パターン形状計測方法、半導体装置の製造方法、およびプロセス制御システム
【課題】半導体デバイスの微細化に対して、プロセスマージンが狭小な場合でも半導体パターンの形状計測を高精度で行うことができるパターン形状計測方法を提供する。
【解決手段】パターン形状計測方法において、ベストマッチとなる計算波形が選出不可能な場合は、形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、パターン形状計測に依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、ライブラリと検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出するステップと、ベストマッチした計算波形より対象パターンの形状情報を求める。
【解決手段】パターン形状計測方法において、ベストマッチとなる計算波形が選出不可能な場合は、形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、パターン形状計測に依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、ライブラリと検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出するステップと、ベストマッチした計算波形より対象パターンの形状情報を求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスなどの半導体装置の製造技術に関し、特に、露光工程後・エッチング工程後に行われるパターン形状のインライン計測技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは近年微細化が進み、デバイス製造におけるプロセスマージンも非常に狭小化している。このような状況の中、製品の不良を無くし、歩留り向上のためのプロセス管理方法として、微細パターンの寸法管理を行うことが重要である。
【0003】
ここで、図13および図14に、現在、半導体デバイス製造においてパターン計測が適用される工程例を示す。図13および図14は従来の半導体デバイス製造においてパターン計測が適用されている工程例を示す図である。
【0004】
まず、成膜20の工程にて半導体ウェハ上に酸化膜や金属膜を形成する。その後、膜厚計測21にて、作成した薄膜が均一かつ規格値を満たしているか計測する。計測をクリアすると、次工程としてリソグラフィ22のレジスト塗布工程にて感光性樹脂膜が塗布され、露光工程にて、マスクを通した光が半導体ウェハ上に照射される。
【0005】
その後現像工程にて、ポジ型の場合は光が照射された部分が現像液により溶け、ネガ型では光が照射された部分が残り、レジストパターンが形成される。リソグラフィ22の工程処理が終わると、インライン計測23にて、CD−SEM(Critical Dimension−Scanning Electron Microscope:電子顕微鏡)計測による対象パターンの寸法計測、スキャトロメトリによる対象パターンの形状計測が実施される。
【0006】
その後エッチング24にて、酸化膜あるいは金属膜にパターンを形成し、上記23と同様に、インライン計測25が実施される。なお、インライン計測とは、デバイス製造プロセスの一工程として組み込まれている計測工程のことであり、特に、計測後に再びウェハをライン上に戻すような計測工程である。
【0007】
また、図14に示すようにインライン計測23の結果をリソグラフィ22へフィードバック、エッチング24へフィードフォワード、またインライン計測25の結果をエッチング24の製造装置へフィードバックすることなどにより、パターン寸法が一定に保たれるようにプロセス制御が行われる。
【0008】
また、図15に計測対象パターンの例を示す。図15は従来のコンタクトホール形成工程におけるウェハ断面模式図とプロセスフローを示す図である。
【0009】
ウェハの構成はSi基板40、SiO2膜41(配線層間膜)、ホトレジスト42の多層膜構成になっており、図15(a)ではホトレジストへパターン形成が行われ、図15(b)ではドライエッチによるSiO2膜へパターン形成が行われ、コンタクトホール43が形成されていく仕組みになっている。コンタクトホール43のような拡散層と金属配線層の接続部分はデバイス製造においてマージンが狭く、特に穴底寸法の計測・管理から、不良の早期発見による歩留り向上効果が期待されている。
【0010】
微細パターンの計測方法としては、現在CD−SEMが主流である。CD−SEMの原理としては、電子銃から放出される1次電子を測定試料に照射し、試料から放出される2次電子を検出器で捉え、得られた強度分布から対象パターンの寸法を計測する方法である。
【0011】
また、最近ではスキャトロメトリと呼ばれる、対象パターンの線幅、高さ、側壁角度などの立体形状情報を取得可能とする光学式パターン形状計測装置も用いられるようになってきた。
【0012】
ここで、図16にスキャトロメトリの計測原理を示す。
【0013】
まず、ステップ51にて、対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から計算モデルを作成し、ステップ52にて、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0014】
次に、ステップ53にて、形状パラメータを逐次変化させシミュレーションを実施し、得られた複数の計算波形から、ライブラリを作成する。
【0015】
また、ステップ54にて、スキャトロメトリ装置の光学系により分光波形を取得し、ステップ55にて、検出波形を取得後、ステップ56にて、ステップ53で作成したライブラリ中の計算波形と、ステップ55で取得した検出波形を比較し、ステップ57にて、検出波形と最も一致度の高い計算波形をベストマッチ計算波形として選出する。
【0016】
選んだベストマッチ計算波形から、ステップ58にて、対象パターンの線幅d1、d2、パターン高さh1、膜厚h2、h3および側壁角度θを算出する仕組みとなっている。
【0017】
上記のようにCD−SEM計測、およびスキャトロメトリ計測が一般に用いられている理由は、共にインライン計測へ適用可能である点が大きい。両者のメリットとして、CD−SEMでは製品パターンを直接観察することが可能なため、計測にて異常検知をした場合、早期原因究明が行え、スキャトロメトリでは、計測に光を用いるため、CD−SEMに比べて大気圧下での計測が可能なため、高スループットで対象パターンを計測できる。
【0018】
しかし、それぞれのデメリットとして、例えば、図17に示すようにコンタクトホールをCD−SEMにて計測した場合、平面情報のみしか取得できず、立体形状情報を得ることは難しい。図17は従来のCD−SEMにてコンタクトホールを計測した例を示す図である。
【0019】
また、スキャトロメトリでは、テストパターンとして製品ウェハのスクライブ部分にスキャトロメトリ計測用の専用TEG(Test Element Group:特性評価用素子)を用いなければならず、製品パターンに異常があった場合、直接その箇所を観察することができないという課題がある。
【0020】
このような課題の対策として、CD−SEM計測をベースに、スキャトロメトリの計測結果を用いて製品パターンの立体形状情報を得る方法が、特開2004−219343号公報(特許文献1)に記載されている。
【0021】
また、スキャトロメトリでは、スループット向上のため、計算モデルからシミュレーションにより、予め計算モデルの計測パラメータを数十万〜数百万変化させ、計算波形を算出し、図18に示すようなライブラリを作成するため、インライン計測に適用するまでの準備負荷が大きいという課題がある。
【0022】
図18は従来の計算モデルからシミュレーションにより求める計算波形のライブラリを示す図である。
【0023】
このような課題の対策として、スキャトロメトリの計測をベースにし、予め膜のみのモデルを作成し、その膜モデルから予測値を推定し、その値を用いることによりシミュレーションの計算簡略化を測る方法が、特表2008−530519号公報(特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2004−219343号公報
【特許文献2】特表2008−530519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上記のような課題に加え、従来のスキャトロメトリ計測では、今後半導体の微細化が進むことにより、問題として、対象パターンより得られる分光波形から各パラメータの特徴量を捉えにくくなり、パターンの形状計測が正確に行えなくなる可能性がある。
【0026】
例えば、図16に示すステップ56での波形一致条件を満たさない例としては、以下のような場合がある。
【0027】
図19〜図21は従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【0028】
対象試料の寸法が図19に示す基準試料80と比較し、図20の試料90のように、基準試料より寸法が太い/細い場合、あるいは図21に示す試料100のように、寸法変化のみでなく、基準試料に対し側壁角度も変化しているような場合である。
【0029】
また、図22に、寸法70nm、ピッチ140nmの対象パターンに光を照射した場合に得られる分光波形をシミュレーションにより算出した結果の一例を示す。図22は従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【0030】
図22では、最適パターン112に対し、寸法が−10%細いパターン111と+10%太いパターン113は分光波形に特徴的な変化が見られる。またこれらのパターンは、テーパ角1.6degreeの側壁角度が変化したパターン110との区別もつくため、夫々の形状の変化を計測することが可能である。
【0031】
また、図23に、寸法35nm、ピッチ70nmの対象パターンに光を照射した場合に得られる分光波形をシミュレーションにより算出した結果の一例を示す。図23は従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【0032】
図23では、最適パターン122に対し、寸法が−10%細いパターン121と寸法が+10%太いパターン123の分光波形にはそれぞれ変化があり、両パターンを区別することができる。
【0033】
しかし、対象パターンの側壁角度に変化があり、テーパ角1.6degreeのパターン120はパターン121と同じ波形となり、区別が難しいという結果が得られた。この理由として、スキャトロメトリ計測では、波長より大幅に小さいピッチでは、空気とパターン部分との体積比で決まる屈折率変化が分光波形から得られるが、変化量が非常に微小であるため、特徴を捉えにくいと考えられる。
【0034】
他の計測装置による代用を考えたとしても、例えば半導体デバイス製造におけるコンタクトホールを対象に計測を行う場合、ホールの穴底寸法を正確に計測できることが重要であるが、CD−SEM計測では立体形状計測が困難であり適していない。また、AFMなども現在インライン計測として用いるには再現性・スループット等の課題から実用的ではない。
【0035】
また、微細化に伴い半導体デバイスのプロセスマージンは狭小化の傾向にあるため、半導体デバイスの製造プロセスにおいて、高精度なプロセス制御が求められていることも課題の1つとしてあげられる。
【0036】
そこで、本発明の目的は、これらの課題を解決し、半導体デバイスの微細化に対して、プロセスマージンが狭小な場合でも半導体パターンの形状計測を高精度で行うことができるパターン形状計測方法を提供することである。
【0037】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0039】
すなわち、代表的なものの概要は、計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第1ステップと、計測対象の半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第2ステップと、データベースに格納されたライブラリと検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第3ステップと、ベストマッチとなる計算波形を選出する第3ステップで、ベストマッチとなる計算波形が選出不可能な場合は、形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、第1〜第3ステップに依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、ライブラリと検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップと、ベストマッチした計算波形より対象パターンの形状情報を求める第5ステップとを有するものである。
【発明の効果】
【0040】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0041】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、狭マージンの微細デバイスのパターン形状計測が可能となり、得られた形状情報から露光条件・エッチング条件の最適値を求め、各工程へフィードバック/フィードフォワードすることにより、精度良いプロセス制御を実現でき、歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における光干渉方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTEモードの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTMモードの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法におけるスキャトロメトリにて測定するコンタクトホールの立体形状計測モデルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における半導体デバイスの製造条件によるパターン寸法変動の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における分光エリプソメトリ方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムの構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムで使用される計算波形のライブラリの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムのディスプレイ上の表示例を示す図である。
【図13】従来の半導体デバイス製造においてパターン計測が適用されている工程例を示す図である。
【図14】従来の半導体デバイス製造においてパターン計測が適用されている工程例を示す図である。
【図15】(a)、(b)は従来のコンタクトホール形成工程におけるウェハ断面模式図とプロセスフローを示す図である。
【図16】従来のスキャトロメトリの計測原理を示す図である。
【図17】従来のCD−SEMにてコンタクトホールを計測した例を示す図である。
【図18】従来の計算モデルからシミュレーションにより求める計算波形のライブラリを示す図である。
【図19】従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【図20】従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【図21】従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【図22】従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図23】従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0044】
(実施の形態1)
図1〜図6により、本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作について説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャート、図2は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における光干渉方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図、図3は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTEモードの一例を示す図、図4は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTMモードの一例を示す図、図5は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法におけるスキャトロメトリにて測定するコンタクトホールの立体形状計測モデルの一例を示す図、図6は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における半導体デバイスの製造条件によるパターン寸法変動の一例を示す図である。
【0045】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0046】
図1において、まず、ステップ1にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0047】
次に、ステップ2にて、形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図18に示すようなライブラリを作成する。
【0048】
次に、ステップ3にて、スキャトロメトリの検出波形を計測する。検出波形の計測は、図2に示す光学系により光干渉方式にて行われる。
【0049】
図2において、まず、光源より出射した白色光140は、ビームスプリッター141にて反射され、対物レンズ142と偏光板143を通過し、計測対象の半導体デバイスの試料144に照射される。試料144より反射または回折した光は反射アパーチャ145に到達し、そこで一部の光が反射され、ミラー146を経て観察用カメラ147に入射する。
【0050】
また、反射アパーチャを通過した光は回折格子148により分光され、ミラー149による反射を経て、検出器150にて検出される仕組みになっている。
【0051】
また、偏光板143を回転させることにより、図3に示す対象パターン151に対し平行な光の成分TE(Transverse Electric Wave)モードと、図4に示す対象パターン151に対し垂直な光の成分TM(Transverse Magnetic Wave)モードの分光波形が取得できる。
【0052】
これは、パターン形状の変化(線幅、側壁角変化、高さ、裾引き・丸まりなど)に対し、TE/TMモードが夫々異なる感度を持つことを利用して情報量を増やし、計測精度を高めるためである。
【0053】
図1に戻り、次に、ステップ4にて、検出波形とライブラリのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出する。ここで、ベストマッチ波形が選出可能な場合は、ステップ7にて得られたベストマッチ波形よりパターンの形状を求める。
【0054】
また、ステップ4でベストマッチ波形が選出不可能な場合、スキャトロメトリ単体では対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。
【0055】
よって、ステップ5にて、形状パラメータの内、他計測装置であるCD−SEMを用いて対象パターンの寸法計測を行い、得られた寸法値を固定値とする。パターンの寸法値が決まることにより、最適パターンに対する寸法変化か、側壁角度も含めた変化かを区別することができ、ステップ6にて、ライブラリの中からベストマッチする計算波形が選択可能となり、よって、ステップ7にて、残りの形状情報が算出可能となる。
【0056】
上記のステップにより、結果として得られる形状パラメータの例として、図5に示すコンタクトホールの上面寸法d1、底面寸法d2、側壁角度θ、膜厚h1・h2・h3の立体形状情報があげられる。得られた形状情報から対象パターンの異常・不良原因を推定し、ステップ8にて、半導体デバイスの製造条件の変動検知を行う。変動検知には、事前に製造条件を変化させた半導体ウェハを作成し、製造条件に対するパターン形状情報を記憶させ、製造装置への補正を実施する。
【0057】
例えば、リソグラフィ工程では、予めフォーカス・露光量を変動させたFEM(Focus Exposure Matrix)ウェハを作成する。そして、FEMウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を回帰分析により求めることにより、フォーカス・露光量などの製造条件の変動を検知することができる。ここで求めた結果を、ステップ9にて、リソグラフィ工程などへフィードバックする。
【0058】
例えば、図6のように、予め記憶された露光量に対する対象パターン寸法の傾向から、次に製造される製品の露光工程後のパターン寸法を予測し、露光量補正を行う。結果、フィードバック適用後の計測値は規格値からの差が小さくなり、安定した製品製造が可能となる。
【0059】
また、エッチング工程へフィードフォワードする場合は、露光工程後に得たパターンの形状情報を元に、例えば、露光工程後のパターンが規格値より太い場合は、エッチング工程における、処理時間を長く設定し、エッチング工程後に最適になるように調整を行い、プロセス全体を制御する構成になっている。
【0060】
また、エッチング工程にてフィードバックに適用する場合、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を変動させたウェハを予め作成し、作成したウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を検知することができる。求めた結果をエッチング工程へフィードバックし、プロセス全体を制御する構成になっている。
【0061】
なお、本実施の形態では、他計測装置として、CD−SEMの例で説明したが、膜厚計やAFMを用いてもよい。
【0062】
(実施の形態2)
次に、図7および図8により、本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作について説明する。図7は本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャート、図8は本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における分光エリプソメトリ方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図である。
【0063】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0064】
図7において、まず、ステップ190にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0065】
次に、ステップ191にて形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図18に示すようなライブラリを作成する。
【0066】
次に、ステップ192にて、スキャトロメトリの検出波形を計測する。検出波形の計測は、図2に示す光学系により光干渉方式にて行われる。まず、光源より出射した白色光140は、ビームスプリッター141にて反射され、対物レンズ142と偏光板143を通過し、計測対象の半導体デバイスの試料144に照射される。試料144より反射または回折した光は反射アパーチャ145に到達し、そこで一部の光が反射され、ミラー146を経て観察用カメラ147に入射する。また反射アパーチャを通過した光は回折格子148により分光され、ミラー149による反射を経て、検出器150にて検出される仕組みになっている。
【0067】
また、偏光板143を回転させることにより、図3に示す対象パターン151に対し平行な光の成分TEモードと、図4に示す対象パターン151に対し垂直な光の成分TMモードの分光波形が取得できる。これは、パターン形状の変化(線幅、側壁角変化、高さ、裾引き・丸まりなど)に対し、TE/TMモードが夫々異なる感度を持つことを利用して情報量を増やし、計測精度を高めるためである。
【0068】
次に、ステップ193にて検出波形とライブラリのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出する。ここで、ベストマッチ波形が選出可能な場合は、ステップ196にて、得られたベストマッチ波形よりパターンの形状を求める。
【0069】
また、ステップ193でベストマッチ波形が選出不可能な場合、スキャトロメトリ単体では対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。
【0070】
よって、ステップ194にて形状パラメータの内、前工程にて分光エリプソメトリを用いた膜厚計計測により取得した膜厚値を固定値とする。
【0071】
ここで、図8により分光エリプソメータの計測原理を説明する。まず、光源170から出射した光は偏光子171を通り透過光軸に沿った直線偏光になるように偏光子の回転角度を設定する。偏光子171を通過した光は試料172に照射され、反射・回折した光は検光子173を通り、プリズム174にて周波数分解され、検出器175にて検出される仕組みとなる。
【0072】
検光子173は測定の際回転し、試料172へ照射前後の光の偏光状態の変化からエリプソパラメータとして、Δ、Ψが得られ(それぞれはp、sの偏光状態の位相差Δおよび振幅比Ψを示す)、得られたΔ、Ψより膜測値の算出が可能となる。
【0073】
図7に戻り、ステップ194でパターンの膜厚値が決まることにより、ステップ195にて、ライブラリの中からベストマッチする計算波形が選択可能となり、ステップ196にて、残りの形状情報が算出可能となる。
【0074】
上記のステップにより、結果として得られる形状パラメータの例として、図5に示すコンタクトホールの上面寸法d1、底面寸法d2、側壁角度θ、膜厚h1・h2・h3の立体形状情報があげられる。得られた形状情報から対象パターンの異常・不良原因を推定し、ステップ197にて、半導体デバイスの製造条件の変動検知を行う。変動検知には、事前に製造条件を変化させた半導体ウェハを作成し、製造条件に対するパターン形状情報を記憶させ、製造装置への補正を実施する。
【0075】
例えば、リソグラフィ工程では、予めフォーカス・露光量を変動させたFEMウェハを作成する。そして、FEMウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を回帰分析により求めることにより、フォーカス・露光量などの製造条件の変動を検知することができる。
【0076】
ここで求めた結果をステップ198にて、リソグラフィ工程などへフィードバックし、例えば、図6のように、予め記憶された露光量に対する対象パターン寸法の傾向から、次に製造される製品の露光工程後のパターン寸法を予測し、露光量補正を行う。
【0077】
その結果、フィードバック適用後の計測値は規格値からの差が小さくなり、安定した製品製造が可能となる。また、エッチング工程へフィードフォワードする場合は、露光工程後に得たパターンの形状情報を元に、例えば、露光工程後のパターンが規格値より太い場合は、エッチング工程における、処理時間を長く設定し、エッチング工程後に最適になるように調整を行い、プロセス全体を制御する装置になっている。
【0078】
また、エッチング工程にてフィードバックに適用する場合、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を変動させたウェハを予め作成し、作成したウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を検知することができる。
【0079】
ここで、求めた結果をエッチング工程へフィードバックし、プロセス全体を制御する構成になっている。
【0080】
(実施の形態3)
次に、図9により、本発明の実施の形態3に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作について説明する。図9は本発明の実施の形態3に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【0081】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0082】
図9において、まず、ステップ200にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0083】
次に、ステップ201にて形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図18に示すようなライブラリを作成する。その後、ステップ202にて、ライブラリの中に、形状パラメータは異なるが、同じ波形が存在するか否かの判定を行う。
【0084】
ここで存在しない場合は、ステップ206にて、ステップ207でのスキャトロメトリによる、対象パターンに光を照射し、反射光または回折光から得た検出波形とライブラリとのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出し、ステップ208にて、ベストマッチ波形よりパターンの形状情報を求める。
【0085】
ここで、ステップ207でのスキャトロメトリによる波形検出について示す。検出波形の計測は、図2に示す光学系により光干渉方式にて行われる。まず、光源より出射した白色光140は、ビームスプリッター141にて反射され、対物レンズ142と偏光板143を通過し、計測対象の半導体デバイスの試料144に照射される。試料144より反射または回折した光は反射アパーチャ145に到達し、そこで一部の光が反射され、ミラー146を経て観察用カメラ147に入射する。また反射アパーチャを通過した光は回折格子148により分光され、ミラー149による反射を経て、検出器150にて検出される仕組みになっている。
【0086】
また、偏光板143を回転させることにより、図3に示す対象パターン151に対し平行な光の成分TEモードと、図4に示す対象パターン151に対し垂直な光の成分TMモードの分光波形が取得できる。これは、パターン形状の変化(線幅、側壁角変化、高さ、裾引き・丸まりなど)に対し、TE/TMモードが夫々異なる感度を持つことを利用して情報量を増やし、計測精度を高めるためである。
【0087】
また、ステップ202にて、形状パタメータは異なるが、ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その計算波形については、スキャトロメトリ単体では対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。
【0088】
よって、ステップ203にて、同じ波形がどのような形状から得られたのかを確認し、ステップ204にて、波形判別のために必要な情報と用いる他計測装置をディスプレイなどにて提示する。
【0089】
次に、形状パラメータの内、ステップ204にて提示された他計測装置により得た対象パターンの情報を固定値とし、ステップ206にて、ステップ207でのスキャトロメトリによる、対象パターンに光を照射し、反射光または回折光から得た検出波形とライブラリとのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出し、ステップ208にて、ベストマッチ波形よりパターンの形状情報を求める。
【0090】
本実施の形態では、予めライブラリに登録された計算波形に、形状パラメータは異なるが、同じ波形が存在する場合に、対象パターンを他計測装置で計測し、他計測装置で計測した対象パターンの情報を固定値として使用するので、必ずベストマッチ波形を選出することができる。
【0091】
(実施の形態4)
次に、図10により、本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムについて説明する。図10は本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムの構成を示す図である。
【0092】
図10において、プロセス制御システムは、成膜210、露光装置211後のインライン計測を行うCD−SEM212、スキャトロメトリ213、製造管理システム225から構成される。製造管理システム225は、検出波形データ保管部215、計算波形データ保管部216、データベース217、判定結果出力部218、ディスプレイ219、マッチング演算部220、データ演算処理部221、寸法値入力部222、寸法データ保管部223、補正演算部224から構成される。
【0093】
次に、図10〜図12により、本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムの動作について説明する。図11は本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムで使用される計算波形のライブラリの一例を示す図、図12は本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムのディスプレイ上の表示例を示す図である。
【0094】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0095】
図10において、まず、半導体デバイス製造フローの1工程について説明する。成膜210の工程にて半導体ウェハ上に酸化膜や金属膜を形成する。その後リソグラフィ工程のレジスト塗布工程にて、感光性樹脂を塗布し、露光工程にて露光装置211よりマスクを通して光が半導体ウェハ上に照射される。
【0096】
その後、現像工程にて、ポジ型の場合は光が照射された部分が現像液により溶け、ネガ型では光が照射された部分が残り、レジストパターンが形成される。リソグラフィ工程が終わると、インライン計測にて、CD−SEM212による計測対象の半導体デバイスの対象パターンの寸法値計測およびスキャトロメトリ213による対象パターンの形状計測が実施される。そして、エッチング工程にて、エッチング装置214より不要な薄膜が除去される流れになっている。
【0097】
まず、スキャトロメトリ213による計測にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから算出した、計算波形データを計算波形データ保管部216にて保管する。
【0098】
次に、形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図11に示すようなライブラリを作成し、データベース217に保管する。その後ライブラリの中に、形状パラメータは異なるが、同じ波形が存在するか否かの判定を行い、結果を判定結果出力部218に出力、ディスプレイ219にて、判定結果が表示される。
【0099】
ここで、ライブラリの中に同じ波形が存在しない場合は、マッチング演算部220にて、スキャトロメトリ213により、計測対象の半導体デバイスの対象パターンに光を照射し、反射光または回折光から得た検出波形を、検出波形データ保管部215より取り出し、検出波形とライブラリとのマッチングを行い、ベストマッチ計算波形を選出する。
【0100】
次に、ベストマッチ計算波形よりパターンの形状情報を求め、データ演算処理部221にて、残りの形状パラメータを算出する。
【0101】
また、ライブラリの中に、形状パタメータは異なるが、同じ波形が存在する場合は、スキャトロメトリ213単体では、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。よって、例えば、図12に示すように、波形判別のために必要な情報と用いる他計測装置をディスプレイ219にて提示する。
【0102】
そして、寸法値入力部222にて、ディスプレイ219上に表示された対象形状パラメータの内、例えば、他計測装置としてCD−SEM212により得た対象パターンの寸法値を寸法データ保管部223より取り出し、固定値とする。
【0103】
その後、マッチング演算部220にてデータベース217のライブラリの計算波形と検出波形データ保管部215の検出波形のマッチングを行い、ベストマッチ計算波形を選出する。さらに、データ演算処理部221にてベストマッチ計算波形よりパターンの形状情報を求める。
【0104】
上記のステップにより、結果として得られる形状パラメータとして、図5に示すコンタクトホールの上面寸法d1、底面寸法d2、側壁角度θ、膜厚h1・h2・h3の立体形状情報があげられる。
【0105】
得られた形状情報から対象パターンの異常・不良原因を推定し、半導体デバイスの製造条件の変動検知を行う。変動検知には、事前に製造条件を変化させた半導体ウェハを作成し、製造条件に対するパターン形状情報を記憶させ、製造装置への補正を実施する。
【0106】
例えば、リソグラフィ工程では、予めフォーカス・露光量を変動させたFEMウェハを作成する。そして、FEMウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を回帰分析により求めることにより、フォーカス・露光量などの製造条件の変動を検知することができる。
【0107】
ここで求めた結果より、必要であれば露光装置211の設定値を補正演算部224にて、算出し、露光装置211へフィードバックし、例えば、図6のように、予め記憶された露光量に対する対象パターン寸法の傾向から、次に製造される製品の露光工程後のパターン寸法を予測し、露光量補正を行う。結果、フィードバック適用後の計測値は規格値からの差が小さくなり、安定した製品製造が可能となる。
【0108】
また、エッチング工程へフィードフォワードする場合は、露光工程後に得たパターンの形状情報を元に、例えば、露光工程後のパターンが規格値より太い場合は、エッチング工程における、処理時間を長く設定し、エッチング工程後に最適になるように調整を行い、プロセス全体を制御するシステムになっている。
【0109】
また、エッチング工程にてフィードバックに適用する場合、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を変動させたウェハを予め作成し、作成したウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を検知することができる。ここで、求めた結果をエッチング工程へフィードバックし、プロセス全体を制御するシステムになっている。
【0110】
なお、本実施の形態では、実施の形態3の処理による動作の例で説明したが、実施の形態1または実施の形態2の処理による動作においても、同様にパターン計測を行うことが可能である。
【0111】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は半導体デバイスなどの半導体装置の製造技術に関し、露光工程後やエッチング工程後に行われるパターン形状をインライン計測にて行うシステムなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
20…成膜、21…膜厚計測、22…リソグラフィ、23…インライン計測、24…エッチング、25…インライン計測、140…白色光、141…ビームスプリッター、142…対物レンズ、143…偏光板、144…試料、145…反射アパーチャ、146…ミラー、147…観察用カメラ、148…回折格子、149…ミラー、150…検出器、151…対象パターン、170…光源、171…偏光子、172…試料、173…検光子、174…プリズム、175…検出器、210…成膜、211…露光装置、212…CD−SEM、213…スキャトロメトリ、214…エッチング装置、215…検出波形データ保管部、216…計算波形データ保管部、217…データベース、218…判定結果出力部、219…ディスプレイ、220…マッチング演算部、221…データ演算処理部、222…寸法値入力部、223…寸法データ保管部、224…補正演算部、225…製造管理システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスなどの半導体装置の製造技術に関し、特に、露光工程後・エッチング工程後に行われるパターン形状のインライン計測技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは近年微細化が進み、デバイス製造におけるプロセスマージンも非常に狭小化している。このような状況の中、製品の不良を無くし、歩留り向上のためのプロセス管理方法として、微細パターンの寸法管理を行うことが重要である。
【0003】
ここで、図13および図14に、現在、半導体デバイス製造においてパターン計測が適用される工程例を示す。図13および図14は従来の半導体デバイス製造においてパターン計測が適用されている工程例を示す図である。
【0004】
まず、成膜20の工程にて半導体ウェハ上に酸化膜や金属膜を形成する。その後、膜厚計測21にて、作成した薄膜が均一かつ規格値を満たしているか計測する。計測をクリアすると、次工程としてリソグラフィ22のレジスト塗布工程にて感光性樹脂膜が塗布され、露光工程にて、マスクを通した光が半導体ウェハ上に照射される。
【0005】
その後現像工程にて、ポジ型の場合は光が照射された部分が現像液により溶け、ネガ型では光が照射された部分が残り、レジストパターンが形成される。リソグラフィ22の工程処理が終わると、インライン計測23にて、CD−SEM(Critical Dimension−Scanning Electron Microscope:電子顕微鏡)計測による対象パターンの寸法計測、スキャトロメトリによる対象パターンの形状計測が実施される。
【0006】
その後エッチング24にて、酸化膜あるいは金属膜にパターンを形成し、上記23と同様に、インライン計測25が実施される。なお、インライン計測とは、デバイス製造プロセスの一工程として組み込まれている計測工程のことであり、特に、計測後に再びウェハをライン上に戻すような計測工程である。
【0007】
また、図14に示すようにインライン計測23の結果をリソグラフィ22へフィードバック、エッチング24へフィードフォワード、またインライン計測25の結果をエッチング24の製造装置へフィードバックすることなどにより、パターン寸法が一定に保たれるようにプロセス制御が行われる。
【0008】
また、図15に計測対象パターンの例を示す。図15は従来のコンタクトホール形成工程におけるウェハ断面模式図とプロセスフローを示す図である。
【0009】
ウェハの構成はSi基板40、SiO2膜41(配線層間膜)、ホトレジスト42の多層膜構成になっており、図15(a)ではホトレジストへパターン形成が行われ、図15(b)ではドライエッチによるSiO2膜へパターン形成が行われ、コンタクトホール43が形成されていく仕組みになっている。コンタクトホール43のような拡散層と金属配線層の接続部分はデバイス製造においてマージンが狭く、特に穴底寸法の計測・管理から、不良の早期発見による歩留り向上効果が期待されている。
【0010】
微細パターンの計測方法としては、現在CD−SEMが主流である。CD−SEMの原理としては、電子銃から放出される1次電子を測定試料に照射し、試料から放出される2次電子を検出器で捉え、得られた強度分布から対象パターンの寸法を計測する方法である。
【0011】
また、最近ではスキャトロメトリと呼ばれる、対象パターンの線幅、高さ、側壁角度などの立体形状情報を取得可能とする光学式パターン形状計測装置も用いられるようになってきた。
【0012】
ここで、図16にスキャトロメトリの計測原理を示す。
【0013】
まず、ステップ51にて、対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から計算モデルを作成し、ステップ52にて、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0014】
次に、ステップ53にて、形状パラメータを逐次変化させシミュレーションを実施し、得られた複数の計算波形から、ライブラリを作成する。
【0015】
また、ステップ54にて、スキャトロメトリ装置の光学系により分光波形を取得し、ステップ55にて、検出波形を取得後、ステップ56にて、ステップ53で作成したライブラリ中の計算波形と、ステップ55で取得した検出波形を比較し、ステップ57にて、検出波形と最も一致度の高い計算波形をベストマッチ計算波形として選出する。
【0016】
選んだベストマッチ計算波形から、ステップ58にて、対象パターンの線幅d1、d2、パターン高さh1、膜厚h2、h3および側壁角度θを算出する仕組みとなっている。
【0017】
上記のようにCD−SEM計測、およびスキャトロメトリ計測が一般に用いられている理由は、共にインライン計測へ適用可能である点が大きい。両者のメリットとして、CD−SEMでは製品パターンを直接観察することが可能なため、計測にて異常検知をした場合、早期原因究明が行え、スキャトロメトリでは、計測に光を用いるため、CD−SEMに比べて大気圧下での計測が可能なため、高スループットで対象パターンを計測できる。
【0018】
しかし、それぞれのデメリットとして、例えば、図17に示すようにコンタクトホールをCD−SEMにて計測した場合、平面情報のみしか取得できず、立体形状情報を得ることは難しい。図17は従来のCD−SEMにてコンタクトホールを計測した例を示す図である。
【0019】
また、スキャトロメトリでは、テストパターンとして製品ウェハのスクライブ部分にスキャトロメトリ計測用の専用TEG(Test Element Group:特性評価用素子)を用いなければならず、製品パターンに異常があった場合、直接その箇所を観察することができないという課題がある。
【0020】
このような課題の対策として、CD−SEM計測をベースに、スキャトロメトリの計測結果を用いて製品パターンの立体形状情報を得る方法が、特開2004−219343号公報(特許文献1)に記載されている。
【0021】
また、スキャトロメトリでは、スループット向上のため、計算モデルからシミュレーションにより、予め計算モデルの計測パラメータを数十万〜数百万変化させ、計算波形を算出し、図18に示すようなライブラリを作成するため、インライン計測に適用するまでの準備負荷が大きいという課題がある。
【0022】
図18は従来の計算モデルからシミュレーションにより求める計算波形のライブラリを示す図である。
【0023】
このような課題の対策として、スキャトロメトリの計測をベースにし、予め膜のみのモデルを作成し、その膜モデルから予測値を推定し、その値を用いることによりシミュレーションの計算簡略化を測る方法が、特表2008−530519号公報(特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2004−219343号公報
【特許文献2】特表2008−530519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上記のような課題に加え、従来のスキャトロメトリ計測では、今後半導体の微細化が進むことにより、問題として、対象パターンより得られる分光波形から各パラメータの特徴量を捉えにくくなり、パターンの形状計測が正確に行えなくなる可能性がある。
【0026】
例えば、図16に示すステップ56での波形一致条件を満たさない例としては、以下のような場合がある。
【0027】
図19〜図21は従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【0028】
対象試料の寸法が図19に示す基準試料80と比較し、図20の試料90のように、基準試料より寸法が太い/細い場合、あるいは図21に示す試料100のように、寸法変化のみでなく、基準試料に対し側壁角度も変化しているような場合である。
【0029】
また、図22に、寸法70nm、ピッチ140nmの対象パターンに光を照射した場合に得られる分光波形をシミュレーションにより算出した結果の一例を示す。図22は従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【0030】
図22では、最適パターン112に対し、寸法が−10%細いパターン111と+10%太いパターン113は分光波形に特徴的な変化が見られる。またこれらのパターンは、テーパ角1.6degreeの側壁角度が変化したパターン110との区別もつくため、夫々の形状の変化を計測することが可能である。
【0031】
また、図23に、寸法35nm、ピッチ70nmの対象パターンに光を照射した場合に得られる分光波形をシミュレーションにより算出した結果の一例を示す。図23は従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【0032】
図23では、最適パターン122に対し、寸法が−10%細いパターン121と寸法が+10%太いパターン123の分光波形にはそれぞれ変化があり、両パターンを区別することができる。
【0033】
しかし、対象パターンの側壁角度に変化があり、テーパ角1.6degreeのパターン120はパターン121と同じ波形となり、区別が難しいという結果が得られた。この理由として、スキャトロメトリ計測では、波長より大幅に小さいピッチでは、空気とパターン部分との体積比で決まる屈折率変化が分光波形から得られるが、変化量が非常に微小であるため、特徴を捉えにくいと考えられる。
【0034】
他の計測装置による代用を考えたとしても、例えば半導体デバイス製造におけるコンタクトホールを対象に計測を行う場合、ホールの穴底寸法を正確に計測できることが重要であるが、CD−SEM計測では立体形状計測が困難であり適していない。また、AFMなども現在インライン計測として用いるには再現性・スループット等の課題から実用的ではない。
【0035】
また、微細化に伴い半導体デバイスのプロセスマージンは狭小化の傾向にあるため、半導体デバイスの製造プロセスにおいて、高精度なプロセス制御が求められていることも課題の1つとしてあげられる。
【0036】
そこで、本発明の目的は、これらの課題を解決し、半導体デバイスの微細化に対して、プロセスマージンが狭小な場合でも半導体パターンの形状計測を高精度で行うことができるパターン形状計測方法を提供することである。
【0037】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0039】
すなわち、代表的なものの概要は、計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第1ステップと、計測対象の半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第2ステップと、データベースに格納されたライブラリと検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第3ステップと、ベストマッチとなる計算波形を選出する第3ステップで、ベストマッチとなる計算波形が選出不可能な場合は、形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、第1〜第3ステップに依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、ライブラリと検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップと、ベストマッチした計算波形より対象パターンの形状情報を求める第5ステップとを有するものである。
【発明の効果】
【0040】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0041】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、狭マージンの微細デバイスのパターン形状計測が可能となり、得られた形状情報から露光条件・エッチング条件の最適値を求め、各工程へフィードバック/フィードフォワードすることにより、精度良いプロセス制御を実現でき、歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における光干渉方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTEモードの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTMモードの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法におけるスキャトロメトリにて測定するコンタクトホールの立体形状計測モデルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における半導体デバイスの製造条件によるパターン寸法変動の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における分光エリプソメトリ方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムの構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムで使用される計算波形のライブラリの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムのディスプレイ上の表示例を示す図である。
【図13】従来の半導体デバイス製造においてパターン計測が適用されている工程例を示す図である。
【図14】従来の半導体デバイス製造においてパターン計測が適用されている工程例を示す図である。
【図15】(a)、(b)は従来のコンタクトホール形成工程におけるウェハ断面模式図とプロセスフローを示す図である。
【図16】従来のスキャトロメトリの計測原理を示す図である。
【図17】従来のCD−SEMにてコンタクトホールを計測した例を示す図である。
【図18】従来の計算モデルからシミュレーションにより求める計算波形のライブラリを示す図である。
【図19】従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【図20】従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【図21】従来のパターン計測でパターンの形状計測が正確に行えなくなる例を説明するための説明図である。
【図22】従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【図23】従来の分光波形のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0044】
(実施の形態1)
図1〜図6により、本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作について説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャート、図2は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における光干渉方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図、図3は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTEモードの一例を示す図、図4は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における偏光板を回転させた場合に得られるTMモードの一例を示す図、図5は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法におけるスキャトロメトリにて測定するコンタクトホールの立体形状計測モデルの一例を示す図、図6は本発明の実施の形態1に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における半導体デバイスの製造条件によるパターン寸法変動の一例を示す図である。
【0045】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0046】
図1において、まず、ステップ1にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0047】
次に、ステップ2にて、形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図18に示すようなライブラリを作成する。
【0048】
次に、ステップ3にて、スキャトロメトリの検出波形を計測する。検出波形の計測は、図2に示す光学系により光干渉方式にて行われる。
【0049】
図2において、まず、光源より出射した白色光140は、ビームスプリッター141にて反射され、対物レンズ142と偏光板143を通過し、計測対象の半導体デバイスの試料144に照射される。試料144より反射または回折した光は反射アパーチャ145に到達し、そこで一部の光が反射され、ミラー146を経て観察用カメラ147に入射する。
【0050】
また、反射アパーチャを通過した光は回折格子148により分光され、ミラー149による反射を経て、検出器150にて検出される仕組みになっている。
【0051】
また、偏光板143を回転させることにより、図3に示す対象パターン151に対し平行な光の成分TE(Transverse Electric Wave)モードと、図4に示す対象パターン151に対し垂直な光の成分TM(Transverse Magnetic Wave)モードの分光波形が取得できる。
【0052】
これは、パターン形状の変化(線幅、側壁角変化、高さ、裾引き・丸まりなど)に対し、TE/TMモードが夫々異なる感度を持つことを利用して情報量を増やし、計測精度を高めるためである。
【0053】
図1に戻り、次に、ステップ4にて、検出波形とライブラリのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出する。ここで、ベストマッチ波形が選出可能な場合は、ステップ7にて得られたベストマッチ波形よりパターンの形状を求める。
【0054】
また、ステップ4でベストマッチ波形が選出不可能な場合、スキャトロメトリ単体では対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。
【0055】
よって、ステップ5にて、形状パラメータの内、他計測装置であるCD−SEMを用いて対象パターンの寸法計測を行い、得られた寸法値を固定値とする。パターンの寸法値が決まることにより、最適パターンに対する寸法変化か、側壁角度も含めた変化かを区別することができ、ステップ6にて、ライブラリの中からベストマッチする計算波形が選択可能となり、よって、ステップ7にて、残りの形状情報が算出可能となる。
【0056】
上記のステップにより、結果として得られる形状パラメータの例として、図5に示すコンタクトホールの上面寸法d1、底面寸法d2、側壁角度θ、膜厚h1・h2・h3の立体形状情報があげられる。得られた形状情報から対象パターンの異常・不良原因を推定し、ステップ8にて、半導体デバイスの製造条件の変動検知を行う。変動検知には、事前に製造条件を変化させた半導体ウェハを作成し、製造条件に対するパターン形状情報を記憶させ、製造装置への補正を実施する。
【0057】
例えば、リソグラフィ工程では、予めフォーカス・露光量を変動させたFEM(Focus Exposure Matrix)ウェハを作成する。そして、FEMウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を回帰分析により求めることにより、フォーカス・露光量などの製造条件の変動を検知することができる。ここで求めた結果を、ステップ9にて、リソグラフィ工程などへフィードバックする。
【0058】
例えば、図6のように、予め記憶された露光量に対する対象パターン寸法の傾向から、次に製造される製品の露光工程後のパターン寸法を予測し、露光量補正を行う。結果、フィードバック適用後の計測値は規格値からの差が小さくなり、安定した製品製造が可能となる。
【0059】
また、エッチング工程へフィードフォワードする場合は、露光工程後に得たパターンの形状情報を元に、例えば、露光工程後のパターンが規格値より太い場合は、エッチング工程における、処理時間を長く設定し、エッチング工程後に最適になるように調整を行い、プロセス全体を制御する構成になっている。
【0060】
また、エッチング工程にてフィードバックに適用する場合、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を変動させたウェハを予め作成し、作成したウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を検知することができる。求めた結果をエッチング工程へフィードバックし、プロセス全体を制御する構成になっている。
【0061】
なお、本実施の形態では、他計測装置として、CD−SEMの例で説明したが、膜厚計やAFMを用いてもよい。
【0062】
(実施の形態2)
次に、図7および図8により、本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作について説明する。図7は本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャート、図8は本発明の実施の形態2に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法における分光エリプソメトリ方式による分光波形取得のための光学系の一例を示す図である。
【0063】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0064】
図7において、まず、ステップ190にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0065】
次に、ステップ191にて形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図18に示すようなライブラリを作成する。
【0066】
次に、ステップ192にて、スキャトロメトリの検出波形を計測する。検出波形の計測は、図2に示す光学系により光干渉方式にて行われる。まず、光源より出射した白色光140は、ビームスプリッター141にて反射され、対物レンズ142と偏光板143を通過し、計測対象の半導体デバイスの試料144に照射される。試料144より反射または回折した光は反射アパーチャ145に到達し、そこで一部の光が反射され、ミラー146を経て観察用カメラ147に入射する。また反射アパーチャを通過した光は回折格子148により分光され、ミラー149による反射を経て、検出器150にて検出される仕組みになっている。
【0067】
また、偏光板143を回転させることにより、図3に示す対象パターン151に対し平行な光の成分TEモードと、図4に示す対象パターン151に対し垂直な光の成分TMモードの分光波形が取得できる。これは、パターン形状の変化(線幅、側壁角変化、高さ、裾引き・丸まりなど)に対し、TE/TMモードが夫々異なる感度を持つことを利用して情報量を増やし、計測精度を高めるためである。
【0068】
次に、ステップ193にて検出波形とライブラリのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出する。ここで、ベストマッチ波形が選出可能な場合は、ステップ196にて、得られたベストマッチ波形よりパターンの形状を求める。
【0069】
また、ステップ193でベストマッチ波形が選出不可能な場合、スキャトロメトリ単体では対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。
【0070】
よって、ステップ194にて形状パラメータの内、前工程にて分光エリプソメトリを用いた膜厚計計測により取得した膜厚値を固定値とする。
【0071】
ここで、図8により分光エリプソメータの計測原理を説明する。まず、光源170から出射した光は偏光子171を通り透過光軸に沿った直線偏光になるように偏光子の回転角度を設定する。偏光子171を通過した光は試料172に照射され、反射・回折した光は検光子173を通り、プリズム174にて周波数分解され、検出器175にて検出される仕組みとなる。
【0072】
検光子173は測定の際回転し、試料172へ照射前後の光の偏光状態の変化からエリプソパラメータとして、Δ、Ψが得られ(それぞれはp、sの偏光状態の位相差Δおよび振幅比Ψを示す)、得られたΔ、Ψより膜測値の算出が可能となる。
【0073】
図7に戻り、ステップ194でパターンの膜厚値が決まることにより、ステップ195にて、ライブラリの中からベストマッチする計算波形が選択可能となり、ステップ196にて、残りの形状情報が算出可能となる。
【0074】
上記のステップにより、結果として得られる形状パラメータの例として、図5に示すコンタクトホールの上面寸法d1、底面寸法d2、側壁角度θ、膜厚h1・h2・h3の立体形状情報があげられる。得られた形状情報から対象パターンの異常・不良原因を推定し、ステップ197にて、半導体デバイスの製造条件の変動検知を行う。変動検知には、事前に製造条件を変化させた半導体ウェハを作成し、製造条件に対するパターン形状情報を記憶させ、製造装置への補正を実施する。
【0075】
例えば、リソグラフィ工程では、予めフォーカス・露光量を変動させたFEMウェハを作成する。そして、FEMウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を回帰分析により求めることにより、フォーカス・露光量などの製造条件の変動を検知することができる。
【0076】
ここで求めた結果をステップ198にて、リソグラフィ工程などへフィードバックし、例えば、図6のように、予め記憶された露光量に対する対象パターン寸法の傾向から、次に製造される製品の露光工程後のパターン寸法を予測し、露光量補正を行う。
【0077】
その結果、フィードバック適用後の計測値は規格値からの差が小さくなり、安定した製品製造が可能となる。また、エッチング工程へフィードフォワードする場合は、露光工程後に得たパターンの形状情報を元に、例えば、露光工程後のパターンが規格値より太い場合は、エッチング工程における、処理時間を長く設定し、エッチング工程後に最適になるように調整を行い、プロセス全体を制御する装置になっている。
【0078】
また、エッチング工程にてフィードバックに適用する場合、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を変動させたウェハを予め作成し、作成したウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を検知することができる。
【0079】
ここで、求めた結果をエッチング工程へフィードバックし、プロセス全体を制御する構成になっている。
【0080】
(実施の形態3)
次に、図9により、本発明の実施の形態3に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作について説明する。図9は本発明の実施の形態3に係るパターン形状計測方法および半導体装置の製造方法の動作を示すフローチャートである。
【0081】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0082】
図9において、まず、ステップ200にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから計算波形を算出する。
【0083】
次に、ステップ201にて形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図18に示すようなライブラリを作成する。その後、ステップ202にて、ライブラリの中に、形状パラメータは異なるが、同じ波形が存在するか否かの判定を行う。
【0084】
ここで存在しない場合は、ステップ206にて、ステップ207でのスキャトロメトリによる、対象パターンに光を照射し、反射光または回折光から得た検出波形とライブラリとのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出し、ステップ208にて、ベストマッチ波形よりパターンの形状情報を求める。
【0085】
ここで、ステップ207でのスキャトロメトリによる波形検出について示す。検出波形の計測は、図2に示す光学系により光干渉方式にて行われる。まず、光源より出射した白色光140は、ビームスプリッター141にて反射され、対物レンズ142と偏光板143を通過し、計測対象の半導体デバイスの試料144に照射される。試料144より反射または回折した光は反射アパーチャ145に到達し、そこで一部の光が反射され、ミラー146を経て観察用カメラ147に入射する。また反射アパーチャを通過した光は回折格子148により分光され、ミラー149による反射を経て、検出器150にて検出される仕組みになっている。
【0086】
また、偏光板143を回転させることにより、図3に示す対象パターン151に対し平行な光の成分TEモードと、図4に示す対象パターン151に対し垂直な光の成分TMモードの分光波形が取得できる。これは、パターン形状の変化(線幅、側壁角変化、高さ、裾引き・丸まりなど)に対し、TE/TMモードが夫々異なる感度を持つことを利用して情報量を増やし、計測精度を高めるためである。
【0087】
また、ステップ202にて、形状パタメータは異なるが、ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その計算波形については、スキャトロメトリ単体では対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。
【0088】
よって、ステップ203にて、同じ波形がどのような形状から得られたのかを確認し、ステップ204にて、波形判別のために必要な情報と用いる他計測装置をディスプレイなどにて提示する。
【0089】
次に、形状パラメータの内、ステップ204にて提示された他計測装置により得た対象パターンの情報を固定値とし、ステップ206にて、ステップ207でのスキャトロメトリによる、対象パターンに光を照射し、反射光または回折光から得た検出波形とライブラリとのマッチングを行い、ベストマッチ波形を選出し、ステップ208にて、ベストマッチ波形よりパターンの形状情報を求める。
【0090】
本実施の形態では、予めライブラリに登録された計算波形に、形状パラメータは異なるが、同じ波形が存在する場合に、対象パターンを他計測装置で計測し、他計測装置で計測した対象パターンの情報を固定値として使用するので、必ずベストマッチ波形を選出することができる。
【0091】
(実施の形態4)
次に、図10により、本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムについて説明する。図10は本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムの構成を示す図である。
【0092】
図10において、プロセス制御システムは、成膜210、露光装置211後のインライン計測を行うCD−SEM212、スキャトロメトリ213、製造管理システム225から構成される。製造管理システム225は、検出波形データ保管部215、計算波形データ保管部216、データベース217、判定結果出力部218、ディスプレイ219、マッチング演算部220、データ演算処理部221、寸法値入力部222、寸法データ保管部223、補正演算部224から構成される。
【0093】
次に、図10〜図12により、本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムの動作について説明する。図11は本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムで使用される計算波形のライブラリの一例を示す図、図12は本発明の実施の形態4に係るパターン形状計測方法を適用したプロセス制御システムのディスプレイ上の表示例を示す図である。
【0094】
本実施の形態は、半導体デバイス製造において、インライン計測におけるスキャトロメトリ計測を用いて実施されるものである。
【0095】
図10において、まず、半導体デバイス製造フローの1工程について説明する。成膜210の工程にて半導体ウェハ上に酸化膜や金属膜を形成する。その後リソグラフィ工程のレジスト塗布工程にて、感光性樹脂を塗布し、露光工程にて露光装置211よりマスクを通して光が半導体ウェハ上に照射される。
【0096】
その後、現像工程にて、ポジ型の場合は光が照射された部分が現像液により溶け、ネガ型では光が照射された部分が残り、レジストパターンが形成される。リソグラフィ工程が終わると、インライン計測にて、CD−SEM212による計測対象の半導体デバイスの対象パターンの寸法値計測およびスキャトロメトリ213による対象パターンの形状計測が実施される。そして、エッチング工程にて、エッチング装置214より不要な薄膜が除去される流れになっている。
【0097】
まず、スキャトロメトリ213による計測にて、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの物性値(屈折率・吸収係数)や形状・下地膜厚などの情報から対象パターンの形状を予測し、計算モデルを作成し、作成した計算モデルから算出した、計算波形データを計算波形データ保管部216にて保管する。
【0098】
次に、形状パラメータを変化させた場合の計算波形をシミュレーションにより算出し、得たデータを元に図11に示すようなライブラリを作成し、データベース217に保管する。その後ライブラリの中に、形状パラメータは異なるが、同じ波形が存在するか否かの判定を行い、結果を判定結果出力部218に出力、ディスプレイ219にて、判定結果が表示される。
【0099】
ここで、ライブラリの中に同じ波形が存在しない場合は、マッチング演算部220にて、スキャトロメトリ213により、計測対象の半導体デバイスの対象パターンに光を照射し、反射光または回折光から得た検出波形を、検出波形データ保管部215より取り出し、検出波形とライブラリとのマッチングを行い、ベストマッチ計算波形を選出する。
【0100】
次に、ベストマッチ計算波形よりパターンの形状情報を求め、データ演算処理部221にて、残りの形状パラメータを算出する。
【0101】
また、ライブラリの中に、形状パタメータは異なるが、同じ波形が存在する場合は、スキャトロメトリ213単体では、計測対象の半導体デバイスの対象パターンの変化量が微小で捉えにくいため、対象パターンの寸法変化、あるいは形状・側壁角度変化であるかという区別がつかない。よって、例えば、図12に示すように、波形判別のために必要な情報と用いる他計測装置をディスプレイ219にて提示する。
【0102】
そして、寸法値入力部222にて、ディスプレイ219上に表示された対象形状パラメータの内、例えば、他計測装置としてCD−SEM212により得た対象パターンの寸法値を寸法データ保管部223より取り出し、固定値とする。
【0103】
その後、マッチング演算部220にてデータベース217のライブラリの計算波形と検出波形データ保管部215の検出波形のマッチングを行い、ベストマッチ計算波形を選出する。さらに、データ演算処理部221にてベストマッチ計算波形よりパターンの形状情報を求める。
【0104】
上記のステップにより、結果として得られる形状パラメータとして、図5に示すコンタクトホールの上面寸法d1、底面寸法d2、側壁角度θ、膜厚h1・h2・h3の立体形状情報があげられる。
【0105】
得られた形状情報から対象パターンの異常・不良原因を推定し、半導体デバイスの製造条件の変動検知を行う。変動検知には、事前に製造条件を変化させた半導体ウェハを作成し、製造条件に対するパターン形状情報を記憶させ、製造装置への補正を実施する。
【0106】
例えば、リソグラフィ工程では、予めフォーカス・露光量を変動させたFEMウェハを作成する。そして、FEMウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を回帰分析により求めることにより、フォーカス・露光量などの製造条件の変動を検知することができる。
【0107】
ここで求めた結果より、必要であれば露光装置211の設定値を補正演算部224にて、算出し、露光装置211へフィードバックし、例えば、図6のように、予め記憶された露光量に対する対象パターン寸法の傾向から、次に製造される製品の露光工程後のパターン寸法を予測し、露光量補正を行う。結果、フィードバック適用後の計測値は規格値からの差が小さくなり、安定した製品製造が可能となる。
【0108】
また、エッチング工程へフィードフォワードする場合は、露光工程後に得たパターンの形状情報を元に、例えば、露光工程後のパターンが規格値より太い場合は、エッチング工程における、処理時間を長く設定し、エッチング工程後に最適になるように調整を行い、プロセス全体を制御するシステムになっている。
【0109】
また、エッチング工程にてフィードバックに適用する場合、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を変動させたウェハを予め作成し、作成したウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより、ガスの流量・圧力・温度などの製造条件を検知することができる。ここで、求めた結果をエッチング工程へフィードバックし、プロセス全体を制御するシステムになっている。
【0110】
なお、本実施の形態では、実施の形態3の処理による動作の例で説明したが、実施の形態1または実施の形態2の処理による動作においても、同様にパターン計測を行うことが可能である。
【0111】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は半導体デバイスなどの半導体装置の製造技術に関し、露光工程後やエッチング工程後に行われるパターン形状をインライン計測にて行うシステムなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
20…成膜、21…膜厚計測、22…リソグラフィ、23…インライン計測、24…エッチング、25…インライン計測、140…白色光、141…ビームスプリッター、142…対物レンズ、143…偏光板、144…試料、145…反射アパーチャ、146…ミラー、147…観察用カメラ、148…回折格子、149…ミラー、150…検出器、151…対象パターン、170…光源、171…偏光子、172…試料、173…検光子、174…プリズム、175…検出器、210…成膜、211…露光装置、212…CD−SEM、213…スキャトロメトリ、214…エッチング装置、215…検出波形データ保管部、216…計算波形データ保管部、217…データベース、218…判定結果出力部、219…ディスプレイ、220…マッチング演算部、221…データ演算処理部、222…寸法値入力部、223…寸法データ保管部、224…補正演算部、225…製造管理システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記パターン付基板上のパターンの形状を計測するパターン形状計測方法であって、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第3ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップと、
前記ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップで、前記ベストマッチとなる前記計算波形が選出不可能な場合は、前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記第1〜第4ステップに依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、前記ライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第5ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第6ステップとを有することを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項2】
パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記パターン付基板上のパターンの形状を計測するパターン形状計測方法であって、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
前記ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その波形がどのような形状から得られたか確認し、計算波形の波形判別のために必要な情報と、それを得るために用いるべき他計測装置をディスプレイ上に提示する第3ステップと、
前記ディスプレイ上の提示情報に基づいて計測された前記他計測装置にて得られた情報を取得する第4ステップと、
前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とする第5ステップと、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第6ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第7ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第8ステップとを有することを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記パターン付基板上のパターンの形状の計測は、前記パターン付基板の製造途中のインライン計測であることを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記計算波形および前記検出波形は、分光器より得られる分光波形、または入射角に対する反射光変化によって得られた角度分布波形であることを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記検出波形を得るステップは、光干渉式測定を用いた計測を行うことを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記検出波形を得るステップは、分光エリプソメトリを用いた計測を行うことを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のパターン形状計測方法において、
前記他計測装置は、CD−SEM、膜厚計、AFMのいずれかであることを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項8】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行う半導体装置の製造方法であって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第3ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップと、
前記ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップで、前記ベストマッチとなる前記計算波形が選出不可能な場合は、前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記第1〜第4ステップに依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、前記ライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第5ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第6ステップと、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第7ステップと、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第8ステップとを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行う半導体装置の製造方法であって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
前記ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その波形がどのような形状から得られたか確認し、計算波形の波形判別のために必要な情報と、それを得るために用いるべき他計測装置をディスプレイ上に提示する第3ステップと、
前記ディスプレイ上の提示情報に基づいて計測された前記他計測装置にて得られた情報を取得する第4ステップと、
前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とする第5ステップと、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第6ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第7ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第8ステップと、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第9ステップと、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第10ステップとを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法において、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの形成工程は、露光工程およびエッチング工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動には、前記露光工程における露光量およびフォーカス設定値が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動を、前記露光工程へフィードバックすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動には、前記エッチング工程におけるガスの流量、圧力、および温度の条件が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動を、前記エッチング工程へフィードバックすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動を、前記露光工程へフィードバック、および前記エッチング工程へフィードバック/フィードフォワードすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動の検知は、事前に前記製造条件を変動させたウェハを作成し、前記ウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより検知することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行うプロセス制御システムであって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1の手段と、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2の手段と、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第3の手段と、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4の手段と、
前記ベストマッチとなる計算波形を選出する第4の手段で、前記ベストマッチとなる前記計算波形が選出不可能な場合は、前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記第1〜第4の手段に依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、前記ライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第5の手段と、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第6の手段と、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第7の手段と、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第8の手段とを備えることを特徴とするプロセス制御システム。
【請求項18】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行うプロセス制御システムであって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1の手段と、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2の手段と、
前記ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その波形がどのような形状から得られたか確認し、計算波形の波形判別のために必要な情報と、それを得るために用いるべき他計測装置をディスプレイ上に提示する第3の手段と、
前記ディスプレイ上の提示情報に基づいて計測された前記他計測装置にて得られた情報を取得する第4の手段と、
前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とする第5の手段と、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第6の手段と、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第7の手段と、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第8の手段と、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第9の手段と、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第10の手段とを備えることを特徴とするプロセス制御システム。
【請求項1】
パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記パターン付基板上のパターンの形状を計測するパターン形状計測方法であって、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第3ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップと、
前記ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップで、前記ベストマッチとなる前記計算波形が選出不可能な場合は、前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記第1〜第4ステップに依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、前記ライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第5ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第6ステップとを有することを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項2】
パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記パターン付基板上のパターンの形状を計測するパターン形状計測方法であって、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
前記ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その波形がどのような形状から得られたか確認し、計算波形の波形判別のために必要な情報と、それを得るために用いるべき他計測装置をディスプレイ上に提示する第3ステップと、
前記ディスプレイ上の提示情報に基づいて計測された前記他計測装置にて得られた情報を取得する第4ステップと、
前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とする第5ステップと、
計測対象の前記パターン付基板の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第6ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第7ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第8ステップとを有することを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記パターン付基板上のパターンの形状の計測は、前記パターン付基板の製造途中のインライン計測であることを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記計算波形および前記検出波形は、分光器より得られる分光波形、または入射角に対する反射光変化によって得られた角度分布波形であることを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記検出波形を得るステップは、光干渉式測定を用いた計測を行うことを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載のパターン形状計測方法において、
前記検出波形を得るステップは、分光エリプソメトリを用いた計測を行うことを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のパターン形状計測方法において、
前記他計測装置は、CD−SEM、膜厚計、AFMのいずれかであることを特徴とするパターン形状計測方法。
【請求項8】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行う半導体装置の製造方法であって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第3ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップと、
前記ベストマッチとなる計算波形を選出する第4ステップで、前記ベストマッチとなる前記計算波形が選出不可能な場合は、前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記第1〜第4ステップに依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、前記ライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第5ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第6ステップと、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第7ステップと、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第8ステップとを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行う半導体装置の製造方法であって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1ステップと、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2ステップと、
前記ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その波形がどのような形状から得られたか確認し、計算波形の波形判別のために必要な情報と、それを得るために用いるべき他計測装置をディスプレイ上に提示する第3ステップと、
前記ディスプレイ上の提示情報に基づいて計測された前記他計測装置にて得られた情報を取得する第4ステップと、
前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とする第5ステップと、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第6ステップと、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第7ステップと、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第8ステップと、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第9ステップと、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第10ステップとを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法において、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの形成工程は、露光工程およびエッチング工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動には、前記露光工程における露光量およびフォーカス設定値が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動を、前記露光工程へフィードバックすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動には、前記エッチング工程におけるガスの流量、圧力、および温度の条件が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動を、前記エッチング工程へフィードバックすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動を、前記露光工程へフィードバック、および前記エッチング工程へフィードバック/フィードフォワードすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記製造条件の変動の検知は、事前に前記製造条件を変動させたウェハを作成し、前記ウェハ上に形成されたパターンからの反射光または回折光より得られるパターンの形状情報と製造条件との相関関係を求めることにより検知することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行うプロセス制御システムであって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1の手段と、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2の手段と、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第3の手段と、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第4の手段と、
前記ベストマッチとなる計算波形を選出する第4の手段で、前記ベストマッチとなる前記計算波形が選出不可能な場合は、前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記第1〜第4の手段に依らない計測方法を用いる他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とし、再度、前記ライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第5の手段と、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第6の手段と、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第7の手段と、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第8の手段とを備えることを特徴とするプロセス制御システム。
【請求項18】
半導体装置の製造途中に、前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光に基づいた演算部の処理により、前記半導体装置上のパターンの形状を計測し、その計測結果に基づいて、前記半導体装置のプロセス制御を行うプロセス制御システムであって、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンの予測形状から計算モデルを作成し、前記計算モデルに基づいて、前記対象パターンに光を照射した際の反射光または回折光の計算波形を算出する第1の手段と、
前記計算モデルの形状パラメータを逐次変化させてシミュレーションを行い、前記シミュレーションにより得た複数の計算波形からライブラリを作成し、データベースに格納する第2の手段と、
前記ライブラリ中に同じ計算波形が存在する場合は、その波形がどのような形状から得られたか確認し、計算波形の波形判別のために必要な情報と、それを得るために用いるべき他計測装置をディスプレイ上に提示する第3の手段と、
前記ディスプレイ上の提示情報に基づいて計測された前記他計測装置にて得られた情報を取得する第4の手段と、
前記形状パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを、前記他計測装置にて得られた情報に基づいて固定値とする第5の手段と、
計測対象の前記半導体装置の対象パターンに光を照射し、その反射光または回折光から検出波形を得る第6の手段と、
前記データベースに格納されたライブラリと前記検出波形のマッチングを行い、ベストマッチとなる計算波形を選出する第7の手段と、
前記ベストマッチした前記計算波形より前記対象パターンの形状情報を求める第8の手段と、
求められた前記形状情報から製造条件の変動を検知する第9の手段と、
検知した前記製造条件の変動の情報を、前記半導体装置の製造工程へ反映させる第10の手段とを備えることを特徴とするプロセス制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図17】
【公開番号】特開2011−27461(P2011−27461A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171111(P2009−171111)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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