説明

ブレードの連続製造方法及び連続製造装置

【課題】連続成型法における成形精度の向上及び歩留まりの向上。
【解決手段】外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続製造する方法において、該成形溝の幅を複数のブレード用弾性ゴム部材の幅に相当する幅とし、成形ドラムから搬出される広幅の帯状のブレード素材を前記ブレード用弾性ゴム部材の幅に切断する工程を設けたことを特徴とするブレード素材を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリまたはこれらの複合機等において用いられるブレードの連続製造方法およびその連続製造装置に関する。また、この発明によって得られるブレードは、トナーを除去またはトナーを規制するブレード用に限らず、ある表面に存在する他の粉体や液体皮膜を除去して書き取る用途又は他の粉体や液体皮膜を規制する用途に用いるブレードに採用できる。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機、プリンタ等の装置において、余分なトナーを掻き落としたり、摺擦させる用途に、ポリウレタン等の合成樹脂製のゴム弾性部材を金属製等の支持部材に接合したクリーニングブレードや現像ブレードが用いられている。
これらのクリーニングブレードや現像ブレードに用いる合成樹脂製のゴム弾性部材を製造する方法として、本出願人は、外周面にブレードに用いるゴム弾性体の幅に相当する成形溝を形成した成形ドラムを用いて、頂上付近から液状の合成樹脂を供給し、一回転未満の回転角度において合成樹脂を硬化成形して取り出して一連の連続したテープを成形し、この連続テープをブレードの長さにカットして支持体と接合してブレードを製造する連続成型法を開発した。例えば、特許文献1(特許第2645980号公報)、特許文献2(特許2942183号公報)、特許文献3(特許第3004586号公報)、特許文献4(特開2005−7676号公報)、特許文献5(特開2005−241662号公報)など一連の連続成型方法を提案し続け、さらに鋭意研究開発を継続している。
【0003】
また、一般的なゴム弾性部材を製造する方法としては、遠心成型法や型成形法が用いられている。
遠心成形法は、円筒体内面に液状の合成樹脂を供給し回転することにより円筒体内面に薄膜状に形成し、該薄膜を円筒体内面から取り出し展開して大きな合成樹脂製シートを得、該合成樹脂製シートを個別のブレードの大きさのゴム弾性部材に細分割する方法である。この方法は、バッチ処理である。一回の成形で多数のブレード用ゴム弾性部材が得られるという利点がある反面、バッチ処理になり注入から取り出しまでに長時間を要する。また、ブレードの成形工程では一度に多量のブレードを成形するのに対し、成形工程後はブレードを一個ずつホルダーに接着する必要があるなど、主要な工程間で連続性が欠けるため、製造工程を自動化するのが困難である。また、成形ドラムを高速で回転させる際に生じる振れや注入量のバラツキにより成形品に厚さのバラツキを生じ易い。
型成形法は、個別の大きさのキャビティーを持った成形型に合成樹脂を注型して、1個ずつ製造する方法である。ブレードの寸法やホルダーの形状が異なるなど製品の種類ごとに金型を変更する必要があり、また大量生産するためには、各種類の金型をそれぞれ相当数ずつ準備しなければならず、しかもそれらの金型を収容し搬送する加熱炉も大型になり、設備全体の設置場所に広いスペースを要し、設備コストが高くなる。また、段取り替えに時間がかかるため、生産効率が低い。更に、一個毎に搬送されてくる金型に断続的に注入する必要があり、金型と金型の間はロスショット(ポリウレタン液状物の連続吐出)させるか、注型機の断続運転を必要とし、前者では材料ロスを生じ、後者では計量誤差を生じやすい。また、この型成形法は、型にホルダーをセットして合成樹脂製ゴム弾性体の重合硬化と同時にホルダーとの接合も実現できる方法である。2本のホルダーを成形型に対向して配置して脱型後に中央部で切断分離して2本のブレードを製造する方法も提案されている(特許文献6:特許第3458540号公報)が、上記課題は内在している。
【0004】
【特許文献1】特許第2645980号公報
【特許文献2】特許2942183号公報
【特許文献3】特許第3004586号公報
【特許文献4】特開2005−7676号公報
【特許文献5】特開2005−241662号公報
【特許文献6】特許第3458540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人が今まで提案してきた連続成形法は、目標とするブレードに用いられるゴム弾性体の幅に連続して成形する発明であった。また、エッジの稜線を作りこむためにブレードの先端側をカット場合は、そのカットされた先端部(ホルダーに接着されていない部分)がロスとなる。エッジの稜線をトナーが付着したロール表面に押圧してトナーを掻き落とすクリーニングブレードでは、カットしてエッジの稜線を極めて正確に直線カットする必要がある。特に、最近ではトナー径が微小になり、精密性が求められている。正確な稜線を出すカットを施すためには、カット対象のシート部材の両側を均一な条件にしないと切断ラインにうねりが生ずるなど不正確なものとなる。このためカットして廃棄する部分の幅を広くして安定した切断条件を設定する必要がある。このため、連続成形法によって精密な稜線を形成したブレード製造する場合には、廃棄する比率が大きくなり歩留まりが悪いという問題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、成形ドラムから連続して成形する合成樹脂製のテープの幅をブレードに用いるゴム弾性体の幅の複数分とし、連続供給されるテープ状のブレード素材を当該整数に切断して分割することにより、正確な分割カットした複数の所定幅の連続したブレード素材を得ることができ、かつ、カットに伴う廃棄する部分を少なくでき、歩留まりを向上及び生産性を向上させることができるものである。また、等分分割だけでなく分割比率を変えることにより幅規格の異なる合成樹脂製ゴム弾性体を同時に製造することができる。
【0007】
本発明の主な解決手段は次のとおりである。
(1)外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続製造する方法において、該成形溝の幅を複数のブレード用弾性ゴム部材の幅に相当する幅とし、成形ドラムから搬出される広幅の帯状のブレード素材を個別ブレード用弾性ゴム部材に相当する幅に切断する工程を設けたことを特徴とするブレード素材を製造する方法。
(2)外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、液状合成樹脂原料から複数のブレード用弾性ゴム部材の幅を有する広幅の帯状のブレード素材を成形する工程、
前記広幅の帯状ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定長さに切断して広幅定寸長ブレード素材とする定寸長切断工程、
前記広幅定寸長ブレード素材を複数の定寸幅に切断してブレード用弾性ゴム部材とする定寸幅切断工程、
を含む
ことを特徴とするブレードの連続製造方法。
(3)寸幅切断工程において、切断箇所の両側を均等に押さえて切断することを特徴とする(2)記載のブレードの連続製造方法。
(4)広幅帯状ブレード素材は、定寸幅切断箇所を含む長手方向面に粗面部が形成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のブレードの連続製造方法。
(5)広幅帯状ブレード素材は、定寸幅切断箇所を含む長手方向面に異なる樹脂組成の層が形成されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のブレードの連続製造方法。
(6)(2)〜(5)のいずれかに記載された製造方法により製造したことを特徴とするクリーニングブレード又は現像ブレード。
(7)外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた回転する成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続して製造する装置において、
前記成形ドラムの外周に設けた成形溝の幅を複数のブレード用弾性ゴム部材の幅以上とし、成形ドラムから搬出された幅広の帯状ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定長に切断する定寸長切断装置及び所定幅定寸幅切断装置を設けたことを特徴とするブレード素材を連続して製造する装置。
(8)外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、液状合成樹脂原料から複数のブレード用弾性ゴム部材の幅を有する広幅の帯状のブレード素材を成形する帯状のブレード素材成形装置、
前記帯状のブレード素材成形装置から連続して供給される広幅の帯状ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定長さである広幅の定寸長ブレード素材に切断縦断する定寸長切断装置、
前記定寸長切断装置により切断された広幅定寸長ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定幅に切断して複数のブレード用弾性ゴム部材とする定寸幅切断装置、
前記ブレード用弾性ゴム部材を支持部材と接合する接合装置、
とからなることを特徴とするブレードの連続製造装置。
(9)成形ドラムの成形溝から帯状に成形された成形物を該成形溝から剥離する直前の位置であって、成形ドラムの外部から成形溝に向けて冷却装置を設けたことを特徴とする(7)又は(8)記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
(10)定寸幅切断装置が、切断刃と切断刃の両側に押さえ部材を備えていることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
(11)定寸幅切断装置の押さえ部材が上下に配置されており、切断刃の受け空間が設けられていることを特徴とする(7)〜(10)のいずれかに記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
(12)成形ドラムの成形溝の底面に粗面部が設けられており、該粗面部は、ブレード用弾性ゴム部材の所定幅の位置を含む部分に形成されていることを特徴とする(7)〜(11)のいずれかに記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
【0008】
(13)粗面部が設けられた成形ドラムの成形溝の底面に離型剤を付着させていないことを特徴とする(12)に記載されたブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
(14)(7)〜(13)に記載されたブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置をもちいて製造された粗面が十点平均粗さRzで1〜10μmの粗面であることを特徴とする現像用ブレード素材又は現像用ブレード。
【発明の効果】
【0009】
1.本発明は、連続して成形される広幅の帯状のブレード素材シートの幅を幅を複数のブレード素材の幅に分割するので、連続成型法の生産性を2倍、3倍にすることができる。この方法により、カットする際に押さえ部分が広くなると共にカット面の両側を広く均等に押さえることができ、切削バランスが良くなる。そのため、カット精度が向上する。
2.本発明は、歩留まりを向上させることができる。カット面をブレードの摺擦端とし、非カット辺側を支持体との接着面とすることができるので、稜線形成に伴うカットロスを少なくすることが可能である。
3.本発明は、広幅の帯状のブレード素材の縦断箇所の両側を安定して押さえることができるので、切削抵抗が両側で均一になりカットがスムーズに進行し、きれいな切断面が得られ、稜線の加工精度が向上する。
4.広幅の帯状ブレードの幅は、複数のブレードの幅に相当する幅とすることにより、生産性及び歩留まり、加工精度を向上させることができる。これは、例えば、ある特定のブレード用の幅の2倍、3倍と整数倍にすることにより連続生産性を向上させることができることとなる。
5.また、幅の異なる種類のブレードを併行して連続生産することができる。異なる種類のブレードを併行して生産できることは、それらをセットにして電子写真装置などの組立工程に提供できることとなる。アセンブリラインではジャストインタイム生産方式など部品の供給段階で組み付けセットを供給することが重要な要素となるが、本発明は、異なる種類のブレード素材あるいはブレードを組み合わせ供給することが容易になる。例えば、クリーニングブレードと現像ブレードを1本ずつセットにすることができる。また、カラー用では、3本あるいは4本ずつセットにして供給することができる。3分割では3種類、4分割では4種類とすることもできる。
6.個々の製品によるバラツキの少ない高精度の摩擦摺擦面を粗面に形成したブレードを連続して製造、提供することができる。特に、型成形法では、個別の一品生産に近く、個別のバラツキが生じやすい。
7.部分的に2層などの多層としたブレード素材の多層部分を分割カットすることにより、多層部分を稜線部とするブレードを効率的に連続して成形、提供することができる。
8.摩擦摺擦面を粗面化した合成樹脂製のブレード素材を連続して効率よく製造できる。特に、成形ロールの溝に沿って筋条にブレードの先端面に粗面を金型での作り込みができるので粗面形成精度が向上する。金型で粗さを作り込むため、均一な粗面が得られ、後工程による粗し加工ではないので加工精度が良く、安価である。粗面を有する現像ブレードと粗面化していないクリーニングブレードを一体に成形することもできる。即ち、成形ドラムの成形溝の一方の壁面と当該壁面から連続する底面を細く筋条に粗面化し、それ以外を粗面化せずに鏡面とした成形溝を備えた成形ドラムから得られる広幅の連続したブレード素材は、一方の側面から連続して粗表面を一部に備えているので、それを現像ブレードとクリーニングブレードに切り分けることにより、摺擦部を粗面とする現像ブレードと鏡面状態で稜線がきれいに画出されたクリーニングブレードを同時に製造することができる。
9.成形面に離型剤を使用する必要がないので、金型の粗面の状態を忠実に転写した合成樹脂製のブレード素材を連続製造できる。先端面は摺擦面と異なり割り型や遠心成形の円筒ドラムで直接粗面を作り込むことはできない。遠心成形等で成形したシートは短冊状にカットする為、先端面(カット面)は鏡面である。先端面は研磨、サンドブラスト等の後加工で粗す方法の他なく、コストアップや弾性体を均一に粗すことは難易度が高い等の問題がある。
10.離型剤を使用していないので、得られたウレタン製現像ブレードの表面は無垢のウレタンであり、離型剤によってトナーに対する摩擦帯電付与性が乱されることなく安定した帯電性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
1.ブレード
1−1 ブレード
本発明が対象とするブレードは、合成樹脂製の弾性ゴム体からなるテープを金属製の支持部材の一側縁に沿って接合したものであり、現像ブレードやクリーニングブレードに利用される。クリーニングブレードはゴム弾性体先端の稜線の形成が重要である。現像ブレードの場合は、少なくとも電荷付与面となる部分である摩擦摺動部分(ニップ)の性状が重要となる。合成樹脂としては、主に、熱硬化性ポリウレタンが用いられる。
本発明で得られるブレードの用途は、従来の電子写真方式に用いられるものと同様である。電子写真装置を用いる機器は、複写機、プリンター、FAXまたはこれらの複合機である。また、この発明によって得られるテープ状の合成樹脂製ゴム弾性体は、トナーを除去またはトナーを規制するブレード用に限らず、ある表面に存在する他の粉体や液体皮膜を除去して書き取る用途に用いるブレードに採用できる。特に、長さに制限が無いので、長さが必要な用途には適している。
【0011】
例えば、電子写真方式による複写機には、次のようなブレードが用いられている。本出願人が先に出願した特許360289号公報図3を参照にすると、転写後の感光体や転写ベルト等に残留するトナーを除去するためのクリーニングブレード、現像ロール上にトナーを薄層化して担持させるための現像ブレード、更には感光体を帯電させるための帯電ブレード等の種々のブレード体が使用されている。ブレードのゴム弾性部材としては、機械的強度、耐磨耗性等に優れしかも当接する相手材を損傷しない点から、JIS A硬度60〜80のポリウレタンからなる弾性体が使用されることが多い。図1には 定着ブレード109、 クリーニングブレード110、 帯電ブレード111、トナー薄層化ブレード112、 転写ブレード113が示されている。
【0012】
代表的なクリーニングブレードと現像ブレード(「帯電ブレード」ともいう。)について、図2(a)、(b)に例を示す。
図2(a)に電子写真装置用のクリーニングブレードの例を示す。クリーニングブレード101は、断面「へ」の字形の細長い金属板などの支持体103(「ホルダー」ともいう)に、同様に細長いポリウレタンシート102(「ブレード用弾性ゴム部材」ともいう)を接着したものであり、そのポリウレタンシート102の支持体103と接着しない先端部は直線的に鋭利な稜線を形成している。なお、この電子写真装置用ブレード101をクリーニングブレードとして使用するときは、支持体103に接着剤を介して弾性ゴム部材102を接着し、その弾性ゴム部材102の先端縁を、感光ドラムの外周面に当接している。その感光ドラムを回転させることにより、その外周面に付着した残留トナーを上記ドラムから掻き落とす。稜線部を精緻に構成することが印刷品質に影響するので重要である。近頃、トナーの微小化、真球化の採用に従い、さらにクリーニングブレードの高精度化が求められている。解決手法の一つとして、稜線部の母材と異なる組成とするクリーニングブレードが提案されている。
【0013】
図2(b)に電子写真装置用の現像ブレードの例を示す。現像ブレード121は、クリーニングブレードと同様にポリウレタン製のシートからなる弾性ゴム部材123を支持体122に接着剤によって接合されている。接合されている部分を接合部124とする。現像ブレードは、現像ローラに圧接されるように設けられ、現像ローラと現像ブレードに設けられたポリウレタン製の弾性ゴム部材の間を通過するときに、摩擦帯電させる。摩擦面を摩擦摺擦面(あるいは「ニップ」ともいう)125といい、平滑面あるいは粗面化した表面が用いられる。粗化した部分を粗面化部分126として示す。図示の例では先端面127も粗面化してある。現像ブレードも、トナーの品質の変化によって、摩擦帯電性能を向上させることが求められており、摩擦摺擦面を粗面化する提案が試みられている。
【0014】
1−2 弾性ゴム部材(ブレード素材)概要
本願発明が提供する弾性ゴム部材は、2液性熱硬化性ポリウレタン等の合成樹脂製であって、外周に成形溝を設けた成形用回転ドラムを用いて連続してテープ状に成形される幅広の帯状ブレード素材を縦断し、横断して得られる。連続して成形されるテープの幅を支持体に貼り付ける幅サイズの整数倍とし、規定寸法に縦断するので、カット面がきれいに仕上がっており、再トリミングの必要が無くそのまま貼り付け作業ができ、縦断以降工程を複数の連続製造ラインとすることができる。例えば、2倍幅のテープの場合は、幅中央を縦断し、該縦断面をそのままクリーニングブレードなどのトナー掻き取り辺とすることができる。幅寸法出しや稜線出しのためのトリミングが必要ないので、カットロスは原則的に発生せず、歩留まりの向上、廃棄物の減少になる。また、トリミングが不要となるので、その工程を省略することができる。
本願発明によって、提供できる広幅の帯状ブレード素材は、例えば、幅が10から33mm、厚さが0.4〜3.0mm(好ましくは0.8〜2.0mm)である。この幅を2〜6分割して所定のブレード用の弾性ゴム部材とする。この分割は、均等分割に限られず、例えば、30mm幅を10mmと20mmに分割することもできる。
なお、ブレードに貼り付けられているポリウレタン製の細長い弾性ゴム部材の所定の幅、所定の長さを本明細書ではそれぞれ定寸幅、定尺長という場合がある。
【0015】
2.製法
本願発明の成形工程を図3に示す。外周に成形溝を形成した成形ドラムを利用する連続成型法であって、複数のブレード用弾性ゴム部材の幅を有する成形溝を外周に形成した成形ドラムを用いたポリウレタン製の広幅帯状ブレード素材S1を連続成型する工程、広幅帯状ブレード素材S1をブレードに使用する定寸長さに裁断する定寸長切断工程、定寸長に切断された幅広定寸長ブレード素材S2をブレード用弾性ゴム部材の幅に縦断して定寸幅のブレード素材とする定寸幅切断工程、ブレード用弾性ゴム部材としての所定の幅と長さに形成された定寸幅定寸長のポリウレタンシートを支持部材に接合する支持体接合工程からなり、その後必要に応じて検査・梱包・出荷などの工程が追加される。なお、定寸幅に切断する工程を定寸長さ切断工程の前に配置することも可能である。
本発明では、対象製品である合成樹脂製の弾性ゴムからなるテープの幅の複数分の幅広のテープを連続して成形し、後続工程で規定長さ及び規定幅に切断して支持体との接合、検査、梱包と連続する後工程を複数の連続製造ラインとし、生産性を数倍に向上させるものである。また、品質の及び歩留まりを向上させることができるものである。
【0016】
外周に成形溝を形成した成形ドラムを利用する連続成型法は、本願出願人が継続して提案している製法であって、稜線をカットする製法としては、特許文献2(特許2942183号公報)に開示するように、帯状ブレード素材(ブレード成形物S)の一側縁部の切断代を、刃物によってエンドレスベルトの搬送力を利用して連続的に切断して、クリーニングブレードに必要な幅寸法と直線性を有する稜線が作り込む方法がある。エンドレスベルトの上で切断刃のみを帯状ブレード素材に作用させると切断が安定しない場合がある。切断した稜線の精度を向上させる手段として、切断刃の両側で帯状ブレード素材を押さえて、切断する方法も採用しているが、切り代側が狭いので両側を均等に押さえることは困難であった。
本願発明では、帯状ブレード素材が幅広であるので、切断刃の両側を均等に押さえることができ、切断行為を安定して行うことができ、形成される稜線の精度が向上する。
【0017】
また、本発明のブレード素材の製法は、成形ドラムの成形溝は、合成樹脂の注型箇所のやや下流から取り出し位置までは金属製のエンドレスベルトで被覆され、エンドレスベルトは、成形ドラムの回転速度に同調して移動するようにされている。成形溝は、この区間では封鎖され成形キャビティーを形成している。合成樹脂の重合が進む区間では、成形圧力は負荷されていないので、必要以上に合成樹脂が成形溝面に圧着されることはない。また、注型から取り出しまで30〜120秒程度と短時間である。本発明の製法は、無加圧短時間で成形されるので、溝底面側に圧着力が生じない分、剥離が容易である。
【0018】
本発明は、成形ドラムが回転しながら重合固化されるもので、その成形範囲は、時計回転表示で2時〜8時程度の約半回転程度の間である。この間は、成形溝とその外側を供回りするベルトで形成されたトンネル状の中となっており、自重以外は無加圧で成形が進む。この自重自体もベルト側で大部分が受けられるので、成形溝の底面側及び側面側には負荷されず、したがって、剥離抵抗も小さくて済む。また、2液硬化型のポリウレタン液状素材を連続注型する方法として、注型直前に2液を混合しながら供給する手段を採用し、また、短時間に成形溝を充満する流動性が必要であると共に、半回転する60秒程度で重合が進むように設計した樹脂を用いる。
更に、本発明では、成形ドラムの外周面から接線方向の一定角度で引き剥がしていくので、剥離力が小さくて済み、成形されたテープが破れたりちぎれたりする危険性が小さく、安定して安全に剥離することができる。
【0019】
接線方向の一定角度で引き剥がすには、ベルト側に密着した状態で成形ドラムの外周面から引き剥がす必要がある。この手段として、剥離直前の部分を外部から冷却する方法がとられる。高温部の溝底面側は柔軟性が高い状態を維持する一方、金属製のエンドレスベルト側が冷却されて金属製のエンドレスベルトとに密着している状態となり、安全な剥離性を向上させることができる。例えば、冷却手段として、冷風送風手段や冷却ロールを採用できる。
【0020】
また、初期の重合を促進する手段として、注型直後に成形溝の外側から加熱する手段を設けることもできる。
これらの手段を講じることにより、0.4〜3.0mm厚のブレード素材を製造することができる。
成形ドラムから引き出された幅広の帯状ブレード素材を搬送経路において、複数に縦断切断して、個々の規定幅の帯状ブレードに複数に分割し後工程に送る。
【0021】
<幅切断機構>
幅切断機構は、固定刃、回転刃あるいはレーザーカッターを使用することができ、広幅のブレード素材を載置した状態で、上下から押さえながら行うことができる。押さえ部材は固定部材あるいは回転部材を使用することができる。切断を正確かつ安定して行うためには、切断刃の両側で広幅のブレード素材を安定した状態に押さえることが重要であり、幅広の帯状ブレード素材は切断刃物の両側がブレード素材の幅分なので十分に安定して押さえることができ、切削精度を向上させることができる。
固定刃の場合は刃物を刃物ホルダーに固定し、固定台に固定した幅広のブレード素材を、ホルダーを移動することにより切断することができる。このホルダーに固定した刃は、刃の装着固定を安定させることが容易であり、切断線の直線性を確保するのが容易である。切断は、薄い両刃が望ましく、切削抵抗が小さいことが好ましい。例えば、セラミック製の薄い刃を用いることができる。切断刃の受け側はスリット状の空間、固定面、回転面とすることができる。搬送スピードを安定させるために、ピンチローラを配することもできる。切断抵抗を低減する手段としては、刃物に超音波振動を与える超音波カッターを用いても良い。
レーザーカッターは、非接触で切断することが可能であり、広幅帯状ブレードの幅方向姿勢が一定した状態で切断することができる成形ドラムから剥離された直後に設置すると切断幅精度が良い。
【0022】
以上の構成を種々組み合わせて、切断機構を構築することができる。
例えば、上面側に切断刃とその両側に帯状ブレード上側押さえ部材を配し、下側に刃受け空間を設けた上面側の刃押さえ部材に対向する帯状ブレード下側押さえ部材を配置する。切断刃を下面側に配置することも可能である。
また、回転機構とする場合は、同軸に2つの押さえロールの間に円形刃を配した切断刃側回転ロール機構と、該切断刃側ロールに対向する受け側ロールとすることができる。受け側ロールは刃を直接受けることもできるし、周溝を設けて受け空間とすることもできる。回転機構の場合は、搬送方向に等速回転とした円形力による切断とすることもできる。一方、逆回転とすると高速切削とすることもできる。
これらの切断機構は、分割する数に応じて切断刃の数、押さえ機構の配置を適宜決定することができる。
【0023】
刃物で幅方向に切断する場合には、幅切断を正確にするために広幅のブレード素材の一辺を定規に当接して位置固定をし、上下から固定することが好ましい。これらの広幅のブレード素材の姿勢を一定にする過程において、ブレード素材に摺擦痕あるいは上下圧締による圧痕を防止する必要がある。固定台に広幅ブレード素材を固定する場合は、テーブル面に微細孔を設けて下方からエアを給排することにより、摺擦痕を残すことなく定規に当接することができ、当接後はエア吸着により姿勢を保持することができる。また、切削抵抗に抗するために上下から挟着する固定バーなどの固定装置は角にRを付けることにより、圧接痕を防止できる。刃物の両側に十分な幅を取ることができるので、固定装置にRを付けても圧接幅を十分に取ることができ、押さえ機能を十分に発揮することができる。特に、現像ブレードは表面がトナーと摺擦して摩擦帯電させる機能を果たすので、表面性状に異常が残らないようにすることが重要であるので有効である。
【0024】
<多層ブレード>
クリーニングブレードの摺擦稜線部などをベース部の合成樹脂の組成と変えた多層ブレードを製造することができる。全面に2層などの複層に形成した幅広の帯状ブレード、筋条に部分的に2層に形成した幅広の帯状ブレードを製造することができる。例えば、2倍幅であって、中央部に筋条に部分2層を形成した場合には、幅を2分割すると、稜線部に部分層を形成することができる。このような多層ブレードは成形ドラム成形溝に最初に部分層を形成する液状合成樹脂を注型し、その後にベースとなる液状合成樹脂を注型して重合硬化成形することにより製造することができる。
図5(a)に2倍幅の広幅帯状ブレード素材の中央部に半円形の部分層を設けた例を示している。中央部で2分割すると、部分層が稜線部に形成されたクリーニングブレード用の弾性ゴム部材をロス無く製造することができる。
例えば、中央の半円部をエステル系ポリウレタン樹脂としベース層をエーテル系ポリウレタン樹脂とすることができる。中央の半円部を2分して稜線部とする2本のブレード素材が得られる。トナー掻き取り用のクリーニングブレードに用いた場合には、エステル系ポリウレタン樹脂は耐摩耗性が高く、エーテル系ポリウレタン樹脂は圧接性など安定した物性を発揮することができ、これらを組み合わせることにより、小径トナーの対応性が向上するとともに、温度変化などの環境対応性も高いブレードを得ることができる。
また、例えば、中央部は硬度(HS)70〜85のポリウレタン樹脂としベース層は60〜70HS硬度として、中央部から2分し、高硬度部分を当接する稜線部とすることにより、当接部分を硬くしベース層を粘りのある層とすることができる。クリーニングブレードの場合は、小粒径トナーの掻き取り性能の向上、高温環境での鳴き(異音)の発生が押さえられるなどの機能を発揮させることができる。
【0025】
<粗面形成ブレード>
微細トナーなどに対応するために、現像用ブレードなどの帯電用のブレードでは、ニップ面を粗面化した帯状ブレード素材も製造することができる。成形ドラムの成形溝底面に粗面を形成することにより可能である。筋条に粗面とすることにより、幅広の帯状ブレードの所定位置に粗面を形成することができ、複数に分割した場合にも個別ブレードの所定位置に粗面を形成することができる。 図5(b)に2倍幅の帯状ブレード素材のニップ面に粗面を形成した例を示している。中央部で2分割すると摩擦帯電させる粗面摺擦部分を備えた現像ブレード(帯電ブレード)を得ることができる。図示では両端側には粗面を形成していないが、全面とすることも可能であり、あるいは、筋条の粗面を複数設けることも可能である。
粗面の状態はトナーなどの対象物の性状に合わせて所望の状態に作り込むことができるが、球形微細化するトナーに対しては、表面粗さが十点平均粗さRzで、0.1μm<Rz<13.3μm 好ましくは1μm≦Rz≦10μm、さらに好ましくは1.8μm≦Rz≦9.0μmとすることが好ましい。
成形ドラムの溝部(底面、側面)に施す粗面化手段は、切削加工や研磨加工、サンドブラスト、エッチング、レーザー加工等を用いることができる。例えば、ブラスト投射材にガラスビーズ#100〜300を使用することができる。非処理部分をマスキングすることにより部分的に粗面処理ができる。例えば、吸い込みノズル式サンドブラスト装置を用い、ガラスビーズ番手粒度♯200(粒径範囲88〜74μm、76〜52μm)をエアー圧23〜5Kg/cmで成形溝底面全体及び側面全体をブラスト処理して、十点平均粗さRzで1.8〜4.0〜9.0μmの粗面を形成することができる。なお、このような粗面処理をしても離型剤を用いることなく、広幅のブレード素材を製造することができる。
【0026】
<他種ブレード組み合わせ>
本発明では、異種のブレードを同時に製造することができる。広幅の帯状ブレードをそれぞれのブレードの幅に分割することも可能であり、異なる表面性状のブレードを製造することことも可能である。図5(c)にクリーニングブレードと粗面を設けた現像ブレードを同時に得る例を示している。また、これらは幅も異なる例としている。幅W1のクリーニングブレード用素材と幅W2の現像ブレード素材が示されている。現像ブレードのニップ部及び先端面は粗面化されている。この粗面形成は、当該粗面に対応する成形ドラムの成形溝の側壁及び底面を粗面化し、それ以外を粗面化せずに鏡面とした成形溝(図5(d)参照)を持った成形ドラムを用いることにより得ることができる。こうして広幅の帯状ブレードを製造し、クリーニングブレードと現像ブレードの2種類に切り分けることができる。
図5(c)に示される先端面から底面にかけて粗面を形成した現像ブレードを他の遠心成形などの他の製法では製造することができない。仮に、製造する場合は後処理して粗面化する他はない。ブレード先端面を粗面化することで、帯電力が低下しやすい高湿化環境においても帯電特性の維持が可能となる。ブレード先端面に設けられた粗面は、回転する現像ローラに載ったトナー粒子がブレードの先端面に形成された粗面に当接して回転を始め、その回転する粒子に隣接するトナー粒子にも回転運動が伝播する作用を果たすことによって、帯電機能を強化している。この作用により、凝集や放電が発生しやすく十分な帯電量が得られにくい高温高湿下でも、十分な帯電量が確保可能であると考えられる。そして底面部の粗面範囲は、ブレード先端面に当接して回転を始めたトナー粒子の回転を維持するためには、先端面からニップにかけての摺擦面も粗面化処理を施すことが望ましく、さらに、ニップを通過した後も急激に回転を止めることがないように、回動力を付与するためにニップ部以降にもある程度粗面化領域を設けることが望ましい。粗面の性状については上述のとおりである。
【0027】
<離型剤>
離型剤の使用は上記したとおり必ずしも必要はないが、成形される合成樹脂の組成などに応じて、必要に応じて使用することも可能である。離型剤を用いないと粗面化した成形ドラム溝表面粗さを忠実に反映することができ、精度を向上させることができる。また、離型剤が表面に残ると摩擦帯電性能に影響を与えることがあるが、そのような危惧がない。本発明は、遠心成形では遠心力によって成形ドラム内面に強く圧接されるので、離型剤は必須である。また、ドラムに直接圧接されていないエア面を使用する場合には、直接的に粗面を形成することはできない。型成形法では、型内に長時間保持されるので、離型剤を用いないことは困難である。本願発明は、重合硬化が約60秒以内と短時間であり、液状合成樹脂が自然に空間に充填されるものであるので特別な加圧注入や遠心力が働かず、かつ、成形ドラムの回転にしたがって、樹脂自体の重量はエンドレスベルトに負担されることとなるので、成形溝に対して圧接力小さくなるので、離型剤を使用することなく剥離することができる。更に、取り出し部に冷却装置を設けることにより一層剥離が容易となる。
【0028】
2−1 樹脂例
本発明で用いられる合成樹脂は、主に熱硬化性のポリウレタン樹脂である。特に、非溶剤型の2液性の熱硬化性ポリウレタンが適している。注型から取り出しまでの時間は、成形ドラムの一回転以内であり、30〜60秒程度で取り出し可能な程度に重合固化している必要がある。このような条件を満たすイソシアネートとポリオール、架橋剤、触媒を選定し設計する。取り出した後工程において、2次架橋、熟成工程を施すことができる。
【0029】
例えば、次のようなポリウレタンを使用することができる。
ウレタンプレポリマーの液状物および架橋剤との液状物のうち少なくとも一方に混合される高分子量ポリオールの成分が数平均分子量1000〜3000の2官能ポリオールと、数平均分子量92〜980の3官能ポリオールとを平均官能基数が2.02〜2.20となるポリオールにイソシアネート基の含量が5〜20%となる量のジイソシアネート化合物を混合してプレポリマーを調製し、そのプレポリマーに、OH基/NCO基の当量比が0.90〜1.05となる量の架橋剤とを40〜70℃において混合してポリウレタン液状物(未硬化ポリウレタン組成物)を調製する。
【0030】
なお、前記高分子量ポリオール成分の数平均分子量は、好ましくは1000〜3000の範囲がより望ましい。この組成物を注型することにより反応が円滑に行われ、得られるブレードの物性も好ましい。すなわち、使用される2官能ポリオールの数平均分子量は、1000〜3000の範囲であり、1000未満であると、できあがったウレタンゴムが硬くなりすぎて必要な物性(柔軟性)が得られず、3000を超えると成形時の粘度が高く、注型加工することが困難となる。
また平均官能基数(f)がf=1ではモノオールとなるため重合せず、f≧5では多官能になりすぎるために、重合物の粘度が増大し且つ物性が低下するからである。
【0031】
本発明に係るポリウレタンエラストマー製造の為の成分としては、次のようなものが使用できる。高分子量ポリオールとしては、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類あるいは、ビスフェノールA、グリセリンのエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシド付加物類のポリエーテル型ポリオールおよびアジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマール酸等の2塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等のグリコール類との重合反応により得られるポリエステル型ポリオールならびにポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。
【0032】
ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4シクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。鎖延長剤として、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の低分子量ジオール並びにエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミンを挙げることができる。望ましくは、低分子量ジオールが用いられる。さらに必要に応じて多官能成分としてトリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、グリセリン、及びこれらのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物を添加してもよい。
【0033】
上記のポリウレタンの製造においては、OH基/NCO基の当量比は生成するポリウレタンの物性から0.8〜1.05がよく、望ましくは0.90〜1.05の範囲である。また必要に応じて一般的なアミン化合物や有機錫系化合物等の反応促進剤が用いられる。例えば、特許第2942183号公報、第0022段落に開示される一般化学式で表されるイミダゾール誘導体等であって、その具体例としては、化学構造上から反応温度依存性の高い2−メチルイミダゾールや1,2ジメチルイミダゾール等を挙げることができる。
【0034】
かかる、反応促進剤は有効量としてプレポリマー100重量部に対して、0.001〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.3重量部の範囲で用いられる。望ましくは更に感温性、或は遅効性を有するものが混合した樹脂の可使時間を長くとれ脱型時間が短くなるため好適に用いられる。その具体例としては、ブロックアミンと称される1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−有機酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5−有機酸塩またはこれらの混合物等が挙げられる。本発明では熱硬化型ポリウレタンの原料成分であるウレタンプレポリマーの液状物と架橋剤の液状物との混合撹拌に使用する2液混合注型機には、市販のものを使用できる。また計量ポンプはその定量精度を考慮して、3連以上のプランジャータイプを使用することが好ましいがギアーポンプタイプも使用可能である。特に、本発明の製造装置では、脱型時に所定の硬度を得るために反応促進剤を使用して速硬化処方にする必要があるので、撹拌混合室は、特公平6−11389号公報に開示されているような、混合室内での滞留を防ぎ、且つ反応熱による発熱を抑制した小容量のタイプが好ましい。
【0035】
2液性の熱硬化性のポリウレタン樹脂について詳しく例示したが、本発明で使用できるブレード用の樹脂としては、これに限られることはない。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。加熱された回転する成形ドラムを使用するので、加熱硬化反応が注型直後から開始されるので、溶剤を含まない非溶剤型が好ましい。
【0036】
3.作用
本発明は、成形ドラムの成形溝をブレードに使用される弾性ゴム部材の幅の複数分とし、幅広の帯状ブレード素材を連続して成形し、その後複数に縦断して各個別幅の帯状ブレードに分割して支持体と接合するまで一貫した連続製造工程を可能とする。これにより、製造効率を倍増することができ、切断面精度を向上させ、歩留まりを向上させ、廃棄物を減少することができる。
本発明は、成形ドラムが回転しながら重合固化されたもので、その成形範囲は、2時〜8時程度の約半回転程度の間である。この間は、成形溝とその外側を供回りするベルトで形成されたトンネル状の空間となっており、自重以外は無加圧で成形が進む。この自重自体もベルト側で大部分が受けられるので、成形溝の底面側や側面側には負荷されず、したがって、必要以上に粗面に圧着されないので、剥離抵抗も小さくて済む。また、用いられる成形樹脂は、2液硬化型のポリウレタン樹脂が適しており、注型直前に2液を混合しながら連続供給する手段を採用し、また、短時間に成形溝を充満する流動性と、半回転する30〜120秒程度で重合が進むように設計した樹脂が用いられる。用いる樹脂の性質からも、長時間粗面の凹凸に入り込んで粘着固化するものではないので、剥離抵抗が小さい。
更に、ドラムの接線方向に剥離するので、剥離時に作用する応力が小さいことも、安全な剥離を可能としている。また、剥離直前にベルト側を冷却する手段を講ずると、高温である成形溝底面側は柔軟性があるのに対し、ベルト側が硬くなり密着する為、溝側からの引き剥がしを容易にすることができる。
このため、成型溝幅を広くしても、ブレード素材を連続形成することが可能である。
【0037】
一方、従来の遠心成形あるいは、一本ずつ型成形する割型成形方法では、圧接や長時間成型のために離型剤が使用されている。これらの従来法では、重合硬化に長時間が必要であるので、長時間強く圧着されることとなる。この結果、離型剤が脱型には必要となる。
【0038】
4.装置
図4に、本願発明の連続製造装置の概略例を示す。成形ドラム3を中心とする広幅帯状ブレード素材S1を成形し引き出す製造装置、冷却用コンベア10を経由して定尺長切断装置14、搬送用のコンベア15を経由して定寸幅切断装置30、規定寸法に成型したブレード素材を支持体に接合する支持体接合40の順に配置した装置例である。
本発明のブレード素材などの合成樹脂製のテープの製造装置は、製品ブレードに用いるゴム弾性部材の幅の複数分の幅を形成した断面凹状の成形用溝を外周面の全周にわたり形成し、水平に支持され水平中心軸を中心に回転する内部に加熱機構を備えた成形ドラムと、回転方向を時計回りとした場合、下端の混合液吐出口を前記成形用溝内に臨ませて前記成形ドラムの頂点付近(約9〜2時の間)に配設され、熱硬化型ポリウレタンの原料成分であるウレタンプレポリマーの液状物と架橋剤の液状物とを計量、混合撹拌し吐出するための定量混合注型機と、必要に応じて前記成形ドラム上方に配設された外部加熱装置と、前記成形ドラムの外周面に当接され前記成形ドラムに従動して回走する金属製のエンドレスベルトと、必要に応じて剥離部直前に配設された外部冷却装置と、幅広の帯状ブレード素材成形物を取り出し後、搬送したコンベヤ(冷却可能)と、このコンベヤを必要応じて冷却する冷却装置と、成形された前記幅広の帯状ブレード素材を所定の定寸長に切断する切断装置及び所定の定寸幅に分割する縦断切断装置とを備えている。
【0039】
上記の製造装置によると、定量混合注型機の吐出口からポリウレタン液状物を、内部から加熱され回転している成形ドラムの成形用溝部に吐出し、成形ドラムで加熱されつつ、必要に応じて成形ドラム上方の外部加熱装置でポリウレタン液状物を加熱し、さらに、この成形用溝部と金属製エンドレスベルトとにより構成される空間部(キャビテイ)内に充満しながら、そのキャビテイ内で所定の時間成形ドラムにより加熱して重合反応させ、幅広の帯状に連続するポリウレタンエラストマー(ブレード等の素材成形物)を連続的に成形する。
成形ドラムの成形用溝部から連続的に剥離され、取り出される成形物は、所定長寸法及び所定幅として複数のブレード素材に、製品としての現像ブレード等のサイズに裁断装置で縦横に次々と切断され、所定の幅と厚さおよび長さを有する熱硬化型ポリウレタン製の現像ブレード用の弾性ゴム部材が完成する。刃物にセラミックを使用することにより、ポリウレタンとの滑りがよく、切断面が鋭利でかつ長期間連続して切断できる。
【0040】
4−1装置 各構成要素
この発明のブレードおよびその製造装置の実施の形態を製造方法と併せて図に基づいて
説明する。
図4は電子写真装置に使用するブレードの連続製造装置を概要的に示す。ブレードの製造装置は、成形ドラム3、樹脂を供給する吐出口1、外部加熱装置2、エンドレスベルト4、冷却用コンベア10、縦断(幅切断)装置30、定尺長切断装置14、分配搬送35,搬出用のコンベア15等から構成される。
ポリウレタン樹脂の液状物の吐出口1は、成形ドラム3頂点より約10時の時計方向の位置に配設され、続いて外部加熱装置2が配設され、それに続いて成形ドラムの外周面に接してその約半分を覆うエンドレスベルト4が配設され、引き続き、剥離された広幅帯状のブレード素材S1を冷却搬送、定寸幅に切断して2以上の所定幅の帯状ブレード素材S2に縦切断する縦断切断装置、定尺長に切断する切断装置、搬送装置の順に工程に沿って配設されている。外部加熱装置は省略することができる。省略した場合は、ポリウレタン樹脂液状物の吐出口1の位置は、頂点付近に移動することが可能である。成形ドラム3は、材質を例えば、硬質アルミニウムやステンレスとし、回転駆動、成形溝、内蔵された加熱構造から構成される。
図7(a)は、成形ドラムの概略を示している。成形溝20は底面21及び側面24が形成されている。図7(b)は、成形溝の断面概略を示しており、溝幅WLは、ブレード用の弾性ゴム部材の所定幅の複数分に設定されている。底面21を粗化して粗面を形成したブレード素材を製造することもできる。粗化は全面、中央部、筋条などに設けることができる。粗面化処理を施す部分は、現像ブレードにおいては、摩擦摺動部分となるニップ部とその前後である。2倍幅とする場合は、成形溝全底面と両側面を粗化すると、2分割して得られる現像ブレード用の弾性ゴム部材には、ニップ面から先端面まで連続して粗面を形成することができる。この場合、ニップから先端面まで粗面部分が延長されており、急激なブレード面の性状変化を起こさない。
図8は、成形ドラムを利用した広幅帯状ブレードS1の成形の概略である。
【0041】
成形溝に形成される粗さは、現像ブレードの表面に表面粗さが十点平均粗さRz(JISB0601−1994に基づく)で1〜10μmとなる様に粗面化処理が施されていることが好ましい。また、成形ドラムには加熱手段が内蔵され、成形溝にポリウレタン等の樹脂を硬化させる熱を供給する。この加熱手段は、電気ヒータ、加熱オイル、蒸気等であって、特に限定されるものではない。その加熱温度は、使用される樹脂や回転速度等によって適宜決定される。例えば、100℃〜150℃に設定される。回転駆動は、水平な回転軸5により回転自在に支持され、図示を省略した駆動装置により、所定速度で回転する。回転方向は、図示では、時計回りに設定してある。
【0042】
樹脂を供給する吐出口1は、使用する樹脂の成分を混合調整して一定量を連続して、成形ドラム3の成形溝20に供給する。
外部加熱装置2を設けた場合は、吐出口1から成形溝20に注型された樹脂に熱を照射して加熱する機能を果たす。この熱によって、樹脂の表面側の硬化が促進される。注型された樹脂は成形ドラムの熱と外からの熱によって硬化が促進され、粘度が上がって、エンドレスベルトの接触始端部への流れ込みを制御することができる。外部加熱手段として、非接触タイプである遠赤外線、レーザー光、紫外線、誘導加熱などがある。加熱温度の調整は、使用する樹脂、製造スピード、ブレードの厚さなどによって、変更する必要がある。出力を調整することや溝までの距離を調整することでも加熱条件の調整が可能である。使用する樹脂との関係では、紫外線硬化剤を添加した樹脂を用いた場合は、紫外線を照射することによっても、硬化を促進することができる。また、外部加熱装置の設置位置は、吐出口1と予熱ロール6の間で調整可能とすることができる。この位置も樹脂の種類やブレードの厚みによって決定することができる。本例では、成形ドラムの頂点上方付近に設置している。
外部加熱を行うことによって、ブレード用弾性ゴム部材の厚さを大きくすることが可能で、あるいは、成形スピードを上げることができる。
また、多層ブレード用弾性ゴム部材を成形する場合は、先行して注型される部分層の初期硬化を促進することができる。
【0043】
金属製のエンドレスベルト4は、成形溝20を覆って空間部を形成して、ポリウレタン液状物を充満する構造となっている。エンドレスベルト4と成形溝20によって、成形用のキャビティが形成され、ブレード素材の外形が整えられて樹脂の硬化反応が進行される。エンドレスベルト4が成形ドラム3の成形溝20を覆う区間は、樹脂の硬化が進み帯状のテープとして成形溝20から剥離して取り出すことができる程度に設計する必要がある。例えば、時計で2時から8時までの区間に相当する180°が操作し易い領域である。
剥離直前には、エンドレスベルトの外側から冷風などを吹き付けて冷却する冷却装置18を必要に応じて設置する。
【0044】
冷却コンベヤ10は、成型ドラムの3成型溝から剥離された樹脂製の広幅帯状のテープS1に成型されたブレード素材を冷却しながら後工程に搬送するものである。
なお、この冷却コンベヤは、ブレード素材によっては冷却を必要としない場合もあり、冷却が不要な場合は、このコンベヤは後工程への搬送装置となるか、あるいは、省略することができる。
【0045】
定尺長裁断装置14は、連続した帯状の素材をブレード用ゴム弾性部材の長さに切断する装置である。この定尺長裁断によって、広幅帯状ブレード素材は広幅定尺長ブレード素材(S2)最終形状に形成されることとなる。定尺切断機構は従来の機構を採用することができる。この定尺長裁断装置の作用と同期させるために、定尺長裁断装置14の直前に送りを制御する送りロール13を配置し、送りロール13による送りスピードの緩急に対応させるために、送りロール13の前にテープをたるませる空間を持たせて、前工程と定尺長裁断装置14のタイミング調整を計る。
この後は、定寸幅に切断される工程に送られる。
【0046】
図10に定寸幅切断装置30の例を示す。図10(a)は幅方向から切断する状態を表す正面図、図10(b)は(a)の右側から見た側面図を示す。
下押さえ部材を兼用するテーブル33の中間部に長手方向に移動することができる幅切断機31を設け、切断刃35が両側に上から押さえる上押さえ部材32をテーブル上面に昇降自在に設けて、テーブル一端部に設けた定規37に広幅定尺長ブレード素材S2を沿わせて上下から押さえ、その後切断機31を移動させて幅切断を実行する。切断刃の両側に広幅定尺長ブレード素材S2を十分に押さえる領域が確保できるので、正確に直線的な幅切断ができる。
図10では、切断刃はテーブルの下方から突き出す構成としたが、テーブルの上方に配置することも可能である。
【0047】
金属製などの支持体への固着工程へ搬出される。
なお、さらに硬化反応を最終的に実施させる二次架橋のために加熱工程を後工程として必要に応じて加えることができる。
次に、装置の各部分の構成例について、さらに記載する。
【0048】
成形ドラム3の外周のほぼ半分の面には、ステンレスなどの金属帯板からなる成形用空間(金型)形成用のエンドレスベルト4が当接され、このエンドレスベルト4を予熱する予熱ロール6、ベルト走行を調整するガイドロール7、エンドレスベルト4に張力を付与するテンションロール8およびエンドレスベルト4を冷却する冷却ロール9に掛け渡されて、成形ドラム3の回転に従動して回転する。また、エンドレスベルト4は、ヒータにより所定温度(例えば、成形ドラムと同程度の145℃前後)に加熱されており、この温度によってポリウレタン液状物の温度低下を防止する。
【0049】
冷却ロール9に隣接して、冷却用コンベヤ10が水平に設けられている。この冷却用コンベヤ10は、ステンレスなどの金属製のエンドレスコンベヤベルトを、2つのロール間に掛け渡されている。冷却用コンベヤ10の下部には冷却装置11が配設され、エンドレスコンベヤベルトを介してブレード成形物を冷却する。
レーザーカッターを配置する場合には、冷却ロールと冷却コンベアの間に設けることが好ましい。
【0050】
冷却用コンベヤ10のロールの下流に定尺長裁断装置14およびコンベヤ等の搬送機構15、更に、定寸幅切断装置30が配備されている。定尺長切断装置は間欠動作となり、前工程との搬送調整をする必要があるので、たるみ部を設け、弛み検知機12により過度な張力が負荷されることを防止している。送りローラ13は、裁断装置14と連動して弛み検知機12の信号を受けて所定の速度でブレード成形物を裁断装置14に送り、帯状のブレード成形素材を所定の長さに裁断する。コンベヤ15は、裁断されたブレード成形素材を次工程(架橋工程、支持体接合工程、検査工程等)に搬送する。
【0051】
図10に定寸幅切断装置30の例を示す。図10(a)は幅方向から切断する状態を表す正面図、図10(b)は(a)の右側から見た側面図を示す。
幅切断の対象となる広幅定尺長ブレード素材S2を載置するテーブル33、該テーブル33の左端側には広幅定尺長ブレード素材S2の一辺を沿わせて位置出しをする定規37を設け、テーブルの中央部には切断刃35の移動を許容する刃通し部33aが設けられている。切断刃35は刃物ホルダー36に固定した幅切断機31がテーブル33の下部に配置されている。下方からテーブル表面に突き出した切断刃35が通過可能な刃受空間32aを備えた上押さえ部材32がテーブル33の上方に配置されている。定規37と切断刃35の間隔及び切断刃35から広幅定尺長ブレード素材S2の他辺までの間隔はそれぞれのブレードの定寸幅になるように位置が設定されている。定規の位置を調整可能に設置することにより、複数の切断位置に可変調整することができる。図(b)は、テーブル33上に載置された広幅定尺長ブレード素材S2を定尺長より長い上押さえ部材32で押さえて、幅切断機31を左に移動させることにより直線状に切断することができる。
テーブル33は広幅定尺長ブレード素材S2の下押さえ部材の機能を果たしている。上押さえ部材32は切断刃35の左右を十分に押さえる面積が確保できる。押さえた状態で広幅定尺長ブレード素材S2に接する角部は面取りされてRが形成されている。Rを形成することにより、広幅定尺長ブレード素材S2に圧接痕が生ずることなくきれいな表面を得ることができる。
テーブル33の上下に貫通する小さな孔を多数設け、下方にエアの吹き出しと吸引ができるエアクッションとエアサンクション機能を設けると、広幅定尺長ブレード素材S2をテーブル33にのせてスライド移動した場合に、摺擦痕が発生する危険を防止することができ、品質の低下を防止することができる。
【0052】
次に、上記のようにして本実施例のブレード製造装置が構成される。外部加熱装置を備えた例を用いて、この製造装置による電子写真装置用ブレードの製造工程を図4に基づいて説明する。プレポリマーと架橋剤とを計量して、均一に撹拌・混合しながら吐出口1より所定温度、例えば、内蔵された加熱機構により145℃に温度調節された成形ドラム3の成形用溝内にポリウレタン液状物を吐出して注型する。このとき、成形ドラム3は所定の速度(例えば80秒/1回転)で時計方向に回転しており、ドラム3の周速と成形溝20の彫り込み深さおよび幅に対応する必要量が連続的に注入される。
【0053】
ポリウレタン液状物は、成形ドラム3の上方から約10時の時計位置に配設された吐出口1の真下のA点から成形ドラムの真上C点(外部加熱装置による加熱位置)までの間で反応が開始された後、C点で外部加熱装置により表面側が加熱され、その後成形ドラムによる加熱のみで、エンドレスベルトの当接開始位置E点から余熱ロールで、例えば145℃に加熱された成形用のエンドレスベルトにより、成形ドラム3のE点からG点までの間で、加熱・保持される。これにより、液状物のウレタン重合反応がほぼ完了し、必要な幅と厚さを備えた幅広のブレード成形素材が帯状に連続的に成形される。
吐出口1の位置は、樹脂の種類やブレードの厚み、製造スピードなどによって、調整される。本例では、成形ドラムの反回転方向で9時から12時の時計位置に設置している。好ましくは、10時付近に設置している。反回転方向に寄せて吐出された合成樹脂の液状物は重力に従い落下しようとする一方、成形ドラム回転に従って、成形ドラムの頂点に向って持ち上げられることとなる。
【0054】
吐出口を頂上より反回転方向に配置して、樹脂を反回転方向に吐出した場合、自重により反回転方向に落下しようとする流下力と成形ドラムの回転による持ち上げ力によってバランスがとられる。頂上より反回転方向に吐出口を配置した構成は、合成樹脂の液状物の自重による反回転方向への流下力と成形ドラムの回転による持ち上げ力とのバランスによって、均一な厚みのブレードを製造するために有効な構成のひとつである。
そして、吐出口1の位置を振ったことによって、予熱ロール6との間にスペースを作ることができ、外部加熱装置2の配置の自由度も大きくすることができるものである。
なお、本例では、ポリウレタン液状物がA点からE点まで回転して移動する時間が13秒、E点からG点への移動時間が約40秒に設定されているが、上記したように予熱ロール6の成形ドラム3に対する接近・離間操作でE点の位置を変更し、A点とE点間の角度およびC点とG点間の角度を変えることで、液状物の反応および成形時間を微調整できる。
【0055】
こうして連続的に成形された幅広の帯状のブレード成形物S1は、G点で成形ドラム3の成形溝20から剥離され、冷却用コンベヤ10のエンドレスコンベヤベルト上に導かれる。
G点直前に冷風送風する冷却装置18を設置して、成形用のエンドレスベルト4を外部から冷却する。
【0056】
本装置では、離型剤を使用する必要がない。もちろん、離型剤を使用しても不都合がない製品に対しては、使用することを制限するものではない。
【0057】
エンドレスコンベヤベルト10は冷却装置11で冷却されているため、広幅帯状ブレード成形素材S1はエンドレスコンベヤベルト上で常温(20℃前後)近くまで冷却されつつ搬送される。使用対象の種類によっては、冷却コンベヤを積極的に冷却する必要がないことは前述のとおりである。この場合は、このコンベヤ10上で、搬送されながら幅広の帯状のポリウレタンテープは自然と放熱する。
【0058】
広幅帯状ブレード成形素材S1は、裁断装置14によって定尺長に切断されて、広幅定尺長ブレード素材S2に加工される。
広幅帯状ブレード素材S1は、冷却用コンベヤ10より弛み検知機12、送りロール13、裁断装置14およびコンベヤ15に導かれる。弛み検知機12は、支柱に取り付けられたセンサーの間を通って帯状ブレード成形素材を、送りロール13に誘導する。送りロール13は、帯状ブレード成形素材を挟持して冷却用コンベヤ10より速く走行するので、その帯状ブレード成形素材が上側センサー16に接するときは停止し、下側センサー17に接するとき、送りを開始して、帯状ブレード成形素材の製造速度と、裁断装置14の処理速度とを調整する(帯状ブレード成形素材に過剰な張力を掛けない)。裁断装置14は、上刃および下刃の間に現像ブレード成形物を誘導して所定の長さ(製品としてのほぼ該当する長さ)に裁断する。これによって、所定の長さに裁断された広幅の定尺長ブレード素材S2が得られる。
裁断装置は、上下の刃に限定されることはなく、テーブルと上側に刃を設けた構成によっても構成することができる。送りロールからテーブル上に載置されたテープを押さえて刃を作用させて、所定長に切断することができる。
【0059】
広幅定尺長ブレード素材S2は、定寸幅切断装置30によって、ブレード用弾性ゴム部材の幅に切断して、縦横が規定寸法に形成されたブレード素材が得られる。左右に切り分けられたブレード素材は、支持体接合工程40にて、支持体と接合してブレードが完成する。ブレード素材はそのまま別々に支持体と接合することもできるし、1つの接合ラインに合わせることもできる。1つの接合ラインにする場合は、姿勢を合わせるために反転機構あるいは水平回転機構を介在させる。このようにして連続して製造されるブレード用の弾性ゴム部材は、その一側縁部を、図2に図示するように支持体32の一側縁に接着剤によって接着して、最終製品としてのブレード31が完成する。
本発明の製造方法、製造装置によって、幅方向のカットロスを零にすることができ、歩留まりの向上と、品質の向上を実現することができる。
【0060】
[実施例]
<クリーニングブレード>
実施例1、2及び比較例1として次のサイズのクリーニングブレードを製造した。
ポリウレタン製弾性ゴム部材:厚さ2.0mm、長さ315.5mm、定寸幅14.5mm。
【0061】
<幅カット製造条件>
カット刃:(株)日本ミクロトーム研究所製 ミクロトームナイフ T-25
カット速度: 2000 - 2500mm / sec
カット角度:20°
【0062】
<支持体接合>
鋼板:厚さ1.2mm、
接着剤 主剤 セメダイン(株)EP−001 主剤 100部
触媒 日東化成(株)ネオスタン u220 2 部
促進剤 セメダイン(株) PM アクセラレーター 2 部
硬化剤 セメダイン(株) EP - 001 硬化剤 100 部
触媒 三井東圧(株) ミニコL−1020 2 部
(主剤・硬化剤を撹件混合し、ブレード用弾性ゴム部材に塗布し、鋼板製支持体に圧着し、熱硬化させてブレードとする。)
【0063】
<熱硬化型ポリウレタン>
ウレタンプレポリマーの液状物および架橋剤とその液状物のうち少なくとも一方に混合される高分子量ポリオールの成分が数平均分子量1000〜3000あるポリオールにイソシアネート基の含量が5〜20%となる量のジイソシアネート化合物を混合してプレポリマーを調整し、そのプレポリマーに、OH基/NCO基の当量比が0.90〜1.05となる量の架橋剤とを40〜70℃において混合してポリウレタン液状物(未硬化ポリウレタン組成物)を調整する。そして、注型機にウレタンプレポリマーの液状物と架橋剤をそれぞれ別のタンクに投入し、それぞれの量を計量して、均一に撹拌・混合しながら注型口より所定温度、例えば、145℃に温度調節された成形ドラム13の成形用溝内にポリウレタン液状物を順次吐出して注型し、熱硬化型ポリウレタンを得た。
【0064】
<製造装置・製法>
成形ドラムのロール寸怯(直径 d )d=940mm、溝幅29mm、溝深さ2.0mmに設定した内部加熱機構を備えた成形ドラムを用い、更に外部加熱装置に遠赤外線装置を採用し、剥離直前に冷風送風装置を配置した。
上記ウレタンプレポリマーと架橋剤をそれぞれ2液定量混合注型機に投入し、液温度70℃に成るよう加熱・撹拌した。これをOH基/NCO基の当量比0.95に成るように均一に撹拌・混合しながら図4に示す製造装置の吐出口1より内部加熱により145℃に温度調節された成形ドラム3の成形用溝内に吐出した。図3に記載された製造工程にしたがってクリーニングブレードを製造した。
ポリウレタン液状物の流動は抑えられ、不安定な凹みも認められず、各実施例、比較例の現像ブレード用弾性ゴム部材が得られた。なお、剥離直前に冷風を供給して、スチールベルト側を冷却すると、成形ドラムの外周面から接線方向への一定角度での安定した剥離が確認された。
【0065】
[実施例 1]
ブレード用弾性ゴム部材の定寸幅Wの3倍幅の広幅帯状ブレード素材S1を製造し、3枚の定寸幅Wにカット、カットした辺はクリーニングブレードの稜線した。その状態を図9(a)に示す。 この場合は、稜線形成のためのカット成形に伴う廃棄は発生しない。1台の成形ドラムによる製造効率を3倍にすることができる。
【0066】
[比較例1]
比較例1は、定寸幅Wよりもやや大きな幅W’に形成した帯状ブレード素材を稜線形成のために定寸幅Wにカットして幅ΔWを廃棄した。この場合は1台の成形ドラムによる製造は、従来と同様に1列の製造ラインであり、カットロスが発生し、廃棄処理の工程が追加される。
【0067】
[実施例2]
実施例2は、定寸幅の2倍の広幅帯状ブレード素材を製造した例である。図11(a)に実施例2の定寸幅カットの状態を示す。
図11(a)に示すように、カットするとき刃物の両側の幅が定寸幅Wであり、刃物の両側を均等に上下から押さえることができ、刃物が帯状ブレード素材に入ったときの抵抗が両側で均一になる。そのため、カットがスムーズに進行するのでエッジの精度が向上する。
図11(b)に示されるように3分割する場合も、十分な上下押さえ代が確保できるので、安定した刃物の挿入、進行が実現できる。
これに対して図11(c)では、先端側にカットロスが発生し、カットロスを少なくしようとする場合は、狭い押さえ代となり、安定した切断面が得難くなる。例えば、右側の押さえが弱い場合は、切断刃の切削抵抗に引きずられて波打つような切断面あるいは斜めに刃が入って直角の稜線が得られない不具合が発生することがある。
【0068】
[実施例 3]
実施例3は、定寸幅の3倍の広幅帯状ブレード素材を製造した例である。図10(b)に実施例3の定寸幅カットの状態を示す。
図10(b)に示すように、カットするとき刃物が2つあるが、それぞれの刃物両側を押さえる幅が十分に確保でき、刃物の両側を均等に上下から押さえることができ、刃物が帯状ブレード素材に入ったときの抵抗が両側で均一になる。そのため、カットがスムーズに進行するのでエッジの精度が向上する。
【0069】
[比較例 2]
比較例2は、比較例1に示す従来の帯状ブレード素材の幅W’を定寸幅にカットする状態を示している。カット精度を確保するためには、刃物の両側を押さえる必要があり、少なくとも押さえ具の幅分をカットロスとする必要がある。しかしながら、刃の抵抗や搬送バランスの崩れることがあり、定寸幅側とロス側の押さえのバランスが崩れカット精度が悪くなる。この場合のカットロスは20%である。
【0070】
[実施例4]
<異種ブレードの例(クリーニングブレード、現像ブレード)>
粗面化処理しない部分にマスキングを施し、粗面化処理は、吸い込みノズル式サンドブラスト装置を用い、ガラスビーズ番手粒度♯200(粒径範囲88〜74μm)をエアー圧23Kg/cmで右側側面全体及び外側面からニップ部となる底面部にかけてブラスト処理して、十点平均粗さRzで1.83〜4μmの粗面を形成した。その後マスキングを外した成型溝の状態は図5(d)に概略的に示されるとおりである。本実施例では、成型溝には離型剤を使用していない。得られた広幅ブレード素材は、図5(c)に示すように19mm幅のクリーニングブレードW1と10mm幅の現像ブレードW2に分割して、2種類のブレードを製造した。
切断面はクリーニングブレードの稜線部となり、粗面を形成した端面部は摺擦部であるニップ部とする現像ブレードとすることができる。これにより幅方向のカットロスを発生させること無く、電子写真装置用の2種類のブレードを同時並行的に製造することができた。これをセットにしてアセンブリ工程に供給することもできる。
【0071】
[実施例5]
<部分層を形成したクリーニングブレードの例>
以下に本例の特定の製造条件を示し、他は上記と同様である。
この実施例では、溝深さを2.0mmに設定し、部分層の高さは0.3mmとし、下記表1の配合例1〜5に示す組成のポリウレタン樹脂を用いて広幅ブレード素材を製造した。広幅ブレード素材の成型状態の概略を図12に示す。最初に部分層を形成するエステル系ポリウレタン樹脂である第1合成樹脂液を中央部に筋条に注型(a)(b)し、その後ベース部となるエーテル系ポリウレタン樹脂である第2合成樹脂を注型し(c)(d)、スチール製エンドレスベルトに覆われて(e)(f)、重合硬化が進み中央部に部分2層を形成した広幅ブレード素材(g)となる。これを、その後図5(a)に示されるように中央部から2分してブレード素材を作成した。
これを支持体に接合してクリーニングブレードとして、電子写真装置に組み込んで評価試験を行った結果を下記表1に示す。結果は良好であった。
【0072】
【表1】

【0073】
[参考例3]
従来の1枚取りの製法を用いて部分2層を形成したクリーニングブレードを製造する場合は、図13に示すように稜線出しをする切断部分に半円とする部分層を形成し、切断することにより稜線部分に高硬度等の性状の異なる部分層を顕出させていた。先端側は廃棄される部分となる。
【0074】
[実施例6]
粗面ブレード
2枚分に相当する溝幅29mm成形溝の底面全体を粗面化処理した。粗面化処理は、吸い込みノズル式サンドブラスト装置を用い、ジルコンビーズ番手♯120(粒径範囲76〜52μm)をエアー圧8Kg/cmで成形溝底面全体及び側面全体をブラスト処理して、十点平均粗さRzで9.0μmの粗面を形成した。本実施例では離型剤を使用することなく、粗面が形成された広幅の帯状ブレード素材が得られた。広幅帯状ブレード素材の表面にはRz9.0μmの粗面が計測でき、成形溝の粗面が忠実に転写されていることが確認できた。これを本発明の工程にしたがって、定尺定寸の規定幅に裁断加工した後、支持体と接合して現像ブレードを製造した。なお、粗面を形成した成形ドラムの成形溝状態のイメージは、図5(d)に示す粗面化した底面を全体に拡張した状態であるので、図示は省略する。
この現像ブレードを、平均粒度8μmの一成分磁性トナーを用いた一体型カートリッジの現像装置に仕込、50%グレースケール画像で画像ムラを確認した。トナー帯電量は、吸引式トナー帯電測定装置を用いて評価した。また文字チャートでの画像出しを10000枚まで行い、文字太りの有無を目視で評価した。常温下、高温高湿下でも十分10000枚印字耐久が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】電子写真装置の現像装置例
【図2(a)】クリーニングブレードの例
【図2(b)】現像ブレードの例
【図3】本発明工程概略図
【図4】本願発明の連続成型装置の例
【図5】(a)部分2層形成広幅ブレード素材断面模式概略、(b)粗面形成広幅ブレード素材断面模式概略、(c)複数種形成広幅ブレード素材断面模式概略、(d)(c)に示す異種ブレード素材用成形ドラムの成形溝状態模式図
【図6】成型部概略図
【図7】ドラムの例を示す図
【図8】成形ドラムを利用した帯状ブレード成形略図
【図9】広幅帯状ブレード素材(a)と従来の帯状ブレード素材(b)の例
【図10】定寸幅切断装置の例、(a)正面図、(b)側面図
【図11】帯状ブレード素材の縦断例、(a)本願発明2分割の例、(b)本願発明3分割の例、(c)従来例
【図12】部分2層広幅ブレード素材成形工程概略図
【図13】部分2層ブレード稜線加工概略図
【符号の説明】
【0076】
1 ポリウレタン液状物の吐出口
2 外部加熱装置
3 成形ドラム
4 エンドレスベルト
5 成形ロールの回転軸
6 予熱ロール
7 ガイドロール
8 テンションロール
9 冷却ロール
10 冷却コンベヤ
11 冷却装置
12 弛み検知器
13 送りロール
14 定尺長裁断装置
15 コンベア
16 上側センサー
17 下側センサー
18 冷却装置
20 成形溝
21 成形溝底面
24 側面
30 縦断(定寸幅)切断装置
31 幅切断機
32 上側押さえ部材
32a刃受空間
33 テーブル(下押え部材)
33a刃通し部
35 分配搬送
35a、35b定寸幅帯状ブレード素材搬送路
101 クリーニングブレード
102 ポリウレタンシート(ブレード用弾性ゴム部材)
103 支持体(ホルダー)
108 紙シート搬送レベル
109 定着ブレード
110 クリーニングブレード
111 帯電ブレード
112 トナー薄層化ブレード
113 転写ブレード
121 現像ブレード
122 支持体
123 弾性ゴム部材
124 接合部
125 摩擦摺擦面
126 粗面部
S1 広幅帯状ブレード素材
S2 定幅定尺長ブレード素材
W 定寸幅
WL 幅広成型溝幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続製造する方法において、該成形溝の幅を複数のブレード用弾性ゴム部材の幅に相当する幅とし、成形ドラムから搬出される広幅の帯状のブレード素材を個別ブレード用弾性ゴム部材に相当する幅に切断する工程を設けたことを特徴とするブレード素材を製造する方法。
【請求項2】
外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、液状合成樹脂原料から複数のブレード用弾性ゴム部材の幅を有する広幅の帯状のブレード素材を成形する工程、
前記広幅の帯状ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定長さに切断して広幅定寸長ブレード素材とする定寸長切断工程、
前記広幅定寸長ブレード素材を複数の定寸幅に切断してブレード用弾性ゴム部材とする定寸幅切断工程、
を含むことを特徴とするブレードの連続製造方法。
【請求項3】
定寸幅切断工程において、切断箇所の両側を均等に押さえて切断することを特徴とする請求項2記載のブレードの連続製造方法。
【請求項4】
広幅帯状ブレード素材は、定寸幅切断箇所を含む長手方向面に粗面部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブレードの連続製造方法。
【請求項5】
広幅帯状ブレード素材は、定寸幅切断箇所を含む長手方向面に異なる樹脂組成の層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブレードの連続製造方法。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれかに記載された製造方法により製造したことを特徴とするクリーニングブレード又は現像ブレード。
【請求項7】
外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた回転する成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続して製造する装置において、
前記成形ドラムの外周に設けた成形溝の幅を複数のブレード用弾性ゴム部材の幅以上とし、成形ドラムから搬出された幅広の帯状ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定長に切断する定寸長切断装置及び所定幅定寸幅切断装置を設けたことを特徴とするブレード素材を連続して製造する装置。
【請求項8】
外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、液状合成樹脂原料から複数のブレード用弾性ゴム部材の幅を有する広幅の帯状のブレード素材を成形する帯状のブレード素材成形装置、
前記帯状のブレード素材成形装置から連続して供給される広幅の帯状ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定長さである広幅の定寸長ブレード素材に切断縦断する定寸長切断装置、
前記定寸長切断装置により切断された広幅定寸長ブレード素材をブレード用弾性ゴム部材の所定幅に切断して複数のブレード用弾性ゴム部材とする定寸幅切断装置、
前記ブレード用弾性ゴム部材を支持部材と接合する接合装置、
とからなることを特徴とするブレードの連続製造装置。
【請求項9】
成形ドラムの成形溝から帯状に成形された成形物を該成形溝から剥離する直前の位置であって、成形ドラムの外部から成形溝に向けて冷却装置を設けたことを特徴とする請求項7又は8記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
【請求項10】
定寸幅切断装置が、切断刃と切断刃の両側に押さえ部材を備えていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
【請求項11】
定寸幅切断装置の押さえ部材が上下に配置されており、切断刃の受け空間が設けられていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。
【請求項12】
成形ドラムの成形溝の底面に粗面部が設けられており、該粗面部は、ブレード用弾性ゴム部材の所定幅の位置を含む部分に形成されていることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のブレード素材を連続して製造する装置又はブレードの連続製造装置。

【図2(a)】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−51037(P2009−51037A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218006(P2007−218006)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】