説明

ビフェニルカルボキサミド

式(I)(式中、R、Z、X、Y、m、n及びAは明細書に記載の意味を有する)で示される新規ビフェニルカルボキサミド、該物質の複数の製造方法、望ましくない微生物を防除するための使用、新規中間体生成物及びこの製造が開示される。
【化184】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規ビフェニルカルボキサミド、この複数の製造方法及びこの望ましくない微生物を防除するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のカルボキサニリドが殺菌活性を有することは既に知られている(国際公開第WO93/11117号公報、同第WO99/09013号公報、同第WO00/14071号公報、欧州特許出願公開第0 545 099号公報及び同第0 589 301号公報参照)。特に、国際公開第WO02/08195号公報及び同第WO02/08197号公報には、オキシイミノメチル置換カルボキサミドが開示されている。これらの物質の活性は良好である。しかしこれらの物質の活性は不満足な場合が多い。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、今般、式(I)
【0004】
【化69】

{式中、Rは水素原子、いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−アルキル基又はC〜C−ハロアルキル基を表し、
ZはC〜C−アルケニル基、C〜C−アルキニル基、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルケニル基もしくはC〜C−ハロアルキニルを表すか、又は(C〜C−シクロアルキル)(C〜C−アルキル)基を表し、
X及びYは互いに独立してハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基又はC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、
mは0、1、2、3又は4を表し(但し、mが2、3又は4を表す場合には、xは同一であるか又は異なる基を表す。)、
nは0、1、2、3又は4を表し(但し、nが2、3又は4を表す場合には、yは同一であるか又は異なる基を表す。)、及び
Aは次式
【0005】
【化70】

〔式中、Rは水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、C〜C−アルキル基、C〜C−シクロアルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基、アミノカルボニル基、アミノカルボニル−C〜C−アルキル基を表すか又はいずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、
は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基又はC〜C−アルキルチオ基を表し、及び
は水素原子、C〜C−アルキル基、ヒドロキシ−C〜C−アルキル基、C〜C−アルケニル基、C〜C−シクロアルキル基、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基を表すか、又はいずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、ハロ(C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル)基もしくはハロ(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル)基を表すか、又はフェニル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0006】
【化71】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか、又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
はハロゲン原子、シアノ基又はC〜C−アルキル基、いずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0007】
【化72】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
は水素原子、ハロゲン原子又はC〜C−アルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0008】
【化73】

(式中、R10は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか、いずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0009】
【化74】

(式中、R11はハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、及び
12は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基、C〜C−アルキルスルフィニル基、C〜C−アルキルスルホニル基を表すか又はいずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0010】
【化75】

〔式中、R13はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
14はC〜C−アルキルを表し、
はS(硫黄)を表すか、SO、SO又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0011】
【化76】

(式中、R15はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0012】
【化77】

(式中、R16はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0013】
【化78】

〔式中、R17はハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
18は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表す。か又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
19は水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基、ヒドロキシ−C〜C−アルキル基、C〜C−アルキルスルホニル基、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル基、C〜C−アルキルカルボニル基又は場合により置換されていてもよいフェニルスルホニル基もしくはベンゾイルを表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0014】
【化79】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
22は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0015】
【化80】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
25は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0016】
【化81】

〔式中、R26は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜Cアルキル)アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
27はハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0017】
【化82】

〔式中、R28は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
29はハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0018】
【化83】

(式中、R30はハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0019】
【化84】

(式中、R31は水素原子又はC〜C−アルキル基を表し、及びR32はハロゲン原子又は
〜C−アルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0020】
【化85】

(式中、R33はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【0021】
【化86】

(式中、R34は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有する1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)で示される基を表す。}
で示される新規ビフェニルカルボキサミドが提供される。
【0022】
適切ならば、本発明の化合物は、種々の可能な異性体、特に立体異性体、例えばE及びZ立体異性体、トレオ及びエリトロ立体異性体、並びに光学異性体、及び適切ならば互変異性体の混合物として存在することができる。
【0023】
特にオキシム二重結合に関して、RがC〜C−アルキルである場合には、E/Z異性体が生じる。これらの異性体は、一般に混合物として存在する。構造式に示される立体配置は、常に両方の可能性を包含する。単純化のために、いずれの場合にも一つの異性体だけを示す。
【0024】
また、式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドは、
a)式(II)
【0025】
【化87】

(式中、Aは前記で定義した通りであり及びGはハロゲン原子、ヒドロキシル基又はC〜C−アルコキシ基を表す。)
で示されるカルボン酸誘導体を、式(III)
【0026】
【化88】

(式中、R、Z、X、Y、m及びnは前記で定義した通りである。)
で示されるアニリン誘導体と、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、
又は
b)式(IV)
【0027】
【化89】

(式中、A、X及びmは前記で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるカルボキサミド誘導体を、式(V)
【0028】
【化90】

(式中、R、Z、Y及びnは前記で定義した通りであり及びG及びGはそれぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表す。)
で示されるボロン酸誘導体と、触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、
又は
c)式(VI)
【0029】
【化91】

(式中、A、X及びmは前記で定義した通りであり及びG及びGはそれぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表す。)
で示されるカルボキサミドボロン酸誘導体を、式(VII)
【0030】
【化92】

(式中、R、Z、Y及びnは前記で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるフェニルオキシム誘導体と、触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
d)式(VIII)
【0031】
【化93】

(式中、A、R、X、Y、m及びnは前記で定義した通りである。)
で示されるビフェニルアシル誘導体を、式(IX)
Z−O−NHxHCl (IX)
(式中、Zは前記で定義した通りである。)
で示されるヒドロキシルアミン誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、
又は
e)式(I−a)
【0032】
【化94】

(式中、A、R、X、Y、m及びnは前記で定義した通りである。)で示されるヒドロキシイミノ誘導体を、式(X)
Z−E (X)
(式中、Zは前記で定義した通りであり、Eは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基を表す。)
で示される化合物と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
f)式(IV)
【0033】
【化95】

(式中、A、X及びmは前記で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるカルボキサミド誘導体を、式(VII)
【0034】
【化96】

(式中、R、Z、Y及びnは前記で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるフェニルオキシム誘導体と、パラジウム又は白金触媒の存在下で及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキサボロランの存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させる、
と得られる。
【0035】
最後に、式(I)で示される新規ビフェニルカルボキサミドが極めて良好な殺微生物性を有し、作物保護及び材料保護の両方において望ましくない微生物を防除するのに使用できることが見出されている。
【0036】
意外にも、本発明の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドが、同じ作用傾向をもつ従来の構造上最も良く類似している活性化合物よりもかなり良い殺菌活性を有することが見出されている。
【0037】
式(I)は、本発明のビフェニルカルボキサミドの一般的な定義を提供する。
【0038】
Rは、水素原子、C〜C−アルキル基又はいずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表すことが好ましい
【0039】
Zは、C〜C−アルケニル基、C〜C−アルキニル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルケニル基もしくはC〜C−ハロアルキニルを表すか、又は(C〜C−シクロアルキル)−(C〜C−アルキル)基を表すことが好ましい
【0040】
X及びYは、互いに独立して弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基又はC〜C−ハロアルキルチオ基を表すことが好ましい
【0041】
mは0、1、2又は3を表すことが好ましい(但し、mが2又は3を表す場合には、xは同一であるか又は異なる基を表す。)。
【0042】
nは0、1、2又は3を表すことが好ましい(但し、nが2又は3を表す場合には、yは同一であるか又は異なる基を表す。)。
【0043】
Aは次式
【0044】
【化97】

(式中、Rは水素原子、シアノ基、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、アミノカルボニル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基、トリフルオロメチルチオ基又はジフルオロメチルチオ基を表し、
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基又はエチルチオ基を表し、及び
は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を表すか、1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表すか又はフェニル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0045】
また、Aは次式
【0046】
【化98】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
は弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0047】
また、Aは次式
【0048】
【化99】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0049】
また、Aは次式
【0050】
【化100】

(式中、R10は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0051】
また、Aは次式
【0052】
【化101】

(式中、R11は弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基、トリフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基を表し、及び
12は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、C〜C−アルキルスルフィニル基、C〜C−アルキルスルホニル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0053】
また、Aは次式
【0054】
【化102】

(式中、R13はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
14はメチル基又はエチル基を表し、
はS(硫黄)を表すか、SO、SO又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0055】
また、Aは次式
【0056】
【化103】

(式中、R15はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0057】
また、Aは次式
【0058】
【化104】

(式中、R16はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0059】
また、Aは次式
【0060】
【化105】

(式中、R17は弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
18は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
19は水素原子、メチル基、エチル基、1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メチルスルホニル基又はジメチルアミノスルホニル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0061】
また、Aは次式
【0062】
【化106】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
22は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0063】
また、Aは次式
【0064】
【化107】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
25は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0065】
また、Aは次式
【0066】
【化108】

(式中、R26は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
27は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0067】
また、Aは次式
【0068】
【化109】

(式中、R28は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
29は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0069】
また、Aは次式
【0070】
【化110】

(式中、R30は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0071】
また、Aは次式
【0072】
【化111】

(式中、R31は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、及びR32は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0073】
また、Aは次式
【0074】
【化112】

(式中、R33はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0075】
また、Aは次式
【0076】
【化113】

(式中、R34は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが好ましい
【0077】
Rは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基を表すことが特に好ましい
【0078】
Zはアリル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、1−メチルアリル基、3−メチル−2−ブテニル基、プロパルギル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、3,3−ジフルオロアリル基、3,3−ジクロロアリル基、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基を表すことが特に好ましい
【0079】
X及びYは、互いに独立して弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基を表すことが特に好ましい
【0080】
mは0又は1を表すことが特に好ましい
【0081】
nは0、1又は2を表すことが特に好ましい(但し、nが2を表す場合には、yは同一であるか又は異なる基を表す。)。
【0082】
Aは次式
【0083】
【化114】

(式中、Rは水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基又はジフルオロメチルチオ基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基又はエチルチオ基を表し、及び
は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はフェニル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0084】
また、Aは次式
【0085】
【化115】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
は弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ又はトリクロロメトキシを表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0086】
また、Aは次式
【0087】
【化116】

(式中、R及びRは独立して互いに水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0088】
また、Aは次式
【0089】
【化117】

(式中、R10は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基又はトリクロロメチルチオ基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0090】
また、Aは次式
【0091】
【化118】

(式中、R11は弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基を表し、及び
12は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基又はトリクロロメトキシ基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0092】
また、Aは次式
【0093】
【化119】

(式中、R13はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
14はメチル基又はエチル基を表し、
はS(硫黄)を表すか又はSO、SO又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0094】
また、Aは次式
【0095】
【化120】

(式中、R15はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0096】
また、Aは次式
【0097】
【化121】

(式中、R16はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0098】
また、Aは次式
【0099】
【化122】

(式中、R17は弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、
18は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
19は水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0100】
また、Aは次式
【0101】
【化123】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
22は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0102】
また、Aは次式
【0103】
【化124】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
25は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0104】
また、Aが次式
【0105】
【化125】

(式中、R26は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
27は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0106】
また、Aは次式
【0107】
【化126】

(式中、R28は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
29は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0108】
また、Aは次式
【0109】
【化127】

(式中、R30は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0110】
また、Aは次式
【0111】
【化128】

(式中、R31は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、及び
32は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0112】
また、Aは次式
【0113】
【化129】

(式中、R33はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0114】
また、Aは次式
【0115】
【化130】

(式中、R34は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特に好ましい
【0116】
Rは水素原子又はメチル基を表すことが極めて特に好ましい
【0117】
Zはアリル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、1−メチルアリル基、3−メチル−2−ブテニル基、プロパルギル基、2−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、3,3−ジフルオロアリル基、シクロプロピルメチル基を表すことが極めて特に好ましい
【0118】
Xは弗素原子又はメチル基を表すことが極めて特に好ましい
【0119】
Yは弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、メチルチオ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基を表すことが極めて特に好ましい
【0120】
mは0又は1を表すことが極めて特に好ましい
【0121】
nは0又は1を表すことが極めて特に好ましい
【0122】
また、Aは次式
【0123】
【化131】

(式中、Rは弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子又はメチル基を表し、及び
はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0124】
また、Aは次式
【0125】
【化132】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子又はメチル基を表し、及びRはメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0126】
また、Aは次式
【0127】
【化133】

(式中、R及びRは独立して互いに水素原子、弗素原子又はメチル基を表し、及びRはメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0128】
また、Aは次式
【0129】
【化134】

(式中、R10はヨウ素原子、メチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0130】
また、Aは次式
【0131】
【化135】

(式中、R11は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、及びR12は水素原子を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0132】
また、Aは次式
【0133】
【化136】

(式中、R13はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、及び
14はメチル基を表し、
はS(硫黄)又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0134】
また、Aは次式
【0135】
【化137】

(式中、R15はメチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0136】
また、Aは次式
【0137】
【化138】

(式中、R16はメチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0138】
また、Aは次式
【0139】
【化139】

(式中、R17は弗素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、
18は水素原子又はメチル基を表し、及びR19はメチル基又はメトキシメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0140】
また、Aは次式
【0141】
【化140】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、弗素原子又はメチル基を表し、及び
22はメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0142】
また、Aは次式
【0143】
【化141】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、弗素原子又はメチル基を表し、及び
25はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0144】
また、Aが次式
【0145】
【化142】

(式中、R26は弗素原子、塩素原子、アミノ基又はメチル基を表し、及び
27は塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0146】
また、Aは次式
【0147】
【化143】

(式中、R28は弗素原子、塩素原子、アミノ基又はメチル基を表し、及び
29は塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0148】
また、Aは次式
【0149】
【化144】

(式中、R30は塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0150】
また、Aは次式
【0151】
【化145】

(式中、R31はメチル基を表し、及び
32は塩素原子又はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0152】
また、Aは次式
【0153】
【化146】

(式中、R33はメチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0154】
また、Aは次式
【0155】
【化147】

(式中、R34は水素原子、塩素原子又はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが極めて特に好ましい
【0156】
Rは水素原子又はメチル基を表すことが特別好ましい
【0157】
Zはアリル基、2−メチルアリル基、1−メチルアリル基、3−メチル−2−ブテニル基、プロパルギル基、2−ブチニル基、3,3−ジフルオロアリル基、シクロプロピルメチル基を表すことが特別好ましい
【0158】
Xは弗素原子を表すことが特別好ましい
【0159】
mは0又は1を表すことが特別好ましい
【0160】
nは0を表すことが特別好ましい
【0161】
Aは次式
【0162】
【化148】

(式中、Rはメチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子又はメチル基を表し、及び
はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0163】
また、Aは次式
【0164】
【化149】

(式中、R及びRはそれぞれ水素原子を表し、及び
はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0165】
また、Aは次式
【0166】
【化150】

(式中、R10はヨウ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0167】
また、Aは次式
【0168】
【化151】

(式中、R11は塩素原子又はトリフルオロメチル基を表し、及び
12は水素原子を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0169】
また、Aは次式
【0170】
【化152】

(式中、R13はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、及び
14はメチル基を表し、
はS(硫黄)を表し、及び
pは0を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0171】
また、Aは次式
【0172】
【化153】

(式中、R17はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、
18は水素原子又はメチル基を表し、及び
19はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0173】
また、Aは次式
【0174】
【化154】

(式中、R20及びR21はそれぞれ水素原子を表し、及び
22はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0175】
また、Aは次式
【0176】
【化155】

(式中、R26はアミノ又はメチル基を表し、及び
27は塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0177】
また、Aは次式
【0178】
【化156】

(式中、R33はメチル基を表す。)
で示される基を表すことが特別好ましい
【0179】
また、好ましいものとして、式(I−1)
【0180】
【化157】

(式中、R、Z、X、Y、m、n及びAは前記で定義した通りである。)
で示される化合物が示される。適切なものは、いずれの場合にも前記の一般的な意義、好ましい意義、特に好ましい意義、極めて特に好ましい意義及び特別好ましい意義の組合せの全てである。
【0181】
特に好ましいものとしては、式中のXが弗素原子であり及びmが0又は1である式(I−1)の化合物が示される。
【0182】
特に好ましいものとしては、式中のnが0である式(I−1)の化合物が示される。
【0183】
特に好ましいものとしては、式中のRが水素原子又はメチル基である式(I−1)の化合物が示される。
【0184】
また、特に好ましいものとしては、式中のXが弗素原子であり及びmが0又は1である式(I)の化合物が示される。
【0185】
また、特に好ましいものとしては、式中のnが0である式(I)の化合物が示される。
【0186】
また、特に好ましいものとしては、式中のRが水素原子又はメチル基である式(I)の化合物が示される。
【0187】
好ましい、特に好ましい、極めて特に好ましい及び特別好ましい化合物は、好ましい、特に好ましい、極めて特に好ましい及び特別好ましいというそれぞれの分類に挙げた置換基を有する化合物である。
【0188】
飽和又は不飽和炭化水素基、例えばアルキル基又はアルケニル基は、いずれの場合にも直鎖又は分岐であることができ、可能である限りはアルコキシ基のように異種原子との組合せを含むことができる。
【0189】
場合により置換されていてもよい基は、モノ置換又は多置換されることができ、多置換の場合には、複数個の置換基は同じであるか又は異なることができる。同じ指標を有する複数の基、例えばm>1である場合のm個の基Xは、同じであることができるし又は異なることができる。
【0190】
ハロゲン置換基、例えばハロアルキル基は、モノ置換又は多置換されることができる。多置換の場合には、複数個のハロゲン原子は同じであるか又は異なることができる。ここでは、ハロゲンは弗素、塩素、臭素及びヨウ素原子、特に弗素、塩素及び臭素原子を表す。
【0191】
しかし、前記に示した一般的な基又は好ましい基の定義又は説明は、所望ならば相互に組み合わせることができる、すなわちそれぞれの範囲及び好ましい範囲の間の組み合わせを含むことができる。これらの基の定義は、最終生成物並びに対応する前駆物質及び中間体に適用される。また、個々の定義は適用し得ない。
【0192】
5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドと1−(2’−アミノビフェニル−4−イル)エタノン O−アリルオキシムを出発原料として使用すると、本発明の方法(a)の経路は下記の式で説明できる。
【0193】
【化158】

【0194】
N−(2−ヨードフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドと4−[1−(アリルオキシイミノ)エチル]フェニルボロン酸を出発原料として使用し及び触媒を使用すると、本発明の方法(b)の経路は下記の式で説明できる。
【0195】
【化159】

【0196】
2−[(5−フルオロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−イル)カルボニルアミノ]フェニルボロン酸と1−(4−ブロモフェニル)エタノン O−アリルオキシムを出発原料として使用し及び触媒を使用すると、本発明の方法(c)の経路は下記の式で説明できる。
【0197】
【化160】

【0198】
N−(4’−アセチルビフェニル−2−イル)−2−クロロニコチンアミドとO−(3,3−ジクロロアリル)ヒドロキシルアミン塩酸塩を出発原料として使用すると、本発明の方法(d)の経路は下記の式で説明できる。
【0199】
【化161】

【0200】
N−(4’−{1−[ヒドロキシイミノ]エチル}ビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−1−ピラゾール−4−カルボキサミドと1,1,3−トリクロロプロペンを出発原料として使用すると、本発明の方法(e)の経路は下記の式で説明できる。
【0201】
【化162】

【0202】
N−(2−ブロモフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドと1−(4−ブロモフェニル)エタノン O−アリルオキシムを出発原料として使用し及び触媒と4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキサボロランを使用すると、本発明の方法(f)の経路は下記の式で説明できる。
【0203】
【化163】

【0204】
方法及び中間体の説明
式(II)は、本発明の方法(a)を実施するための出発原料として必要なカルボン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、Aは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして、既に述べてある意義を有することが好ましい。Gは、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシル基、メトキシ基又はエトキシ基を表すことが好ましく、塩素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基を表すことが特に好ましい。
【0205】
式(II)で示されるカルボン酸誘導体は公知であるか又は公知の方法で製造することができる(国際公開第WO93/11117号公報、欧州特許出願公開第0 545 099号公報、欧州特許出願公開第0 589 301号公報及び欧州特許出願公開第0 589 313号公報参照)。
【0206】
式(III)は、本発明の方法(a)を実施するための反応成分として必要なアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、R、Z、X、Y、m及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして、既に述べてある意義を有することが好ましい。
【0207】
式(III)で示されるアニリン誘導体は新規である。これらの幾つかは、公知の方法で製造することができる(欧州特許出願公開第0 545 099号公報及び欧州特許出願公開第0 589 301公報参照)。
【0208】
式(III)で示されるアニリン誘導体はまた、下記の場合に得られる、すなわち、
g)一般式(XI)
【0209】
【化164】

(式中、X及びmは前記で定義した通りであり及びHalはハロゲンを表す。)
で示される2−ハロアニリン誘導体を、式(V)
【0210】
【化165】

(式中、R、Z、Y、n、G及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるボロン酸誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で、適切ならば不活性有機希釈剤の存在下で及び適切ならば触媒の存在下で反応させるか、又は
h)式(XII)
【0211】
【化166】

(式中、X、m、G及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるアニリンボロン酸を、式(VII)
【0212】
【化167】

(式中、R、Z、Y、n及びHal前記で定義した通りである。)
で示されるフェニルオキシム誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で、適切ならば不活性有機希釈剤の存在下で及び適切ならば触媒の存在下で反応させると得られる。
【0213】
式(XI)は、本発明の方法(g)及び(h)(以下を参照)を実施するための反応成分として必要な2−ハロアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、X及びmは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。Halは弗素、塩素又は臭素原子を表すことが好ましく、塩素又は臭素原子を表すことが特に好ましい。
【0214】
式(XI)で示される2−ハロアニリン誘導体は、市販されているか又は対応するニトロ化合物から還元することにより製造することができる。
【0215】
式(XII)は、本発明の方法(h)及び(j)(以下を参照)を実施するための反応成分として必要なアニリンボロン酸の一般的な定義を提供する。この式において、X及びmは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。G及びGは、それぞれ水素原子を表すことが好ましい。
【0216】
式(XII)で示されるアニリンボロン酸は市販されている。
【0217】
式(IV)は、本発明の方法(b)及び(f)を実施するための出発原料として必要なカルボキサミドの一般的な定義を提供する。この式において、A、X及びmは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。
【0218】
式(IV)で示されるカルボキサミド酸誘導体は、公知であるか又は公知の方法で製造することができる(国際公開第WO91/01311号公報、欧州特許出願公開第
0 371 950号公報参照)。
【0219】
式(V)は、本発明の方法(b)及び方法(g)を実施する際の反応成分を製造するのに必要なボロン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、R、Z、Y及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。G及びGは、それぞれ水素原子を表すことが好ましい。
【0220】
式(V)で示されるボロン酸誘導体は、新規であり、
i)式(XIII)
【0221】
【化168】

(式中、R、Y、n、G及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるフェニルボロン酸を、式(IX)
Z−O−NHxHCl (IX)
(式中、Zは前記で定義した通りである。)
で示されるヒドロキシルアミン誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で、適切ならば不活性有機希釈剤の存在下で及び適切ならば触媒の存在下で反応させることによって製造することができる。
【0222】
式(XIII)は、本発明の方法(i)及び(l)(以下を参照)を実施するための反応成分として必要なフェニルボロン酸の一般的な定義を提供する。この式において、R、Y及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。G及びGは、それぞれ水素原子を表すことが好ましい。
【0223】
式(XIII)で示されるフェニルボロン酸は市販されている。
【0224】
式(VI)は、本発明の方法(c)を実施するための反応成分として必要なカルボキサミドボロン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、A、X及びmは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。G及びGは、それぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表すことが好ましい。
【0225】
式(VI)で示されるカルボキサミドボロン酸誘導体は新規である。これらは、
j)式(II)
【0226】
【化169】

(式中、A及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるカルボン酸誘導体を、式(XII)
【0227】
【化170】

(式中、X、m、G及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるアニリンボロン酸と、適切ならば酸結合剤の存在下で、適切ならば不活性有機希釈剤の存在下で及び適切ならば触媒の存在下で反応させることによって製造することができる。
【0228】
式(VII)は、本発明の方法(c)及び(f)、並びに方法(h)を実施するための反応成分として必要なフェニルオキシム誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、R、Z、Y及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。
【0229】
式(VII)で示されるフェニルオキシム誘導体は、公知であり及び/又は公知の方法で製造することができる(Synth.Commun.200030,665−669、Synth.Commun.199929,1697−1701参照)。
【0230】
式(VIII)は、本発明の方法(d)を実施するための出発原料として必要なビフェニルアシル誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、A、R、X、Y、m及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。
【0231】
式(VIII)で示されるビフェニルアシル誘導体は新規である。これらは、
k)式(II)
【0232】
【化171】

(式中、A及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるカルボン酸誘導体を、式(XIV)
【0233】
【化172】

(式中、R、X、Y、m及びnは前記で定義した通りである。)
で示される2−ベンズアルデヒドアニリン誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば不活性有機希釈剤の存在下で反応させることによって製造することができる。
【0234】
式(XIV)は、本発明の方法(k)を実施するための反応成分として必要な2−ベンズアルデヒドアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、R、X、Y、m及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。
【0235】
式(XIV)で示される2−ベンズアルデヒドアニリン誘導体は新規である。これらは、
l)式(XI)
【0236】
【化173】

(式中、X、m及びHalは前記で定義した通りである。)
で示されるアニリン誘導体を、式(XIII)
【0237】
【化174】

(式中、R、Y、n、G及びGは前記で定義した通りである。)
で示されるフェニルボロン酸誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば不活性有機希釈剤の存在下で反応させることによって製造することができる。
【0238】
式(IX)は、本発明の方法(d)及び方法(i)を実施するための反応成分として必要なヒドロキシルアミン誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、Zは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、この基について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。本明細書に記載の塩酸塩を使用することが好ましい。しかし、本発明の方法において遊離のヒドロキシルアミン誘導体を使用することもできる。
【0239】
式(IX)で示されるヒドロキシルアミン誘導体は市販されている。
【0240】
式(I−a)は、本発明の方法(e)を実施するための出発原料として必要なヒドロキシイミノ誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、A、R、X、Y、m及びnは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基又はこれらの指数について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。
【0241】
式(I−a)で示されるヒドロキシイミノ誘導体は、前記の本発明の方法(a)、(b)、(c)、(d)又は(f)の一つで製造することができる。
【0242】
式(X)は、本発明の方法(e)を実施するための反応成分として必要なヒドロキシルアミン誘導体の一般的な定義を提供する。この式において、Zは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、この基について好ましいものとして、特に好ましいものとして、極めて特に好ましいものとして及び特別好ましいものとして既に述べてある意義を有することが好ましい。Eは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基を表すことが好ましい。Eは塩素又は臭素を表すことが特に好ましい。.
式(X)で示される化合物は市販されている。
【0243】
本発明の方法(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を実施するのに適した酸結合剤は、いずれの場合にもこのような反応に慣用される全ての無機及び有機塩基である。アルカリ土類金属又はアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム又は水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属又はアルカリ土類金属酢酸塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、及び第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)を使用することが好ましい。しかし、酸結合剤を加えずに操作することもできるし、又はアミン成分が同時に酸結合剤として作用するように過剰量のアミン成分を使用することもできる。
【0244】
本発明の方法(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を実施するのに適した希釈剤は、いずれの場合にも全ての慣用の不活性有機溶媒である。場合によってハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−もしくはイソブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル、スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、又はスルホン類、例えばスルホランを使用することが好ましい。
【0245】
本発明の方法(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を実施する場合には、反応温度はいずれの場合にも比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、本発明の方法は0℃から140℃、好ましくは10℃から120℃の間の温度で実施される。
【0246】
本発明の方法(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)は、一般にいずれの場合にも大気圧下で実施される。しかし、いずれの場合にも加圧下又は減圧下で操作することもできる。
【0247】
本発明の方法(a)を実施する場合には、一般に、式(II)で示される酸ハロゲン化物1モル当たり1モル又は過剰量の式(III)で示されるアニリン誘導体と1から3モルの酸結合剤を使用する。しかし、反応成分をその他の比率で使用することもできる。処理は慣用の方法で実施される。一般に、水を反応混合物に加え、有機相を分離し、乾燥した後に減圧下で濃縮する。後に残る残留物は、必要ならば、未だ存在しているかもしれない不純物を慣用の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶を使用して除去してもよい。
【0248】
本発明の方法(b)を実施する場合には、一般に、式(V)で示されるカルボキサミド1モル当たり1モル又は過剰量の式(V)で示されるボロン酸誘導体と1から5モルの酸結合剤を使用する。しかし、反応成分をその他の比率で使用することもできる。処理は慣用の方法で実施される。一般に、水を反応混合物に加え、沈殿物を分離し、乾燥する。後に残る残留物は、必要ならば、未だ存在しているかもしれない不純物を慣用の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶を使用して除去してもよい。
【0249】
本発明の方法(c)を実施する場合には、一般に、式(VI)で示されるカルボキサミドボロン酸誘導体1モル当たり1モル又は過剰量の式(VII)で示されるフェニルオキシム誘導体と、1から10モルの酸結合剤と、0.5から5モル%の触媒を使用する。しかし、反応成分をその他の比率で使用することもできる。処理は慣用の方法で実施される。一般に、水を反応混合物に加え、沈殿物を分離し、乾燥する。後に残る残留物は、必要ならば、未だ存在しているかもしれない不純物を慣用の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶を使用して除去してもよい。
【0250】
本発明の方法(d)を実施する場合には、一般に、式(VIII)で示されるビフェニルアシル誘導体1モル当たり1モル又は過剰量の式(IX)で示されるヒドロキシルアミン誘導体と1から5モルの酸結合剤を使用する。しかし、反応成分をその他の比率で使用することもできる。処理は慣用の方法で実施される。一般に、水を反応混合物に加え、沈殿物を分離し、水及びジイソプロピルエーテルで洗浄し、次いで乾燥する。後に残る残留物は、必要ならば、未だ存在しているかもしれない不純物を慣用の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶を使用して除去してもよい。
【0251】
本発明の方法(e)を実施する場合には、一般に、式(I−1)で示されるヒドロキシイミノ誘導体1モル当たり1モル又は過剰量の式(X)で示される試薬と1から5モルの酸結合剤を使用する。しかし、反応成分をその他の比率で使用することもできる。処理は慣用の方法で実施される。一般に、水を反応混合物に加え、沈殿物を分離し、乾燥する。後に残る残留物は、必要ならば、未だ存在しているかもしれない不純物を慣用の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶を使用して除去してもよい。
【0252】
本発明の方法(f)を実施する場合には、一般に、式(IV)で示されるカルボキサミド誘導体1モル当たり1モル又は過剰量の式(VII)で示されるフェニルオキシム誘導体と、1から5モルの酸結合剤と、1から5モルの触媒を使用する。しかし、反応成分をその他の比率で使用することもできる。処理は慣用の方法で実施される。一般に、水を反応混合物に加え、沈殿物を分離し、乾燥する。後に残る残留物は、必要ならば、未だ存在しているかもしれない不純物を慣用の方法、例えばクロマトグラフィー又は再結晶を使用して除去してもよい。
【0253】
本発明の活性化合物は、植物及び植物器官の保護、収穫量の増大、収穫物の品質の向上、並びに農業、林業、園芸及びレジャー施設、貯蔵製品及び材料の保護並びに衛生部門で遭遇する動物害虫、特に昆虫、クモ形動物及び線虫の防除に適しており、しかも植物に十分に許容され、温血動物に都合のよい毒性、及び環境適合性を有する。本発明の活性化合物は、好ましくは作物保護剤として使用してもよい。本発明の活性化合物は、通常の感受性及び抵抗性の種に対して及び発育段階の全部又は幾つかに対して活性である。前記の害虫としては下記のものが挙げられる。
【0254】
等脚目(Isopoda)から、例えばオニクス・アセルス(Oniscus asellus)、オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)及びワラジムシ(Porcellio scaber)、
ヤスデ目(Diplopoda)から、例えばブラニウルス・グッツラーツス(Blaniulus guttulatus)、
ムカデ目(Chilopoda)から、例えばツチムカデ(Geophilus carpophagus)及びスクチゲラ(Scutigera)種、
コムカデ目(Symphyla)から、例えばスクチゲレラ・イマクラータ(Scutigerella immaculata)、
シミ目(Thysanura)から、例えばセイヨウシミ(Lepisma saccharina)、
トビムシ目(Collembola)から、例えばシロトビムシ(Onychiurus armatus)、
直翅目(Orthoptera)から、例えばヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)、ケラ(Gryllotalpa)種、トノサマバッタ(Locusta migratoria migratorioides)、メラノプルス(Melanoplus)種及びサバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)、
ゴキブリ目(Blattaria)から、例えばトウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae)及びチャバネゴキブリ(Blattella germanica)、
ハサミムシ目(Dermaptera)から、例えばヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)、
シロアリ目(Isoptera)から、例えばヤマトシロアリ(Reticulitermes)種、
シラミ目(Phthiraptera)から、例えばコロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ブタジラミ(Haematopinus)種、ケモノホソジラミ(Linognathus)種、ケモノハジラミ(Trichodectes)種及びダマリニア(Damalinia)種、
総翅目(Thysanoptera)から、例えばクリバネアザミウマ
Hercinothrips femoralis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)及びミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、
異翅目(Heteroptera)から、例えばチャイロカメムシ(Eurygaster)種、ベニホシカメムシ(Dysdercus intermedius)、ピエスマ・クアドゥラータ(Piesma quadrata)、トコジラミ(Cimex
lectularius)、オオサシガメ(Rhodnius prolixus)及びサシガメ(Triatoma)種、
同翅目(Homoptera)から、例えばアレウロデス・ブラシッカエ(Aleurodes brassicae)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus arundinis)、ブドウジラミ(Phylloxera vastatrix)、ワタムシ(Pemphigus)種、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、ミズス(Myzus)種、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ニドリヒメヨコバイ(Empoasca)種、エウスケリス・ビロバーツス(Euscelis bilobatus)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ミズキカタカイガラムシ(Lecanium corni)、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、シロマルカイガラムシ(Aspidiotus hederae)、コナカイガラムシ(Pseudococcus)種及びキジラミ(Psylla)種、
鱗翅目(Lepidoptera)から、例えばワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ケイマトビア・ブルマータ(Cheimatobia brumata)、リソコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、コナガ(Plutella xylostella)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、ドクガ(Euproctis chrysorrhoea)、マイマイガ(Lymantria)種、ブックラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、ヤガ(Agrotis)種、エウクソア(Euxoa)種、フェルテア(Feltia)種、ミスジオリンガ(Earias insulana)、ヒリオシス(Heliothis)種、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、マツキリガ(Panolis flammea)、ヨトウ(Spodoptera)種、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、シロチョウ(Pieris)種、ニカメイガ(Chilo)種、アワノメイガ(Pyrausta nubilalis)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コイガ(Tineola bisselliella)、イガ(Tinea pellionella)、ホフマンノフィラ・プセウドスプレテルラ(Hofmannophila pseudospretella)、カコエキア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レテクラナ(Capua reticulana)、トウヒシントメハマキ(Choristoneura fumiferana)、ブドウホソハマキ(Clysia ambiguella)、チャハマキ(Homona magnanima)、トルトリックス・ビリダーナ(Tortrix viridana)、クナファロケルス(Cnaphalocerus)種、及びイネクビボソハムシ(Oulema oryzae)、
甲虫目(Coleoptera)から、例えばアノビウム・プンクターツム(Anobium punctatum)、コナナガシンクイ(Rhizopertha dominica)、エンドウゾウムシ(Bruchidius obtectus)、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、カラシナハムシ(Phaedon cochleariae)、デアブロチカ(Diabrotica)種、ナトビハムシ(Psylliodes chrysocephala)、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、アトマリア(Atomaria)種、ノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus surinamensis)、ハナゾウムシ(Anthonomus)種、コクゾウムシ(Sitophilus)種、キンケクチブトリゾウムシ(Otiorrhynchus sulcatus)、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sordidus)、ケウソルリンクス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、カツヲブシムシ(Dermestes)種、トゥロゴデルマ(Trogoderma)種、アンスレヌス(Anthrenus)種、アッタゲヌス(Attagenus)種、ヒラタキクイムシ(Lyctus)種、メリゲセス・アエネウス(Meligethes aeneus)、プテヌス(Ptinus)種、ニプトゥス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、ニセマルヒョウホンムシ(Gibbium psylloides)、トゥボリウム(Tribolium)種、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、アグリオテス(Agriotes)種、コノデルス(Conoderus)種、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、アンフィマロン・ソルステテアリス(Amphimallon solstitialis)、コステリトゥラ・アエアランデカ(Costelytra zealandica)及びイネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、
膜翅目(Hymenoptera)から、例えば、マツハバチ(Diprion)種、ナシミバチ(Hoplocampa)種、ケアリ(Lasius)種、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)及びスズメバチ(Vespa)種、
双翅目(Diptera)から、例えばヤブカ(Aedes)種、ハマダラカ(Anopheles)種、イエカ(Culex)種、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、イエバエ(Musca)種、ヒメイエバエ(Fannia)種、クロバエ(Calliphora erythrocephala)、キンバエ(Lucilia)種、オビキンバエ(Chrysomyia)種、ウサギヒフバエ(Cuterebra)種、ウマバエ(Gastrophilus)種、シラミバエ(Hyppobosca)種、サシバエ(Stomoxys)種、ヒツジバエ(Oestrus)種、ヒフバエ(Hypoderma)種、アブ(Tabanus)種、タンニア(Tannia)種、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、キモグリバエ(Oscinella frit)、フォルビア(Phorbia)種、アカザモグリハナバエ(Pegomyia hyoscyami)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、チプラ・パルドーサ(Tipula paludosa)、ヒレミア(Hylemyia)種及びハモグリバエ(Liriomyza)種、
ノミ目(Siphonaptera)から、例えばケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)及びニワトリノミ(Ceratophyllus)種、
クモ綱(Arachnida)から、例えばイスラエルゴールドスコーピオ(Scorpio maurus)、クロゴケグモ(Latrodectus mactans)、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ナガヒメダニ(Argas)種、カズキダニ(Ornithodoros)種、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、エリオフィネス・リビス(Eriophyes ribis)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、ウシダニ(Boophilus)種、コイタマダニ(Rhipicephalus)種、キララマダニ(Amblyomma)種、イボマダニ(Hyalomma)種、マダニ(Ixodes)種、キュウセンヒゼンダニ(Psoroptes)種、コリオプテス(Chorioptes)種、ヒゼンダニ(Sarcoptes)種、ホコリダニ(Tarsonemus)種、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、パノニクス(Panonychus)種、ヒメハダニ(Tetranychus)種、ハダニ(Tetranychus)種、ヘミタルソネムス(Hemitarsonemus)種、ヒメハダニ(Brevipalpus)種。
【0255】
植物寄生線虫としては、例えば、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus)種、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)、ナミキクセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)、シストセンチュウ(Heterodera)種、グロボデラ(Globodera)種、ネコブセンチュウ(Meloidogyne)種、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides)種、ナガハリセンチュウ(Longidorus)種、オオハリセンチュウ(Xiphinema)種、ユミハリセンチュウ(Trichodorus)種及びマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus)種が挙げられる。
【0256】
本発明の化合物は、強い殺微生物活性を有し、作物の保護及び種々の物質の保護において真菌類及び細菌類などの望ましくない微生物の防除に使用できる。
【0257】
殺菌剤すなわち殺真菌剤は、作物保護においてネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するのに使用できる。
【0258】
殺細菌剤は、作物保護においてシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)の細菌を防除するのに使用できる。
【0259】
真菌性及び細菌性の病気を引き起こすある種の病原体であって前記に挙げた属名に入る病原体を例として挙げ得るが、これらに限定されるものではない。
【0260】
キサントモナス(Xanthomonas)種、例えばイネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス(Pseudomonas)種、例えばウリ科植物の斑点細菌病菌
Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルウィニア(Erwinia)種、例えば火傷病菌(Erwinia amylovora);
ピシウム(Pythium)種、例えば苗腐病菌(Pythium ultimum);
フィトホトラ(Phytophothora)種、例えばトマト、ジャガイモの疫病菌(Phytophthora infestans);
ニセツユカビ(Pseudoperonospora)種、例えばホップ疫病菌(Pseudoperonospora humuli)又はウリ科植物のべと病菌(Pseudoperonospora cubensis);
タンジクツユカビ(Plasmopara)種、例えばブドウのべと病菌(Plasmopara viticola);
ブレミア(Bremia)種、例えばレタスべと病菌(Bremia lactucae);
ツユカビ(Peronospora)種、例えばエンドウべと病菌(Peronospora pisi)又はナタネべと病菌(P. brassicae);
ウドンコカビ(Erysiphe)種、例えばオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis);
スファエロセカ(Sphaerotheca)種、例えばうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea);
ポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばリンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha);
ベンツリア(Venturia)種、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis);
ピレノホーラ(Pyrenophora)種、例えばオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)又は斑葉病菌(P.graminea)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えばムギ類斑点病菌(Cochliobolus sativus)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
ウロミケス(Uromyces)種、例えばマメ類さび病菌(Uromyces appendiculatus);
プクキニア(Puccinia)種、例えばコムギ、ライムギの赤さび病菌(Puccinia recondita);
スクレロチニア(Sclerotinia)種、例えば菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)、
チレチア(Tilletia)種、例えばコムギなまぐさ黒穂病菌(Tilletia caries);
クロボキン(Ustilago)種、例えばオオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda)又はエンバク裸黒穂病菌(Ustilago avenae);
ペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばイネ紋枯病菌(Pellicularia sasakII);
ピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae);
フザリウム(Fusarium)種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);
ボトリチス(Botrytis)種、例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea);
セプトリア(Septoria)種、例えばコムギふ枯病菌(Septoria nodorum);
レプトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばコムギふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum);
セルコスポラ(Cercospora)種、例えば褐斑病菌(Cercospora canescens);
アルタナリア(Alternaria)種、例えばナタネ黒斑病(Alternaria brassicae);及び
シュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)。
【0261】
本発明の活性化合物はまた、植物において極めて良好な強化作用も示す。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による襲撃に対して植物の内部防御を結集するのに適している。
【0262】
本明細書において、植物強化(抵抗性誘導)化合物とは、処理植物がその後に望ましくない微生物を接種された場合にこれらの微生物に対して十分な抵抗性を示すように植物の防御系を刺激することができる物質を意味すると理解されるべきである。
【0263】
この場合に、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌及びウイルスを意味すると理解されるべきである。従って、本発明の化合物は、処理後のある一定の期間、前記の病原体による攻撃から植物を保護するのに使用できる。この保護が達成される期間は、一般に活性化合物による植物の処理後1から10日間、好ましくは1から7日間に及ぶ。
【0264】
活性化合物が植物の病気を防除するのに必要な濃度で植物に十分に許容されるということは、植物の地上部分、繁殖ストック及び種子の処理、並びに土壌の処理を可能にする。
【0265】
本発明の活性化合物は、ブドウ栽培において並びに果物及び野菜の栽培において病気を防除するのに、例えばベンツリア(Venturia)種、ボトリチス(Botrytis)種、スクレロチニア(Sclerotina)種、リゾクトアニア(Rhizoctonia)種、ウンシヌラ(Uncinula)、スファエロテカ(Sphaerotheca)種、ポドスファエラ(Podosphaera)種、アルタナリア(Alternaria)種及びコレトトリカム(Colletorichum)種に対して、特によい結果を伴った使用できる。同様に、イネの病気(Rice disease)、例えばピリキュラリア(Pyricularia)種及びペリキュラリア(Pellicularia)種を、よい結果を伴って防除する。
【0266】
本発明の活性化合物はまた、作物の収量を高めるのに適している。また、本発明の活性化合物は低毒性であり、植物に十分に許容される。
【0267】
本発明の活性化合物はまた、ある一定の濃度及び施用量で、除草剤として、植物の生長を調節するために及び動物害虫を防除するために使用することもできる。適切ならば、本発明の活性化合物はまた、別の活性化合物の合成用の中間体及び前駆物質としても使用できる。
【0268】
全ての植物及び植物部分は、本発明に従って処理できる。植物とは、本明細書では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解されるべきである。作物植物は、慣用の植物育種法及び最適化法によってもしくはバイオテクノロジー法及び組換え法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また植物育種者の権利によって保護し得るか又は保護し得ない植物変種であることができる。植物部分とは、地上及び地下の植物の全ての部分及び器官、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、その例として葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び地下茎を挙げ得る。また、植物部分としては、収穫物並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば挿し木、塊茎、地下茎、短匐枝及び種子が挙げられる。
【0269】
活性化合物による植物及び植物部分の本発明の処理は、直接に行うか又は該活性化合物を該植物及び植物部分の周囲、生育環境又は貯蔵空間に慣用の処理方法で作用させることによって、例えば浸漬、噴霧、蒸発、燻煙、散布、塗布、注入により作用させることによって行い、また繁殖材料の場合、特に種子の場合には一つ又はそれ以上の被覆を施すことによって行う。
【0270】
材料の保護において、本発明の化合物は望ましくない微生物による感染及び破壊から産業資材を保護するのに使用できる。
【0271】
本明細書において産業資材とは、産業で使用するために製造された非生物材料を意味すると理解される。例えば、本発明の活性化合物によって微生物による変質又は破壊から保護すべきことを目的とする産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤、並びに微生物が感染又は破壊し得るその他の材料であり得る。微生物の増殖によって損なわれ得る製造プラントの部品、例えば冷却水循環路もまた、保護すべき材料の範囲内に挙げ得る。本発明の範囲内に挙げ得る産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑剤並びに熱媒液であることが好ましく、木材であることが特に好ましい。
【0272】
挙げ得る産業資材を分解又は変化させ得る微生物は、例えば細菌、真菌(カビ菌)、酵母、藻類及びスライム生物である。本発明の活性化合物は、真菌、特に糸状菌、木材変色菌及び木材腐朽菌(担子菌類)に対して及びスライム生物及び藻類に対して作用することが好ましい。
【0273】
下記の属の微生物を例として挙げ得る。
【0274】
アルタナリア(Alternaria)、例えばアルタナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、
アスペルギルス(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、
ケトミウム(Chaetomium)、例えばケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、
コニオホーラ(Coniophora)、例えばコニオホーラ・プエタナ(Coniophora puetana)、
レンティナス(Lentinus)、例えばレンティナス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、
ペニシリウム(Penicillium)、例えばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、
ポリポルス(Polyporus)、例えばポリポルス・バージカラー(Polyporus versicolor)、
アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、
スクレロフォーマ(Sclerophoma)、例えばスクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、
トリコデルマ(Trichoderma)、例えばトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)、
エシェリキア(Escherichia)、例えば大腸菌(Escherichia coli)、
シュードモナス(Pseudomonas)、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、
スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0275】
本発明の活性化合物は、その個々の物理的性質及び/又は化学的性質に応じて、慣用の製剤、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、発泡剤、ペースト剤、粒剤、エーロゾル剤並びに高分子物質及び種子用被覆組成物中の微細カプセル剤に変えることができ、またULV冷却及び加温煙霧製剤に変えることができる。
【0276】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液状溶媒、加圧液化ガス及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は気泡形成剤を用いて混合することにより製造される。使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することも可能である。本質的に、適切な液状溶媒は、芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、アルコール類、例えばブタノール又はグリコール及びこれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、又は水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下でガス状の液体、例えばエーロゾル噴射剤、例えばハロゲン化炭化水素又はブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。適切な固形担体は、例えば粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイソウ土、並びに粉砕合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナ及びケイ酸塩である。粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトであるか、又は無機及び有機粉末の合成顆粒、及び有機材料例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎の顆粒である。適切な乳化剤及び/又は気泡形成剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類、又はタンパク質加水分解生成物である。適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0277】
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース並びに粉末状、顆粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類並びに合成リン脂質が前記の製剤に使用できる。その他の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0278】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
【0279】
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%含有する。
【0280】
本発明の活性化合物は、そのままでもしくはその製剤で使用できるし、又は公知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用して、例えば活性スペクトルを広げるか又は抵抗性の発現を防止することができる。多くの場合、相乗効果が得られる、すなわち混合物の活性がその個々の成分の活性よりも高い。
【0281】
適切な混合成分の例は、下記の化合物である。
【0282】
殺菌剤:
2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンサルフェート;アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アムプロピルホス;アムプロピルホス・カリウム;アンドプリム(andoprim);アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ・イソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル・イソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン・S;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチルアミン;多硫化石灰;カプシマイシン(capsimycin);カプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオナート;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;Dagger G;デバカルブ;ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモール;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;ファーバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトオーバー(flumetover);フルモルフ(flumorph);フルオロミド;フルオキサストロビン(fluoxastrobin);フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;フォルペット;ホセチル・アルミニウム;ホセチル・ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロックス;グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン三酢酸塩;イミノクタジン三アルベシル酸塩;ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシム・メチル;マンコゼブ;マネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル・M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチラム;メトミノストロビン;メトスルホバックス(metsulfovax);ミルディオマイシン;マイクロブタニル;マイクロゾリン;ナタマイシン;ニコビフェン(nicobifen);ニトロタル・イソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモール;オフレース;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキソポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン(oxyfenthIIn);パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フサライド;ピコシキストロビン;ピペラリン;ポリオキシン類;ポリオキソリム(polyoxorim);プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン(propanosine)・ナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジッド(proquinazid);プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;キンコナゾール;キノキシフェン;キントゼン;シメコナゾール;スピロキサミン;硫黄;テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン(thicyofen);チフルザミド;チオファネート・メチル;チラム;チオキシミド;トルクロホス・メチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル;トリアゾキシド;トリシクラミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;アクチノベート(actinovate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール;1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル;炭酸水素カリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;テトラチオカルボン酸ナトリウム;並びに銅塩及び銅製剤、例えばボルドー液;水酸化銅;ナフテン酸銅;オキシ塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;亜酸化銅;マンカッパー;オキシン銅。
【0283】
殺細菌剤:
ブロモポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及びその他の銅製剤。
【0284】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、ABG−9008、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アセトプロール、アクリナトリン、AKD−1022、AKD−3059、AKD−3088、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アレスリン、アレスリン1R−異性体、α−シペルメトリン(アルファメトリン)、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトラズ、アバメクチン、AZ−60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス・メチル、アジンホス・エチル、アゾシクロチン、バチルス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バチルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・スリンジエンシス株EG−2348、バチルス・スリンジエンシス株GC−91、バチルス・スリンジエンシス株NCTC−11821、バキュロウイルス、ボーベリア・バシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、β−シフルトリン、β−シペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、BPMC、ブロフェンプロックス(brofenprox)、ブロモホス・エチル、ブロモプロピレート、ブロムフェンビンホス(−メチル)、BTG−504、BTG−505、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、ブチルピリダベン、カズサホス、カンフェクロル、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、CGA−50439、キノメチオネート、クロルデン、クロルジメホルム、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルベンジレート、クロルピクリン、クロルプロキシフェン(chlorproxyfen)、クロルピリホス・メチル、クロルピリホス(・エチル)、クロベパトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロチアゾベン(clothiazoben)、コドレモン、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シドリンガ(Cydia pomonella)、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン(1R−トランス−異性体)、シロマジン、DDT、デルタメトリン、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジコホル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジノブトン、ジノカップ、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドクサト−ナトリウム(docusat−sodium)、ドフェナピン(dofenapyn)、DOWCO−439、エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、エンペントリン(1R−異性体)、エンドスルファン、接合菌エントモフソーラ種(Entomopfthora spp.)、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチプロール、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、ファムフル、フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリプリム、フルアズロン、フルベンジミン、フルブロシトリネート、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルピラゾホス、フルテンジン(flutenzine)〔フルフェンジン(flufenzine)〕、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)〔フルプロキシフェン(fluproxyfen)〕、フラチオカルブ、γ−HCH、gossyplure、grandlure、顆粒病ウイルス、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、HCN−801、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、ハイドロプレン、IKA−2002、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、イベルメクチン、japonilure、カデスリン、核多核体病ウイルス、キノプレン、λ−シハロトリン、リンデン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メスルフェンホス、メタアルデヒド、メタム・ナトリウム、メタクリホス、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、ミルベマイシン、MKI−245、MON−45700、モノクロトホス、モキシデクチン、MTI−800、ナレッド、NC−104、NC−170、NC−184、NC−194、NC−196、ニクロサミド、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、NNI−0001、NNI−0101、NNI−0250、NNI−9768、ノバルロン、ノビフルムロン、OK−5101、OK−5201、OK−9601、OK−9602、OK−9701、OK−9802、オメトエート、オキサミル、オキシジメトン・メチル、ペシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオン・メチル、パラチオン(・エチル)、ペルメトリン(シス、トランス)、マシン油、PH−6045、フェノトリン(1R−トランス異性体)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピペロニルブトキシド、ピリミカーブ、ピリミホス・メチル、ピリミホス・エチル、プラレスリン、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロパルギット、プロペタムホス(propetamphos)、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブテ(protrifenbute)、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、レスメトリン、RH−5849、リバビリン、RU−12457、RU−15525、S−421、S−1833、サリチオン、ブチルフォス、SI−0009、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(spiromesifen)、スルフラミド、スルホテップ、スルプロホス、SZI−121、タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、ターバム、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラメトリン(1R−異性体)、テトラサル、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸塩、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオサルタップ・ナトリウム(thiosultap−sodium)、スリンジエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド、トラロシトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、ベルブチン(verbutin)、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanII)、WL−108477、WL−40027、YI−5201、YI−5301、YI−5302、XMC、キシリルカルブ、ZA−3274、ζ−シペルメトリン、ゾラプロホス(zolaprofos)、ZXI−8901、化合物 プロピルカルバミン酸3−メチルフェニル(ツマサイドZ)、化合物 3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS−Reg.No.185982−80−3)及び対応する3−エンド−異性体(CAS−Reg.No.185984−60−5)(国際公開第WO96/37494号公報、同第WO98/25923号公報参照)、並びに殺虫活性植物抽出物、線虫、真菌又はウイルスを含有する製剤。
【0285】
除草剤などのその他の公知の活性化合物との混合物又は肥料及び生長調節剤、薬害軽減剤又は情報化学物質との混合物も可能である。
【0286】
また、本発明の式(I)で示される化合物は、極めて良好な抗真菌活性も有する。該化合物は、特に皮膚糸状菌及び酵母、糸状菌及び二相性真菌〔例えば、カンジダ種、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)〕、並びにエピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス種例えばアルペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアルペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、トリコフィトン種例えばトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポルム種、例えばミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)及びミクロスポルム・オーズアニー(Microsporum audouinII)に対して極めて広い抗真菌活性を有する。これらの真菌類のリストは、カバーされた真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単なる説明のためのものである。
【0287】
本発明の活性化合物は、そのままで使用できるし、その製剤の形態で使用できるし又はそれから調製される使用形態、例えばすぐ使用可能な液剤、懸濁剤、水和剤、ペースト剤、水溶剤、粉剤及び粒剤の形態で使用できる。施用は慣用の方法で、例えば散水、液剤散布、噴霧、散播、散粉、発泡、展着などで実施される。また、本発明の活性化合物は、微量散布法で散布することが可能であるし、又は該活性化合物製剤又は該活性化合物それ自体を土壌に注入することも可能である。また、植物の種子を処理することも可能である。
【0288】
本発明の活性化合物を殺菌剤として使用する場合には、その施用量は施用の種類に応じて比較的幅広い範囲内で変化させ得る。植物の部分の処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/haである。種子粉衣に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には種子1kg当たり0.001から50g、好ましくは種子1kg当たり0.01から10gである。土壌処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/haである。
【0289】
産業資材を保護するのに使用される化合物は、一般に、本発明の活性化合物を1から95重量%、好ましくは10から75重量%の量で含有する。
【0290】
本発明の化合物の施用量は、防除すべき微生物の性質及び発生並びに保護すべき物質の組成に応じる。最適施用量は一連の試験により決定することができる。一般に、施用の濃度は、保護すべき物質に基づいて0.001から5重量%、好ましくは0.05から1.0重量%の範囲にある。
【0291】
物質の保護において本発明に従って使用されるべき活性化合物、又はそれから調製される組成物、濃厚物、すなわち一般的に製剤の活性及び活性スペクトルは、適切ならば、別の抗微生物活性化合物、殺菌剤、殺細菌剤、除草剤、殺虫剤、又は活性スペクトルを広げるか又は特殊な効果、例えば昆虫に対する付加的保護を得るための別の活性化合物を添加することによって高めることができる。これらの混合物は、本発明の化合物よりも広い活性スペクトルを有し得る。
【0292】
市販されている製剤及びこれらの製剤を用いて調製される使用形態に殺虫剤として使用する場合には、本発明の活性化合物はまた、相乗剤との混合物の形態で存在させることもできる。相乗剤は、活性化合物の作用を高める化合物であり、加えられる相乗剤それ自体が活性である必要はない。
【0293】
市販されている製剤及びこれらの製剤を用いて調製される使用形態に殺虫剤として使用する場合には、本発明の活性化合物はまた、植物の生育環境、植物の一部分の表面又は植物組織に施用した後に活性化合物の分解を緩和する阻害剤との混合物の形で存在させることもできる。
【0294】
市販されている製剤から調製される使用形態の活性化合物含有量は、広い範囲の中で変化させることができる。前記の使用形態の活性化合物濃度は、活性化合物が0.0000001重量%から最大で95重量%まで、好ましくは0.0001から1重量%であり得る。
【0295】
本発明の化合物は、使用形態に適切な慣用の方法で施用される。
【0296】
衛生害虫及び貯蔵品の害虫に対して使用する場合には、本発明の活性化合物は、木材及び土に対する優れた残留作用によって及び石灰散布した基質(substrate)に対する良好なアルカリ化作用によって区別される。
【0297】
前記で既に述べたように、本発明に従って全ての植物又はその部分を処理することができる。好ましい実施態様においては、野生植物種又は慣用の生物学的育種法、例えば異種交配又はプロトプラスト融合法によって得られる植物品種及び植物変種、並びにこれらの植物品種及び植物変種の部分が処理される。別の好ましい実施態様においては、組換え法によって、適切ならば慣用の方法と組み合わせることによって得られるトランスジェニック植物及び植物変種(遺伝子組換え生物)、並びにこれらの部分が処理される。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は、前記で既に説明してある。
【0298】
本発明に従って処理されることが特に好ましい植物は、市販されているか又は使用されているそれぞれの場合の植物変種である。植物変種とは、慣用の育種法によって、突然変異誘発によって又は組換えDNA技術によって得られる新規な性質(「特性」)を有する植物を意味する。これら植物変種は、変種、生物型又は遺伝子型であり得る。
【0299】
植物種又は植物変種、この生育場所及び栽培条件(土壌、気候、植物期間、養分)に応じて、本発明の処理はまた、付加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用できる物質及び組成物の活性の増大、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌中の塩分に対する耐性の増大、開花性能の増大、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性が可能であり、これらは実際に期待されるべきであった効果を上回る。
【0300】
本発明に従って処理されることが好ましいトランスジェニック植物又は植物変種(すなわち、組換え法によって得られるトランスジェニック植物又は植物変種)としては、組換え修飾法によりこれらの植物に特に都合のよい有用な性質(「特性」)を付与する遺伝子材料を受け入れた植物全てが挙げられる。このような性質の例は、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌中の塩分に対する耐性の増大、高められた開花性能、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性である。このような性質の別の例及び特に重視される例は、動物及び微生物害虫、例えば昆虫、ダニ、植物病原性の真菌、細菌及び/又はウイルスに対する植物のよりよい防衛能及びある種の除草活性化合物に対する植物の高められた抵抗性である。挙げ得るトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、アブラナ及び果樹植物(リンゴ、ナシ、柑橘系果物及びブドウ)であり、特に重要なものはトウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びアブラナが挙げられる。特に重視される特性は、植物内で形成される毒素、特にバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)の遺伝物質〔例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにこれらの組み合わせ;以下、「Bt植物」という〕によって形成される毒素による昆虫、クモ形動物、線虫及びナメクジ並びにカタツムリに対する植物の高められた防衛能である。また特に重視される特性は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類及び耐性遺伝子及びこれらに対応して発現されるタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の高められた防衛能である。さらにまた特に重視される特性は、ある種の除草活性化合物、例えばイミダゾリノン類、スルホニルウレア類、グリホセート又はホスフィノトリシンに対する植物の高められた耐性(例えば、「PAT」遺伝子)である。当該所望の特性を付与する遺伝子はまた、トランスジェニック植物内で相互に組み合わせて存在させ得る。挙げ得る「Bt植物」の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種、ダイズ変種及びジャガイモ変種であり、これらは商品名YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種及びダイズ変種であり、これらは商品名Roundup Ready(登録商標)(グリホセート抵抗性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン抵抗性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン抵抗性)及びSTS(登録商標)(スルホニルウレア抵抗性、例えばトウモロコシ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物(除草剤耐性について慣用の方法で栽培された植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)として販売されている変種が挙げられる。勿論、これらの説明は、これらの遺伝特性又はさらに開発されるべき遺伝特性を有する植物品種にも適用され、これらの植物は今後開発され及び/又は市販されるであろう。
【0301】
前記に挙げた植物は、本発明の一般式(I)で示される化合物又は本発明の活性化合物混合物を用いて本発明の方法に従って特に都合よく処理することができる。また、活性化合物又は混合物について前記で述べた好ましい範囲も、これらの植物の処理に適用される。本明細書に具体的に述べた化合物又は混合物を用いて植物を処理することが特に重要である。
【実施例】
【0302】
本発明の活性化合物の製造及び使用を以下の実施例により示す。
【0303】
製造実施例
(実施例1)
【0304】
【化175】

【0305】
方法(a)
0.300g(1.126ミリモル)の1−(2’−アミノビフェニル−4−イル)エタノン O−アリルオキシム及び0.114g(1.126ミリモル)のトリエチルアミンを、最初に20mlのトルエンに加えた。室温で、この反応混合物に0.199g(1.126ミリモル)の5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドを加え、混合物を50℃で2時間攪拌した。処理については、得られた反応混合物を室温まで冷却し、それぞれ100mlの水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をn−ヘキサンから再結晶した。
【0306】
これにより、0.44g(理論値の94.4%)の融点118℃のN−(4’−{1−(アリルオキシイミノ)−エチル}−ビフェニル−2−イル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物17、表1)を得た。
(実施例2)
【0307】
【化176】

【0308】
方法(a)
0.300g(1.000ミリモル)の2’−アミノビフェニル−4−カルバルデヒド O−アリルオキシム(III−1)及び0.120g(1.000ミリモル)のトリエチルアミンを、最初に15mlのトルエン加えた。室温で、この反応混合物に、5mlのトルエンに溶解した0.251g(1.000ミリモル)の4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボニルクロリドを加え、混合物を50℃で加熱し、3時間攪拌した。処理については、得られた反応混合物を室温まで冷却し、それぞれ80mlの水で2回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/メチルtert−ブチルエーテル 3:1)で精製した。
【0309】
これにより、0.30g(理論値の49.6%)のN−[4’−(アリルオキシイミノ−メチル)−ビフェニル−2−イル]−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(化合物9、表1)を得た。
【0310】
H−NMR(DMSO−D):δ=2.71ppm(s,3H)。
(実施例3)
【0311】
【化177】

【0312】
方法(b)
室温で、1.00g(2.75ミリモル)のN−(2−ヨードフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、0.61g(2.78ミリモル)の4−[1−(アリルオキシイミノ)エチル]フェニルボロン酸及び0.20gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、最初に15mlのジメトキシエタンに加えた。室温で、1.18g(11.14ミリモル)の炭酸ナトリウムを15mlの水に溶解した溶液を攪拌しながら加えた。混合物を還流温度で加熱し、15時間攪拌した。処理については、得られた混合物を室温まで冷却し、それぞれ50mlのジエチルエーテルで2回抽出した。得られた有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/メチルtert−ブチルエーテル 3:1)で精製した。
【0313】
これにより、0.13g(理論値の10.5%)のlogP(pH2.3)=3.80のN−(4’−{1−(アリルオキシイミノ)エチル}ビフェニル−2−イル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物17、表1)を得た。
(実施例4)
【0314】
【化178】

【0315】
方法(d)
0.79g(2.24ミリモル)のN−(4’−アセチルビフェニル−2−イル)−2−クロロニコチンアミド(VIII−1)、0.40g(2.24ミリモル)のO−(3,3−ジクロロアリル)ヒドロキシルアミン塩酸塩及び0.22gの酢酸ナトリウムを、最初に、5mlのメタノールと2mlの水の混合物に加え、室温で15時間攪拌した。処理については、得られた混合物を30mlの水に攪拌し、次いで30mlのジクロロメタンで抽出した。有機相を15mlの水で洗浄し、二つの相を分離した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を少量の熱ヘキサン中で磨砕し、冷却し、この残留物を吸引濾過した。
【0316】
これにより、0.68g(理論値の63.9%)のlogP(pH2.3)=4.43の2−クロロ−N−{4’−[1−(3,3−ジクロロアリルオキシイミノ)エチル]−ビフェニル−2−イル}ニコチンアミド(化合物63、表1)を得た。
(実施例5)
【0317】
【化179】

方法(e)
室温で、1.00g(2.87ミリモル)のN−{4’−[1−(ヒドロキシイミノ)エチル]ビフェニル−2−イル}−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド及び0.60gの炭酸カリウム(4.31ミリモル)を、最初に50mlのアセトニトリルに加え、次いで5mlのアセトニトリルに溶解した0.417gの1,1,3−トリクロロプロペン(2.870ミリモル)を加えた。混合物を還流温度で加熱し、15時間攪拌した。処理については、得られた混合物を冷却し、ヌッチェフィルターに通して吸引濾過し、母液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル(ヘキサン/アセトン 9:1)を用いてクロマトグラフィー分離した。
【0318】
これにより、0.66g(理論値の47.1%)のN−(4’−{1−[3,3−ジクロロアリルオキシイミノ]エチル}ビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物54、表1)をlogP(pH2.3)=3.97の固体として得た。
【0319】
以下の表に列挙した式(I−1)のビフェニルカルボキサミドは、同様に実施例1から5に従って並びに一般的方法の説明及び方法に従って製造した。
【0320】
【表1】









【0321】
式(III)で示される出発原料の製造
実施例(III−1)
【0322】
【化180】

【0323】
16.50g(80.48ミリモル)の4−アリルオキシイミノメチルフェニルボロン酸(V−1)及び13.84g(80.48ミリモル)の2−ブロモアニリンを、0.50g(0.43ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムと一緒に、最初に、100mlの1,2−ジメトキシメタンと100mlの水の混合物に加えた。34.12g(321.92ミリモル)の炭酸ナトリウムを加えた後に、混合物を還流温度で12時間加熱した。処理ついては、反応混合物を室温まで冷却し、それぞれ200mlのジエチルエーテルで2回抽出した。エーテル相を一緒にして400mlの水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル(ヘキサン/メチルtert−ブチルエーテル 3:1)を用いてクロマトグラフィー分離した。
【0324】
これにより、4.3g(理論値の15%)の2’−アミノビフェニル−4−カルバルデヒドO−アリルオキシムを得た。
【0325】
H−NMR(DMSO−D):δ=8.33ppm(s,1H)。
【0326】
式(V)で示される出発原料の製造
実施例(V−1)
【0327】
【化181】

【0328】
100mlのメタノールと40mlの水の混合物中で、13.69g(91.28ミリモル)のホルミルフェニルボロン酸、10.0gのO−アリルヒドロキシルアミン塩酸塩(91.28ミリモル)及び9.36g(114.10ミリモル)の酢酸ナトリウムを室温で12時間攪拌した。処理については、得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物を150mlの水と共に磨砕し、フリットガラスに通して吸引濾過し、少量の水で洗浄し、粘土板上で乾燥した。
【0329】
これにより16.5g(理論値の84.6%)の4−アリルオキシイミノメチルフェニルボロン酸を得た。
【0330】
H−NMR(DMSO−D):δ=8.27ppm(s,1H)。
【0331】
式(VIII)で示される出発原料の製造
実施例(VIII−1)
【0332】
【化182】

【0333】
20mlのトルエンに溶解した8.33g(47.33ミリモル)の2−クロロニコチニルクロリドを、150mlのトルエンに溶解した10.00g(47.33ミリモル)の1−(2’−アミノビフェニル−4−イル)エタノン(XIV−1)及び4.79g(47.33ミリモル)のトリエチルアミンに、室温で5分間にわたって加えた。混合物を50℃で加熱し、10時間反応させた。処理ついては、得られた混合物を冷却し、100mlの水を加え、相分離した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をn−ヘキサンから再結晶した。
【0334】
これにより、13.7g(理論値の82.3%)のlogP(pH2.3)=2.12のN−(4’−アセチル−ビフェニル−2−イル)−2−クロロニコチンアミドを得た。
【0335】
式(XIV)で示される出発原料の製造
実施例(XIV−1)
【0336】
【化183】

【0337】
15.74g(91.48ミリモル)の2−ブロモアニリン、15.00gの4−アセチルフェニルボロン酸(91.48ミリモル)及び0.529gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.457ミリモル)を、最初に150mlのジメトキシメタンに加えた。150mlの水に溶解した38.78g(365.93ミリモル)の炭酸ナトリウムを5分間にわたって加えた。混合物を還流温度で加熱し、15時間攪拌した。処理については、得られた混合物を冷却し、それぞれ150mlのエーテルで2回抽出した。有機相を一緒にして水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル3:1)により精製した。
【0338】
これにより、15.0g(理論値の72.6%)のlogP(pH2.3)=1.80の1−(2’−アミノビフェニル−4−イル)エタノンを得た。
【0339】
表1に示したlogP値は、逆相カラム(C18)を用いたHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によるEEC Directive 79/831 Annex V.A8により測定した。温度:43℃。
【0340】
酸性範囲(pH2.3)で測定するための移動相:0.1%水性リン酸、アセトニトリル;10%アセトニトリルから90%アセトニトリルまでの直線勾配。
【0341】
較正は、既知のlogP値を有する非分岐アルカン−2−オン類(3から16個の炭素原子を有する)を使用して行った。(2種類の連続するアルカノンの間の線形補間法を使用する保持時間によりlogP値を測定)
λ最大値は、200nmから400nmまでのUVスペクトルを使用してクロマトグラフシグナルの最大値で測定した。
【0342】
使用実施例
実施例A
黒星病試験(リンゴ)/保護試験
溶 媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1.0重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、及び得られた濃厚物を水で所望の濃度まで希釈した。
【0343】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を下記の表に示した施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記の稚苗にリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の水性胞子懸濁液を接種し、次いで約20℃及び相対大気湿度約100%の培養室に1日入れて置いた。
【0344】
次いで、この苗を約21℃及び相対大気湿度約90%の温室に入れた。
【0345】
評価は、菌接種後10日目に行った。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が認められないことを意味する。
【0346】
この試験において、例えば製造実施例の本発明の下記の化合物は、良好な活性を示す。
【0347】
【表2】


【0348】
実施例B
灰色カビ病試験(ダイズ)/保護試験
溶 媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1.0重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、及び得られた濃厚物を水で所望の濃度まで希釈した。
【0349】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を下記の表に示した施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)を定着させた寒天の小片2個をそれぞれの葉の上に置いた。この菌を接種した苗を約20℃及び相対大気湿度約100%の暗室に置いた。
【0350】
菌接種後2日目に、葉の感染面積の大きさを評価した。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が認められないことを意味する。
【0351】
この試験において、例えば製造実施例の本発明の下記の化合物は、良好な活性を示す。
【0352】
【表3】


【0353】
実施例C
輪紋病試験(トマト)/保護試験
溶 媒:N,N−ジメチルアセトアミド49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、及び得られた濃厚物を水で所望の濃度まで希釈した。
【0354】
保護活性について試験するために、トマトの稚苗に活性化合物の製剤を下記の表に示した施用量で噴霧した。処理後1日目に、この苗にトマトの輪紋病菌(Altemaria solani)の水性胞子懸濁液を接種し、次いで相対湿度100%で24時間保持した。次いで、この苗を相対大気湿度96%及び温度20℃で保持した。
【0355】
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0356】
この試験において、例えば製造実施例の本発明の下記の化合物は、良好な活性を示す。
【0357】
【表4】


【0358】
実施例D
赤さび病試験(コムギ)/保護試験
溶 媒:N,N−ジメチルアセトアミド25重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.6重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、及び得られた濃厚物を水で所望の濃度まで希釈した。
【0359】
保護活性について試験するために、稚苗に、赤さび病菌(Puccinia recondite)の胞子懸濁液を0.1%濃度の寒天水溶液として接種した。噴霧被膜を乾燥した後に、この苗に活性化合物の製剤を下記の表に示した施用量で噴霧した。この苗を20℃及び相対大気湿度100℃の培養室に24時間入れておいた。
【0360】
次いで、この苗を約20℃及び相対大気湿度80%の温室に入れ、さび病膿疱を発生を促進させた。
【0361】
評価は、菌接種後10日目に行った。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0362】
この試験において、例えば製造実施例の本発明の下記の化合物は、良好な活性を示す。
【0363】
【表5】


【0364】
実施例E
コナガ(Plutella)試験
溶 媒:アセトン100重量部
メタノール1900重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を前記の量の溶媒と混合し、得られた濃厚物をメタノールで所望の濃度まで希釈した。
【0365】
所望の濃度の活性化合物の製剤の下記の表に示した量を、標準量の合成飼料の上にピペットで取った。メタノールを蒸発させた後に、該合成飼料の上にコナガ(Plutella xylostella)の卵約200から300個を置いた。
【0366】
所望の期間後に、殺虫率(%)を調べた。100%は、全ての動物が死んだことを意味し;0%は、動物が全く死ななかったことを意味する。
【0367】
この試験において、例えば製造実施例の本発明の下記の化合物は、良好な活性を示す。
【0368】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示されるビフェニルカルボキサミド
【化1】

{式中、Rは水素原子、いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−アルキル基又はC〜C−ハロアルキル基を表し、
ZはC〜C−アルケニル基、C〜C−アルキニル基、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルケニル基もしくはC〜C−ハロアルキニル基を表すか、又は(C〜C−シクロアルキル)(C〜C−アルキル)基を表し、
X及びYは互いに独立してハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基又はC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、
mは0、1、2、3又は4を表し(但し、mが2、3又は4を表す場合には、xは同一であるか又は異なる基を表す。)、
nは0、1、2、3又は4を表し(但し、nが2、3又は4を表す場合には、yは同一であるか又は異なる基を表す。)、及び
Aは次式
【化2】

〔式中、Rは水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、C〜C−アルキル基、C〜C−シクロアルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基、アミノカルボニル基、アミノカルボニル−C〜C−アルキル基を表すか又はいずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、
は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基又はC〜C−アルキルチオ基を表し、及び
は水素原子、C〜C−アルキル基、ヒドロキシ−C〜C−アルキル基、C〜C−アルケニル基、C〜C−シクロアルキル基、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基を表すか、又はいずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、ハロ(C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル)基もしくはハロ(C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル)基を表すか、又はフェニル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化3】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか、又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
はハロゲン原子、シアノ基又はC〜C−アルキル基を表すか、いずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化4】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
は水素原子、ハロゲン原子又はC〜C−アルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化5】

(式中、R10は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか、いずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化6】

(式中、R11はハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基もしくはC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、及び
12は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基、C〜C−アルキルスルフィニル基、C〜C−アルキルスルホニルを表すか又はいずれの場合にも1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基もしくはC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化7】

〔式中、R13はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
14はC〜C−アルキル基を表し、
はS(硫黄)を表すか、SO、SO又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化8】

(式中、R15はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化9】

(式中、R16はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化10】

〔式中、R17はハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
18は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
19は水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基、ヒドロキシ−C〜C−アルキル基、C〜C−アルキルスルホニル基、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル基、C〜C−アルキルカルボニル基又は場合により置換されていてもよいフェニルスルホニル基もしくはベンゾイル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化11】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
22は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化12】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
25は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化13】

〔式中、R26は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜Cアルキル)アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
27はハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化14】

〔式中、R28は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
29はハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化15】

(式中、R30はハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化16】

(式中、R31は水素原子又はC〜C−アルキル基を表し、及び
32はハロゲン原子又はC〜C−アルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化17】

(式中、R33はC〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aは次式
【化18】

(式中、R34は水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表す。}。
【請求項2】
Rが水素原子、C〜C−アルキル基又はいずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
ZがC〜C−アルケニル基、C〜C−アルキニル基、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルケニル基もしくはC〜C−ハロアルキニル基を表すか、又は(C〜C−シクロアルキル)−(C〜C−アルキル)基を表し、
X及びYは互いに独立して弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル基、C〜C−アルコキシ基、C〜C−アルキルチオ基を表すか、それぞれ1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基又はC〜C−ハロアルキルチオ基を表し、
mが0、1、2又は3を表し(但し、mが2又は3を表す場合には、xは同一であるか又は異なる基を表す。)、
nが0、1、2又は3を表し(但し、nが2又は3を表す場合には、yは同一であるか又は異なる基を表す。)、及び
Aが次式
【化19】

(式中、Rは水素原子、シアノ基、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、アミノカルボニル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基、トリフルオロメチルチオ基又はジフルオロメチルチオ基を表し、
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基又はエチルチオ基を表し、及び
は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を表すか、1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表すか又はフェニル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化20】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
は弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化21】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化22】

(式中、R10は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基又はC〜C−ハロアルキルチオ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化23】

(式中、R11は弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C〜C−アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−ハロアルコキシ基、トリフルオロメチルチオ基又はジフルオロメチルチオ基を表し、及び
12は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、C〜C−アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、C〜C−アルキルスルフィニル基、C〜C−アルキルスルホニル基を表すか、いずれの場合にも1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基又はC〜C−ハロアルコキシ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化24】

(式中、R13はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
14はメチル基又はエチル基を表し、
はS(硫黄)を表すか、SO、SO又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化25】

(式中、R15はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化26】

(式中、R16はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化27】

(式中、R17は弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、
18は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
19は水素原子、メチル基、エチル基、1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メチルスルホニル基又はジメチルアミノスルホニル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化28】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
22は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化29】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
25は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化30】

(式中、R26は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
27は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化31】

(式中、R28は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、C〜C−アルキルアミノ基、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表し、及び
29は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化32】

(式中、R30は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化33】

(式中、R31は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、及び
32は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化34】

(式中、R33はメチル基、エチル基を表すか又は1から5個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC〜C−ハロアルキル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化35】

(式中、R34は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基を表す、請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミド。
【請求項3】
Rが水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基を表し、
Zがアリル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、1−メチルアリル基、3−メチル−2−ブテニル基、プロパルギル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、3,3−ジフルオロアリル基、3,3−ジクロロアリル基、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基を表し、
X及びYが互いに独立して弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基を表し、
mが0又は1を表し、
nが0、1又は2を表し(但し、nが2を表す場合には、yは同一であるか又は異なる基を表す。)、及び
Aが次式
【化36】

(式中、Rは水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基又はジフルオロメチルチオ基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基又はエチルチオ基を表し、及び
は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル又はフェニル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化37】

(式中、R及びRは互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチル基を表し、及び
は弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ又はトリクロロメトキシを表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化38】

(式中、R及びRは独立して互いに水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化39】

(式中、R10は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基又はトリクロロメチルチオ基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化40】

(式中、R11は弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基を表し、及び
12は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ又はトリクロロメトキシを表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化41】

〔式中、R13はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
14はメチル基又はエチル基を表し、
はS(硫黄)を表すか又はSO、SO又はCHを表し、及び
pは0、1又は2を表す。〕
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化42】

(式中、R15はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化43】

(式中、R16はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化44】

(式中、R17は弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、
18は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
19は水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化45】

(式中、R20及びR21は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
22は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化46】

(式中、R23及びR24は互いに独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
25は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化47】

(式中、R26は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
27は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化48】

(式中、R28は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表し、及び
29は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化49】

(式中、R30は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化50】

(式中、R31は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、及び
32は弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化51】

(式中、R33はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基又はトリクロロメチル基を表す。)
で示される基を表すか、又は
Aが次式
【化52】

(式中、R34は水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
で示される基である、請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミド。
【請求項4】
式(I−1)
【化53】

(式中、R、Z、X、Y、m、n及びAは請求項1から3のいずれか1項に定義した通りである。)
で示されるビフェニルカルボキサミド。
【請求項5】
請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドの製造方法であって、
a)式(II)
【化54】

(式中、Aは請求項1で定義した通りであり及びGはハロゲン原子、ヒドロキシル基又はC〜C−アルコキシ基を表す。)
で示されるカルボン酸誘導体を、式(III)
【化55】

(式中、R、Z、X、Y、m及びnは請求項1で定義した通りである。)
で示されるアニリン誘導体と、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
b)式(IV)
【化56】

(式中、A、X及びmは請求項1で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるカルボキサミド誘導体を、式(V)
【化57】

(式中、R、Z、Y及びnは請求項1で定義した通りであり及びG及びGはそれぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表す。)
で示されるボロン酸誘導体と、触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
c)式(VI)
【化58】

(式中、A、X及びmは請求項1で定義した通りであり及びG及びGはそれぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表す。)
で示されるカルボキサミドボロン酸誘導体を、式(VII)
【化59】

(式中、R、Z、Y及びnは請求項1で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるフェニルオキシム誘導体と、触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
d)式(VIII)
【化60】

(式中、A、R、X、Y、m及びnは請求項1で定義した通りである。)
で示されるビフェニルアシル誘導体を、式(IX)
Z−O−NHxHCl (IX)
(式中、Zは請求項1で定義した通りである。)
で示されるヒドロキシルアミン誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
e)式(I−a)
【化61】

(式中、A、R、X、Y、m及びnは請求項1で定義した通りである。)
で示されるヒドロキシイミノ誘導体を、式(X)
Z−E (X)
(式中、Zは請求項1で定義した通りであり、Eは塩素、臭素、ヨウ素原子、メタンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基を表す。)
で示される化合物と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
f)式(IV)
【化62】

(式中、A、X及びmは請求項1で定義した通りであり及びHalは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるカルボキサミド誘導体を、式(VII)
【化63】

(式中、R、Z、Y及びnは請求項1で定義した通りであり、Halは臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
で示されるフェニルオキシム誘導体と、パラジウム又は白金触媒の存在下で及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキサボロランの存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドの製造方法。
【請求項6】
増量剤及び/又は界面活性剤の他に、請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドの少なくとも1種を含有してなることを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物。
【請求項7】
望ましくない微生物を防除するための請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドの使用。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドを望ましくない微生物及び/又はこれらの生息環境に施用することを特徴とする、望ましくない微生物の防除方法。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)で示されるビフェニルカルボキサミドを増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物の製造方法。
【請求項10】
式(III)
【化64】

(式中、R、Z、X、Y、m及びnは請求項1で定義した通りである。)
で示されるアニリン誘導体。
【請求項11】
式(V)
【化65】

(式中、R、Z、Y及びnは請求項1で定義した通りであり及びG及びGはそれぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表す。)
で示されるボロン酸誘導体。
【請求項12】
式(VI)
【化66】

(式中、A、X及びmは請求項1で定義した通りであり及びG及びGはそれぞれ水素原子を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレン基を表す。)
で示されるカルボキサミドボロン酸誘導体。
【請求項13】
式(VIII)
【化67】

(式中、A、R、X、Y、m及びnは請求項1で定義した通りである。)
で示されるビフェニルアシル誘導体。
【請求項14】
式(VIII)
【化68】

(式中、R、X、Y、m及びnは請求項1で定義した通りである。)
で示される2−ベンズアルデヒドアニリン誘導体。

【公表番号】特表2006−515841(P2006−515841A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559734(P2004−559734)
【出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013498
【国際公開番号】WO2004/054982
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】