説明

ハイブリッド車及びハイブリッド車の制御方法

【課題】運転者にいずれのモードで走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせると共に、あとどのくらいプラグインハイブリッド車特有のモードで走行可能かを知らせる。
【解決手段】プラグインハイブリッド車において、内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを禁止するプラグインハイブリッド車特有の第1のモードと、許容する第2のモードとのいずれか1つのモードを設定するにあたり、蓄電手段の残容量が所定の閾値以上のときには第1のモードに設定し、所定の閾値未満のときには第2のモードに設定する。そして、5分間毎の燃費を30分前まで時系列的に表示手段に表示するにあたり、5分間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離を導出して燃費と残走行可能距離とを併せて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車及びハイブリッド車の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両で走行する際、1Lの燃料でどれだけの距離を走行したかということは運転者にとって重要な情報である。また、運転の仕方や走行している道路の状況などによっても燃費が変化するため、運転者は現在の燃費だけでなく過去の燃費の経時的変化についても知りたいという要望がある。そこで、過去30分間における平均燃費を1分間毎に表示する燃費表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−78699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、発電機及び電動機と電力のやり取りを行う蓄電池を備えたハイブリッド車が知られているが、近年では、ハイブリッド車の蓄電池を家庭用電源から充電することが可能なプラグインハイブリッド車が提案されている。エンジンからの動力を用いて発電して蓄電池を充電するよりも家庭用電源から蓄電池を充電して電動機のみにより走行した方が燃費の点で有利なため、このプラグインハイブリッド車には、通常のハイブリッド車と同様の制御により走行するモードの他に、エンジンからの動力を用いた発電による蓄電池の充電を禁止して走行するプラグインハイブリッド車特有のモードを有しているものがある。このような複数のモードで走行する場合においては、現在及び過去にいずれのモードで走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせることで、運転者がプラグインハイブリッド車特有のモードによる燃費のよさを実感できるようにしたいという要望がある。また、あとどのくらいプラグインハイブリッド車特有のモードで走行可能かを知らせることで、運転者がより燃費のよい運転をする一助としたいという要望がある。
【0004】
そこで、本発明のハイブリッド車及びハイブリッド車の制御方法は、運転者にいずれのモードで走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせると共に、あとどのくらいプラグインハイブリッド車特有のモードで走行可能かを知らせることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のハイブリッド車及びハイブリッド車の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車であって、
表示手段と、
前記蓄電手段の残容量を検出する残容量検出手段と、
前記内燃機関の燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
走行距離を検出する走行距離検出手段と、
前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するモード設定手段と、
前記燃料消費量と前記走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出する燃費導出手段と、
前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記残容量と前記第1のモード領域において前記残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、前記単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する残走行可能距離導出手段と、
前記単位期間毎の燃費を時系列的に前記表示手段に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しない表示制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
本発明の第1のハイブリッド車では、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、発電機及び電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能となっている。さらに、内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、残容量が残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に残容量が含まれる場合には第2のモードを設定する。また、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、残容量と第1のモード領域において残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、所定の単位期間毎の残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する。そして、検出した燃料消費量と走行距離とから単位期間毎の燃費を導出して単位期間毎の燃費を時系列的に表示手段に表示するにあたり、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみでない場合には、単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しない。これにより、燃費と残走行可能距離とが併せて表示されているか否かによって第1のモードで走行した際の燃費か否かが区別可能な状態で燃費が時系列的に表示されるため、運転者にいずれのモードにより走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせることができる。また、内燃機関からの動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電する場合よりも外部から供給された電力で蓄電手段を充電する場合の方が内燃機関の燃料消費量が少なくて済むため、一般に第1のモードは第2のモードより燃費がよくなり、この本発明の第1のハイブリッド車では、第1のモードのみで走行している単位期間においては残走行可能距離が併せて表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かを知らせることができる。さらに、複数の単位期間において第1のモードで走行している場合には、単位期間毎の残走行可能距離が時系列的に表示されるため、残走行可能距離が急激に減少している場合には運転者がより残走行可能距離が減少しない運転を心がけるなど、運転者が燃費のよい第1のモードでより長く運転を継続する一助とすることができる。なお、この本発明のハイブリッド車はいわゆるプラグインハイブリッド車である。また、第1のモードはプラグインハイブリッド車特有のモードである。
【0008】
こうした本発明の第1のハイブリッド車において、前記残走行可能距離導出手段は、前記残容量と前記残容量閾値との差に単位残容量あたりの第1のモードでの残走行可能距離を乗ずることで、前記単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する手段であるものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の第1のハイブリッド車において、前記残走行可能距離導出手段は、前記単位期間毎の前記残走行可能距離として、該単位期間が経過する直前の残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する手段であるものとすることもできる。これにより、単位期間中における最新の残容量に対応する残走行可能距離が導出されて表示手段に表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かをより適切に知らせることができる。
【0010】
本発明の第2のハイブリッド車は、
内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車であって、
表示手段と、
前記内燃機関の燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
走行距離を検出する走行距離検出手段と、
前記蓄電手段の残容量を検出する残容量検出手段と、
前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するモード設定手段と、
前記燃料消費量と前記走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出する燃費導出手段と、
前記単位期間毎の燃費を時系列的に前記表示手段に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示しない表示制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0011】
本発明の第2のハイブリッド車では、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、発電機及び電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能となっている。さらに、内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、残容量が残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に残容量が含まれる場合には第2のモードを設定する。そして、検出した燃料消費量と走行距離とから所定の単位期間毎の燃費を導出して単位期間毎の燃費を時系列的に表示手段に表示するにあたり、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示し、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみでない場合には、単位期間毎の残容量を併せて表示しない。これにより、燃費と残容量とが併せて表示されているか否かによって第1のモードで走行した際の燃費か否かが区別可能な状態で燃費が時系列的に表示されるため、運転者にいずれのモードにより走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせることができる。また、既述した通り、一般に第1のモードは第2のモードより燃費がよくなり、この本発明の第1のハイブリッド車では、第1のモードのみで走行している単位期間においては残容量が併せて表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かの概略を知らせることができる。さらにまた、複数の単位期間において第1のモードで走行している場合には、単位期間毎の残容量が時系列的に表示されるため、残容量が急激に減少している場合には運転者がより蓄電手段の残容量が減少しない運転を心がけるなど、運転者が燃費のよい第1のモードでより長く運転を継続する一助とすることができる。
【0012】
こうした本発明の第2のハイブリッド車において、前記表示制御手段は、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の前記残容量として該単位期間が経過する直前の残容量を併せて表示する手段であるものとすることもできる。これにより、単位期間中における最新の残容量が導出されて表示手段に表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かをより適切に知らせることができる。
【0013】
本発明の第1のハイブリッド車の制御方法は、
表示手段を備え、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車の制御方法であって、
(a)前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記蓄電手段の残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するステップと、
(b)前記内燃機関の燃料消費量と前記ハイブリッド車の走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出するステップと、
(c)前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記残容量と前記第1のモード領域において前記残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、前記単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出するステップと、
(d)前記表示手段に前記単位期間毎の燃費を時系列的に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しないステップと、
を含むことを要旨とする。
【0014】
本発明の第1のハイブリッド車の制御方法では、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、発電機及び電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車において、内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、残容量が残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に残容量が含まれる場合には第2のモードを設定する。また、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、残容量と第1のモード領域において残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、所定の単位期間毎の残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する。そして、検出した燃料消費量と走行距離とから単位期間毎の燃費を導出して単位期間毎の燃費を時系列的に表示手段に表示するにあたり、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみでない場合には、単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しない。これにより、燃費と残走行可能距離とが併せて表示されているか否かによって第1のモードで走行した際の燃費か否かが区別可能な状態で燃費が時系列的に表示されるため、運転者にいずれのモードにより走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせることができる。また、既述した通り、一般に第1のモードは第2のモードより燃費がよくなり、この本発明の第1のハイブリッド車の制御方法では、第1のモードのみで走行している単位期間においては残走行可能距離が併せて表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かを知らせることができる。さらにまた、複数の単位期間において第1のモードで走行している場合には、単位期間毎の残走行可能距離が時系列的に表示されるため、残走行可能距離が急激に減少している場合には運転者がより残走行可能距離が減少しない運転を心がけるなど、運転者が燃費のよい第1のモードでより長く運転を継続する一助とすることができる。なお、この第1のハイブリッド車の制御方法は、上述したいずれかの第1のハイブリッド車の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0015】
本発明の第2のハイブリッド車の制御方法は、
表示手段を備え、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車の制御方法であって、
(a)前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記蓄電手段の残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するステップと、
(b)前記内燃機関の燃料消費量と前記ハイブリッド車の走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出するステップと、
(c)前記表示手段に前記単位期間毎の燃費を時系列的に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示しないステップと、
を含むことを要旨とする。
【0016】
この本発明の第2のハイブリッド車の制御方法では、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、発電機及び電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車において、内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、残容量が残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に残容量が含まれる場合には第2のモードを設定する。そして、検出した燃料消費量と走行距離とから所定の単位期間毎の燃費を導出して単位期間毎の燃費を時系列的に表示手段に表示するにあたり、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示し、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみでない場合には、単位期間毎の残容量を併せて表示しない。これにより、燃費と残容量とが併せて表示されているか否かによって第1のモードで走行した際の燃費か否かが区別可能な状態で燃費が時系列的に表示されるため、運転者にいずれのモードにより走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせることができる。また、既述した通り、一般に第1のモードは第2のモードより燃費がよくなり、この本発明の第1のハイブリッド車の制御方法では、第1のモードのみで走行している単位期間においては残容量が併せて表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かを知らせることができる。さらにまた、複数の単位期間において第1のモードで走行している場合には、単位期間毎の残容量が時系列的に表示されるため、残容量が急激に減少している場合には運転者がより蓄電手段の残容量が減少しない運転を心がけるなど、運転者が燃費のよい第1のモードでより長く運転を継続する一助とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例であるプラグインハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のプラグインハイブリッド車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)70とを備える。また、このプラグインハイブリッド車20は、外部から電力を供給するためのプラグ58や燃費を表示するメータ表示ユニット98を備えている。
【0019】
エンジン22は、例えばガソリン又は軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。エンジン22の運転状態に関するデータとしては、例えば、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいて演算されるクランクシャフト26の回転数、すなわちエンジン22の回転数Neなどがある。なお、エンジンECU24は、微小期間T1(本実施例ではT1の値は100msecであるが、他の値でもよい)の間に図示しないインジェクタから噴射した燃料の量、すなわち微小期間T1毎の燃焼消費量qを演算しており、演算した値を周期T1毎にハイブリッドECU70に送信している。なお、微小期間T1毎の燃料消費量qは、例えば、図示しない空気流量計で検出されるエンジン22の吸入空気量と目標とする空燃比(例えば、理論空燃比)とから演算される必要燃料噴射量に基づいて演算することができる。
【0020】
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60及びデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
【0021】
モータMG1及びモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線及び負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
【0022】
バッテリ50は、リチウム蓄電池などの二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧としての供給電圧Vb,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて残容量SOCを演算したり、演算した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図2に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図3にバッテリ50の残容量SOCと入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。なお、バッテリECU52は、微小期間T1毎の残容量SOCを周期T1毎にハイブリッドECU70に送信している。
【0023】
プラグ58は、家庭用の交流電力を供給する差し込み接続器(例えば、AC100Vコンセント)に接続可能な差し込みプラグである。このプラグ58により供給された交流電力はインバータ56によって直流電力に変換され、電力ライン54を介してバッテリ50を充電できるようになっている。
【0024】
メータ表示ユニット98は、運転席近傍に配置された液晶パネルとして構成されており、詳しくは後述するが、プラグインハイブリッド車20の燃費Fを時系列的に燃費表示画面として表示することができる。このメータ表示ユニット98は、メータ用電子制御ユニット(以下、メータECUという)90によって表示内容が制御されている。
【0025】
メータECU90は、CPU92を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU92の他に処理プログラムを記憶するROM94と、データを一時的に記憶するRAM96と、図示しない入出力ポート及び通信ポートとを備える。詳しくは後述するが、メータECU90は、ハイブリッドECU70から必要なデータを受信しており、受信したデータに基づいて燃費Fを時系列的に表示するようメータ表示ユニット98を制御している。
【0026】
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポート及び通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッドECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,メータECU90と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,メータECU96と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。エンジンECU24及びバッテリECU52からは上述した微小期間T1毎における燃焼消費量q及び残容量SOCが周期T1毎に入力されており、ハイブリッドECU70は、現在から所定の合計期間T2(本実施例ではT2の値は30分であるが、他の値でもよい)前までの値をRAM76の燃料消費量記憶領域76a及び残容量記憶領域76dにそれぞれ時系列順に記憶している。また、ハイブリッドECU70は、車速センサ88からの車速Vに基づいて微小期間T1の間に走行した距離、すなわち微小期間T1毎の走行距離dを周期T1毎に演算しており、現在から合計期間T2前までの値をRAM76の走行距離記憶領域76bに時系列順に記憶している。さらにまた、プラグインハイブリッド車20が走行するにあたり、ハイブリッドECU70は周期T1毎に第1のモードと第2のモードとのいずれかにモードを設定しており、第1のモードに設定しているときにはモード設定値Mを値0とし、第2のモードに設定しているときにはモード設定値Mを値1としている。ハイブリッドECU70は、このモード設定値Mの現在から合計期間T2前までの値をRAM76のモード設定値記憶領域76cに時系列順に記憶している。なお、第1のモードと第2のモードとの違いについては後述する。
【0027】
こうして構成された実施例のプラグインハイブリッド車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。ここで、実施例のプラグインハイブリッド車20は、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを運転制御するにあたり、第1のモードと第2のモードとのいずれかのモードが設定されるようになっている。
【0028】
第1のモードは、エンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力によりバッテリ50が充電するのを禁止しつつ要求動力に見合う動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御して走行するモードである。プラグインハイブリッド車20はプラグ58及びインバータ56を介して家庭用の交流電力でバッテリ50を充電することができるため、この第1のモードではエンジン22からの動力で充電することを禁止して燃費を向上させているのである。具体的には、エンジン22を停止した状態でモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ走行や、MG2からの動力のみでは要求動力に見合う動力が出力できないときにエンジン22を運転してエンジン22から出力される動力をリングギヤ軸32aに出力すると共にエンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力と同じかそれ以上の電力をモータMG2で消費してリングギヤ軸32aに動力を出力する放電走行などを行う。
【0029】
一方、第2のモードは、エンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力によりバッテリ50が充電するのを許容しつつ要求動力に見合う動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御して走行するモードである。この第2のモードは、エンジン22からの動力で充電することを許容することで走行中にバッテリ50のSOCが低下したときでも走行を継続できるようにしている。具体的には、上述のモータ走行や放電走行に加えて、要求動力とバッテリ50の充電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部又はその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1及びモータMG2を駆動制御する充電走行などを行う。
【0030】
なお、第1のモードと第2のモードとのいずれで走行するかはイグニッションスイッチ80からのイグニッション信号によりハイブリッドECU70が起動したときのバッテリ50の残容量SOCに基づいてハイブリッドECU70が設定している。具体的には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号によりハイブリッドECU70が起動したときバッテリ50の残容量SOCが残容量閾値SOCref(本実施例では残容量閾値SOCrefの値は30%であるが、他の値でもよい)以上であると第1のモードに設定され、残容量閾値SOCref未満であると第2のモードに設定される。また、第1のモードが設定されているときにバッテリ50のSOCが残容量閾値SOCref未満になったときにはモードを切り替えて第2のモードに設定される。
【0031】
次に、こうして構成された実施例のプラグインハイブリッド車20の動作、特にメータ表示ユニット98に燃費を表示する際の動作について説明する。図4は、メータECU90によって実行される燃費表示ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは所定の単位期間T3(本実施例ではT3の値は5分であるが、他の値でもよい)毎に繰り返し実行される。
【0032】
図4の燃費表示ルーチンが実行されると、メータECU90は、まず、現在から単位期間T3前までにおける燃料消費量Q及び走行距離Dを導出する(ステップS100)。上述したように、ハイブリッドECU70のRAM76の燃料消費量記憶領域76a及び走行距離記憶領域76bには、微小期間T1毎の燃料消費量q及び走行距離dが時系列順に記憶されており、現在から単位期間T3前までの値(本実施例では3000個分の値)をハイブリッドECU70から受信してそれぞれ積算することで、現在から単位期間T3前までにおける燃料消費量Q及び走行距離Dを導出することができる。次に、現在から単位期間T3前までにおける燃費Fを導出する(ステップS110)。現在から単位期間T3前までにおける燃費Fは、現在から単位期間T3前までにおける走行距離Dを現在から単位期間T3前までにおける燃料消費量Qで除することによって求めることができる。なお、現在から単位期間T3前までの間に上述したモータ走行のみで走行していた場合など、燃料消費量Qが値0のときには燃費Fは無限大であるものとする。なお、燃料消費量Qが値0のときだけでなく、燃料消費量Qがごく小さい値のとき、すなわち燃費Fの値が大きいとき(例えば、40km/L超過のとき)にも燃費Fを無限大であるとみなしてもよい。
【0033】
ステップS110の処理を実行すると、現在から単位期間T3前までにおけるモードが第1のモードのみであるか否かを判定する(ステップS120)。上述したように、ハイブリッドECU70のRAM76のモード設定値記憶領域76cには、周期T1毎のモード設定値Mが時系列順に記憶されており、現在から単位期間T3前までの値(本実施例では3000個分の値)をハイブリッドECU70から受信してモード設定値Mが全て値0であるか否かを調べることによって現在から単位期間T3前までにおけるモードが第1のモードのみであるか否かを判定することができる。
【0034】
ステップS120で現在から単位期間T3前までのモード設定値Mが全て値0であったとき、すなわち、現在から単位期間T3前までが第1のモードのみに設定されていたときには、現在から単位期間T3前までのうちの最後の残容量SOClastを取得する(ステップS130)。なお、現在から単位期間T3前までのうちの最後の残容量SOClastとは、単位期間T3が経過する直前の残容量SOCの値すなわち現在の残容量SOCの値である。上述したように、ハイブリッドECU70のRAM76の残容量記憶領域76dには、微小期間T1毎の残容量SOCが時系列順に記憶されており、その中で最も新しい値を最後の残容量SOClastとしてハイブリッドECU70から受信することで、最後の残容量SOClastを取得することができる。
【0035】
ステップS130で最後の残容量SOClastを取得すると、残走行可能距離Lを導出する(ステップS140)。残走行可能距離Lとは、第1のモードであとどれだけの距離を走行可能かを表した値であり、この値は残容量SOClastが残容量閾値SOCrefより大きいほど大きくなる。本実施例ではこの残走行距離Lを式(1)に示すように残容量SOClastと残容量閾値SOCrefとの差に単位距離ΔLを乗ずることで導出している。ここで、単位距離ΔLは、残容量SOC1%あたりの第1のモードでの走行可能距離を表す値である。この値は、例えば10・15モードなどの走行パターンにおける残容量SOC1%あたりの第1のモードでの走行可能距離を単位距離ΔLとするなど、実験により求めることができ、あらかじめROM94に記憶されている。
【0036】
L=(SOClast-SOCref)×ΔL (1)
【0037】
ステップS140で残走行可能距離Lを導出すると、残走行可能距離LとステップS110で導出した燃費Fの値とを対応づけてRAM96の燃費表示テーブルに記憶する(ステップS150)。一方、ステップS120で現在から単位時間T3前までのモード設定値Mが全て値0でなかったとき、すなわち、現在から単位期間T3前までが第1のモードのみに設定されていないときには、ステップS110で導出した燃費Fの値をRAM96の燃費表示テーブルに記憶する(ステップS160)。ここで、燃費表示テーブルの一例を図5に示す。図5に示すように、燃費表示テーブルには、現在から合計期間T2前までを単位期間T3ごとの複数の区間(本実施例では6つの区間)に区切り、区間毎に燃費Fと残走行可能距離Lとが対応づけて記憶されている。なお、燃費表示ルーチンが実行された回数が6回未満のときには、燃費表示テーブルに燃費F及び残走行可能距離Lが対応づけて記憶されていない区間が存在することになるが、このような区間にはNULL値が対応づけて記憶される。図5では、例として現在〜13分前までは第2のモードで走行し、13分前〜30分前までは第1のモードで走行した場合の燃費表示テーブルを示しているため、現在〜5分前の区間,5〜10分前の区間,10分前〜15分前の区間においては第1のモードのみでは走行しておらず、ステップS160の処理が実行されて燃費Fのみが記憶されている。なお、燃費Fのみが記憶されている区間の残走行可能距離LもNULL値が対応づけて記憶される。また、15〜20分前の区間,20〜25分前の区間,25〜30分前の区間においては第1のモードのみで走行しているため、ステップS150の処理が実行されて燃費Fと残走行可能距離Lとが対応づけて記憶されている。なお、20〜25分前の区間にモータ走行のみを行った場合の燃費表示テーブルを示しているため、この区間の燃費Fの値には無限大が対応づけられている。
【0038】
ステップS150又はS160の処理を実行すると、燃費表示テーブルに記憶した単位期間T3毎の燃費Fと残走行可能距離Lとをメータ表示ユニット98に時系列的に表示する(ステップS170)。例えば、図5に示した燃費表示テーブルがRAM96に記憶されている場合には、現在〜5分前の区間の燃費Fとして値21.6を表示し、5分前〜10分前の区間の燃費Fとして値23.1を表示し、10分前〜15分前の区間の燃費Fとして値27.5を表示し、15分前〜20分前の区間の燃費Fとして値33.7を、残走行可能距離Lとして値2.7を表示し、20〜25分前の区間の燃費Fとして無限大を、残走行可能距離Lとして値9.2を表示し、25〜30分前の区間の燃費Fとして値35.1を、残走行可能距離Lとして値22.0を表示することになる。図5に示した燃費表示テーブルがRAM96に記憶されている場合にメータ表示ユニット98に表示される燃費表示画面100を図6に示す。図6では、単位期間T3毎の燃費Fを棒グラフで表示し、残走行可能距離Lを折れ線グラフで表示している。また、燃費Fを表す縦軸は値が40km/Lを超過したものは全て無限大として表示することとし、二重波線102で縦軸方向の途中表記を省略して表示している。なお、燃費表示テーブルで対応する燃費Fや残走行可能距離LにNULL値が対応づけられている区間がある場合には、その区間についての燃費Fや残走行距離Lを表示しない。
【0039】
以上説明したように、実施例のプラグインハイブリッド車20では、燃料消費量Qと走行距離Dとから導出した単位期間T3毎の燃費Fを時系列的にメータ表示ユニット98に表示するにあたり、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、残容量SOClastと残容量閾値SOCrefとの差に単位距離ΔLを乗ずることで残走行可能距離Lを導出し、燃費Fと残走行可能距離Lとを併せて表示し、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみでない場合には、燃費Fのみを表示して残走行可能距離Lを表示しない。これにより、燃費Fと残走行可能距離Lとが併せて表示されているか否かによって第1のモードで走行した際の燃費か否かが区別可能な状態で時系列的に表示されるため、運転者にいずれのモードにより走行しているかの履歴やモードによる燃費の違いを知らせることができる。また、第1のモードのみで走行している区間においては残走行距離Lが併せて表示されるため、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かを知らせることができる。さらに、複数の区間において第1のモードで走行している場合には、単位期間T3毎の残走行可能距離Lが時系列的に表示されるため、残走行可能距離Lが急激に減少している場合には運転者がより残走行可能距離Lが減少しない運転を心がけるなど、運転者が燃費のよい第1のモードでより長く運転を継続する一助とすることができる。さらにまた、残容量SOClastは単位期間T3毎における単位期間T3が経過する直前の残容量SOCの値であるため、単位期間中における最新の残走行距離Lを導出して表示することができ、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かをより適切に知らせることができる。
【0040】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、式(1)によって残走行可能距離Lを導出しているが、残容量SOCが残容量閾値SOCref以上である領域において残容量SOClastが大きいほど残走行可能距離Lが大きくなる傾向にあれば、どのように残走行可能距離Lを導出しても構わない。例えば、残容量SOClastと残走行可能距離Lとの関係を残走行可能距離導出マップとしてROM94に記憶しておき、図4のステップS140において残走行可能距離導出マップを用いて残容量SOClastに対応する残走行可能距離Lを導出するものとしてもよい。残走行可能距離導出マップの一例を図7に示す。なお、残走行可能距離導出マップは実験により求めることができる。
【0041】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、単位期間T3毎における単位期間T3が経過する直前の残容量SOClastを用いて単位期間T3毎の残走行可能距離Lを導出しているが、単位期間T3毎におけるいずれの残容量SOCの値を用いて残走行可能距離Lを導出してもよい。例えば、単位期間T3毎における最初の残容量SOCの値を用いてもよいし、単位期間T3毎における残容量SOCの平均値を用いてもよい。
【0042】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、残容量SOCが残容量閾値SOCref以上であると第1のモードに設定され、残容量閾値SOCref未満であると第2のモードに設定されるが、残容量閾値SOCref超過であると第1のモードに設定され、残容量閾値SOCref以下であると第2のモードに設定されてもよい。
【0043】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、第1のモードのみで走行している区間においては燃費Fと残走行距離Lとが併せて表示されるが、燃費Fと残容量SOCとを併せて表示してもよい。例えば、図4のステップS130で最後の残容量SOClastを取得したときには、ステップS140〜S150の処理の代わりにステップS110で導出した燃費Fと残容量SOClastとを対応づけて燃費表示テーブルに記憶し、図4のステップS170で燃費表示テーブルの燃費Fと残容量SOClastとをメータ表示ユニット98に時系列的に表示するものとしてもよい。この場合でも、表示された残容量SOClastの値が残容量閾値SOCrefよりどれだけ大きい値かを把握させることができ、運転者にあとどのくらい燃費のよい第1のモードで走行可能かの概略を知らせることができる。また、この場合に、残容量SOClastの代わりに単位期間毎の残容量SOCの最初の値や平均値を表示するものとしてもよい。
【0044】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、微小期間T1毎における燃料消費量qと微小期間T1毎における走行距離dと周期T1毎のモード設定値Mと微小期間T1毎における残容量SOCが周期T1毎にハイブリッドECU70に記憶されるが、所定の単位期間T3毎の燃費Fの導出とモードの判定と残走行可能距離Lの導出とができればよく、各値が記憶される周期は異なっていてもよい。例えば、50msec毎における燃料消費量が50sec毎に記憶され,100msec毎における走行距離が100msec毎に記憶され,モード設定値が1分毎に記憶され、150msec毎における残容量SOCが150msec毎に記憶されてもよい。また、単位期間T3毎における残容量SOCが単位期間T3毎に記憶されてもよい。
【0045】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、単位期間T3の値は5分であるが、単位期間T3の値が複数あり、運転者がいずれの値で燃費を表示するかを選択できるものとしてもよい。例えば、メータ表示ユニットが単位期間切替スイッチを備えており、運転者が単位期間切替スイッチを押す毎に単位期間T3の値が1分と5分とで切り替わるものとしてもよい。この場合、例えば単位期間切替スイッチが押されて単位期間T3の値が5分から1分に切り替わったときには、燃費表示テーブルも現在から合計期間T2前までを1分ごとの30の区間に区切り区間毎に燃費Fと残走行可能距離Lとが対応づけて記憶できるようにし、図4の燃費表示ルーチンのステップS100〜S160と同様の処理を30回行って各区間の燃費Fと残走行可能距離Lとを導出して燃費表示テーブルに記憶し、メータ表示ユニットに1分ごとの燃費Fと残走行可能距離Lとを時系列的に表示するものとしてもよい。
【0046】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、微小期間T1毎における燃料消費量qと走行距離dと周期T1毎のモード設定値Mと微小期間T1毎における残容量SOCとがハイブリッドECU70のRAM76に記憶されるが、メータECU90のRAM96に記憶されてもよい。また、図4の燃費表示ルーチンのステップS100〜S160をハイブリッドECU70が実行して燃費Fと残走行可能距離Lとを対応づけてRAM76に燃費表示テーブルとして記憶し、メータECU90がRAM76に記憶された燃費表示テーブルに基づいて図4のステップS160の処理を実行してメータ表示ユニット98に燃費Fと残走行可能距離Lとを時系列的に表示するものとしてもよい。さらに、メータECU90の機能がハイブリッドECU70に含まれる構成として、図4の燃費表示ルーチンを全てハイブリッドECU70が実行してメータ表示ユニット98に燃費Fと残走行可能距離Lとを時系列的に表示するものとしてもよい。
【0047】
実施例のプラグインハイブリッド車20では、家庭用の交流電力を供給する差し込み接続器に接続可能なプラグ58とインバータ56とによってバッテリ50を充電できる構成としているが、外部から供給される電力でバッテリ50を充電可能であればどのような構成としてもよい。例えば、専用の据置型充電器に接続してバッテリ50を充電できる構成としてもよいし、充電ステーションなど家庭外の場所でバッテリ50を充電可能な構成としてもよい。また、インダクティブ方式やコンダクティブ方式などどのような充電方式でバッテリ50を充電してもよい。
【0048】
実施例では、パラレル−シリーズハイブリッド車の構成を有するプラグインハイブリッド車20として説明したが、シリーズハイブリッド車の構成を有するプラグインハイブリッド車としてもよい。また、実施例では、プラグインハイブリッド車20として説明したが、プラグインハイブリッド車の制御方法としてもよい。
【0049】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、メータ表示ユニット98が「表示手段」に相当し、微小期間T1毎の燃焼消費量qを演算するエンジンECU24が「燃料消費量検出手段」に相当し、車速センサ88と車速センサ88からの車速Vに基づいて微小期間T1毎の走行距離dを演算するハイブリッドECU70とが「走行距離検出手段」に相当し、バッテリ50の残容量SOCが所定の残容量閾値SOCref以上であるか否かによってエンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力によりバッテリ50が充電するのを禁止する第1のモードとエンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力によりバッテリ50が充電するのを許容する第2のモードとのいずれかのモードを設定するハイブリッドECU70が「モード設定手段」に相当し、微小期間T1毎の燃料消費量q及び走行距離dから単位期間T3毎の燃料消費量Q及び走行距離Dを導出して単位期間T3毎の燃費Fを導出する図4の燃費表示ルーチンのステップS100〜S110の処理を実行するメータECU90が「燃費導出手段」に相当し、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみに設定されていたときには残容量SOClastと残容量閾値SOCrefとの差に単位距離ΔLを乗ずることで残走行可能距離Lを導出する図4の燃費表示ルーチンのステップS120〜S140の処理を実行するメータECU90が「残走行可能距離導出手段」に相当し、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみに設定されていたときには燃費Fと残走行可能距離Lとを対応づけてRAM96の燃費表示テーブルに記憶し、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみに設定されていないときには燃費FをRAM96の燃費表示テーブルに記憶して燃費表示テーブルに記憶した単位期間T3毎の燃費Fと残走行可能距離Lとをメータ表示ユニット98に時系列的に表示する図4の燃費表示ルーチンのステップS150〜S170の処理を実行するメータECU90が「表示制御手段」に相当する。
【0050】
ここで、「内燃機関」としては、ガソリン又は軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」や「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1やモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機及び電動機と電力のやり取りが可能であれば如何なるものとしても構わない。「表示手段」としては、液晶パネルに燃費を時系列的に燃費表示画面として表示するメータ表示ユニット98に限定されるものではなく、燃費と残走行可能距離とを併せて表示可能であるか又は燃費と残容量とを併せて表示可能であれば如何なるものとしても構わない。「燃料消費量検出手段」としては、微小期間T1毎の燃焼消費量qを演算するエンジンECU24に限定されるものではなく、内燃機関の燃料消費量を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「走行距離検出手段」としては、車速センサ88と車速センサ88からの車速Vに基づいて微小期間T1毎の走行距離dを演算するハイブリッドECU70とに限定されるものではなく、走行距離を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「モード設定手段」としては、バッテリ50の残容量SOCが所定の残容量閾値SOCref以上であるか否かによってエンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力によりバッテリ50が充電するのを禁止する第1のモードとエンジン22から出力される動力でモータMG1を発電させて得られる電力によりバッテリ50が充電するのを許容する第2のモードとのいずれかのモードを設定するハイブリッドECU70に限定されるものではなく、内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと内燃機関から出力される動力で発電機を発電させて得られる電力により蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に残容量が含まれる場合には第1のモードを設定し、残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に残容量が含まれる場合には第2のモードを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「燃費導出手段」としては、微小期間T1毎の燃料消費量q及び走行距離dから単位期間T3毎の燃料消費量Q及び走行距離Dを導出して単位期間T3毎の燃費Fを導出する図4の燃費表示ルーチンのステップS100〜S110の処理を実行するメータECU90に限定されるものではなく、燃料消費量と走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出するものであれば如何なるものとしても構わない。「残走行可能距離導出手段」としては、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみに設定されていたときには残容量SOClastと残容量閾値SOCrefとの差に単位距離ΔLを乗ずることで残走行可能距離Lを導出する図4の燃費表示ルーチンのステップS120〜S140の処理を実行するメータECU90に限定されるものではなく、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、残容量と第1のモード領域において残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出するものであれば如何なるものとしても構わない。「表示制御手段」としては、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみに設定されていたときには燃費Fと残走行可能距離Lとを対応づけてRAM96の燃費表示テーブルに記憶し、単位期間T3毎におけるモードが第1のモードのみに設定されていないときには燃費FをRAM96の燃費表示テーブルに記憶して燃費表示テーブルに記憶した単位期間T3毎の燃費Fと残走行可能距離Lとをメータ表示ユニット98に時系列的に表示する図4の燃費表示ルーチンのステップS150〜S170の処理を実行するメータECU90に限定されるものではなく、単位期間毎の燃費を時系列的に表示手段に表示するにあたり、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみである場合には、単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、単位期間毎におけるモードが第1のモードのみでない場合には、単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しないものであれば如何なるものとしても構わない。
【0051】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0052】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】プラグインハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。
【図3】バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。
【図4】メータECU90により実行される燃費表示ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】RAM96に記憶される燃費表示テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】メータ表示ユニット98に表示される燃費表示画面100の説明図である。
【図7】残走行可能距離導出マップの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
20 プラグインハイブリッド車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリヤ、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,56 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、58 プラグ、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、76a 燃料消費量記憶領域、76b 走行距離記憶領域、76c モード設定値記憶領域、76d 残容量記憶領域、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 メータ用電子制御ユニット(メータECU)、92 CPU、94 ROM、96 RAM、98 メータ表示ユニット、100 燃料表示画面、102 二重波線、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車であって、
表示手段と、
前記蓄電手段の残容量を検出する残容量検出手段と、
前記内燃機関の燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
走行距離を検出する走行距離検出手段と、
前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するモード設定手段と、
前記燃料消費量と前記走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出する燃費導出手段と、
前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記残容量と前記第1のモード領域において前記残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、前記単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する残走行可能距離導出手段と、
前記単位期間毎の燃費を時系列的に前記表示手段に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しない表示制御手段と、
を備えるハイブリッド車。
【請求項2】
前記残走行可能距離導出手段は、前記残容量と前記残容量閾値との差に単位残容量あたりの第1のモードでの残走行可能距離を乗ずることで、前記単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する手段である、
請求項1に記載のハイブリッド車。
【請求項3】
前記残走行可能距離導出手段は、前記単位期間毎の前記残走行可能距離として、該単位期間が経過する直前の残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出する手段である、
請求項1又は2に記載のハイブリッド車。
【請求項4】
内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車であって、
表示手段と、
前記内燃機関の燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
走行距離を検出する走行距離検出手段と、
前記蓄電手段の残容量を検出する残容量検出手段と、
前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するモード設定手段と、
前記燃料消費量と前記走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出する燃費導出手段と、
前記単位期間毎の燃費を時系列的に前記表示手段に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示しない表示制御手段と、
を備えるハイブリッド車。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の前記残容量として該単位期間が経過する直前の残容量を併せて表示する手段である、
請求項4に記載のハイブリッド車。
【請求項6】
表示手段を備え、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車の制御方法であって、
(a)前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記蓄電手段の残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するステップと、
(b)前記内燃機関の燃料消費量と前記ハイブリッド車の走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出するステップと、
(c)前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記残容量と前記第1のモード領域において前記残容量が大きいほど大きくなる傾向にある第1のモードでの残走行可能距離との関係を用いて、前記単位期間毎の該残容量に対応する第1のモードでの残走行可能距離を導出するステップと、
(d)前記表示手段に前記単位期間毎の燃費を時系列的に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残走行可能距離を併せて表示しないステップと、
を含むハイブリッド車の制御方法。
【請求項7】
表示手段を備え、内燃機関から出力される動力で発電機を発電可能であると共に前記内燃機関の動力及び電動機の動力の少なくとも一方を車軸に連結された駆動軸に出力して走行し、前記発電機及び前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段を外部から供給された電力で充電可能なハイブリッド車の制御方法であって、
(a)前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを禁止する第1のモードと前記内燃機関から出力される動力で前記発電機を発電させて得られる電力により前記蓄電手段を充電するのを許容する第2のモードとのうちいずれか1つのモードを設定するにあたり、前記蓄電手段の残容量が所定の残容量閾値よりも大きい領域である第1のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第1のモードを設定し、前記蓄電手段の残容量が該残容量閾値よりも小さい領域である第2のモード領域に前記残容量が含まれる場合には前記第2のモードを設定するステップと、
(b)前記内燃機関の燃料消費量と前記ハイブリッド車の走行距離とに基づいて所定の単位期間毎の燃費を導出するステップと、
(c)前記表示手段に前記単位期間毎の燃費を時系列的に表示するにあたり、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみである場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示し、前記単位期間毎におけるモードが前記第1のモードのみでない場合には、前記単位期間毎の残容量を併せて表示しないステップと、
を含むハイブリッド車の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−23739(P2010−23739A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189354(P2008−189354)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】