説明

ペプチジル複素環式ケトン誘導体および製造方法

本発明は、一般式(I)
【化1】


[式中のあらゆる変数は本明細書で定義する通りである]
で表されるペプチジル複素環式ケトンの新規な製造方法に関する。本発明は、更に、新規な薬学的塩およびそれらの製造方法にも関する。前記式(I)で表されるペプチジル複素環式ケトンはトリプターゼの効力のある選択的阻害剤であり、呼吸管に関連した炎症病、例えば喘息およびアレルギー性鼻炎などの治療および予防で用いるに有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年8月5日付けで出願した米国仮出願60/492,646および2004年4月29日付けで出願した米国仮出願60/566,374(これは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般式(I)
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、A、R、R、Eおよびnは、本明細書で定義する通りである]
で表されるペプチジル複素環式ケトン誘導体の新規な製造方法に関する。
【0005】
本発明は、更に、前記式(IIa)
【0006】
【化2】

【0007】
で表される化合物の薬学的に許容され得る塩にも向けたものである。
【0008】
本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物およびこれの薬学的に許容され得る塩を製造する方法にも向けたものである。
【0009】
前記式(I)で表されるペプチジル複素環式ケトン誘導体は、トリプターゼの効力のある選択的阻害剤であり、呼吸管に関係した炎症病、例えば喘息およびアレルギー性鼻炎などばかりでなく他の免疫介在炎症性疾患、例えば関節リウマチ、結膜炎、乾癬、炎症性大腸炎、いろいろな血管および皮膚病などの治療および予防で用いるに有用である。
【0010】
式(I)で表される化合物のある製造方法が特許文献1に開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されている方法は、クロマトグラフィーによる分離を3回(1回は
逆相)行う必要があり、爆発性および毒性のある反応体(Dess−Martin酸化段階およびHF脱保護で)を用いる必要があり、低温(−78℃)を用いる必要があり、中間体が非結晶性でありかつ生成物流れが分離を要するジアステレオマー混合物であることから、大規模製造には適さない。従って、式(I)で表される化合物の製造に適していて大規模生産/製造制限を満足させる方法が必要とされているままである。
【0011】
塩基性アミノ酸のキラルケト複素環を製造する方法が特許文献2に開示されている。
【0012】
我々は、ここに、大規模合成に適した式(I)で表される化合物の新規な製造方法を記述する。より詳細には、本発明の方法では、毒性および/または爆発性の材料を使用せず、低温を必要とせずそして/またはクロマトグラフィーによる分離を必要としない。本発明の方法は、また、一方の立体異性体が優位を占める最終的生成物を生じさせようとする時にも適用可能である。
【特許文献1】Costanzo他、PCT公開WO 00/44733
【特許文献2】Berryman他、PCT公開WO97/48687
【発明の開示】
【0013】
発明の簡単な要約
本発明は、一般式(I)
【0014】
【化3】

【0015】
{式中、
Aは、置換C3−8シクロアルキルカルボニル[ここで、前記C3−8シクロアルキル基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルナンカルボニル[ここで、前記ノルボルナン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルネンカルボニル[ここで、前記ノルボルネン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アダマンタンカルボニル[ここで、前記アダマンチン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C
−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アリールカルボニル[ここで、前記アリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ヘテロアリールカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニル[ここで、前記ヘテロアリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ピリジルカルボニル、置換ピリジルカルボニル[ここで、前記ピリジン環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される1から3個の置換基である]、アミドC1−5アルキルカルボニル、
【0016】
【化4】

【0017】
DもしくはLアミノ酸[これは、これのカルボキシ末端の所で式(I)中に示されている
窒素と結合しており、そしてアラニン、グリシン、デヒドロプロリン、プロリン、置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、ピペコリン酸、置換ピペコリン酸(ここで、前記ピペコリン酸基のピペリジン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、バリン、ノルロイシン、ロイシン、t−ロイシン、イソロイシン、サルコシン、アスパラギン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸から成る群から選択され、ここで、
前記アミノ酸のアミノ末端は、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−8アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、スルホンアミド、アリールスルホニル、置換アリールスルホニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、カンファースルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、置換アリールスルフィニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)およびアリールカルボニルから成る群から選択される一員と連結している]、または2個のアミノ酸で構成されているポリペプチド[ここで、1番目のアミノ酸はDもしくはLアミノ酸であり、これのカルボキシ末端を通して式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてプロリンおよび置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、アラルキルオキシ、アリールまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される)から成る群から選択され、そして2番目のDもしくはLアミノ酸は、前記1番目のアミノ酸のアミノ末端と結合しており、そしてアスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、セリン、フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(ここで、前記フェニルの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、ニトロ、アミノ、N−C1−4アルキルアミノ、N,N−C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、シクロヘキシルグリシンおよびシクロヘキシルアラニンから成る群から選択され、ここで、前記2番目のアミノ酸のアミノ末端はC1−6アルキル、カルボキシC1−8アルキルおよびC1−10アルキルカルボニルから成る群の
一員で一置換されている]から成る群から選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、アリール、置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される]、C1−4アルコキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニル、C1−4アルキルスルホニルアミノおよびN,N−ジ−C1−4アルキルアミノスルホニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルカルボニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルおよび置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルキルカルボニルの中の1つ以上から選択される]から成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
Rは、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
nは、2から5の整数であり、
Eは、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、イソキサゾール−3−イル、1,2,3,4−オキサトリアゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1,2−d]チアジアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルおよびチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環であり、ここで、前記複素環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、フェニルC1−4アルキルアミノカルボニル、アリールまたは置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシおよびC1−4アルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1個以上である]から選択される}
で表される化合物またはこれの薬学的に許容され得る塩の新規な製造方法に向けたものであり、この方法は、
【0018】
【化5】

【0019】
式(III)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を適切な活性化剤と反応させることで相当する式(IV)[式中、Qは脱離基である]で表される化合物を生じさせ、
【0020】
【化6】

【0021】
前記式(IV)で表される化合物を式(V)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(V)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせ、
【0022】
【化7】

【0023】
前記式(VI)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VII)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【0024】
【化8】

【0025】
前記式(VII)で表される化合物と式(VIII)[式中、A’はA置換基の活性形態を表す]で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IX)で表される化合物を生じさせ、
【0026】
【化9】

【0027】
前記式(IX)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0028】
本発明は、更に、式(IIa)
【0029】
【化10】

【0030】
で表される化合物の製造方法にも向けたものであり、この方法は、
【0031】
【化11】

【0032】
式(IIIa)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を適切な活性化剤と反応させることで相当する式(IVa)[式中、Qは脱離基である]で表される化合物を生じさせ、
【0033】
【化12】

【0034】
前記式(IVa)で表される化合物を式(Va)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(Va)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VIa)で表される化合物を生じさせ、
【0035】
【化13】

【0036】
前記式(VIa)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIa)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【0037】
【化14】

【0038】
前記式(VIIa)で表される化合物と式(VIIIa)[式中、Pgは酸素保護基でありそしてQは脱離基である]で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IXa)で表される化合物を生じさせ、
【0039】
【化15】

【0040】
前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0041】
本発明は、更に、式(Ia)
【0042】
【化16】

【0043】
{式中、
Aは、置換C3−8シクロアルキルカルボニル[ここで、前記C3−8シクロアルキル基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアル
キルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルナンカルボニル[ここで、前記ノルボルナン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルネンカルボニル[ここで、前記ノルボルネン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アダマンタンカルボニル[ここで、前記アダマンチン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アリールカルボニル[ここで、前記アリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ヘテロアリールカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニル[ここで、前記ヘテロアリール上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ピリジルカルボニル、置換ピリジルカルボニル[ここで、前記ピリジン環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される1から3個の置換基である]、アミドC1−5アルキルカルボニル、
【0044】
【化17】

【0045】
DもしくはLアミノ酸[これは、これのカルボキシ末端の所で式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてアラニン、グリシン、デヒドロプロリン、プロリン、置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、ピペコリン酸、置換ピペコリン酸(ここで、前記ピペコリン酸基のピペリジン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、バリン、ノルロイシン、ロイシン、t−ロイシン、イソロイシン、サルコシン、アスパラギン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸から成る群から選択され、ここで、
前記アミノ酸のアミノ末端は、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−8アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4
アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、スルホンアミド、アリールスルホニル、置換アリールスルホニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、カンファースルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、置換アリールスルフィニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)およびアリールカルボニルから成る群から選択される一員と連結している]、または2個のアミノ酸で構成されているポリペプチド[ここで、1番目のアミノ酸はDもしくはLアミノ酸であり、これのカルボキシ末端を通して式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてプロリンおよび置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、アラルキルオキシ、アリールまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される)から成る群から選択され、そして2番目のDもしくはLアミノ酸は、前記1番目のアミノ酸のアミノ末端と結合しており、そしてアスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、セリン、フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(ここで、前記フェニルの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、ニトロ、アミノ、N−C1−4アルキルアミノ、N,N−C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、シクロヘキシルグリシンおよびシクロヘキシルアラニンから成る群から選択され、ここで、前記2番目のアミノ酸のアミノ末端はC1−6アルキル、カルボキシC1−8アルキルおよびC1−10アルキルカルボニルから成る群の員で一置換されている]から成る群から選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、アリール、置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される]、C1−4アルコキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニル、C1−4アルキルスルホニルアミノおよびN,N−ジ−C1−4アルキルアミノスルホニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルカルボニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルおよび置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカ
ルボニルアミノまたはC1−4アルキルカルボニルの中の1つ以上から選択される]から成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
Rは、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
nは、2から3の整数であり、
Eは、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、イソキサゾ−ル−3−イル、1,2,3,4−オキサトリアゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1,2−d]チアジアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルおよびチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環であり、ここで、前記複素環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、フェニルC1−4アルキルアミノカルボニル、アリールまたは置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシおよびC1−4アルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1個以上である]から選択される}
で表される化合物またはこれの薬学的に許容され得る塩の製造方法にも向けたものであり、この方法は、
【0046】
【化18】

【0047】
式(IIIb)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を前記式(IIIb)で表される化合物を環化させ得る活性化剤と反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、
【0048】
【化19】

【0049】
前記式(XI)で表される化合物を式(V)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(V)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VIb)で表される化合物を生じさせ、
【0050】
【化20】

【0051】
前記式(VIb)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIb)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【0052】
【化21】

【0053】
前記式(VIIb)で表される化合物と式(VIII)[式中、A’はA置換基の活性形態を表す]で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IXb)で表される化合物を生じさせ、
【0054】
【化22】

【0055】
前記式(IXb)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0056】
本発明は、更に、式(IIa)
【0057】
【化23】

【0058】
で表される化合物の製造方法にも向けたものであり、この方法は、
【0059】
【化24】

【0060】
式(IIIa)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を前記式(IIIa)で表される化合物を環化させ得る活性化剤と反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせ、
【0061】
【化25】

【0062】
前記式(XIa)で表される化合物を式(Va)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(Va)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VIa)で表される化合物を生じさせ、
【0063】
【化26】

【0064】
前記式(VIa)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIa)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【0065】
【化27】

【0066】
前記式(VIIa)で表される化合物と式(VIIIb)[式中、Qは脱離基である]で表される化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IXc)で表される化合物を生じさせ、
【0067】
【化28】

【0068】
前記式(IXc)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0069】
本発明は、更に、式(I)
【0070】
【化29】

【0071】
{式中、
Aは、置換C3−8シクロアルキルカルボニル[ここで、前記C3−8シクロアルキル基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルナンカルボニル[ここで、前記ノルボルナン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4
アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルネンカルボニル[ここで、前記ノルボルネン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アダマンタンカルボニル[ここで、前記アダマンチン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アリールカルボニル[ここで、前記アリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ヘテロアリールカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニル[ここで、前記ヘテロアリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ピリジルカルボニル、置換ピリジルカルボニル[ここで、前記ピリジン環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される1から3個の置換基である]、アミドC1−5アルキルカルボニル、
【0072】
【化30】

【0073】
DもしくはLアミノ酸[これは、これのカルボキシ末端の所で式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてアラニン、グリシン、デヒドロプロリン、プロリン、置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、ピペコリン酸、置換ピペコリン酸(ここで、前記ピペコリン酸基のピペリジン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、バリン、ノルロイシン、ロイシン、t−ロイシン、イソロイシン、サルコシン、アスパラギン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸から成る群から選択され、ここで、
前記アミノ酸のアミノ末端は、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、ホルミル
、C1−4アルコキシカルボニル、C1−8アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、スルホンアミド、アリールスルホニル、置換アリールスルホニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、カンファースルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、置換アリールスルフィニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)およびアリールカルボニルから成る群から選択される一員と連結している]、または2個のアミノ酸で構成されているポリペプチド[ここで、1番目のアミノ酸はDもしくはLアミノ酸であり、これのカルボキシ末端を通して式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてプロリンおよび置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、アラルキルオキシ、アリールまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される)から成る群から選択され、そして2番目のDもしくはLアミノ酸は、前記1番目のアミノ酸のアミノ末端と結合しており、そしてアスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、セリン、フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(ここで、前記フェニルの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、ニトロ、アミノ、N−C1−4アルキルアミノ、N,N−C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、シクロヘキシルグリシンおよびシクロヘキシルアラニンから成る群から選択され、ここで、前記2番目のアミノ酸のアミノ末端はC1−6アルキル、カルボキシC1−8アルキルおよびC1−10アルキルカルボニルから成る群の員で一置換されている]から成る群から選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、アリール、置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される]、C1−4アルコキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニル、C1−4アルキルスルホニルアミノおよびN,N−ジ−C1−4アルキルアミノスルホニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルカルボニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルおよび置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C
−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルキルカルボニルの中の1つ以上から選択される]から成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
Rは、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
nは、2から5の整数であり、
Eは、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、イソキサゾール−3−イル、1,2,3,4−オキサトリアゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1,2−d]チアジアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルおよびチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環であり、ここで、前記複素環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、フェニルC1−4アルキルアミノカルボニル、アリールまたは置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシおよびC1−4アルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1個以上である]から選択される}
で表される化合物またはこれの薬学的に許容され得る塩の製造方法にも向けたものであり、この方法は、
【0074】
【化31】

【0075】
式(IV)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基である]で表される適切に置換されている化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせ、
【0076】
【化32】

【0077】
前記式(XII)で表される化合物と式(VIII)[式中、A’はA置換基の活性形態を表す]で表される適切に置換されている化合物を極性溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0078】
本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物の硝酸塩にも向けたものである。本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物の硫酸塩にも向けたものである。
【0079】
本発明は、更に、単結晶X線による構造で特徴づけた式(IIa)で表される化合物の硫酸塩にも向けたものである。本発明は、更に、X線回折パターンで特徴づけた式(IIa)で表される化合物の硫酸塩にも向けたものである。本発明は、更に、X線回折パターンで特徴づけた式(IIa)で表される化合物の硝酸塩にも向けたものである。
【0080】
本発明は、更に、(1S)ジアステレオマーが優位を占める式(II)
【0081】
【化33】

【0082】
で表される化合物の硫酸塩を製造する方法にも向けたものである。
【0083】
本発明は、更に、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物にも向けたものである。
【0084】
本発明の具体例は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物と薬学的に受け入れられる担体を含んで成る薬剤組成物である。本発明の具体例は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物と薬学的に受け入れられる担体を混合することで生じさせた薬剤組成物である。本発明の具体例は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物と薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る薬剤組成物製造方法である。
【0085】
本発明の具体例は、炎症性疾患またはトリプシン介在疾患の治療を必要としている被験体を治療する方法であり、この方法は、前記被験体に本明細書に記述する方法のいずれか
に従って生じさせた化合物またはこの上に記述したときの薬剤組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0086】
本発明のさらなる具体例は、喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節炎、痛風性関節炎、一般的関節炎状態(即ち関節炎)、消化性潰瘍、結膜炎および春季カタル、炎症性大腸炎、クローン病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、蕁麻疹、水泡性類天疱瘡、強皮症、線維症、皮膚炎、乾癬、アンギオデマ(angiodema)、湿疹様皮膚炎、アナフィラキシー、過増殖性皮膚病、炎症性皮膚状態、肝硬変、糸球体腎炎、腎炎、血管炎症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄の治療および色素沈着過度の治療または予防を必要としている被験体におけるそれを治療または予防する方法であり、この方法は、前記被験体に本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物またはこの上に記述したときの薬剤組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0087】
本発明の別の例は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物を(a)喘息、(b)アレルギー性鼻炎、(c)関節リウマチ、(d)リウマチ様脊椎炎、(e)変形性関節炎、(f)痛風性関節炎、(g)関節炎、(h)消化性潰瘍、(i)結膜炎、(j)春季カタル、(k)炎症性大腸炎、(l)クローン病、(m)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、(n)蕁麻疹、(o)水泡性類天疱瘡、(p)強皮症、(q)線維症、(r)皮膚炎、(s)乾癬、(t)アンギオデマ、(u)湿疹様皮膚炎、(v)アナフィラキシー、(w)過増殖性皮膚病、(x)炎症性皮膚状態、(y)肝硬変、(z)糸球体腎炎、(aa)腎炎、(bb)血管炎症、(cc)アテローム性動脈硬化症、(dd)再狭窄または(ee)色素沈着過度の治療を必要としている被験体におけるそれを治療するための薬剤を製造する時に用いる例である。
【0088】
本発明の方法は、本明細書に記述するように、毒性および/または爆発性材料を使用せず、低温を必要とせずそして/またはクロマトグラフィーによる分離を必要としない点で以前に開示された方法に比べて有利である。本発明の方法は、また、一方の立体異性体が優位を占める最終的生成物を生じさせようとする時にも適用可能である。
発明の詳細な説明
本明細書で用いるときの「ハロゲン」は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
【0089】
本明細書で用いるときの用語「アルキル」は、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘わらず、炭素原子数が1から8またはこの範囲内のいずれかの数である直鎖および分枝鎖を包含する。アルキル基には、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。
【0090】
用語「アルケニル」および「アルキニル」も、同様に、炭素原子数がそれぞれ2から8またはこの範囲内のいずれかの数である直鎖および分枝鎖アルケンおよびアルキン基を包含する。
【0091】
本明細書で用いるときの「アルコキシ」は、特に明記しない限り、上述した直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなどを表す。
【0092】
本明細書で用いるときの用語「シクロアルキル」は、環の炭素原子を3から8個、好適には環の炭素原子を5から7個含有する基を表す。
【0093】
本明細書で用いるときの「アリール」は、特に明記しない限り、フェニル、ナフチルなどのときの芳香基を表す。
【0094】
本明細書で用いるときの「アラルキル」は、特に明記しない限り、アリール基で置換されているアルキル基を意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルなどが含まれる。
【0095】
本明細書で用いるときの用語「アラルキルオキシ」は、特に明記しない限り、アリール基で置換されているアルコキシ基を意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、ナフチルメトキシなどが含まれる。
【0096】
本明細書で用いるときの「ヘテロアリール」は、特に明記しない限り、炭素原子および
1から6個のヘテロ原子(好適には1から4個のヘテロ原子)(N、OまたはSから選択)で構成されている安定な5員もしくは6員の単環状芳香環構造または9員または10員のベンゾ縮合複素芳香環系のいずれかを表す。そのヘテロアリール基は結果として安定な構造が作り出されるようにヘテロ原子または炭素原子のいずれの所で結合していてもよい。適切なヘテロアリール基の例には、これらに限定するものでないが、ピロリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、フラニル、イミダゾリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイソキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニルなどが含まれる。
【0097】
本明細書で用いるときの用語「アミノアルキル」は、特に明記しない限り、アミノ基で置換されているアルキル基(即ち−アルキル−NH)を意味する。用語「アルキルアミノ」は、アルキル基で置換されているアミノ基(即ち−NH−アルキル)を意味する。用語「ジアルキルアミノ」は、2個のアルキル基(これらのアルキル基は同じまたは異なってもよい)で置換されているアミノ基(即ち−N−(アルキル))を意味する。
【0098】
本明細書で用いるときの用語「アミド」は、特に明記しない限り、−C(O)−NHを意味する。同様に、用語「アルキルアミド」は−C(O)−NH(アルキル)を意味しそして用語「ジアルキルアミド」は−C(O)−N(アルキル)を意味する。本明細書で用いるときの用語「スルホンアミド」は、特に明記しない限り、−SO−NHを意味する。同様に、用語「アルキルスルホンアミド」は−SO−NH(アルキル)を意味しそして用語「ジアルキルスルホンアミド」は−SO−N(アルキル)を意味する。
【0099】
本明細書で用いるときの記号「*」は、立体中心の存在を表す。
【0100】
本明細書で用いるときの用語「ジアステレオマー比」または「d.r.」は、特に明記しない限り、式(II)
【0101】
【化34】

【0102】
[式中、(1R)および(1S)配置は「*」(星付き)立体中心の所に存在する]
で表される化合物の(1S)ジアステレオマーに対する(1R)のモル比を意味する。
【0103】
本明細書で用いるときの用語「活性化剤」または「活性化用反応体」は、特に明記しない限り、化学種が化学反応をより速くか或は完全に起こすように化学種と反応する作用剤または反応体を意味する。活性化剤または反応体の適切な例には、これらに限定するものでないが、CDI、クロロ蟻酸イソブチル、PhPOCl、PhPOClとPhSHの混合物、塩化チオニル(相当する酸クロライドを生じさせる)、酸存在下の低級アルキルアルコール(相当する低級アルキルエステルを生じさせる)などが含まれる。他の適切な活性化剤およびそれらの使用方法を教科書、例えばBodanszky,M.、「Principles of Peptide Synthesis」、第2版、Springer−Verlag、1993などに見ることができる。
【0104】
本明細書で用いるときの用語「非プロトン性有機溶媒」は、特に明記しない限り、プロ
トンをもたらさない溶媒のいずれかを意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、DMF、ジオキサン、THF、アセトニトリル、ピリジン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、MTBE、トルエンなどが含まれる。
【0105】
本明細書で用いるときの用語「脱離基」は、特に明記しない限り、活性化された化合物に存在していて置換(substitution or displacement)反応中に脱離する帯電もしくは非帯電置換基を意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、−Cl、−O−C(O)−O−イソブチル、イミダゾリル、−S−フェニル、−S−(2−ピリジル)などが含まれる。
【0106】
本明細書で用いるときの用語「窒素保護基」は、特に明記しない限り、窒素原子が反応に参与しないように保護する目的で前記窒素原子と結合させることができかつ反応後に容易に除去することができる基を意味する。適切な窒素保護基には、これらに限定するものでないが、式−C(O)O−R’[式中、R’は例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CH−CH−などである]で表されるカルバメート基、式−C(O)−R”[式中、R”は例えばメチル、フェニル、トリフルオロメチルなどである]で表されるアミド基、式−SO−R”’[式中、R”’は例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンなどである]で表されるN−スルホニル誘導体基が含まれる。他の適切な窒素保護基を教科書、例えばT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Goups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991などに見ることができる。
【0107】
本明細書で用いるときの用語「酸素保護基」は、特に明記しない限り、酸素原子が反応に参与しないように保護する目的で前記酸素原子と結合させることができかつ反応後に容易に除去することができる基を意味する。適切な酸素保護基には、これらに限定するものでないが、t−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル(TMS)、MOM、THPなどが含まれる。他の適切な酸素保護基を教科書、例えばT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Goups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991などに見ることができる。
【0108】
本明細書で用いるときの用語「抗溶媒」は、特に明記しない限り、特定の物質を溶かさずかつそれを前記物質が入っている溶液に直接または蒸気拡散で添加すると前記物質の沈澱が促される溶媒を指す。
【0109】
置換基を言及する場合の用語「独立して」は、そのような置換基が2個以上可能な時にそのような置換基が互いに同じまたは異なってもよいことを意味する。
【0110】
個々の基(例えばフェニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール)が「置換されている」場合、そのような基は、置換基のリストから独立して選択した1個以上の置換基、好適には1から5個、より好適には1から3個、最も好適には1から2個の置換基を持ち得る。
【0111】
記述をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による修飾を受けさせていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが実際の所定値を指すことを意味しかつまた本技術分野の通常の技術を基にして妥当に推測されるであろう前記所定値の近似値(そのような所定値に関する実験および/または測定条件が理由の近似値を包含)も指すことを意味すると理解する。
【0112】
本明細書、特にスキームおよび実施例で用いる省略形は下記の通りである:
ACN=アセトニトリル
Arg=アルギニン
BOCまたはBoc=t−ブトキシカルボニル
CBzまたはZ=ベンジルオキシカルボニル
CDI=N,N’−カルボニルジイミダゾール
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DCC=1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE=ジクロロエタン
DCM=ジクロロメタン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc=酢酸エチル
Fmoc=N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)
HPLC=高圧液クロ
IPA=イソプロピルアルコール
Me=メチル
MeOH=メタノール
MOM=メトキシメチル
MTBE=メチル−t−ブチルエーテル
Mtr=2,3,6−トリメチル−4−メトキシ−フェニル−スルホニル
NMM=N−メチルモルホリン
Ph=フェニル
PhSH=ベンゼンチオール
PhPOCl=ジフェニルホスフィンクロライド
RBF=丸底フラスコ
TBDMSCl=t−ブチルジメチルクロロシラン
TEAまたはEtN=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
THP=テトラヒドロピラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
TMS=トリメチルシリル
XRD=X線回折
本発明の好適な態様における炎症性疾患は免疫介在炎症性疾患、より好適にはマスト細胞介在炎症性疾患である。免疫介在炎症性疾患の例には、これらに限定するものでないが、喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節炎、痛風性関節炎、一般的関節炎状態(即ち関節炎)、消化性潰瘍、結膜炎および春季カタル、炎症性大腸炎、クローン病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、蕁麻疹、水泡性類天疱瘡、強皮症、線維症、皮膚炎、乾癬、アンギオデマ、湿疹様皮膚炎、アナフィラキシー、過増殖性皮膚病、炎症性皮膚状態、肝硬変、糸球体腎炎、腎炎、血管炎症、アテローム性動脈硬化症および再狭窄が含まれる。
【0113】
本発明の別の態様における方法は色素沈着過度を治療または予防する方法である。
【0114】
本発明の1つの態様における方法は、nが3である式(I)で表される化合物を製造する方法である。
【0115】
本発明の1つの態様における方法は、Eがイミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、ベンズオキサゾール2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イルおよびキナゾリン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環(ここで、前記複素環上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから独立して選択される1から2個である)である式(I)で表される化合物を製造する方法である。Eは好適にはベンゾチアゾール−2−イルである。
【0116】
本発明の1つの態様における方法は、Rが水素でありかつRが水素である式(I)で表される化合物を製造する方法である。
【0117】
本発明の1つの態様における方法は、Aが1−アセチル−4R−ヒドロキシ−ピロリジン−2S−イル−カルボニルである式(I)で表される化合物を製造する方法である。
【0118】
本発明の1つの態様における方法は、式(II)
【0119】
【化35】

【0120】
で表される化合物を製造する方法である。
【0121】
本発明の別の態様における方法は、式(II)で表される化合物の(1S)ジアステレオマーを製造する方法である。
【0122】
本発明は、更に別の態様において、式(IIa)
【0123】
【化36】

【0124】
で表される化合物の製造方法に向けたものである。
【0125】
本発明は、更に、(1S)ジアステレオマーが優位を占める式(II)で表される化合物の硫酸塩の製造方法にも向けたものである。
【0126】
本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物の結晶性酸付加塩にも向けたものである。本発明の別の態様における塩は、式(IIa)で表される化合物の硝酸もしくは硫酸付加塩、好適には硫酸付加塩である。本発明の別の態様における塩は、式(IIa)で表される化合物の結晶性硝酸塩もしくは硫酸塩である。
【0127】
本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩を製造する方法にも向けたものである。本発明の1つの態様における方法は、式(IIa)で表される化合物の結晶性硝酸塩もしくは硫酸塩、好適には式(IIa)で表される化合物の結晶性硫酸塩の製造方法である。本発明の更に別の態様における方法は、式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩、好適には硫酸塩を精製する方法である。
【0128】
式(I)で表される化合物の調製はスキーム1に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0129】
【化37】

【0130】
従って、Pgが1番目の適切な窒素保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(Fmoc)など、好適にはBOCでありそしてPgが2番目の適切な窒素保護基、例えば4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニルスルホニル(MTr)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、p−トルエン−スルホニル、t−ブトキシカルボニル(BOC)など、好適にはMTrなどでありかつPgおよびPgがPg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである式(III)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と適切な活性化剤を好適には無水条件下で反応させる反応で前記式(III)で表される化合物のカルボン酸部分を活性にすることで相当する式(IV)で表される化合物[Qが脱離基である式(III)で表される化合物の活性形態]を生じさせる。次の段階を行う前に、場合により、前記式(IV)で表される化合物を単離してもよい。
【0131】
本分野の技術者は、次の段階を行う前に前記式(IV)で表される化合物を単離しない場合には前記式(III)で表される化合物から相当する式(IV)で表される化合物を生じさせる活性化を無水条件下で完了させておくのが好適であることを認識するであろう。
【0132】
例えば、前記式(III)で表される化合物とCDIを非プロトン性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、酢酸エチルなど中で反応させることなどでQがイミダゾリルである相当する式(IV)で表される化合物を生じさせることができる。
【0133】
別法として、前記式(III)で表される化合物とクロロ蟻酸イソブチルを有機塩基の存在、好適には第三級アミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ピリジンなどの存在下で約−20から約10℃の範囲内の温度の塩素置換溶媒、例えばDCE、DCMなど中で反応させた後にN,O−ジメチルヒドロキシアミンHCl塩および第三級アミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどを添加することでQがN(CH)(OCH)である相当する式(IV)で表される化合物を生じさせることができる。
【0134】
さらなる別法として、前記式(III)で表される化合物とPhPOClを有機塩基の存在、好適には第三級アミン塩基、例えばTEA、DIPEA、ピリジンなどの存在下で好適には約−20から約15℃の範囲内の温度の無水の非プロトン性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、MTBE、DCM、DCEなど中で反応させることでQが−O−POPhである相当する式(IV)で表される化合物を生じさせることができる。
【0135】
前記式(IV)で表される化合物をEがこの上で定義した通りでありそしてXがCl、BrおよびIから成る群から選択され、好適にはClまたはBr、より好適にはClである式(V)で表される適切に置換されている化合物が前記式(V)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒[即ち前記式(V)で表される化合物と反応しない無水の有機溶媒、この式(V)で表される化合物に不活性な無水の有機溶媒は、好適には、前記式(IV)で表される化合物の調製で用いた溶媒である]、例えばTHF、ジエチルエーテル、グライム、MTBEなどに入れることで生じさせた溶液もしくは懸濁液と反応させるが、好適には前記式(IV)で表される化合物を前記式(V)で表される化合物に添加し、好適には、反応温度を約−20から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−10から約5℃の範囲内に維持することで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせる。
【0136】
前記式(VI)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせる。
【0137】
例えば、Pgが酸性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばBOCなどの場合には、前記式(VI)で表される化合物と酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸(TFA)など、好適には塩酸を有機溶媒、例えばメタノール、酢酸エチル、グライム、THFなどまたはこれらの混合物、好適にはメタノールと酢酸エチルの混合物中で反応させることなどで相当する式(VII)で表される化合物を酸付加塩として生じさせる。
【0138】
別法として、Pgが接触水添条件下で除去可能な窒素保護基、例えばCBzなどの場合には、前記式(VI)で表される化合物と水素ガスを触媒量の触媒、例えば炭素に担持されているPdなどの存在下で酸、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などを存在させて反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせる。本分野の技術者は、そのような水添を酸の存在下で完了させる場合には脱保護によって相当する式(VII)で表される化合物が酸付加塩として生じることを理解するであろう。
【0139】
さらなる別法として、Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばFmocなどの場合には、前記式(VI)で表される化合物と第二級アミン塩基、例えばピペリジン、モルホリン、ジシクロヘキシルアミンなど、好適にはピペリジンを有機溶媒、例えば酢酸エチル、グライム、THFなど中で反応させることなどで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせる。
【0140】
好適には、Pgは酸性条件下または接触水添条件下で除去可能な窒素保護基である。本分野の技術者は、遊離アミン形態の前記式(VII)で表される化合物は経時的に安定ではないことを理解するであろう。従って、前記式(VII)で表される化合物を遊離アミンとして短時間以内、例えば有意な劣化が起こる前に次の段階で反応させるのが好適である。
【0141】
Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基の場合、好適には、前記式(VII)で
表される化合物を公知方法(例えば適切な酸、例えばHClなどとの反応)に従って酸付加塩として単離する。
【0142】
前記式(VII)で表される化合物とA’がA置換基の活性形態を表す式(VIII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を第三級アミン塩基、例えばDIPEA、TEA、N−メチルモルホリンなどの存在下の非プロトン性有機溶媒、例えばアセトニトリル、酢酸エチル、MTBE、THFなど、好適にはアセトニトリルまたはTHFなど中で好適には無水条件下で反応させるが、好適には前記式(VII)で表される化合物を前記式(VIII)で表される化合物に添加して、反応温度を好適には約−20℃から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−5から約5℃の範囲内に維持することすることで相当する式(IX)で表される化合物を生じさせる。
【0143】
本分野の技術者は、前記式(VIII)で表される化合物の場合、前記A基の1つ以上の部分を公知方法に従って保護する必要があるか或は保護するのが望ましい可能性があることを理解するであろう。適切な保護基には、これらに限定するものでないが、シリル含有保護基、例えばt−ブチル−ジメチル−シリルなど、ベンジル基、MOM基などが含まれる。そのようなA保護基は好適にはt−ブチル−ジメチル−シリルである。
【0144】
前記式(IX)で表される化合物に脱保護を公知方法に従って受けさせることでPg保護基(前記A基に保護を受けさせた場合にはA保護基)を除去することで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0145】
本分野の技術者は、この上に示したスキーム1に概略を示したときの方法を別法としてグアニジン部分に二保護を受けさせた式(III)で表される化合物、即ち式(X)
【0146】
【化38】

【0147】
[式中、Pgは3番目の適切な窒素保護基であり、そしてPgはPgと同じである]
で表される化合物に適用してもよいことを認識するであろう。本分野の技術者は、更に、Pg基の除去がPg基が除去される条件下で起こらないようにPg基を選択することも認識するであろう。より詳細には、Pg基の除去を公知方法に従ってPg保護基を脱保護除去すると同時にか、直前にか或は直後に行う。
【0148】
別法として、式(Ia)で表される化合物[即ちnが2から3から選択される整数である式(I)で表される化合物]の調製はスキーム2に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0149】
【化39】

【0150】
従って、nが2から3の整数であり、Pgが1番目の適切な窒素保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(Fmoc)など、好適にはBOCでありそしてPgが2番目の適切な窒素保護基、例えば4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニルスルホニル(MTr)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、p−トルエン−スルホニル、t−ブトキシカルボニル(BOC)など、好適にはMTrなどでありかつPgおよびPgがPg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである式(III)で表される化合物、即ち式(IIIb)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と前記式(IIIb)で表される化合物を環化させ得る活性化剤、例えばクロロ蟻酸イソブチル、SOCl
【0151】
【化40】

【0152】
(2,4,6−トリフルオロ−[1,3,5]トリアジン)などを反応させる反応で相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0153】
例えば、前記式(IIIb)で表される化合物と公知化合物であるクロロ蟻酸イソブチルを有機アミン塩基、好適には第三級アミン塩基、例えばTEA、DIPEA、ピリジンなどの存在下で好適には約−15から約10℃の範囲内の温度、より好適には−5から5℃の範囲内の温度の有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、グライム、MTBE、酢酸エチル、塩化メチレンなど、または有機溶媒と水の混合物、例えばTHF:水が1:1の混合物など中で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0154】
別法として、前記式(IIIb)で表される化合物とSOClを好適には約−20から約15℃の範囲内の温度、より好適には約−5から約5℃の範囲内の温度の非プロトン性有機溶媒[前記式(IIIb)で表される化合物に不活性な]、例えばDCM、DCE、トルエンなど中で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0155】
さらなる別法として、前記式(IIIb)で表される化合物と2,4,6−トリフルオロ−[1,3,5]トリアジン(またシアヌル酸フルオライドとしても知られる)を好適には約−20から約15℃の範囲内の温度、より好適には約−5から約5℃の範囲内の温度の非プロトン性有機溶媒[前記式(IIIb)で表される化合物に不活性な]、例えばDCM、DCE、トルエンなど中で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0156】
前記式(XI)で表される化合物とEがこの上で定義した通りでありそしてXがCl、BrおよびIから成る群から選択され、好適にはClまたはBr、より好適にはClである式(V)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)が前記式(V)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒[即ち前記式(V)で表される化合物と反応しない無水の有機溶媒、この式(V)で表される化合物に不活性な無水の有機溶媒は、好適には、前記式(IX)で表される化合物の調製で用いた溶媒である]、例えばTHF、ジエチルエーテル、グライム、MTBEなどに入れることで生じさせた溶液もしくは懸濁液と反応させるが、好適には前記式(IX)で表される化合物を前記式(V)で表される化合物に添加し、好適には、反応温度を約−20から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−10から約0℃の範囲内に維持、更により好適には反応温度を約−10から約5℃の範囲内に維持することで相当する式(VIb)で表される化合物を生じさせる。
【0157】
前記式(VIb)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIb)で表される化合物を生じさせる。
【0158】
例えば、Pgが酸性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばBOCなどの場合には、前記式(VIb)で表される化合物と酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸(TFA)など、好適には塩酸を有機溶媒、例えばメタノール、酢酸エチル、グライム、THFなどまたはこれらの混合物、好適にはメタノールと酢酸エチルの混合物中で反応させることなどで相当する式(VIIb)で表される化合物を酸付加塩として生じさせる。
【0159】
別法として、Pgが接触水添条件下で除去可能な窒素保護基、例えばCBzなどの場
合には、前記式(VIb)で表される化合物と水素ガスを触媒量の触媒、例えば炭素に担持されているPdなどの存在下で酸、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などを存在させて反応させることで相当する式(VIIb)で表される化合物を生じさせる。本分野の技術者は、そのような水添を酸の存在下で完了させる場合には脱保護によって相当する式(VIIb)で表される化合物が酸付加塩として生じることを認識するであろう。
【0160】
さらなる別法として、Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばFmocなどの場合には、前記式(VIb)で表される化合物と第二級アミン塩基、例えばピペリジン、モルホリン、ジシクロヘキシルアミンなど、好適にはピペリジンを有機溶媒、例えば酢酸エチル、グライム、THFなど中で反応させることなどで相当する式(VIIb)で表される化合物を生じさせる。
【0161】
好適には、Pgは酸性条件下または接触水添条件下で除去可能な窒素保護基である。
【0162】
本分野の技術者は、遊離アミン形態の前記式(VIIb)で表される化合物は経時的に安定ではないことを認識するであろう。従って、前記式(VIIb)で表される化合物を遊離アミンとして短時間以内、例えば有意な劣化が起こる前に次の段階で反応させるのが好適である。
【0163】
Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基の場合、好適には、前記式(VIIb)で表される化合物を公知方法(例えば適切な酸、例えばHClなどとの反応)に従って酸付加塩として単離する。
【0164】
前記式(VIIb)で表される化合物とA’がA置換基の活性形態を表す式(VIII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を第三級アミン塩基、例えばDIPEA、TEA、N−メチルモルホリンなどの存在下の非プロトン性有機溶媒、例えばアセトニトリル、酢酸エチル、MTBE、THFなど、好適にはアセトニトリルまたはTHFなど中で好適には無水条件下で反応させるが、好適には前記式(VIIb)で表される化合物を前記式(VIII)で表される化合物に添加して、反応温度を好適には約−20℃から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−5から約5℃の範囲内に維持することで相当する式(IXb)で表される化合物を生じさせる。
【0165】
本分野の技術者は、前記式(VIII)で表される化合物の場合、前記A基の1つ以上の部分を公知方法に従って保護する必要があるか或は保護するのが望ましい可能性があることを認識するであろう。適切な保護基には、これらに限定するものでないが、シリル含有保護基、例えばt−ブチル−ジメチル−シリルなど、ベンジル基、MOM基などが含まれる。そのようなA保護基は好適にはt−ブチル−ジメチル−シリルである。
【0166】
前記式(IXb)で表される化合物に脱保護を公知方法に従って受けさせることでPg保護基(前記A基に保護を受けさせた場合にはA保護基)を除去することで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる。
【0167】
式(VIb)、(VIII)(必要または望まれる場合)および(IXb)で表される化合物が有する保護基を公知方法に従って脱保護条件下で除去することができる(例えば本明細書に記述するようにしてか或はT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Goups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991に記述されているようにして)。
【0168】
本分野の技術者は、式(III)
【0169】
【化41】

【0170】
で表される化合物をラセミ体としてか、鏡像異性体の混合物としてか、一方の鏡像異性体が豊富に存在する鏡像異性体混合物としてか或は単一の鏡像異性体(即ち星印(*)を付けた立体中心の所に特定の立体配向を伴う)として選択してもよいことを認識するであろう。前記式(III)で表される化合物を好適には高純度の鏡像異性体としてか或は一方の鏡像異性体が豊富に存在する鏡像異性体混合物として選択する。そのような式(III)で表される化合物を好適には一方の鏡像異性体が約50パーセントより多い量、より好適には約80パーセントより多い量、更により好適には約95パーセントより多い量、最も好適には約99パーセントより多い量で存在するように選択する。
【0171】
別法として、式(I)で表される化合物の調製を、スキーム3に概略を示す方法に従って、相当する式(IV)で表される適切に置換されている化合物を用いることで実施することも可能である。
【0172】
【化42】

【0173】
従って、式(IV)で表される適切に置換されている化合物に脱保護を公知方法に従って受けさせて両方の保護基、即ちPgおよびPgを除去することで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせる。本分野の技術者は、保護基PgおよびPgの除去を同時または逐次的に実施してもよいことを認識するであろう。
【0174】
例えば、保護基の一方または両方が酸性条件下で除去可能な保護基、例えばBOCなどの場合には、前記式(VI)で表される化合物と酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などを極性溶媒、例えばアセトン、THF、DCMなど中で反応させる。
【0175】
別法として、保護基の一方または両方が水添条件下で除去可能な保護基、例えばCBzなどの場合には、前記式(IV)で表される化合物に接触水添を受けさせる。より詳細には、前記式(IV)で表される化合物に還元剤、例えばHガス、好適には圧力が約1か
ら70psi、好適には約50psiの水素ガスによる処理を触媒、例えば炭素に10%担持されているPd、炭素に担持されているPtなどの存在下で有機溶媒、例えばエタノール、メタノールなど中で受けさせる。
【0176】
さらなる別法として、保護基の一方または両方が塩基性条件下で除去可能な保護基、例えばFmocなどの場合には、前記式(IV)で表される化合物に塩基性開裂を受けさせる。より詳細には、前記式(IV)で表される化合物と塩基、例えばピペリジン、モルホリン、ジシクロヘキシルアミンなどを有機溶媒、例えばTHF、DMFなど中で反応させる。
【0177】
前記式(XII)で表される化合物とA’がA置換基の活性形態を表す式(VIII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を極性溶媒、例えば水、DMF、スルホランなど中で反応させるが、好適には反応温度を約−20℃から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−5から約5℃の範囲内に維持することで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0178】
本分野の技術者は、この上に示したスキーム3に概略を示した方法を別法としてグアニジン部分に二保護を受けさせた式(IV)で表される化合物、即ち式(XIII)
【0179】
【化43】

【0180】
[式中、Pgは適切な窒素保護基であり、そしてPgはPgと同じである]
で表される化合物に適用してもよいことを認識するであろう。この上のスキーム3に概略を示した方法では、前記式(IV)で表される化合物の代わりに式(XIII)で表される化合物を用い、脱保護によってPg、PgおよびPg基を除去することで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせた後、それを反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0181】
好適には、前記式(I)で表される化合物の単離を公知方法、例えば再結晶化またはカラムクロマトグラフィーなどで行う。
【0182】
別法として、前記式(I)で表される化合物を適切な酸と反応させることで相当する塩、好適には薬学的に許容され得る塩などを生じさせることも可能であり、次に、それに場合により公知方法、例えば再結晶化などによるさらなる精製を受けさせてもよい。
【0183】
あらゆる変数がこの上で定義した通りである前記式(III)で表される化合物は公知化合物または公知方法で調製可能な化合物である。例えば、前記式(III)で表される化合物の調製はスキーム4に概略を示すときの方法に従って実施可能である。
【0184】
【化44】

【0185】
従って、公知化合物または公知方法で調製可能な化合物である式(XIV)で表される適切に置換されている化合物を1番目の適切な窒素保護用反応体と反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせる。例えば、前記式(XIV)で表される化合物を無水BocおよびCBz−Clから成る群から選択した1番目の窒素保護用反応体と反応させることなどでPgがそれぞれBOCおよびCBzである相当する式(XV)で表される化合物を生じさせることができる。
【0186】
前記式(XV)で表される化合物を2番目の適切な窒素保護用反応体と反応させることで相当する式(III)で表される化合物を生じさせる。例えば、前記式(XV)で表される化合物を無水Boc、CBz−Cl、Mtr−Clおよび塩化トシルから成る群から選択した2番目の窒素保護用反応体と反応させることなどでPgがそれぞれBOC、CBz、MTrおよびp−トルエンスルホニルである相当する式(III)で表される化合物を生じさせることができる。
【0187】
前記式(III)で表される化合物を生じさせる時の保護基PgおよびPg(従って相当する窒素保護用反応体)の選択では、保護基Pgの除去が保護基Pgの除去が起こらない条件下で起こり得るように選択する。
【0188】
本分野の技術者は、更に、前記式(XV)で表される化合物を約2当量に等しいか或はそれ以上の量の2番目の窒素保護基と反応させることでPgとPgが同じである相当する式(X)で表される二保護化合物を生じさせることができることも認識するであろう。
【0189】
前記式(V)で表される化合物は公知化合物または公知方法、例えばスキーム5に概略を示す方法に従って調製可能な化合物である。
【0190】
【化45】

【0191】
従って、公知化合物または公知方法で調製可能な化合物である式(XVI)で表される適切に置換されている化合物[C1−4アルキル基が好適にはt−ブチルである]と公知化合物または公知方法で調製可能な化合物である式(XVII)で表される適切に置換されている化合物を前記式(XVI)で表される化合物に不活性でありかつ前記式(V)で表される化合物にも不活性である無水有機溶媒、例えば、THF、グライム、MTBEなど、好適にはTHF中で反応させることで相当する式(V)で表される化合物を生じさせる。
【0192】
EがベンゾチアゾールでありそしてXがClである式(V)で表される化合物の場合、
この式(V)で表される化合物は公知方法に従い、Yuan他、「Acta Chimica Sinica−Chinese Edition−Huaxue Xuebao、48(9)、(1990)、931−935頁に記述されている方法に従って調製可能である。
【0193】
前記式(VIII)で表される化合物は公知化合物または公知方法で調製可能な化合物である。例えば、前記式(VIII)で表される化合物の調製は、置換基Aのカルボン酸誘導体(例えば式A−OHで表される化合物)と適切な活性化剤を反応させることなどで実施可能である。
【0194】
例えば、置換基Aのカルボン酸誘導体である式A−OHで表される化合物とCDI(即ち活性化剤)を無水の非プロトン性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、酢酸エチルなど中で反応させることなどでA’が式A−イミダゾリルで表される化合物である相当する化合物A’を生じさせることができる。
【0195】
別法として、置換基Aのカルボン酸誘導体である式A−OHで表される化合物とクロロ蟻酸イソブチルを有機塩基の存在、好適には第三級アミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどの存在下で好適には約−20から約15℃の範囲内の温度の無水の非プロトン性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、MTBEなど中で反応させることでA’が混合無水物である相当する化合物A’、即ち式A−O−C(O)−O−イソブチルで表される化合物を生じさせることも可能である。
【0196】
他の適切な活性化剤および反応を教科書、例えばBodansky、Miklos、「Principles of Peptide Synthesis」、第2版、Springer−Verlag、1993に見ることができる。
【0197】
本発明の1つの態様における方法は、スキーム6に概略を示すように、式(IIa)で表される化合物の製造方法である。
【0198】
【化46】

【0199】
【化47】

【0200】
従って、Pgが1番目の適切な窒素保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(Fmoc)など、好適にはBOCでありそしてPgが2番目の適切な窒素保護基、例えば4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニルスルホニル(MTr)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、p−トルエン−スルホニル、t−ブトキシカルボニル(BOC)など、好適にはMTrなどでありかつPgおよびPgがPg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである式(IIIa)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と適切な活性化剤を好適には無水条件下で反応させる反応で前記式(IIIa)で表される化合物のカルボン酸部分を活性にすることで相当する式(IVa)で表される化合物、即ちQが脱離基、好適にはQがイミダゾリルである前記式(I
IIa)で表される化合物の活性形態を生じさせる。
【0201】
本分野の技術者は、次の段階を行う前に前記式(IVa)で表される化合物を単離しない場合には前記式(IIIa)で表される化合物から相当する式(IVa)で表される化合物を生じさせる活性化を無水条件下で完了させておくのが好適であることを認識するであろう。
【0202】
例えば、前記式(IIIa)で表される化合物とCDIを非プロトン性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、酢酸エチルなど中で反応させることなどでQがイミダゾリルである相当する式(IVa)で表される化合物を生じさせることができる。
【0203】
別法として、前記式(IIIa)で表される化合物とクロロ蟻酸イソブチルを有機塩基の存在、好適には第三級アミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ピリジンなどの存在下で約−20から約10℃の範囲内の温度の塩素置換溶媒、例えばDCE、DCMなど中で反応させた後にN,O−ジメチルヒドロキシアミンHCl塩および第三級アミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどを添加することでQが−N(CH)(OCH)である相当する式(IVa)で表される化合物を生じさせることができる。
【0204】
さらなる別法として、前記式(IIIa)で表される化合物とPhPOClを有機塩基の存在、好適には第三級アミン塩基、例えばTEA、DIPEA、ピリジンなどの存在下で好適には約−20から約15℃の範囲内の温度の無水の非プロトン性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、MTBE、DCM、DCEなど中で反応させることでQが−O−POPhである相当する式(IVa)で表される化合物を生じさせることができる。
【0205】
前記式(IVa)で表される化合物とXがCl、BrおよびIから成る群から選択され、好適にはClまたはBr、より好適にはClである式(Va)で表される適切に置換されている化合物が前記式(Va)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒[即ち前記式(Va)で表される化合物と反応しない無水の有機溶媒、この式(Va)で表される化合物に不活性な無水の有機溶媒は、好適には、前記式(IVa)で表される化合物の調製で用いた溶媒である]、例えばTHF、ジエチルエーテル、グライム、MTBEなどに入れることで生じさせた溶液もしくは懸濁液と反応させるが、好適には前記式(IVa)で表される化合物を前記式(Va)で表される化合物に添加し、好適には、反応温度を約−20から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−10から約5℃の範囲内に維持することで相当する式(VIa)で表される化合物を生じさせる。
【0206】
前記式(VIa)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせる。
【0207】
例えば、Pgが酸性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばBOCなどの場合には、前記式(VIa)で表される化合物と酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸(TFA)など、好適には塩酸を有機溶媒、例えばメタノール、酢酸エチル、グライム、THFなどまたはこれらの混合物、好適にはメタノールと酢酸エチルの混合物中で反応させることなどで相当する式(VIIa)で表される化合物を酸付加塩として生じさせる。
【0208】
別法として、Pgが接触水添条件下で除去可能な窒素保護基、例えばCBzなどの場合には、前記式(VIa)で表される化合物と水素ガスを触媒量の触媒、例えば炭素に担持されているPdなどの存在下で酸、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などを存在させて反応させることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせる。本分野の技術者は、そのような水添を酸の存在下で完了させる場合には脱保護によって相当する式(VIIa)で表される化合物が酸付加塩として生じることを認識するであろう。
【0209】
さらなる別法として、Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばFmocなどの場合には、前記式(VIa)で表される化合物と第二級アミン塩基、例えばピペリジン、モルホリン、ジシクロヘキシルアミンなど、好適にはピペリジンを有機溶媒、例えば酢酸エチル、グライム、THFなど中で反応させることなどで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせる。
【0210】
好適には、Pgは酸性条件下または接触水添条件下で除去可能な窒素保護基である。
【0211】
好適には、前記式(VIa)で表される化合物に脱保護を相当する式(VIIa)で表される化合物が酸付加塩としてもたらされる条件下で受けさせる。好適には、前記式(VIIa)で表される化合物を公知方法に従って単離し、より好適には、前記式(VIIa)で表される化合物を酸付加塩として単離する。
【0212】
本分野の技術者は、遊離アミン形態の前記式(VIIa)で表される化合物は経時的に安定ではないことを認識するであろう。従って、前記式(VIIa)で表される化合物を遊離アミンとして短時間以内、例えば有意な劣化が起こる前に次の段階で反応させるのが好適である。
【0213】
Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基の場合、好適には、前記式(VIIa)で表される化合物を公知方法(例えば適切な酸、例えばHClなどとの反応)に従って酸付加塩として単離する。
【0214】
前記式(VIIa)で表される化合物とPgが適切な酸素保護基、例えばt−ブチル−ジメチルシリル、ベンジル、MOMなど、好適にはt−ブチル−ジメチルシリルでありそしてQが脱離基、例えば−O−C(O)−O−イソブチル、イミダゾリルなどであり、好適にはQが−O−C(O)−O−イソブチルである式(VIIIa)で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基、例えばDIPEA、TEA、N−メチルモルホリンなどの存在下の非プロトン性有機溶媒、例えばアセトニトリル、酢酸エチル、MTBE、THFなど、好適にはアセトニトリルまたはTHFなど中で好適には無水条件下で反応させるが、好適には前記式(VIIa)で表される化合物を前記式(VIIIa)で表される化合物に添加して、反応温度を好適には約−20℃から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−5から約5℃の範囲内に維持することで相当する式(IXa)で表される化合物を生じさせる。
【0215】
前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を公知方法に従って受けさせることでPgおよびPg保護基を除去することで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる。
【0216】
別法として、前記式(VIIa)で表される化合物と式(VIIIb)
【0217】
【化48】

【0218】
[式中、Qは脱離基、例えば−O−C(O)−O−イソブチル、イミダゾリルなどであり、好適にはQは−O−C(O)−O−イソブチルである]
で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を非プロトン性有機溶媒、例えばアセトニトリル、酢酸エチル、MTBE、THFなど、好適にはアセトニトリルまたは水中などで好適には無水条件下で反応させるが、好適には前記式(VIIa)で表される化合物を前記式(VIIIb)で表される化合物に添加して、反応温度を約−20℃から約15℃の範囲内に維持することで相当する式(IXc)
【0219】
【化49】

【0220】
で表される化合物を生じさせることができる。
【0221】
次に、前記式(IXc)で表される化合物に脱保護を公知方法に従って受けさせてPg保護基を除去することで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる。
【0222】
本発明は、更に、スキーム7に概略を示すように、式(IIa)で表される化合物の製造方法にも向けたものである。
【0223】
【化50】

【0224】
【化51】

【0225】
従って、Pgが1番目の適切な窒素保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)(Fmoc)など、好適にはBOCでありそしてPgが2番目の適切な窒素保護基、例えば4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−フェニルスルホニル(MTr)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、p−トルエン−スルホニル、t−ブトキシカルボニル(BOC)など、好適にはCBzなどでありかつPgおよびPgがPg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである式(IIIa)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と前記式(IIIa)で表される化合物を環化させ得る活性化剤、例えばクロロ蟻酸イソブチル、SOCl
【0226】
【化52】

【0227】
(2,4,6−トリフルオロ−[1,3,5]トリアジン)などを反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせる。
【0228】
例えば、前記式(IIIa)で表される化合物と公知化合物であるクロロ蟻酸イソブチルを有機アミン塩基、好適には第三級アミン塩基、例えばTEA、DIPEA、ピリジンなどの存在下で好適には約−15から約10℃の範囲内の温度、より好適には−5から5℃の範囲内の温度の有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、グライム、MTBE、酢酸エチル、塩化メチレンなど、または有機溶媒と水の混合物、例えばTHF:水が1:1の混合物など中で反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせる。
【0229】
別法として、前記式(IIIa)で表される化合物とSOClを好適には約−20から約15℃の範囲内の温度、より好適には約−5から約5℃の範囲内の温度の非プロトン性有機溶媒[前記式(IIIa)で表される化合物に不活性な]、例えばDCM、DCE、トルエンなど中で反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせる。
【0230】
さらなる別法として、前記式(IIIa)で表される化合物と2,4,6−トリフルオロ−[1,3,5]トリアジン(またシアヌル酸フルオライドとしても知られる)を好適には約−20から約15℃の範囲内の温度、より好適には約−5から約5℃の範囲内の温度の非プロトン性有機溶媒[前記式(IIIa)で表される化合物に不活性な]、例えばDCM、DCE、トルエンなど中で反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせる。
【0231】
前記式(XIa)で表される化合物とXがCl、BrおよびIから成る群から選択され、好適にはClまたはBr、より好適にはClである式(Va)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)が前記式(Va)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒[即ち前記式(Va)で表される化合物と反応しない無水の有機溶媒、この式(Va)で表される化合物に不活性な無水の有機溶媒は、好適には、前記式(XIa)で表される化合物の調製で用いた溶媒である]、例えばTHF、ジエチルエーテル、グライム、MTBEなどに入れることで生じさせた溶液もしくは懸濁液と反応させるが、好適には前記式(XIa)で表される化合物を前記式(Va)で表される化合物に添加し、好適には、反応温度を約−20から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−10から約5℃の範囲内に維持、更により好適には反応温度を約−10から約−5℃の範囲内に維持することで相当する式(VIa)で表される化合物を生じさせる。
【0232】
前記式(VIa)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせる。
【0233】
例えば、Pgが酸性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばBOCなどの場合には、前記式(VIa)で表される化合物と酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸(TFA)など、好適には塩酸を有機溶媒、例えばメタノール、酢酸エチル、グライム、THFなどまたはこれらの混合物、好適にはメタノールと酢酸エチルの混合物中で反応させることなどで相当する式(VIIa)で表される化合物を酸付加塩として生じさせる。
【0234】
別法として、Pgが接触水添条件下で除去可能な窒素保護基、例えばCBzなどの場合には、前記式(VIa)で表される化合物と水素ガスを触媒量の触媒、例えば炭素に担
持されているPdなどの存在下で酸、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などを存在させて反応させることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせる。本分野の技術者は、そのような水添を酸の存在下で完了させる場合には脱保護によって相当する式(VIIa)で表される化合物が酸付加塩として生じることを認識するであろう。
【0235】
さらなる別法として、Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基、例えばFmocなどの場合には、前記式(VIa)で表される化合物と第二級アミン塩基、例えばピペリジン、モルホリン、ジシクロヘキシルアミンなど、好適にはピペリジンを有機溶媒、例えば酢酸エチル、グライム、THFなど中で反応させることなどで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせる。
【0236】
好適には、Pgは酸性条件下または接触水添条件下で除去可能な窒素保護基である。
【0237】
好適には、前記式(VIa)で表される化合物に脱保護を相当する式(VIIa)で表される化合物が酸付加塩としてもたらされる条件下で受けさせる。好適には、前記式(VIIa)で表される化合物を公知方法に従って単離し、より好適には、前記式(VIIa)で表される化合物を酸付加塩として単離する。
【0238】
本分野の技術者は、遊離アミン形態の前記式(VIIa)で表される化合物は経時的に安定ではないことを認識するであろう。従って、前記式(VIIa)で表される化合物を遊離アミンとして短時間以内、例えば有意な劣化が起こる前に次の段階で反応させるのが好適である。
【0239】
Pgが塩基性条件下で除去可能な窒素保護基の場合、好適には、前記式(VIIa)で表される化合物を公知方法(例えば適切な酸、例えばHClなどとの反応)に従って酸付加塩として単離する。
【0240】
前記式(VIIa)で表される化合物とQが脱離基、例えば−O−C(O)−O−イソブチル、イミダゾリルなどであり、好適にはQが−O−C(O)−O−イソブチルである式(VIIIb)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を非プロトン性有機溶媒、例えばアセトニトリル、酢酸エチル、MTBE、THFなど、好適にはアセトニトリルまたはTHFなど中で好適には無水条件下で反応させるが、好適には前記式(VIIIb)で表される化合物を前記式(VIIa)で表される化合物に添加して、反応温度を好適には約−20℃から約15℃の範囲内に維持、より好適には反応温度を約−15から約0℃の範囲内に維持することで相当する式(IXc)で表される化合物を生じさせる。
【0241】
本分野の技術者は、前記式(VIIIb)で表される化合物の場合、前記ヒドロキシ基を適切な酸素保護基で保護するのが望ましい可能性があることを認識するであろう。適切な保護基には、これらに限定するものでないが、シリル含有保護基、例えばt−ブチル−ジメチル−シリルなど、ベンジル基、MOM基などが含まれる。そのような保護基は好適にはt−ブチル−ジメチル−シリルである。
【0242】
前記式(IXc)で表される化合物に脱保護を公知方法に従って受けさせることでPg保護基[前記式(VIIIb)で表される化合物に保護を受けさせた場合、酸素保護基]を除去することで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる。
【0243】
前記式(IIa)で表される化合物の単離を好適には公知方法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化、再結晶化などで行う。
【0244】
別法として、前記式(IIa)で表される化合物と適切な酸、例えば塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸などを有機溶媒もしくは有機溶媒混合物、例えばメタノール、アセトニトリル、エタノール、1−ブタノール、アセトン、IPA、THF、メタノール/IPA、メタノール/THFなど中で反応させることで相当する式(IIa)で表される化合物の酸付加塩を生じさせることも可能である。
【0245】
本発明は、更に、前記式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩にも向けたものである。本発明の1つの態様における塩は、前記式(IIa)で表される化合物の結晶性硝酸塩もしくは硫酸塩である。
【0246】
単結晶X線による構造をCrystalytics Company(Lincoln、NE)に測定してもらった。前記式(IIa)で表される化合物の硫酸塩の黄色がかっ
たオレンジ色の単結晶をHO/イソプロパノールから薄板(寸法:0.09mmx0.33mmx0.46mm)として得たが、これは−80±2℃で単斜晶であり、空間群P2−C(No.4)であることに加えてa=10.653(1)Å、b=10.425(1)Å、c=11.448(1)Å、β=108.897(2)゜、V=1202.8(2)ÅおよびZ=2であった{dcalcd=1.504g・cm−3;μ(MoKα)=0.281mm−1}。Bruker Single Crystal SMART CCD Area Detector Diffraction Systemを用い、グラファイト−モノクロム酸化MoKα放射線(通常焦点密封型X線管を50kVおよび40mAで操作することによる)を用いて、半球全体の回折強度(0.30゜のωスキャン幅)を測定した。Bruker SAINTソフトウエアパッケージを用い、ピーク中心を用いて、3134個の反射に関して格子定数を測定した。BrukerプログラムSAINTを用いて、2θ(MoKα)が<57.47゜の全体で7805個の積分反射強度を得た。これらの中で5101個の反射が特殊であり、Rint=0.036を示した。「直接方法」技術を用いて構造を解く目的で、Bruker SHELXTL−PCソフトウエアパッケージを用いた。SHELXTL−PCソフトウエアパッケージを用い、F2データを用いることで、あらゆる段階の加重フルマトリックス(full−matrix)最小二乗微調整を実施した。合致における最終的一致係数(agreement factors)は下記である:3661個の独立反射が示す2θ(MoKα)<57.47゜およびI>2σ(I)の場合のR(Fが基になった非加重)=0.051;5101個の独立反射の全部が示す2θ(MoKα)<57.47゜の場合のR(Fが基になった非加重)=0.082およびwR(Fが基になった加重)=0.120。
【0247】
構造モデルに水素以外のあらゆる原子に関する異方性熱パラメーターおよびあらゆる水素原子に関する等方性熱パラメーターを組み入れた。酸素と結合している水素原子および窒素と結合している水素原子の位置決めを差フーリエ合成(difference Fourier synthesis)で行い、それらを構造モデルの中に独立した等方性原子として含めた。メチル基を最小二乗サイクルの中の3個の回転パラメーターを用いて堅い回転子として微調整した(理想化したsp混成幾何を用いかつ0.96ÅのC−H結合長を用いて)。そのような3個の回転パラメーターの最終的な微調整値によってC−C−Hの角度の範囲は103゜から119゜であることが分かった。残りの水素原子を構造モデルの中に個々の炭素上に「存在する」固定原子として含めた(理想化したspもしくはsp混成幾何を用いかつ0.95−1.00ÅのC−H結合長を用いて)。水素原子に関する等方性熱パラメーターはこれらが共有結合している炭素原子の相当する等方性熱パラメーターの1.2倍(メチル以外)または1.5倍(メチル)であると決めた。
【0248】
本発明は、更に、前記式(IIa)で表される化合物の硫酸塩にも向けたものであり、これを、単結晶X線による構造で測定した時の原子の位置、結合の長さおよび結合の角度で特徴づけ、これらは以下の表1−4に挙げる通りである。原子に番号を図1に示すときの固体状態の構造に従って付ける。
【0249】
【表1】

【0250】
a. 括弧の中の数値は最後の有効数字の推定標準偏差である。
b. 図1に従って原子に標識を付ける。
c. これは直交Uijテンソルの軌跡の1/3である。
【0251】
【表2】

【0252】
d. 酸素と結合している水素原子および窒素と結合している水素原子(H30、H50、H1N1、H1N2、H2N、H3N1、H3N2およびH5N)の位置決めを差フーリエ合成で行い、それらを構造モデルの中に独立した等方性原子として含めた。メチル基(C20およびこれの水素)を最小二乗サイクルの中の3個の回転パラメーターを用いて堅い回転子として微調整した(理想化したsp混成幾何を用いかつ0.96ÅのC−H結合長を用いて)。そのような3個の回転パラメーターの最終的な微調整値によってC−C−Hの角度の範囲は103゜から119゜であることが分かった。残りの水素原子を構造モデルの中に個々の炭素上に「存在する」固定原子として含めた(理想化したspもしくはsp混成幾何を用いかつ0.95−1.00ÅのC−H結合長を用いて)。H30、H50、H1N1、H1N2、H2N、H3N1、H3N2およびH5Nに関する等方性熱パラメーターをそれぞれ0.02(1)、0.08(2)、0.05(1)、0.05(1)、0.03(1)、0.06(1)、0.05(1)および0.02(1)Åの最終的Uiso値に微調整した。残りの水素原子の等方性熱パラメーターはそれらが共有結合している炭素原子の相当する等方性熱パラメーターの1.2倍(メチル以外)または1.5倍(メチル)の値であると決めた。
e. 炭素と共有結合している水素原子にそれらの炭素原子と同じ数値の下付き文字で標
識を付け、必要ならば、同じ炭素原子と結合している水素原子の間の区別を行う目的で追加的下付き文字(a、bまたはc)を付けた。酸素と結合している水素原子および窒素と結合している水素原子にそれらの酸素または窒素、即ち下付き文字を付けたOまたはNと同じ数値の下付き文字で標識を付け、必要ならば、同じ窒素と結合している水素原子の間の区別を行う目的で追加的下付き文字(1または2)を付けた。
f. 括弧の中の数値は最後の有効数字の推定標準偏差である。
【0253】
【表3】

【0254】
g. 括弧の中の数値は最後の有効数字の推定標準偏差である。
h. 図1に従って原子に標識を付ける。
【0255】
【表4】

【0256】
j. 括弧の中の数値は最後の有効数字の推定標準偏差である。
k. 図1に従って原子に標識を付ける。
【0257】
本発明は、更に、下記のX線回折ピークを包含する式(IIa)で表される化合物の硫酸塩にも向けたものである。
【0258】
【表5】

【0259】
本発明の1つの態様における塩は、表5に挙げたときの測定ピーク強度が約10%に等しいか或はそれ以上のXRDピークを包含する式(IIa)で表される化合物の結晶性硫酸塩である。
【0260】
本発明は、更に、下記のX線回折ピークを包含する式(IIa)で表される化合物の硝酸塩にも向けたものである。
【0261】
【表6】

【0262】
本発明の1つの態様における塩は、表6に挙げたときの測定ピーク強度が約10%に等しいか或はそれ以上のXRDピークを包含する式(IIa)で表される化合物の結晶性硝酸塩である。
【0263】
前記表5および6に挙げたときのピークを有するX線回折パターンを下記のようにして得た。サンプルを通常のX線回折(XRD)ホルダーの中にバックロードした。サンプルに走査を0.0165゜2θのステップサイズで1ステップ当たりの時間を10.16秒にして3から35゜2θに及んで受けさせた。有効走査速度は0.2067゜/秒であった。45kVおよび40mAの装置電圧および電流設定を用いた。
【0264】
本発明は、更に、(1S)ジアステレオマーが優位を占める式(II)
【0265】
【化53】

【0266】
で表される化合物の硫酸塩を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
(a)前記式(II)で表される化合物の酸付加塩、好適には薬学的に受け入れられる酸付加塩と水もしくは極性有機溶媒またはこれらの混合物を含んで成る溶液に弱塩基性イオン交換樹脂による処理を前記弱塩基性イオン交換樹脂を前記酸付加塩の酸を基準にして約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させて受けさせることで相当する式(II)で表される化合物を生じさせ、
(b)前記式(II)で表される化合物と硫酸を前記硫酸を前記式(II)で表される化合物の量を基準にして約1モル当量に相当する量で存在させて反応させることで(1S)ジアステレオマーが優位を占める相当する式(II)で表される化合物の硫酸塩を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0267】
本発明は、更に、前記式(IIa)で表される化合物の結晶性硝酸塩もしくは硫酸塩を製造する方法にも向けたものである。
【0268】
前記式(IIa)で表される化合物の硝酸塩の調製は、前記式(IIa)で表される化合物または前記式(IIa)で表される化合物の酸付加塩、例えばトリフルオロ酢酸付加塩、臭化水素酸付加塩、塩酸付加塩など[前記式(IIa)で表される化合物の酸付加塩は前記式(IIa)で表される化合物の硝酸塩でも硫酸塩でもない]と硝酸を有機溶媒もしくは有機溶媒混合物、例えばメタノール、エタノール、IPAなど中で反応させた後に必要に応じて抗溶媒、例えばアセトニトリル、アセトン、THFなどを加えることで相当する式(IIa)で表される化合物の硝酸塩を得ることで実施可能である。
【0269】
前記式(IIa)で表される化合物の硫酸塩の調製は、前記式(IIa)で表される化合物または前記式(IIa)で表される化合物の酸付加塩、例えばトリフルオロ酢酸付加塩、臭化水素酸付加塩、塩酸付加塩、硝酸付加塩など[前記式(IIa)で表される化合物の酸付加塩は前記式(IIa)で表される化合物の硫酸塩ではない]と硫酸を有機溶媒もしくは有機溶媒混合物、例えばメタノール、エタノール、IPAなど中で反応させた後に必要に応じて抗溶媒、例えばアセトニトリル、アセトン、THFなどを加えることで相当する式(IIa)で表される化合物の硫酸塩を得ることで実施可能である。
【0270】
好適には、前記式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩の再結晶化を公知方法に従って有機溶媒もしくは有機溶媒混合物、例えばIPA/水、エタノール/水、ブタノール/水、1−プロパノール/水など、好適にはIPA/水の混合物を用いて実施する。
【0271】
別法として、前記式(IIa)で表される化合物の塩、例えば塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トルエンスルホン酸塩、硝酸塩、硫酸塩などと前記式(IIa)で表される化合物の前記塩を中和し得るイオン交換樹脂、例えば弱塩基性アニオン交換樹脂(この弱塩基性アニオン交換樹脂が有する活性基は弱塩基、例えばジメチルアミン、第三級アミン、トリメチルアンモニウムなどである)、例えばDowex MWA−1、Dowex 66、Amberlyst A 21、Amberlite IRA−67など、好適には高容
量の弱塩基性アニオン交換樹脂、より好適にはDowex 66を極性溶媒もしくは極性溶媒混合物、例えばアセトニトリル、エタノール、メタノール/アセトニトリル、メタノール/IPA、メタノール/THF、メタノール/1−ブタノール、メタノール/アセトンなど、好適には前記式(IIa)で表される化合物の溶解度が最大である極性溶媒または極性溶媒混合物、より好適にはメタノール中で反応させることで前記式(IIa)で表される化合物の遊離塩基を生じさせる。
【0272】
この上に示した方法ではまた結果として前記式(IIa)で表される化合物のエピマー化も起こることで前記式(II)で表される化合物の(1S)と(1R)ジアステレオマーの混合物がもたらされる可能性もある。
【0273】
前記式(II)で表される化合物のエピマー化遊離塩基を酸、例えば硝酸、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸など、好適には硝酸または硫酸と反応させることで相当する式(II)で表される化合物の酸付加塩を生じさせる。好適には、前記式(II)で表される化合物を遊離塩基として酸と反応させ、より好適には、前記式(II)で表される化合物を遊離塩基として硝酸または硫酸と反応させ、それによって、相当する式(IIa)で表される化合物の所望ジアステレオマーの塩を選択的に結晶化させる。
【0274】
好適には、前記式(II)で表される化合物のエピマー化をもたらし得るイオン交換樹脂を選択することで、所望のジアステレオマーが約50%に等しいか或はそれ以上で存在するジアステレオマー混合物を生じさせる。好適には、その所望のジアステレオマーが60%に等しいか或はそれ以上の量で存在するようにする。
【0275】
本分野の技術者は、前記式(II)で表される化合物の望まれないジアステレオマー、即ち式(IIb):
【0276】
【化54】

【0277】
[これは、好適には、所望のジアステレオマーである前記式(IIa)で表される化合物の硫酸塩もしくは硝酸塩を結晶化させた時に溶液中に残存する]
をこの上に記述した方法に従って更に反応させる(即ち適切なイオン交換樹脂と反応させた後に酸と反応させる)ことで、所望のジアステレオマーである前記式(IIa)で表される化合物の硫酸塩もしくは硝酸塩をより多い量で生じさせることができることを認識するであろう。
【0278】
本分野の技術者は、本発明の反応段階をいろいろな溶媒もしくは溶媒系中で実施することができる場合に前記反応段階をまた適切な溶媒混合物もしくは溶媒系混合物中でも実施することができることを認識するであろう。
【0279】
本発明に従う化合物の製造工程で立体異性体の混合物がもたらされる場合、通常の技術、例えば調製用クロマトグラフィーなどを用いてそのような異性体の分離を行うことができる。そのような化合物はラセミ形態として調製可能であるか、或は鏡像特異的合成または分割のいずれかで個々の鏡像異性体を得ることも可能である。例えば、標準的技術、例えば光学活性酸、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸などとの塩を生じさせることでジアステレオマー対を
生じさせた後に分別結晶化を行いそして遊離塩基を再生させることなどで、そのような化合物をそれらの成分である鏡像異性体に分割することができる。また、ジアステレオマーエステルまたはアミドを生じさせた後にクロマトグラフィーによる分離を行いそしてキラル補助剤を除去することで、そのような化合物を分割することも可能である。別法として、キラルまたは鏡像選択的HPLCカラムを用いてそのような化合物の分割を行うことも可能である。
【0280】
本発明の化合物を製造する工程のいずれかの工程中に関係する分子のいずれかが有する敏感もしくは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性がある。これは通常の保護基、例えばJ.F.W.McOmie編集の「Protective Goups in Organic Chemistry」、Plenum Press、1973およびT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Goups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991に記述されている保護基などを用いて達成可能である。その保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。
【0281】
以下に示す実施例で本発明をより詳細に記述するが、これは本発明の説明を意図したものであり、本発明を限定することを意図するものでない。
【実施例1】
【0282】
[(3S)−1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−イミノ−メチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
【0283】
【化55】

【0284】
L−アルギニン(156g)と水(840g)とt−ブタノール(500g)の混合物にジ−t−ブチル−ジカーボネート(225g)を15℃で加えた。この混合物を25℃になるまで温めた後、この反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液(235g、30%重量/重量)を加えた。この混合物を一晩撹拌した後、−5℃になるまで冷却した。水酸化ナトリウム水溶液(810g、30%重量/重量)に続いてクロロ蟻酸ベンジル(483.3g)を加えた。その水相を廃棄した後、その有機相に水酸化カリウム(25g)をメタノール(270g)に入れることで生じさせた溶液を加えた。この混合物を周囲温度で5時間撹拌した。この反応混合物に水(500g)および飽和塩化ナトリウム水溶液(500g)を用いた加水分解を受けさせた。その水相を廃棄した。その有機相にテトラヒドロフランと水が1:1の混合物(900g)を加えた後、トリエチルアミン(135.5g)を0℃で加えた。次に、この反応混合物にクロロ蟻酸イソブチル(182g)を温度が10℃を超えないような添加速度で添加した。環化反応が完了した後の混合物を周囲温度になるまで加熱した。その水相を廃棄した。その有機相に水(200g)および飽和塩化ナトリウム水溶液(300g)を加えた。その水相を廃棄し、その有機相を10℃になるまで冷却した後、この混合物にメタノール(450g)を加えた。この反応混合物を0℃になるまで冷却した。撹拌を0℃で行った後、生成物を濾過しそして減圧下で乾燥させることで表題の化合物を無色の結晶性固体として得た。この粗生成物の再結晶化をメタノールを用いて行った。
融点:160−163℃;
MS:m/z=391(M+1)
【実施例2】
【0285】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]メチル]アミノ]ブチル
]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0286】
【化56】

【0287】
塩化t−ブチルマグネシウムをテトラヒドロフランに入れることで生じさせた溶液(1.6M)(2200g)にベンゾチアゾール(17.4g)を滴下した。この混合物を40分間撹拌した。[(3S)−1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−イミノ−メチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(20g)(実施例1と同様に調製)をテトラヒドロフラン(60g)に入れることで生じさせた懸濁液を−10℃で約15分間かけて加えた。この反応混合物を撹拌しながら−10℃に2時間維持した。次に、この反応混合物に氷(160g)と濃塩酸(77g)と酢酸エチル(120g)の混合物を加えた。その有機層を濃塩化ナトリウム水溶液:2Mの塩酸が1:1の混合物で2回洗浄した。その後、その有機相を塩化水素ガスそして1,4−ジオキサン中3.5Mの塩化水素溶液で処理した。この混合物を周囲温度で一晩撹拌した。脱boc段階(即ちBoc基の除去)が完了した後の混合物に蒸発を真空下で受けさせることで残留物を得て、それをアセトニトリル(50g)に入れて懸濁させた。
【0288】
別の反応槽の中でN−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(10.16g)とN−メチルモルホリン(5.93g)とアセトニトリル(110g)の混合物を−20℃になるまで冷却した。クロロ蟻酸イソブチル(8.15g)を約5分かけて加えた後の反応混合物を−20℃で30分間撹拌した。この混合物に−20℃でこの上で生じさせたアセトニトリル懸濁液を添加すると同時にN−メチルモルホリン(10g)も添加した。この反応混合物を−15℃で30分間撹拌した後、2Mの塩酸(200g)を用いて反応を消滅させた。有機溶媒を蒸発させた後、その水性残留物をメタノール(100g)で処理した。撹拌を30分間行った後、生成物を濾過しそして真空下40℃で乾燥させることで表題の化合物を無色の結晶性固体として得て、これの再結晶化をアセトニトリルと2Mの塩酸水溶液の混合物を用いて行った。
融点:197℃;
MS:m/z=581(M+1)
【実施例3】
【0289】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]−アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0290】
【化57】

【0291】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド(この上に示した実施例2と同様に調製)を濃臭化水素酸に入れることで生じさせた溶液を10℃で3時間撹拌することで表題の化合物を得た。
MS:m/z=447(M+1)
【実施例4】
【0292】
(4R)−1−アセチル−4−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−L−プロリン]
【0293】
【化58】

【0294】
1Lの3つ口丸底フラスコを炎で乾燥させた後、窒素下で冷却した。このRBFにTBDMSCl(93.1g)をアセトニトリル(350mL)に溶解させて加えた。この溶液を氷浴で約5−10℃になるまで冷却すると懸濁液が生じた。次に、この反応物を約0−5℃で撹拌しながら、この反応物にN−アセチル−L−ヒドロキシプロリン(50.0g)に続いてDBU(92mL)を滴下した。この反応物が淡黄色の透明な溶液に変わることを観察した。その溶液を氷浴から取り出して1時間撹拌した後、氷浴で0℃になるまで冷却した。次に、この反応物に水(50mL)を加えた後の溶液を25分間撹拌したが、この間に溶液が不透明な懸濁液に変わったことを観察した。この懸濁液を2Lのフラスコに移した。水(2000mL)を加えると結果として濃密な懸濁液が生じ、その溶液を濾過した後、フラスコを追加的水(400mL)で濯いだ。その濾過ケーキをAcN:HO(1:7、2X 500mL)で洗浄することで固体を得て、それを空気で10分間
乾燥させた後、真空下40℃で一晩乾燥させることで表題の化合物を白色粉末として得た。
【実施例5】
【0295】
(2S)−2−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル)アミノ]−5−[[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルホニル]−アミノ]メチル]アミノ]ペンタンチオ酸S−フェニルエステル
【0296】
【化59】

【0297】
段階A:
1Lの3つ口丸底フラスコにBoc−Arg−Mtr−OH・MtBE(50g)に続いてEtOAc(300mL)を加えた。その結果として生じた懸濁液をアルゴン下で撹拌しながら氷浴で0℃になるまで冷却した。次に、この溶液にEtN(26.7mL)をシリンジで加えると結果として透明な溶液が生じた。
段階B:
別の反応槽内でPhPOCl(22g)をEtOAc(50.0mL)に溶解させた後、125mLの滴下漏斗に移した。次に、この溶液を段階Aで生じさせた溶液に反応温度を0−5℃の範囲に維持しながら滴下した。次に、この反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次に、この反応混合物にシリンジでチオフェノール(9.8mL)を反応温度を0−5℃に維持しながら加えた。次に、この反応混合物を冷却しながら15分間撹拌した後、セライトの詰め物の上に置いて濾過した。前記RBFをEtOAc(3x20mL)で濯ぎかつ前記セライトの詰め物もEtOAc(2x50mL)で洗浄した。このEtOAc洗浄液を一緒にして1Lの分液漏斗に移し、1NのHCl(3x200mL)、NaHCO(3x200mL)そして水(2x200mL)で穏やかに洗浄しそして次に飽和NaCl(1x200mL)で洗浄した。その有機物を1Lの三角フラスコに移した後、MgSOで30分間乾燥させた。その結果として生じた溶液をセライトの詰め物の上に置いて濾過した後、その乾燥させた溶液を1LのRBFに移した。EtOAc溶媒を真空下で除去することで油を得て、それを高真空下に一晩置くことで表題の化合物を白色の粗発泡体として得た。
段階C:再結晶化
前記粗発泡体をトルエン(260mL)に溶解させた。次に、この溶液を激しく撹拌しながらこれにメチルシクロヘキサン(771mL)を滴下した。生成物が白色粉末として沈澱することで濃密なスラリーが生じた。このスラリーを真空濾過した後、その濾過ケーキをメチルシクロヘキサン(3x100mL)で洗浄した。その濾過ケーキを真空下40℃で一晩乾燥させることで表題の化合物を白色粉末として得た。
【実施例6】
【0298】
[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル
【0299】
【化60】




【0300】
段階A:
1,1’−カルボニルジイミダゾール(6.48g、40ミリモル)をTHF(23mL)に入れることで生じさせた室温のスラリーにカニューレでBoc−Arg(Mtr)−OH(2−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−5−[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル)フェニル]スルホニル]アミノ]メチル]−L−オルニチン)(18.00g、33.3ミリモル)をTHF(54mL)に入れることで生じさせた溶液を2分間かけて加えた。COが穏やかに発生することを観察しかつ内部反応温度が2℃上昇することも観察した。その結果として生じた明黄色の透明な溶液を室温で5分間に続いて若干の真空下で30分間撹拌した。
段階B:
別の反応槽内でCHCH−MgCl(200mL、400ミリモル)をTHF(100mL)に入れることで生じさせた溶液に4℃(冷水浴、3−5℃)でベンゾチアゾール(55.70g、400ミリモル)をTHF(100mL)に入れることで生じさせた溶液を2時間かけてゆっくり加えた。内部温度を約6−8℃に維持した。その結果として生じた暗褐色の溶液を8℃で10分間撹拌した。
段階C:
段階Aで得た溶液を滴下漏斗に移した後、段階Bで得た溶液に約25分間かけてゆっくり加えた。内部反応温度が約8−12℃であった。その結果として生じた暗赤色がかった溶液を10℃で15分間撹拌した。次に、この反応混合物を2MのHCl溶液(300mL、600ミリモル)とEtOAc(150mL)の冷(5−10℃)混合物に激しい撹拌を伴わせて2分間かけて移した。このクエンチ(quench)中に内部温度が約25℃に到達した。この添加後の褐色の混合物を冷水浴(7−10℃)内で5分間撹拌した。層分離を起こさせた後、その水層にEtOAc(150mL)を用いた抽出を受けさせた。その褐色がかった有機層を一緒にして飽和NaHCO溶液(150mL)、水(150mL)そして食塩水(150mL)で洗浄した後、MgSO(20g)で2時間乾燥させた。濾過を行いそしてその溶液に濃縮を真空下で受けさせて約140mLにした後、その粗混合物(固体がいくらか生じた)を滴下漏斗に移して、そのフラスコをEtOAc(40mL)で濯ぐことで全体積が180mLになった。この混合物をヘプタン(600mL)とEtOAc(60mL)の混合物に撹拌しながら安定した流れとして加えた。撹拌を15−30分間行った後、固体状生成物を真空濾過で集めて、EtOAc/ヘプタン(1/4)(100mLx3)で洗浄した後、空気で一晩(約16時間)乾燥させることで表題の化合物を黄褐色の固体として得た。
MS:m/z=604(M+H)
【実施例7】
【0301】
二塩酸N−[[[4−アミノ−5−(2−ベンゾチアゾリル)−5−オキソペンチル]アミノ]イミノメチル]−4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホンアミド
【0302】
【化61】

【0303】
12Lの4つ口丸底フラスコに入れたTHF(8L)の冷(氷水浴)溶液(15℃)にHClガスを2個のフリット先端ガラス管に通して吹き込むと内部温度が25℃にまで上昇した。このHClガスの流速を内部温度が25℃を超えないように制御した。4−5時間後に温度が約11℃で安定になりかつ滴定でHCl溶液の濃度が9Mになったことが分かった。
【0304】
22Lの4つ口丸底フラスコに[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル(実施例6で調製)(1.897kg、1.38モル)を仕込んだ後、THF(2L)を加えた。その濃密な懸濁液を冷却用浴(氷水浴)内で撹拌しそして内部温度を約20℃にした。この懸濁液に冷HCl/THF溶液(11L)を30分かけて移した。前記懸濁液が暗褐色の透明な溶液になりかつ内部温度が25−28℃になった。5分後、TLCおよびHPLC分析で反応が完了したことが分かった。この反応溶液に周囲温度でNを2個のフリット先端ガラス管に通して吹き込むことによるパージ洗浄を3時間受けさせた。
【0305】
この反応溶液を120Lの反応槽に移した後、冷水で冷却した。内部温度が8℃未満に到達した後、その溶液を激しく撹拌しながらMTBE(48L)を安定した流れとして加えた。MTBE添加後に内部温度が12℃に到達し、冷水を取り外した。その黄色の懸濁液を周囲温度で15分間撹拌した。撹拌を停止すると固体が沈降し、その上部の透明な層をサイフォンで取り出した(約20L)。追加的MTBE(24L)を加えた後の懸濁液を周囲温度で15分間撹拌した。撹拌を停止すると固体が沈降し、その上部の透明な層をサイフォンで取り出した(約24L)。EtOAc(20L)を加えた後のスラリーを50℃で15分間撹拌した。それを30℃になるまで冷却した後、固体を真空濾過で集めて、EtOAc(8L)で洗浄した。結果として生じた表題の生成物を黄色の固体として得て、それを直ちに真空オーブンに入れて室温で24時間そして45℃で16時間乾燥させることで表題の化合物を褐色の固体として得た。
MS:m/z=504(M+H)
【実施例8】
【0306】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2−ピロリジンカルボキサミド
【0307】
【化62】

【0308】
実施例4と同様に調製した(4R)−1−アセチル−4−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−L−プロリン](81.15g、282.3ミリモル)とNMM(56.5mL、513.7ミリモル)をTHF(1000mL)に入れることで生じさせた溶液に0−5℃(氷水浴)でクロロ蟻酸イソブチル(36.6mL、282.3ミリモル)をTHF(200mL)に入れることで生じさせた溶液を15分かけて滴下した。滴下後の白色懸濁液を0−5℃で30分間撹拌した。追加的NMM(56.5mL、513.7ミリモル)を加えた後、実施例7と同様にして調製した固体状の二塩酸N−[[[4−アミノ−5−(2−ベンゾチアゾリル)−5−オキソペンチル]アミノ]イミノメチル]−4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホンアミド(148.0g、256.6ミリモル)を10分かけて分割して加えた。その容器および漏斗に残存している固体をTHF(100mL)で濯いだ。滴下後に内部温度が15℃に到達した。次に、その褐色がかった懸濁液を10−15℃で15分間撹拌した。HPLC分析で反応が完了したことが分かった。この反応混合物に飽和NHCl水溶液(400mL)と水(200mL)の混合物を用いたクエンチを受けさせた。層分離を起こさせた後、その有機層を飽和NHCl水溶液(200mL)と水(100mL)の混合物で洗浄した。その水層(pH=6.5)を一緒にしてEtOAc(200mL)で抽出した。層分離を起こさせた後、その有機層を一緒にして飽和NaHCO溶液(150mL)、水(2x150mL)そして次に食塩水(150mL)で洗浄した。そのHO洗浄液と食塩水洗浄液を一緒にして、それにEtOAc(200mL)による逆抽出を受けさせた。その有機層を一緒にしてMgSOで乾燥させた後、その粗溶液に濃縮をほぼ乾固するまで受けさせた。その粗油をEtOAc(800mL)に再溶解させた後、滴下漏斗に移した。前記フラスコをEtOAc(50mL)で濯いだ後、一緒にして前記滴下漏斗に入れた。このEtOAc溶液をヘプタン溶液(3500mL)に激しく撹拌しながら30分かけてゆっくり加えた。その結果として生じた明オレンジ色の懸濁液を室温で15分間撹拌した。固体を真空濾過で集め、ヘプタン(500mL)で洗浄した後、空気で24時間乾燥させることで表題の化合物を明褐色の固体として得た。
MS:m/z=773(M+1)
【実施例9】
【0309】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0310】
【化63】

【0311】
実施例8と同様に調製した化合物である(2S,4R)−1−アセチル−N−[1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2−ピロリジンカルボキサミド(26.00g)をm−クレゾール(39mL)と水(13mL)に入れることで生じさせた室温の懸濁液にTFA(208mL)をゆっくり添加した。添加後の褐色がかった溶液を50℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物をHPLCで分析することで反応が完了したことが分かった。揮発物を減圧下で除去した後、その粗残留物をMeOH(20mL)で希釈した。この粗溶液を室温のMTBE溶液(1500mL)に撹拌しながらゆっくり加えた。その結果として生じたベージュ色の懸濁液を室温で30分間撹拌した。固体が沈降した後、その上部の黄色の透明な溶液(約1000mL)をサイフォンで取り出し、そして更にMTBEの新鮮な溶液(1000mL)を加えた。その懸濁液を15分間撹拌した。固体を真空濾過で集め、MTBE(200mL)で洗浄した後、真空オーブンに入れて室温で16時間乾燥させることで表題の生成物を褐色の固体として得た。
MS:m/z=447(M+H)
【実施例10】
【0312】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミドの硝酸塩
【0313】
【化64】

【0314】
単一のジアステレオマーである(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミドのTFA塩(0.30g、0.4
93ミリモル)をアセトニトリル(4mL)に入れることで生じさせた溶液に、硝酸(43.7mg、0.493ミリモル)をアセトニトリル(1mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた。それを混合すると懸濁液が生じた。この懸濁液を加熱すると固体がある程度溶解し、そしてその後に冷却すると表題の化合物が固体として沈澱した。その固体状の硝酸塩を濾過した後、真空オーブンに入れて30℃で乾燥させた。
融点:175−179℃
元素分析:C2026S・1HNO・0.2H
計算値:C 46.78、H 6.09、N 19.10、S 6.25、
KF=0.79%
測定値:C 46.92、H 5.40、N 19.14、S 6.20、
F 0.35
KF=0.81%
【実施例11】
【0315】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミドの硫酸塩
【0316】
【化65】

【0317】
単一のジアステレオマーである(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミドのTFA塩(0.30g、0.493ミリモル)をアセトニトリル(4mL)に入れることで生じさせた溶液に、硫酸(48.3mg、0.493ミリモル)をアセトニトリル(1mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた。それを混合すると懸濁液が生じた。この懸濁液を加熱すると固体がある程度溶解し、そしてその後に冷却すると表題の化合物が固体として沈澱した。その固体を濾過した後、真空オーブンに入れて30℃で乾燥させた。
融点:214−216℃
元素分析:C2026S・1HSO・0.29H
計算値:C 43.69、H 5.24、N 15.29、S 11.67、
KF=0.96%
測定値:C 44.18、H 5.32、N 15.22、S 10.73、
F 1.15
KF=0.96%
【実施例12】
【0318】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硫酸塩
【0319】
【化66】

【0320】
12Lの3つ口ガラス製反応用フラスコに機械的撹拌機、冷却器、熱電対、1000mlの滴下漏斗および窒素入り口を取り付けて、それに実施例8と同様に調製した化合物である(2S,4R)−1−アセチル−N−[1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[[(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2−ピロリジンカルボキサミド(700g、0.638モル)、THF(4000ml)、m−クレゾール(2000ml)およびアニソール(35ml)を仕込んだ。次に、この反応混合物に硫酸(700ml、12.6モル)を滴下漏斗から温度が60℃未満に維持されるような添加速度で添加した(全添加時間は約1時間であった)。添加後の反応物を60℃に加熱し、そしてHPLCで監視することで測定して6時間後に反応が完了した。この反応物にメタノール(350ml)を加えて、加熱を60℃で1時間継続した。その反応混合物(ジアステレオマー比=30:70)を室温に一晩放置した。
【0321】
この反応物に蒸留水(5500ml)に続いて酢酸エチル(7500ml)を加えた。層分離を30分かけて起こさせた。その有機層を分離して蒸留水(2000ml)で抽出した。その水層(ジアステレオマー比=32:68)を一緒にして酢酸エチル(2000ml)で1回洗浄した。
【0322】
Dowex 66樹脂(9.8Kg)を蒸留水(9000ml)で3回洗浄した。次に、その湿った状態の樹脂を前記水溶液に加えた。この反応混合物を45分間撹拌するとpHがpH1.6に到達した。この溶液を気体拡散管に減圧下で通すことで前記樹脂を除去した。その樹脂を蒸留水/MeOH(5:1)(4600ml)で3回洗浄した。次に、その曇った溶液を一緒にして濾紙に通して濾過することで粒子を除去した。その結果として得た溶液(ジアステレオマー比=33:67)に濃縮を減圧下約45−55℃で受けさせることでガラス状の油を得た。
1番目の収穫物の結晶化
その残存油(この上に示したようにして生じさせた)を温MeOH(1500mL)に溶解させた。この溶液にHSOを1当量(61g、0.6モル)加えた。MeOH溶媒を減圧下で除去(約900mL)すると、最終的に約750gの溶液が残存した。次に、この溶液にアセトニトリル(750mL)を加えることで前記溶液の曇点を調整した。次に、この溶液に表題の化合物(実施例11と同様にして調製)の種晶を加えた。この反応混合物を室温で撹拌した。4日後の濾液のジアステレオマー比は68:31であった。追加的アセトニトリル(150mL)を滴下した。撹拌を室温で更に2日間行った後の濾液のジアステレオマー比は80:20であった。固体を濾過し、MeOH/アセトニトリル(1:1)(400mL)で洗浄した後、真空オーブンに入れて60℃で一晩乾燥させることで表題の生成物を明黄色の固体として得た。
融点205−207℃
単離した固体のジアステレオマー比:1.9:98.1
1番目の収穫物の母液にエピマー化を受けさせることで2番目の収穫物を得ようとする元々の試みは不成功であった。しかしながら、次のバッチの1番目の収穫物の母液にクロマトグラフィーを用いる試みは2番目および3番目の収穫物を得る点で成功であることを確認した。別の合成で得た1番目の収穫物の母液に対して用いた手順を以下に記述する。
【実施例13】
【0323】
硫酸塩のエピマー化および結晶化(2番目の収穫)
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硫酸塩の調製で得た1番目の収穫物の母液にDowex 66樹脂を溶液のpHがpH約7.2から7.6に到達するまで加えた。その樹脂の懸濁液を一晩撹拌すると、ジアステレオマー比が約44:56の平衡状態に到達した。この溶液を気体拡散管に通すことで樹脂を除去した。次に、その樹脂をMeOHで4回洗浄した。その溶液を一緒にして濾過した後、減圧下25℃で濃縮乾固させ、クロマトグラフィーにかけた。その材料を逆相クロマトグラフィーで精製することで(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1R)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドと(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドのジアステレオマー混合物を含有する画分を得た。
【0324】
そのクロマトグラフィーで得た(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1R)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドと(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの混合物が遊離塩基として44:56のジアステレオマー比で入っている画分を一緒(2.95L)にして濃縮乾固させることで油を得た。この油をMeOH(40mL)に溶解させた。
【0325】
別の反応槽内でHSO(3.4g、0.344モル、約1.2モル当量)をアセトニトリル(30mL)に入れて溶解させた後、撹拌を行いながら前記MeOH溶液に添加した。この添加中に溶液が曇り始めた。追加的アセトニトリル(15mL)を真の曇点になるまで加えた後、(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硫酸塩の種晶を添加した。撹拌を行いながら固体の析出を観察しそして撹拌を4時間継続した。固体(2番目の収穫物)を濾過し、AcN/MeOH(母液中の比率と同じ比率)(25mL)で洗浄した後、真空オーブンに入れて60℃で一晩乾燥させることで(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硫酸塩を明黄色の固体として得た。ジアステレオマー比:5:95
【実施例14】
【0326】
[(3S)−1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−イミノ−メチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
【0327】
【化67】

【0328】
L−アルギニン(156g)と水(840g)とt−ブタノール(500g)の混合物にジ−t−ブチル−ジカーボネート(225g)を15℃で加えた。この混合物を25℃になるまで温めた後、この温度で水酸化ナトリウム水溶液(30%重量/重量、235g)を加えた。この混合物を一晩撹拌した後、−5℃になるまで冷却した。次に、水酸化ナトリウム水溶液(30%重量/重量、810g)に続いてクロロ蟻酸ベンジル(483.3g)を加えた。その水相を廃棄した後、その有機相に水酸化カリウム(25g)をメタノール(270g)に入れることで生じさせた溶液を加えた。この混合物を周囲温度で5時間撹拌した。次に、この反応混合物に水(500g)および飽和塩化ナトリウム水溶液(500g)を用いた加水分解を受けさせた。その水相を廃棄した。その有機相にテトラヒドロフランと水が1:1の混合物(全体で900g)を加えた。その反応混合物を0℃に冷却した後、トリエチルアミン(135.5g)を加えた。クロロ蟻酸イソブチル(182g)を温度が10℃を超えないような添加速度で添加した。反応が完了した後の混合物を周囲温度になるまで加熱した。その水相を廃棄した。その有機相に水(200g)および飽和塩化ナトリウム水溶液(300g)を加えた。その水相を廃棄し、その有機相を10℃になるまで冷却した後、この混合物にメタノール(450g)を加えた。撹拌を0℃で行った後、生成物を濾過しそして減圧下で乾燥させた。表題の化合物を無色の結晶性固体として得た。
融点:160−163℃;
MS:m/z=391(M+1)
【実施例15】
【0329】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0330】
【化68】

【0331】
塩化t−ブチルマグネシウムをテトラヒドロフランに入れることで生じさせた溶液(1.6M)(200g)にベンゾチアゾール(17.4g)を滴下した。この混合物を40分間撹拌した。[(3S)−1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−イミノ−メチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(20g)をテトラヒドロフラン(60g)に入れることで生じさせた懸濁液を−10℃で15分間かけて加えた。−10℃で2時間後の反応混合物を氷(160g)と濃塩酸(77g)と酢酸エチル(120g)の混合物に加えた。その有機層を濃塩化ナトリウム水溶液と2Mの塩酸が1:1の混合物で2回洗浄した。その後、その有機相を塩化水素ガスそして1,4−ジオキサン中3.5Mの塩化水素溶液で処理した。この混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応が完了した後の混合物に蒸発を真空下で受けさせた。その残留物をアセトニトリル(50g)に入れて懸濁させた。
【0332】
N−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(10.16g)とN−メチルモルホリン(5.93g)とアセトニトリル(110g)の混合物を−20℃になるまで冷却した。クロロ蟻酸イソブチル(8.15g)を5分かけて加えた後の反応混合物を−20℃で30分間撹拌した。この混合物に−20℃でこの上に示した段階Aで生じさせた化合物をこの上で生じさせたアセトニトリル懸濁液の状態で添加すると同時にN−メチルモルホリン(10g)も添加した。この反応混合物を−15℃で30分間撹拌した後、2Mの塩酸(200g)を用いて反応を消滅させた。有機溶媒を蒸発させた後、その水性残留物をメタノール(100g)で処理した。撹拌を30分間行った後、生成物を濾過しそして真空下40℃で乾燥させた。表題の化合物を無色の結晶性固体として得た。
融点:197℃;
MS:m/z=581(M+1)
【実施例16】
【0333】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]−アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0334】
【化69】

【0335】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド(66g)を濃臭化水素酸(水中62%のHBr、33g)に入れることで生じさせた溶液を周囲温度で6時間撹拌することで表題の化合物を得た。次に、この溶液を周囲温度のIPA(3237g)に加えた後、硫酸(50g)を周囲温度で滴下した。表題の化合物を周囲温度で2日間かけて無色の固体として結晶化させた。
MS:m/z=447(M+1)
【実施例17】
【0336】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硝酸塩
【0337】
【化70】

【0338】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドをジアステレオマー比が40:60の遊離塩基(591mg、1.27ミリモル)としてアセトニトリル(6mL)とエタノール(8mL)の混合物に入れて溶解させた。この混合物に硝酸(113mg、1.27ミリモル)をアセトニトリル(2mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた。次に、追加的アセトニトリルを曇点になるまで加えた。次に、この混合物に所望硝酸塩の種晶[実施例10に記述するようにして相当するTFA塩をクロマトグラフィーにかけることで得た単一のジアステレオマーを硝酸と反応させることで種晶を生じさせた]を加えた。次に、この混合物を周囲温度で18時間撹拌した。固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄した後、真空オーブンに入れて乾燥させることで表題の化合物をオフホワイトの固体として得た。
ジアステレオマー比:21:79
【実施例18】
【0339】
(4S)−N−(4−アミノ−5−ベンゾチアゾリル−5−オキソ−ペンチル)−グアニジン
【0340】
【化71】

【0341】
CHSOHをTFA/チオアニソール(9:1)の混合物に入れることで生じさせた0.3Mの溶液(10mL)を氷浴に入れて、これに[4−{[アミノ−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニルイミノ)−メチル]−アミノ}−1−(ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.500g、0.0083モル)を加えた。この反応混合物を0℃で50分間撹拌した後、周囲温度になるまで温めた。次に、この室温の反応混合物にTFA/チオアニソール
(9:1)中0.3MのMeSOH溶液を追加的量(5mL)で加えた。次に、この反応混合物を室温で撹拌した。4.5時間が経過した時点で室温の反応混合物にTFA/チオアニソール(9:1)中0.3MのMeSOH溶液を追加的量(5mL)で加えた後、この反応混合物を室温で撹拌した。
【0342】
全体で5.2時間後の反応混合物にMTBE(50mL)を加えると結果として黄色固体が沈澱して来た。溶媒を傾斜法で除去した。その残留物に再びMTBE(50mL)を加えた後、溶媒を傾斜法で除去した。これをMTBEの添加が全体で5回になるように繰り返した。
【0343】
表題の生成物を黄色固体として集めた後、真空下の乾燥器に入れて貯蔵した。
ループLC−MS(ES+):292.2(100%、MH)、233.17(40%)、157.25(80%)。
【実施例19】
【0344】
(4S)−N−(4−アミノ−5−ベンゾチアゾリル−5−オキソ−ペンチル)−グアニジン
【0345】
【化72】

【0346】
TsOH・HOをTFA/チオアニソール(9:1)の混合物に入れることで生じさせた0.3Mの溶液(4mL)に0℃で[4−{[アミノ−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニルイミノ)−メチル]−アミノ}−1−(ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.200g、0.33モル)を加えると赤−オレンジ色の溶液が生じ、それを次に室温になるまで3時間かけて温めた。
【0347】
この反応混合物にMTBE(30mL)をゆっくり加えると結果として明黄色の固体が沈澱して来た。溶媒を傾斜法で除去した。その残留物に再びMTBE(25mL)を加えた後、溶媒を傾斜法で除去した。これをMTBEを追加的量(25mL)で用いて2回繰り返した。
【0348】
表題の生成物を黄色固体として集めた後、真空下の乾燥器に入れて乾燥させた。この生成物をさらなる精製無しに次の段階で用いた。
【実施例20】
【0349】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]−アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0350】
【化73】

【0351】
N−(4−アミノ−5−ベンゾチアゾール−2−イル−5−オキソ−ペンチル)−グアニジン(1.06g、3.6ミリモル)をTHF(20mL)と水(5mL)に溶解させた。この反応混合物にヒドロキシアセチルプロリン(0.63g、3.6ミリモル)を加えるとpHが1.2の溶液が生じ、これを0℃になるまで冷却した。次に、この反応混合物に4%のNaHCO(3.5mL)を加えることで溶液のpHを6に調整した。次に、この反応混合物に塩酸1−エチル−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.84g、4.4ミリモル)を加えた後、この反応物を0℃に1時間保持した。この時間の間に溶液のpHが高くなることを観察した。pHを約6に維持する目的で必要に応じて1NのTsOHを1滴または2滴加えた。この反応混合物を周囲温度で更に3.5時間撹拌した。
【0352】
この粗反応混合物を逆相クロマトグラフィー(Kromasil C18、アセトニトリルとTFA含有量が0.1%の水の混合物にアセトニトリルを入れることで30分かけて5から22%にする勾配を用いて溶離)で精製することで1−アセチル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸[1−(ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−4−グアニジノ−ブチル]−アミドのTFA塩を得た。
H NMR(CDOD):δ 1.85(2H)、1.85(1H)、2.04(1H)、2.08(3H)、2.23(1H)、2.24(1H)、3.29(2H)、3.55(1H)、3.75(1H)、4.46(1H)、4.57(1H)、5.74(1H)、7.61(1H)、7.64(1H)、8.10(1H)、8.20(1H)。13C NMR(CDOD):δ 22.38、26.21、29.89、39.31、41.89、55.82、57.47、60.04、70.87、123.70、126.35、128.46、129.29、138.28、154.64、158.49、165.36、172.21、174.66、193.38。
【実施例21】
【0353】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]−アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【0354】
【化74】

【0355】
N−(4−アミノ−5−ベンゾチアゾール−2−イル−5−オキソ−ペンチル)−グアニジン(0.24g、0.83ミリモル)および1−アセチル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(0.14g、0.83ミリモル)の固体状混合物をTHF(10mL)と水(2mL)に溶解させた。次に、この反応混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドを0℃で加えるとpHが1.8の反応混合物が生じた。8%のNaHCOを用いて前記反応混合物のpHを約5.5に調整した。この反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。表題の化合物をHPLCで検出し(180mg)そして重量分析で検定した。
【実施例22】
【0356】
{1−[イミノ−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−メチル]−2−オキソ−ピペリジン−3−イル}−カルバミン酸t−ブチルエステル
【0357】
【化75】

【0358】
Boc−Arg(Mtr)−OH(0.973g、2ミリモル)とトリエチルアミン(2.02g、20ミリモル)をCHClに入れることで生じさせた0℃の溶液にSOCl(2.38g、20ミリモル)を加えた。その結果として生じた暗褐色のスラリーを室温で2時間撹拌した。この反応混合物をサンプリングしてメタノールに入れそしてHPLCおよびMS分析で分析した。主生成物は表題の化合物であるとして同定した。
【実施例23】
【0359】
{1−[イミノ−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−メチル]−2−オキソ−ピペリジン−3−イル}−カルバミン酸t−ブチルエステル
【0360】
【化76】

【0361】
Boc−Arg(Mtr)−OH(6.81g、14ミリモル)とピリジン(1.11g、14ミリモル)をCHCl(50mL)に入れることで生じさせた−20℃の溶液にシアヌル酸フルオライド(9.45g、70ミリモル)を添加した。添加後の反応混合物を−10℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物に氷−HO混合物およびCHCl(50mL)を用いたクエンチを受けさせ、その結果として生じた懸濁液をセライトの詰め物に通して濾過すると、透明な2層が分離した。その水層にCHCl(50mL)による抽出を受けさせた。その有機層を一緒にしてHO(50mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させた。濾過そして濃縮後の粗油をCHClに溶解させた後、ヘキサンに入れて磨り潰した。表題の生成物を真空濾過で白色固体として得た。
MS(ESI)m/z=469.2(MH)
【実施例24】
【0362】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミドの硫酸塩
【0363】
【化77】

【0364】
粗(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド(430g)をイソプロパノール
(1050mL)に入れて懸濁させて還流になるまで加熱した。蒸留水(900mL)を分割して固体全部が溶液中に溶解することが観察されるまで加えた。次に、IPA:水(88:12、300mL)の溶液を加えた。溶媒を蒸発させて除去することで、その溶液に濃縮を受けさせた。IPA:水溶液の添加および濃縮を4回繰り返した(留出させて除去した溶媒の総体積は1400mLであった)。4回目の留出後に残存する溶液をN下で撹拌しながら75℃になるまで加熱した。次に、この溶液の温度を60℃以上に維持し
ながらこの溶液にIPA(2450mL)を約1時間かけてゆっくり加えた。その結果として生じた黄褐色の溶液を撹拌し、種晶を加えた後、室温になるまで冷却した。次に、この混合物を室温で更に24時間撹拌した。その結果として生じた淡黄色の固体を濾過で集めた後、IPAで1回洗浄した。その固体を空気で2時間乾燥させた後、真空オーブンに入れて60℃で16時間乾燥させることで表題の化合物を淡黄色の固体として得た。
融点:218−219℃
計算値:C 44.04%、H 5.19%、N 15.41%、
S 11.76%、
KF=0.16%
測定値:C 44.08%、H 5.15%、N 15.39%、
S 11.77%、
KF=0.28%
ESI/MS:m/z 344.2、447.2[M+H]、479.2(MH+CHOH]
主回転異性体のH NMR(DMSO−d):δ 1.65(2H)、1.76(1H)、1.84(1H)、1.94(3H)、1.97(1H)、1.99(1H)、3.17(1H)、3.34(1H)、3.60(1H)、4.30(1H)、4.42(1H)、5.10(1H)、5.44(1H)、6.86 abd 7.25(4H)、7.44(1H)、7.66(1H)、7.69(1H)、8.25(1H)、8.27(1H)、8.62(1H)
【実施例25】
【0365】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミド
【0366】
【化78】

【0367】
塩酸O−ベンジル−L−4−トランス−ヒドロキシプロリンメチルエステル(12.5g、46ミリモル)とトリエチルアミン(6.4mL、46ミリモル)をピリジン(150mL)に入れることで生じさせた溶液をアルゴン下0℃で撹拌しながらこれに塩化アセチル(3.3mL、46ミリモル)を滴下した(スキーム1)。この反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温になるまで16時間かけてゆっくり温めた。この反応混合物に濃縮を真空下で受けさせ、それをCHClで希釈し、1NのHCl(3x)、10%のNaCO水溶液、飽和NaHCO水溶液そして食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で濃縮した。その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィー(CHCl/MeOHが49:1)で精製することでAc−Hyp(OBzl)−OMeを油として7.12g(55%)得た。この油(5.38g、19.4ミリモル)をテトラヒドロフラン(260mL)に溶解させ、0℃になるまで冷却し、0.15MのLiO
H(260mL、39ミリモル)を滴下することで処理した後、30分間撹拌した。この反応混合物に濃縮を真空下で受けさせ、それを1NのHClで酸性にした後、酢酸エチルで3回抽出した。その有機抽出液を一緒にして乾燥(NaSO)させた後、真空下で濃縮することでトランス−1−アセチル−4−ベンジルオキシ−L−プロリンを白色固体として3.79g(73%)得た。
【0368】
N−[[[(4S)−4−アミノ−5−(2−ベンゾチアゾリル)−5−ヒドロキシペンチル]アミノ]イミノメチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(12.12g、0.027モル)とトランス−1−アセチル−4−ベンジルオキシ−L−プロリン(7.13g、0.027モル)と水化1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT;9.16g、0.068モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、270mL)に入れて一緒にした後、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC;13.99g、0.068モル)で処理した。この反応物をアルゴン下室温で18時間撹拌した後、濾過した。その濾液を水(約800mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(3x)し、水で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で濃縮した。その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィー(CHCl/MeOHが19:1)で精製することで(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルヒドロキシメチル)−4−[[イミノ[[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−(フェニルメトキシ)−2−ピロリジンカルボキサミドを白色固体として得た。
【0369】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルヒドロキシメチル)−4−[[イミノ[[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ]メチル]アミノ]ブチル]−4−(フェニルメトキシ)−2−ピロリジンカルボキサミド(14.9g、0.022モル)をCHCl(220mL)に入れることで生じさせた室温の溶液にアルゴン下でDess−Martin試薬(またDess−Martinペリオジナンとして知られる)(18.7g、0.044モル)を加えた後、1時間撹拌した。この反応混合物にNaを飽和NaHCO水溶液に20%(重量/重量)入れることで生じさせた溶液によるクエンチを受けさせた後、撹拌を23℃で2時間行うことで、前記混合物にエピマー化を受けさせた。その有機層を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で濃縮することで白色の固体を得た。この固体をテフロン製反応槽内で無水アニソール(約12mL)に溶解させ、それをHF装置上に置くことで−78℃になるまで冷却した。無水HF(約38mL)を前記反応槽に入れて凝縮させた後、その反応物を0℃になるまで温めた。この反応物を0℃で6時間撹拌し、真空下で濃縮した後、酢酸エチル(3x)と一緒に磨り潰すことで白色の固体を得た。この固体を6個のPrepPakカートリッジが直列に連結している逆相HPLC(Bondapak C−18;40x300mm;15−20μm、125Å)にかけて水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸を90:10:0.2から70:30:0.2の勾配で用いた溶離を40mL/分で60分間行うことによる溶離で精製した。(2S,4R)−1−アセチル−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの2種類のジアステレオマーが入っている画分を一緒にして凍結乾燥させることで(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドのジアステレオマー混合物(ジアステレオマー比1S/1R=1.1:1)をトリフルオロ酢酸(TFA)塩として得た後、そのTFA塩を0.1NのHClに溶解させそして真空下の濃縮を連続的に3回行うことでHCl塩に変化させた。その結果として得たガラスを水に溶解させて凍結乾燥を行うことを2回行うことで表題の化合物のHCl塩をHPLCによる純度が95%の明黄色固体として得たが、それのL/D−アルギニンエピマー比はHPLCで1.2:1であった。
H NMR δ 1.50−2.40(ov m、9H)、3.10−3.90(ov
m、3H)、4.22−4.90(ov m、3H)、5.52−5.63(m、0.
4H)、5.63−5.74(m、0.6H)、7.50−7.80(m、2H)、8.00−8.28(m、2H);
MS(ES)m/z 447(MH)
【実施例26】
【0370】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1R)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硝酸塩
【0371】
【化79】

【0372】
実施例25に記述したときの工程を繰り返し、そして生成物を逆相HPLCにかけて水/MeCN/CFCOHが90:10:0.2から70:30:0.2の勾配で60分かけて溶離させることで精製した。早く溶離して来るジアステレオマーが入っている画分を一緒にして凍結乾燥させることで表題の化合物をTFA塩として得た。この材料(160mg、0.258ミリモル)を3.8mLの温MeCN/MeOH(3.8:1)に入れて溶解させた後、HNO(23mg、0.258ミリモル)をMeCNに入れることで生じさせた溶液で処理した。その透明な溶液に濃縮を窒素流下で受けさせることで油を得て、これを水に溶解させた後、凍結乾燥で表題の化合物を吸湿性のある白色固体として得た。
H NMR δ 1.60−2.00(ov m、4H)、2.08(s、3H)、2.10−2.30(m、2H)、3.45−3.60(m、1H)、3.74(dd、1H、J=4.4、11.1Hz)、4.35−4.40(m、1H)、4.53(t、1H、J=8.2Hz)、5.59(dd、1H、J=3.7、9.2Hz)、7.55−7.10(m、2H)、8.08(d、1H、J=7.4Hz)、8.18(d、1H、J=6.8);
MS(ES)m/z 447(MH)
【実施例27】
【0373】
(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−ブチル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキサミドの硝酸塩
【0374】
【化80】

【0375】
エピマー化を最小限にする目的で飽和NaHCO水溶液中20%(重量/重量)のNaを用いたクエンチを行った直後にDess−Martin酸化を進行させる以外は実施例25に記述したときの工程を繰り返した。その生成物を逆相HPLC(水/MeCN/CFCOHが90:10:0.2から70:30:0.2)にかけて60分間かけて精製した後、遅く溶離して来るジアステレオマーが入っている画分を一緒にして凍結乾燥させることで表題の化合物をTFA塩として得た。その精製した塩(1.5g、2.42ミリモル)をMeOHを少量入れておいた温MeCNに入れて溶解させた後、HNO(0.21g、2.42ミリモル)をMeCNに入れることで生じさせた溶液で処理した。冷却すると白色の結晶性固体が生じ、これをMeCNで洗浄した後、真空下で乾燥させることで表題の化合物を得た。
融点 174.5−176.5℃;
H NMR δ 1.50−2.08(ov m、4H)、2.10(s、3H)、2.12−2.30(m、2H)、3.54(d、1H、J=11.1Hz)、3.76(dd、1H、J=4.1、11.1Hz)、4.40−4.49(m、1H)、4.57(t、1H、J=8.1Hz)、5.70−5.82(m、1H)、7.55−7.70(m、2H)、8.08(d、1H、J=7.4Hz)、8.18(d、1H、J=6.8);
MS(ES)m/z 447(MH)
この上の明細書に説明の目的で与えた実施例を伴わせて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は本請求項およびこれらの相当物の範囲内に入る通常の変形、応用形および/または修飾形の全部を包含することは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0376】
下記の図は実物大で描写するものでなく、本発明のいろいろな態様を説明する目的で挙げたものである。
【図1】図1に、式(IIa)で表される化合物の結晶性硫酸塩[即ち、(2S,4R)−1−アセチル−N−[(1S)−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)−4−[[イミノ(アミノ)メチル]アミノ]ブチル]−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミドの硫酸塩]の固体状態構造の透視図を示す。水素以外の原子を確率が50%の熱振動楕円形で表しそして水素原子を任意に小型の球で表すが、それらは決してそれらの真の熱運動の代表例ではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

{式中、
Aは、置換C3−8シクロアルキルカルボニル[ここで、前記C3−8シクロアルキル基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルナンカルボニル[ここで、前記ノルボルナン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルネンカルボニル[ここで、前記ノルボルネン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アダマンタンカルボニル[ここで、前記アダマンチン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アリールカルボニル[ここで、前記アリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ヘテロアリールカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニル[ここで、前記ヘテロアリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ピリジルカルボニル、置換ピリジルカルボニル[ここで、前記ピリジン環上の置換
基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される1から3個の置換基である]、アミドC1−5アルキルカルボニル、
【化2】

DもしくはLアミノ酸[これは、これのカルボキシ末端の所で式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてアラニン、グリシン、デヒドロプロリン、プロリン、置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、ピペコリン酸、置換ピペコリン酸(ここで、前記ピペコリン酸基のピペリジン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、バリン、ノルロイシン、ロイシン、t−ロイシン、イソロイシン、サルコシン、アスパラギン、
セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸から成る群から選択され、ここで、
前記アミノ酸のアミノ末端は、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−8アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、スルホンアミド、アリールスルホニル、置換アリールスルホニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、カンファースルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、置換アリールスルフィニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)およびアリールカルボニルから成る群から選択される一員と連結している]、または2個のアミノ酸で構成されているポリペプチド[ここで、1番目のアミノ酸はDもしくはLアミノ酸であり、これのカルボキシ末端を通して式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてプロリンおよび置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、アラルキルオキシ、アリールまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される)から成る群から選択され、そして2番目のDもしくはLアミノ酸は、前記1番目のアミノ酸のアミノ末端と結合しており、そしてアスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、セリン、フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(ここで、前記フェニルの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、ニトロ、アミノ、N−C1−4アルキルアミノ、N,N−C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、シクロヘキシルグリシンおよびシクロヘキシルアラニンから成る群から選択され、ここで、前記2番目のアミノ酸のアミノ末端はC1−6アルキル、カルボキシC1−8アルキルおよびC1−10アルキルカルボニルから成る群の一員で一置換されている]から成る群から選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、アリール、置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される]、C1−4アルコキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニル、C1−4アルキルスルホニルアミノおよびN,N−ジ−C1−4アルキルアミノスルホニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルカルボニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルおよび置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルキルカルボニルの中の1つ以上から選択される]から成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
Rは、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
nは、2から5の整数であり、
Eは、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、イソキサゾール−3−イル、1,2,3,4−オキサトリアゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1,2−d]チアジアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルおよびチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環であり、ここで、前記複素環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、フェニルC1−4アルキルアミノカルボニル、アリールまたは置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシおよびC1−4アルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1個以上である]から選択される}
で表される化合物またはこれの薬学的に許容され得る塩の製造方法であって、
【化3】

式(III)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgはPg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を適切な活性化剤と反応させることで相当する式(IV)[式中、Qは脱離基である]で表される化合物を生じさせ、
【化4】

前記式(IV)で表される化合物を式(V)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(V)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせ、
【化5】

前記式(VI)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VII)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【化6】

前記式(VII)で表される化合物と式(VIII)[式中、A’はA置換基の活性形態を表す]で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IX)で表される化合物を生じさせ、
【化7】

前記式(IX)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項2】
式(IIa)
【化8】

で表される化合物の製造方法であって、
【化9】

式(IIIa)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を適切な活性化剤と反応させることで相当する式(IVa)[式中、Qは脱離基である]で表される化合物を生じさせ、
【化10】

前記式(IVa)で表される化合物を式(Va)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(Va)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VIa)で表される化合物を生じさせ、
【化11】

前記式(VIa)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIa)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【化12】

前記式(VIIa)で表される化合物と式(VIIIa)[式中、Pgは酸素保護基でありそしてQは脱離基である]で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IXa)で表される化合物を生じさせ、
【化13】

前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項3】
式(Ia)
【化14】

{式中、
Aは、置換C3−8シクロアルキルカルボニル[ここで、前記C3−8シクロアルキル基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−
1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルナンカルボニル[ここで、前記ノルボルナン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルネンカルボニル[ここで、前記ノルボルネン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アダマンタンカルボニル[ここで、前記アダマンチン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アリールカルボニル[ここで、前記アリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ヘテロアリールカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニル[ここで、前記ヘテロアリール上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ピリジルカルボニル、置換ピリジルカルボニル[ここで、前記ピリジン環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される1から3個の置換基である]、アミドC1−5アルキルカルボニル、
【化15】

DもしくはLアミノ酸[これは、これのカルボキシ末端の所で式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてアラニン、グリシン、デヒドロプロリン、プロリン、置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、ピペコリン酸、置換ピペコリン酸(ここで、前記ピペコリン酸基のピペリジン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、バリン、ノルロイシン、ロイシン、t−ロイシン、イソロイシン、サルコシン、アスパラギン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸から成る群から選択され、ここで、
前記アミノ酸のアミノ末端は、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−8アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4
アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、スルホンアミド、アリールスルホニル、置換アリールスルホニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、カンファースルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、置換アリールスルフィニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)およびアリールカルボニルから成る群から選択される一員と連結している]、または2個のアミノ酸で構成されているポリペプチド[ここで、1番目のアミノ酸はDもしくはLアミノ酸であり、これのカルボキシ末端を通して式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてプロリンおよび置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、アラルキルオキシ、アリールまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される)から成る群から選択され、そして2番目のDもしくはLアミノ酸は、前記1番目のアミノ酸のアミノ末端と結合しており、そしてアスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、セリン、フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(ここで、前記フェニルの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、ニトロ、アミノ、N−C1−4アルキルアミノ、N,N−C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、シクロヘキシルグリシンおよびシクロヘキシルアラニンから成る群から選択され、ここで、前記2番目のアミノ酸のアミノ末端はC1−6アルキル、カルボキシC1−8アルキルおよびC1−10アルキルカルボニルから成る群の一員で一置換されている]から成る群から選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、アリール、置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される]、C1−4アルコキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニル、C1−4アルキルスルホニルアミノおよびN,N−ジ−C1−4アルキルアミノスルホニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルカルボニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルおよび置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカ
ルボニルアミノまたはC1−4アルキルカルボニルの中の1つ以上から選択される]から成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
Rは、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
nは、2から3の整数であり、
Eは、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、イソキサゾ−ル−3−イル、1,2,3,4−オキサトリアゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1,2−d]チアジアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルおよびチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環であり、ここで、前記複素環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、フェニルC1−4アルキルアミノカルボニル、アリールまたは置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシおよびC1−4アルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1個以上である]から選択される}
で表される化合物またはこれの薬学的に許容され得る塩の製造方法であって、
【化16】

式(IIIb)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgである]で表される適切に置換されている化合物を前記式(IIIb)で表される化合物を環化させ得る活性化剤と反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、
【化17】

前記式(XI)で表される化合物を式(V)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(V)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VIb)で表される化合物を生じさせ、
【化18】

前記式(VIb)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIb)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【化19】

前記式(VIIb)で表される化合物と式(VIII)[式中、A’はA置換基の活性形態を表す]で表される適切に置換されている化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IXb)で表される化合物を生じさせ、
【化20】

前記式(IXb)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項4】
式(IIa)
【化21】

で表される化合物の製造方法であって、
【化22】

式(IIIa)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、Pg保護基の除去がPg保護基が除去されない条件下で起こり得るように選択したPgおよびPgはである]で表される適切に置換されている化合物を前記式(IIIa)で表される化合物を環化させ得る活性化剤と反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせ、
【化23】

前記式(XIa)で表される化合物を式(Va)[式中、XはCl、BrおよびIから成る群から選択される]で表される適切に置換されている化合物が前記式(Va)で表される化合物に不活性な無水有機溶媒に入っている溶液もしくは懸濁液と反応させることで相当する式(VIa)で表される化合物を生じさせ、
【化24】

前記式(VIa)で表される化合物に選択的脱保護を受けさせることで相当する式(VIIa)で表される化合物またはこれの相当する酸付加塩を生じさせ、
【化25】

前記式(VIIa)で表される化合物と式(VIIIb)[式中、Qは脱離基である]で表される化合物を第三級アミン塩基の存在下の非プロトン性有機溶媒中で反応させることで相当する式(IXc)で表される化合物を生じさせ、
【化26】

前記式(IXc)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(IIa)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項5】
式(I)
【化27】

{式中、
Aは、置換C3−8シクロアルキルカルボニル[ここで、前記C3−8シクロアルキル基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルナンカルボニル[ここで、前記ノルボルナン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パ
ーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換ノルボルネンカルボニル[ここで、前記ノルボルネン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アダマンタンカルボニル[ここで、前記アダマンチン基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、置換アリールカルボニル[ここで、前記アリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ヘテロアリールカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニル[ここで、前記ヘテロアリール基上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される]、ピリジルカルボニル、置換ピリジルカルボニル[ここで、前記ピリジン環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される1から3個の置換基である]、アミドC1−5アルキルカルボニル、
【化28】

DもしくはLアミノ酸[これは、これのカルボキシ末端の所で式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてアラニン、グリシン、デヒドロプロリン、プロリン、置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、ピペコリン酸、置換ピペコリン酸(ここで、前記ピペコリン酸基のピペリジン上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、フェニルアルキルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、バリン、ノルロイシン、ロイシン、t−ロイシン、イソロイシン、サルコシン、アスパラギン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸から成る群から選択され、ここで、
前記アミノ酸のアミノ末端は、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−8アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4
アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、スルホンアミド、アリールスルホニル、置換アリールスルホニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、カンファースルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、置換アリールスルフィニル(ここで、前記アリールの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)およびアリールカルボニルから成る群から選択される一員と連結している]、または2個のアミノ酸で構成されているポリペプチド[ここで、1番目のアミノ酸はDもしくはLアミノ酸であり、これのカルボキシ末端を通して式(I)中に示されている窒素と結合しており、そしてプロリンおよび置換プロリン(ここで、前記プロリン上の置換基は独立して1個以上のC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、アラルキルオキシ、アリールまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される)から成る群から選択され、そして2番目のDもしくはLアミノ酸は、前記1番目のアミノ酸のアミノ末端と結合しており、そしてアスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、セリン、フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(ここで、前記フェニルの置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、ニトロ、アミノ、N−C1−4アルキルアミノ、N,N−C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される)、シクロヘキシルグリシンおよびシクロヘキシルアラニンから成る群から選択され、ここで、前記2番目のアミノ酸のアミノ末端はC1−6アルキル、カルボキシC1−8アルキルおよびC1−10アルキルカルボニルから成る群の一員で一置換されている]から成る群から選択され、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、アリール、置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルアミノまたはC1−4アルコキシカルボニルの中の1つ以上から選択される]、C1−4アルコキシカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルアミノスルホニル、C1−4アルキルスルホニルアミノおよびN,N−ジ−C1−4アルキルアミノスルホニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルカルボニルから成る群から選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルおよび置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミド、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカ
ルボニルアミノまたはC1−4アルキルカルボニルの中の1つ以上から選択される]から成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
Rは、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
は、水素およびC1−5アルキルから成る群から選択され、
nは、2から5の整数であり、
Eは、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、イソキサゾール−3−イル、1,2,3,4−オキサトリアゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1,2−d]チアジアゾール−2−イル、4−オキソキナゾリン−2−イル、キナゾリン−2−イル、オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルおよびチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イルから成る群から選択される非置換もしくは置換複素環であり、ここで、前記複素環上の置換基は独立してC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、フェニルC1−4アルキルアミノカルボニル、アリールまたは置換アリール[ここで、前記アリール基上の置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、N−C1−4アルキルアミド、N,N−C1−4ジアルキルアミド、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシおよびC1−4アルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1個以上である]から選択される}
で表される化合物またはこれの薬学的に許容され得る塩の製造方法であって、
【化29】

式(IV)[式中、Pgは1番目の窒素保護基でありそしてPgは2番目の窒素保護基である]で表される適切に置換されている化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせ、
【化30】

前記式(XII)で表される化合物と式(VIII)[式中、A’はA置換基の活性形態を表す]で表される適切に置換されている化合物を極性溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項6】
式(II)
【化31】

で表される化合物の硝酸塩。
【請求項7】
更に下記のXRDピーク:
【表1】

を包含する請求項6記載の式(II)で表される化合物の硝酸塩。
【請求項8】
式(II)
【化32】

で表される化合物の硫酸塩。
【請求項9】
更に下記のXRDピーク:
【表2】

を包含する請求項8記載の式(II)で表される化合物の硫酸塩。
【請求項10】
(1S)ジアステレオマーが優位を占める式(II)
【化33】

で表される化合物の硫酸塩を製造する方法であって、
(a)式(II)
【化34】

で表される化合物の酸付加塩と水もしくは極性有機溶媒またはこれらの混合物を含んで成る溶液に弱塩基性イオン交換樹脂による処理を前記弱塩基性イオン交換樹脂を前記酸付加塩の酸を基準にして約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させて受けさせることで相当する式(II)で表される化合物を生じさせ、
(b)前記式(II)で表される化合物と硫酸を前記硫酸を前記式(II)で表される化合物の量を基準にして約1モル当量に相当する量で存在させて反応させることで(1S)ジアステレオマーが優位を占める相当する式(II)で表される化合物の硫酸塩を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項11】
請求項2記載の方法に従って作られた化合物。
【請求項12】
請求項4記載の方法に従って作られた化合物。
【請求項13】
請求項10記載の方法に従って作られた化合物。
【請求項14】
式(IIa)
【化35】

で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩の再結晶化方法であって、
(a)式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩を水に溶解させ、
(b)前記式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩の水溶液にイソプロピルアルコールを添加することで結晶性の相当する式(IIa)で表される化合物の硝酸塩もしくは硫酸塩を得る、
ことを含んで成る方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−501250(P2007−501250A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522693(P2006−522693)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/025143
【国際公開番号】WO2005/023804
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】