク情報C1Sとして、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
【0024】
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ(アクセル開度検出部)16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18とドライバーの操作するシフトレバーの位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチからのセンサ情報と、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令とに応じて、第2クラッチCL2の締結・開放に関する制御指令を演算する。演算により得られた制御指令は、AT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力される。なお、ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16からのセンサ情報であるアクセル開度AP、また、車速センサ17からのセンサ情報である車速VSP、さらに、インヒビタスイッチからのセンサ情報を、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
【0025】
ブレーキコントローラ9は、4輪のそれぞれの車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークBSを検出するブレーキストロークセンサ20とからのセンサ情報が入力される。ブレーキコントローラ9は、例えばブレーキ踏込制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(摩擦ブレーキによる制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
【0026】
統合コントローラ10は、ハイブリッド車両の駆動系の動作点を統合制御する。統合コントローラ10には、モータジェネレータMGの回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチ伝達トルク容量TCL2を検出する第2クラッチトルクセンサ23と、ブレーキ油圧センサ24と、第2クラッチCL2の温度を検知する温度センサ10aと、前後加速度Gdtを検出するGセンサ10bからの情報、およびCAN通信線11を介して得られた情報が入力される。
【0027】
また、統合コントローラ10は、エンジンコントローラ1への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ2への制御指令によるモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチコントローラ5への制御指令による第1クラッチCL1の締結・開放制御と、ATコントローラ7への制御指令による第2クラッチCL2の締結・開放制御とを行う。
【0028】
以下、統合コントローラ10による基本的な制御形態について説明する。例えば、この演算は、制御周期10msec毎に統合コントローラ10で演算される。
【0029】
統合コントローラ10は、図2に示す目標駆動力マップを用いて、アクセル開度(アクセル開度検出値)APOと車速VSPとから、目標駆動力を演算する。
【0030】
統合コントローラ10は、例えば目標モード選択マップを参照することにより、アクセル開度APOと車速VSPと路面勾配に基づいて、目標走行モードを決定する。目標モード選択マップは、実験やシミュレーションを通じて予め設定されており、目標走行モードは、EV走行モード、HEV走行モード、WSC走行モードおよびMWSC走行モードのいずれかから決定される。例えば、車速VSPが小さくかつアクセル開度APOが小さいシーンではEV走行モードが目標走行モードとして決定されるといった如くである。また、平坦な路面での車両の発進時には、WSC走行モードが目標走行モードとして決定され、勾配がある勾配路(上り坂路)における車両の発進時には、MWSC走行モードが目標走行モードとして決定されるといった如くである。
【0031】
統合コントローラ10は、図3に示す目標充放電電力量マップを用いて、バッテリ4の充電残量SOCから目標充放電電力量を演算する。
【0032】
統合コントローラ10は、アクセル開度APOと、目標駆動力と、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力とから、これらの動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルク指令と、目標モータジェネレータトルク指令と、第2クラッチCL2の目標伝達トルク容量および自動変速機ATの目標変速段と、第1クラッチ制御指令(ソレノイド電流指令)とを演算する。また、統合コントローラ10は、シフトマップに示すシフトスケジュールに沿って、第2クラッチCL2の目標伝達トルク容量と目標変速段とを達成するように第2クラッチ制御指令を演算する。ここで、シフトマップは、車速VSPとアクセル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものである。
【0033】
このような基本となる一連の制御動作を前提として、以下、本実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作について説明する。
【0034】
図4は、本実施形態にかかる統合コントローラ10を機能的に示すブロック構成図である。この統合コントローラ10は、これを機能的に捉えた場合、路面勾配推定部100と、エンジン始動フラグ設定部(以下「Eng始動フラグ設定部」という)200と、エンジン始動要求フラグ設定部(以下「Eng始動要求フラグ設定部という)300と、エンジン停止判定部(以下「Eng停止判定部」)400とを有する。
【0035】
路面勾配推定部100は、Gセンサ10bの検出値(前後加速度Gdt)に基づいて路面勾配を推定する。具体的には、路面勾配推定部100は、車輪速センサ19により検出された各車輪速加速度の平均値等から実加速度を演算し、この演算結果とGセンサ検出値との偏差から路面勾配を推定する。路面勾配推定部100により推定された路面勾配である勾配推定値RGは、Eng始動フラグ設定部200およびEng始動要求フラグ設定部300に出力される。
【0036】
Eng始動フラグ設定部200は、アクセル開度APOと車速VSPと勾配推定値RGとに基づいて、フラグFestを設定する。フラグFestは、走行モードとしてのEV走行モードの存在を前提として、エンジンEを始動したままとするのか(既に始動している場合には作動を継続したままとするのか)、それともエンジンEを停止するのかを示すフラグである。フラグFestにおいて、「1」はエンジン始動を示し、「0」はエンジン停止を
示す。このフラグFestは、Eng停止判定部400によって参照される。
【0037】
Eng始動フラグ設定部200は、設定部210と、タイマー部220とを有している。
【0038】
設定部210は、アクセル開度APOと、車速VSPと、タイマー部220から出力されるタイマー値Ttimeとに基づいて、フラグFestの切り換えを行う。具体的には、設定
部210は、フラグFestが「1」に設定されているシーンでは、車速VSPが車速判定
値VSP1よりも小さく、かつ、アクセル開度APOがエンジン停止判定値APO1よりも小さいことを条件に、アクセルがオフされたことを示すアクセルオフを判定する。そして、設定部210は、アクセルオフの判定タイミングを起点として、タイマー部220から出力されるタイマー値Ttimeの経過を条件に、フラグFestを「1」から「0」にセッ
トする。すなわち、設定部210は、フラグFestの切り換えを通じて、エンジンEを停
止するエンジン停止開始タイミングを設定する。なお、設定部210は、フラグFestが
「0」に設定されている場合には、車速VSPが車速判定値VSP1よりも小さく、かつ、アクセル開度APOがゼロでないことを条件に、アクセルがオンされたことを示すアクセルオンを判定する。そして、設定部210は、アクセルオンの判定を条件に、フラグFestを「0」から「1」にセットする。
【0039】
また、設定部210は、勾配推定値RGに基づいて、勾配路(上り坂路)であるか否かを否かを判定する(勾配判定部)。設定部210は、勾配推定値RGが予め設定された勾配判定値RG1よりも大きい場合、勾配路であるとの判定を行い、勾配推定値RGが勾配判定値RG1以下の場合には、勾配路ではない、すなわち、平坦路であると判定する。
【0040】
タイマー部220は、タイマー値Ttimeの設定を行う。タイマー値Ttimeは、通常、基準値Tstに設定されている。この基準値Tstは、短時間内のアクセル操作の微少な変化によりフラグFestの状態が頻繁に切り換えられることを抑制するために設けられており、
実験やシミュレーションを通じて最適値が予め設定されている。一方、タイマー部220は、設定部210により勾配路と判定された場合、タイマー値Ttimeを、基準値Tstとディレイ値Trgとの加算値として設定する。ここで、ディレイ値Trgは、勾配推定値RGが大きい程その値が長くなるように設定された可変値であり、実験やシミュレーションを通じて、勾配推定値RGに応じて取り得る値が予め設定されている。
【0041】
Eng始動要求フラグ設定部300は、車速VSPと勾配推定値RGとに基づいて、フラグFeを設定する。フラグFesrは、MWSC走行モードへの遷移に備えてエンジン始動を要求するのか、それとも要求しないのかを示すフラグである。このフラグFesrは、「
1」はエンジン始動の要求を示し、「0」はエンジン始動の非要求を示す。前述のように、例えば、MWSC走行モードは、坂路での発進といったケースにおいて目標走行モードとして選択される。そこで、Eng始動要求フラグ設定部300は、フラグFesrが「0
」に設定されているシーンでは、車速VSPが車速判定値VSP1よりも小さく、かつ、勾配推定値RGが勾配判定値よりも大きいことを条件に、MWSC走行モードへの遷移に備えてフラグFesrを「0」から「1」にセットする。一方、Eng始動要求フラグ設定
部300は、フラグFesrが「1」に設定されているシーンでは、車速VSPが車速判定
値VSP1以上、あるいは、勾配推定値RGが勾配判定以下であることを条件に、他の走行モードの遷移に応じてフラグFesrを「1」から「0」にセットする。
【0042】
Eng停止判定部400は、各フラグFest,Fesrの状態に基づいて、エンジンEの停止または始動を指示するエンジン指令(Eng指令)をエンジンコントローラ1に出力する。具体的には、Eng停止判定部400は、アクセルオフ判定がなされている場合には、フラグFestが「0」であることを条件に、エンジンEの停止を指令する(既に停止し
ている場合には停止状態の継続を指令する)エンジン停止指令を出力し、フラグFestが
「1」であることを条件に、エンジンEの始動を指令する(既に始動している場合には作動状態の継続を指令する)エンジン始動指令を出力する。なお、Eng停止判定部400は、アクセルオン判定がなされている場合には、各フラグFest,Fesrがそれぞれ「1」であることを条件に、エンジン始動指令を出力し、各フラグFest,Fesrの少なくとも一方が「0」であることを条件に、エンジン停止指令を出力する。
【0043】
以下、本実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作を説明する。図5は、本実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン停止開始タイミングを設定する際の制御の流れを示している。このフローチャートに示す処理は、アクセルオフ判定をトリガーとして実行される。
【0044】
まず、ステップ10(S10)において、統合コントローラ10は、現在の路面が勾配路であるか否かを判定する。具体的には、統合コントローラ10は、統合コントローラ10は、路面勾配推定値RGが勾配判定値RG1よりも大きいか否かを判定する。このステップ10において肯定判定された場合、すなわち、路面が勾配路である場合には、ステップ11(S11)に進む。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、路面が勾配路ではない場合には、後述するステップ12(S12)に進む。
【0045】
ステップ11において、統合コントローラ10は、勾配路のシーンにおいてタイマー値Ttimeに反映されるディレイ値Trgを設定する。統合コントローラ10は、例えばディレイ値Trgと路面勾配推定値RGとの対応関係を示すテーブルを保持しており、このテーブルを参照し、路面勾配推定値RGに基づいてディレイ値Trgを設定する。
【0046】
ステップ12において、統合コントローラ10は、エンジン停止制御を開始する。具体的には、統合コントローラ10は、フラグFestが「1」から「0」に切り換えられたこ
とを条件に、エンジンコントローラ1に対してエンジン停止指令を出力する。
【0047】
ここで、図6は、ある走行シーンにおける、アクセル開度APO、車速VSP、勾配推定値RGおよびフラグFest,Fesrの推移を示すタイミングチャートである。なお、説明の便宜上、同図では、タイマー値Ttimeに適用される基準値Tstをゼロと仮定している(図8についても同様)。
【0048】
同図に示す走行シーンは、勾配推定値RGで示すように、走行距離に応じて路面勾配が比例的に増加するような勾配路を想定している。このような勾配路に進入した後、アクセル開度APOを一定のままで走行を行うことにより、車速VSPは、勾配路の勾配の増加に応じて序々に低下し、車速判定値VSP1より小さくなる。
【0049】
つぎに、アクセ開度APOを序々に小さくしていくと、車速VSPも序々に低下していく。あるタイミングで勾配推定値RGが勾配判定値RG1よりも小さくなると、フラグFesrが「0」から「1」へと切り換えらえる。
【0050】
そして、時間がさらに経過すると、アクセル開度APOがエンジン停止判定値APO1よりも小さくなる。すなわち、このタイミングにおいてアクセルオフ判定がなされる。車
両が平坦路を走行している場合には、アクセルオフの判定タイミングを起点として、基準値Tstの経過を条件に、フラグFestが「1」から「0」に切り換えられる。これに対し
て、車両が勾配路を走行している場合には、アクセルオフの判定タイミングを起点として、基準値Tstとディレイ値Trgとの加算値の経過を条件に、フラグFestが「1」から「
0」に切り換えられることとなる。このフラグFestの切り換えタイミングが、エンジン
停止開始タイミングとなる。
【0051】
このように本実施形態において、統合コントローラ10(エンジン始動フラグ設定部200)は、アクセル開度APOが予め設定されたエンジン停止判定値APO1以下であることをアクセルオフとして判定し、このアクセルオフの判定タイミングを起点としてエンジン停止開始タイミングを設定する。この場合、統合コントローラ10は、勾配路であると判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングを、勾配路でないと判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングよりも遅くしている。
【0052】
かかる構成によれば、勾配路では、勾配路でない場合と比較してエンジン停止開始タイミングが遅く設定される。そのため、勾配路では、アクセルオフの判定直後にエンジンEの始動要求があるような場合であっても、エンジン停止開始タイミングが継続されている分、エンジンEの停止および始動が連続するといった事態が抑制される。これにより、エンジンEの始動停止の頻度を低減することができるので、乗員に与える違和感を低減することができる。
【0053】
また、本実施形態において、統合コントローラ10(エンジン始動フラグ設定部200)は、アクセルオフの判定タイミングからエンジン停止開始タイミングまでの期間をタイマー値limitとして設定するタイマー部220を有し、このタイマー部210は、勾配路
であると判定された場合に設定するタイマー値Tlimitを、勾配路でないと判定された場
合に設定するタイマー値limitよりも長くする。
【0054】
かかる構成によれば、タイマー部220のタイマー値により、勾配路では、アクセルオフ判定からエンジン停止開始タイミングまでの期間を平坦路よりも遅延させることができる。これにより、エンジンEの始動停止の頻度を低減することができるので、乗員に与える違和感を低減することができる。
【0055】
また、本実施形態において、タイマー部220は、勾配推定値RGが大きい程、勾配路であると判定された場合に設定するタイマー値Tlimitを長くする。
【0056】
かかる構成によれば、勾配路の路面勾配が大きい程、アクセルオフ判定からエンジン停止開始タイミングまでの期間を長く設定される。そのため、路面勾配に応じて適切にエンジンEの始動停止の頻度を低減することができるので、乗員に与える違和感を低減することができる。
【0057】
また、本実施形態において、統合コントローラ10は、複数の走行モードのなかから目標走行モードを選択することができ、この走行モードとしては、EV走行モード、MWSC走行モードがある。勾配路では、MWSC走行モードの遷移に備えてエンジン始動要求がなされるが、本実施形態によれば、走行モードの遷移にともなうエンジンEの始動停止の頻度を低減することができる。
【0058】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作について説明する。この第2の実施形態にかかる制御動作が、第1の実施形態のそれと相違する点は、エンジン停止開始タイミングの設定手法である。なお、第1の実施形態と重複する点につ
いては説明を省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
【0059】
本実施形態において、Eng始動フラグ設定部200の設定部210は、アクセル開度APOと、車速VSPと、タイマー部220から出力されるタイマー値Ttimeと、勾配推定値RGとに基づいて、フラグFestの切り換えを行う。具体的には、設定部210は、
フラグFestが「1」に設定されているシーンでは、車速VSPが車速判定値VSP1よ
りも小さく、かつ、アクセル開度APOがエンジン停止判定値APO1(以下「第1のエンジン停止判定値APO1という」)よりも小さいことを条件に、アクセルオフを判定する。つぎに、設定部210は、アクセルオフの判定タイミングを基点として、タイマー部220から出力されるタイマー値Ttimeが経過し、かつ、アクセル開度APOが第2のエンジン停止判定値APO2よりも小さいことを判定すると、フラグFestを「1」から「
0」にセットする。
【0060】
本実施形態の特徴の一つとして、アクセル開度APOと比較される第2のエンジン停止判定値APO2は、勾配推定値RGに応じて取り得る値が異なる可変値として設定されている。具体的には、第2のエンジン停止判定値APO2は、勾配推定値RGが大きい程、小さな値となるように、実験やシミュレーションを通じて勾配好推定値RGに応じて取り得る値が予め設定されている。
【0061】
なお、前述のように、第2のエンジン停止判定値APO1を可変値として設定した関係上、本実施形態では、タイマー部220は、基準値Tstのみをタイマー値Ttimeとして使用する。
【0062】
以下、本実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作を説明する。図7は、本実施形態にかかる統合コントローラ10の具体的な制御動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン停止開始タイミングを設定する際の制御の流れを示している。このフローチャートに示す処理は、アクセルオフ判定をトリガーとして実行される。
【0063】
まず、ステップ20(S20)において、統合コントローラ10は、現在の路面が勾配路であるか否かを判定する。具体的には、統合コントローラ10は、統合コントローラ10は、路面勾配推定値RGが勾配判定値RG1よりも大きいか否かを判定する。このステップ20において肯定判定された場合、すなわち、路面が勾配路である場合には、ステップ11(S21)に進む。一方、ステップ20において否定判定された場合、すなわち、路面が勾配路ではない場合には、後述するステップ23(S23)に進む。
【0064】
ステップ21において、統合コントローラ10は、第2のエンジン停止判定値APO2を設定する。例えば、統合コントローラ10は、第2のエンジン停止判定値APO2と、路面勾配推定値RGとの対応関係を示すテーブルを保持しており、このテーブルを参照し、路面勾配推定値RGに基づいて第2のエンジン停止判定値APO2を設定する。
【0065】
ステップ22において、統合コントローラ10は、アクセル開度APOが第2のエンジン停止判定値APO2以下であるか否かを判定する。このステップ22において肯定判定された場合、すなわち、アクセル開度APOが第2のエンジン停止判定値APO2以下である場合には、ステップ23(S23)に進む。これに対して、ステップ22において否定判定された場合、すなわち、アクセル開度APOが第2のエンジン停止判定値APO2よりも大きい場合には、ステップ20の処理に進む。
【0066】
ステップ23において、統合コントローラ10は、エンジン停止制御を開始する。具体的には、統合コントローラ10は、フラグFestが「1」から「0」に切り換えられたこ
とを条件に、エンジンコントローラ1に対してエンジン停止指令を出力する。
【0067】
ここで、図8は、図6と同様の走行シーンにおける、アクセル開度APO、車速VSP、勾配推定値RGおよびフラグFest,Fesrの推移を示すタイミングチャートである。同図に示すように、アクセル開度APOがエンジン停止判定値APO1よりも小さくなる。すなわち、このタイミングにおいてアクセルオフ判定がなされる。車両が平坦路を走行している場合には、アクセルオフの判定タイミングを起点として、基準値Tstの経過を条件に、フラグFestが「1」から「0」に切り換えられる。これに対して、車両が勾配路を
走行している場合には、アクセルオフの判定後、さらに、アクセル開度APOが第2のエンジン停止判定値APO2よりも小さいことを判定すると、フラグFestが「1」から「
0」に切り換えられることとなる。このフラグFestの切り換えタイミングが、エンジン
停止開始タイミングとなる。
【0068】
このように本実施形態によれば、統合コントローラ10(Eng始動フラグ設定部200)は、第1エンジン停止判定値APO1よりも小さい第2エンジン停止判定値APO2を有し、アクセルオフの判定後、アクセル開度APOが第2エンジン停止判定値APO2以下となるタイミングをエンジン停止開始タイミングとして設定する。
【0069】
かかる構成によれば、第2エンジン停止判定値APO2により、勾配路では、アクセルオフ判定からエンジン停止開始タイミングまでの期間を平坦路よりも遅延させることができる。これにより、エンジンEの始動停止の頻度を低減することができるので、乗員に与える違和感を低減することができる。
【0070】
また、本実施形態において、統合コントローラ10(Eng始動フラグ設定部210)は、勾配推定値RGが大きい程、第2エンジン停止判定値APO2を小さな値に設定する。
【0071】
かかる構成によれば、勾配路の路面勾配が大きい程、アクセルオフ判定からエンジン停止開始タイミングまでの期間を長く設定される。そのため、路面勾配に応じて適切にエンジンEの始動停止の頻度を低減することができるので、乗員に与える違和感を低減することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、ハイブリッド車両の構成は上記構成に限定されるものではなく、第2クラッチとして、変速機とモータジェネレータの間または変速機と駆動輪との間に新たなクラッチを設けてもよい。
【符号の説明】
【0073】
E エンジン
CL1 第1クラッチ
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ
100 路面勾配推定部
200 Eng始動フラグ設定部
210 設定部
220 タイマー部
300 Eng始動要求フラグ
400 Eng停止判定部
10b Gセンサ
12 エンジン回転数センサ
13 レゾルバ
14 第1クラッチ油圧センサ
15 第1クラッチストロークセンサ
16 アクセル開度センサ
17 車速センサ
18 第2クラッチ油圧センサ
19 車輪速センサ
20 ブレーキストロークセンサ
21 モータ回転数センサ
22 第2クラッチ出力回転数センサ
23 第2クラッチトルクセンサ
24 ブレーキ油圧センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンとモータジェネレータとを駆動源として備えるハイブリッド車両の制御装置において、
路面勾配を推定する路面勾配推定部と、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出部と、
前記路面勾配推定部が推定した勾配推定値に基づいて、勾配路であるか否かを判定する勾配判定部と、
アクセル開度検出値が予め設定された第1エンジン停止判定値以下であることをアクセルオフとして判定し、当該アクセルオフの判定タイミングを起点として前記エンジンを停止するエンジン停止開始タイミングを設定する設定部とを有し、
前記設定部は、勾配路であると判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングを、勾配路でないと判定された場合に設定するエンジン停止開始タイミングよりも遅くすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記アクセルオフの判定タイミングから前記エンジン停止開始タイミングまでの期間をタイマー値として設定するタイマー部を有し、
前記タイマー部は、勾配路であると判定された場合に設定するタイマー値を、勾配路でないと判定された場合に設定するタイマー値よりも長くすることを特徴とする請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記タイマー部は、前記勾配推定値が大きい程、勾配路であると判定された場合に設定するタイマー値を長くすることを特徴とする請求項2に記載されたハイブリッド車両。
【請求項4】
前記設定部は、前記第1エンジン停止判定値よりも小さい第2エンジン停止判定値を有し、
前記アクセルオフの判定後、前記アクセル開度検出値が前記第2エンジン停止判定値以下となるタイミングを前記エンジン停止開始タイミングとして設定することを特徴とする請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記勾配推定値が大きい程、前記第2エンジン停止判定値を小さな値に設定することを特徴とする請求項4に記載されたハイブリッド車両の制御装置。
【請求項6】
前記勾配推定値と、前記アクセル開度検出値と、車速とに基づいて、複数の走行モードの中から目標走行モードを選択する選択手段をさらに有し、
前記複数の走行モードは、
前記エンジンを作動させたまま、前記エンジンと前記モータとの間に配置される第1クラッチを解放し、前記モータジェネレーを作動させつつ前記モータと駆動輪との間に配置される第2クラッチをスリップ制御させ、モータジェネレータを動力源として走行するモータ使用スリップ走行モードと、
前記エンジンを停止させて、前記第1クラッチの開放状態で、モータジェネレータの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードと
を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載されたハイブリッド車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−91598(P2012−91598A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239166(P2010−239166)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】