説明

ヒューズ回路及びトリミング良否判定方法

【課題】ヒューズ開口部の端部に必ず切断すべきヒューズを配設することにより、レーザー照射後のその切断/未切断をもって、端部のポリイミド膜の膜厚の良否を容易に判定する。
【解決手段】ヒューズ回路は、ヒューズ開口部FAの、ポリイミド膜の厚さが不本意に厚く残りやすい端部に配設された2つの切断確認用ヒューズ1a,1bと、ポリイミド膜の厚さ変動が端部に比べ少ない領域RAに配設された複数の実使用ヒューズ7a〜7dと、2つの切断確認用ヒューズ1a,1bからの信号を入力して当該ヒューズ1a,1bが確実に切断されているかを判定するヒューズ未切断判定回路2と、を備えている。なお、ヒューズ未切断判定回路2は、更にテストモード信号を入力すると共に、出力回路(例えばDQ回路)に判定結果を出力している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズ回路及びトリミング良否判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化、高集積化、高速化に伴い、内部に形成される素子数が膨大となり、その結果、素子(特に、大容量LSIやシステムLSIを構成するメモリ部のメモリセル)に不良が発生した場合、その不良部が半導体装置の製造歩留まりに与える影響が大きくなっている。そこで、かかる製造歩留まりの低下を回避するため、例えば上記メモリセルの場合、通常使用領域のメモリセルとは別に、予め複数の予備のメモリセルを設けた冗長回路構成が広く用いられている。かかる構成において、メモリセル内に素子不良が発見された場合、そのメモリセルを予備のメモリセルに置換することにより半導体メモリを救済することができる。これにより、素子の不良が発生した場合でも、半導体装置の製造歩留まりを高く確保することが行われている。
【0003】
一方、半導体装置において、各種の機能を選択できるように予め構成し、ユーザーの要求に合わせて、所望の機能を選択し、又は所望の特性に調整できるようにしたものがある。
【0004】
ここで、上述の不良のメモリセルを予備のメモリセルに置換したり、所望の機能・特性を選択したりするための方法(トリミング方法)としては、半導体ウエハの主面に配線を形成する工程で配線層に同時に形成されると共に、アドレス切り換え回路に接続されたヒューズを設けておき、それを切断するという手法がある。つまり、例えば前述の冗長メモリセル構成の場合、不良セルが検出されると、対応するヒューズを切断して、当該不良セルに対応するアドレスを冗長セルに割り付ける。ここで、かかるヒューズの切断には、電流溶断方式やレーザー溶断(レーザーブロー)方式などがあるが、置換プログラムの自由度が高く、面積効率上も有利なレーザー溶断方式が主に採用されている。
【0005】
このレーザー溶断方式においては、ヒューズへのレーザー光線の照射は、ヒューズ部分に形成されたヒューズ開口部を介して行なわれる。ヒューズ開口部においては、一様に形成された絶縁膜(ポリイミド膜)を除去して周囲よりも薄く形成する(図2を参照)。これは、レーザーにより切断したいヒューズを確実に切断するためであるが、一方、薄くし過ぎると、ヒューズに対する保護機能が失われると共に、レーザー照射時に必要以上に下地に損傷を与えてしまったり、また、切断の必要のない隣接する他のヒューズを切断してしまったりする。従って、ヒューズ開口部におけるポリイミド膜(残存絶縁膜)の厚さの均一性は重要である。
【0006】
しかしながら、量産体制下においては、ときにポリイミド膜の温度が僅かに高くなり、それによりヒューズ開口部のポリイミドの形状が崩れ、特に、図4に示すように、ヒューズ開口部FAの端部EPにおいて、ポリイミド膜10の厚さが不本意に厚くなってしまう現象が生じやすい。そうなると、その部分においては、切断したいヒューズ(図4中に示すヒューズ7a)を確実に切断できないという問題が生じる。更に言えば、その部分のヒューズ(7a)については、切断したくても切断されていないのか、切断しないヒューズなので切断されていないのか、どちらか分からない。
【0007】
このようにポリイミド膜が厚くなってしまい、切断したいヒューズを確実に切断できない問題と、逆に、ポリイミド膜が薄くなってしまい、レーザー照射時に必要以上に下地に損傷を与えてしまったり、また、切断の必要のない隣接する他のヒューズを切断してしまったりする問題を含めて、このような問題に対処する方法は、例えば以下の文献に開示されている。
【0008】
特許文献1は、レーザー光の照射により溶断して切断するヒューズ素子を含む半導体装置において、被切断ヒューズ素子に隣接し且つ切断されずに残る非切断ヒューズ素子が当該被切断ヒューズ素子の切断時に受ける隣接ダメージの程度を簡便に評価することができるトリミングモニタ回路を含む半導体装置及びこのトリミングモニタ回路を含む半導体装置におけるヒューズ素子の切断方法を開示している。
【0009】
特許文献2は、不良メモリセルから冗長メモリセルに切り替えるためのヒューズの切断の良否を容易に判定できるよう、当該ヒューズを含むメモリセル選択デコーダを備えると共に、切断試験用ヒューズを含むテスト回路が設けてあり、そのテスト回路は、そのテスト回路に所定のテスト信号を入力して得られる出力信号が、切断試験用ヒューズの切断の有無に応じて異なるように構成された半導体記憶装置を開示している。
【0010】
特許文献3は、ヒューズ素子と、特定の抵抗値を有する抵抗素子とを備え、その特定の抵抗値は、ヒューズ素子が未切断のときのその抵抗値よりも大きく、ヒューズ素子が切断されたときのその抵抗値よりも小さくなるように設定することにより、ヒューズ素子に切り残しがあった場合でも、回路誤動作を防止することができるヒューズトリミング回路を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−092351号公報
【特許文献2】特開2002−343095号公報
【特許文献3】特開2007−088174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、各従来技術の中には、ヒューズ判定回路又はそれに類する回路を備え、確実に切断したいヒューズを切断できるか否かを判定できる技術は開示されているが、各機能ヒューズごとに判定回路が必要であり、ヒューズ切断の結果を読み込んで判定するまでに要する時間が長い。また、実際の量産内で採用するには、実装面積や量産内工数(判定時間)が大きくなるという欠点がある。更に、前述のようなヒューズ開口部の隅におけるポリイミド膜の厚さの特殊性を鑑みた対処法を開示する文献は見当たらない。
【0013】
一方、自動外観機による検出を行うことも考えられるが、特に、アドレス部以外の電源部等において同様の不具合が発生すると、全数を対象とした外観による検証は工数的に困難であり、実用的には抜き取り検査となってしまうのが実情である。
【0014】
また、ヒューズ開口部の隅にターゲットマークを付し、レーザー等の光学検査機器にて検査することも考えられるが、専用の機器となって高価であると共に、検査時間も長くなってしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のヒューズ回路は、半導体回路のヒューズ開口部の端部に配設され、トリミング時に必ずレーザーが照射される切断確認用ヒューズと、前記トリミング後のテストモード時に、前記切断確認用ヒューズからの信号を入力して前記切断確認用ヒューズが切断されているか否かを判定するヒューズ未切断判定回路と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のヒューズ回路によれば、ヒューズ開口部の端部に必ず切断すべきヒューズを配設することにより、その切断/未切断をもって、端部のポリイミド膜の膜厚の良否を容易に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のヒューズ回路における第一実施形態の模式的平面図である。
【図2】図1中に示すII−II’線における断面図である。
【図3】本発明のヒューズ回路における第二実施形態の模式的平面図である。
【図4】従来の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明のヒューズ回路における第一実施形態の模式的平面図である。図2は、図1のII−II’における断面図である。
【0019】
図2に示すように、ヒューズ開口部FAにおいては、一様に形成されたポリイミド膜10を除去して周囲よりも薄く形成するが、これは、レーザーLSにより切断したいヒューズを確実に切断するためである。そこで、図1及び図2に示されたヒューズ回路は、ヒューズ開口部FAの、ポリイミド膜10の厚さが厚く残りやすい端部EPに配設された切断確認用ヒューズ1a,1bと、ポリイミド膜10の厚さ変動が端部EPに比べ少ない領域RAに配設された複数の実使用ヒューズ7a,7bと、切断確認用ヒューズ1a,1bからの信号を入力して当該ヒューズ1a,1bが確実に切断されているかを判定するヒューズ未切断判定回路2と、を備えている。なお、ヒューズ未切断判定回路2は、更にテストモード信号を入力すると共に、出力回路(例えばDQ回路)に判定結果を出力している。
【0020】
ここで、ヒューズ開口部FAの端部EPは、通常時にポリイミド膜10が厚く残りやすい端部EP1と、端部EP1に隣接し端部EP1のポリイミド膜10の変動影響を最も受けやすい領域EP2と、を含んでいる。端部EP1は、端部EPの中でもポリイミド膜10が特に厚く残りやすく、通常量産時でも厚く残る可能性が高い部分であり、この部分に切断確認用ヒューズ1a,1bを設けても殆どが非切断として判定されてしまう可能性があるため意味が無い。一方、領域EP2においては、領域RAと比較してポリイミド膜10が残りやすい部分ではあるが、領域EP1部分に形成されたポリイミド膜10よりも薄く、領域RAのヒューズ切断の指標とすることが出来る。従って、切断確認用ヒューズ1a,1bは、端部EPの中でも特に領域EP2の範囲内に設けると、より効果的である。
【0021】
ここで、従来のようにヒューズ開口部FAの端部EPに実使用ヒューズ7を配設してしまうと、トリミングの際にそれが未切断の場合、未切断のままでよくて未切断となっているのか、切断されるべきであるのにポリイミド膜10の厚さの影響で切断できなかったかが分からないという問題があった。
【0022】
このような状態に対処すべく、本発明においては、ヒューズ開口部FAの端部EPには、必ず切断すべきヒューズ、すなわち切断確認用ヒューズ1a,1bを配設し、それらがレーザーLSの照射により確実に切断されるかを判定する構成となっている。
【0023】
なお、具体的な例をあげると、ヒューズ開口部FAの端部EP部の中において、ポリイミド膜10の厚さが厚く通常時に残りやすい端部EP1の幅は、ヒューズ開口部FA内方向に開口部端から0.19〜2.5μmの範囲である。したがって、ヒューズ形状が、0.81μm×1.8μmで形成される場合、切断確認用ヒューズ1a,1bは、領域EP1に最も近いヒューズ開口部FA内方向に開口部端から0.19〜3.3μmの領域EP2の場所に配設することが好ましい。
【0024】
また、他の具体的な例をあげると、図1中に示すII−II’線における断面図では、ヒューズ開口部FAの端部EP部の中において、ポリイミド膜10の厚さが厚く通常時に残りやすい端部EP1の幅は、ヒューズ開口部FA内方向に開口部端から0.19μm迄の範囲である。したがって、ヒューズ形状が0.81μm幅で形成される場合、切断確認用ヒューズ1a,1bは、領域EP1に最も近いヒューズ開口部FA内方向に開口部端から0.19〜1.0μmの領域EP2の場所に配設することが好ましい。
【0025】
次に、上述のヒューズ回路に含まれた上記ヒューズの切断/非切断によるトリミング後の、その良否判定方法の手順を詳細に説明する。
【0026】
そこで、トリミング時においては、少なくとも、必ず切断されるべき2つの切断確認用ヒューズ1a,1bにレーザーLSが照射される。
【0027】
トリミング終了後、プローブテスト工程のトリミング良否判定のためのテストモードに入ると、ヒューズ未切断判定回路2にはテストモード信号が入力される。テストモード信号が入力されたヒューズ未切断判定回路2は、切断確認用ヒューズ1a,1bからの信号に基づき、それらが確実に切断されているかを判断する。切断されていれば、端部EP2においてもポリイミド膜10の膜厚は正常と判定でき、その旨を出力(例えばDQ)回路に送る。一方、切断されなければ、ポリイミド膜10の端部EP2の厚さは不本意かつ過度に厚く残っていると判断でき、その旨を出力(例えばDQ)回路に送る。
【0028】
以上のように、第一実施形態によれば、ヒューズ開口部FAの端部EPに必ず切断すべきヒューズを配設することにより、その切断/未切断をもって、端部EPのポリイミド膜10の膜厚の良否を容易に判定することができる。一方、実使用ヒューズ7a,7b,・・・は、ポリイミド膜10の膜厚の変動が端部EPに比べて少ない領域RAに配設されている(マージンを確保)ので、膜厚変動による誤った未切断が回避できる。また、かかる構成で判定したことにより、量産内工数(判定時間)を削減できる。
【0029】
<第二実施形態>
次に、本発明のヒューズ回路における第二実施形態について説明する。図3は、本発明のヒューズ回路における第二実施形態の模式的平面図である。
【0030】
図3に示されたヒューズ回路は、複数のヒューズ開口部が隣接して配設されている形態を前提としている。具体的には、図3においては、ヒューズ開口部FAa〜FAdが並設されている。ヒューズ開口部FAa〜FAdの各々においては、第一実施形態と同様、ヒューズ開口部FAの、ポリイミド膜10の厚さが不本意に厚く残りやすい端部EPには、2つの切断確認用ヒューズ1a,1b((1c,1d)(1e,1f)(1g,1h))が配設され、ポリイミド膜10の厚さ変動が端部EPに比べ少ない領域RA(RAa,RAb)には、複数の実使用ヒューズ7が配設されている。また、切断確認用ヒューズ1a〜1hからの信号が、切断確認用ヒューズ接続用配線3を介して並列的に、ヒューズ未切断判定回路2に入力されている。ここで、切断確認用ヒューズ1a〜1hは上記第1実施形態と同様に領域EP2にあたる領域内に設けられている。
【0031】
そして、この第二実施形態においては、上記構成に加えて、切断確認用ヒューズ1a〜1hの各々に隣接して配設された誤切断確認用ヒューズ4a〜4hと、それらの誤切断確認用ヒューズ4a〜4hを直列的に接続する誤切断確認用ヒューズ接続用配線6と、誤切断確認用ヒューズ接続用配線6を介した信号を入力するヒューズ誤接続判定回路5と、を備えている。なお、ヒューズ未切断判定回路2及びヒューズ誤接続判定回路5は、テストモード信号を共通に入力すると共に、出力(例えばDQ)回路にそれぞれの判定結果を出力している。
【0032】
ここで、誤切断確認用ヒューズ4a〜4hは、トリミング時に必ず非切断とするヒューズであり、また、それぞれ、対応する切断確認用ヒューズ1a〜1hから、ヒューズ間最小距離MIN−αで配設されている。このヒューズ間最小距離MIN−αは、ヒューズレイアウト上の最小距離であると共に、量産上の変動を考慮した距離である。隣接するヒューズが、このヒューズ間最小距離MIN−αで配設されても、当該ヒューズの切断が、隣接するヒューズの切断に影響を与えなければ、ヒューズ開口部FAa〜FAcにおけるポリイミド膜10の膜厚が不本意かつ必要以上に薄くないと判断できる。具体的には、必ず切断されるべき切断確認用ヒューズ1a〜1hが切断されるものの、対応する各誤切断確認用ヒューズ4a〜4hが切断されなければ、ヒューズ開口部FAa〜FAcのポリイミド膜10の膜厚は、不本意にかつ必要以上に厚くも薄くなく、ヒューズ切断に適度な厚みを有しており、ヒューズ開口部に配設された任意のヒューズの切断が隣接するヒューズの非切断に影響を与えないことを保証できると共に、ヒューズの切断正常に実施できることも保証できる。
【0033】
次に、上述のヒューズ回路に含まれた上記ヒューズの切断/非切断によるトリミング後の、その良否判定方法の手順を詳細に説明する。
【0034】
そこで、トリミング時においては、少なくとも、必ず切断されるべき各切断確認用ヒューズ1a〜1hにレーザーLSが照射される一方、必ず非切断とされるべき誤切断確認用ヒューズ4a〜4hには、レーザーLSは照射されない。
【0035】
トリミング終了後、プローブテスト工程のトリミング良否判定のためのテストモードに入ると、ヒューズ未切断判定回路2及びヒューズ誤接続判定回路5にはテストモード信号が入力される。
【0036】
テストモード信号が入力されたヒューズ未切断判定回路2は、各切断確認用ヒューズ1a〜1hからの信号に基づき、それらが確実に切断されているかを判断する。すべてが切断されていれば、各端部EPにおいてもポリイミド膜10の膜厚は正常と判定でき、その旨を出力(例えばDQ)回路に送る。一方、いずれかが切断されなければ、当該端部EPの厚さは不本意に厚く残っていると判断でき、その旨を出力(例えばDQ)回路に送る。なお、各切断確認用ヒューズ1a〜1hからの信号がすべて入力されているので、ヒューズ未切断判定回路2は、すべての切断確認用ヒューズ1a〜1hに対応できる。
【0037】
また、各切断確認用ヒューズ1a〜1hがすべて正常に切断されたという前提のもとで、テストモード信号が入力されたヒューズ誤切断判定回路5は、誤切断確認用ヒューズ4a〜4hからの信号に基づき、それらが確実に非切断であることを判断する。
【0038】
なお、この実施形態においては、誤切断確認用ヒューズ4a〜4hは、誤切断確認用ヒューズ接続用配線6を介して直列に接続されているので、ヒューズ誤切断判定回路5は、所定のレベルの信号が入力されれば、すべての誤切断確認用ヒューズ4a〜4hが非切断であると判定でき、一方、他の所定のレベルの信号が入力されていれば、誤切断確認用ヒューズ4a〜4hのうちの少なくとも1つが誤って切断されたと判定でき、いずれの場合もその旨を出力(例えばDQ)回路に送る。つまり、すべての誤切断確認用ヒューズ4a〜4hが非切断であれば、ポリイミド膜10の膜厚は、何処においても過度に薄くなく、一方、誤切断確認用ヒューズ4a〜4hのうちの少なくとも1つが誤って切断された場合、ポリイミド膜10の膜厚は、何処おいて過度に薄い部分があると判断できる。
【0039】
以上のように、第二実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて、各ヒューズを連結することにより、各判定回路2,5を共有化でき、実装面積を節約することができる。また、各機能ヒューズに判定回路を設けていた従来と比較して、ヒューズの切断/非切断の信号を読み込んで判定するまでの時間を短縮することができる。
【0040】
<他の実施形態>
上述の実施形態の構成に加えて、積層方向で、切断確認用ヒューズ1の下方に誤切断確認用ヒューズを配設すれば、下層方向への影響(損傷)も判定できる。すなわち、下方へ影響を与えたくない最小限の距離に誤切断確認用ヒューズを配設し、同様に、それが誤切断されないことが判定できれば、下層方向への影響も保障できることとなる。
【0041】
なお、上述の各実施形態においては、特定の数の開口部及びヒューズで説明したが、これに限られることはなく、任意の数の回路に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のヒューズ回路及びトリミング良否判定方法は、ヒューズ開口部にヒューズが配設された半導体回路に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1a〜1h…切断確認用ヒューズ
2…ヒューズ未切断判定回路
3…切断確認用ヒューズ接続用配線
4a〜4h…誤切断確認用ヒューズ
5…ヒューズ誤切断判定回路
6…誤切断確認用ヒューズ接続用配線
7…実使用ヒューズ
10…ポリイミド膜
FA…ヒューズ開口部
RA…実使用領域
EP…端部
EP1…端部通常量産時変動領域
EP2…端部EP1隣接領域
LS…レーザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体回路のヒューズ開口部の端部に配設され、トリミング時に必ずレーザーが照射される切断確認用ヒューズと、
前記トリミング後のテストモード時に、前記切断確認用ヒューズからの信号を入力して前記切断確認用ヒューズが切断されているか否かを判定するヒューズ未切断判定回路と、を備えることを特徴とするヒューズ回路。
【請求項2】
前記切断確認用ヒューズに隣接して配設され、トリミング時に必ずレーザーが照射されない誤切断確認用ヒューズと、
前記テストモード時に、前記誤切断確認用ヒューズからの信号を入力して前記誤切断確認用ヒューズが切断されているか否かを判定するヒューズ誤切断判定回路と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ回路。
【請求項3】
前記切断確認用ヒューズを複数備え、その複数の切断確認用ヒューズからの信号が1つのヒューズ未切断判定回路に入力されることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ回路。
【請求項4】
前記誤切断確認用ヒューズを複数備え、その複数の誤切断確認用ヒューズからの信号が1つのヒューズ誤切断判定回路に入力されることを特徴とする請求項2に記載のヒューズ回路。
【請求項5】
前記誤切断確認用ヒューズは、前記切断確認用ヒューズから、ヒューズレイアウト上の最小距離であると共に、前記半導体回路の量産ブレを考慮した距離で配設されていることを特徴とする請求項2に記載のヒューズ回路。
【請求項6】
前記ヒューズ開口部の端部よりも内側に実使用ヒューズが配設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のヒューズ回路。
【請求項7】
半導体回路のヒューズ開口部に配設された複数のヒューズの切断/非切断によるトリミングの良否判定方法であって、
トリミング時においては、前記ヒューズ開口部の端部に配設され、必ず切断されるべき切断確認用ヒューズに、少なくともレーザーを照射し、
トリミング後、前記切断確認用ヒューズからの信号に基づき、前記切断確認用ヒューズが切断されているか否かを判定し、切断されていれば、前記トリミングにおける前記切断/非切断の適正を保証することを特徴とするトリミング良否判定方法。
【請求項8】
前記トリミング時において、前記切断確認用ヒューズに隣接して配設され、必ず非切断とされるべき誤切断確認用ヒューズには、少なくともレーザーを照射せず、
前記トリミング後、前記誤切断確認用ヒューズからの信号に基づき、前記誤切断確認用ヒューズが切断されているか否かを判定し、前記断確認用ヒューズが切断されていると共に前記誤切断確認用ヒューズが切断されていなければ、前記トリミングにおける前記切断/非切断の適正を保証することを特徴とする請求項7に記載のトリミング良否判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−26598(P2013−26598A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163134(P2011−163134)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】