説明

マット用滑り止めシートの製造装置と製造されたシート

本発明は、マット用滑り止めシートの製造装置及び上記装置によって製造される滑り止めシートに関する。本製造装置は、フレーム上に回転可能式に取り付けられて上記シートの片側表面に接触するベース・ローラと、上記ベース・ローラから予め決められた間隔で離隔配置されるようにフレームに回転可能式に取り付けられ、かつ上記シートのもう一方の面を圧縮するためにその表面上に形成された滑り止め副パターンを有するリセス(陥凹部)付き成形ローラと、成形部材とベース・ローラとの間に画定されるニップの予め決められた長さ内で成形ローラの少なくとも外周と接触するように配置され、かつシートの表面部分が貫通穴を通過して成形ローラの表面に接触するように主/副の滑り止めパターンの複数の貫通穴を有する成形部材とを備える。各副パターンは、幾つかの小突起と、連続する十字形またはX字形の断面とを有し、主パターンの各突起の少なくとも表面部分から突き出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マット用滑り止めシートの製造装置及び上記装置によって製造される滑り止めシートに関する。特に、本発明の滑り止めシートは、その成形領域に二重の滑り止めパターンを有する。
【背景技術】
【0002】
概して、マットは車両、家屋、船舶、飛行機または列車の内部の床上に敷かれ、また特に、その上に下地の不織布またはカーペット素材が貼り込まれた建物の玄関または廊下の床(以後、「床」と称する)の上に敷かれる。マットは、単一の材料で製造されても良いが、ここでは主として、概して外側に露出される上層の下地の不織布及びカーペット等のクッション・シートと、クッション・シートの下になって床に接触するベース・シートとを使用する。床に接触するベース・シート領域には、マットが床で滑ることを防止するための特定形状の突起が形成される。しかしながら、突起を成形するための従来の装置及び方法では、突起の端は鋭く角度付けされずに丸められ、よって突起は下地の不織布に対して卓越した摩擦力を保有せず、これにより望ましい結果を示さない。マットの滑り止め特性の向上に関しては、特に車両のマットについて幾つかの研究が実行されてきたが、今のところ満足のいく結果は得られていない。
【0003】
上述の問題点を解決する技法として、「底に突起を有するマットとその製造方法及び装置」と題する韓国公開特許公報2001年第105796号が公開されている。しかしながら、この装置及び方法は所謂ロートキュア装置、即ちヒートドラムを使用することにより超低速でシートを製造し、マット製品は日産約1.5kmしか製造されず、かつマット製品には第1の突起パターンしか成形されない。その結果、マット製品は卓越した滑り止め特性を保有しないという問題が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、本発明は前述の問題点に鑑みて行われ、本発明の目的は、車両内部、建物の玄関または建物の廊下の床に対するマットの滑り止め特性を強化するため、及び日産量を従来装置の約4乃至5倍に増大させるために、突起の端部における改善された鋭角性と突起の端部における突起の副パターンとを有するマット用滑り止めシートの製造装置を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、滑り止め特性を向上させかつ平均日産量を約6乃至8kmに増大することにより価格競争力を高めるために、円筒ローラにおいて滑り止め副パターンにより成形される突起の端部における突起副パターンを有するマット用滑り止めシートを提供することにある。
【0006】
本発明のさらなる目的及び優位点は、添付の図面に関連して行う以下の詳細な説明からさらに完全に理解されることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のある態様によれば、マット用滑り止めシートの製造装置であって、ロールに対して粘性及び圧延性を有する弾性非晶質樹脂等の原料を、計量しかつ混合するための混合ユニット10を備え、上記原料の例はスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、等々を含み、原料から異物を取り除きかつ原料を溶融するための押出機と、原料を混練するためのローラ対と、溶融された原料を圧延するためのローラを有する混練ユニット20と、混練ユニット20からの原料を予め決められた厚さと幅のシートに成形するための複数のローラを有するカレンダ・ユニット30と、カレンダ・ラインにおいてシートの片面に接触してラスタ(光沢)または所定のパターンを上記シート面へ付与するためにフレーム上へ回転可能式に取り付けられるベース・ローラと、その上に成形されたリセス(陥凹部)を有する成形ローラを含むエンボス・ユニット40とを備え、上記成形ローラはベース・ローラから予め決められた間隔で離隔されるようにフレーム上へ回転可能式に取り付けられる回転軸と、シートのもう一方の面と接触するための、その表面上に成形された滑り止め副パターンを有する円筒ローラと、冷却水を円筒ローラへ供給するために円筒ローラ内に配置される冷却水管とを含み、エンボス・ユニット40を介して積層されたシートを再度冷却するための冷却ユニット50と、積層されたシートを巻上げローラの周りに巻き取るための巻上げユニット60と、成形部材とベース・ローラとの間に画定されるニップの予め決められた長さ内で成形ローラの少なくとも外周に接触するように配置され、かつシートの表面部分が貫通穴を通過して成形ローラの表面に接触するように主/副の滑り止めパターンの複数の貫通穴を有する成形部材とを備え、これによりシートの表面部分は、貫通穴の端部を通過する間に貫通穴のそれより大きい平均幅の複数の主突起を成形し、主突起の各々の表面上には成形ローラの表面におけるリセス(陥凹部)の形状で供給される滑り止め副パターンによって小突起が成形されるマット用滑り止めシートの製造装置が提供される。
【0008】
本発明の上記好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置においては、上記シートはロール粘性及び弾性を有する非晶質樹脂製の成形可能なベース・シートを含み、上記ベース・シートはカレンダ・ラインにおける混合ユニット、混練ユニット及びカレンダ・ユニットによって予め決められた温度まで処理され、かつ上記シートはフレーム上にカレンダ・ラインから分離されて取り付けられる供給ローラを介してニップの方へ供給されかつベース・シート上に積層されるクッション・シートを含む。
【0009】
本発明の上記好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置においては、滑り止め副パターンが成形ローラの表面上に成形ローラの長手方向に沿って連続的な十字形またはX字形に成形され、滑り止め主パターンは互いに予め決められた間隔で離隔されかつ十字形またはダイヤモンド状の断面を有する複数の穴を含む。
【0010】
本発明の上記好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置においては、成形部材は、成形ローラの外周を包囲しかつリセス(陥凹部)を有する成形ローラの外周から僅かな隙間を保持すべく配置される円筒を含み、よって円筒は成形ローラと共に回転可能である。
【0011】
本発明の別の態様によれば、成形可能なベース・シートと、上記ベース・シートの片面上に積層されかつカーペットまたは不織布等の織物で製造される熱可塑性のクッション・シートと、上記ベース・シートのもう一方の面上に形成された幾つかの主突起を有する、ロールに対して粘性及び圧延性を有する弾性非晶質樹脂の順次的な混合、混練、カレンダ、冷却及び巻上げによって成形される主パターンとを備え、上記原料の例はスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、等々を含み、上記主突起の各々は上記ベース・シートの底面から予め決められた長さだけ突き出した十字形断面またはダイヤモンド状の断面を有する実質上均一幅の均一部分と、上記均一部分の平均幅より大きい幅を有する拡大部分とを含み、かつ各々が連続する十字形断面またはX字形の断面を有する幾つかの小突起を有する、または上記主パターンの各突起の少なくとも1つの表面部分から突き出した副パターンを備えるマット用滑り止めシートが提供される。
【0012】
以下、添付の図面に関連して、本発明の好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置を略示する概念図である。
【0014】
図1に示すように、本発明の好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置は、車両、家屋、船舶、飛行機または列車の内部の床上に敷かれ、また特に、その上に下地の不織布またはカーペット素材が貼り込まれた建物の玄関または廊下の床(以後、「床」と称する)の上に敷かれるマットの滑り量を最小限に抑えることを目的とする。
【0015】
製造装置100は、カレンダ・ラインの典型的なエンボス・ユニットから修正されたエンボス・ユニット40と、混合ユニット10、混練ユニット20及びカレンダ・ユニット30を含む先行プロセス・ユニットと、冷却ユニット50及び巻上げユニット60を含む後続プロセス・ユニットとを備える。
【0016】
混合ユニット10は、ロールに対して粘性及び圧延性を有する弾性非晶質樹脂等の原料を計量するための測定計器12を含み、上記原料の例はスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、等々を含む可能性があり、かつ上記混合ユニット10は、原料を任意の追加原料と共に混合しかつ混合された原料を予備的または一次的に混練するためのミキサ14を含む。
【0017】
混練ユニット20は、混合された原料を溶融しながら混合された材料からあらゆる異物を取り除くように機能する押出機22と、原料を二次的に混練するためのローラ24と溶融された原料を均一に圧延するためのローラ26のペア、とを含む。
【0018】
混合カレンダ・ユニット30は、混練ユニット20からの原料を予め決められた厚さと幅のシートに成形する、即ち最終製品の延伸特性を決定するための複数のローラ32を含む。
【0019】
エンボス・ユニット40は概して、カレンダ・ラインにおいてシートの表面にラスタ(光沢)または所定のパターンを付与するように機能する。しかしながら本発明によれば、エンボス・ユニット40はシート(特にベース・シート)の表面に滑り止め用のパターンを成形するように修正される。エンボス・ユニット40については、後に詳述する。
【0020】
冷却ユニット50は、ゲル化された製品を冷却し、これにより上記製品を凝固させるように機能する。冷却ユニット50においては、積層されたマット用シートが、内部に冷却水が供給されているローラ52を通過する間に冷却される。
【0021】
巻上げユニット60は、完成されたマット用シートを巻上げローラ62の周囲に巻き取るように機能する。
【0022】
図2は、図1に示したマット用滑り止めシート製造装置の好適な実施形態による重要部分(即ち、エンボス・ユニット)の拡大断面図である。
【0023】
図2に示すように、エンボス・ユニットは、シート供給ユニット110から供給される原料シート112の片面に接触するようにフレーム101(図4参照)上へ回転可能式に取り付けられるベース・ローラ120と、ベース・ローラ120から予め決められた間隔で離隔されるようにフレーム101上へ回転可能式に取り付けられかつその表面にリセス(陥凹部)を有する成形ローラ130と、ベース・ローラ120と共にニップN(図4参照)を画定するように成形ローラ130の外周に配置される成形部材140とを含む。
【0024】
シート供給ユニット110は、シート112を連続的に供給すべく機能し、シート112はニップNの方へ向かう間に予め決められた温度まで加熱される。シート112は成形可能な単一材料で製造されることが可能であるが、この実施形態のシート112は、ベース・シート114が成形可能式に予備処理されるカレンダ・ユニット30から供給されるベース・シート114と、ベース・シート114上へ積層されるクッション・シート116とに分けられる。ベース・シート114は、予め決められた延伸率を得るように、予め決められた温度条件下でカレンダ・ユニット30を介して圧延され、クッション・シート116は、クッション・シート116がクッション・ローラ118から解き出され得るように予め製造された不織布またはカーペット製のストック材である。
【0025】
図3は、図2に示した成形ローラと成形部材との分解斜視図であり、図4は、図2に示した成形ローラと成形部材との組立ての長手方向断面図である。
【0026】
図2乃至4に示すように、リセス(陥凹部)付き成形ローラ130は、フレーム101上に取り付けられる回転軸132と、回転軸132上へ一体式に取り付けられかつその表面上に成形された滑り止め副パターン134及び開端136と閉端138とを備える中空構造体を有する中空の円筒ローラ131と、冷却水を円筒ローラ131内へ供給するために円筒ローラ131内に配置される冷却水管133とを含む。冷却水管133を介して供給される冷却水は開端136を介して排出され、排出バケツ(図示されていない)で受けられた後に排出される。或いは冷却水管133は、冷却水排出口を備えた回転軸132内に配置される場合もある。
【0027】
滑り止め副パターン134は、図5A及び5Bに示すように、成形ローラ130の長さに沿って連続される十字形またはX字形で達成される。図3における成形ローラ130の表面は、図5Aにおける十字形の滑り止めパターンの一例である。
【0028】
図2乃至4を再度参照すると、成形部材140は予め決められた厚さを有する円筒形状である。成形部材140は、ベース・シート114の少なくとも一部の通過を許容するための複数の貫通穴142を有する。成形部材140は、貫通穴を有する成形ローラ130の外周から僅かな隙間G(図4参照)を保持し、成形ローラ130の外周を包囲しかつ成形ローラ130の回転と共に回転するように配置される。成形ローラ130にはリセス(陥凹部)または溝が装備され、リセス(陥凹部)及び隙間Gの双方は、ベース・シート114が成形部材140の貫通穴142を通過する際に周囲空気の流れを外側へ案内して吐出するための空間として作用する。成形部材140は両端を、特殊な溶接、成形ローラ130へのプレスまたは締付け部材(図示されていない)を介して成形ローラ130に固定されることが可能である。
【0029】
図6A及び6Bに示すように、滑り止めパターン144は、予め決められた間隔で互いに離隔された十字形またはダイヤモンド形の断面を有する複数の貫通穴で構成される。図3及び4は、断面がダイヤモンド形の貫通穴を示している。
【0030】
図2乃至4を参照すると、ニップNにおいて、ベース・シート114の表面部分は、滑り止め主パターン144の貫通穴142の両端を通過する間に貫通穴142の平均幅より広い幾つかの主突起152を成形し、滑り止め副パターン134は主突起152の表面に小突起154を成形する。
【0031】
以後、本発明の好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置の動作について説明する。
【0032】
まず図1に示すように、ベース・シート114は、混合ユニット10、混練ユニット20、及びカレンダ・ユニット30を通過する間に、予め決められた厚さ及び幅に成形され、かつ予め決められた温度まで加熱された後、エンボス・ユニット40のニップNの方へ連続して供給される。クッション・ローラ118から解き出されるクッション・シート116もまた、エンボス・ユニット40のニップNの方へ連続して供給される。
【0033】
回転している成形部材140とベース・ローラ120との間に働く力により、ニップNへ供給されるベース・シート114とクッション・シート116とは互いの上に積層されて積層シートを形成する。その間、ベース・シート114のクッション・シート116上に積層されない部分は、滑り止めパターン144の貫通穴142を通過する。貫通穴142を通過した後、成形ローラ130の外周上に形成されたリセス(陥凹部)及び成形部材140及び成形ローラ130の外周と成形部材140との間に保持される僅かな隙間Gを介する空気の流出に伴って、ベース・シート114の上記部分は空気の流れの方向に沿って延伸される。次いで、ベース・シート114の延伸された部分は、貫通穴142の平均幅より大きい平均幅を有する主突起152として成形される。
【0034】
成形部材140の貫通穴142を通過した後、ベース・シート114の上記部分は続いて成形ローラ130の表面上に形成された滑り止め副パターン134のリセス(陥凹部)へと導入され、これにより主突起152の表面に小突起154が成形される。成形ローラ130は、冷却水管133を介して成形ローラ130の内側へ供給される冷却水によって冷却されることから、主突起152及び小突起154を付与されたベース・シート114は、回転している成形ローラ130及び成形部材140に付着することなくニップNから離れる。積層されたシート150は、冷却ユニット50の方へ運ばれる。エンボス・ユニット40を介して積層されたシート150は冷却ユニット50によって再度冷却され、シート150の表面上に成形された滑り止めパターンがさらに硬化される。次いで積層シート150は、最終的に巻上げローラ62の周りに巻き取られる。
【0035】
図7A及び7Bは、マット用シートの製造装置によって製造された最終シート製品の表面、即ちベース・シート表面における滑り止めパターンの例を示す平面図であり、図8は、図7Aを拡大したものである。
【0036】
図7A乃至8に示すように、本発明の好適な実施形態によるマット用シートの製造装置によって製造されるマット用滑り止めシート150は、ベース・シート114の一面から垂直に突き出した主突起152を有する主パターン156と、主パターン156の突起152の表面から垂直に突き出した小突起154を有する副パターン158とを含む。
【0037】
主突起152の各々は断面がダイヤモンド形であり、ベース・シート114の底から予め決められた長さまで実質的に均一の幅Wで突き出した均一部分152aと、均一部分152aの先端に均一部分152aの平均幅Wより広い幅Wで成形された拡大部分152bとを含む。
【0038】
副パターン158は小突起154を含み、小突起154の各々は連続する十字形の構造体(図7A参照)または連続するX字状の構造体(図7B参照)を有する。
【0039】
従って、図8における滑り止めシート150を切断することによって形成されるマットが不織布製の底部上へ置かれると、主突起152の延伸された部分152bと副パターン158の小突起154とがマットと不織布との間の干渉を最大化し、これにより不織布からのマットの滑りが最小化される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明を、カレンダ技術を採用する本発明の特別な例示的実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置に関連して説明してきたが、マット用滑り止めシートの製造装置は前述の実施形態に限定されない。例えば本発明は、Tダイ・ラインまたはロートキュア・ラインにおける成形ローラへ変更されることが可能である。
【0041】
さらに、本発明のマット用滑り止めシートの製造装置は遅い動作速度を有するが、これは、高価なマットを製造するためのプレス装置に応用されることが可能である。
【0042】
先に述べたように、本発明のマット用滑り止めシートの製造装置は、成形ローラの表面に滑り止め副パターンを、かつ円筒ローラ上に主パターンを成形することによって、または成形ローラに接触しているベルトを形成することによってマット用シートを製造し、従来のカレンダ・ラインを凌ぐ生産性を保有する。即ち、上記マット用滑り止めシートの製造装置は、一日当たり約6乃至8kmまで向上された日産量を保有することができる。生産性が先行技術のそれの約4乃至5倍に向上されることは、理解されるべきである。さらに本発明は、最終シート製品の滑り止め特性を向上させるための、成形ローラの滑り止め副パターン及び成形部材の滑り止め主パターンを基礎とする様々な滑り止めパターンを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の好適な実施形態によるマット用滑り止めシートの製造装置を略示する概念図である。
【図2】図1に示したマット用滑り止めシート製造装置の好適な実施形態による重要部分の拡大断面図である。
【図3】図2に示した成形ローラと成形部材との分解斜視図である。
【図4】図2に示した成形ローラと成形部材との組立ての長手方向断面図である。
【図5】図3及び4に示した成形ローラの滑り止め副パターンを示す概念図である。
【図6】図3及び4に示した成形ローラの滑り止め主パターンを示す概念図である。
【図7】本発明の好適な実施形態によるマット用シート製造装置によって製造されたマット用シートの表面における滑り止めパターンの例の平面図である。
【図8】図7aを拡大したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット用滑り止めシートの製造装置であって、
ロールに対して粘性及び圧延性を有する弾性非晶質樹脂等の原料を、計量しかつ混合するための混合ユニット(10)を備え、上記原料の例はスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、等々を含み、
上記原料から異物を取り除きかつ上記原料を溶融するための押出機と、上記原料を混練するためのローラ対と、上記溶融された原料を圧延するためのローラとを有する混練ユニット(20)と、
上記混練ユニット(20)からの原料を予め決められた厚さと幅のシートに成形するための複数のローラを有するカレンダ・ユニット(30)と、
カレンダ・ラインにおいて上記シートの片面に接触してラスタ(光沢)または所定のパターンを上記シートの表面へ付与するためにフレーム上へ回転可能式に取り付けられるベース・ローラと、その上に成形されたリセス(陥凹部)を有する成形ローラとを含むエンボス・ユニット(40)とを備え、上記成形ローラは上記ベース・ローラから予め決められた間隔で離隔されるように上記フレーム上へ回転可能式に取り付けられる回転軸と、上記シートのもう一方の面と接触するための、その表面上に成形された滑り止め副パターンを有する円筒ローラと、冷却水を円筒ローラへ供給するために上記円筒ローラ内に配置される冷却水管とを含み、
上記エンボス・ユニット(40)を介して積層されるシートを再度冷却するための冷却ユニット(50)と、
上記積層されたシートを巻上げローラの周りに巻き取るための巻上げユニット(60)と、
上記成形部材と上記ベース・ローラとの間に画定されるニップの予め決められた長さ内で上記成形ローラの少なくとも外周に接触するように配置され、かつ上記シートの表面部分が貫通穴を通過して上記成形ローラの表面に接触するように複数の貫通穴の主/副の滑り止めパターンを有する成形部材とを備え、
これにより、上記シートの表面部分は上記貫通穴の端部を通過する間に上記貫通穴のそれより大きい平均幅の複数の主突起を成形し、上記主突起の各々の表面上には上記成形ローラの表面におけるリセス(陥凹部)の形状で付与される上記滑り止め副パターンによって小突起が成形される装置。
【請求項2】
上記シートは、
ロール粘性及び弾性を有する非晶質樹脂製の成形可能なベース・シートを含み、上記ベース・シートは上記カレンダ・ラインにおいて上記混合ユニット、上記混練ユニット及び上記カレンダ・ユニットによって予め決められた温度まで処理され、
上記フレーム上へ上記カレンダ・ラインから分離されて取り付けられる供給ローラを介して上記ニップの方へ供給されかつ上記ベース・シート上へ積層されるクッション・シートを含む請求項1記載の装置。
【請求項3】
上記滑り止め副パターンは上記成形ローラの表面上に上記成形ローラの長手方向に沿って連続的に十字形またはX字形に成形され、上記滑り止め主パターンは互いに予め決められた間隔で離隔されかつ十字形またはダイヤモンド状の断面を有する複数の穴を含む請求項1記載の装置。
【請求項4】
マット用滑り止めシートであって、
成形可能なベース・シートと、
上記ベース・シートの片面上に積層されかつカーペットまたは不織布等の織物で製造される熱可塑性のクッション・シートと、
上記ベース・シートのもう一方の面上に形成された幾つかの主突起を有する、ロールに対して粘性及び圧延性を有する弾性非晶質樹脂の順次的な混合、混練、カレンダ、冷却及び巻上げによって成形される主パターンとを備え、上記原料の例はスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、等々を含み、上記主突起の各々は上記ベース・シートの底面から予め決められた長さだけ突き出した十字形断面またはダイヤモンド状の断面を有する実質上均一幅の均一部分と、上記均一部分の平均幅より大きい幅を有する拡大部分とを含み、
各々が連続する十字形断面またはX字形の断面を有する幾つかの小突起を有する、または上記主パターンの各突起の少なくとも1つの表面部分から突き出した副パターンを備えるマット用滑り止めシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−513802(P2006−513802A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571351(P2004−571351)
【出願日】平成15年6月19日(2003.6.19)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001194
【国際公開番号】WO2004/095990
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(504425772)
【出願人】(504425783)
【Fターム(参考)】