説明

ポリプロピレンから成るフィルム、その使用、ならびにフィルムの製造方法

本発明は、フィルムが、プロピレンの少なくとも1種のホモポリマー、コポリマー、またはターポリマー、ならびに繊維を含み、長手方向に1軸延伸されており、その際、延伸比が好ましくは少なくとも1:8、特に好ましくは少なくとも1:9.5であることを特徴とする、特に接着テープ用のフィルムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリプロピレンから成るフィルム、その使用、ならびにフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高い弾性率および高い引張強度を有するフィルムは、部分結晶性の熱可塑性樹脂から成る押出成形されたフラットフィルムを延伸することで達成される。これは主に2軸延伸である。例外的な場合、フィルムは、長手方向引張強度をより上昇させるため、長手方向にのみ配向される。しかし、ポリプロピレンをベースとする市販の2軸延伸フィルムも1軸延伸フィルムも、ブロー法またはキャスト法に基づく非延伸フィルムと違い、幅方向における引裂伝播抵抗が低い。
【0003】
これは実際には、(切断の際の切れ味の鈍った刃により、または切断縁を後で意図せず傷つけることにより)フィルムの縁または接着テープのフィルム支持体の縁に傷が入った場合に、引張負荷下で簡単に裂け目またはちぎれを生じさせる。
【0004】
これに対し非延伸フィルムは、確かに引裂伝播抵抗は高いが、弾性率および引張強度は低い。
【0005】
引張強度および引裂伝播抵抗に対する高い要求がある場合、フィルムまたは接着テープは、ガラスまたはプラスチックから成るフィラメントまたはフィラメントから成るネットで補強される。このようなフィラメント接着テープの製造は、設備的に非常に複雑であり、したがって高価で、故障を起こしやすい。ベースフィルムのほかに、さらにフィラメントおよびラミネート用接着剤(または追加的な感圧接着剤コーティング)も必要であり、これは製品の値段をさらに高くする。このようなフィラメント接着テープのさらなる欠点は、低い耐屈曲破損性、大きな厚さ、汚い切断縁、ならびに完全溶込み溶着およびリサイクルができないことである。このような接着テープの製造は、例えば米国特許出願公開第4,454,192号(特許文献1)に記載されている。
【0006】
ドイツ特許出願公開第2104817号(特許文献2)には、接着テープを製造するための、ポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリプロピレン)から成る接着テープ支持体を製造するための方法が記載されている。長手方向に延伸することで、320N/mmの長手方向引張強度が達成可能であるという(請求項2に基づく、例なし)。延伸比および達成された10%伸長時応力は開示されていない。
【0007】
欧州特許出願公開第0255866号(特許文献3)の対象は、長手方向または2軸で延伸されたポリプロピレンフィルムである。エラストマー性成分の添加は、幅方向における衝撃靱性を上昇させる。ただしこの措置は、幅方向における引張強度および引裂伝播抵抗を悪化させる。長手方向における延伸比は1:5.5〜1:7である。12〜355N/mmの引張強度が達成される。10%伸長時の引張応力は知られていない。
【0008】
80年代の終わりにBeiersdorf社(Hamburg)から、開裂傾向を低下させた開封用テープが販売された。この開封用テープは、NOPI社(Harrislee)の長手方向に延伸された支持フィルムを含んでおり、この支持フィルムは、異なる靱性の原料を共押出成形することで製造され、延伸比は1:7.5であった。強靱な共押出外層は、衝撃改質剤の原理に従い、鋭い刃によって製品を切断する際のミクロ割れの形成を減少させる。しかしながら共押出外層によっては、縁に事後に入った傷(例えばロールの輸送または段ボール箱への貼付の際に)によるちぎれが回避されることはなく、それには、かなり高い引裂伝播抵抗が必要である。外層は、エチレン約5重量%を含有するポリプロピレンコポリマー60重量%および靱性上昇のためのSBSゴム40重量%を含み、このSBSゴムが耐光性を悪化させ、かつとりわけ、長手方向におけるフィルムの引張強度の低下(160N/mm)および10%伸長時応力の低下(70N/mm)を引き起こす。靱性がそれよりも低い主要層は、ポリプロピレンコポリマー92重量%およびSBSゴム8重量%を含んでいる。SBSゴムは、純粋なポリプロピレンコポリマーから成る同じ延伸比の1層フィルムの引裂伝播抵抗を、約240N/mmから70N/mmに下げる。
【0009】
ドイツ特許出願公開第4402444号(特許文献4)は、1軸配向ポリエチレンをベースとする引裂に強い接着テープに関する。この接着テープは多くの点において、対応するポリプロピレン製品の場合と類似の機械的特性を達成することができる。しかしながらポリエチレンは、ポリプロピレンより耐熱性が著しく低く、この低い耐熱性は、接着テープの製造(炉内での接着剤層または別の層の乾燥)の際にも、後にグリップテープ、段ボール箱封緘用接着テープ、開封用テープ、または段ボール箱補強テープとして包装に適用する際にも不利に影響する。段ボール箱上の接着テープは、印刷機を通り抜ける際または熱い物(例えば食料品)を詰めた後など、しばしば熱くなる。ポリエチレンフィルムのさらなる欠点は、ポリプロピレンフィルム(延伸ポリエチレンフィルムも含め)と比較して10%伸長時の外力が格段と小さい点にある。所与の力でより大きく伸長することにより、このフィルムから製造したグリップテープまたは段ボール箱封緘用接着テープは引張負荷下で剥がれる傾向を示し、段ボール箱補強テープは段ボールに裂け目が入ることを阻止できない。長手方向における延伸比および10%伸長時応力は開示されていない。達成される引張強度は102〜377N/mmである。
【0010】
上述の発明は完全に適用されたが、フィラメント接着テープの引張強度および引裂伝播抵抗を達成できるには程遠いものであった。その結果、手間のかかる多くのフィラメント糸の施工工程を回避し、以下で説明する長手方向構造により延伸フィルムにフィラメントのような特性を付与するという努力が行われた。
【0011】
米国特許出願公開第5,145,544号(特許文献5)および米国特許出願公開第5,173,141号(特許文献6)には、補強のためのリブ構造を備えた1軸延伸フィルムから成る接着テープが記載されており、その際、リブは一部が表面から突き出ており、一部がフィルム表面内に包埋されている。フィルムとリブの間には溝状継目が形成されている。この発明は高い横方向引裂強度を達成し、その反面、引張強度および伸長性にはまだ改善の余地がある。しかしながら本質的な欠陥は、この発明に基づくフィルムの生産規模での製造が不可能であることにある。その原因は、通常の幅での悪い延伸性ならびに極端に悪い平坦度にあり、このため感圧接着剤を使用して被覆する可能性がもはや保証されなくなっている。大きな幅の場合はこれに加えてさらに、後の延伸プロセスにおける延伸ローラ上での(フィルムが平らに載っていないことによる)不均一で不十分な付着性によっても平坦度が悪化する。標準製造幅で製造する場合、フィルムは延伸ローラ上の中央の領域内で幅方向に保持されるが、それによりリブ構造が延伸により変化し、全体の製品品質が不均質になる。さらなる欠点は、カレンダによりリブを少なくとも50%包埋させる必要があることであり、カレンダは、投資が非常に高額であり、プロセスをかなり複雑にする。表面のリブ構造は、接着テープへとさらに加工する場合に、離型剤またはプライマーを塗布する際の被覆不良を引き起こしやすくもする。なぜならフィルムのための塗布方法は滑らかな表面を必要とするからである。フィルムの表面に補強フィラメントまたはリブ構造の跡があることは、滑らかな表面を前提とする印刷には不利である。特に、梱包用接着テープのために本発明によるフィルムを利用する場合、印刷できることは顧客にとって重要な基準である。
【0012】
米国特許出願公開第5,145,544号(特許文献5)からは、1:7の延伸比および157〜177N/mmの引張強度が読み取れ、10%伸長時応力は算出されていない。米国特許出願公開第5,173,141号(特許文献6)からは、1:6.1〜1:7の延伸比および最高245N/mmの引張強度が読み取れ、10%伸長時応力は算出されていない。
【0013】
欧州特許出願公開第1101808A1号(特許文献7)は、リブ構造をフィルムの内部に移すことによって前述の欠点を取り除こうとしている。このフィルムは、平行平面の外面を有しており、共押出成形された異なる組成の少なくとも2つの層を含んでおり、これらの層の境界面は平らではなく、断面では境界の延び具合が非直線的であり、この延び具合が長手方向には層状に続いている。このフィルムの特別な内部構造は、一方の層の厚さが幅方向に周期的または不規則に変化しており、第2の層がこの厚さのばらつきを、全体の厚さが基本的に一定になるように補うことに基づいている。全ての前述の発明は、普通の接着テープフィルムに比べて改善された長手方向における引張強度および弾性率を有している。延伸比は1:6.7から1:8.7の間である。引張強度に関しては202〜231N/mmおよび10%伸長時応力に関しては103〜147N/mmが達成される。
【0014】
これら全ての発明は、製造方法が非常に複雑なので商業規模では実用化されていない。さらに、これらの発明はガラスフィラメントまたはポリエステルフィラメントを備えた製品の特性を達成できるには程遠いものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第4,454,192号
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第2104817号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0255866号
【特許文献4】ドイツ特許出願公開第4402444号
【特許文献5】米国特許出願公開第5,145,544号
【特許文献6】米国特許出願公開第5,173,141号
【特許文献7】欧州特許出願公開第1101808号
【特許文献8】米国特許出願公開第2003/195300号
【特許文献9】ドイツ特許出願公開第3640861号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】「Fibers」、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、(2002 edition、Wiley-VCH Verlag、Article Online Posting、2000年6月15日)
【非特許文献2】「9.1. Nucleating Agents」、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、(2002 edition、Wiley-VCH Verlag、Article Online Posting、2000年6月15日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、従来技術のフィルムの前述の欠点を有さない、特に接着テープ用のフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、主請求項で詳しく特徴付けられているようなフィルムによって解決される。従属請求項には本発明の有利な実施形態が記載されている。さらに本発明によるフィルムの使用ならびに製造方法は発明思想に含まれている。
【0019】
したがって本発明は、プロピレンの少なくとも1種のホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーならびに繊維を含み、長手方向に1軸延伸されているフィルムに関し、その際、延伸比は好ましくは少なくとも1:8、特に好ましくは少なくとも1:9.5であり、これにより極めて高い幅方向における引裂伝播抵抗が達成される。
【0020】
このフィルムは、長手方向(長さ方向)に1軸延伸されたPPフィルムのための比較的単純な方法に従って製造することができ、したがってフィラメント接着テープ用のフィラメントを備えた支持体を製造するための複雑な方法に頼る必要はない。
【0021】
このフィルムは、フィラメント接着テープ用の繊維強化された支持体の典型的な特性、例えば極めて高い幅方向における引裂伝播抵抗、高められた弾性率、および高い引張強度を有している。低い弾性率および極めて低い引裂伝播抵抗を有するBOPP(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)製の梱包材料および接着テープ用に最も頻繁に使用されるPPフィルムに比べて、その優位性はまさに歴然である。
【0022】
本発明によるフィルムまたはこのフィルムから製造した接着テープは、フィラメント接着テープ支持体またはフィラメント接着テープより透明度でも優っている。なぜならフィラメント束とは違い単独の繊維は、空気の混入なく包埋されるからである。加えて、本発明によるフィルムを用いて製造した接着テープは一段と高い剛性を有しており、これは、自動貼付工程における貼付時の貼り合わせ不良のリスクを減少させる。既知のフィラメント接着テープと比べたさらなる利点は厚さがより小さいことであり、この小さな厚さは、所定の最大限のロール径でのより大きなロール全長を可能にし、これは利用者にとってはロール交換の頻度を減少させる。
【0023】
好ましい一実施形態では、幅方向の衝撃靱性がごく僅かとなるように、フィルムが著しく延伸されている。これは、事情によっては幾つかの適用例にとって欠点となる可能性があるが、段ボール箱の型抜き部の補強のような適用には有利であることが分かった。長手方向への高い延伸による少ない伸長は、(例えば持ち運びのための取っ手が型抜きにより形成されているところで)段ボールに裂け目が入ることを回避する。このようなフィルムは裂け目やほつれが長手方向に広がる傾向を示すが、これは、縁が損傷した場合に、亀裂が長手方向に方向転換することによって幅方向への引裂伝播を阻止し、このようにして引裂伝播抵抗は明らかに改善する。
【0024】
高い引張強度、高い1%および10%伸長時応力、および高い引裂伝播抵抗を達成するために、フィルムにとってそのときどきに最大の延伸比が技術的に実施できるように、延伸プロセス条件が選択されなければならない。本発明によれば、長手方向における延伸比は少なくとも1:8、好ましくは少なくとも1:9.5である。
【0025】
例えば1:6の延伸比とは、長さ1mの一次フィルムの切片から、長さ6mの延伸フィルム切片が生じることを示している。延伸比はしばしば、延伸前の線速度と延伸後の線速度の比とも呼ばれる。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態では、フィルムは下記の特性、すなわち
・少なくとも300N/mm、好ましくは少なくとも350N/mm、さらに好ましくは少なくとも400N/mmの長手方向(長さ方向)における引張強度、
・少なくとも20N/mm、好ましくは少なくとも40N/mmの長手方向における1%伸長時応力、
・少なくとも170N/mm、好ましくは少なくとも200N/mm、さらに好ましくは少なくとも300N/mmの長手方向における10%伸長時応力、および/または
・少なくとも1700N/mm、好ましくは少なくとも3500N/mmの幅方向における引裂伝播抵抗を有する。
【0027】
フィルムは、幅方向における引裂伝播抵抗の検査の際に引裂き得ないことが好ましい。
【0028】
強度値を計算するには、幅に関連した力の値を厚さで割る。接着テープに関する強度値を決定する場合、厚さは接着テープ全体の厚さではなく、支持フィルムの厚さだけに基づく。
【0029】
フィルムの厚さは、好ましくは25から200μmの間、特に好ましくは40から140μmの間、とりわけ好ましくは50から90μmの間である。
【0030】
支持フィルムは、好ましくは第2または第3の不良度指標、特に好ましくは第3の不良度指標を有している。不良度指標については検査法のところで詳細に説明する。
【0031】
このフィルムの製造に適したフィルム原料は、ブロック(インパクト)ポリマーおよびランダムポリマーを含む、市場で入手可能なポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、およびポリプロピレンターポリマーである。
【0032】
前述のポリマーのメルトインデックスは、フラットフィルム押出成形に適した範囲内になければならない。この範囲は0.3から15g/10minの間、好ましくは0.8から5g/10minの範囲内(230℃/2.16kgで測定)にあるべきである。
【0033】
ポリプロピレンは、ほぼアイソタクチックな構造であることが好ましい。曲げ弾性率は少なくとも1000MPa、好ましくは少なくとも1500MPa、さらに好ましくは少なくとも2000MPaであるべきである。
【0034】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、フィルムは両方の外側にある面の少なくとも1つに共押出層を有する。
【0035】
共押出層は、通例約160〜163℃の晶子融点を有するほぼアイソタクチックなポリプロピレンホモポリマーより低い結晶性を有するポリオレフィンを含むことが好ましい。共押出層中で、晶子融点が150℃未満、好ましくは140℃未満のポリプロピレンポリマーまたはエチレン含有ポリマーが使用されることが特に好ましい。
【0036】
本発明によれば、繊維とはステープルファイバーおよび不連続フィラメントまたはナノチューブ(例えばMWCNT(「多層式カーボンナノチューブ」))と理解され、基本的にISO6355の意味における繊維である。
【0037】
従来技術では、フィラメント接着テープに、フィルム上に薄く貼り合わせたフィラメント束が使用されており、またナノチューブは加工の際に発塵傾向を示すが、この粉塵は労働衛生上非常に危険なランクに分類されるものである。
【0038】
本発明の主意に沿った繊維としては、例えば、加工の際に融解または分解するものではない限り、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistryの「Fibers」の章(2002 edition、Wiley-VCH Verlag、Article Online Posting、2000年6月15日)(非特許文献1)に記載されるような繊維が適している(つまり例えばポリエチレン繊維)。
【0039】
特に適しているのは、高い弾性率を有する繊維、例えば麻、サイザル、アマ、バナナ繊維、ココヤシ、パイナップル、アラミド、ポリアリーレート、ガラス、炭化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、玄武岩、または炭素であり、特にEガラスおよび織物用ガラスである。
【0040】
繊維には、ポリマーマトリクスへの結合を最適化するため、糊材(カップリング剤)を備えることが好ましい。
【0041】
糊材の原料は、天然デンプン、加工デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ガラクトマンナン(グアーガムおよびローカストビーンガム)であり、特殊な適用例用にはさらに、水分散可能なポリエステル、ビニルアセテートのコポリマー、膠、ゼラチン、およびタンパク質である。糊材はこれに加えてさらに脂肪、ロウ、硫酸化牛脂、または硫酸化油を含むことができる。
【0042】
繊維径は、好ましくは4〜30μmの範囲内、特に9から16μmの間である。繊維長は、好ましくは少なくとも100μm、特に好ましくは少なくとも300μmである。
【0043】
フィルム内の繊維の割合は、好ましくは0.5〜10重量%、特に3〜6重量%である。
【0044】
フィルムのポリマーは、純粋な形で使用してもよく、あるいは添加剤、例えば酸化防止剤、光保護剤、ブロッキング防止剤、潤滑剤、および加工助剤、充填剤、染料、顔料、発泡剤、および/または核剤と混合して使用してもよい。
【0045】
フィルムは核を持っていることが好ましい。
【0046】
核剤は、純粋な形で、または好ましくはマスターバッチとして加えることができ、あるいはポリプロピレン自体が核生成する。
【0047】
検討対象となるのは、ポリプロピレンに適した全ての核剤(α結晶またはβ結晶)である。これは有機核剤であり、例えばベンゾアート、リン酸塩、またはソルビトール誘導体である。このような核剤は、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistryの「9.1. Nucleating Agents」の章(2002 edition、Wiley-VCH Verlag、Article Online Posting、2000年6月15日)(非特許文献2)または米国特許出願公開第2003/195300号(特許文献8)の例に記載されている。さらなる特に適した方法は、米国特許出願公開第2003/195300号(特許文献8)に記載されているような半結晶性のブランチドポリマー型またはカップルドポリマー型の核剤、例えば4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジドによって改質されたポリプロピレンを使用することである。
【0048】
支持フィルムの製造は、カレンダ加工、フラットフィルム押出成形、またはブロー押出成形によって行うことができ、好ましくは、後の長手方向延伸を伴うフラットフィルム押出成形(Tダイまたはキャスト法とも言う)によって行うことができる。
【0049】
本発明によるフィルムを製造するための特に有利な方法は、
・場合によっては、押出機内でポリプロピレンと繊維を混合するステップ
・場合によっては、コンパウンドを粒状化するステップ
・押出機内でコンパウンドを融解するステップ
・一つのダイを用いて融解物を吐出および成形するステップ
・キャストフィルム押出成形法において、好ましくは冷却ロール上で、融解物をフィルムへと冷却するステップ
・場合によっては、適切な延伸温度に温度調節したローラによりフィルムを加熱するステップ
・ショートギャップ内でフィルムを長手方向に延伸するステップ
・場合によっては、押出成形によって感圧接着剤層が既に施されていない限り、感圧接着剤で被覆するステップ
・場合によっては、ロール状に仕立てるステップ
を含む。
【0050】
この最後のステップは、フィルムから接着テープを製造するために利用されるものである。
【0051】
接着剤の塗布は、既にフィルムの押出成形中に、接着剤をフィルムと一緒に共押出成形することによって行うことができる。一変形形態によれば、接着剤を後で別のステップにおいて施すことができる。
【0052】
混合は、押出機または混練機の内部で別途行ってもよいし、またはフィルム押出機の内部で適切な攪拌要素を使用して行ってもよい。ポリプロピレン、繊維マスターバッチ、および自由選択により添加剤から成る混合物をフィルム押出機に供給することが好ましい。
【0053】
フィルムは1層であっても多層であってもかまわない。共押出成形により、フィルムを延伸する際の堆積(Ablagerung)、および剥離剤、プライマー、または接着剤を被覆する際の問題を回避することができる。
【0054】
フィルムは、積層、エンボス加工、または放射線処理によって改質されたものであるか、または表面処理が施されたものであるとよい。これは例えば接着の促進のためのコロナ処理、火炎処理、フッ素処理、またはプラズマ処理、または、溶液もしくは分散液の、もしくは放射線硬化可能な液状の材料のプライマーコートである。
【0055】
さらなる可能なコーティングは、印刷および非粘着性コーティングであり、例えば、架橋したシリコーン、アクリレート(例えばPrimal(登録商標)205)、塩化ビニリデンまたは塩化ビニルをモノマーとして有するポリマー、またはステアリル化合物、例えばポリビニルステアリルカルバメートまたはクロムステアレート錯体(例えばQuilon(登録商標)C)、または無水マレイン酸コポリマーとステアリルアミンの反応生成物から成る。
【0056】
本発明によるフィルムは、接着剤による被覆なしで、梱包または結束に適用するために使用することができる。端部の結合は、段ボール箱、トランク、または鉄、ポリエチレン、もしくはポリプロピレンから成る荷箱のための従来のストラッピングテープの場合のように、金属クリップまたは溶着によって行うことができる。
【0057】
本発明によるフィルムは、接着テープの形において適用されることが好ましい。接着テープとは、本発明においては粘着性のまたは熱活性型の接着剤層を備えたフィルムと理解される。ただしヒートシール型の接着剤ではなく、感圧接着剤であることが好ましい。フィルムは、接着テープに適用するために、片面を、感圧接着剤の溶液もしくは分散液もしくは(例えば融解物)100%の感圧接着剤で被覆される、または感圧接着剤をフィルムと一緒に共押出成形することにより、感圧接着剤で被覆される。1つまたはそれ以上の接着層は、熱または高エネルギービームによって架橋することができ、必要な場合には付着防止フィルムまたは付着防止ペーパによって覆うことができる。適切な感圧接着剤は、特にアクリレート、天然ゴム、熱可塑性スチレンブロックコポリマー、またはシリコーンをベースとする感圧接着剤である。
【0058】
「接着テープ」という一般的な表現には、本発明の主意においては、全ての面状形成物、例えば2次元に広がるフィルムまたはフィルム切片、長く引き伸ばされ、幅が限定されたテープ、テープ切片、およびその類、最後に打抜き品やラベルも含まれている。
【0059】
特性を最適化するために、使用する粘着剤は、1種または複数の添加剤、例えば粘着付与剤(樹脂)、可塑剤、充填剤、顔料、UV吸収剤、光保護剤、老化防止剤、架橋剤、架橋促進剤、またはエラストマーと混合されたものであるとよい。
【0060】
混合に適したエラストマーは、例えばEPDMゴムまたはEPMゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレンビニルアセテート、ジエンから成る水素化ブロックコポリマー(例えばSBR、cSBR、BAN、NBR、SBS、SIS、またはIRの水素化により、そのようなポリマーは例えばSEPSおよびSEBSとして知られている)、またはACMのようなアクリレートコポリマーである。
【0061】
粘着付与剤は、炭化水素樹脂(例えば不飽和のCまたはCモノマーから成る)、テルペンフェノール樹脂、αピネンもしくはβピネンのような原料から成るテルペン樹脂、芳香族樹脂、例えばクマロン−インデン樹脂、またはスチレンもしくはαメチルスチレンから成る樹脂、例えばロジン、およびその二次生成物、例えば不均化された、二量化された、またはエステル化された樹脂などであり、その際、グリコール、グリセリン、またはペンタエリトリトールを用いることができる。特に適しているのは、オレフィン性二重結合のない老化安定性を示す樹脂、例えば水素化樹脂である。
【0062】
カーボンブラック、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸塩、またはケイ酸のような充填剤および顔料を使用することができる。
【0063】
接着剤用の適切なUV吸収剤、光保護剤、および老化防止剤は、本明細書中では、フィルムの安定化のために挙げられるものである。
【0064】
適切な可塑剤は、例えば脂肪族、脂環式、および芳香族の鉱油、フタル酸、トリメリット酸、もしくはアジピン酸のジエステルもしくはポリエステル、液体ゴム(例えばニトリルゴムまたはポリイソプレンゴム)、ブテンおよび/もしくはイソブテンから成る液状重合物、アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、粘着樹脂用の原料をベースとする液状樹脂および軟質樹脂、羊毛ロウおよび別のロウ、または液状シリコーンである。
【0065】
架橋剤は、例えばフェノール樹脂またはハロゲン化フェノール樹脂、メラミン樹脂、およびホルムアルデヒド樹脂である。適切な架橋促進剤は、マレインイミド、アリルエステル、例えばシアヌル酸トリアリル、アクリル酸およびメタクリル酸の多官能性エステルなどである。
【0066】
好ましい実施形態は、明色および透明の原料から成る感圧接着剤を含んでいる。特に好ましいのは、(例えば分散液としての)アクリレート感圧接着剤またはスチレンブロックコポリマーおよび(例えばホットメルト感圧接着剤用として一般的である)樹脂から成る感圧接着剤である。
【0067】
接着剤による被覆率は、好ましくは18〜50g/m、特に22〜29g/mの範囲内である。接着テープロールの幅は、好ましくは2〜60mmの範囲内である。
【0068】
本発明による接着テープは例えば、特に型抜き部の領域内のボール箱の強化、開封帯として、持ち運びのための取っ手として、パレット固定のため、または結束のためなど、梱包に適用するのに適している。
【0069】
検査法
厚さ:DIN53370
・接着剤なしでの支持体の厚さ
引張強度:DIN53455−7−5、長手方向
1%または10%伸長時応力:DIN53455−7−5、長手方向
破断伸び:DIN53455−7−5、長手方向
幅方向における衝撃靱性:DIN EN ISO8256:2004
・(3号試験片、挟持長さ30mm、振り子7.5J、1層、ヨーク30g)
幅方向における引裂伝播抵抗:DIN53363−2003−10
【0070】
不良度指標
フィルムはその不良モードに関して類別することができるが、この不良モードは、引裂伝播抵抗に関する品質基準としても援用することができる。
1.試料の裂け目が幅方向に容易に伝播し、ついには試験片が破断し全損する。これは、引裂伝播抵抗の判定に関しては最も不利なケースであると言える。
2.試料の裂け目が、当初は長手方向に伝播して、挟持用クランプまで達した後には、引裂強度に達すると、この検査方向に対して横向きに試料が引き裂ける。この引裂挙動は、フィルムの引裂伝播抵抗が高いことを示す指標である。
3.試料の裂け目が、当初は長手方向に伝播して、挟持用クランプまで達した後には、引裂強度に達すると、試料が長手方向に割れながら多くの個々の繊維へとばらばらに引き裂け、これらが最終的には幅方向に引き裂ける。この引裂挙動は、フィルムの引裂伝播抵抗が特に高いことを示す指標である。
メルトインデックス:DIN53735
・メルトインデックス「メルトフローレート」(MFR)は、DIN53735にしたがって測定する。メルトインデックスは多くの場合、ポリエチレンに関しては190℃および重量2.16kg時の10分間当たりのグラム数(g/10min)で提示され、ポリプロピレンに関しても同様だが、温度は230℃となる。
曲げ弾性率(曲げ弾性係数):ASTM D790A
接着技術データ:DIN EN1939に対応するAFERA4001
透明度:可視
【0071】
以下に本発明を例に基づき説明するが、これによって発明が制限されることはない。
【発明を実施するための形態】
【0072】

原料
Dow7C06
PPインパクトコポリマー、MFR1.5g/10min、無核、曲げ弾性率1280MPa(Dow Chemical)

TI−4007−G
PPインパクトコポリマー、MFR0.7g/10min、無核、曲げ弾性率1200MPa(Sunoco Chemicals)

Inspire D404.01
PPコポリマー、MFR3g/10min、曲げ弾性率2068MPa、有核(米国特許出願公開第2003/195300号(特許文献8)に対応すると称される)、晶子融点164℃(Dow Chemical)

Xmod GA265Z
ポリプロピレン中の20重量%の糊づけされた短ガラス繊維(Φ=12μm、L=250μm)、MFR0.3g/10min、無核、曲げ弾性率3200MPa(Borealis)

RTP100AR15
ポリプロピレン中の15重量%アラミド繊維(Φ=16μm、L=300μm)、曲げ弾性率2760MPa、無核(RTP Company)

Nyloy PC−0020N
ポリプロピレン中の20重量%炭素繊維(Φ=9μm、L=250μm)、無核、曲げ弾性率8140MPa(Nytex Composites)

Φ=平均繊維径、L=平均繊維長
【0073】
例1
単層フィルムは、柔軟なダイリップを備えたフラットダイを有する1軸スクリュー押出設備で1層に製造され、その後に、冷却ロールステーションおよび1段階ショートギャップ延伸設備が続く。原料としては、Inspire D404.01およびXmod GA265Zを混合比4:1で使用する。ダイ温度は230℃である。冷却ロール温度および延伸ローラ温度は、延伸工程の前および後のフィルムの結晶化度ができるだけ高くなるように調整される。延伸比は1:8.6である。
【0074】
フィルム特性
延伸後の支持体厚 80μm
1%伸長時応力 51N/mm2
10%伸長時応力 326N/mm2
引張強度 343N/mm2
破断伸び 11%
引裂伝播抵抗 3520N/mm
不良度指標 3.
衝撃靱性 幅方向 437kJ/m2
透明度 若干の曇り、無色、繊維はほとん ど見えない
:若干の曇りとは、タイプライターで一般的な大きさの文字がフィルム越しに判読できることを意味する。
【0075】
フィルムには両面ともコロナ前処理を施し、剥離剤としてPVSCの0.5%トルエン溶液を使用し表面を被覆し、乾燥させる。接着剤は、SISエラストマー42重量%、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル20重量%、環球式軟化点が85℃であるC炭化水素樹脂37重量%、および抗酸化剤Irganox(登録商標)1010 1重量%から成る融液中で混合され、150℃で、ノズルによってフィルム下面に塗布される。続いて接着テープはストックロールへと巻き取られ、さらなる検査のために15mm幅に切断される。
【0076】
接着技術データ
・スチール上での接着力 2.9N/cm
・0.3m/minでの巻き出し力 1.0N/cm
・接着剤塗布量 30g/m
【0077】
例2
フィルムは例1に倣って製造する。原料としては、TI4007−GおよびRTP100AR15を混合比3:1で使用する。延伸比は1:8である。
【0078】
フィルム特性
延伸後の支持体厚 80μm
1%伸長時応力 44N/mm2
10%伸長時応力 301N/mm2
引張強度 340N/mm2
破断伸び 12.5%
引裂伝播抵抗 3670N/mm
不良度指標 3
衝撃靱性 幅方向 384kJ/m2
透明度 若干の曇り、無色、繊維はほとん ど見えない
【0079】
フィルムには片面にコロナ前処理を施し、Primal(登録商標)PS83B(Rohm&Hass)で被覆し、乾燥させる。続いて接着テープはストックロールへと巻き取られ、さらなる検査のために15mm幅に切断される。
【0080】
接着技術データ
・スチール上での接着力 2.6N/cm
・0.3m/minでの巻き出し力 1.1N/cm
・接着剤塗布量 25g/m
【0081】
例3
Dow7C06およびNyloy PC−0020Nを3:1の比率で混合し、L/D比36の2軸スクリュー押出機でコンパウンド化する。結果として生じるコンパウンドは例1に倣ってさらに加工する。延伸比は1:10である。
【0082】
フィルム特性
延伸後の支持体厚 110μm
1%伸長時応力 42.6N/mm2
10%伸長時応力 283N/mm2
引張強度 368N/mm2
破断伸び 14.8%
引裂伝播抵抗 3450N/mm
不良度指標 3
衝撃靱性 幅方向 290kJ/mm
衝撃靱性 幅方向 若干の曇り、灰色がかっている、 繊維の集塊が認識できる
【0083】
比較例1(単層フィルム)
延伸比1:8のMoplen EPQ30RFから、ストラッピング品質の単層フィルムを製造する。接着テープへの加工は欧州特許出願公開第1101808号(特許文献7)の例1に倣って行う。
【0084】
検査結果
延伸後の厚さ 85μm
引張強度 長手方向 290N/mm2
10%伸長時応力 長手方向 169N/mm2
引裂伝播抵抗 90N/mm
破断伸び 35%
【0085】
比較例2(2層フィルム)
ドイツ特許出願公開第3640861号(特許文献9)では、例1が最も高い長手方向の引張強度および10%伸長時応力を有している。延伸比は1:7.5である。
【0086】
検査結果
延伸後の厚さ 85μm
引張強度 長手方向 215N/mm2
10%伸長時応力 長手方向 104N/mm2
引裂伝播抵抗 112N/mm
破断伸び 40%
【0087】
比較例3(フィラメント接着テープ)
市販のフィラメント接着テープの特性、ポリプロピレン支持体をガラス繊維で強化(例えば3M Scotch8981)
【0088】
接着剤層なしの厚さ 135μm
引張強度 長手方向 448N/mm2
10%伸長時応力 長手方向 5.5%で最大伸長
引裂伝播抵抗 1640N/mm
破断伸び 5.5%
【0089】
比較例5(共押出したフィラメントを備えるフィルム)
欧州特許出願公開第1101808号(特許文献7)では、例1が最も高い長手方向の引張強度および10%伸長時応力を有している。延伸比は1:8.7である。
【0090】
検査結果
延伸後の厚さ 77μm
引張強度 長手方向 231N/mm2
10%伸長時応力 長手方向 147N/mm2
引裂伝播抵抗
破断伸び 34%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム、特に接着テープ用のフィルムにおいて、
プロピレンの少なくとも1種のホモポリマー、コポリマー、またはターポリマー、ならびに繊維を含み、長手方向に1軸延伸されており、その際、延伸比が好ましくは少なくとも1:8、特に好ましくは少なくとも1:9.5であることを特徴とするフィルム。
【請求項2】
前記繊維が、麻、サイザル、アマ、バナナ、ココヤシ、パイナップル、アラミド、ポリアリーレート、ガラス、炭化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、玄武岩、または炭素から、好ましくはEガラスおよび織物用ガラスから成ることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記繊維が、少なくとも100μm、好ましくは少なくとも300μmの長さおよび/または4〜30μm、好ましくは9から16μmの間の平均繊維径を有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
【請求項4】
フィルムが、繊維を0.5〜10重量%、好ましくは3〜6重量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のフィルム。
【請求項5】
フィルムが、
少なくとも300N/mm2、好ましくは少なくとも350N/mm2、さらに好ましくは少なくとも400N/mm2の長手方向における引張強度、
少なくとも20N/mm2、好ましくは少なくとも40N/mm2の長手方向における1%伸長時応力、
少なくとも170N/mm2、好ましくは少なくとも200N/mm2、さらに好ましくは少なくとも300N/mm2の長手方向における10%伸長時応力、および/または
少なくとも1700N/mm、好ましくは少なくとも3500N/mmの幅方向における引裂伝播抵抗を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のフィルム。
【請求項6】
フィルムが、25〜200μm、好ましくは40〜140μm、特に好ましくは50〜90μmの厚さを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のフィルム。
【請求項7】
フィルムが、0.3〜15g/10min、好ましくは0.8〜5g/10minのメルトインデックスおよび/または少なくとも1000PMa、好ましくは少なくとも1500PMa、特に好ましくは少なくとも2000PMaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン原料を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のフィルム。
【請求項8】
フィルムが、両方の外側にある面の少なくとも1つに、晶子融点が150℃未満、好ましくは140℃未満のポリプロピレンポリマーまたはエチレン含有ポリマーから成る共押出層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のフィルム。
【請求項9】
フィルムが少なくとも1種の核剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のフィルム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載のフィルムの製造であって、
場合によっては、押出機内でポリプロピレンと前記繊維を混合するステップ
場合によっては、このコンパウンドを粒状化するステップ
押出機内で前記コンパウンドを融解するステップ
一つのダイを用いて融解物を吐出および成形するステップ
キャストフィルム押出成形法において、好ましくは冷却ロール上で、前記融解物をフィルムへと冷却するステップ
場合によっては、適切な延伸温度に温度調節したローラによりフィルムを加熱するステップ
ショートギャップ内でフィルムを長手方向に延伸するステップ
場合によっては、押出成形によって感圧接着剤層が既に施されていない限り、感圧接着剤で被覆するステップ
場合によっては、ロール状に仕立てるステップ
に基づく方法。
【請求項11】
包装用フィルムまたは結束用フィルムとしての、請求項1〜9のいずれか一つに記載のフィルムの使用。
【請求項12】
接着テープにおける支持フィルムとしての、請求項1〜9のいずれか一つに記載のフィルムの使用。
【請求項13】
特に梱包に適用するための、好ましくは、特に型抜き部の領域内で段ボール箱を補強するための、開封テープとしての、持ち運び用の取っ手としての、パレット固定のための、または結束のための、接着テープにおける支持フィルムとしての、請求項1〜9のいずれか一つに記載のフィルムの使用。

【公表番号】特表2011−511720(P2011−511720A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543460(P2010−543460)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050276
【国際公開番号】WO2009/092643
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】