説明

プラズマチャンバ材料としてのイットリウム酸化物の寿命の延長

プラズマチャンバ材料としてのイットリウム酸化物の寿命を延長する2つの方法が提供される。1つの方法は、2層の未焼結体を同時焼結することによってプラズマ処理チャンバの3層部品を作成することを備え、1つの層はセラミックパーティクルを備え、第2の層はイットリアパーティクルを備える。2つの層は、焼結処理の間、密に接触する。好ましい実施形態では、3層部品は、イットリアの外層と、YAGの中間層と、アルミナの第2の外層とを備える。随意的に、ディスは、焼結処理の間、共にプレスされる。3層部品は、低い多孔性を有する。好ましくは、イットリアの外層、YAGの中間層及びアルミナの第2の外層のいずれかの多孔性は、3%未満である。第2の方法は、部品の全てのイットリア表面上の封止剤をブラッシングして部品に室温で50cP未満の粘度の液体嫌気性封止剤を適用することと、部品をウエットクリーニングすることと、ウエットクリーニングした部品を窒素環境における少なくとも150℃の温度で2時間以上修復させることと、第1のコートを適用するために用いた手順を繰り返して修復した基板に第2の封止剤コート適用すること、によって、イットリアプラズマ溶射を被覆した部品を封止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体材料処理の分野では、半導体処理アプリケーションとして、プラズマエッチング、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、レジストストリップなどのプラズマの使用を含む様々なタイプの装置が存在する。これらの処理のために要求される装置のタイプは、プラズマチャンバの内部で使用され、その環境において動作する部品を含む。プラズマチャンバの内部の環境は、プラズマへの露出、エッチャントガスへの露出及び熱サイクルを含みうる。そのような処理チャンバ内のプロセスガス及びプラズマの腐食性の性質と、チャンバ内で処理された基板のパーティクル及び/又は金属コンタミネーションを最小限にする要望とにより、装置のプラズマに露出する部品がそのようなガス及びプラズマに対して浸食及び腐食耐性を有することが望ましい。いくつかの処理チャンバ環境、例えば、高密度プラズマエッチングチャンバ環境を含むハロゲンでは、コンディションは非常に積極的で、チャンバ壁、ライナー、プロセスキット及び誘電体ウィンドウを含む様々なチャンバ部品の浸食を引き起こす。これは、誘電体エッチングプロセスに関連して頻繁に使用される高密度フッ素を含むプラズマエッチング環境に特に当てはまる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
プラズマ処理チャンバの3層部品を製造する方法が提供される。かかる方法は、アルミナパーティクルを備える1つの層と、イットリアパーティクルを備える第2の層とを有する2層の未焼結体(dual−layer green body)を同時焼結する(co−sintering)ことを備える。2つの層は、焼結処理中、密に接触する。好ましい実施形態では、3層部品は、イットリアの外層と、YAGの中間層と、アルミナの第2の外層とを備える。随意的に、2つの層は、焼結処理中、共にプレスされる。
【0003】
3層部品は、多孔性が非常に低い。好ましくは、イットリアの外層、YAGの中間層及びアルミナの第2の外層のいずれかの多孔性は、3%未満である。本実施形態では、部品は、誘電体ウィンドウ、チャンバ壁、チャンバライナー、基板支持体、バッフル、ガス分配プレート、プラズマ閉じ込めリング、ノズル、ファスナー、発熱素子、プラズマフォーカスリング又はチャックである。
【0004】
プラズマ処理チャンバのイットリアプラズマ溶射(yttria plasma splay)を被覆した部品を封止する方法も提供される。かかる方法は、部品の全てのイットリア表面上の封止剤をブラッシングして部品に室温で50cP未満の粘度の液体嫌気性封止剤を適用することと、部品をウエットクリーニングすることと、ウエットクリーニングした部品を窒素(N)環境における少なくとも150℃の温度で2時間以上修復する(curing)ことと、第1のコートを適用するために用いた手順を繰り返して修復した基板に第2の封止剤コート適用することと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、イットリアコーティングなどのサーマル溶射コーティングを備えた部品を含むプラズマ反応器の一例としてのVersys2300TMの概略を示す。
【図2A】、
【図2B】図2Aは、焼結する前のアルミナとイットリアとの合成物(composite)を示し、図2Bは、焼結した後の合成物を示す。
【図3】図3は、同時焼結したTCPウィンドウの概略構成を示す。
【図4】図4は、希釈HCl溶液へのイットリア表面の露出を含む電気的テスト装置の概略構成を示す。
【図5】図5は、イットリアを被覆したアルミニウム片(coupons)のそれぞれについて、HClエッチング時間を関数として、測定した抵抗と露出面積との積のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
シリコンウエハなどの半導体基板用のプラズマ処理装置は、半導体、金属及び誘電体などの材料をエッチングするための半導体デバイスの製造プロセスで使用されるプラズマエッチングチャンバを含む。例えば、伝導体エッチングチャンバは、アルミニウム又はシリコンなどの材料をエッチングするために使用されうる。伝導体エッチング処理に使用される典型的なガスは、プラズマチャンバ部品に対して腐食効果を有するCF及びSFを含む。プラズマエッチング装置におけるイットリア(Y)の高度な特性及び優れた性能により、イットリアは、半導体エッチング装置の表面コーティングとして広く使用されている。イットリアコーティングを備えたプラズマチャンバ部品は、Cl系とF系の高密度プラズマの両方の下で、実証された改善されたプラズマ耐性を示す。金属エッチングアプリケーションとして、表面に被覆したイットリアは、高純度セラミックアルミナだけより、プラズマ環境における耐久性が10倍を示すことが報告されている。ポリのエッチングアプリケーションにおいて、イットリアは、非消耗チャンバ材料として機能することができる。イットリアの使用は、伝導体エッチングアプリケーションにとって潜在的なパーティクル源であるAlFの形成も回避する。
【0007】
チャンバ材料として使用されるイットリアは、チャンバライナー又は誘電体ウィンドウなどの陽極処理されたアルミナ又は高純度アルミナ部品のいずれかの上のプラズマ溶射コーティングとして適用することができる。イットリウムコーティングなどのサーマル溶射コーティングを備えた部品を含むことができる典型的なプラズマ反応器は、ラムリサーチコーポレーション(フリーモント(CA))から入手できるVersys2300TMエッチャーであり、概略的に図1に示される。かかる反応器は、その上に載置された半導体ウエハなどの基板(不図示)にクランプ力を提供する静電チャック102を含む基板支持体101を有する反応器チャンバ100を備える。基板支持体101は、典型的には、陽極処理されたアルミニウムで構成され、基板にRFバイアスを付与するために使用することができる。基板は、ヘリウムなどの伝熱ガスを使用して裏面冷却される。処理ガスは、チャンバ100の上端に配置されてガス供給源105に接続されたガス注入器104を介して、チャンバ100に導入される。ガス注入器104は、典型的には、石英又はアルミナなどのセラミック材料で構成される。示されるように、誘導コイル106は、高密度プラズマを提供するための適切なRF源(不図示)によって電源を供給される。誘導コイル106は、誘電体ウィンドウ107を介して、チャンバ100の内部に、RFエネルギーを結合する。ウィンドウ107は、典型的には、石英又はアルミナなどの誘電体材料で構成される。ウィンドウ107は、環状部材108の上に載置され、典型的には、陽極処理されたアルミニウムで構成される。環状部材108は、ウィンドウ107をチャンバ100の上端から間隔をあけて配置する。バッフルスクリーン109は、典型的には、基板支持体101を囲む陽極処理されたアルミニウムで構成される。チャンバ100は、チャンバの内部を所望の圧力に維持するための適切な真空ポンプ装置(不図示)を含むこともできる。
【0008】
図1において、環状部材108、誘電体ウィンドウ107、基板支持体101、チャンバライナー109、ガス注入器104及び静電チャック102などの反応器部品の選択された内部表面は、イットリアコーティング110などのサーマル溶射コーティングで被覆されている。図1に示すように、チャンバ100の選択された内部表面及びチャンバライナー109より下の基板支持体101には、イットリアコーティング110などのサーマル溶射コーティングが提供される。これらの表面のいずれか又は全てには、他の内部反応器表面と同様に、イットリアコーティングなどのサーマル溶射コーティングが提供される。
【0009】
しかしながら、サーマル溶射されたイットリアコーティングは通常約5%の低い多孔性を有し、プラズマの影響から部品の下地材料を保護することができるが、コーティングは、ある反応物の浸透を防止するための十分な完全性に欠ける。これは、全てのサーマル溶射コーティングの共通の特徴が冷えた表面に高速で衝突して平坦化された小さな粒の急速な凝固に起因するレンズ状又は薄板状のグレイン構造であるからである。これは、機械的な連結及び拡散ボンディングにおいて実質的に強いカバーを生成するが、小さな隙間、細孔、微細な割れ目及びイットリアコーティング内の不完全なボンディングの領域も生成する。不十分なイットリアコーティングは、例えば、15%の開口容積を有する。これは、化学薬品の陽極処理されたアルミニウム基板への浸透を潜在的に可能にすることを意味する。
【0010】
プラズマ溶射で被覆したイットリアは、プラズマチャンバでの使用の後の陽極処理された表面とセラミック表面の両方から剥がれることが観察された。これらの欠陥は、高度なチャンバ材料としてのイットリアの寿命を縮め、コストの増加の一因となる。理論に結びつけることができないため、イットリアコーティングの欠陥について4つの要因が検討された。これらのモデルはあくまで説明のためであり、他にもモデルが存在しうることが理解されるであろう。
【0011】
1.アルミニウムエッチングチャンバで使用される部品又は陽極処理された層を有する部品について、使用したエッチング部品の上で観察される副生成物は、大気の空気中の水分と反応して酸を形成する。例えば、金属エッチング副生成物(AlCl)は、HOと反応して塩酸(HCl)を形成する。反応は、以下の通りである。
【0012】
2AlCl+3HO=2Al(OH)+6HCl (1)
イットリアは容積で約5%の多孔性を有しているため、陽極された基板又はセラミック基板の場合のそれぞれで、形成されたHClは細孔を介して浸透し、イットリア/陽極処理層の界面又はイットリア/セラミックの界面のいずれかに到達する。HClは、界面においてイットリアを攻撃し、その結果、結合強度を低下させる。
【0013】
陽極処理されたアルミニウム基板の場合には、HClは、陽極処理された層の微細なクラックを介してアルミニウムに到達し、その結果、水素ガス(H)を生成する化学反応が生じ、イットリアコーティングの層間剥離の潜在的な原因となる。反応は、以下の通りである。
【0014】
6HCl+2Al=2AlCl+3H (2)
更に、プロセスを再び開始し、生成された塩化アルミニウムは、水分と再び反応して追加の塩酸を形成する可能性がある。十分な水素ガスが陽極処理されたアルミニウム層の下に生成されると、ガスポケットが形成される。十分な圧力が形成された場合、その上の層に実質的なダメージが与えられる。即ち、陽極処理されたアルミニウムとイットリア層の剥げ落ち又は剥がれを最終的には引き起こす気泡が形成されるかもしれない。イットリア表面上のHClの形成を防止するための手順は、2005年9月30日に提出され、共有所有する米国特許出願第11/239,396号、「取り外したプラズマチャンバ部品をクリーニングする前の保管時間の延長(Extending Storage Time Of Removed Plasma Chamber Components Prior To Cleaning Thereof)」に開示されており、その全体を参照によって本明細書に合体する。
【0015】
2.イットリアを被覆した部分の精密なウエットクリーニングの後、イットリアコーティングが完全にベークされていない場合、不完全な水分の離脱を生じる。この場合、その後の金属エッチングプロセス中、Clは残余の水分と反応してHClを形成する。この反応は、コーティングの下に熱及びHClを生成し、多くの極小さな気泡及びイットリアコーティング表面の層間剥離を発生させる。
【0016】
3.プラズマ溶射コーティングは、ターゲット表面との物理的な結合を生じる。ビードブラストは陽極処理された目標又はセラミック表面を粗くするために用いられ、イットリアコーティングと表面との間の結合強度を高める。一様でない品質管理によるビードブラスト処理のバリエーションは、プラズマ溶射コーティング前のターゲット基板の表面クリーニングと同様に、結合強度に影響を与える。従って、部品の製造の品質管理は、イットリアプラズマ溶射コーティングの寿命に影響を与える。
【0017】
4.ウエットクリーニング中、高い超音波パワー密度又は高い圧力の水洗(water flush)の使用は、剥離を促進する。ウエットクリーニングの後、高い圧力の気流又は広範囲の酸拭き取りなどの部品表面を乾かすための技術は、イットリアコーティングの剥離を引き起こす可能性がある。
【0018】
メカニズムに関わらず、表面層の剥離は、副生成物のエッチングにおいて観察された。上述したプラズマ処理チャンバでのイットリアを被覆した部品の使用に関する欠点を鑑みて、異なる、より適切な材料を備える部品を開発するために、更なる研究が行われた。これらの研究の結果、代替の製造技術を備える部品は、上述した欠点を生じることなく、使用できることを発見した。好ましい実施形態によれば、同時焼結したアルミナとイットリアとを備える部品は、イットリア保護層の剥離に対して優れた保護を提供する。
【0019】
イットリアは、それ自身、低い機械強度を有する。例えば、イットリアは、140MPaの曲げ強度及び1.2MPam1/2の破壊靭性を有し、両方の値は、誘電体ウィンドウの製造にとっては不十分と考えられる。ある焼結した高純度イットリアは、エッジリング、フォーカスリング及びライナーなどのチャンバ部品の固体材料として製造されていたが、そのような部品は要求されたほどの強度ではなく、高価になる。高純度イットリアの薄い層は、上述したイットリアの利点を提供することができる。イットリアの層は、イットリアよりも好ましい機械的特性を有する高純度アルミナウィンドウに適用することが可能である。例えば、アルミナは、350MPaの曲げ強度及び4.5MPam1/2の破壊靭性を有し、イットリアの対応する値の2.5及び3.75倍である。好ましい実施形態では、RF結合のための誘電体ウィンドウの基材としての高純度アルミナ(99.7%)の使用は、誘電体ウィンドウの機械的特性の必要条件を満たす。
【0020】
以下の詳細な例は、107のような誘電体ウィンドウ部品の製造に適用された同時焼結処理(co−sintering process)を記述する。それは、排他的であるのではなく実例であることを意図している。

例1: 好ましい実施形態におけるセラミックウィンドウの製造は、以下のステップを備える:
アルミナ粉末は、未焼結体を形成するために、ポリマー結合剤と共に機械混合される。イットリア粉末及び結合剤は、第2の未焼結体を形成するために、同様に混合される。各未焼結体は、滑らかな表面及び少なくとも所望の最終直径の直径を備えた平面ディスクで形成される。かかるディスクは、約33mmの厚さの高純度アルミナと約5mmの厚さの高純度イットリアの2層構造で形成される。2層構造は、未焼結体の機械加工のための準備において、形成ステップの一部として共にプレスされる。かかる構造は、ディスクの中心軸に沿って、平衡に又は一定方向に共にプレスされる。この例では、セラミックウィンドウのトータルの厚さは約1.5インチであり、誘電体ウィンドウの所望のターゲット厚さである。
【0021】
そして、2層構造は、未焼結体のまま、ホットプレートなどの乾燥プロセスを用いて、約100〜200℃の温度で乾燥される。この時点で、圧力は除去され、未焼結体は、所望の形状を形成するために機械加工することができる。その後、未焼結体は、大気環境の炉の中でアニールされる。また、H又はNなどのアニールガスを大気の代わりに使用することもできる。セラミック材料の相対的に低い耐熱衝撃性ために、緩い温度傾斜が使用される。約1600℃の焼結温度に達するために、少なくとも約1日(24時間)の傾斜上昇時間(ramp−up time)を使用することができる。焼結温度は、緩い温度傾斜下降(slow temperature ramp−down)が実行される前に、少なくとも約5日(120時間)維持される。傾斜下降時間は、傾斜上昇時間と同等に、少なくとも約1日(24時間)であることが好ましい。
【0022】
随意的に、より一貫した処理結果を促進させるための焼結処理中に、平衡又は一定方向の圧力が付与される。この場合、焼結処理は、「HIP(Hot Isostatic Pressureの頭文字)」処理と呼ばれる。
【0023】
アニールの後、未焼結体は、所望の表面仕上げを実現するために、機械的に研磨及び/又は重ね合わせされる。更に、形状の確認に加えて、クラック、摩耗又は粗さを確認する検査が行われる。検査の後、未焼結体は、金属コンタミネーションを除去したクラス100のクリーンルームに送られる。クリーニング手順は、以下のシーケンスに要約される。
【0024】
1. 脱イオン水(純水)で5分間洗い流す
2. 部品をクリーンルームで拭く
3. 部品をフィルターしたクリーンなドライエアー(CDA)でブロードライ
4. 20から30分間インプロピルアルコールで拭く
5. 部品を10分間アセトンに浸した後、拭いてDI水で洗い流す
6. 部品をフィルターしたCDAでブロードライ
7. 部品をアンモニア(29%)、過酸化水素(30%)及び水の溶液(容量比率1:1:2〜1:1:5)に常温で30分間置く
8. 5分間DI水で洗い流す
9. 部品を硝酸、HF及び水の溶液(容量比率1:1:10)に置く
10. 表面を2分間拭く
11. 5から10分間DI水で洗い流す
12. 常温で1時間DI超音波
13. フィルターしたCDAを使用してブロードライ
14. 2時間120℃のオーブンでベーク
オーブンベークの後、未焼結体は、例えば、ペンタゴンテクノロジーズ、へワード(CA)のQIII+Surface Particle Detectorなどの検査ツールを使用して、表面パーティクルを検査される。3ミクロンのパーティクル検出を閾値に設定し、最終示度は、0のカウント又は3つ以下のパーティクルのカウントであることが好ましい。未焼結体は、チャンバ部品として使用可能であり、クラス100のクリーンルームにおいてパッケージされる。
【0025】
焼結中、2層構造は、イットリアとアルミナの固溶体を備える3層構造を形成する。この固溶体は、YAl12の化学式、ガーネット属の結晶化合物を有するイットリウム−アルミニウムガーネット(YAG)の形態であることが好ましい。中間層としてのYAGの構成は、高純度アルミナ、YAG(アルミナ及びイットリア固溶体)及び高純度イットリアからなる層を備える3層構造を生じる。例示的形態においては、5mmのイットリアの初期厚さ及び33mmのアルミナの初期厚さは、約3mmのイットリア層の最終厚さ、約4mmのYAG層の最終厚さ及び約31mmのアルミナ層の最終厚さを生じる。即ち、アニール中、約2mmのイットリアとアルミナのそれぞれは、YAGの約4mmの厚さの層を形成するために消費される。
【0026】
層の厚さにおける焼結処理の結果の例示的な描写は、図2A及び図2Bに示される。図2Aは、イットリア層21とアルミナ層22とを備える2層のイットリア−アルミナ構造を示し、tは5mm、tは33mmである。焼結後に形成される3層構造は、図2Bに示され、イットリア層23と、アルミナ層25とを備える。また、YAGの中間層24が形成される。この例においては、tは約3mm、tは約4mm、tは約31mmである。
【0027】
最終構造は、HIP手順が使用されるかどうかに関わらず、実質的に、無孔性であることが好ましい。2層構造は未焼結体として形成されるため、焼結処理は、全ての層、即ち、アルミナ、YAG、イットリアを実質的に無孔性の層にする。どの層の多孔性も、サーマル溶射したイットリアコーティングの約5%以上の多孔性よりも著しく小さいことが好ましい。好ましくは、各層は約3%未満、更に好ましくは、約1%未満の多孔性を有する。
【0028】
高純度アルミナ及びイットリアが収縮率と同様な熱膨張係数を有するため、焼結処理は、湾曲又は他の好ましくない製造誤差を引き起こす基板へのストレスを導入しない。同時焼結されたウィンドウは、プラズマエッチング製造処理の間、汚染するパーティクルを最小限にして、優れた機械的特性を提供することができ、非常に小さい多孔性を有し、サーマル溶射したイットリアコーティングと比較して剥離に対する抵抗を改善した。プラズマ環境におけるプラズマ部品の寿命は、サーマル溶射したイットリアを被覆したセラミック部品の寿命を上回ることができる。焼結処理中に自然に生じる収縮は、焼結された合成ウィンドウの厚さを低減する。
【0029】
部品は、例えば、誘電体ウィンドウ、チャンバ壁、チャンバライナー、基板支持体、ガス分配プレート、プラズマ閉じ込めリング、ノズル、プラズマフォーカスリング、ホットエッジリング又は結合リングであり、それぞれは、プラズマ処理装置に使用することができる。好ましい実施形態によって製造された誘電体ウィンドウの例を図3に概略的に示す。誘電体ウィンドウは、外側のイットリア層31と、中間のYAG層32と、アルミナ層33とを備える。ウィンドウは、図1のウィンドウ107と同じ方位で示され、即ち、エッチングチャンバにおいて、イットリア表面31がチャンバの内部に向かって下向きになるようにして通常使用される。ガス注入器34も同様である。
【0030】
別の実施形態によれば、部品は、プラズマ溶射又はサーマル溶射イットリアコーティングの多孔性を封止するために付与された封止剤を備え、イットリア保護層の剥離に対して優れた保護を提供する。
【0031】
好ましい実施形態において、イットリアコーティングの表面への液体封止剤の付与は、HClの搬送を可能にするイットリアの経路を除去する機能を提供する。塩化アルミニウムと水との反応の結果として形成されたHClは、細孔を介したイットリア層への浸透を防止され、陽極処理された基板の場合にはイットリア/陽極処理された層の界面、又は、セラミック基板の場合にはイットリア/セラミックの界面に到達することを防止される。陽極処理されたアルミニウム基板の場合には、HClは、微細なクラックを介して陽極処理された層に到達することを防止される。
【0032】
典型的な封止剤は、HL126(登録商標)(パーマボンド、サマセット、NJ)である。HL126(登録商標)封止剤は、テトラエチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、サッカリン、クメンヒドロペルオキシド及びメタクリル酸を含む低い粘度の嫌気性封止剤である。それは、真空の下で、非常に小さな孔に浸透して孔を修復する。修復していない接着剤の特性は、水の粘度と同様に、25℃で20cPの粘度の液体を含む。接着剤は、5ミルまでのサイズのギャップを満たすことができると報告されている。
【0033】
HL126(登録商標)封止剤は、架橋(crosslinked)、サーモセットプラスチックを修復し、プロセスレシピにおけるCF及びCHFなどのパーシベーションガス(passivation gas)が低流量であっても、Cl2/BCl3エッチングガス化学的性質の下で高いプラズマ耐性を有する。修復した封止剤は、実質的に、細孔を封止し、金属エッチングアプリケーションにおいて、イットリア溶射で被覆した部分を含むプラズマ溶射で被覆した部分の寿命を延長する。
【0034】
イットリアの適用を開始して、イットリアコーティングに封止剤を付与する典型的な手順は、以下の通りである。基板の形態(morphology)及びクリーニングは、イットリアコーティングの前に準備され、ターゲット表面を粗くするためのビードブラストを備える。ターゲット表面は、アルミニウムのような陽極処理された材料の陽極処理層又はセラミック材料のセラミック表面である。ターゲット表面は、プラズマ又はサーマル溶射コーティングで被覆される。コーティングの後、かかる部分はクリーニング及びベークされる。そして、液体封止剤が、隙間、細孔、微細な割れ目及びイットリアコーティング層内の結合が不完全な領域を封止するために適用される。封止剤はクリーンなナイロンペイントブラシでブラシされ、全ての表面はブラッシング動作で湿らされる。封止剤適用の後、最終の精密なウエットクリーニングが実行される。そして、オーブンは、所望の温度に加熱し、オーブンの大気を排気し、Nパージを導入することによって準備される。基板は、150℃で2時間、オーブンの中で修復される。
【0035】
修復の後、第2の封止剤コートが第1のコートと同じ方法で適用され、別の修復サイクルが第1の修復サイクルと同じ条件の下で実行される。最後に、かかる部分は、最終検査及び最終パッケージに従属する。第2のサイクルの後、プラズマ溶射で被覆したイットリアは、化学的な攻撃、特に、HClによる攻撃に対して耐性を有する。コーティング/基板の界面におけるHClの攻撃に対して増強された免疫性は、イットリア層の剥離を低減させる。液体封止剤の2つのコートの使用での性能の向上は、以下の例で実証される。

例2:
通常のイットリアコーティングと異なる封止剤処理(different sealant histories)を備えたアルミナウィンドウを、室温で3時間以上、5wt%のHCl溶液に浸した。浸した後、ウィンドウは、腐食攻撃の形跡について視覚的に検査された。HCl溶液に浸した後に検査された第1のサンプル(封止剤のないウィンドウ)は、ほぼ完全なイットリアコーティングの溶解を示した。第2のサンプル(上述したタイプと同様な手順に従って適用された封止剤の単一のコートを備えるウィンドウ)は、コーティングにおいて水の摂取を示す乳白色への色変化が見られたが、剥離の徴候は見られなかった。上述した手順に従って封止剤の2つのコートが適用された第3のサンプルは、部分的な色変化及び剥離又は腐食が見られなかった。
【0036】
好ましい封止剤は、プラズマシステムの通常の使用過程の間、腐食動因の搬送を可能とするイットリアの経路を除去することで障壁として機能する能力を維持する。酸素プラズマは、チャンバの清潔及び一定のチャンバ能力の促進を維持するために、プラズマ処理過程の間、一般的に使用される。酸素プラズマへの露出は、イットリア表面から封止剤を除去する。従って、封止された表面の耐久性の1つの基準は、酸素プラズマへの露出の後の封止剤の完全性である。封止剤特性の完全性の1つの基準は、封止した表面の電気抵抗である。好ましい封止剤は、電気的に絶縁している。例えば、HL−126は、溶融石英と同様な1017Ohm−mの抵抗を有する。封止したイットリア表面の電気抵抗を測定することで、封止剤の封止特性の基準が決定される。
【0037】
封止剤の完全性をテストするために、イットリアを被覆したアルミニウム片は様々な時間で酸素プラズマ環境に露出され、続いて、希釈HCl溶液へのイットリア表面の露出を含む電気抵抗のテストが行われた。電気的テスト装置は、概略的に図4に示される。アルミナ基材41及びイットリアプラズマ溶射コーティング42を備える典型的な片は、イットリア被覆表面43が上に向くように維持された。閉じ込め壁44は、イットリア被覆表面43の上に載置され、閉じ込め壁44の中に希釈HCl溶液を容れることができるように構成される。1つのリード46は片のアルミニウム基材41に伝導的に取り付けられ、他方47は伝導性溶液45に浸された。2つのリード間の抵抗は、オーム計48を使用して、時間の関数として測定された。
【0038】
イットリアの抵抗は、溶液に露出したイットリアの面積の機能であると見込まれる。導電性ワイヤと類似して、溶液に露出した断面積が大きいほど、抵抗が低くなる。測定された抵抗は、抵抗及び抵抗率に関する標準方程式の関数であると仮定される。
【0039】
R=ρL/A (3)
Rは抵抗、ρは抵抗率、Lは長さ、Aは面積である。電気的テスト装置は、抵抗を測定し、抵抗と露出した面積の積(RA)が材料特性ρLの積を表すと見込まれる。この電気的テスト装置の場合、露出した面積は、閉じ込め壁44の内部の液体の面積である。このように、HClエッチング時間を関数として、測定した抵抗と露出した面積の積のプロットは、抵抗率と長さvs.時間のプロットを表すと見込まれる。
【0040】
様々な片のそれぞれのそのようなプロットは、図5に示される。かかるグラフは、トータルで8つの片の測定を示し、1つの曲線がそれぞれの片に関係している。8つの測定のうち、2つの51は封止剤を有していない片であり、6つの52はイットリア表面上に封止剤を有する片である。図5に示す凡例は、電気的テスト前の片のそれぞれの酸素プラズマへの露出の範囲を示す。例えば、RAvs.時間データが固体ひし形53で示される片は、HClでの抵抗テストの前に酸素プラズマに90分間露出された。データがほとんどお互いに重なっている固体三角形、四角形及び円形55で示される片は、酸素プラズマに10から20時間露出され、RAvs.時間データが十字形及びx形54で示される片は、HClでの抵抗テストの前に酸素プラズマに40時間露出された。一般的に、HClでの抵抗テストの前に酸素プラズマへの片の露出が長いほど、片のRAが低くなることがわかる。例えば、プラズマへの露出が40時間の片は、露出が90分間の片と比べ、同じRA積に到達するまでに必要な時間が1200秒短縮された。
【0041】
封止されていない片51のRAは低く開始し、封止された片のRAよりも早く低下することが、図5から更にわかる。HCl溶液への約20分間(1200秒間)の露出の後、封止されていない片のRAは0に近づく。全ての電気的テストの期間を通して、コーティングの抵抗がゼロ付近まで低下する前、被覆した片のRAは被覆していない片のRAの10倍以上であった。酸素プラズマに40時間露出しても、封止剤を備えた片のRAは、封止剤のない片(固体三角形及びダッシュ記号)51のRAの10倍以上であった。
【0042】
理論によって拘束されることなく、データは、イットリアコーティング内の開口容積に深く浸透することを示唆している。イットリアは、希釈HClがある状態でエッチングされることが知られている。ゼロに近づく抵抗の低下は、イットリアが完全にエッチングされ、残りのアルミニウムが伝導性のHCl溶液に直接接触していることを意味する。時間に対する被覆した及び被覆していない片のRAの傾斜が比較可能であることは、図5からわかる。イットリアコーティングは図4の回路における主要な抵抗を提供しているため、比較可能な傾斜の証拠は、2つの膜のエッチングレートを比較可能であることを意味する。イットリアの厚さが低減するにつれて、RAは、ρLと同等と見込めるため、比例して低減する。これは、エッチングレートが一定であると仮定できれば、測定した抵抗における明確な線形的な低減と一致する。
【0043】
抵抗曲線は、イットリア層への密着剤の深い浸透と一致する。HClにおける抵抗テストの前の酸素プラズマへの片のより大きな露出に対応する観察されたRAの低減は、酸素プラズマへの継続的な露出がイットリアの開口領域からの封止剤の除去し続けることを示唆する。明らかに、複雑なイットリア表面からの封止剤の除去の結果、表面下の封止剤が現われる。酸素プラズマへの封止した層の露出が大きくなると、より多くの封止剤が除去され、層の抵抗率が低下する。更に、封止した片のRA曲線は、傾斜のいたるところに、緩やかな変化を示す。封止剤がイットリア層の全体に浸透していなければ、封止剤の存在に起因する追加抵抗率は全てのイットリア層がエッチングされる前に除去されるため、急峻な傾斜の変化が見込まれる。従って、RA曲線の形状は、封止剤がイットリア/Alの界面までイットリア層の全体に効果的に浸透していることを示唆する。
【0044】
また、使用中に内部チャンバ表面にポリマー堆積が生じると見込まれるため、通常使用上の密着剤の寿命は、図5のデータの示唆を上回ることが見込まれる。酸素プラズマはこのポリマー堆積と反応するため、ポリマー堆積の存在により見込まれる影響はプラズマへの封止剤の露出の低減である。
【0045】
好ましい実施形態では、密着剤の使用によりプロセスシフトがほとんどない、即ち、密着剤を使用する場合と密着剤を使用しない場合のプロセス成功指標は、ほとんど差がない。いくつかのプロセス指標テストの例が提供される。そのようなテストの1つにおいて、チャンバにおけるRF誘電体ウィンドウが上述したタイプの封止剤で封止された場合と、ウィンドウが封止されていない場合とで、上部表面上に酸化物層を備える半導体ウエハがプラズマ処理チャンバでエッチングされた。2つの場合における誘電体エッチングレートデータが測定された。封止していないウィンドウを備えるチャンバでプロセスを行った場合、3σ厚みの変動は31.0%であり、555Åのエッチング後に残った誘電体の最終厚みが達成されたのに対し、封止したウィンドウを備えるチャンバでプロセスを行った場合、3σ厚みの変動は31.8%であり、521Åのエッチング後に残った誘電体の最終厚みが達成された。フォトレジストのエッチングの比較において、封止したウィンドウを備えるチャンバでプロセスを行った場合、3σ厚みの変動は10.6%であり、2049Åのアッシング後に残ったフォトレジストの最終厚みが達成されたのに対し、封止したウィンドウを備えたチャンバでプロセスを行った場合、3σ厚みの変動は10.9%であり、2030Åのアッシング後に残ったフォトレジストの最終厚みが達成された。これらの結果は、封止剤のみに直接起因するプロセスシフトが発生しなかったことを示唆する。
【0046】
チャンバ内の封止剤の存在による処理中での不純物の導入も見込まれない。HL−126の不純物濃度(consentration)は、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)を用いて実行された。測定されたHL−126の不純物は、以下の表でみることができる。
表1:
元素 密着剤(ppm)
鉄(Fe) 0.017
カルシウム 0.060
銅(Cu) 0.018
クロム(Cr) 0.048
コバルト(Co) <0.001
マグネシウム(Mg) 0.054
モリブデン(Mo) <0.005
ニッケル(Ni) 0.007
カリウム(K) 0.051
ナトリウム(Na) 57.0
スズ(Sn) 70.0
チタン(Ti) 80.0
亜鉛(Zn) 0.23
不純物のこのレベルは、封止した部品を備えるチャンバにおけるプラズマ処理を経たウエハ又は基板上で検出可能なレベルに帰着するとは見込まれず、封止剤のみに直接起因するプロセスシフトが発生しなかったことを示唆している。
【0047】
別のプロセス成功指標は、パーティクル発生の範囲の基準である。プラズマチャンバでの封止剤を備えた部品の使用の結果としてのパーティクルの導入は、プラズマ処理の間に発生したパーティクルを比較するために指定されたプロセスレシピの使用によって監視された。パーティクルレシピは、Cl、HBr及びNのプロセスガスの使用と、むき出しのシリコンウエハに20秒間付加される45℃のチャック温度とを含む。プロセスによるパーティクル増加は、0.12μmの検出限界でパターンのない表面のパーティクルモニタリングツールTencor SP−1(KLA−Tencor,San Jose,CA)を用いて、プロセス前後のウエハ上のパーティクル数を測定することによって決定された。
【0048】
かかるプロセスは、チャンバにおけるRF誘電体ウィンドウが上述したタイプの封止剤で封止された場合と、ウィンドウが封止されていない場合とで、プラズマ処理チャンバで実行された。標準のウィンドウの場合については、パーティクル増加の数は35と測定され、封止したウィンドウの場合については、増加の数は48だった。増加におけるこの測定差は、重要であるとは考えられず、2つの場合が同等のプロセス性能を有する証拠となった。これらの結果は、封止剤のみに直接起因するプロセスシフトが発生しなかったことを示唆する。
【0049】
本発明は、特定の実施形態を参照して詳細に説明されているが、添付の請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によりそれらの実施形態において変形が実施されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバの3層部品を製造する方法であって、
第1の層と第2の層とを共にプレスすること、前記共にプレスした層を所望の寸法に加工することによって、2層の未焼結体(dual−layer green body)を形成するステップであって、
前記第1の層はアルミナパーティクルを備え、前記第2の層はイットリアパーティクルを備えるステップと、
前記2層の未焼結体を同時焼結するステップであって、前記第1の層と前記第2の層とが、焼結処理の間、密に接触して、アルミナの外層と、隣接する、イットリアとアルミナの固溶体を備える中間層と、隣接するイットリアの第2の外層とを備える3層部品を形成するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記中間層はYAGを備え、前記第1の層はアルミナの未焼結シート(green sheet)を備え、前記第2の層はイットリアの未焼結シートを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
イットリアの前記外層、前記中間層及びアルミナの前記外層のいずれかの多孔性は、3%未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
イットリアの前記外層、前記中間層及びアルミナの前記外層のいずれかの多孔性は、1%未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の層と前記第2の層とは、前記同時焼結処理の間、高温等方圧プレス(hot isostatically pressed)されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記未焼結体の前記第1の層及び前記第2の層は、滑らかな表面及び少なくとも所望の最終直径の直径を備えたディスク形状であり、前記未焼結体は、本質的に、前記第1の層及び前記第2の層からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記3層部品は、誘電体RF透過ウィンドウ(dielectric RF transmitting window)を形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記未焼結体の前記第1の層は約20mmから約40mmまでの厚さを有し、前記未焼結体の前記第2の層は約1nmから約9mmまでの厚さを有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記3層部品のイットリアの前記外層は約1mmから約5mmの厚さを有し、前記3層部品の前記中間層は約2mmから約6mmの厚さを有し、前記3層部品のアルミニウムの前記外層は約15mmから約45mmの厚さを有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記3層部品は、プラズマ処理装置のチャンバ壁、チャンバライナー、基板支持体、バッフル、ガス分配プレート、プラズマ閉じ込めリング、ノズル、プラズマフォーカスリング、ホットエッジリング、結合リング、チャック、ファスナー及び/又は発熱素子を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プラズマ処理チャンバの部品を取り付ける方法であって、前記チャンバの内部から部品を取り外すステップと、それを請求項1に記載の方法で製造された部品に取り替えるステップと、を有し、前記部品は、前記チャンバがプラズマ環境を生成するような動作をする場合に、イットリアの前記第2の外層が前記プラズマ環境に露出する少なくとも1つの表面を有するように、取り付けられることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記プラズマ処理チャンバは、伝導体エッチングチャンバであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記3層部品は、サーマル溶射されたイットリアコーティングと比較して、剥離に対して改善された抵抗を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
半導体基板をプラズマ処理する方法であって、請求項11に記載のプラズマ処理装置において前記基板を処理するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
プラズマ処理チャンバのイットリアプラズマ溶射を被覆した部品を封止する方法であって、
a)室温で50cP未満の粘度の液体嫌気性封止剤を前記部品の全てのイットリア層の表面に適用するステップと、
b)前記部品をウエットクリーニングするステップと、
c)ウエットクリーニングした部品を窒素環境における少なくとも150℃の温度で2時間以上修復させるステップと、
d)a)からc)と同じ手順を繰り返すことによって前記修復した基板に第2の液体嫌気性封止剤を適用するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項16】
前記封止剤は、テトラエチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、サッカリン、クメンヒドロペルオキシド及びメタクリル酸を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
封止したイットリアプラズマ溶射を被覆した層のそれぞれの抵抗率は、個々の封止していない層の抵抗率の10倍よりも大きいことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記封止剤は、前記イットリア層の全体に効果的に浸透することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
プラズマ処理する方法であって、プラズマ処理チャンバにおいて半導体基板を処理するステップを有し、前記チャンバは、請求項15に記載の方法によって封止されたイットリアプラズマ溶射を被覆した部品を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−515827(P2010−515827A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545563(P2009−545563)
【出願日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/000018
【国際公開番号】WO2008/088670
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】